アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんの通院前日。ワフウフさんは、いつものように確認メールを送りますが、メールの最後に「朝一番で行こうね」と書いたところ、あーちゃんからすぐに電話がかかってきました。「朝一番って何時……?」と心細そうな声で聞かれ、ゆっくりと説明しましたが、もしかして時間の感覚が狂ってしまったのかも? と、心配になったワフウフさんでした。ようやく実家に行き、ずっと気になっていた押入れチェックができたワフウフさん姉妹。そこには「食事」と言い張る菓子パンや、賞味期限切れの食べ物など、いろいろと衝撃的なものが隠されていました……。しかし、電子レンジは問題なく使えていたため、今後は宅配食も選択肢に入れられそうだとわかって安心したのでした。 記憶も自覚もない… 次回の通院は、付き添いの都合がつかないからひとりで行ってほしいと伝えると……。 あーちゃんは、自信満々に大丈夫だと言いました。 姉・なーにゃんが心配する理由を伝えても……。 本気でわかっていない様子。 仕方がないので、注射に来るのを忘れたり、行っても「先週来てないわ!」って言ったり、 毎回のように「注射は毎週なの?」って聞いたりすることを伝えると……。 記憶も自覚もないようで、とてもショックを受けていました。 なんとかひとりでの通院をクリアした次の週。 ずっとボケーっとしていて、無気力に見えるあーちゃん。 1週間もしないうちにこんなにも変化してしまうのかと、認知症の怖さを感じてしまうのでした。 姉とともに実家をチェックした翌日の通院日。あーちゃんは時間通りに現れました。そして糖尿病の数値も、本当に少しだけですが、先月より減っていてひと安心。 そして、次の通院日は私も姉も予定があって付き添いができないため、ひとりで行ってほしいとあーちゃんに話したところ「私はひとりでも全然大丈夫なのよ!」と自信満々。でも「注射に来るのを忘れたり、来たこと自体を忘れたり、毎回のように注射は毎週必要かと確認しているから心配だ」と告げると、自分の発言や行動をまったく覚えていないようで、ショックを受けていました……。 結局、無事にひとりでの通院を終えたあーちゃんでしたが、次の通院で姉が会ったときは、なんだかいつもよりもボーッとしていて無気力に見えたそう。それだけ、毎週娘と通院することが刺激になっていたということなのかもしれませんが、1週間抜けただけでそんなに変わってしまうなんて、ただ進んでいくだけの認知症の怖さを感じました。 --------------ただ進行するだけで戻ることは難しい認知症……。毎週繰り返している通院の付き添いが刺激を与えて、進行を緩やかにしていたのかもしれませんね。たった1週間会わなかっただけでハッキリとわかるくらいの変化が出てしまうのは、家族としてもショックですよね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年03月22日「食べたら、歯を磨きなさい」。毎日子どもたちにしつこく言ってきた言葉なのに、まさか自分が歯周病に!? 歯の定期健診で初めて「軽い歯周病です」との診断が下り、現在は定期的に通院しながら歯ブラシ指導や歯周ポケットの数値測定、クリーニングなどをしています。長年同じように口腔内のケアをしてきて問題なかったのに、急にどうしちゃったの? 原因を調べてみると、口腔内の変化と更年期が関係していることがわかりました。女性には3回訪れる歯周病の危機「丁寧に、抜かりなく」を心がけてきたプラークコントロール(歯垢を除去して歯に付着しないようにすること)。そのおかげか、これまで一度も指摘を受けたことはなかったのですが、先日半年ぶりの定期健診でかかりつけ医から「軽い歯周病です」との診断が下されました。そう言われてみると、このところ朝起きると口腔内のねばつきが気になることがありました。でも、どうして急に? ケア自体は長年変わっていないはずなのに。一体自分の体に何が起きているのかと気になってかかりつけ医に確認したところ、女性には歯周病の危機が3回訪れるそうです。それは「思春期」「妊娠中」「更年期」とのこと。更年期真っただ中の私は、歯周病の危機真っただ中なのだと、ドキリ。実は、これらのライフステージにおいては、女性ホルモンにゆらぎが生じやすいらしいのです。ホルモンバランスが崩れることで唾液の量が減少し、歯周病菌や虫歯菌が増殖するということでした。唾液の量と歯周病の関係とは同じ口腔ケアをしていても、女性ホルモンが変化することによって唾液の量が減少し、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあるとわかり、歯周病になってしまった原因が見えてきました。そうなると気になってくるのが、唾液の量が減少することと虫歯や歯周病にはどのような関係があるのかという点です。かかりつけ医によると、唾液には、虫歯菌が作り出す乳酸を中和する働きがあるそうです。また唾液に含まれる成分の中にはカルシウムやリン酸などの無機質があり、これらは食べ物の酸によって溶け始める歯の表面を元の状態に修復する力があるとのこと。さらに、虫歯菌の栄養素となる食べかすを洗い流す洗浄作用まであって、口腔内を健康に保つために、唾液がいかに重要なのかがわかりました。更年期に入り、唾液の量が減るだけでなく、イライラや不安を感じたり緊張や不眠に悩まされるようになったりしていました。たしかに唾液の量は減少し、気が付くと口の中はカラカラ。女性ホルモンの減少やストレスにより、更年期真っただ中の今、歯周病になってしまったのだとわかりました。更年期とダイエットの組み合わせは歯周病の大敵?そして、40代後半から基礎代謝が低下し体重が落ちにくくなり、万年ダイエット中という現状も、実は口腔内にとってはあまり良くないことを聞きました。糖質をとりたくないので、朝食はコーヒーのみだったのですが、咀嚼することで唾液が出るため、朝に出るはずの唾液量が減っていて、そのことも歯周病リスクが高まる原因の1つになっていたようなのです。更年期とダイエットという組み合わせは、口腔内にとっては非常に良くないので、これからはこまめな水分補給と適度な運動、量を加減しつつ栄養バランスの良い食事を3食とるようにしようと決めました。まとめかかりつけ医によると、歯周病が進行すると歯周病菌が歯肉や骨の組織にまで感染が広がり、口臭も発生するそうです。最悪の場合、歯を抜かなければならなくなったりすることもあると知り、軽度の今が大事なんだと改めて思いました。更年期に入り、体に無理がきかなくなってきているのに今までと同じような生活をしていたので、こうやって思いがけない症状が出たのだと思います。よくかんで食べて、咀嚼回数を増やすこと。水分をこまめにとり、口腔内をカラカラの状態にしないこと。今まで以上に歯磨きに時間をかけて、磨きにくい奥歯の頬側を意識して磨くこと。ガムをかむこと。疲れをためず、無理はしないこと……。こうしたかかりつけ医のアドバイスを実践中です。定期健診も半年に1度から3カ月に1度にしてもらいました。歯周病のリスクを専門家にチェックしてもらって、健康な唾液を保てるようにしたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/川田悟司先生(川田歯科医院院長)川田歯科医院院長。咬み合わせ認定医。長年に渡り、咬合診査・診断をおこなう。イラスト/サトウユカ著者/みうママ(50歳)昨年閉経を迎えた更年期ママ。泣く、怒る、時々笑う。喜怒哀楽の激しさに拍車がかかる日々。思春期の娘VS更年期の母という戦いに明け暮れている。パパと息子の男性陣は戦々恐々。地雷があちこちに埋まっているファミリー。家族は夫、1男1女の4人家族。
2024年03月19日現在施設に入所している80代後半の父は、75歳のときに体調を崩しMRI検査を受けたことをきっかけに初期のアルツハイマー型認知症と診断されました。あまりに唐突なことで今ひとつ現実を受け入れられなかった私たち家族でしたが、今後のことを考えるとしなければならないことが山積みでした。服薬開始と要介護認定まず、「ごく初期の段階なので今でしたら薬でアルツハイマーの進行を遅らせることも可能かと思われます。どうされますか?」と医師から提案があり服薬することとなりました。また、そのころ父は「デイサービス(食事や入浴など日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練などを受けられる施設)へ行きたい」と言うようになりました。理由はそれまでお付き合いのあった近所の方たちが通われていることを知ったからです。定年後は自治会などの活動を通して人付き合いも頻繁にありましたが、数年前より一緒に活動されていた方たちの高齢化もあり、段々とそれらの活動から遠のき、家に引きこもるようになっていました。それが寂しかったのか、父もデイサービスに行けば友人ができるかもと期待をしていたようです。医師からも「他人と関わりを持ったり、適度な刺激を受けたりすることは認知症の方には良いことですよ」とアドバイスをいただき、メインの介護者となる母にも父をデイサービスに通わせるという方向で話を進めました。デイサービスを利用するには要介護認定を受け、ケアマネジャー(居宅支援事業所:要介護者の在宅介護に関する相談や計画、連絡・調整を総合的に引き受ける事業所)を決定し、ケアプランを作成してもらう必要があります。そこで、住所地を管轄する地域包括支援センター(高齢者と高齢者を支える人をサポートする拠点として設置された施設)へ相談に行き、要介護認定を受けられるかどうかを決定するために認定審査を受けることとなりました。ケアマネジャー決定!?数日後、市から派遣された調査員の方が認定審査に来て、それから約1カ月後に市から介護保険証が届き、「要支援1」の判定が出ました。次にケアマネジャー(居宅支援事業所)を決めることとなるのですが、ここで父が周囲を驚かせる行動に出たのです。介護認定さえ出ればデイサービスに行けると思っており、旧知の方が多く通っている近所の介護施設に「私をここのデイサービスに通わせてほしい」とひとりで直談判に行ってしまったのでした。後に知ったことですが、その施設で父のことを知る近所の方が働かれていて、幸いその方が窓口で騒いでいる父に気付き話を聞いてくださったそうです。その方は、デイサービスを利用するにはケアマネジャー(居宅介護事業所)を決める必要があることを説明してくださり、「今すぐ通いたい」の一点張りで話の通じない父をなだめて、担当者に話をつなげてくださったのでした。その後、担当の方から母宛てに電話があり「こちらの施設には居宅介護支援事業所もありますので、よろしければケアマネジャーを引き受けさせていただくことも可能です。デイサービスの利用については、ケアマネジャーが決まり次第、一度ご本人様ご家族様とお会いしてから調整させていただくという方向でいかがでしょうか」とのお話がありました。いざ! デイサービスへこのような経緯で、担当のケアマネジャーさんが決まりました。デイサービスの利用に向けてプランを作成していただく際に「Yさん(父の名前)の場合、身体的には自立(介助の必要がない)、認知症もまだ初期の段階ですよね。私どものデイサービスは介護度の高い方が多く通われていて、会話を楽しむとか、友人作りとなると難しいかもしれません。よろしければ他のデイサービス事業所を検討してみませんか?」とのお話がありました。しかし「いや、俺はそちらのデイサービスに行きたいんだ」とまたしても一点張りの父。ケアマネジャーさんも一度言いだしたら聞かない父の性格をすぐに見抜き「それでは、お試しに週1回通ってみましょうか」となりました。が、結局3カ月後には父の意思により利用終了となりました。ケアマネジャーさんが言われた通り、自分が望むようなコミュニケーションを取れる方との出会いは難しかったようです。「それでしたら今度は身体機能を維持するためにリハビリ中心の半日型のデイサービスに通ってみませんか?」と提案していただき、そちらは要介護度の低い方が多く、利用者同士の関わりもあり、体を動かすことが好きな父にとって居心地がよかったようで数年間お世話になりました。まとめ認知症と診断されてから介護サービスにつながるまでに、いくつもの手続きがあったり、さまざまな職種の方と会ったり、用語、介護保険の制度を理解していかなければならなかったりして、大変なことがたくさんありました。実体験として、介護が必要となったときにはまずは「住所地を管轄する地域包括支援センターへ相談!」が良いなと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ブルームーン(53歳)30代でシングルマザーになり、50代で再婚。
2024年03月04日「糖尿病」は日本人にとって現代の国民病ともいわれていますが、どのようなイメージがありますか?乱れた生活をしている人がかかる病気? 自己責任? 糖尿病に対するそのような誤った認識から生まれたスティグマ(差別や偏見)が、糖尿病のある人を苦しめてしまうことがあります。大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区社長:上原 茂](以下、当社)が運用する健康情報サイト「大正健康ナビ( )」では、季節やトレンドに合わせて、あなたのお役に立つコラムを随時更新しています。2月28日に新着公開した「糖尿病スティグマ(差別や偏見)とは。糖尿病を正しく理解しよう」では、藤本 まどか先生監修のもと、糖尿病の要因や具体的なスティグマの事例などを解説しながら、社会に向けた取り組みについても紹介しています。◆新着情報コラム「糖尿病スティグマ(差別や偏見)とは。糖尿病を正しく理解しよう」 目次・糖尿病ってどんな病気?・糖尿病に対する誤った認識がスティグマに・糖尿病のある人自身も変わりましょう・糖尿病のある人に寄り添う社会に向けた取り組み糖尿病とはどんな病気かを知り、誤った認識を正して、糖尿病のある人が生き生きと暮らせる社会を一緒につくっていきましょう。大正健康ナビは、生活者の日常生活に寄り添い、「人生100年時代をサポートする健康情報発信基地」として、みなさまの健康の維持・増進にお役立ていただけるサイト運営を目指しております。当社は、これからも健康と美を願う生活者に納得していただける優れた医薬品・健康関連商品、情報及びサービスを、社会から支持される方法で創造・提供することにより、社会へ貢献してまいります。【監修者プロフィール】越谷レイクタウン内科 理事長藤本 まどか(ふじもと・まどか)先生日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内科学会認定内科医、日本医師会認定産業医。1997年東京医科歯科大学医学部医学科を卒業し、東京医科歯科大学第3内科に入局。地域基幹病院などで糖尿病を中心に内科入院・外来診療に従事し、2008年10月に越谷レイクタウン内科を開業。糖尿病、メタボリックシンドロームなどの適切な治療により「一病息災」、病気があってこそ元気で長生きを目指している。■ご参考●大正健康ナビ 大正健康ナビでは、お悩みの原因、症状、対策や治療・予防法などをご紹介しています。いろいろな疑問に専門家が分かりやすくお答えしています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年02月28日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは、糖尿病の持病があり甘いものを控えなくてはいけません。しかし、病院の帰りにお茶をするといつもケーキを食べようとします……。ワフウフさんたち姉妹がそれを制止すると、口癖のように「甘いものは我慢している!」と言い張るのですが、それは「ごはんの後すぐに食べているから間食ではない」と思っていたからだとわかり、慌てて姉妹で間食についての説明をしたのでした。