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フィラ(FILA)とアドラー(ADRER)のコラボレーションによるスポーツサンダル「ディスラプター SD パフィ×アドラー(DISRUPTOR SD PUFFY×ADRER)」が、2024年6月24日(月)よりフィラ ショップ各店ほかにて発売される。フィラ×アドラーの厚底スポーツサンダル2022年に初コラボレーションし、人気を博したフィラとアドラーのコラボレーションが再び実現。今回は、“オールブラック”のスポーツサンダルが登場する。最大の特徴は、フィラを象徴する厚底スニーカー「フィラ ディスラプター(FILA DISRUPTOR)」のソールを使用していること。そこに、3本の太めのアジャストベルトを組み合わせ、夏のコーディネートの主役となるような重厚感のあるデザインに仕上げた。アジャストベルトはソフトなヌバック調素材を使用し、“ADRER”ロゴをデボス加工でさりげなくオン。また、マットなメタルシルバーのパーツを配し、ヴィンテージライクなアクセントをプラスした。ヒールには、コラボレーション限定の「アドラーブランドロゴカシメ」を配しているのもポイントだ。【詳細】「ディスラプター SD パフィ×アドラー」 12,650円発売日:2024年6月24日(月)取扱店舗:フィラ ショップ各店、フィラ 公式オンラインストア、ゾゾタウン
2024年06月28日公認心理士で、一般社団法人 日本親子コーチング協会理事でもある愛川よう子が、コスモ21(出版社)より「ママの自己肯定感がグンと高まるアドラー流『感情マネジメント』」を出版することをお知らせします。全国の書店、Amazonなどのネットショップで、2023年11月7日より販売開始します。書籍カバー本書では、かつて自身もイライラや自己嫌悪におそわれ子育てに挫折した著者が、アドラー流コーチングや心理学に出合い、感情や思考の扱い方を身につけたことで、最高に幸せな人生へと転換したメソッドを丁寧に解説。ワーク形式で、読者もすぐに取り組める感情マネジメントの手法をふんだんに掲載しており、実際にこれらのワークに取り組み、子育てや夫婦関係、人生がガラリと変わった母親たちの声も紹介されています。子育てで悩んでいるすべてのママたちに届けたい、幸せな子育てと人生が手に入る、心の教科書です!【目次】プロローグ 子育てのイライラ・怒り・不安は手放せる!私は“いいお母さん”になれるはず感情を味方につければすべてが変わる 他第1章 自己肯定感がグンと高まる感情マネジメント~ ママになって自信を失ったあなたへ第2章 子育てがスッとラクになる感情マネジメント~ 子育てでイライラしやすいあなたへ第3章 夫婦関係がもっと良くなる感情マネジメント~ 夫婦関係に悩んでいるあなたへ第4章 「ママ」から「私」へ!幸せになる私をつくる~ 自分らしく生きられていないと感じているあなたへ書籍内容1書籍内容2【書籍概要】タイトル: 子育てのイライラ・怒り・不安は手放せる!ママの自己肯定感がグンと高まるアドラー流「感情マネジメント」著者 : 公認心理士・愛川よう子価格 : 1,650円(税込)発売日 : 11月7日(火)ページ数: 208ページ仕様 : 四六判ISBN : 978-4877954307発行元 : コスモ21URL : 【著者紹介】著者1976年生まれ、二児の母。メンタルコーチ、公認心理師、一般社団法人 日本親子コーチング協会理事、Museママコーチスクール主宰。会社員時代、自身の子育ての挫折からコーチングに出合い、それをきっかけに親子の信頼関係の土台を作り直す。その経験を生かして、同じように子育てで悩む母親たちにコーチングの輪を広げたいと、プロコーチに転身。アドラー心理学に基づいた「勇気づけ」や「聴く」「伝える」コミュニケーションを交え、子育てママのイライラ・自己嫌悪を解消し、子どもの勇気と自信がぐんぐん育つ、子育てコーチングを専門にしている。講演会・研修・コーチング講座・セッション等を行う。アドラー流コーチングに、これまで1,300人以上のママが変化した感情マネジメントやノートワークを取り入れ、女性の3大悩み(子育て・パートナーシップ・仕事)を解決する独自カリキュラムを開発。現在はママ専門のコーチングスクール「Museママコーチスクール」を創設し運営しており、好評を博している。ママたちからはたった半年で「怒ることがなくなった」「ママ大好きと言ってもらえるようになった」「こんなに毎日家族と笑顔で幸せに生きられるなんて!」と、数々の感動のメッセージが寄せられている。【関連サイト】公式サイト : 公式ブログ : Museママコーチスクール: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月26日スティーヴン・スピルバーグが“映画監督”になる夢を叶えた自身の原体験を描いた『フェイブルマンズ』。本作で、スピルバーグ監督の母リア・アドラーをモデルにした自由奔放で芸術家気質の主人公の母・ミッツィを好演、計5度目のアカデミー賞ノミネートを果たしたミシェル・ウィリアムズに注目した。本作で映画制作に没頭し、映画監督になる夢を追いかける主人公サミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)の母・ミッツィを演じるのは、本年度のノミネーションを含め、計5回もアカデミー賞ノミネートを果たしているミシェル・ウィリアムズ。今回ミシェルが演じるミッツィはスピルバーグの母リア・アドラーがモデルとなり、芸術を愛する洗練された音楽家でありながら、家庭を築くためにコンサートピアニストへの道を諦めた女性。サミーの映画制作をあくまで趣味の一環として捉えている夫・バート(ポール・ダノ)とは対照的に、息子の映画への興味を賞賛し常に応援し続けている。ミッツィはサミーを含む4人の子どもたちとバートのことを心から愛していたが、舞台となった1950年代~60年代に多くの女性がそうであったように、社会の期待や規範に合わせて母や妻として家庭を守るために自身が築き上げてきたピアニストとしてのキャリアを諦め、野心や欲求を何とか昇華させていた。しかし、彼女の生まれ持った大胆な性格と荒ぶる魂は伝統を重んじる当時のアメリカ生活の中では抑圧されていく――。そんな生活を送る中で、もっと生き生きと自分自身であることを存分に感じたいという彼女の切望は、劇中で子どもたちを車に乗せ、ニュージャージーの街を襲う竜巻を追いかける鮮烈で強烈なシーンで表現されている。スピルバーグ監督はこのシーンについて「比喩的にいうと、母は私に、生涯をかけて数え切れないほどの竜巻を追いかけることを許してくれた」と話し、自身の母リアと彼女の世界観に捧げる特別なものだと語っている。また、ミッツィのモデルとなったのはリアだけではない。スピルバーグとともに脚本を手掛けたトニー・クシュナーも自身の母で、プロミュージシャンであるシルビア・クシュナーの姿を重ねていたという。トニーが2歳の時に、一家はニューヨークからクシュナーの父の故郷ルイジアナ州へ移り、それを機に著名なファゴット奏者だったシルビアはトニーと妹を育てるために音楽業界から引退している。彼女たちのように自分の夢を犠牲にし、折り合いをつけようと苦しんだ当時の大勢の女性たちを体現しているのがミッツィだと、クシュナーは言う。「彼女たちは、モダン・フェミニズムとみなされる第一世代ではない女性たちだ。大きな変化が訪れることを知ってはいたが、実際にはそれはまだ起こってもいなかった。彼女たちは、プレ・フェミニズムの期待に、囚われていたようなものだ」とクシュナーは語っている。さらに今回は、フェイブルマン一家のディナーシーンを収めた本編映像があわせて到着。2010年に『ブルーバレンタイン』での演技を観て以来、ずっとミシェルと仕事がしたかったというスピルバーグ監督は「彼女にはとても親しみを感じる何かがあった。それは単に、母がいつもしていたピーターパンカットのヘアースタイルを彼女が好んでいるからではない。彼女にはどこか懐かしさを感じる。それしか言えない。完全な直感だった。“彼女が脚本を気に入ってくれるといいな”と思っていた」と語っており、彼の頭には常にミシェルの存在があったことを明かした。そんなスピルバーグとの仕事についてミシェルは、「私たちは、まるで遊び場にいる子どものような気分だった。何でもできるような気がした。毎日が楽しくて仕方なかった。こんなに早く仕事場に行ったことはこれまで一度もなかった」とまで語り、巨匠との待望のコラボレーションだったことが伺える。『フェイブルマンズ』は3月3日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年03月05日日経ナショナル ジオグラフィック社(代表:滝山晋、所在地:東京都港区虎ノ門)は、『自己啓発の教科書 禁欲主義からアドラー、引き寄せの法則まで』を4月25日(月)に発行しました。本書は、世界のビジネスリーダーが読んでいる自己啓発本、数百冊を読み込んだ著者が、核となる考え方を10パターンに整理。100冊以上を例に挙げながら、自己啓発本の全系譜を解説したビジネス書です。いまや自己啓発は市場規模数十億ドルに育った世界的な産業です。しかし、自己啓発とは今にはじまった現象ではなく、何千年もの長い歴史の中で、哲学者や賢者、神学者たちが、良い人生とは何かを考え、それを実現するための戦略を練ってきました。「7つの習慣」「生き抜くための12のルール」「嫌われる勇気」「やり抜く力 GRIT」「人生がときめく片づけの魔法」ほか、世界的ベストセラーの自己啓発本から、時代を超えて今なお有益であり続ける10の自己改善策を紹介。それらが文化や時代を超えて、どのように進化してきたのか、そして、なぜ、今も私たちの心に響き続けているのかを明らかにしています。ビジネスパーソンだけでなく、向上の可能性を信じるすべての人に贈る、究極の自己啓発本です。『自己啓発の教科書 禁欲主義からアドラー、引き寄せの法則まで』アナ・カタリーナ・シャフナー著/大島聡子 訳/2022年4月25日発行/定価 2,200円(10%税込)/336ページ/四六判/ソフトカバー/日経ナショナル ジオグラフィック社 発行商品のご案内 Amazon 楽天ブックス 【目次】第1章 自分を知る第2章 心をコントロールする第3章 手放す第4章 善良になる第5章 謙虚になる第6章 シンプルに生きる第7章 想像力を働かせる第8章 やり抜く第9章 共感する第10章 今を生きるあとがき謝辞/注釈/索引■世界のビジネスリーダーが読んでいる自己啓発本100冊以上を解説!■核となる考え方を10パターンに整理して分かりやすく紹介!自己啓発本の系譜がこれ一冊でわかる!■ビジネスパーソンだけでなく、向上心を持つあらゆる人たちに贈る究極の自己啓発本! 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月10日子育てにおけるキーワードとして頻繁に見聞きする「ほめて伸ばす」という言葉。ただ、株式会社子育て支援代表取締役であり日本アドラー心理学会/日本個人心理学会正会員でもある熊野英一さんは、「ほめて伸ばす」子育てに潜む危険性を指摘します。アドラー心理学に基づく子育てでは、ほめるのではなく、「勇気づける」ことが大切だとされているのだそう。