アンドリュー・ヘイ監督作『異人たち』よりアンドリュー・スコットとポール・メスカルのインタビュー映像が解禁された。山田太一作の長編小説「異人たちとの夏」(新潮社刊)を、『荒野にて』『さざなみ』のアンドリュー・ヘイが再映画化した本作。この度解禁されたのは、本作で恋に落ちていくアダムとハリーを演じたアンドリュー・スコットとポール・メスカルのインタビュー映像。2人が脚本について、ヘイ監督について、そしてお互いの共演について、ラフな姿勢で明るく朗らかに語っている。スコットが「2人とも心を揺さぶられた。涙が落ちたね」と脚本を読んだ時の気持ちを話し始めると、メスカルは「何度も」と相づちを打ち、穏やかな様子で本作製作の裏側を明かしていく。最初に本作へと向き合った時の印象を「家族同士の関係性が絶妙に描写されていて真実味があるんだ。ラブストーリーの描き方には胸を締め付けられた。そういう部分が印象的だった」と分析するスコットに対し、メスカルはスコットと同じ思いであったことを告げ、「他に類を見ない映画だ」と語る。さらにメスカルは「今までにない映画に初めて挑戦できるのは役者として光栄だね。僕が知る限りでは唯一無二の作品だ」とハリー役に挑んだ想いを吐露している。本作は監督にとって、とてもパーソナルな物語になっているという点に触れつつ、「彼を演じるつもりで臨んだけど…」と話しはじめるスコットだったが、その途端、言葉に熱がこもり過ぎたのか、勢い余ってタイトルボードに肘を打ち付けてしまうハプニングが。「ごめんね」と小声でボードに謝る優しい一面を見せたのも束の間、話を中断させる原因になってしまった物言わぬタイトルボードに思わず八つ当たり。「離れてろ」とボードを隅へと追いやるお茶目な姿を披露している。そんなスコットの様子に笑顔を見せながら笑い声を上げるメスカルの姿もあり、和気あいあいと本作について語り合う貴重な2ショットとなっている。最後に、映画の公開に向けて「僕が感じているのは、人々の心とつながる映画を作れたということだ。誰もが自分を投影できる。一生心の中に残る映画になるはずだ」とメッセージを贈るスコットに続き、メスカルも「ぜひ劇場で観て欲しい。友達とでもいいし、一人でもいいから、できる限り劇場に足を運んでほしいね」と映画公開への期待を寄せたメッセージを投げかけている。『異人たち』は4月19日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:異人たち 2024年4月19日より全国にて公開© 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年04月17日アンドリュー・スコットが主演をつとめ、2024年ローレンス・オリヴィエ賞の演劇部門リバイバル賞と主演男優賞にノミネートされているNTLive2024の新作第2弾「ワーニャ」から、場面写真とリハーサル中のメイキング写真が到着した。NTLive2024シーズンの新作第2弾「ワーニャ」は、チェーホフによる人気の古典を、ローレンス・オリヴィエ賞やトニー賞の受賞脚本家サイモン・スティーヴンス(「夜中に犬に起こった奇妙な事件」)がひとり芝居に仕立て、NTLive「プレゼント・ラフター」やドラマ「Fleabag フリーバッグ」「SHERLOCK/シャーロック」などで人気のアンドリュー・スコットが主演。5月24日(金)から劇場で上映されるのは、イギリスのデューク・オブ・ヨーク劇場にて収録されたもの。演出はスクリーン・インターナショナル・スター・オブ・トゥモローに選ばれた注目の才能、サム・イェーツ。演劇界では各地で毎年上演されている「ワーニャ伯父さん」が新たに生まれ変わり、現地時間4月14日(日)にイギリスのロイヤル・アルバート・ホールで授賞式が開催されるローレンス・オリヴィエ賞にて演劇部門リバイバル賞と主演男優賞にノミネートされている。すでに本作には「アンドリュー・スコットの一人芝居の演技はベスト・オブ・ザ・イヤーだ」(iNews)、「マスタークラス!」(Evening Standard)、「文句なしに最高の演劇」(Broadway World)、「アンドリューに魅了される」(Telegraph)などの声が寄せられている。ナショナル・シアター・ライブ「ワーニャ」は5月24日(金)より公開。(シネマカフェ編集部)
2024年04月12日アンドリュー・スコット、ポール・メスカルを迎え、故・山田太一の原作を再映画化した『異人たち』が4月19日(金)に公開。この度、2人が演じたアダムとハリーの愛について語る特別映像が解禁となった。本国イギリスでは、大作・競合ひしめく中、2位で初登場。引き続き4週連続トップ10を維持するスマッシュヒットとなり、山田氏のオリジナリティ溢れたストーリーに、アンドリュー・ヘイ監督ならではの感性あふれる脚色と演出が加えられた。今回到着したのは、主人公アダム(アンドリュー・スコット)とハリー(ポール・メスカル)の2人が惹かれ合い、互いを受け入れていく様子を描いた特別映像。ロンドンのタワーマンションに暮らす40代の脚本家・アダムは、子どもの頃に両親を交通事故で亡くしたトラウマから悲しみと孤独を纏っている。そんなアダムと出会い、恋に落ちていくハリーは、どこか儚げな空気が感じられる一方で、少年のような無邪気さも併せ持つミステリアスな男性。誰よりも繊細で優しいがゆえに傷つきやすく、他者とのつながりを求めながらもそれを恐れる2人は、互いの心の奥底にある孤独を見出し、恐る恐るながらも確かにつながりを深めていく。主人公・アダム役を演じたアンドリュー・スコットが観る者を魅了する演技を披露するのはもちろん、本作ではハリーを演じたポール・メスカルからも目が離せない。メスカルは、アイルランド出身のいま大注目の俳優の1人。『aftersun/アフターサン』で第95回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされて以降、その人気・注目度は留まることを知らず、すでに明らかになっているものだけでもリドリー・スコット監督の『Gladiator 2』(24)、クロエ・ジャオ監督の『Hamnet』(未定)、リチャード・リンクレイター監督の『Merrily We Roll Along』(未定)など、錚々たる作品に出演することが決まっている。そんな彼が本作で魅せる繊細な演技にヘイ監督も魅了されたようで「ポールは名優だ。絶妙なバランスで繊細さと強さを併せ持ち人を引き付ける」と絶賛。親密なシーンも多く、複雑な関係性を演じる必要のあったスコットはメスカルとの共演を「ポールと僕の課題は経歴を多く語らず相性を示すことだった。愛を演じるというのがいい。美しいものだからね」とふり返っており、若い才能に魅せられたことを明かす。そんなメスカルは「彼らの孤独はお互いを映し合っていると思います」とアダムとハリーの関係性について明かし、自身が演じたハリーという役について、「もっと幸せになれるのに自分を隠して性に奔放な生活をしている」と分析。「ドラッグやアルコールの問題を抱え、追い詰められている。僕自身や友人たち、そして世の中の若者たちの中に、彼の存在をわずかに感じることがあります」とも捉えており、自身にとってひとつの“役”以上の想いを持っていたことを明かしている。「大事なのは愛し合おうとすること。人生は有限だからできるだけ愛すること」。そう明かすスコットの言葉に続き、「愛する人々との絆を諦めずに求め続け、人生で孤立しないこと。信じる勇気も必要だ」と語るメスカル。豊かな色調と陰影に富んだ35mmフィルムに映し出される映像には、孤独のなかに差し込む一筋の希望の光かのように琥珀色の光がきらめいている。“出かけよう、君と僕と2人で外の世界に”という言葉が示す、2人の愛の行方は――?ヘイ監督の繊細かつ先鋭的な演出と相まって、本作は観る者をリアルとファンタジーの狭間へと誘う夢幻的な映画体験を味わえる1作となっている。『異人たち』は4月19日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:異人たち 2024年4月19日より全国にて公開© 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年04月09日英国インディペンデント映画賞作品賞ほか最多7冠を達成したアンドリュー・ヘイ監督最新作『異人たち』の公開に合わせ、伝説のラブストーリー『WEEKEND ウィークエンド』の限定上映が決定した。金曜の夜、友人たちとのパーティのあと、ラッセル(トム・カレン)は一夜の相手を求めてクラブに立ち寄る。閉店時間近くに目を付けていたグレン(クリス・ニュー)を誘い出し、彼と共に帰宅。そして、週末が始まる――。ライフガードとして働くラッセルと、アーティストを目指す皮肉屋のグレン。お互いに欠けていたピースを満たすかのように、2人きりで話をして、愛を交わす。しかし尊いひとときは束の間、土曜の夕方、ラッセルはグレンからある事実を知らされる。本作は、世界的な評価を不動のものにした『さざなみ』『荒野にて』に先立つ、アンドリュー・ヘイ監督2作目の長編作品。『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスら、後進に多大なる影響を与えた伝説のラブストーリーだ。ロンドン映画批評家協会賞での新人監督賞ほか、多くの賞を獲得し、世界中の映画祭で上映された。アンドリュー・ヘイ監督一夜限りのパートナーを求め赴いたバーで出会ったラッセルとグレンは、ともに週末を過ごすうちにお互いのこだわり、秘密、切実さを学んでいく。ゲイであること、ストレートの友人との関係、親へのカミングアウト、プライベート/パブリックでの振る舞いなどについて語られる、パーソナルかつ真に迫ったラブストーリーとなっている。ヘイ監督が世界的な飛躍を遂げるきっかけとなった『WEEKEND ウィークエンド』の鑑賞料金は1,300円均一。なお、『異人たち』のムビチケを提示すると1,000円で鑑賞できる。『WEEKEND ウィークエンド』は4月5日(金)~10日(水)より渋谷シネクイントにて限定上映。『異人たち』は4月19日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:異人たち 2024年4月19日より全国にて公開© 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月29日アンドリュー・スコットとポール・メスカルの共演で、英国インディペンデント映画賞作品賞ほか最多7部門受賞、英国アカデミー賞6部門にノミネートされた『異人たち』。この度、2人がそれぞれ演じたアダムとハリーの出会いを描いた本編映像が解禁された。今回解禁されたのは、主人公・アダムとハリーが出会うシーンの本編映像。ロンドンにそびえ立つ真新しいタワーマンションの上層階で暮らすアダムは、12歳の時に両親を交通事故で亡くす悲劇を経験して以来、埋めようのない喪失感に苛まれずっと孤独に生きてきた。ある夜、ハリーと名乗るミステリアスな青年が、アダムの部屋のチャイムを鳴らす。日本製のウイスキーをちらつかせて「飲まない?」と誘ってくるハリー。「俺が怖い?」「部屋の外に吸血鬼がいるんだ」そんな謎めいたことを言う彼は酩酊しているよう。突然の訪問に戸惑うアダムだが、ハリーの姿からは、必死に人の温もりを求めているような、どこか切羽詰まった雰囲気が感じられる。ハリーもまた、アダムと同様に寂しさと孤独を抱えた日々を送っていたのだ。この日を境に、アダムはハリーのことを気にかけるようになり、次第に2人は親密な関係になっていく…。アダム役のアンドリュー・スコットは、TVシリーズ「SHERLOCK/シャーロック」のモリアーティ教授役で人気を博し、英国アカデミー賞TV部門助演男優賞を受賞。さらに『007 スペクター』『否定と肯定』「Fleabag フリーバッグ」『1917 命をかけた伝令』など話題作への出演が続き、いま絶大な支持を集める注目の実力派俳優。スコットは「アダムはとても孤独な人物です。とても危うい境地にまで行かなければならないという意味で、演じるのは大変な役でした」と自身が演じたアダムについて明かし、アダムを演じる難しさを痛感していたというが、出演については「即座に心を奪われました」と即決するほど魅了されたそう。また、ハリー役を演じたポール・メスカルは、『aftersun/アフターサン』で第95回アカデミー賞主演男優賞にノミネート、2023年には英国アカデミー賞TV部門主演男優賞を受賞した、いま大注目の期待の俳優。2024年以降の出演作として、リドリー・スコット監督の『Gladiator 2』(24)、クロエ・ジャオ監督の『Hamnet』(未定)、リチャード・リンクレイター監督の『Merrily We Roll Along』(未定)など、錚々たる作品に出演が決まっている。メスカルは自身が演じたハリーとアダムの関係について、「彼らは真のつながりを見つけるのだと思います。映画の中でアダムとハリーが持っているようなつながりを見つけるのは、ますます難しくなっているのです」と明かしている。劇中、2人は孤独によって見失った互いの魂を見つけ出すように深い愛を紡いでいき、心の底からのつながりを見出していく。そんな2人の関係は、他者とのつながりを求める全ての人の心にそっと寄り添うかのようで、その切なさに胸を打たれること必至だ。ミステリアスな暗い影と少年のような無邪気さが同居するハリーを好演したメスカルについて、ヘイ監督は「とても自然体で素晴らしい俳優で、以前から好きでした。繊細さと力強さが絶妙に融合された、実に興味深い存在です」と、次代を担う才能溢れる俳優として絶賛。スコットも「彼には信じられないほどの才能があります。親密なシーンをたくさんこなさなければなりませんでしたし、一緒に笑い合える相手、背中を押してくれる相手がいることはとても重要なことです」とコメントする。「この物語には悲しみがたくさんありますが、彼は、決して多くの俳優に備わっているわけではない、明るさを演じる能力を持っています」とポールの存在に助けられたことを明かしている。実はヘイ監督とスコット、メスカルは撮影前にライブに出かけ、互いの人生について語り合う時間を設けたそう。そのおかげで、早い段階から彼らの間には強い信頼関係が築かれ、繊細で胸を打つ、リアリティ溢れる演技がより豊かなものになっていったという。