通院の付き添いを終えると、ワフウフさんたち姉妹はその日にあったことを情報共有しています。そこでわかったのが、付き添いの人によって、あーちゃんの状態が大きく異なること。姉・なーにゃんといるときのほうが、怒られないように緊張しているようです。素がいいのかある程度の緊張は必要なのか、ワフウフさんも悩んでいます。 10年以上も通う病院なのに… 通院前日の確認メールに「朝一番で行こう」と付け加えたところ、あーちゃんから電話が。 いつも朝一番に行っていると説明すると……。 「朝一番」が何時かわからなくなってしまったようです。 落ち着いていつもの通院の流れを確認します。 行く時間はわかったものの、今度は家を出る時間がわからなくなりました。 バスの時間を調べようと時刻表を見ているようですが、そもそも見る時間が違います。 時刻表を見ている意味がないと、ゆっくり説明してみます。 最近、糖尿病の数値が良くないので、気を付けるように言うと……? スラスラと数値を語り始めますが、事実とまったく違うのです。 ちゃんと気を付けるように再度注意しますが……。 またもや自分に都合の良い解釈……! 通院の前日は、あーちゃんに確認のメールを送るようにしているのですが、最近待ち合わせに遅れることもあるので、念のため「朝一番で病院へ行こうね」と付け加えたところ、しばらくして「朝一番って何時……?」と心細そうな声で電話がかかってきました。 時間を伝えると、今度は自分が何時に家を出ればいいのかわからなくなってしまった様子……。そこで、バスの時間を調べようとして時刻表を取り出すも、病院に着いているはずの9時や10時台の時間を見ていて、結局「7時半過ぎに家を出ればいい」と私が言って、やっと安心してくれました。もう10年以上も通院している病院だというのに、流れがわからなくなってしまったようです。 実はここ最近、あーちゃんの糖尿病の数値があまり良くありません。それなのに、本人は数値が下がったと思い込んでいて「先生からも食べるように言われた」と自信満々。先生は、痩せてきているからたんぱく質を増やすようにと言っただけで、甘いものを食べなさいなんてひと言も言っていないのに。あまりにも都合がよ良過ぎる解釈に、説明するのも疲れてしまいます……。 --------------10年以上も続けていることであれば、そう簡単に忘れることもなさそうだと思ってしまいがちですが、認知症は記憶を保持している期間にかかわらず影響が出てしまうようですね。時間の感覚が狂い始めているとすれば、生活リズムも乱れてしまいそうで心配ですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月27日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは糖尿病の持病があります。……にもかかわらず、通院の帰りにお茶に立ち寄ったとき、ケーキを食べようと選び始めました。そこで、ワフウフさんが我慢をするように言うと「甘い物は我慢している!」とキッパリ言うのでした。その様子を見て、この調子だと甘いものの自制は難しそうだと感じてしまいます。今までワフウフさんが接してきたことがある認知症は、あーちゃんと祖母と義父の3人。いずれもアルツハイマー型と診断されていましたが、問題行動はそれぞれ……。ただ、「認知症を認めない」「言うことを聞かない」「お金への執着」というのは共通していたので、もしかするとこれは認知症全体のあるあるなのでは? と思ったのでした。 すぐに忘れてくれて喜ぶべきか… いつのころからか、あーちゃんは同じ服を繰り返し着るようになっていました。 季節感のない服装をすることも……。 探し物もスムーズにできなくなっています……。 季節感とともに、温度感覚も狂い始めた……?! 今日は、娘たちに連れられて銀行の手続きへ。 つい、きつい言い方をしてしまい、反省……。 一瞬落ち込んで見えましたが、すぐに忘れてくれたようです。 あーちゃんは一見、とても身ぎれいにしているように見えるのですが、同じ洋服を繰り返して着ていたり、季節感がズレているアイテムを使っていたりと、少し変だと思うところもあります。 もしかすると、たとえ探している物が目の前にあったとしても、それを「探している物」だと認識できないのではないかと思っています。こうして、だんだんと季節に合った洋服が選べなくなっていってしまうのでしょうか。 こうして症状が進むあーちゃんを連れて、銀行の定期預金を普通預金へと変える手続きへ。相変わらず書類の書き方がわからず、私たち姉妹と銀行の人の三方向から指示が飛ぶ状態です。さらに、銀行の人が何度説明してくれても「結局どういうことなの?」と話が理解できず、ついついキツイ言い方に。でも、それもすぐに忘れてくれたようで、ありがたいやら悲しいやら……。 --------------三方向からの指示で、なんとか銀行の手続きも終えたようで安心ですね。でも、何度も目の前で同じ話を繰り返されると、ついキツく言ってしまう気持ちもわかるのではないでしょうか。気長に寄り添う必要がありそうですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月24日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんの通院前日。ワフウフさんは、いつものように確認メールを送りますが、メールの最後に「朝一番で行こうね」と書いたところ、あーちゃんからすぐに電話がかかってきました。「朝一番って何時……?」と心細そうな声で聞かれ、ゆっくりと説明しましたが、もしかして時間の感覚が狂ってしまったのかも? と、心配になったワフウフさんでした。記憶も自覚もない…ようやく実家に行き、ずっと気になっていた押入れチェックができたワフウフさん姉妹。そこには「食事」と言い張る菓子パンや、賞味期限切れの食べ物など、いろいろと衝撃的なものが隠されていました……。しかし、電子レンジは問題なく使えていたため、今後は宅配食も選択肢に入れられそうだとわかって安心したのでした。次回の通院は、付き添いの都合がつかないからひとりで行ってほしいと伝えると……。あーちゃんは、自信満々に大丈夫だと言いました。姉・なーにゃんが心配する理由を伝えても……。本気でわかっていない様子。仕方がないので、注射に来るのを忘れたり、行っても「先週来てないわ!」って言ったり、毎回のように「注射は毎週なの?」って聞いたりすることを伝えると……。記憶も自覚もないようで、とてもショックを受けていました。なんとかひとりでの通院をクリアした次の週。ずっとボケーっとしていて、無気力に見えるあーちゃん。1週間もしないうちにこんなにも変化してしまうのかと、認知症の怖さを感じてしまうのでした。姉とともに実家をチェックした翌日の通院日。あーちゃんは時間通りに現れました。そして糖尿病の数値も、本当に少しだけですが、先月より減っていてひと安心。そして、次の通院日は私も姉も予定があって付き添いができないため、ひとりで行ってほしいとあーちゃんに話したところ「私はひとりでも全然大丈夫なのよ!」と自信満々。でも「注射に来るのを忘れたり、来たこと自体を忘れたり、毎回のように注射は毎週必要かと確認しているから心配だ」と告げると、自分の発言や行動をまったく覚えていないようで、ショックを受けていました……。結局、無事にひとりでの通院を終えたあーちゃんでしたが、次の通院で姉が会ったときは、なんだかいつもよりもボーッとしていて無気力に見えたそう。それだけ、毎週娘と通院することが刺激になっていたということなのかもしれませんが、1週間抜けただけでそんなに変わってしまうなんて、ただ進んでいくだけの認知症の怖さを感じました。--------------ただ進行するだけで戻ることは難しい認知症……。毎週繰り返している通院の付き添いが刺激を与えて、進行を緩やかにしていたのかもしれませんね。たった1週間会わなかっただけでハッキリとわかるくらいの変化が出てしまうのは、家族としてもショックですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月16日現在施設に入所している80代後半の父は、75歳のときにあることをきっかけにアルツハイマー型認知症(脳の神経細胞が減り、脳が小さく萎縮することで症状が現れる認知症)との診断を受けました。当時の父は体のあちこちが痛むようになったと言いつつも年齢の割に足腰が丈夫で体力もあり、定年退職後は初孫である私の息子の相手や、自治会活動、地域でのボランティア活動を楽しんでおり、家族には青天の霹靂(へきれき)でした。父が意識不明!?2010年の秋、私は正社員として勤務しており、息子は小学校3年生でした。息子は数日前から風邪をひいており、その日の朝には熱は下がりましたが大事を取って学校は休ませることにしました。しかし、私は仕事を休むことができず近所に住む私の両親に家に来てもらって息子の世話を頼むことにし、私の出勤時間に合わせてまず父のみが来てくれました。お昼少し前、携帯に母から着信がありました。「これから救急車を呼ぶから。何時ごろなら帰って来られる?」。「えっ!? 息子に一体何があったの?」と気が動転する私。しかし、その後の母とのやりとりがかみ合わず、落ち着いて話を整理してみると、具合が悪いのは父だったのです。自宅にいた母に息子から「おじいちゃんが気持ちが悪いと言って、トイレで苦しそうに吐いている。どうしよう」と電話があり、10数分後に駆けつけてみると、意識もうろうで真っ白な顔の父が嘔吐し、「頭が痛い、体の左半分がしびれるような気がして立っていられない」と訴え、救急車を呼ぶことにしたとのことでした。幸い私の勤務先は自宅の近くで救急隊の方が搬送先を決めている最中に帰宅することができました。そして脳外科のある病院へ搬送しようとしましたがどこも受け入れが難しく、定期的に通院していた近所の総合病院に運ぶことが決まり、父と母を乗せた救急車を見送りました。病院へ搬送。数日入院するはずが!?数時間後、母から連絡があり「現在、意識はハッキリしていて、吐き気と頭痛も治まっている。CTで確認したところ頭部に大きな問題はないけれど念のため数日入院となったから」とのこと。ただ、左半身のしびれた感じは残っているようで、紹介状を出すので退院後に詳しい検査のできる脳外科を受診するようにと言われたとのことでした。とりあえず最悪の事態は免れたとホッとしました。しかし翌日の朝、またしても母から驚く内容の電話が来たのです。「お父さんすっかり元気になって、退院させろ!と言っているの。病院としても特に治療することはないし早めに脳外科のある病院へ行ったほうが良いですよと言うので、これから退院することになったから」と母。「今日これから!? 昨日は数日入院って言っていたよね?」と私。どうやら、一度言い出したら聞かない父が「もう大丈夫だから退院させろ!」と騒いだらしく、病院側もそれならということとなったようで、母と私は仕方がないと大きなため息をつくばかりでした。「それで、紹介状を書いてくれた脳外科のある病院を明日受診しようと思うのだけれど、一緒に来てもらえる?」とのことで同行することとなりました。そして、その受診の際にまさかと思うような事実がわかるのでした。脳外科を受診してわかったことは脳外科では、頭部MRI検査をおこないました。「脳梗塞などの心配はないのですが、脳の萎縮が始まっており、アルツハイマー型認知症の初期段階ですね」との診断でした。「それと気になることがあるのですが。お薬は何か飲まれていますか?」との質問を受けました。ちょうどそのころ、母は父が随分多くの薬を服用していることに疑問を持っていました。父は「病院から出されたのだから!」の一点張りで、この機会にと医師に確認していただきました。そこでわかったのは、父は元々通っていた内科以外に、整形外科、ペインクリニック(神経ブロック:一時的あるいは長期間にわたり神経機能を停止させ痛みを軽減することを目的とした治療をおこなうクリニック)など、母の知らぬ間にあちこちの病院に通っていたのです。その都度薬を処方され、それぞれの病院近くの調剤薬局で受取り、同時にお薬手帳も発行されていました。つまり通っていた病院の件数分だけお薬手帳を持っており、その薬局で受け取った薬のみの記録がされていたのです。「そうすると、別々の病院から同じような成分の薬が同時期に処方されている可能性がありますね。飲み合わせについても改めて確認が必要です。おそらく今回の頭痛や吐き気は、薬剤の過剰摂取や飲み合わせに問題があったのではないかと思います。あと左半身のしびれは整形外科にも通われていたようですし、機能的な問題ではないかと思います」との医師の見立てでした。まとめ父の場合、たまたま脳外科を受診したことからアルツハイマー型認知症の初期段階であることがわかりました。家族としてはショックではありましたが、「今なら薬で進行を遅らせることが可能かもしれません」と言われたのは幸いでした。また、薬の受取りについては一カ所の薬局でお願いすることにし、父が最も頼りにしている調剤薬局さんで一元管理をしてもらうこととしました。家族の見守りがいかに大切であるかを考えさせられた出来事でした。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ブルームーン(53歳)30代でシングルマザーになり、50代で再婚。
2024年02月02日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。糖尿病の持病がある母・あーちゃんは、毎週インスリン注射を受けています。それ自体は問題なくこなせるのですが、別の日にインフルエンザの予防接種を受けたところ、いつもと違う診察室・先生になっていて理解が追いつかず、その場でキョロキョロしてしまう事態に。いつものパターンとは違うと、対応できなくなってしまったようです。やらなくてはいけないことがあるのはわかっているけれど、それが何かわからない……。あーちゃんは今、何をしていてもそんな状態なのかもしれません。やらなくてはいけないことを自分のペースでこなそうとするため、突拍子もない行動に出ることも多く、本当に目が離せなくなってきました。 あれ?記憶から消されている…? あーちゃんは5人きょうだいです。 伯父に呼ばれ、亡くなった叔母の家に行くことになり姉妹で付き添うと、ただ叔母の家を掃除するだけだったようで、早朝からあーちゃんを迎えに行ってから叔母の家へ向かうという大移動に。 帰宅後、あーちゃんから電話がかかってきました。 なんだか話の雲行きが怪しくなってきました。 恐る恐る聞いてみます……。 今日、一緒にいたのは誰かというのを忘れてしまったようです。 時間と労力をかけて付き添った今日という日が、なかったことになっているようです。 その日、伯父たちと一緒に食事をした私たち。 このやりとりを何度も繰り返しました……。 そして、糖尿病の話が出ると……。 え? 違うよね……!? めちゃくちゃちゃんとしゃべっているのに、内容がウソばかり……。姉妹で困惑。 食後、うれしそうにあんみつを食べていました……。 むしろ、甘いものを食べまくっているように思うのですが……。 ある日、伯父に呼ばれて亡くなった叔母の家に行くことになったあーちゃん。今は誰も住んでいないため、家をどうするのかという話になるとあーちゃんが理解できないと思い、姉妹で付き添うことに。しかし、いざ伯父と合流すると目的は家の片付けだったことが判明。あーちゃんを早朝に迎えにいき、逆方向に2時間もかかる叔母の家へ向かうという遠回りをすることになりました。 その後、片付けをしてから、皆で食事をして解散となったわけですが、夜になってあーちゃんから私のところに電話がかかってきて、今日1日どんなことがあったのかを聞かされました。……え? 私もいましたが? 話を聞いてみると、今日1日の記憶から私たち姉妹と伯父1人の存在が消えていました。めちゃくちゃ疲れながら付き添ったのに……。 あーちゃんの兄弟は全員が糖尿病。そのため、食事会中も糖尿病の話で盛り上がっていました。