ガス・ヴァン・サント監督最新作で日本から加瀬亮が参加していることも話題の『永遠の僕たち』が、今年の東京国際映画祭で特別招待作品として上映されることが決定!故デニス・ホッパーの息子で主演のヘンリー・ホッパー、ヒロインのミア・ワシコウスカ、加瀬さんの3ショット写真がお披露目となり、加瀬さんのコメントも到着した。ショーン・ペンに2度目のオスカー主演男優賞をもたらした『ミルク』以来のガス・ヴァン・サントの新作で死にとり憑かれた3人の主人公たちのエモーショナルで奇妙な体験を描き出した本作。交通事故で両親を亡くし、臨死体験をしたイーノック。死に囚われ、他人の葬式を見て回るのを日常としている彼にとって、話し相手は彼にしか見えない、死の世界から来た青年・ヒロシだけ。そんなある日、彼は難病で余命3か月と告げられた少女・アナベルと出会う。ヒロシに見守られながら、一緒の時を過ごす2人。残された時間の中で少しずつ世界は輝きを取り戻すが…。亡き父を思わせる存在感で期待を集めるヘンリーに『アリス・イン・ワンダーランド』で一躍、世界中の注目を浴びたミアという若き才能との共演で、名匠ガス・ヴァン・サントの作品に参加した加瀬さん。『硫黄島からの手紙』に続く海外作品となったが、東京国際映画祭で凱旋を果たすことに。今回の発表に際し、加瀬さんからは「『ドラッグストア・カウボーイ』、『マイ・プライベート・アイダホ』など、ガス・ヴァン・サント監督の映画には若いとき、ずいぶんと夢中になりました。あれから長い年月をへて、そんな監督と一緒に仕事ができたことは本当に大きな喜びでした。また憧れのDP(撮影監督)のハリスさんや才能あふれるミア(・ワシコウスカ)の仕事を間近でみれたのも、大変刺激になりました。スタッフ、共演者たちとは現場以外で過ごした時間も多く、貴重な体験でした。今作は、ガス監督の作品にしてはとても風変わりですが、絵本のようなかわいらしい映画に仕上がっていて、多くの方に楽しんでいただけたらと思っています」とのコメントが到着した。今回、到着した写真では、ヘンリーとミアが楽しそうに語り合う姿を、脇で加瀬さんがそっと見守っている。軍のパイロットのような衣裳とどこかもの悲しげな表情が印象的だ。3つの才能はガスの手腕によって、作品にどのような化学変化をもたらしたのか?映画祭でのお披露目が待たれる。『永遠の僕たち』は12月23日(金・祝)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマライズほか全国にて公開。■関連作品:永遠の僕たち 2011年12月23日よりTOHOシネマズシャンテ、シネマライズほか全国にて順次公開■関連記事:村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』予告編到着!扉の向こうに大胆な姿で…
2011年08月18日戸田恵梨香と加瀬亮のW主演で話題を呼んだTBSドラマ「SPEC〜警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿〜」が映画化されることが決定。映画公開前にスペシャルドラマが放送されることも明らかになった。大ブームを巻き起こした「ケイゾク」(TBS)のスタッフが再集結し、昨年10月から12月にかけて連続ドラマとして放送され、熱狂的な支持者を生み出した本作。未解決事件の捜査強化のために公安部に設けられた未詳事件特別対策係、通称“ミショウ”に配属された2人の刑事が、未来予知や千里眼など“SPEC(スペック)”と呼ばれる特殊超能力を駆使して未解決事件の真犯人を追い詰めていく姿を描く。IQ201を誇り、異常な記憶力に動体視力、洞察力を備えたKYなドS女の捜査官・当麻紗綾を戸田さん、元警視庁特殊部隊(SIT)のエリートながらも誤射事件をきっかけにミショウに飛ばされてきた瀬文焚流(せぶみたける)を加瀬さんが演じる。多大に問題を抱えつつも実力は飛び抜けている2人が、ケンカしながらもSPECを持った犯罪者に立ち向かっていく姿が支持を集め、放送終了後もTBSや番組の公式サイトやTwitterには続編を望む声が数多く寄せられていた。こうした声を受けて、スペシャルドラマと映画の製作が決定!まずスペシャルドラマ「SPEC〜警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿〜翔」(放送日未定)が放送されたのち、映画『SPEC〜天』(仮題)が公開される。スペシャルドラマ「SPEC〜翔」で描かれるのは連続ドラマ最終回から1年後の世界。目の療養で休職していた瀬文がミショウに復帰した数日後、白昼の街中でマシンガンによる殺人事件が勃発する。