イライラしたり、不安になったり…。私たちは、日々ストレスを感じながら生活しています。それらのストレスは、大きくならないうちに早めに解消しなければなりません。そこで今回は、ストレスを感じたときにすぐにできるリラックス方法をご紹介します。ストレスにはすぐに対処する癖をつけましょう出典:byBirth会社の上司、先輩、恋人、友人…。私たちは、様々な人と関わり合いながら生きています。そのうちに、気の合わない人が出てきたり、考え方の違いにイライラしたり、日常の中でストレスを感じる場面が出てきます。そのイライラは、我慢して放っておくと次第に大きくなって、どこかで爆発するしかありません…。そこで今回は、ストレスを感じたらすぐにできるリラックス方法をご紹介します。ストレスには、できるだけ早く対処する癖をつけておきましょう。1. 親指に冷たい息を吹きかける出典:byBirth幼い頃は、指を吸って安心感を得ていた私たち。実は、大人になっても親指を吸うことでイライラから解消され、リラックスできるのだとか。しかし、イライラしたときに指を吸うなんて、人前ではなかなかできませんよね…。そんなときは、親指に冷たい息を吹きかけてみて。親指を吸うのと同等のリラックス効果が得られるでしょう。なぜ親指に冷たい息を吹きかけるだけでリラックスできるのかというと、親指に流れる脈に秘密があることが分かりました。親指の脈は、冷気をあてることで少し遅くなります。そのため、イライラした気持ちが鎮まるのだとか。また、息を吐き出すことでリラックスしている可能性も考えられます。気持ちが高ぶったときは、息を吸うばかりで吐き出すことを忘れてしまっていることが多いのです。ゆっくりと息を吐き、心臓の音に意識を集中してみましょう。そうすることで、ストレスに対して自分がどれだけ反応しているかを冷静に見ることができるでしょう。2. 指の関節と関節の間を揉む出典:byBirth指の第二関節と第三関節の間を揉むことで、気持ちを安定させることができるといわれています。職場でイライラすることが起きたら、デスクの下で小さく指を揉んでみるとよいでしょう。さっそく試してみると、一時的ではありますが、確かにストレスより揉みほぐすことに意識がいくため不安感がなくなりました。また、手の温度を感じることで気持ちを落ち着ける効果も。しかし、イライラに任せて強く押したり、爪を食い込ませたりすることのないように注意しましょう。イライラに耐えるのではなく、あくまでもリラックスするためだということを忘れないで。3. アロマキャンドルを灯す出典:byBirthイライラした日は、自分の好きな香りのキャンドルを選んで帰りませんか?家に着いたら、お部屋を暗くしてアロマキャンドルを灯しましょう。良い香りと、ゆらゆら揺れる火が心を落ち着けてくれるはずです。アロマキャンドルは、香りだけではなくデザインも多様です。手作りする方法もあるので、お気に入りのキャンドルを用意するのもよいですね。キャンドルを灯したら、眠る前には必ず火を消しましょう。そのまま寝てしまう心配があるなら、火を灯すのは10分だけなど自分ルールを作っておくことをおすすめします。4. 「フラクタル」を眺める出典:byBirth「フラクタル」とは、自然界で出現するパターン化されたモノのことです。例えば、同じ動きを繰り返す海の波や、花びらの形、蜘蛛の巣など、基本的にはどこでも見つけることができるでしょう。フラクタルを眺めるだけで、驚くことにストレスを60%も軽減することができるのだとか。都会の喧騒に疲れたら、公園や海に出掛けて自然のフラクタルを探してみませんか?落ち着いた気持ちで明日に備えましょう出典:byBirthイライラしたまま朝を迎えると、その日はずっと嫌な気持ちで過ごす羽目に陥ります。そのため、できるだけイライラは当日に解消し、次の日は良い気持ちで過ごしたいものです。今回ご紹介した4つのリラックス方法の中でも、親指に冷たい息を吹きかける方法と、指の関節の間を揉む方法は今すぐ実践することができます。人と向かい合っているときにも試せる方法だと思うので、覚えておいてくださいね!ストレスを感じたら、まず心を落ち着ける簡単な方法を試してみましょう。ストレスの元とじっくり向き合うのは、その後でも遅くありません!
2018年06月28日小学校入学のタイミングで子どもの学習障害が明らかになることがあります。そもそも「学習障害」とひと言でいっても、その内容は様々です。学習障害とはどんなものなのか?改善するためにはどんな方法があるのかを探ります。学習障害を持っていても活躍をしている人は沢山います。子どもの将来を考え、子どのを育てる時なにが一番大事なことなのか、ママテナの記事から「学習障害」についてまとめました。●学習障害とは?学習障害とは、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、発達性協調運動障害というおもな4種類の発達障害のひとつです。「聞く、話す、読む、書く、計算する」など、特定の「学習」の基礎的な能力に困難を示す状態で「ただの勉強不足」と誤解されてしまうことも多いようですが、本の朗読でどこを読んでいるのかわからなくなるなどの詳しい症状です。▼続きはこちら▼●日本語では気が付きにくい「ディスレクシア」では学習障害はどのような状況で発覚するのでしょうか?その一つとして「小1プロブレム」があります。これは保育園や幼稚園から小学校への環境が大きく変わったタイミングで、小学校への不適応が見れらた事をキッカケに知能テストなどを受け、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害などと診断されるケースがあると専門家は指摘しています。▼続きはこちら▼●学習障害の疑いがわかるキッカケ小1プロブレムでは学習障害はどのような状況で発覚するのでしょうか?その一つとして「小1プロブレム」があります。これは保育園や幼稚園から小学校への環境が大きく変わったタイミングで、小学校への不適応が見れらた事をキッカケに知能テストなどを受け、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害などと診断されるケースがあると専門家は指摘しています。▼続きはこちら▼●学習障害改善のための方法発達障害と診断された場合、「療育」という障害をもつ子どもが社会的に自立することを目的として行われる治療と保育があります。医師の診察後、検査などでお子さんの状態を把握し、診断が出てから、作業療法士や言語療法士などによる訓練を療育センターで受けることになります。学習障害の対応は早い対応が大切です、学校に行ってもわからないことだらけになってしまい、だんだんと学ぶ意欲をなくし、「どうせ自分なんか」と自己評価も低くなってしまいます。中には学校に行きたくなくなってしまう子もいます。気になる事がある場合は、早い段階で相談し、子供の能力を伸ばしてあげたり、関わりを変えてあげた方が絶対にお子さんのためになる、と専門家は指摘します。▼続きはこちら▼●道具の利用学習障害を抱える子どもにとって黒板に書かれた事をノートに書き写すのが苦手な場合があります。このような場合、授業終わりに黒板をデジカメで撮影し、家でプリントアウトしてノートに貼る、などによって問題を解消する方法もあります。「できない」事を、道具の力を借りて「できる」ようにする方法にです。▼続きはこちら▼●学習障害をもった子どもを育てる一番大事なことアインシュタイン、トム・クルーズ、スティーブン・スピルバーグ、ジョン・レノンはディスレクシアでした。ミッツ・マングローブさんが「暗記が苦手だった」と告白しています。大きな功績を残してる人や第一線で活躍している人でも学習障害を持っている人はいます。学習障害を持った子供を育てる上で一番大事な事はなんなのか?専門家の意見です。▼続きはこちら▼
2018年06月11日「みんなが当たり前にできていることが自分にはできない」「ママ友とよく原因不明のトラブルになってしまう」…。発達障害が広く世間に認知されるようになり、「もしかして自分も?」などと感じている方も少なくないのではないでしょうか?そんな大人の発達障害(グレーゾーン含む)に悩む人のために、日常生活を上手に過ごすための具体的なノウハウを紹介したのが 「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本」 (翔泳社)。著書の村上由美さんは現在、言語聴覚士として活躍されていますが、実は4歳まで音声言語を話さなかったASD(自閉症スペクトラム)当事者です。そして、村上さんの旦那さんは、ASDに加えてADHD(注意欠陥・多動性障害)やLD(学習障害)の傾向もあり、大人になってからようやくそのことに気づいたそうです。そんな、当事者でもあり、家族でもあり、支援者でもある村上さんが、3つの視点から編み出した、発達障害の人が日々の暮らしがラクになるためのアイデアをうかがいました。お話をうかがったのは… 村上由美さん上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター(現・国立障害者リハビリテーションセンター)学院聴能言語専門職員養成課程卒業。重症心身障害児施設や自治体などで発達障害児、肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。現在は、自治体の発育・発達相談業務のほか、音訳研修や発達障害関係の原稿執筆、講演などを行う。著者に「声と話し方のトレーニング」(平凡社新書)、「アスペルガーの館」(講談社)、「ことばの発達が気になる子どもの相談室」(明石書店)、「仕事がしたい!発達障害がある人の就労相談」(明石書店、共著)、「発達障害の人が活躍するためのヒント」(弘文堂、共著)がある。■断捨離「モノが捨てられない」悩みを解決!――著書を読んで、「発達障害と長くつき合うのは、愛情じゃなくてスキルが必要」という言葉に「なるほど!」ととても納得しました。そのスキルをまとめたのが、本書というわけですね?村上由美さん(以下、村上さん):私は、かねてから、発達障害者の自立のカギは「時間、モノ、お金の管理ができること」と思っていて、最近ではそれに加えて「他人と協力できる場を持てること」「生き延びるための体力」も必要だと思っています。これらは、発達障害の人がこの三次元の世界で生きるための接着剤のようなもの。これらを介さないと、この世界の人やモノとは繋がれないので、それぞれの苦手項目を解決するためのスキルをまとめました。――今回はその中から、「モノの管理(片づけ)」についておうかがいします。というのも、発達障害グレー気味というママからは「片づけができない」というお悩みが圧倒的に多かったからです。村上さん:発達障害の人は、空間やモノへの捉え方が一般の人とは感覚的に異なるので、「片づけが苦手」という方がとても多いです。片づけについては、まず、自分にとってどういう状態が片づいているのかを明確にすることが大事です。例えば、ホテルのような整然とした部屋が良いのか、多少散らかっていても日常生活に支障がない状態なら良いのか、などというふうに。――確かに、人によって定義が全然違いますものね。でも、自分の片づけのイメージ通りに「モノを捨てられない(減らせない)」という悩みも多いようですが、これはどうしたら?村上さん:発達障害の人はモノの判断基準があいまいで、自分にとってのモノの役割を認識できていないため仕訳が苦手です。例えば、ADHDの傾向が強い人は、興味や関心に惹かれてつい使わないモノに手を伸ばしてしまいがちですし、ASD傾向が強い人は、そもそも片づけの意味や必要性を認識していないことや、人から押しつけられるとうまく断れず不要なモノが増えてしまうことも多いのです。発達障害の傾向が強い人は、自分の好みに合わないモノとつき合うのがそもそも苦手という特性を認識して、ある程度試してみて不要だとわかったら手放す覚悟が必要だと思います。――具体的な対処法としては?村上さん:まず、似たようなモノ同士をまとめます。集めたモノを比較すると、モノ本来の目的や自分の判断基準が明確になります。そこから不要なモノを間引きするのですが、判断に迷ったらいったん保留にし、モノ本来の評価と自分の感情を表などに書き出して整理しましょう。例えば、「使いにくいけど高価なモノ」は、モノ本来の評価は「使いにくい」、自分の感情は「高いから捨てるのがもったいない」になり、どちらが勝っているかがわかりやすくなるので決断しやすくなります。また、「〇〇したら使うかも」などと、条件つきで判断に迷うモノは、実際に使ってみることで結論がでます。例えば、「修理が必要なモノ」は「お金をかけて修理してまで使いたいのか?」「そこまでするのは面倒なのか?」で判断ができるはず。また、捨てるにはもったいないけど自分では使わないモノを処分するには、リサイクルショップや寄付などを利用するのが良いでしょう。 ■子どもの大量プリントやスケジュールはIT管理――家の片づけに加えて、子どもの片づけや学校の用意も加わって、お手上げ状態のお母さんもいたのですが、子どものモノの片づけはどうしたら良いでしょうか?村上さん:基本はどの片づけもだいたい同じなのですが、まず「この部屋で何をするか?」というルールを決めることが大事です。例えば、リビングは家族のパブリックスペースで、たくさんの個々人のモノが持ち込まれるので散らかりがちですが、「ごはんを食べる」「仕事をする」「勉強する」「遊ぶ」などと目的を決めると、だいたいの作業エリアが決まるので、そのために必要なモノを配置しやすくなります。子どもが勉強するなら、テーブル回りに筆記用具の引き出しや勉強本の棚を設置したり、それにまつわるモノが回る仕組みをつくります。また、子どもが片づけやすい状況になっているかも大事です。引き出しにラベルを貼って中身をわかりやすくしたり、きょうだい児がいる場合は棚を色分けするなど工夫しましょう。…とはいえ、子どもがいる場合は、そもそも整然としたホテルのような部屋を目指すのは難しいので、ある程度の妥協は必要だと思いますよ。――なるほど。また、子どもの片づけといえば、学校からの大量に配られるプリントの管理もありますが、こちらの対策は?村上さん:どんどんデジタル管理して、用済みの紙は捨てることです。紙情報は、処理して捨てるまでの流れを仕組みにしないと、どんどん積み重なって“地層化”になる一方ですよ。また、紙は検索できませんが、データなら検索できるのでとても便利。ちなみに、私はクラウド・サービス「 Evernote(エバーノート) 」を利用していますが、ほかにもプリント管理に便利なスマホのアプリなどたくさんあるのでぜひ検索してみてください。きょうだい児ごとにタグづけすれば簡単ですよ。また、IT管理は子どものスケジュール管理にも便利です。家族行事は、夫婦でGoogleカレンダーを共有し、子ども用には、プリントアウトしたモノを目につきやすいところに貼っておくことをおすすめします。子どもには、情報をITで理解するのはまだ難しいので、紙という具体化したモノで見せることが大事です。――スマホのアプリで管理するのは便利そうですね。村上さん:パソコンやスマホ、インターネットは、発達障害者にとっては三種の神器のようなもの。世の中のIT化により、社会の仕組みが発達障害の人たちが苦手とする三次元の世界から、得意な仮想空間の世界へとシフトしてきています。これらの情報機器をうまく活用すれば、生活の質を上げていくことができるでしょう。――ちなみに、ITオンチのお母さんはどうしたら良いでしょう…?(汗)村上さん:ITが苦手なお母さんは、トレイで管理することをおすすめします。目につきやすいところに「ママに渡すモノトレイ」を設置して、そこに子どもにプリントを入れてもらい、見たら即仕分けたり返事を書く、手帳やカレンダーに記入するというルールを決めましょう。また、子どもがちゃんとプリントを出せたら、たとえ内心、当たり前と思っていても、ちゃんと言葉に出してほめることが大事。できなかった時に叱るのではなく、できた時にほめることで、子どもにプリントを出す行動が定着します。■「お客様」意識のパパ、「私がやらなければ」意識のママ――なるほど。でも、いろいろお話をうかがって、これらを全部お母さんひとりでやるというのも大変ですよね…?村上さん:本当にその通りです。お母さんがやるのが大前提になってしまっていますが、これはお母さんだけの課題ではありません。協力して助け合うのが、家族の大事な役割なのですから。でも、日本の家庭は、たいてい奥さんが「プログラマー」になって細かくプログラムを組まないと、夫がうまく動いてくれないですよね(苦笑)。だから、「そんなの面倒くさくてやってられない!」と全部自分でやってしまうから、夫婦ケンカになってしまう。――おっしゃる通り(笑)。村上さん:私が思うに、多分、大半の夫は家庭に対して「お客様」感覚でいるのだと思いますよ。でも、夫は家族の一員なのだから、それは違いますよね? ですから、夫に家庭での「お客様」意識を改めてもらうことが必要です。そして同じように、お母さんも育ってきた環境や社会に求められて、家のことはすべて自分がやるものだと思いがちですが、そういう意識も変えていく必要があると思います。で、先ほどの、子どもができたらちゃんとほめるという話は、自分に対しても同じ。できて当たり前ではなく「できた私ってえらい!」と自分をきちんとほめてあげてくださいね。片づけや家事は「できて当たり前」と思われがちなうえに、消耗する行為が多いもの。でも、できて当たり前ではないこと、できたら自分をほめてあげる習慣をもつことで、自分自身にも片づけの習慣が定着するかもしれません。後編では、ママ友との「コミュニケーショントラブル」についておうかがいします。参考図書: 「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本」 (翔泳社)大人になってから発達障害の症状に悩む人が増加しています。ここ10年で「発達障害」の知名度が飛躍的に上がったことで、「もしかして自分も…」と成人になってから気づく人が増えたのが最大の要因と思われます。発達障害の人には、「同時並行作業力が弱い」「段取りが取れない」「ケアレスミスをする」「コミュニケーションが苦手」といった特徴があり、そうした症状に悩む人のために、上手に日常生活を過ごす方法を解説。イラスト/高村あゆみ取材・文/まちとこ出版社N
2018年05月24日入学や進学など、年度切り替えのこの時期は、障害があるなしに関係なく、親がナーバスになる時期。でも、発達障害のある子を持つ親にとっては、さらに頭を悩ませる時期なのではないでしょうか?通常学級、通級、支援級、支援学校…わが子が安心して楽しく通える環境はどこなのか? 親は、就学問題に長い時間と労力を費やし、時には夫婦で揉め心をすり減らしながら、やっとの思いでわが子にベストと思える居場所を決めます。でも、そんな親の努力をすべてひっくり返すような、無理解な担任の先生に当たってしまったり…。そんな思い悩むことが多いこの時期、再びNHK総合テレビで発達障害をテーマにした特番 「超実践!発達障害 困りごととのつきあい方」 が放送がされます。番組では、寄せられた約4000通の体験談から「感覚過敏」「忘れ物・片付けが苦手」「読み書き計算が苦手」「コミュニケーション」という代表的な4つのテーマを取り上げ、発達障害の当事者はもちろん、家族やその周囲がすぐに実践できる「対処法」「周囲への助けの求め方」などをできるだけ具体的に伝えていく。さらに、「困りごと」「周囲の無理解」からどうやって人生を好転させたのか、その転機をとなった方法や出会いを描くほか、栗原類さんをはじめ一般の発達障害当事者8人をスタジオに招き、一人ひとり微妙に異なる困りごとに対する対処法をトーク。「どうすれば困りごとに対処できるか」「どうすれば人生楽しくなるか」「発達障害の人とそうでない人が共存するにはどうすればいい?」などを生放送で話し合う。■「発達障害」に対する社会の認知は高まってきたけれど…ここ数年で、発達障害に対する社会の認知は高まって、園や学校ではずいぶんと理解が進んだように思います。でも、当事者や家族の目線から見ると、依然としてサポート体制が不十分で必要な配慮が受けられなかったり、相談したはずの困り事が放置されたままだったり、個々人の対応はまちまちだったり……まだまだ難しいと感じることが多いのが現実です。今回の特番担当プロデューサーからも、「これまで発達障害については何度も放送してきましたが、無関心層へのリーチはまだまだだと感じています。しかし、そうした層に届かない限り当事者の困り事は解決しないため、繰り返しを恐れず伝えたいとも思っています」とメッセージをいただきました。これ、まさに、その通りだと思うのです(冒頭でお話した、すべてをひっくり返すような無理解な先生がいることもしかり)。でも、みなさん、日々自分の生活でいっぱいいっぱい…。当事者や家族でない限り、「大変そうだけどよくわからない」とか「障害を言い訳にしてない?」などとスルーされてしまうのも仕方ないことなのかもしれません。■自分が生きやすくなるためには「相手のことを知る」が一番の近道そんな私も、息子が自閉症スペクトラムと診断されるまでは、「大変そうだけど、結局よくわからない」の人でした。障害について理解する前は、「親子でがんばればなんとかなる!」などと、ワケのわからぬ根性論で発達障害を改善しようとしていた時期もありました。そして、息子に無理強いをさせては、それが自分に跳ね返って、ますます自分自身がイライラしてしまう、そんな悪循環に陥っていました。結局、無理解は相手だけでなく、まわりまわって自分自身をも辛い状況に追い込んでしまうのです。私は、息子を通して、「基本的に人(子ども)を変えることはできない」という当たり前のことを改めて思い知りました。相手(子ども)に自分の価値観を強いることは、トラブルと双方のストレスのもと。喜びや苦しみは現実と期待とのギャップで生まれ、相手(子ども)にできないことを求める行為は、結果、自分に対するストレスを生むことになります。■「発達障害の人のため」ではなく、「自分自身のため」にちょっと変な言い方かもしれませんが、今回の放送、「発達障害の人がより生きやすくなるために」というような道徳的な視点よりは、むしろ、「自分自身がより生きやすくなるために」という自分視点で見た方が、より幅広い方々に響くのかもしれません。発達障害は、今や40人学級で2~3人の割合でいると言われているほど。子どものクラスメイト、親戚、会社、ママ友仲間にも、障害とまではいかなくても、グレーな方を含めれば「もしかして…?」と思われる方も少なくないでしょう。もはや避けては通れない問題です。「なんであの人は、いつもあんな嫌な言い方をするんだろう?」とか「どうしていくら説明しても、あの人には話が通じないんだろう?」など、あなたが苦手に思っている人との、上手な付き合い方のヒントが得られるかもしれません。また、番組で語られる、コミュニケーションが苦手な方や生きにくさを感じている方が、自身の人生を好転させるために編み出したノウハウには、私たちの生き方にも参考になるところがあるのではないでしょうか?今回、私は、息子のためではなく、自分のためという視点で、番組を見たいと思っています。文:まちとこ出版社N【NHK 発達障害プロジェクト】超実践! 発達障害 困りごととのつきあい方放送日時:2018年4月30日(月・祝)午前8:15~9:59 NHK総合テレビMC:中山秀征さん、近江友里恵アナウンサーゲスト:栗原類さん(「あさイチ」で自分が発達障害であることを告白)ほか、発達障害のご本人(一般の方)8人と専門家
