「こんにちは。ハンナよ。ハンナ・ベイカー。途中でテープを止めないでね。私の人生について話すから、じっくり聴いて。厳密には、“人生が終わった理由”なんだけど」。Netflixの新作ドラマ「13の理由」は、自らの人生を終わらせた女子高生ハンナ・ベイカーのこんなモノローグで始まります。3月31日の全世界同時配信と共に、この作品が頭から離れない人たちが続出。その1人として、「13の理由」をご紹介します。ハンナの生前の独白が録音されたカセットテープを受け取るのは、彼女に想いを寄せていた同級生のクレイ。テープの声は、自分が死に至った“13の理由”を語り始めます。A面にもB面にも声が吹き込まれたテープは全部で7本。テープの声は「このテープを聴くあなたも理由の1つよ」と言い、“13の理由”を1つ1つ明かしていきます。ジェイ・アッシャーのヤングアダルト小説をベースにした作品世界には、ハイスクール、女の子、男の子、恋、友情といった青春の象徴が確実に存在。しかしながら、「13の理由」はそれらが残酷な武器に変わる瞬間を冷静に見つめています。なぜ僕が理由の1つなのか?学園の尊大な人気者タイプでもなければ、人の死の原因になるはずもないクレイは、自転車に乗るときにヘルメットをきちんとかぶるような男の子。そのバイト仲間でもあったハンナは、生真面目で誠実な彼を「ヘルメットくん」と愛情たっぷりに呼ぶキュートな女の子。アカデミー賞作品賞受賞作『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシーが第1~2話の監督を務め、戸惑いと恐怖でテープを聴き進められないクレイに寄り添います。ハンナのいない現在とハンナのいた過去を交錯させながら、1歩ずつ“ハンナの真実”に近づくクレイは、まるでミステリーの主人公のよう。『スポットライト 世紀のスクープ』同様、マッカーシー監督が深刻な題材とスリルを真摯に融合させます。そんな中、自らの関わる事情に向き合うのと同時に、“13の理由”のすべてを知っていくのもクレイの大切な役目。彼が“ハンナの真実”を知っていく過程で、いじめや性的暴力など、ティーンエイジャーの抱える問題が浮き彫りになっていきます。このドラマの製作総指揮を務めるセレーナ・ゴメスは原作小説に出会った当初、1本の映画にすることを想定していましたが、全13話の連続ドラマに着地したのは大正解。“13の理由”が1話ずつ語られる構成の妙はもちろん、ハンナの命が少しずつ損なわれていったこと、結果とはたくさんの「あのとき」が重なって訪れるのだということを示すのに適した長さだからです。また、「13の理由」は音楽も秀逸で、たくさんの「あのとき」と様々な楽曲がリンク。ハミルトン・リーサウザー+ロスタムの「A 1000 Times」がハンナとクレイの運命の瞬間を包めば、決意するハンナのバックに流れるのはウルトラヴォックスの「Vienna」。ジョイ・ディヴィジョン、エリオット・スミスからセレーナによる「Only You」のカバーまで、クレイたちの「いま」の中でも音楽が意味を持ち、鑑賞後も頭の中で鳴り響く楽曲の数々がドラマの力を物語っています。「13の理由」に併せ、作品の意義についてスタッフやキャストが語るメイキング番組「13の理由 現代が抱える社会の闇を考える」もNetflixで配信。「現実を映し出し、人の助けになる作品を作りたかった」というセレーナのメッセージ共々、年齢や性別に関係なく、大勢の人たちの目に留まってほしいドラマです。(text:Hikaru Watanabe)
2017年04月23日女優のジュリア・ロバーツが、スパイクTVが主催するガイズ・チョイス・アワードでこの10年間で最も活躍した女性に贈られるウーマン・オブ・ザ・ディケイド賞を受賞することがわかった。ジュリアが同賞を受け取る同式典は来月、ロサンゼルスのカルバー・シティで行われる予定となっており、今年で第10回目となる。そのほかにも、この式典では『ピッチ・パーフェクト』のアナ・ケンドリックがホット&ファニー賞、ベン・アフレックとマット・デイモンがガイズ・オブ・ザ・ディケイド賞、元バスケットボール選手のコービー・ブライアントがアスリート・オブ・ザ・ディケイド賞を受賞する。さらに、ジジ・ハディッドがアワ・ニュー・ガールフレンド賞を受賞することも決定しており、同賞は過去にケイト・アプトン、クリッシー・テイゲン、エミリー・ラタコウスキー、ハンナ・デービスらが輝いている。(C)BANG Media International
2016年06月02日『フランシス・ハ』で主演を果たしたグレタ・ガーウィグ出演作『ハンナだけど、生きていく!』が、Tokyo Indie第一回配給作品として8月、シアター・イメージフォーラムにて2週間限定で公開される。大学を卒業したばかりの夏、ハンナは幾つかの恋をフラフラと渡り歩く。心の傷と慢性的なフラストレーションを抱えながら、彼女は無職になったボーイフレンドに別れを告げ、二人の職場仲間、マットとポールと恋に落ちる。チャーミングで才能に溢れ誰からも愛されるけど、自分のことが分からない主人公ハンナが、様々な恋や友情を経ながら、ユーモラスでほろ苦い自分探しの旅を続けていく。ノア・バームバック監督作『フランシス・ハ』で日本でもブレイクしたアメリカ・インディペンデント映画界のミューズ、グレタ・ガーウィグ。このほど公開が決定した『ハンナだけど、生きていく!』は、『フランシス・ハ』に先立つ2007年に、グレタが才能溢れる友人たちと一緒に作り上げたインディペンデント映画だ。本作には、2000年代以降のアメリカ・インディペンデント映画界における「マンブルコア派」の映画作家がこぞって参加しており、本作の監督ジョン・スワンバーグを中心とした若き映画作家たちがアパートの小さな部屋に集結し、サマーキャンプのような共同生活を続けながら、伝統的な脚本作りをせず、即興演技によって作られたという。本作の配給を担うIndieTokyoは、「世界のインディペンデント映画シーンにコミットする映画人を日本から生み出す」を目標に掲げ、インディペンデント/アート映画のための活動を行っており、本作が第一回目の配給作品となる。アメリカ新世代のヌーヴェル・バーグと称される「マンブルコア派」の作品として、「今年もっともエキサイティングで完成された映画だ!」(IndieWire誌)、「インディペンデント映画の進化系!これはまさにDIY世代のスーパーバンドだ!」(New York Times誌)と各誌より絶賛を受けた本作。新時代を担う映画作家陣による本作で、アメリカ映画界の”新しい波”を感じてみては。『ハンナだけど、生きていく!』は8月、シアター・イメージフォーラムにて2週間限定で公開。秋より、京都シネマにて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月02日