今年の春も、心ときめくコスメが目白押し。2024年春夏「ananモテコスメ大賞」トレンド部門編では、俳優の前田公輝さんがトレンドの香りをチェック。前田公輝×ふわり春気分フレグランス香りは空間づくりにもなり気分を変えるスイッチにも。香りデビューは中高生の頃。当時流行の『グッチ』の「ラッシュ2」だったという前田公輝さん。現在は、もう10年近くも『イソップ』の「マラケッシュ」を愛用しているそう。「本当はいろんな香りを試してみたいけど、寄り道しても結局、このウッディかつスパイシーな香りに戻っちゃうんです。香水をつけているというより、まるでお香のように、日常に溶け込む香りが大好き」撮影現場やプライベートで、香りはマスト。愛用ポーチには常に「マラケッシュ」を忍ばせている様子。「体につけなくてもマスクにつけたり、香りだけ嗅いだり。香りって集中力を高めたりテンションを上げたり、逆にリラックス作用もある。それが空間づくりにもなれば、気分を変えるスイッチにもなるんです」凛と佇む樹木が放つ華々しさがクセになる 賞【THREE】エッセンシャルセンツ X02 SAKURA MIDTOWN桜を樹木と捉えた新感覚の“SAKURA”ラベンダーなどの甘さをピンクペッパーで引き締め、ベルガモットやゼラニウムで舞い散る花びらを表現。桜=樹木と捉え、ウッディフローラルという新感覚な香りを提案。「好みのウッディ×スパイシーで、頭がクリアになる感じ。撮影現場で休憩から戻る時に、香りだけ嗅いで気合を入れたい」。9ml ¥5,390 3/3限定発売(THREE TEL:0120・898・003)「僕の肌がもともと甘い香りなのと、基礎体温が高いので、短時間で香りが変化しやすくて。それも香水をまとう楽しみです」エネルギーをもたらしモチベUPできる 賞【MUCHA】ヘアオイル リリーふわりと髪から香るやる気みなぎるリリー。アボカド油など8種の植物由来のオイルを使用した、シリコンフリー処方。華やかで濃厚なユリを主役に、エキゾティックなイランイランと甘いバニラの香りをブレンド。髪、手、体をケアできる。「エネルギーを感じ、精神を安定させてくれる香り。筋トレや有酸素運動をする時に髪につけたい」。35ml ¥5,940 3/1発売(ミュシャ)「最初は甘さの中にほんのり酸味を感じ、体温によって甘さが増す感覚でした。僕はボディよりも髪につけるほうが好き」地球にも香りをまとう人のマインドにも優しい 賞【SHIRO】ゼロサボン オードパルファン悩みも優しく包み込むような清潔感ある香り。エシカルなモノづくりを続けている『シロ』。規制に伴うリニューアルで余った香料を使えるよう調節し、魅力をさらに引き出したサボンはジェンダーレスに。「家でリラックスしつつコンビニに行けるぐらいのワンマイルウェアに合わせたい。悩みを緩和させる優しさを感じます」。40ml ¥4,180 限定発売(シロ カスタマーサポート info@shiro-shiro.jp)「お風呂上がりのような清潔感ある香りなので、手首につけたい。携帯をいじった時にふわっと香るぐらいがいい」Gouki Maeda1991年4月3日生まれ、神奈川県出身。放送中のドラマ『アイのない恋人たち』(テレビ朝日系)に郷雄馬役で出演。美容男子としても知られている。※『anan』2024年2月28日号より。写真・恩田はるみスタイリスト・大島有華取材、文・若山あや(by anan編集部)
2024年02月23日2024年春夏「ananモテコスメ大賞」トレンド部門編では、“春めく旬顔メイク2024”に注目。登場するのは俳優の中田青渚さん、メイクは野口由佳さんです。鮮やかな発色が目を引くシアーリップがトレンド。この春はマットな質感のものよりも、ツヤ感や光沢といった、みずみずしく軽やかな印象に仕上がるシアーリップが狙い目。「これまではシアーリップのなかでも薄づきのものが主流でしたが、今季のシアーリップは高発色のものが豊富。赤やピンク、オレンジなど、ひと塗りでしっかりと色づくタイプを選ぶと、より今年らしい表情に」(ヘア&メイクアップアーティスト・野口由佳さん)そこで野口さんが提案する、赤、ピンク、オレンジの主役級シアーリップを使った旬顔メイクに、俳優の中田青渚さんがチャレンジ。「唇はうるうるさせていたいので、シアーリップは大好きです。ただ、私はもともと唇がぽてっとしているせいか、濃い色を塗ると口元が強調されすぎてしまう気がして、普段使うリップはどれもナチュラルな発色のものばかり。でも、今日使ったリップは3本とも高発色なのに、全然強い印象にならなくて、これがプロの腕か、と驚きでした(笑)。ポイントさえ押さえれば、私でもはっきりとした色のリップを使えるという新発見があったので、この春こそはぜひ試してみたいです」(中田さん)主演顔リップ~ヒロインレッド欲しい機能を凝縮したハイブリッドリップ 賞【ADDICTION】リップ セラム ティント 007ツヤも発色も色持ちも思いのままに。ティントの色持ち、グロスのぷっくりとしたツヤ、ルージュの高発色、そのすべてを兼ね備えた一本。スキンケア発想のみずみずしい使用感で、軽やかな仕上がりと心地いい潤いが長時間持続。「大人っぽい色だけど、暗くなりすぎないので普段使いしやすそう。発色の美しさはもちろん、メイクチェンジのときも全然落ちなくて(笑)、その色持ちの良さにもびっくりしました」(中田さん)。¥3,520(アディクション ビューティ TEL:0120・586・683)Makeup Point自分好みの発色になるまでチップで薄く薄く重ねていき、指でポンポンと塗り込む。オールシーズン使える万能カラーだからこそ、シャドウやチークは薄めのピンクでまとめるのが、口元に視線を集めつつ、春らしい表情に仕上げるポイント。ワンピース¥66,000(ヘンネ/ヘンネ カスタマーサポートcostomer@haengnae.com)ピアス¥36,300(ジュスティーヌ クランケ/ザ・ウォールショールーム TEL:03・5774・4001)主演顔リップ~ハンサムピンクカジュアルにも振れる媚びない大人のピンク 賞【YSL】ルージュ ピュールクチュール No.44透明感を引き立てる絶妙なミルキーピンク。ワンストロークで叶う上質なサテンのような艶めき。甘すぎず洗練された大人のピンクカラーで肌馴染みの良さも抜群。「もとの唇の色を引き立ててくれるようなきれいなピンク色。ピンクは幼く見えそうなイメージでしたが、このリップは全然違う。今日着たデニムのようにカッコいい感じのファッションとも相性が良くて意外でした。赤ちゃんの唇のようなうるうる感も好き」。¥6,050 3/1発売(イヴ・サンローラン・ボーテ TEL:0120・526・333)Makeup Pointブラシに取らず、そのままさらっとワンストロークで仕上げるのが抜け感を演出するコツ。甘くなりすぎないよう、赤みブラウンのシャドウとネイビーのアイライン、そしてチークレスでカジュアルダウンを。インナー¥25,300(ラインヴァンド/ラインヴァンド カスタマーサポートcustomer@leinwande.com)オーバーオール¥9,999(H&M/H&M カスタマーサポート TEL:0120・866・201)ネックレス¥2,530(whimwhimtinythings@gmail.com)主演顔リップ~はつらつオレンジ塗りたての血色とツヤを一日中キープできるで 賞【KANEBO】ルージュスターヴァイブラント EX1鮮やかな血色カラーで生き生きとした表情に。生命感宿る鮮やかな血色と美粘膜のようなツヤが纏えるラスティングルージュ。赤ちゃんの未熟な肌を包む胎脂に着想を得て開発された保湿成分配合で、ふっくらとした唇に。「オレンジは似合わないと思っていたんですけど、想像より柔らかい印象に仕上がってすごく気に入りました。ツヤツヤで乾燥もしにくそう。オレンジが苦手な人にこそ、おすすめしたいアイテムです」。¥4,620 限定発売(カネボウインターナショナルDiv. TEL:0120・518・520)Makeup Point唇がふっくらと見えるよう、上唇の山の左右のみをややオーバー気味に1度直塗り。その後、中央だけ重ね塗りをしてオレンジの鮮やかな発色を強調。アイシャドウや眉マスカラもすべてオレンジ系で統一すると、よりフレッシュな印象に。トップス¥9,999スカート¥9,999(共にH&M/H&M カスタマーサポート)イヤリング¥7,700(Jouete TEL:0120・10・6616)Seina Nakata2000年1月6日生まれ、兵庫県出身。’14年、芸能界デビュー。出演作にドラマ『中学聖日記』『だが、情熱はある』『らんまん』など。公開中の映画『市子』では吉田キキ役を務めた。野口由佳さんヘア&メイクアップアーティスト。トレンド感を意識したナチュラルメイクに定評があり、本誌をはじめ、さまざまな雑誌で活躍。俳優やモデルのヘアメイクも数多く手がける。※『anan』2024年2月28日号より。写真・芦澤 周(S-14)スタイリスト・石田 綾ヘア&メイク・野口由佳(ROI)取材、文・恒木綾子(by anan編集部)
2024年02月22日登場人物は7歳の自閉症の少女。幼いながらにガンに侵され、死を意識しながらさまざまなことに想いをめぐらせる。舞台『スプーンフェイス・スタインバーグ』は、そんな“スプーンフェイス”と名付けられた少女の独白からなる一人芝居。それを片桐はいりさんが演じると聞けば、反射的に「観てみたい!」となる人は多いはず。しかし当の片桐さんときたら、「セリフを言うってことに興味がないので、本当に私、これやるんですかねって感じです」と、冒頭から思いもよらない発言が。「長ゼリフも死ぬ役も嫌なんですけれど、やってるうちに楽しくなってきました」「デビューしたのが劇団だったんですけれど、当時、あまりにも滑舌が悪いし、声は小さいし…。だから、言葉はしゃべるけれどひと言も理解できないっていう設定の役をやっていたくらい。そんな出自だから、ずっとセリフを言うってことがちゃんとわからないし、ありえないって思っていたタイプなんです」そのせいか、近年はフィジカルを主軸とした舞台に多く出演していた片桐さん。しかしコロナ禍のなか出演した舞台で「ちょっとセリフを言うのが楽しいかもと思えた」のだそう。「その流れがなかったら、台本を読む前に断っていたと思う」とも。「ここまで何十年も俳優をやってきて、今さら何言ってるのって話なんですけれど、今回、台本って目で読んだだけで判断しちゃダメなんだなって思いました。一時期はセリフを言いたくなさすぎて、台本の長ゼリフの塊を見ただけでお断りしたこともあったくらい。でも今回の台本をいただいて、何気なく口に出して読んでみたら面白かったんです。物語自体は、自閉症でガンになって、しかも両親も問題があって…すごく悲惨なわけですよ。でも、声に出してみたら楽しい部分が結構ありました。読んでいるときにはわからなかったけれど、子供ならではのモノを見る目というのか、結構皮肉もあったりして。…もっと早く気づけよ、っていう話なんですけれど」演出をつとめるのは、’17年の舞台『チック』で読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し、深い洞察力で戯曲から人間味溢れる人物像を描き出すことに定評がある小山ゆうなさん。「稽古が始まった当初は、老人ホームの老婆が7歳の女の子になりきってる設定とか、いろんなことを提案したりしていたんです。でもやっていくうちに、これはシンプルにやるほうが面白いかもしれないと思うようになりました。小山さんはさすが、いろんなアイデアを持っていらして、1時間くらいの上演時間でも観る側が退屈しないようにとすごく考えてくださっている。まだまだどうなるかわからないけれど、いろんな可能性がある作品だなと思います」片桐さんとWキャストで本作を演じるのは安藤玉恵さん。いずれも舞台はもちろん映像でも数々の個性的なキャラクターを演じ、独特の存在感を発揮している俳優同士。「稽古もバラバラでやるのかと思っていたら結構一緒で、小山さんを交えて作品の勉強会をしたり、翻訳の常田(景子)さんと会って、セリフの細かいニュアンスを相談させてもらったりしています。同じシーンでも、私はこう変えたいけれど安藤さんは変えない、みたいなところもあって。演出自体はそんなに変えられないけれど、演じる人によってかなり違う印象の作品になるんじゃないかと思うんですよね」一人芝居だけれど、同じ役に向かう同士がいることで心強さも。「それだけで助かりましたって感じです。じつはこの作品、安藤さんが先に決まっていて。だからやるって選択肢があり得た部分もあるんです。今、ちょっと変で面白い作品に、たいてい安藤さんが出演されている印象があるんです。そういう方が先にキャスティングされているっていうことは、普通のことをやろうと思っていないんだっていうアピールだと思って。そしたら私は違う側からやります、ってことができるのかなと思っています」膨大なセリフ量に加え、「病気で苦しむ役はやりたくない」とも話していたけれど、稽古が進むにつれ「嫌なことをふたつもやっていたら、結構楽しくなってきた」のだとか。「嫌は嫌なんだけれど、苦手なホラー映画をゲームとして最後まで観きった感覚かな。これだけ毎日付き合って、エリザベス・キューブラー・ロス(アメリカの精神科医)の、死について書かれた本まで読んだりして。だんだん慣れ…というか克服できてる気がして」自らの死期を知り、死と向き合っていくスプーンフェイスの独白は、子供らしい無邪気さと自由さに溢れ、どこか希望も感じさせる。「私は、基本的に面白いことをしたいタイプの俳優で、一人芝居で何かを乗り越えようとか素晴らしいことをやりたいとか思ってないんです。単純に、ちょっと異色の面白い作品になったら私は満足です」KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ』“スプーンフェイス”と呼ばれる7歳の自閉症の少女は、自身がガンに侵され死ぬ運命にあることを知る。徐々に症状が悪化していくなか、大好きなマリア・カラスの歌を聴きながら、自分がこの世に生まれた意味を問い続ける。2月16日(金)~3月3日(日)横浜・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ作/リー・ホール翻訳/常田景子演出/小山ゆうな出演/片桐はいり・安藤玉恵(Wキャスト)一般5500円A&Kセット券(特典付き)9800円ほかチケットかながわ TEL:0570・015・415(10:00~18:00)©Tadayuki Minamoto※『anan』2024年2月21日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月19日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、人の内臓まで温める女性、「体を温めるものをくれる女」になりきり。カイロや飲み物は、ちょっと余分に買ってみよう。寒い時期になると、「よかったら使って」と、カイロをもらうことがあります。そんな時、体を温めるものを渡せる人って、なんて心があったかいんだろう…と思わずにいられません。いろいろなプレゼントがあるけれど、「これで温めてね」という添えられる言葉が、もう温かいですよね。しかも、自分がカイロを買う時に、他の人の分も買っておこうという心遣いも嬉しいもの。ポケットとかに入れて触るたび、あの人がくれたやつだ…と喜びが時間差でやってくるし、何度もじんわりした気持ちになれます。たまに、仕事の現場でスタイリストさんやスタッフの方が、すでに温まった状態のカイロをくれることも。“これ、あなたが育てたものなのに、いいんですか…?”と感動してしまいます。ある時は、クリスマスプレゼントとして腹巻きをくれた人がいて、腸とか内臓を温めるものというのも、高度な贈り物だなと感心しました。たしかに、腹巻きは細かいサイズもないし、値が張らないものもあるので、渡しやすいアイテムだなと。しかも、外からは見えないので、ちょっとポップなデザインとかも選びやすいですよね。エアコン対策として夏に使う人もいるそうですし、若い頃は、腹巻きなんて…と思っていたけれど、この歳になると、すごくありがたみを感じるもの。寒さに打ち勝つためにも3首含め温めることは、本当に大事ですからね~。カイロを渡してくれる人は、平和主義者で、自分が寒い日は隣の人も寒いだろう、温めてあげようと思いやれる人のはず。そんな人になるためには、自分がカイロを買う時には、その後に誰かに会う予定があるならば、ちょっと余分に買ってみる。夏だったら飲み物にしてみたり。想像力を働かせてみましょう!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。※『anan』2024年2月21日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2024年02月18日連続テレビ小説『ブギウギ』やドラマ『ブラッシュアップライフ』などで、あらためて俳優としての振り幅の広さを感じさせた水川あさみさん。40歳の今、思うこととは。役が自分にハマらないという時期がありました。――連続テレビ小説『ブギウギ』の趣里さん演じるスズ子の母親・ツヤ役が素晴らしかったです。お風呂屋さんの番台で常連客と賑やかにしゃべるシーンがとても自然で、普段からあんななのかな、と。関西出身のキャストの方が多くて、カメラが回ってないときもずっとしゃべっていたんです。物語が「はな湯」から始まるので、スタートをみんなで盛り上げていこうという意識も合わさって、現場では私が負けるぐらいみんな賑やかでした。私はツヤさんほどの豪快さはないですけれど、きっと大阪がそういう文化なんだと思います。知らない人にも挨拶したり、平気で話しかけたり。――年齢差がさほどない趣里さんの母親役ということに驚きました。私もびっくりしました(笑)。ただ、これまでもお母さんの役をやっていないわけではないんです。