2020年5月25日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に拘束され、8分以上にわたって首をヒザで押さえつけられた後、亡くなりました。その後、白人警官による度重なる黒人への人種差別に人々の怒りが爆発し、全米各地で抗議デモが行われています。全米に広がるにつれてデモ隊の一部が暴徒化。商店の破壊や強奪行為の様子が連日メディアで報道されました。しかし、デモに参加する大半の人は、平和的に活動をしており、その様子がメディアで取り上げられることは少ないという不満の声も上がっています。報道されないデモの様子そんな中で、ニュージャージー州に住むFrosty(@FrostyTheSkid)さんは、地元のデモの様子を撮影し、Twitterに投稿。世界中から反響が寄せられています。「これをニュースに載せて」というひと言を添えて公開された動画がこちら。Put this on the news. pic.twitter.com/YfXB2x6bcz — Frosty (@FrostyTheSkid) May 30, 2020 マスクをしたデモ隊が、その場でダンス。「ジョージ・フロイドに正義を」と力強く訴えていました。また、テネシー州の市長マイヤー・スコット(@MayorConger)さんは、市庁舎の前で平和的にデモが開かれたことをTwitterで報告。投稿された動画には、警察官がデモ隊に水の差し入れをする姿が映し出されています。I’m so thankful for our @JacksonTNPolice and the peaceful protest in front of city hall yesterday.Good will always win! pic.twitter.com/A4vpXNKnDg — Mayor Scott Conger (@MayorConger) May 31, 2020 ほかにもSNS上には、こうしたデモの様子が多数投稿され、「彼らのどこが脅威なのか」「いかなる暴力も容認しない」「賢い方法で抗議を続けよう」などの声が上がっています。暴力で対抗すれば、本来訴えたかった人種差別の問題が、治安の問題へと焦点がずれてしまいます。デモの目的を見失わないためにも、平和的な方法で声を上げ続けることが大切なのでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月04日2020年5月14日時点、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者数がもっとも多いアメリカ。外務省によると感染者数は130万人を超えており、アメリカ国内では多くの店舗や施設が休業を余儀なくされていました。一方で、一部の州では飲食店など段階的に経済活動が再開されつつあります。フロリダ州でも一部の施設は営業を再開しているものの、ジムや映画館などは引き続き封鎖されたまま。この状況を受け、ジムの再開を求める市民が役場前でデモを行い、全米中の注目を集めました。WATCH: Protesters calling for gyms to reopen in Florida are doing squats and push-ups outside the Clearwater courthouse #Florida #COVID19 pic.twitter.com/3cjgQ6kaM8 — WFLA NEWS (@WFLA) May 11, 2020 路上で腕立て伏せやスクワット行うデモ参加者の姿は世界中で話題になり、ついにはイギリスの大手新聞社『ガーディアン』までもがマッチョなデモを報じる事態に…!しかし、ガーディアンの記事内の『鋭い指摘』が、また別の意味で話題となっています。「申し訳ないけど笑った」の声デモの様子はもちろん、デモがアメリカ国内で好意的に受け取られていることを報じたガーディアン。しかし、記事中では参加者たちが腕立て伏せで抗議を示していることにふれ「裏目に出ているのではないか」との指摘もしています。その理由は…。路上で腕立て伏せができるなら、なぜジムを開ける必要があるのでしょうか。The Guardianーより引用(和訳)路上で筋トレすることで、図らずとも「器具や専門の施設がなくとも、筋トレはできる」と証明してしまったデモ参加者たち。ガーディアンの指摘は鋭く、同時に筋トレを愛する人たちにとっては無慈悲なものでもありました…。【ネットの声】・確かに、歩道でやれるならジムは必要ありませんね…。・すごく素朴な疑問で笑った。その通りだわ。・デモの参加者には申し訳ないけれど、笑った。・ジムに行くと筋トレへのモチベーションも変わるんだよ!ガーディアンは決してデモ参加者を批判するつもりはなかったはずです。また、デモ参加者たちも自分たちのトレーニングのためだけにデモを行ったわけではないでしょう。現に、長期間ジムが閉鎖されることでそこで働く人たちの雇用が奪われています。1日も早い再開が望まれるとともに、多くの失業者の生活が補償されること、そしてデモ参加者たちの筋肉が衰えないことを祈るばかりです…。[文・構成/grape編集部]
2020年05月15日上質工具専門ショップを運営するファクトリーギアがディッキーズブランドの工具を総合プロデュース。専門店ならではの開発、設計ノウハウを活かして作成したディッキーズのツールが遂に発売されました。ワークシーンから飛躍し、日本国内でもカジュアルファッションのブランドとしての地位を確立したディッキーズ。ですが、元来ディッキーズとはアメリカを代表するワークウェアブランドであり、そんなアメリカンワーカーのヒストリーが今でも息づいています。ワークウェアと共に使用するツールもディッキーズを使ってもらう事で、ワークシーンを明るくエネルギッシュな世界観で演出したい。そんな思いから、ディッキーズのツールシリーズが日本でも発売開始されます。企画、開発を担当するのは上質工具専門ショップとして国内外に「FACTORYGEAR」を展開するファぅトリーギア株式会社(本社東京都台東区)。ツールが使われる現場を知り尽くした専門ショップがこれまでの経験を生かし、ディッキーズらしいユニークなラインナップを生み出してまいります。詳しくは、ファクトリーギアまでお問い合わせ下さい。ファクトリーギア株式会社企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年04月09日世界で多数の感染者を出している新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。感染予防のために、マスクを使用している人も多くいるでしょう。しかし、マスクの使用が増えたことによって困る人もいました。聴覚障がい者でも使えるマスク聴覚障害がある人の中には、相手の表情や唇の動きから情報を得てコミュニケーションをとる人もいるといいます。ですが、マスクにより相手の顔の半分が隠れてしまうため、コミュニケーションをとることが難しくなってしまいました。アメリカのケンタッキー州にある、イースタンケンタッキー大学に通う21歳のアシュリー・ローレンスさんは、聴覚障害のある人を助けるアイテムを開発。地元のニュースメディア『LEX18』によると、アシュリーさんは、聴覚障害について学んでいるといいます。アシュリーさんは、聴覚障害の人がマスクをしていてもコミュニケーションが取れるマスクを作ったのです。So right before the pandemic, masks were made and made commercialized to help people with hearing loss have access to...Ashley Lawrenceさんの投稿 2020年3月30日月曜日このマスクなら、口元がプラスチック製の透明になっているため、マスクをしていても唇の動きが分かります。マスクは、希望者がいれば無料で配布するとのこと。またアシュリーさんは、プロジェクトを立ち上げてボランティアや、送料にあてる募金などを募っています。【ネットの声】・盲点だった。確かに口元が見えないと困るよね…。・なるほど!表情も見えて素敵ですね。・このアイディアはすごい!もっと情報が広がるといいな。聴覚障害がある人からは「このマスクがあれば助かる」などの声も上がっていました。コミュニケーションは生活する上で必要不可欠なものです。このようなマスクが増えれば、しっかりとコロナウイルスの感染対策をしながら、コミュニケーションの壁をなくすことができるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年04月03日「海外ではこんなことになっているなんて」「自粛の重要性が分からない人は、この動画を見てほしい」アメリカ・ニューヨーク在住の日本人女性が投稿した1本の動画が、Twitterで話題になっています。2020年4月現在ニューヨークのハーレム地区に住んでいるという女性が動画で語ったのは、感染拡大している新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)について。ニューヨーク在住の日本人が伝える『リアルな現状』外務省によるとアメリカは同年3月18日頃から急激に感染者が増加し、4月3日時点で世界最多である23万人以上の感染者が確認されているとのこと。この感染者数は、なんと発生源である中国のおよそ3倍。たったの2週間でアメリカの生活は一変してしまったのです。そんなアメリカで生活をしている女性は、日本に住んでいる人たちに向けて自粛の重要性を説きました。日本人の危機感の薄さに驚き、動画を投稿することでニューヨークの現状を伝えることにしたという女性。現在の日本の様子を見て「3週間前のニューヨークにそっくりだ」と感じたといいます。3週間前とは、アメリカで感染者が急増する少し前を指します。女性は「今のニューヨークのようになったら手遅れ。油断すると一瞬で感染者が急増してしまう可能性がある」と真剣な表情で語りかけました。産経ニュースによると、ニューヨークでは備蓄している人工呼吸器が尽きかけているとのこと。また、ニューヨークだけで2千人以上の死者が出ています。動画はTwitterで拡散され、女性が語る内容に多くの人が自粛の重要性について考えさせられました。・海外に住んでいる人からの警告…。リアルな言葉にゾッとしました。・自分はこの女性と同じくらいの危機感を持っているつもりです。でも周囲の人が楽観視していて怖い。・現場の声は一番響きますね。1人でも多くの人の意識が変わりますように。あくまでも、これは女性が見たニューヨークの現状です。しかし、日本が動画で語られているような状況にならない保証もないでしょう。数週間後に後悔することがないよう、1人でも多くの人の命を守るべく心掛けたいものです。[文・構成/grape編集部]
2020年04月03日2020年2月、横浜港に到着したクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』。厚生労働省によると、船内の乗客である約4千人が新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の検査を受け、そのうち700人近くが陽性と確認。陽性反応が出た乗客は、日本各地の医療機関に運ばれ治療を受けていました。その後、陽性反応が出なかったすべての乗客の下船が完了。また、船内すべての消毒・清掃作業を終了し、ダイヤモンド・プリンセス号は、日本へ感謝のメッセージを送りました。「知らなかった」「感動する」消毒作業終了後のダイヤモンドプリンセス号を見ると…しかし、感謝のメッセージを送っていたのは船だけではありません。オーストラリア人の乗客がコロナウイルスの陽性が確認され、国内の病院で治療を受けていたことから、同年3月24日にオーストラリア大使館は日本の医療関係者に感謝の言葉を述べた動画を送り反響が上がっていました。「日本の医療機関に心より感謝」オーストラリア大使館からの言葉に感動するアメリカ政府を代表して感謝の言葉同年4月3日には、アメリカのジョセフ・M・ヤング日米国臨時代理大使(@USAmbJapan)が、アメリカ政府とアメリカ国民を代表して、日本の医療関係者に感謝のメッセージ動画を公開しました。米政府と米国民を代表して、ダイヤモンド・プリンセス号の米国人乗客に最高のケアをしてくださった日本の医療関係者の皆さまに感謝申し上げます。 #ThankYouJapan pic.twitter.com/aeFSZF8PTe — ジョセフ・M・ヤング 駐日米国臨時代理大使 (@USAmbJapan) 2020年4月2日 船内で感染が確認され、入院していたアメリカ人の乗客はほぼ全員が帰国したと報告。慣れない国で、先行きの見えないウイルスと闘う不安もある患者に、入院生活を少しでも快適にしようと必需品の買い物をしてくれた医師やスタッフがいたというのです。その行動に入院中でも、日本のおもてなしの心を感じられたとのこと。【ネットの声】・この件に携わった全員にこのメッセージが届くといいな。・回復してよかったですね。こういう明るい話が増えてほしい。・日本が褒められるとなんだか嬉しいです。各国でコロナウイルスの感染者が増えて不安な日々ですが、その中でも最前線で闘う医療関係者には頭が上がりませんね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月03日海外好きやエリート好き女性なら断然憧れる「駐在妻」。そんな駐在妻になりたい!というあなたにおすすめの国をご紹介します。エリート狙いなら断然アメリカ!外務省職員を始め、国内大手有名企業の駐在員が多く進出しているのがアメリカです。アメリカに派遣される駐在員は、いわば出世コースを約束されたようなもの。つまりエリート揃いということです!アメリカは世界で一番日本人が駐在している国ということもあり、現地の日本人会の活動も活発に行われています。エリートとの出会いを求めるのであれば、外務省の外郭団体である国際交流基金が主催する文化イベントに積極的に参加してみてはいかがでしょうか?日本人の多さならドイツが魅力意外なことに、ロンドンとパリに次いでヨーロッパで3番めに日本人の駐在員が多い都市はドイツのデュッセルドルフなんです!ライン川湖畔に位置していてドイツ最大規模を誇るルール工業地帯があることから、日本の大手重工業メーカーの進出も著しいドイツには日本人街が形成されるほどに駐在員が多いことから、日本食レストランや日本人向けのバーでの出会いが期待できますよ。金融関係の男性と出会うなら東南アジア唯一の先進国シンガポール東南アジア唯一の先進国と言えばシンガポールです。この国は多国籍企業の誘致に成功しており、香港と並んで金融業が盛んな国です。日本の大手メガバンクも支店を置くほど東南アジアでは重要な位置にあるんです。大手メガバンクから派遣された駐在員が多く働いているので、金融関係の仕事に従事する駐在員の妻に収まりたいのであればシンガポールが断然おすすめ!新興国なら大手企業が進出するインドが狙い目今、日本の大手企業が最も進出に力を入れている新興国が南アジアのインド。新興国の中でも経済成長が著しく、中国に次ぐ人口の多さを誇る国であることから、日本企業が熱い視線を注いでます。首都であるデリーや商業都市のムンバイ、それにIT都市と言われるベンガルールは日本人の駐在員が多く、バーやレストラン、それにクラブなども充実しているので、現地でのエリートとの出会いを見つけるチャンスがあります。
2020年04月01日大人気洗顔デバイスがアメリカから上陸美容機器メーカー・ヤーマン株式会社は、アメリカで話題沸騰中の洗顔デバイス「PMD Clean(ピーエムディー クリーン)」シリーズを、2020年4月20日(月)、日本総代理店として全国の取り扱いサロンで発売する。日本初上陸だ。音波振動で汚れスッキリ「PMD Clean」は、毎分7,000回ほどの音波振動で肌の汚れをスッキリ洗い上げ、さらに「音波リフトモード」搭載で肌を優しくリフトアップする高機能洗顔デバイスだ。ブラシヘッドで円を描くように動かすだけで、毛穴の奥に残った汚れや古い角質なども音波の力で優しくオフ。こすり洗いによる摩擦を防ぎ、肌を傷つけずに洗顔できる。直接肌にあたるブラシ部分は防臭&抗菌のシリコーン素材を採用しているので、衛生面でも安心だ。選べる3タイプ「PMD Clean」シリーズは、ベーシックタイプの「PMD Clean」(税抜15,000円)、基本モードに42度の温熱保湿ケアが加わった「PMD Clean Pro」(税抜20,000円)、さらに背面にローズクォーツを使用し内側からの美しさを引き出す「PMD Clean Pro Plus」(税抜25,00円)から選ぶことができる。(画像は「PMD Clean」公式サイトより)【参考】※ヤーマン株式会社のプレスリリース※「PMD Clean」公式サイト