唯一の生存者である女子高生・望(谷村美月)は「犯人が瞬間移動で逃げた」と証言。当麻はスペックホルダーを奪い合う抗争が街中で堂々と行われたと分析するが…。このドラマを通じて連続ドラマの最終回に残された謎――「野々村(竜雷太)は何を見たのか?」、「最後に犯人の地居(城田優)を倒したのは誰か?」、「津田(椎名桔平)のラストシーンの意味」などがすべて明らかになる。連続ドラマに続いてメガホンを握るのは堤幸彦。本作のプロデューサーを務めるTBSの植田博樹氏は、続編製作の決定について、視聴者、キャスト、スタッフへの感謝の言葉と共に、映画に関して「当麻と瀬文のコンビネーション、スペックホルダーはじめ、独特の怪キャラクターというエンターテイメントと、進化論、人種論、政治論、宗教論、歴史論みたいな硬派のテーマが混在している『堤ワールド』の真髄です。俳優の力、技術の力に“ノリ”が加わって、独特の世界観になっている。昔、松田優作さんの『探偵物語』のようなかっこよくて笑えてオリジナリティがあって、という作品に憧れたのですが、『SPEC』は種類は違うが、そういうかっこよさがある作品だと思うし、そこを表現したいです」と意気込みを語る。当麻役で新たな境地を切り拓いた戸田さんは、続編製作決定について「映画化が決まって、とても嬉しいです。『SPEC』で当麻の役に出会い、実際に演じてみて、役者として自分が変わることができましたし、いままでにない女優『戸田恵梨香』を見せれた作品なので、堤監督やスタッフのみなさんに感謝しています。今回の映画で、さらにパワーアップした『SPEC』と、当麻が見せられると思います。楽しみにしていてください」と気合十分。連続ドラマの場で新たな一面を見せた加瀬さんも「映画になるとは、最初は思ってもみませんでしたが、たくさんの方が連続ドラマを観て、応援してくれて、『SPEC』を愛してくれたことが、今回の映画化に繋がったと思います」と喜びを語り、戸田さんとの再会については「会うのが約半年ぶりで、最初はまだ大人しいな、と思ってましたが、今日の撮影現場で笑い上戸なところが見られて、『あ、戻ってきたな』と感じました(笑)」と当麻&瀬文のコンビ復活を実感した様子。連続ドラマ以上の暴れっぷりを期待したい。スペシャルドラマ「SPEC〜警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿〜翔」は放送日未定。映画『SPEC〜天』(仮題)は2012年春、全国東宝系にて公開。■関連作品:SPEC〜天 (仮題) 2012年春、全国東宝系にて公開
2011年07月08日第23回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品中の映画『海炭市叙景』が10月28日(木)、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主要キャストの加瀬亮、谷村美月、熊切和嘉監督らが舞台挨拶に立った。小説家の故・佐藤泰志が、故郷・函館をモデルにした架空の寂れた地方都市で様々な事柄を背負いながら生きる人々の姿を描いた同名小説の実写化。劇中、5つのストーリーが描かれ「裂けた爪」で自身は不倫をし、再婚した妻による連れ子への虐待に悩む男を演じた加瀬さんは「日の当らない人たちばかりが出てきます。日陰で生きている人たちの息づかいを感じていただきたい」と呼びかけ。一方で「初めて映画で主演させてもらった『アンテナ』と今回の映画が同じ脚本家さん(宇治田隆史)で、あれから7年経ってやらせていただけたことを、プレッシャーもありましたが光栄に思いました」としみじみ。谷村さんは「まだ若い廃墟」でリストラされた兄と寂しい正月を迎える妹役。函館ロケについて「最初はザコ寝と聞いていたんですけど、向こうの方がビジネスホテルを用意してくれたり、主婦の方たちがご飯を用意してくれたりして、芝居に集中させていただきました。演じることがこんなに楽しかったのは初めてでした」と笑顔でふり返った。また「熊切監督とは、京王線でばったり会ったことがあって、いつか仕事をご一緒したいと思っていたのが叶いました」と意外な出会いを明かしていた。ほかに、南果歩、小林薫、三浦誠己が出席。同日、六本木ヒルズ内で記者会見、ティーチインも行われた。『海炭市叙景』は11月27日(土)より函館先行公開、12月18日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開。(photo/text:Yoko Saito)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会■関連記事:TIFFインタビュー『海炭市叙景』南果歩×谷村美月×竹原ピストル×熊切和嘉TIFFクロージングにハズレなし?『ザ・タウン』“監督”ベン・アフレックに称賛の声【TIFFレポート】『チェブラーシカ』原作者ビックリ?日本の観客は「大人ばかり」【シネマモード】今年はドレスも省エネ気味?第23回東京国際映画祭【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」