『ブギウギ』の脚本を担当している足立(紳)さんは、私が出演した『喜劇 愛妻物語』という映画では脚本に加えて監督も務められていて、足立さんが描く母親像みたいなものがとても面白かったんです。キャラクターも立っていて、セリフひとつひとつに、その奥にある愛情深さを感じさせる。足立さんの描く母親なら演じたい、と思ったのも出演を決めた大きな理由です。お母さんってどうしても“いい母親”として描かれがちですけれど、足立さんはお母さんでありながらちゃんとひとりの人間で、女であり母親である、多面性を描いてくださっているところが好きだな、と。――ツヤの表情やセリフの端々からスズ子への愛情が感じられて…、あの深い母性はどこからきたものなんだろう、と思っていました。何かを愛おしく思う気持ちって、誰しも持っていると思うんです。うちで飼っている猫を愛おしく思うとか、よその子を可愛く思う気持ちと、そんなに変わらない。ただ、お芝居だけで愛おしい気持ちを表現しようとするのはやっぱり難しい。愛情だけでなく、怒りとか悲しみとかもそうですけれど、日常生活でどれだけ自分がエモーショナルに生きているか…そのことがお芝居に反映されると思っています。――ご自身が出演する作品を決めるにあたって、何か基準にされていることはあるんでしょうか?イメージが固定されないようにというのは意識しているかもしれません。これまでやったことのないことをやりたいと思ってはいるものの、関わる作品や役柄が増えていくと、どうしても似通った役というのは出てくるんですよね。でも、そこに自分の人生経験や俳優としての経験値を合わせたときに、まったく違うように見せられるかもしれない、という面白さに最近気づき始めていたりします。――気づきはどんなところから?徐々にですね。作品や役に対する気づきって、日常の中で得られることが多いです。運動して帰る途中とか、運転している最中とか、お皿を洗っているときとか。ふと、あのシーンってこういうことなのかなって思ったり。――現在40歳。よく30代に入ると女性が演じる役が少なくなる、と言われますが。30代後半に入った頃だったと思いますが、役がうまく自分にハマらないというときがありました。でもそういう時期なんだなと思って、自分の中で面白く変換できるものをやればいいやと切り替えました。ただ最近…年齢を重ねるごとにお芝居が面白くなっているんですよね。演じることへの楽しさが増しているというか。自分の捉え方が変わったからなのか、そう感じ始めたら、いろんな面白い役をいただくようになりました。これまで40代になるとお母さん役しか来ないんじゃないかと思っていたけれど、他の国の女優さんたちには40歳から活躍される方もいますし、そういう存在を目指したいなと思っています。――どんな瞬間に、お芝居が面白いと感じるんでしょう?これまで知らなかった感覚に出合えた瞬間とか、知らなかった気づきを得られたときですね。あと舞台では、稽古を重ねながら徐々に自分の体の中に役が浸透してきて、役がこんなふうに立体的になるんだって感じたときです。――エモーショナルに生きる、とおっしゃっていましたが、普段はどんな生活を送られていますか?普通ですよ。何かを感じようと生活するのではなく、日常の中で起こる些細なことにちゃんと心を動かすことが大事というか。地面にできた虹に感動したり、雲がひとつもない空を見て「今日も生きててよかった」って思ったりとか。――ご結婚も、そんな日常生活に作用しているんでしょうか?お互い近い感覚を持っているので、それで助かっていることは多いです。役者として相談し合うこともありますし。――同じ職業だけに、ライバルみたいな感じにはならないですか?ライバルというよりは仲間って感じかな。同じ立場だからこそ理解できることや助け合えることが多い気がします。たとえば、仕事で悩んでいるときに、自分とは違う角度からのアドバイスはとても参考になりますし、そばで見ていてくれる人がいるから、しょうもない芝居は絶対できないと思わされる。そうやって切磋琢磨できるのがありがたいです。水川さん出演の舞台、KERA CROSS第五弾『骨と軽蔑』は、ケラリーノ・サンドロヴィッチによる戯曲をさまざまな演出家が演出する「KERA CROSS」シリーズのラスト。KERA自ら戯曲を書き下ろし、演出する。2月23日(金)~3月23日(土)日比谷・シアタークリエで上演。共演に、宮沢りえ、鈴木杏、犬山イヌコ、堀内敬子、峯村リエ、小池栄子。福岡、大阪公演あり。東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777みずかわ・あさみ1983年7月24日生まれ、大阪府出身。15歳で俳優の道に。2020年に出演した映画『喜劇 愛妻物語』で数々の映画賞を受賞。近作に映画『沈黙の艦隊』『唄う六人の女』、ドラマ『ブラッシュアップライフ』『ブギウギ』など。Amazon Originalドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』が世界独占配信中。映画『霧の淵』が4月公開予定。シャツ¥28,600(WAXMAN BROTHERS)ピアス¥10,450(KENNETH JAY LANE) 共にCITYSHOP TEL:03・6696・2332ネックレス¥70,400(ENEY/ENEY松屋銀座 TEL:03・3566・2139)※『anan』2024年2月21日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・岡部美穂ヘア&メイク・大上あづさインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月17日朝の番組で、友人の山田孝之さんから、“いるだけで空気がよくなる人”と言われていた水川あさみさん。この日も水川さんが登場した瞬間から現場は朗らかムード。気さくなだけでなく、ユーモアを交えたトークでみんなを笑顔にし、賑やかな雰囲気に。誰もが一気にファンになる、その人柄に迫りたい。――目前に舞台、KERA CROSS第五弾『骨と軽蔑』の出演が控えていますが、昨年末から舞台が続いていますね。’20年に予定されていた『リムジン』がコロナ禍で延期になり、それが昨年の秋に上演できたんです。だから、こうして時期が続いたのはたまたまで。舞台はいまだに慣れないし、自分としてはかなり気合が必要です。――そんななか、出演を決められたのはどういった理由ですか?舞台はどこか全裸で立たされているような感覚になります。私はまだまだだなって思わされるし、こんな表現もできるんだと気づかされることもたくさんあって、怖いけどやりたい。でもそれだけでおいそれと決断できない、という相反した気持ちです。――同じ作品を毎日やるのが苦手という方と楽しめる方とがいらっしゃいますが、どちらですか?楽しいんだなということに『リムジン』で気づきました。舞台って生モノなので、毎日違うところでつまずきそうになったり、芝居の間合いが変わったりするんです。私は今まで毎回同じにすることが正しいと思っていたんですが、そうじゃないのかもと気づいたんです。お客さんが違えば空気も変わって、同じことをやっても昨日とは違う。お客さんも一緒に舞台を作ってるんだと実感した、というか。変化があるから舞台って面白いんだって…今はそんな感覚です。――『骨と軽蔑』は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)さんの書き下ろしです。シニカルな笑いもあり、ビジュアル的なセンスも含めて世界観の構築が見事で、その精度が年々さらに研ぎ澄まされている気がします。KERAさんの舞台は以前から拝見していますが、目で見て楽しいですし、登場人物も奥行きがあり、お話もユニークなものからシリアスなものまで幅が広くて面白い。一度はご一緒してみたいと思っていたときにお話をいただきました。しかも宮沢りえさん、小池栄子さん、鈴木杏さん…と、素晴らしいお芝居をしている姿を何回も見ている方々と一緒にできる機会なんてそうないことですし、これはやるしかない!と。怖いんですけど(笑)。――(笑)。舞台はわりとご覧になるほうですか?そこまで観ているとは言えないですが、いい作品を観た後のなんともいえない高揚感のまま家に帰ることがあって、そんな気持ちにさせられる舞台を自分もやってみたいと思うことはあります。KERAさんの、みんなが一斉にゲラゲラ笑うとかじゃない、少しハズした笑いとか好きなんです。昨年の舞台でもありましたが、稽古場では気づきもしなかったところでお客さんが笑うときがあって、そういう予期せぬ部分も楽しみで。――KERA作品に水川さんの出演が決まったときに、ぴったりだと思ったんです。どんな役でもどんな作品でも肩肘張らず、自分のイメージにも縛られることなく、ストンと作品の世界観に馴染んでいく印象があって。どうなんだろう…ただ、自分をこう見せたいとかいうのはないですね。“水川あさみってこういう人”っていうものがバラバラなほうが嬉しいし、なんならイメージなんてなくていいくらい。インパクトのある役をやると、似たようなイメージの役が続くことって多いんですが、できるだけ違う役だったり、違う作品性のものに出たいと思っています。――水川さんというと、周囲と壁を作らずオープンな雰囲気があります。10代の頃から多くの人の目に触れる場にいながら、壁を作らないフラットな印象というか。『あさイチ』でも山田孝之さんが、水川さんがいるだけで現場が明るくなると話していましたし。そうですね。基本的に人に対してあまりガードはないほうかもしれません。知っている人がいる現場だと余計に(笑)。こっちから話しかけて、相手が人見知りの方だなと思ったら距離感は守りますけれど。でも確かに、人見知りではないんだと思います。水川さん出演の舞台、KERA CROSS第五弾『骨と軽蔑』は、ケラリーノ・サンドロヴィッチによる戯曲をさまざまな演出家が演出する「KERA CROSS」シリーズのラスト。KERA自ら戯曲を書き下ろし、演出する。2月23日(金)~3月23日(土)日比谷・シアタークリエで上演。共演に、宮沢りえ、鈴木杏、犬山イヌコ、堀内敬子、峯村リエ、小池栄子。福岡、大阪公演あり。東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777みずかわ・あさみ1983年7月24日生まれ、大阪府出身。15歳で俳優の道に。2020年に出演した映画『喜劇 愛妻物語』で数々の映画賞を受賞。近作に映画『沈黙の艦隊』『唄う六人の女』、ドラマ『ブラッシュアップライフ』『ブギウギ』など。Amazon Originalドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』が世界独占配信中。映画『霧の淵』が4月公開予定。シャツ¥28,600(WAXMAN BROTHERS)ピアス¥10,450(KENNETH JAY LANE) 共にCITYSHOP TEL:03・6696・2332ネックレス¥70,400(ENEY/ENEY松屋銀座 TEL:03・3566・2139)※『anan』2024年2月21日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・岡部美穂ヘア&メイク・大上あづさインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月17日通称・“国民的地元のツレ”ことヒコロヒーさんが、初めての、恋愛小説の短編集『黙って喋って』を上梓。ページをめくるたび、「あぁこの感情、知っている」と“心当たり”に胸がチクリ。切なく、魅力的な作品です。リアルな描写に、心当たりが…。ヒコロヒーさんが恋愛小説を書いた。朝日新聞のウェブマガジンにて、4年にわたって短編の恋愛小説を書いてきたヒコロヒーさん。今回その短編が1冊の書籍になりました。「小説執筆は、20代の女の子たち向けのウェブマガジンの編集の方から、“読者に向けた恋愛のお話を書いてみませんか?”と声をかけてもらったことがきっかけでした。それまでエッセイのようなものは書いていたんですが、小説は初めてで。でも“小説のような大げさなものではなく、8000文字前後のちょっとした物語を”というお話だったので、それなら気楽にできるかな、と。ほんの軽い気持ちで引き受けたんです」もともと、コントの台本は自ら書いているヒコロヒーさん。ゼロから人物を作りセリフを言わせ展開を考える…という行為は、小説における〈物語の構築〉と似ている部分もあり、その部分での苦労はなかったそう。そしてテーマが決まっていたことも、自身にとっては功を奏した、とも。「テーマがあることによって書くことに枠ができますが、私はむしろ、“何を主題にしてもいいですよ”と言われたら、自由すぎて書けなかったかもしれません」与えられたテーマは“恋愛”。ヒコロヒーさんは恋愛を、「普遍的なものであり、だからこそモチーフとして面白い」と言います。「いわゆる恋愛の〈惚れた腫れた〉は、なんだかんだとほとんどの人が通るもの。普遍性があるものはやっぱり面白いと思いますし、だからこそ恋愛は、落語や漫才、コントなど、お笑いの世界のあらゆるところで話のモチーフになっているんだと思います」この一冊に収録されているのは、出てくる人たちも、シチュエーションもすべて異なる18の恋物語。テンポの良い会話と絶妙な角度からの描写で展開するストーリーは、恋を知る人の心の琴線を密かに震わせ、気がつけば、かつて胸のどこかに染み込んだ“あの感情”が浮かび上がり、“この恋、私にも心当たりが…”と思わされる。そんな魅力的な一冊です。「モデルがいる、ということはないですが、友達の恋愛話からちょこちょこいろんな要素はもらったかもしれません。恋愛話を聞くときって、“で、どうなったん?”って、次の展開を考えながら聞くんですが、私が想像しなかった展開になることが多いんですよ。“え、なんでそこで付き合わんの?!”みたいな(笑)。だからもしかしたらここに収録された物語は、私が思う、〈叶わなかったもうひとつの恋の展開たち〉みたいな感じなのかも」ヒコロヒーさんにとって恋とは、ままならないからこそ面白く、そんなわかりやすいものなら誰も恋愛にここまで熱狂しないだろう、とも言います。「お互い別の人間だから、そもそもなにもかもがままならない。コミュニケーションにおいて言葉は重要で、特に恋愛ではより言葉への依存度が高くなる。会話って、腹の中の探り合いみたいなところがあるじゃないですか。それによって相手との距離を測ることもできるし、本心で言っている場合もあるから、真に受けていいときもある。つまり、わかり合えないからこそ、互いに喋らなあかんし、同じように黙らなあかん、ということなんです」他愛のない物語、だからこそ胸にくる。『黙って喋って』ヒコロヒー朝日新聞出版1760円女たらしのバンドマン、かつても今もその一歩が踏み出せない彼、「あと十分一緒にいたい」と言い出せない彼女、別れた彼の結婚に心をかき乱される女性…。初の小説とは思えない、完成度の高い恋愛小説が楽しめる。ヒコロヒーさんピン芸人。1989年生まれ、愛媛県出身。著書にエッセイ集『きれはし』(Pヴァイン)が。好きな恋愛小説は、O・ヘンリーの『魔が差したパン』、坂口安吾の『二十七歳』。※『anan』2024年2月21日号より。写真・内山めぐみ(by anan編集部)
