わたしたちが生活している環境には、アレルギー反応を起こすさまざまな物質が存在しています。なかでもスギ花粉、ダニの死がいやフンなどの環境アレルゲンにお悩みの方も多いのでは?どこよりもくつろげるはずの我が家。ストレスなく安心して過ごすために開発された、〔LIXIL(リクシル)〕の新発想タイル《アレルピュア》についてお聞きしました!業界初!抗アレルゲン機能を持たせたタイル《アレルピュア》ってどんなタイル?——《アレルピュア》とは、どんな機能を持ったタイルなのですか?新井真佑さん(以下、新井さん):《アレルピュア》は、スギ花粉やダニの死がいやフンに含まれる環境アレルゲンの働きを抑制する機能を持たせたタイルです。タイルでは初めての機能を実現することができました。——開発の経緯を教えてください。新井さん:当社の研究開発として6年前から抗アレルゲン剤のコーティング技術の開発に着手していたのですが、商品にどう生かしていくかは大きな課題でした。そこでWebでアンケートを取った結果、環境アレルゲンにお悩みの方が年々増えていることがわかったんです。これまで培ってきた技術とニーズがマッチしたことで、抗アレルゲン剤を玄関内床タイル・屋内壁タイルの表面に効果的に配置する独自のコーティング技術を開発。それにより、アレルピュアが誕生しました。——《アレルピュア》の具体的な機能を教えてください。新井さん:アレルゲンと人体が反応するメカニズムは鍵と鍵穴の関係によく似ています。抗アレルゲン技術とは、アレルギーの元となる物質を消滅させるのではなく、鍵穴に合わないように形を変える技術のことを指します。抗アレルゲン剤に環境アレルゲンが接触することでアレルゲンの働きが抑制され、快適な暮らしをサポートする、というのが《アレルピュア》の主な機能となります。住まいのあらゆるシーンに存在する環境アレルゲンを《アレルピュア》が効果的に抑制!——《アレルピュア》のオススメ施工例を教えてください新井さん:最も需要が高いと予想されるのが「玄関」です。屋外と室内をつなぐ玄関は、スギ花粉などがたまりやすい場所でもあります。上着の着脱により花粉が落ちやすい玄関やシューズクローゼットの内床や壁に《アレルピュア》を取り入れることで、お部屋に入る前の段階で環境アレルゲンの働きを抑制する効果が期待できます。また、家族が長い時間を過ごすリビングや脱衣時に花粉が舞う心配のある洗面室にもおすすめです。——環境アレルゲンの影響を受けやすい子どもが長く過ごす子ども部屋にはどんな施工がオススメですか?新井さん:実は、ダニアレルゲンは床から50cmの高さまでにたまりやすいことがわかっています。これは、赤ちゃんの活動範囲と比例しており、小さなお子さまが座って遊ぶときの活動範囲でもあります。そのため、子ども部屋には腰壁として《アレルピュア》を施工することをオススメしています。——《アレルピュア》のお手入れ方法や耐久性についてはどうですか?新井さん:《アレルピュア》は表面に抗アレルゲン剤がコーティングされているため、泥やホコリなどがタイル表面に付着していない方が効果が期待できます。日常のお手入れとしてはほうきやモップなどで掃き掃除を行い、汚れが気になるときはきれいな布で水拭きを行うことで高い抑制効果を期待できるのです。また、使用環境によって異なりますが、住宅を想定した当社試験では《アレルピュア》は約30年後も環境アレルゲン抑制効果があるということを確認しています。タイルならではの立体感はアクセントウォールにもぴったり!——《アレルピュア》のおしゃれなデザインはリビングや寝室など、室内のアクセントにもなってくれそうですね新井さん:住まいはどこよりもくつろげる場所である必要があります。《アレルピュア》は、機能性はもちろんのこと、心地よく過ごせるよう、デザイン面でも工夫が施されています。ナチュラルなデザインと、タイルならではの凹凸感は、照明や自然光が当たることで陰影が生まれ、さまざまな表情を見せてくれます。