その理由とはどんなものでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカット)親子の信頼関係を壊す、子どもを操作しようとする「下心」アドラー心理学に基づく子育てでは、「ほめない」ことを大切にしています。その代わりに、子どもを「勇気づける」のです。こう言うと、「ほめることで子どもは伸びるのではないか」と思う人も多いでしょう。「ほめ言葉」が駄目だという意味ではありません。大切なのは、親の声かけのなかに「下心」をもたないこと。子どもをほめるときには、どこかで「子どもを自分の思い通りにしよう」という「操作」の下心が入りやすくなるものです。「いい子だから早く寝ようね」「こんなに勉強ができてすごいね!」と言って子どもをその気にさせようとする。そういった操作の下心があると、子どもとの信頼関係をきちんと築けなくなります。なぜなら、親の下心を子どもは敏感に察知するからです。最初は、子どももよろこぶでしょう。お父さんやお母さんから「いい子だね」と言われて嬉しくない子どもはいません。でも、親の下心は、表情やしぐさなどどこかににじみ出るものですから、そのうち必ず子どもにバレます。自分に置き換えて考えてみてください。仕事相手でもプライベートの知り合いでも、妙にお世辞を言うなどしてあなたのことをうまく転がそうとしてくるような人間と、いい関係を築けると思うでしょうか?そんなことはないはずです。ほめすぎることが子どもの人格形成に与える悪影響また、下心をもっているかどうかは別として、子どもをほめすぎることは、子どもの人格形成に悪影響を与えることもあります。ひとつは、「ほめられないとなにもしない子どもになる」ということ。ほめられることが当たり前になるために、ほめてくれないのなら勉強もしない、部屋の片づけもしない、といったことになります。また、「指示待ち人間になる」というのも、ほめすぎることが子どもに与える悪影響です。なぜなら、ほめるという行為の前提は、上下関係があるということだからです。子どもをほめすぎることは、「親は上に立って命令し、結果を評価する人であり、子どもは言うことを聞いたり親に依存したりして、その評価に左右される人」という関係をつくってしまう。その関係のなかで、子どもは指示待ち人間になっていきます。そして、最終的には子どもが「勇気を失ってしまう」ことにもなる。子どもを大げさにほめすぎるような親は、反面、子どもがちょっとしたミスをしたようなときには必要以上に叱りがちです。そういう親は、子どもが勉強の基本問題で正解できたようなときにも「わあ、すごい!」なんて大げさにほめ、「あなたは頭がいいから、応用問題もやってみようか」とけしかけます。でも、子どもは「基本問題だけでいい」とチャレンジから逃げてしまう。なぜなら、難しい応用問題でもいい結果を出せなければ、叱られることを知っているからです。ほめられないとなにもしない、自分で考えて行動できない、チャレンジする勇気がない――そんな子どもが、将来、自立した人生を歩んでいけるでしょうか?答えは考えるまでもなく「NO」ですよね。子どもを認めることが、子どもに「勇気」を与える大切なのは、ただ子どもをほめることなどではなく、子どもをひとりの人間として信頼してリスペクトすることにあります。もちろん、親と子、大人と子どもという立場の上下は存在する。でも、親子でコミュニケーションをするときには、縦ではなく横の関係であるべきです。それは、子どもを「認める」、子どもに「共感する」ことであり、そして子どもを「勇気づける」ことにつながります。テストで100点とったかそうではないのか、スポーツでいいプレーをできたかそうではないのか――そういった子どもがやったことの結果ではなく、子どもの気持ちに関心を寄せるのです。仮に結果がよくなかったとしたら、悔しさや恥ずかしさなど、子どもはさまざまな気持ちを抱いています。その気持ちに共感して寄り添うのです。そして、「じゃ、今度はどうしようか?」「なにか手伝えることはある?」と親が伴走してくれたなら、子どもにとってこれほど頼もしいことはない。きっと子どもは「よし、もう一回やってみよう!」という勇気を手にすることができるはずです。このように、子どもがなにかに失敗した場面でなら、「認める」「共感する」「勇気づける」ための親の振る舞いはイメージしやすいものでしょう。でも、逆に子どもがなにかに成功した場面ならどうでしょうか?それこそ、手放しでほめたくなるものですよね。下心のないほめであればいいですが、やはりほめることに重点は置かないようにしましょう。ほめてあげるよりも、もっと子どもを勇気づけるのは、「自分の気持ち」、そして「感謝」を伝えることです。子どもが打ち込んでいるなにかでしっかり結果を出した。そのとき、お父さんとお母さんから、「すごく嬉しいよ、ありがとう!」と言われた――。それこそが、子どもにとって最高の勇気づけです。『アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本』熊野英一 著/小学館(2018)■ 株式会社子育て支援代表取締役・熊野英一さん インタビュー記事一覧第1回:「○○ファースト」がポイント!アドラー心理学で親子間のコミュニケーションがうまくいく第2回:大事なのは我が子を無条件で信じる「信頼」。「信用」しかできないのはとても危険第3回:子育てでは“ほめないこと”が大切なわけ。アドラー流・子どもを「ほめずに勇気づける」方法第4回:つい叱りたくなるときでも、親は「インタビュアー」になれば落ち着いて我が子に向き合える(※近日公開)【プロフィール】熊野英一(くまの・えいいち)1972年1月22日生まれ、フランス・パリ出身。株式会社子育て支援代表取締役。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。メルセデス・ベンツ日本人事部門に勤務後、米国Indiana University Kelley School of Businessに留学(MBA/経営学修士)。製薬企業イーライ・リリー米国本社及び日本法人を経て、保育サービスの株式会社コティに統括部長として入社。約60の保育施設の立ち上げ・運営、ベビーシッター事業に従事。2007年、株式会社子育て支援を設立し、代表取締役に就任。日本アドラー心理学会/日本個人心理学会正会員。主な著書に『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館)、『アドラー子育て・親育て 家族の教科書 子どもの人格は、家族がつくる』(アルテ)、『アドラー子育て・親育て 育児の教科書 父母が学べば、子どもは伸びる』(アルテ)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年06月16日家庭教育の話題としても耳にすることが増えている「アドラー心理学」。そもそも、アドラー心理学とはどんなもので、子育ての場面ではどのように生かせるのでしょうか。そのポイントを、株式会社子育て支援代表取締役であり、日本アドラー心理学会/日本個人心理学会の正会員でもある熊野英一さんが教えてくれました。熊野さんは、アドラー心理学の考え方を生かすことにより、親子間のコミュニケーションが格段にスムーズになると言います。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人一般人でも実践的に使えるアドラー心理学アドラー心理学は、心理学の一分野です。その創始者であるオーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラーは、フロイト、ユングと並ぶ心理学の3大巨頭ですが、日本ではほかのふたりと比べて少しマイナーな存在でした。それが大きく変わったのが、2013年。アドラーの教えを伝える書籍『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社/岸見一郎・古賀史健 著)が大ヒットしたことで、日本にもアドラーの名が知れわたったのです。もちろん、アドラー心理学が注目を集めるようになった要因は、書籍のヒットだけではありません。なにより、その使い勝手の良さが大きかったと思います。アドラー心理学は、非常にシンプルでわかりやすい理論のため、子育てのほか、夫婦関係や職場での人間関係など、さまざまな対人関係に適用しやすいのです。では、アドラー心理学とは具体的にどういうものなのでしょうか。アドラーは、簡単に言うと、「どうすれば人は仲良くできるのか」ということを追求した人です。アドラー以前の心理学は、基本的に、心の問題を抱えている人を精神分析したりトラウマなど心の闇をまさぐったりして、「問題の原因を解明していく」というスタンスでした。でも、それでは即座に問題を解決することは難しい。いままさにけんかしている目の前の人とどうすれば仲直りできるのか、これから仲良くできるのか――。アドラーはそこにフォーカスしました。だからこそ、心理学について特別に学んでいない人たちであっても実践的に使える心理学として、アドラー心理学の注目度がどんどん増しているのだと思います。「子育ての最終目標」とは「子どもを自立させる」ことそのアドラー心理学の観点から、「子育ての最終目標」とは「子どもを自立させる」ことだと私は考えています。普通に考えると、親は子どもより長く生きることができません。そうであるなら、子どもが親から離れて自活し、自らの幸せをつかめるような人間に育てること、すなわち自立させることが親の役割だと言えます。また、自立に加えて、もうひとつの大事なキーワードが、アドラー心理学の専門用語で「共同体感覚」と呼ぶものです。わかりやすく言うと、「公共心」とか「思いやり」になるでしょうか。どんな人間にとっても自分は大事ですから、必要以上に自分を犠牲にする必要はありません。その一方で、社会生活を営む人間としては、「自分さえよければいい」という考え方はNGでしょう。自分を大事にして自らの幸せを追求しながらも、困っている他者に対して手を差し伸べることができる感覚――。共同体感覚を誰もがもっていたとしたら、その社会はきっとハッピーであるはずです。そういう点では、自分も他者も大事にできる共同体感覚をもっている人間が、自立している人間だと定義できるかもしれません。もちろん、アドラー心理学を学んだ経験がない人でも、親であれば誰もが「子どもに自立してほしい」「自分も他人も思いやれる人になってほしい」と願うものでしょう。ところが、実際の子育てとなると、さまざまな問題に直面します。その筆頭が、子どもに対する「イライラ」や「怒り」の感情ではないでしょうか。親は子どもを愛しているからこそ、イライラしてしまうでは、イライラや怒りとはなにか?それらは、心理学的には「二次感情」と呼ばれるものです。でも、二次感情以前に別の感情である「一次感情」があります。それらが増大して沸点に達した結果、イライラや怒りになるのです。代表的な一次感情は、「落胆」「心配」「不安」「寂しい」「悲しい」の5つ。「いい子に育ってほしい」と期待しているから落胆がある。「健康でいてほしい」と願うから心配するし不安にもなる。子どもと離れると寂しいし、子どもと愛し合えなくなったら悲しい。どれも親が子どもに対してもちやすい感情ですよね。