子どもの頃から理解できなかった「母親」のこと出典 : 私にとって、母との関係ほど厄介なものはありませんでした。母のやることなすこと、いつも理解ができませんでした。「自分が変わる事でしか、状況を変えられない」これは、綺麗事なんかではなく一番の近道だと思っていました。発達障害のある家族と生まれたときから44年もの長い間、格闘してきた私の実感です。現在、家庭を持った私は自分自身の子どもにも発達障害があり、子育てに奮闘しています。ですが、私とわが家の場合、発達障害のある子を育てるよりも、発達障害のある親と過ごす方がずっと大変だったように感じます。ずーっと感じていた違和感は「大人の発達障害」にヒントが出典 : 私は物心ついたときから、周囲の感覚と何かがズレているように感じていました。息子が診断された時、この違和感は「私自身も発達障害かも」という疑いに変わりました。ですが、私は確かに忘れっぽいけれど、支援が必要なほど困った記憶はありません。集団に適応できなかったこともないし、コミュニケーションも得意ではないけど苦手な訳ではありません。一方発達障害がある息子は、集団への適応が難しく、相手の気持ちを理解することが苦手なため、コミュニケーションにも困難さを抱えていました。人それぞれ特性は違うとはいえ、息子の様子を見ていると、私と彼とでは「困り感」に大きな差があるように感じました。私が発達障害じゃないとしたら「この違和感は一体何だろう?」そうずっとモヤモヤしていました。Upload By kaoruそんなある日、大人の発達障害の再現ドラマが放映されていました。それを見て思ったのです。「もしかして、わたしのお母さんが発達障害?」再現ドラマは、遠足の日にお弁当を作り忘れる、という話でした。私の母は、再現ドラマと全く同じで、前日までお弁当を作る予定でいたのに当日の朝はすっかり忘れてしまうのです。お弁当の代わりに現金を持たされたこともありました。熱湯をプラスチックの水筒に入れてしまい、ボトルが溶けて変形していたり、間違えて空の汚れたお弁当箱を持たせられたり…そんな事は我が家で日常茶飯事でした。思い返すと、母は体調の悪い人の気持ちや辛さを全く理解できないところがありました。家族が体調を崩すと、病院へ連れて行くどころか「気合が足りない」「私への嫌がらせなの?」と相手を責めてしまうのです。母に「嫌がらせで体調が悪いフリをしている」と言われていた祖母を見かねて私が病院へ連れて行くと、心不全を起こしていたこともあったのです。そして、母は病院を選ぶことができませんでした。発疹が出ているのに整形外科に行ったり、骨折しているのに外科に連れて行かれたり、こうした間違いはしょっちゅうありました。診察科目ごとに診察内容が違うことを理解できなかったようです。母のことを「発達障害かもしれない」という視点で考えてみると、私が感じていた「違和感」の謎はスーッと解けていったのでした。母との厄介な関係は、まるでカサンドラ症候群!出典 : そう考えてみると、凸凹の激しい母の元で、私は子どもではいられなかったのだと思います。母と父が離婚したとき、私自身が結婚したとき、母との距離が遠くなるたびにどこかでホッとしている自分がいました。いつ感情が爆発して八つ当たりされるかもわからずに怯え、当たりちらされるたびに「今度こそ親子の関係を断ち切りたい」と思っては踏み留まり、親子なのに安らぎなど微塵も感じられない、というのが正直な気持ちです。こうした母との疲れる関係は、ずーっと私を苦しめ続けました。私と母は夫婦ではなく親子ですが、母の言動に疲れきっている私はまるでカサンドラ症候群のようでした。今でも母に対する複雑な感情は消えません。気持ちの浮き沈みが激しい母からの八つ当たりや、訳のわからないマイルールに辟易しています。なぜ理解しなくてはいけないのだろう。葛藤する気持ち出典 : 「母は息子と同じアスペルガー症候群である」と認めることは、本当に苦しいものでした。これまでの事をおもうと「どうして私から歩み寄らなければいけないのだろう」と、受け入れられない自分がいました。なにより、将来自分の息子が「母のようになってしまうのだろうか…」そう思うと不安になり、否定せずにはいられませんでした。それでも1歩を踏み出せたのは息子のおかげです。自分の親の発達障害を理解して受け入れたり、サポートできないなんて、本当に息子の事や息子の障害を受け入れたとは言えないのではないか…そう思ったのです。息子のことをより深く理解するために、「将来、こんな事で躓くことだってあるんだ」と母を1つの例として、息子と同じアスペルガーなんだという事を受け入れることが出来ました。出典 : 私はまず母に親であることを求めるのはやめました。そして彼女の行動を「アスペルガー症候群という凸凹があるんだ」という視点から判断しようと努めました。とても不思議なのですが、私が母の言動を肯定して受け止めると、あれほど悩まされていた八つ当たりはピタリと治まり、私の話を聞いてくれるようになりました。「理解者のもとでは、安心していられる」というのは本当だとあらためて実感しています。もちろん、全ての行動を何も言わずに受け止めるわけではありせん。お葬式で知り合いに再会した際に「楽しい」と口走ってしまったり、温泉に行けば泳いでしまったり、並んでいる列に割り込もうとしたり、見知らぬ人にマシンガントークで喋りかけたり…そんな事は今でもよくあります。すでに70歳を前にしていて、注意をしてもなかなか治らないのです。そんな母と一緒にいるときは、「私自身が気をつけて周囲とのトラブルを回避する」方が上手く行くという考えに至りました。「受け入れなきゃ」と無理をしない、ゆるやかな努力なら続けられる出典 : 私は現在、母とは車で30分ほど離れた場所に住んでいます。この程よい距離感が手伝って、ここまで譲歩できたのだと思います。カサンドラ症候群の方に、私は頑張れとは言えません。理解に苦しむ言動を「身内として受け止める辛さ」がどんなに耐え難いか知っていますし、きっと立場も様々でしょう。でも、もし発達障害のある方との関係を改善したい、と望まれるなら、こちらから歩み寄り理解することをおススメします。相手に変わってもらうのはとても難しいことだと思います。発達障害の有無に関係なく、そもそも人間が変わるのは大変ですから。私も歩み寄って理解しようと努めてはいますが、「吹っ切れたらどんな行動もOK!」というわけではありません。頭の中が真っ白になったり、母の言動にドン引きしてしまうこともあります。でも、家族としてもう少し頑張ってみようとゆるーい努力を続けています。受け入れ難いことは、どう頑張っても受け入れ難いのです、無理に「受け止めなきゃ」と自分を苦しめずに、それくらいのゆるさで実践することが、長く続く秘訣かもしれません。
2016年07月13日2016年4月1日から、障害者差別解消法という法律が施行されたことをご存知でしょうか?この法律では、行政や事業者へ障害者に対して不当な差別を禁止し、社会のなかのバリアを取り除くべく「合理的配慮」に努めるよう定めています。障害者が必要としている「合理的配慮」とは、いったいなんなのでしょうか?また、この法律ができたことで、障害者の人たちは暮らしやすくなるのでしょうか?そんな問いに答えてくださったのは、「きこえないママ×まちプロジェクト」代表で、自身も聴覚障害があるまつもとまつりさん。耳のきこえないママたちと、地域の人たちをつなぐ活動をしていらっしゃいます。以前、お子さんが夜中に熱性けいれんを起こしたときに自力で救急車を呼べず、近所の人に助けてもらったため、日ごろから地域の人たちとつながっている必要性を感じたのだとか。今回はまつもとさんに、「聴覚障害者」の視点に立ったお話をお伺いしました。■聴覚障害者は想像以上に不便に感じているまつもとさんは以前クレジットカードを落としてしまったとき、母親にカード会社に電話をかけてもらったことがあったのだそうです。ところがカード会社の人に、「本人でないとダメ」といわれてしまったというのです。「だから、わざわざ会社を休んでカード会社に行って手続きをしなければならなかったんですよ。普通の人だったら休憩時間にちょっと電話すれば済むことなのに」(まつもとさん)また、銀行のATMに不具合があっても備えつけの電話が使えないため、窓口に行って事情を話してもう一度列に並びなおさなければならなかったこともあるといいます。それだけならまだしも、障害者割引のある駐車場に入っても出るときにモニターに障害者手帳をかざさないといけないことがわからず、結局は正規料金を払わざるを得なかった……などと不便に感じていることは多々あるそうです。健常者にとっては当たり前にできることだからこそ、聴覚障害者が不便に感じていてもなかなか気づきにくいものなのかもしれません。■行政にはその人に合った配慮をしてほしい「きこえる」人たちは、「耳がきこえない」といわれると、「じゃあ手話で通訳できる人がいればいいのね」と思いがちではないでしょうか。「でも、聴覚障害者のなかには手話を知らない人もいるんです。