米人気サバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』のスピンオフシリーズ第1弾『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』(全6話)が動画配信サービス「U-NEXT」にて独占配信中。その主人公を演じるノーマン・リーダスが来日し、『ORICON NEWS』の取材に対応した。同シリーズの“ダリル役”で一躍ブレイクし、日本にも大勢のファンを持つキャラクターを演じる心境と、スピンオフ撮影でのエピソードなど話を聞いた。2010年のシリーズ開始以来、アメリカで異例の高視聴率を獲得し、日本を含めた全世界から絶大な人気を誇る『ウォーキング・デッド』は、“ウォーカー”と呼ばれるゾンビがはびこるアメリカを舞台に、人間たちが時にぶつかりあいながらも生き抜く術を模索していくサバイバル・ヒューマン・ドラマ。その奥深さに、芸能界にもファンは多く、まさに海外ドラマの金字塔といえる作品だ。同シリーズの主要メンバーの中で、とくに人気を集めていたのが「ダリル・ディクソン」というキャラクター。一見クールに見えるが人情味あふれる性格で、家族や仲間を思う気持ちは誰よりも強い。スピンオフの新作『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』では、そんなダリルのキャラクターがより深く描かれる。すでにシーズン2も決定しており、ファンの「もっとダリルを知りたい」という思いに応える内容といえる。■フランスを舞台に「アートを作っていた」アメリカとは異なる撮影手法も――『ウォーキング・デッド』でのダリルの人気はとても高かったですね。今回のスピンオフ作は主演となりますが、プレッシャーは?【ノーマン・リーダス】演じるうえでのプレッシャーは感じなかった。それよりも、ダリルのトイやフィギュアが100以上もあるキャラクターの中で一番売れたと聞いた時のほうがプレッシャーを感じた。アンディ(リック役のアンドリュー・リンカーン)と会話する中で、「僕の方がおもちゃが売れてる」「Tシャツが売れてる」って冗談を言ってたよ(笑)。――『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』の企画のいきさつは?舞台はフランスで、今までのシリーズとは雰囲気も異なります。【ノーマン・リーダス】スコット(総指揮を務めたスコット・M・ギンプル)から、僕とメリッサ(キャロル役のメリッサ・マクブライド)にスピンオフの提案があった。フランス撮影に関しては、アメリカ人が撮影したヨーロッパの作品にはしたくなくて、きちんと“ヨーロッパ作品”にしたかった。ヨーロッパの人々に、「自分たちのショー」だと感じてもらいたかった。なので、ライターさんもショーランナーもみんなフランスの方にお願いしたんだ。14~15年間ずっとバンバン銃を打ち合う展開の早いドラマを作ってきたけど、今回は新しい試みで、単館シネマ作品のようにゆったりとした雰囲気の中で、表情や感情にもフォーカスした作品を作り込みたいと思った。――撮影について“アートを作っている“と表現していましたね。【ノーマン・リーダス】そう、すべてのエピソードがアートだと感じている。フランスはカルチャーに満ちたところで、カメラマンもサウンドや衣装、セットの担当者もみんなが情熱を持って真剣に取り組んだよ。最初のエピソードのテイク1撮影の時、今までだとスピーディに撮影が進むけど、今回は最初のテイク1でカメラがぐわーっと動いた。その後カメラマンが、葉巻のたばこを巻き始めて照明担当とすごく時間をかけて会話をしていた。「いったい何を僕は待たされているんだ?」と感じて、フランス語が分かるスタッフに聞いたら、「カメラの動きでどういうストーリーを伝えたいのか」という話をしていると聞いた。それを聞いて納得して「だったらもっとしゃべってくれ」と。そんな風にシーンやセットのデザインなど、“アート”を作る感覚で毎日撮影して、全てがとても美しくまとめられていた。スピンオフ作のウォーカーたちはみんなダンサーで、身体の曲げ方など動きがアーティスティック。シーズン2はもっとアートになる。アメリカの、お金をかけた機械的な撮影とは違って、本当にフランスでアートを作ったんだ。■スクリーンで感じ取れる「演者同士のつながり」――今作は今まで以上に、ダリルの愛情深さが描かれていました。新キャストの少年・ローランとの関係も見どころです。【ノーマン・リーダス】ローランを演じたルイ(ルイ・ピュエシュ・シグリウッツ)をキャスティングする時、いろんな子役に会ったけど、みんな“演じている”ような感じがすごくして…。だけどその中でルイが来た時、彼だけ1人で天井をぼーっと見ていて、質問をした時には「お母さんはペインターです、お父さんは写真家で、僕はギターを弾きますよ」と答えて、一人だけ違う世界にいるような子だった。その雰囲気がすごく好きになって。オーディションの後に彼の父親に会ったら「あ、失敗したでしょ」と。彼はオーディションを失敗したと言ったけれど、「いやそんなことない、とってもよかったよ」と話したんだ。すごく役者としての「ルイ」を守ってあげたくなって、それで彼にローランを演じてほしいと思った。僕が彼を守ってあげたいと思うということは、ダリルもそう思うということ。やっぱり演者と役がブレンドする感覚はある。シーズン2にはキャロルがもっと登場するけど、キャロルとダリルの絆もすごく強い。それってやっぱり、今までずっと積み重ねてきた演者同士の関係値がすごく強いから。演者同士のつながりも、スクリーンを通して現れると思う。――クールで落ち着いた印象のダリルですが、今作では異国の地でとまどう新鮮な姿も描かれます。【ノーマン・リーダス】実際にフランスの生活でも、フランス語がしゃべれなくて同じようにとまどう姿は多かった。