2020年03月31日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イランVSアメリカ」です。イランは日本と関係の深い国。現状に目を向けて。今年に入り、イランとアメリカの緊張関係が急速に高まりました。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が、イラクを訪問中の1月3日に、アメリカのドローンを使った空爆により殺害されました。イランは報復措置として、8日にイラクの米軍基地をミサイル攻撃しましたが、それ以上の戦いは望まないと、双方手打ちとなりました。ところが、同日、ウクライナ旅客機がテヘラン近郊で墜落。最初は事故と発表されていましたが、のちにイラン軍による誤射だったことが明らかに。これにより外国人を含む176人の民間人の命が奪われました。イランとアメリカの関係は、オバマ政権時代に改善しかけていました。2009年から8年かけた粘り強い交渉の末、イランの核開発を平和裡に制限させることに成功。代わりに経済制裁を解除する予定でした。歴史的に意味のある合意だったのですが、トランプ政権はそれを白紙に戻してしまいました。前大統領の功績をすべて覆そうとするトランプ大統領。イランに強硬な態勢をとっているのも、秋の大統領選を意識しての行動といわれています。一方、日本とイランは親密な関係にあります。事件後、安倍首相はすぐさまイランに飛び、アメリカと中東の仲介役になろうと働きかけています。日本はイランから、石油や天然ガスを多く輸入していますから、有事にそれらが入らなくなれば、日本の社会は回りません。アメリカに気を使い、中東地域に海上自衛隊を派遣しましたが、目的はあくまで情報取集で、攻撃のためではないことを強調しました。しかし、自衛隊は専守防衛、武器の使用を禁じられています。そんな状態で隊員の安全は守られるのでしょうか?もう一つ注目すべきは、イラン国内で起きている反政府デモです。発端は昨年11月の石油価格の高騰。政府の制圧で300人以上の人が亡くなったとの報道も。そして、ウクライナ旅客機墜落で真実を隠蔽しようとしたことから、国民の不満は再燃。言論統制されているイランで政府に反発を示すのは命がけの行為です。それほど不満が溜まっている状態であることを、みなさんにも知っていただけたらと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。※『anan』2020年3月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年02月27日壁は自分たちでペイントグラフィックデザイナーの吉本多一郎さんが暮らす家は、埼玉県入間市の平屋の米軍ハウスが並ぶ『ジョンソンタウン』と呼ばれる地区の中にある。吉本さんの家は米軍ハウスの作りはそのままに、新たに建て直された平成ハウスと呼ばれるロフト付きの平屋住宅だ。米軍ハウスと平成ハウス、外から見たところ違いはわからない。「見分けるポイントがあります。米軍ハウスは瓦屋根なのですが、平成ハウスは屋根の素材が軽量化されています。平成ハウスは床暖房など、設備が近代化されているのが魅力です」家を探していた時におもしろい物件があると教えてもらったのがジョンソンタウンに住むきっかけになったそう。「僕も妻もアメリカの匂いがする住まいが好みです。幸いここは妻の職場には近かったのですが、僕は家で仕事をすることが多いとはいえ、都内で打ち合わせや撮影等が週の半分以上ありますので、通えるかなと最初は不安でした。けれどもう約6年住んでます。慣れると平気なものですね(笑)」白い壁は友人にも手伝ってもらいながら自分たちで塗装したのだそう。「以前は集成材の合板そのままの色の、山小屋のような雰囲気の家でした。梁や階段はもともとの木の色を残し、バランスを考えながらペイントしていきました。柔らかな白にするため、白に少し黄色と赤を混ぜてオリジナルの色を作っています」もともとはモルタルの床だったが、まちちゃんが誕生してから、転んでも痛くないようにカーペットを敷いた。「玄関の部分だけカットして靴を脱ぐスペースを作りました」たっぷりとした天井高いっぱいまで伸びた存在感のあるグリーンは、ジョンソンタウン内にあったグリーンショップで購入。「ブラインドは以前の住人が残していってくれたものです。ありがたいです」アンティークのロッキングチェア。「僕は気に入ってるんですが、奥さんはあまり好きじゃないみたいです(笑)。後ろのシェルフは大塚家具。母が大塚家具のファンで引越し祝いにいただきました」吹き抜けからリビングを見下ろす。ダイニングテーブルは、足場板を使った多一郎さんのハンドメイド。左奥にあるのがアンティークの視力検査のセット。レザーのソファはACTUSで。このローテーブルも多一郎さんがDIYしたもの。仕事場はロフトにジョンソンタウンの家は、一軒づつ間取りが違うのだそう。「アメリカの住宅のように住人がDIYをしてもよいので、個性的な家が多いですね」吉本さんの住まいは、築10年の平屋。リビングに大きな吹き抜けがあり、ロフトの部屋を仕事場にしている。「今はネットがあるので、どこでも仕事ができます。都内から距離がある場所でも、住環境を優先できるのがありがたいです」1階から見上げると、ロフトに正方形の窓が……。窓の向こうが多一郎さんの仕事場だ。入り口にCAVE(洞窟)と書かれて部屋が多一郎さんの仕事場。低めのドアをくぐるようにして入る巣ごもり感がたまらない。中二階のCAVE内が吉本さんの仕事場。ソファは大正時代のアンティーク。抜群のコミュニティも魅力ジョンソンタウンの魅力は、緑豊かな美しい街並みにもある。「お隣との間の塀も物理的にありませんし、住人同士のお付き合いが親密で、とてもよいコミュニティが築けています。BBQをしたり一緒にキャンプに行ったり、DIYの手ほどきをしてもらったり。同業者も多く、世田谷に住んでいた時より、仕事の幅が広がっています」仕事の手を休めて、近くの公園に息抜きに行くこともおおいのだとか。「子どもと一緒にすぐに公園に行けるのも楽しいです。子育てには抜群の環境だと思います。近くの子どもたちがよく家の前の道で缶蹴りして遊んでます。うちに『缶ください〜』って突然来たり。最近、こういうおつきあい、なかなかないですよね。平屋の家に惹かれて住みはじめましたが、今はコミュニティがかけがえのないものになっています」キッチンの床はモルタルのままにして、カーペットを敷いた。裏口もある。「棚板は自分でつけました」ポーチでBBQを楽しむことも。お隣の家のと間に塀や仕切りはない。
2020年02月26日落ち着ける家を作りたい埼玉県入間市に、樹々の間に平屋の米軍住宅が並ぶ『ジョンソンタウン』と呼ばれる地区がある。広告やメディアの制作を行うクリエイティブディレクターの曽根原興史さんは、撮影の下見のためにここを訪れた際、いつかは住んでみたいと思ったそうだ。「とはいえ都内からは距離がありますし、妻はヘア&メイクなので、重いメイク道具持ってここから仕事場へ通うのは厳しいと反対するだろうと思っていました。ところが、以前住んでいた世田谷区の保育園問題で頭を悩ませていたのですが、ジョンソンタウンのすぐ側にある保育園には空きがあるとわかりました。さらに近所のスーパーマーケットや美味しい野菜が買える場所、自然豊かな環境などをリサーチして、ここに住むメリットを妻にプレゼンしました(笑)。めでたく採用となり、念願の米軍ハウス暮らしの夢が現実になりました」ジョンソンタウンの米軍ハウスは、賃貸でありながらリノベーションが可能なのも魅力なのだとか。「入居を決めた際、この家はちょうどリノベーションの途中でしたが、天井を抜いて欲しいというリクエストは間に合いました」そしてDIYで壁や扉を塗ったり、キッチンの扉を変えたり、好みの内装に仕上げていったそう。「この街の住人は、みなさん米軍ハウスが好きで住んでらっしゃる方ばかりなので、趣味が似ていることもあって、コミュニティの良さは抜群です。住民のカメラマンやロケバスの方と一緒に仕事をさせてもらっていますし、プロップ用にクルマを借りたり、大工仕事を手伝っていただいたりと、公私ともに仲良くさせていただいています」「アメリカのアンティークショップで、集合写真をたくさん買いました。その中に自分たちの写真をさりげなく混ぜています」リノベーションの際、天井を抜いた。「米軍住宅は、木造でも空間を広く取れる梁の構造になっています」曽根原さん一家は、興史さん、絵理子さん、7歳の翌太くん(登校中でこの日は不在)、2歳の百嶺ちゃんの4人家族。窓の向こうは以前のオーナーが増築した部分で、今はストックルームとして使っているそう。キッチンはリフォーム済みだったが、扉を曽根原さんの好みの木目のものに変えた。ドアをDIYでペイント。ペンキがところどころ剥がれてきて、いい感じの味が出ている。念願の平屋の米軍住宅。ファサードは以前の住人が増築している。庇に伸びたモッコウバラなど、植栽が素晴らしい。テラスには大きな屋根がかかっていて、アウトドアリビングとして気持ちよく過ごせるスペースになっている。玄関の扉はDIYでブルーにペイント。扉ののぞき窓のカーテンがかわいい。鍵は玄関入ってすぐの場所にとりつけたフックへ。仕事場の壁は自分でブルーにペイントひと部屋を曽根原さんの仕事場にしている。壁は自分でブルーにペイントしたのだそう。「漆喰にすることも考えたのですが、この時代のアメリカの住宅はペンキが似合うよとアドバイスいただきました。ペイントにして正解でした。ここで物撮りの撮影をする機会があるので、小物が映える色を選びました」米軍ハウスはDIYを楽しめる家でもあるのだとか。「DIYで家に手を入れるのが好きな方が向いていると思います。ありがたいことにDIYが得意な方が多く住んでらっしゃるので、いろいろと相談に乗っていただいてます」両袖のデスクに、レザーのイームズのアームシェルチェアを合わせて。「この事務所スペースも、前に住んでた方が増築しているようです」キャビネットの上の弾薬箱は小物の収納用に。「ミリタリーものには目がないです」横に長いデスクと、軍ものの折りたたみ式チェア。事務所スペースの外側には枕木が敷き詰めた。「枕木をネットで120本買い、自分で敷きました。引き取りに行って、運んで、敷いて……重労働でした(笑)」レンタルスタジオをリノベーション曽根原さんは、家から徒歩1〜2分、同じ『ジョンソンタウン』内にある撮影用のレンタルスタジオの運営もしている。「ここに越してきて5年が経った頃、以前もスタジオとして使われていたこの建物に空きが出まして、スタジオ経営に名乗りを上げました。内装デザインを新たに行ってリノベーションし、スタジオ『TACOMA』としてオープンさせました」日本の住宅は“センチ”を単位にして設計しているけれど、“インチ”を使うと、どこかしらアメリカらしい建物になるのだそう。「家具の制作や内装をお願いした『リクレイムドワークス』の岩田さんに、そんな重要なヒントをいただきました!」スタジオは撮影以外にも様々な使い方をしているのだそう。「ホームパーティをすることもあります。卓球台を持ち込むとかなり盛り上がります(笑)」「アメリカ西北部、ポートランドをイメージしてスタジオを作りました」「トラス構造は内部空間を広くとれることが特徴です。右側に見える柱2本は不要なのですが、スタジオとして空間を分けるために敢えて立てています」アメリカの古材で作ったダイニングテーブル。スツールで座ってちょうどいい高さにしている。トラス構造がよくわかる梁。壁を黄色に塗り分けた高さもインチで決めた。「バスルームはNY風のデザインにしました」
2019年12月30日アメリカの禅センターで暮らしていた頃、“禅”と書かれた特注の作務衣を着こなすイケメンゲイのレジデントが居ました。彼はのちにパンセクシャル(全性愛)の女性と恋に落ち、僧侶の道を志すことに。二元性を超えた空(くう)の世界に触れたいと、アメリカで禅修行に勤しむ人たちにLGBT(性的少数者)の人々が少なくないことは自然なのかもしれません。言葉を生業にしていたというアイデンティティなんてものは完全に崩壊し、危うい英語で立ち回り続けた丸裸同然の筆者・土居彩がアメリカ修行中にジェンダーについて考えました。取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 3モテモテだったイケメン雲水のアール。私がアメリカの禅センターで典座とともに料理を作りながら生活していたとき、アール(仮名)というイケメン・レジデントがいました。アールの生まれはドイツ。イギリスの名門大学院を卒業し、ロンドンにアート関連の会社を起業した彼は美術に特化したコンサルティング業務を生業としていました。彼が渡米して禅センターで修行生活をしていたのは、禅仏教関係の古美術に魅せられたため。プラクティスしながらその世界に触れ、学びたいと考えたのです。完璧なクイーンズ・イングリッシュを話し、ちょっとスパイシーな冗談を飛ばすアール。筋金入りのミニマリストな彼が持っている服といえば、「禅」と襟元に書かれた特注の黒い作務衣と着古されたコム・デ・ギャルソンのブラック・ジャケットのみ。只者ではないこだわりを見せ、キラキラ光る瞳にしなやかな肢体、くすんだ色の金髪には寝癖が……と、見た目もいいので当然モテます。ところが、禅センターで恋愛はご法度。特に最初の4か月間は断固禁止で、レジデントとして認められたあかつきに渡される分厚い文書のかなりのページにも「恋愛沙汰NG」というお達しが念入りに書かれています。とはいってもアールのことをちょっといいなと思っていた女性は私が知っているだけでも何人かいて、彼女たちは恋破れては涙していました。というのも、アールはゲイだったからです。ゲイの彼がパンセクシャルの女性に恋をした。このたびそんなアールが恋に落ちて結婚したのです。なんと相手は、女性! 美男美女で、就寝前には二人そろって小さな顔にウディ・アレンみたいな大きな丸メガネをかけ、笑っちゃうぐらいそっくり。パートナーのティ(仮名)は、パンセクシャル。彼女の前の恋人は女性で、その前は男性。ティにとって性別というのは付属的なものに過ぎず、相手に惹かれるかどうかの条件にはならないのだそうです。ちなみにバイセクシャルと混同されがちなパンセクシャルですが、バイセクシャルが「男性も女性も好き」とするのに対して、パンセクシャルは「相手の性別に囚われないで好き」となります。異性愛者の私ではありますが、ニンフのような人間離れした透明感と底なしの明るさを持つティの魅力には、ちょっとクラッとくることも。アールが落ちたのもわかります。そして僧侶になったアール。とはいえ男性以外とお付き合いをしたことが無かったアール自身もビックリな展開です。当然ティ以外に女性経験ゼロな彼は「日々女性器の奥深さを探究中だけど、すごいんだねぇ! 僕らに娘ができたら、“アヤ”って名づけるつもりなんだ」、ですって。アメリカ人のティと結婚したアールは現在グリーンカードを申請中。ロンドンの会社も閉鎖し、出家してよりディープなお坊さん修行に勤めています。神は男と女を作られた。アメリカにおけるLGBT(性的少数者)の人たちが、「神は男と女を作られた」とする旧約聖書を基にした教えではなく、男と女という二元性や、「私」という個の概念を超越したところに真理があるとするブッダの教えを積極的に学ぼうとするのは自然なことなのかもしれません。ところでアールのドラマティックな出来事はすべて、たった半年間で起こった話。当人を含めて誰も想像できないものでした。つまり私たちは、自分はこういう人間だと、どこか決めているところがありますが、変わるんです、実際は。アールのように。あらゆるものは変わるという般若心経の教え。そういえば私たちが一緒に禅センターの朝課で唱えていた摩訶般若心経も、あらゆるものには自性がなく、変化を続けることが存在の本質だと説いていました。毎朝唱え続けることで、気づかないうちにその教えがアールや私にも浸潤したのでしょうか。というのもアールほど極端な例ではありませんが、私もずいぶん変わりました。料理しない女が典座と料理を作り続けたら…。例えばアンアン編集者時代は素晴らしい料理家さんたちの料理ページの連載を担当しながら「私は料理をしない女」と豪語していました。太りたくなくて、食べることにもあまり興味がありませんでした。ところが退職してからは何の縁か、アメリカの禅センターで毎日三食30〜100人の人たちの料理を作ることになり、否応なく食べることの重要さをヒシヒシと痛感することになりました。結果として、今では料理は大切な日課になりました。先日も「食」とは「良い人」と書くと、接心でお世話になった福井県の天龍寺のご住職に教えていただき、日々それを実感しています。©星覚食べることを通じて、あらゆるものとの深いつながりを再認識し、さらには食べたものが3日もすれば、自分へと変化していく。そんな食の奥深さについて思うことは、また改めてこちらでお話したいと思います。ほかにも中目黒に住んで、最新ファッション・ショーや化粧品の新作発表会にお邪魔させていただいていた頃には、自分が望んでアメリカで2年間もホームレス生活をするなんて想像すらできませんでしたし。