だから『耳がきこえない=手話通訳の用意』と考えるのではなく、筆談で対応する、ゆっくり話す、流れの決まっている手続きであればフローチャートを用意して指差ししながら説明するなど、その人に合った配慮をしてほしいと思います」(まつもとさん)まず、「聴覚障害者はみんな手話を知っている」という思い込みをなくすことが必要なのですね。■私たちにもできるちょっとした配慮とは?聴覚障害のある人だって、スキルアップのための学びの場や職場の会議、町内会の話し合いに参加する機会を望んでいるもの。しかし、話の流れがわからない、資料を読んでいると知らないうちに話が進んでいる……など、ハードルが高くてなかなか参加しづらいのだとか。そんなとき、「きこえる」人たちが「きこえない」人たちのためにできることはなんでしょうか?たとえば講座に参加するときであれば、前もって資料をもらう、隣に座った人にはいま話しているところを指差ししてもらう、資料を読むのに夢中になっているとき、講師が話しはじめたら肩を叩いて教えてもらう。そういう、ちょっとした「配慮」をしてもらえたらだいぶ助かるとまつもとさんはいいます。「手話通訳になにからなにまで依頼することはできません。でも、『ちょっと配慮がほしい』という場面は日常的にたくさんあります。ちょっとしたことでも協力してもらえたら、とてもありがたいです」(まつもとさん)■障害者差別解消法だけで社会は変わるのか最後に、障害者差別解消法ができたことで障害者が生活しやすくなっていくかどうかについて意見をきいてみたところ、「5分5分」という答えが返ってきました。法律ができたことで、いままで「予算がない」という理由でやらなかったことに対して「やらなきゃいけない」という意識が芽生えることはあるかもしれない。しかし、だからといって具体的になにをすればよいか行政や事業者の人たちにはわからないだろうから、聴覚障害者自身がもっと「こうしてほしい」と声をあげなければいけないといいます。「行政などに直接声を伝えるのはなかなか難しい。だから、まずまわりの人たちに『こういう不便がある』ということを伝えたいと考えています。その話を聞いた人からアイデアを出てくるなど、なにかいい方向につながっていくと思うから」(まつもとさん)現在、聴覚障害で障害者手帳が交付されている人は全国で45万人。でも、手帳交付に至らない軽度の方も含めると、聴覚障害者は1,000万人以上いるといわれています。障害の程度に関係なく、不便に感じる人たちへの配慮が自然にできる社会になれば、障害者もそうでない人もお互いにもっと気持ちよく暮らせるのではないでしょうか。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※まつもとまつり・・・「きこえないママ×まちプロジェクト」代表。3人の男児の母。横浜市戸塚区にある親子カフェ「こまちカフェ」を拠点に、「きこえないママ」と地域の人たちとの交流会を月1回(第2火曜日10:00~12:00)おこなっている。コミュニティFMラジオ「エフエム戸塚」の番組にゲスト出演経験もあり。 【参考】※ココロもカラダもぽっかぽか※こまちカフェ※障害を理由とする差別の解消の推進-内閣府※厚生統計要覧(平成27年度)-厚生労働省※難聴者の数は、どれくらい?という事で調べてみた-L.S.B.information
2016年06月25日起きたときに身に覚えのない傷が体にできていたという経験のある人はいませんか? それはもしかしたら睡眠障害かもしれません。睡眠障害は不眠だけでなく、さまざまな症状、タイプがあることで知られています。今回は海外で大きな話題を呼んだニュースから、どのような睡眠障害があるのかを探っていきたいと思います!睡眠障害の4つのタイプ睡眠障害にはいろいろな症状があります。大別すると、以下4つのタイプがあると言われています。不眠寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまう、予定時刻よりも早く目が覚める、浅い眠りが続くなど。過眠夜にしっかり睡眠時間をとっているのに日中に眠くなる。抗えないほどの強烈な睡魔に襲われることも。リズム異常寝る時間と起きる時間が毎日バラバラになる。寝ようと思った時間に眠れず、起きようと思った時間に起きられない。違和感寝ようとしてベッドに入ると足がむず痒くなる、睡眠中に呼吸が苦しくて目が覚めることがある。一言で「睡眠障害」といっても、このようにタイプがあるということを覚えておいてくださいね。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。変わった症状もある上記に挙げたものは睡眠障害の一般的な症状ですが、なかには変わった症状が出る人もいるようです。今回はいくつかピックアップして、紹介します。自分の手を齧った!?中国で話題を呼んだのは、「睡眠中に自分の手を齧ってケガを負い、病院に担ぎ込まれた人がいる」というもの。ケガをするほど齧るとは相当の力だったんでしょうね……。このような症状の場合、考えられる睡眠障害は、睡眠中に歩きまわったりする夢遊病や異常行動をとるレム睡眠行動障害などですが、実際のところ、これだけではどの睡眠障害かは確定できないようです。きっと、この人も目が覚めたらシーツが血だらけになっていて、さぞビックリしたことでしょうね……。夢遊病とは上記症状の原因の可能性がある「夢遊病」と「レム睡眠行動障害」について詳しく説明しましょう。まずは、夢遊病から。正式名称は「睡眠時遊行症」で、本人には自覚がない状態で睡眠中に歩き出す症状がみられます。起きたときも、本人には歩きまわっていたという記憶はないそうです。この睡眠障害の怖いところは無意識で歩きまわるので、ケガをする可能性があるところです。家の中ならまだしも、着替えて外に出ていってしまうこともあるというので家族の人は心配ですよね。周囲にこの症状がみられる人がいたら、早めに病院でみてもらうようにしましょう。レム睡眠行動障害とは続いて「レム睡眠行動障害」です。この睡眠障害は浅い眠りであるレム睡眠中に、大声で話をはじめる、手足をバタバタさせる、歩きまわるなどの異常行動をとるものです。物を投げてしまうこともあるので、室内の家具が壊れてしまう場合もあると言われています。このレム睡眠行動障害も、夢遊病と同様に本人に自覚症状はありません。そのため、治療には家族の理解と協力が不可欠です。睡眠中の異常行動がみられた場合は、「いつか収まる」と安易に考えず、ケガをしたり、事故に巻き込まれたりする前に医師に相談しましょう。睡眠障害の検査は?睡眠障害の疑いで病院へ行った場合、症状のタイプによってさまざまな検査が行われます。代表的なものを紹介します。睡眠ポリグラフ検査病院に1泊して、体にセンサーをつけた状態で睡眠をとる。呼吸数や心拍数、夜間の睡眠状態を確認することで、原因を診断するために行うもの。CPAP圧設定検査睡眠中に何度か呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断された場合に行う検査。病院に1泊して、マスクを装着して眠ることで呼吸の状態を調べる。脳波検査頭に電極をつけて、脳波を検査する。これによって、てんかんなどの疾患があるかどうかを検査する。検査は他にもたくさんあります。どれも実施する前には医師からきちんと説明があるものなので、睡眠で悩みを抱えている方は一度病院へ行ってみましょう。photo by acworks
2016年06月24日小さい子どものいる家庭って、毎日が戦争ですよね。とくに、朝や夕方の時間帯などはバタバタするあまり、子どもについ「早くしなさい!」と叱ってしまう方も多いのではないでしょうか?2015年の『保育科学研究』によると、全国の保育園・幼稚園などで保護者3,669名に社会福祉法人 日本保育協会 保育科学研究所がアンケートを実施したところ、子どもに「早くしなさい!」と言うことが「よくある」「時々ある」と回答した人が83%にものぼっています。でも、実は「早くしなさい!」と親が子どもに言うのは逆効果なんです。そこで今回は、7万部のベストセラーを記録した『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者shizuさんに、叱らなくても未就学児の子どもが自分から動いてくれる声かけのコツについてお伺いしました。■子どもも心地がいいと恩返しをしたくなるたとえば朝、子どもがなかなか起きないとしますね。その寝ぼけ眼なところで「じゃあ、絵本を読もうか」と親が声をかけて、その子が好きな絵本を読んであげる。目が覚めてきたところで、「お着替えができたら、もう1冊読もうね」と声をかけると、叱らなくても朝の準備がスムーズにいくのだとか。「子どもといえども、心地いい気分にさせてもらったら恩返しをしたくなるもの。モチベーションが上がれば、行動にもうつしやすくなるんです」とshizuさん。しかし、「もう1冊読んであげるから、着替えなさいよ」のような声のかけ方だと逆効果になってしまうので、言い方には注意が必要です。