2024年02月17日モノと情報に溢れた現代社会。恋愛だけでなく、人生の選択肢が増えたなかで、人は何に重きを置くのか?愛かお金か、究極の選択のもと奮闘した5人に、イマドキの“恋愛の本音”を聞きました。真実の愛か500万円か、究極の2択を迫られる!ABEMAで配信され話題を呼んだ恋愛番組『LOVE CATCHER Japan』最大の特徴は、真実の愛を見つける“ラブキャッチャー”か賞金500万円を狙う“マネーキャッチャー”のいずれかを選んで参加すること。男女各5人が正体を隠したまま、親交を深めながら8日間の心理戦を繰り広げる。選択は最終的に変えることも可能。そんな究極の選択のもとに奮闘した参加者の女性5人が、赤裸々トーク!愛に生きるのか、お金をとるのか。現代の恋愛観が浮き彫りに。座談会やプロフィールにはネタバレが含まれるのでご注意を!『LOVE CATCHER Japan』とは?韓国の「Mnet」が制作して話題を呼んだ恋愛番組の日本版で、マレーシアのリゾートにてオールロケ。50台以上のカメラで参加者のリアルな表情を捉える。鋭い考察とトークで番組を盛り上げるスタジオMCは見取り図、木村昴、鷲見玲奈、井上咲楽。ABEMAにて全話見逃し配信中。©CJ ENM CO., LTD. All Rights Reserved ©AbemaTV,Inc.Q、恋愛とお金、どちらが大事ですか?恋愛:50%、お金:50%編集部では恋愛のほうが上回るかと予想していたのですが、結果は見事に半々に…!番組参加者のみなさんも最終的な選択で揺れ動いていたように、やはりどちらも甲乙つけがたい究極の選択なのかも。Q、自身にとって、恋愛は必要・重要なものだと思いますか?はい77%、いいえ23%「いいえ」と答えた人は、「趣味や仕事の話をするほうが多い」「仕事や推しのことが大事になった」(共に30代・会社員)など、仕事や趣味に重きを置く人も増えており、30代は特にその傾向が。恋愛とお金、どっちが大事?イマドキ“恋のモチベ”の本音。左から、井上 瞳さん(24)、海津雪乃さん(25)、矢ヶ部初音さん(31)、谷岡美沙紀さん(23)、ヴァッツ美良さん(24)――ひとみさん以外、女性4人が“マネーキャッチャー”を最初に選んでいましたね。井上 瞳さん(以下、ひとみ):それにはびっくり(笑)。海津雪乃さん(以下、ゆきの):男性側は“マネー”が、1人だけだったのも驚きだよね。ヴァッツ美良さん(以下、みら):やっぱり女性のほうが現実的なんだろうな。谷岡美沙紀さん(以下、みさき):でも、途中から500万円はどうでもよくなった。お金なんてただの紙みたいな。矢ヶ部初音さん(以下、はつね):旅の間は自分のお金を使うこともまったくなかったから、お金への執着が消えていったよね。私が最後に“マネー”から“ラブ”に変えたのは、今後の人生を考えたら、せっかく出会えたみんなとの関係が壊れるほうが嫌だなって。500万円で得ることより、失うものが大きいと思った。みさき:帰国して、東京は欲望と嫉妬にまみれてヤバいと思った(笑)。人間関係、断捨離したもん。ゆきの:帰ってきて現実に戻ったら、家賃に光熱費にと生きるのにはお金がかかることをより実感して、自転車移動に変えた。汗水流して働かなきゃ(笑)。――“愛=美しい”“お金=汚い”という価値観について、どう感じますか?ひとみ:私は“ラブ”を選びましたけど、“ラブキャッチャー=いい子”だとは全然、思わないです。旅に出発する直前に500万円だと聞いた瞬間「ちょっと考えていいですか」って言っちゃいましたもん(笑)。ゆきの:番組を見てくれた人たちのコメントでも「“マネー”より“ラブ”のほうがいい人」って思われてる。それもすごく理解できるんだけど、そうシンプルな話でもない気がする。稼ぐことが大変だとわかっているからこそ、お金の大切さが身に染みているし。はつね:恋愛とお金の関係でいうと、お金に余裕がないと、恋愛を楽しんだり愛情を膨らませたりするのが難しくなるのかなとは思う。みら:たしかにお金は、愛や幸せを膨らませるための選択肢を増やしてくれるもの。お金があれば、二人でできることが多くなるから。みさき:私、旅の間にいろいろノートに考えをまとめて戦略を練ってたんだけど、“愛とお金どちらが大事か”っていうテーマでは“お金から愛は生まれない。でも、愛にお金はかかる。だからお金は必要”って書いてた。旅の結論として、愛とお金のどちらかを選ぶことはできないなって思った。ひとみ:自分の大切なお金と時間を使ってもいいと思えるかどうかが、恋愛相手をジャッジする基準になってる。私は割り勘でもいいって思える人としかごはんに行かないんだけど、みんなはどう?ゆきの:割り勘でもいいけど、1円単位で割る人はないなぁ。あと、相手が奢るムーブを出してきたら「私も出すよ」って1回は言うでしょ。そこで、パッと手を差し出してくる人もないかも。トイレに行っている間にお会計済ませてくれるのが、やっぱりスマート!みさき:私は、そういうやり取りを一切しない。ゆきの:お財布も出さないの?みさき:出さない。お金を出すふりとかトイレに行くとか茶番と思っちゃう。「ごちそうさま、ありがとう」でよくない?相手が年上だったらそれで終わり、同世代ならお礼にハンドソープとか匂い系のプレゼントを渡す。「この香りで、私のこと思い出してね」ってマーキングできるし(笑)。ゆきの:かっこいい~!みら:はつねは(高崎)凌くんとカップル成立したけど、凌くんは年下だよね。デートは割り勘?はつね:全部出してくれるし、椅子も引いてくれるよ。ゆきの:弟っぽかったから意外!みら:(水野)友貴はナチュラルにできそうだけどね。みさき:完璧だった(笑)。ひとみ:でも、あまりにも女子慣れした行動されると萎えない?みさき:「君はそれをどこで覚えたの?」って思う(笑)。まだ慣れてなくて、一生懸命やろうとしてくれる頃が一番いいな。行きはレストランのドアを開けてくれるんだけど、完全には身についてないから帰りは忘れちゃうみたいな。はつね:そういう人を育てるのも楽しかったりするよね。ゆきの:はつねちゃんとみさきに育ててもらった男の人がいいな。みさき:育てて送り込む!(笑)――“恋愛は必要・重要なものだと思う?”というアンケートで77%が「はい」と回答していますが、みなさんにとって恋愛は?みさき:人生で恋愛のプライオリティが一番上ですね。恋愛が上手くいってたほうが仕事も自分磨きも頑張ろうってスイッチ入るし、自己肯定感も上がります…と、きれいに言ってみたけど、私にとって恋愛は私を輝かせるための、効率がいいただのコンテンツ(笑)。ゆきの:出た、みさきのパワーワード!(笑)はつね:いろんなタイプの人と付き合うと、その分違う経験ができて人生の勉強になるところはある。みら:私は恋愛に振り回された結果、メンタルがきつくなっちゃって…。今は、恋愛のプライオリティを下げないとやっていけない状態。恋愛で落ち込んだら、経営者としての責任を果たせないから。ひとみ:私は友達と家族が一番大事で、次に仕事、恋愛は一番下。傷つかないように恋愛の優先順位を下げていた自分を克服して恋愛モードに入りたかったから、番組に参加したの。はつね:家族とか仕事とか、大切なものと同率で大切にできる恋愛ならしたいよね。好きな人ができると心に余裕が持てるし、自分とは違う価値観を吸収することで、考えも柔らかくなっていく。ゆきの:私はずっと仕事が99%で恋愛は1%でいいと思っていて、一人でラジオを聴いてる時間が幸せだったのね。でも番組に出て、仕事も100%恋愛も100%でいいじゃんって考えになれた。すっかり自分で自分の機嫌をとれるようにはなったけど、孤独を埋めるのは、誰かを想うことでしか満たされないなって。はつね:恋愛したからって、自分を変える必要もないしね。30代になって、外では着飾って可愛い顔も作るけど、彼氏の前ではぐちゃぐちゃの自分も見せられる恋愛がよくなった。みら:恋愛がどのくらい大事かは、ライフステージによっても変わるよね。今は女性がいろんな選択ができる時代であることが素晴らしい。一昔前にこの番組やっていたら、女性は本心を隠して“ラブ”を選ばざるを得なかったと思う。みさき:みんなのいい話の後に超言いづらいけど(笑)、私は相手に想われたいという目的があるから尽くすだけ。恋愛に必要なのは、好きとかどうとかっていう感情じゃなくて、愛する覚悟だけでしょ。はつね:確かに、その人を大切に想っていこうという覚悟は必要!いのうえ・ひとみイラストレーター。自分にも人にも誠実な人がタイプ。「私にとってこの旅は、相手を知るには短すぎました…」かいづ・ゆきのグラビアタレント。可愛すぎるビールの売り子として話題に。「受け身な人より、オレオレな王子様タイプが好き」やかべ・はつねゲーム関連のインフルエンサーとして活動するゲームストリーマー。「番組のルールが面白そうで参加しました」たにおか・みさきSサイズモデル。超恋愛体質で、あざとさも隠さない。「番組は、今まで培った恋愛スキルを試す場でした」う゛ぁっつ・みら女子大生の活躍の場を広げる会社「CLONEA」経営。「新規事業に必要な資金が500万円だったので参加しました」※『anan』2024年2月21日号より。写真・内山めぐみ取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2024年02月16日現在、放送中のドラマ『Eye Love You』で互いに惹かれ合う役柄を演じる二階堂ふみさんとチェ・ジョンヒョプさん。役を演じる中で新たに感じたという恋愛における“伝える”ことの難しさとは?ドラマの見どころとともに伺いました。――二階堂ふみさん演じる本宮侑里は人の心を読める“テレパス”の能力を持つせいで恋愛から遠ざかっていたところ、チェ・ジョンヒョプさん演じる韓国の留学生ユン・テオと出会います。このドラマのストーリーを初めて聞いた時、どんな印象を持ちましたか?二階堂ふみ:相手の心の声が聞こえるって、最初はまったく想像できませんでした。でも台本を読ませていただいたら、侑里というキャラクターが等身大に感じられたんです。彼女は事故のせいで他人の心の声が聞こえてしまうようになるんですけど、傷ついた過去や前に踏み出せないことって、誰もが経験したことがあると思うんですよね。そういう侑里の等身大の姿は自分とも重なる部分があって、素敵だなって思いました。チェ・ジョンヒョプ:新鮮だなと思いました。話は少し日常的で予想できる内容でしたが、その中で心を読めるという能力が興味深かったです。でも、演じる時は侑里に対して能力がない人たちと同じように自然に接しようと努力しました。――お互いの初対面の印象は?共に作品を作り上げていく中で、印象は変わりましたか?チェ:台本の読み合わせの時が初対面だったんですけど、その時から印象は変わりません。二階堂さんは“やさしい、素敵な、とってもいい人です”(日本語で)。二階堂:あ、うれしい!ジョンヒョプさんはシャイな方。ミステリアスな雰囲気があって、でもすごくやわらかくて、それでいてしなやかな雰囲気をお持ちなんですよ。実際に現場でご一緒すると、実はけっこう面白いところがあったりするし、みんなのことをかなり観察していらっしゃるんですよね。私より1歳だけお兄さんなので、勝手ながら頼りにしてしまう時があります。――今作は「心の声」や「言葉の壁」など、恋愛におけるコミュニケーションがテーマの一つです。お二人は愛情表現として「言葉」と「行動」のどちらに重きを置いていますか?チェ:僕は、もともと言葉はそんなに重要だと思っていなかったんですよ。けれど、このドラマの撮影を経て、言葉って本当に大切なんだなあとあらためて実感しましたね。でも、今も心が一番重要だという考えは変わりません。二階堂:私は言葉に重きを置きがちなんですが、言葉ではない部分や言語を超えていく瞬間ってあるんだなというのを今回の現場ですごく感じました。相手を思いやる気持ちだったり、逆に大切にしていただいてるなという実感があると、言葉はそこまで重要じゃないんだなというのを感じましたね。――言葉で感情を伝えるのは、得意なほうですか?チェ:例えば好きな相手に対してであれば、僕は言葉でも伝えますし、態度でもきちんと表現します。愛し合う同士であれば、みんなそうですよね?二階堂:苦手ですね。(気持ちを)どう表現すればいいのかわからないんですよ。言葉って難しい…。チェ:愛情って、人それぞれ表現の仕方が違うものなので、言葉での表現が上手にできないというのも、ある意味では表現方法の一つなんじゃないかな。だから二階堂さんが、愛情表現ができないことも「表現の一つなんだ」と思えたら、それはそれでいいと思います。――お二人は男女問わず、どんな人に惹かれることが多いですか?チェ:仕事に一生懸命で、自分がやるべきことをしっかりやりながら、周りの空気をやわらかくしてくれる人に魅力を感じます。そういう人は気になりますし、つい構いたくなります(笑)。撮影現場は常に忙しいのでそんなことを考える余裕もなくなってしまうんですけど、現場を楽しいものにしてくれる人はありがたいですよね。僕自身、韓国でも過酷な現場だからこそ楽しく過ごしたいと心がけているので、そういう人とは仲よくなりたいです。二階堂:男女問わず、「まあいっか」って力の抜けた感じの人が好きですね。わりと頭だけで考えちゃうことがあるんですけど、そういう方が近くにいると、いい意味で思考がストップするんですよ。――スマホやSNSでいつも誰かと繋がれる時代、侑里とテオのもどかしい恋愛は共感する方も多いと思います。今、このドラマを届ける意味をどう考えていますか?チェ:このドラマでのテレパスの能力を現実世界に例えると、「空気を読む力」だと思うんです。このような観点から見ると、何事にもポジティブな側面で良い結果が得られるだけでなく、逆に良くない状況でも経験を通じて成長することができますからね(笑)。このような見方で侑里とテオというキャラクターはいろんな面で正反対の特徴を持っていて、興味深く感じられました。異なる性格と価値観を持つ人々がどのように相互作用し、互いに影響を及ぼすのかを見てみると、より深い理解と解釈ができると思います。二階堂:このドラマを見てくださる方が、いい時間を過ごせたなと思えるエンターテインメントをお届けできたら、というのが一番です。日本では年明けすぐに大きな地震があり、閉塞感を感じることも多いですが、このドラマが少しでも見た人の心が軽くなるような、勇気を与えられるような作品になったらうれしいなと思っています。『Eye Love You』目が合うと相手の心の声が聞こえてしまう“テレパス”の能力を持つ本宮侑里(二階堂ふみ)と、年下韓国人留学生ユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)の甘いラブストーリーを描く。毎週火曜22:00~ TBS系にて放送中。日本のNetflix TOP10ランキングで1位を獲得するなど、多方面から注目を集めている。にかいどう・ふみ1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。NHK連続テレビ小説『エール』や映画『翔んで埼玉』シリーズなど幅広く活躍。昨年はドラマ『VIVANT』にも出演し、話題に。オーバーオール¥39,600(ホリデイ TEL:03・6805・1273)Tシャツ¥8,800(デプト/DEPTカスタマーサービスcustomer@d-e-p-t.tokyo)ピアス¥70,400(オー/ハルミ ショールーム TEL:03・6433・5395)その他はスタイリスト私物チェ・ジョンヒョプ1993年5月19日生まれ、韓国出身。ドラマ『ストーブリーグ』『わかっていても』で注目を集め、昨年はNetflixシリーズ『無人島のディーバ』でパク・ウンビンと再共演した。※『anan』2024年2月21日号より。写真・野田若葉(TRON)スタイリスト・髙山エリ(二階堂さん)msgseoul(チェさん)ヘア&メイク・渡嘉敷愛子(二階堂さん)ヘア・Shon hyejin(チェさん)メイク・ko mihi(チェさん)取材、文・尹 秀姫(by anan編集部)
2024年02月15日注目の若手ガールを紹介するananのイットガール。ここでは、俳優、モデルの鶴嶋乃愛さんに注目!俳優にモデル、ブランドプロデューサーと、幅広く活躍する鶴嶋さん。「俳優としてお役を演じる際に“この人物はどんなものを見て生きているんだろう”と想像してみると、自分とは違う視点ができる。するとその役柄が好みそうなお洋服に目が行くようになり、服作りのインスピレーションをもらえることも。色々なお仕事をさせていただいていますが、全部繋がっているのが面白い」執筆活動も行い、今月発売のフォトエッセイでは、言葉の端々に独自の美学が感じられる。「自分の中にスパルタなプロデューサーがいる感覚がありまして。鶴嶋乃愛はどうあるべきか考えたうえで、日々美しい日本語に触れています。それが表現に活かされているのかと。いつか小説も書いてみたいです」バレエのレッスンは優雅な学びの時間。1年ほど前に始めました。しなやかな動きはモデル業でも役立ちます。憧れが詰まった宝塚の舞台を観賞。美しいセリフや楽曲、きらびやかな衣装にも射抜かれ、夢中に!フォトエッセイの撮影現場にて。燃えるような真っ赤な夕焼けを見ることができて、幸せな瞬間でした。つるしま・のあティーン誌の専属モデルとして2013年デビュー。アパレルブランド『Romansual』のプロデューサーも務める。著書『微睡む花の様に』(東京ニュース通信社)が2/28発売。※『anan』2024年2月14日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2024年02月14日昨年、舞台『キングダム』で帝国劇場主演も務めた三浦宏規さん。佇まいに漂う清々しさと品は、クラシックバレエの素地にもあるのかも。今なお持ち続けるバレエ愛、そして演じるカラダについて話してくれた。ただ踊りたいから踊る。結局好きなんだと思います。近年はミュージカル作品への出演も多い。カラダだけでなく喉も使う舞台だ。日々の公演に向けコンディションはどう整えているのだろうか。「もともとは暴飲暴食タイプでした。食べたいときに食べて夜更かしして、寝たくなったら寝て、朝起きない。まあ、10代でしたからね(笑)。でも今は、夜は早めに寝て、朝きちんと起きるように心がけています。夕食は夜9時頃までに食べて、その後は寝るまで何も口にしない。逆に朝は、どんなに忙しくても何かひと口でも口にするようにしたり。規則正しい生活を心がけるようになったら、カラダが引き締まっただけでなく、カラダの調子も良く、メンタルも安定するようになりました」きっかけは、20代に入ってからカラダの変化を感じるようになったこと。「ミュージカルに出演するようになってから、どのくらいの時間に起きて、本番の何時間前にアップして、どれくらい前に食事を摂ったらいいのか、ずっと模索してはいたんです。ようやく掴めたかなっていうのがつい最近…今年の頭までやっていたミュージカル『赤と黒』の頃でした。本番が始まる4時間半前に起きて、2時間半前から2時間前までの間にごはんを食べて、30分前にアップを始める。そうしたらすごくいいパフォーマンスが発揮できたんです。しかも全然疲れないし」それも三浦さんにとっては、努力ではなく、いいパフォーマンスを見せるための当たり前のこと。「この仕事って、毎回評価されるわけで、それが次に繋がっていくものです。だからこそ、いつどんなときも不完全燃焼で終わりたくないし、『今日は調子が悪かったんで』なんて言い訳するのは自分が嫌。納得のゆくパフォーマンスができない言い訳を、コンディションのせいにはしたくないんです」持ち前の負けず嫌いと飽くなき向上心で、俳優として着実にキャリアを積み上げている。その三浦さんの真の武器は、自ら強い意志を持って芸の道を追究していける精神なのかもしれない。「僕、役者を始めてからの方が、ダンスが上手くなった気がするんですよ。ダンスから離れていた期間が長かったけれど、その間にいろんな人生経験を積んで多くのものを吸収して、ダンサーとして、エンターテイナーとして、表現者として、味も出せるようになったし、踊りの中に深いものを表現できるようになっている気がする。もちろんテクニックも大切だけど、そうじゃないところから培われてくるものもあるのかなと思っています」一度は封印したはずのバレエ熱。しかし近年、踊りたい欲が高まっているという。「2022年の舞台『千と千尋の神隠し』の公演期間中、本番が終わった後、劇場のリハーサル室に行ってひとりでバーレッスンしていました。完全にやりたくて、です。結局、踊りが好きなんですよ」みうら・ひろき1999年3月24日生まれ、三重県出身。