人は毎瞬変化するのです。食べたもの、取り入れた情報、出会った人、語り合った言葉、触れた土地……消費したり感じたもの全てがその人になっていきます。トランス女性禅教師のカイトリオナ・リード。さて1992年にティク・ナット・ハン師から禅仏教教師としての権限を授けられた、アメリカにおけるLGBT禅指導者のカイトリオナ・リードという人がいます。カイトリオナは、南カリフォルニアにあるマンザニタ・ヴィレッジ・リトリート・センターを設立し、持続可能な環境作り、非暴力、社会正義を促進することを目的としたヴィッパサナー瞑想と禅のプラクティスを教えています。今でこそ当たり前と言っても過言ではないLGBTQの仏教家ですが、男性だった彼女がトランス女性禅教師という道を選んだ1996年はそうではありませんでした。実際に弟子のひとりにも「あなたがトランス女性として生きることを選んだことにがっかりしました。だってあなたは私が出会った最も男性性と女性性が統合され、調和している男性だったからです」と言われたそうです。カイトリオナの勇気ある選択を誇りに感じながら、その弟子の心も少しわかります。というのも男性僧院長と女性信者のスキャンダルで問題になった禅センターやスピリチュアル・コミュニティは、アメリカで数か所あるからです。パワーとジェンダーがらみの問題は、たとえ精神修養の地だといっても、そこから完全に解放されてはいません。だからきっと私がレジデントとして暮らした禅センターでも、恋愛御法度という分厚い但し書きが渡されたのでしょう。丸裸でもなおしがみつく「私」というレッテル。日本で編集者だったなんて口が裂けてもいえない、訛りの強い英語に限られた語彙を擦り切れるまでリピートし続けてかろうじて意思の疎通がはかれる、丸裸同然の私っていったい何者なんだろう?そんなふうに日々何者でもない自分と向き合わざるを得なかった毎日の中で、アールとティ、センターの休日に山を降りて一緒に5リズム・ダンスに行ったゲイのダブリュー(仮名)と何か月も一緒に修行しながら生活したことは、丸裸同然でもなお、私が女性というカテゴリーに依然としてしがみついていることに気づかせてくれる体験でした。ある日会話のなかで、当然のように「まぁ、私は異性愛者だから」と私が言ったとき、ティが「どうしてそう言い切れるの?」と興味深そうに、ちょっと悪戯めいて微笑みながらたずねてきました。残念ながらそれに対する「今までそうだったし、これからも多分そうだから」という私の返答は、仏教の修行者としては全くクールではありませんでした。公案だったら老師から落とされているでしょう。だから私は、今日も坐っています。土居彩編集者。株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を勤める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にて、畏怖の念について研究するダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、13世紀の道元禅師を初めて英訳し欧米に伝えた禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)を翻訳中。恩人たちに支えられ続けながら、会社を辞めて渡米奮闘したドタバタな当時の様子を綴ったananweb連載『会社を辞めて、こうなった』も。
2019年10月02日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデルでミュージシャンの芽生さんです。「オフの日は自然の中で過ごすのが好き」と話す彼女の素顔に迫りました。直感を頼りに動いて世界が広がっていくのが楽しい!サンフランシスコで生まれ育ち、7年前に日本へ。モデルをしながら音楽ユニット「MIRRROR」としても活動中。「“どっか行きたいな”という軽い気持ちで日本に来ました(笑)。去年友達とノリでユニットを組んだら、今年はフジロックに出ることもできた。計画性がなくいつも直感で動くけど、それが一番うまくいくんです」。この夏からは、活動の拠点を徐々にLAに。「夢も目標もあるけど、先のことはあまり考えない。これからも、その時どきで気持ちいいって思う方向に進んでいくんだと思います」アメリカに帰ったら必ず食べるもの。飲茶、メキシカン、フォーがマスト!これはママと飲茶を食べた時。アナログ盤のリリースパーティにて。1st EP『what it was』がレコードに。形として残るのは嬉しいですね。LAの夕陽や空の広さが好き。友達の家からの景色。こんな夕陽を見ながらまったりするのが幸せ。mei1993年生まれ。18歳の時に留学のため来日。『装苑』『GINZA』などでモデルとして活躍しながら、昨年音楽ユニット「MIRRROR」を結成し、シングル『U By My Side』でデビュー。※『anan』2019年9月11日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年09月05日いまやCGで再現できない映像はないと言われているものの、胸に突き刺さるのはやはり本物の映像。そこで、今回ご紹介するオススメのドキュメンタリー作品は、衝撃の瞬間を映像に収めた話題作です。それは……。アカデミー賞に輝いた注目作『フリーソロ』!【映画、ときどき私】 vol. 256本作が密着しているのは、フリーソロ・クライミングの若きスーパースターと呼ばれているアレックス・オノルド。なじみのない人も多いかもしれませんが、「フリーソロ」とは、命綱となるロープや安全装置を一切着けず、体ひとつで岩壁を登る究極のクライミング・スタイルのこと。本作では、これまでに世界有数の山々を制覇してきたアレックスさんが、高さ約975メートルを誇る断崖絶壁エル・キャピタンに挑むまでの苦悩と葛藤が赤裸々に映し出されています。さらなる見どころに迫るべく、前人未踏の挑戦をともに戦い抜いたこちらの方にお話いただきました。エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ監督!今回、プロのクライマーで夫のジミー・チンさんとともに監督を務めたヴァサルヘリィ監督。アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞の受賞をはじめ、全世界で45賞ノミネート、20賞受賞という快挙を成し遂げています。そこで、当時を振り返ったいまの心境から舞台裏までを語っていただきました。―まずは、アカデミー賞を受賞されたときのお気持ちから教えてください。監督それは言葉にできるものではありません。なぜなら、名前が呼ばれた瞬間、時間が止まり、頭が真っ白になって世界がぐるぐると回っているような感覚だったからです。いずれにしても、いまは作品が多くの人に愛されたこと、そして評価されたことを本当に光栄に思っています。―周りの反応にも変化はありましたか?監督いつも私に「何にでもこだわりすぎで、時間をかけすぎ」と言っていた母が、受賞後は「細かいところにまでこだわってすごく頑張ったわね」と褒めてくれました。正直、「ここまで反応が変わるのか!」と面白かったです。(笑)―やはりアカデミー賞の効果はすごいですね。では、受賞につながった要因はどこにあったとご自身で考えていますか?監督手に汗握る緊張感はもちろんですが、努力、忍耐、自己鍛錬を通して不可能を可能にしていくアレックスの姿をスクリーンで観ることができること。そして、観客も一緒に挑戦しているような気持ちになれて、その場にいるかのような感覚を味わえたからではないかと思います。作品に深みを与えたのは女性の視点―とはいえ、過酷な環境での撮影にあたって、総監督として苦労されたこともあったのではないでしょうか?監督監督として非常に苦しかったのは、「これを本当に撮るべきなのか」という葛藤と倫理的な責任感。そして、「アレックスが安全に完登するために撮影クルーも失敗できない」「完璧でなければいけない」というプレッシャーに苦労しました。それから個人的なことでいうと、撮影を始めた時期は2人目の子どもが生まれたばかりだったので、子育てとの両立も実はかなり大変なことではありました。―本作でアレックスさんの恋人であるサンニさんの言動も印象的でしたが、監督自身もクライマーのパートナーをお持ちですよね。そういう意味でも、サンニさんに共感する部分はありましたか?監督ドキュメンタリーの作り手として、撮影対象者の感情につねにアンテナを張り、敏感であることは大事にしていました。特に、サンニのそばにはずっといたので、彼女の気持ちを理解することができたと思います。今回は、彼女の存在によって、女性の視点がこの作品にとって重要なポイントになるだろうと思いながら撮影していましたし、できあがった作品を観ても彼女がこの作品に奥深さを加えてくれたと感じました。ただ、アレックスとサンニの関係と私とジミーの関係は決して同じではないですね。―以前、私はジミーさんにも取材をさせていただいたことがありますが、アレックスさんと似ていると思ったのは、穏やかでありながら内に情熱を秘めているところ。彼らのように命がけで自分の夢に向き合う姿は魅力的であるいっぽう、パートナーとしては大変なところもあると思います。こういうタイプの男性といい関係を築くためには、どういう意識を持つべきと考えていますか?監督これはパートナーがクライマーであろうとなかろうと、どんな恋愛関係においても一番大事なことですが、それは相手をリスペクトして信頼すること。私自身も過去にはドキュメンタリーを撮るために何度も戦場に行ったことがあり、自分の身を危険にさらしていた経験もあったので、そういう意味では同じかもしれません。ただ、私の場合は子どもができてから大きく変わり、いまは危険を冒すようなことは一切しないと決めました。ジミーに関しては、しっかりした判断をしてくれると信頼して、彼を尊重するようにしています。あと、心がけているのは、ジミーが翌日に大きな仕事をする予定があるなら、その前日はなるべくケンカをしないこと。そんなふうに環境を保つ意味でも、リスペクトし合うことが大事だと思います。―やはりお互いを信頼することが一番ということですね。監督それに、彼が本格的に山へ登るときは、準備をきちんとしていて、集中力も高まっているし、周りにはベストな仲間も一緒なので、安心なんです。それよりも、普段休暇を取ってスキーをしているときのほうが油断をしている可能性があるので、むしろそういうときのほうが危険度が高くて心配しています。(笑)感情の変化を捉えられたことは特別だった―今回は、監督の女性としての目線はもちろんですが、サンニさんの存在は作品にとっても、アレックスさんの人間性を語るうえでも非常に重要だと感じました。監督映画を撮り始めたとき、実はサンニとアレックスは出会っておらず、恋人ではなかったので、彼女の存在は非常にラッキーだったと思います。というのも、彼女がいなかったらまったく違う作品になっていたと思うほどだからです。なぜ彼女が特別だったかというと、ありのままのアレックスを愛したということもそうですが、彼に対して自分の気持ちを躊躇なくぶつけることによって彼との絆が強まり、彼自身も彼女と一緒にいたいという気持ちがすごく強くなっていったから。それは、これまでにアレックスが経験したことのない気持ちでしたし、そういう感情の変化が撮影の間に起きたことは、いろいろなドキュメンタリーを撮影するなかでも珍しいこと。しかも、それをしっかりと捉えることができたのも監督としては非常に特別なことでした。―ただ、劇中では「フリーソロには恋愛感情は悪影響を及ぼす」という声もありましたが、監督はその意見をどうお考えですか?監督これは多くの人が言っていることですが、最終的にアレックスはその発言に対して、「当たっている部分もあるし、そうではない部分もある」と証明したと思っています。それに、彼はサンニだけでなく、周りで撮影している友達に対しても同じ気持ちがあったと感じました。ただ、もし彼らの存在がプレッシャーになっているのなら、もっと準備すればいいだけの話だとアレックスは考えていましたし、実際にそうしています。彼はこれまでフリーソロをするときは、誰にも言わずに行ってきましたが、今回初めて人が見ている前でしなければいけないということで、いままでと違うことを乗り越えたのです。でも、そんなふうに自分のやるべきことに専念したいけれど、気が散ってしまうようなことが起きるというのは、クライマーだけでなく、女優やピアニストなど、ほかの職業でも同じことが言えますよね。周囲の雑音をブロックし、自分の仕事に集中するためのメンタルの強さを持つというのは、どんな人にも必要なことだと思います。恋愛と仕事のバランスで気をつけていることとは?―監督自身は、恋愛感情が仕事に影響を与えたこともありますか?監督たとえば、恋愛で何か問題があって自分的にはすごくしんどいと思っていても、プロとして職場には自分の心に抱えているものは一切持ち込まずに対処するようにしています。というのも、これだけ長くドキュメンタリーを撮っていると、何をしないといけないかということをわかっているので。とはいえ、私はすごく感受性が豊かなタイプ。それはドキュメンタリーを作るうえでは強みでもあり、才能でもありますが、そういう部分は一番表に出していけないところでもあるのです。もちろん、そういう部分があるからこそ、対象者にすごく共感できるし、いい作品を作ることができます。ですが、相手が苦しんでいるときは自分も同じように苦しい気持ちになってしまうことがあるので、それは抑えなければいけないと思っています。つまり、自分のストレスを相手に感じさせてはいけないということです。―今回の撮影のなかでも、そういう瞬間はありましたか?監督アレックスが次の日にフリーソロに出かけるということをあえてサンニに言おうとしないところがありましたが、撮影しながら「ちゃんと言いなさいよ!」と言いたいんだけど言えないことはありました。(笑)―では、アレックスさんの生き方を間近で見て、監督が一番影響を受けたのはどのようなことですか?監督アレックスというのは、すごく品格を大事している人であり、自分の目指すものがはっきりしている人。そして、それに向かって行きたいと思って生きている人です。今回エル・キャピタンを完登したことはすごいことですが、それよりもすごいのは彼の変化。なぜなら、彼はいろいろなものを怖がっていた子どもで、野菜も怖くて食べられないし、人とハグすることも、話をすることもできなかったくらいだったんです。そんな彼が大きな夢や成し遂げたいことのために努力をして、不可能を可能にしていくという過程は本当に素晴らしいものでした。アレックスにとってはエル・キャピタンが目標でしたが、どんな人にもその人にとってのエル・キャピタンがあると思うので、そこに向かって努力を惜しまなければ必ず可能になるんだということを観ている人たちにも感じ取ってもらいたいです。彼の「自分はこういうふうに生きていくんだ」という明確な意図や目標を持っている姿は、私が一番刺激を受けたところだと思います。自分たちの作品で世の中をよくしていきたい―この作品で映画界の最高峰といわれるアカデミー賞を受賞されましたが、監督にとってのエル・キャピタンは何ですか?監督今回、アレックスの高い集中力とすべてにこだわる職人的な気質を目の当たりにしたおかげで、作品に関わった全員が「自分たちも自分の最高のものを発揮しないといけない」という並々ならぬ思いで作品を完成させることができました。いつか獲れたらいいなと思っていたアカデミー賞を受賞できたのは、本当に素晴らしく、光栄なことでしたが、私たちが達成できた一番の喜びというのはアレックスが無事に目標を達成できたということであり、そのほかのことは全部ボーナスだと思っています。なので、これからどうしたいかについては、まずは「とにかくいい作品を作り続けていきたい」、そして「その作品で世の中を少しでもよくしていきたい」という思いがあります。観てくれる方たちに刺激を与え、自分の生きたい人生を生きようと感じてくれるような作品を作っていきたいというのが私とジミーの目標。まずはこの作品で、達成できそうにない夢も努力次第で達成できるということを是非スクリーンで鑑賞し、感じて欲しいです。極限状態の連続に緊張感と手の汗が止まらない!越えられそうにない壁を目の当たりにしても、人間にはそれを乗り越える力が誰にでもあるのだと感じさせてくれるはず。不可能を可能に変えられるのは、どれだけ自分自身を信じることができるか次第。想像を遥かに上回る圧倒的な映像に、あなたのなかに眠っているチャレンジ精神も激しく揺さぶられるかも。スリリングな予告編はこちら!作品情報『フリーソロ』9月6日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開配給:アルバトロス・フィルム© 2018 National Geographic Partners, LLC. 