2018年04月28日学童で出会った、アスペルガー症候群のあるDくん出典 : 保育や教育については素人で経験もない私が、学童クラブ(以下、学童)のアルバイトに採用され配属されたのは、学校の校舎内に併設された学童でした。アスペルガー症候群があるDくんも、学童を利用していました。Dくんは、学校では特別支援学級に在籍していましたが、教室を飛び出し、特別支援学級の先生と2人で過ごすことが多くなっていたようです。ですが、その先生とのコミュニケーションもうまくいっておらず、だんだん学校に行きたがらなくなっていました。学校や友達のことは好きだったので、学童には毎日のように通ってきていました。でも、自分をコントロールできなくて友達や先生に怒られることや、本当は楽しく過ごしたいのに思うとおりにならないことに、悲しみや戸惑い、悔しさが混じったような何ともいえない表情を見せることがよくあったのを覚えています。Dくんにまつわるトラブルにはこんなことがありました。・遊んでいても気に入らないことがあれば癇癪を起こす・掃除などの当番を嫌がり、ほかの子に怒られる・終りの会など集まらなければいけないときに脱走する・人に注意されると殴ったり噛んだりと暴力を振るうほかの学童にヘルプに入ることもあったのですが、「発達障害があるので、細やかに見守ってほしい」といわれる子どもの中には、Dくんと同じようなトラブルのある子もいました。Dくんがトラブルを起こして、ベテランの先生に「ちゃんと対処してください」といわれてもどうしていいのか見当もつかなかった私。なんとかしたいと思い、発達障害についての研修を受けに行きました。でも、話を聞いてもピンときませんでした。自分に発達障害があると知ってからは、「自分のこと」として本を読むためか、さまざまな知識をどんどん吸収できるようになりました。ですが、自分が当事者であることさえ気づいていなかった私には、目に見えない「人の気持ち」を理解するのはとても難しいことだったのです。結局、懸命にDくんに関わろうとしたものの、彼の神経を逆なでしてばかり。今から思えばまったく支援になっておらず申し訳ないことをしたと思っています。そのような私ですが、今、発達障害当事者として気づけたことや、学童で働いていた経験をもとに考えた対処法を、少しでも多くの支援者や保護者の皆さんに伝えたいと思っています。そこで、次にどのような工夫があれば、発達障害のある子ども達にとって学童がより過ごしやすい場所になるかについて紹介していきたいと思います。発達障害のある子が、学童でストレスなく過ごすための「4つの工夫」出典 : 地域によって学童の上限人数やシステムには違いがありますが、比較的共通した問題と、それに対してできる工夫について紹介したいと思います。学童によっては100人近く在籍していて、教室も2つに分かれているところもあります。狭い教室に60人近くがひしめき合うように過ごしている場合もあるのです。騒がしい環境が苦手で騒音で疲れてしまう発達障害の子どもにとって、情緒も不安定になりやすい環境といえます。利用者数や場所を変えることはできませんが、次に紹介するような工夫をすることで、疲れやすい子どもにとって少しでも過ごしやすくなるかもしれません。■一番子どもの多い15時半過ぎ(6時間目が終わって子どもたちが全員帰ってくる時間)の様子をのぞいてみることをおすすめします。あまりに騒がしいなら「イヤーマフ」などの使用を学童の指導員に相談されてみるのもいいと思います。Dくんも、騒音が原因のストレスが大きかったのではないかと思います。■どのお子さんでも人数が多いと集中して宿題に取り組むのは難しいです。段ボールを貼り合わせて簡易的なついたてをつくると、周りからの刺激を少し減らすことができます。試してみるといいかもしれません。■大人数の中で過ごすことに疲れた子のためのクールダウンスペースも必要かもしれません。家具の配置を工夫してつくることもできると思います。つい立てよりは、家具で仕切れたほうが、ほかの子どもが入ってくることも少ないのでおすすめです。こういう話をできるくらいの知識が、その頃の学童のスタッフにあれば、Dくんももう少し居心地よく過ごせたかもしれないと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。学校の時間割は日によって何時間目に終わるか違います。もちろん学年ごとにも違い、1、2年生だけで静かに過ごせる時間がある日、みんな一斉に6時間目が終わって帰ってくる日など、スケジュールは曜日ごとに異なります。それに加えて懇談期間や家庭訪問期間など特別な時間割もあります。さらに夏休み、冬休み、春休みはスケジュールが大きく変わります。見通しが立たないことを嫌う発達障害の子どもたちにはつらい環境とも言えます。「どうして今日はこんなに遊ぶ時間が少ないの?」と納得できないかもしれません。そこで、考えられる工夫はスケジュールの見える化です。■学年ごとに時間入りの絵カードをつくり、教室の見えやすいところに貼っておくと、見通しがつきやすくなります。発達障害のある子どもだけでなく、定型発達の子どもも落ち着くのではないでしょうか。アスペルガー症候群のある私の娘は、当番の仕事の手順が分からないことに困っていました。分からないから、うまくできずに怒られると、当番自体が嫌になるのです。学童でも、こうした困難に対して工夫することができます。■当番の仕事のルールはできるだけシンプルにし例外をなくすこと、やることを分かりやすくリストにするのです。リストは、親がつくってもいいと思います。■ついうっかり当番を忘れてしまう、楽しいことに気を取られてしまうと場合は、指導員の声がけや、できたときに褒めることが大切です。■当番の仕事の必要性を分かっていない可能性もあるので「どうしてその当番が必要なのか」理屈で教えるのも、効果があるかもしれません。Dくんの場合、特性や支援の仕方などをまとめた、サポートブックがあれば学童のスタッフも支援しやすかったと思います。情報はあればあるほど助かりますし、サポートブックのようにまとめていればスタッフ間で情報を共有しやすいからです。これから学童を利用する・利用している方には、サポートブックの活用をおすすめしたいです。「困った子は、困っている子」だから…出典 : 正直に言うと、以前の私は、Dくんのことを「困った子だなぁ」と思ってしまうことがありました。ですが、一番困っていて戸惑っていたのはDくんだったんだと今では思います。「困った子は、困っている子」という言葉があります。その子の行動の背景に何があるのか、どう手助けすればその子が楽になるのか、一人ひとりの子どもに対して必要なサポートができれば、きっと学童は障害のあるなしに関わらず、どの子ものびのびと過ごせるインクルーシブな場になるのではないでしょうか。放課後の子どもたちの居場所が、すべての子どもたちに保障されることを祈っています。
2018年04月22日「怒られた」「否定された」「なんだか不幸を感じる」、ストレスの原因はあげれば数限りないほど。ですがストレスほど心と体を傷つけ、美容どころか健康まで損なっていくものはなかなかありません。そんなストレスですが、やっつけるのではなく、変えていく技法で、うまく付き合っていくこともできるのです。ストレスを変える?ちょっとピンと来ないかもしれませんが、そもそもストレスってなんで感じるのかというところから考えて、ストレスを変える技法について、知っていきましょう。だがストレスは忘れがたいもの、それは人間の本能でもあるストレスは忘れがたいものです。それは人の本能とも関係があります。人には、嫌なことや危険を感じるようなことがあったら強く記憶しておかねばという本能があるのです。これは、今後そういった嫌なことや危険を避けるためのもので、それがストレスといった形でいつまでも引きずるという現象を起こすのです。ゆえにストレスを忘れるというのは、本能に立ち向かう行動です。ある意味自分をだまし、ネガティブな出来事をポジティブに変えていく必要があります。ストレスを引きずっていいことはないストレスは、引きずっていてもいいことはありません。当然ですが、嫌なことをずっと覚えておくことほど苦痛なことはないでしょうし、ずっと考えていれば、当然イライラして体や心にも悪影響を与え続けます。とはいえ、忘れろと言われても忘れられないのがストレス!引きずってしまうのが普通であり、仕方がないことなのです。でも、ストレスを感じるような場面でもポジティブに乗り切ったり、あまり引きずることなくうまく対処している「にこにこさん」はいるものですよね?あんな風になれるように、少しでも気持ちを変えていくための、「チェンジ」の技法。知っていきましょう。ストレスを別のものに変えていく「チェンジ」の技法3選!!ストレスはストレスとして、ネガティブに受け取るのではなく、何かポジティブなものに変えていくことができます。まずはその方法を3つ伝授しますので、「これならできる!」というものに、ぜひ飛びついてください。【思い出に変える】ストレス原因を過去形で考えるストレスを感じた原因、「嫌な思い出」を瞬時に過去形に変えていきましょう。どんな嫌な思い出でも、昔のこととなれば、わりとどうでもよくなったりしますよね?本当はついさっきあったこと、または今起きていることでも、即座に過去形で考えるように自分をだましましょう。「2分前に怒られた、イライラする」→「前に怒られたことがあったけど、そのおかげで気を付けられるようになった」のように、ポジティブに変えていくのです。このスピードが早ければ早いほど、ストレスを感じている時間は短くて済みますし、嫌な経験を乗り越えた経験として考えることができれば、ストレスではなく今後の糧とすることができます。この方法で、次々と起こる嫌なことを「過去の経験」にしていきましょう。最強のメンタルの持ち主になれそうですね。【いったん忘れる】心の棚を広く持ち、ストレスをちょっと棚に上げる嫌なことはいったん忘れましょう。反省は必要ですが、いつまでも後悔をしていることは、誰の得にもならないことです。心の棚を広く持ち、「嫌な出来事」はちょっと心の棚に上げて、何か楽しいことでも考えましょう。だって、いつまでもストレスを感じ続けていても悪循環ですから。自分に甘くなることも、悪いことではないのです。心の棚は広めにしておいた方が、ずっと生きやすくなりますよ。【消化する】ストレスによって休むことを肯定的にとらえる日本人は勤勉だなどと言われます。実際、休みにくい風土はあり、病気にでもならない限り休むということがないという文化は確かにあるかと思われます。休むにしても、旅行に行く、勉強するなど、何かしていなくてはいけないような雰囲気もあり、ただ寝ているという「真のおやすみ」に自分でも否定的になってはいませんか?ストレスを感じたら、ただひたすら寝て休むのも、立派な回復法です。休むことを肯定的にとらえましょう。無理に動かなくてもいいのです。とにかく休んで、ひたすら自分を甘やかしましょう。自分に優しくなければ他人にも優しくなれない!くらいの開き直りが大切です。自分なりの方法でストレスとうまく付き合っていこう自分なりの方法で、ストレスとうまく付き合っていきましょう。ストレスとうまく付き合えることも大人の証。ヒステリックにもネガティブにもならずに、ポジティブに変えていきましょう。
2018年03月23日毎日の生活で必ず溜まってしまうストレス。自分にはストレスはない!と思っていても、案外ほとんどの人がストレスを抱えているものなのです。発散できないまま自分の中に溜めこんでしまい、心身のバランスを崩してしまうなんてことになる前に、定期的に発散しなければなりません。そんなストレスを一気に発散できる方法についてお話ししたいと思います。涙を流す嬉し涙でも悲し涙でも、泣いた後ってスッキリしますよね。泣くことでストレスが軽減されるというのは、実際に多くの実験で立証されているといわれています。仕事でうまくいかない時や、何か悲しいことがあった時に涙が出そうになったら、我慢しなくて良いのです。泣いてしまった方がそのもやもやはスッキリします。感動系の映画やドラマを見て、意識的に泣く方法もストレス解消には効果的だといわれています。ストレスを感じている時は泣いてみると、涙で悪いものが出ていった気持ちになって、一気にすっきりしますよ。抱きしめる、抱きしめられるいわゆる“ハグ”には、1日のストレスの1/3を解消してくれる効果があるといわれています。好きな人とハグすることで、脳内に“ドーパミン”と“オキシトシン”という物質が放出されます。ドーパミンは幸福感を体に与えてくれ、オキシトシンにはリラックス効果があるといわれています。好きな人とハグしたときのあの安心感や幸福感は、実際に体に作用してストレスを軽減してくれるのです。自然にふれる心や体が疲れたときは、自然の豊かな地に足を運んでみてください。山や海、森林の豊かなところや夕日がきれいなところ、どこでもいいのです。自然が豊かな場所には、きれいで澄んだ空気や風が流れ、無駄な雑音がなく自然の音だけが耳に入ってきます。そして、山や森林に行けば、きれいなみどりに包まれていますよね。緑色には目を安らげる効果があるとされています。日々のせわしない環境から一旦離れて自然にふれるだけで、雑念がなくなり清々しい気持ちを体感できます。休日にショッピングや映画もいいですが、たまには無駄なものが何もない自然の環境に身を置いてみましょう。体を動かす毎日仕事などで忙しくて、なかなか運動をする時間を取れない方はとても多いのではないでしょうか?ストレスや疲れが溜まっているときは、あえて体を動かすのもおすすめです。運動をすれば汗をかきますよね。汗を流すことにはリフレッシュ効果があり、体の毒素が抜けてすっきりします。また、運動することによって神経伝達物質が増加して、心のリフレッシュにもなるのです。一見、運動の疲れでもっとストレスが溜まるのではないかと感じるかもしれませんが、運動には心身ともに幸福感とリフレッシュ効果を与える大きなメリットがあるのです。朝起きたら太陽の光を浴びる女性にとって日焼けの原因にもなる“日光”は敵だと思われがちですが、日光を浴びることは体にとっては非常にいいことなのです。太陽の光を浴びることによって、脳内にセロトニンという物質が放出されます。セロトニンには精神を安定させたり、何かへの意欲を倍増させる効果があります。朝起きてなかなか布団からでられなかったり、仕事へのやる気が出なかったりする方は、朝起きたらまず太陽の光を浴びてみましょう。気持ちが明るくなり、今日も頑張ろう!という気分にさせてくれます。うつ病の予防のためにも効果的だといわれているので、心身のストレスをコントロールするために習慣化してみましょう。ストレスと向き合ってうまく解消しよう人間ならば誰しも怒りや悲しみなどを感じ、知らぬ間にストレスが溜まってしまいます。そんなストレスとうまく向き合うポイントは、「溜まっても発散すればいい」、そして「溜まる前に発散してしまう」ということです。我慢や強がりでストレスが溜まりつづけないよう、定期的に発散する時間を自分自身でつくるようにしましょう。それが習慣化できれば、ストレスに強い体になるのではないでしょうか。ストレス発散のために、休日はショッピングをしたり、家で雑誌や漫画を読んでゴロゴロしたり、自分の好きなことをするのももちろんいいと思います。しかし、自分の心身の健康を保つためには、いつもと違う時間を過ごしてみたり違う場所に行ってみたり、そういった時間の使い方でリフレッシュして気持ちをつくってみるのも、きっと新鮮な気分になれてストレス解消にも効果的ですよ!
2018年03月17日ストレス社会に生きる私たちは、いつだってお疲れモード…。職場や家庭で、何かしらの悩みを抱えながら生きているのではないでしょうか?そんな今こそ「ストレスフリー」に生きるべき!ストレスフリーに生きるコツは、“ありのまま”を受け入れることです。自分のありのままを受け入れて、あなたの持つ魅力を上げましょう!悩みっぱなしの毎日にうんざりしていませんか?誰しも、大なり小なり悩みはあるはずです。そして、悩みのせいで常にイライラしながら過ごしていると、家族や恋人に八つ当たりしてしまうことも…。結局、自己嫌悪に陥るというスパイラル…。もう、イヤ!そんな今こそ、「ストレスフリー」に生きましょう!同じ毎日でも、少し視点を変えるだけでハッピーに過ごせるものなのです。ストレス社会で生きる自分をいたわりながら、魅力アップを狙いましょう!1. 100点でなくてもいいじゃない!いつでも完璧、100点満点を目指すのは今日で終わりにしましょう。完璧主義でストイックに生きている人は、確かにカッコイイし尊敬できるけれど、いつでも近くにいたいかと聞かれると…。ん~、ちょっと疲れてしまいますよね。もしあなたが、仕事も恋愛も人間関係もすべて完璧でありたいと考えているなら、一度心をリセットしてみて。満点のあなたより、合格点のあなたの方が不思議と魅力的に見えるものなのです。知らず知らずの内にまとっていた話しかけづらい雰囲気を捨てることで、リラックスしたあなたの元へ人が集まることでしょう!2. 他人の評価を気にしないこれをしたらどう思われるだろう?ここでは話を合わせておくべきかな…。そんな風にいつもびくびく他人の評価を気にするのは、一旦お休み。あなた自身の考えで動き、あなた自身の言葉で話してみましょう。自分のしたいことを我慢したり、言いたいことを飲み込んだりするのは、ストレスとして自分の中に溜まっていきます。そうしていると、その内に自分では抱えきれなくなって爆発するしかありません。自分をいたわる気持ちで、今まで抑えていた気持ちをほんの少しだけでも表してみましょう。周りの人は、あなたの新しい一面を知って魅力的だと感じるはずです。3. 苦手な人とは距離を置く誰とでも仲良く、楽しく過ごせたら、私たちのストレスはずいぶん軽くなるはずです。しかし、なかなかそう上手くはいきませんよね。どこに行っても、苦手なタイプの人はいるものです。苦手な人と一緒にいると、イライラしたり笑えなくなったりします。ここはスパッと割り切って、苦手な人とは距離を置きましょう。無理に話を合わせたり、我慢して一緒にいる必要はありません。もちろん、職場の人なら嫌でも関わらないといけない場合も出てきますが、それは仕事と割り切って!仲良しこよしでなくても仕事は進んでいくもの。苦手な人と距離を置くだけで、心がすっと軽くなることを感じられるはずですよ。4. 選択肢を減らす私たちは、さまざまな選択を繰り返しながら生きています。そして、選択肢が多ければ多いほど、決断することがストレスになってしまいます。どれを選ぶべきか悩んだときは、子どもの頃を思い出してみるとよいでしょう。欲しいもの、したいこと、楽しい方など、自分が望むものを選んでいたはずです。欲しいのか、欲しくないのか。やりたいか、やりたくないか。楽しいか、楽しくないのか。選択肢をシンプルにすることこそ、ストレスフリーに近づくコツです!5. ありのままを受け入れるあの子みたいに可愛かったら…あんな風に振る舞えたら…。大人になるにつれて「どうせ私なんて」と自分を蔑むことが増えてはいませんか?それでも、あなたはそのままで美しいということを忘れないで。自分のありのままを受け入れること。それには自分と向き合う勇気が必要です。まずは、今まで自分を納得させるためにしてきた言い訳を捨てて、ゆったりと構えることです。背伸びはやめて、あまり無理はしないように。ありのままを受け入れることで、求めるものや見える景色も変わってくるのです。6. 物事に白黒つけない何でも白黒つけなきゃ気が済まないようでは、素敵な女性にはなれませんよ。そういう生き方は、サバサバしているとか、自分の意志があるというのとはまた少し違うもの。世の中には、白黒つけるのが難しい物事が多く存在します。無理やり分類しなくても、グレーゾーンがあったっていい!むしろ、その曖昧さを楽しめるようにならなくちゃいけません。白でも黒でもなく、グレーもあるんだと広い心を持つことで、凝り固まった考えが溶け出してくるはずです。その内に抱えなくてもよかったストレスから解放され、柔らかい雰囲気をまとえるようになります。ストレスフリーに生きよう!今日明日でストレス社会から解放される、なんてことはありません。それでもここで生きていかなくてはならないのなら、こちらの意識を変えるしかないのです。できない自分も、苦手な人と上手く付き合えない自分も、受け入れてあげましょう。それは、諦めているのでも、サボっているのでもないのです。お疲れ気味の自分にムチを打つのは可哀想です。ゆるく、決して無理はしないで、ストレスフリーに生きましょう!そうしていると、自然と魅力も上がっていくのです。
2018年03月03日好きなことをしているとき、いつものストレスを忘れてそのことに没頭している♡日頃のストレスを忘れるには、好きなことをする時間が絶対必要♡「好きなことをする」は最高のストレス解消法です。好きなことを仕事に出来ると最高ですが、毎日できる小さな好きなことを見つけて、ストレスを明日に持ち越さないようにすることも、とってもいいことです♡「老けない」の秘訣はストレスを“溜め込まない”こと!老け込まない、いつまでも若々しさを保っている人の特徴のひとつに、「ストレスを溜め込まないこと」があります。愚痴を言っていても、最後はすっきりと終わりになったり、なんといってもストレスとの付き合い方が上手いのです。毎日のストレスを翌日に持ち越さないことで、自分を傷つけ、疲れさせる時間を最小限にとどめることができるのです。嫌な気持ちを抱えている時間を長くしていいことなんてありません。少しでも早くストレスを解消できるように、自分なりの解決法を見つけましょう。ストレスとうまく付き合うには、“好きなことを見つける”のが一番!ストレスを瞬時に解消することは難しいですが、自分なりの解消法を見つけることは有効です。別のことを考えて、そのストレスと向き合う時間を減らしたり、時間の感覚を自分なりにとらえ直してみて、少しでも早くストレスを過去のものにしてしまうのもよい方法です。ストレスは、それの原因と向き合っているその時に感じてしまうのは仕方ありませんが、時間がたつと薄れて忘れていきますよね。うまくストレスを過去のものにしてしまい、短い時間でストレス源から離れることができると、毎日のストレスをため込まずに済むのです。そのためには、好きなことを見つけるのが一番です。ストレスの原因を上回るくらいの、大好きなことを見つけて、それをやっていれば、好きなことに関わっていれば、ストレスなんて忘れてしまう!!そんな大好きを見つけましょう。ストレスとはうまく付き合っていけるようになる一番好き♡を見つけよう!好きなことはできれば気楽に、日常的に接することができるものがいいでしょう。咲くのが楽しみな梅の花や、自宅で育てているサボテンやエアープランツのような、気持を和ませてくれるものでもよいのです。そういったごく普通に存在するものを好きになり、癒されることで、ストレスとうまく付き合っていくことができるようになります。もちろん音楽やスポーツ、大好きな友達など、これといった制約はありません。お酒でもよいですが、飲みすぎには注意しましょう。体にとってもよいことであれば、余計に日々を快適に過ごすことができるようになるでしょう。自分の為に丁寧に料理を作る、家事を丁寧に行って快適な空間をつくる。そんなことでも十分ストレスは消え去っていくものなのです。日常の変化やちょっとした出来事のなかに好きを見つけられると◎日常生活の中に、好きやときめきを発見できるようになると、ストレスをため込みにくい生活が可能になっていきます。ちょっとした出来事にときめけたり、ストレスを感じたときに、穏やかな気持ちになれるものを見つけることができれば、毎日のストレスリセットに役立ちます。例えばチョコレートが好きなら、たまには自分へのご褒美に、ちょっといいチョコレートを買ってきて、美味しい紅茶やコーヒーを入れてゆっくりといただいたりすると、スーッとストレスが溶けていくことでしょう。または、非日常の空間にストレス解消を求めるのもよいでしょう。自宅近くのジムやエステのような空間で、思いっきり体を動かしたり、ゆったりとラグジュアリーな空間を楽しんだりすると、気持が穏やかになり、ぐっすりと眠れるようになります。とにかく自分にとって良い方法を見つけ、好きをもとにストレスを解消していくとよいでしょう。好きなことをして、うまくストレスを解消していこう!毎日好きなことをちょっとずつしていって、うまくストレスを解消していきましょう。好きなことをちょっとずつ増やしていくと、日々のストレス解消が上手になり、毎日が素敵に色づいていくことでしょう。また、時には無理せずしっかりとやすむ。自分の気持ちと向き合う時間をつくるなど、自分で自分を大切にしてあげてください。そうすることで、日々のストレスとうまく付き合っていくことができるはずです。