つまり、これらの感情は親としての子どもへの愛情とセットのものです。親はみんな子どもを愛しています。だからこそ、一次感情が膨らんでイライラや怒りを抱えてしまうのです。つまり、親が子どもに対してイライラや怒りを覚えるのは当然のこと。問題は、親の気持ちの伝え方にあるのです。二次感情のイライラや怒りをそのままぶつけるから、親子関係がうまくいかなくなる。そうではなく、冷静に一次感情を伝えることを考えましょう。親子間に欠かせない「共感」は、「同意」とはまったくの別物そして、それ以前に子どもの話をきちんと聞くことを心がけてください。その際のキーワードとなるのが、「共感ファースト」。まずは子どもの話を聞いて、その思いに共感することが重要なポイントです。ただ、注意してほしいのは、「共感」と「同意」はまったく別物だということ。「共感=同意」だと考えると、すべて子どもの言いなりになるしかありません。それではやはり、親としては納得できない。「同意できないから、私は共感もしない」と考えてしまい、きちんと子どもの話を聞いてあげられなくなり、親子間の衝突が起きるのです。同意しなくてもいいのです。でも、まずは共感してみましょう。たとえば子どもが友だちに暴力をふるったとします。その行為自体はいいものではありませんから、絶対に同意はできないでしょう。でも、その行為の裏には、暴力をふるってでも守りたかった自分の正義があったのかもしれない。その本心をきちんと聞いて共感してあげないことには、子どもはいつまでたっても「どうしてわかってくれないんだ!」と親に対して不信感を募らせるだけです。でも、親がしっかり子どもの話を聞いて共感してくれたら、「お父さん、お母さんは、自分のことを本当にわかろうとしてくれているんだ」と子どもは思いますよね。そうすれば、そのあとのコミュニケーションもスムーズになる。「あなたの気持ちはよくわかった、でもやっぱり暴力はよくないと思う」と同意できないことを伝えても、自分に共感してくれた親の言葉になら、子どもは素直に耳を傾けてくれるはずです。『アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本』熊野英一 著/小学館(2018)■ 株式会社子育て支援代表取締役・熊野英一さん インタビュー記事一覧第1回:「○○ファースト」がポイント!アドラー心理学で親子間のコミュニケーションがうまくいく第2回:大事なのは我が子を無条件で信じる「信頼」。「信用」しかできないのはとても危険(※近日公開)第3回:子育てでは“ほめないこと”が大切なわけ。アドラー流・子どもを「ほめずに勇気づける」方法(※近日公開)第4回:つい叱りたくなるときでも、親は「インタビュアー」になれば落ち着いて我が子に向き合える(※近日公開)【プロフィール】熊野英一(くまの・えいいち)1972年1月22日生まれ、フランス・パリ出身。株式会社子育て支援代表取締役。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。メルセデス・ベンツ日本人事部門に勤務後、米国Indiana University Kelley School of Businessに留学(MBA/経営学修士)。製薬企業イーライ・リリー米国本社及び日本法人を経て、保育サービスの株式会社コティに統括部長として入社。約60の保育施設の立ち上げ・運営、ベビーシッター事業に従事。2007年、株式会社子育て支援を設立し、代表取締役に就任。日本アドラー心理学会/日本個人心理学会正会員。主な著書に『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』(小学館)、『アドラー子育て・親育て 家族の教科書 子どもの人格は、家族がつくる』(アルテ)、『アドラー子育て・親育て 育児の教科書 父母が学べば、子どもは伸びる』(アルテ)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年06月12日音楽劇「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -case. 剥離城アドラ-」のプレビュー公演が12月15日(日)に上演され、本公演が12月19日(木)に開幕する。三田誠の同名小説『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の初舞台化となる本作。総合演出をウォーリー木下、脚本を斎藤栄作、演出を元吉庸泰、音楽を和田俊輔が手掛ける。魔術の世界を舞台に、松下優也が演じるロード・エルメロイII世と青野紗穂が演じる内弟子グレイがさまざまな事件に立ち向かう物語。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】この日、稽古が行われていたのは、ロード・エルメロイII世とグレイ、ハイネ・イスタリ(百名ヒロキ)や時任次郎坊清玄(木戸邑弥)、フリューガー(松田慎也)らが、化野菱理(壮一帆)に食堂に招かれ一堂に会するというシーン。多くのキャラクターが登場する場面だが、芝居が開始してすぐに一人ひとりの個性が伝わってくる。あちこちで会話が繰り広げられる賑やかなシーンであったが、その中で紛れるように行われるシリアスなやり取りに自然と目がいくように、元吉が丁寧に演出をつけていく。続いて行われたのは、ハイネと謎の獣が激しく戦うアクションシーン。息がピッタリ合わなければ危険が伴いそうな場面だが、見ていて気持ちがいいほど鮮やかな仕上がり。百名をはじめとするキャストたちの身体能力の高さが感じられる。また、和田による音楽も印象的で、キャストがズラリと顔を揃えて歌うシーンも迫力満点だ。稽古場には大掛かりなセットが建てられており、それを移動したり回転したりすることで、さまざまなシーンが作り上げられる。この日は披露はなかったが、公演では、映像はもちろん、マジックやさまざまな方法で魔術を表現するという。チームワークが大切な芝居になりそうだが、稽古場は笑顔が多く、稽古の合間でもそれぞれが掛け合いの練習をしていたり、アクションの確認をしていたりと活気ある雰囲気。どんな舞台になるのか楽しみになる稽古場だった。プレビュー公演は12月15日(日)に千葉・市川市文化会館 大ホールにて上演、本公演は12月19日(木)から東京、大阪、福岡を巡演し、2020年1月17日(金)から19日(日)まで東京・新宿文化センター 大ホールにて上演。取材・文・撮影:中川 實穗
2019年12月11日アドラー心理学を元に、夫婦仲の改善方法や子育てのコツなどを連載中の熊野英一さん。熊野さんは、アドラー心理学を用いた子育て事業をメインに行なっているコミュニケーションのプロ。そんなアドラー心理学や子育てに精通している熊野さんとは、一体どんな方なのでしょうか。そこで、熊野さんの経歴や現在の事業内容などを通して、「アドラー心理学」を知ったきっかけを伺いました。華やかなキャリアの会社員時代●華やかなキャリアだった会社員時代ー今までの経歴を教えていただけますか?仕事は、最初にメルセデスベンツで人事を担当し、そのあとにMBAを取りにアメリカへ行って、そのままアメリカの製薬会社のイーライリリーでマーケティングを担当。次に国内の企業での保育サービスの統括を経験し、その保育の経験を元に独立しました。プライベートは、メルセデスベンツ時代に同じ部署の女性と結婚し、2人の息子がいます。今は離婚していますが、家族みんな仲良しですよ。アドラー心理学のおかげかもしれません。●独立準備のために保育の仕事をするが…ー外資系から保育への転職理由は何ですか?メルセデスベンツもイーライリリーも、スマートな会社でした。でも、ワクワクしなかったのも事実です。学生時代から独立したいという意思もあり、保育の仕事で起業を考えていました。そんなときに、知り合いから保育の仕事のオファーをいただき、引き受けました。でも、思っていた以上に保育の世界は厳しかった。論理的な思考をしても解決できない問題ばかりで、もう頭がパンクしそうになりましたね。激務のおかげで激ヤセするし、家族の時間は減っていくし、あの1年半は本当に辛かったです。知ってますか?足って痩せるんですよ。履いていた靴がパカパカになるんですよ…。●問題ばかりの保育の世界を変えたいー会社を辞めて独立したきっかけは何ですか?私が働いていた会社が、他の会社に吸収されることになりまして、そのタイミングで私も辞めました。辞めたときは、次の会社も決まっていなくて、妻に怒られて関係が悪くなったのを覚えています。ただ、もう会社員をやる気にはなれなくて、学生時代から思い描いていた独立を決意したんです。事業内容は、もちろん「子育て」関連です。保育の世界で働いていた身として、必ず役に立てると思いました。事業に行き詰まっていたときにアドラーに出会う●保育の仕事を通して感じた問題点ー現在の事業内容を教えていただけますか?私の行なっている事業は、大きく分けて「子育て」と「親育て」の2つです。企業や団体への講演会やコンサルを行なったり、待機児童問題への対策などがメインの仕事です。目標だった本の出版もできて、嬉しい限りです。今の事業を行おうと思ったきっかけは、前の会社で60近い保育施設の立ち上げや運営を携わったことで、日本の子育ての問題を肌で感じていたからです。「もっとみんなを笑顔にしたい」と純粋に思っていました。パパ向けに書かれた熊野さんの2冊の著書●アドラーに出会って考え方が変わったー最初からアドラーを活かしていたんですか?アドラーに出会ったのは、独立して数年後ですね。ありがたいことに今は事業も安定していますが、最初はものすごい大変でした。離職する従業員も多いし売り上げも上がらないし。そんなときに「アドラー心理学」に出会ったんです。読んだときは、「素晴らしい。大切なのはこれだ!」と興奮していましたね。そこからアドラーを事業に取り入れるようになり、従業員もお客さんも喜んでくれる方が増えるようになっていきました。●アドラーを通じてハッピーになる人が増えてほしいーどのようにアドラーを取り入れましたか?先ほど「親育て」という事業をやっていると言いましたよね。簡単に説明すると、アドラー理論を通して、ママやパパの成長を促す研修サービスのようなプログラムを用意しています。もちろん子育てにもアドラーを活かしていますが、親育ての一環であるカウンセリングを受けてくれた夫婦などが、少しずつ変わっていく姿は何度見ても感動的です。会社のURLにも「ハッピー」という言葉を入れたように、これからもアドラーを通じて、みんなをハッピーにしていきたいと考えています。パピマミ読者のパパ・ママへメッセージー最後に、パピマミ読者のパパとママへ一言ずつアドバイスをいただけますか?●パパは、伝え方を組み立てる意識を持とうパパたちは、本当にみんな頑張っていると思います。いい加減に考えている人はまず見かけません。だけど、伝え方が下手なパパが多いのも事実です。奥さんに自分の想いを懸命に伝えるのは大事だけど、伝わらないと意味がないんですよね。今まではコミュニケーションを見よう見まねでやっていたと思うんですけど、まずは基本的な使い方を磨いていきましょう。どんな癖があるのか、どんな思い込みを持っているのか、伝え方のズレを認識することが大切です。未来志向を持ちながら、改善意識を持ってみてください。まだピンと来なくても大丈夫。これから、少しずつ理解していきましょう。●ママは、相手を理解しようとする姿勢を持とう多くのママは、パパに対して「自分を理解してほしい」と強く願っています。そもそも、自分を理解してくれない人と分かり合おと思えませんよね。その気持ちもわかります。だけど、そのまま自分本位で考えていても、相手は変わってくれません。「自分を理解してくれない!」と嘆くのではなく、「先に相手に歩み寄れば、相手も歩み寄ってくれるはず」と考えて、こちらから理解する努力をしてみませんか?どちらかが先に歩み寄らなければ、夫婦仲は好転していきません。あなたから歩み寄る勇気を持ってみましょう。ー本日は、ありがとうございました。----------【熊野英一さんプロフィール】アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える<親と上司の勇気づけ>プロフェッショナル。「ほめない・叱らない!アドラー式勇気づけ子育て各種講座」「アドラー心理学に基づく部下の自立を促すイクボス養成講座」等のテーマで講師を務める。株式会社子育て支援代表取締役。フランス・パリ生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。 メルセデス・ベンツ日本にて人事部門に勤務後、米国Indiana University Kelley School of Businessに留学(MBA/経営学修士)。●文/パピマミ編集部●アイキャッチの似顔絵/エイイチ