2人のほか、アダムの父親役・母親役として、『リトル・ダンサー』『ロケットマン』のジェイミー・ベル、「ザ・クラウン」『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のクレア・フォイが出演。主な登場人物は彼らが演じるわずか4人。実力派キャストだからこそ成し得た、美しく夢幻的な映画体験が堪能できる。『異人たち』は4月19日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:異人たち 2024年4月19日より全国にて公開© 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月26日アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイらが豪華共演する、『荒野にて』『さざなみ』などのアンドリュー・ヘイ監督が手掛ける『異人たち』。この度、故・山田太一作の長編小説「異人たちとの夏」(新潮社刊)を蘇らせた愛と喪失の物語について監督・キャストらがガイドする豪華特別映像が解禁となった。2023年11月29日に逝去された山田さん原作による本作は、英国インディペンデント映画賞で作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞(ポール・メスカル)など最多7冠に輝き、第77回英国アカデミー賞では作品賞・監督賞・助演男優賞・助演女優賞・脚色賞・キャスティング賞にノミネートされた。今回解禁された映像で、本作の監督・脚本を手掛けたアンドリュー・ヘイは、「自分の世界に閉じこもり建設的な生き方をやめた男」と主人公・アダムを紹介する。少しずつ明かされていく物語と共に、12歳で両親を亡くして以来、喪失感を埋められずに孤独を抱えているアダムの姿や、互いの寂しさを感じ取り、少しずつ惹かれあっていくアダムとハリーの様子、そして、亡くなった当時のままの姿で現れた両親との再会に戸惑いながらも、彼らの前では子どものような笑顔を見せるアダムの姿などが次々と紡がれていく。少しずつ物語を紐解いていく監督、キャストらの姿が映し出されていく中で、「誰もが思うだろう。過去に戻って両親との関係を見直したいと」と明かすのはヘイ監督。もし、あのときに戻れたら?もし、過去に戻ってやり直せるとしたら?そんな、誰もが一度は考えたことのある切なくも苦しい想いが感じ取れ、大人になったアダムだけではなく、30年前の姿のままで再会した両親にも、多くの葛藤と後悔があった様子が映し出される。主人公のアダムを演じたアンドリュー・スコットは、本作について「心揺さぶる物語だ。演じていてもその悲しさと美しさに打たれる」と明かしており、いま蘇った奇跡の映画化に賞賛を送っている。◆映画『異人たち』公開とともに、山田太一氏の追悼企画を実施中なお、神保町シアターでは3月23(土)~4月19日(土)まで、追悼企画<映画で辿る――山田太一と木下惠介>を実施予定。日本を代表する名脚本家・作家である山田太一氏の軌跡を辿る。『異人たち』は4月19日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:異人たち 2024年4月19日より全国にて公開© 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月21日アメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトは、フランスのル・コルビュジエと並び20世紀の巨匠と呼ばれるレジェンド。日本との縁も深く、1923年、東京・日比谷に完成した帝国ホテル二代目本館(現在は博物館明治村に一部移築保存)や目白の自由学園を手がけたことでも有名だ。20世紀最高の建築家の設計図に描かれた未来とは?「開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」は帝国ホテル二代目本館の竣工から100周年を記念して開催される本格的な回顧展。本邦初公開の華麗で精緻な肉筆ドローイングを中心に、写真資料など約390点を7つのセクションにわたって展示し、「有機的建築」と呼ばれる独自の建築世界に迫る。ドローイングは個人邸から壮大な都市計画まで及んでいるが、従来の建築図面にとどまらない魅力にあふれている。余白を多くとり、近いものを拡大して描くといった手法には浮世絵の影響がみられるとされ、実際に完成した建物以上に、ライトの思想を物語っているとも。そのほか彼が1930年代後半から取り組んだ「ユーソニアン住宅」の原寸モデルが会場に登場し、玄関から居間までの空間を体験できる。ライトの設計する住宅は草原や砂漠といったアメリカ独自の景観になじむ低層で、かつ水平のラインが特徴的。高窓から光を取り入れたり、庭や景観に向かって窓が大きく開かれているなど、住み手にとっての心地よさが大切にされている。帝国ホテルを建てるにあたって、6年間を地震の研究に費やしたというエピソードからも、その土地の風土や自然環境と真剣に向き合った巨匠の横顔が垣間見える。そして奇しくも帝国ホテルの竣工披露式典当日に関東大震災が起き、倒壊は免れたというから、その生涯は生前から伝説に彩られていたと言えそうだ。91歳で亡くなった年には代表作のひとつ、ニューヨーク市のグッゲンハイム美術館が竣工。最後まで世界をあっと言わせたレジェンドが自ら引いた設計図、その先の未来を想像しながら眺めてみたい。フランク・ロイド・ライト《帝国ホテル二代目本館(東京、日比谷)第2案 1915年 横断面図》コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴズ蔵The Frank Lloyd Wright Foundation Archives(The Museum of Modern Art Avery Architectural & Fine Arts Library, Columbia University, New York)フランク・ロイド・ライト《大バグダッド計画案(イラク、バグダッド)1957年 鳥瞰透視図 北から文化センターと大学をのぞむ》コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴズ蔵The Frank Lloyd Wright Foundation Archives(The Museum of Modern Art Avery Architectural & Fine Arts Library, Columbia University, New York)フランク・ロイド・ライト《クーンリー・プレイハウス幼稚園の窓ガラス》1912年頃、豊田市美術館蔵フランク・ロイド・ライト《ジョンソン・ワックス・ビル本部棟 中央執務室の椅子》1936年頃、豊田市美術館蔵Frank Lloyd Wrightフランク・ロイド・ライト1867年、ウィスコンシン州に生まれる。周囲の景観、環境と調和する「有機的建築」を提唱。20世紀を代表する建築家。代表作は「カウフマン邸(落水荘)」1959年没。《フランク・ロイド・ライト、タリアセンにて》1924年、コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴズ蔵The Frank Lloyd Wright FoundationArchives(The Museum of Modern Art Avery Architectural & Fine Arts Library, Columbia University, New York)開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築パナソニック汐留美術館東京都港区東新橋1‐5‐1パナソニック東京汐留ビル4F1月11日(木)~3月10日(日)10時~18時(2/2、3/1・8・9は~20時。入館は閉館の30分前まで)水曜休(3/6は開館)一般1200円TEL:050・5541・8600※会期中、一部展示替えあり。(前期1/11~2/13、後期2/15~3/10)※『anan』2024年1月17日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2024年01月16日ギレルモ・デル・トロ監督が手掛けるNetflixの映画『Frankenstein(原題)』で、フランケンシュタインを演じる予定だったアンドリュー・ガーフィールドが、スケジュールの都合で降板したことが分かった。代わりにジェイコブ・エロルディがキャスティングされたという。「Showbiz 411」などが報じた。ジェイコブは2019年に出演したドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」で知名度を上げ、2023年にソフィア・コッポラ監督作『Priscilla(原題)』でエルヴィス・プレスリーを演じて話題に。最近では『プロミシング・ヤング・ウーマン』でアカデミー脚本賞を受賞したエメラルド・フェネル監督作『Saltburn』に出演し、貴族階級の魅力的な学生を演じている。Xでは、アンドリューの降板に「本当に残念」とがっかりするファンも多いが、その一方で身長が195センチ前後と長身のジェイコブがフランケンシュタイン役にキャスティングされたことには「説得力がある」「見てみたいかも」と期待の声も上がっている。『Frankenstein』はメアリー・シェリーの同名小説を基に、デル・トロ監督が脚本、製作も行い映画化する。ほかのキャストは『スター・ウォーズ』シリーズのオスカー・アイザック、『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』でヴォルペ伯爵の声を担当したクリストフ・ヴァルツ、『Pearl パール』のミア・ゴス、『西部戦線異状なし』のフェリックス・カマラーら。(賀来比呂美)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2024年01月09日「Fleabag フリーバッグ」のアンドリュー・スコットと『aftersun/アフターサン』ポール・メスカルの共演によるアンドリュー・ヘイ監督最新作『異人たち』が、英国インディペンデント映画賞にて最多7冠を達成。ヘイ監督から11月29日に逝去した原作小説の著者・山田太一さんへの追悼メッセージが到着した。本作は、日本を代表する名脚本家・作家である山田さん作の傑作小説、「異人たちとの夏」(新潮社刊)の再映画化。『WEEKEND ウィークエンド』『さざなみ』『荒野にて』を手掛けてきたヘイ監督は独自の感性と見事なアレンジを加え、現代のイギリスを舞台に再びスクリーンへと蘇らせた。そんな本作は、現地時間12月3日に発表された英国インディペンデント映画賞で作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞(ポール・メスカル)・撮影賞・編集賞・音楽監修賞など主要部門を独占する、最多7冠を獲得。ポール・メスカル監督は今回の訃報に際し、「山田太一さんのご家族に心からのお悔やみを申し上げます。山田さんの作品には、多くの人々にとってそうであったように、私に語りかけてくる、優しく思慮深い人間性がありました。それは言葉の背後にある、芸術家の魂の反映だと確信しています。今年、山田さんに映画『異人たち』をご覧いただくことができ、温かく受け入れていただけたことは私にとって多大な意味がありました。私の思いはご家族と共にあります」と追悼のメッセージを贈った。また、今回、まるで主人公たちの切ない心を写し出したかのような、美しいグラデーションが目を引くポスタービジュアルも解禁に。本作には、アンドリュー・スコット、ポール・メスカルほか、『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベル、『ウーマン・トーキング私たちの選択』のクレア・フォイという実力派キャストが集結。彼らの、リアルでありながら繊細で切なさを湛えた演技と、魂を揺さぶる表情で観る者を魅了する心を打つポスタービジュアルとなっている。アメリカ、テルライド映画祭でのワールドプレミア以降、批評家、観客双方から絶賛を受ける本作。「RottenTomatoes」でも97% fresh(12月5日現在)の記録を更新中で、第36回東京国際映画祭で国内初上映された折には、「今年どころか生涯ベストに入るくらい良かった」「傑作!」「素晴らしい以外の言葉が見つからないまま放心中…」「涙が止まらんかった。静謐で美しく、痛みと温かさが入り混じった作品」と日本でも絶賛の声が飛び交っている。『異人たち』は2024年春、全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:異人たち 2024年、公開(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2023年12月05日帝国ホテルや自由学園明日館などの建築を手がけたことで、日本でもよく知られるアメリカ近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト(1867-1959)。1923年に落成した「帝国ホテル二代目本館」の100周年を記念する展覧会が、2023年10月21日(土)から12月24日(日)まで、愛知県の豊田市美術館で開催される。大都市化の進むシカゴで建築家としてのキャリアをスタートさせたライトは、明治政府が出展したシカゴ万博で高まった日本美術愛好熱にふれ、日本の文化に惹かれたという。1905年に初来日した際には大量の浮世絵コレクションを持ち帰り、1910年代には帝国ホテル二代目本館の設計を受注。構想から10年の歳月をかけて実現した帝国ホテルは、奇しくも関東大震災の発生当日に落成するが、災禍を生き延びた堅牢さもまた、ライトに名声をもたらした。関東大震災から100年の節目の年に開催される同展は、ライトのキャリアの中心軸にこの帝国ホテルを据え、その魅力に多方面から迫るものだ。アメリカ、ヨーロッパ、日本など、様々な風土と文化から取り入れた要素を凝縮したこの建築に見られる様々な着想は、のちのライトの建築や都市計画にも展開されていくことになる。帝国ホテルは、ライトにとって「結節点」に位置づけられる建物なのだ。同展は、コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館の全面的な協力を得て実現された。ニューヨーク近代美術館とともに、2012年にフランク・ロイド・ライト財団から5万点を超える資料の移管を受けた同図書館から、日本初公開となるライト自筆の建築ドローイングや図面の数々が出品されるほか、最新の調査研究成果も紹介される。多様な文化と交流し、常に先駆的な活動を展開したライトのグローバルな視点は、21世紀の今日的な課題とも共鳴するという。来るべき未来への提言として、作品群を見ることもできるだろう。なお、ライトの帝国ホテルは改築のために取り壊しとなったが、その一部である中央玄関部分が豊田市美術館の所在する愛知県の博物館明治村に移築保存されており、今もその華やかな空間を体感することができる。<開催情報>『帝国ホテル二代目本館100周年フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築』会期:2023年10月21日(土)~12月24日(日)※会期中展示替えあり会場:豊田市美術館時間:10:00~17:30(入場は17:00まで)休館日:月曜料金:一般1,400円、大高1,000円※2024年1月11日(木)~3月10 日(日)パナソニック汐留美術館、3月20日(水・祝)~5月12日(日)青森県立美術館へ巡回予定※同時開催:コレクション展 歿後20年 若林奮公式サイト:
2023年10月06日山田太一の長編小説『異人たちとの夏』を再映画化した『異人たち』が、2024年4月19日(金)に公開される。監督は、アンドリュー・ヘイ。山田太一の長編小説『異人たちとの夏』を再映画化『異人たちとの夏』は、1987年に出版され、第1回山本周五郎賞を受賞した山田太一の長編小説。とある男とこの世を去った異界の人々とのひと夏の出来事を美しく幻想的に描いた作品だ。1988年には監督・大林宣彦によって、風間杜夫、名取裕子、片岡鶴太郎、秋吉久美子の出演で映画化。2003年には英訳され海外でも刊行された。監督はアンドリュー・ヘイ、現代のイギリスを舞台にそんな『異人たちとの夏』を、『荒野にて』『さざなみ』などを手掛けてきた監督・脚本家のアンドリュー・ヘイが再映画化。山田太一のオリジナリティ溢れたストーリーに、アンドリュー・ヘイならではの感性あふれる脚色と演出を加え、現代のイギリスを舞台とした英語作品として再び映画化する。本作は、第81回ゴールデングローブ賞においてドラマ部門主演男優賞にアンドリュー・スコットがノミネートされるなど、映画賞レースにおいても圧倒的な存在感を示した。愛と喪失の物語映画『異人たち』で描かれるのは、死別した両親との交流、ミステリアスな隣⼈との恋の⾏⽅。愛と孤独、喪失と再⽣、さらにはセクシュアリティーといったテーマも内包されており、観る者の奥底にある記憶や郷愁を呼び覚ますだろう。『1917 命をかけた伝令』のアンドリュー・スコットなど出演には、『1917 命をかけた伝令』や『007:スペクター』に出演したアンドリュー・スコットをはじめ、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイらイギリス・アイルランドが誇る名優たちが名を連ねる。アダム…アンドリュー・スコットロンドンのタワーマンションに暮らす、ゲイ男性の脚本家。12歳の頃に死別した両親の思い出を軸に、脚本を執筆している。30年前に負ったそのトラウマゆえに誰かを愛することさえ忘れていたが、思いがけない両親との交流によって⼦供時代に回帰していく。ハリー…ポール・メスカルアダムと同じマンションで暮らす謎めいた住人。どこか儚げな空気が感じられる⼀⽅で、少年のような無邪気さも併せ持っている。アダムと互いの孤独を感じ取り、次第に距離が近づいていく。アダムの両親…ジェイミー・ベル、クレア・フォイアダムが12歳の時に交通事故で亡くなった。映画『異人たち』あらすじロンドンのタワーマンションで暮らすアダムは、12歳の時に交通事故で両親を亡くした40代の脚本家。それ以来、孤独な⼈⽣を歩んできた彼は、在りし⽇の両親の思い出に基づく脚本に取り組んでいる。そして幼少期を過ごした郊外の家を訪ねると、そこには30年前に他界した⽗と⺟が当時のままの姿で住んでいた。その後、アダムは⾜繁く実家に通って⼼満たされるひとときに浸る⼀⽅、同じマンションの住⼈である謎めいた⻘年ハリーと恋に落ちていく。しかし、その夢のような愛おしい⽇々は永遠には続かなかった…。【作品詳細】映画『異人たち』公開日:2024年4月19日(金)監督:アンドリュー・ヘイ原作:『異人たちとの夏』山田太一著(新潮文庫刊)出演:アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイ配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン原題:ALL OF US STRANGERS©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2023年09月18日『荒野にて』『さざなみ』のアンドリュー・ヘイ監督が山田太一の小説「異人たちとの夏」を映画化した『All Of Us Strangers』(原題)が邦題『異人たち』として2024年春に公開されることが決定した。夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに一人暮らす脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、偶然同じマンションの謎めいた住人、ハリー(ポール・メスカル)に出会い、ありふれた日常に変化が訪れる。ハリーとの関係が深まるに従って、アダムは遠い子どもの頃の世界に引き戻され、12歳の時に交通事故で亡くなった両親(ジェイミー・ベル、クレア・フォイ)が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会に固く閉ざしていた心が解きほぐされ、代え難い安らぎの時を過ごすが、その先には思いもしない世界が広がっていた…。1987年に出版され、第1回山本周五郎賞を受賞した、日本を代表する名脚本家・作家、山田太一の長編小説「異人たちとの夏」(新潮社刊)。1988年には大林宣彦監督の手によって、風間杜夫、名取裕子、片岡鶴太郎、秋吉久美子の出演で映画化され、大ヒットを記録した。2003年には英訳され海外でも刊行されている。本作は、現地時間8月31日にアメリカ、テルライド映画祭にて、世界初お披露目となるワールドプレミア上映が行われた。海外評は絶賛の声に溢れ、RottenTomatoesでも94%fresh(17reviews 9/13現在)を記録、「テルライド映画祭で最も成功した映画」「本年度アカデミー賞に絡むこと間違いなし」と早くも注目を集めている。出演にはアンドリュー・スコット(『1917 命をかけた伝令』、『007 スペクター』)、ポール・メスカル(『ロスト・ドーター』)、ジェイミー・ベル(『リトル・ダンサー』、『ロケットマン』)、クレア・フォイ(『ファースト・マン』、『ウーマン・トーキング 私たちの選択』)ら、イギリス・アイルランドが誇る名優たちが名を連ねており、繊細かつリアリティに溢れた、胸を打つ演技で観るものを魅了する。公開情報と併せてティザービジュアルも解禁。大都市のタワーマンションに住む孤独な住人を照らす光と、謎めいたシルエットが美しいビジュアルとなっており、現実と夢の間、現在と過去のグラデーションを映し出すかのような儚く幻想的な仕上がりだ。日本を代表する名作を、ヘイ監督がイギリスを舞台に新たに蘇らせた本作。これから起こる物語に期待が膨らむビジュアルになっている。『異人たち』は2024年春、公開。(シネマカフェ編集部)
2023年09月15日大ヒット映画を天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーがミュージカル化した『スクールオブロック』が、コロナ禍による2020年の全公演中止を乗り越え、いよいよ日本初演の幕を開ける。ひょんなことから名門校の教師となる破天荒なバンドマン、デューイ役をWキャストで務める西川貴教と柿澤勇人に、稽古が佳境に入った8月初旬、感じている手応えや作品の魅力を聞いた。西川さんのチャーミングで面白いところもデューイ役にぴったり(柿澤)――本作で初めてご一緒されるおふたりということで、まずは現時点でのお互いの印象を教えていただければと思います。西川カッキー(柿澤)とは、17歳も年齢差があるんですよ。そんな僕らがひとつの役を分け合うっていうのがね、僕はまず本当におこがましくて(笑)。柿澤いやいやいや(笑)。西川というのがある上で、舞台に関してはカッキーが大先輩。デューイというキャラクターの方向性を、先にどんどんつかんで見せてくれるので助かっています。初めての読み合わせって、Wキャストだと普通は一幕と二幕で分けたりするんでしょうけど、読み合わせの当日、僕の喉の調子が万全じゃなったこともあって、カッキーが通してやってくれたんですよ。僕はそれを“教材”みたいにして(笑)、聴きながら台詞を入れていたくらいです。ミュージカル『スクールオブロック』より柿澤お会いするまでは“テレビで見る西川さん”のイメージが強く、ものすごくエネルギッシュでパワフルな方という印象がありました。今回の役って、非常に疲労度が高いといいますかずっとテンションも高くいないといけないから、1回や2回稽古しただけではつかめないんですよね。僕はやる度に「あーもう無理!できない!」とかって落ち込んじゃうんですけど、西川さんはそんなことないんだろうなと思っていたら実は同じタイプで(笑)。西川ああ、そうね(笑)。柿澤稽古が終わるとため息をつきながら帰ってこられて、その姿がとても愛おしい(笑)。親近感があると言ったら失礼ですけど、もしテレビで見てたイメージ通りのパワフルな方だったら、僕は孤立しちゃってたかもしれないなと思います。それとやっぱり本物のロッカーなので、ギターの弦の押さえ方や音楽に関する膨大な知識をいつも教えていただいています。西川作品の時代背景が、僕がティーンエイジャーだった頃と真正面から重なってるから。カッキーがまだ生まれてない時代の“昔話”をしてるだけ(笑)。柿澤ありがたいです。本物のロッカーだというところも、可愛らしくてチャーミングで面白いところも、デューイ役にぴったりですよね。カッキ―は“一生懸命な青年”という感じがヒシヒシと伝わるデューイ(西川)――デューイ役としてのお互いの印象、ぜひ詳しくお聞きしたいです。柿澤デューイって、よくよく考えるとサイテーな人間なんですよ。自分の夢と金のために嘘ついて、子どもたちまで完全に利用して(笑)。でも西川さんが演じるとそうは感じないんです。最初から「こいつサイテーだな」って思われちゃったら、お客さんも入り込めないと思うんですけどその心配は全くない。憎めないところが本当にぴったりだなと思います。西川カッキーはね、もうなんかピチピチしてるから。生命力とか熱量の高さみたいなものがすごく感じられるデューイで、これが17歳の年齢差か!と(笑)。柿澤ははは!西川その熱量に、周りも照らされると言うんですかね。子どもたちもほかのキャストの皆さんも、どんどん巻き込まれていっているのを感じます。カッキーは僕のデューイを「憎めない」と言ってくれたけど、それはカッキーもそうで。熱とエネルギーがあるから、デューイのサイテーなところも(笑)、「なんとか夢を実現させたい」っていう純粋な気持ちから来てるように見える。“一生懸命な青年”という感じが、ヒシヒシと伝わるデューイです。ミュージカル『スクールオブロック』より――ではデューイを演じる上で、ご自身が大切にしていることは?西川Wキャストって、僕は初めての経験なので、最初は葛藤もあったんです。自分のやるシーンを客観的に見ることができる環境のなかで、どれくらい取り入れて、どれくらい逆に振ったほうがいいのかなと。でも鴻上さん(演出の鴻上尚史)に「それぞれ別々でいいんじゃない?」と言ってもらってからは、自分の気持ちが動くままにやろう、と思うようになりました。気を付けてることがあるとしたら、「これじゃ西川のまんまじゃないか」と思われないようにしようっていうくらい(笑)。その切り替えみたいなところは、やっぱりカッキーから勉強させてもらってます。柿澤いえいえいえ、とんでもないです。西川だってカッキー、稽古が始まった瞬間、パキーンって役に入るじゃない。普段は真面目で物静かで、ずーっと汗止めのローションを顔に塗ってるだけの男なのに(笑)。柿澤はははは! 汗っかきなんでね(笑)。大切にしていること、僕はなんだろうな。デューイって本当にずっとテンションが高いから、「よっこいしょ」みたいに心のスイッチを入れないと、しんどいシーンもあるんですよ。正直、「次このシーンかあ……」って落ち込んじゃうこともあって(笑)。西川8場(一幕後半、デューイが子どもたちに自作の曲を披露するシーン)ね!8場が来るって思うと俺もそうなる(笑)。柿澤怖いシーンですよね(笑)。一生懸命さとか、暑苦しさみたいなのを持ってないと成立しない。でも逆に、それさえ持っていればスベろうが、お客さんにダメな奴と思われようが、デューイとしては全然ありだと思っています。だからとにかく全力でやることを大事にしたいですね。子どもたちのエネルギーに助けられている――開幕が近づき、お稽古も佳境に入った頃かと思います。この段階だから見えてきた、作品の魅力などについてお聞かせいただけますか?西川やっぱり子どもたちですよね。今回のキャストには、舞台経験のある子役の子たちと音楽をやってきた子たちがいて、最初はその差が結構あったんです。舞台経験のない子たちは、お芝居になるとちょっと気恥ずかしそうにしてたり、声が小さかったり。柿澤そうでしたね。西川でも鴻上さんの演出を受けてみんなどんどん成長して、最初の頃と今では、お猿さんが立派な役者さんになったくらい違う(笑)。人間ってすごいなあと思いますよ。柿澤それにみんな、本当に楽しそうですよね。