2018年02月12日仕事、恋愛、友人関係…。”普通”に生活しているつもりなのに、なんだかストレスを感じてしまっていることもありますよね。ストレス社会の今、あなたもお悩みではないでしょうか?今回ご紹介するのは、思わず「むっ」としてしまったときの対処法です。ストレスは美容にも悪い!ストレス社会を上手に生きるストレスが肌に悪いということを聞いたことがある人も多いでしょう。ストレスは実際に肌荒れやくすみなどの原因になります。また、生理不順や腹痛、不眠など、健康にまで影響を及ぼすことも。ストレスを感じると、その人の”弱い”部分に症状が現れるともいわれています。美容や健康にも悪いストレス。でも、このストレス社会でストレスを溜めずに生きる方が難しいと思いませんか?仕事や恋愛、友人関係と、ストレッサーとなり得るものはたくさんありますよね。それらを全て避けて生きていくのは現実的ではないでしょう。そこで、ストレス社会を上手に生きることが大切になってきます。よくあるのが、相手の言動に対して「むっ」としてしまうこと。たかが、と軽く見てしまいがちですが、それが積み重なると大きなストレスになってしまいます。小さなストレス要因から対処していくことが大切なのかもしれませんね。 ストレスを自覚すること、自覚しすぎないことストレスの感じ方には、主に二つのタイプがあります。まず、あなたはどちらなのかを把握しておきましょう。①ストレスを感じていることを自覚する溜め込むタイプの人にありがちなのが、これです。ストレスを感じていても「私がガマンして丸く収まるなら…」と思ってしまうもの。その場は”受け流す”といった方法で確かに丸く収まるかもしれませんが、あなたの心はどうでしょう。なんだかモヤモヤが残ってしまいませんか?そのモヤモヤ感を大切にしてみましょう。ガマンするのが”当たり前”になっていても、例えストレスだと思っていなくても、モヤモヤするのがあなたの正直な気持ちです。知らず知らずのうちに溜め込んでしまうと、いつか爆発してしまうかもしれません。心の病になってしまう恐れもあります。自分の気持ちに正直になって、向き合うのも大切ですよ。②ストレスだと自覚しすぎると、それがストレスになる激情型の方に多いのが、このタイプ。豊かな感情を表現できることはステキなのですが、”ストレスをストレスだと過度に感じやすい傾向”にあります。「むっ」としたことやイライラ感を無意識に表現することで、「私はストレスを感じているんだ」と思わせてしまうのです。それが重なると、ストレスをたくさん感じているという思いに対してストレスを抱いてしまいます。怒りや悲しみなどの”負の感情”を表現するのは大切なことですが、時間が経つと後悔してしまうということがありませんか?”負の感情”をやみくもにぶつけるというのは、自分にとっても良くないのです。こういったタイプの方は、「むっ」としたときにひと呼吸置くのがオススメ。「私はなぜこんなに怒っているのだろう?」「私はなぜ今こんなに悲しいのだろう?」と、冷静に自問自答してみるのが良いかもしれません。 ストレス社会と上手く向き合うには、自分と上手く向き合うのが大切!①”適度に、冷静に”を大切にしよう上記のどちらのタイプでも、”適度さ”が抜け落ちています。ガマンするのも、やみくもに”負の感情”をぶつけるのも良くありません。誰かの言動に「むっ」としたときは、冷静に話し合うという姿勢を心がけましょう。ガマンしても解決になりませんし、”負の感情”をぶつけてもケンカになるだけですよね。「私はなぜこういった気持ちになっているのだろう?」と心の中の自分に聞いてみて、気持ちを整理することが大切です。その上で、相手に自分の気持ちを伝えるようにしてみましょう。②考え込みすぎないこと「むっ」としてしまったとき、ついついその出来事に関して固執してしまいがち。でも、そのことを考え続けること自体がストレスになっているのです。問題が起こってしまったときに解決へ向かって考えるのは必要ですが、ときには休憩をはさむことだって大切なはず。あなたは頑張りすぎていませんか?考え込むと、”負の感情”を引きずりかねません。ストレスを解決しようとして悪化させていた、なんて事態は避けたいですよね。あまり固執せず、気楽さを持つようにしてみましょう。③自分なりの発散方法を見つけるそして、ストレスは溜め込まずに発散すること。これはよく言われることですが、上手い発散方法を見つけられていない人も多くいらっしゃるのでは、と感じます。ストレス発散法としてさまざまなものが挙げられていますが、それを真似したからといって必ずしも発散できるわけではありません。あなたに合った発散法を見つけましょう。ストレス発散方法を見つけるには、好きなことをしてみるのが近道。身体を動かすのが好きであれば、興味のある運動にチャレンジしてみましょう。人と話すのが好きであれば、女子会を提案するのも一つの手段ですね。良い香りが好きな方はアロマを焚いてみて。筆者の場合は、ひとりカラオケです。運動がストレス発散に良いと言われても、筆者は極度の運動音痴。無理に運動してみた時期もありますが、逆にストレスが溜まる一方でした。カラオケが好きなので、練習も兼ねてひとりで行ってみたのですが、これが良い発見になりました。気兼ねなく歌えるのでストレスが溜まったなぁと感じたらカラオケに行くようにしています。 ストレスを感じたときの対処と、その後のケアを大切に「むっ」としてしまったときは、まず冷静になってみましょう。ガマンのしすぎも、すぐに相手にぶつけるのも良くありません。自分と向き合って、気持ちを整理してみましょう。そうしてその場は冷静に対処していくのが大切です。そして、定期的にストレスを発散するようにして。好きなことから始めてみると、案外上手な発散法が見つかるはず。そうしてセルフケアしてあげましょう。いつも頑張りすぎてしまうあなただからこそ、心も大切にしてあげてくださいね。そうすることが、美容や健康にもつながるのです。
2018年02月06日発達障害の子育てママの座談会で、よく話題にのぼるものの一つに、夫の無理解や無協力があります。「無」とまではいかなくても、子どもの障害をなかなか認めようとしなかったり、療育や児童精神科などに行くことに乗り気ではなかったり、というお父さんがどこにも一定数はいるようです。そんな時、知ったのが一般社団法人「発達障害ファミリーサポートMarble(マーブル)」。発達障害児とその家族を支えるため、発達障害の正しい理解のための講演活動や、発達障害児を持つ家族のための相談支援活動などを行っている団体です。代表理事の国沢真弓さんは自身も、高校生になる自閉症児の母であるため、「当事者家族」の視点からのお話にはとても説得力があり、温かみのある方です。また、本業がアナウンサーであるため、周囲への「伝え方」のアドバイスは、なるほど! と深く納得できるものです。そんな国沢さんに、発達障害の子育てに協力的ではないお父さんや、育児に口出ししてくる祖父母への対策法をうかがいました。■発達障害はグレー診断な子ほど夫の理解が得られにくい――発達障害の子育てにおいて、ママの間でよく「夫が子どもの障害を認めてくれない」とか「夫が育児に協力的じゃない」という愚痴を聞くのですが、国沢さんの周囲でもこういった相談は多いですか?「今まで、保護者の相談を約500名ほど受けてきましたが、そのうち半数以上が、知的に遅れのない発達障害児(通常の学級に在籍して通級や校内特別支援教室などを利用しているようなお子さん)のお母さんからの相談です。その中で、夫の無理解や無協力という相談はとても多いですよ」――発達障害はグレー診断なほど、夫の理解が得られにくいというわけですね。「子どもとの会話が成り立たなかったり、説明しても理解できなかったりすれば、お父さんも『うちの子、何かある?』と思わざるを得ませんよね。でも、例えば、週末に家族の中だけで接していて、会話もほぼ成り立っている程度だと、たとえ外で問題行動があったとしてもお父さんにはなかなか、わかりません。『これくらい、男の子だったら当たり前じゃん?』とか『俺も昔そうだったよ』『個性だよ』という一言ですまされたり、ひどい時には『お前は、なんでそんなに障害児にしたがるんだよ!』なんてお母さんが怒られてしまうこともあるそうです」――障害と個性の線引きは、専門家でも判断が難しいと言われていますものね。では、知的に遅れがない発達障害のケースでは、ほとんどのお父さんは、わが子は問題ないと思っているのでしょうか?「いえ。私は、お父さんも本当は薄々わかっていると思いますよ。『なんでこんなに育てにくいんだろう?』とか『なんでこんなに癇癪がひどいんだろう?』という違和感は持っていると思います」――そうすると、わかっているのに認めたくないということ?「私がいろいろ相談を受けてきて思うに、男の人はとてもナイーブなんです。その点、女の人はとてもたくましいですね。もちろんお母さんだって、わが子の障害が判明した時はショックを受けて泣いたり悲観したりはします。でも、いろいろなところに相談して発散したり、専門家に助けを求めたりして、お母さんはさまざまなことを学びます。そうやって子どものことを苦しみながらも少しずつ受容し、子どもへの接し方もどんどん上手になり、プクプク…と浮上していくことが多いのです。一方、お父さんは、お勤めの関係などで、子どもと一緒に過ごす時間が物理的にとれないケースが多いため、専門家やドクターと接する時間もなかなかとれないまま、子どもに障害があるということを認める機会を逃してしまいがちなんです」■子どもが大きくなった時こそ父親の出番――お母さんはどんどん学んでいく一方で、お父さんは置いてきぼりになりがちなのですね。「夫婦で子どもに対する意識もスキルもどんどん離れていき、お父さんは家族の中で孤立してしまう…といった悩みを、お父さん自身から聞くことも多いんですよ。さらに、追い打ちをかけるように、一緒に過ごす時間が多いきょうだい児も、お母さんと一緒にどんどん学んでいくから、気がついたらお父さんだけがポツ~ン…って。でも、お父さんには、『お父さんにも教えて』と素直に言えないプライドがあるんですよね(苦笑)」――そうなると、お母さんは「じゃあ、もういいわよ! 私が全部やるから!」となるか、「この人にはもう期待しない」とコミュニケーションをあきらめちゃいそうですね…。「ただでさえ、お母さんは子どものことでいっぱいいっぱいなのに、夫にまで配慮していられない! という気持ち、よくわかります。でも、子どもが大きくなった時のためにも、ここはなんとかお父さんを積極的に子育てに巻き込む機会を早期にどんどん作った方がいいと思います」――子どもが大きくなった時のため、というのは?「発達障害というのは、男の子の割合が非常に多いのです。男の子の場合でも、小学校低学年くらいまでなら、お母さんの力でも主導権をにぎることができます。そのため、この時期ならば、お母さんのペースで日々の暮らしを仕切っていくことも、なんとかできるのです(まぁ、子どものタイプにもよりますが…)。でも、高学年くらいになると、お母さんが主導で物事をやっていくには限界があります。だって、男の子のトイレやお風呂に、高学年になっても一緒について行くわけにはいかないでしょう? その他、進路の問題や、思春期特有の難しい問題も出てきます。そうした時に、お父さんの出番となるのです。でも、急にその年齢になって『お父さん! お願いします!』と言っても無理なので、早い段階からどんどん子育てに巻き込んだ方が後々のために良いと思うのです」――なるほど。確かに健常児だって、男の子の思春期対応法は、お母さんには難しいですものね。では、夫を積極的に育児に参加させるには、具体的にはどうしたらいいのでしょうか?「大事な局面には必ず連れて行って、夫を頼る姿勢をみせてみてはどうでしょうか? 例えば、小児科や療育の面談など、ここぞ! という時は絶対に同席してもらうようにして、『あなたがいないと場がしまらない』とか『あなたがいないとちょっと心細い』とか頼ることで、男の人のやる気を引き出したり」――お母さんがお父さんのやる気をうまく引き出すということですね。「大事な局面に夫婦2人で参加した方がいいのには、別の理由もあります。例えば、一人でドクターへ面談に行った場合、聞くこと、答えること、話を受け止めること、書き留めること、即座に判断すること、これ、全部お母さん一人がやらなければならなくなります。専門家の時間は限られているので、いろいろ言われてワーッと終わっちゃうと、家に帰ってきた時に『あれが言えなかった』『これが聞けなかった』と不完全燃焼で終わり、悶々としちゃうことも多いのですよね。その点、2人いれば、お父さんが質問している間に大事なポイントを書き留めたり整理したりできるし、状況を客観的に見ることもできます。もちろん、直接先生と会って話すことで当事者意識が育つので、お父さんのためにもなると思います。そういう状況を作るのが、難しいご家庭もあると思いますが。可能なら…ということです」 ■疲れたり迷ったりしたら…心強いペアレント・メンターの存在――非協力的なお父さんを育児に巻き込むには、お父さんをわが子が集団にいるシーン(例えば、園や学校の普段の様子やイベントなど)に積極的に連れていくのが良いと聞いたことがありますが、どう思われますか?「お父さんは、集団の中にいるわが子の姿を見る機会が少ない方も多いので、理解をうながすには良い方法だと思いますよ。ただ一つ落とし穴があって、男の人って実はナイーブなので、集団の中で、わが子とほかの子どもとの違いを目の当たりにして、ガーンとショックを受けて落ち込んじゃうケースもあるんですよ。で、その後、お母さんがいくら誘っても、園や学校に行くのを避けるようになってしまった、そんな相談を受けたことも、たくさんあります」――すでにさまざまなことを乗り越えてきたお母さんとしては、「傷ついてる場合じゃないでしょう~!」と思ってしまいそうですが…。「お気持ち、よくわかりますよ(笑)。でも、男の人はそういう生き物と割り切って、『パパもショックだったよね。私も初めて見た時はショックだったんだよ』と寄り添いつつ、『うちの子みたいな子が落ち着けるように、こんな療育があるみたいだよ。一緒に見学行ってみない?』という感じに、だんだん専門領域の世界に引き込んでみてはどうでしょう?お母さん、大変ですね!(笑) たとえば、理論で入る男の人には、専門書をさりげなく渡してみるのもいいかもしれません。そういう方法で、実際に夫が協力的になったというご夫婦もいましたよ。――なるほど。専門書から理解を促すのは良い方法かもしれませんね。「お母さんは本当に大変だと思います。でも、これは大きくなった時に返ってくる「保険」だと思ってあきらめないで、早い段階から協力的な夫になってもらえるよう働きかけてほしいです。ここでガツンと切っちゃうと、夫婦関係が険悪になってしまったり、離婚という選択にもなりかねません。そういった例も、たくさん見てきました。逆に言うと、お父さん役も担っているシングルのお母さんは、大変な負担のなか、とても頑張っているんです。本当に、身体が心配です」――発達障害の子育てにおける、お母さんの負担はとても大きなものなのですね…。「そうですね。でも、しんどい時は、どんどん専門家に頼りましょう。もちろんママ友や先輩ママに頼るのも良いけれど、私は専門的な訓練を受けたペアレント・メンターをおすすめします」――ペアレント・メンターって何ですか? 「ペアレント・メンターとは、自分自身も発達障害の子育てを経験し、さらに相談支援に関する一定のトレーニングを受けた親のことです。私も資格を持っているんですよ。2010年から、厚生労働省もメンターの養成に力を入れています。発達障害の子育てに関する悩みや相談を抱えた親に対して、気持ちに寄り添い、その親にとって必要な情報(病院、療育、学校、福祉サービス、地域の情報など)を提供したりしています」――実際に発達障害の子育てをしている方だと、専門家とはまた違った安心感がありますね。「発達障害児の子育てでは、すべての情報が親に集中します。しかも、情報は多岐に渡ります。療育機関の専門家、医療機関のドクター、心理士、作業療法士、園や学校の先生、療育ママ友、家族、親せき、近所の人…いろいろな人から『ここが良いわよ』『これをしたら良くないわよ』という情報が、すごい勢いで入ってきます。そこから、親はわが子に必要なことを取捨選択するわけですが、そのプロセスは想像以上に大変です。ペアレント・メンターは親に寄り添い、一緒に情報を整理し、今後の道を一緒に考える役割を担うので、とても心強い存在になると思いますよ。同じ仲間として、先ほどお伝えしたような、お父さんへの上手な接し方などもアドバイスしてくれます。ストレスがたまったり、子育てに疲れてしまったら、こういった専門家に頼るのも手だと思います」■祖父母世代には、「専門家の意見では…」で対応――周囲には、義理両親(もしくは自分の両親)の子育てへの口出しに悩んでいるお母さんもいましたが、祖父母関係の相談は多いですか?「10年前くらいはとても多い相談でしたが、最近は少し減ってきたように思います。逆に、孫のことを理解しようと講習会に積極的に参加したり、自分も何とか役に立ちたいという祖父母の方も増えてきました。とはいえ、まだまだ『そんな子育てだから、子どもがワガママになるのよ』とか『もっと、こうしてみたら伸びるんじゃないの』とか、ひどい例では『うちの家系には、こんなことをする子はいない』といったことを言われてしまうことも残念ながらあります。そんな時は、大変つらいと思いますが、すべてキッチリ理解してもらおうと思わず、上手に受け流して、別のところでストレス解消をしましょうね。自分たちより長く生きて、自分のスタイルを確立している人たちの認識を変えることは、とても大変です。ただ、言われっぱなしも悔しいので『専門家に相談してすすめていますので見守ってください』などと、自分たちも自己流ではなく、ちゃんと考えて子育てしている、ということはアピールしておくといいかもしれません。で、ほかのところで毒を吐く(笑)。同じ思いをしている仲間は、意外にたくさんいますよ」――ちょっと極端な話ですが、お姑さんのちょっとした子どもへの体罰に悩んでいるお母さんもいました。良くないことをすると、手をつねって教えるという。「お嫁さんが『嫌だから止めてください』という言い方をすると角がたつから、専門家の名を借りてみてはいかがでしょう。たとえば、『専門家から、そういうことを続けるとほかの子に暴力をふるうようになるって聞いたんです』などと伝えてみるとか。もちろん、ただの『嘘』になってはいけないので、専門家にも、その件を相談してみる。『義理の母が、しつけと称して子どもの手をつねるんですけど、こういうことを続けていると、この子がほかの子をつねる可能性もありますよね?』と聞いて『可能性あるね』と言われたら、それを『お墨付きのアドバイス」』にする。専門家の意見と言えば説得力が増すので、さすがのお姑さんも自制するのではないでしょうか?『伝え方の工夫』、これは、発達障害児の子育てで、とても必要な力だと思います」――確かに、「専門家の意見では…」という言葉は効果ありそうですね。「私は、これを学校の先生対策にも利用していますよ。例えば、生徒を大きな声で叱る先生がいて、それが怖くて、指示されても全然動けなくなった子がいるとします。そんな時、『児童精神科の先生に相談してみたら、大きな声がすごく苦手みたいなので、席を後ろにしていただけませんか? もしくはイヤーマフをつけさせてもいいですか? このままだと学校に行けなくなって不登校になる可能性もあると言われたんです』というふうに。親が『大きな声で叱るのはやめてください』とだけ言うと、ただのクレームみたいに思われてしまうけど、専門家の指示であれば対応せざるを得ないでしょう。周囲を上手に説得したい時は、専門家の意見を上手に借りるのも一つの手だと思いますよ。『伝え方』を工夫をすれば、双方の関係は悪化せず、子どもの状況が改善される…そんなケースを、私はたくさん見てきました。こうして見てくると、お母さんには、たくさんの力が要求され、本当に大変ですが(涙)、一緒に励まし合って、乗り越えていきましょうね!国沢真弓さん プロフィールフリーアナウンサー、自閉症スペクトラム支援士、一般社団法人 「発達障がいファミリーサポートMarble」 代表理事<役職>ペアレント・メンター、三鷹市相談支援事業「ママサロン」相談員 、三鷹市知的障害者相談員、三鷹市発達障害児親の会「モンブランの会」会長、社会福祉法人「清陽会」評議員、児童発達支援施設「すこっぷ調布」アドバイザー、三鷹市教育支援推進委員会委員。<経歴>都立新宿高校、聖心女子大学文学部歴史社会学科を卒業。富士通株式会社を3年勤務後、アナウンサーに転向。NHKテレビ「きょうの料理」「婦人百科」の進行を約10年務めたほか、多数のテレビ・ラジオ番組に出演。海外特派員、番組企画構成も担当。ナレーション・司会は各500回以上務め、厚生労働省主催「世界自閉症啓発デイシンポジウム」の総合司会を毎春担当。「3歳までの子育ての裏ワザ」「こんな時どうする?子どもの友達・親同士」(PHP出版)など共著多数。<現在の活動>一般社団法人「発達障がいファミリーサポートMarble」代表理事として、「発達障害」や「伝える力UP」といったテーマでの講演を、全国で行っている。また、「ペアレントメンター」として保護者や支援者の相談に応じるほか、障害児の家族が気軽に参加できるイベントやお喋り会の開催等を行い、家族の元気を応援している。(詳しくはホームページをご覧ください)。取材・文/まちとこ出版社N
2018年01月14日「ストレスは美と健康の最大の敵」と言うけれど、現代社会においてストレスを感じないことは不可能。では、美を守るためには、どのような形で、それらと向き合えば良いのでしょうか。“ストレス”は美を多方面から脅かす肌荒れ・太る・白髪・免疫の低下・・・挙げたらキリがないほどストレスは、肌荒れや暴飲暴食による肥満、白髪などの美容面による不調を招く最低最悪の存在。また、免疫力が低下することにより、体調不良を起こします。これは、ヘルペスや背中ニキビ・デリケートゾーンのトラブルなど、健康を害すのみでなく見た目の美しさも損ない大事件!まさに「美を脅かす存在」とも言える“ストレス”ですが、現代社会において、感じないことは無理な話。では、上手に向き合い、美しさを保つためには、どうしたら良いのでしょうか。現代社会では感じないのは無理!“ストレス”とどう向き合うべき?①自分の“ストレスの原因”を知る何が原因かわからないと“ストレス”は一生減らない一口に“ストレス”と言っても、その原因が何か、自分でわかっていますか?理由が解明されると、完全になくすのは無理でも、感じる量を減らすことは可能。ですから、まず、それを自分に聞いてみましょう。たとえば、・時間に追われる生活・理想と現実の差・恋愛や友人・職場などでの人間関係・金銭面の余裕などが考えられます。分刻みで来る電車、スマートフォンの普及などにより、便利になった現代。だけど、その結果スケジュールや連絡に追われるようになり、ストレスが増加したのも事実です。また、仕事でもプライベートでも、「理想に反して結果がついてこない」、「周りとの比較して劣っていると感じる」など、焦りや嫉妬を覚えることはないでしょうか?SNSの発達も、この感情を招きやすいと言われています。その他、恋人や友人、仕事・子育てなど、自分以外の誰かが絡むことは、自分のみの力ではどうしようもできないためストレスの原因になりやすいと言えるでしょう。金銭的余裕がないと、心の余裕も減ることにつながってしまいます。②一時的なストレスは大らかな心で時を過ごす時間が解決してくることもあるあなたの“ストレス”の原因は、引越しや転職などによる環境の変化や、失恋など時が過ぎると解消される、「一時的」なものでしょうか?それとも、継続的な理由でしょうか。もし、一時的ものであれば、「今だけ」と割り切って、大らかな心で時間の経過を待つのがベストです。今なにか騒いだり必死になったりしても余計に疲れてしまうだけ。できる限り、“自分らしい”生活を心がけ、「良く食べ、良く眠る」ようにしながら、時間が解決してくれるのを待ちましょう。③継続的ストレスは自己完結できる“ストレス解消法”を得る“他者ありき”だと自分都合で解消できない継続的なストレスであり、その原因がそう簡単には断ち切れない場合は、自分なりの“ストレス解消法”を得る他ありません。感じないことができないなら、感じたあと消化するしかないからです。ストレス解消法として、・恋人に甘える・親友に話を聞いてもらう・友達や恋人と旅行するなど“他者ありき”な方法に頼るのはおすすめできません。なぜなら、この場合、相手と予定を合わる必要があるため、効率的に自分のタイミングで解消できないからです。また、他者に迷惑をかけ、相手にとってのストレスになる可能性や、思うようなリアクションを得られず、新しいストレスになる可能性も秘めています。ベストなのは、「自己完結できる“ストレス解消法”」と覚えておいて。自分1人で気軽にできる!“ストレス”解消法①時計を見ず、ルーズな1日を過ごしてみるでは、「自己完結できる“ストレス解消法”」とは、具体的にどんなことがあるのか、早速見ていきましょう。まずは、時間と予定に追われる生活から離れ、気の向くままに1日を過ごしてみる方法です。少し待てば次の電車が来るのに、混雑した電車に駆け込むのも、分刻みに動くのも、スマホの着信を気にするのも・・・なにもかも、お休みを。そして、太陽と共に起床し、お腹が空いたら空いた分だけ食べ、ゆっくりと用事を済ませ、飽きるまで湯船に浸かる、そんな「自己中心的」な生活を、月に1度くらいはしてみて。誰にも気を使わず、何にも追われない1日は、あなたの心をきっと癒してくれるはず。②「大きな独り言」で不平不満をぶちまける誰かに愚痴を聞いてもらう行為は、先にも述べたように、相手を不快にします。ですが、不平不満を口に出して言い、共感されたいのが女という生き物。そこで、その代わりとなるのがこちらの行動です。家で1人のときに、誰かに話しかける気分で、大きな独り事を言うのです。その中で積もり積もった負の感情をぶちまけましょう。独りで話すことに抵抗がある方は、ノートにストレスの原因を書き、頭の中の不満を整理するだけでもスッキリします。③無心になれる趣味をつくる手軽に誰でもできるストレス解消法を言えば「趣味」。それも、無心になれるものが、雑念を消すのでおすすめです。ヨガは、一見無心になれるように見せかけで、集中力のない人にとっては雑念に支配されるだけのもの。編み物・クロスワードなどの集中しなければならないことや、スノーボードなど集中しないと怪我につながることなど、無意識でだれでも雑念を忘れてしまう趣味がベターです。原因と自分のみでできる解消法を知ることで“ストレス社会”でも美をキープ!ストレスと向き合うためには自分と向き合う現代社会は、何度も触れているようにストレスの宝庫。だからこそ、なくす・減らすことを考えるより、賢い向き合い方を知る方がずっと効率的なのです。ストレスの原因と、自分1人でできる解消法を知れば、“ストレス”に打ち勝ち、美しさを保ことは可能。あなたの美を脅かしてるものは何?そしてそれを打破する方法は?それらは自分にしかわからりません。そこでストレスと向き合うべく、まずは自分自身と向き合ってみませんか。