2010年10月28日ペイメント・マイスター発表会IGエジソンが導入を決定している、フライトシステムコンサルティングの「ペイメント・マイスター」の発表会が、12日開催された。保険外交員などをターゲットに「ペイメント・マイスター」は、iPhoneによるクレジットカード決済ソリューションで、iPhoneに専用のカードリーダーを接続する製品。決済システムは三菱UFJニコスが提供している。iPhoneを利用したカード決済にはいくつかの製品が登場しているなかで、フライトシステムコンサルティングの「ペイメント・マイスター」は、主なターゲットを保険外交員やケータリング事業者、化粧品の訪問販売員と想定している。iPhone上で決済のキャンセルも「ペイメント・マイスター」では、三菱UFJニコスの決済システムとの連携により、取引状態の照会や売上集計、結果表示などが専用のWebサイト上で確認できる。また、「ペイメント・マイスター」のアプリケーション側にも決済手続き時に、契約書番号や担当者コード、エリアコードなどを付与する機能を搭載しており、当日であればiPhone上で決済のキャンセルを行えるとのこと。iPhone 4や銀聯カードへの対応も予定今後は、iPhone 4やICチップ付きクレジットカード、日本でも対応店舗が増えつつある、中国の銀聯カードへの対応も予定している。
2010年10月16日俳優の石田純一が3月16日(火)、都内で行われた映画『マイレージ、マイライフ』(ジェイソン・ライトマン監督)の記者会見に花束プレゼンターとして出席し、女子プロゴルファー、東尾理子との新婚旅行について「できれば世界一周旅行に行きたい」と話した。同作は、ジョージ・クルーニー演じる、仕事は“リストラ宣告人”で私生活はマイレージ依存症の男が、人間関係と人生について再認識する姿を描く人間ドラマ。石田さんは、マイレージについて「50万マイルくらい貯まっている」と言い、6月8日に予定のカリフォルニア州ナパバレーでの挙式用に「使えそうですね」と満面の笑み。「できればそのまま世界一周旅行に行きたい。ちょうどワールドカップがあるので南アフリカへ飛んでいきたい。調整中なんですけど」とハネムーンプランを告白。7月12日に東京・帝国ホテルで予定されていた披露宴を8月8日に延期したことが先ごろ、報じられたばかりだが「全米女子オープンと重なってしまったので。彼女のゴルフ関係の方々にも来ていただきたいですから」と説明した。ジョージと昨年まで同じ、元“おひとりさま”で「僕もおひとりさまが長かった。何が一番大切か考えさせてくれる映画」と感銘を受けた様子。「クルーニー演じる主人公は変わりますが、僕は変わらず“マイ理子、マイライフ”」とおノロケ。「理子に切られないようにしたい。この歳で切られると寂しい」と56歳の男心を吐露した。この日は、同作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた女優アナ・ケンドリックが会見に出席。石田さんはアナに5本指ソックスを「長旅でも疲れないように」とプレゼント。アナから「昨日原宿で靴下を買ったけど5本指のタイプは買ってないから嬉しい!」と大喜びされてニンマリ。自身はいつも裸足のスタイルを貫いているが取材陣から靴下を履かなくても履く人の気持ちは分かるんですね、と感心され、「ハハハハ」と照れ笑いしていた。一方、アナは、オスカーノミネートの感想を「どんな賞であれ夢にも思わなかったこと、大変驚いています。夢が叶ったとも言えるわ。でも怖い気もする。私がこれまでアカデミー賞のノミネートや受賞の女優へ抱いた期待を、人々から抱かれていると思うと怖い気もするし、ストレスもある」と“セレブブルー”を吐露。ハリウッドの超モテ“おひとりさま”男、クルーニーの印象については「心から周囲を和ませようと努力する人。私の緊張をほぐそうとしてくれたんだと思うけど、撮影中はずっと私をからかっていたわ。彼がティーンエイジャーで、私がたしなめる母親みたいだったわ」と裏話も。