するとあーちゃんも負けじと、自分は食事に気を付けていてケーキなんて何年も食べていないと語りだしました。その口ぶりは、ものすごくちゃんとしている風だったのですが……実際には、ケーキ以外の甘いものもたっぷり食べているのです。姉妹で「何言ってるの!?」と、思わず突っ込みたくなりました。 --------------食事会をしたこと自体は忘れていないのに、誰がいたのかわからなくなるのではなく、一部のメンバーだけ記憶から抜け落ちてしまうこともあるのですね。でも、実際に時間も労力もかけて付き添った人からすると、記憶から消されてしまうのは少し寂しいかもしれませんね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年01月30日糖尿病は、体が血糖値を適切に管理できなくなる病気です。重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行しているケースも。また、妊娠出産時に女性が発症することのある妊娠糖尿病は、将来の糖尿病発症のリスクとなるほか、妊娠出産自体にも悪影響を与えることもあります。そこで今回は、女医の筆者が「糖尿病になりやすい人」の特徴や「糖尿病を防ぐための生活習慣」などを解説します。そもそも、糖尿病って?糖尿病は、体が血糖値を適切に管理できなくなる病気です(※1)。糖尿病の怖いところは、重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行していること。糖尿病は年齢とともに有病率が上がっていくことが知られていますが(※2)、若い女性でも罹患することはあります。また、糖尿病を発症するに至らなかったとしても、糖尿病になりやすい生活習慣を持続していたら、将来糖尿病を発症するリスクが高まります。糖尿病の分類:ほとんどの方は生活習慣病です糖尿病には大きくわけて1型糖尿病と2型糖尿病があります。このうち、2型糖尿病は体質や高カロリー食、高脂肪食、運動不足などが原因と考えられている生活習慣病です(※1)。2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、糖尿病患者さんの大多数はこのタイプとされています。一方、1型糖尿病は自己免疫疾患の一種で、発病と生活習慣にはあまり関係がないタイプ。今回の記事では、日本で予備軍も含め2,000万人以上の患者さんがいるといわれる(※4)、2型糖尿病の予防と対策について解説していきます。日本人はもともとインスリンの分泌量が少なく、糖尿病になりやすい体質だといわれていますので、注意が必要ですね。あなたはいくつあてはまる? 糖尿病のリスク要因そもそも糖尿病とはどういう状態かについて見てみましょう。まず、食事をして血糖値が上昇すると、それを低下させるためにすい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンの分泌量が低下したり、あるいはインスリンの効き具合が低下したりすると、体内でインスリンの作用が不足する状態になります。これによって上昇してしまった血糖値のコントロールができなくなっている状態が糖尿病です。2型糖尿病のリスク要因として、以下のようなものが指摘されています(※3)。遺伝的要因(祖父母、父母、兄弟姉妹などが糖尿病)肥満不健康な食生活ストレス運動不足加齢ただ、適切な食事をとり、適度な運動をして肥満に気をつけていれば、2型糖尿病を防ぐ、あるいは発症を遅らせることができるとされています。要注意! 糖尿病の初期症状糖尿病の初期や軽度のうちは、実は症状がかなり乏しいため、なかなか自分では気づかないことが多いとされています。何かの症状を自覚する前に、健康診断などでたまたま指摘されるというケースが多いんですね。ただ、気づかないまま放置していると、のどが渇く、水をたくさん飲む、トイレに行く回数が増える、疲れやすくなるといった症状が出てくるといわれています。女性なら知っておきたい、妊娠糖尿病とは?妊娠糖尿病という病気を聞いたことがありますか?それまで異常がなかった女性でも、妊娠によって身体への負担がかかることで、糖代謝に異常が現れることがあります。それが、妊娠糖尿病です。妊娠糖尿病になると、巨大児のリスクが高まったり、最悪の場合は子宮内胎児死亡につながるなどの悪影響があるとされます。また、帝王切開率や妊娠高血圧症候群のリスクが上がるなど、妊娠や出産に関するトラブルにつながるともいわれています。妊娠糖尿病は、出産してしまえば改善することが多いとされますが、将来的に2型糖尿病を発症する人が多いと考えられています。それだけではなく、脳卒中や狭心症、心筋梗塞といった動脈硬化で起こる心血管病のリスクも高いことが知られています。健康に過ごすためだけでなく、大切な妊娠出産のためにも糖尿病予防が重要なんですね。糖尿病にならないための生活習慣のポイント健康的な食生活、定期的な運動、十分な睡眠、ストレス管理と適正体重の維持は、2型糖尿病の予防につながると考えられています。特に血糖値を上げない食生活を送ることが大切です。健康的な食事野菜は一日350g以上の摂取が推奨されています(※5)。食事のはじめに野菜をしっかり摂ると、血糖値の上昇がゆるやかになり、すい臓への負担も減少して、糖尿病予防につながります。また、糖分を多く含んだ甘いジュースやお菓子の摂取は血糖値の急上昇を起こして糖尿病のリスクになるため、なるべく控えましょう。ご飯やパン、麺類などの主食類はおいしいですが、でんぷん質を多く含む主食類の摂りすぎは血糖値を上昇させ、すい臓の疲弊や肥満を招きやすいとされるので注意が必要です。主食がないとおなかが減るという方は、食物繊維の含有量が多いものを選ぶようにしましょう。全粒粉パンや全粒粉小麦を使ったパスタなどは血糖値の上昇がゆるやかであるとされています。間食したい場合は、チーズなどの乳製品やナッツ類のように糖質の含有量が少ないものをチョイスするようにしましょう。定期的な運動週に数回、30分以上の運動を心がけるとよいでしょう。運動は、筋力を鍛えるレジスタンス運動と、有酸素運動を組み合わせて行うのがおすすめです。運動それ自体でのカロリー燃焼効果は実は少ないのですが、運動によって代謝が活性化することや、適度な疲労感で夜によく眠れること、ストレスホルモンによる身体への悪影響を緩和する効果など様々な作用が期待でき、糖尿病予防だけでなく総合的な身体への好影響があるとされています。ストレス管理上記のように、運動は効果的なストレス対策になります。また、十分な睡眠をとることも、ストレス解消とともにメンタルヘルスを保つためにもとても大切です。睡眠不足だとストレスホルモンが高まり、食べすぎや肥満につながりやすくなるので注意しましょう。自分でできる対策を2型糖尿病は、生活習慣の影響を大きく受ける病気です。日々の小さな行動が、長期的な健康に大きな影響を与えることを忘れずに、健康的な生活を心がけましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 糖尿病※2 厚生労働省.図表1-2-8糖尿病患者数の状況※3 厚生労働省.糖尿病※4 厚生労働省.平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要※5 厚生労働省.e-ヘルスネット 野菜、食べていますか?筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2024年01月18日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。糖尿病の持病がある母・あーちゃんは、毎週インスリン注射を受けています。それ自体は問題なくこなせるのですが、別の日にインフルエンザの予防接種を受けたところ、いつもと違う診察室・先生になっていて理解が追いつかず、その場でキョロキョロしてしまう事態に。いつものパターンとは違うと、対応できなくなってしまったようです。あれ?記憶から消されている…?やらなくてはいけないことがあるのはわかっているけれど、それが何かわからない……。あーちゃんは今、何をしていてもそんな状態なのかもしれません。やらなくてはいけないことを自分のペースでこなそうとするため、突拍子もない行動に出ることも多く、本当に目が離せなくなってきました。あーちゃんは5人きょうだいです。伯父に呼ばれ、亡くなった叔母の家に行くことになり姉妹で付き添うと、ただ叔母の家を掃除するだけだったようで、早朝からあーちゃんを迎えに行ってから叔母の家へ向かうという大移動に。帰宅後、あーちゃんから電話がかかってきました。なんだか話の雲行きが怪しくなってきました。恐る恐る聞いてみます……。今日、一緒にいたのは誰かというのを忘れてしまったようです。時間と労力をかけて付き添った今日という日が、なかったことになっているようです。その日、伯父たちと一緒に食事をした私たち。このやりとりを何度も繰り返しました……。そして、糖尿病の話が出ると……。え? 違うよね……!?めちゃくちゃちゃんとしゃべっているのに、内容がウソばかり……。姉妹で困惑。食後、うれしそうにあんみつを食べていました……。むしろ、甘いものを食べまくっているように思うのですが……。ある日、伯父に呼ばれて亡くなった叔母の家に行くことになったあーちゃん。今は誰も住んでいないため、家をどうするのかという話になるとあーちゃんが理解できないと思い、姉妹で付き添うことに。しかし、いざ伯父と合流すると目的は家の片付けだったことが判明。あーちゃんを早朝に迎えにいき、逆方向に2時間もかかる叔母の家へ向かうという遠回りをすることになりました。その後、片付けをしてから、皆で食事をして解散となったわけですが、夜になってあーちゃんから私のところに電話がかかってきて、今日1日どんなことがあったのかを聞かされました。……え? 私もいましたが? 話を聞いてみると、今日1日の記憶から私たち姉妹と伯父1人の存在が消えていました。めちゃくちゃ疲れながら付き添ったのに……。あーちゃんの兄弟は全員が糖尿病。そのため、食事会中も糖尿病の話で盛り上がっていました。するとあーちゃんも負けじと、自分は食事に気を付けていてケーキなんて何年も食べていないと語りだしました。その口ぶりは、ものすごくちゃんとしている風だったのですが……実際には、ケーキ以外の甘いものもたっぷり食べているのです。姉妹で「何言ってるの!?」と、思わず突っ込みたくなりました。--------------食事会をしたこと自体は忘れていないのに、誰がいたのかわからなくなるのではなく、一部のメンバーだけ記憶から抜け落ちてしまうこともあるのですね。でも、実際に時間も労力もかけて付き添った人からすると、記憶から消されてしまうのは少し寂しいかもしれませんね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2023年12月29日2023年11月14日、お笑いコンビ『フォーリンラブ』のバービーさんがパーソナリティを務める、『バービーとおしんり研究所』(TBSラジオ)に、お笑いタレントの、いとうあさこさんが出演。そこで語られた、いとうさんの『隠れ病』について、驚きの声が上がっています。いとうあさこ、『隠れ病』を告白同日、合間に食べたシュークリームの話や、健康の話などで盛り上がった、バービーさんといとうさん。いとうさんは放送の中で、体力維持のためのアミノ酸を摂取していることを明かしました。芸能界でも大の酒好きで知られるいとうさんは、お酒についても「たらふく飲んでいる」と話しながらも、自分の身体の状況を把握するため、年に一度、健康ドックを受けているそうです。一応、1年に1回人間ドックに行ってんの。(身体の)各所、よくないだろうと思って。だけど、お酒にまつわるところ、肝臓とか、糖とか出るじゃん。ものすごい標準値なの。Amazon Music Presents バービーとおしんり研究所ーより引用酒で異常が出やすい、肝臓や糖の数値は正常だという、いとうさん。これにはバービーさんも「それすごいですね」と称賛した後、「でも肝臓が強すぎる人って、脳にくるっていうじゃないですか」と、脳の異常がないかを心配したのです。バービーさんのひと言に対し、「脳ドックもしょっちゅうやっている」と答えた、いとうさん。脳ドックを受けるのは、明確な理由があってのことでした。テレビでさ、やるじゃん、健康診断みたいな(企画)。あの(テレビ番組で健康診断を受けた)時に、結構普通にあることらしいんだけど、みなさんにね。「隠れ脳梗塞が4個ある」っていわれて。まあ、意外に(多くの人に)あると。正直、そんなに重く考えなくていいけど、できたものは一生なくならないんだって。だから、そのままキープか、おっきくなるかしかないから、確認してる。そしたら全然おっきくなってない。だからどうやら、もうちょっと、元気そう。Amazon Music Presents バービーとおしんり研究所ーより引用いとうさんは、とあるテレビ番組に出演した際、隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)が4つあることを告げられたのです。無症候性脳梗塞とは、脳卒中発作の経験がない状態にも関わらず、脳ドックでMRIを撮った時に発見される、軽度の脳梗塞のこと。無症状ではあるものの、将来的な脳疾患のリスクが上がったり、大きくなったりするといわれていることから、いとうさんは無症候性脳梗塞の状況を把握するために脳ドックを受けているといいます。結果、同日現在は悪化していないとのこと。「もうちょっと元気そう」と、笑って明るく話していました。【ネットの声】・健康診断、全然行っていない。私もいかなきゃって思いました。・人間ドックや脳ドックを定期的に受けているなんて、えらい!・同世代の話なので、他人事じゃないと感じました。表面上は健康で、問題なく日常を過ごしていても、隠れている病気に気付けないことはあります。手遅れにならないよう、年に一度は健康診断を受け、自分の身体の状況を知ることは大切です。いとうさんが毎日元気に過ごせるよう、多くの人が願ったことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年11月16日恋愛したいけど、結婚したいけど、特定の人が頭に浮かばないという方も少なくないでしょう。実は、素敵な人と出会っても気付かずスルーしちゃっている「恋愛できない病」が原因かもしれません。今回はその原因と克服法を紹介します。現状の暮らしに満足している仕事や趣味に没頭すると、恋愛をしたいという気持ちが自然に薄れてしまいます。充実した一人の時間が心地よく、恋がうまくいかなかったときにはすぐに諦めてしまうという習慣がついていませんか?とはいえ、心が満たされているときほど、素直に人を好きになれるもの。必要以上に「恋しなきゃ!」と焦るより、魅力的な人との出会いを待つことで解決するかもしれません。忙しさに追われている「仕事が忙しい」「もう寝る時間…」という生活をしている人は、そもそも恋愛に対する余裕がないかもしれません。恋愛をするにはエネルギーと時間が必要です。恋愛をしたいなら、仕事とプライベートのバランスをとることが重要。時間に余裕がない場合、スケジュールを埋め尽くさず、恋愛する余裕を作ることが大切です。たとえば、彼からデートの誘いを受けたとしても、1ヶ月先にしか空きがなければ恋愛を進めることは難しくなってしまうでしょう。自己愛が足りない自分を好きになれないと、他人を心から愛するのは難しいものです。また、自己評価が低いと「自分のことを好きになってもらえるはずがない」という思考に陥りがち。彼と一緒になっても、自己肯定感が低いせいでうまくいかなかったりします。長らく好きな人ができていないという人は、まず自分自身と向き合うことをオススメします。不安定な生活安定的な収入や仕事が見つからず、恋をする余裕がないという人もいるでしょう。日々の生活が不安定だと、恋愛が後回しになるのは当然。そんなときは、焦らずに生活を安定させることから始めましょう。心と生活環境を見直す好きな人ができないのは、出会いがないからだけではありません。恋ができないのは、自分自分または自分の生活に原因がある場合もあるのです。恋がしたくなったとき、まず恋を始められる環境作りから始めてみましょう。(Grapps編集部)