2018年12月11日「夫婦がアドラー心理学を用いて家族を笑顔にする方法とは?(前編)」でインタビューさせていただいた熊野英一さんのお話の続きになります。後半では、アドラー心理学を実際に生活に取り入れて、家族を笑顔にする方法を伺ってきました。夫婦でアドラーを実践するコツは「対話」ー「家族を笑顔にしたいパパのための本」を読んで、素直に実践される方はいいのですが、アドラー心理学は実践するのが難しいと言われていますよね。夫婦生活にアドラーを取り入れるためのコツってあるんでしょうか?熊野:私からの提案は、「相手の話を聞く」ってこと。対話する時間を持つ。夫婦の問題のほとんどの原因は、対話をしていないことで起こります。夫婦で、正直に話し合っていない。だから具体的なソリューションとしては、話す時間を確保して、「あなたをもっと知りたい」って伝えてあげるのが大事。女の人は、言わずしてわかってほしい、って気持ちが強いですよね。それをわかってもらうために、ムッとした顔をしたり、イライラのオーラを持ち出したり。男の人が、その感情の変化に共感してわかってあげるのも大事だけど、その前に女の人の方から直接言った方が早いでしょ。だからこそ言ってくれていいんだよ、って伝えるのが大事。夫だったら、「そんなの言わないとわからないよ」って伝えてあげること。ーまずは対話だと。喧嘩すると口数が増えて、仲直りしやすくなったりしますよね。熊野:喧嘩して仲直りするのも大切ですけど、その前に対話が大事ですよ。相手にとって嫌なことでもしっかり伝えること。その経緯もしっかり伝えるのも忘れずに。みんなが思っている以上に、話し合うって大事。みんなが思っている以上に、仲良くなればなるほど阿吽の呼吸とかで、「言わなくても分かるだろ?」状態になってしまう。だからこの常識を一回取り外しましょうよっていう提案を本書でしています。そして、話し合いの場を設けたら、こちらが「聴く」場にしてあげる。話し合いの場だけど、とにかく「聴く」ことに徹してみてください。自分が何を思っているか、正論をぶつけるとかではなく、まずは相手の話を聴く。数式と同じですよね。まずこっちの話を聴く。で、自分の話を聴いてもらうのは次に。すると、会話の時間が良くなる。ーアドラー心理学は実践できない、という常識を打ち破るためにも、まずは対話を徹底することが大切ですね。熊野:そうです。難しいと言われがちですけど、「そんな難しくないよ」って教えてあげたい。本質はすごいシンプルだし、それこそ勇気を持って踏み出せば、すーっといけるんだよっていう。今まで怖いと思っていたことを一歩踏み出して、やってみて変わるっていう体験をした人はいいんです。でもそういう人は少数だから。本書がそのきっかけになればいいな、と。正しい「お手本」を相手に見せてあげるーただ、相手がこちらの意図に従ってもらえないときは、どうすればいいのでしょうか?話し合いの場すら設けられない夫婦もいらっしゃると思うのですが。熊野:そもそも、人を操作したりコントロールしたりすることは、できないんです。アドラーもそれを否定しています。大切なのは、「お見本」を見せること。本書でも何回も「お見本」って言葉を使っています。例えば、パパがアドラーの理論を実践してみる。共感ファースト、つまりまずは、相手を思いやること。そして、全幅の信頼を寄せる。そしてママから、「なんでそんなに気持ちをわかってくれるの?」と言ってもらえるまで、アドラーの理論を実践してみる。そこで初めて、「アドラーのやり方を試してるから、ママもやってみない?」って話にすればいいんです。すると、相手も変わり始めてくれる。夫婦で同時にアドラーを実践しなくていいんです。まずは片方が試してみて、相手が真似したくなるような「お見本」になればいい。ー相手を変えようとする時点で、課題を分離できていませんよね。相手をコントロールして操ろうとしてしまっている。熊野:相手を変えられなくても、自分は変えられる。相手にとっての「お手本」になって、相手が変わるきっかけを作ってあげる。この方式が大切。全て、「お見本」になろうなんですよ。子育ても、まさにお見本ですよね。子どもは親を真似するから。自分がやるしかない。お見本を見せるのが、一番簡単で、強力な影響力の与え方です。ーなるほど。相手を変えるのではなく、まずは自分を変えるのだと。この考え方は、仕事や友人関係にも使える考え方ですね。熊野:そうなんです。良いものに出会ったから、それを周りに伝えようと思うのは良いんですよ。ただ、やり方が押しつけると伝わりませんよね。いいものを上手に伝えること。押しつけたり上から目線に伝えない。お見本になるのが大事。コミュニケーションは、家庭だろうが、職場だろうが、やることは同じです。共感ファースト。子どもでも上司でも、同じように接すること。それをぜひ伝えたくて。完璧を求めず、夫婦で考え続けるー熊野さんが仙人に見えるのですが、熊野さんでも合わない人っていらっしゃるんですか?熊野:僕らは仙人を目指しているけど、不完全だから、もちろん私にも合わない人がいますよ。全ての人と分かち合うのは難しいです。それはしょうがない。できないときもある。大切なのは、完璧を求めないこと。できてない方に目を向ける必要はない。そこは割り切って、自分が気持ちいいように意味付けをすればいい。たまにできないことがあっても、修行だと思えばいい。コツコツと積み重ねていくしかない。それが、アドラーを生きるってことに繋がります。ー熊野さんにも合わない人がいらっしゃるんですね。安心しました。アドラー心理学を実践しようとすると心が折れる場面があると思いますが、そのときはどのようにされていますか?熊野:こちらがお見本を見せても、相手が受け取ってくれないと、たしかに心は折れます。でもベストを尽くしたいのなら、それでいい。変わるかどうかは、相手が決めることだから。相手が変わらないからって、自分が折れる必要はない。相手に折られてると感じてる時点で、相手の課題を引き受けてしまっている。健全に諦めましょう。諦め切らなくても、長期的に見るのも大事。わたしはベストを尽くした、それでいいんです。ー最後に、夫婦の皆さんに、アドバイスをいただけますか?熊野:本当だったら愛し合ってる二人なのに、お互いがバカにしたりとか、主導権争いをしたりだとか。もったいないですよね。お互い助け合いましょう。「二人でどうする?」って、考えることが大切です。その考えるきっかけに、「家族を笑顔にしたいパパのための本」が、なればいいなと思います。ー本日は、ありがとうございました。まとめ夫婦関係や子育て、仕事にも応用が効くアドラー心理学。そのアドラー理論を体系的に教えている熊野さんの話は、パピマミ編集部としても刺激的でした。インタビューの途中から、カウンセリングのような雰囲気になったほどでして。お恥ずかしい限りです。このインタビューを見て、熊野さんの著書やアドラー心理学が気になった方は、「家族を笑顔にしたいパパのための本」をぜひ手にとってみてください。そしてそして、もう1つ報告があります。2018年の7月に発売された本書の続編が、2018年の10月に発売されます。家族を幸せにした次は、働き方もよくしていこう!という内容で、公私ともに幸せになるための方法が書かれています。ぜひ楽しみにしていてください。続編の著書も、パピマミでご紹介させていただきます。→家族を笑顔にしたいパパのための本【熊野 英一さんプロフィール】アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える<親と上司の勇気づけ>プロフェッショナル。「ほめない・叱らない!アドラー式勇気づけ子育て各種講座」「アドラー心理学に基づく部下の自立を促すイクボス養成講座」等のテーマで講師を務める。株式会社子育て支援代表取締役。フランス・パリ生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。 メルセデス・ベンツ日本にて人事部門に勤務後、米国Indiana University Kelley School of Businessに留学(MBA/経営学修士)。HP:株式会社 子育て支援