2018年01月08日筆者の息子が発達障害の疑いをかけられた時、ネットにかじりついて情報収集する中で、たどり着いたのがABAという療法でした。ABAとは、アメリカの心理学者スキナーが創始した学問体系のことで、日本語では「応用行動分析学」と呼ばれます。人の行動の原因を内部(心)ではなく、人を取り巻く環境に求める考え方で、自閉症など発達障害の子どもに非常に有効なアプローチ法とされています。最近では、このABAを取り入れた療育療法が非常に多くなっています。でも、専門書を読んである程度の考え方は理解したものの、「具体的にどう子どもに接したらいいのか?」はわからずに困っていました。そんな中、とても役立ったのが、shizuさんの著書「発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ」(講談社)でした。発達に遅れがある子どもへの具体的なアプローチ方法が書かれており、日々の生活の中で、子どもとの関わり方にたくさんのヒントを得ることができました。しかも、その考え方は、発達障害だけでなく上の子(定型発達)の子育てにも同じように役立ったのです。著者のshizuさんの息子さんも、3歳の時に自閉症スペクトラムと診断されており、ちりばめられたご自身の体験エピソードには、とても重なるところがありました。「私だけじゃない」「やればできるかもしれない」ととても励まされたのです。そんなshizuさんに、「ABAを利用して発達障害の子どもを伸ばすにはどうしたらいいのか?」をテーマにお話をうかがいました。■3年間できなかった滑り台、ABAでたった30分で滑れるようになっちゃった!?――ABAは素人が専門書を読んで理解するにはなかなか難しい学問ですが、わかりやすく言うと、shizuさんはABAをどういうものだとお考えですか?「私は、ABAは親子の関係を笑顔に導く1つの学習方法だと思っています。子どもが生きやすく生きるために、「できないこと」を「できた」に導きやすくする有効な働きかけだと思います」――具体的には、どんな手法なのでしょうか?「ABAの醍醐味のひとつに、スモールステップというものがあります。これは、ひとつの課題をできるだけ細かいステップに分け、1回の目標達成レベルを低くして、そのステップを一つ一つ達成しながら成功体験を重ねていくというもの。それが子どもの自信となって大きな課題達成につながるというわけです。この手法で取り組んでいくと、まるで魔法みたいに、全然できなかったことがコロッとできるようになっちゃったりするんですよ」――著書の題名も「魔法の言葉かけ」ですものね。実際に、魔法のような出来事はありましたか?「私が関わった子で、滑り台がまったくできない子がいました。3歳の時に滑り台でひどい尻もちをついてしまって、以来3年間、滑り台を断固拒否していたんです。でも、身体的な原因ではないし、私はその子の様子を見ていてできる可能性は十分あると思い、スモールステップで取り組んでみました。そしたら、たった30分足らずで滑れるようになったんですよ!」――3年間できなかったことが30分で!? 具体的にはどうやったのですか?「目標値を滑り台の下の方から、70センチくらいに設定し、ちょっとずつ登って滑ることを繰り返しました。その都度「すごい! ここまでこられたね!」とほめて、だんだんと目標値を高くしました。下の方から登れば、手を離すだけでスーッと滑りますよね? だから少しずつ滑り台の感覚を楽しめると思ったのです。私も後ろからついて子どもの恐怖心を和らげました」――なるほど。逆から少しずつ滑らせて、恐怖心を取り除くというワケですね。「滑り台の上まで登れたお子さんを見て、ご両親は本当にうれしそうで、何度もほめていらっしゃいました。そしたら、その子はすごくうれしくなって、1つできたことから自信がどんどん広がったんです。大きく揺れることを拒否していたブランコも大きく揺らして乗れるようになり、ジャングルジムも2段目までが精いっぱいだったのに、一番上まで登れるようになったんです。これ、全部その日のうちにできるようになったんですよ。その後、市内の滑り台めぐりをして、児童デイサービスでの散歩の時間にも『滑り台のある公園はありますか』とリクエストしたそうです。それまで、その子はあまり自分のやりたいことを積極的に言うタイプじゃなかったそうで、ご両親は積極性が出てきたこともとても喜んでいました」――自分ができたことはもちろん、お父さんとお母さんにほめられたことが、ものすごくうれしかったんでしょうね。「子どもにとって、親のほめ言葉は何よりのご褒美です。どんなささいなことでも、できたことに対していっぱいほめてあげてほしいです」――スモールステップを成功させるコツはあるのですか?「まず、親が『できる』と信じること。子どもは親が思っていることを敏感に察知するので、信じて『できるオーラ』を送ることが大事です。だからと言って、親のエゴで『この歳で滑り台ができないなんて恥ずかしい』とか『みんなができるんだから』というのは違いますよね。それは、親が子どもを思い通りにコントロールしたいと思っているだけ。そうではなくて、滑り台って本来、子どもにとってとても楽しいモノ。その楽しさを味わえたらいいよね、というイメージをふくらませてほしいです」――親のエゴを押し付けるのは違う、ということですね。「言葉かけも大事です。親目線で『やってごらんなさい』と言うのではなく、子どもと同じ目線になって『ちょっとやってみようよ! 〇〇ちゃんならきっとできると思うな』という感じで。NHKの歌のお兄さんやお姉さんみたいに、思わず子どもの気分が乗っちゃうようなノリやテンションで盛り上げるのもコツですね」――子どもがチャレンジに不安を感じたら?「子どもが不安を感じていたら、まずは、不安に寄り添ってあげることが大切。いったんはスルーして、気分が戻ってきたら『ちょっとだけやってみる?』とうながしてみてはどうでしょうか? 時間を空けるとスルッとできちゃうこともあるので、1回であきらめずに何回かはトライしてほしいですね」――でも、もしそれでもダメだとしたら…?「たとえ滑り台の一番上まで登れなかったとしても、『ここまでできたんだね! すごいね!』と、必ず成功体験で終わりにしてあげることが大事です。『あとちょっとだったのに!』という捨てセリフは厳禁。どんなにわずかでも、自分で踏み出せてそこまでできたということを、まずは認めてあげてください。また、ちょっと難しそうだったら、子どもの苦手な動作を背後から補助するような形で、親が少しだけ手助けしてあげることも有効です」――他にうまくいかない課題に取り組むときに心がけた方がいいことはありますか?「子どもの興味あることに寄り添って、課題の設定を工夫することも大切だと思います。例えば、こんなお子さんがいました。その子は平仮名を覚えるのが苦手で、カードで『あ』『い』『う』…と教えても、上の空で全然頭に入らない。そこで、その子が大好きな戦隊モノを利用することにしました。戦隊キャラの写真と名前(平仮名)をゲーム感覚で一致させて、その子の興味を引き出す仕掛けを作り、平仮名を読む行為自体が楽しくなる方法で取り組んだのです。そうしたら、その子はどんどん平仮名を覚えて、後にお母さんから『文章も読めるようになりました!』と報告がありました」――「教える」というより、その子の「興味を引き出す」仕掛けを作る。そして、それが楽しいと思えれば、後は、自らどんどん吸収してくれるというわけですね。親もそんな子どもの成長がうれしい。子どもも笑顔&親も笑顔、親子の関係を笑顔にする、まさにウィン・ウィンの方法ですね。 ■ABAを行ううえで、親が気を付けるべきこと――スモールステップがとても有効なやり方だということはよくわかりました。では、課題を少しずつクリアしていけば、何でもできるようになるのでしょうか?「いいえ。一点注意しなければいけないのは、何でもかんでもスモールステップで繰り返しやれば身に付くわけではないということです。滑り台の例のように、ちょっとした勇気やきっかけ作りでクリアできそうな課題はスモールステップが有効です。でも、平仮名の読み書き、算数など、さまざまな工夫をしてもどうしてもうまくいかない場合、もしかしたら学習障害が絡んでいる場合もあるかもしれません。その場合は、『これは生まれ持った特性なのでは?』と考えを切り替えることも大切です。そのことも頭にとめておいてほしいです(文字の読み書きにはビジョントレーニングが有効な場合もあります)」――ほかに、ABAを行ううえで気をつけておくべきことはありますか?「よく、家で机に座って子どもにガッツリABAの課題をやらせる、という話も聞くのですが、体を動かすことや外に出て五感を生かすことも大切にしてほしいと思います。五感を働かせることは、視機能、脳機能を伸ばすのにも大切だと思いますよ。あと、ABAはちょっと間違えると、『指示して動かす』ということに終始しがちな危険性があるので、子どもに選択させることを常に意識してほしいと思います。例えば、どんなに障害が重いお子さんであっても、食べ物の好き嫌いはあるはずです。『はい、お菓子よ』とあげるだけではなくて、『どっちが食べたい?』と選ばせる。選ぶというのは楽しみでもあるので、どんなにささいなことでも自分の意思で選ぶという体験を重ねてほしいと思います」■客観的視点が大事! ABAは親子の笑顔を引き出すアプローチ――最近では、ABAの認知度が高くなって、家で実践している方も多くなってきたようです。でも逆に、それがうまくいかないと、自分と子どもの努力不足だと追い詰められてしまう方もいるようですが…。「確かに、向き不向きがあるかもしれません。そんな時は、そもそもABAは子どもの笑顔を引き出すアプローチということを思い出してください。そこを外れて『なんでできないの?』『どうしてあなたはいつもこうなの?』というふうになってしまったら本末転倒ですよね…」――私もそんな時期がありました(苦笑)。つい「あなたのためなのよ!」と力が入ってしまって…(苦笑)。「私もそうだったのでよくわかりますよ。でも、お母さんが『これができないと困る』と思って一生懸命やっていても、子どもは全然困っていなかったりするんですよね(笑)。困っているのは、子どもじゃなくて、実はお母さんの方。お母さんが、他人からどう見られるかを気にしてやっていることの方が多い気がします。そんな時は、ちょっと立ち止まって『今の私って人の目を気にしてる?』と自分のことを客観的にみることが大事です」――確かに(苦笑)。当時は、「普通に近づけたい」という私のエゴが、常に頭のどこかにあったように思います。「私も息子が自閉症と診断された当初は、とにかく『普通に近づけたい』と夢中になっていた時期がありました。でも、その結果、課題をなかなかクリアしない息子を追いつめ、見事に失敗しましたけどね(苦笑)。普通にこだわったり、周囲からどう思われるかにとらわれると、子どもの悪いところ・できないところばかりが目についてしまい、悪循環に陥っちゃうんですよ」――そういう時って、もはや自分のことが見えなくなっているはず(汗)。自分のヤバさに気づくサインはありますか?「常に子どもが教えてくれるはずです。子どもに笑顔があるかどうかです。子どもに笑顔がなかったら、きっとその時、お母さんにも笑顔がないと思いますよ。お互いに笑顔がないのなら、家庭でのABA(療育)はいったんお休みしましょう」――いろいろお話をうかがっていると、もちろんABAは子どもの力を伸ばす可能性に満ちているけれど、それ以前に、お母さんの心の健康の方が大事という気がしてきました。「そう。子どもうんぬんよりも、まずはお母さんが自分自身を大切にすることが何より大事。だって、同じことが起こっても、自分に余裕がある時は『あらま~』って笑えるけど、余裕がない時だと『何やってんのよ!』って怒っちゃったりするでしょう? 物事をどう受け取るかはすべて自分次第なんですよ。借りられる手は全部借りて、まずは、お母さん自身の心を満たすことを考えましょう。子どもが見たいのは親の笑顔ですから。あと、何もかも完璧を求めすぎず、『まぁ、いいか』というゆるい心を持つことも大事です」――確かに、発達障害の子育てで「ゆるさ」は大切ですね。発達障害児のお母さん(私?)って、常に、子どもの将来の心配をするのが癖のようになっちゃっているのですが、ここらへんはどうしたら?「みなさんが不安に感じているのは、まだ、実際には起きてない予期不安ですよね? だとしたら、起きてない不安を延々と考えて苦しむのはムダじゃないですか?まずは、不安を感じているという自分の気持ちを『~って思っちゃうんだね。わかるよ』と認めて受けとめ、『また出てきたあ! 私って本当に悲劇のヒロイン好きだわ~』って笑い飛ばしちゃうのもひとつの方法です。思考癖に気づくことが大切です」――先のことは誰にもわからないはずですものね。「もう、『なんか知らないけど、この子はきっと大丈夫!』と決めてしまいましょう(笑)。先のわからないことはプラスに考えた方が楽しいし、それに、人はみな、決めてから行動を起こすでしょう? だったら、『大きくなった子どもの笑顔を思い浮かべ、今、サポートできることは?』と応援団として行動を起こすのです。それでも不安に押しつぶされそうになった時は、どうか、この言葉を思い出してみてください。それは、『今の子どもの姿がすべてではない』ということ。これは、私がお守り代わりに心にとめている言葉です。親が信じて、コツコツ働きかけていれば、きっとうれしい成長があります。今の姿だけを見て将来を悲観せず、子どもの可能性を信じて、楽しく働きかけていきましょう!」「今の子どもの姿がすべてではない」――著書を読んで以来、私がずっと心にとめている言葉です。shizuさんのこの言葉は、いろいろな局面で私の心を楽にしてくれました。子どもの可能性を信じてコツコツ働き続けることの大切さ、そしてそれ以上に、子どもと自分が笑顔でいることの大切さを、改めて感じた取材でした。参考図書: 発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ 著者 shizu/監修 平岩 幹男11万部13刷のロングセラー。手を洗うときの言葉かけ、食事をしながらの言葉かけ、いっしょに料理をするときの言葉かけ、散歩のときの言葉かけ、遊びながらの言葉かけ―ABA(応用行動分析)を利用した「言葉かけ」をすれば、楽しみながら家庭で子どもの力を伸ばせることを紹介した一冊。shizu プロフィール自閉症療育アドバイザー。講演会などで、日常生活の中で子どもの力を伸ばす楽しい関わりや言葉かけを紹介。家族に笑顔を増やすため、親が心掛けたい子どもへの気持ちの持ち方も伝えている。無料メール講座『発達障害の子と楽しく生活する7つのコツ』配信中。講演会の詳細はブログ参照。ブログ: 「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉」 取材・文 まちとこ出版社N
2018年01月07日難航する仕事選び。障害者雇用枠で、最も多い求人は事務職。けれども…出典 : 私は、26歳のときにアスペルガー症候群、ADHDの診断を受け、同時に退職も余儀なくされました。就職をするまでの学生生活では、表面上のコミュニケーションや、日常生活、勉強という面では、これといった支障はなく、自分が発達障害であることにも気づいていませんでした。しかし、社会人になってから対人関係の困り事などが表出し、行く先々で、「常識がない」「もう少し場をわきまえろ」と言われてきました。そして発達障害の診断を受けた後、そのことを職場にカミングアウトしたのですが、残念ながら退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまったのです。それからは就労移行支援事業所に通うことになり、支援員の方の手を借りながら障害者雇用枠での就職活動を進め、内定を獲得することができました。就労移行支援事業所は障害がある人の就労をサポートする機関で、職業訓練や職場探し、職場への定着支援など、さまざまな支援を受けることができます。しかし、その道のりは一本道というわけではなく、壁に直面したり、どうすればいいかわからないことも少なくありませんでした。特に悩んだのは、自分の特性と仕事の性質の兼ね合いです。障害者雇用枠のおよそ半分以上は事務職と言われれており、一般事務や経理、総務、人事などの職種で就職する場合が多いそうです。しかし、私は何か目新しさがないと注意や集中力を持続することができません。例えばExcelなどで売上伝票などを作成する際に、売上金などのデータ入力が必須になってきますが、ミスしないよう慎重に作業しているとスピードが他の人に比べて明らかに遅くなってしまうのです。するとそれが焦りに繋がり悪循環に陥ります。結果として、雑な仕上がりとなってしまったり、思いもしないようなミスをしてしまうのです。「働く」という字は、人と一緒に動くと書く。でも自分はコミュニケーションが苦手…出典 : また、空気が読めない、他人の気持ちに配慮した言動が難しいなどの特徴から、仕事上での困難に直面することも少なくありませんでした。営業の仕事にかかわっていたときは、相手の意図を汲み取りつつも、相手に探りを入れる高度なコミュニケーション能力が求められましたが、どうやってもうまくこなすことができませんでした。また、営業職は電話応対が頻繁に発生するため、他の人が話している電話の声が気になってしまったり、聞こえてくる会話内容を意図せずメールに書いてしまう事もありました。1つの作業に没頭すると他のことを忘れてしまうことも少なくなかったため、報告・連絡・相談がおろそかになるのは日常茶飯事。こうした自分の特性を考えたうえで就職をしようとすると、どうしても選択肢は数少ないものになってしまい、愕然とせざるえませんでした。自分には一体、何が出来るんだ!?出典 : 次第に頭のなかには、「自分には一体何ができるのか?」という思いが込み上げてきました。考えても出てくるのは「できることなんて無い」という答えばかり。私はどうすればわからず、毎日落ち込んでばかりいました。このとき、前を向く光をくれたのが、前職を退職してから相談を続けてきたカウンセラーさんです。障害の診断を受けて薬が処方されてからというもの、見知らぬ地でひとりぼっちのような気持ちでしたが、どうしたら生きやすくなるかの相談を続けてゆくうちに、自分がたどるべき道を何となくイメージできるようになってきたのです。検査結果ではわからなかった自分の数少ない強みカウンセリングでは、WAIS-III(ウェクスラー式知能検査)の結果を紐解いて、苦手なことと、苦手ではないことを分類していくことを行いました。私のWAIS-IIIの結果は、言語理解の部分が苦手ではない。しかし、決してずば抜けている訳でもないと言えるくらいで、他の項目はすべて平均より低いと言わざるを得ない状況でした。カウンセリングに行く度に話す内容をA4、1枚の紙にまとめて、ときには参考になりそうな資料なども合わせて準備していました。相談したいことがいくつかあった場合でも、話しているうちに相談しようと思っていたことを忘れてしまい、相談室を出た後で、話し忘れたと後悔することが多かったからです。そんな中あるとき、私の作った資料を見たカウンセラーさんが、ひょっとしたら自分の考えをまとめることが得意なのかもしれないと指摘してくれたのです。言われてみれば、心当たりがありました。以前仕事をしていたときは毎日が失敗の連続だったので、なぜ怒られたのか?何がいけなかったのかを自分で分析するために、日記に書くようになりました。1日の終わりに静かな自宅の部屋で、時間をゆっくりとかけながら何が問題だったのかを洗い出し、それはそしてときには視覚的に情報をまとめます。それは私にとってはまったく苦にならない作業であったことに気づいたのです。Upload By ツーちゃんこのことから自分で企画を考え、図やイラストで分かりやすく説明するような仕事内容にチャレンジしたいと思うようになりました。不注意傾向があってもソフトのスペルチェック機能を使えば、ミスが未然に防げたり、取りこぼしが減らせたりすることはできます。なので、Webデザイナーや、ライター、企画職など、クリエイティブ寄りの職種を志望し、就職活動を進めることにしたのです。Upload By ツーちゃん出来ることと(障害特性上)難しいこと=配慮して欲しいことを整理する出典 : 私の場合、障害者雇用枠での就職を目指すということは比較的早い段階で決まっていました。というのも仕事量や、割り振りなどに関して、会社側の配慮がどうしても必要だと強く感じていたからです。そのため、検査の結果なども加味して考え、障害を隠して働くという選択肢は消えていました。次に私は、自分の特性を面接官に分かりやすく説明する、「ナビゲーションブック」の作成に取り掛かります。そこで難しかったことは、障害の程度をいい塩梅で面接官に伝えるということです。文字などでまとめることは苦にならない私ですが、ありのまますぎて、より強烈な印象を与えてしまうような文章を書いてしまいがちでした。あまり欠点のみを書き過ぎてしまうと、人事担当も評価ポイントを見出しにくくなってしまいます。なので、自分自身の障害特性をしっかりと自覚し、そうした過去の失敗を繰り返さないように気をつけていると明記し、加えて過去の自分からの成長をアピールしました。また作成した当初は、できることと、配慮して欲しいことの2つのみを書いていましたが、それだと配慮してもらって当たり前というような印象を受けると支援員の方から指摘して頂いて、障害特性はあるものの、自分自身の努力でカバーできることもあると書くようにしました。Upload By ツーちゃんナビゲーションブックは就職活動を進める上で、どう役に立ったのか?出典 : 障害者雇用枠での面接では、仕事に対する熱意や志望動機以上に、障害のことや、それに対して必要な配慮について質問されました。そういったときにナビゲーションブックが役立ちます。2部、印刷して持参しておいたナビゲーションブックを、面接官と一緒に見ながら、事細かに説明しました。ナビゲーションブックを見た感想を、面接まで進んだ企業の採用担当者に聞いたことがあります。「障害者雇用によく使われる履歴書には3行程度障害について記載する欄があるが、3行程度の説明では、障害の多様さを理解するのは難しい。こういったナビゲーションブック等で障害に関して、詳しく説明して頂けるのは、とても助かる。また人事としても、障害に関してどこまで聞いて良いのか非常に気を遣う。求職者の方からオープンにして頂けると採用担当者からしてもやりやすい」と言われました。また別の面接官は「伝言ゲームだと、聞いた内容があやふやになりやすいが、こうした資料があれば、次の面接官への引き継ぎがしやすい」といった声もありました。総じて、障害を隠すよりも、かえって包み隠さず話した方が好印象と受け止められるケースが多かったです。またナビゲーションブックを用意しておく事で、その内容に沿った質問が多くなり、予想外の質問を減らす事が出来るというメリットもありました。臨機応変力があまり高くない私にとっては嬉しい誤算でもありました。必ずしもナビゲーションブックの作成をしなければいけない訳ではありませんが、ナビゲーションブックを用意する事で、障害についての理解が深まり、企業の採用担当の方にとっても不安が少なくなるのかもしれないなと感じました。参考: LITALICOワークス合理的配慮ガイドブック障害者雇用枠での就職活動を振り返って出典 : こうして就職活動を進めているうちに、半年が過ぎ、やっと内定を手に入れることができました。内定した会社は、スマートフォン向けのゲームアプリを開発する会社です。パソコンなどの扱いに精通していたことや、ADHDで新しいもの好き、好奇心旺盛な部分が、結果的に良い方向に働いたと感じています。配慮の面では、「困っていることはないか?」と人事の担当者が相談する時間を設けてくれたり、上司には指示が曖昧で分かりにくいといった、言いづらいことを代わりに伝えてもらうといった配慮を受けています。ただ、人事部と現場レベルで障害への理解、業務指示などを含めた接し方に対して、温度差が多少あるようには感じられます。また、環境の変化や、刺激の多い環境に対して疲れやすい特性を持っているので、最初の1か月間は、時短勤務を許可してもらっており、とても大事にしてもらっていると感じています。内定を得るまでには、合同就職説明会などで大量エントリーした企業も含めると、30社から40社ほどは受けたと思います。そのうち、面接に進んだのは6社で、最終面接に進めたのは4社。内定はたった1社のみという結果です。正直なところ、綱渡りのような状態で、これに落ちたらまた振り出しのような状況だったので、内定が出て胸をなでおろしたような気持ちです。就職活動が長引いてしまった理由としては、書類選考で落ちることも多く、モチベーションを保つのが難しかったこと、企業が特に精神障害・発達障害のある人の採用に対して慎重な姿勢を貫いていることから、選考期間が長期化してしまうことが挙げられると思います。障害者雇用については、まだどこも手探りのような状態で、書類選考に1ヶ月かかることも少なくありませんでした。新しい仕事は、すべてが未経験で「初めてづくし」な部分は大きいのですが、1年ぶりに仕事が出来ること、就労移行支援を退所した後も、支援員の方が定着支援として、企業と私との連絡係としてサポートしてくださることなどが、前職の時には無かった安心感を生んでいます。今から新しい門出にワクワクしています。私の経験は1つの例でしかありません。他にもさまざまな歩き方があると思います。それでも、私の歩んだ道が、少しでも役に立てば、これほど嬉しいことはありません。