2023年11月11日1人暮らしをしていた私の祖母が、アルツハイマー病(記憶や思考、行動などに問題を起こす脳の病気)と診断されたのは約10年前。祖母の自宅介護から施設入所までを経験した私のお話です。1人暮らしの祖母がアルツハイマー病に当時はまだアルツハイマー病の初期の状態で、たまに前後の事実関係がわからなくなったり、同じことを何度も繰り返したりするくらいでした。しかし、だんだんと症状が進行していくうちに1人暮らしがままならない状態になっていきました。それでも本人はずっとグループホーム(高齢者や障害者が支援を受けながら小人数で一般住宅で生活する施設)に入ることを嫌がっていて、家族も祖母の意向を尊重したいと思い、祖母は1人暮らしを続けていました。ひとりの生活に限界が見えてきて頻繁に祖母宅に様子を見に行くも、掃除は行き届いておらず、臭いも発生するように。私は早く施設に入所させたほうが祖母のためなのではないかと思っていたのですが、本人と家族の強い意向でかなわないまま。そうこうしているうちに、祖母の徘徊(はいかい)が始まりました。最初のうちはGPSタグを祖母に取り付けるなどして対策していたのですが、徘徊の回数も増えてきたので、それを機にようやくグループホームの入所申請をすることに。親族の反対を受け…ところが、せっかく入所できる順番が回ってきたにもかかわらず、親族が「祖母がかわいそうだから」と言って入所を見送ることも……。そのたびにグッと耐えて祖母の介護をしてきました。その後、ようやく祖母の入所が決まり、今ではグループホームで暮らすように。健康で清潔な日常を送っている祖母を見て、安心して面会に行くことができるようになりました。まとめ私は、家族を施設に入れることになっても、決して見捨てるということではないと思っています。私の親族のように、家族が介護をすることが当然かのうように思う人もいるかと思いますが、本人と介護者の負担を考えても、プロの力を借りることは重要な選択肢の1つだという考えが、もっと浸透してほしいと思いました。(30代女性)※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。ウーマンカレンダー/介護カレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2023年11月07日「認知症のなかで、約7割を占めるアルツハイマー病に特化した薬『レカネマブ』が、9月25日に日本で正式承認され、年内にも実用化される見通しです。同薬については、今年7月にFDA(アメリカ食品医薬品局)で承認されたことから、『アメリカで治療したい』という声もあったほど、患者さんやそのご家族の期待度が高いものです。臨床医としても、大きな武器を得ることができたという思いです」こう語るのは、日本のアルツハイマー病研究の第一人者で、アルツクリニック東京の院長・新井平伊さんだ。日本では、これまで4種類の認知症薬が使用されてきたが、今回、12年ぶりに承認された「レカネマブ」は、根本的に構造が異なるという。「全認知症のうち、7割を占めるアルツハイマー病は、遺伝的要素、生活習慣病などの要因が重なり、脳の神経細胞内外に『アミロイドβ』というタンパク質が沈着することが起因だと考えられています」神経細胞がダメージを受けると、アセチルコリンという神経伝達物質の合成が阻害され、物忘れなどが生じ、最終的に脳の萎縮に至る。■アルツハイマー病の原因そのものを除去「既存薬は、アセチルコリンを補充したりする対症療法的なもので、投薬後、10カ月ほどで効果がなくなってしまいました。ところが新薬『レカネマブ』は、アミロイドβそのものを除去するため、進行を遅らせる効果が持続することが期待されるのです」治療法は、2週間に1度、1時間ほどの点滴治療を受ける。「1年6カ月の投薬を続けることで、進行を27%ほど、時間に換算すると2〜3年ほど、遅らせるというデータが出ています」副作用は、頭痛、寒気、吐き気などが報告されている。「特徴的な副作用としては、脳浮腫が約12%、脳の微小な出血が約17%ほどの確率で起こるとされています。ただし、2千人の治験では、亡くなるなど重篤な副作用の報告はありませんでした。症状がなく軽い場合は治療を継続できますし、状況を見る必要がある場合は、一時中断して、落ち着いたら再開することになります」薬価はどうなるのだろうか。「米国では1年間で360万円ほど、日本ではその半分の180万円ほどを期待している」というが、保険適用になるので、収入や年齢に応じて1~3割の負担で使用できる。また、医療費が高額になった場合、高額療養費制度が利用できる。70歳以上の一般的な収入の人の自己負担額の上限は14万4千円なので、月に換算すると1万2千円ほどの負担で利用できそうだ。ただし、どんな認知症の患者にも効果があるわけではない。対象となるのは軽度認知障害(MCI)や早期アルツハイマー病の患者。「多少の物忘れがあっても、着替えや入浴、外出など、身の回りのことができ、生活が自立できていて、加えてアミロイドβの蓄積が認められた人などです」アミロイドβの蓄積は、通常のMRIでは判別できず、アミロイドPET検査や脳脊髄液検査で判定することになる。「現在、これらの検査は全額自己負担で、当院でもPET検査の薬剤だけで25万円もします。しかし検査が高額では、新薬の導入のハードルが高くなってしまいます。薬価を決めるとともに、アミロイドPET検査も保険診療にする必要があるでしょう」アルツハイマー病に向き合う患者や家族の福音となるのか、新薬の普及と効果に期待したい。
2023年10月12日高齢化が進むなかで、患者数が年々増加してると言われているパーキンソン病。現在、日本には20万人以上の患者がいるとされています。そんななか、パーキンソン病の当事者が主演を務める日本初の劇映画『いまダンスをするのは誰だ?』がまもなく公開。そこで、病と闘いながら活動しているこちらの方にお話をうかがってきました。樋口了一さん【映画、ときどき私】 vol. 602人気番組「水曜どうでしょう」シリーズのテーマソングである「1/6の夢旅人2002」や日本レコード大賞優秀作品賞を受賞した「手紙〜親愛なる子供たちへ〜」などで知られ、数多くの有名歌手たちにも楽曲を提供してきた樋口さん。パーキンソン病を17年間も患いながらシンガーソングライターとして積極的に活動を続けていますが、本作では俳優初挑戦にして初主演という大役を務めています。今回は、役作りの苦労や病気との向き合い方、そして諦めそうになった自分を変えてくれた音楽との出会いなどについて語っていただきました。―まずは、どういった経緯で、主演のお話が来たのでしょうか。樋口さん最初は主題歌を頼まれたので、二つ返事で受けました。ところがしばらくして、「主役をお願いしたい」という手紙が突然届いたんです。そのときは本当に寝耳に水で、どうやって断ろうかということしか考えていませんでした(笑)。―そこから引き受けようと気持ちが変わったのはなぜですか?樋口さん一晩寝たあと、「辞退させていただきます」と連絡をして電話を切ったときの自分を想像してみたんです。そしたら、やったことがないという理由だけで断るのは、表現に携わる人間としてもったいないなと。それに、これから先の人生で「映画の主役をやってほしい」なんて言われることはまずないだろうと思ったんです。そう考えているうちに、だんだんやってみたいなと考えるようになりました。将来を考えて落ち込んでしまうときもある―初めての演技でわからないことも多かったと思いますが、俳優の知人に相談したことはありませんでしたか?樋口さん周りにいっぱいいるので、それも考えたんですよ。でも、下手に技術を植え付けられると、逆に余計なことをしちゃうんじゃないかなと思ってやめました。そこで、セリフを覚えたうえで、どうしたらそれを普段話しているように言えるかということにまずは重きを置くことにしました。とはいえ、自分で編み出した方法だったのでいまでも不安はありますが、一番長くやってきた音楽を生かして歌を歌うようにセリフを言えた部分もあったかなと思っています。―演じるうえで、同じ病を抱える主人公に共感する部分もあったのではないでしょうか。樋口さんそれはありましたね。ただ、病気を宣告されて怒りに任せていろんなものを壊していく彼のような反応は僕にはなくて、自分はわりと淡々と受け止めることができたので、そこは違ったかなと。でも、治療法のない難病なので、将来のことを考えて落ち込むことは僕にもあるのでわかる部分はありました。―ということは、役づくりに関しては技術的な難しさはあっても、感情的にはすんなりとは入れたと。樋口さんそうですね。劇中に何もかも失ってビルの屋上で泣くシーンがありましたが、そこも気持ちがわかるので、家族も友達も全部奪われた子どものような感じで演じました。病気に蓋をせず、個性として扱ってほしい―今回はセリフ以外にもダンスを覚えるのが大変だったと思いますが、これまでにダンスのご経験は?樋口さん小学校のときに踊ったフォークダンスの「オクラホマ・ミクサー」以来ですよ(笑)。今回は、撮影の約2か月前から先生に振りを教えてもらいながらロックダンスを練習しました。覚えるのが大変なのはもちろんですが、全然かっこよくならなくて…。でも、娘のために一生懸命なんだけど、イマイチなところがこの映画では大事だと思ったので、真剣だけどイケてない感じをそのまま出しています。―本作では、パーキンソン病の方に対してきつく当たったり、心ない言葉をかけたりする不寛容な社会の様子も描かれていますが、ご自身もそういった経験はありますか?樋口さんいまのところ、僕はそういう場面に遭遇したことはありませんね。でも、コンスタントに薬を飲んでいないと、突然動きが取れなくなってしまうので、日常生活のさまざまな場面で自分が周りに気を遣ってしまうことはよくあります。薬が効いているときは普通に動けているので、周りも病気であることを忘れていろいろ誘ってくれるのでそれはうれしいんですけど、相手に迷惑をかけるのが嫌だなと思って自分が断ってしまうことが多いですね。でも、僕は極力自然に接してほしい気持ちもあるので、もしみなさんの周りにパーキンソン病の方がいたら、病気に蓋をしてしまうのではなく、その人の個性として扱ってもらえたらいいなと思います。公表したことで、エネルギーを活動に使えるようになった―ご自身がパーキンソン病の診断を受けたのは2009年ですが、不調を感じてから病名がわかるまで3年もかかったそうですね。樋口さん当時は何だかわからなかったので、まず正体を現してほしいとつねに思っていました。僕の場合は、典型的な症状である手の震えが出なかったので、それが病気の診断が遅れる理由だったのかもしれません。そんななかで、「もしかしてパーキンソン病なんじゃないか?」と自分で思うようになり、そのことを医師に告げて調べてもらったら、パーキンソン病であることがわかりました。難病であることは知っていましたが、病名がわかったことでホッとした部分はあったと思います。―とはいえ、公表するまでには葛藤もあったのではないでしょうか。樋口さん最初は「言わないのが当然」というか、自分の弱みは伏せておくのが普通の対応だと思っていました。でも、何かを隠すというのはエネルギーを使いますからね。公表したことによって、そこに使うエネルギーを自分の活動に向けられるようになったので、以前よりも負担は軽くなりました。ただ、実際は会社や同僚にも隠しながら闘っている人は多いとは思います。会社勤めしている方は、「組織のなかで正常な役割を果たせなくなった」と自分で言うようなものですからね…。そこは、僕とは違うプレッシャーがあって大変だろうなと感じています。―ご自身は歌手をやめようと思ったことはなかったですか?樋口さん僕が熊本に移住したのは、いまから12年ほど前ですが、一番声が出なくなってしまったときでもあったので、実は「やめるしかないのかな」と考えたこともありました。ライブをしてもお客さんに対してうまく表現できなかったのが、本当に情けなかったんですよね。「何があってもバッドエンドはない」と考えている―そこからどうやってまたモチベーションを上げて、活動を続けられたのでしょうか。樋口さんその瞬間についてはいまでもはっきりと覚えていますが、中島みゆきさんが吉田拓郎さんに向けて書いた「永遠の嘘をついてくれ」という曲をお二人が歌っている音源を聴いたときのこと。自分に言われている気がして、涙が止まらなくなってしまったんです。そのあとに、諦めることを1回諦めてみようかなと。音楽は世界を変える力があるかどうかはわからないですが、人の気持ちを変えることができるんだなと自分で実感しました。そういった感覚は、ザ・ビートルズを初めて聞いたとき以来だったと思います。―病気と向き合うなかで、考え方が大きく変わったこともありましたか?樋口さん僕は「自分=パーキンソン病」ではなくて、パーキンソン病という“荷物”が1つ増えたなという感覚です。でも、「何でこんな荷物を持たなければいけないんだろう」というよりも、「この荷物を抱えた人生にはきっと何か理由があるんだろう」と思っています。その理由は死ぬまでわからないかもしれませんが、「必ず知ることができるときが来る」と信じていて、いまはそれを楽しみに待っているような感じです。―そういう気持ちは、創作活動にも影響を与えているのではないかなと。樋口さんそれはありますね。特に自分が書く詩には変化があって、「何があってもバッドエンドはない。すべての終わりはハッピーエンドなんだ」というようなものを作ることが増えました。以前からそういうところはあったのかもしれないですが、この病気になってからは、「ネガティブなことが起きても、それはハッピーエンドのための障害物であり通過点」みたいな内容が多くなってきたなと自分でも感じているところです。いまは、ギターを弾きながら歌えなくなったとか、できないこともいろいろと増えています。でも、ファンの方々も見守るように受け入れて、やれることを精一杯しているところを見てくださっているのでありがたいです。30代をすぎても、子どもように楽しんでほしい―いつでもポジティブな樋口さんの姿に、救われている方も多いと思いますが、実際に反響を感じたことはありますか?樋口さん最近、「水曜どうでしょう」のキャラバンで各地を回っていたのですが、そのときに「1/6の夢旅人」という楽曲がいかにたくさんの方の人生に関わっているのかを知ることができました。結婚式で使ってくださった方や「泣きました」という方など、あの曲のなかにはみなさんのいろんな感情が入っているんだなと。多くの人の背中を押す役割も担っているようなので、いまでは自分の手を離れて大きなものになっているんだと感じています。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。樋口さん20代からすると、30代というのは年を取ってしまったなと一番感じるときかもしれません。でも、いま自分が59歳になって思うのは、30代って全然子どもだなということ。なので、みなさんには“ガキ感”みたいなものを発揮してもらって、もっと楽しんでほしいなと思います。僕でさえ、自分もまだまだガキだなと感じているので(笑)。30歳すぎたからと悲観することなく、突き抜けてもらいたいです。インタビューを終えてみて…。音楽を深く愛し、どこまでも前向きな樋口さん。病気であることを感じさせない力強い言葉には、背中を押されるような感覚がありました。「音楽をやることが自分の役割だったと言われたい」とも語っていた樋口さんの活動をこれからも楽しみにしたいと思います。次にダンスをするのはあなた!実話を基にパーキンソン病を抱えながら生きる人たちのリアルを描きながら、家族や周囲の人たちとしっかりと向き合うことの大切さも描いている本作。自分らしい生き方を見失いがちな現代に生きる人たちにとっては、「自分だけではない」と新たな一歩を踏み出す勇気をもらえるはずです。写真・園山友基(樋口了一)取材、文・志村昌美ストーリー家庭を顧みることなく、仕事一筋で生きてきた功一。妻とはすれ違いが続き、娘とも仲が悪くなってしまう。そんなある日、若年性パーキンソン病だと診断されるも、それを受け入れることができず、一人で孤独を抱えていた。職場でも仲間が離れていくなか、パーキンソン病のコミュニティに通い始める。本音を話せる友人ができたことで、人とのふれあいの大切さと痛感するのだった。そして、不仲だった娘ともダンスを通じて、お互いの関係を改善しようと試みることに…。まっすぐな思いが詰まった予告編はこちら!作品情報『いまダンスをするのは誰だ?』10月7日(土)より新宿K’scinemaほか全国順次公開配給:アークエンタテインメント(C)2022いまダンフィルムパートナーズ写真・園山友基(樋口了一)