この時期になると通し稽古も増えてどうしても疲れてエネルギーが枯渇するんですけど(笑)、彼らにはそれが全くない。常に100%エネルギーがあるし、全部出し切ってもすぐに回復する。西川失敗を恐れないところもすごいよね。我々大人は、ダメ出しされたくないから目立たないようにしとこ、とか思っちゃうけど(笑)、みんな何か聞かれたら「ハイ!」って手を挙げるし、ダメ出しされても気にしないどころか、そもそも聞いてなかったりしますから(笑)。柿澤そんな子たちが24人もいるから稽古場は騒々しいんですけど(笑)、彼らからエネルギーを分け与えてもらっている感覚が僕にはあって。しんどいシーンも、子どもたちと一緒だと自然と全力でできたりするので助けられてるなあとつねづね思います。ミュージカル『スクールオブロック』稽古より、西川貴教と生徒役キャストミュージカル『スクールオブロック』稽古より、柿澤勇人と生徒役キャスト――子どもたちのエネルギーはやはり、大きな見どころになりそうですね! では、音楽の魅力についてはいかがでしょうか。西川ロイド=ウェバー作品ということで、複雑なコード進行を使ってたりするんじゃなかろうかなんて、最初は勝手に思っていて。でもこの作品においては、すごくシンプルだよね? メジャーのCとGだけで構成されてます、みたいな曲もあるし、オーケストレーションもドラムとギターとベースだけ、みたいな感じだし。柿澤そうですよね。僕もきのう初めてバンドと合わせてみて、改めてシンプルでストレートだなと思いました。僕が出演してきたほかのロイド=ウェバー作品とまた違う印象です。西川ああやっぱり。シンプルなのに、上に乗ってるメロディーによって“聴かせる”ことができちゃうのが、ロイド=ウェバーのすごさなんだろうなと思います。柿澤あと単純に、すごく乗りやすいですよね。聴いてて「難しそうだなあ」って感じる曲がデューイにもほかの役にもあんまりない。実際歌うとキーが高くて難しいんですけどね(笑)。西川たっかいよね! これだけミュージカルやってる人が言うんだから間違いない(笑)。柿澤西川さんからしても高いですか?西川あのね、週末だけ歌えばいい、ってことなら全然頑張れるんですよ。でも今回は、毎日だから。正直、あんまりミュージカル向きではないんじゃないかと思ってる(笑)。これは歌だけじゃなくて、台詞とも関わってくる問題だよね。柿澤うんうん、本当にそう思います。西川デューイはずっとテンションが高いというか、台詞で盛り上げて歌に辿り着いて台詞に戻ってくるみたいな波形がなく、ずーっと下りてこない人(笑)。そこが大変なところなんだと思います。ふたりとも、1公演終わるごとにぐったりしてそうですね(笑)。ミュージカル『スクールオブロック』稽古より、西川貴教ミュージカル『スクールオブロック』稽古より、柿澤勇人――熱い夏になりそうですね(笑)。最後に、今までのお話で出てこなかった見どころなど含め、読者の皆さんにメッセージをお願いします。西川子どもたちはもちろん、ほかのキャストの皆さんも本当に素晴らしいです。めぐさん(濱田めぐみ)の歌はやっぱりさすがですし、ネッド(梶裕貴・太田基裕)とパティ(はいだしょうこ・宮澤佐江)はWキャストでカラーが全然違って面白い。ぜひ色んな組み合わせでご覧いただきたいですね。柿澤僕はそうですね、本当に夏にぴったりの作品だなと。生きていると、イライラしたりむかつくことっていっぱいあると思うんですけど(笑)、そういうストレスを発散できる作品。ここまでライブ感覚で一緒に盛り上がって弾けられるミュージカルってなかなかないんじゃないかな。西川そう、コロナもあったしね。柿澤ガンガンのロックと、子どもたちのピュアなエネルギーが劇場に充満すると思うので、そちらも是非楽しみにしていただけたらと思います。上:チーム・コード、下:チーム・ビート取材・文:町田麻子<公演情報>ミュージカル『スクールオブロック』音楽:アンドリュー・ロイド=ウェバー脚本:ジュリアン・フェロウズ歌詞:グレン・スレイター日本版演出・上演台本:鴻上尚史出演:デューイ・フィン役:西川貴教/柿澤勇人(Wキャスト)ロザリー・マリンズ役:濱田めぐみネッド・シュニーブリー役:梶裕貴/太田基裕(Wキャスト)パティ・ディ・マルコ役:はいだしょうこ ※/宮澤佐江(Wキャスト)阿部裕、神田恭兵、栗山絵美、多岐川装子、俵和也、丹宗立峰、ダンドイ舞莉花、中西勝之、西野誠、湊陽奈、安福毅 (五十音順)スウィング:AYAKA、森内翔大※はいだしょうこ:ロザリー・マリンズ役カバー■チーム・コード小川実之助:ローレンス(キーボード)桑原広佳:マーシー(コーラス)飛田理彩子:ケイティ(ベース)中込佑協:メイソン(技術:ステージエンジニア)中嶋モモ:フレディ(ドラム)平岡幹基:ジェイムズ(警備:セキュリティ)前田武蔵:ビリー(衣裳:スタイリスト)真木奏音:ソフィー(ローディー:楽器セッティング・運搬)三上さくら:トミカ(ボーカル)三宅音太朗:ザック(ギター)宮﨑南帆:ショネル(コーラス)山崎杏:サマー(マネージャー)■チーム・ビート大久保実生:トミカ(ボーカル)加藤悠愛:ソフィー(ローディー:楽器セッティング・運搬)木村律花:ショネル(コーラス)熊田たまき:ローレンス(キーボード)後藤日向:ザック(ギター)佐藤凌:ビリー(衣裳:スタイリスト)シーセンきあら:マーシー(コーラス)中川陽葵:サマー(マネージャー)三宅音寧:ケイティ(ベース)村井道奏:フレディ(ドラム)宮島伊智:ジェイムズ(警備:セキュリティ)屋鋪琥三郎:メイソン(技術:ステージエンジニア)※五十音順【東京公演】2023年8月17日(木)~2023年9月18日(月・祝)会場:東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)【大阪公演】2023年9月23日(土・祝)~2023年10月1日(日)会場:新歌舞伎座チケット情報公式サイト
2023年08月16日アンドリュー・ロイド=ウェバーとティム・ライスのミュージカル劇『ジョセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』が映画化されることになった。監督は『イン・ザ・ハイツ』のジョン・M・チュウ。製作はアマゾン・スタジオ。ロイド=ウェバーは長年、この作品の映画化を望んでおり、ハリウッドのパートナーを探してきたという。作曲家のロイド=ウェバーと作詞家のライスは、学生時代に、旧約聖書にもとづくこのミュージカルを書いた。15分のバージョンが初めて上演されたのは、1968年。1973年、フルのバージョンがウエストエンドで上演された。チュウは現在、やはりミュージカル劇の映画化である『ウィキッド』をロンドンで撮影中。出演はシンシア・エリヴォ、ミシェル・ヨー、アリアナ・グランデ。文=猿渡由紀
2023年04月13日『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』などピクサーのアニメーション映画で、5度、オスカー脚本部門にノミネーションを果たしたアンドリュー・スタントンが、実写映画『In the Blink of an Eye』を監督することになった。主演はコメディエンヌのケイト・マッキノン。数千年にわたる、3つのストーリーが絡み合う物語だそうだ。サーチライト・ピクチャーズが製作配給する。スタントンは2012年のアクション超大作『ジョン・カーター』で実写映画監督デビューを果たした。最近は、イーサン・ホーク主演のインディーズ映画『Revolver』も監督し、撮り終えている。マッキノンの次回作は、マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリングと共演する『バービー』。文=猿渡由紀
2023年03月21日『オペラ座の怪人』『キャッツ』などで知られる天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーが、コメディアンとしても活躍するベン・エルトンを作詞に迎え、2000年のロンドンで生み出したミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』。日本では2006年のジョーイ・マクニーリー演出版、2014年の藤田俊太郎演出版に続いて3度目の上演となる瀬戸山美咲演出版が、1月7日より日生劇場で上演されている。『エレファント・マン』での名演技により2021年の読売演劇大賞・杉村春子賞に輝いた小瀧望(ジャニーズWEST)が、瀬戸山と共にミュージカルに初挑戦していることでも話題の公演だ。物語の舞台は、1969~72年の北アイルランド。カトリック派とプロテスタント派の争いが日増しに激しくなる首都ベルファストで、ジョン(小瀧)は鬼監督オドネル神父(益岡徹)の指導のもと、トーマス(東啓介)やダニエル(新里宏太)らチームメイトと共にサッカーに青春を捧げている。小瀧望(ジャニーズWEST)、木下晴香木下晴香ジョンはメアリー(木下晴香)と、デル(木暮真一郎)はクリスティン(豊原江理佳)と、ジンジャー(皇希)はバーナデット(加藤梨里香)と。選手たちと応援する女の子たちの間には様々な形の恋が芽生えるが、ある事件を境に青春の日々は終わり、彼らはそれぞれの形で否応なく内戦に巻き込まれていく――。木暮真一郎(手前左)、東啓介(手前右)東啓介、木暮真一郎とこのように主要登場人物の多い物語だが、ひとつの紛争に対する様々な立場・考え方・行動の仕方を、一人ひとりが明確に背負っている。そしてそれぞれの口から語られ、歌われる状況と心情はどれも切実なものばかり。輝いた青春時代の思い出を自ら打ち砕きたい者など誰ひとりいないのに、自分の信じる正義を遂行しようとすると時に友を裏切り失う結果となってしまう、その現実を突きつけるのに必要な多さなのだ。そうした展開にいっそう心が痛むのはやはり、残念ながら争いや分断といったことが、より身近になっている今だからだろう。小瀧望(ジャニーズWEST)、木下晴香キャストはそれぞれ好演、というよりも力演と言いたくなる入魂の演技で、「登場人物一人ひとりが背負うものを明確に」見せることに貢献している。小瀧が終盤のナンバー《終わらない》のなかで見せる目まぐるしくかつ一瞬一瞬が的確な表情の変化、木下がロイド=ウェバーからの“挑戦状”のようなソロナンバー《こんなことのために戦うなら》で披露する圧巻のアカペラ歌唱、ともすればただの悪役ともなりかねないトーマス役にすんなりと共感させる東のパワープレイ、進歩的で少々“パリピ”的要素のあるクリスティンを嫌味なく成立させる豊原の華、その笑顔に『リトルプリンス』や『シンデレラストーリー』とはまた違う意味を帯びさせる加藤の達者さ……。左から)木下晴香、加藤梨里香、豊原江理佳そうした実力派若手俳優たちのパフォーマンスもさることながら、わけても印象に残るのはやはり、ベテラン益岡の表現力だ。オドネル神父のドギツい台詞のなかに温かさのみならず、おそらくベン・エルトンが狙った通りであろうおかしみをたっぷりと滲ませていて、「さすが」のひとことだった。益岡徹取材・文:町田麻子
2023年01月08日11月25日(金)~27日(日)に開催される「東京コミコン2022」で、アンソニー・ダニエルズとクリストファー・ロイドの来日が決定した。3年ぶりのリアル開催となる「東京コミックコンベンション2022」(以下、「東京コミコン2022」)。先日、来日セレブ第1弾ゲストとして、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ出演のカレン・ギランと、ポム・クレメンティエフの来日が発表されたが、この度、来日セレブ第2弾として『スター・ウォーズ』シリーズのC-3PO役でお馴染みのアンソニー・ダニエルズと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役や『アダムス・ファミリー』シリーズのフェスター役などのクリストファー・ロイドの来日が発表された。2人は期間中全ての日程で来場し、当日は会場において写真撮影会およびサイン会等も予定されている。2大レジェンドが来日する、映画ファンには見逃せないまたとない機会に注目が集まる。※イメージ:2019年開催時の主催者物販の模様また、マーベル/スター・ウォーズストアの3年ぶりのリアル出展が決定。大人気ファッションブランド「A BATHING APE」の出展も決まっており、大きな盛り上がりを見せそうだ。「東京コミックコンベンション2022」は11月25日(金)~27日(日)、幕張メッセ4ホール~8ホールにて開催予定。(text:cinemacafe.net)