また、ホワイトボードを利用したお仕度表で視覚的に自分から取り組みやすくする方法もあります。■子どもが心の準備できるような声かけを!たとえば公園で遊んでいるときに、帰る時間になっていきなり「帰るよ」と言っても、子どもの心はついていきません。「子どもにも心の準備というものが必要なんです。『ママ、ご飯作らないといけないから、30数えたら帰ろうね』などと、事前に話をしてあげてください」とshizuさんは言います。ただしこのとき、子どもが聞き流していたら意味がありません。そのため、目線をしっかり合わせて言うのがコツなのだそうです。「わかった?」と子どもに質問して、しっかり「うん」という返事をもらいましょう。子どものほうも、「自分が言ったことには責任を持たなきゃ」と思うようになるので、ちゃんと約束を守ってくれるようになるのだとか。■非言語でほめることでも子どもは落ち着くshizuさんは著書の中で、「1日30回ほめる」ことを推奨されています。この数字だけ見ると、「1日30回もどうほめたらいいの?」と思われるかもしれませんね。しかし意外にも、回数は重要ではないとshizuさんは言います。「これはあくまでも目安。特に発達障害の子どもを抱えるママはどうしても子どもの『できない』部分に目が行きがち。だからその意識を変えたかった。30回は無理でも、『10回はできた!』なんて思ってもらえたらうれしいですね」(shizuさん)たとえば『宿題、がんばっているね』『○○ちゃんの笑った顔かわいいね』などの具体的な言葉はもちろんですが、子どもと目線が合ったときにニコッとしてあげるということも『ほめる』ことになるそうです。「そういった『非言語でほめる』ことも、子どもを認めてあげることにつながります。すると、子どもの絶対安心感が高まり、子どもは落ち着いて行きます」(shizuさん)言葉で表さなくても、「あなたを見ているよ」というメッセージを発することによって、「できる・できないに関係なく、あなたの存在自体が大事だよ」と伝えることができるんですね。■子どもの心に届きやすい声かけのコツとは子どもというのは、大きくなるにつれてだんだんと自我が目覚め、親の思い通りにはならなくなってくるもの。子どもに自ら行動してもらうようにするには、子どもも一人の人格として尊重した上で、声かけをしていくことが大切だとshizuさんは言います。「例えば、『早く着替えなさい!』という命令形の言葉は、『早く着替えようね♪』『お着替えできたかな~?』という丁寧語や疑問形に変えていくこともポイントです。そうすれば子どもも『責められている感』がなくなり、動作が早まります」(shizuさん)あとは、きちんとママの気持ちを説明することもいいそうです。「『ママね、◯◯ちゃんが××してくれないと、会社に遅れちゃうかもしれなくてドキドキしてるの』と話してあげると、子どものほうも『しょうがないなぁ。じゃ、やろうか』という気になるんですよ」(shizuさん)「キレイなママ」より、周りに何を言われても動じない「肝っ玉母ちゃん」になりたいというshizuさん。そんなshizuさんが本の中で紹介している声かけの方法は、どれもすぐに実践できるものばかり。全国のパパ・ママのみなさん、ぜひ今日から実践してみてくださいね。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※shizu・・・自閉症療育アドバイザー、『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者。2児の母。講演会などで、子どものことで悩んでいる保護者に、日常生活のなかでできる楽しいかかわりや言葉かけを紹介している。 【参考】※shizu・平岩幹男(2013)『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』講談社※発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※叱らなくても子どもがサクサクやることをしていく仕掛け(やること表)-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※ABAで発達障害の子どもと楽しく生活する7つのコツ-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活
2016年06月17日【ママからのご相談】3歳の息子が他の子に比べて落ち着きがなく、ママ友に「発達障害も考えてみたら?」と言われました。発達障害と簡単に言っても一体具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?●A. 小児科医師に聞いた3つの代表的な発達障害をご紹介します。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。たしかに発達障害といえども、実際どんなもの?というところがありますよね。今回は小児科医師に発達障害の具体的な特徴について聞いてみましたので、ご紹介します。●発達障害の主な種類3つ●(1)広汎性発達障害一般的に『自閉症』や『アスペルガー症候群』といわれるものが広汎性発達障害です。小児科の医師によると、具体的な特徴としては、・人と上手につきあうことができない・コミュニケーションをとりにくい・強いこだわりを持っている・歩き方や走り方などの動作がぎこちないなどが挙げられるそうです。これらの特徴が3歳くらいまでに現れる ことが多いとのこと。3歳くらいだと判断が難しいところですが、不安に思うことがあったら医師や専門家に相談してみましょう。●(2)注意欠陥多動性障害(AD/HD)自分の欲求など、コントロールをすることが難しくそれが行動に現れることで問題視される障害です。医師によると具体的な特徴は、・ひとつのことに集中することができない・落ち着きがなく、じっとしていることができない(多動性)・突発的な行動をとることが多い(衝動性)などが挙げられるそうです。周りの子に比べて落ち着きがなかったり、幼稚園などでいつもクラスから飛び出してしまったりなど、思い当たることがある場合は相談してみましょう。●(3)学習障害(LD)知的な遅れはない ので一見気づかれにくいのですが、幼稚園や小学校に入ると発覚しやすいのが学習障害です。医師によると具体的には、・聞くことが苦手・話すことが苦手・読むことが苦手・書くことが苦手・計算することが苦手などが挙げられるそうです。学習や日々の生活に困難を感じることが多く、周囲の人が早めに気づいて支援してあげることが大切です。----------発達障害は誰かの努力が足りず起きるものではなく、誰のせいでもありません。周囲の人が障害を理解して支えてあげることが大切です。少しでも自分の子に不安に思うことがあれば、医師や専門の人に相談してみましょう。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年05月07日【ママからのご相談】長男(10歳)の担任から発達障害を疑っているようなことを言われました。授業についていけていないなど、気になる部分がさまざまあるようです。障害と疑われるほど、うちの子は他と違うのかと不安です。今はただどうしたらいいか分からず悩んでいる状態です。●A. 発達検査を受けることで悩みを軽減させることができます。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。相談者様が不安になってしまうお気持ちはよくわかります。“障害”という言葉がつくものに関しては、たいていの人が「普通じゃない」と反応してしまいますよね。どうすればいいのかと不安になってしまうのも、親としてお子さんを大切に思っているからなのです。しかし、悩んでいるだけでは解決になりませんから、検査を受けることをおすすめします。●悩む前に発達検査を!こういった問題は、デリケートでショックも大きいものですから、いろいろ考え込んでしまいますよね。でも、悩んでいても解決にはならないと相談者様が一番良くおわかりだと思います。発達障害は、判断するための明確な線引きがありません 。決めるのは、発達障害の基準となる症状がどのくらい強く出ているかというところになります。相談者様にとっても、「うちの子は大丈夫」と思う気持ちと「もしかして……」と思う気持ちが入り乱れ、とても心に負担を感じていることと思います。親と子、両方を気持ちを楽にして、今後どのようにすればいいかの指針となるものがあると、気持ちの楽さがまったく違ってきます。そのため、発達検査を受けることをおすすめします。相談者様は、担任からお話があったということですので、自治体で発達検査を受けることができると思います。●発達検査は、子どもの二次障害や心の負担を軽くする検査を受けること自体、拒否をしてしまう方がいるのは確かです。「障害ではない!」という気持ちが強く表れてしまうのは親として当然でしょう。しかし、認めたくないという気持ちから、子どもに無理をさせてしまいがちになる こともあります。