2023年10月05日なんとなくだるい、疲れやすい、頭が痛いという症状が起こった場合、その原因は、いわゆる「気象病」の可能性があります。気象病とは、気象や天候の変化によって発症したり、悪化したりする体調不良の総称です。医学的な診断名ではないですが、みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は秋に見られやすい気象病の特徴と対策について解説していきます。気象病が起こる原因気象病になる原因として「自律神経の乱れ」が挙げられるでしょう。自律神経は、呼吸・血液循環・消化・体温調整をはじめとする、体に備わる様々な機能をコントロールしています。気温や気圧などの変化によって自律神経が乱れると、様々な症状につながる恐れも。実は要注意! 秋の始まりの気象病夏の暑さで体力を消耗したあとにやってくる秋。実は気象病が起こりやすい時期でもあります。夏から急激に肌寒さが増してくる時期でもあるため、自律神経のひとつである交感神経が優位な状態が続きます。特に夜から朝方にぐっと気温が下がるようなとき、寝冷えしやすくなってしまうでしょう。その結果、疲れが残ってしまったり、肩こりや頭痛、免疫力の低下といった症状がおこりがちです。また、台風がやってくることで気圧の変動も起こりやすいのですが、この気圧変動も自律神経に影響する可能性も考えられます。気象病の対策1.規則正しい生活をする毎日体内時計を整えるために、朝起きたらまず太陽の光を浴びるようにしましょう。秋は徐々に日照時間が短くなっていくため、日光浴がよりいっそう大切になってきます。特にうつ病傾向のある人は意識してみてください。秋の長雨ですっきりしない日が続くこともありますが、決まった時間に起床し、決まった時間に就寝するリズムを守ることが体調を保つのに有効です。2.気温の変化を意識する秋に差し掛かると、残暑を感じる日があったと思えば秋雨とともに冷え込んだりと、日によって寒暖の差が大きくなります。天気予報などもチェックしながら、体が冷えないように服装を変えましょう。調節しやすいように、一枚羽織れるようなものを持ち歩いておくのもいいですね。また、就寝中に冷えてしまわないように、最低気温の予報をチェックして厚手のパジャマをチョイスしたり、布団の上に毛布を一枚多く被せてみるなど準備しておくのが大切です。3.入浴後の湯冷めに気をつける暑かった夏が終わって秋になると、気温も下がって過ごしやすい季節になります。そこで意外にやりがちなのが、湯冷めです。特に、長風呂をして体がぽかぽかにあったまった後などは要注意。夏場ならなかなか体が冷えることはないですが、秋になってくると、いつの間にか体が冷えてしまっていることも。油断せずに、すぐに着替えて体の熱を逃さないようにしたいですね。4.冷たいものを食べすぎないように気をつける徐々に涼しくなってくる秋。夏と同じ気分で冷たいものを摂っていると、体の冷えを誘発してしまっているかも。また、トマトやなす、きゅうりやキャベツといった野菜やパイナップル、バナナなどの果物は体を冷やすとされており、摂りすぎには注意したいですね。5.体力をつけ、体を温める食材を摂る秋は、冬の寒さに負けない体を作るために大切な時期でもあります。冷え性の改善にも、タンパク質を多く含む魚や鶏肉をしっかり摂って、筋肉を維持し、基礎体力を保つことが大切です。さらに、しょうがやキムチ、にんにくといった体を温める食材を日々の食生活に盛り込むことで、冷え知らずの体を作っていきましょう。さいごに寒暖の差が大きくなるこの時期、気象病を避けるためには、自律神経の働きを正常に保つことが大切です。特に冷たい食べ物や飲み物など、身体を冷やしやすい食生活をしている場合は、体の不調につながりやすいです。季節の変わり目は今回ご紹介したようなポイントに注意してみましょう。©buritora/Adobe Stock©golubovy/Adobe Stock©japolia/Adobe Stock著者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年09月14日動物保護施設に預けられる動物の中には、長い間、路上で生活していたと思われる動物がいます。人の手による世話をされていない犬や猫は、不衛生な環境にいたことから健康上の問題を抱えているケースが多いそうです。皮膚病で目が開けられなかった保護猫アメリカのフロリダ州に住むアンドレア・クリスチャン(turtlecatfoster)さんは猫が大好き。アンドレアさんは地元の動物保護シェルターにいる猫たちの仮里親として、これまでに多くの保護猫の世話をしてきました。2023年4月、彼女はシェルターに連れて来られたオスの野良猫を一時的に引き取ることにします。人懐っこいその猫は去勢済みでしたが、マイクロチップは付いていませんでした。猫は体の大部分がダニによる皮膚感染症の疥癬(かいせん)を患っていて、見るからに痛々しい状態。疥癬が顔にも広がっていたため、猫は目を開けるのもつらそうでした。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る Andrea Christian(@turtlecatfoster)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る Andrea Christian(@turtlecatfoster)がシェアした投稿 猫はミスティックと名付けられます。アンドレアさんは疥癬の治療のために、ミスティックくんの体を洗ったり、皮膚にできたかさぶたを取り除いたりと、懸命な世話を続けました。その甲斐あって、ミスティックくんの皮膚の状態は少しずつ改善していきます。そして、ミスティックくんが目を開けた時、アンドレアさんはあることに気付きました。ミスティックくんの目はとても美しいオッドアイだったのです。 この投稿をInstagramで見る Andrea Christian(@turtlecatfoster)がシェアした投稿 左右の目の色が異なるオッドアイは白猫に多いといわれます。右目が青色で、左目が緑色だというミスティックくんの写真には、多くの人が驚きの声を上げました。・なんてゴージャスなオッドアイ!・保護された時と同じ猫とは思えないほど美しいね。・こんなにハンサムな猫を見たことがないよ。 この投稿をInstagramで見る Andrea Christian(@turtlecatfoster)がシェアした投稿 ミスティックくんはアンドレアさんの家族にはとても懐いていますが、譲渡会へ行くとシャイになってしまい、毛布の中などに隠れてしまうのだそうです。そのため、同年8月13日時点では、まだ里親が決まっていないとのこと。アンドレアさんはミスティックくんの愛らしさが分かるような動画を投稿するなど、早く家族ができることを願っています。人とペットにも縁があるので、ミスティックくんはきっと最適なタイミングで最高の里親に出会えるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年08月22日東京歯科大学市川総合病院(千葉県市川市)では、“米ぬか成分によるアルツハイマー型認知症への治療効果”を確かめるため、臨床試験への参加を希望する65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症の方を募集しています。現在、参加定員320名のうち40名のお申込みがあり、残り280名となっております。研究の流れ【ポイント】●国民病ともいえる認知症、その中でも約6割を占めるアルツハイマー病の治療法は未だ確立されておらず、症状進行を薬で予防しているのが現状。また新たな新薬も開発されて話題になっているものの(疾患修飾薬)も、その効果は現状満足できるレベルにあるとは、まだ言えない。●近年、アルツハイマー病は、“脳の糖尿病”とも称されるように、これまで信じられてきた病理とは異なる、栄養学的な見地からの理解も進み、新たな予防・治療アプローチが注目されてきている。●特に、米ぬか成分による栄養療法が、アルツハイマー病に効果を持つ可能性が期待されている。●動物実験では、既にアルツハイマー病の原因物質とされる「脳のアミロイドベータ蓄積が、米ぬか成分を食べることで5-7割減少」とも報告され、実地でも一部の認知症の方には草の根では広がりを見せつつある一方で、厳密な医学的検証試験は行われておらず、認知症患者での研究が待たれていた。●本研究は、世界初の試みとして、米ぬか成分の治療効果の検証のため、ランダム化比較での臨床試験への参加協力を希望する65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症の方を320名募集する。●米ぬか成分はサプリメントとして服用可能で、参加者には約1年間、3ヶ月に1回程度、通院していただく。●この研究によって、米ぬか成分による認知症の予防・治療効果が証明され、安心・安全・安価で医学的根拠に基づいた『食の力』という治療選択の確立を目指す。【研究の目的】65歳以上の認知症の人の数は2025年には高齢者の約5人に1人である約700万人になると予測されています。国民病ともいえる認知症ですが、その中でも約6割を占めるアルツハイマー病の治療法は未だ確立されておらず、症状進行を薬で予防しているのが現状です。従来とは作用機序の異なる新たな治療薬(疾患修飾薬など)も必死に開発が進められていますが、その効果は限定的で、また費用対効果からもその使用に賛否が分かれるなど、未だ満足できるレベルにあるとは言えません。近年、アルツハイマー病は、“脳の糖尿病”や“3型糖尿病”とも称され、脳の栄養学的な異常として、従来とは一線を画す、新たな病理の存在が示唆されています。その中でも、米ぬかに多く含まれているポリフェノールの一種である「フェルラ酸」による栄養療法は、脳のアンチエイジングともいうべき抗酸化作用、抗炎症作用、抗糖尿病作用が知られており、脳神経細胞の保護効果を通じて、アルツハイマー病の予防や進行を遅らせる可能性が期待されています。既に、動物実験では、この米ぬか成分を摂取したマウスは、摂取しないマウスと比べ、アルツハイマー病の原因物質と考えられている脳内の「アミロイドベータ」が59%~73%減少したと報告されており、人間を対象とした研究でも、認知症予備軍であるグレーゾーンの軽度認知障害に対しての効果が証明されています。一方で、この米ぬか成分が、認知症の患者そのものに本当に効果があるのかについては、信頼のおける臨床試験では証明されておらず、研究が待たれていました。こうした背景を踏まえ、本研究では、世界初の試みとして米ぬか成分のアルツハイマー型認知症への治療効果を検証します。効果検証のため、臨床試験への参加を希望する65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症の患者さん320名を募集します。米ぬか成分は、サプリメントとして服用可能となっています。研究期間は約1年間で、参加者にはその間、初診および3ヶ月に1回程度(5回)の全6回、通院していただきます。そのうちの開始時・半年後・1年後には、1回1時間半程度の専門家による心理検査等で、丁寧に認知症の状態が評価されます。また、アルツハイマー病の原因物質とされる「アミロイドベータ」の脳内の蓄積度合いを血液検査でも評価します。これは、自費で行うと数十万円かかることの多い高額な脳画像検査に匹敵する、高い診断精度(94.9%)が研究でも近年示唆されている血液検査で、臨床試験の参加者はこの血液検査が無料で受けられます。本研究では、米ぬか成分による認知症の予防・治療効果が証明され、認知症の当事者やご家族に、薬以外の選択である安心・安全・安価な『食の力』による治療が、選択肢としてもたらされることを目指しています。実は近年、最先端の医学研究では先進国での高齢者における認知症の発症確率が低下しているという事実はご存知でしょうか?例えば、米国では65歳以上の認知症発症確率は約10年前と比べて24%の減少が示され、その理由として食生活も含めた「生活習慣(病)の改善」が大きいと考えられ、世界最大の医療研究機関である米国国立衛生研究所(NIH)でも、認知症予防としてその改善を提唱しています。既に認知症への栄養学的なアプローチは、眉唾の民間療法などではなく、次世代の認知症治療開発における大きな希望の星とさえ言えるのです。特に、米文化を伝統の中心に持つ私たち日本人は、世界で最も米の恩恵にあずかってきた国民と言っても過言ではありません。そんな米ぬかの成分に、アルツハイマー病に立ち向かう大きな力が秘められていることを証明するという試みは、瑞穂の国に生まれ育った私たち日本人こそが率先して行うべき研究であると確信すると共に、本研究を進めることで、「医食同源」によるアルツハイマー病の予防・治療の効果というエビデンスが示されることを、心より強く願っており、みなさまのご協力をぜひお待ちしております。関心をお持ちいただけるようでしたら、下記、ウェブサイトをご覧ください。URL: 〇主任研究者(宗 未来)は、「アロマセラピーによる高齢者の認知機能改善」の効果証明などで、日本精神神経学会学術総会の優秀発表賞を、これまで3度にわたって受賞した精神科専門医です。〇本研究は、認定臨床研究審査委員会の審査・承認を受けた後、東京歯科大学市川総合病院の病院長の許諾を得て、厚生労働大臣に研究に関する実施計画を提出した上で実施されています(臨床研究実施計画番号:jRCTs031220615)。【臨床試験概要】実施機関: 東京歯科大学市川総合病院対象 : 抗認知症薬ドネペジル5mg1錠を内服している、65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症患者(軽度とは、自分一人で服を選んで着替えられ、自発的に入浴(シャワー)も可能な方)(その他の条件等は以下、URLをご参照ください)募集 : 2023年4月1日から試験期間: 48週(約1年間)来院回数: 全6回(初回+3ヶ月に1回のペースで計5回来院)方法 : ランダム比較試験(RCT)(被験食品群=米ぬか成分とドネペジル5mgの併用、プラセボ群=プラセボとドネペジル5mgの併用)目標人数: 320名(被験食品群:160名 プラセボ群:160名)URL : *ランダム化比較試験(RCT):抽選で効果の期待される米ぬか成分のサプリメントか、プラセボかのいずれかのグループに振り分けられ、毎日摂取していただきます。研究期間中はどちらを摂取しているかは伏せられていますが、1年後にどちらのグループであったかは伝えられます。この研究では、軽症のアルツハイマー型認知症に対して「標準的な薬物療法であるドネペジル塩酸塩5mg1錠の内服に加えて、米ぬか成分配合食品であるサプリメントを毎日服用(被験食品群)」、もしくは「標準的な薬物療法であるドネペジル塩酸塩5mg1錠に加えて、プラセボを毎日服用(プラセボ群)」のどちらかの群に割り付けられます。