靴はジミー チュウ(Jimmy Choo)、ドレスはアルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI) といういずれも人気ブランドのキュートなデザインのファッションで、カメラマンのフラッシュ放射を浴びた。ほかに自身のリストラ体験を綴った曲「UP IN THE AIR」(※本作の原題と同じ)が同作のエンディングに使用されて一躍、全米注目の人となった“リストラシンガー”ケヴィン・レニックも出席。ナマ歌を披露し、温かい歌声で取材陣をうっとり聴き入らせていた。『マイレージ、マイライフ』は3月20日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:マイレージ、マイライフ 2010年3月20日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて公開© 2009 DW STUDIOS L.L.C and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.■関連記事:ジョージ・クルーニー、ハワイのカウアイ島で新作を撮影中【アカデミー賞】ファッションチェック!〜番外編<セレブカップル>〜【アカデミー賞】ファッションチェック!〜レッド&ブラック編〜オスカー主演男優賞のゆくえクルーニー&フリーマンの戴冠阻むは“過小評価の男”?本家オスカーを控え激戦、混戦!英国アカデミー賞で『ハート・ロッカー』6冠
2010年03月16日日本を代表する巨匠、山田洋次の10年ぶりの現代家族ドラマ『おとうと』。間もなく公開を迎える本作に出演している加瀬亮から動画メッセージがシネマカフェに到着した。本作で加瀬さんが演じるのは、主人公・吟子(吉永小百合)の娘・小春(蒼井優)の幼なじみで大工の亨。結婚の失敗で傷心した小春と、彼女を一途に見守る亨の恋愛も本作の見どころ。2人の恋愛について「感覚が分かる」と共感を示していた加瀬さん。果たして、そのゆくえは…?まずは、加瀬さんの心温まるメッセージをチェック!『おとうと』は1月30日(土)より全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY『おとうと』加瀬亮インタビューシネマライブ!『おとうと』川柳コンテスト■関連作品:おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会■関連記事:山田洋次、ベルリン入りに「よくぞ選んでくれた!」浅草寺で『おとうと』大ヒット祈願加瀬亮『おとうと』インタビュー「変化していく自分の感覚を、受け入れていきたい」山田洋次監督『おとうと』がベルリン国際映画祭クロージング・フィルムに決定!五・七・五から見える“家族”の形思わず唸る『おとうと』川柳コンテスト大賞発表!笑いと感動を贈る“家族”の姿『おとうと』オリジナル一筆箋を5名様にプレゼント
2010年01月27日ときに柔和で無防備な男性から、ときに狂気を内に秘めた役まで、日本映画界を牽引する数々の監督から引く手あまたの存在として、“色”を変え応えていく、加瀬亮。そんな彼が次の出演作として選んだのは、日本を代表する巨匠、山田洋次監督の10年ぶりの現代ドラマ『おとうと』。どこかノスタルジックで温かい空気に満たされた本作で、彼は主人公の娘・小春(蒼井優)を優しく見守る青年をまっすぐに演じた。「上の世代の方たちとすすんで仕事をしたい」。そう語る彼が、巨匠の現場を経て見据えるものとは――。初めて足を踏み入れた、巨匠の世界縁側から日が差し、引き戸の音とともに近所の住人が現れる。昔ながらの平屋の家を軸に描かれるのは、切っても切れない家族の絆。まさに『男はつらいよ』シリーズを彷彿とさせる本作だが、加瀬さんはそんな「山田監督の世界に自分がいるのは想像できなかった」と話す。「祖父が『寅さん』のビデオを全巻持っていて、祖父の家に行くと必ず観ていたので、山田監督と言うとまず出てくるイメージは『寅さん』ですね。今回お話をいただいたときは、びっくりしました。いままで本当に色々な人に怒られてやってきて、先輩方の演技を見せてもらってきましたが、技術もないですし、同じようにできない。自分はきちんとお芝居ができるタイプではないので、山田監督の作品に入れるのかどうかという思いはすごくありました」。そんな不安を抱えた状態で臨んだ、山田組の世界。撮影の様子を尋ねると、とある玄関でのワンカットを思い出して語った。「最初にドアから入ってくるシーンを何度もテストしたのですが、ドアを閉めるのは左の手がいいとか、カットごとに本当に細かいところまで指示がありました。