3月に舞台『メディア / イアソン』、5月にミュージカル『ナビレラ』。7月に『BOLERO‐最終章‐』、8月には単独コンサートを予定。ジャケット¥11,280(エジュクロasclojapan@gmail.com)タンクトップ¥2,730パンツ¥9,100(共にホーリーインコードholyincodejp@gmail.com)靴¥83,600(シュガーヒル/林デザイン事務所 TEL:090・4737・1805)ネックレスは本人私物※『anan』2024年2月14日号より。写真・RYO SATOスタイリスト・ダヨシヘア&メイク・堤 紗也香取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月14日何気なくカメラの前ですっと立ってみせる。たったそれだけなのに、三浦宏規さんに目を奪われる。上げた腕は指先まで美しく、片足立ちでもカラダの重心はブレることがない。「ちょっと跳んでみましょうか」そう言って跳躍すれば、その軽やかさと空中姿勢の美しさ、高いジャンプに感嘆の声が上がる。仮面ライダーに憧れるように熊川哲也さんに憧れた。「5歳のときに熊川哲也さんのドキュメンタリーを見たんです。子供が仮面ライダーや戦隊モノに憧れるように僕は熊川さんに憧れて、これをやりたいって言ってバレエを始めました」当時、バレエを習う男子は珍しかったと思うのだけれど…。「バレエに興味のある同級生なんて、全然いなかったです。でも僕は、こんなにカッコいいのになんでみんな知らないんだろうって思っていたタイプ。『チャイコフスキー知らないの?』って、昨日レッスンで教わったことを学校で得意げに披露して、みんなにすごいって言わせたりしていました」バレエ熱は徐々に増してゆき、地元・三重のスクールでのレッスンに加え、約1時間をかけて名古屋のスクールにも通い、ほぼ毎日バレエレッスンという生活を送っていたそう。「でも全然嫌じゃなかったし、それを努力だと思ったこともなかったです。ただ、やりたいからやってるだけ。僕からしたら、お腹がすいたからごはんを食べるとか、綺麗にしたくてお風呂に入るとかと同じ。どんなに面倒くさくても、上手くなりたいんだから、そりゃやるでしょって感じです(笑)」その頃の夢は、熊川さんと同じように英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル。それにはまず、コンクールでいい成績をおさめることが求められる厳しい世界。そんななか、三浦さんはレッスン中に脚を負傷してしまう。世界を目指すには、脚の怪我がネックになっていくかもしれない…。そう葛藤していたときに俳優という仕事に出合い、新たな道に進むことを選んだ。「正直、踊りは封印して芝居や歌をやっていくつもりでした。でもそこではなかなか勝負できなくて、唯一の武器が踊りだったので、必然的にそこを要求されることが多かったんです」三浦さんに注目が集まり始めたのは、16歳で出演した漫画『ONE PIECE』を題材にした20分程度のショー。声は声優の吹き替えだが、目の前を駆け回り躍動感溢れる“生のルフィ”の姿に釘付けになる観客が続出。翌年には、2.5次元ブームの火付け役となったミュージカル『テニスの王子様』で、作品屈指の人気キャラクター・跡部景吾を演じた。その後、ミュージカル『レ・ミゼラブル』でグランドミュージカルに進出すると、またたく間に多数の作品で主演を務めるまでに。バレエを基礎とした優雅な所作や颯爽とした佇まいで、舞台に上がればひときわ目を惹く。しかし逆に、「それが足枷になることもある」のだとか。「昨年、舞台『キングダム』で、主人公の信を演じましたが、これが野生児みたいなキャラクター。言ってみたら、バレエ的な動きなんてもっともいらないわけです。姿勢が良すぎるから、わざと猫背にしてみるんだけど、幼少期から身についているものってなかなか崩せないんですよね。ガサツに見えるよう研究してやっていましたが、慣れない動きでカラダへの負担が大きく、怪我しやすいので、結構苦労しました」それでも、身寄りのない貧しい奴隷から、不屈の精神と機敏さで国を支える武将を目指す青年・信を、軽やかな身のこなしとパッションとで泥くさく演じ、しっかりと実績に。そもそも、役の出自や感情を、言葉ではなくカラダや踊りで伝える表現は、幼い頃からずっとやってきたことだ。「たしかにずっとカラダでの表現と向き合ってきてはいるんですよね。どんな作品でも、役を立ち上げていくときには、基本的にまずどんな歩き方をする人なのかを考えるタイプですし」カラダの動きから役を構築していくというのは、バレエ出身者ならではの視点なのかもしれない。「昔から、歩き方や佇まいが美しいと言っていただくことが多かったんですが、さまざまな役をやっていくうち、美しいことが正解なのかと疑問を感じるようになりました。そこから、素敵だと思う役者さんの佇まいとか、動きに注目するように。僕が素敵だと思う役者さんはみなさん、歩くだけで、どんな出自でどんな人物なのかが見えるような表現をされる。自分もそうなりたいと意識するようになりました」みうら・ひろき1999年3月24日生まれ、三重県出身。3月に舞台『メディア / イアソン』、5月にミュージカル『ナビレラ』。7月に『BOLERO‐最終章‐』、8月には単独コンサートを予定。ジャケット¥11,280(エジュクロasclojapan@gmail.com)タンクトップ¥2,730パンツ¥9,100(共にホーリーインコードholyincodejp@gmail.com)靴¥83,600(シュガーヒル/林デザイン事務所 TEL:090・4737・1805)ネックレスは本人私物※『anan』2024年2月14日号より。写真・RYO SATOスタイリスト・ダヨシヘア&メイク・堤 紗也香取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月14日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、他人のやる気を刺激する女性、「オープンチャットで決意表明する女」になりきり。身近な人に目標を伝えて自分を追い込んでみよう。最近、姿勢を改善したい、ゆるふわボディになりたいと思って、大人気の“ユミコア”のストレッチを始めました。オンラインレッスンやインスタライブを見たりと、すごく楽しんでいるのですが、どうしても面倒くさくなったりと心が折れることもあって…。そんな時、ユミコアをやっている人たちが集まるオープンチャットがあることを知ったので参加してみたところ、みんなが「昨日寝ちゃったので、朝10分だけやってみました」と報告し合ったり、「夏にビキニを着られる体になることが目標です」のような宣言をしていて、びっくり!まず、200人以上が見ている場所で目標を発表するのは、すごく勇気がいることですよね。しかも、誰か一人が決意表明すると、「私は1日10分やります」みたいに、他の人も続々と目標を発表していくんです。私は“ここで言うと絶対達成しなきゃいけないんじゃないか”というプレッシャーに駆られて、まだ言えていないけれど、そんなやりとりを見ているうちに、頑張ろう!という前向きな気持ちになれたんです。自分の宣言したことが、他の人のやる気を刺激するなんて、すごく素晴らしいことですよね。私のように、会ったことのない人がいるオープンチャットで宣言することはハードルが高いと感じる人も多いはず。まずは、友だちや身近な人に目標を宣言して、自分を追い込んでみましょう。きっと、会った時に「やってる?」と聞かれるので、“明日、あの人に会うからやっておくか…”という気持ちになれるはず。あとは、楽しい目標を決めて頑張るというのもいいですよね。ちなみに私の場合は、ディズニーランドに行っても疲れない体を作ることです(笑)。真の“ナツコアボディ”を目指して、頑張ります!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。※『anan』2024年2月14日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2024年02月13日ダンスや自身が制作したトレーニングのYouTubeチャンネルも人気の伊原六花さん。体づくりのトライ&エラーを経て、「今の体が好き」と語る伊原さんのボディメイク史に迫ります。理想の体型は、見た目にやわらかさを感じるボディシルエット。4歳からバレエを始め、その後ヒップホップ、ハウス、コンテンポラリーと多様なジャンルのダンスを習得。日本のみならず、世界からも注目された“バブリーダンス”を生んだ、登美丘高校ダンス部では、キャプテンを務めた。「実は運動は苦手なんですが、ダンスは運動だと思っていません」と言う伊原六花さんの、美しくしなやかなボディは、ダンスベースで作られたよう。放送中の朝ドラ『ブギウギ』では、初めてタップダンスにも挑戦した。「基礎はできているから…と思っていたら、タップは別物。頭ではわかっていても、正しいリズムで音を出せなくて、すごく難しいです。クランクインの4か月前からレッスンを始めてなんとか形になりましたが、大変でした。バレエもそうですが、積み重ねた筋肉の形やそれにより作られたボディライン、技術がないと踊れないタップに、ますます憧れが強くなりました」ダイエットとは無縁のように思われるが、芸能活動を始めるために5年前に上京すると、体重が5kg増えたそう。肌荒れもひどくなり、鏡を見るのも嫌になった時期があったと言う。「やせなきゃ、やせなきゃ…と焦っている時は、体重計の数字に一喜一憂していて。グルテンフリーやファスティングなどいろんなダイエット方法を試しましたが、正しいやり方じゃなかったのもあって全然体重が落ちなくて。空気で太ってるんじゃないかと思ったほど(笑)。ストレスからお菓子を食べて、を繰り返していました。でも、どうせやせないならもう好きなものを食べようと思ってからは、体重が落ち始めて。たぶん、“食べなくていいもの”は食べなくなったからだと思う」カリカリに細い体や、強い筋肉を持ったアスリート体型にも憧れたことはあったが、今の理想は、見た目にやわらかさを感じるボディシルエット。「ゴリゴリに筋トレをせずに、ストレッチやランニングなどの有酸素運動を多めに入れて、気長に体と向き合っていたら、この体型をキープできるようになりました」また、自分の体のことや、体調を崩すメカニズムなどがわかるようにも。「自分の体に興味を持つことはすごく大事。例えば、整体で体の歪みを正してもらうと、実は猫背で、それが頭痛にも繋がっているとわかりました。脇が凝りやすく、凝りを放置すると猫背になって呼吸が浅くなり、胃の位置が上がって気分が悪くなる。だから毎日脇をほぐして、不調を起こさないように気をつけています。糖分で太る人と、脂質で太る人がいますが、私の場合は後者。脂質を摂りすぎると肌荒れもするため、量を制限しています」YouTubeチャンネル「伊原六花のSTEP & GO」では、筋トレやストレッチ動画の人気も上々。「ダンス動画をあげたくて始めたんですが、ダンス部時代にやっていた筋トレを教えて、という声をきっかけに、筋トレ動画をあげるように。私自身も2本の腹筋が浮き出た“11字腹筋”を作りたくて。いろんな方法を試しながらダンス部時代の知識を生かして、いいとこ取りした筋トレ動画を作ったんですが、今はその自分の動画を見ながら、お風呂に入る前に筋トレをしています。それもストイックにではなく、下っ腹にお肉がついてきた時や、むくみが気になった時、大事な撮影の前にやる程度。実はこの撮影が決まってから、憧れのボディ企画に出られる!と毎日ストレッチと筋トレを頑張りましたが(笑)、基本は体のサインを受けたらやっています。すぐにやせなきゃ、とゴールを近くに置くのではなく、数か月かけてゆっくり取り組むことも、ダイエットを成功させるポイント。もう少しこうしたいという理想はまだありますが、動きやすいバランスを保てている今の体は割と好きです」経験から導き出した伊原流トレーニング法。脇と体の側面を一気に伸ばして血流促進。脚を大きく開いて両手を上げ、上半身を真横に倒すことで、体の側面を一気に伸ばす。「やわらかい筋肉を保つのが理想です」下半身や大きな筋肉を鍛えて冷えを改善。足を開いて立ち、両腕を胸の前でまっすぐ重ねたら、上半身を少し倒したままスクワットを。「正しい方法で下半身を引き締めます」開脚ストレッチで、股関節の柔軟性アップ。できるだけ大きく開脚をして、そのまま側面を伸ばすストレッチ。「股関節をやわらかくするには、体の側面の柔軟さが必要です」ヘルシーな食事やトレーニングは習慣に。「朝は季節のフルーツを種類豊富に食べてビタミン補給しています。豆乳ヨーグルトには、血糖値の上昇をゆるやかにするアガベシロップをかけるのが定番」「ほぼ毎日摂るのは、美肌キープのためのビタミンC。飲み始めてから体調が良くなった鉄分は、気になった時に。野菜不足を補いたい時は青汁ベースのグリーンサプリを」「寝る前のストレッチで使っているマッサージポール&ボール。もも前や背中など大きい筋肉は、振動させながらコロコロすると凝りがほぐれて筋肉がやわらかくなります」いはら・りっか1999年6月2日生まれ、大阪府出身。映画『リゾートバイト』ほか主演作多数。連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)に出演中。ベアトップ¥13,200(ナイスナイス モーメント/ショールームリンクス TEL:03・3401・0842)シャツ¥61,600(メイメイジェイ)スパンコールスカート¥286,000(エリザベッタ フランキ) 共にエスケーシー TEL:06・6245・3171リング(ホワイトアゲート)¥69,300(ヒロタカ表参道ヒルズ TEL:03・3478・1830)リング(シルバー)¥36,300(ヒロタカ/ビームス 六本木ヒルズ TEL:03・5775・1620)トップス¥7,500パンツ¥16,800(共にルルレモン TEL:0800・080・4090)※『anan』2024年2月14日号より。写真・恒川修平(SIGNO)スタイリスト・ギブソン三浦真紀子ヘア&メイク・佐々木博美取材、文・若山あや(by anan編集部)
2024年02月13日ドラマ撮影期間など、多忙な時期も自分の体質と真摯に向き合って調整していく。山本舞香さんの、体をいたわりながら保つボディメンテナンス法を伺いました。女子高生、OL、刑事に忍者まで幅広い役柄を演じ分け、引く手あまたの俳優・山本舞香さん。等身大の表情や立ち居振る舞いで、トレンド服をまとったファッションモデルの仕事は、同世代からの支持も厚い。「ボディメイクは、できれば内側と外側から自然なもので整えたい。でもラーメンも大好き(笑)」。そんな飾らない発言はもちろん、滲み出る潔さや芯の強さが、人気の理由のひとつだといえるだろう。「理想の体は、BLACKPINKのリサ。ただ私は身長が低いし、太りやすい体質なので、自分にとって必要な、そして自分に合ったボディメイク法を選んでいます」ドラマや映画などの撮影期間中は、寝る時間もないほど忙しいため、体調管理は最も大事。そしてそれが、ボディメイクにもつながると言う。「この仕事をしている限り、生活が不規則になるのはしょうがないこと。その中でできることを続けています。例えば、現場のお弁当は栄養が偏りがち。また、冷たい食べ物を体に入れると、内臓が冷えて体が縮こまってしまうから、なるべく温かい野菜スープやお味噌汁を一緒に摂るようにしています。そもそも太る原因は食べすぎだとも思うんですが、撮影現場では食事を摂らないと、声も出なければ体も動かないし、頭も回りません。だから、食べすぎているなと思いつつも、しっかり食べちゃいます。ドラマの撮影中の今が、まさにそうなんですが(笑)。その代わり、休みの日に食事量を調整してトータルで帳尻合わせをしています」極度の冷え症だという山本さん。オフの日の食事は、温かいものを中心に必要なぶんだけ、と決めているよう。「冷えを感じる時は、鶏団子スープを作って食べることも。作る時のポイントは、鶏ひき肉にたくさんのおろし生姜と、おろしニンニクをちょっとだけ混ぜて丸めること。あとは煮るだけですが、鶏の出汁が効いているので、味付けは塩と鶏がらスープの素を少し入れるだけで美味しいです。生姜とニンニクのおかげで、体もポカポカしてきます」さらに酵素浴で、体の外からも冷え対策やメンテナンスを欠かさない。「知り合いの紹介で通い始めました。発酵したおがくずに、25分間目元まで埋まって体を温めるもの。最初は半信半疑でしたが、半年、1年と通ううちに内臓の冷えが改善され、自律神経が整って、気分がすっきりするようになりました。冷え対策だけではなく、デトックス目的や落ち込んでいる時にも行きます。おがくずは、手を加えて加熱しているわけではなく自然発熱で、自分の汗が栄養となってさらに発汗作用を促す効能もあるそうです。入る前に添加物フリーで、野菜やフルーツからできている酵素ドリンクを飲むことで、さらに効果が出やすくなるのですが、体の悩みはなるべくそういう自然由来の力で解消していきたい」幼少期から9年間、空手を習っていたり、中学時代はソフトボール部に所属するなどスポーツ少女。運動は得意なのだそう。「アクションシーンには空手の経験が生きているし、当時作られた体幹や筋肉は、撮影の合間など気がついた時にストレッチをしたり、椅子や壁を使った筋トレをしてキープしています。定期的に整体にも通い、体の歪みを正しているのですが、時間が取れるようになったら、キックボクシングやピラティスに通ってみたい。それから、ポールダンスは女性に必要な筋肉しかつかないと聞いてから、すごく興味があります。仕事現場で一緒になる人や、知り合いなど、いろんな人から情報をたくさん集めて、よさそうだったら実際に使ってみたり体験してみること。これも、自分に合った方法を見つけるための手段だと思っています」隙間時間のトレーニングで体メンテ中。股関節をやわらかくし下半身の冷えを解消。大きなパーツのストレッチは、血流を上げて冷えを改善する手っ取り早い手段。