●人間関係を決定づけるコミュニケーションのスタイル誰でも、コミュニケーションしやすい人と、苦手な人がいるもの。では、苦手な相手とはどうコミュニケーションしていけばいいの?●相性は何で決まるか人間の言動から、人をいくつかのタイプに分類することは、いつの世でも人の関心事。例えば、行動科学のソーシャル・スタイル(社会的行動パターン)理論、NLP(神経言語学的プログラミング)、ハーマンモデルといった名前を聞いたことがある人もいるだろう。こうした現代の理論に共通しているのは、自分の言動と共通点の多い人とのコミュニケーションは比較的容易であり、自分とスタイルの違う人とのコミュニケーションには、困難を感ずる人が多いということ。ではどうすればよいか。●共感性を高めることで、うまくいくここではスタイルを規定する科学的研究などの詳細は割愛して、ずばり、自分と異なるタイプの人とどうやって付き合っていくかに焦点をあててみる。例えば自分は細かなことをくよくよ考えるタイプだが、相手は大胆に決断して、細かなことにこだわらないタイプ。こうした場合にも、相性が良いと感ずる場合と、どうもしっくりいかない場合がある。それはなぜか。答えは“共感性”の高さ、低さであった。共感性とは、異なる人の気持ちを理解しようと努める心の姿勢のこと。大胆な相手に対しては、細かいことは省略して話すなどの努力を指す。逆も同様。自分が大雑把であれば、相手の細かさに少し付き合ってみるといったようなこと。話すスピード、身ぶり手ぶりの大きさや頻度も相手に合わせることがここでいう共感性にあたる。趣味の例で考えてみよう。例えば、相手が野球ファンで自分がサッカーファン。相手の好きなスポーツにまったく興味がない。という場合、あなたならどうした話題を選ぶだろうか。共感性の低い人は、自分に興味のある話題だけ選ぶ。お互いに自分の好きなことだけ話して終わり。共感性の高い人であれば、相手の好きなスポーツについて質問したり、相手の話をしっかり聞くことだろう。自分か、相手の共感性が高いとうまくいくパターンが多い。これは比較的できているのではないだろうか。●コミュニケーションのスタイルコミュニケーションのスタイルでも同じことが言える。共感性を発揮するとうまくいくパターンが多い。自分が感覚的、相手が論理的なパターンで考えてみよう。いつもの自分は思いついたことを、すごい、とか、微妙だねといった感覚的な言葉で表現しているとしよう。論理的な相手に合わせるとすれば、例えばデータを使って、すごさを説明する。「この打者は去年2割5分の打率だったのに、今年は2割8分だよね。この3分を埋めるために、どういう努力をしたんだろうね。雑誌では、○○というコーチの指導で、去年のキャンプから毎日○○をし続けてきたということだね」といった具合。逆もまた真で、数字を多用して論理的な話が得意な人も、感覚的な相手に対しては、例えば、「今年はすごく打ってるよね。かっこいいね。」などと変えてみる。要するに相手に通じやすいように話の仕方を変えることが一番実行しやすい共感性の発揮ということになるだろう。どうもこの人と相性がよくないな、と感じた時、このように自分のコミュニケーションのスタイルをちょっとだけ変えてみてはどうだろうか。人間関係が少しはうまくいくかもしれない。(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ/コミュニケーションズ・スペシャリスト)●著者プロフィール深山敏郎。コミュニケーション改善の請負人として、高級ホテル、外食チェーン、外車ディーラー、IT企業など、20年で延べ4万人あまりを直接指導。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。お問合せ先:info@miyamacg.com執筆協力:石井公一(いしいきみかず中小企業診断士)