最初は何がダメなのかが分からなかったのですが、よく見たら、外を歩いているとき寒そうじゃなかったとか、左手で閉めれば蒼井さんと喋るときに自然に行けるとか、一個一個の小さなことがどういうふうに生きてくるのかがだんだん分かってきて、自分に足りないところがたくさん分かってすごく面白かったです」。幼なじみの淡い恋愛にほのかな共感今回、加瀬さんが演じる亨は、山田監督ならではのどこか昔気質な雰囲気をまとっている。彼が想いを寄せる小春に向ける言葉も、少し照れてしまうほど至ってストレートだ。そんな恋愛シーンについて尋ねると、困ったような笑みを浮かべた。「蒼井さんとはお互いによく知っていて、普段のキャラクターから遠い役だったので(笑)、正直に言えば、照れるというかやりづらい面はありました。でも照れていたらお芝居ができないので、途中から協力しようという暗黙の了解があったと思います。(小春に気持ちを伝え)『やったぜ!』と喜ぶ場面でも、なかなか自分にはない感覚だったのですが、蒼井さんもきっと、そこが一番照れくさいというのを分かっていたので、カメラの後ろですごく真剣にお芝居をしてくれていて、すごく助かりました」。監督の創りあげた亨という役に、世代間のギャップを感じながらもそこに「男らしさや丈夫さ」を感じたという加瀬さん。一方で、亨と小春の、幼なじみならではの淡い恋愛についても「感覚が分かる」とも。「小さい頃からの幼なじみにどこかで想いを寄せているんだけど、言うタイミングを逃して別の人と付き合ったり、距離が近いと逆にそういう想いがずれていくと思うんですよね。僕も小さい頃に、近所の子と遊んだりしていて、やっぱりどこか好きだったと思うんですが、結婚したと聞いて『おめでとう』と言えますし、でも、『あの頃いいな』と思っていた気持ちもまだありますし、そういうのはいつでも、『状況によって開くんじゃないかな』と思います。特に男の人はそうだと思いますね」。「ちゃんと年をとっていきたい」2000年に『五条霊戦記』で俳優デビューし現在、35歳。改めてデビューからふり返ってみて感じる、内なる変化とは?「余計なものがいっぱいくっついているとは何となく思いますけど、それはそれで汚れがついたらしょうがないかなと。でも、いまちょうど中途半端な年齢になったなという感じはします(笑)。まだ若い役もよくいただくのですが、年齢的にちょっと無理かなと。ちょうど『ハチミツとクローバー』のときが31歳でしたが、海に向かって叫ぶのは限界だと思いましたね(笑)。20代から30代になって、ちょっと先が見えなくてどうしようかなと思ったのですが、『それは自分で決められることじゃないな』と思って、そこからは役をいただくままにやってきました」。そして、今回共演した吉永小百合や笑福亭鶴瓶然り、山田監督然り、先輩の積み重ねてきたものを見て「ちゃんと年をとっていきたい」という言葉に力を入れる加瀬さん。「僕は最後のお姉さん(吉永さん)の背中を見てすごく感動したのですが、ああやってちゃんと続けて重ねてきたものが出ているのを見ると励まされます。今回もそうですが、自分のこれからの指針となる役者さんや監督など、ずっと続けられている方々と出会って、感じたいという気持ちはあるんだと思います。ちゃんと年をとるということの答えは全然出てないことですが、年をとると自分の感覚が変わってくるんですよね。それを、毎回変わるごとに素直に受け入れていきたいんです」。本作に続き、北野武の最新作『アウトレイジ』ではヤクザ役に、さらに『海炭市叙景』では熊切和嘉監督と再タッグを組むなど、今後の活躍からも目が離せない、加瀬亮。まずは、巨匠・山田洋次が引き出した、新たな彼の表情を本作で確かめてほしい。(photo:Yoshio Kumagai/Hairmake:KATSUHIKO YUHMI<THYMON>/stylist:Sonya S.Park)衣裳・シャツ:ドリス ヴァン ノッテン/TFC・パンツ:LOSTHILLS■関連作品:おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会■関連記事:山田洋次監督『おとうと』がベルリン国際映画祭クロージング・フィルムに決定!五・七・五から見える“家族”の形思わず唸る『おとうと』川柳コンテスト大賞発表!笑いと感動を贈る“家族”の姿『おとうと』オリジナル一筆箋を5名様にプレゼント現在とこれからの日本の家族の姿を描く『おとうと』試写会に合計65組130名様ご招待温泉宿泊券&山田洋次監督サイン入りプレスをプレゼント!『おとうと』“かぞく”川柳コンテスト開催
2010年01月22日