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2019年09月05日誰もが人には言えない悩みを抱えているものですが、そのなかでも多い問題といえば、性に関すること。「パートナーとのセックスがうまくいっていない」とか「セックスレスを解消する方法がわからない」など、思い当たる節がある女性たちもいるのでは?ということで今回は、まもなく公開のドキュメンタリー映画『おしえて!ドクター・ルース』に出演しているこちらの方に緊急お悩み相談にお答えいただきました!セックス・セラピストとして現役のドクター・ルース!【映画、ときどき私】 vol. 255ドクター・ルースは、1980年代に始まったラジオ番組がきっかけで一躍注目を集め、アメリカではもっとも有名なセックス・セラピストと言われるほどの人気。アメリカ人の性に対する意識に多大な影響を与える存在として、91歳となったいまなお精力的に活動を続けています。とはいえ、ここにたどり着くまでには苦難の連続。ドイツに生まれたのち、幼くして家族を失い、スナイパーとしての活動を経てから異国でシングルマザーになり、セックス・セラピストへの道を歩むという波乱の人生を送ってきているのです。そこで、そんな人生の大先輩であるドクター・ルースに、女性たちからよく聞くセックスの悩みから自分らしい生き方についてまで、アドバイスをいただきました。―『anan』本誌でのセックス特集をはじめ、ananwebでも性に関する記事は読者の関心が高いテーマです。映画のなかでもドクター・ルースは「性についてはまだまだ議論されるべき」とおっしゃっていましたが、そのなかでも今後私たちが話し合うべきテーマはどのようなことだとお考えですか?ドクター・ルースいま私たちが語るべきなのは、リレーションシップについて。ヘブライ語のセックスには「知る」という意味もありますが、その言葉通り「どのようにセックスをすればいいのか」についてだけ語るのではなく、お互いをより深く知り合うことが求められているのです。それによって、「どんなことがあなたを悲しくさせるのか」「どんなことがあなたを幸せにするのか」「何が変われば自分の人生がより良くなるのか」を知ることができます。そういったことを話し合うことがこれからは重要だと感じているところです。そして、それこそが私の著書『SEX FOR DUMMIES』の改訂版を作った理由。先日、ニューヨークの郊外で本のサイン会をしたときも売り切れてしまいましたが、次に行くシカゴでも800人もの方々が来場してくれる予定なんですよ。理想のセックスライフに必要なものとは?―それだけ多くの方がセックスに対して悩みを抱えているということなんですね。ドクター・ルース若い人たちはもちろんだけれど、年を取った人たちにとっても大事なこと。なぜなら、未亡人や男やもめのみなさんが孤独になってしまうという大きな問題がいま起きているからなんです。―日本でも昔に比べると性についてはオープンになりつつありますが、それでもパートナーに自分の欲求を伝えられない女性やセックスの楽しみ方がわからない女性もいます。どのようにすれば満足したセックスライフを送ることができるかアドバイスをお願いします。ドクター・ルースオススメの方法は、ドクター・ルースが書いた『SEX FOR DUMMIES』を1冊持つこと(笑)。それをベッドに持って行って、本のなかに描かれている絵を相手に見せてみてください。そこにはさまざまなポジションでのセックスが描かれているので、どれを試してみたいのか指で差すだけでいいのです。言葉でうまく伝えられない人も多いと思うけれど、これなら自分で語る必要はありませんよね(笑)。「私がして欲しいのはこれです」と絵を見せて伝えればいいのですから。あとは、「ドクター・ルースがそうすればいいと言っている」と付け加えてもらっていいですよ。―確かに、それならシャイな女性でも実践できそうですね。続いては、パートナー選びについてうかがいますが、ドクター・ルースは3回の結婚を経て、「最後の夫フレッドさんこそが真実の愛」とおっしゃっています。“運命の人”を見分ける方法があれば、教えてください。ドクター・ルースそれはとても難しいことだけれど、まずはコミュニケーションをとってみて、同じことに興味を持てるかどうかは大事だと思います。実際、私たちの場合は2人ともユダヤ人で、スキーが好きという共通点がありました。だから、初めて出会ったのもスキー場だったんですよ。あとは、運命の人に出会ったと思ったら、良い関係を築くために努力をすることも必要。とはいえ、私は運が良かったと思っています。なぜなら、フレッドは私が仕事で忙しくて料理をしていなくても気にもしない人だったからです。男性がみなそうであるとは限らないので、私はすごくラッキーだったんだなといま感じています。生きているのには何かしらの理由がある―これまでに多くの人たちがドクター・ルースの言葉に救われてきたと思いますが、ご自身の人生を救った忘れられない言葉はありますか?ドクター・ルースもちろん、私にもありますよ。なかでも私を幸せにしてくれたのは、「一番大事なのは教育であり、誰も君から教育を取り上げることはできないんだよ」と言ってくれた父の言葉。私は91歳半になりましたが、そのときの父の声はいまでも聴こえてくるほどです。それから、私が感じていたのは「私が生きているのには何かしらの理由がある」ということ。そのためには、人生において何かよいことをしなくてはいけないと考えていました。なぜなら、1500万人のユダヤ人の子どもたちがナチスに殺されたにもかかわらず、私は生かされているのだから。―そういった辛い経験から得た思いも、ドクター・ルースの人生を支えていたものだったんですね。ドクター・ルースそうですね。私の人生と魂は、私の生い立ちとユダヤ人であるということによって救われていたところもあったと思います。あとは、一緒に過ごせたのはわずか10年半ではありましたが、素晴らしい父と母、そして私を育てることに一生懸命だった祖母に恵まれていたというのも大きかったですね。特に、当時は村に私しか子どもがいなかったこともあり、村にいたみなが私を愛してくれましたが、のちに孤児になってしまうという最悪の事態で生き抜いていくなかで、そのときの幸せな思い出はかけがえのないものでした。ユーモアを持って語ることが大切―いまの私たちには想像もできない思いをされているにもかかわらず、ドクター・ルースはどんなときでも笑顔。その姿はとても印象的でしたが、いつも笑顔でいられる秘訣を教えてください。ドクター・ルース私の強さには、「ユダヤ人であること」と「ユダヤ人としての伝統をしっかりと引き継いでいること」が関係しているのかもしれませんね。それから、ユダヤ教では「ユーモアを持って語られた教えは絶対に忘れない教えとなる」と言われているので、私も何かを語るときにユーモアを用いることは非常に大事なことだと意識しています。―最後に、ananweb読者のなかには仕事や恋愛がうまくいかず、なかなか前に進むことができない悩める女性も多いので、メッセージをお願いします!ドクター・ルースときには人に助けを求めることも必要なことだと伝えたいですね。なので、もし仕事や恋愛がうまくいっていないのなら、心理的な面で問題がある可能性もあるので、そのときはセックス・セラピストではなくて、心理学のセラピストに行ってみるのもオススメ。心理学者によって、あなたがパートナーを見つけられない理由を見つけてくれることもあるはずですよ。ドクター・ルースに解決できない悩みはない!つねに笑顔で前に進み続けるドクター・ルースが放つ魔法の言葉は、まさに“人生の処方箋”。強いだけじゃないドクター・ルースのポジティブな生き方を見れば、どんな悩みを吹き飛んでしまうはず。精神的にも経済的にも自立した女性を目指すなら、必見の1本です!笑顔になれる予告編はこちら!作品情報『おしえて!ドクター・ルース』8月30日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開!配給:ロングライドPhotos by MAYUMI NASHIDA
2019年08月26日アメリカ・ミシガン州にお住まいのママさん。日本人ママ友との出会いは意外と多いものの、別れも多いようです。それでも人付き合いに積極的になれたというアメリカ在住ママの体験談です。 現在日本人の夫と1歳7カ月の娘とともに、アメリカのミシガン州に永住者として住んでいます。こちらには多くの日本人家族が住んでおり、さまざまな境遇の下でアメリカ生活を送っています。私が子どもを持つようになってから体験した、ママ友との出会いと別れの様子をお伝えします。 ※コロナ禍前の体験談です。 いろいろな境遇の日本人ママとの出会い私たち家族は永住者としてアメリカに住んでいます。しかし、こちらの土地で出会う日本人ママ友のほとんどは短期間での滞在者。主に旦那さんが企業からの駐在員か、大学で学ばれている方です。数は少ないですが、国際結婚されてアメリカに来られたママさんや、旦那さんが大学で就業されている永住者のママさんにも出会うことがあります。 子どもを遊ばせながら日本人ママさんを見掛けると、話しかけたいな!と思ってしまいます。みなさん子どもを通じて、気さくに交流されているようです。 十人十色な境遇、そして感じるその格差!いろいろな境遇で生活されている方が多いので、生活レベルもさまざまです。日本の有名企業から来られている方は手厚い生活サポートがあり、お子さんが託児所や保育園に行っている間に英会話や趣味の教室を楽しむことができるようです。また、おむつなどの必需品の購入補助費などもあるようで、うらやましいな、と格差を感じ嫉妬することも。 しかし、慣れない海外勤務をされる旦那さんやそこで新たに生活するお子さんをサポートするという、ママとしての大変な側面もあるようです。 いつか来る別れ、うれしい新たな出会い通常は駐在任期を終えると、多くの日本人家族は帰国します。「実は、来年帰国するんです」と仲良くなったときには帰国間近で、数カ月後には切ない別れになってしまうことも。別れを考えると寂しいですが、同じ年頃のお子さんを持つ見知らぬ日本人ママさんを見掛けると、「ママ友になれるかもしれない」と期待が湧いてくるのです。 アメリカで子育てをしながら、本当にたくさんのママ友との別れを経験しましたが、同時に積極的に人と関わっていこうという気持ちも持てるようになりました。 日本人ママさんが多い土地なので出会いはありますが、短い期間の滞在の方が多く、出会いと別れの繰り返しでした。うれしくもあり、寂しくもありですが、新たな出会いによって積極的な人との関わりができるようになりました。著者:岡みちこアメリカ中西部の小さな町で日本人の夫と1歳の娘の3人暮らし。アメリカの子育て事情や、自身の妊娠・出産・子育てに関する体験談について執筆中。
2019年07月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中貿易摩擦」です。アメリカも中国も譲らない状態がまだまだ続きそう。先日福岡で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議で、多くの国から、アメリカと中国の貿易摩擦が激化すれば、世界経済に大きなリスクを負わせるのではという意見が出ました。関税を巡る米中の貿易摩擦が表面化したのは昨年からです。トランプ大統領は就任前から、アメリカの貿易赤字を問題視しており、輸入品に高い関税をかけ、自国製品が売れるようにしたいと考えていました。昨年7月、中国製品に高い関税をかけ始めたところ、中国は反発。アメリカからの大豆や牛肉などに高い関税をかけ、対立が加速したのです。今年になり、アメリカは、「中国製の携帯電話はアメリカの技術を盗み取ったもの」と、中国の特定企業との取引を停止させました。対する中国は、半導体の元となる「レアアース」のアメリカへの輸出制限を示唆。アメリカは中国からの輸入品のほとんどの関税を引き上げましたが、さらに3000億ドルに相当する品目も、最大で25%まで引き上げるかどうか、6月末に決めると発表しました。『ウォール・ストリート・ジャーナル』の記者は、両者の勝負はしばらく膠着状態だろうと見立てており、中国研究の第一人者・遠藤誉さんは、「GDPで世界1位になるまで中国は退かないだろう」と話していました。中国外務省は先日、「米国が貿易摩擦を激化させたいのであれば、断固たる決意で対応する」と強い態度を示しました。いま中国は一帯一路構想により、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカまでの巨大貿易ルートを確保しようとしています。各国に巨額の支援や融資を施し、中国側に引き入れようと画策。例えばカンボジアのフンセン政権は、中国の支援に対し、プノンペンに中国人のための街を建設。強制退去させられた地元の人々の不満が募っています。アメリカもまた、中東地域の戦争や、自国内でも不法移民問題で人権を抑圧。人々の不満が積もれば、いつかほころびを見せるのではないでしょうか。いまこそ日本には、目先の利益にとらわれず、人権を守る協調体制が求められます。アメリカや中国、その他の国々との橋渡し役になることが、長期的には自国を守る術にもなるでしょう。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月3日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年06月28日“アップサイクル”と“リサイクル”の違いって?アップサイクルとは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの考え方のひとつ。使い終わったものの素材を原料に再資源化するだけのリサイクルとは違い、廃棄物や不要になったものを形質は変えずに素材として利用したり、元のものの特徴を生かしながらより価値の高いものを生み出したり。エコでありながら、“よりいいもの”に作り変えていくという方法論で、最近ではファッション、デザイン、プロダクトなど、さまざまなシーンで注目されているのです。毎日着るTシャツにも、意思のあるものを『UPCYCLE』は、リサイクルTシャツをメインに2018年にスタートしたLAのブランド。ニッティング・染色・裁断・縫製にいたるまですべてアメリカ国内で生産されているのが特徴です。それぞれが5マイル以内の距離で行われているため、カーボンフットプリント(個人・企業が生活、運営していく上で発生する二酸化炭素の排出量)を低く保つことができるんだそう。ブランドのベースになっているのは、エコ・リサイクルを常に考えること。製造工程で生じてしまう生地のハギレなどの廃棄物を最小限に抑えながら、自社工場で出たハギレとアメリカ国内で集めたペットボトルをスクラップし、それを新しい糸にアップサイクル。その糸でTシャツを製造し、ひとつひとつの工程にこだわったリサイクルプロダクトを生み出しているのです。UCR410: VINTAGE WASH RINGER TEE ¥5,292こちらは一枚につき、5本のペットボトルが再利用されているというヴィンテージウォッシュのリンガーTシャツ。首元と袖口に入ったパイピングがポイントになっています。サーフやストリートのカルチャーを感じさせるこのTシャツは、デニムやスカートに合わせるだけのシンプルなコーディネイトでも、トレンド感を出してくれるアイテム。ラフなスニーカーを合わせて、とことんカジュアルに楽しんでみてください!UCR401: VINTAGE WASH SHORT SLEEVE TEE ¥4,212 UCR411: VINTAGE WASH LONG SLEEVE TEE ¥5,292こちらもリサイクルコットンとペットボトルから生み出されたポリエステルの混紡素材を使用したブランドの定番品。独自のウォッシュ加工を加えていることから、古着のTシャツを着ているかのような風合いが楽しめます。アメリカンカジュアルを体現したベーシック&クラシックな一枚は、何枚あっても困らないはず。ショートスリーブタイプとロングスリーブタイプがあるので、季節に合わせて活躍してくれます。まとめ買いしておくのもおすすめです!UCR422: WOMEN’S VINTAGE WASH ROCK TEE ¥4,212最後にご紹介するのは、袖口と裾が切りっぱなしになったデザインが特徴のノースリーブTシャツ。丈が短めのボックス型なので、コンパクトなスタイリングを叶えてくれます。シャツを羽織ってレイヤードを楽しんだり、暑い日はそのまま一枚さらっと着るだけでも様になってくれるはず。LAブランド『UPCYCLE』のリサイクルTシャツコレクションをご紹介しました。アップサイクル、ユニセックス、サスティナブルなど、これからの時代をつくるキーワードが揃ったブランドは、今からチェックしておいて損はないはず。ぜひ一度その着心地を確かめてみてください!UPCYCLEメイデン・カンパニー03-5410-9777www.maiden.jptext:坂崎麻結