・勉強など本人が苦手としていることを無理にさせてしまう・できないことを叱って、がんばらせようとする・子どもの行動や気持ちを否定しまいがちになる親がこのような行動を取ることで、子どもはどんどん心を壊していきます。子どもも「がんばらなきゃダメだ」という気持ちで最初はがんばります。でも、親に言われたり先生に言われたりして自分が生きている価値のない子どもだと考えるようになります。その結果、精神不安になってしまうことや、うつ病を発症してしまうことがあります。最悪な場合、自殺を考えてしまうこともあるのです。このような心の状態が極端に低下してしまうことを二次障害 といい、発達障害より危険視されています。このような状態にならないように子どもを支えていくことが非常に大切です。●親も家族だけでがんばらない発達障害のような問題は、なかなか他人に相談できないことが多いです。しかし、家族内だけで話すだけでは今後どうすればよいかなどのことを含め、話が先に進まないという現状があると認識しています。相談者様にはできるだけ、ご家族だけでなく学校カウンセラーや自治体の相談窓口などを活用して知識を得て、心の内を聞いてもらうことをしていただきたいと考えています。誰にも相談できない状況は、子どもにプレッシャーを与えることにもつながります。ですから、家族だけでがんばらないで、専門家に頼ることも大切なのです 。----------発達障害であるかどうかを調べずに悩むのは苦しいことです。親も子も気持ちの部分で安定するために、まずは検査を受けていただきたいと思います。早くわかれば早い段階で対処することが可能です。そして、心配事を減らすことにもなります。こういった問題の場合は、親も子も心から楽になることが必要です。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年05月04日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。今年度からお子様が入園したり、入学したりと、新しい環境にも徐々に慣れてきたころではないでしょうか。すでに、子どものことで早速注意を受けてしまったという親御様もいると思います。特に、集団生活に慣れるまではマイペースな子どもが多いので、こういうことはよくあります。一方で、集団生活に入るこの時期は、他人の子どもの中で、自分の子どもがどう振る舞っているのかを確認できるようになります。「あれ?うちの子、ちょっと変」「他の子と違うみたい」と、わが子に何か障害があるのでは?と疑問を感じ始める時期なのです。場合によっては、他人の噂や他の親の目線でわが子の異変に気がついたり、園から専門機関の受診を勧められた友人もいます。そこで今回は、子どもの発達障害の基礎知識についてまとめたいと思います。“自閉症”や“アスペルガー”など、一度は聞いたことがある発達障害。脳科学の発達に伴ってさまざまな症状ごとに分化していますので、内閣府の情報を参考にお伝えします。●発達障害にはどんな種類があるの?以前は、発達障害をもった子どもは「自分勝手」「変わっている」「困った子」 と誤解されていました。親のしつけが悪い、教育ができていないなどと言われ、脳機能の障害だとは理解されていなかったのです。その後、脳科学の発達にともない、発達障害は、脳機能の発達が関係する生まれつきの障害であること。発達障害がある人はコミュニケーションや対人関係をつくるのが苦手 であることがわかってきました。さらに詳しく分析される中で、発達障害でも、症状が少しずつ違うことなどから、現在は多くの専門的な障害名が付けられています。今回は、発達障害でも代表的な『自閉症』、『アスペルガー症候群』その他の『広汎性発達障害』、『学習障害』、『注意欠陥多動性障害』を取り上げます。なお、発達障害は多様です。障害が複数重なって現れることもありますし、年齢や障害の程度、生活環境によっても症状は違ってくることを前置きしておきます。【画像出典元】発達障害って、なに? | 政府公報オンライン●(1)広汎性発達障害・自閉症・アスペルガー症候群上の図を見てください。これを見ると、代表的な発達障害がとても理解しやすく分類されています。「うちの子、自閉症じゃなく広汎性発達障害だったわ」という話を聞いたことがあるのですが、この理解は違います。広汎性発達障害には自閉症も含まれていることがわかります。では、少し詳しく説明します。【広汎性発達障害とは】発達障害の総称 です。コミュニケーション能力や社会性をつかさどる脳の領域の障害になります。自閉症、アスペルガー症候群が含まれます。【自閉症とは】自閉症は、言葉の発達の遅れ、コミュニケーション障害、対人関係や社会性の障害、一定のパターン化した行動やこだわりなどの特徴をもつ障害です。最近では、自閉症スペクトラム と呼ばれることもあります。【アスペルガー症候群とは】自閉症に含まれるタイプのひとつで、コミュニケーションの障害、対人関係や社会性の障害、パターン化した行動、興味や関心のかたよりがあります。自閉症とは違って、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障害があることが分かりにくい のが特徴です。しかし、成長とともに不器用さがはっきりしてきます。●(2)注意欠陥多動性障害(AD/HD)注意欠陥多動性障害は、ADやHDなどと略して呼ばれることもあります。これは、集中できない、不注意が多い、じっとしていられない(多動) 、だまっていられない(多弁) 、考えるよりも先に動く(衝動的な行動) などを特徴する発達障害です。●(3)学習障害(LD)学習障害は“LD”と省略して呼ばれることがあります。全般的には知的発達に遅れがみられません 。ただし、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示す障害をいいます。●発達障害にはどうやって気づくの?発達障害をもつ子どもは、全般的にコミュニケーションが苦手で社会性を必要としています。そのため、集団生活に入ると、さまざまな問題や困難に直面することになります。周囲の人に障害があることを理解されずに、適切な対応を受けられない場合、子ども本人が一番つらい思いをします。いじめや不登校、登園拒否 などにも発展しかねません。そのためには、まず親や周りの人が障害に気づくことが大切です。以下に気づくためのポイントがあるので、ぜひ参考にしてみてください。【人との関わり方】・一人遊びが多い、一方的でやりとりがしにくい・おとなしすぎる、常に受動的・おとなや年上の子、あるいは年下の子とは遊べるが、同級生とは遊べない【コミュニケーション】・話は上手で難しいことを知っているが、一方的に話すことが多い・おしゃべりだが、保育士や指導員の指示が伝わりにくい・話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞いていない【イマジネーション・想像性】・相手にとって失礼なことや相手が傷つくことを言ってしまう・友だちがふざけてやっていることをとらえ違えて、いじめられたと思ってしまう・集団で何かしているときにボーッとしていたり、ふらふらと歩いていたりする・急な予定変更時に不安や混乱した様子がみられる【注意・集中】・一つのことに没頭すると話しかけても聞いていない・落ち着きがない、集中力がない、いつもぼんやりとしている・忘れ物が多い、毎日のことなのに支度や片づけができない【感覚】・ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手・靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつなぎたがらない・極端な偏食・揺れているところを極端に怖がる、すき間など狭い空間を好む【運動】・身体がクニャクニャとしていることが多い、床に寝転がることが多い・極端に不器用、絵やひらがなを書くときに筆圧が弱い、食べこぼしが多い・運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう 、大きすぎる声【学習】・話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い・難しい漢字を読むことができる一方で、簡単なひらがなが書けない・図鑑や本を好んで読むが、作文を書くことは苦手【情緒・感情】・極端な怖がり・ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい・思い通りにならないとパニックになる・一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない●発達障害の子どもに接するポイント6つ文部科学省により、2012年に全国の公立小中学校で約5万人を対象にした調査結果で、発達障害の可能性があるとされた児童生徒の割合は、なんと6.5%でした。1クラスに2人程度 は発達障害の子どもがいるということになります。実は身近な発達障害。効果的な接し方がありますので、基本的なポイントをお伝えしておきます。先にも述べましたが、発達障害は多様です。年齢や環境など個人によって違いますので、一人ひとりの障害に応じて対応することが前提になります。1.できたことをほめる/できないことを叱らない2.写真や絵など視覚的な情報を添えて説明する3.説明や指示は短い文で、順を追って、具体的に4.安心できる環境を整える5.善悪やルールをはっきりと教える6.発達障害の子どもを温かく見守る----------いかがでしたか?自分の子どもに違和感を感じたら、専門機関で相談してもいいかもしれませんね。親御様一人で悩むよりも、気持ちが楽になるかもしれません。仮に発達障害だと診断された場合でも、早期発見によってお子様によりよい環境を提供できると思いますよ。【参考リンク】・発達障害って、なんだろう? | 内閣府(政府広報オンライン)()●ライター/佐藤理香(株)
