ビリヤードってやったことがありますか?筆者が学生のころ、ビリヤードはわりにごく普通のお遊びでした。高校の制服を着たまま、渋谷や高田馬場のビリヤード場に通って友だちと玉突きをして遊んだ記憶があります。当時はカラオケと並ぶお遊びのひとつ。なにも考えていませんでしたが、実はビリヤードって脳を刺激するすごいスポーツなんです。球を突いてポケットに落とす、それだけの遊びのはずなのに、実はものすごく奥深いスポーツ、ビリヤード池袋で定期的に開催!プロによるレッスン池袋のロサ会館。映画館のほか、テニスコートやフットサル場、ダーツなどの複合レジャー施設の老舗です。ここにはワンフロア全部がビリヤード場という、昔ながらのビリヤード施設があり、2カ月に1度、キッズビリヤードが開催されています。入ってみると、薄暗い中にグリーンのテーブルだけが浮かびあがるように照らし出された、昔ながらのビリヤード場の雰囲気。薄暗いため、ちょっと大人の空間なイメージですが、その一角にわいわいとにぎやかな親子のグループが。それが、松本敏明さんを代表とする『キッズビリヤード』のプログラムセッション。未就学児から小学校高学年くらいまでのお子さんと保護者が、ビリヤードを楽しんでいました。未就学児から小学校高学年くらいまでの子とその保護者が一緒に遊ぶ。楽しそう!成功体験から一気にトリコにこのプログラムのすごいところは、総括的にビリヤードの魅力に触れることができるというところ。代表の松本さんはサッカー日本代表選手のメンタルコーチ、そしてそれぞれのテーブルについて指導をしているのは日本で唯一、「ワールドスヌーカーコーチ」の資格を持つ福田豊プロをはじめとする、プロ中のプロばかり。キュー(球を突くための長い棒)の持ち方などの基礎から…と思いきや、今日はじめての参加という4歳の男の子はキューの持ち方なんて関係なく、まずは球を突いてみて「当たった!」「できた!」という感覚を体験していました。すると男の子は次もやってみたい!と見るからにモチベーションがアップ。一緒に来ていたパパがうまく球を突くと、2人で「すごいね!当たったね!」と喜びを分かち合っています。頭ではなく、感覚から入るのだな、というところにまずはびっくり。男の子はキラキラと目を輝かせ、いっきにビリヤードのトリコになったようでした。まずは成功体験。小難しいことは考えず、身体で楽しさを覚える福田プロによるマンツーマンレッスン。ジョークを交えつつ、の気軽さに子どもも気後れせずにトライゲームを通して学ぶ成長プロセスまた、参加者のキッズを集めてテーブルで行われたのは、ジェンガのブロックを使ってのちょっとしたゲーム。『ピタゴラスイッチ』のように、ひとつの球を突くとその球が別の球に当たって転がり、たどりついた先でさらに別の球にぶつかって、最終的にある球を見事にポケットに落とします。このゲームではリードとなるキューが置かれていましたが、実際には角度や力加減などを厳密に計算することで狙った球をポケットに落とすことができるということ、そしてしっかりと見通しを立てることの重要性を即座に理解させてくれます。実際にやってみよう!となったとき、ブロック遊びをしているように見えて、実はビジネス用語でいうところの「PDCAサイクル」を実行しているのだ、と主催者の松本さんは言います。PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Action(改善)」の4段階を繰り返して業務を成功に導く作業のこと。ものごとを遂行するにあたり、まずは計画し、やってみる。失敗したらどこがいけなかったのかを確認し、改善する、というプロセスを繰り返すことによってビジネスを成功に導くわけですが、これは普段から小学校などでも実践されている成長プロセスの訓練です。松本さんによると、ビリヤードはこれの繰り返しであって、自分で問題点を見つけて解決方法を模索し、次へつなげるという訓練になるといいます。まさに左脳を刺激する、成長プログラムと言えそうです。簡単な仕掛けなのに、角度や力加減の重要さをあっという間に理解させてくれる脳をビシバシと刺激理想的なスポーツまた、角度や距離感といった空間感覚をフル活用するのもビリヤードの特徴。球を突いてその軌道をイメージし、球同士がぶつかったあとの軌道までもイメージしていくその想像力は右脳を刺激することにほかならず、遊びでありながら右脳と左脳の両方をフル稼働するのがビリヤードなのだそう。そしてさらに、そうした感覚を研ぎ澄ませ計算しつくしていざこの一突きに精魂を尽くす、その集中力こそがビリヤード最大の醍醐味。それを養うことができるとは、ビリヤードの奥の深さに驚きです。キッズたちが“ピタゴラ装置”に夢中になっている間、松本さんによる保護者へのレクチャーがありました。「子どもたちとの信頼関係の築き方」「子どもへの声掛けのしかた」といった、メンタルコーチならではのレクチャー。子どものやる気をそぐことなく、高いモチベーションを維持しつつ続けていくために必要なことをアドバイスしてくれます。「ビリヤードはボーダーレスな生涯スポーツと言われていて、性別や体力差、世代に関係なく楽しめるのが特徴。より良い狙いを探してテーブルの周りを歩き回るので、けっこういい運動になるのですよ」とのことで、日常的、定期的に取り入れたい理想的なスポーツであることがわかります。なによりも子どもたちと同じ目線で同等に楽しむことができるのが最大の魅力。子どもとともに楽しむ共通の趣味として続けていきたいなと思いました。左から、日本で唯一ワールドスヌーカーコーチの資格を持つ福田豊プロ、キッズビリヤード主催でサッカー日本代表選手のメンタルコーチを務める松本敏明さん、ロボット学校などを主催する関浩一さん。すごい面々による指導親子でキッズビリヤード(Facebookページ)開催場所:東京都豊島区西池袋1-37-12ロサ会館5F参加資格:4歳~小学校高学年まで参加料金(税込):初回1組1000円、2回目以降1組2000円紹介者割引あり先着18組まで※人気があり、すぐにいっぱいになってしまうそうですので、申し込みは上記Facebook経由でお早めに<文・写真:フリーランス記者岩佐 史絵>
2018年04月09日