野田秀樹による最新作、NODA・MAP第27回公演の詳細が発表された。タイトルは『正三角関係』。松本潤、長澤まさみ、永山瑛太の3人が舞台で初めて共演する。物語のテーマは19世紀ロシア文学を代表するドストエフスキーの傑作『カラマーゾフの兄弟』。野田はこの作品をベースに、「日本のとある時代の花火師の家族」、つまり「唐松族(からまつぞく)の兄弟」の物語を創り上げた。ストーリーは父親殺しという"事件"を扱ったサスペンスで、物語の中心となる「唐松族の兄弟」を演じるのが松本・長澤・永山だ。舞台は日本のある時代。松本が長男の花火師、永山が次男の物理学者、長澤が三男の聖職者を演じる。物語の全貌は明らかにされていないが、「松本は心が荒廃した花火師、長澤は性格的にも真反対の“男役”と“女役”の二役を演じ分け、永山は神をも恐れぬ不敵なインテリと、3人いずれも新鮮な役どころである」という野田からのヒントも。松本は20年前から野田と接点があり、多くのワークショップに参加してきたとのことで、今回満を持してNODA・MAP初登場、13年ぶりの舞台出演となる。「名だたる俳優の方々との共演ということで大きな挑戦になりますが、一所懸命食らいついて、できる限りの稽古を重ねて初日を迎えたいと思います」とコメントを寄せた。長澤は、暴力に屈していく様を儚くも美しく演じ観客を魅了した『THE BEE』(21年)以来の出演。「ワークショップに参加して、みんなで考えながら、それぞれがその場にいる。置いてきぼりが一人もいない感じが野田さんの現場の良い所で、すごく楽しいです」とワークショップでの手応えを語る。そして永山は、『MIWA』(13年)、『逆鱗』(16年)で清冽で鮮烈なインパクトを残して以来、久々のNODA・MAP出演。「己の貧弱さを見つめ直す時期にきた今、NODA・MAP の大冒険は私をまた別次元へと連れていってくれる絶好のチャンスだと確信しています」と意気込んだ。出演はほかに、三兄弟の父親役を演じる竹中直人をはじめ、村岡希美、池谷のぶえ、小松和重、そして野田秀樹と鉄壁の布陣。さらにNODA・MAPを語る上で欠かせない変幻自在な17名の精鋭アンサンブルキャストを加え、総勢25名のキャストがめくるめく野田ワールドを展開する。公演は7月11日(木) に東京・東京芸術劇場プレイハウスにて開幕。北九州、大阪と日本の3都市を巡り、『Love in Action』の英語タイトルで、ロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場でも上演。11月2日(土) に大千穐楽を迎える。■野田秀樹 コメント■松本潤 コメント全文僕としては 13年ぶりの舞台出演となります。名だたる俳優の方々との共演ということで大きな挑戦になりますが、一所懸命食らいついて、できる限りの稽古を重ねて初日を迎えたいと思います。これまでの自分を越えていけるよう試行錯誤していきながら、より野田さんの世界観のなかで描かれるキャラクターに近づけるように演じていく。野田さんだからこそできるソリッドさを体現できたら、すごく面白い作品になる気がしています。準備できることをしっかりして、自分も頑張りたいと思います。■長澤まさみ コメント全文ワークショップに参加して、みんなで考えながら、それぞれがその場にいる。置いてきぼりが一人もいない感じが野田さんの現場の良い所で、すごく楽しいです。大丈夫かなと心配になる所もありますが、あっという間に演じてしまっているかも、と期待する自分がいたりします。舞台はお客さんも出演者のひとり。その場を共有した同志のひとりとして、一緒に楽しい舞台を作っていけたらと思います。ぜひ劇場に足をお運びください。■永山瑛太 コメント全文舞台、芝居の面白みを初めて肌で感じたのは野田秀樹さんとの出会いでした。己の貧弱さを見つめ直す時期にきた今、NODA・MAPの大冒険は私をまた別次元へと連れていってくれる絶好のチャンスだと確信しています。共演者も曲者揃い。演るしかない。ぜひ劇場で、生で、思いっきり楽しんでください。<公演情報>NODA・MAP第27回公演『正三角関係』作・演出:野田秀樹出演:松本潤長澤まさみ永山瑛太村岡希美池谷のぶえ小松和重野田秀樹竹中直人秋山遊楽石川詩織兼光ほのか菊沢将憲久保田武人後東ようこ近藤彩香白倉裕二代田正彦八条院蔵人引間文佳間瀬奈都美的場祐太水口早香森田真和吉田朋弘李そじん【東京公演】2024年7月11日(木)~8月25日(日) 東京芸術劇場プレイハウスS席12,000円A席 8,500円サイドシート 5,700円 **25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。チケット一般発売日:6月23日(日) 12:00【北九州公演】2024年9月5日(木)~9月11日(日) J:COM北九州芸術劇場 大ホールS席12,000円A席 8,500円サイドシート 5,700円 **25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。(劇場のみ取扱い)チケット一般発売日:6月23日(日) 12:00【大阪公演】2024年9月19日(木)~10月10日(木) SkyシアターMBSS席12,000円A席 8,500円サイドシート 5,700円 **25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。チケット一般発売日:9月1日(日) 12:00【ロンドン公演】2024年10月31日(木)~11月2日(土)会場:サドラーズ・ウェルズ劇場『正三角関係』公式サイト
2024年04月18日野田秀樹の新作舞台、NODA・MAP『兎、波を走る』が2月9日(金) 12時より有料配信されることが決定した。本作は、野田秀樹による2年ぶりの書き下ろし新作舞台で、東京を皮切りに大阪・博多を含む全69ステージを上演。8万人もの観客を動員した話題作だ。出演は、『フェイクスピア』(2021) でNODA・MAP初参加にして、その年度の読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した高橋一生、そしてNODA・MAPには実に7度目の参加にして2年連続の出演となった松たか子、さらにNODA・MAP初参加の多部未華子に加え、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一ら、実力派が勢揃いした。今回の配信では、自分の好みのタイミングでスイッチングして映像を切り替えることのできる「マルチアングル配信」を実施。通常編集の〈本編映像〉に加えて、高橋一生演じる《脱兎》にフォーカスした〈Aカメラ〉、そして松たか子演じる行方不明の娘を探す《アリスの母》と多部未華子演じる《アリス》にフォーカスした〈Bカメラ〉の3つのアングルで楽しむことができる。NODA・MAP「兎、波を走る」マルチアングル配信よりさらに特典映像として、高橋×松×多部×野田による未公開トークを含めたスペシャルインタビューも配信。野田が作品に込めた想いや、俳優たちの稽古場や本番での印象的なエピソードなど、作品をより深く多角的に楽しめるコンテンツとなっている。<配信情報>NODA・MAP『兎、波を走る』マルチアングル配信作・演出:野田秀樹【出演】高橋一生松たか子多部未華子秋山菜津子大倉孝二大鶴佐助山崎一野田秀樹秋山遊楽石川詩織織田圭祐貝ヶ石奈美上村聡白倉裕二代田正彦竹本智香子谷村実紀間瀬奈都美松本誠的場祐太水口早香茂手木桜子森田真和柳生拓哉李そじん六川裕史【配信期間】2月9日(金) 12:00~3月11日(月) 23:59まで配信プラットフォーム:Blinky(ブリンキー)■収録日・場所東京公演 2023年7月8日(土) 東京芸術劇場プレイハウス■チケット販売期間3月11日(月) 18:00まで()
2024年01月30日「NODA・MAP ロンドン公演『Q』: A Night At The Kabuki」の模様が、11月17日(金) から30日(木) までの期間限定で世界配信されることが決定した。2022年に東京・ロンドン・大阪・台北の世界4都市を巡るワールドツアーを成功させた「NODA・MAP第25回公演『Q』: A Night At The Kabuki」。ロンドン公演は、2組のロミジュリ(瑯壬生/愁里愛)を演じる松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳をはじめ、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田秀樹、そして竹中直人といった総勢10名が再び一堂に会し、英国ロンドン、サドラーズ・ウェルズ劇場で行われた。このワールドツアーの企画は、2019年初演の東京公演を来日観劇したQUEENの伝説的マネージャーのジム・ビーチが絶賛したことで、QUEENのお膝元であるロンドン公演の計画が始動。そして2022年9月、約300年の歴史を持つサドラーズ・ウェルズ劇場で圧巻のステージを敢行。ロンドン公演ではタイトルを『A Night At The Kabuki』と題して、キャパシティ1,500席を有するサドラーズ・ウェルズ劇場で3日間にわたって上演された。現地での劇評獲得がとくに難しいとされる外国語作品にも関わらず、初日から5つ星を含む数々の劇評が掲載。現地新聞The Timesでは4つ星を獲得し、さらに紙面中央にも大きく写真が掲載されて絶賛評を得た。成功の影には、野田自身による細部まで監修をした英語字幕がある。日本文化に理解のある英国ネイティブの翻訳家の協力も経て、野田はすべての観客が芝居を観ながら字幕も同時に見えるよう字幕の位置にもこだわり臨んだ。それは現地の観客にも届き、字幕のせりふで受ける、役者の演技で受ける、高い身体性の動きが客席を魅了。野田作品の醍醐味“見立て”により船になり、バスになり、新床に変わるベッドたち。大きな布で仕掛ける野田演出の連続に客席は大いに湧いた。堀尾幸男のセットデザインは、「このセットはどう書いたら分からないほど巧みで素晴らしい」と評され、ひびのこづえの衣裳の斬新さは、「これまでに私が観てきた舞台の衣裳デザインの中でも最高のもの」と評された。また、本作の音楽はすべてQUEENの公式協力。フレディ・マーキュリーのピアノソロ、ブライアン・メイのギター、ジョン・ディーコンのベース、低音でリズムを刻むロジャー・テイラーのバスドラム。そしてライブ盤に納められた観客の歓声、名曲「ボヘミアン・ラプソディ」の銅鑼の音まで。その宝石のような音の数々と、野田秀樹の世界が深く溶け合う本作は、演劇ファンのみならず音楽ファン、QUEENファンの感性も刺激するような仕上がりだ。今回の配信では、日本から来た舞台作品がロンドンでどう受け取られたのか、現地観客のビビットな反応や、拍手喝采のカーテンコールの映像も収録されている。<公演情報>「NODA・MAP ロンドン公演『Q』: A Night At The Kabuki」配信期間:2023年11月17日(金) 12:00~11月30日(木) 23:59まで配信チケット料金:4,000円(税込)発売期間:11月30日(木) 18:00まで
2023年11月06日2022年11月から12月にかけて下北沢・本多劇場ほか各地で上演されたKERA・MAP #010『しびれ雲』のDVDが、本日9月22日にリリースされた。『しびれ雲』は、劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、主宰劇団「ナイロン100℃」以外の演劇活動の場として2001年にスタートした「KERA・MAP」の第10回公演。KERA・MAP『キネマと恋人』(2016、2019年) の舞台となった“梟島(ふくろうじま)”を舞台に描かれる、まったく新たなストーリーで、静かで穏やかな暮らしの中で描かれる“小津作品”への憧憬のようなKERA作品では“異色作”となっている。出演者は、下北沢・本多劇場初出演となる井上芳雄を始め、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、石住昭彦、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人など多彩な俳優陣が集結した。『しびれ雲』ビジュアルDVDの特典には、井上芳雄とKERAの新録対談、KERA念願の『しびれ雲』本編モノクロバージョン全編収録、オリジナル曲「ああ幸せの波はそよいでる」の大合唱となった新潟大千穐楽のダイジェスト映像、犬山イヌコとKERAによるトークイベント「INU-KERA」の井上芳雄ゲスト回ダイジェスト映像、萩原聖人・松尾諭・菅原永二が3時間語り尽くす充実の副音声コメンタリー、と特典満載のパッケージとなっている。<リリース情報>KERA・MAP#010『しびれ雲』DVD発売中価格:8,800円(税込)『しびれ雲』DVDジャケット【仕様】DVD片面2層2枚組DISC 1:本編104分・特典映像132分DISC 2:本編90分・特典映像114分COLOR/MPEG-2/ステレオ/16:9/ALL NTSC/複製不能/トールクリアケース仕様収録日:2022年11月16日(水) 下北沢・本多劇場作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演:井上芳雄、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、安澤千草、菅原永二、清水葉月、富田望生、尾方宣久、森準人、石住昭彦、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人【特典映像】・井上芳雄 × ケラリーノ・サンドロヴィッチ対談(新録)・『しびれ雲』モノクロバージョン(limited for DVD)・新潟大千穐楽カーテンコールダイジェスト・INU-KERA vol.88 ダイジェスト映像(2023年2月4日(土) 開催 at ロフトプラスワン/犬山イヌコ×ケラリーノ・サンドロヴィッチ×井上芳雄)【特典】・副音声コメンタリー収録(萩原聖人×松尾諭×菅原永二)詳細はこちら:
2023年09月22日高橋一生、松たか子、多部未華子らが豪華共演、野田秀樹率いるNODA・MAPによる2年ぶりの書き下ろし最新作「兎、波を走る」が今冬にWOWOWで放送、オンデマンドでも配信されることが決定した。舞台は“潰れかかった遊園地”。迷子になった娘を探す母親の妄想が、遊園地でリハーサル中の“不思議の国のアリス”の“劇中劇”(ショー)と交錯していく。そこにある“世界的な稀代の劇作家”の末裔たちも絡んで、物語は展開。母は“兎”と出会い、娘の行方を求めて“兎”を追いかけるが…。出演は、「フェイクスピア」(2021年)でNODA・MAP初参加にし、その年の読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した高橋一生。そして昨年の『「Q」: A Night At The Kabuki』のワールドツアーで国内外の観客を魅了した松たか子。今回NODA・MAP初参加となった多部未華子は2010年の舞台「農業少女」(作:野田秀樹/演出:松尾スズキ)で初舞台を踏んだ経歴を持つ。さらに秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一ら実力が勢揃い。変幻自在の野田演出を縦横無尽の演技で彩り、華麗な肉体表現でも魅せる18名のアンサンブルキャストにも注目。今回も野田さんが仕掛ける演出に、舞台装置や映像にアイディアが溢れる。WOWOWでは高橋さん、松さん、多部さん、野田さんによるスペシャルインタビューも。野田さんが作品に込めた思いや、俳優たちの稽古場での印象的なエピソードなど、作品をより深く多角的に楽しめるものとなっている。NODA・MAP「兎、波を走る」は今冬、WOWOWにて放送・配信予定。(シネマカフェ編集部)