2019年05月21日ハリウッドで活躍する俳優風のスタイル外国人スタイルの王道アイアンマンアイアンマントニー・スターク役のロバートダウニーJr.風あまり刈上げ過ぎずにソフトに残した刈上げはナチュラルを求める方にはとてもおススメです。外国人のようなスタイルが得意です。お客様に外国人の方が多いのでクセ毛を活かしたスタイルをとても得意としてます。クセ毛でお困りの方は、是非一度お越し下さい。※リンク先とはスタイル名が異なります!アイアンマンを見るキャプテン・アメリカキャプテン・アメリカスティーブ・ロジャース役のクリス・エヴァンス風!サイド、バックはスッキリと刈上げスッキリとトップはかき上げて流れる様にしています。※リンク先のスタイル名とは異なりますキャプテン・アメリカを見るスパイダーマンスパイダーマンピーター・パーカー役のトム・ホランド風サイド、バックは刈り上げてトップには動きがでるようにチョップカットをいれていきます。クセがある方はクセをパーマのように活かしてセットするとクールに決まります!※リンク先とはヘアスタイル名が異なりますスパイダーマンを見るソーソー雷のパワーを操る破天荒な神様(カミサマ)役のクリス・ヘムズワース風サイドバックは短くナチュラルに刈上げ、前髪はアップしやすいようにカットしています。※リンク先とはスタイル名が異なりますソーを見るハルクハルクブルース・バナー役のマーク・ラファロ風前髪を少し長めに残し、サイド、バックはスッキリと刈上げメリハリを出しています!※リンク先とはスタイル名が異なりますハルクを見るドクター・ストレンジャードクター・ストレンジャーで主演のベネディクト・カンバーバッチの髪型をイメージしてつくりました。後ろに流れるクセ毛風のスタイルは手グシで簡単に扱えるスタイルです!外国人のようなスタイルが得意です。お客様に外国人の方が多いのでクセ毛を活かしたスタイルをとても得意としています。クセ毛でお困りの方是非一度お越し下さい。ドクター・ストレンジャーを見るスター・ロードスター・ロードピーター・クイル役のクリス・プラット風ラフセット時をイメージしています。外国人のようなスタイルが得意です。お客様に外国人の方が多いのでクセ毛を活かしたスタイルをとても得意としています。クセ毛でお困りの方是非一度お越し下さい。※リンク先とはスタイル名が異なりますスター・ロードを見るウィンター・ソルジャーウィンター・ソルジャーバッキ―・バーンズ役のセバスチャン・スタン風ワンレンにレザーでつくっていき、全体に柔らかめのパーマをかけました。マンバンにしてもカッコいいです。外国人のようなスタイルが得意です。お客様に外国人の方が多いのでクセ毛を活かしたスタイルもとても得意としています。クセ毛でお困りの方是非一度お越し下さい※リンク先とはスタイル名が異なりますウィンター・ソルジャーを見る
2019年05月18日いよいよ始まった令和の時代も、女性たちのさらなる活躍が期待されているところ。そんななか、NYで注目されているのは、映画『スケート・キッチン』に出演しているガールズスケートクルーです。そこで、来日中の彼女たちを直撃してきました! 登場するのは……。写真・黒川ひろみ(アジャニ、カブリーナ、ジュールス、ブレン)アジャニ&カブリーナ&ジュールス&ブレン!【映画、ときどき私】 vol. 228現在、彼女たちが所属しているのは、映画のタイトルと同じ「スケート・キッチン」。20~25歳の女子7人で構成されているNYで話題のユニットです。今回、公開に合わせて来日したのは、写真左から、アジャニ・ラッセル、カブリーナ・アダムズ 、そして双子のジュールス・ロレンゾと、ブレン・ロレンゾの4名。主人公のカミーユが出会う仲間役を演じた彼女たちによる、劇中さながらの仲良しガールズトークにお邪魔させてもらいました。ステレオタイプのイメージを壊したかった―まず、みなさんはいつからスケートボードを始めているのですか?ジュールス、ブレン私たちは11歳から。カブリーナ私は12歳。アジャニ彼女たちに比べると私はわりと最近始めたほうよ。―「スケート・キッチン」というのは少し変わった名前ですが、由来を教えてください。ブレン実は、女の子がスケートしている動画に、男の子から「女は台所にいろ!」みたいなコメントがたくさんあったの。つまり、「女性といったらキッチンで料理するもの」といったステレオタイプなイメージがいまもあるということ。そういう固定概念を壊すためにも、うまく利用して名前にしたのよ!―今回、初めての映画出演を経験してみていかがでしたか?ブレン2017年の夏に37日間かけて撮影したんだけど、現場ではほとんど友達と一緒だったから、緊張せずに和やかなムードで挑むことができたわ。―ドキュメンタリーのようなリアルさもありましたが、劇中のセリフや詳細などはどのように決めていきましたか?ジュールスまずは監督に私たちの経験やスケートのことを話したの。そのあとに、それらの話をもとに監督がまとめて脚本を作っていったのよ。その過程では、本物であるかどうかのチェックを私たちがしたりもしたから、よりコラボして完成させたという感じかな。―映画のなかでは、男子との対立などもありましたが、普段のスケートパークの様子でも同じようなことが起きていますか?ジュールス映画ではちょっと大げさに描いているところもあるわ。だって、実際はけっこうサポートしてくれる男子もいるからね。映画には私たちの日常が詰まっている―エピソードには、みなさんの経験を反映しているところもありましたか?アジャニ恋愛に関する男の子とのエピソードは作り話だけど、ほとんどは実際の話だったわね。カブリーナそうそう、ストーリーとして作られた部分もあるけど、日常生活の部分に関しては、私たちが普段遊んでいる雰囲気から得たエッセンスが取り入れられているわ。―現場ではハプニングなどはなかったですか?ブレンそれは特になかったかな。映画のカミーユみたいに家出するようなこともなかったしね。―女子にとっては、みなさんの個性的なファッションにも注目ですが、どのようにコーディネイトしていましたか?ジュールス今日も私服だけど、映画でも大半は自分たちの服を着ていたのよ。でも、現場にはスタイリストさんもいたから、彼女に自分の服を渡して、そのなかでコーディネイトしてもらったりもしたわ。―劇中で好きなシーンがあれば教えてください。カブリーナ私はカミーユが夜にミッドタウンで男の子たちとスケートしているシーンが好き。今回、私はカメラマンの後ろから自分でも撮影をしていたんだけど、ミッドタウンでの撮影の日だけは早く帰らないといけなくて、見ることができなかったの。だから、映画が完成したときに初めて見られてうれしかったというのも理由のひとつ。アジャニ私はカーニバルで綿あめを食べているシーンがお気に入りよ。東京、京都、沖縄を走ってみたい―では、オススメのNYのスポットを教えてください。ジュールススケートをするなら、すごく広くて楽しいのはチェルシー。それから、クーパーというスケートパークもクールよ。あとは映画の中でもメインで使われているLES のスケートパークはNYでも一番有名だけど、うまい人が多いし、いつも人でいっぱいなの。―日本でも走ってみたい場所はありますか?ジュールス難しいかもしれないけど、路上を走ってみたいわ!あと、また行きたいのは駒沢公園のスケートパーク。それから、京都もいいわよね。アジャニ私は沖縄に行ってみたいな。―スケートと出会って一番変わったことは何ですか?アジャニまずは移動が速くなったことかな(笑)。カブリーナうまく説明できないけど、人生に足りないものを補ってくれて、違うものにしてくれたこと。ジュールス私は一緒に遊んでいる子たちはスケートを通して知り合ったから、そういう最高の出会いがあったことね。アジャニあと、NYでは女の子が夜に1人で歩くのは危ないときもあるんだけど、スケートがあれば逃げられるし、最悪の場合には武器としても使えるよね(笑)。そういう安心感も増えたと思う。―では、映画に出演してから得たものはありますか?ブレン数々の国を旅行することができたし、素敵な人たちとも出会えたこと。やっぱり、自分たちとは違ういろんなガールズスケーターたちと知り合えたことは大きいと思うわ。カブリーナ私も新しい人たちとの出会い。それから、新しい機会にも恵まれたことよ。影響を受けている人物とは?―これからみなさんに憧れて影響を受ける女子も増えると思いますが、みなさんが影響を受けたかたはいますか?ブレン私はお母さん。彼女はすごく強いし、いつも私とジュールスをサポートして、やりたいことを応援してくれているから。私にとっては、おばあちゃんとともに尊敬できる存在よ。アジャニいま私はアートスクールに通っていて、そこでいろいろな人とコラボすることもあるのだけど、そのなかで出会った女性のアーティストたちにはすごく触発されているの。彼女たちはさまざまな苦難を乗り越えてもいるし、考え方もオープンだから、周りにいる友達からは影響を受けているわね。あと、ラッパーのジャングルプッシーも好き!カブリーナ私はシンガーソングライターのキング・プリンセス。ジュールス 私が影響を受けているのは、作曲家で劇作家で俳優でもあるリン=マニュエル・ミランダ。それから「マイ・ケミカル・ロマンス」というロックバンドのジェラルド・ウェイよ。―もし、日本人のアーティストやキャラクターで好きなものがあれば教えてください。ブレンまずはハローキティ。それから村上隆さんも好きよ。アジャニ私は『ONE PIECE』のトニートニー・チョッパー。『BLEACH』も最高よね!カブリーナ私が好きなのは、『ドラえもん』と『ドラゴンボール』。ジュールス私も『ONE PIECE』は好きだけど、『HUNTER×HUNTER』とかもいいよね。それと、ぐでたまが最高で大好きなの!すごく怠け者でずっと寝てるところがかわいいわよね。アジャニわかる!私もぐでたまはすっごく好き!カブリーナそれから『花より男子』も面白いよね。ジュールスあと、ホラー漫画家の伊藤潤二さんの作品もアメイジングなのよ!アジャニそうそう!とにかくすごいよね。性別にとらわれずやりたいことをやるべき―日本の文化にも興味を持ってもらえてうれしい限りです。それでは最後に、日本の女性たちに向けてのメッセージもお願いします!ブレン女性たちに伝えたいのは、スケートじゃなくても性別に関係なく、女性だからと引き下がらずに、自分のやりたいことは前に出て挑戦するべきということね。ジュールスあとは、自分と他人を比べないこと。そして、いつも自分を愛することも忘れないで欲しいわ。インタビューを終えてみて……。大人っぽい雰囲気がありつつも、日本のアニメやキャラクターの話になると子どものようなはしゃぎっぷりを見せる彼女たち。そんなクールでキュートな様子に魅了されました。才能に溢れ、個性豊かな女子が揃う「スケート・キッチン」の今後ますますの飛躍に期待です!ガールズパワーから勇気をもらう!スケートボードという男社会のなかでも、自分らしく生きようと立ち向かう7人の女子たち。友情や恋愛、親子関係などに悩みつつも、自らの手で新たな世界を切り開こうとする姿に背中を押されるはず。困難を前にしても立ち止まることなく、自分の目標に向かって走り出してみては?ストーリーニューヨーク郊外に暮らす内気な女の子カミーユ。スケートボードに熱中していたが、母親から止められ、関係が悪化してしまう。そんななか、女の子たちだけのスケートクルー「ストリート・キッチン」と出会い、カミーユは一員となる。どんどんスケートにのめり込んでいくカミーユは、謎のスケートボーダー男子に惹かれ始めていた。しかし、それよって新たな問題が起きてしまうことに……。躍動感に溢れる予告編はこちら!作品情報『スケート・キッチン』5月10日(金)より渋谷シネクイントほかロードショー配給:パルコ©2017 Skate Girl Film LLC.
2019年05月11日お人好しの猫のトムと賢くてすばしっこい鼠のジェリー。永遠の“追いかけっこ”コンビがアメリカで生まれて来年で80周年。そのアニバーサリーとして、過去最大規模の展覧会開催が決定。『トムとジェリー』が幅広い年齢層から愛される日本に、世界に先駆けてやってくることに。天敵? 親友? 世界最強コンビ誕生の秘密に迫る。作者はウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ。「カートゥーン」と呼ばれるアメリカンアニメの世界でも、ウォルト・ディズニーと並び称される天才アニメーターコンビ。シリーズ第1作「上には上がある」がいきなりアカデミー賞にノミネートされて以来、7回も受賞しているというから驚き。“トムジェリ”はデビュー当初からスターだった!というわけ。同展覧会では受賞作の映像をはじめ、映画製作会社ワーナー・ブラザースアーカイブで大切に保管されてきた原画や資料を展示。セルに描かれたトムとジェリーの姿は色褪せることなく、初公開のレイアウトスケッチや絵コンテには、面白さの秘密が隠れていそう。そのほか、ジェリーにこてんぱんにされたトムの立体作品がお目見えしたり、追いかけっこシーンの特別映像がミニシアターで上映されたりとお楽しみも満載。Tシャツ、バッグなど展覧会限定や先行販売などのオリジナルグッズ約200アイテムが登場。お買い物も楽しめそうだ。デビュー作のセル画も。現在では使われなくなったセル画は、透明のシート上に直接キャラクターを描いたもの。たくさんのコマ数のセル画を連続して見せることで動きを表現。アニメ制作の原点だ。『トムとジェリー』「上には上がある」セル・セットアップTOM AND JERRY and all related characters and elements © & TM Turner Entertainment Co.(s19)史上最強コンビ、誕生秘話。キャラクターの造形も80年の間に変化が。今よりワイルドな初期のトム。中央の「THE ALLEY CAT」とは「野良猫」の意味。現行の設定に至るまでの変遷も興味深い。『トムとジェリー』モデルシートTOM AND JERRY and all related characters and elements ©& TM Turner Entertainment Co.(s19)『誕生80周年 トムとジェリー展 カートゥーンの天才コンビ ハンナ=バーベラ』松屋銀座 8階イベントスクエア東京都中央区銀座3-6-1 TEL:03・3567・1211(大代表)開催中~5月6日(月)無休10時~20時(4月21日は~19時30分、最終日は~17時。入場は閉場の30分前まで)一般1300円ほか※『anan』2019年4月24日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2019年04月22日新元号が発表され、いよいよ新たな時代の幕開けが近づいてきたと感じるところ。そこで今回は、「令和」に活躍が期待される若手の実力派イケメン俳優が主演の話題作をご紹介します。それは……。静かな感動に包まれる注目作『荒野にて』!【映画、ときどき私】 vol. 225赤ん坊のころに母親に捨てられ、父親と2人暮らしをしていた少年チャーリー。家計を助けるため、近所にある競馬場で手伝いをするようになる。そこで、年老いた競走馬のピートと出会い、心を通わせていた。そんなある日、父親が大ケガを負い、突然この世を去ってしまう。天涯孤独となってしまったチャーリーは、殺処分を宣告されたピートを連れて逃走するのだった……。本作は、作家で音楽家のウィリー・ヴローティンによる小説「Lean On Pete」を映画化した作品。今回は、完成までの道のりをこちらの方にお話いただきました。それは……。イギリスのアンドリュー・ヘイ監督2015年に発表された『さざなみ』で高く評価され、各国で数多くの賞に輝いたヘイ監督。前作では、高齢夫婦の姿にフォーカスしましたが、本作では15歳の少年が抱える孤独に迫っています。そこで、主役を決定するまでのいきさつや監督自身の経験などについて語ってもらいました。―今回チャーリー役に抜擢したのは、チャーリー・プラマー。本作では、第74回ヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞も受賞しましたが、何百人もの応募者のなかから彼を選んだのはなぜですか?監督キャスティングの際にたくさんビデオが送られてきて、彼もそのひとつだったんだけど、最初の1分を見ただけで、「この子がチャーリーだ!」とすぐにわかったよ。彼は非常に才能があるし、どのシーンでも微妙なニュアンスのある演技をすることができる能力を持っている俳優。それも普通じゃない、ちょっと違う面白いアプローチをすることができるんだ。プラマーは強さと繊細さを持ち合わせている俳優―確かに、劇中で見せる彼の存在感と佇まいには、非常に引き込まれるものがありました。監督それから、彼は強いんだけれど、どこかもろくて繊細なところがあるんだよね。今回、僕はいわゆる典型的なアメリカ人のタフな男の子のというものを求めていなかったこともあって、プラマーの持つ感受性や繊細さはキャラクターと同じものを持っていると感じたんだ。