また、アクセントウォールとしてもお楽しみいただけます。例えば、テレビの背面に、ダウンライトと組み合わせて《アレルピュア》を施工したり、壁の中央に絵画のように施工したりと、単なるタイルではなく、アート感覚でお楽しみいただけるのも《アレルピュア》の特徴です。こうしたこだわりは、いわゆる「インスタ映えがする壁が欲しい」というニーズにもマッチしており、SNSにアップする被写体のバックが普通の壁紙ではなく、立体感のあるタイルが映り込むことで空間へのこだわりを演出することができます。これまでも外壁タイルは住まいの顔として高級感やオリジナリティーの演出目的でタイルが使用されていましたが、これからは室内タイルもご自身のオリジナリティーや好きなテイストを表現するツールとして、自由にお使いいただければうれしいですね。——現在のラインアップと今後の展開について教えてください。現在のラインアップが内床が4デザイン18カラー、屋内壁は4デザイン12カラーを展開しています。住まいのアレルゲン対策に敏感なお母さん世代の意見を取り入れ、優しい色合いやデザインが中心となっています。今後の展開としてはすでにご要望のあるモダンテイストのダークカラーのバリエーションを増やしていく方針です。キッチンやバスルームなどの水回りのイメージが強いタイルですが、室内に使用することでこんなに洗練された空間になるなんて驚きです。しかも、《アレルピュア》なら環境アレルゲンの働きをしっかり抑制。家族の笑顔を守ってくれるとうわけですね。機能性・意匠性を兼ね備えた《アレルピュア》なら、快適な暮らしを手に入れることができそう!
2017年10月10日産業技術総合研究所(産総研)は4月7日、卵白に含まれるアレルゲンであるオボムコイドの遺伝子を欠失したニワトリを開発したと発表した。同成果は産総研バイオメディカル研究部門細胞分子機能研究グループ付の大石勲 総括主幹、農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門の田上貴寛 上級研究員、信州大学農学部の鏡味裕 教授らによるもの。研究成果は4月6日(英国時間)の「Scientific Reports」に掲載された。オボムコイドは卵白中で最もアレルゲン性が強く、加熱処理や酵素処理にも強いため、除去技術の開発が望まれている。今回の研究では、細菌など原核生物の持つ免疫系を活用して特定の遺伝子配列を切断することで、遺伝子を改変する「クリスパー・キャス9」とういゲノム編集技術をニワトリに適用し、始原生殖細胞に90%以上の高い確率で変異を導入する方法を考案。この細胞を元にオボムコイドの遺伝子を欠失したニワトリを開発した。具体的には、まず雄ニワトリの初期胚の血液から始原生殖細胞を分離・培養し、クリスパー・キャス9法によりオボムコイド遺伝子を欠失させた。この細胞を別の雄ニワトリの初期胚に移植した後に孵化させ、成長させると精子の多くがオボムコイド遺伝子を欠失していた(第0世代)。さらに、第0世代の雄ニワトリを野生型の雌ニワトリと交配して、次の世代(第1世代)では父方由来のオボムコイド遺伝子が欠失したニワトリを得ることができた。第1世代ニワトリ同士を交配させることで、次の世代(第2世代)で父方、母方両方のオボムコイド遺伝子が欠失したニワトリが実現した。オボムコイド遺伝子の欠失による健康異常は認められず、野生型と同様に成長を続けているという。同研究グループは、今回の成果によりオボムコイドの完全除去に目処が立ち、将来的には副作用の少ないワクチンの生産に応用可能な低アレルゲン性卵の生産に道筋をつけるものだとしている。また、オボムコイドを原因とするアレルギー疾患をもつ人が摂取可能な食材への応用可能性もあるが、そのためには安全性の確認とゲノム編集による産物をどのように扱うべきか社会的な取り決めが不可欠となる。
2016年04月07日