この研究に参加いただくことになりましたら、そのいずれかを48週間服用していただきます。研究参加者は、初回・半年後・さらに1年後の計3回、認知機能の精密な評価のための神経心理検査やアルツハイマー型認知症の予後を予測することが知られている嗅覚検査などが実施されます。また、アルツハイマー病の原因物質と考えられている脳内アミロイドベータの蓄積具合を評価するための血液検査も研究開始の前後の2回、実施されます。【申込方法】研究の参加条件などの詳細を知りたい方は、下記のURLにアクセスしてください。二次元バーコードをスキャンしてもアクセスできます。参加を希望される方は、概要をお読みいただいた上で、アンケートにお答えください(所要時間約5分)。内容を確認した後、事務局より連絡させていただきます。URL: 二次元バーコード【その他】●健康保険の取り扱いについてこの研究で用いる試験食品、研究のための血液検査(バイオマーカー)、研究に必要な検査等の費用負担はありません。ただし、併用薬であるドネペジルの薬剤費や通常診療の範疇としてなされる採血や心電図といった検査費用については、参加者の健康保険を用いて行われますので、自己負担となります。●最近、物忘れの悪化は認めるが、「医療機関で認知症という診断・治療はまだ受けていない」という方現在、通院治療のない方でも、物忘れが目立ってきて心配されている場合には、東京歯科大学市川総合病院の認知症外来で通常診療を受けていただき、条件に該当する場合はその延長で研究に参加いただくことができます(研究参加は、辞退しても不利益はありません)。お気軽にお問い合わせください。●既に、他の医療機関で軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、ドネペジル5mg1錠を内服中という方現在、他院に通院中の方は、主治医からの許諾と、主治医からの診療情報提供書(紹介状)が必要になります。主治医とよくご相談の上で、お申込みいただけますと幸いです。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月17日夏の季節、冷房の効いた屋内と暑い屋外を頻繁に行き来することが多い人は、「冷房病」に注意が必要です。女医の筆者が、女性が気を付けるべき「冷房病の特徴と対策」について詳しく解説します。冷房病とは医学的に病名があるわけではないのですが、冷房によって冷やされた空間に長時間いたり、暑い屋外と冷やされた屋内の気温差を頻繁に感じたりした場合に起こる不調が「冷房病」とされます。一般的に自律神経の乱れによって起こると言われています。私たちの身体は自律神経の働きによって体温調整をしています。気温が高いときには副交感神経が優位になり、汗をかいたり血管を拡張したりすることで体温を下げるように働きます。逆に気温が低いときには、交感神経が優位になって血管を収縮させることで、体温の低下を防いでいます。冷房環境によってこの自律神経が乱れると、様々な症状が現れます。冷房病の症状冷房病の症状には、次のようなものが挙げられるでしょう。・頭痛やめまい・不安やイライラ・疲れやだるさ・手足の冷え・食欲不振・下痢もしくは便秘・睡眠障害・足のむくみ糖質が大好きな人は要注意!?糖質を摂りすぎると、体を冷やしてしまう可能性が。糖質を摂取すると、まずは血糖値が上昇します。これに対して体は、インスリンという血糖値を下げるためのホルモンを分泌します(※1)。インスリンの作用により、交感神経が活性化して体温が上昇しやすい状態に。ところが、食べたものの消化が進んでくると、インスリンの分泌が減るとともに、体温が下がりやすくなります。このときに冷房の影響が合わさると、いわゆる冷房病の症状が強く出やすいと考えられています。冷房と糖質摂取のダブルパンチで体温の調整がうまくいかなくなると、体調を崩しやすくなってしまうでしょう。冷房病の対策冷房病は、自律神経の乱れにより多様な症状を引き起こします。さらに、糖質の多い食事は食後しばらくすると体温を下げてしまい、その症状を悪化させる可能性があります。このような事態を防ぐためには、冷房の適切な使用と食事の見直しが有効です。冷房の適切な使用冷房の設定温度は28度程度に設定しましょう。外部との温度差が大きすぎると、体調を崩しやすくなります。オフィスや喫茶店などで空調設定を自由にコントロールできないときのために、ひざ掛けや羽織などの体温調整ができるアイテムを常備して、冷えすぎないように気をつけましょう。自然の風を取り入れて、定期的にしっかりと換気を行いましょう。食事の見直し糖質を多く含む食品の摂取は控えましょう。お菓子やジュースなどの糖質を多く含む飲料は、血糖値の急上昇を起こしやすいので注意しましょう。仕事など、毎日冷房がしっかり効いた場所で過ごす場合は、体を温める食品を摂取するのもおすすめです(例:生姜や唐辛子など)。血糖値の急激な上下を防ぐために、サラダや小鉢などから食べ始め、ご飯などの糖質の摂取はそのあとにすると良いでしょう。早食いも避けてください。適切な対策で冷えない体づくりを!暑さを我慢して熱中症になってしまうのは避けたいものの、冷房の使いすぎによって夏バテを引き起こしてしまうこともあります。暑さ対策として適切に冷房を使うのは大切なことですが、使用方法や食生活に気をつけることも重要です。適切な対策を行って、暑い夏を健康的に過ごしましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネットインスリン©izzetugutmen/Westend61/yuruphoto/eternalcreative/Aja Koska/gettyimages筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年07月17日梅雨になると、なんとなくだるい、疲れやすい、頭が痛いなどの症状を感じやすい人が増えるでしょう。その原因は、いわゆる「気象病」の可能性が。気象病とは、気象や天候の変化によって発症したり、悪化したりする体調不良の総称です。医学的な診断名ではないですが、最近話題になることが増えているトピックです。そんな気象病の特徴と対策について、女医の筆者が解説します。気象病が起こる原因気象病になる原因は、ひと言で言うと「自律神経の乱れ」が考えられます。自律神経は、呼吸・血液循環・消化・体温調整をはじめとする、体に備わるさまざまな機能をコントロールしています。例えば、酸素を取り込むために呼吸をし、全身に血液を送るために心臓が拍動するといった変化が、意識しなくてもできるようになっているのです。気温や気圧などの変化によって自律神経が乱れると、様々な症状を引き起こすことにつながります。梅雨は特に、体内の水分バランスが乱れやすい時期。東洋医学では、季節の変化など、体に悪影響を及ぼす外的要因のことを「外邪(がいじゃ)」と言います。東洋医学には「湿」という概念があり、梅雨時期には「湿」という外邪(=湿邪)が問題に。湿邪は慢性的な疲労感やだるさ、頭痛、関節の痛みなどを引き起こすとされているのです。コーヒー好きの人は要注意湿邪による気象病を改善するためには、水分や塩分を適切に摂取するのがおすすめです。基本的に湿邪は、体に湿がたまった状態とされており、体内の水分の循環を良くすることが改善のポイントになります。カフェインを含む飲料や食品は、利尿効果があるので効果的だと思いがちですが、控えた方がベター。カフェインには血管を収縮させる性質があり、気象病の症状として起こりやすい頭痛や偏頭痛を悪化させる可能性があります。そのため、コーヒー、紅茶、エナジードリンク、チョコレートなどの過剰摂取は避けた方が無難です(※1)。また塩分が高い食品も、体内の水分バランスを乱すことがあります。特に加工食品や外食は、塩分が高い傾向があるので控えるようにしましょう。食事以外の対策方法食事面以外でおすすめしたい、気象病の対策を3つご紹介します。【適度な運動】まずは、適度な運動を心がけ、余計な水分をためない体作りをしましょう。軽い運動を習慣にして、汗をかけるように体を整えるのがおすすめです。その他、しっかりストレッチをしたり、早歩きをしたりして、水分をためにくく血行が良い状態にしましょう。【十分な睡眠】疲れがたまると、自律神経の乱れを引き起こしてしまいます。十分な睡眠をとり、体力の回復に努めましょう。【ストレスケア】慢性的にストレスがたまると、自律神経が乱れて体調を崩しやすくなります。自分に合ったリラクゼーション方法を見つけ、適切にストレス管理をしましょう。もし、むくみや頭痛といった不調が続く場合は、医師に相談して適切な漢方を処方してもらいましょう。まとめコーヒーなどのカフェイン好きな方は特に、梅雨の時期の気象病に気をつけましょう。適切な対策を行えば、体調不良を防ぐことができます。適度な運動とバランスの良い食事、適切な休息、ストレス管理を心掛けてください。もし、体調を崩してしまった場合は、セルフケアに取り組んでみましょう。健康維持は自己管理から始まるもの。少し意識するだけで、気象病から身を守ることはできますよ。いよいよ梅雨が到来しましたが、皆さんの健康をお祈りしています。【参考】※1 農林水産省 カフェインの過剰摂取について©︎Jamie Grill/DimaSobko/Tom Dunkley/gettyimages筆者情報ママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年06月16日フォレスト出版株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役:太田 宏)は、『糖尿病専門医だから知っているアルツハイマー病にならない習慣』(牧田 善二・著)を2023年6月12日に発売いたしました。『糖尿病専門医だから知っているアルツハイマー病にならない習慣』(牧田善二・著)詳細URL: 高齢者の5人に1人が認知症になる時代、そのうちのおよそ7割が「アルツハイマー型認知症」に苦しめられている現状にあります。これまで、一般人に向けたアルツハイマー病に関する本は、星の数ほど出版されてきました。しかし、そこには発症のメカニズムや症状について詳しく書かれていても、その予防法と進行の食い止め方に対する答えはありませんでした。「そもそもグレーゾーンとはどういうものなのか」「そこで何をすれば良いのか」「日頃の生活でどんなことに気をつけるべきなのか」「何かサインが出ているとしたら、どうキャッチしたらいいのか」本書は、そんな「認知症になりたくない」という読者の切なる願いに答える唯一の本です。実は、アルツハイマー病は「糖尿病」と深くリンクしており、専門家の間では、アルツハイマー病は「3型糖尿病」という認識が広まりつつあります。つまり、アルツハイマー病を予防する上では、糖尿病に関する深い知見が必要になるということです。著者は、糖尿病専門医として、これまでに20万人以上の患者にアドバイスを行ない、実際にアルツハイマー病の進行を食い止めてきた実績があります。年齢も、置かれている状況も問わず、アルツハイマー病に不安を抱く人なら誰でも活用できる「一生アルツハイマー病とは無縁の生活」を送るための1冊です。■著者プロフィール牧田 善二(まきた・ぜんじ)1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行なう。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作りおき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)、『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える 老化をとめる本』(フォレスト出版)ほか、多数。■主要目次はじめに がんより怖い不治の病に勝つ方法第1章 アルツハイマー病が治るという真っ赤な嘘第2章 アルツハイマー病は「脳の糖尿病」第3章 脳を萎縮させる12の原因第4章 今からでも間に合うアルツハイマー病予防対策第5章 事例多数! アルツハイマー病予防治療の劇的効果おわりに 夢を持って楽しくアルツハイマー病を予防する■書籍概要書名 : 糖尿病専門医だから知っているアルツハイマー病にならない習慣著者 : 牧田 善二ページ数: 192ページ価格 : 1,760円(税込)出版社 : フォレスト出版株式会社ISBN : 978-4-86680-231-2発売日 : 2023年6月12日URL : ■会社概要商号 : フォレスト出版株式会社所在地 : 〒162-0824 東京都新宿区揚場町2-18 白宝ビル7F設立年月日: 1996年4月1日代表取締役: 太田 宏業務内容 : 出版物の企画・制作及び販売URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月12日「わさびに強い抗酸化作用や解毒作用があることは知られていました。最新研究では、わさびに含まれる『ヘキサラファン』という成分が、認知症やアルツハイマー病の予防、ブレインフォグの改善に効果があることがわかったのです」そう話すのは、食品メーカー・金印の機能性ビジネス研究所所長で、農学博士の奥西勲先生。45~68歳の男女37人に判断力や注意力を測る認知機能テストを行ったところ、ヘキサラファンを摂取したグループは正答率に伸びが見られたのだ。「ヘキサラファンの抗酸化作用が認知能力向上にも影響したと考えています」(奥西先生、以下同)動物試験では、アルツハイマー病に似た症状のあるマウスの記憶力が悪化するのを防ぐという結果も得られた。アルツハイマー病の原因とされるタンパク質(アミロイドβ)によるダメージを、へキサラファンが抑制したとみられている。和食に欠かせないアクセントにそんな効果があるとは驚きだが、わさびの力は別の臨床試験でも明らかになっている。「89人の男女の“脳年齢”を調べたところ、ヘキサラファンを摂取してから1カ月後の再試験で、平均55・5歳の被験者の脳年齢が、なんと3.4歳も若返っていました」さらに、新型コロナウイルスによる後遺症や、6カ月以上の全身倦怠感が続く慢性疲労症候群に見られる症状のひとつ「ブレインフォグ」にも改善効果が。「集中力が続かず、思考力が低下する原因ははっきりしておらず、今のところ確実な治療法はありません。しかし、心療内科医の岡孝和先生が、5年以上症状が続く患者にヘキサラファンを摂取してもらったところ、ブレインフォグの症状が格段に改善したのです。働けなかった人が社会復帰できたケースもあったといいます」脳の神経細胞はほかの細胞と異なり、一度傷つくと再生が難しい。「そのためにも、わさびの強い活性化作用を味方につけてほしいのです。ヘキサラファンは24時間効果が持続するので、1日1回、小さじ1杯分にあたる5~10グラムのわさびを取るのが効果的です」注意したいのは、ヘキサラファンは常温のチューブわさびや粉わさびにはほとんど含まれないということ。「ヘキサラファンが最も多く含まれているのは、本わさびの根茎部分。根茎部分をすりおろすか、最近増えている冷蔵や冷凍わさびの製品を活用するとよいでしょう」定番の刺身や焼き魚に添えると、効果がより高まるという。「魚の油に含まれるDHAにも記憶力向上などの効果があるのですが、細胞試験でヘキサラファンと一緒に取ることで相乗効果があることが認められています」24時間ほどで効果は消失するため、たくさん食べるより、毎日取り続けることが重要だという。1日小さじ1杯の本わさびで、脳の若々しさをキープしよう。