2023年08月28日野田秀樹の最新作NODA・MAP『兎、波を走る』が、6月17日、東京芸術劇場プレイハウスで幕を開けた。それに先駆け、初日前日に行われた公開ゲネプロの様子をレポートする。舞台上の脱兎がこう語り、物語は始まる。「不条理の果てにある海峡を、兎が走って渡った」。そして本作の上演に当たって野田は、こう語っている。「『なんともいたたまれない不条理』を感じ取っていただければと切に願う」。このふたつの野田の言葉からもわかるように、本作はある不条理な問題が描かれている。どうしようもないほど、いたたまれない不条理が。野田がNODA・MAP作品に込めるメッセージはいつも痛烈で考えさせられることが多いが、本作ではその距離感が近いせいか、観劇後は押しつぶされそうな感覚すら覚えた。と同時に、劇空間の美しさ、さらに俳優陣の熱演が、この舞台を決して忘れ得ぬものとし、結果、作品に込められたメッセージも胸の内から消えることはないだろう。NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』より撮影:篠山紀信潰れかかった遊園地。元女優のヤネフスマヤは、ここでママとかつて見た「アリスの話」を上演しようと、作家に台本を執筆させている。しかし作家はまともな台詞が書けず、ついに遊園地はシャイロック・ホームズの手によって競売にかけられることに。一方、迷子相談所にやって来たのは、迷子のアリスを探しているアリスの母。と、彼女の目の前を脱兎が駆け抜けていき……。NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』より撮影:篠山紀信アリスという登場人物からもわかるように、物語の一部は『不思議の国のアリス』がモチーフとして使用されている。それはやはり、アリスが彷徨うこの世界が、不条理に満ちているからだろう。脱兎を追いかけ、この不思議で不条理な国に迷い込み、母のもとへと帰ろうとするアリス。そんなアリスを探し続けるアリスの母。そして脱兎。この三者を軸に、物語は意外な方向へと転がっていく。これまでも野田はさまざまな手法を用い、見たことのないような劇空間を創出してきたが、特に今回は不思議の国の表現に目を見張った。合わせ鏡を用いた脱兎のシーンでは、その軌跡が疾走感とともに幻想的な雰囲気を醸し出し、「私を飲んで」と書かれた瓶の中身を飲むシーンでは、アリスは本当に一瞬で大きくなり、そして小さくなったかに見えた。さらに古典的なやり方ではあるが、人が一瞬にしていなくなる方法は、本作においては非常に効果的。こういった表現を味わえるのは、やはり演劇ならではの喜びであり、ここまでのものを見られるのは、やはりNODA・MAPだからこそと言える。NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』より撮影:篠山紀信NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』より撮影:篠山紀信NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』より撮影:篠山紀信役者陣はNODA・MAPの常連組に加え、アリス役の多部未華子とシャイロック・ホームズ役の大鶴佐助が初参加。中でも多部は、純粋無垢なアリスを好演。さらに彼女の見せる強さが、どうしようもない切なさと、わずかながらも失いたくない希望を感じさせた。アリスの母を演じたのは、すでにNODA・MAPへの参加は7度目となる松たか子。本作でもその存在感は圧倒的で、彼女がいなければ本作のメッセージは伝わらなかったかもしれない。そして脱兎役には、『フェイクスピア』での好演も記憶に新しい高橋一生。脱兎が辿った壮絶な変化を、繊細に演じ切って見せた。今こそ上演すべき、そして観るべき作品。その理由は、時計を片手に走る白ウサギが言っていたことでもある。「時間がない」と。NODA・MAP 第26回公演『兎、波を走る』より撮影:篠山紀信取材・文:野上瑠美子<公演情報>NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』【東京公演】2023年6月17日(土)~2023年7月30日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス【大阪公演】2023年8月3日(木)~8月13日(日)会場:新歌舞伎座【博多公演】2023年8月17日(木)~8月27日(日)会場:博多座大阪・博多公演一般発売日:7月8日(土) 10:00★【よくばり❣ぴあニスト】限定NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』大阪公演のアプリユーザー向け先行抽選を実施中!受付期間:6月25日(日) 23:59まで詳細は こちら() から
2023年06月21日NODA・MAPの新作公演『兎、波を走る』が6月17日(土) に東京芸術劇場プレイハウスにて開幕し、舞台写真と初日開幕コメントが到着した。NODA・MAP 第 26 回公演『兎、波を走る』撮影:篠山紀信)NODA・MAP 第 26 回公演『兎、波を走る』撮影:篠山紀信)本公演は、作・演出を務める野田秀樹曰く“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる“劇中劇(ショー)”のような作品。“アリス”や“世界的な稀代の劇作家”まがいの人間ふたりも登場する。出演は、およそ2年ぶりに野田作品に登場する高橋一生をはじめ、松たか子、野田作品に初登場となる多部未華子のほか、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一、野田といったキャストが名を連ねる。東京公演は7月30日(日) まで。その後大阪、福岡に巡演。全公演にて当日券を販売。<初日開幕 コメント>■高橋一生開演前、野田さんから皆に改めて「言葉を大事にしてほしい」という話がありました。それを念頭に、今日はとても落ち着いてこれまでと同じようにやれました。僕が発したひと言で、お客様が虚構の世界から現実にぐっと引っ張られる瞬間を感じたような気がします。野田さんの演劇の力のすごさと、それを構築するチームワークの重要性をしみじみ実感しました。劇場で圧倒され、受け取ったものを帰り道や家で改めて感じる……そんな観劇体験ができる作品だと思います。■松たか子「ああ、初日が開いた、よかった」というのが、今の率直な気持ちです。ワークショップ、稽古場での稽古、劇場入りしてからの稽古……そういった全てを経た上での初日だったなという感覚があります。お客様も緊張されていたと思うんですけれども、最初からたくさん笑ってくださって、役者それぞれが各々の役目を果たせているのだなと感じられて力をもらいました。まだまだ公演は続きます。劇場でお待ちしています。■多部未華子「始まってしまった」という気持ちです。これから回数を重ねていく中で、自分がどうなっていくかもわからない。そんな未知の世界へのスタートを切ったなと感じています。まだいっぱいいっぱいで、手応えもお客様の反応を感じる余裕もありません。きちんと伝えなければいけないことを背負った複雑な役柄ではありますが、野田さんの作品の一員として舞台に立っていることを楽しめるところまでいきたいなと思います。明日からもまた頑張ります。■野田秀樹他者の人生を預かっている作品なので、今回はことさらに、ちゃんと届けなくてはという思いが強くありました。それだけに、後半、客席の空気がズーンと重たくなって以降、これはいいことなのか?どうなんだ?と内心ドキドキしていたんですが、客席からの拍手の第一音を聞いて、これは嘘じゃない拍手だな、いい芝居になってよかったと感じました。今後も気を引き締めて、素晴らしい役者たちと最後の1ステージまで真摯に届けていきます。<公演情報>NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』作・演出:野田秀樹NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』公演ビジュアル【出演】高橋一生松たか子多部未華子秋山菜津子大倉孝二大鶴佐助山崎一野田秀樹秋山遊楽石川詩織織田圭祐貝ヶ石奈美上村聡白倉裕二代田正彦竹本智香子谷村実紀間瀬奈都美松本誠的場祐太水口早香茂手木桜子森田真和柳生拓哉李そじん六川裕史【東京公演】日程:6月17日(土)~7月30日(日) 東京芸術劇場プレイハウス料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席8,500円、サイドシート5,700円【大阪公演】日程:8月3日(木)~8月13日(日) 新歌舞伎座料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席8,000円、サイドシート5,700円※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。一般発売日:7月8日(土) 10:00★6月21日(水) 11:00より、大阪公演のアプリユーザー向け先行抽選を受付開始! 詳細は追ってアプリ内でご案内いたします。【博多公演】日程:8月17日(木)~8月27日(日) 博多座料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席10,000円、B席8,500円、サイド席5,700円※25歳以下の方は、サイド席を3,000円でご購入いただけます。一般発売日:7月8日(土) 10:00チケット購入リンク:公式サイト:
2023年06月19日6月から8月にかけて東京・大阪・福岡で上演されるNODA・MAPの新作公演『兎、波を走る』のメインビジュアルが公開された。『兎、波を走る』は、作・演出を務める野田秀樹曰く“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる“劇中劇(ショー)”のような作品。“アリス”や“世界的な稀代の劇作家”まがいの人間ふたりも登場するという。出演は、およそ2年ぶりに野田作品に登場する高橋一生をはじめ、昨年の『Q』:A Night At The Kabuki ワールドツアーで国内外の観客を魅了した松たか子、そして野田作品に初登場となる多部未華子のほか、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一、野田といったキャストが名を連ねている。写真家・篠山紀信が撮影を担当したメインビジュアルには、高橋、松、多部の3人が登場。すでに公開されていたグラフィックイメージと呼応するようなデザインで、公演タイトルの“兎”と“波”を想起させるポップなカラーリングと、3人のフラットな表情のコントラストがミステリアスなアートワークとなっている。併せてメインキャスト8名の魅力あふれるソロビジュアルも公開となった。NODA・MAP『兎、波を走る』ソロビジュアルさらに、NODA・MAPらしい遊び心たっぷりの公式ホームページも本日オープン。HPではキャストインタビュー動画も公開されている。<公演情報>NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』作・演出:野田秀樹NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』公演ビジュアル【出演】高橋一生松たか子多部未華子秋山菜津子大倉孝二大鶴佐助山崎一野田秀樹秋山遊楽石川詩織織田圭祐貝ヶ石奈美上村聡白倉裕二代田正彦竹本智香子谷村実紀間瀬奈都美松本誠的場祐太水口早香茂手木桜子森田真和柳生拓哉李そじん六川裕史【東京公演】日程:6月17日(土)~7月30日(日) 東京芸術劇場プレイハウス料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席8,500円、サイドシート5,700円※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。一般発売日:5月28日(日) 10:00【大阪公演】日程:8月3日(木)~8月13日(日) 新歌舞伎座料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席8,000円、サイドシート5,700円※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。一般発売日:7月8日(土) 10:00【博多公演】日程:8月17日(木)~8月27日(日) 博多座料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席10,000円、B席8,500円、サイド席5,700円※25歳以下の方は、サイド席を3,000円でご購入いただけます。一般発売日:7月8日(土) 10:00チケット購入リンク:公式サイト:
2023年04月07日NODA・MAPの新作公演がいよいよ始動!高橋一生、松たか子の顔合わせだけでも鉄板だが、さらに多部未華子、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一と、いつものごとく豪華なキャストが勢揃いだ。もちろん作・演出の野田秀樹も出演する新作公演、その中身は……!?高橋、松、野田の御三方から少しでもヒントを得るべく粘っても、「分かっちゃったら、つまらないでしょ」(by 野田)と、今回もやはり秘密のヴェールは厚かった。笑い満載の会話からニュアンスを嗅ぎ取っていただき、想像を膨らませていただくための“ほぼ実録”インタビューをどうぞ。潰れかかった遊園地が舞台の劇中劇「のような」お話――現段階で私たちが知らされているのはタイトルのみ。ぜひ出来る限りの情報を語っていただけたらと思います。野田一昨年の『フェイクスピア』が終わった後ぐらいから、少しずつ構想を重ねていった感じですかね。役者さんにもちょっと前に少しだけ台本を渡して。台本はいつもよりは時間的に早く、今のところは出来ています。ま、タイトルから想像していただくのが一番よろしいかと思います(笑)。NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』キービジュアル――『兎、波を走る』を調べると、諺としてふたつの意味が出て来るのですが。野田あ、諺は関係ないです。『不思議の国のアリス』の世界です、ってことでいいんですかね? まずはね。高橋はい。野田そういうことです。そこに、潰れかかった遊園地みたいなのがありまして、そこの廃れた舞台で劇中劇が行われる……のかな、どうなのかな〜っていう感じですよね?高橋はい。野田劇中劇にはなってないけど、劇中劇のようなお話、そんな感じですかね。――今回も作品のためのワークショップをされたとか。野田そうですね。結構皆が来てくれたので、とても有意義な時間でした。いろんなことを試すことが出来たっていうかな。試すと同時に、役者さんも自由にいろいろやってくれて、面白いアイデアをいただきました。――高橋さん、松さんに台本を読んだ印象をお聞きしたいです。野田渡した部分を読むだけだとちょっと分からないので、少しだけ、どういう方向に向かっていくかという話はさせてもらいました。高橋どうでしょう。アリス…の話…なんですね…。(一同笑)寓話的な話ととらえると、すぐに出て来るのはアニメのイメージでしょうか。よくよく解体してみると、寓話って怖い、ちょっとゾクッとするところがあって、いったいどういう思考の人が書いているんだろう…ということを、野田さんからいただいた台本に照らし合わせながら読みました。松そうですね、私も、アリス……なんだあって。(一同笑)野田こういうところで話すには「アリスの話なんです」って言って、お客さんを導入していただくのがいいのかな〜と思って。ま、アリスの話じゃないですもんね!高橋ハハハハ!松……ないけど、アリスを使うんだ…っていうのかな。野田ま、実はアリスだけではなくて、ある著名な劇作家たちとか、そういう世界もありますよね。松ワークショップで別のキャラクターが飛んでいるのも見ましたし(笑)、試みとしていろいろ、それも使える……というか用いるんだな、へえ〜!って思っている状態です。野田あのね、昨日ワークショップでやっていたヤツ、あれよかったと思うよ。高橋そうですか?野田うん、ト書きの部分とうまく融合できるな〜と思って。本人が走ってるのは、やっぱりいいよな。高橋そうですね!野田あ、すいません、ちょっと業務連絡でした。(一同笑)忘れられてしまうことを作品として残す――ここまででまったくつかめていませんが……ストーリーを追ってはいけない?野田ストーリーは……。高橋追えるんじゃないでしょうか。野田まあ追えるでしょうね。アリスの世界ですから。ただ、アリスの世界が、アリスの話のように進まないので……っていうようなことかな。――高橋さんがおっしゃったように、寓話のような世界だけれど、見ていくうちに私たちが生きる現実世界とリンクするとか。高橋……そうだと、思います。そういうふうに視点を少しだけシフトしながら観る方もいらっしゃるのではないかとは思います。松そういったアリスのようなおとぎ話の世界もあり、現実世界ももちろん出て来るんですけど、私個人にとっては現実なんだけど、知らない世界だったり…。現実にあるということを、信じろ!って言わないと分からないくらいの現実が、まだあるな、という感覚。それを突きつけられると、うわ〜それを現実と思わなきゃいけない!?って持っていかれちゃうので…。どこまでファンタジーで、どこまで現実で…というのが、私は読んだだけではまだ分からないことがいっぱいで、すごく頭の整理がつかない感じでワークショップを終えたので(笑)、台本はいったんスタッフの方にお返ししました。もう持っているのが怖くて、「一回ちょっと出直します!」みたいな気持ちで、とりあえず返そうと。ちょっとまだ受け止め切れない…、そんなふうに感じて、楽しいワークショップを終えました(笑)。野田フフフ、この話がどこに行き着くかはもうふたりとも知っているけど、そこはいま言えないから言葉が濁っちゃうんだよね。松そう!ワークショップの終わりに全体に向けて「台本のお取り扱いに気を付けてください」みたいなことを言われて、持っているのが怖いからもういいや〜と思って(笑)。野田落としちゃったりしたら?松落とさないけど(笑)。早く完成形をいただくために一回、お返ししたんです。野田中途半端じゃダメだよ、ってことですね。プレッシャー(笑)。松いや、やっぱり今回、今まで以上に緊張感はあるのかなと。だから、本当に気をつけなきゃ!と思った時に自然とそうなりました。その言葉は、持っておくにはちょっと私には大きくて。――おふたりの役柄や、ほかにどんな人物が登場するのか、伺ってもいいですか?松私はアリスじゃないです。野田松さんはアリスに近しい関係の役ですね。で、高橋さんは○○○ということになっています。高橋はい、…ということになっています。野田ほかにふたりの劇作家とか、いろいろと出て来ますけど。でもね、観る日に知ってほしいかな。――今回の作品を構想したきっかけとは?野田まず、「これを書いてもいいものだろうか」っていうのがひとつあって。それで本や資料をいろいろ読んで、どうかな〜と。非常に口籠もってしまうんだけど。――「これ」というのは、例えば『フェイクスピア』におけるボイスレコーダーのようなものでしょうか。野田そことはまたちょっと違うな。今度のものは、そういうものではないんです。年齢もあると思うのですが、自分が書いておくことで少しでも残るのであれば、後々それを読む人にとっていいんじゃないかなと思ったんですね。少なくとも、あらゆるものが忘れられてしまうよりは。だからここ半年くらいは毎日そのことを考えていて、「俺はこの世できっと、当事者の人くらい考えているな」と言えるだけの自信はありますね。しかも、朝起きた時からず〜っとそのことばかり考えているので。それを意識しているか、していないかはちょっと大きいような気がする…といったものかな。私の中でね。皆が知っていることではあるんだけど。高橋そうですね。――幕が開いたら、ああ、あのことか!と皆が分かることでしょうか。野田それはこれからの書きようではあるけれども、分かるようには書いています。――今のお話の「忘れられぬよう、書き残さなければ」といった使命感のようなものは、なぜ出て来たのでしょうか。野田やっぱり歳を取ったからかな。作品って残るんだよな、ってことをあらためて考えて。例えとしていいのか分からないけれど、(十八代目、中村)勘三郎さんのお葬式の時に坂東三津五郎さんが弔辞で「役者は辛い、本人がいなくなったら全部なくなってしまうから」ということをおっしゃっていて、そうか、でも俺は少しだけ違う立場にいるなと思ったんですね。役者は肉体がなくなったら終わってしまうけれど、自分はそれとは違うところで芝居と向き合っているのだろうなと。そんな気はしていますね。預けた言葉をちゃんと肉化してくれる――松さんはNODA・MAPは今回が6作目の出演で、高橋さんは『フェイクスピア』に続く2作目です。ワークショップに参加された際に、今回の作品に関して、何かこれまでの野田作品と違った新たな感触などはあったのでしょうか。松いや、まだ分からないです。でも一生くんを始めキャストの方たちは…、大鶴佐助くんとは初めてご一緒するんですけど、すごい人たちが集まったカンパニーで、どうしよう〜と(笑)。個人的にお芝居を観たときに「うわ、すごいな!」って一回は思わされた人たちだらけなんですよ。その中でこのお芝居に向かっていけるのは、とても幸せですね。だから、あとはいつも通りにただただ必死になるでしょうし、私はそれしか出来ないので。野田さんの言葉を埋もれさせないために頑張ろうと思います。高橋『フェイクスピア』では作っている過程も含めて、これまでにない充実感があったんです。野田さんは俳優でもあるから、お芝居を作る過程の楽しみ方が、演出のみされる方とは決定的に違うんじゃないかなと僕は感じていて。演者としても、演出としてもその場にいてくださる中で、まずは自由に芝居を見てくれる。僕にとっては心強かったなという感覚があったので、今回もお話をいただけてとても嬉しかったです。――『フェイクスピア』に続く今回で、「また来たか!」みたいな衝撃がありましたか?高橋おお!という感じで、「また」ではないですね。違うものではあるんですけれど、現実と地続きになる世界観を感じることが多くなって来ている気がするんです。寓話的というか……、それがファンタジーなのかディストピアなのか、分かりませんが、そういうものがだんだん近づいて来てしまっている、その表裏のようなものが曖昧になって来ている感じはするんです。とくにこの3年で。それで今、野田さんが言っていた、アリスとしての世界と現実が続いてしまう瞬間が、劇構造の中に組み込まれたりするのかな、と思っています。――なんとなく、先ほど松さんがおっしゃった「現実と思わなきゃいけない」怖さの感覚と繋がって来たような気が。やっぱり何かドカンと衝撃的なものが提示される、そんな予感がしますね。野田今回のワークショップで、ちょっとひとシーンやってみた後の、たかちゃん(松)の顔が「やめてよ〜」っていう顔で(笑)。松フフフフ。野田一生は、今回のワークショップで初めて見たでしょ?高橋初めて見ました。野田あれやると、大体みんな同じ顔になるのよ。…って謎だらけでスミマセンね。でもここで言ってしまって書かれてしまうと、見た人がその瞬間に、本当に感じられないだろうから。高橋そうですよね。だから、こういう取材は難しいです。――はい、ここまでのお話で想像しながら本番を待ちます。野田さんに、本作にこのおふたりを誘った理由を教えていただきたいです。野田だって、ふたりとも素晴らしいじゃないですか。預けた言葉をちゃんと肉化してくれる、その力があるふたりです。あと共通するところがあるとすれば、役者ってどうしても自分の目線からだけ入るけれど、ふたりともに作品全体を見ることが出来る役者さんですよね。出しゃばらないで、ちゃんと世界を作る人たち。……って自分がそう、俺は出しゃばってナンボの役者だから、なんだけど(笑)。一生は『フェイクスピア』の時に圧倒的な身体能力を見せてくれて、今回のワークショップでもやっぱりすごいなと思ったし。身体性は、たかちゃんも強い、こう見えて……って言っちゃいけない。(一同笑)松たか子が出る時はいつも、「お〜い」とか「あ〜」とか、悲鳴のような長〜い声が出るように書いてる。松ハハハ!野田去年の『Q』でも「お〜い」って台詞を、そこまで長くしなくてよかったのに、負けず嫌いだから「お〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いっ」って(笑)。松え、そうだったんですか!? そう言ってくだされば…(笑)。野田いやいや、あれは助かってるんです。舞台装置を外さないといけないから、「お〜い」が長いとありがたい。高橋そんな裏話が(笑)。野田ま、たかちゃんが持っている声の高さ、伸びというのは、自分が表現をしたい世界のものだからね。――昨夏の高橋一生さんの一人芝居(『2020』)のパンフレットに、野田さんが高橋さんのことを「不安をいつも持っている」と談話を寄せていました。勝手ながら、高橋さんにはつねに冷静沈着、どこか飄々とされている印象を抱いていたので意外に感じたのですが。野田不安というのは持っていないとダメでしょう。たかちゃんだって、不安だから台本を突っ返しちゃうわけだ。松ハハハ!野田不安のない人は、信用出来ない。自信満々で表現している人で、いい表現者はいないんじゃないですか。高橋そうかもしれません。お客さんに見せるものは違うかもしれないけれど。野田そう、本番の舞台で台詞をオロオロ読んでいたりしたら、それはまた別の不安だから(笑)。モノ作りの過程で「自分がこれをどういうふうにやれるかな」といったことだね。舞台初共演のふたり。お互いの印象は・・・?――高橋さんと松さんは舞台では初共演ですね。お互いにどんな魅力を持った俳優と見ていらっしゃるのか、その印象と期待をお話しいただきたいです。松私は今回の初共演が本当に楽しみで。『フェイクスピア』を観た時に、物語自体の衝撃はもちろんありましたが、お芝居としてものすごく感動したんですね。目が覚めたと言いますか。ここにまた戻りたいな! と思わせてくれた、その舞台に彼が出ていて。初めてのNODA・MAPでああいうふうに舞台の真ん中に立つ俳優さん、素敵だなと思って、野田さんに変なメールを送ったんです(笑)。「私なんかが真ん中で長台詞とか言うのはおかしい気がする!一生くんがいいですよ!」みたいな(笑)。なんて言いますか…、「頑張ってます!」じゃない主役でいてくれたことに感動して。もちろんすごく頑張っていたと思いますけど。本当にご一緒出来るのが楽しみでしたし、すでに若干、迷惑をかけ始めていますが(笑)、かけないようにしたいと思います。野田たかちゃんからああいう、作品に関するメールが来ること、まずないからね。高橋そういう感想って、俳優同士では送ってはいけない暗黙の了解でもあるのかなと思うくらいあまりないんです。けれど松さんはすぐに連絡をくださって。そのリアクションを受けて、僕は感動しました。あ、こんなふうに思ってくれる人が同業者でもいるんだと。以前にドラマでご一緒した時も、ちゃんと“そこにいてくれる”、素敵な女優さんだなと感じて。さっき野田さんが「出しゃばらない」とおっしゃっていたように、主張するのではなく、空間に、そこにいる人。一緒に芝居をしていてとても楽しかった記憶があるので、また野田さんの作品でご一緒出来て本当に嬉しいです。さっき褒めていただいただけに、「……あ、コイツの力じゃなかったな」って思われないようにしなきゃなと。松ハハハ!不安同士が、すごくビクビクしながら挑んでいきます(笑)。――本番当日まで、謎は謎のままに。それでも最後にひとつだけ、観終わったあと、どんな気持ちになりそうでしょうか。野田多部ちゃん(多部未華子)との取材の時に、やっぱり同じような質問が来て「台本を読むかぎり、重くて、ハアアア〜!」って多部ちゃんが(笑)。つまりその「ハアアア〜〜〜!」というようなことじゃないかなと思います(笑)。取材・文:上野紀子撮影:You Ishiiスタイリスト:伊賀大介(band)ヘアメイク:赤松絵利(ESPER)<公演情報>NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』【東京公演】2023年6月17日(土)~7月30日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス一般発売日:5月28日(日) 10:00【大阪公演】2023年8月3日(木)~8月13日(日)会場:新歌舞伎座一般発売日:7月8日(土) 10:00【博多公演】2023年8月17日(木)~8月27日(日) 博多座一般発売日:7月8日(土) 10:00チケット情報:・MAP公式ホームページ★【よくばり❣ぴあニスト】限定NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』大阪公演のアプリユーザー向け先行抽選を実施中!受付期間:6月25日(日) 23:59まで詳細は こちら() から