2016年04月28日東京大学は3月16日、東京大学分子細胞生物学研究所の中村勉講師らの研究グループが、ヤコブセン症候群患者が発症する自閉症の原因は、脳の神経細胞の活動を抑えるGABA受容体の運搬に関与するたんぱく質「PX-RICS」だと特定したと発表した。今後、自閉症の新薬の開発につながる期待が持てるという。自閉症は発達障害の一つ。厚生労働省によると、発達障害にはアスペルガー症候群や注意欠如・多動性障害(ADHD)などもあり、自閉症は80~100人に1人の割合で発症すると言われている。「対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「限定的な興味や強いこだわり」などの症状を特徴とする。「社会認知機能」と呼ばれる他者の心情を推し量ったり、他者に共感したりする脳の機能の障害が自閉症の原因であると考えられているが、発症の詳しい仕組みはこれまでにわかっていなかった。研究グループは大脳皮質や海馬など、脳の認知機能に関連する領域の神経細胞に豊富に発現しているたんぱく質・PX-RICSを同定し、その遺伝子を欠損するマウスを作製した。そのマウスは外見的には正常だったが、他のマウスに対する興味が少ないことを確認。具体的には、「他のマウスに対する反応や超音波域の鳴き声を使った母子コミュニケーションが少ない」「反復行動が正常なマウスよりも多い」「習慣への強いこだわりを持つ」など、自閉症の症状に特徴的な行動異常を示していたという。さらに解析を進めたところ、PX-RICS遺伝子が「ヤコブセン症候群」(11番染色体長腕末端部の欠失に起因する先天異常疾患)患者の半数以上が発症する自閉症の原因となる遺伝子であると特定できたとのこと。中村講師はこの結果を受け、「今回、私たちはGABA受容体の輸送が自閉症の発症に関係することを明らかにしました。この輸送メカニズムを標的とした薬剤を開発するなど、今回の成果は自閉症の新たな治療戦略へ貢献できる可能性があります」とコメントしている。
2016年03月17日【ママからのご相談】30歳主婦です。4歳になる男の子がひとりいます。知人に外人のママさんがいます。その方に、「日本人はほんとにスキンシップしないね。子どもはハグしてあげなきゃ、気持ちが伝わらないよ」と言われました。私は息子をハグしたことはありませんし、今、急にできるものではありません。確かにうちの子は、ほかの子と距離を縮めることが苦手なような気がします。もっとスキンシップが必要なのでしょうか?●A. 日本人に習慣化していないハグ。すぐには抵抗がある!?ご相談ありがとうございます。ライターの渦マキです。外国の方は、テレビでも実生活でもよくハグしている姿がみられます。子どもに接するとき、「おやすみ」などのあいさつもハグやキスをしますよね。彼らはそれが習慣になっているので、抵抗などはまったくありません。私たち日本人のほとんどはハグなどはしませんよね。今まで一度もハグされたことがない子どもが、突然抱きしめられたら……どうでしょう!?おそらく驚いて身を硬くしてしまうのではないでしょうか。筆者もハグはしたことがありませんから、「ハグが子どもにとってもいい」とネットや本で見かけても、自分自身が実践する勇気が出ませんでした。その練習として、段階を踏んでスキンシップに慣れていくという手があります。他者にも共感したり、注意を向けさせる手だてとして発達障害の子どもたちにおすすめされている方法に“ふれあい遊び” があります。遊びで楽しさを共有することで、親子のふれあいを深めて良い関係を築くきっかけになるといわれています。この方法を活用して抵抗があったハグに持ち込む手だてにしてみましょう。●ハグの前段階として“ふれあい遊び”を実践してみよう子どもをスキンシップに慣れさせるために、また親が照れないで実践できるように“ふれあうこと”を日常に取り入れてみましょう。・親子で手をつないで布団にダイブ(布団を積み上げておき、「いち、にの、さん」で手をつないでダイビング )・ギッタン、バッコン(子どもと向かい合い足を合わせてゆっくり起こしたり倒したりします)・くすぐり遊び(一緒にお風呂に入って、「おへそはどこかな?」とくすぐったりします)・抱っこしてさかさま遊び(子どもの腰に腕を回して、「いち、にの、さん」で逆さまにします。お母さんよりお父さんがいいかもしれません)・膝に抱っこしながら絵本を読みきかせ相談者さまのお子さんは4歳とのこと。これらのふれあい遊びは、・人と目を合わせる↓・周りの人たちに興味を持つ↓・好奇心 が生まれる↓・社会性 が生まれるという段階を経てコミュニケーション能力が身に付くという利点もあります。ふれ合い遊びで親子のコミュニケーションを深めていき、『抱きしめる=ハグ』 のスキンシップへステップアップしていきましょう。【参考文献】・『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』shizu・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年02月24日東京大学(東大)は1月28日、自閉スペクトラム症の人は自閉スペクトラム症でない人と比較して不快と感じる対人距離が短いことを明らかにしたと発表した。同成果は、同大学 先端科学技術研究センター 浅田晃佑 特任研究員、熊谷晋一郎 准教授、同大学大学院 総合文化研究科 長谷川寿一 教授、および茨城大学、武蔵野東学園らの研究グループによるもので、1月27日付けの米科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。自閉スペクトラム症は発達障害の一種で、コミュニケーションや対人関係において困難が見られることや同じ行動や興味へのこだわりが見られることにより診断される。自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害、特定不能の広汎性発達障害と呼ばれていたものを含む診断概念となっている。今回の研究では、12歳から19歳の自閉スペクトラム症の人と自閉スペクトラム症でない人それぞれ16名(男性15名、女性1名)に対し、研究者が参加者に近付いた際にこれ以上近付かれると不快と感じる地点を知らせてもらい、次に参加者が研究者に近付いた際に参加者がこれ以上近付くのは不快だと感じる地点で止まってもらうという調査を行った。この結果、自閉スペクトラム症の人は、どちらの場合も自閉スペクトラム症でない人と比べて、不快であると感じる地点が研究者に近く、他者との対人距離を短く取る傾向にあることがわかった。また、自閉スペクトラム症の度合いが高いことと対人距離が短いことが関係していることから、対人距離には人によって差が見られることも明らかになった。さらに、対人距離を取る際のアイコンタクトの影響を調べたところ、研究者が参加者に近付く場合では、自閉スペクトラム症の人も自閉スペクトラム症でない人も、研究者がアイコンタクトを取ると、アイコンタクトを取っていないときに比べ、対人距離を長く取ったという。このことから、自閉スペクトラム症の人も自閉スペクトラム症でない人も、アイコンタクトの情報を対人距離の調整に利用していることがわかった。短い対人距離は他者への好意や親密性を表すため、今回の結果を踏まえると、自閉スペクトラム症の人は自分がほかの人と比べて対人距離が短すぎないか意識することで、コミュニケーションの相手に好意や親密性を示しているという誤解を与えることを避けられる可能性があるといえる。また、不快に感じる対人距離は人によって差があるという今回の結果から、自閉スペクトラム症の人も、自閉スペクトラム症でない人も、対人距離には人によって差があることを踏まえて社会生活を送ることで、よりよいコミュニケーションを行うことができると同研究グループは説明している。