2013年03月05日気になる異性と話したいけど、なかなか機会に恵まれない。少ないチャンスでよい印象を確実に与えたい! 恋する女性ならきっとそう願うはず。だけど、限られた時間に相手の心に響く言葉が出てこず、会話が失敗に終わってしまう。そんな繰り返しに頭を抱えている人も少なくないのでは。そこで今回は、患者さんとのわずかな会話から詳細な病状を読み取る、短時間集中型コミュニケーションの達人であるナースに、ちょっとしたやりとりで人の心をとろかす会話術の秘策を聞いてみました。特にベテランナースになると、通路でほんのちょっと声をかけただけで患者さんから「自分の痛みを分かってくれる」と信頼されることも。必見です!■相手のペースに“シンクロ”せよくたくたに疲れている人にハイテンションで話しかけても、会話は弾みませんよね。一方、「今日いいことがあったんだ!」と言っている人に「ふーん、それで?」とつっけんどんに返したら、話す気が失せてしまいます。つまり、相手と違うペースで突っ走るのはNG。心を開いてもらう近道はシンクロ(同調)することです。 「その人ごとのリズム・スピード・タイミングに寄りそうことで、相手の警戒心を溶かし、気持ちを通じ合わせる事ができます」と現役ナースは言います。大怪我をして痛みを訴えている患者さんに、すぐ「大丈夫ですよ」と言ってもあまり説得力がありません。「痛いよね、よく辛抱したね」と患者さんの気持ちを汲み取った上で、「もう大丈夫ですよ」と明るく声をかければ、たちまち“癒しの会話”に変わります。この手法を日常会話にも生かしてみましょう。最初はモノマネでかまいません。向こうが話すペースに、自分の話し方を近づけてみましょう。ゆっくり話す相手なら、自分も落ち着いた口調で。テキパキ話す相手なら、こちらの声のトーンも上げてみて。相手のセリフから大事な部分を繰り返してみるのもいいですね。シンクロ率が高いほど、「話しやすい人だな」と感じてもらえるはず!■たった一言で信頼される!“予告コミュニケーション”「人に合わせるのって難しい」「異性のペースは読めない」そんな人におすすめなのが予告型コミュニケーション! 方法は至ってシンプル。「次は○○するね」などと自分がとる行動を言葉に出してみましょう。たった一言で相手の信頼度がアップする方法です。自分に置き換えてみるとわかりますが「何か変化が訪れるとき、事前に知らせてくれること」で得られる安心は大きいですよね。たとえば注射の前に、ほとんどのナースは「チクッとしますよ」などと一言断ります。患者さんは心の準備ができますね。これも「この人には身を預けてもいい!」と思わせる看護師コミュニケーションの一つです。無言でいきなり注射をすると、同じ治療行為でも嫌な印象を与える可能性もあります。自分の体に触ろうとしているのに何の説明もないと、患者さんは不安になってしまいます。大切なのは、「予測ができない」「想像がつかない」という負担を相手からとりのぞく気配りです。この予告テクは、うまく使えばこちらの要求に気持ち応じてもらえるきっかけにもなります。それほどつきあいの深くない相手と食事に行った時など、相手が次にどうしたいか読めず困ることがありますよね。そういう時に自分から「私ドリンク頼むけど、一緒に注文する?」などと、先にこちらの狙いを伝えてみて。次のアクションが予測できるだけでも相手は安心しますよ。心をつかんだりほぐしたり、ナースの会話の仕方には恋愛に活かせるヒントがいっぱい! 何しろナースは、患者さんやそのご家族が抱えている辛さや痛みをやわらげるプロです。相手が受け取りやすいようにペースを合わせる “シンクロ”。どんな言葉を投げかけようとしているのかを伝える“予告コミュニケーション”。「心とろかす」効果があるのは、どちらも患者さんに真摯に向き合うナースの心が生んだ会話術だからこそです。スムーズな会話のためには、自分本位ではなく、相手の状況を思いやった話し方をしてみましょう。きっと人のハートをつかむことができますよ!■今回ご紹介した以外にも、恋愛術や生活の知恵など、ナースの意外な情報を大公開中! ナースフル×ウーマンエキサイト特別企画ページ ■取材協力: リクルートの看護師求人・転職パートナー「ナースフル」
2013年01月28日