2023年03月17日野田秀樹率いるNODA・MAPの2年ぶりとなる書き下ろし新作公演『兎、波を走る』が、6月から8月にかけて東京・大阪・博多で上演されることが決定した。『兎、波を走る』は、野田曰く“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる“劇中劇(ショー)”のような作品。“アリス”や“世界的な稀代の劇作家”まがいの人間2人も登場するという。出演は、およそ2年ぶりに野田作品に登場する高橋一生をはじめ、昨年の『Q』:A Night At The Kabuki ワールドツアーで国内外の観客を魅了した松たか子、そして野田作品に初登場となる多部未華子のほか、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一、作・演出の野田といったキャストが名を連ねている。併せて、野田と高橋、松、多部からコメントが到着した。またYouTubeでは本作のティザー映像を公開中だ。■野田秀樹 コメント■高橋一生 コメント再度お声掛けをいただいたこと、本当に嬉しく思いました。タイトルに「走る」と入っているので今回もある程度の運動量を覚悟しつつ、濃密な身体表現を求めていただけるのは野田さんの舞台の醍醐味なので楽しみにしています。野田さんとの創作は、まるで劇団時代を思い出す様です。作品と対話を重ねていく過程も幸福な時間なので、重ねて楽しみにしています。■松たか子 コメント野田さんが新作をまた書く、そしてそこに声をかけてもらえて光栄です。こんなスペシャルな役者さんのなかでお芝居ができるのは最後なのかなと思うほど。心して臨みます。みなさんの目の前に、きっと大きな衝撃を持ったお芝居として現れると思うので、ぜひ劇場にいらしてください。■多部未華子 コメント野田さんに初めてお会いしてからずっと、“いつかあの舞台に自分も立てたら良いな”と思っていました。ワークショップに参加して、誰が正しいでも間違っているわけでもない、みんなでひとつの事を考えるということが私にとって贅沢な経験でした。有意義な時間を過ごせたと思っていただけるような舞台を創っていきます。NODA・MAP『兎、波を走る』ティザー映像<公演情報>NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』作・演出:野田秀樹NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』公演ビジュアル【出演】高橋一生松たか子多部未華子秋山菜津子大倉孝二大鶴佐助山崎一野田秀樹秋山遊楽石川詩織織田圭祐貝ヶ石奈美上村聡白倉裕二代田正彦竹本智香子谷村実紀間瀬奈都美松本誠水口早香的場祐太茂手木桜子森田真和柳生拓哉李そじん六川裕史【東京公演】日程:6月17日(土)~7月30日(日) 東京芸術劇場プレイハウス料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席8,500円、サイドシート5,700円※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。一般発売日:5月28日(日) 10:00【大阪公演】日程:8月3日(木)~8月13日(日) 新歌舞伎座料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席8,000円、サイドシート5,700円※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。一般発売日:7月8日(土) 10:00【博多公演】日程:8月17日(木)~8月27日(日) 博多座料金(全席指定・税込):S席12,000円、A席10,000円、B席8,500円、サイド席5,700円※25歳以下の方は、サイド席を3,000円でご購入いただけます。一般発売日:7月8日(土) 10:00チケット購入リンク:詳細はこちら:
2023年03月09日2022年11月から12月に東京・本多劇場ほかで上演されたKERA・MAP #010『しびれ雲』の模様が、1月23日(月) 12時よりオンデマンド配信されることが決定した。ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が主宰するユニット「KERA・MAP」の第10回公演となった今作は、KERA・MAP『キネマと恋人』(2016年、2019年)の舞台となった“梟島(ふくろうじま)”を舞台に新たに描かれた物語。ある地方の小さな島、独特な方言を持つ小さなコミュニティで、未亡人の波子(緒川たまき)、妹の千夏(ともさかりえ)、その夫の文吉(萩原聖人)をはじめ、住人それぞれが友人、恋人、家族、親戚と人間関係を育くみ、慎ましく日々を送る。そんな島に、ある日忽然と謎の男(井上芳雄)が現れ……。井上にとって本多劇場に出演するのは本作が初。ささやかなかつての“日本の暮らし”が味わい深く描き出されたKERAにとっては異色の一作となっている。視聴チケットは現在一般発売中。なお1月29日(日) までアーカイブ配信が予定されている。<配信情報>KERA・MAP #010『しびれ雲』オンデマンド配信1月23日(月) 12:00 配信開始アーカイブ配信:1月29日(日) 23:59までKERA・MAP #010『しびれ雲』キービジュアル作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演:井上芳雄緒川たまきともさかりえ松尾 諭安澤千草菅原永二清水葉月富田望生尾方宣久森 準人石住昭彦三宅弘城三上市朗萩原聖人配信内容:本編(2022年11月16日(水) 収録映像。配信限定編集版)視聴チケット料金:イベント割適用価格:2,800円(税込)(通常価格:3,500円(税込))発売期間:1月29日(日) 20:30までキューブ オフィシャルサイト:
2023年01月13日劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の新作、KERA・MAP #010『しびれ雲』が、11月12日(土) 下北沢・本多劇場で開幕し、舞台写真とコメントが到着した。本作は、本来11月6日(日) が初日であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕延期に加え7公演が中止となり、準備期間を経て開幕の運びとなった。『しびれ雲』は、KERA・MAP『キネマと恋人』(2016、2019年) の舞台となった“梟島(ふくろうじま)”を舞台に描かれる、まったく新たなストーリー。ある地方の小さな島。少しとぼけた響きが微笑ましい独特な方言を持つ小さなコミュニティには、未亡人の波子やその妹の千夏、その夫の文吉をはじめとした人々が住み、家族、友人、恋人……それぞれに人間関係を育む人々の日常が繰り広げられている。そんな島に、ある日忽然と謎の男が現れて……。本多劇場初登場となる井上芳雄をはじめ、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人など華やかな出演陣が、小さな梟島に生きる個性豊かな人々を演じる姿に時間を忘れて、いつまでも梟島弁と潮の香りと波の音に包まれていたいような気持になる。どこか自らの日々の暮らしとも重なるような、KERAが公演前に公言していた“小津作品”への憧憬のような、懐かしさも感じさせる手触りもある。KERAにとっては“異色”とも言える新たな色の作品が誕生した。■井上芳雄 コメント通常でも、新作ですしギリギリの状態でドキドキしながら迎える初日、今回開幕が少し伸びてしまい、お客様に申し訳なかったのですが、遂に迎えられた初日は最高でした。今回は大爆笑を狙うような芝居ではありませんが、最初お客様がどっと笑った時、感動して少し涙が出ました。ここまでの道のりを経て、初日の幕が開いて、良い芝居をやらせてもらっていて心底嬉しいです。また、僕は本多劇場に立つのが初めてですが、客席との距離感や温度感を感じながら、お客様がしっかり観て反応してくださっていることが伝わって来て、教えてもらう事だらけです。KERAさんと前回ご一緒した『陥没』、そしてコロナ禍で本番が出来なかった『桜の園』以来、KERAさんの作品で芝居をするのはやっぱり楽しいな、と改めて感じました。『しびれ雲』は演じながら、笑いながらも心に染みるものがあって、KERAさんは作りたいと仰っていた通りのものを作られ、本当に凄いなと思ってます。「また明日やるのが楽しみだ」と思えるのが幸せな事だし、お客様には胸を張って「良い作品ができました」とお伝えしたいです。最後まで無事にできるようにと祈りつつ、皆様の健康も祈っています。■ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント今回は珍しく、姑息に笑わせようとか無闇に緊張させようとかいった狙いが全く無い、真っ直ぐで暖かでささやかな群像劇です。普遍的な人間の営みを描いていて、登場する人々もどこにでもいる平凡な人達。一方、失われてしまった「家族」と言う制度とか型みたいなものも描いています。お客さんはどこかしら自分と重ねる部分があるのではないでしょうか。そろそろこうした芝居を作っておきたかった。50代最後に皆で創作できたのは幸せです。なので、リラックスして好きに観てもらいたいと思っています。最終稽古の最後に、キャストには、細かいミスがあったとしても、梟島の人として皆が生きてくれていればきっと良い拍手が貰えるだろうからそれを信じて、というようなことを言ったんですけれども、とても良い拍手だった。お客さんはすごく集中して観て下さっていて嬉しかったです。座組も新鮮なバランスでとてもいい感じです。座長の井上芳雄君は、いつもは帝劇みたいな広い劇場でやっている人ですから、本来のスケール感と全く違う会場で演じているわけですけれど、良くこんなにスッと順応できるなと驚きます。今回、チケットを手にしながらも開幕延期でご観劇が叶わなかった7ステージのお客様には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。もう少し早く開けられなかったのかという声も聞こえてきましたが、準備不足の杜撰な状態で開幕してしまうというのは僕の本意では無く、そこを貫かせて頂きました。ご理解ください。『しびれ雲』は、10月から年末にかけてを描いています。少々気が早いですが、ご覧になったお客様に、良い年を越せそうだなあと感じて頂けたら嬉しいです。<公演情報>KERA・MAP #010『しびれ雲』KERA・MAP #010『しびれ雲』ビジュアル作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演:井上芳雄、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、安澤千草、菅原永二、清水葉月、富田望生、尾方宣久、森準人、石住昭彦三宅弘城、三上市朗、萩原聖人【東京公演】11月12日(土)〜12月4日(日) 下北沢 本多劇場【兵庫公演】12月8日(木)〜11日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール【北九州公演】12月17日(土)・18日(日) 北九州芸術劇場 中劇場【新潟公演】12月24日(土)・25日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場お問い合わせ:キューブTEL:03-5485-2252(平日12:00~17:00)キューブ オフィシャルサイト:
2022年11月14日NODA・MAP 第25回公演『Q』:A Night At The Kabukiが、8月2日に東京・東京芸術劇場プレイハウスで開幕した。野田秀樹とクイーンがコラボした本作は、2019年に初演され、東京、大阪、北九州で全65ステージを上演し、7万人を超える観客を魅了。第27回読売演劇大賞・最優秀賞作品賞を受賞した。今回の再演では初演時のオリジナルキャストが再集結。2組のロミジュリ(瑯壬生/ろうみお愁里愛/じゅりえ)を演じる松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳をはじめ、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田秀樹、そして竹中直人といった総勢10名が一堂に会する。NODA・MAP第25回公演『Q』:A Night At The Kabuki(撮影:篠山紀信)本来は7月29日に開幕を予定していたが、公演関係者数名に新型コロナウイルス陽性反応が確認されたため7月31日まで中止に。その後8月2日18時公演をもって開幕する運びとなった。NODA・MAP第25回公演『Q』:A Night At The Kabuki(撮影:篠山紀信)併せて松、上川、広瀬すず、志尊淳、野田秀樹からのコメントが到着した。本公演は東京公演を上演後、9月22日から24日にかけてロンドン、10月7日から16日まで大阪、10月22日から30日にかけて台北でも上演される予定だ。■松たか子 コメント舞台袖で開演前の曲を耳にした瞬間、また『Q』が始まるんだなと感じました。緊張もしましたが、ただただ嬉しくて、楽しくて、カーテンコールでは幕を開けることができた歓びに浸りました。ここまで来られたのは、たくさんの方々の協力があってこそ。そして、まだまだここからです。みんなで頑張ります。劇場でお待ちしています!■上川隆也 コメント新しい演出もあり、同じ『Q』でありながらも、『Q』1.5か1.75バージョンくらいになっている印象があります。一方で、お客様の大きな拍手を感じながら、長い長い休演期間が明けて、改めて『Q』をやっているようにも感じた初日でした。3年前にお届けした物語が、また違った響き方をするような世の中になってしまった今、ぜひご覧いただいて、何をお感じになるのか教えていただけたらと思います。■広瀬すず コメント『Q』以外に舞台経験がない私ですが、「舞台って、こんな感じだったな」「再演って、こういうものなんだ」と実感できて、すごく楽しい初日でした。「人が身も心も削られていくような姿を生で見た時って、きっとすごい衝撃なんだろうな」と初演の時からずっと感じている作品です。この時代だからこそ見えてくるものもあると思います。ぜひ観ていただけたら嬉しいです。■志尊淳 コメント初演と変わった部分もあり、怖さも感じていましたが、新たな発見やお客さんから受け取れるものがたくさんあって、楽しく演じられました。たぶん僕は、今でもこの物語を100%は理解できていない。でも、その余白やそれぞれの捉え方が変わっていくことが、生の舞台やこの作品の面白さなんだなと感じています。クイーンや『ロミオとジュリエット』という入口もあるので、初めて舞台を観る方にもぜひ来ていただきたいです。■野田秀樹 コメント再演にあたって、第二幕の後半の演出を変えました。役者自身のイメージもだいぶクリアになったと思うし、お客さんから観た時も、今回のほうがだいぶ意味がクリアになっていると思います。ようやく初日が開いたのに、みんなで乾杯もできない状況ですが、コロナ禍になってからの劇場には、以前にも増して⼀体感があるなと感じます。劇場からちょっと気持ちが離れている人には、特に観に来て欲しいですね。前回観ている人も間違いなく違うものが見えてくると思うし、こういう時期だからこそ“目からウロコ”みたいなことが起きるんじゃないかな。<公演情報>NODA・MAP 第25回公演『Q』:A Night At The Kabuki作・演出:野田秀樹音楽:QUEENNODA・MAP 第25回公演『Q』:A Night At The Kabukiメインビジュアル【出演】松たか子 上川隆也広瀬すず 志尊淳橋本さとし 小松和重 伊勢佳世 羽野晶紀野田秀樹 竹中直人【東京公演】8月2日(火)~9月11日(日) 東京芸術劇場プレイハウス【チケット料金】S席12,000円A席8,500円サイドシート5,700円※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。※東京公演は全公演当日券を販売!詳細は公演公式サイトにてご確認ください。【お問い合わせ】NODA・MAPTEL:03-6802-6681(平日11:00~19:00)【大阪公演】10月7日(金)~16日(日) 新歌舞伎座【チケット料金】S席12,000円A席8,000円サイドシート5,700円※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。【お問い合わせ】・NODA・MAPTEL:03-6802-6681(平日11:00~19:00)・キョードーインフォメーションTEL:0570-200-888(11:00~16:00 / 日曜・祝日は休業)チケット購入リンク:【ロンドン公演】9月22日(木)~24日(土) Sadler’s Wells Theatre※英語字幕あり【台北公演】10月22日(土)~30日(日) 台湾國家兩廳院 國家戯劇院※台湾語字幕あり公式サイト:
2022年08月03日KERA・MAP #010『しびれ雲』が、11月6日から12月4日にかけて東京・本多劇場で上演されることが決定した。劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、主宰劇団「ナイロン100℃」以外の演劇活動の場として2001年にスタートした「KERA・MAP」。その第10回公演となる本作は、#009として世田谷パブリックシアターで上演された『キネマと恋人』の再演以来、KERA・MAPとしては約3年ぶりの新作公演となる。出演者は、本多劇場初出演となる井上芳雄を始め、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人など、多方面で活躍する幅の広い俳優陣が集結。併せて、昭和の雰囲気漂うレトロな映画のポスターのようなビジュアルも公開された。本作は本多劇場で上演後、12月8日から11日にかけて兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、12月17日・18日に福岡・北九州芸術劇場 中劇場、12月24日・25日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場で上演される。■作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント『キネマと恋人』以来、久しぶりのKERA・MAP。これが50代最後の戯曲、最後の公演になる。『キネマ~』の舞台にもなったあの島を舞台に、全く異なるトーンの作品を書く。まだコレの前作を執筆しているので実際にはないが、きっと私の書斎の机には小津安二郎や岸田國士やアキ・カウリスマキの諸作が積み上げられることだろう。小さな、喜び、悲しみ、驚き、嫉妬、幸せ、不幸、ぼんやりした時間を描きたい。またもや素敵なキャストが集まってくれた。かつて小津は「僕は豆腐屋だ。せいぜいガンモドキしか作れぬ。トンカツやビフテキはその専門の人々に任せる」と言ったが、なんでも屋の私は今回、豆腐を作ってみる。還暦を前にして豆腐を作りたくなるのも、自然なことのように感じる。美味い豆腐が出来ますように。<公演情報>KERA・MAP #010『しびれ雲』作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演:井上芳雄、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、安澤千草、菅原永二、清水葉月、富田望生、尾方宣久、森準人、石住昭彦三宅弘城、三上市朗、萩原聖人【東京公演】11月6日(日)〜12月4日(日) 下北沢 本多劇場チケット一般発売日:9月24日(土)【兵庫公演】12月8日(木)〜11日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール【北九州公演】12月17日(土)・18日(日) 北九州芸術劇場 中劇場【新潟公演】12月24日(土)・25日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場お問い合わせ:キューブTEL:03-5485-2252(平日12:00~17:00)キューブ オフィシャルサイト:
2022年07月15日野田秀樹さんによるNODA・MAP が2019年に発表した『Q』:A Night At The Kabukiは、QUEENの傑作との呼び声の高いアルバム『オペラ座の夜』の楽曲を使い、『ロミオとジュリエット』のふたつの家の対立を源氏と平家の戦いに置き換え、恋人たちのその後を描いた作品。今回、初演のキャストが全員集結しての再演、さらにロンドンと台北での海外公演も決定。主要キャストの志尊淳さんにインタビューしました。楽しんで作っている姿にプロフェッショナルを感じました。「NODA・MAPに携わる前は、野田(秀樹)さんが思い描く世界を自分がどれだけ体現できるかを求められるんだろうと思っていたんです。でも入ってみたら、誰もが自由に意見を言い合える雰囲気で、野田さんは舵取り役という感じ。それって自分の意見にこだわらず、作品をよくする方を重視しているということですよね。しかも、全員がそれを楽しんでやっていて、すごいプロフェッショナルを感じました。すべてが詰まった現場でした」初演の思い出をそう語った志尊淳さん。野田さんは「違うときは言ってくださるけれど答えは言わない。それでもつねに俳優の味方でいてくれる」演出家。初演時、その野田さんから要求されたのは舞台上を駆け回ること。「なんでこんなに走れって言われるんだろうと思っていたんです。でも周りから、走る姿に若い青春感や疾走感、キラキラ感を感じたと言われて、言葉以外の肉体で表現できるものがあるんだと知って。僕は先輩方のように意見が言えないけど、走ることで役を少しでも広げることができたかなと思っています」志尊さんが演じた若き日の瑯壬生(ろうみお)の“それから”を演じたのは上川隆也さん。「上川さんの瑯壬生を見たとき、誠実さがものすごく伝わってきたんですよね。僕の瑯壬生は、まだ理性が伴っていなくて荒々しさがあるんですが、その後の後悔があって上川さんの瑯壬生にたどり着く。その道筋を作るうえで、人との対峙の仕方など“誠実さ”が僕の中で重要なキーワードになっていました」初演から3年。再演への気負いはない。「海外ツアーをやらせていただけるのは嬉しいですが、今回はこう見せていきたい、みたいな意気込みはないです。へんに構えたり気負ったりせず、あくまでも楽しくやることを目標にしたいです。NODA・MAPに参加するまで、僕、ずっと仕事100%で生きてきたんです。でもNODA・MAPの現場には、“楽しい”の延長線上に創造的なものづくりがあって、それまで抱いていた仕事観や価値観が大きく覆されました。楽しんで仕事に取り組むためには、休息も必要だと思えるようになったのも大きいです。それまでは事務所に休みはいらないですって言ってたくらい(笑)。俳優人生で大きな転機になった作品です」また、野田作品は、数あるエンタメの中でも、舞台ならではの魅力を実感できる場所。「物語どうこうだけではなく、俳優の体と、その熱量から感じるものがたくさんあるはずです。20代から60代までの肉体の全力が交わる瞬間を見ていただきたいです」NODA・MAP 第25回公演『Q』:A Night At The Kabuki初演時には第27回読売演劇大賞最優秀作品賞を受賞。今回オリジナルキャスト10名全員が再結集。7月29日(金)~9月11日(日)東京芸術劇場プレイハウス、10月7日(金)~16日(日)大阪・新歌舞伎座にて上演。NODA・MAP TEL:03・6802・6681撮影・篠山紀信(写真は2019年初演の舞台から)しそん・じゅん1995年3月5日生まれ、東京都出身。2011年にデビューし、’18年のドラマ『女子的生活』で文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門放送個人賞などを受賞。近作に映画『バブル』などがある。ニット¥154,000パンツ¥121,000ジャケット¥346,500シューズ¥117,700(以上GUCCI/グッチ ジャパン クライアントサービス TEL:0120・99・2177)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年7月13日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・九(Yolken)ヘア&メイク・礒野亜加梨(studio mamu)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年07月11日阿部サダヲ、長澤まさみら新キャストを迎え、NODA・MAP作品としては初めて野田秀樹が演出に専念することでも注目を集めていた『THE BEE』9年ぶりの日本公演が11月1日、東京芸術劇場シアターイーストにて開幕した。本作は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件に触発された野田秀樹が、筒井康隆の小説『毟りあい』を題材に、ロンドンで現地演劇人とワークショップを積み重ね、書き下ろした英語戯曲。2006年にロンドンで初演され、2007年には東京で日本語版が初演。2012年にはイングリッシュバージョンを世界4都市、日本語バージョンを国内5都市で上演する海外・日本ツアーも敢行、これまでにNY、香港、エルサレム、パリなど10カ国14都市で上演、各地で称賛されてきた。「10秒に一度、何かが起こる……」をキーワードに、舞台から一切目が離せない野田秀樹の代表作にして最大の衝撃作ともいわれる本作で、濃密な舞台に挑む新キャスト4名・阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英、そして演出の野田秀樹より、初日終演後のコメントが届いた。これまで野田が演じてきたサラリーマン[井戸]役を演じる阿部サダヲは、「『失敗するとすぐ顔に出る』ってずっと野田さんに言われていたので、絶対そうならないように皆頑張ろう!って高校生みたいな気持ちでやった、県大会初戦みたいな初日でした。」と興奮気味に語りつつも「通し稽古を多くやって来たおかげで、舞台上では何が起こるかわからないということを十分経験して、今は何が起きても大丈夫になりました。」と自信をうかがわせた。阿部演じる[井戸]の妻を人質にとる脱獄囚・小古呂(おごろ)の妻役、長澤まさみも「通し稽古を何回もやってきたこともあって、初日という感覚があまりなく、冷静に集中できてよかったなと思っています。」と同じく稽古の充実ぶりをうかがわせた。2012年に『THE BEE』を観て衝撃を受けたという河内は「『演劇ってすごく想像力が豊かになって、カッコよくて、シビれる!』と思っていただけると確信しています。」とコメント。『フェイクスピア』に続きNODA・MAP作品出演となる川平慈英は、「非常に厳しいけれど、あえて今、必要なメッセージを出せている舞台だと思います。本当に10秒に1回、とんでもないことが起こるので、僕たちと一緒にとんでもないことを目撃しましょう。」と、あらためて本作の魅力をアピール。今回演出に徹した野田も「この作品がこれまで積み重ねて来たもの、それを的確にやれている役者さんとスタッフさんがいて、とにかく完成度の高い作品になりました。」と太鼓判。「これは、観ておいたほうがいい。若い演劇人はとくに観ておいたほうがいいんじゃないかな……って上から目線で恐縮ですが、本当に観ておいたほうがいいと思います。」と締めくくった。以下、キャスト4名&演出・野田秀樹の初日終演後コメント全文。NODA・MAP番外公演「THE BEE」(撮影:篠⼭紀信)【阿部サダヲ】今まで何回か通し稽古をやって来ましたけど、今日が一番良かったです。最初にゴムがパンッ!て切れて、それで皆が結束したように感じましたね。妙に燃えたと言いますか。「失敗するとすぐ顔に出る」ってずっと野田さんに言われていたので、絶対そうならないように皆頑張ろう!って高校生みたいな気持ちでやった、県大会初戦みたいな初日でした。通し稽古を多くやって来たおかげで、舞台上では何が起こるかわからないということを十分経験して、今は何が起きても大丈夫になりました。もはや客席で何が起きても大丈夫なようにそろそろなって来ていますので、客席で何か起こしてもいいです。嘘です。ぜひ集中してご覧いただけたらと思います。【長澤まさみ】通し稽古を何回もやってきたこともあって、初日という感覚があまりなく、冷静に集中できてよかったなと思っています。稽古で積み上げて来たものを、いつも通りにやること。それを目指してやっていったらゴムが切れて、その瞬間に皆が一致団結した感じがしました(笑)。私、2012年に『THE BEE』が上演された時に「絶対に観たほうがいいよ!」と言われたのに、見逃してしまったんですね。まさか自分がやることになるとは思わず……。その後悔を私は知っているので、ぜひたくさんの方に観に来てほしいなと思います。チケットが取れなくて大変だとは思いますが、当日券があります!なぜ観なかったんだろう……ってずっと悔いていた私が強くお勧めいたします。【河内大和】カーテンコールのお客様のエネルギーに圧倒されて、それに感動してしまいました。前回の2012年の『THE BEE』を観て「とんでもない作品だ!」と思った僕が、こうしてその舞台に立てている。本当に恐ろしいような、夢のような、震えっぱなしの初日でした。75分でこんなすごい体験ができることってほかにはないと思うので、これはとにかく観るしかないですよ(笑)。普段から演劇を観ていらっしゃるお客様もそうですが、演劇を観たことがない人がこれを観たら、ちょっと、もう、えらいことになっちゃうんじゃないかと。「演劇ってすごく想像力が豊かになって、カッコよくて、シビれる!」と思っていただけると確信しています。【川平慈英】今回のような負のスパイラルに嵌ったダークな役柄は初体験で、僕にとってはチャレンジングな芝居です。何か新しい引き出しを見つけられたんじゃないかなと思えて、本当に感謝ですね。初日はもっとナーバスになるかなと思っていたんですけど、劇場での通し稽古が充実していたので、今日、僕はとても楽しめました。俯瞰して見ていた自分が「慈英、お前は幸せだな〜」って(笑)。最後まで丁寧にやっていきたいですね。非常に厳しいけれど、あえて今、必要なメッセージを出せている舞台だと思います。本当に10秒に1回、とんでもないことが起こるので、僕たちと一緒にとんでもないことを目撃しましょう。劇場でお待ちしています。【演出・野田秀樹】この作品がこれまで積み重ねて来たもの、それを的確にやれている役者さんとスタッフさんがいて、とにかく完成度の高い作品になりました。……で、ありながら!毎日何かしらのハプニングが起きることも内包されている舞台です。今日はゴムが切れました(笑)。そうしたことも含むのが演劇というものです。決まりごとをやっていくものではない。完成度が高いのに、絶対に完成しない。やっぱり優れた、海外に通用するクオリティを持った作品だなとあらためて思いましたね。これは、観ておいたほうがいい。若い演劇人はとくに観ておいたほうがいいんじゃないかな……って上から目線で恐縮ですが、本当に観ておいたほうがいいと思います。NODA・MAP番外公演『THE BEE』東京公演は12月12日(日)まで、その後12月16日(木)から26日(日)まで、ナレッジシアターにて大阪公演を予定している。<東京公演>■日程:2021年11月1日(月)~12月12日(日)■会場:東京芸術劇場シアターイースト■料金(全席指定・税込):S席9,000円 U25席5,500円(25歳以下限定・要身分証)★全公演当日券あり!(詳細は公式HP まで)■主催:NODA・MAP■共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)<東京芸術祭2021参加作品>■問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681(平日11-19時)公式サイト: <大阪公演>■日程:2021年12月16日(木)~12月26日(日)■会場:ナレッジシアター(グランフロント大阪北館4階)■一般発売:2021年12月5日(日)■主催:NODA・MAP■後援:FM802 / FM COCOLO■運営協力:キョードー大阪■問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681(平日11-19時)キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888(11-16時 / 日曜・祝日は休業)