2016年01月28日睡眠障害にはさまざまなものがあり、症状や治療法も複雑なので、素人が自己判断でどうにかできるものではありません。今回紹介するレム睡眠行動障害もそのひとつ。本文のような症状が現れたら、早めに病院へ行きましょう。レム睡眠行動障害ってどんな睡眠障害?睡眠障害のひとつに「レム睡眠行動障害」というものがあります。私たちは夜間、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を交互に繰り返していますが、この睡眠障害ではレム睡眠時に無意識のうちに体が動いたり、声をあげてしまうといった症状が現れます。通常、レム睡眠の最中は筋肉が緩んでいる状態なので、体を動かせないものと考えられていますが、レム睡眠行動障害の患者は悪夢などが原因で、大声で叫ぶ、手足をバタつかせてしまうなどの行動をとってしまいます。一般的に、高齢の男性に多くみられる睡眠障害で、薬物治療によって改善されることがほとんどだと言われています。周囲はどう対処すべきかレム睡眠行動障害の場合、当人は自分が睡眠中に声をあげたり、暴れているという自覚がないと言われています。そうなると、重要な役割を担うのは当人の周囲にいる人間です。もしも、あなたの家族や同居している人が寝ている最中に突然暴れはじめたら、どうしますか?推奨されている方法は、自然に目覚めるように誘導することだそう。たとえば、部屋の電気をつける、アラームを鳴らす、テレビをつけるなどで、朝目覚めるときと同じような環境をつくるとよいのだとか。強引にゆすって起こしたりすると、現実と夢の区別がつかず、より暴れてしまうことがあるそうなので、注意しましょう。早めに病院へ!レム睡眠行動障害は、加齢による脳内伝達物質の減少と不安定な心理状態が組み合わさったときに起こりやすいと言われています。高齢の方で強いストレスを感じていたり、トラウマを抱えていたり、生活習慣が乱れているときには注意が必要かもしれませんね。もしも、ご自身または周囲の方に上記のような症状が現れたら、早急に専門の病院を受診しましょう。先述した通り、レム睡眠行動障害の治療は薬物治療によるもので、今のところ生活習慣を見直すなどの行動療法では治らないと言われています。ただ、専門医の指導を受ければ、深刻になる病気ではないのだとか。気になる方は早めに病院へ行ってみましょう。photo by Didgeman
2015年12月13日京都大学(京大)は11月10日、重度の先天的障害のある野生チンパンジーを観察し、母親が過去の子育てとは異なる方法で障害児のケアを行っていた点、他個体が障害児に対して恐れや攻撃といった特異な反応を示さなかった点などを明らかにしたと発表した。同成果は、同大学理学研究科博士後期課程 日本学術振興会特別研究員の松本卓也氏、野生動物研究センター 中村美知夫 准教授、伊藤詞子 研究員、鎌倉女子大学学術研究所 井上紗奈 研究員らの研究グループによるもので、近日中に国際学術誌「Primates」にてオンライン公開される予定。今回の研究では、タンザニアのマハレ山塊国立公園に生息するチンパンジー集団において、2011年に重度の障害のある赤ん坊が生まれたことを発見し、その後赤ん坊が消失するまでの約2年間の行動を記録した。この結果、今回観察された障害児の特徴が、過去に報告されたダウン症様の個体の症例に酷似していることがわかった。野生下でダウン症様の赤ん坊が発見され、2年近く生き残った事例が報告されるのは今回が初めてだという。また、他個体からのケアとして、他個体がその赤ん坊に対して恐れや攻撃といった特異な反応を示さなかったこと、母親が腹に掴まった赤ん坊に片手を添えつつ移動するなど、過去の子育てとは異なる方法で障害児を育てていたこと、障害児の姉が母親の代わりによく世話をしており、その姉が自身の子を出産した約1カ月後に障害児が消失したことがわかった。重度の障害のある赤ん坊が野生下で2年近く生き残ることができた要因として、母親による柔軟な子育てや姉の世話といった他個体からのケアが影響を与えていた可能性がある。中村准教授は同成果について「マハレでのチンパンジー研究は今年で50年になりますが、障害のある赤ん坊が観察されたのは今回が初めてです。障害者などの弱者をケアできる人類社会の進化基盤を考察する上でも重要な観察事例だと考えています」とコメントしている。
2015年11月11日ADDSは11月23日、自閉症などの発達障害がある子どもへの早期支援の普及・啓もうを目指し、情報発信イベント「先輩パパママ100人に訊(き)く! 家庭療育ことはじめ~100から学ぶ1のこと~」を、東京都・青山で開催する。「自閉症」は発達障害の1つで、心の病気ではなく先天的な脳機能の障害である。米国疾病管理予防センター(2010年)によると、「人と目を合わせない」「名前を呼んでも振り向かない」「なかなか言葉が出ない」「特定の物へのこだわりが強い」などの症状があり、発症率は68人に1人とも言われているという。同団体は、自閉症がある子どもとその保護者が、早期の適切な支援によって可能性を最大限に広げられる社会の実現を目指すため、サポート活動を行っている。家庭で取り組める早期療育プログラムを開発し、2009年から約140家庭に提供してきた。その結果、子どもの知能指数や適応行動の向上、保護者の自己効力感の向上など大きな成果が出ているとのこと。同団体によると、自閉症に対する療育は、「応用行動分析(Applied Behavior Analysis: ABA)」という理論体系に基づいて早い段階で行うと、その症状が劇的に改善することが複数の研究で明らかになっているという。アメリカなどでは自閉症への支援モデルとして最も推奨されているが、日本ではまだほとんど知られていないのが実情とのこと。同イベントでは、子どもの発達に悩みを抱え、リアルな情報を求めている保護者に対し、早期療育に実際取り組んできた100人の先輩が実体験に基づいた情報提供をする。同じ境遇にあった先輩保護者がカフェスタッフ、ネイリスト、手作りワークショップの講師に扮(ふん)し、おもてなしをしながら悩みを聞き、早期療育に対する情報提供を行う。場所は、東京都港区青山の「匠ソホラ」。入場券は菓子・ドリンクチケット付で500円(税込)。申し込みはイベント特設ページで受け付けている。
2015年10月24日一般的に、子供はスヤスヤと眠っているイメージがありますが、中にはいびきをかく子供もいます。そして子供のいびきは、日中の学校生活に影響を及ぼしかねない睡眠障害を伴うことをご存じでしょうか。今回は、睡眠障害が子供の成長に与える影響と、その主な原因となる「アデノイド増殖症」と「扁桃(へんとう)肥大」について解説します。○いびきをかく子供は睡眠障害にも注意基本的に、健康な子供はいびきをかかないといわれています。つまり、いびきは何らかの病気のサインということです。また、いびきをかく子供は熟睡しているように見えても深い眠りには至っていませんので、多くの場合で睡眠障害が起きていると想定できます。筋肉や骨の形成などに関わる成長ホルモンは、夜の寝ている間に分泌されます。そのため、まだ発達途上の子供が睡眠障害に陥ると、体の発育に影響を及ぼしかねません。そればかりか脳の発達にも影響を与え、集中力や学力の低下などを引き起こすといわれています。さらに近年、教育の現場で話題にのぼることが多い"子供の発達障害"。実は、睡眠障害が発達障害と関係するという報告もあります。学校生活において、注意力散漫で落ち着きがない、イライラしているなどの様子が見られる子供は、睡眠障害の有無を調べることが改善の糸口になるかもしれません。○子供のいびきの主な原因は「アデノイド増殖症」と「扁桃肥大」子供のいびきの原因は、「アデノイド増殖症」と「扁桃肥大」であることがほとんどです。ほかに、アレルギー性鼻炎や副鼻腔(びくう)炎に伴う鼻づまりや、肥満などが原因で起きている可能性もありますが、ここでは主な原因といわれる2つののどの病気について解説します。アデノイド増殖症と扁桃肥大はどちらも、のどのリンパ組織が生理的に大きくなる病気です。アデノイド増殖症は、のどの上部かつ鼻の奥にある「アデノイド(咽頭扁桃)」、扁桃肥大は、のどの両側にある「扁桃」が肥大化した状態を指します。個人差はありますが、いずれも通常は3~6歳くらいをピークに大きくなり、アデノイド増殖症は10歳頃までに、扁桃肥大は思春期を迎える頃までには自然と小さくなることが多いです。しかし一部の人は、大きいままになってしまうことがあり、その場合は治療をしなければなりません。具体的に次のような場合は、耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。・夜間に激しいいびきをかく・寝ているときに一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の症状が見られる・いつも鼻がつまっている・口呼吸をしている・慢性的な中耳炎や難聴がある・口をポカンと開けて舌を出した顔つき(アデノイド顔貌)のことが多い・胸の形がへこむ「漏斗胸(ろうときょう)」などの胸郭変形を起こしている特に睡眠時無呼吸症候群には要注意です。