2018年09月22日「子どもはほめて伸ばすのがいい」とさまざまなところで言われていますが、じつは「『ほめ』には副作用がある」って知っていましたか? 「ほめるとは『結果』を評価すること」と話すのは原田綾子さん。これまでアドラー心理学を取り入れ、1万5000人以上のママを勇気づけてきた勇気づけ親子教育専門家です。しかし、ほめないと自信がない子に育ってしまいそうで、心配に思うママも多いことでしょう。そんな不安なママに原田さんから「子どもが安心して自信が持てるようになる方法」を教えていただきました。 「自分から行動できる子」を育てるには? 【子どもが伸びる「アドラー式子育て」1】 の続きです。※アドラー心理学とはウィーン生まれの医師、アルフレッド・アドラー(1870~1937年)が提唱し、後継者たちが発展させてきた心理学。フロイト、ユングと並ぶ三大巨匠。軍医として第一次世界大戦に関わったアドラーは「二度と戦争を起こさないために人間の心を変えなければならない」と考え、お互いに尊敬し、信頼し合う「よこの関係」を結び、圧力や暴力ではない民主的な方法で問題を解決することを提唱しました。■親子関係って“タテ?” “ヨコ?”「ほめ」の是非を考える前に、まずは親子の関係について考えてみましょう。「なんで着替えてって何度も言ってるのにやらないの?」「いまは遊ぶ時間じゃないでしょ。ごはんだから片付けなさい!」などと、毎日のように小言を言ってうんざりしていませんか?「毎日の育児で子どもに注意ばかりしていると、ママも疲れてしまいますよね。ちょっと立ち止まって、親子の関係を見直してみるといいかもしれませんね。親子の関係は一見“タテ”のように思えるかもしれませんが、アドラー心理学によれば“ヨコ”なんです。親が一方的に決めたことに子どもが従う『主従関係』ではなく、お互いの考えを尊重し合う『対等な関係』。年齢や家族の中での役割は違っても、存在価値は同じという考え方です」と原田さんはいいます。ちなみに、『なあなあ』の関係になりがちな「友達親子」とは異なります。「たとえば、ママ自身が帰宅してすぐパパに『食事の用意を早くして!』『家が散らかっているじゃないか!』と言われたらどんな気分でしょうか? 一方的に言われると、『いまからやろうと思っていたのに~!』とやる気をなくしますよね。子どももそれと同じなんです。だから、子どもが言うことを聞かないからといって、一方的に親の考えを押しつけるのではなく、まずは子どもの考えを聞くといいですね」と原田さん。■「子どもをほめる」ことには副作用もある!たとえば、子どもがちゃんと片づけをしたときに、どんな声かけをしますか? 「上手に片づけられてすごい!」「ちゃんとできてエライね」でしょうか。ところが、原田さんはこう指摘します。「ほめてもよいのですが、『ほめ』てばかりだと副作用があります。私が小学校の教師をしていたとき、教室に落ちていたゴミを拾った子に『エライね』といつもほめていました。ところが日中、私が不在にして戻ったある日のこと。教室はゴミだらけに! 子どもたちは『ほめられるためにゴミを拾っていた』ことに気がつきました。行動の目的が『ほめられる』ことになっていたのです。先ほどの片づけの例で言うと、『片づけないなら、おやつをあげないよ』などと罰するのも同じこと。賞罰は子どもを評価する“タテ”の関係です。賞罰の環境の中で育った子は、周りの評価を気にしすぎたり、失敗を恐れて行動できなくなったりすることもあります。そしてほめられないと『ダメな私』と思ってしまい、自信をなくていったり、指示待ち人間になったりする可能性もあるんです」では、子どもが何かできたときに、ほめずにどうやって声をかけたらいいのでしょうか?「おすすめは、『勇気づけ』。『ほめ』は子どもを評価する行為であることに対し、『勇気づけ』は子どもに共感的に関わり、結果ではなく姿勢や過程に注目します。先ほどの片づけの例で言えば、『がんばったね』『最後までできたね』など、親からしたらあたり前と思えるようなことを言葉にして伝えます。3歳ごろからは『勇気づけ』ができるといいですね」■「勇気づけ」の声かけのポイント「勇気づけ」をするといっても、どうやって声をかけたらいいのでしょうか?原田さんに声かけのポイントと具体的な例を5つ、教えていただきました。1.貢献や協力に注目する例)お手伝いをしてくれたとき「●●ちゃん(●●くん)のおかげで、ママ助かった」2.過程や姿勢を重視する例)子どもがかけっこで1番になれなかったとき「今回は残念だったけど、たくさん練習したよね」3.すでに達成できていることに注目する例)ピアノがなかなかうまく弾けないとき「この部分はすらすら弾けたね。苦手なところも練習すればできるようになるよ!」4.失敗も受け入れる例)お茶をこぼして机が汚れたとき「うわーびっくりしたね。一緒に拭こうか(または「これで拭いてもらえる?」)5.他の子と比べずに、個人の成長を重視する例)テストの点数がイマイチだったとき「(平均点より低くても)前回よりここができているね」「ママが自分ならどんなふうに言われたらうれしいか考えてみると、わかりやすいでしょう。『勇気づけ』をして、子どものやる気と自信を育てていけるといいですね」■今回のお話を伺った原田綾子さんのご著書 『マンガでやさしくわかるアドラー式子育て』 ¥1,512(税込)(日本能率協会マネジメントセンター)子どもが言うことを聞かなくて困っている/感情的に子どもを怒ってしまう自分を変えたい/「自立した子」に育てたいけれど、何をどうしたらいいのかわからない……。そんな悩みを抱えるママたちに、「あるある」と思わずうなずいてしまうようなマンガと解説で、アドラー心理学による子育てをわかりやすく紹介しています。原田綾子さん勇気づけ親子教育専門家。株式会社HeartySmile 代表。1974年生まれ。埼玉県在住。二女の母。小学校教員時代、子どもを伸ばすには母親自身の心がイキイキしていることが重要だと気づき、教員退職後、「勇気づけ」をベースとした子育て講座、講演活動を開始。関東だけではなく、全国各地に受講生が多数おり、10年間でのべ1万5000人以上に勇気づけを伝えている。著書に『アドラー式「言葉かけ」練習帳』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。原田綾子さんオフィシャルブログ:
2018年03月13日「子どもに片づけてと言っても、片づけてくれない」「何回注意しても歯みがきしない」なんて経験はありませんか?「困った」行動をする子どもに対して、ママはイライラしてしまいがちです。どうすればイライラせずに、子どもに関わることができるのでしょうか?アドラー心理学を取り入れ、ほめない・怒らない・比べない「アドラー式子育て」を推奨し、勇気づけ親子教育専門家として1万5000人以上のママを勇気づけてきた原田綾子さんに、子どもとの関わり方のコツを教えてもらいました。※アドラー心理学とはウィーン生まれの医師、アルフレッド・アドラー(1870~1937年)が提唱し、後継者たちが発展させてきた心理学。フロイト、ユングと並ぶ三大巨匠。軍医として第一次世界大戦に関わったアドラーは「二度と戦争を起こさないために人間の心を変えなければならない」と考え、お互いに尊敬し、信頼し合う「よこの関係」を結び、圧力や暴力ではない民主的な方法で問題を解決することを提唱しました。■子どもの「困った」行動の原因探しは必要ない?子どもが言うことを聞いてくれないと、「なんで私の言うことを聞いてくれない(なかった)の?」と、ママは子どもが「困った」行動をする理由探しをしてしまいがち。ところが、原田さんはこういいます。「原因を探しても、『厳しく言い過ぎたかも』など過去の自分を責めてしまうことに。アドラー心理学は未来に向けていまからできることを考えて行動する未来志向の心理学。未来に考えを向けていくためにも、子どもの困った行動の目的に注目してみましょう。『困った』行動をするのはズバリ、親や周囲の気をひきたいから。ママのことが大好き♡アピールなんですね。困ったことをすれば、ママは僕(私)のことを見てくれる。そうやって安心感を得ているのです」■ママが注目するのは「できないこと」ではない子どもが困った行動をしたときは、ママに注目してほしいから。だからダメな行動に注目すると、ダメな行動を増やすことになります。だから子どもが普段できているところに目を向けて、「いつも応援しているよ」「大好きだよ」が伝わっていれば、子どもは親の注目を引くために、わざわざ困った行動をしなくてもすむのです。「たとえば、子どもが部屋を散らかしてしまったとき。『散らかした』というダメなところにだけ目が向いてしまうと、ほかにもどんどんダメなところが目についてダメ出し批判ばかりしてしまうことに。意識して、『できたこと』に目を向けられるよう、トレーニングしましょう。子どもにダメ出しではなく、ヨイ出しをすると、子どもの良い部分が増えていきます」アドラーは、おもちゃを散らかした子どもに出会ったとき、「上手におもちゃを広げたね。じゃあ集めてみようか」と声をかけたそう。なんて神対応なんでしょう!でも、なかなかそこまでは言えないママも多いはず。そこで原田さんのおすすめはコチラ。「わー! 楽しく遊んだね~! 一緒に片づけようか♪」「この音楽が鳴り終わるまでに片づけよう!」こうやって声かけすることで、子どもも気分よく片づけをするようになります。ポイントは、このように、子どもに楽しい雰囲気が伝わるようなゴキゲンな声かけをすること。アドラーみたいな『神対応』は難しくても、これならできそうだと思いませんか?■自分から行動できる子にするためには「子どもには将来的に、自分で考えて自分で行動できる子になってほしい」と、願うママは多いもの。社会を生き抜いていくための基本ともいえる、「自立した人」になること。そこで大切になってくるのが、子どもが小さいころからの、日々の声かけです。「『~しなさい!』など指示や命令よりも、『~したらどうかな?』『ママはこう思うけど、あなたはどう思う?』など提案をするようにしましょう。そして親子で話しあって、最終的には子どもが自分で決める経験をすることが大切です。」少し先のようにも思えるママもいるかもしれませんが、何歳ごろからこういった声かけを始めたらいいのでしょうか?「子どもが2、3歳でもできることはいっぱいあります。遊び一つをとってもそう。『折り紙にする? DVDを観る?』など、小さな選択も自立への第一歩なんです。『小さいうちは親が決めて…』と思わずに、まずはできることから始めてみましょう」■今回のお話を伺った原田綾子さんのご著書 『マンガでやさしくわかるアドラー式子育て』 ¥1,512(税込)(日本能率協会マネジメントセンター)子どもが言うことを聞かなくて困っている/感情的に子どもを怒ってしまう自分を変えたい/「自立した子」に育てたいけれど、何をどうしたらいいのかわからない……。そんな悩みを抱えるママたちに、「あるある」と思わずうなずいてしまうようなマンガと解説で、アドラー心理学による子育てをわかりやすく紹介しています。原田綾子さん勇気づけ親子教育専門家。株式会社HeartySmile 代表。1974年生まれ。埼玉県在住。二女の母。小学校教員時代、子どもを伸ばすには母親自身の心がイキイキしていることが重要だと気づき、教員退職後、「勇気づけ」をベースとした子育て講座、講演活動を開始。関東だけではなく、全国各地に受講生が多数おり、10年間でのべ1万5000人以上に勇気づけを伝えている。著書に『アドラー式「言葉かけ」練習帳』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。原田綾子さんオフィシャルブログ:
2018年03月12日化粧品ブランド、クリニーク(CLINIQUE)は、インテリアデザイナー・陶芸家として世界的に活躍する「ジョナサン アドラー」とコラボレートしたメークアップ コレクションを、2017年8月4日(金)より数量限定発売中。NYを拠点に活躍するジョナサン アドラーは、陶器からインテリア小物、家具まで、独自の感性と世界観でファンを魅了し続けるインテリア デザイナー、陶芸家。今回、同じNYを拠点とするクリニークと夢のコラボレーションが実現し、この秋限定のグラマラスなメークアップ コレクションが完成した。カプリ、パルムビーチ、サントリーニなど、デザイナーお気に入りの旅先からインスパイアされたカラー アイテムは、手に取る度に、まるで世界のリゾート地を旅するようなゴージャスな気分に。アイ、チーク、リップカラーから、メークブラシ、コンパクトまで、今だけのスタイリッシュなコレクションで高感度なメークを楽しんで。クリニーク × ジョナサン アドラー コラボレーション・クリニーク ポップ JA [リップカラー]全7色(うち限定3色/既存4色)各¥4,000・リッド ポップ JA [アイシャドウ]全3色(既存色)各¥3,200・チーク ポップ JA [チークカラー]全3色(既存色)各¥3,600・ザ ルクス ブラシ コレクション JA 全1種¥6,500・プリティ サイド バイ サイド コンパクト JA 全1種 ¥1,500■2017年8月4日(金) 数量限定発売