2021年11月02日NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』のWOWOWでの放送が決定した。待望の新作公演が話題を呼んだNODA・MAPの『フェイクスピア』は、“フェイク”があふれる現代社会と、劇作家ウィリアム・シェイクスピアをかけた斬新な舞台。 同作品は、先ごろ発表された「第29回読売演劇大賞」の上半期ベスト5に作品賞、男優賞、演出家賞、スタッフ賞でノミネートもされた。「演劇の力」を体現する仕掛けと熱量に満ちた作品で、野田秀樹の緻密な脚本と大胆な演出、そして高橋一生の真摯に響く台詞としなやかな演技体に加え、橋爪功と白石加代子が醸し出す圧倒的な存在感が観るものを魅了し続けている。そんな新作『フェイクスピア』を鑑賞した方も、まだ鑑賞していない方もぜひ自宅から楽しんでほしい。【番組情報】NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』放送日:未定収録日:2021年6月12日(土)収録場所:東京芸術劇場プレイハウス作・演出:野田秀樹出演:高橋一生 / 川平慈英 伊原剛志 前田敦子 村岡希美 / 白石加代子 野田秀樹 橋爪功番組URL:
2021年07月26日NODA・MAP第24回公演「フェイクスピア」の東京公演が5月24日に東京芸術劇場プレイハウスで開幕。併せて、主演を務める高橋一生と作・演出を務める野田秀樹からのコメント、および舞台写真が到着した。本作は、過去『野田秀樹の十二夜』『野田秀樹のから騒ぎ』『野田秀樹の真夏の夜の夢』や『三代目、りちゃあど』など、ウィリアム・シェイクスピアの作品をモチーフとした戯曲を生み出してきた野田が率いるNODA・MAPの最新公演。演劇の神様とも言えるシェイクスピアの名をタイトルのパーツに据え、イタコが登場する恐山を舞台に、野田自身が「コトバ」と正面から向き合い、私たちが生きる現代を鮮烈に、そして挑発的に描き出す。舞台はもとより、ドラマ、映画、音楽、CMを多方面で活躍する高橋が主演としてNODA・MAPに初登場。そして、川平慈英、伊原剛志、前田敦子、村岡希美。さらに、白石加代子、橋爪功。ここに野田を併せ、総勢8名の豪華俳優陣が一堂に会する。東京公演は7月11日(日)まで開催。その後、7月15日(木)〜7月25日(日)まで新歌舞伎座にて大阪公演が行われる。■高橋一生劇場で稽古できる期間が結構しっかりあったこともあって、稽古でやってきたものをブレずにそのまま出すことができたかなと思います。カーテンコールでたくさんの拍手をいただいて、白石加代子さん、橋爪功さんと手を繋いだ瞬間、温かかったんです。人と人との繋がりの素敵さを改めて実感した気がします。劇場でみんなで分かち合うその一体感も、肉体があってこそ。仮想の世界では味わえないものだと思います。ぜひ劇場で、この夢がまた夢に繋がっていくような複層的な不思議な世界を体感していただけたら。できることなら、僕も客席で観たいくらいです。劇場で初めて共有するという本来の楽しみ方で、味わっていただけたらと思います。■野田秀樹ほっとしたというのが、初日を終えたいちばんの感想です。久しぶりにストーリーを捨て置いたようなところがあるこの芝居がどう受け入れられるのか、いつも以上に全く見当がつかなかったので。お客さんの集中力がどんどん高まっていくのがわかって、非常に嬉しかったですね。一生をはじめ、みんなよくやってくれたので、とても感謝しています。稽古初日に「演劇の底力を見せてみたい」と言ったんですが、それに近いことがやれたのかなと感じることができました。たぶん、あまり観たことのない芝居だと思うので、SNSの感想をチェックしたりしないで、なるべく無で観てください。できれば、シェイクスピアすら知らずに観に来て欲しい(笑)。演劇の観客は、第三者ではなく当事者です。劇場でお待ちしています。【公演概要】NODA・MAP第24回公演「フェイクスピア」作・演出:野田秀樹出演:高橋一生 / 川平慈英 伊原剛志 前田敦子 村岡希美 / 白石加代子 野田秀樹 橋爪功 / 他★チケットは、チケットぴあにて販売中!●東京公演開催日:2021年5月24日(月)〜7月11日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス●大阪公演開催日:2021年7月15日(木)〜7月25日(日)会場:新歌舞伎座
2021年05月25日野田秀樹率いる NODA・MAP の新作『フェイクスピア』が5月24日(月)、東京芸術劇場プレイハウスにて開幕する。野田戯曲の特徴として必ず取り上げられるのは、巧妙に仕掛けられた“言葉遊び”だが、今作はいきなり言葉遊びを思わせるタイトル。シェイクスピア?フェイク?その意味、意図は何も明かされていないが、野田はこれまでシェイクスピア作品に関連する多くの作品を手掛けている。前回作『「Q」:A Night At The Kabuki』では、『ロミオとジュリエット』の2家間の争いを源平の時代に置き換え、もし、ふたりが生きていたらという着想のもと“2組のロミジュリ”を描いている。また、過去には『野田秀樹の十二夜』や『野田秀樹のから騒ぎ』、『野田秀樹の真夏の夜の夢』など、シェイクスピア作品をモチーフ、または潤色した戯曲もある。さらに、シェイクスピアに掛け合わせたタイトル頭の“フェイク”。これは今や世界中に“フェイクなコトバ”がはびこる中、野田は正面から“コトバ”というものと向き合ってみようという思いで挑んでいるという。そして、現在明かされている物語の設定は、あの「恐山(おそれざん)」を舞台にイタコが登場するとのこと。一体どんな世界が出現するのか?主演は野田作品初参加となる高橋一生。昨年はシェイクスピア全作の要素が盛り込まれた井上ひさしの大作『天保十二年のシェイクスピア』に出演した彼だが、謎に包まれた今作ではどのようにシェイクスピアに絡むのか? さらに、ミュージカルのみならず、今年は『藪原検校』でもその個性を発揮した川平慈英、AKB48での活躍後も映像や舞台で高い評価を得ている前田敦子も初参加。ほか、伊原剛志、村岡希美、そして野田作品への参加は27 年ぶりとなる白石加代子、6年ぶり8度目となる橋爪功という豪華布陣に野田を併せ、総勢8名が出演。近年のNODA・MAP作品において欠かせないアンサンブルキャストも出演する。先の見えない不安漂う現在の世で、野田は一体どんな“シェイクスピア”と“フェイク”を取り入れた劇世界を描き出すのか。幕が開く瞬間までのドキドキも含めて楽しみにしてほしい。文:伊藤由紀子NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』作・演出:野田秀樹出演:高橋一生 / 川平慈英 / 伊原剛志 / 前田敦子 / 村岡希美 / 白石加代子 / 野田秀樹 / 橋爪功 / 他★チケットは、チケットぴあにて販売中!【東京公演】2021年5月24日(月)~2021年7月11日(日)会場:東京芸術劇場 プレイハウス【大阪公演】2021年7月15日(木)~2021年7月25日(日)会場:新歌舞伎座
2021年05月24日NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』が5月24日、東京芸術劇場プレイハウスにて開幕する。タイトルからして怪しさ全開の注目作に、3年ぶりの舞台出演となる前田敦子が参戦。かねてより野田秀樹の劇空間に魅せられていたという彼女は、「人生って何があるかわからない。嬉しいハプニング」と目を輝かせる。“憧れの場所”に立つ、熱き思いを語ってくれた。一生(いっしょう)観客として観るものだと思っていた野田作品――野田秀樹さんの新作公演に向けて、まずはワークショップに参加されたと伺っています。はい、そうでした。私は一生、野田さんの作品は観客として観るものだと思っていたので、声をかけていただいてびっくりしましたね。野田さんが私のことをご存知だったことにまず感動しまして。だからこそワークショップに行くのには勇気が要りました。だいたいワークショップって何!? って思って、ネットで調べましたから(笑)。こんなに緊張したのは初めて!ってくらい、緊張して行きました。――どんなことをされたのか、教えていただけますか?一番最初に自分の呼び名を言うところから始まって。「あっちゃん、って呼んでください」って、初めて自分で“あっちゃん”って言いました(笑)。でもそうすると皆さんの気持ちがどんどんほぐれて、あっという間にひとつの和(わ)が出来ていくんですよね。そのきっかけ作りが野田さんは本当にお上手だなと思いました。野田さんも「ヒデキって呼んでね!」って、皆と一緒になって全力でゲームに取り組んでくれて、その姿を見ていると、自分たちも楽しまないわけにはいかないでしょう! って気持ちになるんです。野田さんも一緒にやってくださったことで私はすごく安心して。もし何かをジャッジするように構えて見られていたら、緊張して何も出来なかったと思います。もう何度も参加されて、野田さんの世界に慣れていらっしゃるアンサンブルの方達が、野田さんの「はい、これやって」のひと声でパン! と動けるのを見て、すごいな!と。皆さん、闘う戦士たち、キラーン!って感じで輝いていましたね(笑)。皆さんが口を揃えて「楽しいですよ!」とおっしゃるので、帰る時には、ああ、私もこの中に入りたいな〜と思いながら帰りました。全身で動き回ったから、使ったことのない筋肉を使ったんだろうな……ってくらい筋肉痛になりましたね(笑)。――ワークショップ参加後に出演が決まったのですね。そうなんです。ワークショップに参加して2日後くらいに出演のご連絡をいただいたんですが、その2日間は長かったですね。すごくドキドキしていました。ワークショップが終わる時間が来てももっとやりたい! と思うくらい楽し過ぎたので、絶対にこのチームに入りたい! と思っていたんですよね。演じるのは誰もが知っている超有名人? でも詳細は・・・――野田さんの新作はいつものごとく、謎に包まれています(笑)。今わかっているのは、恐山を舞台に、イタコが出てくるお話らしい……ということですが、前田さんがワークショップで経験した作品の感触、ご自身の役柄についてぜひともお聞きしたいです。台本はまだこれから変わっていくみたいなので、ワークショップの時は仮の仮の仮、といった段階のものだと思います(笑)。でもおそらく役は変わらないと思うので……、私の役は、誰もが知っている超有名人だと思います。だから最初は、ある物語の一部を読むのかな?と思ったら、全然違って……。――野田さんは公式サイトに「シェイクスピアではない」と書かれていますね。そうですね、シェイクスピアじゃないですね。何かが違う(笑)。“言葉”がキーワードなのかな……って、そんなざっくりした感覚しか、まだわからなくて。台本は、野田さんが読んでくれただけで笑いが止まらなかったです。面白い!ってワクワクしました。でも、それもこれからどうなるかわからないので(笑)。ただ、最終的に目指すところは、なんとなく教えてもらいました。それを聞いて、すごいな…!と。――その「すごいな…!」が気になります!そうですよね(笑)。野田さんの伝えたいことが、最初に読んでくださった時に十分伝わってきて、すごいメッセージを届けたいんだな、と感じました。たとえば今の社会の状況とか、コロナ禍がどうとか、そういう生々しい感じではないんです。野田さんの世界観から、野田さんが届けたいもっと大きなメッセージ……。でもちょっと聞かせてもらっただけなので、正解はわからないです。――本番の舞台を待つのみ、ということですね。前田さんは、野田さんの舞台をずっとご覧になっていたんですね。はい、いつもすごいな〜!と感動して、全部が記憶に残っています。野田さんの舞台は忘れないですね。キャストの皆さんの迫力に圧倒されて、どうしてこんなに完璧なんだろう!?と。安易に「私も入りたい」なんて言えない、憧れの舞台だったんです。その舞台に自分が出ることになるなんて、不思議でしょうがなくて。人生ってホント、何があるかわからない、それをすごく実感しています。野田さんの作品は、最後にいつも「うわあ〜、嘘でしょう!?」って驚かされて、胸がいっぱいになります。最初から最後まで、展開が想像出来ないのが野田さんの世界だなって思いますね。その世界の一員にしっかりなれるよう、頑張りたいです。――共演の方々とはワークショップでお会いになっているのでしょうか。白石加代子さんとはワークショップでお会いして、もう台詞を聞いたとたん、その場にいる皆の背筋が伸びるように感じましたね。スコーンと響く声にとても惹きつけられて。いつか同じ舞台の上で白石さんを観てみたいと夢見ていたことが今回叶い、もう楽しみでしょうがないですね。野田さんに誘ってもらわなかったらもう舞台はやらなかったかも――前田さんは、蜷川幸雄さん演出の『太陽2068』(2014年)で初舞台を踏んで以降、岩松了さんや三浦大輔さんの演出舞台に出演して来られました。舞台経験を積む中で、表現することへの意識の変化などはありますか?やるたびに、楽しいと思えて来ています。一番最初は「もう無理かもしれない!」って気持ちから始まったんですよね。自信が持てなくて。でも、その後に岩松さんが、また違う世界を教えてくれて。そして三浦さんが、「映画でやるようなことを舞台でやりたい」とおっしゃって、また新しいことをやらせてくださいました。毎回演劇のいろんな世界を知ることが出来て、幸せだなと思います。そして今回はNODA・MAPというカンパニーに入って、舞台に立つことが出来る。もう私これで、満足かもしれません(笑)。本当に今回は、野田さんの舞台じゃなかったら、勇気が出なくてやれなかったかもしれない。舞台に立つということは、現実から飛んでいくような感じがするじゃないですか。その大きなジャンプが、今の私に出来るだろうか……と、子供を産んだ後にすごく考えてしまったんですね。舞台というとても険しくて高い山に、簡単な気持ちで挑んではいけないなと。