2022年09月29日『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で最も感動した場面は? と聞かれたら、アンドリュー・ガーフィールドが演じた『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ(12、14)版ピーター・パーカー/スパイダーマンにまつわるシーンを挙げたくなる。同作のデジタル配信とBlu-ray&DVDリリースの発表と同時に解禁された、3人のスパイダーマン集結のメイキング映像での一部でも、いたずらっぽい笑みを浮かべ、かなり楽しそうな様子だったアンドリュー。3人の中で唯一、3部作にはならず2作で打ち切りとなった『アメイジング・スパイダーマン』には、ファンと同じように彼自身にも何らかのしこりが残っていただろう。しかし、近年の彼の活躍ぶりは目を見張るばかりで、なんと本年度のアカデミー賞では自身2度目の主演男優賞候補となったNetflix映画『tick, tick... BOOM!:チック、チック…ブーン!』、主演女優賞にノミネートされているジェシカ・チャステインの夫役を演じた『タミー・フェイの瞳』、そして視覚効果賞候補の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』と3作品に絡んでいる。その劇中でも繰り返されたように、アンドリューはこれまでも、いままでも“アメイジング”な俳優なのだ。多感で繊細な青年がハマり役に!演技力で注目される1983年アメリカ・カリフォルニアで生まれ、イギリスへ移住し、両国の国籍を保持しているアンドリュー。高校卒業後はローレンス・オリビエやジュディ・デンチ、キャリー・フィッシャーらを輩出した名門演劇学校セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマで学び、舞台俳優としてキャリアをスタートさせる。2007年、ロバート・レッドフォードが監督した『大いなる陰謀』で劇場長編映画に初出演、イラク・アフガン戦争中のアメリカ、“どこか遠くで起きている出来事”に無関心な若者の代表格といえる弁の立つ大学生トッドを演じた。『大いなる陰謀』映画初主演を飾ったTV映画『BOY A』(07・日本では劇場公開)は長い刑期を終えた24歳の青年が生き直す物語で、英国アカデミー賞(BAFTA)TV部門主演男優賞を受賞し、絶賛を受ける。現在、権利面の関係なのか配信サービスで観ることは叶わないが、アンドリューの目元や口元に感情が宿る繊細な演技はファンならば必見である。その後も、ヒース・レジャーの遺作でジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルがその代役を演じた『Dr.パルナサスの鏡』(09)ではサーカス団の多感な青年アントン役に。かと思えば、英国ヨークシャーを舞台にしたダークミステリー3部作の1作目『レッド・ライディング I :1974』(09)で、連続少女失踪事件を追いながら闇に飲まれていく若き新聞記者役に挑んでいる。『わたしを離さないで』それまで知る人ぞ知る存在だったアンドリューを一躍有名にしたのが、Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグの親友エドゥアルド・サベリン役を演じたデビッド・フィンチャー監督『ソーシャル・ネットワーク』(10)と、キャリー・マリガン&キーラ・ナイトレイが共演したカズオ・イシグロ原作『わたしを離さないで』(10)だ。特に『ソーシャル・ネットワーク』ではそれまでの役柄を踏襲するような煮え切らない心優しい青年から、マーク(ジェシー・アイゼンバーグ)に翻弄され感情を爆発させるシーンが印象的だった。2014年に出演した「Arcade Fire」のMV「We Exist」すべては『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で癒されたこうして高い評価を得たアンドリューは、『(500)日のサマー』マーク・ウェブ監督が手がける『アメイジング・スパイダーマン』シリーズに大抜擢される。すでに20代後半だったアンドリューには「ピーター・パーカーとしては年をとりすぎている」という意見もあったというが、彼はその確かな演技力によって、写真やメカいじりが得意で優れた科学の才能を持った(+少々おしゃべりで)、ヒーローとしては未成熟なピーター・パーカー/スパイダーマンを見事に演じてみせた。だが、『アメイジング・スパイダーマン』第3弾はマーベル・スタジオとソニー・ピクチャーズの提携から白紙に。興行成績が前シリーズに比べて及ばなかったことや、話題を呼んだ恋人グエン・ステイシー役のエマ・ストーンとの交際に終止符が打たれたこともあり、『アメイジング・スパイダーマン2』のラストそのままにほろ苦さが残る結果となってしまう。そのモヤモヤは今回の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でMJ(ゼンデイヤ)をキャッチして無事着地できたのだから、すべて吹っ飛んだと言っていいだろう。いや、ネッド(ジェイコブ・バタロン)が描いた魔法円からアンドリューのピーター・パーカーが現れたその瞬間に(続くトビー・マグワイアのピーター・パーカーも)、そんな心のしこりはすべて消え去っていたのだ。米「Variety」にアンドリューが語ったところによれば、製作のエイミー・パスカルとケビン・ファイギ、監督のジョン・ワッツから連絡を受けた際、1スパイダーマンファンとして「同じフレームに3人のスパイダーマンが登場する」というアイディアだけで出演を決めるのに十分だったというアンドリュー。MJとのシーンは“アンドリュー”ピーターにとって「人生最大のトラウマの瞬間を癒すものになった」と打ち明けており、ピーターとしてきちんと区切りがついたことに何度も感謝を口にしている。自身をスパイダーマンの“次男”だといい、劇中で「愛してる」と“長男”トビーと“三男”トム・ホランドにふいに言ったのは、本心からのアドリブだった。アンドリューは再びスパイダーマンを演じることにも前向きというが、人生の苦みを知った等身大の“アンドリュー”ピーターをもう一度観てみたい気もする。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』デジタル配信中 / 4月27日(水)ブルーレイ&DVD発売『アメイジング・スパイダーマン』には、橋にぶら下がった車から男の子を助ける際「大丈夫だよ、普通の男だよ」とマスクを取ってみせるシーンがあった。まさにアンドリュー自身も一見ごく普通の男性に見えても、決してブレることのない信念を持つアメイジングな人物の数々を演じてきている。『沈黙-サイレンス-』(16)マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説「沈黙」を映画化。『スター・ウォーズ』新シリーズに抜擢されて注目を集めていたアダム・ドライバーや、窪塚洋介、イッセー尾形ら日本人キャストとも共演し、江戸時代初め、キリシタン弾圧を行う日本を訪れた宣教師に扮した。過酷な試練の中で、何度問いかけても神の沈黙は続く。不寛容さについても深く考えさせられる1本。『ハクソー・リッジ』(16)メル・ギブソン監督による沖縄戦を舞台にした戦争ドラマ。幼少期からの家庭での経験によりキリスト教の教え「汝、殺すなかれ」を貫き、武器を持つことを放棄した実在の衛生兵デズモンド・ドスを熱演。2作続けて壮絶な状況下で神と対話する男を演じたが、今作でアカデミー賞に初ノミネートされる。『ブレス しあわせの呼吸』(17)『ブリジット・ジョーンズの日記』のプロデューサー、ジョナサン・カヴェンディッシュが両親の実話を自らプロデュースして映画化。初監督のアンディ・サーキスがシリアスさを控えめにし、軽やかな作品に仕上げた。28歳でポリオに感染し、首から下が麻痺した主人公ロビンを演じるべくアンドリューもほぼ寝たきり、座りっぱなしで演じきった。『メインストリーム』(21)ソフィア・コッポラの姪、ジア・コッポラが監督。アンドリュー自身も製作に名を連ねる今日的な問題作。神と対峙する敬虔な者を演じてきた彼は、今作では遊び感覚で始めた動画がバズり、カリスマ的人気を得るYouTuber・リンクを怪演。マヤ・ホーク演じるフランキーとキュートな恋を繰り広げる前半と、“神”にでもなったつもりの後半ではまるで別人のよう。『タミー・フェイの瞳』(21)ディズニープラスにて配信中天才的な話術を持つキャラクターが、なぜこうもハマるのか。Disney+(ディズニープラス)の「スター」にて配中の今作では、1970年代から80年代にかけてキリスト教福音派の伝道師としてTVで活躍していたジム・ベイカー役に。妻タミー・フェイの寛容なメッセージと独特の歌声も合わせて大人気となった夫婦は、金銭的な不正やジムの性スキャンダルでその帝国が崩壊していく。アカデミー賞ノミネートチームによる特殊メイクでタミーそっくりに変身したジェシカとともに、笑顔で胡散臭さを振りまくジムにも注目。『tick, tick... Boom! チック、チック…ブーン!』(21)Netflixにて配信中舞台で鍛えられ、2018年のナショナル・シアター・ライブ「エンジェルス・イン・アメリカ」では80年代のニューヨークを舞台にHIV/エイズに侵された人々の人間ドラマに参加し、トニー賞演劇主演男優賞に輝いたアンドリュー。そんな彼がリン=マニュエル・ミランダ初監督作で、ブロードウェイのロングヒットミュージカル「RENTレント」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンを演じることになるとは運命的である。多くの言葉と音楽を抱えていながらも“書けない”苦悩や、現実的な締め切りとクリエイターとしてのタイムリミット、恋人との心の距離、友人の病などが時計の秒針のようにジョナサンを追い詰めていく。ほぼ歌うか、踊るか、話すか、泳いでいるかのアンドリューの入り込みように圧倒される。そして次なる“舞台”は、ミニシリーズだ。ベストセラーノンフィクションを基にした米Huluのクライムスリラー「Under the Banner of Heaven」(原題)では刑事役に挑み、『フレッシュ』のデイジー・エドガー=ジョーンズと共演する。これまでとはまた違ったアンドリューのアメイジングな一面を目にすることができそうだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:大いなる陰謀 2008年4月18日より日劇1ほか全国にて公開© 2007 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.アメイジング・スパイダーマン 2012年6月30日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2012 Columbia Pictures Industries, Inc. MARVEL, and all Marvel characters including the Spider-Man character ™ & © 2012 Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved.アメイジング・スパイダーマン2 2014年4月25日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2013 CTMG. All Rights Reserved.【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-沈黙−サイレンス− 2017年1月21日より全国にて公開© 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.ハクソー・リッジ 2017年6月24日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開© Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016ブレス しあわせの呼吸 2018年9月7日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2017 Breathe Films Limited, British Broadcasting Corporation and The British Film Institute. All Rights Reservedスパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.メインストリーム 2021年10月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
2022年03月26日昨年12月に開幕し、全国12都市を巡演中の『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』。1月26日(水)、27日(木)には兵庫・神戸国際会館こくさいホールで上演される。劇団四季『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート ~アンマスクド~』チケット情報『キャッツ』『オペラ座の怪人』など、数々の傑作ミュージカルを生み出してきた作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー。劇団四季では、1973年に『ジーザス・クライスト=スーパースター』を初演して以来、ロイド=ウェバー作のミュージカルを半世紀にわたり上演し続けている。今作『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』は、ロイド=ウェバー楽曲を歌と生バンドの演奏でお届けする、2幕構成のショーコンサート。2018年にロンドンでワークショップ公演が行われ、2020年にアメリカで上演、そして今回、日本に初上陸を果たした。ステージ奥に配された生バンドの演奏をバックに、ロイド=ウェバーのこれまでの輝かしい歴史がダイジェスト映像で紹介されるオープニング。そして『ジーザス・クライスト=スーパースター』の「序曲」で高揚感を誘い、聴けば脳内リピート必至の「スーパースター」へ。幕開きからワクワクさせる構成で、観客をロイド=ウェバーの世界へと引き込む。劇団四季の上演作品からは『ジーザス』のほか、『エビータ』『アスペクツ オブ ラブ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』より、選りすぐりの名曲を披露。さらに、ロイド=ウェバーのデビュー作『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』や、2021年にロンドンで初演された『シンデレラ』のナンバーほか、劇団四季未上演の作品からも楽曲がピックアップされている。作品の合間に挟まれる映像では、ロイド=ウェバー本人が、時には実際にピアノを弾きながら、それぞれの作品ができた経緯や背景などを、ユーモアを交えて解説してくれる。なかなか知ることのできない誕生秘話を聞くことで、観たことがない作品でも楽曲への理解が深まったり、知っている作品は新たな視点を持って観ることができるのも面白い。ロイド=ウェバーの名曲の数々と、それを客席へ届ける俳優たちの、確かな実力から生まれる圧倒的なパフォーマンス。さらに臨場感あふれる生バンドの演奏がステージを熱く盛り上げる。ロイド=ウェバーの世界にどっぷりと浸れる極上の空間で、ひとときの非日常を味わってほしい。神戸公演は1月26日(水)・27日(木)、神戸国際会館こくさいホールにて。