なかなかそういうものを持っている人はいないし、すぐには見つからないと思っていたんだけど、まさに彼がその人物だったんだよ。しかも、ビデオのなかで彼はいくつかのシーンを演じてくれていたんだけど、どれも予想外のものだった。監督としては、自分が思っていたものとまったく違うやり方をされることはうれしいことでもあるものなんだよね。―では、現場でも監督が細かく演出していくというよりも、俳優と話し合いながらキャラクターを作り上げていくような感じでしたか?監督そうだね。僕にとって俳優と議論したり、話し合ったりすることはすごく大事なこと。ただ、最初からあまり話しすぎるのではなく、まずは俳優に演技をしてもらって、それから深く話をするという方法を取っているんだ。というのも、僕が「こうしなさい」と厳密に指示するよりも、俳優自身が自分なりの演技を見つけていくという協力体制のほうがより自然な演技が出てくるものだからね。―そういった監督の演出もあり、俳優陣の演技にはリアリティに感じました。今回は小説が原作ということですが、映画化するうえで苦労したのはどのような点でしょうか?監督小説を映像化するのは、以前テレビシリーズで経験したこともあったけれど、映画にするという意味では僕にとっても大きなチャレンジだったよ。というのも、時間的にすべてを入れることはできないから、原作のスピリットを見つけて、テーマは何か、そしてあらすじのどの部分を取り入れるのか、原作に忠実でありつつも自分の解釈をどう入れるか、といったことを考えなければいけないからね。とにかく何が一番重要なのかということを見つけるのが大切だったよ。人間とはみんな欠陥があり、過ちを犯すもの―映画を撮るにあたって、監督が心にとめていたのは、原作の序文にある「確かに我々人間は弱く、病気にもかかり、醜く、堪え性のない生き物だ。だが、本当にそれだけの存在であるとしたら、我々は何千年も前にこの地上から消えていただろう」というアメリカの作家ジョン・スタインベックの言葉。そこから監督が得たものはどのようなことでしょうか?監督まず、僕が原作に惹かれた理由は、登場人物を誰も非難していないところ。それどころか、できるだけ彼らの状況を理解しようとしているんだ。僕たち人間はみんな欠陥があり、誰もが過ちを犯すことがあるよね?特にお金がなかったり、人生が複雑な状況にあったりする場合、正しい選択をすることが難しくなるものなんだ。そういったことが、このジョン・スタインベックの文章には表れていると感じたから、大事にしたいと思ったんだよ。つまり、誰のことも批判せず、どうしてそういうことをするのかを理解して、共感するということだね。―リサーチのために3か月間アメリカを旅されたそうですが、そのときの忘れられない出来事などがあれば教えてください。監督僕はアメリカに何度も行ったことがあるし、住んでいたこともあるけれど、今回は本当にすばらしい旅だったよ。原作のなかのチャーリーの旅路をたどるような3か月間で、キャンプしたり、モーテルに泊まったりしてみたんだ。もちろん、僕の経験はチャーリーとはまったく違うものではあるけれど、少なくともいろいろなコミュニティや人々、そして風景を理解するように努力はしていたつもりだよ。なかでも興味深かったのは、アメリカンドリームが叶わなくて大変な生活をしている人たちがどこにでもいたこと。でも、そういうなかでも彼らはお互いに助け合い、まるで家族のような強い絆で結ばれていたから、僕はそれを映画のなかで再現したいと思うようになったんだ。今回は大都市を訪れているだけではわからないアメリカの“ハート”みたいな部分を知ることができたけれど、そういうところは時間をかけてみないとわからないものだよね。僕の映画ではつねに孤独を描いている―そういう意味では、チャーリーと同じような状況に陥った人たちと触れ合う機会も多かったと思いますが、監督自身も若い頃に同じような苦悩や孤独を感じたことがありましたか?監督もちろん、僕もそういうものは経験してきたけど、みなさんも孤独感は味わったことがあるんじゃないかな。それに、これまでの僕の映画もある意味で「孤独であること」がテーマ。つまり、孤独のなかでどうにか生き延びていこうとする人の姿を描いているということだよ。チャーリーという人物は、孤立しているなかでもせめて自分が安全でいられる場所や思いやりを持って接してくれる人を求めているのだけれど、そういう部分は僕自身も理解できるし、この物語に惹かれた理由のひとつと言えるかもしれないね。―それでは最後にこれから作品を観るananweb読者に向けて、伝えたいことをメッセージとしてお願いします!監督僕が監督であるうえでつねに持っている野心は、観客のみなさんに何かを感じて欲しいということ。だから、劇場を出たときにチャーリーに対して共感を覚えたり、自分の周りにいる人たちを見る目が変わったりしたらうれしいかな。あとは、「人が思いやりを持てば持つほど世の中はよくなる」という僕の信念も伝わればいいなと思っているよ。誰もが自分の居場所を求めて人生の旅に出る!どんな困難でも諦めない希望の光を内に秘め、瑞々しさを放つ新星チャーリー・プラマー。先の見えない孤独と闘い、“人生の荒野”へと足を踏み出す姿に心を揺さぶられるはず。新たな生活にとまどいやすいこの時期だからこそ、オススメの作品です。美しい景色が広がる予告編はこちら!作品情報『荒野にて』4月12日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷他 全国順次ロードショー配給:GAGA© The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2017
2019年04月10日旅の最重要パートナーともいえるスーツケース。何年も使うものだから、丈夫さや機能面はもちろんのこと、デザイン性も譲れませんよね。昨年日本に本格上陸したアメリカ西海岸発の『Ricardo Beverly Hills(リカルド ビバリー ヒルズ)』は、ハイクオリティにこだわり高級感もありながら価格はお手頃で、スーツケースの新調を考えている人ならチェックしておきたいスーツケースブランド。新年度早々の出張や大型連休の旅行に向けて、頼れる供を見つけましょう。 (トップ画像)左からArris 29インチ¥45,360、20インチ¥41,040/RICARDO BEVERLY HILLS 出張もバケーションもスタイリッシュに。 リカルド ビバリー ヒルズは1978年に誕生し、アメリカをはじめヨーロッパではハイセンスなスーツケースとして知られていますが、日本では昨年よりセレクトショップなどで販売されるようになり早速話題に。デザインはトレンドと多種多様な文化を持つカリフォルニアからのインスピレーションがミックスされた都会的な印象で、ハードケースからトラベル用トートバッグまで幅広く展開しています。 ポリカーボネート製のスーツケース「Arris(アリス)」は、無駄を削ぎ落としたフラットなデザインがどこか近未来的。内部は整理して収納しやすい構造になっており、開閉時にフタ側になる収納部はファスナー開閉式のカバーを装備。メッシュ素材のポケットは細々したものの収納に。もう一方の収納部にもバンドを装備し、幅広で荷崩れを防いでくれるのがうれしいですね。思いのままに動いてくれないとストレスを感じるホイールも、360度回転するダブルホイールを使用し移動もスムーズ。スタイリッシュな佇まいは、スーツスタイルと相性が良くビジネスシーンにも最適です。 USBポート搭載のハイブリッドスーツケースCupertino 19インチ¥34,560/ RICARDO BEVERLY HILLS ポリカーボネートとポリエステル生地のハイブリッドボディの「Cupertino(クパチーノ)」は、フロントオープン仕様で荷物の取り出しがより快適に。19インチにはUSBポートが搭載され、自身で用意したポータブルバッテリーを内部で繋げておくと充電が可能。移動中の待ち時間もスマートに過ごせます。収納部はポケットを多く設置するなど、使うほどに便利な作りを実感できるスーツケースです。世界のジェットセッターからも選ばれるスーツケースをいち早く手に入れて、ワンランク上の旅を体験して。 リカルド ビバリーヒルズ ジャパンwww.recaldobeverlyhills.jp0800-700-6159 photograph:kimyongduckstyling:Rina Taruyamatext:Momoko Yokomizo
2019年04月08日フェイクニュースが蔓延し、メディアに対する信頼度も揺らぎつつある現代。そんななか、アメリカ政府による “巨大な嘘” が引き起こした歴史的な事件の真相を描いた話題作がいよいよ公開となります。その作品とは……。知られざる実話『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』!【映画、ときどき私】 vol. 2212001年9月11日。アメリカで同時多発テロが発生し、ジョージ・W・ブッシュ大統領はテロとの戦いを宣言する。その後、アメリカは大量破壊兵器保持を理由にイラク侵攻へと突き進もうとしていた。そんななか、新聞社ナイト・リッダーの記者たちはある驚きの事実を突き止める。それは、イラクが破壊兵器を保有している証拠はなく、アメリカ政府が情報をねつ造し、操作しているというものだった。真実を伝えるために、奮闘する4人の記者たち。ところが、傘下の新聞社に記事の掲載を拒否され、孤立してしまうことに……。アメリカ人のみならず、世界中の人々にとっても忘れることのできない9.11アメリカ同時多発テロやイラク戦争。現実とは思えないような映像の数々と緊迫した情勢に固唾を飲んでニュースを見ていたという人も多いはず。本作では、その裏に隠された驚きの事実が明らかになっていますが、このテーマへ長年情熱を注いできたこちらに方にお話を聞いてきました。それは……。出演・監督・製作を務めたロブ・ライナー監督!ライナー監督といえば、不朽の名作として愛され続けている『スタンド・バイ・ミー』で知られているアメリカの巨匠。今回は、ナイト・リッダーのワシントン支局長役として出演も果たしていますが、本作を手がけたきっかけや日本の観客へ伝えたい思いを語ってもらいました。―念願の初来日となりましたが、これまで日本に対してはどのような印象をお持ちでしたか?監督日本は『スタンド・バイ・ミー』がアメリカに次ぐ大ヒットとなっていたから、僕も前から来たいとずっと思っていたんだけど、なかなかチャンスがなかったんだ。でも、観客のみなさんが作品のことを本当に大切に思ってくれているのは伝わっていたよ。だから、日本にはほかの国よりも通じる部分があるだろうと興味を持っていたんだ。今回は取材の前から日本に滞在しているんだけど、おいしいものをたくさん食べたり、最高の時間を過ごしているよ!『スタンド・バイ・ミー』は大人になるための通過儀礼―いまお話にもあったように、『スタンド・バイ・ミー』は日本でも絶大な人気を誇っている1本。監督にとっても、ご自身に一番近い作品だそうですが、その理由をお聞かせください。監督僕の父カール・ライナーは、俳優としても監督としてもアメリカでは知られていることもあり、「有名人の息子」として父と比べられてしまうことが続いていたんだ。そんななか、自分のパーソナリティや感受性を純粋に表現し、初めて自分らしい作品を作ることができたのが『スタンド・バイ・ミー』。しかも、それが周りから評価されたことによって、父とは別のひとりの人間として認められたというのもすごく大きかったかな。当時すでに30代だったけれど、登場人物の少年たちと同じように、僕にとっても“大人になるための通過儀礼”という意味があったと思うよ。―その後、『恋人たちの予感』や『最高の人生の見つけ方』などのヒット作を数々生み出していますが、今回取り組んだのは社会派の作品。2003年から映画化を考えていたそうですが、原動力となっていたのはどのような思いですか?監督もともとアメリカがイラクに侵攻することになった過程にとても心が乱されていたんだ。ベトナム戦争に続いて、自分の生涯でまさか2度もアメリカが嘘の情報によって戦争をすることになるなんて思いもしていなかったからね。また同じことが起きていたからこそ、「これは映画にしなきゃいけない」という気持ちになったんだ。いかに真実が届いていないかを感じた―そのなかでも、今回登場する4人の記者にフォーカスしたのはなぜですか?監督どういう物語にするかというのがなかなか見えないまま数年が経過してしまったんだけれど、そんなときにホワイトハウス報道官だったビル・モイヤーズのドキュメンタリーを見て、ナイト・リッダーの記者たちの存在を初めて知ったんだ。そこで、いかに一般市民に真実が届いていないのか、そして政府が説明責任を問われることなくいかに自分たちの好きなようにしているのか、というのを強く感じたよ。彼らは市民に真実を届けようとしたけれど、当時の政権のプロパガンダのなかでどうしても届けることができなかった。それを知ったときが、この作品の入り口が見えた瞬間となったと言えるんじゃないかな。だから、僕にとっては「自由で独立したメディアなくして民主主義は成立しない」というのがこの作品のテーマでもあるんだ。―では、実際の出来事を映画化するときには、どんなことに気をつけていますか?監督歴史的な事件を取り上げるうえで重要なのは、なるべく正確に描くこと。最近は、本よりもテレビや映画から歴史を知る人も増えているからこそ、映画の作り手としては、そういう責任を感じているよ。真のコラボレーションをすることができた―今回はナイト・リッダーの記者の方々の協力なくしては描けない部分も多かったと思いますが、どのようなやりとりがありましたか?監督脚本を書いている段階から、彼らは本当に密に関わってくれたよ。それだけでなく、4人とも撮影現場に毎日来てくれて、「これは正確だ」とか「僕はこういうことはしないよ」といったアドバイスをその場でどんどんしてくれたんだ。そういう意味でも、「今回は真のコラボレーションだった」と言えるんじゃないかな。もし、作品を見てすごくリアルだったと感じてもらえるのなら、それは彼らのおかげだよ。いままさにインターネットの力を実感しているところ―この作品には、「政府や権力の影響を受けない報道をどのように手に入れていくか」というメッセージを込めているそうですが、いまはインターネットの発達もあり、正しい情報を得るのが難しい時代でもあります。私たちはどういう意識を持つことが必要だとお考えですか?監督難しい質問だよね。というのも、「インターネットの持つ力は、我々の想像を遥かに超えている」というのをいままさに知りつつある段階だといえるから。たとえば、マーク・ザッカーバーグが作ったFacebookは、人と人がもっとコミュニケーションを取りやすいようにと、「いいことに使って欲しい」という思いで作ったもの。にもかかわらず、それがいかに悪用できるかということは、みなさんも目の当たりにしているんじゃないかな?―確かに、日本でもそういう部分を実感している人が多いと思います。監督あとは最近で言うと、トランプの大統領選やプーチン大統領の介入によるイギリスのEU離脱問題もいい例だと思うよ。つまり、誤った情報や嘘は簡単に広げられるということ。とはいえ、フェイクニュースか誠実なニュースかをどう見極められるのか、これは容易なことではないんだ。いますぐに答えの出せない問題と直面している―では、監督なりのアドバイスがあればお願いします。監督たとえば、オンラインであれば見出しを含め、テキストや画像をどう切り取るかでいくらでも印象操作ができるよね。だから、何らかの形で全員が知恵を合わせて、いい形でインターネットの力を使えるようにしないといけないと考えているよ。たとえば、素晴らしいジャーナリストたちがインターネット上で新しいニュース機関のようなものを独立して作って、そこからニュースを発信していってもらえたらいいんじゃないかな。ただし、そこには収益性はないかもしれないけれど……。なぜなら、インターネットの場合は、収益性を望んでしまうと、クリック数やいいねの数ですべてを計られてしまい、結果的に「収益を上げるためにこういうふうに見せよう」ということになり、誠実さから遠ざかってしまうからね。これはすぐに答えが出せないことだし、アドバイスをするのは難しい問題だと思っているよ。他人事では済まされない現実と向き合う私たちにはまだまだ見えていないことがいかに多いかを思い知らされる本作。ジャーナリズムの意義や真実を知ることの重要性、そして信念を貫くことの大切さをそれぞれが感じるはず。こんな時代だからこそ、過去の出来事から改めて考える必要がありそうです。真に迫る予告編はこちら!作品情報『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』3月29日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー配給:ツイン© 2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. .