この作品がフランスで発表された時、フランスのいたるところにポスターが貼られたんだ。撮影でパリのアパートに住んでいたとき、地元の方に少しずつ知られていって、レストランで「ボンジュール!」とあいさつされるようになった。最初は僕も現地で困ったことはあったかなと思うけど、撮影では全員がいいものを作ろうと、同じ方向を向いて取り組むことができたね。――今作で使う武器も見どころですね。ダリルといえば「クロスボウ」のイメージですが、今回は「モーニングスター」を使用します。アクションシーンも迫力満点でした。【ノーマン・リーダス】『ウォーキング・デッド』終盤で使っていたけど、その後の今作で、フランスの修道院の武器庫のシーンで中世の武器がたくさん並んでいる中で、ダリルが「これなら知ってるな」ということで使った。アクションシーンではこれまでにも、たくさんけがをしたよ。肩がはずれたりひざを壊したり脳震とうも。6~7回ほど失神して、銃が顔に当たって縫ったこともあったよ。「モーニングスター」はメタルだからすごく重いけど、実際に撮影のセットで振り回すことはできないから、緑のテープがプラスチックの周りに巻いてあるものを使ってデジタル処理しているんだ。戦闘内で振るときは、メタルの重たいものを使っているよ。もちろん、(ウォーカーの)頭をナイフで指すときも、緑のテープでちゃんと加工されているもので刺しているよ(笑)。けれど一部のアクターは本物の銃を持っていて、それでけがしたこともあった。銃で頭を殴られるシーンで…ここで縫合したんだ。じつは殴られたシーンで頭を打ってしまって、すぐに病院に行ったんだけど、その時に偽物の血を体中に付けていたから、病院の医者たちが「なんてことだ!」みたいにな雰囲気になってしまって…(苦笑)。――それは病院の先生も驚きますね(笑)。最後に改めて「ダリル・ディクソン」はご自身にとってどんな存在ですか?【ノーマン・リーダス】『ウォーキング・デッド』という作品から友だちがたくさんできたし、彼らは家族であるとも思っている。ダリルは僕の人生の一部で、大きなパートを占めているよ。■『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』(原題:The Walking Dead: Daryl Dixon)(全6話)U-NEXTにて独占配信中『ウォーキング・デッド』本編のシーズン1から連続して登場するシリーズ屈指の人気キャラ・ダリルのスピンオフシリーズ。生存者によって建てられた文明都市「コモンウェルス」を去り、フランスに漂着したダリルのその後を描く。すでにシーズン2の制作が決定。製作総指揮:デヴィッド・ザベル、ノーマン・リーダス、グレッグ・ニコテロほか監督:ダニエル・パーシヴァル、ティム・ソーサム脚本:デヴィッド・ザベル、ジェイソン・リッチマンほかキャスト:ノーマン・リーダス、クレマンス・ポエジーほか
2024年05月17日社会現象を巻き起こした大ヒットドラマのスピンオフシリーズ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」がU-NEXTにて独占配信が開始され、予告編映像が公開された。"ウォーカー"と呼ばれるゾンビがはびこる世界を舞台に、人間たちがぶつかりあいながらも生き抜く術を模索する大ヒットサバイバルドラマ「ウォーキング・デッド」。日本でも多くのファンを生み出し、毎話放送後にSNS上で、考察や"推しキャラ"の死を悲しむ声があふれるなど社会現象を巻き起こした。そんな本シリーズから、米AMCネットワークスより順次公開が開始されている、新たなスピンオフシリーズ4作品のU-NEXT独占配信が決定。10月20日(金)0時より、その第1弾作品として「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」が配信開始。シリーズ本編でもシーズン1から活躍していた人気キャラクター・ダリル(ノーマン・リーダス)の後日譚として描かれる本作は、今年9月にアメリカで放送開始以降、米レビューサイト「Rotten Tomatoes」で多くの評論家が高く評価し、シリーズの復活を歓喜するコメントが多く寄せられ、放送中にすでにシーズン2の制作が決定する話題作。本編の世界観を踏襲しつつも、新たな舞台設定と不器用だが心優しいダリルの人間性を深掘りしていく全く新しいシリーズとなっており、本作で初めて「ウォーキング・デッド」シリーズを観る人でも楽しめる内容となっている。解禁された予告映像では、「コモンウェルス」を去り旅に出たダリルが、大西洋を超えたマルセイユの港に漂着し、目を覚ます場面から始まる。仲間たちがいる故郷アメリカへの帰還を目指すダリルだが、そこでも多くのウォーカーたちが待ち受けていた…。フランスを舞台に、人類の再生を信じる「希望連合」の修道女・イザベルや彼女に"救世主"として育てられる少年・ローランなど新たな仲間とともに、フランス全土を巡るダリルの壮大な旅が描かれる。エッフェル塔やポン・デュ・ガール水道橋、モンサンミッシェルなど、多くの世界遺産や絶景が登場し、ロードムービーとしても見応え満載。また、"飢えし者"と呼ばれるウォーカーたちとの緊迫の戦いはもちろん、ダリルを追う武装勢力「生者の力」や、ダリルのフランス漂着に関係する謎の組織など、終末世界で繰り広げられる人間同士のし烈な勢力争いからも目が離せない。「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」は10月20日(金)よりU-NEXTにて独占配信中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ウォーキング・デッド [海外TVドラマ]© 2010 American Movie Classic Company,LLC. All Rights Reserved.
