某映画配給会社の方から、世界の半分弱、つまり90か国近い国ではホラー映画が製作されているという話を聞いて驚いたことがある。それだけ世界中にホラー映画が好きな人々がいるということなのだろう。プノンペンの街にも2つ映画館があるのだが、どちらもホラー映画を上映していた。プノンペンに住むクメール人たちも、やはりホラー映画が好きなようである。というよりホラー映画しか選択肢がない。つまり、この街で映画館に行くということはホラー映画を観に行くということになるのだ。一つ目の映画館は、この街で唯一とも言えるデパートの5階にある。最上階の7階にあるレストランで、人生の中で一番まずいチャーハンを食べた後(どうでもいいのだけれど、この映画館を思い出すとセットで記憶が蘇るのです)、カンボジア製作のホラー映画を観た。90か国近いホラー映画生産国の中にカンボジアも入るというわけである。観客の年齢層が若い。というか若い人しかいない。恐らく40歳の僕が一番年上なのではないかと思う。それが関係しているというわけではないのだろうが、この国は、40、50代以上の学者や弁護士、教師といった知識人が少ない。30年ほど前、クメール・ルージュ政権が、極端な共産主義の国を作ろうとした際、知識層の階級を大虐殺したからなのだそうだ。さて、館内の客席は自由席なのだが、場内にいる案内係が座る席まで誘導してくれる。よって500名程度入りそうな客席の中央あたりにぎゅっと150名程の客を集めてしまう。みんなで固まってホラー映画を観ましょうという楽しそうな雰囲気ではある。その雰囲気に合わせるかのようにクメール人の若者たちは、よく話す。そのおしゃべりは映画が始まっても止まらない。おしゃべりしながらホラー映画を観るというのがカンボジア式ホラー映画鑑賞なのかもしれない。映画の中で、ろくろ首のように首が長くなったり、首がはずれて飛んだりするシーンが登場する。本来、怖いシーンのはずなのだが、チープなCGのせいか、正直、あまり怖くない。むしろコミカルにすら感じてしまう。しかし、それでも客席からは悲鳴が聞こえる。そして、悲鳴の後に同じ人の笑い声があがる。まるで悲鳴をあげる行為自体を楽しんでいるかのように。タイ製作のホラー映画が上映されているもう一つの映画館でもその雰囲気は同じだった。タイ製作の映画はフィルムの質から照明、俳優の演技まで、カンボジア製作の映画とは比べ物にならない。よって、映画に対するホラー度も自然に大きくなり、ピンと張りつめた空気は場内に感じられる。そんな中で客席の悲鳴があがった後で、やはり笑い声が聞こえるのである。彼女たちの悲鳴と笑い声を聞きながら、それぞれの国のホラー映画鑑賞法なるものが気になり始めた。(text/photo:ishiko)
2009年11月25日いま、全米わずか12館から公開スタートした、1本のホラー映画がこの映画大国を震撼させている。全米各紙、評論化がこぞって“映画史に残るホラー映画”との太鼓判を押す『パラノーマル・アクティビティ』(原題)。10月9日からの週末興行収入において、159館という小規模の公開で“脅威”的な全米第5位という成績を記録し、社会現象を巻き起こしている。平凡な若いカップルが暮らす家を舞台に、彼らを襲う得体の知れない恐怖を描いたホラー作品。手がけるのは、これが初メガホンとなるイスラエル出身の新鋭監督オレン・ペリ。無名の俳優たちを起用し、1万6,000ドル(約144万円)という低予算ながら、昨年のAFM(アメリカン・フィルム・マーケット)にてその質の高さから各国の映画バイヤーたちの話題をさらい、セールス開始3日間で総制作費の3万倍のセールスという驚くべき数字を残した。そして9月25日から30日にかけて12館でレイトショー限定公開をスタートさせた本作は、上映希望の反響の大きさから10月1日からは公開規模を33館に、さらに9日からは159館にまで拡大させ、並みいるハリウッド大作を抑え、堂々の第5位を記録。週末だけで790万ドルの興行収入を記録し、200館以下の上映規模の作品としては、1987年の『プラトーン』(174館で390万ドル)の記録を塗り替え、堂々の歴代1位を獲得した。一般の人々の映画満足度を計る映画批評サイト「ロッテン・トマト」での満足度94%(10月7日時点)を裏づけるデータはまだまだ。昨年大ヒットを記録した『ダークナイト』のオープニング週末の1館あたりの平均興行収入3万6,283ドルを遥かに凌ぐ、脅威的なシアターアベレージ4万9,379ドルを記録。公開規模の拡大とともに口コミも広がり、各館の平均興行収入が倍増という類を見ないヒットを見せている。10月16日からは1,000館での拡大公開も決定し、この快進撃がどこまで続くのか注目の『パラノーマル・アクティビティ』(原題)。日本での公開は2010年、全国の劇場にて。※日本語版公式サイトは16日(金)オープン!■関連作品:パラノーマル・アクティビティ (原題) 2010年公開