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2022年01月18日『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート ~アンマスクド~』が12月5日、神奈川・相模女子大学グリーンホール大ホールで開幕した。劇団四季はこれまでショー作品は数々作ってきているが、“コンサート”と銘打つ公演は初めて。『キャッツ』『オペラ座の怪人』等々を生み出した稀代の作曲家、アンドリュー・ロイド=ウェバーの美しい楽曲にフォーカスした2幕構成のステージだ。『Unmasked』は2018年のロンドン・ワークショップ公演を経て2020年アメリカで開幕した作品だが、日本版は劇団四季オリジナル要素も多分に組み込まれた内容となっている。『ジーザス・クライスト=スーパースター』の序曲から始まる幕開け。劇団四季がロイド=ウェバー作品を最初に上演したのは、1973年の本作初演(当時のタイトルは『イエス・キリスト=スーパースター』)である。その後、『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『アスペクツ オブ ラブ』を上演、今ではロイド=ウェバー作品は劇団にとってはなくてはならない存在になっている。これらの作品からのナンバーももちろん当コンサートでは多数登場。実際に役として演じている江畑晶慧の「メモリー」(キャッツ)、谷原志音の「共にいてアルゼンチーナ」(エビータ)、飯田洋輔の「オペラ座の怪人」(オペラ座の怪人)などは、やはり「待ってました!」のワクワク感。圧巻の歌唱力で聴くものを魅了する。一方で劇団四季未上演の作品ナンバーも多数あり、中でも『オペラ座の怪人』の続編である『ラブ・ネバー・ダイ』の名曲「君の歌をもう一度」を現役ファントム俳優である飯田洋輔が歌う場面などは目新しくも、非常に聴きごたえがある。ほか今年ロンドンで開幕したばかりのロイド=ウェバーの新作ミュージカル『シンデレラ』からのナンバーも早くも登場。こちらは平田愛咲がコケティッシュに凛々しく歌いあげていた。劇中ではロイド=ウェバー本人が映像で登場、作品解説でコンサートをガイドしてくれるのも注目ポイント。ほかの作品用に作っていた楽曲がピンと来ず、あるいは依頼者からその後連絡が来なかったり(!)などの理由でこの作品のこの楽曲として生まれ変わった……というような裏話や、「素晴らしいストーリーによってまあまあの音楽を支えることはできるが、いくら音楽が素晴らしくても出来のよくないストーリーを支えることはできない」といったぶっちゃけ話もユーモアたっぷりに披露。また少し前に話題になった、生涯猫派だったロイド=ウェバーが映画『キャッツ』の出来にショックを受けて飼い始めたという愛犬モヒートも登場するサービスっぷりだ。そして劇団四季の創設者である故・浅利慶太氏とのエピソードも語り、長野オリンピックの開会式で歌われた『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』を浅利氏に捧げる一幕も。“コンサート”らしく、派手なショーシーンや、大掛かりなセットチェンジ、衣裳チェンジなどはないものの、たとえば蝋燭で『オペラ座の怪人』の荘厳な雰囲気を演出したりと、シンプルに作品の世界観を創出して魅せるのはさすが劇団四季だ。とはいえ何と言っても主眼は歌。コンサートの名にふさわしく、歌の力でロイド=ウェバー音楽の素晴らしさをとことん堪能できる作品になっている。前述のメンバーのほか、ロックナンバーを多数担った白瀬英典のパワフルな歌声、「サンセット・ブールバード」の熱唱が素晴らしかった飯田達郎、「オペラ座の怪人」のソプラノを生歌で聴かせた真瀬はるか、「レクイエム」の柔らかいソプラノからパンチのある歌まで幅広い歌声を聴かせた吉田絢香、ジーザスからラム・タム・タガーまで様々な顔を見せた山下泰明、歌とともに身体能力の高さを活かしてステージを彩った笠松哲朗と、計10人のキャストが、生バンドともに、素晴らしい楽曲たちを次々と披露。クリストファー・キー演出らしく、台詞っぽく歌を聴かせるようなところも多々あり、フェイクを利かせた歌唱をする四季俳優たちを見るのもなかなか珍しい。また、現在劇団四季で上演されている作品も、四季での上演バージョンとは少し違うアレンジで演奏されるものなどもあり、そのあたりも新鮮だった。解説映像で、「音楽は子どもたちに力を与えると信じているし、今は子どもだけでなく世界中の人たちが音楽を必要としている時代」と語ったアンドリュー・ロイド=ウェバー。その“音楽の力”を最大級に感じられる、現代のモーツァルト、アンドリュー・ロイド=ウェバーの珠玉の楽曲を隅々まで味わえるコンサート。観劇後、何かしらのパワーをもらえるに違いない。公演は2月10日(木)まで、全国12都市で開催される。取材・文・撮影:平野祥恵
2021年12月06日コンサート公演『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』が、2021年12月5日(日)より神奈川・相模女子大学グリーンホール 大ホールを皮切りに全国12都市にて開催される。『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート〜アンマスクド〜』これまでに傑作ミュージカルを多数生み出している作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー。劇団四季では、1973年初演の『ジーザス・クライスト=スーパースター』(当時のタイトルは『イエス・キリスト=スーパースター』)以来、『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『アスペクツ オブ ラブ』を上演してきた。そんなロイド=ウェバーが手掛けた楽曲を、歌と生バンドの演奏で届ける2幕構成のショートコンサート『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』が全国各地で開催される。日本未上演作品の楽曲もコンサートでは、劇団四季お馴染みの演目や日本未上演作品の楽曲を演奏。また、ロイド=ウェバー本人が映像で登場し、創作秘話や裏話などを披露する。【詳細】コンサート公演『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー共同台本・構成:リチャード・カーティス作詞:アラン・エイクボーン、ドン・ブラック、リチャード・カーティス、T・S・エリオット、クリストファー・ハンプトン、チャールズ・ハート、ティム・ライス、グレン・スレイター、ジム・スタインマン、リチャード・スティルゴー、デイヴィット・ジッペル日本語台本:南圭一朗訳詞:浅利慶太、市川洋二郎、片島亜希子、高橋亜子、中島淳彦、松田宏一、竜真知子演出:クリストファー・キー音楽スーパーバイザー:マイケル・パトリック・ウォーカー音楽監督:清水恵介振付:加藤久美子予約方法:SHIKI ON-LINE TICKE(24時間受付)他■公演日程<チケット一般発売 10月23日(土)>・2021年12月5日(日):相模原(神奈川)・相模女子大学グリーンホール 大ホール・12月10日(金)~12月19日(日):池袋(東京)・東京建物 Brillia HALL・12月22日(水)~12月26日(日):横浜(神奈川)・KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉・12月29日(水)~12月31日(金):大阪(大阪)・オリックス劇場・2022年1月2日(日)~1月3日(月):京都(京都)・京都劇場・1月6日(木)~1月7日(金):福岡(福岡)・福岡サンパレスホテル&ホール・1月10日(月・祝)~1月11日(火):仙台(宮城)・東京エレクトロンホール宮城・1月15日(土):静岡(静岡)・静岡市民文化会館 大ホール・1月18日(火)~1月20日(木):名古屋(愛知)・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール・1月22日(土)~1月23日(日):広島(広島)・上野学園ホール・1月26日(水)~1月27日(木):神戸(兵庫)・神戸国際会館 こくさいホール<チケット一般発売:12月4日(土)>・2月1日(火)~2月2日(水):札幌(北海道)・札幌文化芸術劇場 hitaru<チケット一般発売:11月27日(土)>・2月8日(火)~2月10日(木):横浜(神奈川)・神奈川県民ホール 大ホール※公演地・日程は急遽中止・変更となる場合がある。■ナンバーリスト『オペラ座の怪人』オペラ座の怪人、オール・アイ・アスク・オブ・ユー、プリマ・ドンナ、ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト『キャッツ』オーヴァーチュア(インストゥルメンタル)、ラム・タム・タガー~つっぱり猫、スキンブルシャンクス~鉄道猫、マキャヴィティ~犯罪王、ミストフェリーズ~マジック猫、メモリー『ジーザス・クライスト=スーパースター』序曲(インストゥルメンタル)、スーパースター、私はイエスがわからない、今宵安らかに、ゲッセマネの園『エビータ』ブエノスアイレス、スーツケースを抱いて、空を行く、ニュー・アルゼンチーナ、共にいてアルゼンチーナ『アスペクツ オブ ラブ』ラブ・チェンジズ・エブリシング『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』ヨセフのコート、クローズ・エヴリ・ドア、エニー・ドリーム・ウィル・ドゥ『Tell Me on a Sunday~サヨナラは日曜日に~』遥かな調べ、放っておいてよ『サンセット大通り』ウィズ・ワン・ルック、カー・チェイス(インストゥルメンタル)、サンセット・ブールバード、アズ・イフ・ウィ・ネヴァー・セッド・グッドバイ『ラブ・ネバー・ダイ』愛は死なず、君の歌をもう一度『スクール・オブ・ロック』支配者に立ち向かえ『ソング・アンド・ダンス』ヴァリエーション23(インストゥルメンタル)『スターライト・エクスプレス』スターライト・エクスプレス・メドレー(インストゥルメンタル)『シンデレラ』バッド・シンデレラ『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド、ヴォルツ・オブ・ヘブン『レクイエム』ピエ・イエズ【問い合わせ先】劇団四季ナビダイヤルTEL:0570-008-110 (10:00~17:00)
2021年12月04日劇団四季が挑む、新たなショー形式のコンサート『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバーコンサート~アンマスクド~』が、12月5日(日)、神奈川県相模原市の相模女子大学グリーンホールで開幕する。この相模原公演を皮切りに、来年2月10日まで、東京・池袋の東京建物Brillia HALL、横浜のKAAT神奈川芸術劇場をはじめ、大阪、京都、福岡、仙台、静岡、名古屋、広島、神戸、札幌と、全国12都市を巡演するツアーを行なう予定だ。劇団四季のレパートリーの中でも、アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲を手がけたミュージカルは人気が高い。その巨匠ロイド=ウェバーが作曲した数々のミュージカルから、珠玉のナンバーを選りすぐって、歌とパフォーマンス、生バンドの演奏でたっぷりと聴かせてくれる贅沢な舞台が、この『アンマスクド』だ。曲の合間には、ロイド=ウェバー本人のビデオメッセージが流され、それぞれの曲について、創作秘話や裏話をウィットに富んだ語り口で披露するのも、ファンにとっては嬉しい演出だろう。『アンマスクド』は、2018年にロンドンのジ・アザーパレスでワークショップ公演が開かれ、20年にはアメリカ・ニュージャージー州のペーパーミル劇場でも公演が行なわれた。続く今回の劇団四季による日本版は、そこに新たな要素が盛り込まれ、より演劇的な面が際立ったオリジナルバージョンになると言う。11月初旬からは、演出のクリストファー・キー、音楽スーパーバイザーのマイケル・パトリック・ウォーカーが来日して、対面による本格的な稽古がスタートし、その後、装置デザインのサイモン・ウェルズも加わった。曲目は、四季が繰り返し上演している『ジーザス・クライスト=スーパースター』『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『アスペクツ オブ ラブ』の5作品から、それぞれ主要なナンバーが歌われるのはもちろんだが、さらに、ロイド=ウェバーが1968年に作詞家ティム・ライスと組んで発表した、記念すべきデビュー作『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』から、今年9月、ロンドンのジリアン・リン劇場で開幕した最新作『シンデレラ』まで、四季が上演していないものも含め、全15作品を彩る名曲や代表曲が、1幕、2幕を通してずらりと並ぶ。ミュージカルに詳しくなくても、一度は耳にしたことがあるメロディーがたくさん登場し、楽しい時間を過ごすことができるだろう。文:原田順子『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバーコンサート』2021年12月5日(日)~2022年2月10日(木)会場:相模女子大学グリーンホール 大ホール、東京建物Brillia HALL、KAAT神奈川芸術劇場ほか、全国12都市で上演※本文内で紹介しているナンバーは、都合により急遽変更になる場合がございます。