寝ている間に一時的に呼吸が止まることで血液中の酸素が不足し、脳をはじめとする子供の発達に影響を与えるという報告があります。○症状に気づいたら、すぐ治療をアデノイド増殖症と扁桃肥大の治療では、抗炎症薬や点鼻薬を用いた薬物治療のほか、鼻をきれいにする吸入や鼻洗浄などが行われます。また、重い症状が見られる場合は、アデノイド切除術や扁桃摘出術も検討されるでしょう。原因が明らかな場合は、治療によっていびきや睡眠障害が改善することが多いです。実際に、小学6年生になるまでいびきで悩んでいたお子さんが、のどの治療をしたことで症状が完治した、というケースもありました。また、子供の睡眠障害は成長に関わると前述しましたが、のどの治療をした結果、睡眠障害が改善されて身長が伸びたというデータもあります。子供の場合、自分で症状を自覚したり、訴えたりすることが難しい場合がありますので、家族や先生など周りの大人が気づいてあげることが大切です。恐らく、いびきや鼻づまりの症状が気になって耳鼻咽喉科には行っても、完治するまで継続して通わない人も多いのではないでしょうか。しかし、睡眠障害による成長への影響を考えると、しっかりと治すことが重要です。お子さんが成長期につらい思いをしないためにも、親子一丸となって辛抱強く治療を続けましょう。※画像と本文は関係ありません○記事監修: 松根彰志(まつね・しょうじ)医学博士1984年 鹿児島大学医学部医学科卒業1988年 鹿児島大学大学院医学研究科修了1988年~1990年 ピッツバーグ大学(アメリカ合衆国ペンシルバニア州)留学NPO 花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会 副理事長、事務局長同団体は、花粉症・アレルギー性鼻炎や蓄膿症・副鼻腔炎に正しく対処するための情報発信・活動を推進しています。日本医科大学医学部 耳鼻咽喉科学 教授日本医科大学武蔵小杉病院 耳鼻咽喉科部長、病院研究委員会委員長日本耳鼻咽喉科学会、日本アレルギー学会、日本鼻科学会、日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会 各学会の代議員神奈川気道炎症病態研究会 代表幹事など<お知らせ>日本医科大学武蔵小杉病院 耳鼻咽喉科では、6月よりスギ花粉の舌下免役治療(新規分)を再開しました。
2015年09月01日赤ちゃんの仕事は寝ること。昔からよく言われてきましたよね。心も体も大きく成長するこの時期にしっかり睡眠時間をとる必要があるのは当然です。でも実は今、睡眠障害の幼児が多くいるのです。寝ている間に子どもは育つ「寝る子は育つ」とよく言いますが、実際に子どもの健やかな成長のためにはどれぐらいの睡眠時間が必要かご存知でしょうか?長い人生において体や心が最も成長するのは1歳までの間と言われていて、その一番の成長期である1歳までの間は、12時間以上の睡眠をとったほうがいいと言われています。どうしてそんなに必要かというと、子どもの成長を促してくれる成長ホルモンは睡眠中に分泌されるからです。成長期にしっかり眠って、成長ホルモンをしっかり分泌させることが子どもの成長にはとても重要なのです。赤ちゃんはただ眠っているように見えますが、実はその間にぐんぐん成長しているというわけです。幼児の睡眠障害がもつリスク子どもにとってそれだけ大切な睡眠。睡眠時間が少ないなどの幼児期の睡眠障害は、当然、体の成長を妨げてしまいます。でも、怖いのはそれだけではありません。実は幼児期の睡眠障害は、脳の発達にも悪影響を及ぼし、発話の遅れや、キレやすいなどの情緒不安定を引き起こすことがあるというのです。そんななか、あるアンケート調査では、0歳児の3割以上が12時間未満の睡眠しかとっておらず、さらには全体の25%が10時間未満しか眠っていないという結果が出ました。4人に1人の幼児が大人とあまり変わらない睡眠時間しかとれていないのです。さらにこの問題が深刻なのは、親が子供の睡眠不足に気付いていないこと。同じアンケート調査で、9割の保護者が「自分の子どもの睡眠時間は十分にとれている」と答えているのです。幼児が睡眠不足になるのはどうして?なぜ、寝るのが仕事なはずの子どもが睡眠不足になってしまうのでしょうか?その原因は親の行動スタイルにあるようです。というのも、あるアンケートによると、夜9時以降に赤ちゃんを連れてコンビニやDVDのレンタルショップなど、商業施設に行ったことがあると答えた親が25%もいるからです。夜型のライフスタイルが染みついている大人にとっては、21時はまだ活動時間かもしれません。しかし、12時間以上の睡眠を理想とする幼児にとっては、もう布団に入っていたほうがいい時間です。遅くまで続く残業や深夜までやっているお店の増加。夜型生活の要因は多々ありますが、赤ちゃんの未来を大きく左右する大切な時期に、わが子が安心して眠れるように今一度、生活サイクルの見直しが必要かもしれません。photo by Seth Baur
2015年05月27日更年期障害と聞いて、みなさんはどんなことを想像しますか?アラサーのみなさんにとっては、まだまだ遠い先のことと感じる人が多いでしょう。でも実は30代で更年期障害のような症状があらわれる、「若年性更年期障害」の人が増えていることをご存知でしょうか?すぐに疲れてしまう、イライラして寝つきが悪いなど、病気とは言えない体の不調を感じたことはありませんか?これらは更年期障害の症状のひとつ。アラサーのうちから気をつけたい、若年性更年期障害について紹介します。そもそも更年期障害って何?更年期障害とは、閉経をはさんだ前後10年の間に起こりやすい心身の不調のことです。女性が閉経する年齢は平均で50歳前後といわれているので、一般的には45~55歳くらいの期間を更年期と呼びます。この期間は閉経に向けて、女性の体が大きく変化する時期。卵巣機能が低下するために女性ホルモンの分泌が少なくなる一方で、脳からは女性ホルモンを出し続けるように指令が送られ、このアンバランスが様々な症状を引き起こすのだとか。代表的なのは次のような症状です。【体調面】・月経不順・頭痛やめまい・のぼせ・寝つきが悪くなる・動悸や息切れ・手足の冷えやむくみ・汗が急に出る・食欲不振・肌のくすみやシミ、たるみ・便秘【心理面】・イライラして怒りっぽくなる・不安感が強く、落ち込みやすい・物忘れがひどくなる病気のようにはっきりした症状はないものの、こうした症状が重なるために、ひどいときは生活や仕事に支障をきたすこともあります。では、なぜ30代で更年期症状があらわれてしまうのでしょうか?生活環境とストレスが、アラサーに更年期障害を引き起こす30代の女性に更年期のような症状が現れる原因として、生活環境やストレスなどが関係していると言われています。不規則な生活や過剰なストレスがかかると、自律神経の働きが狂ってホルモン分泌にも影響を及ぼすことがあります。これが更年期障害のような症状を引き起こす原因になります。実際には30代で閉経する人は、ほとんどいません。そのため、生活習慣を改善してホルモン分泌が正常に戻れば、症状は改善します。無理なダイエットを繰り返して、一時的に生理が止まってしまう人がいますが、これも若年性更年期障害の原因になります。美しくなるためのダイエットが、更年期障害を招いてしまっては意味がありませんよね。「心地よい睡眠」で、若年性更年期を撃退できる!まずは快眠をしっかり確保することが大切。睡眠不足は疲労やストレスを増幅させて、症状を悪化させてしまいます。できれば10時までにベッドに入りたいところですが、難しい人も多いと思うので、次の点を心がけてみてください。「就寝前に湯船につかる」湯船にゆっくり浸かって、心身ともにリラックスしましょう。また体温が下がるときにに眠気を感じやすくなることから、入浴時に体温を上げておくと入眠しやすくなります。「就寝の2時間前までにスマホやパソコンの使用をやめる」スマホやパソコン、タブレットなどのブルーライトは、刺激がとても強いため睡眠の妨げになります。また睡眠の1時間前には、部屋の照明を落として暗くすることで、眠りに入りやすくなります。「起床時間を固定する」就寝時間の固定が難しい場合も、起床時間だけは固定するように心がけましょう。朝起きる時間をそろえるだけでも、生活が規則正しく整いやすくなります。早起きして朝食を食べると、便秘解消効果も期待できるのでおすすめです。休日も同じ時間に起きることで、週明けも睡眠リズムが狂いにくくなります。心地よい睡眠を得るためのヒントは、ピーリング麻里子さんのこちらの記事にも詳しく書かれています。こちらも、ぜひ参考にしてみてください。やっぱり女はデリケート・・・女性でも、バリバリ仕事をしている姿はカッコいいですよね。でもどんなに仕事のポジションが上がっても、体まで変化するわけではありません。女性らしさを極端に主張する必要はありませんが、女性としての心と体を丁寧に扱うことは、やはり大切なこと。「女はデリケート」それは昔も今も変わりません。忙しさにかまけて、あなたは女であることを忘れていませんか?