「気が向いた時や撮影の合間にやっています」肩や肩甲骨まわりをほぐすストレッチは一年中。美しい背中の理由はここに。「『家政夫のミタゾノ』に出ていた時に、松岡昌宏さん(TOKIO)がやっているのを見てやり始めました」体幹を強化し、美脚効果も狙える筋トレ。椅子があればできるお手軽な筋トレも活用。「両脚をそろえて上げて、キープするだけ。体幹や腹筋を鍛え、太ももの引き締めにも」冷えや疲れなど悩みに沿ったアイテムを選別。「水を飲むなら『プラズマ解離水』。細胞内に即浸透してデトックスを促すそうで、飲みやすいのでお気に入りです。家にはもちろん、移動車にもストックしています」「お風呂上がりの濡れた肌に、ユイル・アンティークのボディオイルとベビーオイルを混ぜて全身に塗っています。保湿効果もあるし、オイルで膜を張ることで冷え防止にも」「SNSで何度も目にするうちに、気になって購入した温熱枕。40°Cまで温度調節ができてタイマー付き。首を温められて気持ちいいし、気づいたら寝落ちしているほど!」やまもと・まいか1997年10月13日生まれ、鳥取県出身。ドラマ『Sister』や『今日からヒットマン』ほか出演作多数。出演するドラマ『闇バイト家族』(テレビ東京系)が放送中。ワンピース¥53,900(バレナ/三喜商事 TEL:03・3470・8232)リング¥16,280ドロップイヤーカフ¥11,880リングイヤーカフ¥15,180(以上ノウハウ/ノウハウ ジュエリー TEL:03・6892・0178)ブラトップ¥11,440スパッツ¥21,120(共にaloyoga/ブレステイキングbreathtaking2019@gmail.com)※『anan』2024年2月14日号より。写真・恒川修平(SIGNO)スタイリスト・上田リサヘア&メイク・北原 果(KiKi inc.)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2024年02月11日外でのロケから始まったこの日の取材。歩きながらの撮影の合間、カメラマンに話しかけ、しばし楽しそうにカメラ談議に花を咲かせていた坂東龍汰さん。物おじせず人懐っこいキャラクターに、取材はほのぼのムードでスタート。――先ほどカメラマンと写真の話題で盛り上がっていましたが、カメラ、お好きなんですか?坂東龍汰さん(以下、坂東):そうなんです。自分でもよく撮ります。今日のカメラマンさんは、この間僕が撮影を担当した雑誌の同じ企画で撮っていらしたので、その話をしてました。――学生時代には映像を撮ったりもされていたそうで、そういうクリエイティブなことに興味が?坂東:写真には昔から興味があって。一眼レフを手に入れて人を撮ったりしているうちに映像に興味が湧いて、学生時代には映画を撮ったりもしていました。高校3年生のときの卒業制作では、クレイアニメを撮っていましたし。――ご家族もそういうクリエイティブなことがお好きなんですか?坂東:家族みんな好きですけど、父は昔、映画監督を目指してアメリカに渡ったり、アニメーションが好きで作っていたこともあるそうで、影響は絶対にあると思います。――学生時代にやった演劇がきっかけで俳優を目指したとか。坂東:もともとは人前に立ったりすることがすごく嫌だったんです。小4から、演劇塾っていう地元の小さい劇団みたいなところに入っていたんですが、ずっと“やらされている”感覚でした。それが中3くらいになってから変わってきて、ちょっと大きい役をやらせてもらったときに演劇の楽しさを知って。高校生のときに立った舞台で、感情が自分のコントロール外にあるみたいな瞬間があって、それがすごく気持ちよかったんです。死に物狂いでセリフを覚えたり、そのときの自分の限界までやって、アドレナリンが最大限に出たんだと思います。これまでスノーボードや歌、社交ダンスといろいろやってきて、それぞれに感動したり興奮したりする瞬間がありましたけど、その中で一番がお芝居だった。これで食べていけたら幸せだなと思ったんです。――俳優になられてからは映像作品が中心でしたが、いま控える舞台『う蝕』で、久しぶりに演劇の世界に戻ってきますね。坂東:2018年に出演した岩松了さん作・演出の『三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?』が、ほぼデビュー作みたいなもので、それ以来です。でも、舞台を避けていたわけではなくて、たまたまタイミングが合わなかっただけのこと。だから今回、機会をいただけたことが嬉しいです。と同時に、あまりに久しぶりだから大丈夫かなみたいな心配もあるんですけど…。――劇作は、現代の社会と絡めながら市井に生きる人々の心情を丁寧に描く横山拓也さん。演出は、社会的な作品を取り上げ、骨太な演出で見せる瀬戸山美咲さんです。坂東:この舞台をやるにあたって、横山さんの舞台『多重露光』と『モモンバのくくり罠』を拝見したんですが、どちらも観た後の満足感がすごかったです。とくに『モモンバ~』は、自分の境遇とリンクする部分があり、刺さりました。舞台では自給自足の暮らしを営む母親が出てきますが、僕の親も自給自足の生活をしようと北海道に来た人で、周りから見たらだいぶ変わっている家族だったから、共感する部分が多くて。会話劇でテンポよく進むけれど、緻密に計算された高度な作品だなと思いました。瀬戸山さんは『ある都市の死』を拝見して、いろんなアイデアを盛り込んで緻密にディレクションされているはずなのにすごく自由な感じがして、演劇を超えてアート作品に触れた感覚でした。そんなおふたりの世界を今度は自分が体現して届ける側になるわけですから、心して取り組まないとな、と思っています。――ちなみに坂東さんは、演出家の意向に寄せていくタイプですか。それとも自由にやりたい?坂東:どうだろう…演出家さんのやりたい方向性やテイストを、すごく感じようとするかもしれないです。現場には、自分がこうしたいっていうものは持っていきますけど、監督なり演出家さんがそれを求めているのかどうかはわからない。最初にそこを伺いながら、まずは自分のアイデアもぶつけてみることはしてますね。とはいえ、自分ひとりのアイデアだけでは到底辿り着けない場所があって。共演のみなさんや監督さんの言葉、脚本の中から、一生懸命ヒントを探っている感じです。坂東さんの出演する舞台『う蝕』は、2月10日(土)~3月3日(日)三軒茶屋・シアタートラムで上演されるほか、兵庫、愛知でも公演。劇作はiakuの横山拓也、演出にミナモザの瀬戸山美咲。共演は、近藤公園、綱啓永、正名僕蔵、新納慎也、相島一之。世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03・5432・1515(10:00~19:00)ばんどう・りょうた1997年5月24日生まれ、北海道出身。2017年より活動をスタート。ドラマや映画で徐々に頭角を現し、‘22年の初主演映画『フタリノセカイ』で日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。2月9日公開の映画『一月の声に歓びを刻め』に出演するほか、4月には主演ドラマ『RoOT/ルート』(テレビ東京系)の放送が控える。コート¥85,800ニット¥50,600(共にMARGARET HOWELL)パンツ¥31,900(MHL.) 以上 MARGARET HOWELL/MHL. TEL:03・5785・6445ジャケット¥38,500(VETRA)スカーフ¥14,300(Fratelli Luigi)共にBshop TEL:03・5775・3266※『anan』2024年2月14日号より。写真・木村和平スタイリスト・李 靖華ヘア&メイク・後藤 泰(OLTA)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月10日“モノ”や“ヒト”とともに依頼人が抱える様々な事情を運ぶ「運び屋」なる仕事を描いたヒューマンストーリー『ハコビヤ』。今作で、洋食屋と運び屋、2つの顔を持つ白鳥剣(田辺誠一)の助手的存在となる天野杏奈を演じるのが影山優佳さんだ。剣と杏奈の微笑ましい凸凹バディぶりが見どころの一つだが、本人たちの関係性も実に和やかなよう。共演する皆さんの姿を見て、お芝居の面白さを実感。「私は田辺さんのお子さんより年下だそうで、『娘みたい』と言われました(笑)。優しく何でも受け止めてくださり、私にとっても田辺さんはお父さんのような頼もしい存在です」昨年、7年間所属していた日向坂46を卒業。今作はグループ卒業後初の連続ドラマとなる。共演者からは多くの刺激を受けたようで、芝居というフィールドへの意欲を燃やす。「皆さんが自分の役に向き合って大切に育てていっている姿を見て、これがお芝居の面白さだと実感しました。今回、監督から『最初のころは(剣と)ちゃんと会話をしないで』と言われて、そこがすごく難しかったです。剣さんと杏奈の噛み合わないコンビがだんだん噛み合っていく、その変化がうまく出ているか。出来上がったものはまだ見ていないので(取材時)、ご覧になる方にどう見えたか教えていただきたいです」好奇心旺盛な杏奈だが、影山さん自身も広い分野に興味を持ち掘り下げていく探究心豊かなタイプ。そんな影山さんが今、一番興味を持っていることとは…?「食べることが好きで、自炊はずっとやっています。何でも目分量で作ってしまいますね。最近よく作るのはアヒージョ。一通り食べ切ったあとに、油を熱して卵を入れてスフレみたいにしたりと、締めまでひとりで楽しんでいます(笑)」ドラマ25『ハコビヤ』洋食屋を営む剣(田辺)には「運び屋」というもう一つの顔が。洋食屋にバイトで雇ってほしいとやってきた杏奈(影山)は、運び屋業にも興味を持ち、手伝いたいと申し出るが…。毎週金曜24:52~テレ東系にて放送中。©「ハコビヤ」製作委員会かげやま・ゆうか2001年5月8日生まれ、東京都出身。おもな出演作に映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』など。現在、ドラマ『春になったら』(フジテレビ系)にも出演中。※『anan』2024年2月7日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・加藤なお(ALCATROCK)ヘア&メイク・佐藤友梨(エムズアップ)インタビュー、文・野村 文(by anan編集部)
2024年02月06日TikTokでバズった「すきっ!~超ver~」で知られる超ときめき 宣伝部。世界中で関連動画が増えていった当時を“部長”の辻野かなみさんはこう振り返る。国内外で活躍するももクロの後輩がかわいくて熱い新アルバムをリリース!下段左・辻野かなみさん、上段左・杏ジュリアさん、下段中央・坂井仁香さん、上段中央・小泉遥香さん、下段右・菅田愛貴さん、上段右・吉川ひよりさん。「“世界にときめきを届ける”をコンセプトに活動してきたので、ついにキターッ!って感じでした(笑)。海外ではフリフリの衣装を着た日本のアイドルが新鮮みたいです」ニューアルバム『ときめく恋と青春』には、グループの持ち味であるかわいさと熱さが詰まっている。「恋愛ソングも熱い青春ソングもどちらも聴いてほしい!努力しても上手くいかないことって誰にでもあるのかなって。私たちにもそういう経験があるので、頑張る方々の背中を押せるグループでありたいです」3rd Album『ときめく恋と青春』。【超宣伝盤(CD)】¥2,000【通常盤(CD)】¥3,000【恋盤/青春盤(CD+2DVD)】¥7,000【超恋盤/超青春盤(2CD+BD)】¥15,000超宣伝盤、通常盤以外には、ライブ音源CDやライブ映像DVDなどが付く。(avex)ちょうときめき せんでんぶ略称・とき宣。2015年に結成され、’20年に菅田さんが“入部”して現体制に。‘21年リリースの「すきっ!~超ver~」の関連動画の総再生回数は29億回を超えた。横アリ後の目標は「さいたまスーパーアリーナ」。辻野かなみ1999年6月2日生まれ、埼玉県出身。愛称「かなみん」。グループ最年長の“部長”を務める。「メンバーを引っ張るタイプではなく、見守る系の部長をやらせてもらってます。『ハピラブルー!』のMV撮影では、温泉付き旅館で1泊させてもらい、初めてあきちゃんと2人部屋に。コンビニで買ったうどんを食べたり、振り付けの練習動画を撮ったら、カメラの横のテレビにピンが合ってしまい隠しカメラ映像みたいになってしまったことも、楽しかったいい思い出です(笑)」杏ジュリア2004年1月15日生まれ、東京都出身。愛称「ジュリ」。バレエ歴10年のしなやかなダンスで魅せる。「遠くから見てもジュリアのダンスはわかると言っていただけます。モットーは“日々感謝”。アイドルになって5年。初めてステージに立った時のありがたみや、コロナ後、ファンのみなさんの声を聞けた時の喜びを忘れず頑張ります。アルバム収録曲の『Sora』という曲で、レコーディング後に初めて自分のパートを録り直すことに。レベルアップさせられてよかったです」坂井仁香2001年7月25日生まれ、神奈川県出身。愛称「ひとちゃん」。グループいちの高身長でスタイル抜群のセンター。「脚を褒めていただくことが多いです。モットーは“一生懸命”。私自身、一生懸命な人を応援したくなるので、リハから本番だと思って汗だくで頑張っています!MVの撮影現場は、差し入れのお菓子で大きなテーブルが埋まって天国でした。今回は3パターンの衣装でダンスシーンを撮るからいつもより体を動かすし、いっぱい食べてもいいかなって(笑)」小泉遥香2001年1月5日生まれ、埼玉県出身。愛称「おはる」。ボーカル力が高くフェイクパートを担当することが多い。「邦楽ロックやミュージカルが好き!アコースティックギターをYouTubeでライブ配信することも。『Sora』は、作曲の宅見将典さんがレコーディング現場でフェイクをやってみせてくださって。グラミー賞を受賞した方の後は緊張したんですけど、精一杯歌いました。後から、その時のマイクが超高級だったことがわかってびっくり!すべてが貴重な体験でした」菅田愛貴2004年12月20日生まれ、東京都出身。愛称「あきちゃん」。フレッシュな笑顔がチャームポイントのグループ最年少。「アニメ好きで、今は『HUNTER×HUNTER』とか長編アニメを1話から見返すことにハマっています。とき宣は、レコーディングでは1曲丸々歌って、後から歌割りが送られてくるんですね。私は、それを見るのがワクワクドキドキできるから好きなんです。今回のアルバムの中では『最上級にかわいいの!』で初めて歌い出しのパートをいただけて、嬉しいです」吉川ひより2001年8月12日生まれ、千葉県出身。愛称「ひよりん」。歌に定評がある。ベビーフェイスで中高生に見られることも。「22歳ですがまだまだツインテールをしていきます!もともと歌うことが好きでアイドルを目指して、かわいい系の曲が得意です。女の子のファンが多いのが私の自慢!応援してくださる方々のおかげでステージに立てていることは忘れたくないなって。アルバムのレコーディングは、喉には油がいいということで、ファミチキを食べて臨みました(笑)」※『anan』2024年2月7日号より。写真・KAZUYUKI EBISAWA(makiura office)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2024年02月04日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、内臓第一で食べ物を選ぶ女性、「自分の内臓を喜ばせたい女」になりきり。腸を休めることで体も心もヘルシーに!仲良しの滝沢カレンちゃんは、とにかく自分の内臓のことを一番に考えている人。腸揉みがすごく好きで、酵素風呂にも通っているそう。そして、食べるものを決める時には、自分が食べたいものより、内臓が何を食べたいかということを大事にしているのだそう。「内臓が喜んでいるイコール、私も喜べるんです」と話していて、さすが面白いことを言うなと。そう思いつつも、私は内臓のことを考えてごはんを食べたことがないし、なんなら酷使しちゃうことも多いので、少し反省しました。肌荒れなど、いろいろな悩みにも直結していますしね。振り返ってみると、カレンちゃんが冷たい飲み物や食べ物を口にしている姿は見たことがなく、それも内臓をいたわるためだったんだなと。『王様のブランチ』のロケで山芋の鍋を一緒に食べた時に、「内臓が喜んでいるのがわかります」と言っていたことも、すごくよく覚えています。たしかに、内臓が元気であれば免疫力が高まるし、健康になるなどいいことしかないですよね。そう、私は最近、酵素ドリンクを飲みながら行うファスティングに夫と一緒に挑戦をしてみました。すると、寝起きがすごく良くなったし、腸が活発に動いていることを実感。また、爽やかな気持ちにもなれました。脳が欲しがるものを思いっきり食べて満たされるのも幸せになれていいのですが、それと同じくらい、腸を休めることは大事なんだなと実感しました。自分の内臓をいたわる人になるためには、「ま(=豆)、ご(=ごま)、わ(=わかめ)、や(=野菜)、さ(=魚)、し(=しいたけ)、い(=芋)」という合言葉で知られるヘルシーで体に優しい食材を選んでみましょう。休肝日のように内臓を休ませる日を作ってみるのもよさそうです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。※『anan』2024年2月7日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2024年02月04日王道大作から、シュールな作風のクセ強監督作品まで、出演作の幅広さはもちろん、演じる役も多種多様。アイドル時代のイメージにこだわらない活躍を見せる前田敦子さん。――最新作『一月の声に歓びを刻め』は、三島有紀子監督の実体験を元に、過去の性暴力による心の傷を描いた作品です。