2019年03月28日人気CMシリーズ「白戸家」から、新CM「白戸家 上を向いて歩く」篇が3月23日(土)よりスタートすることが分かった。新CM公開! 竹内涼真「上しか向けません」すでに公開されているCM「福引あたる」篇で、N.Y.旅行が当たった白戸家。最新作では、お父さん、杉咲花、竹内涼真、ダンテ・カーヴァー、樋口可南子が、大都会N.Y.の街中で名曲「上を向いて歩こう」をリレー形式で歌いあげている。地下鉄の駅から出てきたお父さんが、歌いながらおもむろに上を見上げ、続けてドリンクを手にする杉咲さん、街を歩く竹内さんとダンテさん、街に溶け込む樋口さんへと、見上げながらリレー歌唱されていく。すると、場面はホテルのロビーに切り替わり、“上を向きすぎて”首が動かなくなってしまった白戸家の面々に、上戸彩が思わず「どうしたの?」と心配する…というコミカルな部分も。――撮影エピソード今回の撮影で、地元N.Y.に8年ぶりに里帰りしたというダンテさん。移動中は竹内さんに楽しそうに地元を紹介つつ、終始テンションが上がりっ放し。撮影現場にはダンテさんの両親も挨拶に駆けつけ、樋口さんや竹内さんなどと握手を交わす場面も。樋口さんは「ダンテのご両親に初めてご挨拶できて嬉しかったです。ダンテがすっかり息子の顔になってました」と明かしている。また、白戸家のお父さんと杉咲さんが上を向きながら歌っているのは、N.Y.の有名な公園の一角。竹内さんも、N.Y.五番街を歩きながらの撮影をしたりと、CMにはN.Y.の名所がたくさん詰まっている。「今回の撮影が僕にとって初めてのアメリカでした」という竹内さん。「すごく楽しみにしていたんですが最初に受けた印象は“思った以上に寒くてびっくり”(笑)ですが、撮影の合間にはニューヨーク出身のダンテさんがいろいろと街を紹介してくれて楽しむことができました。街の色も、タイムズスクエアのネオンもカラフルでとてもキレイだったので、そんなニューヨークならではの景色にも注目して見てください」とアピールした。一方、ダンテさんは「撮影地はどれもワクワクするもので、CM撮影において有名なブルックリン橋、屋上での撮影、そして何と言ってもタイムズスクエア!ブルックリン橋は言うまでもなくその美しさが見事で、屋上撮影では壮観な景色が広がっていました。タイムズスクエアは映像作品の聖地でもあるため、まるでハリウッド映画の撮影をしているようでした」と大興奮で撮影をふり返っている。長尺動画もなお、3月9日に放映した白戸家がN.Y.旅行を当てた「福引あたる」篇から、N.Y.での白戸家の様子を描いた「NYへ行く」篇、「NYにて」篇、そして「上を向いて歩く」篇を総集した長尺動画も制作。後日、ソフトバンク公式YouTubeチャンネルにて公開予定だ。ソフトバンク 白戸家新TVCM「白戸家 上を向いて歩く」篇は3月23日(土)より全国にて放映。(cinemacafe.net)
2019年03月22日3週間のお休みください人生で初めてアメリカ大使館を訪問し、面接を受けた私。アメリカ国務省が主催するIVLPなる研修プログラムなど、「どうせ通ることないや」と思っていたら、3週間後にまさかの「小野さんに決定しました」の連絡がありました。この頃、アメリカはオバマ政権で、LGBTが政策トピックだったこともあり、後押しされたのでしょう。さぁ、ここからが大変です。なにしろ、私は会社勤めのサラリーマン。世間的には働くシングルマザーというステータス。3週間も仕事を休むなど、普通はありえません。会社が了承してくれなければ、アメリカには行けません。当時勤めていた会社には、麻ちゃんとの結婚式の前にバレて(いや、自爆して#25 手さぐりのウエディング その2)いたので、カミングアウトは必要ないものの、いきなり「仕事を3週間も休ませてください」と言うのは、なかなか勇気が必要です。たまたま、昼休みに一緒になった上司に、切り出しました。「あのー、すいません。今度3週間ほど、仕事を休ませてもらえたらなー、と思ってるんですけど……」「は?どうかしたの?なに?病気かなにか?」「いや、全然元気なんですけど。どうやら、アメリカにLGBTのことについて勉強に行かせてもらえることになりそうで」「アメリカ!?なんだそりゃ?何しに行くんだ?っていうか、それは会社を辞めて留学するってことか?」「いや、そうでもなくて、ですね。えー。なんかですね、アメリカの国務省主催の研修に、推薦してもらっていたみたいで、実はこのあいだ、お休みいただいた時に、アメリカ大使館に面接を受けに行ってきたんですよ。そしたら、なんか通っちゃったみたいで」上司の目がまん丸になっています。無理もありません。私も上司も超庶民。近所のコンビニに、昼ごはんを買いに行こうとしている道すがら。海外なんて縁のない私たちには “国務省” も “アメリカ大使館” もパワーワード過ぎます。しばしの沈黙の後、上司が言いました。「お前……、なに言ってんの?」上司も驚いたと思うのですが、私の方がもっと驚いているわけで “人生、こんなびっくり体験があるもんだ” と思いつつ、上司にこうして話して、ようやく “あぁ、これ現実なんだ” と実感が少しずつ湧いてきました。そして、ありがたいことに「こんなこと一生に1回あるかないかだ、行ってきな!」と、上司や同僚たちは、私を送り出してくれたのです。それから出発までの半年は、大使館に呼び出されて説明を受けたり、訪問したいNPOや企業について調べたり、読んでみたい本のリストを作ったりとバタバタ。子どもが生まれてからこのかた、家を2日続けて空けたことがない私が、3週間も家を空ける。そのことに、私はとても緊張したのですが、オトコマエの麻ちゃんは「任せとけ!」と余裕の様子。小学校の高学年になっていた子どもたちも、「わー、アメリカ!お土産買ってきて!」と無邪気なもので、私は胸をなでおろしたのでした。とうとうアメリカへ旅立つ日がやってきました。旅の仲間は、2人の元国会議員と、日本のLGBT界を牽引するNPOの代表で、一流企業で働くエリートゲイ男性。そんな錚々たる方々に混じって、こんなおばちゃんが参加していることに、我ながら “なんで?” と思いましたが、ココは腹を決めるしかありません。離婚以来、期限が切れたままだったパスポートを更新し、真新しいスーツケースに荷物を詰めて、生まれて初めての3週間の研修の旅に、さぁ出発です。I have a dream!最初に着いたのは、ワシントンD.C.。折しも、キング牧師の「I have a dream」のスピーチが、ここワシントンD.C.で行われてから、ちょうど50年のタイミングで、街のあちこちで祭典の準備が進んでいました。思えば、50年前の黒人の権利が、今のようなものではなかったことと、LGBTのそれが重なります。英語の教科書で読んだスピーチから、まだわずか50年しか経っていないことに驚きつつ、まずは座学をみっちり受け、翌日の朝早くから視察が始まりました。視察1日目に訪れたのは、さまざまなLGBTキャンペーンを行っている有名なNPO。案内されたオフィスには、若い人が多く、活気に溢れていました。今でも日本では、LGBTをテーマにした大きなNPOはありません。私がアメリカに行った2013年当時、日本でLGBTに関わる仕事をしているのは、よほどの覚悟と志がある人のみ。それも、輝かしいキャリアをなげうって挑んでいるケースしか見たことがありませんでした。それがこのNPOでは、多くの当事者が自分のセクシャリティを隠さず、それどころか、それを生かして堂々と働いていました。私はもう、ただただ驚くばかりでした。「当事者以外のスタッフはいますか?」という私たちからの質問に、それまで控えめにしていた女性スタッフが、「このNPOには、さまざまな立場の人が働いています。私の場合は、私の母が結婚後に、自分がレズビアンだと気づいて、レズビアンとして生きるようになったんです。そんな母を応援したくて、このNPOに入りました」と言うのです。キレイな金髪を揺らしながら話してくれた彼女に、私は衝撃を受けました。「子どもが、親のセクシャリティを応援する?」「しかも、そのためにLGBTのNPOで働いている!?」そんな話、日本で聞いたこともありません。まだまだ日本では、「LGBTの人が子育てなんかしたら、子どもに悪い影響があるんじゃないの?」なんて心配をされていましたから、この目の前の若い女性の明るくて堂々とした姿に、心底驚いたのです。同時に、日本で子育てをしているLGBTファミリーの仲間の顔が、頭に浮かびました。彼女がLGBTの親について話す、こんな様子を伝えたら、どれだけ励まされるだろう。国が違っても、こんな風に明るくまっすぐに、親のことを応援したいと言う子どもがいることを、仲間に伝えたいと思いました。彼女に、自分も離婚をして、同性のパートナーと子育てをしていること。3人の子どもたちのことを話し、「仲間に、あなたのことを伝えたい」と拙い英語で必死に伝えたところ、メッセージ動画を撮らせてくれました。「セクシャリティがどうであるか?よりも、家族が愛し合い、思いやりを持ち合うことが大切」というメッセージを、生き生きと話してくれる彼女を見て、心が震えました。それは長い間、心の中で密かに、だけど熱烈に、望んでいた言葉でした。そんなメッセージを笑顔で話してくれる “LGBTファミリーの子ども” が、急に目の前に現れたのです。想像できないことにイメージを与えるその後も、衝撃は続きました。視察3日目には、どうしても行きたいとリクエストしていた、全米でも有名なLGBTファミリーのNPOへ。当時はボストンとワシントンD.C.に事務所を持ち、300万人のLGBTファミリーが参加しているNPOです。300万人ですよ。ものすごい数です。折しも、このNPOでは18回目となる「Family week」なるLGBTファミリーの一大イベントの準備をしている真っ最中。ビーチでのファミリー・ピクニックやキャンプ・ファイアー、親のためのテーマ・セッションなど、さまざまなイベントを1週間泊まりがけで体験できると聞き、ただただ圧倒されるばかりでした。ちょうどこの年のゴールデン・ウィークに、「にじいろかぞく」ではLGBTファミリーのピクニックを開催していました。青空の下で、さまざまなLGBTファミリーが語り合う様子を見て泣きそうになっていたのですが、自分たちのやっていることが、まだまだ本当にささやかであることを思い知らされました。ニューヨークでは、ニューヨーク州上院議員を務めるゲイの方のオフィスにお邪魔し、映画監督の夫と一緒に、2歳になる愛娘を育てている話を聞きました。また、乗り合わせた飛行機のキャビンアテンダントの男性からは、「今週、パートナーの男性と、養子を取る手続きに行くんだ」なんて話を聞かせてもらったりしました。研修では、都会だけでなく保守的な田舎にも行きます。オハイオでは、自分の連れ子2人と、同性パートナーの連れ子2人を育てているレズビアン・ファミリーに会いました。最も保守的だったオクラホマ州では、まだまだ根強くLGBTへの差別が残っているようでしたが、一方で地域に根付いたLGBTセンター(LGBTに関する情報センター)がありました。私がとても感動したのは、そのセンターにキッズルームがあったことです。カラフルな色のおもちゃや絵本が並ぶ部屋から、日常をともにする家族としてのLGBTの姿を感じることができたからです。怒涛のように過ぎていった3週間の研修。ワシントンD.C.からはじまって、ボルチモア、ニューヨーク、オハイオ、オクラホマ、最後はポートランド。おまけに数日、元議員の方と2人でサンフランシスコに立ち寄ることもできました。もちろんいい話ばかりではありません。アメリカのLGBTをめぐる課題なども、たくさん見聞きしてきました(このことについては、機会を見つけてお話ししたいと思います)。でも、これまで見たこともなかったLGBTファミリーのロールモデルを、現実に、目の当たりにさせてもらったことは貴重な経験でした。これまで“見たこともないから、想像できない”と思っていたことに、イメージが持てるようになったのです。日本の、それも狭い範囲でしか生活してこなかった私にとって、この旅はまさに人生のターニングポイント。“これでもか!” というほどの情報をもらい、私のテンションはメーターを振り切っていました。帰国してすぐに、子どもを産んだばかりのレズビアンの友人の家に押しかけ、アメリカで見聞きしたことを語りました。「にじいろかぞく」のメンバーも集まって、レズビアン・ファミリーに育てられた娘さんのメッセージビデオを見て、みんな半泣きになりながら、大いに盛り上がりました。「にじいろかぞく」には多くの仲間が集うようになっていましたが、その一方でボランティアを強要するようなことは避けたいと、私は積極的に“会”として組織化しようとしていませんでした。でも、この日のメッセージビデオが、気持ちを後押ししてくれました。「いつか、自分たちみたいな家族で育った子どもたちが“親のセクシャリティなんて、なんでもないことだ”って言ってくれたらいいよね」。頷きあう私たちに、一人が言いました。「私たちはさ、みんな『にじいろかぞく』の、もう一員だと思ってるからさ!」こうして「にじいろかぞく」は、さらに一歩前へ進むことになるのです。(つづく)Composition:Yoshiyuki Shimazu
2019年03月02日アメリカの食べ物といえばボリューミィなピザやステーキ! 特にシカゴは美食の町としても有名です。今回、日本でも話題となっているピザの名店やおいしいステーキ店、そしてここでしか買えないシカゴ発スキンケア&コスメアイテム、アンティークショップなど、アメリカのおしゃれカルチャーを楽しめるシカゴのスポットをご紹介します。写真・Miki Takahira(9〜13枚目除く)日本にもブーム到来? シカゴに行ったらこれを食べないと!日本でも今、インスタグラムなどで話題のピザ。それが『シカゴピザ』です。シカゴピザって普通のピザとどう違うの? と声が聞こえてきそうですが……その正体はこちら!ぶあついピザにのび~る濃厚チーズたっぷり! それでいて生地はサクッとしているのが特徴です(small size / 6 slices $23.95〜)。チーズとトッピングがマッチしてとってもおいしいので、ピザ好きはハマっちゃうこと間違いなしですよ。いただけるのは、シカゴの名店『Giordano’s』です。お昼時はいつも地元の人で大人気! 本場のシカゴピザを一度は食べてみてくださいね。やっぱりアメリカンなぶ厚いステーキが食べたいアメリカといえばやっぱりステーキ! シカゴは美食の町なので同じアメリカ内でもお肉の種類も豊富でステーキも格別なんです。骨つきリブアイ($67.99)をオーダーすると顔よりも大きいステーキが登場します。おすすめのお店は『Benny’s Chop House』。落ち着いた雰囲気でゆっくりと食事を楽しめるので、カップルの旅ならデートにおすすめです。熟成肉のほか、ナチュラルな食べ物で育った牛や和牛まで、お肉の種類も多くいろいろと選べます。お肉のボリュームはやっぱりUSA! ですね。柔らかく、お味もしっかりとしていて食べ応えがあり美味しいです。おしゃれフードコートで自由にチョイス!女子旅でもカップル旅でも別々のものが食べたい時ってありますよね。そんな時はおしゃれなフードコートに行きましょう。コスパもよく手軽なので時間も短縮できます。こちらは『Revival Food Hall』です。まるでテーマパークのようなおしゃれな雰囲気で、サラダやサンドイッチ、ラーメン、カフェなどあらゆるお店が数十軒入っています。今回食べたのはボリュームたっぷりのサンドイッチ($9.75)! ジューシーでおいしく、大満足でした。さらにBBQ BEANS($2.25)も日本では味わえないスモーキー感のあるビーンズでおすすめです。これで¥1500以下! 夜ご飯がいらないくらいお腹いっぱいになりますよ。かわいいココアで心も体も温まるシカゴの秋冬は寒いので温かいドリンクは必須です。もちろん寒くなくても飲みたくなるのはこのかわいさ! こちらは『bodegaimports』の『MEXICAN HOT CHOCOLATE』($8)です。マシュマロ、チュロス、生クリームにココアと豪華でフォトジェニック! 飲みごたえもありますよ。シカゴの若者カルチャーがつまったオシャレストリートシカゴの中心部から電車で約10分ほどで到着するのがシカゴ内のオシャレエリア『ウィッカーパーク』です。ドクターマーチンやリーバイス、古着屋さんのセレクトショップなどの路面店が並び、日本でいえば小さな裏原宿のようなイメージでしょうか。近頃、移住する若者やアーティストも多く、買い物などを楽しめるエリアです。シカゴ発のスパブランドをチェックウィッカーパークにあるシカゴ発のナチュラルビューティーブランド『MOJO SPA』もおすすめです。ネイルサロンも併設されていて、オリジナルのボディクリームやキャンドル、ソープなど女の子がときめくカラフルなデザインがたくさんあります。アメリカらしいユニコーンデザインのアイテムもあります。このブランドのリップやグリッターには天然石が入っていて、女子力が上がりそう♪(写真左上、約$10〜)。日本人観光客に人気なのはこちらの甘い香りのスクラブだそうです(写真右上、$15)。こちらも天然石に見えますが実は石鹸!というおもしろいアイテムもあります(写真左下)。シカゴパッケージのキャンドルやボディクリームもあるのでお土産にもおすすめですよ(右下)。このようにスキンケアからコスメ、バスグッズもあるので美容好きにはたまらない空間になっています。ヴィンテージショップで掘り出し物をウィッカーパークにはおしゃれな古着屋さんもあります。なかでもチェックしたいのがヴィンテージアイテムやアクセサリーなど、さまざまなアイテムがずらりと並んでいる『Vintage underground』です。ジュエリー、シューズ、洋服、鞄、靴と、アメリカらしいヴィンテージアイテムが店内に所狭しと並んでいます。宝探しのように掘り出し物に出会えるなど、古着好きにはたまらないショップかもしれません。ほかにもオシャレなセレクトショップやカフェ、かわいいドーナッツショップなど見どころがたくさんあるエリアなので、ぜひ散策してみてくださいね。アメリカシカゴ「USA」の旅は食、アート、オシャレとエリアごとにコンパクトにまとまっていて巡りやすく、過ごしやすいです! ぜひみなさんもカップルや女子旅で訪れてみて下さい。Information■Giordano’s■Benny’s Chop House■Revival Food Hall■bodegaimports■MOJO SPA■Vintage underground