2017年08月07日エキゾチックなデザインのジュエリー株式会社サンモトヤマは東京都中央区銀座にある「ギャルリーためなが」にて2017年4月20日(木)~22日(土)の期間、アドラー社の新作ジュエリーを披露する。アドラーはジャック・アドラーの手によってイスタンブールで産声を上げたジュエリーブランド。東洋と西洋が融合した街並みで誕生したこのブランドのジュエリーはエキゾチックなデザインが魅力だ。仕入れやデザインだけでなく、加工から小売りまですべて自社で監督しているため価格が抑えられている。また、一貫生産することでジュエリーのすべてにわたって保証することが可能。この独自の生産スタイルもファンを魅了しているポイントのひとつだろう。個性的なジュエリーが多数今回のイベントにはアドラー社のカレン・アドラーが登場。カレンがアドラージュエリーの特徴やどのようにつけたら素敵に見えるかなど直接教えてくれる。このイベントにはカレンが初めてデザインを手がけたコレクション、「Shinsei」も並ぶ。この「Shinsei」という名前は日本語の「新生」に由来しており、ダイヤモンドとエメラルドにカーボンを組み合わせたデザインが特徴だ。素晴らしい職人技のハイジュエリーはもちろん、異素材を組み合わせたユニークなジュエリーを楽しみにイベントへ出かけてみてはいかがだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社サンモトヤマプレスリリース(@Press)
2017年04月17日これまで2週にわたってアドラー心理学についてご紹介してきました。前々回は「人間関係における3つのタスク」と「信頼関係を築くコツ」について。前回は人の行動にはすべて目的があるという観点から、「決断できない人は、なぜいつまで経っても決められないのか」というお話をしました。今回は、理想のカップルになるために必要なことは何かを解説します。■「他人を変えるために自分を変える」は不正解?私は以前、とあるSNSの恋愛相談コミュニティーを管理運営し、そちらを通して年間2千人以上におよぶ方々の恋愛相談を承っていました。その際、「彼氏が頼りなくて不満…。彼に頼りがいのある大人になってもらうには、どうしたらいいでしょうか」という相談を何度か受けたことがあります。そうして多くの人が「他人を変えることはできないから、自分が変わるしかない。だから頼りがいのない彼と諦めて付き合うしかない」と回答しているのを目にしてきました。でも、本当にそうでしょうか?確かに「自分を変えることができても、他人を自分の思い通りに変えることはできない」という定説には一理あります。ただしアドラー心理学では、「他人を変えるために自分を変える」ことはできないと説いているんです。自分を変えるのは、あくまで自分のためでしかない。つまり、自分が必要だと思えないと自分を変えることなどできないのです。■自分のために自分を変える頼りないと感じる要素があるのに、それをなかったことにして関係を続けるのは自分に「嘘」をつくことになります。このような「嘘」をつき続けることは「前進」ではありません。でも、もし頼りないと感じる自分の「人を見る目」が非常に狭いものだったら?「人を見る目」を豊かにすることで、自分が考えていた「頼りがい」の認識そのものを変えることができたら、それは「前進」といえるでしょう。デートのとき、いつもなんだかんだ頼りない彼。だけど、職場では率先してバリバリ働く責任感あふれる大人かもしれない。自分が見えている「相手」は、氷山の一角にすぎないのです。彼には、あなたの知らない「引き出し」があるはず。その引き出しのどこかに「頼れる大人の一面」を見つけることができるかもしれません。この人は、確かに頼りないところがある。でも○○なときには、きちんと引っ張ってくれる人。そんな風にあなたの認識が変わることで、相手を受け入れやすくなるでしょう。ありのままの自分を受け入れてくれるあなたを、相手も心から受け入れてくれる。そうして二人の間に、深い信頼と愛情が築かれていくのです。■その先にある究極の選択そうはいってもどうしても望むような「引き出し」を見つけられないケースもあります。時間をかければ、もしかしたら見つけられるかもしれない。ですが、だいたいにおいて、見つけられないということは根本的に「合わない」といわざるをえません。そうなると、選択肢は2つ。合わないとわかっていても、自分の幸福のために付き合い続けるか。合わないからこそ、自分の幸福のために別れるか。選択は常に自己責任。他人や世間体や周りの環境をいいわけに使わず、自分が納得できる結論を出すべきです。それが相手への誠実さであり、自分のライフタスクに向き合うということにつながります。■まとめ理想のカップルになるための方法、ご理解いただけましたでしょうか。他人を変えることはできないからと自分に無理を課す人は、他人が変わらない現実に直面するたびに怒ったり罵倒したりという状況を生みだします。無理しないと続かないような変化は、あなたのためにならないし、相手のためにもなりません。あなたがしていることは、妥協なのか、それとも理にかなった努力なのか。じっくり考えてみてくださいね。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月25日人間関係は仕事・交友・愛と3つのタスクに分かれ、それぞれ難易度が異なります。自分が他人や他者に対して適切な「貢献」を行えると、これらのタスクに対して上手な人付き合いができるようになる、との内容でした。今回は「悩む」ということに焦点をおいて、アドラー心理学を解説しましょう。■選択できない人は選択しない人私は以前、とあるSNSの恋愛相談コミュニティーを管理運営しており、そちらを通して年間2千人以上におよぶ恋愛相談を承っていました。その際、「恋人が二股していて、どっちを本命にするか悩んだままなかなか決断してくれない」という相談を何度か受けたことがあります。二股している恋人は、「どちらも大切な存在だからすぐに判断することができないし、じっくり考えて決めたい」と言いながらずっと悩み続けているそうで。ケジメをつけるよう強引に迫るのが恐くて、なかなか強気に出られない。でもこんな中途半端な状態が続くのは嫌…。どうしたらいいか、という内容でした。このような相談に対して、私の回答はひとつ。「相手が自ら決断することはない」です。少なくとも、相談者かもう一方の相手が「もうこの関係はやめる」と決断しない限り。ではなぜ「決断することはない」といえるのでしょうか。■「悩む」ことが目的になるアドラー心理学では、人の行動には必ず何らかの目的がある、と説いています。物事には達成ポイントがあって、人はそれに向かって進んでいくわけです。この達成ポイントが「目的」であり、そこに上手くたどり着けないときに悩むという行動(過程)が発生します。通常であれば悩むことで突破口を見つけるのですが、稀にこの悩むことそのものが「目的」となるのです。先の二股する恋人の例でいえば、本来決断することを目的として悩むという行為になるはずが、悩むことが目的で悩んでいるわけですね。だから、いつまでたっても決断ポイントにたどり着かない。まあそもそも、本当に大切にしたい関係ならばどんな障害があろうとケジメをつけるもの。ケジメをつけない時点で結論が出ているのですが、それを認めるより「悩んでいる」という状態でいたいわけです。そうやって悩んでいる間は、自分や他人に対して「問題に向き合っている」というアピールになるから。このような「アピール」の根底にあるのは、自分以外の何か(他人や時間)が代わりに決めてくれるまで問題を先送りにしようとする「甘え」なのです。■まとめ決断できない人はなぜできないのか、ご理解いただけましたでしょうか。例えば、気になる人がいるけれど過去のトラウマからアプローチしにいけない!といって、いつまでもグズグズしている人にも同じことがいえます。トラウマとストレスを混同する方って多いのですが、全く異なります。心身の安全を脅かされるような危険にさらされた、あるいは目にした影響で、強い恐怖を感じるような反応を示すことが、トラウマです。過去の経験がストッパーになり、傷つくのを怖がるのはトラウマではありません。それはトラウマという言葉を、勇気を出せない自分の免罪符代わりに使用しているだけ。つらい記憶のストレスと向き合うより、迷っていたいわけですね。迷うことが目的になっている間は、決断することはできないのです。自分が幸福になるために、自分にとって都合のいい目的ではなく、本当に必要とすべき目的に向かって進む勇気を持ちましょう。自分に曖昧を許したら、得られる幸福も曖昧なまま。好きに人に対して、好きな人だからこそ「甘え」を許さない強さを持つべきです。自分と相手が達成すべきポイントはどこなのか。悩んでいるこの瞬間、本当にそこに向かっていますか?改めて考えてみてくださいね。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月18日人間関係は仕事・交友・愛と3つのタスクに分かれ、それぞれ難易度が異なります。自分が他人や他者に対して適切な「貢献」を行えると、これらのタスクに対して上手な人付き合いができるようになる、との内容でした。今回は「悩む」ということに焦点をおいて、アドラー心理学を解説しましょう。■選択できない人は選択しない人私は以前、とあるSNSの恋愛相談コミュニティーを管理運営しており、そちらを通して年間2千人以上におよぶ恋愛相談を承っていました。その際、「恋人が二股していて、どっちを本命にするか悩んだままなかなか決断してくれない」という相談を何度か受けたことがあります。二股している恋人は、「どちらも大切な存在だからすぐに判断することができないし、じっくり考えて決めたい」と言いながらずっと悩み続けているそうで。ケジメをつけるよう強引に迫るのが恐くて、なかなか強気に出られない。でもこんな中途半端な状態が続くのは嫌…。どうしたらいいか、という内容でした。このような相談に対して、私の回答はひとつ。「相手が自ら決断することはない」です。少なくとも、相談者かもう一方の相手が「もうこの関係はやめる」と決断しない限り。ではなぜ「決断することはない」といえるのでしょうか。■「悩む」ことが目的になるアドラー心理学では、人の行動には必ず何らかの目的がある、と説いています。物事には達成ポイントがあって、人はそれに向かって進んでいくわけです。この達成ポイントが「目的」であり、そこに上手くたどり着けないときに悩むという行動(過程)が発生します。通常であれば悩むことで突破口を見つけるのですが、稀にこの悩むことそのものが「目的」となるのです。先の二股する恋人の例でいえば、本来決断することを目的として悩むという行為になるはずが、悩むことが目的で悩んでいるわけですね。だから、いつまでたっても決断ポイントにたどり着かない。まあそもそも、本当に大切にしたい関係ならばどんな障害があろうとケジメをつけるもの。ケジメをつけない時点で結論が出ているのですが、それを認めるより「悩んでいる」という状態でいたいわけです。そうやって悩んでいる間は、自分や他人に対して「問題に向き合っている」というアピールになるから。