2021年12月03日シネマコンプレックス「OSシネマズ」を経営するオーエス株式会社(本社:大阪市北区、取締役社長:高(※1)橋秀一郎)は、活弁ライブ『ロイドの福の神』を11月23日(火・祝)にOSシネマズ神戸ハーバーランドにて開催いたします。今回は後年に偶然発見された「プライベート版」と呼ばれる劇場公開版やDVD等では見られない演技やカメラアングルが入った貴重なバージョンでお届けします。主演ハロルド・ロイドは、チャップリン、キートンに並ぶ世界三大喜劇王の一人。ロイドのシチュエーション・コメディは、まさに今の喜劇のお手本です。120年以上も昔の日本で楽しまれた上映スタイルを、是非シネコンの大スクリーンでお楽しみください。OSシネマズでは今後も「映画」と「お客様」をつなぐ出会いの場をお届けするとともに、地域社会に根差した「人々が集う映画館」を目指してまいります。■開催概要上映作品:『ロイドの福の神』原題:For Heaven’s Sake制作:1926年/アメリカ監督:サム・テイラー出演:ハロルド・ロイド、ジョビナ・ラルストン、ノア・ヤング、ポール・ウィーゲル日時:2021年11月23日(火・祝)13:00開演(上映時間64分)会場:OSシネマズ神戸ハーバーランド(兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目7番2号神戸ハーバーランドumieサウスモール5階)登壇者:大森くみこ(活動写真弁士)、天宮遥(ピアニスト)料金:一般…1,900円、大学生(要学生証)…1,500円、高校生・中学生(要学生証)…1,000円小人(3歳以上)…1,000円、障がい者(付き添い2名様まで同料金、要手帳)…1,000円※各種割引サービス(レディースデー、シニア割引、夫婦50割引、等)可※株主優待券・招待券・ポイント鑑賞など無料鑑賞不可チケット発売:OSシネマズ公式WEBサイト 11月13日(土)0:00~〈=11月12日(金)24:00~〉OSシネマズ神戸ハーバーランド 11月13日(土)劇場オープン~詳細については、OSシネマズ公式WEBサイトにてご確認ください。( )協力:喜劇映画研究会■活弁ライブについて活動写真×弁士・楽士付きの上映のこと。今から120年以上前の日本。当時、映画は活動写真と呼ばれ、音がついていないサイレント映画に弁士がナレーションやセリフを語り、楽士による楽器の生演奏で新たに命を吹き込み、人々は映画を楽しんでいました。OSシネマズでは活動写真弁士の大森くみこさん、ピアニストの天宮遥さんと共に2018年よりこれまで28回の活弁ライブを開催しています。古いけれど、モダンで愉快斬新!日本で初めて映画が公開された神戸の地で、今なお人々に愛され続ける活弁ライブをぜひご堪能下さい!■登壇者プロフィール<大森くみこ(活動写真弁士)>関西を活動拠点に無声映画上映会、国内外の映画祭等に多数出演。2019年ロサンゼルス「The art of the benshi」、天満天神繋昌亭にも出演。ラジオ・ナレーターとしても活躍。日本女子体育大学出身の力持ち。大森くみこ公式サイト( )ラジオ関西「羽川英樹ハッスル!」「Playlist of Harborland」ラジオ大阪「Hit&Hit 水曜日」出演中、J-COM「恋舞妓の京都慕情」ナレーション<天宮遥(ピアニスト)>神戸生まれ。サイレント映画ピアニスト。スクリーンから降り注ぐさまざまなシーンにあわせて即興で演奏。ピアノ伴奏で行う映画上映とオリジナル曲で綴る「天宮遥ピアノシアター」を精力的に行い、国際映画祭に出演。神戸大学発達科学部音楽学科・兵庫教育大学大学院芸術コース卒業。ラジオ関西「天宮遥の私はピアノ」パーソナリティー。ピアノアルバム「Life Is Beautiful」絶賛発売中!■新型コロナウイルス感染予防の取り組みについてOSシネマズでは、政府による「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」及び全国興行生活衛生同業組合連合会による最新の「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に基づき、感染予防の取り組みを実施しております。お客様と従業員の安全を確保するため、何卒ご理解・ご協力賜りますようお願い申しあげます。※急遽、変更・中止・延期となる場合がございます。最新情報はOSシネマズ公式WEBサイトをご確認ください。(※1)高ははしごだかオーエス株式会社 リリース 発行元:阪急阪神ホールディングス大阪市北区芝田1-16-1 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月05日アンドリュー・ガーフィールド、マヤ・ホークと、ジア・コッポラ監督による映画『メインストリーム』がついに公開。この度、主人公のカリスマYouTuber・リンクを演じたアンドリューが、実在の人気YouTuberたちの前で驚きのアドリブ演技を披露する本編映像が到着した。解禁された本編映像は、現在のYouTube文化を作り上げた先駆者ともいえる、「ジャッカス」シリーズの出演者ジョニー・ノックスヴィルが演じる有名司会者テッド・ウィックがホストを務める討論番組の一場面。実在のインフルエンサーたちが本人役で出演するこの場面で、カリスマYouTuberのリンクが大暴走する…。出演者たちの目の前のテーブルで何かを手に持ち、奇声を発しながら大暴れ。“いいね”を追い求めて人格が変わってしまったリンクの狂気が垣間見えるシーンとなっている。劇中の討論番組に登場するのは、本物のインフルエンサーたち。有名人へのメイク動画が人気を博し430万人以上のチャンネル登録者をもつ美容YouTuberのパトリック・スターや、元祖炎上系YouTuberにして格闘家でもあるジェイク・ポール、ハリウッド映画にも出演し、いまや世界的なインフルエンサーとなったローラなど豪華な面々が勢ぞろい。彼らはアンドリューのアドリブ演技について一切知らされていなかったという。「アンドリューの演技には興奮しました。大ファンだから出演を依頼したわけだけど、普段ならあまりできないような役を、彼が自由に全力で演じる姿を見ることができて、私はいつも現場で満面の笑みを浮かべていました。どのシーンも迫力があって、毎回ワクワクさせられたのです」とジア監督。「役者にはその時に感じたことを表現してもらいたいと思っているから、現場では自由に、その場の雰囲気や気分に合わせて演じてもらうようにしていたのだけど、彼はアドリブもたくさんみせてくれました。ローラやジェイクたちとの共演シーンで、アンドリューが大暴れするシーンは完全にアドリブなのです」とふり返っている。『メインストリーム』は10月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メインストリーム 2021年10月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
2021年10月08日アンドリュー・ガーフィールド主演、ブロードウェイ・ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」「ハミルトン」や『モアナと伝説の海』などを手がけたリン=マニュエル・ミランダの初監督映画『tick, tick...BOOM!:チック、チック...ブーン!』が、Netflixにて11月19日(金)より独占配信。予告編とキービジュアルが到着した。本作は、傑作ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」や「ハミルトン」の原作者として作曲、作詞なども手掛け、『モアナと伝説の海』の音楽も担当したリン=マニュエル・ミランダによる極上ミュージカル映画。ジア・コッポラ監督『メインストリーム』や『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ、『ハクソー・リッジ』のアンドリュー・ガーフィールドが、現実に押しつぶされそうになりながらも、決して夢を諦めない実在の作曲家ジョナサン・ラーソンを演じ、“夢”と “希望”を歌い描く。物語の主人公ジョナサン・ラーソンは、数々の賞に輝き、いまなお世界中で愛され続ける名作ミュージカル「RENT/レント」を生み出した実在の作曲家。本作は、彼が夢追う姿を描いた自伝ミュージカルの映画化作品。舞台は、1990年のニューヨーク――。食堂のウェイターとして働きながら、ミュージカル作曲家としての成功を夢見るジョナサン(アンドリュー・ガーフィールド)は、オリジナルのロック・ミュージカルの楽曲を、書いては直し、書いては直し...を数年間繰り返し、まもなく30歳を迎えようとしていた。恋人のスーザン(アレクサンドラ・シップ)は新たな夢に向かうために都会を離れることを願い、親友のマイケル(ロビン・デ・ヘスス)は夢を諦めて安定した仕事に就くことに。これまで共に夢を追いかけた仲間たちさえも、現実に目を向け変わっていく姿に焦りを覚えるジョナサン。「自分の夢に価値はあるのか?時間を無駄にしているのでは?」と自身に問いかけながらも、“チック、チック”と時間だけが過ぎていく毎日...。苦悩と葛藤の先に、“最高のロック・ミュージカルを作る”という夢を掴むことが出来るのか…。解禁となった映像では、美しいピアノの旋律に乗せて、ジョナサンが作り上げた楽曲が、観る者の心を奮い立たせるようにパワフルに鳴り響いていく。ニューヨークの煌びやかな夜景をバックに歌い踊る夢のようなシーンや、ジョナサンが飛び込んだプールの底から現れた音符たちが楽譜となって浮かび上がるファンタジックなひと幕も。他人に否定されようとも、深い悲しみに襲われようとも、彼を突き動かす夢への情熱が魂が込められたロック・ミュージカルに乗せ、歌い紡がれていく。監督を務めるリン=マニュエル・ミランダは、今年映画化もされたミュージカル「イン・ザ・ハイツ」によってトニー賞で作品賞・楽曲賞・振付賞・編曲賞を受賞、そして脚本・作曲・作詞・主演を務めたミュージカル「ハミルトン」ではピューリッツァー賞、グラミー賞のほか、トミー賞11部門を受賞した経歴を持ち、本作で初めて長編映画のメガホンを取る。Netflix映画『tick, tick...BOOM!:チック、チック...ブーン!』は11月19日(金)より独占配信開始。11月より一部劇場にて公開予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2021年10月05日アンドリュー・ガーフィールドが観る者を翻弄するカリスマYouTuberを演じる『メインストリーム』。今回は、“バズった”YouTube制作の裏で巻き起こる三角関係を形成するアンドリューと共演のマヤ・ホーク、ナット・ウルフの場面写真が到着した。今回解禁となったのは、立ち尽くす3人の三角関係を表すような新場面写真。自分たちの動画がバズり、人気Youtuberへの道を駆け上がりはじめた3人だが、日々の動画制作の中でお互い気になり始めているリンク(アンドリュー・ガーフィールド)とフランキー(マヤ・ホーク)の距離感は近く、脚本担当のジェイク(ナット・ウルフ)とは一歩離れている様子。ジェイク自身も2人の親密さになんとなく気づきながらも、フランキーへの恋心もあり、あえて本人たちに聞くこともできず、もどかしい状況となっている。本作で、フランキーに恋をする男友達を演じたナット・ウルフといえば、ジア・コッポラ監督の長編監督デビュー作『パロアルト・ストーリー』(13)にも出演。『メインストリーム』のジェイクとは真逆の性格を持つ主人公の悪友フレッド役を見事に演じ、そのほか、『きっと、星のせいじゃない』や『マイ・インターン』などの話題作にも続々と出演。『オールド』をはじめ俳優としても活躍する弟のアレックス・ウルフとの音楽ユニット「Nat and Alex Wolff」を結成し音楽界からも注目を集めている。そんなナットの音楽が、実は本作でも起用されており、ジア監督は「ナット・ウルフは出演してくれることが分かっていたから、彼の役は当て書きをしました『パロアルト・ストーリー』では、彼にすごくやっかいなキャラクターをやってもらったけど、実生活はすごくいい子なんです。ある夜、一緒に遊んでいたとき、彼が何とはなしに曲を演奏したんです。自分で作った『ウィンター・ベイビー』という歌なのですが、すごく素敵な曲で、そのことが彼のキャラクターであるジェイクの元となっていますし、その曲は映画の中でも使っています」と明かした。刺激的な日々と、誰もが羨む名声を得る3人だが、喜びも束の間、バズが上がれば上がるほど、“いいね”への執着が加速し、リンク、フランキー、ジェイクの3人の関係にも変化が巻き起こる。この三角関係の青春ドラマにも注目だ。『メインストリーム』は10月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メインストリーム 2021年10月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
2021年09月12日アンドリュー・ガーフィールド主演、マヤ・ホーク、ジア・コッポラ監督が組んで放つ映画『メインストリーム』。アンドリューが本日38歳の誕生日を迎えることを記念し、新しい場面写真が解禁となった。『ソーシャル・ネットワーク』や『ハクソー・リッジ』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞の主演・助演男優賞へのノミネート歴を持ち、若手俳優のときから確固たる地位を築いてきたアンドリュー。そんな彼が新境地を切り開いたといわれるのが、日本でもカルト的な人気を誇る『アンダー・ザ・シルバーレイク』。彼はひと目ぼれした直後に失踪した隣人を追う主人公を演じ、妄信的に謎を追い続けていくオタク青年を見事に体現した。そして最新作となる本作では、元々は無名の青年で世捨て人のような生き方をしていたが、動画配信をきっかけに世間の注目を浴びはじめ人気YouTuberへと成り上がる主人公リンクを演じており、絶賛の声が続々と上がっている。見どころはアンドリューの七変化ぶりで、前半と後半でキャラクターがまるで違う点。ネズミの着ぐるみでピザを売り、ゴキブリの格好でベビーシッターをする、神出鬼没な“不思議ちゃん”を演じたかと思えば、怪しげな探偵ルックに変装し、つまらない日常に嫌気がさしているフランキー(マヤ・ホーク)をさらいに来るなど、“王子様的”な顔も。駆け出しYouTuberの頃も、水着で他人の豪邸に侵入したり、人騒がせな格好で街を闊歩するなどの姿を見せている。ところが、YouTuberとして人気が高まりカリスマと崇められていくうちに、想像を絶する狂気的な性格が浮き彫りになり、観る者を翻弄してゆく。こうして役に比例して、アンドリューの演技もエスカレート、劇中でとある事件を起こした主人公が大衆に語りかける演説シーンはまさに迫真の演技。観客に強烈なインパクトを残すシーンとなっている。『メインストリーム』は10月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メインストリーム 2021年10月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