2018年01月03日発達障害当事者による、発達障害当事者のための居場所「Necco」Upload By 発達ナビ編集部東京の高田馬場にある「Necco」は、大人の発達障害当事者による、大人の発達障害当事者のための居場所です。高田馬場にある雑居ビルの1室にあり、18時までは一般のカフェとして発達障害の当事者によって営業され、18時以降はフリースペースとして発達障害の当事者のために場が解放されます。スペースでは茶話会やゲーム大会といったイベントも頻繁に開催されており、発達障害の当事者が気軽に集まれる居場所づくりがなされています。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)取材に訪れた日もたくさんのお客さんで賑わっており、別フロアではフラワーアレンジメント講座が開かれていました。Upload By 発達ナビ編集部本棚には発達障害関連の本が多数並んでいます。Upload By 発達ナビ編集部Neccoは自由に集まれる居場所としては2010年、カフェとしては2011年に活動をスタートしており、大人の発達障害当事者のための常設の居場所としては、日本で最初に出来た場です。今回の記事では、このNeccoを立ち上げた方であり、ご自身も発達障害の当事者である金子磨矢子さんに、活動を始めたきっかけや、長年続けていく中での苦労、活動を続けるモチベーションや今後の展望についてお話をお聞きしました。金子さんは平成28年度厚生労働省より「発達障害者の当事者同士の活動支援のあり方に関する調査」を受託し、その報告会である「発達障害当事者会フォーラム2017」を開催された主催者のおひとりでもあります。この報告会は、1月にも「発達障害当事者会フォーラム2018」として大阪で開催する予定とのことです。金子さんのインタビューから見えてきたのは、当事者活動を続けることの大切さと、当事者活動としてどう外の社会と関わっていくかという問題意識でした。ずっと自分はちょっと変な子だと思っていたUpload By 発達ナビ編集部―金子さんがご自身の発達障害について知ったのは、どういったきっかけだったのでしょうか。金子さん: 子供のころからずっと、自分はちょっと変な子だとは思っていました。しかし本格的に自分のADHDを知るきっかけとなったのは、子育てに悩み、本屋で調べ物をしていたときですね。子どもが2才の時にプレイグループに参加させたんですけど、どうにもよその子と何かが違ったんです。なかなかうまく他の子どもと交わることが出来ず、自分のやり方で自分なりの遊びをつくるのを好む傾向があって。プレイグループには、参加している子供の他にその子たちの弟や妹にあたる赤ちゃんも何人かが場にいたのですが、赤ちゃんの泣き声を極端に嫌がるそぶりも見せました。うちの子はよその子となにか違うのかしら?という答えが知りたかったんですが、当時はインターネットも普及していなかったので、しょっちゅう本屋に入り浸っては答えを探し求めていました。その時に出会ったのが『のび太・ジャイアン症候群』という本です。落ち着きがない・忘れ物が多い・後先を考えずに行動する・いじめられる…この本を読んで、子どものことはひとまずそっちのけで「これは私だ!」って叫びそうになりましたね。その場で立ちつくし、購入して帰り、何度も何度も読みました。それまでも自分自身に対する違和感はずっと持っていたんですが、こんな変わった人は自分だけじゃない、特性というものなんだと知り、この本にとても励まされたんです。よその子とは何かが違うと感じていた子どもに関しては、その後、2004年ごろですかね…テレビ番組がきっかけで、アスペルガー症候群だということに気付きました。自分が発達障害だと気づいてから起こした私の行動Upload By 発達ナビ編集部―ご自身の発達障害特性に気付いた金子さんですが、当事者としてNeccoの活動をはじめるきっかけは何だったのでしょうか。金子さん: 最初は活動というまでのものではなかったんです。SNSが普及した頃に、そのSNSの発達障害コミュニティのメンバーでリアルでも会ってみようということになり、定期的にオフ会をするようになったのがはじまりです。そうやって集まるようになっていた中で結束が強くなったのは、リタリンの処方が制限されるようになったのがきっかけです。(編集部注:現在リタリンはナルコレプシーにのみ適応)メンバーの中にはリタリンなしではADHDの症状がしんどい人もいて、これはなんとか訴えないと!ということで、厚労省の会議に傍聴に行ったり、ネット上で活動を行ったりしました。結局私たちの訴えは聞き届けてはもらえなかったのですが、この活動がきっかけで2つの願いが強まりました。ひとつは、いつでも私たち発達障害の当事者が集まれる場所がほしいということ。当時は私の家のリビングに集まってミーティングをしていましたので。そしてもうひとつは、自分たちが集まる居場所を得るだけではなく、社会に対して働きかけを行い、当事者発信で発達障害を広く知ってもらうことです。リタリンの処方うんぬん以前に、当時の発達障害の認知度の低さを思い知らされましたね。私自身、自分の発達障害を知ることが出来てよかったと思っているんです。だから今度は私が、まだ自身の発達障害に気付かずひとりで悩んでいる人の気付くきっかけになったり、居場所になれたらいいなと思って、啓発や居場所づくりの活動を続けています。また、最近でこそ「発達障害」という名前だけは知られてきましたが、「それでは発達障害とはいったい何なのか」という本質的なことは、まだほとんどの人に理解されていないのではないでしょうか。発達障害の啓発活動の動機として、生きづらさを抱えながらも自分が発達障害だと気付かずに生きている方本人に、自分自身のことを気付いてもらいたいというのもありますが、本人だけじゃなくてもっと多くの人にも発達障害についてちゃんと知ってもらいたいと思っています。というのも、発達障害に対する無理解によって苦しんでいる当事者の人がたくさんいることを知っているからです。この人たちはこういう人たちなんだよっていうことを、目に見えないのでむつかしいとは思うのですが、発達障害じゃない人たちにも分かってもらいたい。学校の先生、役所の方、会社の上司…出来ないことは出来ないんだと分かってもらえないと、当事者の方はつらいばっかりです。わざとやらない、怠けたくて障害のせいにしている、そういう風にとられてしまいがちなんですが、本当にそんなことないんですよ。むしろ精一杯努力している真面目な方が多いと思います。必要としてくれている人がいる限り、続けていきたいと思ってるUpload By 発達ナビ編集部―Neccoを続けてきた中で、印象に残っていること、大変だったことはありますか。金子さん: もう、大変なことだらけです(笑)まずNeccoをはじめるにあたり、場所探しから大変でしたね。「借りた場所を発達障害の人の居場所にしますので物件を貸してください」と言って、理解してくれた上で快く貸して頂ける場所を探すのに1年ぐらいかかりました。現在Neccoの運営母体は一般社団法人としており、非営利で運営しています。カフェの店員はボランティアで、費用の持ち出しも発生しています。とはいえNeccoを必要としてくれている人がいる限り、なんとかして運営を続けていきたいと思っています。「Neccoという居場所があるから今、学校や会社に頑張って行けている」、そういう方がたくさんNeccoにいらしているんです。なかには毎週末、長野から夜行バスでNeccoに来ている方もいます。月から金までなんとかお仕事を頑張り、金曜の夜の夜行バスで東京に来て、日曜の夜の夜行バスで長野に帰っていくんですね。また以前は40才前後のいわゆる団塊ジュニアといわれる世代の方が多かったのですが、最近は高校生や大学生といった若い方も増えてきました。当事者としてどう社会と関わりを持つかUpload By 発達ナビ編集部―今後、Neccoの将来の展望はありますか。金子さん: Neccoに関していえば、"来たかったらいつでもここに来ていいんだよ"という居場所がある状態をこれからも維持していくだけだと思っています。発達障害の人は、かつての私がそうであったように、いろんな場所で苦労している方が多いと思います。そういった人たちの誰もが気軽に来れるような居場所を準備しておきたい。欲を言えばここだけじゃなくて、もっと日本中のいろいろなところにたくさんNeccoのような居場所ができたらいいなとは思いますね。また最近力を入れていたのは、大人の発達障害当事者会に関する調査報告書の作成ですね。これは厚生労働省から依頼を受けた調査事業で、私は事業責任者をしていました。長年Neccoに関わってきて、自分たちで自分たちの居場所をつくることももちろん大切だと思っていますが、当事者たちだけでやっていくのはなにかと限界があります。というのも、当事者の生きづらさは、自分の努力や行動で解消出来る部分もありますが、当事者の周りにいる発達障害ではない人や社会の理解、配慮や助けがとても重要です。また先ほどお話したように、私は私自身が発達障害だと分かったことですごく人生が楽になった経験から、まだ自分の特性に気付かず生きづらさを感じている人に発達障害というものを知ってもらいたい。ですから発達障害の啓蒙のため、まず私が出来ることとして、当事者や当事者会の情報を取りまとめ、私たちの生きる困難さや活動を社会に向けて発信し、知ってもらう必要があると考え行動しています。長年発達障害の当事者活動に関わってきましたが、課題はまだまだ山積みです。当事者同士の活動に関して言えば、とにかくいろんな特性を持った方が集まるので、運営のむつかしさがあります。こだわりの強い特性の人同士の意見が対立して分裂してしまったり、正直当事者同士での連携のむつかしさは感じています。なんとか意見をまとめてルールをつくってみると、今度は逆にそのルールを文字通りにとらえてしまって、ルールからちょっとずれる人がいるとこだわりから許せない人がいたり。たとえばNeccoでいうと、かつてはフリースペースのクローズ時間は22時だったのですが、スタッフが大変だということで21時に変更したんですね。たまに場が盛り上がってクローズが21時を過ぎてしまうことがあったのですが、そのことに対して「ずるい」と腹を立てる方がいたこともありました。同じ発達障害の当事者同士とはいえ、特性は本当に人によってさまざまなので、いろんな国の外国人同士が集まっていっしょに何かやろうとしているような困難さを感じています。当事者活動をどうしたらいいか、ずっとそればかり考えています。しんどいと思うことも多々あります。だけど続けている、それは、私は子供の頃からずっと自分のことをダメな人間で、人の役に立つことが出来る人間ではないと思っていたんですね。そんな私が今、活動を通して、目の前の人の支えになったり、社会に働きかけを行ったり出来ている。そのことが生きがいであり、生きるよろこびだからかもしれません。見えない障害とどう向き合うか「私は私が発達障害だと気付けて心から良かったと思っています」これは取材中に金子さんが繰り返しおっしゃっていた言葉です。この記事を掲載している発達ナビのユーザーさんからは、病院へ行き診断を受けることへの心理的抵抗感や、障害受容のむつかしさなど、日々さまざまなお悩みが寄せられています。自分や自分の子どもの生きづらさ・育てにくさをどうとらえるかについて、それぞれに多様な悩みを抱えられているのだと思います。「見えない障害」であり、また「ここからこっち側は障害です」と線を引くように切り分けることは難しいからこそ、その悩みは尽きないのかもしれません。いろんな考え方があって当然で、答えはないのかもしれません。金子さんの場合、彼女は子どもの頃からずっと「自分はちょっと変な子だ」「自分は努力不足でダメだ」と思い悩んでいたそうですが、一冊の本との出会いをきっかけとして発達障害を知ったことで、自分は努力不足でもなく、親の育て方のせいでもなかったということが分かり人生が前向きに進んだと語っています。今、人知れずしんどい思いをしている人、一人でつらい思いを抱えている方が、もしこの記事を読んでくださっていたら、こういった考えや経験をもとに活動をしている人がいることや、その人がつくった居場所があることを、選択肢のひとつとして心の片隅にとどめておいていただけるとうれしいです。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)
2017年12月01日先月、NHK総合テレビで 「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」 をはじめ、Eテレ「ハートネットTV」では 「自閉症アバターの世界1・2」 、NHK「あさイチ」では 「シリーズ発達障害/どう乗り越える? コミュニケーションの困りごと」 など、続々と発達障害特集が放送された。どれも見ごたえのある内容だったが、4歳の自閉症スペクトラムの息子を持つわが身としては、やはりリアル世代である「深夜の保護者会」が一番興味深かった。話し合いにのぼったテーマは、「周囲へカミングアウトはするべきか?」「カミングアウトするとしたら、どう説明したらよいのか?」「夫や子どもの本音は?」「ありのままのわが子を受け入れるには?」など。どれも、まさに発達障害の子育てをしている親の悩み、ど真ん中の内容だったと思う。現役ママの葛藤は、私には痛いほど伝わってきて、ちょっとホロッとしてしまうほどだったし、すでにさまざまなことを乗り越えてきた先輩ママたちが、試行錯誤の上生み出した、わが子との向き合い方はとても参考になった。■わが子を嫌いになる、自分が辛いそして、現役ママの苦しい胸の内を聞いて、改めて発達障害を持つわが子の「ありのままを受け入れる」ことの難しさを思い知った。「彼らを大好きなのに、大嫌いになる時がある自分が辛い」(番組に寄せられたファックスのコメント)「比べるものではないと重々わかっているけど、どうしても下の子と比べてしまう。下の子はできが良くて、かわいくてギュッって抱きしめられるけど、上の子にはできない…。できない上の子を受け入れられない」(番組に参加した現役ママのコメント) NHK総合テレビ「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」より そんなママたちの悲痛な叫びに、胸が締め付けられた。■本当に、子どものこと受け入れてる?ありのままのわが子を受け入れる――それは発達障害の子育てのスタート地点のように思えるのだが、実は、親にとっては、それが一番難しいことのような気がする。私自身も、「私は周囲にもカミングアウトしてるし、もう受け入れているから大丈夫!」と、すっかり達観したつもりでいたのに、自分でもビックリするほど些細な事で傷ついてしまうことがある。そんな時は、「実は、心のどっかでは息子のことを受け入れられてないのかも…?」と心が揺れる。ブレない自分でいたい。…なのに、なかなかなりきれない! それが自分でも、すごく歯がゆくて悔しいのだ。■子どもが笑ってくれる、そのために何ができるか?これに対して、先輩ママたちや尾木ママの意見は…「試行錯誤する、という作業がすごく大事。私たちも最初はどうしたらいいのかわからない状態で、いろいろ試して、今がある。のちのちつながっていくことだから、あきらめないで少しずつでも進んでいってほしい」「高望みせずに、『一個できたらすごい!』を積み重ねていけばいい。とにかく今できることを褒めて。『褒めるは認めること』って言葉に置き換えてもいい。良いところを褒めるのではなく、できていることを認めればいい。それが丸ごとの発達障害と付き合っていく姿勢につながっていくはず」「発達障害は、息子の世界と私たち世界の交わるところにある、『壁』みたいなもの。でも、その壁は環境や周囲の考え方、関わり方で低くもなる。息子の世界も尊重しつつ、私たち側もお互い気持ちよく過ごせるエリアが広がるように、私たち側が変わっていかなければならない」 NHK総合テレビ「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」より 様々なアドバイスが飛び交ったが、なかでも印象に残ったのは、先輩ママの次の言葉だった。「よっちゃん(息子さんの名前)に笑ってほしい。そのために自分がどうしたらいいか? それを考えれば自ずと変わってくる。それを変えただけ」私は、障害(発達障害に限らず)を持つ子どもの親というのは、何か高尚な考え方ができるような、立派なママにならなければならないような気がしていた。でも、そうではなくて、この先輩ママが言うような、子どもの毎日の笑顔の積み重ねの先に、いつの間にか生まれてくるような、もっと自然な感情なのかもしれない。そう思うと、私はまだまだ肩の力が入ってしまっているようで、まだまだだなぁ~と苦笑してしまった。■障害は敵ではないまた、当事者である子どもの発言にも考えさせられた。「悪いのはこの子ではなく、障害のせい」と、子どもと障害を別々に考えるということで気持ちが楽になったというお母さんに対してお子さんの考えは違った。「僕は、そういう考え方はやめてほしい。障害は敵ではない。生まれてしまった以上しょうがない。しょうがないから向き合う。うまく付き合っていけたら気持ちは楽になる」 NHK総合テレビ「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」より この2人のやり取りを見て、発達障害の子育てを描いたコミックエッセイ『母親やめてもいいですか』に書かれていた、自閉症当事者によって書かれた「私たちのことを嘆かないで」という詩の一節のことを思い出した。自閉症は人を閉じ込める殻ではありません中に普通の子どもが隠れているわけではないのです自閉症は私が私であること、そのもの私という人格から切り離すことはできません「うちの子が自閉症でなければよかった」「この子の自閉症がよくなりますように」その嘆き、その祈りは、私にはこう聞こえます。「自閉症ではない別の子がよかった」両親が語りかける夢や希望に、私たち自閉症者は思い知るのです彼らの一番の願いは、私の人格が消えてなくなり、もっと愛せる別の子が私の顔だけ引き継いでくれることなのだと… 『母親やめてもいいですか』(山口かこ・文/文春文庫)より引用 ■何を持って「息子」なのだろう?障害を持つ子どもの親であれば、誰しも、わが子の障害がなおることを願ったことが、一度はあると思う。私自身も、息子が自閉症スペクトラムと診断された当初は何度となく、この障害を息子から取り除きたいと願った。一生治らないものだと知った時は、夜中パソコンの前で号泣した。でも、1年経った今は、こう思うのだ。例えば、息子がいきなりおしゃべりで明るい社交的な子になったとしたら…? それはそれでうれしい面もあるのかもしれないけど、果たしてそれは息子なんだろうか? と。改めて、「何を持って息子なのだろう?」と考えると、思い浮かぶのは、なぜか、やっかいで面倒なエピソードばかり(笑)。むしろ、そのやっかいなところこそが、息子が息子であるための大切な要素なのかもしれない、と。最近ではそう思うのだ。最後に、先輩ママたち全員が、声をそろえていたことがある。それは、「まずは、お母さんが元気なことが基本。自分を犠牲にしちゃダメ。お母さん自身の人生も大事にしてほしい」ということ。子どもに笑顔でいてほしいなら、そのためには、まずはお母さん自身が笑顔でいることこそが大切なのだ。まちとこ出版社N NHK 発達障害プロジェクト 【発達障害についての記事一覧】▼大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)▼「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)
2017年10月12日昨今、メディアでも取り上げられることが増えてきた「発達障害」。身近に当事者がいない人でも、この言葉を耳にする機会は多くなってきているのではないでしょうか。そんななか、NHKが「発達障害プロジェクト」と銘打ち、今年5月から1年を掛けて特集放送を行っています。このプロジェクトのなかのひとつに、イギリスのTVドラマ『ハンク―ちょっと特別なボクの日常―』があります。このドラマは、ディスレクシア(読み書き障害)の少年ハンクを主人公にした学園ドラマ。もともと2016年にNHKで放映されていたものを、「発達障害プロジェクト」に合わせて選りすぐりの5本を再放映するというもの。日本ではまだ発達障害を扱ったエンタメ作品の数は少ないですが、このイギリスのドラマでは「ディスレクシアとはどんなものか」を視覚的にわかりやすく表現しています。当事者たちが学校生活を送る上でどんな困難を抱えているか、さらにその困難さを主人公のポジティブな性格と大胆な発想で乗り越えていくさまをスパイスたっぷりに、コメディタッチで描かれています。■ディスレクシア(読み書き障害)とは?ディスレクシアとは、発達障害のひとつである「LD(学習障害)」の一種で、知的発達に遅れはないものの、脳の働きに特徴があり、文字や数字の読み書きなどに困難が生じることをいいます。有名人では、俳優のトム・クルーズやオーランド・ブルーム、映画監督のスティーブン・スピルバーグなどがディスレクシアであると告白していて、多くの人が障害について知るきっかけとなりました。主人公ハンクは12歳の少年。彼の場合は文字を読もうとすると「字が躍っている」ように見え、書くこと、計算も苦手。「作文の宿題をやろうとしても、文字が躍ってなかなか書くことができない!」「ミュージカルの主役に抜擢(ばってき)されたのに台本が読めない!」など、たびたびピンチに陥ります。どんなふうにこのピンチを切り抜けるのだろう? と思っていると、作文を書かされる回では、考えて考えて考え抜いた結果、「作文ではなくて、工作で伝えよう!」というとっぴな方法を思い付き、立派な作品を作り上げてしまいます。そう、彼のすごいところは、どんなピンチに遭遇しても決してあきらめず、ユニークなアイデアで切り抜けること。じつはハンクは頭の回転がとても速く、行動力もあるのです。なんでも突っ走ってしまうので、先生には怒られてばかりだけど…。■ディスレクシアの子どもが学校生活を乗り越える処世術ディスレクシアであることを悲観せず、親友や家族に助けられながら学校生活を送るハンクですが、ちょっとだけ愚痴が出ることも。「成績はいつもビリだから、いじめられる。ディスレクシアだけど頑張ってるのに…。みんな結果しか見ないんだ」発達障害の子どもは、ときにいじめられたり、不登校になったりするとよく耳にします。これを「二次障害」と呼ぶのですが、まさにハンクも同じ。でも、彼はへこたれません! “成績ビリ”という自分のイメージを変えるためには、「何か得意なことをみんなに見せればいいんだ!」と考えることのできる強さがあります。ハンクの姿を見てハッとさせられるのは、そんな発想の転換。ディスレクシアの自分を受け入れ、ほかのことでカバーしたり名誉挽回を目指したり。とくに読み書きや計算についてはみんなと同じようにできないけれど、自分なりの方法でならゴールにたどり着くことができる。それがハンクの学校生活を乗り切る処世術であり、二次障害を深刻にしない助けになっているようです。■発達障害児子育てのヒントがいっぱいあった!筆者にも、発達障害の疑いのある息子3歳がいます(診断待ちの状態です)。まだ私自身も発達障害について初心者で、毎日迷いながら子育てをしています。療育や幼稚園、児童館など、ほかのお子さんたちと活動をする場所に行くと、つい「みんなと同じように」やらせたいと思ってしまいます。でも息子には「できること」と「できないこと」があって、それが息子にとって大きな負担になってしまっていると感じることも多くあります。そして私は、あとから反省することばかり…。また、同じような境遇のママたちと会話して思うのは、自分も含めみなさん真面目だということ。病院や療育の先生のアドバイスひとつ取っても、まっすぐ受け止めすぎてしまいます。子どものことを考えて、「少しでもできることを増やしたい」という必死な思いが、いつの間にか「アドバイスどおりにしなければならない」という強迫観念にも近いものに変わってしまい、そこから外れるものを許容できなくなってしまうのです。どんなことをするにも、答えはひとつではないし、手段もひとつではありません。ハンクの行動は、それを証明しているように思えます。ママの考え方にしてもきっと同じではないでしょうか。みんなと同じようにできなくてもいい。いろんなやり方を試して、生きる力を身に着けることの方がきっと大事なはず。ステレオタイプにとらわれず、柔軟な考え方・受け止め方ができれば、発達障害児の育児の窮屈さが少しでもやわらぐのではないでしょうか。そんな、ちょっとしたヒントを、ハンクから教えてもらった気がしました。TVドラマ「ハンク―ちょっと特別なボクの日常―」第4回は、NHKにて9月23日(土)23:25より、第5回は、NHKにて9月30日(土)23:35より放映。<NHK発達障害プロジェクト 今後の放送予定>・2017年9月24日(日)午後11:00~11:50 NHK「深夜の保護者会」「発達障害 子育ての悩みSP」・2017年9月26日(火)午後8:00~8:29 Eテレ「ハートネットTV」 「自閉症アバターの世界 ①」・2017年9月27日(水)午後8:00~8:29 Eテレ「ハートネットTV」 「自閉症アバターの世界 ②」・2017年9月27日(水)午前8:15~9:54 NHK「あさイチ」 「シリーズ発達障害 どう乗り越える? コミュニケーションの困りごと」※内容は変更になる場合がありますNHK 発達障害プロジェクト 【発達障害についての記事一覧】▼大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)▼「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)