2023年10月20日リチャード・リンクレイターの次回作に、スティーブ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーンらが主演することになった。タイトルは『Last Flag Flying』。その他の情報原作はダリル・ポニックサンが2005年に出版した本で、1970年の『The Last Detail』の続編に当たる。『The Last Detail』は、『さらば冬のかもめ』として、ジャック・ニコルソン主演、ハル・アシュビー監督で、1973年に映画化された。リンクレイターは、『さらば冬のかもめ』の主要キャストを呼び戻すことも考えたらしいが、最終的に、新しいキャスティングにすると決めたようだ。リンクレイターの最新作は、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』。カレルの最新作は、ウディ・アレンの『カフェ・ソサエティー(原題)』。クランストンは『トランボハリウッドに最も嫌われた男』で今年のオスカー主演男優部門にノミネートされた。文:猿渡由紀
2016年08月31日全米大ヒットドラマ「ウォーキング・デッド」シーズン3後半エピソードの放送を前に、ダリル・ディクソン役で出演中のノーマン・リーダスが来日! 全米ケーブルテレビ史上最高視聴者数を獲得した「シーズン3」の鑑賞ポイントを語るとともに、演じるダリルを主人公にしたスピンオフ作品への期待も吐露した。その他の写真絶大な人気を誇る同名アメコミを実写化した同作は“ウォーカー”というゾンビが跋扈する黙示録的なアメリカを舞台に、保安官リック・グリムス(アンドリュー・リンカーン)が生存者たちを率い、安住の地を求めてサバイバルする姿を描いたパニック・ドラマ。とりわけ「シーズン3」はダリルを含め、後半戦のドラマが白熱確実だそうで、「今は刑務所の中にいるけれど、その中で内部分裂が起こっていて、そこへ“ある人物”も戻って来るわけだ。彼は誰もが嫌いだけれど、その狭間にいる男がダリルだ。そして、また何人か死ぬよ。悲しい話だよね(笑)」とただならぬ展開が待っていることをほのめかすリーダス。クールなハンターでもあるダリルは、前シーズンで人気が大ブレイク。「シーズン3」での役割も増えたが、その活躍に比例して演じるリーダスの“想うこと”も増したという。「他の人は守ってもらう必要があるけれど、ダリルは自分で戦ってサバイブが可能だよね。狩りもする。だから、その“存在理由”を自分なりに考えなくてはいけなかったよ」と“彼がリックたちのグループに残る理由”を模索した。その結果、激変する人間関係の中に答えを見出したとリーダスは続ける。「兄メルルと離れ、初めて見えたダリルの一面があったよ。彼は注目を集めたいタイプではないけれど、生まれて初めて他人に頼りにされているわけだからね」。リーダス自身「ダリルの進化を感じているよ」と言い、その人気も実感している。後は、ダリルを主演にしたスピンオフ企画への期待が勝手に高まるが、「いい質問だ(笑)!」とリーダス本人も満更ではない。「実は、皆と冗談でいつも言っているよ。僕は犬を飼わせてほしいとお願いしていて、『マッドマックス』(79)のように地平線を2人で歩いていく姿を想像したこともある(笑)。もしくは、子どもしかいない村に一行が遭遇して、親役を買って出るとか、そういうことを話し合っているね」とキャスト陣で盛り上がっている話題だとか。「まだ今は想像出来ないけれど、クールなスピンオフがいいよね!」とノリ気になったリーダス。その夢が叶う日を、まずは「シーズン3」を観ながらじっくりと待ちたいものだ。『ウォーキング・デッド〈シーズン3〉』シーズン3前半1~8話:FOXチャンネルにて2月26日(火)より毎週月~金23時55分~24時55分放送シーズン3後半9話以降:FOXチャンネルにて3月23日(土)より毎週土曜)24時~25時放送※シーズン1、2は発売&レンタル中取材・文・写真:鴇田 崇
2013年02月26日