監督からオファーを受け、引き受けるか悩まれたそうですが、最終的に背中を押したのは何だったんでしょう?理由はすごくシンプルで、監督から求められていることに自分が応えられるかどうかでした。今回の作品は三島監督自身の体験を元にした話ですし、お引き受けするならばきちんと責任を持ってやりたい。でも、現実として私はいま子育て中で、子育てをしていると、どっぷり何かに入り込むということはなかなか難しい。そういう中で、自分が作品を背負えるのかというのが一番悩んだところです。――作品によって、プライベートも引っ張られてしまうとか…?いやっ…憑依型とかそういうわけではないですよ(笑)。でも、キャーキャー笑って楽しいねって言いながら、いきなり切り替えて演じられる役ではなかったです。しかも撮影は大阪で、1週間は家を離れなければいけない。撮影期間中は気分が落ちることもあるはずで、やらなきゃよかったと思いたくないし、無責任にやりたいとは言えず。でも、監督は私が答えを出すのを催促もせずに待ってくださり、ありがたかったです。――三島監督の作品、ということも大きかったのでしょうか。そうですね。監督がまっすぐ私に声をかけてくださったということがあります。あと以前から、監督から、企画が通ればご一緒したいと言っていただいている別の話があって。ここで密な関係を刻めたら、かねての夢が叶ったときにお互いにとって作品が一層いいものになるだろうという気持ちもありました。――出演を迷われたのも、引き受けられたのも、前田さんの仕事に向かう誠実さかなと感じます。長くこの世界でやってきているからだと思います。この仕事って正解がないから、キャリアを重ねても完全に納得できるものができるのかわかりません。ただ、作品をすごく愛している人の一生懸命な姿が、観る人の心を動かすってことありますよね。若い新人の子がキラキラしているのも、そこだと思うんです。技術の面では足りなくても、全身全霊でがむしゃらに頑張っている人が放つ輝きってあるんです。とはいえ、今の自分が新人の頃に戻れるわけではないし、同じようにはできません。でもそのぶん、確実に積み重ねてきた経験はあって、そのうえで、どれだけ作品に向き合うかで、伝わる熱量が変わってくるのかなと思っていて…今はそういう心境に来ている感じです。今、ひとりで子育てをしていることが、自分にとってプラスに働いているのかもと思うんです。もともと何かの責任を負うことが嫌いじゃないんでしょうね。どっちも責任があるから頑張れる、みたいな(笑)。――向き合うにはすごく苦しい役だったと思いますが、どんなことを考え演じられましたか?私が映画を好きなのは、監督が明確な正解を決めてくれるところです。とくに今回は監督の話でもあったので、三島さんがそこにいてくれれば、他の余計なことは考えないで済んだというか。監督自身、撮りたいものがすでに見えていたのか、まったく迷いなく、すごく緻密に考えてくださっていたので、それにただただついていった感じです。――演じていて、苦しくなる瞬間もありましたか?実際の現場で、監督が当時のことを話し涙を流されているときのほうが辛かったです。ただ、監督が語るときの雰囲気を掴み取らないと意味がない。映画はフィクションですけれど、お芝居は嘘なく、押し付けがましくなく観た方の心に響くものがあればいいな、どうやったらそれができるかなと、撮影中はずっと考えていました。――セリフよりも表情や佇まいで、汲み取る作品という印象でした。本作に限らず、演じるときはどんなことを考えられていますか?あまり緻密に積み上げていくタイプではないかもしれません。相手の方がいるものですし、現場に行って見えてくることも多いので。ただ、セリフを口にするのは現場に入ってからにしています。家で形にしてしまうと、そこから崩せなくなってしまうんです。そうなると気持ちがどっかに行ってしまって、言葉と心がチグハグになってしまう。だから、たとえば舞台みたいな場所はいまだに難しいなと思う。何回も何回も稽古を重ねるので、本番を迎える頃には自分の心が先に行ってしまって…。――この作品を経て、ご自身の中で変化はありました?そうですね…作品というより、監督が私と一緒に“れいこ”という役を生きようとしてくださっている感じがしました。監督と役の呼吸を合わせながら演じる、みたいな感覚が初めてで、こんな作り方もできるんだって。辛い内容の作品ではありますけれど、現場は終始あたたかかったです。映画『一月の声に歓びを刻め』は、北海道・洞爺湖、東京・八丈島、大阪・堂島の3つの島を舞台にした3つの物語で構成。前田さん演じるれいこは堂島編に登場。6歳のときに性暴力の被害に遭ったトラウマを抱えた女性の物語で、脚本・監督の三島有紀子の実体験がベースとなっている。2月9日より全国公開。まえだ・あつこ1991年7月10日生まれ、千葉県出身。2005年にAKB48オープニングメンバーオーディションを経て1期生としてデビューし、’12年の卒業まで絶対的エースとして数々のヒット曲に携わる。俳優としても、数々の映画や舞台、ドラマに出演。出演中のドラマ『厨房のありす』のほか、近作に映画『あつい胸さわぎ』、舞台『夜の女たち』など。ドレス¥38,500(jesh/ヴァレイ TEL:0745・31・5156)ピアス¥16,500(KAORU/KAORU ルミネ有楽町店 TEL:03・6269・9305)※『anan』2024年2月7日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・有本祐輔(7回の裏)ヘア&メイク・高橋里帆(HappyStar)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月03日「2.5次元」の世界を足掛かりに、活動の幅を広げている笹森裕貴さん。柔らかさと芯の強さが重なり合った表情を、写真家・金本凜太朗さんがビビッドに切り取ります。ミュージカル『刀剣乱舞』や『ブルーピリオド』The Stageなどで、頭角を現している笹森裕貴さん。優しい顔立ちからは意外なほど、快活でハキハキとした骨太な印象を受ける。「高校生の頃に雑誌のモデルをやっていたんですが、卒業するタイミングで、今の事務所から俳優のお話をいただきました。そのとき浮かんだのは、中学生のときに友だちのお父さんに見せられた映画『ゴッドファーザー』。自分もアル・パチーノみたいにやってみたい、って」その頃の自分のことを振り返りながら、「人生ナメすぎていたんですよね」と苦笑いを見せる。「幼稚園の年長から中学まで野球をやっていて、締め付けもあって厳しかった生活だったのが、高校に入って野球をやめてモデルを始めて、そこそこうまくいってたから、自分はなんでもできると思っていたんです。でも俳優の世界に来てみたら、演技のワークショップで怒られる日々。『お前は何がしたいの?』って言われたりもして。オーディションに行っても何も受からないし、台本をもらったら手が震えて声が出なくなるし。自分は何もできないんだってことを認めて、その悔しさからスイッチが一気に入りました」徐々に仕事が決まり始め、「初めて世間に認められたのかなと思った」のが、2019年のMANKAI STAGE『A3!』。「演出の松崎(史也)さんはテクニカルに指導してくださる方だし、共演もお芝居が好きな先輩方が多く、お芝居することが楽しいと改めて思えた現場です。ただ、役に感情移入しすぎて泣きそうになる瞬間も何度もあって…。そこで泣いてもお客さんは冷める気がして必死に堪えましたけど。“自分やってます”アピールみたいになりたくなかったんで」現在、漫画やゲームが原作の2.5次元舞台が活動の中心。「“2.5次元役者”と言われるのも嫌じゃないです。どんな作品でもどんな役でも、本気で向き合っているので。いろんな現場を経験すると、あと一歩のところで満足してしまう人に出会うこともあって、そういう姿を見ると自分が完璧主義な分、悔しくならないのかなって思っちゃいます」取材中、何度か口にした「悔しい」の言葉。それこそが笹森さんの強さであり、芝居にひたむきに向かう原動力だ。「何もできなくて、反骨心だけでやってきた感じですからね(笑)。自分はこんなに歌えないなとか、こんな動きできないなとか、ずっと周りが羨ましくて仕方なかったです。でも、ずっと自分がコンプレックスに感じていたことを褒めてくれた人がいて、そこから意識が少し変わりました。自分にないものを嘆くんじゃなく、自分の個性を認めてそこを伸ばしていこうと考え方を変えてから、自分が好きになりました」俳優になってからずっとコンプレックスだったのが声。「ちょっと掠れていて、スコンと抜ける綺麗な声ではないので、ずっと歌に苦手意識がありました。でも3年くらい前、とある歌唱指導の方に『声がいいんだから、それを伸ばしたら』と言われて。そこからはこの声で勝負しようと、ボイストレーニングに力を入れています」そしてこの先には、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の出演が控えている。ここまでの努力が実を結び、オーディションを経ての初のグランドミュージカル進出だ。「ここ数年、この声で勝負するということを目標にしてきて、それがグランドミュージカルに出るということだったので、決まったときは涙が出るくらい嬉しかったです」性格を自己分析すると「ビビりで結構面倒くさい」とか。「感情の起伏が激しくて、些細なことに一喜一憂してしまうんです。楽しいときはテンション高いけれど、時どきネガティブになってドーンと落ち込んだり。そのくせビビりで負けず嫌いだから、人前で恥ずかしいところを見せたくなくて強がったり…。だから作品に入るときに、誰よりも準備していったりするんですけれど。でも最近、それじゃ自分を信頼して期待してくれている人に対して失礼だなと思うようになりました。ファンの方もですし、おじいちゃんおばあちゃん、両親が僕の活躍を楽しみにしてくれているんで」ささもり・ひろき1997年6月21日生まれ、東京都出身。ミュージカル『刀剣乱舞』松井江役で注目される。出演するミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は5月16日開幕。ブルゾン¥51,700(コノロジカ HEMT PR TEL:03・6721・0882)その他はスタイリスト私物かねもと・りんたろう1998年生まれ、広島県出身。2020年に東京綜合写真専門学校卒業後、フリーに。Webや雑誌などの商業写真のほか、作家としても精力的に活動する。※『anan』2024年2月7日号より。写真・金本凜太朗スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・CHIHIRO(TRON)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年02月03日話題の映画『カラオケ行こ!』の大役の座をオーディションで射止めた、注目の新星・齋藤潤さん。少年らしさと大人びた静謐さが同居する16歳の素顔を、写真家・久野美怜さんが瑞々しく切り取った。現在上映中の映画『カラオケ行こ!』でメインキャストを務めるなど、いま注目を集める俳優の一人である齋藤潤さんの撮影は、夕暮れ時、緑深い公園で行われた。途中、猫を見つけると嬉しそうに駆け寄ったり、草の上に寝そべりながら「このまま寝ちゃいそうです…」と言うなど無邪気な振る舞いは16歳そのもの。でも、圧倒的な瑞々しさの中に、彼の内面によるものなのか、不思議な落ち着きが垣間見える。「誰かと自分を比べることはあまりよくないかもしれないけれど、僕は他の人よりとんがっているものがないんです。だから、特集のテーマが個性だと聞いてから自分の個性を考えていたんですけど、何も思い浮かばなくて…。あえて言うなら、平和主義の人。基本的に人と戦いたくないし、誰かと意見が違って話し合いになったとしても、どちらかが折れなきゃ終わらない。それなら最初からやめておこう、と思うんです。一歩引いた目で、客観的に見ている感じなのかも。ただ、お仕事をする上での“この役を掴み取りたい”という気持ちは、誰にも負けないという強い自信を持っています」そんな今の自分の性質を大事にしていきたいとも話す。「自分とは違う負けず嫌いの人に嫉妬していたこともありましたけど、人それぞれに“その人の形”があるから。自分の形を大切にしながら磨けるものを磨いて、仕事などで良い方向に生かしていきたい。そして、出来上がった僕の形にハマってくださる方が多ければいいなとも思っています。もちろん、直したいところや、嫌だなと思うところはたくさんあります。たとえば、よく電車で寝ちゃって乗り過ごしたりとか(笑)。内面的なことで言うと、すぐ諦めたくなったり、心が折れやすいところ。仕事で落ち込んだ時は、一度、自分が将来的になりたい姿を浮かべて、“こんなところでつまずいていちゃダメだ”“やるしかない”と気持ちを立て直すようにしています。好きな食べ物とかで回復できる人ではないし、自分を甘やかすと、また同じことでつまずいちゃうと思うので。って、こんなふうに言ってますが、本当にできているのかどうかはわからないですけど(笑)」俳優の仕事を志したきっかけは、「映画『キングダム』を観てスクリーン側に立って感動を与えたいと思ったこと」。映画『カラオケ行こ!』では、その願いを叶えている。「嬉しい気持ちが一番ですが、不思議な感覚になることも多いです。撮影の頃の僕は、今より演技経験が少なかったので、山下敦弘監督と芝居についていろいろなことを話しました。(綾野)剛さんは、主人公同士として一緒に歩んでくださいました。僕が何度やってもできなかった芝居に対して、『こうやってみたら、ちょっと掴めるんじゃない?』と提案をいただいたりもして。おふたりがずっと隣にいてくださったから、撮影を乗り越えることができました」今作は、齋藤さん演じる中学生の岡聡実が、綾野剛さん演じるヤクザの成田狂児に頼まれて、カラオケボックスで歌唱指導をすることになるというユニークな物語。「聡実と狂児の関係は、カラオケをするたびに少しずつ変化していくのですが、時々、急にぎゅっと近づくことも。そうした二人の距離感はもちろん、登場する全キャラクターに強い個性と魅力があるので楽しめるはずです。僕が一番好きなのは、ヤクザたちが聡実に歌を披露するシーン。撮影の段取りを確認している時は、めちゃくちゃ面白くて、お腹を抱えて笑ってしまいました(笑)。役を演じていると、どの役にも自分との共通点があるなと感じるし、向き合っていくうちに自分の性格みたいなものが見えてくることもあります。聡実の場合は、合唱部の部長や狂児に歌を教える立場としての責任感が、映画の主人公を務めるという僕のプレッシャーみたいなものと大きく重なっていたように思います」歌が好きなところも、聡実と齋藤さんの共通点の一つ。「僕、無意識で歌う癖があるんです。現場とかで周りの人から、『その歌好きなの?』と聞かれて、『何か歌っていましたか?』と返すことがよくありまして…。僕はいいですけど、他の人からすると結構、いい迷惑ですよね(笑)」さいとう・じゅん2007年6月11日生まれ、神奈川県出身。岡聡実を演じる映画『カラオケ行こ!』が全国公開中。出演する映画『瞼の転校生』が3月2日から全国公開される。ユーズドのコート¥22,000シャツ¥4,290(共に原宿シカゴ 下北沢店 TEL:03・3419・2890)パーカ¥12,100(チャンピオン/チャンピオン ブランドハウス シブヤ トウキョウ TEL:03・5962・7600)その他はスタイリスト私物くの・みれい1996年6月18日生まれ、東京都出身。SIGNO所属。フィルムでの撮影を得意とし、幻想的でエモーショナルな世界観が特徴的。個展も開催している。※『anan』2024年2月7日号より。写真・久野美怜(SIGNO)スタイリスト・高橋正典ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2024年02月03日強みは“普通”。自らをそう表現する綱啓永さんは、めきめきと頭角をあらわす注目の若手俳優。そんな彼の等身大の姿を写真家・Yuji Watanabeさんが丁寧に、柔らかく切り取ります。冬の柔らかな陽だまりに包まれ、飾ることなくカメラの前へ。今回のテーマ・等身大の綱啓永さんがそこにいた。「さすがに少しはかっこつけましたけど(笑)、今日はキメキメな感じではなく撮ってもらえて嬉しかったです。僕は顔もナチュラルだし、俳優として“普通”という自覚があるんです。この世界にいると個性的な人が多いので、自分の中に変わっているところはないか、探してみたんですけどね。探して探して、でも見つからなかった。しばらく個性がないことがコンプレックスだったんですけど、ある時、“普通”の人が少ないからこそ、それが強みになると気づいたんです。色でいうと僕は白。白はどんな色にも染まれるから、役の幅を狭めないことは俳優としていいことだなって」その言葉通り、知名度を上げたドラマ『君の花になる』ではボーイズグループのメンバー、『恋愛のすゝめ』では秀才の高校生役と、幅広い役を演じる俳優に。連続ドラマ初単独主演だった『恋愛のすゝめ』の現場は不安が大きかったそう。「なにせ“普通”ですし、自分は真ん中にいる人間じゃなくて、周りで支えるポジションのほうが合っているんじゃないかってどこかで思ってて。でも、現場に入ったら毎日が山場。とにかく必死だったので、そんな不安はすぐにかき消せたくらい、毎日が充実していました。現場の空気って、座長によってすごく変わるんです。参考にさせてもらったのは、『ばらかもん』で一緒だった杉野遥亮さん。子供がたくさん出てくるドラマだったんですけど、子供たちにも、役にも、真摯に向き合う杉野さんの姿を見て『この座長のために何かできることはないか』って思ったんですよね。そんなふうに思わせてくれる座長はすごく素敵ですし、座長を務めるからには、僕にも必要なことだと感じました」ドラマ『君の花になる』で誕生した8LOOMで大きな注目を集めるなど、その勢いは増すばかり。