2009年10月14日夏の暑い夜、どのように過ごしますか?クーラーをつけるよりも、冷たい飲み物を飲むよりも、ぐっと涼しくなれる(ゾっとする?)のがホラー映画。特にここ数年は、国内外でクオリティーの高いホラー映画が続々と公開されるようになりました。そんな数ある名作の中から、「一番怖いと感じた作品はどれ?」とアンケートをとってみました!20代ビジネスパーソンが震えた作品は以下のとおり!1位『リング』16.7%2位『呪怨』9.3%3位『エイリアン』7.4%4位『着信アリ』7.0%5位『エクソシスト』6.2%■『リング』派・分かっているが怖くなる日本映画らしいところ。じわじわくる怖さがいい(23歳/電気/金融系専門職)・テレビから貞子が出てきて、突然目のアップになったときに心底震え上がった(27歳/自動車関連/エンジニア)・本当に起こりそうで、しばらくビデオを観るのが怖かった(27歳/機械/プログラマー)・ゾクってするような怖さはこの映画が一番!(28歳/商社/企画開発)■『呪怨』派・あまりにも怖くて目を閉じたら、音がさらに怖かった(22歳/マスコミ/営業)・日本ならではの恐怖ポイントを抑えている(26歳/不動産/営業)・とにかくこれはやばかった。今でもトラウマになっている。しばらく一人になりたくなかった(30歳/教育関連/サービス)・眠るのが怖くなるのはもちろん、風呂に入るのも怖くて入れないときがあった……(22歳/委託給食/専門職)■『エイリアン』派・人の体内に寄生して、エイリアンがお腹から出てくるのは、ショッキングです(29歳/マスコミ/クリエイティブ)・エイリアンが急に出てくるところやあの見た目が怖いから(26歳/通信/SE)・子どものころ観てトラウマになった(24歳/食品/サービス)・実際に存在するかもしれないと思ってしまったから(28歳/自動車関連/営業)■『着信アリ』派・『着信アリ』を観た後、夜中に携帯が鳴るのが怖かった(25歳/IT/SE)・日本映画の方がシンプルで怖い。洋画は気持ち悪いだけ(28歳/小売/販売)・死の予告電話が来ては何かが起きて、人が死ぬ。それを繰り返している最中に一緒に観ていた人の電話が鳴り、偶然の電話ではあるが気持ちが悪く怖かった(29歳/食品/エンジニア)・携帯電話が使われていたので、リアリティーがあった(23歳/建築/営業事務)■『エクソシスト』派・あの階段のシーンを観てから、しばらくホラーが観られなくなった(24歳/建築/実習)・観てからしばらく映像が頭から離れず、寝付けなかった(25歳/小売/販売)・体があり得ない動きをしていたのが気持ち悪かった(29歳/食品/営業)・少女の暴れ方が怖かった(22歳/化学/研究開発)完全版(画像などあり)を見る
2009年08月07日“ジャパニーズホラー”というある種のブランドを確立させた、日本のホラー映画。数々の作品がハリウッドでリメイクされるなど、一大ブームになったことは記憶に新しいですよね。女性編では、男性編でも1位だった『リング』をはじめ、上位3位を邦画作品が占める結果に。果たしてその理由とは?1位『リング』17%2位『着信アリ』9%3位『呪怨』7%4位『ソウ』6%5位『エクソシスト』5%■『リング』派・テレビから貞子が出てくる瞬間が、本当に怖かった!!映画を観る前のCMで驚愕したし、しばらく頭から離れなかった……(28歳/建築/設計)・日本の話なので、身近にありそうな気がして怖かったです(29歳/化学/広報)・どこにでもあるビデオからのろわれる……と思うと身近に感じて怖かった(27歳/美容/サービス)・髪の長い女と言う幽霊の定番がじわじわと恐怖を与えた。しばらく夜中にトイレに行くのが怖かった(23歳/建築/営業)■『着信アリ』派・携帯というかなり身近な物が対象だったため、リアルな感じがすごくした(25歳/証券/営業)・やはり日本の映画は怖い。リアルな日常が舞台になっているから(26歳/医療/薬剤師)・映像がリアルで音も怖くて、夜眠れなかった(24歳/医療/その他)・しばらく夜の電話の着信が怖かった(28歳/建築/建築)■『呪怨』派・日本のホラー映画はじわじわ恐怖が押し寄せてくるところが本当に怖い(26歳/不動産/秘書・アシスタント)・邦画ホラー特有の静けさがあって、その中で突然驚かされるので、怖かった(23歳/情報/SE)・ふと気づいたら後ろに何かが……!などのシチュエーションが怖い。また、映画のフィールドが自分の生活に近いので主人公を自身に置き換えて恐怖を感じてしまった(24歳/情報/SE)・ドキドキしながら観ているのに、一緒に観ていた人が横で「ワッ」と驚かすので、めっちゃビビったことがある(27歳/精密機器/秘書・アシスタント)■『ソウ』派・ただでさえホラーが嫌いなのに、友だちに乗せられて観てしまい、翌日体調を崩した(24歳/旅行/サービス)・続編が出ているが、二度と観たいと思わなかったくらい恐かった(24歳/金融/金融系専門職)・ひとりで観ていて、だれかに監視されている気分になった(22歳/印刷/営業)・今までにない衝撃の映画だった。人間の心理を理解して突いてくる登場人物が怖い(22歳/商社/営業)完全版(画像などあり)を見る
2009年08月07日