今回野田さんに「ワークショップに来ない?」と誘っていただけなかったら、私はもう舞台はやらなかったかもしれません。――それは……、野田さん、よくぞ前田さんに声をかけてくださった、グッジョブ!と言いたいですね。ハハハハハ!あきらめる前に、捕まえてくれたような感じですね。立ち止まりそうな私を、野田さんが拾ってくれました(笑)。この作品の東京公演千穐楽の前日が、ちょうど30歳の誕生日なんですよ。きっとその時は清々しい気持ちだろうなって。この作品をやっている最中に30歳を迎えられる、その喜びはすでに感じています。もう30代は、この勢いのまま突っ走っちゃうか〜! みたいな気分になれるかも(笑)。――俳優としての理想像はありますか?こうなっていたい、といった目標などを教えてください。そうですね、死ぬまで何かの作品に出たいと思っています。私の命が尽きるまで(笑)、引退したくない、それが人生の最終目標かも。どんな形でもいいし、舞台に立ち続けられるのなら立っていたい。途中であきらめるようなことはしたくないと思っています。自分が一生続けられるものって、お芝居しかないなと。ほかのものは、たぶん続かないと思うので。私が唯一、欲深くなれる職業なのかもしれないですね。――この作品で30歳を迎えられ、また新たな表現への欲が生まれるかもしれませんね。世の中はまだまだ落ち着きませんが、観客の方々も、前田さんの挑戦を楽しみに観に来られることと思います。本当に、無事に最後まで完走できることを祈って、頑張りたいです。すべてを忘れて集中できる、それがNODA・MAPの舞台だと思うので、観に来られる方もその時間だけはぜひ、その世界観に没頭していただきたいと思います。取材・文:上野紀子撮影:藤田亜弓スタイリスト 清水けい子(アレンジメント K)ヘアメイク 菊地弥生(ひつじ)ドレス NON TOKYO(ESTEEM PRESS)/シルバーピアス、リング VUGS/パールピアス carat a 共に(イセタンサローネ東京)/靴 スタイリスト私物問い合わせ先:ESTEEM PRESS・03-5428-0928/イセタンサローネ東京・03-6434-7975前田敦子さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント! ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=a158a42d-7405-4d18-b4a8-339159614ed0&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。公演情報NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』作・演出:野田秀樹出演:高橋一生 / 川平慈英 / 伊原剛志 / 前田敦子 / 村岡希美 / 白石加代子 / 野田秀樹 / 橋爪功 / 他【東京公演】2021年5月24日(月)~2021年7月11日(日)会場:東京芸術劇場 プレイハウス【大阪公演】2021年7月15日(木)~2021年7月25日(日)会場:新歌舞伎座
2021年05月05日野田秀樹率いるNODA・MAPの新作公演『フェイクスピア』が5月24日(木)の東京公演を皮切りに、7月25日(日)大阪公演まで全62ステージで上演されることが発表された。これまで『野田秀樹の十二夜』『野田秀樹のから騒ぎ』『野田秀樹の真夏の夜の夢』や『三代目、りちゃあど』など、シェイクスピアの作品をモチーフとした数々の戯曲を生み出してきた野田。しかし、今回はシェイクスピアではなく“フェイクスピア”。野田らしいウィットに富んだタイトルの本公演で、「コトバ」を生業としてきた彼は世界中を“フェイク”がはびこるこの時代に、「コトバ」というものに正面から挑む。『フェイクスピア』の舞台は恐山。そこに、古くから日本の北東北に存在する巫女職・イタコが登場する。霊を自らの身体に招き入れ、憑依させ、死者に代わってその意思を語る秘術“口寄せ”の使い手であるイタコが、本公演でどう機能していくのか。そんな謎に包まれた『フェイクスピア』で主演を務めるのは、舞台はもとよりドラマ、映画、音楽、CMと幅広く活躍する俳優・高橋一生だ。さらに『贋作 桜の森の満開の下』など、近年のNODA・MAPで鮮烈な存在感を放つ村岡希美、大倉孝二が出演。また、AKB48でセンターを務め卒業した後、舞台・映像でも高い評価を得ている前田敦子と、ストレートプレイからミュージカルまで、スポーツキャスター、CMでもマルチな才能を発揮する川平慈英、実に27年ぶりに野田作品に参加する白石加代子、野田作品に6年ぶり8度目となる橋爪功の総勢8名がステージを飾る。高橋、川平、前田は今回が野田作品初参加。そして近年のNODA・MAP作品において、絶対に欠かせないアンサンブルキャストも出演する。野田が改めて生の演劇の悦楽と、私たちが生きる現代を鮮烈に、挑発的に描き出す最新作『フェイクスピア』に注目だ。●高橋一生野田さんのワークショップで、キャストの皆さんと少年少女のように壮大なごっこ遊びをしていました。とても楽しい時間で、その感覚がきっと作品に昇華されると確信しています。●野田秀樹【公演概要】NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』作・演出:野田秀樹出演:高橋一生川平慈英大倉孝二前田敦子村岡希美白石加代子野田秀樹橋爪功協賛:住友生命 / 企画・製作:NODA・MAP公演に関するお問合せ:NODA・MAP(TEL:03-6802-6681 / )WEB先行予約会員募集中詳しくは:NODA・MAPホームページまで( )●東京公演 5月24日(月)〜7月11日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス<チケット>料金(全席指定・税込):S 席 12,000円 / A席 8,500円 / サイドシート 5,700円※25歳以下の方は、サイドシート 3,000円で購入可能チケット4月発売予定:東京芸術劇場ボックスオフィス / イープラス / チケットぴあ / ローソンチケット / CNプレイガイド主催:NODA・MAP / 共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)●大阪公演 7月15日(木)〜7月25日(日)会場:新歌舞伎座<チケット>料金(全席指定・税込):S 席 12,000円 / A席 8,500円 / サイドシート 5,700円※25歳以下の方は、サイドシート 3,000円で購入可能チケット6月発売予定:イープラス / チケットぴあ / ローソンチケット / CNプレイガイド主催:NODA・MAP / 後援:FM 802 / FM COCOLO運営協力:キョードー大阪 / 協力:近鉄百貨店 / 近鉄不動産当日券:全公演、販売。詳細は主催まで高校生割引:1,000円(全席指定・税込 / 事前申込制 / 要学生証)販売に関する詳細は、4月23日(金)以降、HPで発表
2021年03月05日野田秀樹の最新作、NODA・MAP第23回公演『Q:A Night At The Kabuki』の初日を控え、10月6日にゲネプロが行われ、報道陣に公開された。映画『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットによるリバイバルが記憶に新しい英国のロックバンドQUEENのアルバム『オペラ座の夜(A Night At The Opera)』を舞台化できないか? というオファーを受け、約2年前に始動したという本作。以前から野田が構想していた『ロミオとジュリエット』の“その後”の物語を組み合わせ、ワークショップを重ねて完成した。12世紀の日本の源平合戦に設定を置き換え、広瀬すず演じる「源の愁里愛(じゅりえ)」と志尊淳による「平の瑯壬生(ろうみお)」に加えて、松たか子&上川隆也による“それからの”愁里愛と瑯壬生という、現在と未来の2組のロミジュリが登場。未来を生きる2人は、自分たちの身に降りかかった悲劇的な運命の先回りをし、なんとか食い止めようとするのだが……。やはり注目は、朝ドラ『なつぞら』を終え、本作で舞台初出演を果たす広瀬。初日を前に「足を引っ張らないように努力します!」というコメントを寄せたが、色とりどりの着物から、死装束ともウェディングドレスともとれる純白のドレスまで、様々な衣裳に身を包み、縦横無尽に舞台を駆け回り、足を引っ張るどころか、強烈な輝きを放ち、物語をグイグイと引っ張っていく。志尊演じる瑯壬生とのラブシーンを含め、時に可憐に、時に力強く、恋する乙女の顔を見せたかと思えば、松や野田(源の乳母役)といった百戦錬磨の先輩俳優陣を相手にも全く臆することなくコミカルな掛け合いを披露するなど、堂々たる演技を見せている。広瀬と志尊のロミジュリが、若さと勢いゆえの盲目の恋の“輝ける日々”とその悲劇の結末を軽やかに刹那的に表現する一方で、松と上川による「それからの」ロミジュリは、その背中に長く、重くのしかかる過酷な運命を見事なまでの存在感、圧倒的な演技力で重厚に表現している。さらに、20年ぶりのNODA・MAP出演となる羽野晶紀、NODA・MAP初出演の竹中直人をはじめ、個性あふれる濃すぎる面々がガッチリと脇を固め、源氏と平家の両陣で演技合戦を繰り広げる。そしてやはり、本作のもうひとつの主役と言えるのがQUEENの音楽。『ボヘミアン・ラプソディ』、『Love Of My Life』など、アルバム『オペラ座の夜』に収められている全12曲が原盤で惜しみなく使用されているが、「ここで『Love Of My Life』?」「このシーンにあえてこの曲を?」という驚きも感じさせつつ、フレディ・マーキュリー(とブライアン・メイ&ロジャー・テイラー)の歌声と野田の多彩な演出、瑯壬生と愁里愛の運命の“掛け算”が観る者に高揚と快感をもたらしてくれる。特に、秘密の婚礼を挙げた瑯壬生と愁里愛が愛をかわすシーンの美しさは圧巻!「この世から戦(いくさ)が消える日に」再び結ばれることを約束したはずの2人の運命はなぜ引き裂かれたのか……?NODA・MAP第23回公演『Q:A Night At The Kabuki』は10月8日から15日まで東京芸術劇場 プレイハウス、10月19日から27日まで大阪・新歌舞伎座、10月31日から11月4日まで北九州芸術劇場 大ホールで上演され、11月9日から12月11日までふたたび東京芸術劇場 プレイハウスにて上演される。取材・文:黒豆直樹
2019年10月07日女優の羽野晶紀が、20年ぶりにNODA・MAP公演に出演する。第23回公演『Q』:ANightAtThe Kabukiは、作・演出の野田秀樹がイギリスのロックバンドQUEENの名盤『オペラ座の夜』からインスピレーションを得て演劇化するもの。全編QUEENの楽曲で彩りつつ、舞台は侍が闊歩する12世紀末の日本。そこで“2組のロミオとジュリエット”が登場する名作の後日談を書き下ろした。宇宙的思考を持つ野田ワールド全開の奇想天外な禁断の恋物語になりそうだ。共演に松たか子、上川隆也、志尊淳ら野田作品の常連から初登場まで魅力的な顔ぶれが出揃う中、本作で広瀬すずが初舞台を飾ることでも注目を集める。NODA・MAP第23回公演 『Q』 : A Night At The Kabukiチケット情報羽野は出産、子育てを経て、一昨年、17年ぶりに古巣の劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人〈Season月〉』で本格的に舞台復帰を果たした。スタッフ陣や舞台機構の進歩に驚嘆しつつも、現場には違和感なく溶け込めたという。「やっぱり昔の仲間たちだなと。20代で演じた役を50代で再び演じられることがありがたかった。当時気づけなかったことに気づけたり、周りにまで目が届くようになっていて。俳優にとって年齢を重ねることは、めちゃくちゃ面白くなるってことなんだと実感しました。20年ぶりにNODA・MAPに戻ってこられるのも夢のよう。今の自分がどんなことを感じるのか、ワクワクしています」。20代でジュリエットを演じた経験のある羽野だが、取材の時点では配役は未定。「多分、ジュリエットがすずちゃんで、その後のジュリエットがたかちゃん(松たか子)かな。後の人たちは何をさせられるのか全然分からないです(笑)」。そういえば、と過去3回の出演時も野田からは、「すごく良い話でピッタリな役があるんだよ」と軽い感じのオファーだったことを思い出した。「それで嫌な思いをしたこともないですし、毎回やって良かったなと思うので、今回も信頼しきってます」。学生時代に夢中で聴いたQUEENの楽曲が使われることも、出演を後押しした。「同世代の方はみんな好きですし、いま中高生になる私の子供たちもQUEENが大好き。なので、若い方にも観てほしい。大阪は劇団活動をしていた故郷でもあり、やっぱり特別感があります。久しぶりに大阪の舞台に立つので、当時のお客様の顔も拝見できればいいなと思います」。公演は10月8日(火)から10月15日(火)、11月9日(土)から12月11日(水)まで東京芸術劇場プレイハウス、10月19日(土)から27日(日)まで大阪・新歌舞伎座、10月31日(木)から11月4日(月・休)まで福岡・北九州芸術劇場大ホールにて上演。チケットは9月7日(土)全国一斉発売。取材・文:石橋法子
2019年08月26日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が作・演出を手がける新作舞台、KERA・MAP『修道女たち』が10月20日(土)に本多劇場で開幕した。これまでも女性たちのコメディを多く生み出してきたKERAが今回描くのは、タイトルのとおり“修道女たち”。おそらく今から100年ほど前の時代、雪に閉ざされた山荘を訪れる修道女一行に扮するのは、緒川たまきや高橋ひとみら6人。意外にもKERA作品初登場という大人計画の伊勢志摩はその中の修道院長を演じる。同じく初参加となる鈴木浩介の演技も楽しみな要素のひとつだ。聖職者の物語を描く理由のひとつを、不思議なことがいくら起こっても納得してもらいやすいことと語っていたKERA。修道女の存在そのものが、物語を豊かに、自由に膨らませ、飛躍させていく。チラシでは他のキャスト同様、修道女の衣装を身にまとっていた鈴木杏だが、演じるのは巡礼にやってきた修道女たちを受け入れる村の女、オーネジー。年齢に見合わないほどの幼さとまっすぐさを持った彼女と修道女たちはどのような物語を織り成すのか……。この作品がコメディであることは間違いないようだが、事前に得られる情報から伝わってくるのは、決して"陽”の空気ではない。不穏さの漂う中で、手練れの役者たちが交わす会話がどんな世界へと導いてくれるのか。冬の気配が少しずつしのびよってくるこの季節にぴったりの演目であろうことだけは間違いなさそうだ。11月15日(木)まで下北沢 本多劇場で上演、その後、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、北九州芸術劇場 中劇場でも上演される。文:釣木文恵