2017年09月22日ストレスは、毎日を過ごしているうえで切り離せないものです。”ストレス0”の生活は難しいけれど、いつもストレスを少なくするようにしなくてはいけません。大人になった今では、ストレスを少しでも減らして、ノーマルな生活を送ることが幸せな事だと思うことすらあります。あなたのストレスの元はどこから来ていますか?ストレスから解放されるための方法を見ていきましょう。あなたのストレスは”どこ”から来てる?あなたのストレスの元はどこから来ていますか?仕事?家族?それ以外にも原因は1人1人違うと思います。なんとなく体に力が入らないなんてこともあるかもしれませんね。人によっては、ストレスを感じる原因が長期休暇なんてこともあります。長期休暇に入る前に多くの人が、待ち遠しくなり日にちが経つのをカウントダウンし始めます。それがストレスとなってしまっています。また、長期休暇に入ると、仕事が始まる日までの時間を気にしてしまい新たなストレスになり、長期休暇が終わるとしばらく休暇がない事へのストレスを感じ始めます。実は、長期休暇がストレスの元のなっていたのです。本当に仕事から解放されることなく、時間に追われてしまっていませんでしたか?何となく満足できていない日が続いている心配事が次々出てくる仕事への不安仕事仲間との関係人生の行先をしっかりと決めていない家族に自由を奪われているなど、こんな悩みがある人は早くストレスに「さよなら」を言えるようにしないといけません。ストレスは”心の声”ストレスは避けることができず、もはや生活の一部となりつつあるかもしれません。お金がない、しないといけないことがある、しているのに結果がついてこない、自信が持てない、知識が足りないなどいつもソワソワとし何かしないといけないような気持になり、落ち着けません。でも、ある人の考え方でこんな意見があります。 ストレスは、賢さを持って感じることができる自分への答えで、今置かれているシチュエーションへの自分の要求を分からせるアラームなのです。 このようにストレスを感じることで「変わらないといけない」と感じ、状況を良くしていくことができるのです。今ある状況とあなたが求めている物の中で相違が出てきたときに、無意識のうちに感じる違和感がストレスとなり、あなたにお知らせをしてくれているのです。「ストレスを感じているの?」ストレスを感じているかどうか自分自身に質問してみましょう。ストレスは今ここにある状況への挑戦で、あなたが違う場所にいたいことや、将来違うものになりたいと思っていることを意味します。ストレスのある状況を我慢して今を丸く収めようとする人もいますが、ストレスを我慢していてもそ、のストレスが収まることは、ありません…。なぜならストレスは、あなたの心の中にある本当の希望や望みから来ているからです。先ほど、長期休暇中でもストレスを感じるという話をしました。これは、せっかくの休暇中であっても悩み事が絶えないからです。休暇が終わったら仕事が辛いだろうなぁ。休暇なのに何も出来ていない。次の休暇こそはどこかに行く計画をたてよう。休暇中なのに家にいることに不満に感じたり、まだ終わっていない休暇の後悔を始めたりします。これは、今いる状況を多かれ少なかれ「不運・不幸せ」だと感じてしまっているのです。 長期休暇に限らず、次の日をどう過ごすかを改めて考え直し、満足することで大半のストレスは解消できます。仕事をしている人は仕事があることをストレスに感じますが、したいことをするには仕事はかかせません。目標を作り、したいことを計画立てておくだけで仕事への意欲となります。 したい事、行きたいところ、欲しい物を思うだけで幸せな気分になれる。そして、それ実現した時のことを考えると今のストレスも少し解消できるのです。ストレスと「さようなら」を言う鍵ストレスと「さようなら」を言えるようになることは、「幸せへのカギ」でもあったのです。では、そのカギとはなんでしょうか。一番の方法は、今の状況を理解して、受け入れることにあります。上を見るとキリがありません。将来のことを思うと不安な気持ちになりますが、なりたい人生の事ばかりを追い続けていると、今が満足できなくなってしまいます。 1人1人最良の方法があり、毎日歩みながら夢を現実にしたり、本当になりたいものを見つけたりします。今を受け入れることなくして、満足のいく明日はないのかもしれません。ストレスは人生の道しるべネガティブな考えが芽生えた時は、自然と改善への道への分岐点に立たされているのかもしれません。そのまま前に進む変化を生み出し、道を変えるストレスを感じた時は、その根源をしっかりと知るようにしましょう。守るべきものは?守り変化をもたらすためには?そのためには、しっかりと、ストレスの元を知っておかないといけません。変化をもたらすときに必要なものを知っていますか?落ち着いた心エネルギー明確な考え勇気が要ります。これらが一つでも欠けてしまうと、変化をもたらすことができなくなてしまいます。毎日心がけたいことストレスや不安を感じた時は「どうして?」と質問をするようにしましょう。ストレスを感じる時は本当の自分と、頑張っている自分に違和感が出てきたときです。あなたの本当の気持ちと、毎日過ごす中で頑張ろうとしている気持ちには違いがあることを知っておきましょう。そして、このどちらの気持ちに、自分は耳を傾けるかを決めながら毎日を過ごしてくださいね。きっとストレスは解放されていく自分になれるはずです。
2017年09月14日「とにかく勉強ができなくて。実は私、発達障害のひとつ、学習障害だというのが最近わかったんです。道理で、勉強してもいっこうに読み書きができなかったわけです。師匠がしゃべるのを聴いて覚える落語なら、すぐに頭に入ったんですがね」 そう話すのは、古典芸能の型を大切にしつつ、現代的要素を取り入れたスタイルで人気の落語家・柳家花緑師匠(46)。新刊『花緑の幸せ入門「笑う門には福来たる」のか?〜スピリチュアル風味〜』(竹書房新書)では、冒頭で発達障害をカミングアウトしている。 著書に掲載されている中学3年の通知表では、英語と音楽、美術以外はほとんどオール1。この通知表が学生時代の最後にもらったもので、中学を卒業すると祖父である故・5代目柳家小さん師匠に入門した。ところが……。 「“人間国宝・小さんの孫”と言われ続けると、自分が偽者みたいな劣等感に襲われて、若いころはそのプレッシャーに押しつぶされそうでした。八方ふさがりで精神的に不安定な時期がありまして。祖父がいなきゃ自分の存在意義がないんだと思い詰めて、死のうとさえ考えたことも」 笑顔を絶やさず冗舌で、羨ましがられるほどの落語界きってのサラブレッド。けれどだからこそ、心の奥底に苦しみを抱えていたのだ。その鬱屈した毎日から抜け出すべく、自己啓発やスピリチュアル系の本を読みあさったという。そして、幸福について考えたプロセスや結果を著したのが今回の著書だ。 さて、近ごろ師匠を満たしたラッキーな「福」は? 「この間ね、落語会で出囃子を頼める人がいなかったんですよ。10人も弟子がいながら、全員がそれぞれの高座に出かけてしまっていて。途方に暮れていたところへ、近々真打ちに昇進する立川流の落語家が挨拶しに訪ねてきたの。まさに渡りに船!『出囃子をお願いできる?』と(笑)。この縁、“シンクロニシティ”という偶然の一致なんですね。遭遇したら幸せな気分になりますけど、自分から意図して起こすことはできないんですよ。おもしろいでしょ」 10月には東京での独演会「花緑ごのみ」が控えている。その稽古にも余念がない。 「本を読んで興味を持ってくださった方に、落語も楽しんでいただければ!」
2017年09月11日ストレス、誤解、ケンカ、意見のすれ違い、成績の競い合い、ノルマなどオフィスの中には、ストレスの元となる圧力がたくさんあります。でも、ときどき心の中に感じる怒りの炎に水をかけて鎮火させないといけませんよね。人生というものはなかなかシンプルに順風満帆にはいかないものです。オフィスの中には、いろいろなストレスが…特にオフィスの中では毎日が戦いですよね。オフィスの中では、たくさんの人が集まりみんなが戦いだと思って過ごしているから、オフィス内の空気はピリピリしていることが多いです。それを刺激するようにここに課題が積み重なったり、役職の取り合い、取引先やお客さんからのクレーム、同僚間のいがみ合いなど。オフィスの中にいろいろな火花がバチバチと光り始めます。このようにオフィスの中にはいろいろなタイプのストレスがあります。まず、ストレスの原因が何からきているのか分かるようにすることは、ストレス解消に役立ち、しっかりと消化できるようになります。先輩からの圧力このタイプのストレスは、特に若いうちは避けることができないものです。新人として新しい職場に行ったときや、新人社員として入社したての時は、先輩たちから仕事を教えてもらわないといけません。もともとそのオフィスにある慣例的な仕事の仕方や、周りの人がどんどん仕事を覚えていくのに焦りを感じたり、同時期に働き始めた人との間の競争心やそのオフィスの雰囲気になじもうと努力する。これらは、オフィスにいる以上、多かれ少なかれ誰にでも感じるストレスかもしれません。こんなストレスには、少し自分に対して起こしたい行動があります。周りの人に対して心を閉ざすのではなく、心をもう一度開き会話をすることです。先輩たちに新しいテクニックを提案する勇気を持つ。先輩たちからの意見をアドバイスだとプラスに考えるようにして利用する。できるだけ精神的にもオープンに過ごすようにします。必要としていることをはっきりと言えるようにし、自分の意見をまとめておくことが大切です。人間関係のすれ違いまず、すべての人と良い関係を築くのはほぼ不可能なことです。考え方の違い、性格、価値観の相違などでどんどん溝を作っていきます。でも、すべてのことを個性だと受け入れることができればいいのですが、仕事中にそんなゆとりがなくなってしまうものです。隣同士で苦手な人と過ごす時間は、あまりにも長く本当に疲れてしまいます。仕事中はついつい丁寧な話し方を忘れてしまったり、ノルマ達成のために必死になってしまいます。本当に耐えれなくなったときは席替えをお願いするだけでも大きく変わります。コミュニケーションを図ってそれでもだめなら、オフィス内部署を変えてもらったり、支店を変えてもらったりなにか変化をもたらしてみるといいでしょう。感情をコントロールする人は批判されたときや、攻撃されたと思うと守りに入るのが自然な行動ですよね。挑発するような態度や、ハラスメント的な発言や身体的なハラスメントなど、いろいろな攻撃がある場合がありますが、そのたびに感情を揺さぶられパニックになっていてはいけません。感情的に行動してもいい結果を出すことはないので、ある程度感情をコントロールして冷静な判断で動くように努めましょう。感情的な相手の振る舞いに、こちらまで感情的に答えていても解決には結び付きません。コミュニケーションがカギコミュニケーションは、避けることができないカギとなります。難しい状況の時ほどコミュニケーションを図ることが出口へと導いてくれるカギとなる一番の方法となります。コミュニケーションをするときは、自分の考え方をしっかり持っておくことがまず一番の基本です。自分の考えがまとまらないまま話すと、相手に結局何を言いたいのかわからず伝えられないままに終わります。まずは、「自分の気持ちとコミュニケーション」をすることが大切です。人を変えることは難しいことですが、自分を正すことは努力次第でできるかもしれません。まず自分に正すべきところがないかを見返ることも必要です。人間関係が崩れた時は、「その人と話したくもない、関わりたくない。」と心を閉ざしがちですが、これではどんどん関係を悪くしていくことが見えています。忘れてはいけない習慣健康的なライフスタイルを保つ(運動、食事、考え方、適度な休息を確保)毎日笑う時間を作り、ポジティブな考えを持つように努める。問題を解決することへの気持ちを持ち、「どうして」こんなことになったのかに焦点を合わせることから「どのように」解決するかという疑問を変える。周りの人を肯定するようなコミュニケーションを心がけて、相手の親しみを感じる領域に入るようにする。時間のオンオフを上手にする。「入り込む時間・離れる時間」を使い分けることで、悪い空気を引きずらないようにする。周りの人の成功を一緒に喜ぶように心がける。オフィスに着いたときや帰る時に「あいさつ」を慣例的にするのではなく、あなたの心の中からするように心がける。
2017年09月04日知的障害者福祉法とは?出典 : 知的障害者福祉法(旧:精神薄弱福祉法)は、1960年に制定された法律です。知的障害のある人の福祉をはかることを目的とした法律です。2006年の改正前、その目的は「生活支援」という側面だけでしたが、現在は知的障害のある人の自立と社会参加を促進するよう法律で定められています。それでは実際の法律の文言を見てみましょう。(この法律の目的)第一条 この法律は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)と相まつて、知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、知的障害者を援助するとともに必要な保護を行い、もつて知的障害者の福祉を図ることを目的とする。また、この法律は2013年に制定された「障害者の日常及び社会生活を総合的に支援するための法律」、別称「障害者総合支援法」という障害のある人全般に適用される法律とあいまって、その内容が定められています。それまでは、障害種別によって個別の法律に基づき様々なサービスや制度が成り立っていました。その後、総合支援法ができたことにより、「知的・身体・精神」の3つの障害が同じ法律内で扱われることとなりました。そのため、従来の知的障害者福祉法がもっていた独自の法的な意義は希薄化しているのが現状です。それにともない、知的障害のある人へのサービスや制度も、障害者総合支援法に移行しています。知的障害者福祉法の概要出典 : 知的障害者福祉法は以下の4つから構成されています。・総則・実施機関及び更生援護(実施機関等、障害者入所支援施設等の措置)・費用・雑則総則とは、全体を通じて適用される法律のきまりのことです。つまり、法の根幹となる部分です。知的障害者福祉法における総則は、以下の4つの項目から成り立っています。◇目的知的障害のある人の自立と経済活動を促進させるために、知的障害者の福祉をはかることを目的としています。このために、国や自治体、施設などは知的障害のある人を保護し、適切な援助を行うことが定められています。◇自立への努力と機会の確保・知的障害のある人は、そのもっている能力を使って社会活動、経済活動に参加するように努力しなければならないとしています。・社会を構成する一員として、自立し、社会、経済、文化などの活動に参加する機会をもっているとされています。◇国、地方公共団体と国民の責務国や地方公共団体は、上の理念が達成されるために、国民の理解を促し、必要な援助と保護を行うことが定められています。国民は、知的障害のある人の福祉について理解を深め、社会経済活動参加する努力に対して協力することが定められています。◇職員の協力義務知的障害のある人に援助や保護を行う職員は、児童から成人まで一貫して福祉支援を行うことが定められています。このように、知的障害のある人が社会の一員として、社会的、経済的な活動に参加できるように、すべての国民、行政、職員が努めることを義務付けたのが、知的障害者福祉法です。この部分には、知的障害福祉法に関する支援を提供する機関について記載されています。・支援の実施は、市町村が実施の主体となっていること・知的障害者の判定は、知的障害者更生相談所で行うことなどの点が記載されています。この部分はのちの章で詳しく説明します。知的障害者福祉法のこの項では、知的障害のある人のための施設を運営、設立する際の費用を出す義務者が定められています。また、知的障害のある人がサービスを利用するときには、一部または全部の負担が課せられることになっていますが、その負担は、当事者および扶養者の自己負担の能力に応じることが記されています。知的障害者福祉法ができたわけ出典 : 知的障害のある人への総合的な福祉支援は、どのような理由から展開され、本格的に開始したのでしょうか。日本で、最初に知的障害のある人への福祉サービスを規定したのは、1947年の児童福祉法です。ここでは、障害の有無についての言及はなく、すべての児童が等しく、生活を保障されなければならないという理念が述べられています。その後、1953年に「精神薄弱児対策基本法」が策定されました。この法は、のちの1960年に成立する知的障害者福祉法の下敷きとなったものです。この法律の要綱では、成人をも視野に入れており、18歳を過ぎた知的障害のある人にも必要な施策がとられることとなっていました。しかし、この法律には様々な問題点がありました。というのもこの法律では、知的障害のある人の「隔離」と「保護」を前提としていた点です。そのために、具体的にとられた施策は、不良行為を行う知的障害のある人を収用する設備の強化や、優生手術の実施など、知的障害のある人を社会から排除するものでした。また、実際の福祉施策が適用されたのは、18歳未満の知的障害がある子どもだけでした。「隔離」を前提とするような法律の問題点を改善する声があがり、1960年に成立したのが知的障害者福祉法です。この法律でようやく、名実ともに児童から成人までの一貫した支援を提供する事業が整備されました。知的障害者福祉法の改正と障害者総合支援法出典 : 障害者制度は2003年、2006年、2013年と3度の変革を迎えています。これにともない知的障害者福祉法の位置づけや内容も変化してきました。まず2003年には、支援費制度が導入されました。ここでのキーワードは「障害者の選択の尊重」です。この制度の導入により、それまでは行政が定めたサービスしか受けることのできなかった利用者は、自分に合ったサービスを選べるようになりました。そして2006年には、「障害者自立支援法」が成立しました。ここで福祉サービスにおける障害者の位置づけが大きく変わりました。というのも、それまでは障害の種別によって提供されるサービスは分かれていたからです。障害者自立支援法の成立により、障害の種類や年齢にかかわらず、障害のある人たちが必要とするサービスを利用できるように、利用のしくみが一元化されました。そのために、それまで知的障害のある人を対象として提供されていたサービスの多くが障害者自立支援法という共通の制度のもとで一元的に提供されることになりました。2013年には、上記の障害者自立支援法の改正法として、障害者総合支援法が成立しました。ここで、よりよい支援を行うことで施設を退所する障害者が省令で追加されるなど、障害のある人が自立した日常生活、社会生活を営むことが法律の目的として定められいます。障害者総合支援法については以下の記事で詳しくご紹介しています。知的障害者福祉法の中で明確な定義がない「知的障害者」出典 : 「知的障害」という名称は、学校教育法や児童福祉法などの法律で使用されてから、一般的に福祉現場や医療の領域で、日常的に使われるようになりました。一般的には、知的障害とは、金銭管理、読み書き計算など日常生活や学校生活の上で知的機能を使う知的行動に支障があることを指す場合が多いです。しかしながら、肝心な法律においては、どのようなものを知的障害と指すのかを定める規定が見られません。このために、医学、心理学、教育学の領域でそれぞれ定義が定められており、共通した理解が得られていないのが現状です。またその呼び名も、教育分野では「知的発達障害」「知的発達遅滞」、医学関連では「精神遅滞」「精神発達遅滞」などばらばらです。支援の必要性の有無、障害の程度をもって、知的障害者を定義する法令は存在せず、客観的な基準を示していません。厚生労働省においては、知的障害を精神医学の領域における「精神遅滞」と同じものと定めていることから、法令上の用語もその基準にならっていることが多いようです。知的障害(ID: Intellectual Disability)は、医学領域の精神遅滞(MR: Mental Retardation)と同じものを指し、「知的発達の障害」を表します。すなわち「1. 全般的な知的機能が同年齢の子どもと比べて明らかに遅滞し」「2. 適応機能の明らかな制限が」「3. 18歳未満に生じる」と定義されるものです。「知的障害者更生相談所」知的障害のある人がより暮らしやすくなるための機関出典 : 知的障害者福祉法は、知的障害のある人がより暮らしやすくなるためのサポートを行う機関を、都道府県に設置することを定めています。それが知的障害者更生相談所です。主に18歳以上の年齢の人が対象となります。18歳未満の場合には、児童福祉法のもと設置された児童相談所を利用することとなります。知的障害者更生相談所では、以下の3つの取り組みが行われています。この施設では、知的障害に関する高度で専門的な知識や技術を必要とする人のための相談を受け付けています。医師やケースワーカーなどの知的障害者福祉司という専門の知識をもった職員が相談にのってくれます。知的障害者更生相談所では、知的障害の判定と療育手帳の交付を行っています。判定および交付は、医師や心理判定員によるものです。知的障害には、国の法律によって定められている定義が存在しません。そのため、障害の認定区分や基準は自治体により異なっています。おおまかには、知能や生活習慣、行動の特徴などから判定します。その他には、IQ(知能検査などの発達検査の結果でわかる知能指数のこと)や日常生活動作(身辺処理、移動、コミュニケーションなどの能力のこと)などが判定の材料に用いられることもあります。療育手帳の交付の詳しい方法は、以下の記事を参照ください。障害の状況や地理的な理由により、来所相談や定期相談ができない場合もあるかもしれません。そのようなときには、自治体によっては福祉士や心理判定員が、相談受付のため地域の巡回も可能ですので、利用するとよいでしょう。知的障害のある人に関連する制度や利用できる手当て出典 : 知的障害のある人に対する支援の体制にはさまざまなものがあります。現在、障害の種別に関わりなくサービスを一元化する動きのために、本法律を根拠とした知的障害のある人に特化した制度はありませんが、別の法律に準拠やガイドラインに定められた制度や手当をご紹介します。知的障害と判定された人に、一貫した相談や指導を行い、各種の福祉サービスを受けやすくすることを目的とした制度です。交付は、都道府県及び指定都市の長が行います。療育手帳制度は、法律で定められた制度ではなく、「療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)」というガイドラインに基づいた制度で、都道府県・政令指定都市ごとに要綱などを制定して行われています。療育手帳をもつことで、以下のような支援やサービスを受けることができます。・保育園への入園優待・就労支援・障害者医療費の助成・公共交通機関の割引・各種料金の割引、減免支援費制度とは、障害のある人自らがサービスを選択して、デイサービスや授産施設などの事業者と対等な立場で契約を結び、サービスを受けることのできる制度で、2003年に導入されたものです。当たり前のことだと思われた方もいらっしゃったでしょうが、導入以前は、利用者はサービスを選択することができず、市区町村などの行政が障害のある人の受けるサービスを決定していたのです。支援制度の「支援費」というのは、「利用者が施設を利用するための費用を市区町村が負担しますよ」ということです。ですので利用者は、直接何らかの金銭を受け取ることができるというわけではありません。障害のある人が施設を利用する際には、本来は全額費用を払わなければならないところから、行政がその利用料を負担するために、利用者が支払う費用が軽減されたという意味で「支援費」なのです。支援費制度は、現在障害者総合支援法に移行しています。それまでの支援費制度は、障害種別ごとのものであったり、利用できる施設が障害種別に応じて細分化されているという点から、複数の障害種別のある利用者からするとややこしいものでした。そこで、これらの課題を解決するとともに、障害のある方本人を中心とする個別の支援をより効果的に行っていくために、2005年に障害者自立支援法(のちの障害者総合支援法)への移行が行われました。成年後見制度とは、認知症のある高齢者、精神障害のある人、および知的障害のある人など、判断能力の十分でない人を支援する制度です。1992年に設けられました。この制度では、お金の管理や相続という手続きを、その人に代わって代理人が行うことができます。成年後見制度には二つの種類があります。一つは、法定後見制度といわれ、家庭裁判所が成年後見人などを選任し、すでに判断能力が低下している人に対して行われるものです。もう一つは、任意後見制度といい、あらかじめ本人が任意後見人を選び、近い将来に備え支援者と支援内容を決めておくものです。具体的な利用の方法や手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。「もしも」のときのために、掛け金を積み立てておく制度です。精神、知的、身体に障害のある人の保護者が、亡くなったり、重度の障害になったときに、本人に終身一定額の年金が支給される制度です。対象は、・将来独立することが困難であると認められる、特に知的、身体障害の1~3級の手帳をもつ者の保護者・65歳未満の保護者・特別な疾病、障害がないなどの条件があります。対象となる保護者は、毎月1口~2口の掛け金を納めます。1口あたりの金額は、保護者の年齢により変わります。支給は保護者が亡くなった、重い障害をもった場合に、1口につき、月額2万円が本人に、終身支払われます。詳しくは、お住いの市区町村の保健所、保健局のHPをご覧ください。障害の等級によっては、以下の手当が支給されます。該当する手当をもらうことで経済的、精神的な負担の軽減することができます。・障害基礎年金・障害厚生年金・在宅重度心身障害者手当・特別障害者手当・特別児童扶養手当・障害児福祉手当など赤塚俊治/著『新・知的障害者福祉論序論』2008年/刊/中央法規出版山内一永/著『図解 障害者総合支援法早わかりガイド』2012年/刊/日本実業出版社まとめ出典 : 知的障害のある人のための法律は、刻々と変化しています。歴史的な背景から起こっている、障害のある人への差別や偏見から派生する社会問題を解決するために、国の施策が展開されています。法律の目的である「自立」「社会参加」という理念に向かう途上で、まだまだ課題点は多く残りますが、その達成に向けて私たちは着々と歩を進める途上にあるともいえるでしょう。