このような「アピール」の根底にあるのは、自分以外の何か(他人や時間)が代わりに決めてくれるまで問題を先送りにしようとする「甘え」なのです。■まとめ決断できない人はなぜできないのか、ご理解いただけましたでしょうか。例えば、気になる人がいるけれど過去のトラウマからアプローチしにいけない!といって、いつまでもグズグズしている人にも同じことがいえます。トラウマとストレスを混同する方って多いのですが、全く異なります。心身の安全を脅かされるような危険にさらされた、あるいは目にした影響で、強い恐怖を感じるような反応を示すことが、トラウマです。過去の経験がストッパーになり、傷つくのを怖がるのはトラウマではありません。それはトラウマという言葉を、勇気を出せない自分の免罪符代わりに使用しているだけ。つらい記憶のストレスと向き合うより、迷っていたいわけですね。迷うことが目的になっている間は、決断することはできないのです。自分が幸福になるために、自分にとって都合のいい目的ではなく、本当に必要とすべき目的に向かって進む勇気を持ちましょう。自分に曖昧を許したら、得られる幸福も曖昧なまま。好きに人に対して、好きな人だからこそ「甘え」を許さない強さを持つべきです。自分と相手が達成すべきポイントはどこなのか。悩んでいるこの瞬間、本当にそこに向かっていますか?改めて考えてみてくださいね。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月18日アドラー心理学を基に作られた、ドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)をご存知でしょうか。主人公は捜査一課8係のエース、庵堂蘭子。周囲にどう思われようと、己を貫く一匹オオカミタイプの女性です。コンビを組むのは、捜査一課に異動してきたばかりの青山年雄。こちらは、正義感は強いものの、他人から自分がどう見られているかいつも気になる心配性。真逆の二人を通して、ドラマは展開していきます。■人間関係における3つのタスクアドラー心理学では、向き合うべき人間関係は、難易度によって3段階にわかれています。【難易度低】一番難易度が低いのが「仕事のタスク」です。職場の人間関係がこれに該当します。会社での付き合いというのは、あなたがその職場を辞めればリセットされてしまうような、一時的なつながりでしかありません。【難易度中】中レベルが「交友のタスク」です。これは、友達や親友を相手とした対人関係を指します。付き合い続けようと思えばずっと親しくしていることができるけれど、何らかのきっかけで切れてしまうかもしれない、そういう曖昧さがある関係です。【難易度高】難易度が高いのが「愛のタスク」です。これは、家族や伴侶を相手とした人間関係を指します。生活や運命を共に過ごす相手とのつながりです。■自分と他人との境界線仕事仲間でしかない異性だと、不用意に自分のプライバシーに踏み込まれたくないですよね。でも、好きな人には自分のプライバシーに興味を持ってもらいたい。そんな願望を抱いたことはないでしょうか。「愛のタスク」に属する相手には、プライバシーを共有できるような親密感を求めたくなりますし、「好きな人とは、同じものを見て同じように感じて、考えて、思うことも同じであってほしい」というふうに、自分と相手の「同一化」を期待する人が多いのです。しかし、たとえオシドリ夫婦でも、同じ人間になることはできません。他者は自分とは異なる存在だという点を理解し、意識して心理的な境界線を引けることは、円滑な対人関係を築く上でとても重要です。「心理的な境界線を引く」と言うと、心の距離を置くように感じられるかもしれません。言い方を変えればそれは、自分と相手を客観的に把握する「目」を持つということです。だいたいの人は親しくなればなるほど情に流され、客観視できなくなってしまいがち。相手はどういう人間で、自分にはどのような能力があるのか。どんな相手であれ、細やかな分析を行うことができる。そういう理性を保ちましょう。■孤独からの解放“私”という存在は、唯一のもの。もし自分が簡単に誰かと代わってしまえるとなったら、不安や嫉妬にさいなまれることになるでしょう。アドラー心理学では、不安や嫉妬そのものより、このようなマイナスな感情を理由に「人生のタスク」に向き合えなくなることが問題だ、と説いています。自分ができることは小さくても、気づいたその時にやればいい。独善を押しつけるようなことはせず、相手や社会の立場から見て本当に必要だと思えることを行っていきましょう。適切な貢献ができればそこに絆が生まれ、孤独や孤立に悩まされることはなくなります。■まとめ恋人との信頼関係を築くコツ、ご理解いただけましたでしょうか。よく「過去の恋愛がトラウマになって先に進めない」という人を見かけますが、これはコンプレックスを理由に「人生のタスク」と向き合おうとしていないだけです。自分をかわいそうがっても、救いは訪れません。社会から切り離され、どんどん孤独になっていくでしょう。心を閉ざすのではなく、心の線引きを意識しながら偏見なしに相手を見つめてください。相手に対して、今のあなたには何ができるかを考えましょう。それが信頼ある人との結びつきを生み出し、あなたの世界を広げてくれるのです。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月11日アドラー心理学を基に作られた、ドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)をご存知でしょうか。主人公は捜査一課8係のエース、庵堂蘭子。周囲にどう思われようと、己を貫く一匹オオカミタイプの女性です。コンビを組むのは、捜査一課に異動してきたばかりの青山年雄。こちらは、正義感は強いものの、他人から自分がどう見られているかいつも気になる心配性。真逆の二人を通して、ドラマは展開していきます。■人間関係における3つのタスクアドラー心理学では、向き合うべき人間関係は、難易度によって3段階にわかれています。【難易度低】一番難易度が低いのが「仕事のタスク」です。職場の人間関係がこれに該当します。会社での付き合いというのは、あなたがその職場を辞めればリセットされてしまうような、一時的なつながりでしかありません。【難易度中】中レベルが「交友のタスク」です。これは、友達や親友を相手とした対人関係を指します。付き合い続けようと思えばずっと親しくしていることができるけれど、何らかのきっかけで切れてしまうかもしれない、そういう曖昧さがある関係です。【難易度高】難易度が高いのが「愛のタスク」です。これは、家族や伴侶を相手とした人間関係を指します。生活や運命を共に過ごす相手とのつながりです。■自分と他人との境界線仕事仲間でしかない異性だと、不用意に自分のプライバシーに踏み込まれたくないですよね。でも、好きな人には自分のプライバシーに興味を持ってもらいたい。そんな願望を抱いたことはないでしょうか。「愛のタスク」に属する相手には、プライバシーを共有できるような親密感を求めたくなりますし、「好きな人とは、同じものを見て同じように感じて、考えて、思うことも同じであってほしい」というふうに、自分と相手の「同一化」を期待する人が多いのです。しかし、たとえオシドリ夫婦でも、同じ人間になることはできません。他者は自分とは異なる存在だという点を理解し、意識して心理的な境界線を引けることは、円滑な対人関係を築く上でとても重要です。「心理的な境界線を引く」と言うと、心の距離を置くように感じられるかもしれません。言い方を変えればそれは、自分と相手を客観的に把握する「目」を持つということです。だいたいの人は親しくなればなるほど情に流され、客観視できなくなってしまいがち。相手はどういう人間で、自分にはどのような能力があるのか。どんな相手であれ、細やかな分析を行うことができる。そういう理性を保ちましょう。■孤独からの解放“私”という存在は、唯一のもの。もし自分が簡単に誰かと代わってしまえるとなったら、不安や嫉妬にさいなまれることになるでしょう。アドラー心理学では、不安や嫉妬そのものより、このようなマイナスな感情を理由に「人生のタスク」に向き合えなくなることが問題だ、と説いています。自分ができることは小さくても、気づいたその時にやればいい。独善を押しつけるようなことはせず、相手や社会の立場から見て本当に必要だと思えることを行っていきましょう。適切な貢献ができればそこに絆が生まれ、孤独や孤立に悩まされることはなくなります。■まとめ恋人との信頼関係を築くコツ、ご理解いただけましたでしょうか。よく「過去の恋愛がトラウマになって先に進めない」という人を見かけますが、これはコンプレックスを理由に「人生のタスク」と向き合おうとしていないだけです。自分をかわいそうがっても、救いは訪れません。社会から切り離され、どんどん孤独になっていくでしょう。心を閉ざすのではなく、心の線引きを意識しながら偏見なしに相手を見つめてください。相手に対して、今のあなたには何ができるかを考えましょう。それが信頼ある人との結びつきを生み出し、あなたの世界を広げてくれるのです。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年03月11日こんにちは、保育士ライターのyossyです。書籍やドラマの『嫌われる勇気』で話題になった“アドラー心理学”。近年、「アドラー式子育て」という言葉もよく聞かれるようになりました。どのような子育て法なのでしょうか。メリットとともにご紹介します。●『嫌われる勇気』で注目されるようになったアドラー心理学アドラーというのは、オーストリア出身の心理学者・精神科医です。有名な『嫌われる勇気』の著者(古賀史健氏との共著)でもある岸見一郎氏は、『子どもをのばすアドラーの言葉子育ての勇気』のなかで、『子育ての目標は“自立”である』と述べています。そのためには下記の3つがポイントになるそうです。・子どもが自分で決められる・子どもが自分自身の価値を決められる・自己中心性から脱却するアドラー式子育てを実践すると、上記のようなメリットが得られるということですね。どれも、社会で人として強く生きていくために重要なことです。また、子どもとの関係性に悩んでいる場合は、関係性がよくなるケースも多い ようです。●叱る子育てとも、褒める子育てとも違う親は、ついつい「子どものため」という言葉を言い訳にして叱ってしまいがちですね。そんな子育て法はよくない、ということで、近年は褒める子育てがよく注目されています。アドラー式子育てにおいても、叱ることは即効性はあるが、結局親が怖いから行動をやめているだけ。長期的にみれば子どもの行動を変えられないことから、有意ではない、としています。しかし、褒めるのも違う のだそうです。褒めることで気分はよくなりますが、人間、いつも褒められるべき状況におかれるわけではありません。また、一生褒めてくれる人がそばにいるわけでもありませんね。●“子どものため”は本当に子どものため?あらかじめ子どもの行動を決めてしまったり、親の言うことを無理に聞かせようとしたりすることは、本当に子どものためでしょうか。また、褒めているとき、子どもに対して上から目線で接していないでしょうか。子どもと対等な目線で話をするように心がけることが、子育ての大事なポイントになるそうです。体罰など、もってのほかですね。子どもに介入せず、でも放任はせず、「いつでも援助する用意はあるよ」と寄り添う のがアドラー式です。普段の勉強や、進学、習い事、友人関係などで決断を迫られたとき、あるいは問題が起きたとき、決めるのは子ども自身。親は先回りして考えてしまうでしょうが、子どもの人生なので、“我が事”として考えすぎないことが大切です。例えば、子どもが勉強をしないときに、「勉強しなさい」と言うのは踏み込みすぎ。勉強についてどうしたほうがいいのか対等に話し合うことや、そもそも勉強が楽しいものであるということを子どもと共有することが大切だというわけです。そして、「勉強する」という意思表示を子どもがしたら、親は本当に信じてあげるのです。----------子どもはいずれ親から自立し、自分の力で生きて行かなくてはいけません。アドラー式子育ては、頭では理解できても実践が難しいと感じる部分も多いでしょう。まずは、頭ごなしに叱るのをやめることから始めてみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『子どもをのばすアドラーの言葉子育ての勇気』岸見一郎・著●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/赤松侑里(さゆりちゃん)
