木曜日のつぶやき7・クイズ番組 - ピックアップコラム

2012年2月16日 00時05分
 

 ある日の晩、テレビをつけたら「芸能界インテリ軍団クイズ大会」なるものをやっていて、どこかで見た顔のオバサン(失礼!)が出ている。よく見たら、ある私立大学の学長だった。

 今の民放テレビは「アナウンサーカラオケ大会」だの「オネエ対決」だの安直番組が目白押しだが、このクイズ大会というのも安直の極み。困ったことに、安直さが極まるほど視聴率も上がるというから、テレビ局はやめられないのだろう。

 以前は、「アホバカタレント」や日本語もしっかり読めない若手女子アナらに漢字の読み方などを出題して、珍解答が出ると大いに盛り上がるという趣向が多かったそうだ。

 ところが、最近の芸能界は一流大学を出たインテリが多くなり、問題もそれなりに“難問”が増えているとか。そんなインテリ芸人に対抗意識を燃やす大卒のパパママが、お茶の間で結構熱くなって解答の速さを競うんだそうです。その結果、視聴率もアップする。

 速く解答できるということは詰め込み教育の結果であり、「鎌倉幕府の成立=1192年(イイクニツクロウ)」といった方法で覚えた受験勉強の成果に他ならない。「知識は力なり」というが、まあ、知らないよりは知っている方がよいには違いない。

 しかし、「イイクニツクロウ」で終わっていたら、なぜ鎌倉幕府がこの年に成立したのかわからない。その結果、現在は定説になっている1185年成立説の理由もわからない。歴史を読み解く力にはならないのだ。

 だから、大学のトップがそんな番組に出るのはいかがなものか。大学というところは「イイクニツクロウ」を教える場所ではなく、「1185年説」と「イイクニツクロウ」を比較研究する場所ではないだろうか。いくら学生の数が減って、トップが人寄せパンダになって頑張らなければならないとしても、それで入学する学生は「イイクニツクロウ」どまりになるだろう。

 「なにをマジメくさってエラそうに」と言われそうだが、ちょっと考えればわかる話。教育者や研究者までテレビに迎合するのは情けない。「就職氷河期」とか言われながらも、企業が新卒学生を「厳選」採用するのもわかる気がする。 (庚)


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