2017年08月30日「ストレス太り」と言われますが、本当に太るのでしょうか?太るとしたらどうして?ストレスと体重の関わり合いはとても強く、とても大きな影響を与えます。その関係を見てみましょう。どうして「ストレス太り」するの?女性にとって体重はとても繊細な問題です。いつもより少し多く食べてしまったときや明らかにあまり動いていないときなどは、太ってしまっても理由は明確です。このように、女性は、太った時には毎回、何が悪かったか分かろうとします。でも、ときどき、理由が分からないときもあると思います。そんな時は、もしかすると「ストレス」が原因かもしれません。ストレスが私たちの体に及ぼす影響は、思った以上に大きなものだということを知っておかないといけません。体重が増加したり、減少したりするのは時期やホルモンのバランスなどもありますが、その時期やホルモンバランスなどを毎日の中で感じていたり、溜めているプレッシャーによるものが多いです。でも、そのプレッシャーやストレスに対しては、日常の中でケアをほとんどしていない、または、まったくケアしていない人が多いですよね。ストレスが、体に及ぼす影響は本当にいろいろです。それに対してストレスを取り除くことは難しく、時間とともに慢性のストレスへと変わっていきます。そのストレスが、イライラを感じさせたり疲れを起こしたりします。ストレスは、家事、仕事、人間関係、育児などいろいろなものからやってくるのに、最終的にストレスという分けることができない、一つの塊となって身体の中にたまっていきます。目に見えないから取り除きにくく、あまりにもたくさんのものが溜まってしまうと原因が分からなくなってしまい、どうすればいいのか分からなくなってしまうものです。ストレスが引き起こす、「太らせる原因」を見てみましょう。「ストレス太り」の特徴急に甘いものをやけ食いしてしまうようになる。食べることが「ストレス発散」になっている。筋肉の弾力や引き締まりがなくなり、急に体重増加した。体重増加とともに体調が悪くなった。肌の調子が悪くなり、ニキビや吹き出物が多くなった。甲状腺ストレスは、コルチゾールレベルを高くしてしまうことがあります。甲状腺の機能がストレスにより悪くなってしまうと、新陳代謝が下がり、同じ量を食べているのに急に太ったりします。神経伝達物質神経伝達物質というと難しく感じますが、ストレスを感じた時私たちの身体に必要になってくるものです。「セラトニン」「ドーパミン」もその一つです。セラトニンやドーパミンは、良い気分になれる幸せホルモンと言われています。セラトニンは、心を穏やかにしてくれて安らぎを感じさせる効果があります。ドーパミンは、快ちよさを感じさせて気持ちを前向きにしてくれる効果があります。セロトニンが出ると痩せる効果もあると言われていますが、ストレスがあるときは体を守ろうと機能し始めます。例えば、恋をしているときはセロトニンがたくさん出ている状態です。恋をすると、食べ物が喉を通らなくなり、どんどん痩せていくこともあります。それは、セロトニンのヤセ効果だと言われています。恋をした時に脳から自然に発生している状態です。これらの理由から、神経伝達物質がとてもストレス解消にとって大切なことが分かったと思います。でも、セロトニンは、ヤセ効果があるのにどうしてストレス太りにつながってしまうのでしょうか?ここで一つ問題があります。ストレスを解消するためにこれらの物質を放出させるために必要なのが、「糖分」と「炭水化物」です。これらがないとストレスを和らげる物質が出なくなってしまうので、太ってしまうのです。ストレスがある時に急に甘いものを欲しくなったり、無我夢中で食べてしまうのは、この身体の反応によるものだったのです。コルチゾール先ほども甲状腺のところでも「コルチゾール」の話に触れましたが、コルチゾールは、副腎で分泌されるホルモンで脂肪をため込み、筋力を落とさせる働きがあります。コルチゾールが過度に増えると、体の引き締まりが失われて、どんどんダイエットが難しくなってきます。また、水分の流れが悪くなり、セルライトがどんどんたまっていきます。また、コルチゾールには、食欲を増進させる作用があります。これは、先ほどの「セロトニン(幸せホルモン)の分泌を抑えてしまう働きがあります。そのためどんどん食べる量が増えていき、太らせてしまう循環に陥ってしまうのです。”癒し”のために食べるイライラしたときによく起こるのが、おなかが空いていないのに食べてしまうことです。不安を感じたり、イライラしてしまうと、食べ物で心を癒そうとします。おなかが空いているから食べるのではなく、食べることでリラックスし、それが習慣となってしまいます。これでは、どんどん太ってしまいます。人は、おいしい物を食べた時に快感を感じます。その快感が少しストレスを忘れさせてくれる効果があります。でも、一時的なものでストレスが心の中から解消されたわけではありません。それでついつい繰り返してしまうのです。ストレスと体重の関係を理解して、毎日を健やかに過ごせたらいいですね!※筆者の個人的見解です。効果・効能を保証するものではありません。
2017年08月22日ストレスは、良くないものだとよく知っているけれどまさかカップルの関係まで壊してしまうなんて思わない方もいると思います。ストレスは、あなたの敵でもありますが、恋人との良い関係を保つ上でも敵なのです。そこには、ちょっとした大人の事情が隠れているのです。ストレスがカップルの敵!その理由お仕事をしている、学校でやるべき勉強が溜まっている、時間が足りなくてイライラしている。これらはすべて「ストレス」を生み出していきます。いつもするべきことに追われていて、休日やウィークエンドにまとめてしたり、遅れを取り戻そうとしたりします。本当は、休日やウィークエンドは、「お休み」を楽しみ、喜ぶための日です。それは、古くから決められたルールですよね。でも、それができない現代!このことでイライラとしたり、こんなことでいいのかと疑問を持ったり、残念に思ったりします。その気持ちが毎日の日常を少しずつ壊し始めます。胸やけしたような感覚、胃が痛くなったり…。身体の異変だけでなく、どんどんカップル間の関係にまで亀裂が入ってきます。ストレスによってカップル間に及ぼす悪影響を見てみましょう。もしかしたら「最近彼氏とうまくいっていない」という悩みがある人は、ストレスの仕業かもしれません。いくつかのヒントを見てみましょう。1.ルールを作り、守るストレスの原因はいろいろありますが、どんな要因であっても同じように心に溜まっていき、一つの「ストレス」という形に変わっていってしまうものです。時々イライラしたり、短気になってから「ストレス」が溜まっていることに気づくこともあります。ここで、何がストレスの根源なのか知ることが必要です。まずはストレスのもとを頭の中のパレットに並べるようにしていきましょう。多くの場合ストレスの元は「仕事」だと思います。仕事は、仕事中で終わらせてオフィスの外に持ち運ばないようにしましょう。一つのアイデアとしては、パートナーと家で過ごす時間は「仕事の話を避ける」ようにします。こうすることでストレスと切り離すことができます。ストレスをずっと感じていると八つ当たりをしてしまったり、口調まで強くなってしまったりします。二人でコミュニケーションをすることで、心の中のお洗濯をするように心がけましょう。2.ケンカ!ケンカをたくさんするカップルは、もしかしたら「ストレス」が邪魔しているのかもしれません。ストレスがあるからケンカをする、ケンカをしてストレスを溜める。もう悪い循環が終わりそうにもありません。ケンカを減らしたいと思っているなら、相手に改善を求める前に一度自分のストレスを取り除く努力をすると良いです。残念ながら誰かと一緒に過ごすとストレスがあり、納得がいかないこともあります。でも、ストレスがなければ少し多めに見てあげることができます。それでも、ケンカをしてしまうこともあるかもしれません。そんな時は「できるだけ早く仲直り」するようにしましょう。このルールはいつも良い結果をもたらします。「ケンカをしてもそのあとはすっきり仲直り」このルールに従っているだけでも二人のストレスは少なくなり、二人の人生を良くしていきます。3.シーツの上での時間シーツの中で過ごす二人の身体コミュニケーションは、二人の関係を良くしていきます。それは誰でも知っていると思います。ストレスを感じているときは、イライラしていてそんな気持ちにもならないと避けてしまいがちですが、実はストレスを感じているときほどしたいです。身体コミュニケーションが良い理由コルチゾールというストレスホルモンを減少させて、ストレスレベルを下げることができます。エンドルフィンが出て、心の健康とを保つことができる。二人の関係を良くして、安らぎを感じることができる。二人の関係を保つことにも役立ち、情熱を感じることでストレスを撃退します。相手がイライラしていて、夜の生活がご無沙汰だという人は、まずストレスを取り除く事から始めてみましょう。ストレスを感じすぎると疲れていたり、情熱さえ湧き出てきません。数日、または1週間に何度かストレスを取り除くようにするといいでしょう。温かくて香りのいいお風呂を用意してあげる。BGMがあるとさらにいい!マッサージをしてあげ、リラックスさせてあげて少し刺激を与える。そのままシーツの中でコミュケーションを始めます。3まで進むといいのですが、ストレスレベルが高いときは1と2を習慣として繰り返してあげましょう。4.二人で過ごす大人のカップル一緒に住んでいないカップルならいい距離感を保ちやすいのですが、一緒に住んでいるカップルにとっては「自分の時間を持つ」ことができないことでストレスになることがあります。週末は一緒に過ごしたいと思うのは自然なことですが、一人の時間も持つように心がけましょう。時には、お友達と外出してパートナーを家の中で一人にしてあげるのもいいでしょう。お互いに居心地のいい空間を二人の家の中に作り上げることで帰る時に少し足取りが軽くなり、不思議とストレスも軽やかになっていきます。それがあなたとパートナーの関係を良くしていきます。※筆者の個人的見解です。
2017年08月18日空腹になると少しイライラしてしまいます。それは空腹によるストレスによるものです。そのストレスの乗り越え方と治し方を見てみましょう。ダイエットをしたいのにいつも空腹を感じてしまうのは、大きな問題ですよね。ダイエットや体型維持をしたいけど、苦労はしたくないという人におすすめの方法です。空腹感は収まるところか”増える”ばかり…長く続く空腹感や終わることのない食欲、おなかが空いていないのに無性に食べたくなってしまう欲張りさんまで…。こういった行動は、ストレスからきていたり、週または月のホルモンバランスの関係かもしれません。「今はよく食べる時期」など周期がある人はこれらが原因かもしれません。空腹感は、耐えることができない辛い感覚を感じさせます。頑張って我慢して時間を過ごしても空腹感は収まるところか増えるばかり!どうしたらいいのでしょうか?いつも空腹…どうして?これは、体型維持、ダイエットをしたい人にとって永遠のテーマになりますよね。まず、空腹を感じた時「気分を上げてシャキッとする」ことを心がけてみましょう。たったこれだけ?と思う人もいるかもしれませんが、結構効果があります。気分を上げるだけで、少し空腹への集中力をそらすことができるようになります。でも、それ以外にも空腹にいつも悩んでいる人がチェックして覚えておきたい行動があります。食事を抜いた。(特に朝食を食べなかった)炭水化物をいつも少なめに食べている。(満腹感を感じさせてくれます。)睡眠時間が足りていない。(正しい睡眠量を確保すると満腹感を感じやすくして、カロリーを消費しやすくします。)生理前でホルモンバランスが変わっている。(マグネシウムを正しい量摂取することで治まることがあります。)これらのことを改善し、予防することで空腹への悩みを大きく減らすことができるようになります。空腹感が”続く”とき、どうすればいいの?まず、「空腹を感じたらいけない。」と考えてしまっていることは、逆に空腹に敏感になってしまいます。それから夏に良く起こる空腹の理由は、「水分不足」です。水を飲むことで、かなり空腹によるアンチストレスをできるようになります。これは空腹に悩む人なら、すぐに試してほしい行動です。毎回食事で満腹感を感じたら、仕上げに「コップ一杯の水を飲む」ようにしましょう。この行動が、身体の水分不足をなくし、潤すだけでなく、身体の状態を良くしてくれます。シンプルな行動で空腹を克服できるかもしれません。まずはシンプルな方法から取り入れることで悩みをなくしていくことが大切です。水を飲んでも収まらなかったという方は、このお水にもう一工夫をしてみます。コップの中にレモン汁を加えてみましょう。この時にお砂糖を加えてはいけません。これは、毎日の習慣のように続けるといいでしょう。それでもまだ胃がグーグーとぼやいていたら、仕方がないので「フルーツかヨーグルト」で満たしてあげましょう。ここで、お砂糖が多いおいしいデザートやスナック菓子は食べてはいけません。だって、後で「やってしまった。」と後悔してしまうからです。食事と食事の間にいつもきまってお腹が空いてしまう傾向がある人は、リンゴやミカンなどフルーツを持っていくようにしましょう。クルミなどのガレットもいいでしょう。これらを食べるだけでも空腹をしっかり抑えてくれて、血中糖度を下げてくれて食べたいという欲求を大幅に取り除いてくれます。空腹について考えているときに一見おかしく見えるかもしれませんが「デパ地下」に行き、気になるスイーツを選ぶのもいい方法です。でももちろん何を食べてもいいというわけではありません。ここで探すものはアーモンドやクルミを使ったお菓子でシリアルがゴロゴロとしているバーのようなものを探します。できるだけ砂糖などを使っていないものを選びます。気になるナチュラル素材のスイーツを選んでバッグの中に入れて置き、空腹時に食べるのもいい方法です。お腹が空いているときにしてはいけないことチューングガムをとりあえず食べる。あめを口の中に入れて味わう。これらの行動をしてしまうと、逆に空腹感を高めてしまいます。「空腹ストレス」をナチュラルに取る方法リラックスできる行動をする。しっかりと深呼吸をすることで身体が落ち着いてくるので身体のコントロールがしやすくなります。空腹に効くハーブを使う。シトラスは、空腹によるイライラを取り除く効果があります。ファンネルのハーブティーを空腹のときに飲むと抑えることができてダイエット効果もあります。ハーブティーは、ストレスを取り除きながら空腹を抑える効果があります。サプリメントを使う。グルコマンナンなどを含むサプリメントを使うのもよい方法です。おなかが空いたときに摂取することで、お腹の空腹感を取り除いてくれることが可能です。ドラッグストアに行くと適したサプリメントを見つけることができます。食事を変える。食事を変えてしっかり栄養士の勧めるメニューに変えるのもいい方法です。バランスの崩れからきている空腹かもしれません。
2017年08月15日「○○が苦手です」では、発達障害の実情が上手く伝わらないこともある出典 : 発達障害のある子のことを説明する際、よく耳にするセリフに「うちの子は○○が苦手です」というものがありますよね。私も、療育センターでそのように説明することをすすめられていたこともあり、最初は長男の障害名ではなく「〇〇が苦手なのよ」と特性だけを伝えるようにしていました。障害名を言って偏見を持たれるよりは、具体的な得意不得意を話した方が伝わりやすいだろう…そう思っていたからです。実際に、そのように伝える方がコミュニケーションが円滑にいく場合もあるでしょう。ですが、私が直面した現実は真逆だったのです。帰ってきた言葉の多くは「苦手ってことは頑張ったらできるんでしょう?」「甘やかしすぎじゃない?」「しつけの仕方が悪いんじゃない?」といった、息子や私の”がんばり”不足を原因とするかのような反応でした。「トツカさんって、ほんと過保護よねー」知らないところでそんな風に言われることもあり、当時はひどく落ち込みました。しかし、今思えばこちらの伝え方のせいで余計な誤解を招いていたのだと感じます。確かに、「うちの子は○○が苦手です」と突然言われても、それがどの程度苦手かを想像することは難しいですよね。「うちの子だって大変なのに、この人は何を甘えているの?」そう思うのは自然なことだと思います。それが定型発達の世界なのです。こうしたことがあってからは、私はあえて先に「うちの子は自閉症という障害を持っています」と伝えた後に、「障害の特性から○○が苦手なため、ご理解いただけると助かります」というように伝えるようにしました。もちろん「障害があるから迷惑をかけても許してね」という意味ではありません。「本人も家族も努力をしていますが、それでも難しいことが多々あります。そのためご迷惑をおかけすることがあるかと思うので、もし気になったことがあれば遠慮せずお知らせください」という意味です。何かあれば常に対応するという姿勢を示しておくことで、理解し合うための土台作りができることに気がついたのです。発達障害がある子たちにとって“苦手”という感情は生きるか死ぬかのレベルであることも多いです。しかし、ただ“苦手”と伝えるだけでは、その困難の大きさを判断できないのも無理はないですよね。そのために、少しでも相手が抵抗なく受け入れられるようにこちらができる工夫。それが「障害名から伝える」ということではないかと感じました。「障害名を伝える=偏見を持たれる」とは限らない出典 : 障害名を伝えることに関して、多くの保護者の方が悩む問題があります。「障害名を伝えることで障害名が一人歩きして偏見を持たれないだろうか…」ということです。私の結論を言うと、それは違います。悲しい話ですが、発達障害に対して偏見を持っている方は特性に対しても偏見を持っていることが多いため、障害名を伝えても伝えなくても大きく変わらないのです。「子どもが○○をするのは親のしつけのせい」すでにそう思っている方にとって、障害名は重要ではありません。むしろ障害名や詳しい特性を伝えることで「障害があるからそのような行動をすることもある」ということを知ってもらえ、逆に偏見がなくなることの方が多かったのです。そのため、障害名を伝えることでプラスになることはあってもマイナスになることはありませんでした。あえて障害名を伝えることで良い意味で変化が!出典 : とはいえ、実際に障害名を伝えるとなると「お友だちができなくなるのではないか」「偏見を持たれないか」など、どうしてもマイナスのことを考えてしまいがちですよね。ですが、先にお話しました通り、実際はプラスになることも多いのです。なぜならば「正しい知識を伝えられる」からです。恥ずかしながら、私自身も、わが子が自閉症だと知る以前は「自閉症=喋らない障害」だと思っていました。実際はそんな子もいればそうでない子もいますよね。しかし、以前の自分のように誤って認識している方は大勢いらっしゃいます。そのため意図せず傷つけたり傷つけられたりということが起こってしますのです。けっして悪意があるわけではありません。ただ、知らないだけなのです。障害名を伝えた後、そんな方たちによく聞かれることがあります。「自閉症って○○な障害だよね?でも、息子くんはそんな風には見えないよ?」それぞれがイメージしている“自閉症”とギャップがあるのでしょうね。障害のカミングアウトを機にこうした質問をされることが増え、その度に説明をするようになりました。大人が正しい知識を持つことで、子どもにも間接的に障害がある子との関わり方を伝えることができます。逆にこちらは年相応の成長や遊びを教えてもらえ、お互いに知らない情報を知ることができるのです。言わなければ伝わらず歩み寄ることができなかったであろう関係も、こちらから一歩踏み出すことで世界が大きく広がり、この先必要な社会とのつながりを作ることができるのではないでしょうか。また、学校でもある程度オープンでいることで、学級内での配慮が円滑に行えると聞いたことがあります。高学年になると、それまで漠然とゆるされてきた発達障害の子を見て「あの子だけ特別扱いされてずるい!」と感じる子が増えてきます。大人でも理由を聞かされず一人だけ特別に配慮されている状態を快く思うことは難しいですよね?それと同じなのです。なぜその子には配慮が必要なのか、それをある程度示してあげることで、クラスメイトにとっても良い効果があると感じました。伝え方を工夫して否定し合わない関係作りを出典 : 現在長男は特別支援学級と普通学級を行き来しています。特別支援学級に通っている子どもたちは、必ずしも障害の確定診断がある子どもばかりではありません。長男に発達障害があることを知っている親御さんもいれば知らない親御さんもいます。子どもたちも同様です。そのような状況ですが、障害名が足かせになっていると感じる経験をしたことはありません。多くの方は定型発達の子と同様、本人の性格や人間性を見て判断してくれていると私は感じています。見えない障害をカミングアウトすることが正解かどうかはわかりません。しかし、私自身は少なくとも不正解ではないと思っています。障害の有無を問わず、すべての人たちが理解し合って生きることは難しいことです。しかし完全に理解することはできなくても、伝え方一つで否定し合わない関係が築けると思うのです。そんな関係を築いていくことが、将来社会で共存することにつながるのではないでしょうか。障害の種類・子どもの性格・周りの環境などで伝え方は変わってきますが、あえて障害名を伝えるという選択もあるということを知ってもらえたらと思います。