2023年05月08日ヘルスケアテクノロジーズはこのほど、全国の20~50代の会社員や公務員として働く男女1,200人を対象に、「五月病に関する意識調査」を行いました。五月病とは新年度からおおよそ1ヶ月が経過して緊張や疲れがピークに達した結果、5月の連休後あたりに心身にさまざまな不調を感じること。多くは憂うつになる、なんとなく体調が悪い、会社に行きたくないなど軽いうつ的な気分に見舞われます。■五月病になったことがあると自覚する人は5割以上「あなたは五月病になったことがありますか」という質問に対して、22.8%が「確かにある」、32.8%が「あると思う」と回答し、5割以上の人が五月病になったことがあると自覚していることがわかりました。また、「周囲の人が五月病になったことがありますか」という質問に対しては、20.5%が「確かにある」、36.6%が「あると思う」と回答し、周囲に五月病と思われる人がいる人は6割近くにのぼることも判明しました。さらに、「五月病は深刻な病気だと思いますか」という質問では、「とてもそう思う(14.2%)」「ややそう思う(46.9%)」という結果に。五月病になったことがあると自覚がない人も含めて、6割以上の人が五月病は深刻だと考えていることが明らかになりました。■五月病からの回復に時間を要したと思う人は6割以上五月病になったことがあると自覚する人に対し、「五月病からの回復に時間を要しましたか」と聞いたところ、「とてもそう思う(17.7%)」「ややそう思う(43.2%)」と、6割以上が回復に時間を要したと考えていることがわかりました。加えて、「五月病から心身が回復するまでに、どれくらいの時間を要しましたか」という質問には、「1週間程度」が26.3%、「2~3週間程度」が22.1%と1カ月以内に回復する人が多い一方で、2カ月より長期にわたったと答えた人は全体の17.8%に上りました。五月病からの回復に時間がかかったと多くの人が考えており、実際に数カ月にわたって不調が続く人も一定数いることから、五月病は「連休明けの不調」という概念以上に影響を及ぼしている可能性が明らかになりました。■五月病になった人で、休職や退職に至った人はそれぞれ約3割に五月病になったことがあると自覚する人に対し、「五月病になったことが原因で、仕事を休んだことはありますか」と聞いたところ、46.8%があると回答。加えて、五月病が原因による休職・退職経験の有無についても聞いたところ、休職に関しては31.4%が、退職に関しては28.6%があると回答しました。五月病の自覚があった人のうち、約3割が五月病が原因で休職や退職に至っていたことが判明し、五月病が及ぼす影響の大きさを裏づける結果となりました。さらに、20代の場合は「五月病が原因で休職に至ったことがある」が39.5%、「五月病が原因で休職に至ったことがある」が39.5%と、他の世代と10ptほど差をつける結果となりました。環境の変化が大きく、プレッシャーも感じやすい若手社員は、五月病の影響をより重く受けやすいと思われます。■会社や組織が「五月病対策を実施している」と答えた人はわずか2割「あなたが所属する会社や組織は、従業員の五月病への対策を実施していますか」という質問に対して、実施していると回答した人はわずか22.1%。一方で、「会社で五月病対策を実施するべきだと思いますか」という質問に対しては、64.8%が実施するべきだと回答しています。組織としての対策の必要性を感じつつも、8割近くの従業員は、所属する会社や組織の五月病対策について認識していないことがわかりました。■五月病でつらかったことTOP2は「治し方が分からない」「相談できる人がいない」五月病になったことがあると自覚する人に対し、五月病でつらかったことを聞いたところ、1位は「治し方が分からない(43.5%)」、2位は「相談できる人がいない(35.4%)」、3位が「仕事で迷惑をかける(32.2%)」という結果になりました。症状にどう対処すべきかの情報を手に入れることに加え、気軽に相談ができる相手がいることも、つらい気持ちを緩和する大きな要因となりうるようです。一方で、周囲の人が五月病になったことがあると回答した人は、56.3%が「心配だが、とりあえず様子を見ようと思った」と回答しています。その理由として、「どう対処したら良いのか分からない(30代男性)」「声かけをしすぎても本人が悩むかもしれないから(50代女性)」といった主旨のコメントもあり、周囲の人が五月病当事者に率先して手を差し伸べづらい状況もうかがえます。■五月病になった際のアクションは「ネットで症状を検索」が4割五月病になった際にとるアクションは「インターネットで症状を検索した(39.4%)」が最も多く、そのうち75.5%が「有益な情報を得た」と回答しました。しかし、その得られた情報を実践したと答えた人は53.5%と半数程度に留まり、34.0%は「実践したいと思ったが、できなかった」と回答。五月病になったと自覚している人であっても、実際に対策をとることにハードルがあると思われる結果となりました。■専門家への相談は「スマホを使ったチャットで手軽に」が理想「五月病について専門家に相談ができる場合、どのような形が最も望ましいですか」という質問に対しては、1位が「スマホを使ったチャットで手軽に相談し、アドバイスをもらいたい(31.8%)」となり、「病院等で、対面診療で診察をしてもらいたい(28.4%)」「オンライン診療で診察をしてもらいたい(20.4%)」を上回る結果になりました。特に20代はチャットを活用して相談をすることを希望する人が40.5%と他の世代より多く、チャットを通して五月病の相談ができる環境を整えておくことが、新入社員や若手社員の五月病対策には特に有効である可能性があります。■調査概要調査エリア:全国調査対象者:20~50代の会社員・公務員・経営者・役員の男女サンプル数:1,276ss調査期間 :2023年3月11日~3月14日調査方法 :インターネットリサーチ(エボル)
2023年04月01日NPO法人 日本腎臓病協会(東京都文京区、理事長:柏原 直樹、以下「日本腎臓病協会」)と協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、2019年5月に締結した「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、腎臓病に対する啓発活動の一環として、慢性腎臓病(CKD)の疾患認知に関するアンケート調査を継続的に実施しています。今回は2022年11月に実施した最新の調査結果についてお知らせします。CKDは脳卒中、心臓病、認知機能障害とも関係しており、国民の健康寿命を損なう要因となっています。日本では1,330万人の患者がいると言われています※。これは成人の約8人に1人という計算になり、特に高齢者では有病率が高いとされています。※:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018(編集 日本腎臓学会)より今回は、20歳から70歳代の一般市民1,630名を対象に、慢性腎臓病(CKD)に関する認知度について、インターネットによる全国アンケート調査を実施しました。その結果、慢性腎臓病(CKD)を「症状も含めてよく知っている」あるいは「病名だけは知っている」と回答したのは全体の63.9%でした。年代別にみると、若年層(20及び30代)においては半数以下の認知度であるが、年齢層が上がるにつれて認知度が向上し、70代では83.7%でした。図1 慢性腎臓病の認知度慢性腎臓病(CKD)に当てはまる症状に関する設問に対して、むくみと回答した割合が63.9%と最も多く、次いでタンパク尿58.4%でしたが、両項目ともに、20~30代の若年層ではその割合は低いものでした。また、健康診断における腎機能と尿検査の項目(複数回答可)では、尿蛋白が55%と最も高く認知されており、次いで血清クレアチニン28.5%、eGFRの認知度は16.9%にとどまりました。今回の調査結果について、日本腎臓病協会理事長、川崎医科大学副学長 腎臓・高血圧内科学 主任教授の柏原 直樹先生は次のように述べています。「慢性腎臓病(CKD)は糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満症と関連が深く、20代、30代といった若年期からの生活習慣が発症に大きく影響していることから、若年層への啓発活動や健康診断における尿蛋白の意義やeGFRの認知を高めていくことが重要です。その一方で慢性腎臓病に罹患している方の重症化を防ぐためのサポート体制や早期の診断・治療の体制を全国でさらに整備していくことも望まれます。」今回のアンケート調査の詳細については、今後学会発表を予定しています。日本腎臓病協会と協和キリンは今後も「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、慢性腎臓病に関する疾患認知度調査の実施をはじめ、医療連携に関する医師向け講演会や報道関係者対象のセミナーの開催など、腎臓病の疾患啓発と対策活動に協力して取り組みを進めていきます。【eGFRとは】Estimated glomerular filtration rate(推算糸球体ろ過量)の略。腎移植ドナーなど正確な腎機能評価が必要な場合にはGFR測定のgold standardであるイヌリンクリアランス法を実施しますが、日常臨床では血清クレアチニン値の測定結果を基に算出されるeGFRが用いられます。【日本腎臓病協会について】日本腎臓病協会は、医療者、市民、関連企業、行政等が連携し腎臓病を克服するために、立ち上げた組織です。腎臓病の普及啓発、診療連携体制の構築、腎臓病療養士制度の運営、患者会との連携、アカデミアと関連企業、行政等が連携するプラットフォームである「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」を運営します。日本全国どこにいても、良質な医療の恩恵を享受できる環境の実現に尽力します。「腎臓病の克服」が私共の願いです。詳細は をご覧ください。【協和キリンについて】協和キリンは、Life-changingな価値をもつ新しい医薬品を創出し、患者さんへ届けることに真摯に取り組んでいます。70年以上の歴史をもつ日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経などの様々な治療領域において、抗体医薬品の研究をはじめ最先端の科学・技術の応用に邁進し、患者さんと社会のニーズに応えます。4つの地域 -日本、アジア/オセアニア、北米、EMEA- にわたり、協和キリンは共通の価値観であるコミットメント・トゥ・ライフ、イノベーション、チームワーク/和・輪、インテグリティのもと、病気と向き合う人々に笑顔をもたらすために尽力します。協和キリンの事業について、詳しくはこちらのサイトでご覧ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月02日水際対策の大幅な緩和や、脱マスクに向け政府が議論を開始するなど、まるで“コロナは終わった”とばかりの日本国内。確かに、オミクロン株ではこれまでの株に比べ重症化率や死亡率は低下した。しかし、コロナ回復後もさまざまな体調不良に悩む“後遺症”には依然注意が必要だ。「オミクロン株の後遺症では、倦怠感や頭痛、睡眠障害、息苦しさなどを訴える方が増えています。さらに、認知症に似た記憶障害や、集中力の低下など、いわゆる“ブレイン・フォグ”と呼ばれる症状が増加しているのです」そう警鐘を鳴らすのは、岡山大学病院の副病院長で、総合内科・総合診療科教授の大塚文男さん。同病院では、昨年2月からコロナ・アフターケア外来を開設。今年9月30日までに受診した427人の患者データから、次のような後遺症の症状が見えてきたという。「当院の統計では、デルタ株では全体の23%だったブレイン・フォグの症状が、オミクロン株に変わってからは全体の34%へと10ポイント以上も増加しています。患者さんの中には、生活のなかで無意識にできていたことが、かなり意識しないとできない、と訴える方もいます。スマホの操作に手間取る、車の運転や機械の操作に支障が出るという事例もありました」(大塚さん)このような“認知機能障害”は、コロナ後遺症の症状としてかねて指摘されてきた。実際に、10月8日付のNHK NEWS WEBによると、日本集中治療医学会が全国32の病院で人工呼吸器による治療を受けたコロナ重症患者らを対象に、アンケート調査を実施したところ、回答のあった209人のうちの53.1%が、集中治療室を出てから1年以上経過したあとも「物忘れなど認知機能に不調をきたしている」と回答していたことが明らかになっているのだ。■脳卒中を起こす可能性が50%も増加する海外でも、後遺症に関する大規模な研究が行われている。9月22日付の医学雑誌『ネイチャー・メディスン』には、コロナに罹患することで認知障害をはじめ、さまざまな病気のリスクが上昇するという衝撃の研究結果が発表された。ボストン在住の医師で医学博士の大西睦子さんが、この論文を次のように解説する。「この研究によると、コロナに感染した人は、感染していない人と比較して、1年以内にパーキンソン病やてんかんなどの神経疾患を患う率が7%増加、脳卒中を発症する率は50%増加、記憶障害を発症する率に至っては、なんと77%も増加したというのです。さらに、コロナ罹患者は罹患していない人に比べて、1千人あたりのアルツハイマー型認知症の発症者が多いことも明らかになりました」この研究は、セントルイス・ワシントン大学の臨床疫学者のジャド・アルアリー博士らが行ったもので、’20年3月から’21年1月15日までにコロナに感染して30日以上生存した15万4千人を1年間追跡。同時期に感染しなかった560万人と、コロナ禍以前に調査した580万人のデータと比較した。「オミクロン株が出現する以前の従来株での研究データですが、参考値として見ることはできます。とくにアルツハイマー病の増加に関しては、アルアリー博士が『素因を持っていた方が、コロナによって発症が早められたのでは』と興味深い分析をしています。これまでの研究論文では、コロナによって起きた脳の炎症がアルツハイマー病の発症に影響している可能性があるとも言われているので、コロナ感染が認知症の発症リスクを押し上げた可能性があるのです」(大西さん)コロナ感染と認知症発症リスクについては、さらに恐ろしい関連も指摘されている。米国のケース・ウエスタン・リザーブ大学の研究では、’20年2月から’21年5月までの間に医療機関を受診した65歳以上の患者600万人以上の記録を調査。すると、コロナ陽性となった人は、そうでない人に比べ194%アルツハイマー型認知症になりやすいことが明らかになったのだ。■後遺症患者の多くは軽症者が占めているウイルスの感染力が高まっていることで“再感染”のリスクが上がっていることも気がかり。後遺症に影響はないのか。「先ほどと同じジャド・アルアリー教授らの研究チームが、次のような査読前の論文を発表しています。一度も感染していない540万人、コロナに1回だけ感染した約26万人、2回以上感染した約3万9千人を比較したところ、感染回数が増えるごとに、なんらかの疾患による死亡率、心疾患や脳疾患の発生リスクが2倍に高まっていたそうです」(大西さん)ただし、この論文は、複数のチェックを通っていない査読前の論文であるため、「参考にとどめて、再感染によるリスク増加にも注意する必要がある」と大西さん。加えて「軽症だったから大丈夫」と言えないことも明らかになってきている。前出の岡山大学病院の大塚さんは、こう指摘する。「オミクロン株に置き換わってからは、酸素投与やステロイド治療が必要になるような肺炎は減少し、いわゆる“重症化率”は低下しています。しかし、だからといってコロナ後遺症になりにくいわけではない。当院の後遺症患者さんの92%は、オミクロン株感染時、“軽症”だった方なんです」(大塚さん)軽症でも油断できないコロナ後遺症。感染したら誰でもなる可能性があると思っておくべきだろう。ただ、注意すべきは、後遺症だと思っていたら、意外な疾患が潜んでいることもあることだ。「まれに、まぶしさや、立ちくらみ、耳鳴り、体が熱くなる、まぶたが下がってくる等の症状を訴える方もいます。また、後遺症だと思って来院されたものの甲状腺の病気や糖尿病など、ほかに疾患が見つかったケースもあります。コロナ禍で健診を控えていた方も多いので、何が原因なのか、しっかり検査してもらうことも必要です」(大塚さん)コロナ後遺症の治療法も少しずつ知見が集まりつつあるが、まだまだ未解明な部分が多く、今後新たな株の出現で、どう変化するかもわからない。いまのところ、「感染しない」ことが最良の予防であることは確かである。まだまだ、コロナへの慢心は禁物だ。