2018年10月21日ナイロン100℃主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が、劇団外における演劇活動の場として2001年にスタートしたKERA・MAP。その新作、#008『修道女たち』の東京公演初日を約1か月後に控えた稽古場を訪れた。【チケット情報はこちら】稽古9日目を迎えた取材日、鈴木杏らキャストが手にしていたのは作・演出を手がけるKERAが前日まで執筆していたという追加台本。本読みにあたって、KERAは「転調に次ぐ転調」とこのパートが担う目的や伏線を説明する。巡礼に訪れた“修道女たち”を迎え入れる村の女・オーネジー役を演じる鈴木杏は、子どものような幼さが残るキャラクターをあどけない声色で造形。台本から顔を上げ、緒川たまき演じる友人役のシスター・ニンニに笑いかける場面も見受けられた。無邪気なオーネジーに対する修道女たちは、トーンを抑えた静かな演技で応戦。しかし、禁欲的で制約の多い聖職者が集まる場に似つかわしくない刺激的なセリフがオーネジーから放り込まれると、修道女に扮する緒川、KERA演出を初めて受ける伊勢志摩、ナイロン100℃の松永玲子と犬山イヌコ、ともに彼の作品へ出演経験のある高橋ひとみと伊藤梨沙子の6人も読みながら思わず笑ってしまう和やかなひと幕が。KERA作品の持ち味であるコメディの中で、シュールでナンセンスな筋運びや言葉選びは今回も大いに炸裂。修道女たちが滞在する、雪深く静謐で厳かな山荘を舞台にした劇空間とのギャップが楽しめるだろう。見学して感じたのは、キャストによる提案力の高さだ。立ち稽古でKERAが「距離があるというか……サバサバしすぎている気がするんだよね」と指摘すると、すぐさま反応したのが鈴木杏。「オーネジーはどんな印象を持っていたんでしょうか?」と物語に直接描かれていない背景についてKERAに意見を求め、回答を参考にセリフの抑揚や表情、動きに反映させる。他のキャストも、ある小道具を置く場所について「窓辺は盗まれそう」「暖炉に置くのは?」と積極的に意見を出し合い、全員一丸となって作品づくりに取り組んでいる印象を受けた。公演は10月20日(土)から11月15日(木)まで東京・下北沢本多劇場にて。その後、11月23日(金・祝)・24日(土)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、12月1日(土)・2日(日)に福岡・北九州芸術劇場 中劇場で上演される。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2018年10月09日今年、ナイロン100℃での『百年の秘密』、『睾丸』という2本の劇団公演に続いて、KERA・MAPでも新作を発表するケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)。しかも『修道女たち』というタイトルには、何とも言えない魅惑的な響きが…。そこで出演者のひとりである鈴木杏とともに、現段階での構想、作品への想いを聞いた。【チケット情報はこちら】前作『睾丸』における学生運動のように、KERAの頭の中には創作の題材になりそうなキーワードが、常にぼんやりとストックされているという。その中から今回“修道女”を選び出した理由を問うと、「毎度ながら直感なんですよね」とKERA。「リサーチしてここを目指す、というのではなく、知らない町に行って、何があるかわからないままうろうろしながら、どれだけ面白いものや心打つもの、美しいものを発見出来るのか、みたいな。とてもリスキーではありますけど、その方が思いもよらぬものを手に入れられたりするんです」と、これまでの評価の高さに裏打ちされた自信を覗かせる。秀作が続くKERAだが、前作から3か月での新作発表は近年まれに見るハイペース。「モチベーションはものすごく高いですよ。スタッフやキャスト、もちろん自分のためにも、絶対に納得のいくものをつくりたいと思っていて。いつにも増して頑張りたい気持ち」と語気を強めるも、すぐ「まぁ頑張りゃいいってわけでもないけどね」と照れ笑いを浮かべる。鈴木は、2014年のナイロン本公演『社長吸血記』以来、KERA作品への参加は今回が2度目。前作について「KERAさんとの最初のお仕事が劇団公演の客演だったというのは、ものすごく確かな入口で。劇団の内部に入れたことはとても興味深く、面白い日々でした」と振り返る。さらに今回のオファーについては、「また声をかけて頂けたのは、素直に嬉しいです。KERAさんのホンが出来上がりながら、稽古しながら、本番になるっていうのは、どことも違う、すごく特殊な時空。あの感覚をもう一度味わえると思うとワクワクします」と顔をほころばせる。「神を信じる者が神の不在に直面する、そうした局面を描くのが好き」とKERAが語るように、これまでのKERA作品にも聖職者は何度か登場している。とはいえ現在KERAの頭の中にあるのは、「豪雪によって山荘に閉じ込められた、巡礼に来た修道女たち」という設定くらい。内容についてはKERA自身、「僕もまだ知らない」と笑う。まさに神のみぞ知る『修道女たち』の全貌。それが明らかになる開幕を心待ちにしたい。公演は10月20日(土)より東京・本多劇場にて開幕。その後、兵庫、福岡と各地を巡る。東京・兵庫公演はチケット発売中。福岡公演は9月30日(日)より一般発売。取材・文:野上瑠美子
2018年09月26日3月28日(水)の3時間スペシャルで最終回を迎える「おじゃMAP!!」。レギュラーの番組放送開始から約6年にして初めて香取慎吾と山崎弘也が“2人旅”でイタリアに出かけた模様を中心に放送する。■香取からザキヤマへ恩返しの旅!?「3日間スケジュールを空けて」「寒くない服装で来て」とだけ知らされ、集合場所の東京タワーにやってきた山崎さん。そして香取さんの運転する車で向かったのは、羽田空港。行き先は、なんとイタリア!香取さんがガチのプライベートでよく旅行するというヴェネチアに山崎さんを案内し、いままでの恩を倍返ししていきたいとのこと。しかし、滞在時間はたった“33時間”。山崎さんがドン引きする普段芸能人が絶対に見せない超豪遊プライベート旅を大公開。香取さん自らが考えたスペシャルルートを回るという最終回ならではのヴェネチアの旅がスタート!■これぞ芸能人!? 豪華すぎる…ヴェネチアに夜到着し、水上タクシーに乗り込み宿泊するホテルへと向かう2人。到着したのは、貴族の宮殿を改装したという超贅沢で超高級なホテル。豪華すぎる部屋とは?その値段とは!?翌日。朝早くからホテルの船着き場で待ち合わせし、2人でヴェネチア名物のゴンドラに乗り、世界遺産に登録されている街並みを眺めながらサン・マルコ広場へ。サン・マルコ寺院を横切り、世界最古のカフェで朝食タイム。そしてその後、ショッピングタイムからが香取さんの旅の本番。高級アクセサリー店、伝統工芸の高級ガラス細工店など、超豪華な香取さん愛用の高級店を巡っていく。さらにさらに、夜にドレスコードのある高級レストランに訪れるためにと、高級ブランド店にスーツを探しに行き、香取さんが山崎さんを全身コーディネート。そして旅の終わりには、香取さんが予約した最高の夜景が楽しめる、ホテルの最上階レストランでディナータイム。最高の料理を楽しみながら、これまでの約6年間をふり返る場面も…。また旅のラストは、意外なドッキリがあるとかないとか…?「おじゃMAP!!SP」は3月28日(水)19時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2018年03月23日香取慎吾と山崎弘也がMCを務める人気バラエティ「おじゃMAP!!」2時間スペシャルが2月14日(水)今夜放送され、女優の浅野ゆう子をはじめ、足立梨花、綾小路きみまろ、土屋アンナ、橋本マナミら豪華ゲストが出演、熱海ロケが展開される。今夜は「ザキヤマの恩返し&倍返しスペシャル!!」と題して、山崎さんがいままでの番組ロケで色々とオイシイ展開にしてくれた香取さんに“ドッキリ”で恩返し。番組史上最大の作戦が決行される。山崎さんは「よく行く大好きな熱海で香取と思い出を作りたい!」という想いから、今回は熱海でのロケを実施。熱海のグルメスポット「平和通り商店街」や随一のパワースポット「来宮神社」に熱海一の絶景スポット「熱海城」など定番観光地を巡るほか、旅館にもおじゃまするのだが…そこには数々のドッキリが。山崎さんが香取さんに対して仕掛ける“激辛”“激苦”“激熱”などの恩返し&倍返しドッキリの連続に、遂に香取さんがマジ切れ!?果たしてどんな思い出旅になるのか。今回は香取さん、山崎さんに加え一緒に熱海旅行を楽しむゲストとしてドラマ「人は見た目が100パーセント」や映画『アヤメくんののんびり肉食日誌』などで知られる足立さんが参加するほか、ドッキリの仕掛け人として数々の作品に出演してきた浅野さんや、『さくらん』などの土屋さん、毒舌漫談で中高年に大人気の綾小路さん、バラエティはもちろん「せいせいするほど、愛してる」などで女優としても活躍する橋本さんらも登場、山崎さんの“恩返し”を応援する。今夜のゲストの橋本さんは毎週木曜日22時~フジテレビにて放送中のドラマ「隣の家族は青く見える」に出演中。様々な家族が自分たちの意見を出し合いながら作り上げる集合住宅「コーポラティブハウス」を舞台に、深田恭子と松山ケンイチが妊活に励む夫婦役を演じ、平山浩行、高橋メアリージュン、北村匠海、眞島秀和、真飛聖、野間口徹らが共演するなかで、橋本さんは眞島さん演じる建築士の事務所で働く長谷部留美を演じている。「おじゃMAP!!」2時間スペシャルは2月14日(水)19時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2018年02月14日元SMAPの香取慎吾が27日、自身のインスタグラムを更新。フジテレビ系バラエティ番組『おじゃMAP!!』(毎週水曜19:00~)の現場で、ひと足早く誕生日のお祝いをしてもらったことを明かした。香取慎吾今月31日に41歳の誕生日を迎える香取。インスタグラムでは、『おじゃMAP!!』のロゴやイラスト、「HAPPY BIRTHDAY SHINGO SAN」というお祝いメッセージ、さらに、「41」と年齢が大きくデザインされた誕生日ケーキの写真をアップし、「#誕生日」「#誕生日ケーキ」「#ハッピーバースデー」「#おじゃmap」などとハッシュタグを添えた。この投稿に、「ちょっと早いけどおめでとね!」「誕生日おめでとう 慎吾ちゃん!」「ハッピーバースデー! 41歳 ますますいい味が出る年だね」と祝福コメントが続々。「慎吾くんの絵みたいにカラフルで可愛いケーキ」「慎吾ちゃん愛がいっぱい詰まってるケーキだね」「愛が溢れる素敵なケーキ」「ロウソクの色が…SMAPカラーに」「ローソクがスマカラー」「ローソクのカラーが、嬉しくて泣いちゃった」などと、ケーキのデザインも話題を呼んでいる。同番組は、今年3月で終了することが発表されたばかり。「おじゃMAP終わるのすごーく残念です」「おじゃマップ終わってしまうのは 本当に残念ですが 新しい事に向けて 頑張って下さい」「おじゃマップのこと、とっても悲しいし悔しいですが、最後まで全力で一緒に楽しませてもらいますね!!」「おじゃマップ、続けて欲しかったなぁ。また違った番組で仕切り直し、是非期待しています」と残念がる声やエールも寄せられた。香取慎吾さん(@katorishingo_official)がシェアした投稿 - 1月 27, 2018 at 5:57午前 PST
2018年01月28日香取慎吾と山崎弘也がMCを務める人気バラエティ「おじゃMAP!!」の1月24日放送回で、同番組が今年3月いっぱいで終了することが発表された。2012年1月の放送開始から6年目の春の終了となり、SNS上には悲しみのコメントが大量に投稿され続けている。今回のオンエアは香取さんの親友でもある俳優の山本耕史がゲスト。山本さんとの「親友2人旅」と題し、2人が初めて出逢った場所や、初めて2人で食事したお店などを再訪。両者の友情の軌跡を辿りながら山本さんの家族にまつわるエピソードなどが披露された。大河ドラマ「新選組!」での共演から親しくなった2人だが、山本さんによれば最初の出会い自体は両者が10代後半の頃だといい、四谷三丁目のゲームセンターでマネージャー付き添いのもと格闘ゲームをプレイ中の香取さんに山本さんが挨拶をしたのだとか。その際香取さんは山本さんに対しそっけない対応を取ったという。当時の様子を自ら再現する2人に「無視を再現www」「チラ見慎吾かわいいいい」「めっちゃリアルwww」などの声がネットに上がる。続いては2人がプライベートで最初に食事をした恵比寿のそば屋に。「新選組!」の撮影中「そろそろ1回ぐらいごはん行きますか?」と香取さんから誘われ、山本さんがお店の個室を手配。そこで山本さんは香取さんの電話番号を知ったという。お店では番組プロデューサーの子どもが登場し、山本さんが実際に子どもをあやす姿などを再現してみせた。するとネット上には「やべえ、しばらく組!ファンとスマヲタで個室予約できなくなるww(間違いない)」「山本くん、慣れてますわ」といった声が。また山本さんが結婚する際に香取さんに電話で相談したことを告白。結婚について相談できる人がいなかったという山本さんだが「ここ(香取さん)なら安心できる」と香取さんに相談したといい「すごい背中を押してくれた人」と香取さんに感謝の言葉を贈った。これには「慎吾ちゃんなら安心して相談できそうだもんね」「親友距離感がおもろい」「やまこー、慎吾をこんなに愛してくれてありがとう」などのコメントが寄せられていた。そして次のロケ地、代官山へ。山本さんが香取さんに誕生日プレゼントを買ってあげたいとメガネ店を訪れ、山本さんがお返しのために香取さんに似合うサングラスを選んでいるところで、お店の外にいた香取さんが「ここでお知らせがあります」と番組終了について切り出す。「数字がどうも伸び悩み増して(笑)」と笑いを交えつつ「最後まで全力で遊び倒したい」と、春までの放送も意欲的に取り組むことを視聴者に次げた。番組の終盤には共通の友人である女優の観月ありさもスペシャルゲストとして登場。香取さんが観月さんに番組終了を伝えると「終わるまでにもう1度呼んで」と観月さん。それに香取さんが「もう十分、2人は」と応じると山本さんと観月さんは笑いながら「オイ!」とツッコみを入れていた。突然の番組終了の発表に「凄く楽しく観てたのに後半ショックすぎて内容覚えてないです」「リアタイしたい番組がなくなったよー!」「慎吾ちゃん、自分の口から言ってくれてありがとう」「覚悟してたけど案外ショックだよ」など悲しみのコメントがネット上を駆け巡ると同時に「おじゃMAPのような番組を、今度は新しい地図で作り上げてください」と“続き”への期待を寄せる投稿も。大人気番組の終了にネットには悲しみが溢れている。また番組終了に際して香取さん、山崎さんからのコメントも発表されている。■香取慎吾「今まで本当に色々なことを『おじゃMAP!!』で経験させていただきました。楽しかったこと、面白かったこと、大変だったこと…色んな思い出があります。最終回まで、全力で遊び倒します!!皆様、応援よろしくお願いいたします!」■山崎弘也(アンタッチャブル)「香取さんと6年やってきましたが、香取さんはまだまだ謎の多い男です。昨年も初めて家に行ってビックリしましたが、まだまだ香取さんの何が飛び出すのか、楽しみでもあり、怖くもあります。皆さんに、そんな部分も含めて楽しんで観ていただけるよう、楽しくロケしていきます!」「おじゃMAP!!」は毎週水曜19時~フジテレビ系で放送中。(笠緒)
2018年01月24日