2021年08月20日アンドリュー・ガーフィールド主演、YouTuberの狂乱を描いた映画『メインストリーム』より、予告編と迫力満点のポスタービジュアルが公開された。今回到着した映像では、アンドリュー演じるスマホ嫌いなリンクが、自分を撮影するスマホを取り上げる場面から始まる。撮影していたのは、満たされない日々を過ごすフランキー(マヤ・ホーク)。天才的な話術を持つリンクに魅了されたフランキーは、友人ジェイクを誘い、動画制作をスタート。“ノーワン・スペシャル”と名乗るリンクを撮影し、瞬く間に人気YouTuberへと成り上がる。しかし、リンクは“いいね”を求めるあまり過激化。暴走が止まらず、最悪の事件を引き起こしてしまう。ラストには、「許さない彼が…」という謎のメッセージも残されており、不穏な空気が漂うセンセーショナルな予告編に仕上がっている。そして、ビビッドな画面の中で、不敵な笑みを浮かべるリンクを写し出した迫力満点のポスタービジュアルも到着。カリスマ・偽物、救世主・サイコパスなど様々な言葉が散りばめられ、衝撃的な展開を匂わせている。『メインストリーム』は10月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:メインストリーム 2021年10月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
2021年08月11日『ジーザス・クライスト=スーパースタ― in コンサート』が7月15日(木)から27日(火)まで開催される。本作は、ミュージカル界の⻤才、アンドリュー・ロイド=ウェバーの初期作品『ジーザス・クライスト=スーパースター』をコンサート形式で上演する作品で、2019年の初演は⽇本初となるオリジナル言語である英語での上演、そして世界のミュージカル・スターたちによる夢の共演が大きな話題となった。その待望の再演は、ジーザス役に、ブロードウェイで活躍し現在は韓国ミュージカル界のトップスターとして絶大なる人気を誇るマイケル・K・リー、ユダ役に、ウエストエンドをベースとして世界中に多くのファンを持つラミン・カリムルーが初演に続き出演。さらにセリンダ・シューンマッカー、ロベール・マリアン、アーロン・ウォルポール、テリー・リアンと豪華キャストが来日する。⽇本人キャストは柿澤勇人、宮原浩暢(LE VELVETS)、藤岡正明。出演者のひとりである柿澤勇人に話を聞いた。またこの作品の出演者になれることが嬉しい──『ジーザス・クライスト=スーパースターinコンサート』に出演が決まっていかがですか。僕にとってはすごく思い入れのある作品ですし、日本では劇団四季に戻らない限りは携わる機会のない作品だと思っていたので、これはなにかの縁だと感じています。しかも出演者はマイケル・K・リーやラミン・カリムルーをはじめすごい方たちばかり。きっとコテンパンにされるんだろうなと思っています(笑)。『ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート』出演メンバー最前列左から藤岡正明、柿澤勇人、ラミン・カリムルー、マイケル・K・リー、セリンダ・シューンマッカー、宮原浩暢(LE VELVETS)、階段手前からテリー・リアン、ロベール・マリアン、アーロン・ウォルポール撮影:渡部孝弘──コテンパンにされますか。はい。「やっぱりすごい人はいっぱいいるんだな」と落ち込むことが多々あるだろうなと思いますね。以前、『ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2018』というコンサートでノーム・ルイスやジョン・オーウェン=ジョーンズとご一緒したときも、落ち込んで落ち込んで(笑)。今回も同じようなことになるかもしれないですが、それでも自分の表現の糧にはなると思っています。技術面でも内面でも、学ぶことは多いんじゃないかな。──最初におっしゃった「思い入れのある作品」というのは、劇団四季でのデビュー作だからということですか?はい、それが一番大きいです。演者としても、スタッフとしても、参加した作品ですしね。携わっている期間が長かったんですよ。──スタッフとしても参加されたのですか。劇団四季の研究生の時に〈ジャポネスク・バージョン〉のスタッフワークをしました。それが僕にとっての初舞台でしたね。そして〈エルサレム・バージョン〉が初めて出演した作品です。その時はアンサンブルでした。だから劇団四季でも思い出がたくさんある作品ですし、僕はこの作品が本当に好きなんです。だからまたこの作品の出演者になれることが、やっぱり嬉しいです。いつも、今日を一生懸命生きられればいいと思っている──この作品は、曲をピックアップして歌うのではなく、衣装、道具、セットの転換は無いもののオーバーチュアからカーテンコールまで全幕演奏されるものです。そこはどのように思われますか?もともと『ジーザス・クライスト=スーパースター』(以下、舞台版)も、曲と曲との間に芝居を挟まない、歌だけでつないでいくスタイルの作品ですからね。ただ、舞台版は目がいくつあっても足りないような演出なので、今回のコンサート版のシンプルさは、逆にお客様の想像が膨らみやすいかもしれないと思っています。歌は間違いなくうまいわけなので、完全にアンドリュー・ロイド=ウェバーの音楽に集中して楽しんでいただけますし、ミュージカルが好きな人たちには絶好の機会なんじゃないかな。──歌だけでみせていくことを柿澤さんご自身はどう思われていますか?僕は本当はお芝居なしっていうのは苦手なんですよ。でも今回は本当に素晴らしい役者が揃っているので、きちんとハマれば面白いことになると思います。僕のところであれっと思われないようにがんばるしかないですね。──さっきも「コテンパンに」とおっしゃっていましたし、歌の部分に不安があるのですか?ありますよ。ミュージカルを仕事としてやっていると、それが年々、枷というかコンプレックスになってくるんですよね。歌に関しても、踊りに関しても、全く自信がないです。──経験を重ねて自信がついたりしないものですか。しないです。むしろ年々不安になっていきますね。でも楽しみでもありますよ。(舞台版に出演した)19歳の自分も思い出すだろうし。──当時はスタッフやアンサンブルだったのに、今回はシモン役としてメインで出演されることに、感慨のようなものはありますか?感慨深い気持ちになることは実はあまりないんです。僕は普段から「ここまでがんばった」とか思わなくて。でも実際に舞台に立ったらそう思うのかなあ……いやいやいや……。例えば今年、吉田鋼太郎さんと二人芝居(舞台『スルース~探偵~』)をやらせてもらいましたが、もちろんやり切った達成感はあったけど「ここまできた」とかそういう感覚は全くありませんでした。目の前にあることを一生懸命やることしかないんですよね。今日を一生懸命生きられればいいかなっていう感覚なんです、いつも。──先のことを考えたりされませんか?計算もできないし、読めないので考えません。セルフプロデュースもできないタイプだから、そういうことは事務所に任せています。もちろん「ああしたい」「こうしたくない」みたいな話はしますけど、結局は一生懸命やるしかない、現場で闘うしかない、みたいな感じで生きてきたから。先のことはわからないんです。──そういう日々って苦しいのですか?いえいえ、面白いです。今回も楽しみですもん。はじめましての人と出会うのが僕はすごく好きだし。国も文化も違うので、考え方も違うだろうし、俳優としてどう向き合っているのかとか聞けたらいいなと思っています。──柿澤さんってひとりで大丈夫そうに見えたりするんですけど、実際はそうじゃないんですかね。強く見られがちなんですけど、全然強くないですよ(笑)。誰かに話を聞いてもらいたいし、人の話を聞きたいタイプです。──役者としてはどうなりたいと思われていますか?ジャンル問わず闘えるようになりたいです。以前、とある映画監督と話したことですが、例えば格闘技にも、柔道とか空手とか、ボクシング、K-1……といろいろありますよね。その全部で闘える人がいたら最強だと思うんです。役者の仕事も、監督や演出家によって正解も全く違うし、さらに言えば、映画もあるし、ドラマもあるし、ミュージカルも、演劇もある。僕はその全部でビビッドに反応して表現することができたらいいなという理想があります。まだ全然そんなふうにはできていませんけどね。気軽に来てほしい気持ちと、心して来てほしい気持ちの両方──作品ではイエス・キリストが十字架にかけられるまでの最期の7日間を描くストーリーが描かれ、柿澤さんが演じるのは、キリストの弟子「十二使徒」のひとり・シモンです。『狂信者シモン(Simon Zealotes)』という楽曲もあるようなキャラクターですが、シモンをどうつくっていこうと思われていますか?そこは、コンサートとはいえ芝居だと思ってつくっていこうと思っています。シモンはめちゃくちゃ熱いし、ある意味狂っている人物で。それをどう出せるのかは、演出家とも話し合いながら考えていきたいです。──アンドリュー・ロイド=ウェバーの若い頃の楽曲が素敵ですよね。全部カッコいいですよね。ユダの楽曲は最初の『Heaven On Their Minds』もラストの『SUPERSTAR』もロイド=ウェバーの代表曲だし、じゃあそれだけかと思ったら、ジーザスの『GETHSEMANE』があり、シモンの『Simon Zealotes / Poor Jerusalem』があり、マリアの『I Don’t Know How to Love Him』があって、それも代表曲ですからね。一体何曲あるんだ、この作品に、と思うんですけど、なぜか耳が痛くなるようなことは一切ない。それは物語と登場人物の心がリンクしているからだと思います。非常に観やすいし入り込みやすいメロディです。──それを歌うのは?めちゃくちゃ大変ですよ。男性にとってはとんでもなく高いキーが使われているので。ジーザスなんてもっとですけど。僕にはとても出ないようなキーを、ロック調でガーっと歌ったりするから。それはユダの曲も同じで。ジーザスとユダの曲を歌える人は、海外を含めなかなかいないと思います。それを完璧に操れるキャストが今回来日するので、歌を通して、いろんなものを吹っ飛ばしてくれるようなエネルギーが飛んでくると思います。──シモンの曲も楽しみです。シモンの曲は劇中で一番一体感を感じることができる曲だと思うんですよ。一緒になってお祭り騒ぎできるような曲なので、そこを一緒に楽しんでもらえたらいいなと思っています。──最後に、柿澤さんがお客様に楽しみにしていてほしいことを聞かせてください。世界中の劇場がクローズした状態が続いていて、来日キャストはうっぷんがたまりにたまった状態だと思うんです。だから今回は、世界レベルの声であることに加え、劇場への思いも乗せた声が聴ける思います。そういう特別な、奇跡的な空間になるんじゃないかな。と言いつつも、お客さんにはあまり深く考えずにロックライブを観るような感覚で楽しんでほしい気持ちもあるから……。気軽に観に来てほしいなって気持ちと、心して来てほしいなって気持ち、両方の気持ちでお待ちしています!(笑)取材・文:中川實穗撮影(柿澤勇人):源賀津己『ジーザス・クライスト=スーパースタ― in コンサート』【東京公演】2021年7月15日(木)~7月27日(火)会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11F)【大阪公演】2021年7月31日(土)~8月1日(日)会場:フェスティバルホールチケット情報
2021年07月15日アンドリュー・ガーフィールド主演、マヤ・ホークが共演する映画『メインストリーム』(原題:『Mainstream』)が、10月8日(金)より全国公開することが分かった。監督を務めたのは、フランシス・F・コッポラの孫にして、ソフィア・コッポラの姪となるジア・コッポラ。写真家としても活動する傍ら、水原希子を起用した「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」のCMディレクターや様々なMVの監督としても活躍、若いながらコッポラファミリーの一員として着実にキャリアを重ねている。2013年に鮮烈な監督デビューを果たし、批評家から高評価を受けた『パロアルト・ストーリー』に続く長編2作目にあたる本作では、人気YouTuberへと駆け上がろうとする若者たちの野心と狂気の行きつく果てを描き出す。2020年ヴェネチア国際映画祭にも正式出品され、全米公開時に激論を巻き起こした問題作だ。主演は、2011年『ソーシャル・ネットワーク』で注目され、その翌年には『アメイジング・スパイダーマン』の主役に抜擢、『ハクソー・リッジ』ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたアンドリュー・ガーフィールド。破天荒でシニカル、圧倒的カリスマ性でスターダムを駆けあがり、狂気に染まる主人公・リンクを演じ、またプロデューサーとしても本作の製作に関わっている。ヒロインには、ユマ・サーマンとイーサン・ホークを両親にもち、Netflixシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』への出演でブレイクを果たしたマヤ・ホーク。歌手・モデルとしても活躍し、ファッションアイコンとして絶大な人気を誇る彼女が演じるのは、うだつの上がらない日々を過ごしながら成功を夢見るフランキー。彼女がリンクと出会うことによって彼らの運命の歯車が大きく狂いだしていく。“いいね”のために、彼はどこまでいってしまうのか。過激なYouTuber・リンクには衝撃の結末が待ち受けるという。『メインストリーム』は10月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メインストリーム 2021年10月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
2021年07月13日