2017年08月14日NHK「あさイチ」シリーズ発達障害“ほかの子と違う?”子育ての悩みNHKが1年を通してさまざまな番組で、発達障害の多様な姿を伝えていく「発達障害プロジェクト」7/24(月)にも「あさイチ」で特集が放送されました。今回のテーマは、「“ほかの子と違う?”子育ての悩み」朝の番組で、発達障害のある子どもの子育てを取り扱ったことから、特に保護者の方々の視聴・感想が多かった様子です。発達ナビ編集部でもTwitterで番組の内容を実況し、視聴していた方々の感想もまとめました。以下の、Twitter「モーメント」機能によるまとめをご覧ください。「あさイチ」シリーズ発達障害“ほかの子と違う?”子育ての悩みワガママと発達障害の境界線は…?番組で投げかけられた問いと、視聴者の声今回の番組では、発達障害のある小学生の子どもが二人いるご家庭が取材されました。小学6年生の女の子が、学校から帰って来た場面。直前までお友達とおしゃべりしていた内容が心に残って、なかなか気持ちや行動の切り替えをすることができない、結果、宿題を始めるまでに50分もかかったという様子が映されます。お子さんの発達に違和感を感じたのは3歳児の頃。癇癪が激しく周囲に相談したが、その時は周囲から「大丈夫だよ」と言われるだけで、お母さんはギャップに苦しんだそうです。その後4歳児になったとき病院を受診、発達障害と診断されました。お子さんが「宿題をなかなかやろうとしない」「学校に行きたがらない」といった状況や悩み自体は、子育てしているご家庭なら大抵、一度は直面することかもしれません。ですが、発達障害のあるお子さんの場合、気持ちや行動の切り替えの難しさ、困りごとが起こる頻度や程度には大きな差があり、なかなか簡単には困りごとは解消されません。番組で映されるお子さんとお母さんのやり取りから、診断されてから今に至るまでの日々、積み重ねて来た工夫や理解、お子さんの成長の足跡も感じられます。それでもやはり、思うようにいかなくて、パニックや癇癪を起こしてしまうこともある。同じく発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方や、ご自身も幼少期に似たような状態になっていたと語る、成人の発達障害当事者の方など、視聴者の方々から共感の声が寄せられていました。一方、スタジオゲストの方からは、「これが単なるワガママなのか、発達障害によるものなのか、わからない」という意見も出てきました。ワガママと障害はどう違うのか。そんな疑問に対して、Twitter上でも視聴者のさまざまな声が寄せられます。番組中でも、一見して誰にでも起こるような困りごとでも、発達障害の場合は、生活に支障がでるぐらい、程度や頻度が大きいという説明がなされていました。ですが、程度や頻度は違えど、起こっている症状や困りごと自体は、どんな子どもにも見られうるものであるゆえに、周囲の人からすると一見してその違いはわかりにくいのでしょう。どこまでがワガママで、どこからが障害なのか…発達障害が身近でない人からそのような疑問が呈されること自体は、無理もないことかもしれません。また、性質や程度の違うさまざまな凸凹のある人々が、連続体(スペクトラム)のように存在していると言われる発達障害それ自体の特性からも、明確な線引きをすることは非常に難しいと言えます。目に見えにくい、わかりにくい障害としての発達障害の性質を示すようなエピソードだったように思います。こうしたジレンマに対して、具体的にはどのように対処すれば良いのか。番組のゲストコメンテーターとして出演された、鳥取大学大学院の井上雅彦教授のコメントがヒントとなります。わがままと障害の線引きはどこかと線引きすることは、厳密には難しい。それよりも大切なのは、周りがどういう風に対応して工夫すれば本人が頑張れるようになるのか、という観点だと井上先生は語ります。線引きをすること自体を目的としても、議論にキリをつけることは難しいですが、その子が何に困っていて、周囲の人たちには何ができるのかと、個別具体的な対応・行動をベースに考えることができれば、発達障害かどうかに関わらず、どんな子どもにとっても有効な困りごと解決のアプローチが見つけられるはずです。番組の後半には、下のような声も寄せられました。どんな状況であれ、お子さんも、親御さんも、それぞれのありのままを受け止めて認めて合うことを願う声です。あさイチ出演、古山さんより保護者の方々へのメッセージ最後に、今回の番組のVTRに出演された古山さんからのメッセージをご紹介します。番組終了後、発達ナビ編集部宛にご連絡をいただき、いま、子育てに頑張っている保護者の方々へ伝えたい思いを語ってくださいました。Upload By 発達ナビ編集部「7月24日のあさイチで取り上げて受けていただいた、古山です観ていただいた皆様、本当に本当にありがとうございます井上先生はじめ、スタジオの皆様が沢山協力して下さり、短い時間でしたが、濃い内容になっていたと思います放送後も沢山の反響をいただき驚いています発達障害の子育てをしているママの沢山の方が涙を流しながら共感してくださったメッセージをいただき、勇気を出して良かったと思っています我が子の姿をさらけ出すことに抵抗がなかったわけではありませんその中で取材を受けた理由は、育児に悩んでいるママに伝えたい想いがあったからです毎日毎日、育児に行き詰まり悩んでいるかもしれません発達障害の子育ては育児上級者コースを受講しちゃったと私は捉えていますだから、もう、毎日100点は目指さないでください今日が20点だった日も落ち込んだり自分を責めたりしないで20点だったなら次の日60点以上を目指せばいい一週間で平均60点取れたら、花マルだから、40点が続いたらお休みの日に80点目指せばいいんですそれだって、1人で頑張らないで家族総出でかき集めたっていいんですあ、失敗した、言いすぎたって時は、素直に謝っちゃえばいいんですママが悪かったです、言い直すからさっきの言葉、消しゴムで消して欲しいっていま、悩んでいるママたち毎日、育児に奮闘していると一人で闘っている気持ちになるかもしれません誰にもカミングアウト出来ず誰にも共感してもらえず苦しくて寂しくて辛い毎日を過ごしているかもしれません私もそんな風な光の見えないトンネルの中にいた経験がありますでも少し勇気を出して周りを見てみてくださいあなたには必ず味方がいるはずですあなたは毎日毎日、子供に向き合い悩みながら色々なことを選択していることでしょうもしかしたら世間一般的には間違いかもしれない選択をしていることもあるかもしれません私自身が、子供達に学校以外の場所に行かせることを決めたように…でもあなたが真剣に子供達の幸せを想いながら出した選択ならたとえ、間違いかもしれない選択だとしてもあなたの決めたことなら応援してくれる人がいるはずです私にとっての実母のように味方がいればたとえ一緒に生活していなくても頑張れるチカラになります勇気を出してみてくださいまたもしも味方がみつからなくても覚えていてくださいあなたが真剣に子供達と向き合い孤独と闘いながら子育てしているとき同じ空の下で私も同じように過ごしていますあなたが今日も上手く対応してやれなかったと子供達の寝顔を見ながら涙しているとき同じ空の下で私も同じように涙していますあなたが真剣に子供達の幸せを想いながら頑張っているなら私はあなたの味方ですあなたは一人ではありませんつらいときくるしいとき良かったら私を思い出してくださいあなたとお子様達の幸せを心から願っています」
2017年08月07日先日、NHK 「あさイチ」 で「発達障害の子育て」についての特集が放送された。番組に出演した古山さん一家は、小6の長女と小3の長男が共に発達障害と診断されている。元気にあいさつしてリポーターを出迎える2人の姿は、障害があるとは思えないほどだが、3日間生活に密着しているうちに、「あれ?」と思うことが見えてくる。古山家のお母さんは、子どもとのコミュニケーションに、言葉ではなく筆談でそっと気持ちを伝えたり、タイマーを使って時間をわかりやすく提示するなど、随所に工夫を凝らしていた。また、お母さんは「長女の子育てに悩んだ末、4歳の時に1人で決めて1人で病院に行った」「旦那は診断を受け入れられず、障害者のレッテルを張ったのは私なのか? と悩んだ」とのこと。それから6年、今も整理できない気持ちを抱えながら、夫婦で手探りの子育てが続いているという。じつは筆者にも、8歳になる娘(定型発達)と4歳の息子(自閉症スペクトラム)がいる。決して感情的にならず、子どもの気持ちを受け止めて待つという古山家のお母さんの姿は、とても学ぶところが多かった。■子どもが発達障害と診断。その時、夫は……?しかし、今回の番組を見ていて私が一番気になったのは、子どもでもお母さんでもない。それは、お父さんの存在だ。当事者として出てくるのはほとんどがお母さんで、お母さんの話を通してからも、お父さんの存在があまり見えてこなかったのが気にかかった。個人的には「夫婦や家庭内の葛藤をもっと掘り下げて聞きたい!」と感じた。今回は放送時間の都合上、残念ながら「お父さんの存在」にはあまりフォーカスされていなかったようだ。次回以降のNHK「あさイチ」特集を含む、 NHK「発達障害」プロジェクト で、このテーマが深堀りされることを期待したい。「お父さんの存在」という問題。じつはこれ、療育ママの間では、よく聞く話である。「夫が子どもの障害を認めてくれない」「旦那が『就学先は絶対普通級』と言っている」「旦那が、幼稚園での発表会の様子を見てショックを受けちゃった…」などなど。他に、義理両親や自分の両親から理解してもらえないという話も時々聞く。「義理母に、あなたがちゃんと躾ければなおると言われた」「母親に、『あなたは甘やかしすぎ。このままじゃわがままな子になる』と注意された」などなど。こういう発言にはイラッとくるけれど、百歩譲って、祖父母世代に発達障害の理解は難しいのかもしれない。自分たちが子育てしていた頃には、きっと聞いたことのない話だろう。でも、同居していたらちょっとキツイ問題だけど、別々に住んでいるならうまくわかすこともできるし、子育てにそれほど強い影響もないはずだ。だが、夫の場合はそうはいかない。夫がきちんと向き合ってくれなければ、お母さんのストレスは2倍、いや数倍にも膨れ上がる。日々の小さなことまでフォローする必要はないと思うが、「ここぞ!」という時には、真剣に向き合ってほしい。意見が衝突することもあるかもしれないが、いざという時に一緒に本気で問題に取り組んでくれる同士(夫)がいると感じられれば、それは、お母さんにとって何よりも大きな心の支えになるはずだ。 ■他の子と比べすぎるお母さんと、比べすぎないお父さんまた、一般的に、子育てはお母さんが主役になることが多いので、同世代の友達と関わることも増えるが、お父さんは集団でのわが子の姿を見る機会がほとんどない。なので、年相応の発達状態を把握しにくく、「男の子なんてこんなもんじゃない?」とか「俺も子どもの頃そうだったよ」などと問題を見逃しがちな面がある。でも、これって悪い面もある反面、意外と良い面もあると思うのだ。わが家の場合は、私が他の子と比べてばかりいて、「普通」であることに縛られ、ふさぎ込んでしまっていた時期があった。だが、夫は、他の子と比べることは一切しなかった。「他の子と同じである必要はまったくない」、「比べることには何の意味もない。もし比べるなら、『他の子と』じゃなく『過去の息子と』」「『普通』の定義って何?」と、落ち込んでいる私を容赦なく詰めて(励まして?)くれたものだ。そんな夫に、「あなたは他の子のことを全然知らないからそんなに呑気なの!」と噛みついたこともあった。だが、文句を言いつつも、わが子のことだけをしっかり考えるという夫のブレない姿勢は、どこかで、とても心強い支えになっていたのだ。また、夫と私では子どもについての見方も全然違ったので、多面的に話し合えることもありがたいことだった。お父さんというポジションは、お母さんより、子育てを冷静かつ客観的に見られる位置にいると思う。お父さんには、ぜひそういう強みも活かしてほしいのだ。■「わがまま」と障害の線引きは?最後に、番組を見ていて、もう一つ気になったことがある。「わがまま」と障害の線引きは? ということだ。番組に出演した古山家のお父さんも、「どこまでが発達障害の特性なのか個性なのか切り分けが難しい」と葛藤していたし、スタジオの出演者たちもそのことについては判断つかないようだった。このことは、私も、よく健常児のママから聞かれるのだが、私も答えがわからずに困っている。専門家の井上雅彦さんも、「(線引きは)厳密には難しい」と言っていたので、かなり悩ましいテーマなのだろう。ただ、重要なのは、障害との線引きにこだわることではなく、「どう工夫すれば(生きにくさを感じている)子どもたちの努力が報われるか?周りがどう対応するか?ということの方に目を向けるべき」(井上雅彦さんコメント)とのこと。そう、私たちの目的は、子どもをカテゴリ分けしたり、レッテルを張ることではない。困っている子どもたちが、いかに生きやすくなるかを考えぬくことなのだ。まちとこ出版社N【発達障害についての記事一覧】▼大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)▼「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)
2017年08月01日百害あって一利なしの「ストレス」。溜めすぎると、心身に影響を及ぼしかねないので、気をつけたいものです。ある調査によれば、ストレスの感じやすさは、生活リズムとも関係がある模様。さて、みなさんは低ストレス、高ストレスどちらのタイプでしょうか?一週間のストレスレベルに影響するのは◯曜日ストレスと身体の調査・研究を行うメディアプラス研究所が、20〜69歳の女性7万人を対象に「ココロの体力測定2017」を実施。ストレスが溜まりやすい「高ストレス女性」、逆にストレスを感じにくい「低ストレス女性」の行動の違いを比較しています。この結果、ストレスレベルに影響するのは、週初めの月曜日と週半ばの水・木曜日だということが分かりました。確かに月曜から残業だとストレスを感じますし、週の半ばに遅くまで外出していては、週の後半まで体力がもたなそう。睡眠不足はストレスの原因に?高ストレス女性と低ストレス女性でストレスレベルに差が出たのが、睡眠。Image by PR TIMES睡眠時間をしっかり確保することは、美容や健康にはもちろん、ストレスレベルにも影響します。「睡眠を7時間以上とる」と答えた高ストレス女性は、平日ではほぼ20%以下だったのに対し、低ストレス女性は30%以上。とりわけ週半ばの水・木曜に睡眠を意識している人は、高ストレス女性の2倍以上という結果に。翌日に疲れを持ち越さないためにも、睡眠時間をしっかり確保したいものです。リア充はどっち? 平日・週末オフタイムの過ごし方を比較!低ストレス女性と高ストレス女性、平日オフタイムの過ごし方の違いとは?Image by PR TIMES高ストレス女性と比べて、低ストレス女性は「趣味の時間をとる」「セルフケアに時間を割く」など、自分のための時間にあてている割合が高いことが分かりました。週の初めに「断酒」する人の割合も、高ストレス女性の約2倍と多く、健康を気遣う姿勢もうかがえます。一方、高ストレス女性に目立ったのが「ストレス発散の食事をする」こと。週半ばの水・木曜日に至っては、低ストレス女性と3倍近くも差がつきました。また、週末の過ごし方を比較してみると、低ストレス女性と比べて高ストレス女性は「仕事をする」人が多く、「異性とのスキンシップ」や「デート」をする人は、低ストレス女性よりも低いという残念な結果に。総合的にみると、低ストレス女性の方が高ストレス女性と比べて充実したライフスタイルを送っている様子がうかがえます。低ストレスな一週間の過ごし方って?ストレスの発散方法は人によって異なると思うので、外食でストレス発散ができるなら、それもいいですよね。ただ、私も以前は外食やお酒でストレスが発散できていたものの、30歳を過ぎてから、しっかり休養しないと体力がもたなくなってきました。特に飲みすぎると睡眠が浅くなるようなので、気をつけるようにしています。はぁぁ、気持ちは若くても、身体は正直……。外食は週末に遅くまで楽しむことにして、週初めの月曜は飲みすぎないように注意。身体が疲れてくる週の半ばは、外食しても早めの就寝を心がければ、一週間を低ストレスで過ごせるのではないでしょうか。また、週末はなるべく仕事を持ち込まないようにするのも大切だと思いますよ!参考:PR TIMES
2017年07月30日研究に協力するために参加したセラピーがきっかけで出典 : 大学などの研究機関では、比較的安価な費用でセッションやセラピーを提供してくれることがあります。常にアンテナを張っておけば、規模の大きな総合大学などで発達障害児向けのセッションやセラピー、講演会といったイベントが結構な頻度で実施されています。(ただし、あくまでも研究目的でのセッションやセラピーなので、研究プロジェクトが終了すると途中でも打ち切られてしまったり、状況が良くならなくとも回数が厳密に決められていたりという制限はあります)私はとある総合大学の心理学研究室の実験で、アメリカで行われている手法を実験的に取り入れたペアレントトレーニングに参加することができました。そのときの出来事です。問題は息子より私だった!?手渡されたストレスチェックの結果は、このセラピーでは、息子は私とは別部屋でプレイセラピー(遊戯療法)を受けるというものでした。その間、私は個室で大学の先生にカウンセリングをして頂くことに。私はそこで、息子との関わり方や息子の生育について、とめどない勢いで話し続けてしまいました。それもそのはず、私の頭のなかは、常に息子のことでいっぱいだったのです。先生はふんふんと私の怒涛のトークを聞いていらっしゃいましたが、ある日、「お母さんのストレス状態のほうも少し把握しておきたいので」と、何やら10枚ぐらいあるチェックリストのようなものを渡されました。「何も考えずに○をつけていってください」と言われたので、思ったとおりに記入をしていきました。その結果は…Upload By 林真紀私のストレススコアは46点。先生いわく、このスコアが13点を超えていると「強いストレス状態にある」ということで、うつ病などを疑われるレベルだそうです。私のスコアは13点どころか、46点。なんと基準の3倍以上!先生も「これは、息子さんよりもお母さんの状態のほうを早急になんとかするべきかもしれないよ…」と目を丸くしているではありませんか。その時期の私のストレスは尋常ではなく、時と場所を選ばずに繰り返される発作に、常に心身はガチガチに固まっている状態。気付けば顔の表情までこわばり、人相が変わってしまっていました。食欲もがっくりと落ち、体重もかなり減っていました。実はこの時、私は「パニック障害」という病気を発症して、外に出るのも車の運転をするのも命がけの状態でした。カウンセリングの際に、「おかしな発作が繰り返し起こる」というようなことを先生にも話していた矢先のテスト結果でした。ストレスが多かったからパニック障害になったのか、パニック障害だったからストレスがたまっていたのか、どちらが正解かは分かりません。とにかく、「息子さんよりもお母さんをどうにかしなければならない」というのが、ペアレントトレーニングのチームにとって喫緊の課題となったようです。「ストレススコアがこんなに高いようでは、パニック障害になってもおかしくないよ」とため息をついた先生は、「パニック障害にも効果のある」という、あるリラックス法を教えてくれたのです!教えてもらったリラックス法に救われる!私の場合、考え方や認知のせいで疲れているというよりは、毎日育児のことなどであれこれ小さなことを悩んだり考えたりしているうちに、体中がガチガチに緊張していたために体調が悪くなっている状態でした。過呼吸発作も、ぶつぶつといろいろ考えながら、呼吸が浅くなっていることが原因だったのでしょう。さらに、パニック発作への恐怖心が身体の緊張をより高めてしまい、いつの間にか力の抜き方が全く分からなくなっていました。身体が常に緊張していると、肩が凝り、頭痛が酷くなります。ひどいときには、夜眠れないぐらい身体が凝り固まってしまうこともあります。夕方の疲れは特にひどく、夕食を作らなければいけないのに起き上がれないことも頻繁にあったのです。Upload By 林真紀先生は、私の捉え方を変えようとか、息子の態度を変えようとかいう前に、まず私が「適切にリラックスできるようになること」が大切だとおっしゃいました。そして先生が教えてくださったのは、「自律訓練法」というリラックス法です。ストレスや緊張を緩和させる訓練法で、どこででも気軽に練習することができます。具体的には、椅子に腰かけて目を閉じ、「気持ちがとても落ち着いている…」「右手が重い」「左手が重い」「右足が重い」「左足が重い」「右手が温かい」「左手が温かい」というように、身体全体を弛緩させるリラックス法です。1回の所要時間は3分ほどですので、時間を取ることも、それほど苦になることもありません。また、先生にこちらの本を頂き、1日3回、各3分ずつ練習するように言われました。どんなことでも習慣化していかなければ効果というのはなかなか出ません。自律訓練法も、毎日短い時間でも練習し続けることが大切だと聞いた私は、毎日練習と身体の変化について記録を取ってゆくことにしました。大切なのは、自分自身の心の状態を省みること出典 : 私は先生の指示通り、自律訓練法を1日3回行いました。最初は半信半疑でしたが、確かに身体がガチガチになって夕方寝込んでしまうようなことが確かに減っていったのです。また、パニック発作が起こりそうなときに、自律訓練法をやってみると、パニック発作の回数がかなり減らすことができました。実際の身体の状態の改善以上に、自律訓練法を始めたことで、「自分にはこれだけの負荷がかかっていたのだ」「リラックスする時間は意図的に作らなければならない」と、自分自身のメンタルの状態を省みるきっかけになったと思います。緊張状態がずっと続く育児をしていると、リラックスの方法を忘れてしまうことがあるのです。だから、リラックスのやり方も、私の場合は「学習」しなければならないのだと分かりました。育児で肩がガチガチに凝っていませんか?知らず知らず浅い呼吸になっていませんか?あるいは、パニック発作のような症状に苦しんでいませんか?どうか親御さんも意図的にリラックスする時間を作ってくださいね。時間を使って、意識的にリラックスすることが大切なのだと私は思っています。
2017年07月27日ストレスを感じると、胃腸が悪くなることが多いです。食欲がなくなったり、胃痛や胃もたれがしたり、お腹を下したり。困っている方も多いと思いますが、こういった症状は「ストレスがかかっていますよ」という体からのサインかもしれません。胃薬を飲む、胃腸を休めるといったことも必要かもしれませんが、それ以前に何が自分にとってストレスなのかを見直してみることも重要です。■ストレスが胃腸に及ぼす影響ストレスがかかると胃腸の調子が悪くなる――このメカニズムを発見したのは、生理学者のハンス・セリエ。彼がさまざまなストレスをネズミに与えてその反応を見たところ、胃腸の出血や潰瘍が引き起こされることを発見しました。なぜこのような変化が起きるのか。そのメカニズムは、コルチゾールなどの抗ストレスホルモンにより自律神経が乱れ、消化酵素から胃腸壁を守る粘液の分泌が減少するためである、と明らかにされています。しかし、なぜわざわざ自分の体を傷つけるように働くのか、少し疑問に思いませんか?ストレスと戦うためには健康を維持しなくてはいけません。それなのに胃潰瘍などを起こしていては、かえって逆効果のような気がしますね。■ストレスで胃が痛くなるのは、体からの警告この疑問の答えは火事をイメージするとわかりやすいかもしれません。ストレスを感じているときを火事にたとえると、抗ストレスホルモンの分泌は、消防車で大量の水をかけることに似ています。抗ストレスホルモンの働きで、ストレスによるショックを和らげ、命を守ることができますが、その作用によって血圧や血糖が上がり、長く続けば脳出血や糖尿病、さらには認知症など、さまざまな病気の原因になってしまいます。放水によって火を消すことはできても、水をかけっぱなしにすれば、あたりが水浸しになって二次被害が出るようなものです。そのため、抗ストレスホルモンは一旦危機が過ぎれば、分泌が減るようにできています。しかし、その状態でまた新たなストレスが加わったらどうでしょう。もしかすると次は耐えられないかもしれません。ストレスに耐えられなければ生物は死に至ります。ストレスで胃が痛くなるのは、「今は体が弱っていて、ストレスに耐えられかどうかわからないから、一旦休んでください」という体からの警告とも考えられます。このようなときは、何をおいても休息を取ることが重要です。ここで無理をしてはいけません。普段の生活を見直し、本当に必要なこと以外はできるだけやらないようにして心身を休めましょう。少なくとも、状況が変わらなければ、ストレスの影響から脱するのはより困難になっていきます。人によって回復のスピードには差がありますが、少なくとも自覚症状がすっかりなくなるまでは、休養に努める必要があります。■運動とバランスの良い食事で、ストレスに強い体質を作るでは、ストレスに強い体質になるためには、一体どうしたら良いのでしょうか?ひとつは、定期的な運動です。運動自体もストレスのひとつ、という方もいるかもしれませんが、適度な運動はストレスに対する抵抗力を高めます。次に、毎日の食事です。血糖値が急激に上がったり下がったりすることも、体にとっては大きなストレスとなります。たんぱく質やオリーブオイル、ココナッツオイル、亜麻仁油などの体に良い脂質を十分に摂り、代わりに甘いものや炭水化物を減らしましょう。いわゆる「糖質制限ダイエット」ですが、この場合は体重を減らすのが目的ではないため、カロリーは減らさないように心がける必要があります。また、腸の環境を良くするという点で付け加えると、食物繊維にも気を配る必要があります。食物繊維はビフィズス菌や善玉菌のエサになり、悪玉菌の増殖を防ぐ大事な栄養成分ですが、炭水化物にも多く含まれています。糖質を控えようとして、炭水化物の摂取量を減らすと、食物繊維の摂取量も減ってしまいがちです。糖質制限を始めて便秘になる人は、だいたい食物繊維の不足が原因です。糖質制限を行う時には野菜や海藻、きのこ、こんにゃくなどを毎食摂るようにしましょう。ちなみに、食物繊維の種類によっても、腸内細菌に与える効果に差があることもわかってきました。1種類に偏らず、様々な食材から食物繊維を撮りたいものです。私たちは食べたものでできています。ストレスに強いか弱いかはもともとの体質もありますが、普段の習慣でも変わってきます。できることから少しずつ、健康に良い習慣を始めましょう。
2017年07月26日