「いま、6年目なんですけど、やっと本当の意味で、役者人生のスタートラインに立てたのかなと。当たり前のことなんですけど、ここまで真面目にやってきた自分を褒めてあげたいです。僕は遅咲きのタイプなんですよね。普段から仲の良い前田拳太郎、日向亘、樋口幸平とか、僕より歴が浅くて活躍している仲間には『いいな。すごいな』って、直接言ってます(笑)。最近、年下と共演することが多くて、映画『恋わずらいのエリー』の主演の宮世琉弥もそう。今回、僕はヒロインの友達に片想いする役だったので、遠くない将来、恋愛作品の主軸になれたらなって思いました」同世代や年下の活躍を羨ましいと素直に口に出せるのは、今の自分自身に自信を持てているからなのでは。「そんなことはないです。パブリックイメージは明るく陽気な人だと思うんですけど、自信家の反対の…“自信がない家”です(笑)。『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』グランプリという、ある意味戦いで初めて勝てたあの経験で、前向きに考えるようにはなったんですけど、根はネガティブです。続けられた理由は、やっぱり演じることが楽しいから。撮影って緻密で地味な作業の積み重ねなんです。1日かけて撮っても、使われるのは1分ということも。地味な作業は好きじゃなかった僕が、こうして続けられているくらいお芝居には魅力があるし、喜んでくれる人のおかげ。ファンの人は、僕が生きているだけで嬉しいとまで言ってくれるんです。そういう人がいなかったら僕は頑張れない。みなさんには感謝しないといけないし、感謝したいです」ファンへの思いを素直に口にする熱い一面も。これから力を入れたいことを尋ねても、それは変わらない。「映画にたくさん出たいですね。映画館のスクリーンのサイズで僕を観られるのが、みなさん嬉しいらしくて。そして、アカデミー賞を取る!言霊です。でも、お芝居のレベルはまだまだ…。内田有紀さんに『本番が始まったら、全部捨てる』とアドバイスをいただいたんですけど、どうしても考えちゃうんです。全部捨てて、もっとナチュラルに役を生きられるようにならないと。今年は勝負の年だと思っています」つな・けいと1998年12月24日生まれ、千葉県出身。2018年、ドラマ『文学処女』でデビュー。2月10日から舞台『う蝕』が始まる。出演映画『恋わずらいのエリー』は3月15日公開。IDリング(薬指)¥8,800SIGNETリング(人差し指)¥16,500(共に20/80)共にHEMT PR TEL:03・6721・0882シャツ¥28,600(ディガウェル/ディガウェル 1 TEL:03・5722・3392)ベスト¥39,600レザーパンツ(参考色)¥176,000(共にサブレーションズsublations.cs@one-five.jp)その他はスタイリスト私物ユウジ・ワタナベNY留学中に写真を学ぶ。2012年よりフランスに拠点を移し、現在は東京とパリをベースに活動。イタリアの『VOGUE』などで、幻想的な写真を撮り続けている。※『anan』2024年2月7日号より。写真・Yuji Watanabeスタイリスト・井田信之ヘア&メイク・牧野雄大(vierge)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2024年02月02日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、ネガティブな自分も認められる女性、「受け入れてから解き放つ女」になりきり。嫌なことは、気持ちが安定している時に考えて。この間、お世話になっている鍼の先生から、「嫌なことやモヤモヤすることがあった時に、すぐ、“どっか行け!”と思ってないですか?」と言われました。まさに、私はそういうタイプ。早く忘れたいのに、“こういうことがあったな”と何度も思い出して、ネチネチ考えてしまいます。そのことを伝えると、「“嫌なことを考えるのが好きなんだな”と一回受け入れた上で解き放つといいんじゃないですか?」と言われました。最初は驚いたのですが、確かにそうかもなと。これまで、自己啓発本を読んだり、嫌なことを手放そうと頑張っていたのですが、なかなかうまくいかず…。そうではなく、悩みたいと思って悩んでいるのかもしれないと気づき、実際にそういう自分を受け入れてみると、モヤモヤすることが減りました。さらに、自分が悩むのは暇な時だとわかり、嫌なことを考え始めた時は、「暇だからだな~」と割り切ることもできるように。自分とは違う視点からのアドバイスをもらうことは、気持ちが楽になるし、すごく大事だと思いました。そう、『10人のお坊さん』という、重たいテーマに関して10人のお坊さんが説法やアドバイスをするというTV番組をよく見ていますが、誰一人として同じ意見がないんです。いろいろな考え方があるからこそ面白いし、自分が腑に落ちる考えに出合うことが大事なんだと感じられるので、すごくおすすめです。まずは、嫌だと思うことを受け入れることが第一歩。晴天の日や、朝日を浴びながら、バスタイムなど、自分がリラックスしたり、気持ちが安定している時を選んで、モヤモヤすることを考えてみるようにしましょう。眠る前や雨の日などネガティブな方向に引っ張られやすいタイミングは、できるだけ避けると安心です!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。※『anan』2024年1月31日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2024年01月28日かわいく、明るく、そしてとびきりクールに。シャッターが切られるたびにがらりと表情を変える関水渚さん。ときにはジョークで周りを和ませる、そんな様子に飾らないキャラクターもにじみ出て…。近年立て続けにドラマや映画に出演し、昨年は大河ドラマでも幅広い世代に印象を残した次世代ヒロインは、美貌だけでなく内面もまた極めつきに素敵です。――清楚な雰囲気からクールな表情まで…幅広い表現のなかでもお茶目な一面が魅力的でした。関水渚さん(以下、関水):ありがとうございます(笑)。それは直近に撮影したコメディドラマ『婚活1000本ノック』の影響かもしれません。私はヒロインを煽るライバル役で、鏡の前で「いかにウザい表情をつくるか」の練習をしていたので、クセのある仕草や話し方が残ってるんです。…あ、水いただいていいですか?(ごくごく)…ああ、おいしい。――そもそも関水さんは「ホリプロスカウトキャラバン」を機にデビューされたと伺いましたが。関水:そうなんです。“キャラバン”に出たのは17歳のときだったんですけど高校が芸能活動禁止だったので、活動を始めるのは高校卒業後になりました。石原さとみさん出演の月9『リッチマン、プアウーマン』にあこがれて「いますぐに俳優になる!」って思っていたけど、両親に「いまの学校を出てからでも遅くはないんじゃない?」とアドバイスを受けて。――どんな高校生でしたか?関水:野球部のマネージャーをやってました。野球部の子が「マネージャーやってくれない?」って言うから私もノリで「やるわ!」って始めたら…けっこう忙しかったですね。日曜から土曜まで練習があって…、あ、それ毎日だ(笑)。でもあの日々のおかげで一人っ子の私は同世代の男子との接し方を学んだ気がします。「男の子同士で盛り上がってるときはほっとく」…とか。男女問わず同級生はいい子たちばかりで、いまは一緒に卒業できてよかったと思います。このあいだも街でばったり会って急きょお茶したし…(笑)。――素敵な高校生活ですね。ちなみに趣味はウィンドサーフィンと聞きましたが、その頃から?関水:ウィンドサーフィンは父の影響で3年前に始めました。サーフボードみたいなものの上に帆を立てて、その上で体の重心を移動させながら前に進むスポーツで。すっごく技術が必要で、簡単には上達しません。海にボチャンすることもしょっちゅうですよ。落ちそうなときほど、海面にクラゲがいっぱい見えて「落ちたら刺されて腫れる~!」って。だから作品に入ってるときは控えますけど、トビウオが跳ねる姿や、太陽の光で海がキラキラするのをボードの上から見ると「自然より美しいものはないな」って実感します。――お父さんと一緒に海に行くことはないんですか?関水:行きたいです!私は父が大好きなので。でもいま父は難しい試験に向けて勉強中なんですよ。このあいだもテレビで見た素敵なお店に誘ったら「いまは試験勉強を悔いなくやり切りたいから」って断られました。「一応私、一人娘なんですけど…(笑)」って思いつつ、自分も父みたいに、目標に対して全力でありたいです。実は不器用で負けず嫌い。仕事も趣味も“コソ練”派。――2024年は新春から出演作が目白押しですが、忙しいなかで日々全力を尽くすために心がけていることはありますか。関水:一つ一つの役に、最大限の時間を取ることです。忙しいからってその役に本気で向き合わなかったら後悔するのは自分。だけど忙しいときこそ睡眠時間も大事にしたいので、覚え方そのものを工夫しています。私は音で覚えるのが得意なので、一度台本を音読して録音したものをイヤホンで聴いて覚える。繰り返し聴くことで、自分の言葉としてセリフを言えるようになるまで、体に染み込ませる!――近道はないんですね。関水:ないですねえ…。私ほんとに不器用で、一個のことしかできないから。だけど澄ました顔で「できてますけど?」って言いたいほうだから、いつも“コソ練”してます!(笑)最近は陶芸にハマってて、その腕前を上げる練習として絵をコソ練してます。絵のセンスを磨くことで、配色とか造形も上達する気がして…。だけど絵を描き始めると没頭しちゃうので、これもオフの日限定です。――お仕事が最優先事項?関水:はい。友達とお茶してるときも何か思いつくと「ごめん!」って急に台本を引っ張り出してメモしたりしちゃいます(笑)。そんなかんじで作品中は常に脳の片隅に仕事があります。お芝居の中で俳優さんとぶつかり合って心がふるえる瞬間も、プロの大人たちが真剣になって準備している学園祭みたいな現場の空気も大好き!――確かに“祭り”ですよね。関水:いやほんと、そうなんですよ!みんなで汗水たらして一つのものを作るのが最高に楽しくて。――それほどのめり込むまでには、悩んだ時期もありましたか。関水:…そうですね。自分を追い込みすぎて、ゼリーくらいしか喉を通らなくなったり、大きな賞をいただいてもプレッシャーに感じてしまったりした時期もありました。そのなかで仲村トオルさんと共演させていただいた2021年のドラマ『八月は夜のバッティングセンターで。』は、私が変わる節目になった作品です。私の役は、心理的な原因で投げられなくなり、部活に行けなくなってしまったピッチャーで、バッティングセンターでアルバイトをしている「舞」、トオルさんはそこによく来る謎の「おっさん」(笑)。でも、野球から逃げ回ってた舞がもう一度野球と向き合おうというなかで、そのトオルさんの言葉の一つ一つが胸に響きました。なかでも「じゃ、もう野球やらなくていいんだな?」と言われたシーンでは、舞と自分の境遇が重なって、自分だけのものじゃない涙がこぼれました。最終回、野球ボールに書いてあった「臆せず前へ」というトオルさんの字が忘れられません。これからの私の俳優業に向けての言葉のようにも感じて、いまも大切にしています。末澤誠也さんと関水さんによるW主演のMBSドラマ特区『彼女と彼氏の明るい未来』は毎週木曜24:59~MBS 毎日放送で絶賛放送中(放送地域により曜日や時間が異なる)。超ネガティブ男子が最愛の彼女の驚愕の過去を知ったら…?絶望から始まる、ちょっとブラックなラブコメディ。見逃し配信は「TVer」にて。せきみず・なぎさ1998年6月5日生まれ、神奈川県出身。「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でファイナリストに選ばれたことを機にデビュー。放映中のW主演ドラマ『彼女と彼氏の明るい未来』のほか、ドラマ『婚活1000本ノック』(フジテレビ系、毎週水曜22:00~)にも出演。目標は「王道恋愛ドラマのヒロインになること」。トップス¥38,800スカート¥58,300(共にミランニ/ドレスアンレーヴ TEL:03・5468・2118)イヤリング¥1,980バングル¥2,090(共にゴールディ TEL:0120・390・705)ブーツはスタイリスト私物※『anan』2024年1月31日号より。写真・野呂知功(TRIVAL)スタイリスト・後藤仁子ヘア&メイク・井手真紗子インタビュー、文・大澤千穂(by anan編集部)
2024年01月27日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、素晴らしい挨拶ができる女性、「光栄ですと言う女」になりきり。人の言葉遣いや挨拶を意識的に聞いておこう。湘南のショッピングモールで、一日消防署長イベントをやった時のこと。私のほかに、「湘南江の島海の女王&海の王子コンテスト」で選ばれた海の女王がゲストで来ていました。イベントには消防車が来たり、心臓マッサージの実演などが行われ、最後に司会の方から「今日はいかがでしたか?」と感想を問われたんです。私は「本当に楽しかったです!消防士の方々、いつもありがとうございまーす!」みたいな感じで終わったのですが、海の女王は「この度は」から始まり、「素晴らしい機会に恵まれて光栄です」と、催し物にふさわしい言葉を述べていました。まさに、正式なコメントとはこのことだなと。イベントが始まる前に海の女王とは結構仲良く話していたのですが、その時はいい感じにフランクで、「緊張します」「何を言えばいいかわからないです」と言っていたくせに(笑)、いざマイクを向けられると、素晴らしい言葉遣いができる。やっぱり海の女王に選ばれる人はちゃんとしてるんだと感心しました。アスリートの方も、きちんとした言葉遣いをされる方が多いですよね。なんで自分はそういうことが言えなかったんだろうと後悔。この反省を踏まえて、「嬉しいでーす!」などと感情をそのまま口に出さず、いい具合にコントロールした言葉選びが完ぺきにできる人になりたい、教養と知識と常識を蓄えたいと、心から思いました。彼女のような挨拶ができるようになるためには、目上の人に対して失礼にならない言葉をストックしておくことが大事。「上から失礼いたします」とか、いつ、どこで覚えたの?と思うのですが(笑)、普段から他の人の言葉遣いや、イベントでの挨拶を意識的に聞いて覚えておくと、いざという時に焦らず、活用できそうです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。※『anan』2024年1月24日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2024年01月21日『真夏のシンデレラ』などの話題作をはじめ、昨年は7本のドラマと2本の映画に出演。コミカルなストーカーやシングルマザーなど、インパクトある役柄を演じることも多い、仁村紗和さん。現在放送中のドラマプレミア23『SHUT UP』(テレ東系)では、民放連続ドラマの初主演を務めている。――今作は、仁村さん演じる主人公の田島由希、川田恵(莉子)、工藤しおり(片山友希)、浅井紗奈(渡邉美穂)の4人が、共に学生寮で暮らす中で巻き起こる“衝撃のクライムサスペンス”です。オファーを受けた時の気持ちを教えてください。仁村紗和さん(以下、仁村):“クライムサスペンス”の中に、復讐劇もあれば4人の友情もあり、社会問題も取り上げている、ぎゅっと内容の濃いドラマです。明るいテーマではないですが、いろんな要素がある物語に主演でお声かけいただいて、やりがいは絶対にあると思いました。挑戦させていただけて、嬉しいです。――やはり主演は、目指すところでもあったのでしょうか。仁村:それが今まで、主演をやりたいという気持ちはそこまで強くなくて。むしろ主人公の脇で、のびのびとお芝居をさせてもらうのが好きでもあったんです。でもどんな立ち位置でも、役者としてやるべきことは何も変わらないですから。由希という人物像にブレない軸を持ちつつ、みんなが気持ちよくお芝居ができるように風通しのいい現場になるといいと思っています。――仁村さん、莉子さん、片山さん、渡邉さんの全員が、それぞれ初共演だそうで。コミュニケーションで大切にしていることは?仁村:とくに肩肘張らずに、ありのままの私でいることと、もうひとつ大事にしているのが、おやつの差し入れをすること。寮の撮影をする時はテラスがあるので、駄菓子を毎日買ってそこに置いています。――なぜ駄菓子を?仁村:『真夏のシンデレラ』で共演した森七菜ちゃんが、それをしてくれていて、すごく楽しかったんです。高級フィナンシェでもいいけど、手を出すのに気を使われそうで。でも“おやつカルパス”ならパパッと3つぐらい取れるし、「これ懐かしいね」という会話も自然と生まれるので、いいコミュニケーションツールです。――なるほど。4人集まると、撮影の合間も賑やかそうですね。仁村:同世代ではないし、莉子ちゃんなんて8歳も年下だけど、初共演とは思えないぐらいの仲の良さ。5秒おきに話すテーマが変わるような、女子トークのテンポでしゃべり続けています。美味しいラーメン屋ある?おすすめの皮膚科教えて。喉のケアにいい飴ちゃんあるよ~って感じ(笑)。でもみんなおしゃべり好きなのは、よかった。そうそう私、全員からいじられキャラになっているんです。――そうなんですか?仁村:私の言葉選びが変らしくて、例えば撮影の合間に寝ていた渡邉美穂ちゃんに「ぴーすかぴーすか寝てるん?」って聞いたら「“ぴーすかぴーすか”ってなんですか?」って返されて。「人っこ一人いなかった」とか「知らなんだ」と言えば、そんな言葉使わないって全員からいじり倒されるんです。ちなみに私たちは、莉子ちゃんが一人っ子で、あとは全員3人きょうだいの末っ子。だからみんなマイペースで我が道をいく感が強いんですが、不思議な化学反応が起こって協調性が生まれているんです。