2022年10月20日腎臓をいたわって、健康寿命を延ばそう!株式会社 桜の花出版(本社:東京都町田市)は、新刊「慢性腎臓病の楽しい食事―腎臓病を悪くしないため、人工透析にならないため、毎日がんばっているあなたへ」(著者:吉村吾志夫)を、2022年10月17日に発売いたします。 『慢性腎臓病の楽しい食事』で弱った腎臓を守る!健康診断で腎機能低下を指摘されても、かかりつけ医から「様子を見ましょう、経過を見てください」と言われるだけなので、「本当にこのままで良いのだろうか」と不安に思うことはありませんか。ネット情報や自分で本を選び、「運動が良い」「食事療法が良い」と自己流の対応をしているうちに、腎機能が悪化していく。こんなに努力しているのに…。著者の吉村吾志夫先生は、腎臓病治療の超スペシャリストです。(日本腎臓学会専門医および指導医、日本透析医学会認定医および指導医、日本病態栄養学会専門医)多くの患者さんを治療し、食事療法を指導しながら、「もっと早く対応していたら、人工透析にならなかったのに」そんな悔しい思いを長年いだいてきました。そこで、「今なら、まだ間に合う!」という皆さんに、真に有効な「慢性腎臓病の食事療法」を届けるために執筆した本が、この『慢性腎臓病の楽しい食事』です。いろんな課題がありませんか?○ 「たんぱく質制限」はどのくらいしたら良いのか?○ たんぱく質制限で筋肉量が落ちて、寝たきりになったりしないか心配○ 野菜の「茹でこぼし」「小さく千切りし水にさらす」、これって一生しないといけないの?○ 運動して体調は少し良くなったけど、これで人工透析にならずにすむのかな?スポーツでも仕事でも、最初が肝心といいます。最初に良い指導者について指導を受けること! それが上達の近道です。自己流では変な癖が付いたり、努力に結果が伴わなかったり…。ましてや医療の自己流って本当に危険です‼腎臓をいたわって健康寿命をのばしましょう!慢性腎臓病(CKD)等の腎不全、腎機能低下の疑いがある場合、腎機能検査として尿検査で、尿たんぱくや血尿の有無(尿潜血反応)、クレアチニン、GFR(糸球体濾過量)、eGFR(推算糸球体濾過量)、シスタチンC、BUN(尿素窒素)、ミネラルのナトリウム、 カリウム、クロール、カルシウム、リンなどを調べます。さらに指標として有効なのが、SCrです。慢性腎臓病の一要因となるのが、高血圧、特に糸球体高血圧ですが、本書ではそのメカニズムや、人工透析を避けるための食事療法(たんぱく質制限、ミネラル制限、減塩)を楽しく長続きさせるにはどうしたら良いか、カロリー確保、アシドーシス、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム、サルコペニアなども詳しく解説し、食事制限に伴う不安を解消します。腎臓をいたわって、健康寿命をのばしましょう。目次どうして「楽しい食事」なの?著者の吉村先生からのメッセージです。「食事制限ができない患者さんに、ダメだなあとは言えません。食事は食べたいものを、おいしくいただくものです。患者さんは、それを制限して食事をされています。できなくても当然なのです。普通の人ができないことを実践されているのですから、多少はずれても是正しながら、やればいいのです。人間ですから〝食べたいものは食べたい〟これは当たり前です。だから1~2週に1回はお好きなものを食べて構いません。そして翌日からまた頑張ればいいのです。慢性腎臓病の食事療法を頑張って生活されている患者さんに、またこれから開始せねばならない患者さんに、本書が少しでも手助けになれば望外の喜びです」「慢性腎臓病といっても、病気の進行度、重症度はその人その人で様々なのです。例えば慢性糸球体腎炎の代表格であるIgA腎症も、非常に軽いものから短期間で透析療法が必要になるものまで千差万別です。当然、治療内容も異なります。食事療法も同様です。画一的なものでは意味がありません。各々の病気の重症度や進行度に合わせた食事が必要となります。食事は毎日の生活の中心ともいえるものです。従って、ご自分の状態に合わせた適切な食事を行わなければなりません。「まあ、ちょっとやってみようか」などという気持ちでやって効果が上がるものでもないですし、効果も上がらず負担だけ増すような状況は避けねばなりません。全ての腎臓病の方の参考になればと思い、本書を執筆いたしました。腎臓病について、また食事療法について正しく理解していただき、特に食事療法が必要な方々が実践、継続しやすくなれば、と願っております」書籍概要書籍名:慢性腎臓病の楽しい食事―腎臓病を悪くしないため、人工透析にならないため、毎日がんばっているあなたへ著者:吉村 吾志夫定価:本体1,200円(税別)発行 桜の花出版/発売 星雲社四六判: 203ページ言語: 日本語ISBN-10:4434310399ISBN-13:9784434310393発売日:2022/10/14寸法: 10.9 x 7.8 x 1.4cm該当分野:実用書、家庭の医学 ※電子書籍も発売されます。Amazon : 楽天ブックス : 著者プロフィール吉村吾志夫(よしむらあしお)新横浜第一クリニック院長昭和大学医学部客員教授慢性腎臓病治療のメッカである昭和大学藤が丘病院腎臓内科の三代目の教授に2008年に就任。慢性腎臓病の食事療法においてパイオニアの一人であった先代の出浦照國教授が提唱されていた食事療法を継承するとともに、糸球体腎炎の発症や進展に関する実験的研究に加えて、IgA腎症に対する扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法の有効性や、妊娠高血圧症候群などの多くの臨床研究に従事してきました。退職後は、多くの慢性腎臓病の患者さんの治療に奔走する傍ら、従来の臨床研究の継続とともに、栄養士とともに医療従事者や患者さんに対する食事療法の啓蒙活動を全国で展開されています。書籍情報(ダウンロード用)『慢性腎臓病の楽しい食事』 桜の花出版.pdf : 桜の花出版 株式会社人としてどう生きるべきかーいつの時代も変わらない人類永遠のテーマです。桜の花出版は、より良い医療と健康な生き方を提案する『国民のための名医ランキング』、歴史を知るための必読書である『シリーズ日本人の誇り「日本人はとても素敵だった」』『THE NEW KOREA』、『侘び然び幽玄のこころ』『タオと宇宙原理』など長く読み継がれる書籍の刊行を通じて、皆様の人生を豊かにする一助となれるよう願っています。桜の花出版 株式会社 所在地 :〒194-0021 東京都町田市中町1-12-16設立 :1998年6月事業内容 :出版 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月14日株式会社ルネサンス(本社:東京都墨田区、代表取締役社長執行役員:岡本利治、以下「当社」)は、世界アルツハイマーデーの9月21日より、「認知症予防」についての無料オンラインセミナーを公開します。 本セミナーでは、認知機能の専門家である東京医科歯科大学の特任教授の朝田隆氏による認知症予防についての講座と、当社が独自に開発し、アルツハイマーや認知症に関する国際的なジャーナル「Alzheimer’s & Dementia: Translational Research & Clinical Interventions」等にもその効果が掲載され、脳の認知機能の低下予防が期待されている脳活性化メソッド「シナプソロジー®」を紹介します。■取り組みの背景日本における認知症の人の数は650万人以上と推計されており、高齢社会の日本では予防に向けた取り組みがますます重要になっています。また、誰でもなり得る疾患のため、認知症への理解を深め、罹患しても希望を持って日常生活を過ごせる「共生※」の社会を創っていくことが重要となります。毎年9月21日は「世界アルツハイマーデー」であることから、当社はご家族やご友人の皆さまと一緒に認知症についての理解を深めていただく機会を提供したいと考え、今回のセミナー開催に至りました。※認知症の人が、尊厳と希望を持って認知症とともに生きる、また認知症があってもなくても同じ社会でともに生きるという意味■本セミナーについて≪セミナータイトル≫「世界アルツハイマーデー」に考える『Withコロナ時代の認知症予防とは?』≪プログラム内容≫➤認知症と軽度認知障害(MCI)とは➤アルツハイマー病薬の開発状況(2022年最新版)➤運動・食事・睡眠と認知症の関係性➤年代別にみた認知症の危険因子➤認知機能の低下が期待できる「シナプソロジー」の紹介➤「シナプソロジー」の効果ほか≪講師≫朝田隆氏東京医科歯科大学特任教授筑波大学名誉教授メモリークリニックお茶の水院長認知症予防、治療の第一人者わかりやすい語り口で、TVや雑誌などで認知症について解説望月美佐緒株式会社ルネサンス取締役常務執行役員シナプソロジー研究所所長≪視聴方法≫オンラインによる動画視聴≪申込期間≫2022年9月21日(水)~2022年9月27日(火)≪申込URL≫ ≪視聴期間≫2022年9月28日(水)~2022年10月9日(日)■「世界アルツハイマーデー」について1994年9月21日、スコットランドのエジンバラで第10回国際アルツハイマー病協会国際会議が開催されました。国際アルツハイマー病協会(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で、会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と制定し、この日を中心に認知症の啓発を実施しています。また、9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、様々な取り組みを行っています。■「シナプソロジー」について感覚器を通じて入る刺激や認知機能に対する刺激を変化させ続け、その刺激に対して反応する事で、脳を活性化させていく、当社が独自に開発したメソッドです。参加者の年齢、性別、体力レベルなどに応じて調整が可能で、幅広い対象者に対して実施することができ、その効果は様々な研究機関と効果検証を重ねています。直近では、2022年6月に筑波大学とともに共同で発表した老人ホームに入居する平均年齢 89.9 歳(85–97 歳)の超高齢者を対象とした研究結果でもシナプソロジーを実施グループは身体機能と認知機能に優位な改善が認められ、その詳細は国際的なジャーナルに論文掲載されています。◇本研究に関するプレスリリースのURL : ◇シナプソロジー研究所のURL脳がよろこぶ!笑顔がうまれる!| シナプソロジー研究所 : シナプソロジー、シナプソロジーロゴ、SYNAPSOLOGYは、株式会社ルネサンスの登録商標です。当社は、「人生100年時代を豊かにする 健康のソリューションカンパニー」を長期ビジョンに掲げており、今後高齢者の増加による認知症が課題とされている日本において、当社独自のソリューションを提案し、認知症になる前の早期対応に取り組むことで、健康長寿社会の実現に貢献してまいります。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年09月21日カリフォルニアのくるみ生産者と加工業者を代表するカリフォルニア くるみ協会日本代表事務所(所在地:東京都千代田区)は、9月21日の「世界アルツハイマーデー」を前に、脳の健康サポートに役立つ「秋の味覚を使ったくるみレシピ」を公式ウェブサイト上で公開しました。ナッツの中でもオメガ3脂肪酸を豊富に含むくるみ世界アルツハイマーデーは、認知症予防の啓蒙を目的に、国際アルツハイマー病協会(ADI)と世界保健機関(WHO)により1994年に制定されました(※1)。古来より、東北地方を中心に食され、日本人にとって親しみのある健脳食材であるくるみには、脳の健康をサポートする重要な栄養素で、身体で生成されない必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸=ALA)が含まれています。ナッツの中で唯一、オメガ3脂肪酸を豊富に含むのはくるみだけであり、ひとつかみ(約30g)あたり2.7gのオメガ3脂肪酸を摂取できます(※2)。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりのオメガ3脂肪酸の摂取量の目標値は、18~74歳の男性で1日あたり2.0g以上、女性で1.6g以上となっており、くるみひとつかみ(約30g)で1日の摂取目安量を満たすことができます(※3)。秋の味覚を使ったくるみレシピくるみ入りサーモンロール、くるみとキノコのオムレツ、ナスのくるみ衣焼き、くるみと無花果のデザートなどのレシピは記事下部URLをご覧ください。参考資料くるみの最新研究情報くるみには認知機能をサポートする栄養素、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。くるみに豊富に含まれる植物由来のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸(ALA)は、身体で生成されない必須脂肪酸で、ナッツ類の中で唯一オメガ3脂肪酸を豊富に含むナッツです。脂肪と聞くと悪いイメージを持たれがちですが、α-リノレン酸(ALA)は身体に良い脂肪なので、積極的に摂ることがおすすめです。くるみひとつかみ(約30g)あたり、α-リノレン酸(2.7g)が含まれており、その他植物性たんぱく質(4.6g)、食物繊維(2g)、マグネシウムの他、免疫機能に寄与するビタミンB6(0.2mg)や銅(0.48mg)、マンガン(1mg)が摂取できます(※2)。※1 厚生労働省「世界アルツハイマーデー/世界アルツハイマー月間とは」※2 USDA National Nutrient Database for Standard Reference (2019)※3 日本人の食事摂取基準(2020年版) (画像はプレスリリースより)【参考】※公式WEBサイト
2022年09月15日気象病の症状別のセルフケア気象病に対する症状別のセルフケアが紹介されている新刊『気象病ハンドブック』が発売された。出版社は誠文堂新光社、定価は1,540円(税込)となっている。著者は日本内科学会総合内科専門医で、日本神経学会神経内科専門医、日本頭痛学会頭痛専門医、せたがや内科・神経内科クリニック院長の久手堅司(くでけんつかさ)医学博士である。気象病・天気痛外来で5,000名以上診療原因はわからないけれど頭痛がする、耳鳴りがするといった症状を経験した人は多いかもしれない。その症状が現れるのは、梅雨の時期だったり、台風が近づいていたりする時ではないだろうか。気象病は気圧や気温、湿度など、気象変化に伴って症状が現れ、体に大きな負担となる。せたがや内科・神経内科クリニックでは、内科、神経内科、小児科などのほか、頭痛外来、気象病・天気病外来での診療も行っており、院長の久手堅司氏は、気圧予報・体調管理アプリ「頭痛ーる」の監修医師でもある。発売された『気象病ハンドブック』では、気象病・天気病外来にて、5,000名以上を診療してきた同氏が気象病について解説し、専門医によるカウンセリングを書籍の中で体験、不調の原因、不調に対するセルフケアが解説されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※気象病ハンドブック - 株式会社誠文堂新光社
2022年09月15日