2015年02月11日テレビや雑誌などで「睡眠障害」という言葉を目にしたり、聞いたりしたことはないでしょうか?睡眠障害とは、その名称の通り、睡眠に関する何らかの障害のことで、日中に眠たくて仕方がなかったり(過眠症)、眠っているときに無意識に体が活動してしまったり(睡眠時随伴症)、呼吸が止まってしまう(睡眠時無呼吸症候群)などの総称として用いられます。なかでも、眠ることができなったり、睡眠の途中で目をさましてしまったりする「不眠症」は、日本国民の5人に1人がかかっているといわれており、よく知られています。国民病といわれている睡眠障害「不眠症」の4つのタイプ眠ろうと思ってもなかなか寝つくことができない「不眠症」には、大きく分けて「入眠障害」「熟眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」の4タイプに分類することができます。入眠障害不眠症の中で、もっとも多いといわれているのが「入眠障害」です。ベッドや布団などに入ったものの、なかなか寝つくことができない状態が続く症状のことをいい、個人差はありますが、睡眠にはいるまでに30分から1時間近くかかる人もいます。「日常的にストレスを抱えている」「直前までテレビやパソコンなどの光を見ていた」「体内時計が乱れている」などの原因があると考えられています。熟眠障害入眠障害とは対照的に、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、満足感を得ることができない症状を「熟眠障害」です。睡眠には、体が休眠していながら脳は活発に動いている「レム睡眠」、脳も体の機能も深く休眠している「ノンレム睡眠」の2つの種類があるといわれています。「熟眠障害」は、この「ノンレム睡眠」の量が少なくなってしまうことをいい、長期化すると、体調不良の原因になったり、自動車を運転している時に無意識に寝てしまったりといった、重大な事態に陥ってしまうことも考えられます。中途覚醒心理的理由、環境的理由などが原因で、睡眠の途中で目が覚めてしまう症状のこと。この状態が数日間続くと「一過性不眠」、1~3週間ほど持続すると「短期不眠」、1か月以上継続すると「長期不眠」といいます。とくに「長期不眠」の場合には、喘息、心不全、神経症などの重大な病気が背後に隠れている場合があるので、長期化している場合には、少しでも早く専門医師に相談することをオススメします。早朝覚醒会社や約束ごとで起床しようと目覚ましをセットしていても、いつもその時間よりも早く目覚めてしまう症状。日本人の8%は、この「早朝覚醒」を体験しているといわれています。とくに高齢者に多く見られる症状だと思われていますが、近年では、比較的若い世代においても目立ってきている症状です。日頃の生活で可能な対処法とは?日常生活でできる対処法としては、生活習慣を改めることです。夜更かしや寝坊、昼寝のしすぎを控えて「就寝や起床時間を一定にする」ように心がけたり、体内時計を調整するために「太陽光を積極的に浴びる」ようにつとめたりするだけでも効果的です。その他にもさまざまな日常生活の改善点があるので、簡単に紹介しておきましょう。・睡眠時間にこだわらない・自己流のストレス解消法をみつける・就寝前にはリラックスできる時間をつくる・寝酒を控える・眠りやすい環境づくりを心がける自分で「不眠症かな?」と実感できたら以上のことを実践してみるといいでしょう。ですが「不眠症」の裏には複数の原因が隠れている場合があるので、それぞれの原因に合わせた対処法が必要になってきます。他の睡眠障害でもある「睡眠時無呼吸症候群」「睡眠時随伴症」などが原因で、何らかの不眠症を併発している場合もあります。医師の診断や治療、専門施設での検査や診断が必要になってきます。自分ですべてを解決しようとは考えず、医師の判断を仰ぐようにしてください。参考:厚生労働省e-ヘルスネット
2015年01月08日子供の頃、よく悪夢にうなされたという経験はありませんか?今回は、子供の睡眠障害を紹介したいと思います。子供と大人の睡眠の違い子供の睡眠障害を紹介する前に、まずは子供と大人の睡眠の違いについて簡単に解説したいと思います。子供は生後3カ月ぐらいまでに5時間ぐらいの睡眠をまとめてとるようになりますが、1歳ぐらいまでは夜中に目が覚める時期があります。成長するにつれてレム睡眠(急速眼球運動睡眠/浅い睡眠)が増えていき、だんだんと大人と同じ睡眠へと近づいていきます。子供の睡眠障害は、ほとんどが一時的なもの、または周期的なものなので、その多くは治療の必要がないと言われています。子供の睡眠障害今回、紹介するのは「睡眠時随伴症」という睡眠障害です。これは4~12歳ぐらいの子供に起こりやすい睡眠障害で、無意識のうちに記憶に残らない行動をしてしまうというものです。具体的な行動としては、おそらく誰もが経験したことのある、就寝の際に体や脚がビクッと動いたり、短時間の映像が見えたり、歯ぎしりをしたり、歩き出したり、ということがあげられます。悪夢を見てうなされることもあります。これはレム睡眠時に起こるもので、熱があるときや疲れているときに頻度が高くなると言われています。特に子供は悪夢の内容を細部までよく覚えていて、怖がって眠れなくなることがあるそうです。悪夢の原因はなに?子供が悪夢によくうなされるという場合は、保護者の方にチェックしていただきたい点があります。それは子供が日中に「見ているもの」「体験していること」です。子供は素直で、正直なので、日中に怖いテレビ・映画やストレスを感じるような体験をすると悪夢を見やすくなると言われています。悪夢はかなり頻繁ではない限り、あまり心配をすることはないと考えられていますが、気になる保護者の方は子供の行動を日記につけるなどしてよく注意してみましょう。それでも原因を特定できない場合は病院へ行って、お医者さんに相談することも考慮する必要があります。Photo by Luciano Dinamarco
2014年12月11日元ディズニー・アイドルで歌手のデミ・ロヴァートは摂食障害や双極性障害、自傷癖といった様々な問題を抱えて2010年にリハビリ入りし、その明るく自信あふれるイメージとのギャップから世間を大いに驚かせた。休息期間を終えた後、彼女は以前よりさらに精力的に活動を行い、若者や同じ病気に苦しむ人々のための素晴らしいお手本であり続けている。そんなデミがTwitterにて摂食障害や精神障害についてのよくある誤解を語り、人々を啓蒙する力強いメッセージを発信した。彼女は以下のように語っている。「摂食障害であることが“強さ”を示すわけではないわ。強さとは、長いこと戦ってきた自分の中の怪物を乗り越えられるということよ」。「飢えることはダイエットではないし、吐くことは極端に痩せている人のみがすることではないわ。摂食障害は人を選ばないの。そのほかの精神病も同じ。それらは致死性の病気で、日常的に人の命を奪っている。だから、どうか摂食障害や精神病について語る時の言葉には慎重になって」。「拒食症や過食症は単なる選択の問題だと広く誤解されているわ。人々はよく“とにかく食べればいいじゃないか”“吐くのをやめればいいじゃないか”と言うけれど、その精神障害への無知・無学が精神のケアを後回しにさせている原因よ。この病気の流行はこの国を風靡し、毎日のように悲劇を生んでいるというのに」。壮絶な苦しみを乗り越え現在も病気と闘い続けているデミの言葉には大変な重みがある。実際に心の病気は目に見えない分、体の病気よりも軽視されることも多いだろう。ネガティブなイメージを恐れて公表しないという選択もあっただろうが、デミは自分の問題を共有しメッセージを発信し続けている。デミのように影響力あるセレブが問題に向き合い続けている事実は、世界中の同じ病気に苦しむ人々を勇気づけていることだろう。(text:cinemacafe.net)
2014年11月14日これまで、女性だけの症状と思われていた「更年期障害」。実は男性にもあるってご存じでしたか?更年期障害とは、加齢によりホルモンバランスが崩れることで、さまざまな不調が現れること。体だけでなく、心にも影響を与えます。閉経を迎える40代~50代の女性特有のものと考えられていましたが、近年、男性にも更年期障害が起こることがわかってきました。しかも中には、30代で更年期障害の症状を示す男性も!詳しい説明を、私のクリニック目白の平田雅子院長にお聞きしました。(以下、平田雅子先生)女性の更年期障害の場合、閉経前後に卵巣の機能が低下し女性ホルモンの分泌量が減少することで起こります。それと同じく男性の場合も、加齢による男性ホルモンの分泌が低下が原因と考えられています。まず、男性の場合、脳の視床下部から出されるホルモンの刺激で、性腺刺激ホルモンが分泌されます。性腺刺激ホルモンが分泌されると、男性ホルモンである「テストステロン」が睾丸(こうがん)から分泌されるのですが、テストステロンは、45歳くらいから緩やかに減少していきます。ですから、一般的に男性に更年期障害の症状が見られるのは、40代半ばからといえますが、若くても無縁ではないのです。それは、ストレスなどが原因で、30代でもテストステロンの分泌が減少してしまい、更年期障害の症状が現れる場合があるんです。症状は人それぞれで多岐にわたりますが、代表的なものはこちら。・ほてり、のぼせ・手足の冷え・頭痛・めまい、耳鳴り・肩こり・筋肉痛・便秘・腹痛・頻尿or残尿感・動悸(どうき)・不眠・倦怠(けんたい)感・不安・性欲低下・勃起(ぼっき)不全このように、身体面、精神面の両方にさまざまな症状があるにも関わらず、男性には女性の閉経のような分かりやすい変化がない上に、どれもすぐに病気につながるような症状でないため、見過ごされがち。また男性の場合も、更年期障害による身体的な変化により精神的に落ち込み、うつ状態になることが多いんです。もし症状に心当たりがあるのなら、男性の更年期障害について扱っている病院を受診してみましょう。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年03月18日