だいたい末っ子3人がわちゃわちゃしているところに、莉子ちゃんが辛辣なツッコミをして場が収まるというパターン(笑)。――チームワークがよくて、お芝居の相性もよさそうです。仁村:そうなんです。寮での生活感を出すために、このソファにはいつもみんなどうやって座っているんだろうとか、暖簾はどうくぐる?など、みんなで話し合って研究したりも。監督は、とにかくリアルを求める方でもあるので。――裏話を聞いてなおさら、今後もドラマを見るのが楽しみになりました。この作品を通して、どんなことを伝えたいですか?仁村:差別や貧困、生理の話、“パパ活”“性的同意”なんて言葉も出てきて、現代人のリアルをテーマにもしています。こんな世の中に生きる若者は大変だからこそ、先を見抜く目や力を持たなければいけないし、自分の感情を表現しなければいけない。その大切さみたいなものが伝わると嬉しいです。今の選択や判断で、運命は変えられると思う。――『SHUT UP』は4人の運命が少しずつ変わっていく物語。仁村さんご自身は“運命”についてどのように捉えていますか?仁村:運命ってなんでしょうね。私は、今を重ねて未来ができていると思うので、漠然と先のことを考えて不安になったり、起こってもいないことで悩むのはやめようと思って生きてきました。それでももし悩んだら、目の前の人や仕事を大事にしていけば、道は繋がっていくと思っていて。だから今の選択や判断で、運命は変えられると思います。それに何か目標を掲げるというよりは、コツコツ生きて、ひとつひとつ積み上げていった結果、大きな何かになっているというほうが自分に合っているんです。――先ほど撮影をしている時、仁村さんを中心に和やかな雰囲気で、笑いもあって楽しそうだったので、すごく腑に落ちました。ところで、芸能界に入るまではやりたいことがたくさんあったそうですね。仁村:はい。動物が好きだから動物に関わる仕事に興味があったり、航空券の発券をスムーズにしてくれる空港のグランドスタッフさんに憧れたり。ずっとダンスを続けているんですが、ダンスで食べていけたらいいなとも思っていて、高校時代の進路希望には“ダンサー”と書いていました。体を使って表現するお芝居も、ダンスに通じるところはありますけど。――芸能界入りしたのは、スカウトでしたね。仁村:はい。地元の大阪から代々木公園のフェスに遊びに行った高2の時に、原宿で。それを受けたのも、ダンスを活かせるかもしれないと思ったからでしたけど。――怖さとかはなかったんですか。仁村:若い時は、無敵モードがあったんです。今はもう無敵ではないですけど…(笑)。若ければ失敗しても許されるし、むしろいろんな失敗をしたほうがいいと思っていました。失うものが何もなくて、着の身着のまま大阪から上京して。…というのは嘘で、ぬいぐるみを全部持ってきたので、だいぶ大荷物でした(笑)。でもマインドは、着の身着のままの強さがあったと思います。事務所に入ると映像の仕事が多くて、自然とお芝居の道に。ダンスをやっていたから人に見られることが苦ではなかったし、意外と順応性は高いのかも。由希、恵、しおり、紗奈の大学生4人が、学生寮で貧しい共同生活をしていたある日、恵の妊娠が発覚。友人を傷つけた男への復讐を企てるが、それは思わぬ方向へ…。そして性暴力事件にたどり着くという“クライムサスペンス”。ドラマプレミア23『SHUT UP』は毎週月曜23:06~テレ東にて放送中。第7話は、1月22日放送。にむら・さわ1994年10月13日生まれ、大阪府枚方市出身。2014年に芸能界入りし’15年俳優デビュー。’22年に主演を務めたNHK夜ドラ『あなたのブツが、ここに』で注目を集め、昨年はドラマ『美しい彼 シーズン2』『わたしのお嫁くん』『真夏のシンデレラ』、映画『658km、陽子の旅』など多数の映像作品に出演。モデルとしても活躍する。※『anan』2024年1月24日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2024年01月20日新ドラマ『アイのない恋人たち』に出演する、福士蒼汰さんと岡崎紗絵さんにインタビュー!その時代が直面する社会問題をテーマに、ドラマ『ハケン占い師アタル』や『となりのチカラ』などのヒット作を生み出してきた脚本家・遊川和彦さん。新ドラマ『アイのない恋人たち』では、“自分が望むような自分”になれずに行き詰まった、アラサー男女7人を描く。人を愛することで、人生や自分自身を変えていくというラブストーリーだ。福士蒼汰さん(以下、福士):数々の名作を生み出してきた遊川さんがこんなに可愛いラブストーリーを書かれているのが印象的でした。7人のいろんな恋愛事情をどうやって書き分けているのだろう、もしかしたらこういう友達がいるのかな…と遊川さんへの関心が湧いてしまって。お話し好きな方なので、今度お会いしたら聞いてみようと思います。岡崎紗絵さん(以下、岡崎):そうなんですか?私はまだお会いしていなくて。(※取材時、11月末時点)福士:話が止まらない方です。「俺、喋っちゃうからさ~。でも今日は喋らないようにするよ」と話した5分後には話し始めていました(笑)。岡崎:私が台本を読んでまず思ったのは、繊細なニュアンスがすごくうまく描かれているということでした。読みながら、もうその情景が映像でイメージできるぐらい面白くて、一気に読み終えました。それぞれのキャラクターもすごく濃いので、この7人が実際に集まったらどうなるんだろう、という興味が止まらなくなったんです。――今作で、福士蒼汰さんは売れない脚本家・久米真和を、岡崎紗絵さんはブックカフェを経営する今村絵里加を演じている。福士:夢に向かうことで自分を正当化しようとしている真和は、自分はみんなとは違う、と自らを棚にあげて人を遠ざけているような人。“一番未熟な長男”のようなイメージです。そんな言い方しなくても…という発言をしてしまう人なので、なるべく嫌われるように演じたいと思っています(笑)。岡崎:絵里加も、他人や家族との距離感を詰められない女性です。結婚には縁がないと思っていて、一人で生きていくと決めているようにも見えますが、でも心の底では誰かと繋がっていたいと思っていて。そんな絵里加に共感するところは、衝動的ではなく、何か考えを持って行動するところかな。福士:いろんな考えを持って生きている7人には、僕たちだけではなく見ている方にとっても、どこかリアルに映る部分があるのかも。岡崎:そう思います。生き方や悩みの違う7人が交わることで生まれる変化や成長は、視聴者の方にも共感していただける気がします。――自分のペースや生活を大事にしているキャラクターを演じる二人。それぞれ、プライベートでゆずれないものはあるのだろうか。岡崎:朝はヘルシーなものを食べること。例えばコーヒーにオーツミルクを入れて飲んだり、なるべく野菜やフルーツを食べるようにしていて。あと最近、発酵玄米を始めました。福士:大変じゃないんですか?岡崎:発酵させるために3~4日放置できるので、全然大変じゃなくて。むしろ楽で、ラッキーなんです(笑)。福士:そうなんだ。僕は、毎日じゃないけどジムに行くことかな。筋肉を鍛えていると、体も心もすごく気持ちよくなるんです。だから行けない日が続くと、頭がグーッて締め付けられるような感覚になってしまって。ちなみに腰、お尻、腿裏を鍛えるトレーニングが好きで、昨日もやってきました。今の体の仕上がりは…理想の10%ぐらいかな(笑)。ドラマ『アイのない恋人たち』脚本家・遊川和彦によるオリジナル作品で、2024年の東京を舞台に恋愛偏差値が低いワケありアラサーたちが織りなす不器用な恋愛模様を描く。1月21日より毎週日曜22:00~、朝日放送テレビ・テレビ朝日系にて放送。ふくし・そうた1993年5月30日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作に、ドラマ『弁護士ソドム』『大奥』など。『THE HEAD Season2』では、念願の世界進出を果たした。W主演映画『湖の女たち』が2024年5月公開予定。セットアップ(JUNOJUNO/JUNO 恵比寿店 TEL:03・5778・3031)パールネックレス¥2,024,000※掲載時点の価格(TASAKI TEL:0120・111・446)おかざき・さえ1995年11月2日生まれ、愛知県出身。2012年、雑誌『Seventeen』(集英社)のモデルオーディションを経て、モデルデビュー。俳優としても活躍中で、主演ドラマ『花嫁未満エスケープ』ほか多数出演。ドレス(ソフィーエトヴォイラトウキョウ TEL:03・5928・4122)ピアス¥586,300リング、右手¥348,700左手¥286,000ブレスレット¥869,000※すべて掲載時点の価格(以上TASAKI)※『anan』2024年1月17日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・髙橋美咲ヘア&メイク・佐鳥麻子(福士さん)サイオチアキ(Lila/岡崎さん)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2024年01月17日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、優先順位を理解している女性、「その場をハンドリングする女」になりきり。現場の状況を見極めて一番いい判断をしよう。オムツのウェブCMをやらせてもらった時、当然ながら撮影現場には赤ちゃんが。そばに女性が立っていたので「お母さんですか?」と聞くと、「あ、ベビーハンドラーです」と。初めて聞くのでどんなお仕事なのかと尋ねると、赤ちゃんをご機嫌にするというものでした。実際、赤ちゃんが怖いくらい見事にハンドリングされていてびっくり…!顔をカメラに向ける時は、好きなおもちゃを持って興味を引く。カメラさんの邪魔になるといけないから、絶妙に写り込まないキワの部分で戦っていて、本当にすごい、面白い!と感動しました。もちろん、オッケーが出ます。また、撮影が続き、お昼寝の時間と重なって赤ちゃんが眠そうにしていたことも。すると、「寝ますよ。撮影変更!」と言って撮影の順番を変えていて。赤ちゃんだけでなく現場のハンドリングもしているのか、すごい影響力…!とまた感動。この現場で何より大事なのは、赤ちゃんが機嫌よくいることだと理解し、常に最善策を考えて行動しているわけです。実際、彼女のおかげで現場は円滑に進んでいきました。話を聞くと、もともとメイクの仕事をしていて、CMの現場で赤ちゃんをあやしていたところ、その場にいたベビーハンドラーさんにスカウトされて今の仕事を始めたとのこと。メイクの仕事は続けていて、この日の現場では、私の夫役の方のメイクも担当してました。彼女のようなすごい人になるには、“何を一番優先すべきか”ということを理解しているのはもちろん、それを周囲の人にハッキリと伝えられる強い気持ちを持つことが大事。今回の現場でも効率より赤ちゃんの状態を優先した結果、スムーズでした。その時どきの状況をしっかりと観察して、ベストな判断ができるといいですよね!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。2023年6月に第三子を出産。※『anan』2024年1月17日号より。写真・中島慶子イラスト・別府麻衣文・重信 綾(by anan編集部)
2024年01月15日大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で鮮烈な印象を残し、「いま最も信頼する俳優のひとり」と脚本の三谷幸喜さんからも言われる柿澤勇人さん。その三谷さんの新作を前に、今の想いを聞いた。史実をなぞりながらも、歴史上の人物を独自の解釈を加えて多面的に描き出し話題を呼んだ三谷幸喜さん脚本の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。本作で、苦悩する若き将軍・源実朝を演じ、大きな注目を浴びた柿澤勇人さん。劇団四季でまたたくまに主役の座を手にし注目を集めたかと思えば、その地位をあっさりと辞して外の世界へ。ミュージカルにとどまらず、蜷川幸雄さんや三谷幸喜さんの舞台のほか、近年は映像でも活躍。その一方で、歌舞伎の音楽を担う清元の家に生まれ、幼い頃から伝統芸能にも触れて育つなど多面的な経歴を持つ人。――現在稽古中の舞台は、三谷幸喜さん作・演出『オデッサ』です。三谷さんとの舞台は、2019年の『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』が初めてでしたが、あらためて三谷作品の魅力はどこに感じられているんでしょうか。三谷さんは基本的に、脚本を役者にあて書きされるスタイルですが、それゆえにどのキャラクターを見てもすごく生き生きとしている印象があります。僕が以前演じたシャーロック・ホームズは、セリフの分量も多いし、板の上に立っている時間が本当に長い(笑)。役者としては過酷ですが、人が集まったりいなくなったりするたびに、人間関係が変化していくのが面白いですよね。ただ前回は、世界的に有名なキャラクターだっただけに、役の手がかりになるものも多かったんです。(ベネディクト・)カンバーバッチのドラマも参考にさせてもらいました。――今回の役にも、柿澤さんのキャラクターが反映されている?今回、鹿児島弁と英語っていう、僕がなじみのない言葉で芝居をしているので、はたしてセリフをちゃんと言えているのかもよくわかってないんです(笑)。鹿児島弁ひとつとっても、イントネーションやアクセントが標準語と全然違うので、ついそこに囚われてしまって。シャーロックのときはつねに動いていて、10秒以上じっとしていてはいけない役で、身体的な面ですごくエネルギーが必要とされたんです。でも今回は、とにかく頭をフル回転させなきゃいけない。三谷さんとは映像を含めてこれが3作目ですが、どの作品も大変です(笑)。――三谷作品というとコメディのイメージですが、今回の宣伝ビジュアルを見るとミステリアスな雰囲気の作品なのかなと思いますが。みなさんにひとつ言いたいのは、このチラシのことは全部忘れてほしい(笑)。この撮影の段階では台本は完成していなかったので、役の表情とか、まだわからなかったですからね。――ではやはりコメディ?シリアスな場面もたくさんありますが、笑えるシーンもたくさんちりばめられています。あと今回、英語で話す部分は字幕が出るとのことですが、オーソドックスな感じにはたぶんならないだろうと。僕もまだ話を聞いただけですが、そこも作品のひとつのピースになる気がします。そういう意味でも、誰も今までに観たことのない舞台になるはずです。でも話の内容は全然難しくない。それぞれがそれぞれの想いで、嘘をついたり取り繕ったり、芝居したり、そんなモーメントがいっぱいちりばめられていて、何度も観たくなる作品になっていると思います。――柿澤さんといえばやはり『鎌倉殿の13人』のお話も伺いたくて。当時、登場回が放送されるたび実朝が話題になり、トレンド入りしたりしていましたが、ご本人はどう思われていたんですか?これまで舞台を多くやってきている僕からすると、お客さんの反応が直接わかる舞台と違って、映像作品は全然わからない。でも、鎌倉での交通パレードに出させてもらったときに、僕のことなんか誰も知らないだろうと思っていたのに、たくさんの人が集まってくれて、僕を役名で呼んでくれて、大河ドラマってすごいんだなって思いましたし、三谷さんの書いたドラマってやっぱり多くの人に刺さるんだなと思いました。これまで外で声をかけられるなんてことがほとんどなかったので、ほぼ初めての経験だったんですよね。――もちろん脚本も素晴らしかったですが、それに応えられるだけの役者さんたちが集まっていたというのもあったと思います。あの作品はどんな役だろうと、全員が全員一本ちゃんと筋が通った人として描かれていて、演出の方々も台本から役をいかに膨らませていくかを考えているという、とても幸せな現場でした。だからこちらも絶対に役をまっとうしたいと思ったし、みなさんが思い描く理想にまずきちんと到達して、それを超えるものにしたいと思っていたんです。――シャーロックでも、いろんな資料を参考に役作りされていたとのことですが、実朝もですか?めちゃくちゃ膨大に資料があったわけではないので、逆にラッキーだったのかもしれないです。複数ある資料の中から、三谷さんが描いている実朝に近いと僕が感じたものを取捨選択して、役の中に取り入れたりしていました。三谷幸喜作・演出の舞台『オデッサ』は、東京芸術劇場プレイハウスにて現在上演中~ 1月28日(日)まで。共演に、宮澤エマ、迫田孝也。テキサスで旅行中の日本人が殺人事件の容疑で勾留されたことから始まる、通訳を介し繰り広げられる会話バトル。大阪、福岡、宮城、愛知でも公演あり。ホリプロチケットセンター TEL:03・3490・4949(土・日・祝日を除く11:00~18:00)かきざわ・はやと1987年10月12日生まれ、神奈川県出身。2007年に劇団四季の研究所に入所。退団後は舞台、映画、ドラマと幅広く活躍。主な出演作にミュージカル『ジキル&ハイド』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などがある。5月には彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd第1弾『ハムレット』のタイトルロールを務める。ブルゾン¥69,300(トゥモローランド TEL:0120・983・522)ニット¥35,200(ジョゼフ オム/オンワード樫山 お客様相談室 TEL:03・5476・5811)その他はスタイリスト私物※『anan』2024年1月17日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・五十嵐堂寿ヘア&メイク・松田蓉子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年01月13日