2019年02月26日誰もが何かと戦いながら日々を過ごしているものですが、そんななか“最強戦士”として覚醒したひとりの少女を描いた話題作『アリータ:バトル・エンジェル』がついに日本に上陸!今回は究極の映像体験を誰よりも体感したこちらの方にお話を伺ってきました。それは……。写真・大嶋千尋(ローサ・サラザール)ヒロインを務めたローサ・サラザールさん!【映画、ときどき私】 vol. 216ローサさんが演じたのは、奇跡的に復活を果たしたサイボーグの少女アリータ。本作では人間の動作や表情をコンピューターに取り込む「パフォーマンス・キャプチャー」での演技に挑戦しています。そこで、役をつかみ取るまでのいきさつやアリータを演じるなかで感じた思いなどについて語ってもらいました。オーディションで監督を泣かせたことは忘れられない―今回はオーディションでこの役を勝ち取ったそうですが、そのときのことについて教えてください。ローサもう3年も前のことなんだけど、すごくよく覚えているわ。なぜなら、私はオーディションでロバート・ロドリゲス監督を泣かせたのよ!だから、もしこの役をもらえないとしても、そんなふうに彼を感動させることができたというのは、記憶に残ることであり、思い出になると感じたわ。通常のオーディションでは、1~2シーンくらいしか演じさせてもらえないから、幅のある演技を見せることはできないんだけど、そのときはありがたいことに5シーンも演じることができたの。だからこそ、私はアリータに必要なあらゆる感情を見せることができたと思うわ。―そのときに、ロドリゲス監督とのやりとりで印象に残っていることはありますか?ローサロドリゲス監督というのは、あまり多くを語らないし、直感で決める人。それもあって、「どうぞ好きにやってください」と俳優を信じて任せてくれるのよ。そういうところも私は監督の好きなところなの。ホテルの一室で行われたオーディションでは、テーブルのうえに大勢の女優たちの顔写真が並んでいたんだけれど、監督は私の写真を探したあとに、私にこう言ったの。「そういえば、僕の友達が君と仕事をするべきだと言っていたよ」と。そう言われて、「そうね、私もそう思うわ」とつい答えてしまったんだけど、部屋を出てから、「ああ、なんて生意気なことを言っちゃったんだろう!」って頭を抱えてしまったわ(笑)。でも、アリータもまさにそういうことを言うタイプ。だから、これも運命なのかなと思ったわね。私が語るべきストーリーだと感じた―そういう意味でも選ばれるべくして選ばれたんだと思いますが、実際にアリータを演じていくなかで共感したり、若いときに同じような思いを経験したことを思い出したりしましたか?ローサもちろんよ!でも、これは女性なら誰でも共感できるキャラクターだと思うわ。いや、女性だけじゃなくて、人なら誰でもと言ったほうがいいかもしれないわね。私はどんな脚本でも読むときには、「これはもしかしたら私の物語かしら?」と思いながら読むようにしているんだけど、今回はまさに私が語るべきのストーリーだと感じたの。特に、アリータが最初に感じていた気持ちはとても理解できたわ。つまり、不安があったり、大きな世界で自分が小さい存在だと感じたりするということだけど、誰もが若いころはそう思うことってあるわよね?―確かに、誰もが自分を重ね合わせることができる部分がありますね。ローサあとは、私もアリータも理想主義者だから、同じようにその理想を砕かれる経験もしているし、彼女が自己発見の旅に出ようとする気持ちもすごくよくわかるわ。そして、彼女は戦士でありながら、感傷的な部分があって、何よりもハートを持っているの。本来、戦士が持ってはいけないものかもしれないけれど、その気持ちにも共感することができたわ。―全編パフォーマンス・キャプチャーというのは、普通に演技するのとは全く異なる難しさがあったと思いますが、実際に経験してみていかがでしたか?ローサパフォーマンス・キャプチャーは私をサイボーグにも10代の少女にもさせてくれたわけで、そういう意味では俳優としての幅をものすごく広げてくれたわ。こういう技術がなければ、演じられない役だったと思うから。でも、大変だったのはスーツがものすごくきついこと。それからヘルメットは重いし、目の前には2つのカメラがつねに自分を撮っているような状況で、さらにマイクやファン、レコーダーにバッテリ-といったものすべてがマジックテープで体中につけられているのよ。手袋もしているし、靴もぬぐことができないから、閉所恐怖症の人にはできない役なんじゃないかしら(笑)。―想像するだけでも、その状況で繊細な演技をするというのはかなり難しいことだったと思います。ローサとはいえ、普段のヘアメイクや衣装で役を作り上げていくのとはまったく違うプロセスは興味深かったこと。特に、私は映画作りの最先端にいられることを目標としてきたところもあるからうれしかったわ。もちろん、スタントなどは挑戦でもあったけど、私はカメラに映ることが好きなので、つねにカメラが私の演技や表情をとらえてくれていたのも、楽しいことだったわね。最高の監督たちと出会えてすべてが学びだった―今回は、ロドリゲス監督だけでなく、製作・脚本を務めたジェームズ・キャメロン監督とも一緒に作品を作り上げていったわけですが、その過程でアリータ同様に成長を感じた部分もあれば教えてください。ローサまず、彼らは私が成長することを許してくれたと言えるかしら。というのも、2人とも巨匠でありながら、上から目線で指示をすることもなく、自分たちのエゴを押しつけるようなこともなく、とてもオープンに愛情を注いでくれたのよ。監督のなかには、自分のビジョンに俳優を取り込もうとしすぎて俳優たちが輝きを失う場合もよくあるけれど、彼らは俳優のことを一番に考えてくれて、俳優を輝かせてくれる最高の監督たち。今回、これだけの大作で主演を務めることになった私にも、「君だからできるんだよ」という気持ちにさせてくれたし、本当にすべてが学びの体験だったわ。インタビューを終えてみて……。部屋に入ってきた瞬間から弾けるような明るさが印象的なローサ。本物のアリータが現れたかと思って驚きましたが、周りからあまりにも「アリータだ!」と言われてしまうこともあり、自分と切り離すためにいまは金髪にしているのだとか。とはいえ、それもまた似合っていて、とてもチャーミングなローサにすっかり魅了されました。見たこともない世界へと引き込まれる!ハリウッドの最先端技術を駆使した圧巻の映像は興奮必至!アクションとしても、人間ドラマとしても、ラブストーリーとしても楽しめる見どころ満載の本作に、思いっきり飛び込んでみては?ストーリー世界は天空に浮かぶユートピア都市「ザレム」と廃棄物が堆積したクズ鉄町「アイアンシティ」の2つに分断されていた。アイアンシティに暮らすサイバー医師のイドにより、荒廃した瓦礫の中から拾われ、新しい身体で蘇ったサイボーグの少女は、過去の記憶をすべて失っていた。そして、サイボーグの少女はアリータと名付けられることに。長い休眠状態の影響で過去の記憶を失っていたが、襲ってきた敵からイドを守るために戦った際に、自分のなかに戦闘能力が備わっていることに気がつく。アリータに隠された秘密とは……。驚異の映像が広がる予告編はこちら!作品情報『アリータ:バトル・エンジェル』2月22日(金)より全国ロードショー配給:20世紀フォックス映画©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
2019年02月21日逆境に見舞われたときこそ、大切な人の存在や愛の強さに気づかされるもの。そこで今回ご紹介するのは、あらゆる障害に阻まれながらも、愛を貫こうと戦う若い男女を描いた話題のラブストーリーです。現在、賞レースもにぎわせているところですが、その作品とは……。写真・Yoshiyuki Uchibori(バリー・ジェンキンス)感動の嵐に包まれる『ビール・ストリートの恋人たち』!【映画、ときどき私】 vol. 2151970年代、ニューヨーク。19歳のティッシュは幼い頃から一緒に育ち、自然と愛を育んでいた22歳の恋人ファニーと幸せな日々を送っていた。運命で結ばれた2人は子どもを授かるが、ある日ファニーは無実にも関わらず、人種差別が原因で逮捕されてしまう。そんな2人の愛を守るため、ティッシュとその家族は奔走するが、そこにはあらゆる困難が待ち受けていたのだった……。まもなく開催されるアカデミー賞授賞式では脚色賞、助演女優賞、作曲賞にノミネートされている本作。ますます注目度が高まるなか、今回はこちらの方にお話を伺ってきました。それは……。世界を虜にするバリー・ジェンキンス監督!2016年に長編2作目となる『ムーンライト』で世界中を席巻し、その名をハリウッドにとどろかせたジェンキンス監督。映画ファンのみならず、多くの観客が最新作を待ち望んでいましたが、今回はアメリカ黒人文学を代表する作家ジェイムズ・ボールドウィンによる同名小説の映画化に挑んでいます。そこで、作品への思いや自身の体験について語っていただきました。―原作は45年も前に出版されている作品ですが、それをこのタイミングで映画化した理由を教えてください。監督はじめてこの作品を読んだのは、10年くらい前で、脚本を書き上げたのは2013年だから、作ろうと思ってから完成するまでに少し時間は経っているんだ。でも、この世にいま出ることの意義としては、70年代当時の問題が現在でも続いていることをいかに我々が許してしまっているかということを描きたかったから。そして、体系的な不公平さを正すことができていないことを恥ずかしく感じられるような作品にもなっているんじゃないかなと思っているよ。たったひと言で人を貶めることができると感じた―確かに劇中で描かれている差別的なことや理不尽なことなど、現代に通じる部分も多いと思いますが、監督も共感されるような思いや経験があったのでしょうか?監督もちろん、僕にもキャラクターたちと近い体験はいくつかあるよ。たとえば、2年前のアカデミー賞のとき。授賞式とは別にバーでもセレモニーのようなものがあって、そこに向かっている途中に運転手から差別的な単語で呼ばれたこともあったよ。アメリカでは賞のシーズン中はいろいろな会合やイベントが何か月にもわたって開催されていて、期間中は同じ運転手が付くことが多いんだ。そのときもずっと同じ人がいろいろなところに連れて行ってくれていたんだけど、僕もたくさんの人と話をしなければいけなかったから、なかなか時間通りに行けなくて彼を何度も待たせてしまったんだよね。そのあと、不機嫌になってしまった運転手が誰かと話しているときに「n**gerに待たされていてさ」というようなことを言っていたのを耳にしたんだ。カジュアルな感じで言っていたし、そのあとにっこり笑って「多分、監督賞を受賞すると思うよ!」とも話していたから、おそらく彼には差別的な意図はないんだろうね。でも、たったひと言で人を貶めることができるいい例だと感じたよ。有名であろうとなかろうとこういう経験はあるものだし、普段から銀行や仕事の面接に行くときにそういう扱いをされることもあるものなんだ。―そういった思いがこの作品を作る原動力でもあったように感じられるところもありました。監督それから、この作品の出演者であるファニー役のステファン・ジェームスと友達のダニエルを演じたブライアン・タイリー・ヘンリーとQ&Aを行ったときのこと。アフリカ系アメリカ人の男性のうち、3分の1は収監されるという統計があるという事実を知ったんだ。ということは、僕を含めて登壇している3人のうち誰かが刑務所に行く可能性が統計学的に言えばある。そう考えたとき、恐怖とショックを改めて感じたよ。とはいえ、いまでもアメリカではそういう問題が根強く残っているんだ。純粋な愛を描き続ける理由とは?―差別的な問題を描く一方でティッシュとファニーのピュアな愛がとても印象的でしたが、前作の『ムーンライト』も同様に監督の描く愛はとても純粋でまっすぐなキャラクターが多いように感じました。そういった愛の形を描きたいと思う理由は?監督自分がそういう恋愛をしたいとか、純粋な愛の形を求めているというのはないけれど、何か惹かれるものがあるんだろうね。この2作に共通するとすれば、どこかに希望を感じられるところかな。『ムーンライト』のシャロンとケヴィンの関係性というのも愛があるからこそ、それがシャロンを守ってくれていたけれど、本作でも同じように2人の愛はピュアでなければいけなかったんだ。つまり、あれだけピュアだからこそ、それが2人を守ってくれていたということなんだよね。そう言われてみると、おもしろいことに前作も今作も純粋といえるものはメインのキャラクターたちの間にある愛だけ。ほかの要素は全部グレーだったり、複雑なものばかりだったりするんだけど、中心にある愛がピュアだからこそ、周りのグレーさや複雑さが際立つところもあるんじゃないかな。もしかしたら、これが恋愛を描くときの自分流のアプローチなのかもしれないね。―では、この作品を完成させるうえで、一番苦労したのはどの部分でしたか?監督一番つらい選択だったのは、原作と異なるエンディングにしたこと。実は最初は原作通りにしようと撮影していたんだけれど、編集をしているときに違うと感じて変えることにしたんだ。もちろん、好きな作家だからこそ、変えることに対して自分のなかではいろいろと葛藤もあったよ。だから、そこが一番大変なところだったかな。ただ、希望を持たせたいと思ったときに、いまのエンディングになっていったんだ。つまり、それが地に足がついた現実的な希望の見せ方であり、さっき話をしていた「純粋な愛」という部分にも繋がっているんだと僕は思っているよ。今回は何よりも女性の視点を大事にした―そんななか、ティッシュと母親のシャロンという2人の女性が持つ強さにも心を打たれましたが、これらの役を演じたキキ・レインやレジーナ・キングとはどのようにして作り上げていったのでしょうか?監督現場では女優陣ともかなりいろんな会話をするように心がけたよ。というのも、『ムーンライト』は男性の視点から描かれていた作品だけど、今回は女性の視点から描かれている作品。だからこそ、女優たちだけではなく、編集チームのなかにひとりだけいた女性スタッフの言葉にもよく耳を傾け、女性の視点をなるべく理解しながら流れを作っていくように意識したんだ。特に物語の中心となる女性ならではの葛藤というのはしっかり描きたいと思っていたからね。―今回、初来日となりましたが、日本の観客にどのようなところを感じて欲しいと思っているのか、メッセージをお願いします。監督僕が映画を学んでいたとき、最初に触れていたのは、アジア映画やフランス映画、メキシコ映画といったもので、アメリカや英語圏の作品ではないものばかり。そのときに「世界は僕が思っている以上に繋がっているんだな」と感じた経験があるので、アメリカや黒人の文化に親しみがない方でも、意外と自分の文化と変わらないところがあるんだなというふうに感じてもらえればうれしいよ。実際、愛や家族といったものは誰もが必要としているものだし、生きていくうえで私たちを守ってくれるものだというのは共通していることだからね。ただ、日本人はあまりアイコンタクトをしないとか、目を合わせてもすぐに目線を外してしまうというのを聞いたことがあるんだけど、キャラクターたちと観客が目を合わせるような場面が何度も出てくるのが僕の作品。それを日本のみなさんがどのように受け止めるのかというのには興味があるところだね。とはいえ、日本のみなさんは思慮深く、人に対して親切で礼儀正しいというイメージがあるから、深いところまで感じてくれると思っているよ。美しさと希望に酔いしれる!ティッシュとファニーのピュアな愛の形だけでなく、スクリーンに広がる映像や奏でる音楽といったすべての美しさに魅了される本作。いつの時代も変わらない愛情の深さと人間の強さに、胸の奥が熱くなるのを感じるはずです。愛が詰まった予告編はこちら!作品情報『ビール・ストリートの恋人たち』2月22日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開配給:ロングライド©2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
2019年02月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「移民キャラバン」です。先進国の搾取が生んだ問題。人道的な解決策を。ホンジュラスやグアテマラなど中米諸国から、数千kmを歩きアメリカをめざす移民たちの集団「キャラバン」が、昨年11月以降、メキシコの国境の町・ティフアナにおしよせ、その数は1万人を超えました。彼らが着の身着のままで母国から逃げ、アメリカを目指す大きな理由は麻薬にあります。麻薬組織の活動がギャング化し、治安をひどく悪くしているのです。そのため安定した仕事がなく、貧困が深刻化、国内にとどまるならギャングになるしか道がない。警察も麻薬組織と結びついて機能しない。犯罪や暴力、飢えと貧困から逃れるためアメリカをめざす人々の呼びかけが、SNSにより広がり、みるみる膨れ上がったのでした。しかし、トランプ政権は移民の受け入れを拒み、メキシコ国境に兵士を7000人超配備。違法入国を試みて拘束された人は2600人。難民申請を待つ人は2500人を超えましたが、ほとんどが却下されています。移民の受け入れに強く反対している人たちの中には、すでに移民としてアメリカに入国している人たちも。自分たちの仕事が奪われることを恐れているんです。これまで中米は安い労働力、農作物の生産などでアメリカ経済を支え、自国の成長を阻害されてきました。自らの手で豊かさを手に入れるための教育や技術を持つことができず、麻薬に手をそめるしか道がなかった人々も少なくありません。この状況を打破するには、キャラバンの人たちが自国で安定した暮らしができるよう、国際社会が動かないといけません。国連ではSDGsといって、持続可能な開発目標を掲げ、各地域の貧困や紛争、人権を踏みにじる行為に、世界中が協調して取り組みましょうと、先進国側に呼びかけています。NPO法人「アクセプト・インターナショナル」がアフリカで行ってきた活動も、参考になるかもしれません。ギャングの若者に道徳的観念を伝え、社会復帰を促す支援を草の根的に行っています。かつて中東諸国に行ったように、苦しむ中米に対して人道支援をするのが日本の役割なのではないかと思います。そうして日本のシンパを増やすことが、安全保障にもつながるのではないでしょうか。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年2月13日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年02月07日