2017年03月09日女性の永遠のテーマであるダイエット。ママにとっても悩ましい問題ですよね。「アドラー心理学」で、一風変わったダイエット法を試してみませんか?■アドラー心理学ってどういうこと?アドラー心理学はオーストリアの精神科医、アルフレッド・アドラーが創始しました。根本としては、人は人、自分は自分として目標や計画を立てるようにする、個人を尊重した考え方をするということ。また、過去よりも未来を見て、目標に向かっていくことを推奨するという考え方です。つまり、「過去の原因探し」をしない、ということ。簡単に言いますと、いまマイナスの状態で悩んでいるなら、プラスにしか向かわないから過去を見なくて良いというようなニュアンスです。■アドラー心理学でダイエットアドラー心理学では、理想の自分と現在の自分とのギャップはマイナスポイントではないと考えます。これをダイエットに生かすとしたら、「いまはこのサイズの洋服を着られないけど、着られない自分を嘆くのではなく、その劣等感を目標に変えてがんばる力を見いだそう」という考えです。「“人間は自分で自分を変える力を持っている”という基本をもとに努力を続けていけば、ダイエットは絶対に成功する」と思うようにします。また、どうしていまダイエットをしているのか、自身で確認することも必要です。目的と目標、手段(計画)をまずは頭に置きましょう。例としては、次のような形です。あまりストイックにならず、ありのままの自分を受けとめてスタートするのがコツです。・「目的」健康を維持するため(このまま太っていたら体に影響がある)・「目標」ウエスト5センチ減、体重5キロ減・「手段」食べる量を腹八分目にして、ウォーキングを1日20分・「期間」3ヶ月たとえば、1ヶ月で2キロ痩せたい場合、まずは次のような目標を立てて実行します。・お菓子は朝か昼間にひとつだけにする。・夜の21時以降は食べないようにする。・朝ごはんはきちんと食べるようにする。・1日20分、ウォーキングをする。しかし、お菓子をどうしても我慢できず、寝る前に食べてしまった! ということがあるかもしれません。その場合にも落ちこまず、「明日またやり直せばよい。こうした日が続かなければ大丈夫」というように、自分で立てなおすようにします。疲れていてウォーキングができなかった日があっても、次の日からまた、きちっとやればよい。そう思って立てなおす気持ちを持つことが大事。ただし、違反が毎日続かないようにします。■アドラー心理学では不完全は恥ずかしくないダイエットに疲れたら、1~2日休んでもアドラー心理学ではOK。完璧を求めずにゆるい気持ちで、自分の行動を信じて進みましょう。『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)で有名になったアドラー心理学ですが、自分を責めたり、ストイックになりすぎることはありません。できない日があっても「次の日」にやりなおせばよい、観念に振りまわされず目標に向かっていこうという考えを持つと、ダイエットの成功は近くなると思います。アドラーの嫌われる勇気は、人や周りを気にした発言や生活をしているより、ときには自分の思うことをぶちまけよう、そして前に進もうというメッセージもこめられています。失敗しても自分を責めないように、次に向かって過去を振りかえらずに進むことは、ダイエットでもマイナスをプラスに向かわせるということになるのですね。
2016年09月04日『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』(かんき出版)の著者・丸山郁美さんは、ストレスを持たずに片づける方法を考案しました。それは、アドラー心理学のエッセンスを取り入れた片づけ術。丸山さんは東京在住の主婦。2013年に、サンケイリビング新聞社主催の主婦の技を競うSHUFU-1コンテストで準グランプリを受賞した片づけの達人です。思い通りに片づけられず、ストレスを抱えていたのに、アドラー心理学を取り入れた片づけ術を実践したところ、きれいに片づけられるようになったというのです。以後7年にわたり、750を超える世帯で「アドラー流お片づけ」のレクチャーやカウンセリングをされています。それはどんな方法なのでしょうか?■アドラーマインドを取り入れるアドラー心理学とは、オーストリア出身のアルフレッド・アドラー(1870-1937)が創始した「個人心理学」のこと。「すべての悩みは対人関係の悩みである」とし、人は過去の原因によって突き動かされるのではなく、目的に沿って生きていると「目的論」で考えます。つまり「なぜあの人は怒りっぽいのか」と考えるとき、アドラーは「怒っている人は、怒っている人独自の目的を達成するために”怒る”行動をとっている」と見るのです。本書では、「イライラや劣等感などの不快な感情こそ、より快い状態=目的を叶えるエネルギーになる」というアドラーの主張から、片づけられない自分にイライラするのではなく、不快な感情を自分のなりたい姿や、したい行動、いわゆる目的のための意識に変えると、自分が思うように叶うと説いているわけです。たとえばモノが多くて散らかっている場合。捨てたり減らしたりすることばかりを考えるのではなく、「どういうモノといかに暮らしていくか」を考えるのだということ。気持ちをこう切りかえ、「イメージ」「整理」「収納」「片づけ」「掃除」「見直し」という6ステップを踏んで片づけると、ストレスなく部屋を片づけられるというのです。■アドラー流お片付け6ステップ(1)行動を「イメージする」「普段、なにをしているときにいちばん幸せを感じるか」「この部屋で何をしたいのか」をイメージします。既成の価値観にとらわれず、「本当にしたい行動」にアプローチすると、部屋をどう片づければ心地よい部屋になるのかが判ってくるのだといいます。なかなかイメージできない人は「イライラ・ポイント」リストを作成し、部屋の間取りを描いて、「机の上に書類が山盛り」「家電の取扱説明書があり過ぎて面倒」など不快だと思うポイントを書き込んでみましょう。すると、「机の上はすっきりしたい」「家電の取扱説明書は探しやすくしたい」など、本当にしたい行動が見つかるそうです。(2)全部出して分けて減らして「整理」する具体的なイメージができたら、次は整理。ポイントは、出して、分けて、減らすこと。また収納のスペースの大きさを知るためにも、全部出して仕分けします。ルールはなく、自分の価値観に沿ったやり方でOKです。クローゼットの整理の場合、洋服を捨てたくないなら、その気持ちを大切にすればいいということ。着ないけれど取っておきたい服は、自分が「快」と「不快」のとどちらの感情なのかで判断し、「不快」なモノを減らすようにします。こうすると、「思い切って処分した」というような感情はなくなるもの。大事なのは、捨てることではなく「大切なモノといかに仲よく暮らすか」を考えることだといいます。(3)「収納」する次は収納。収納家具やグッズを買う前に、整理されたモノの定位置を決めます。行動イメージに沿って、どこになにを置くかを考えるのです。モノの定位置を決めるときも、アドラー心理学的に、自分を主人公として捉えます。既成の価値観でなく、自身の行動を考え、「なにをどう置くのが自分に適した収納なのか」を考えるのです。収納方法は次の3パターン。1.引き出し収納・・・立てる、仕切る、重ねない2.棚の収納・・・高さ調整可能に、棚は増減自在に、奥高く手前は低く3.吊るす収納・・・1フックにかけすぎない、洋服は1ハンガー1着モノの収納は、このいずれかに当てはめてみると、すっきりするといいます。洋服の収納の場合なら、「たたむ」「棚に並べる」「吊るす」、どの収納が便利か、自分に合っているか考えてください。避けるべきが床置き。どうしても収納場所がない場合は、整理してモノを減らすか、収納グッズや家具で工夫しましょう。(4)「片づけ」のポイントは「使ったら戻す」片づけで大切なのは、「使ったら戻す」こと。余計なことは考えず、「使ったら戻す」ことを習慣化するのです。一緒に掃除する必要はなし。なぜなら掃除しながら片づけると余計な動きが多くなり、かえって疲れて嫌になってしまうから。「片づけ」と「掃除」の時間は別々に分けて行うことが、片づけを楽にするポイントだということです。著者は、「使ったら戻す」片づけの時間を寝る前にとるそうです。所要時間は5分~10分で、「リセットタイム」と名づけて習慣化しているそう。毎日が無理なら、休みの日にまとめてもOK。ストレスを感じない方法でやればいいといいます。(5)「掃除」も1日1回できれば十分「片づけ」と「掃除」は、それぞれの時間帯を分けた方が楽。著者は、「片づけ」は夜、「掃除」は朝早く家族が起床する前に済ませるといいます。1日1回どこかで「リセットタイム」を持てばOK、「掃除」も1日1回できれば十分。一人暮らしや共働き家庭では、休みの日にまとめて掃除するだけでもいいそうです。普通に生活していれば、どんな人の部屋でもモノが増えたりするもの。ずっときれいな状態をキープすることに躍起になる必要はないといいます。(6)「見なおし」でライフスタイルの変化に対応一度は片づいても、生活の変化で片づかないときがやってきます。そこで一定の期間を決めて、定期的に「片づけシステム」の見なおしをします。子どもがいる家族は半年ぐらいで、ライフスタイルが確立されている一人暮らしは2~3年のサイクルで。具体的にはステップ1の「イメージする」に戻るのです。ライフスタイルが変化するたびに、システムづくりの腕は上がり、より心地よい理想の暮らしになっていくはず。*「アドラー流お片づけ」は、無理のないサイクルで6つのステップを順番にくるくる回していくだけ。アドラー心理学はちょっと難しいかもしれませんが、参考にできるところは多々あります。(文/森美奈)【参考】※丸山郁美(2015)『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』かんき出版
2016年01月26日