長崎ペンギン水族館ではこのほど、公式Facebookにて、モヒカンスタイルのペンギンのポートレイトを紹介した。○この春のトレンドはモヒカンスタイル!?モヒカンスタイルの主は、キングペンギンの「ジュン」くん。換羽もそろそろ終了のタイミングで撮影された、貴重なショットとなった。なんとも男前の「ジュン」くんの勇姿には、フォロワーより「目付きが、鋭い」「足ぐみ、ならぬ、クチバシ組み!」「ヘアスタイルかっこいいですね」など賞賛の声が寄せられている。同館の所在地は、長崎県長崎市宿町3-16。
2015年04月17日NYの60歳オーバーのシニアファッションを撮影したブログと写真集「アドバンスト・スタイル」を題材にしたドキュメンタリー『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の日本公開日が、5月29日(金)に決定した。2008年に、アリ・セス・コーエンが創設したブログ「アドバンスト・スタイル」。独自のファッションに身を包み、NYの街を闊歩する60歳オーバーの女性たちを写真に収め、インタビューを紹介するそのブログは、瞬く間に人気となり、ファッション業界で大きな話題となった。2012年にはブログをまとめた写真集が出版され、翌年には日本でも翻訳本が発売され大きな反響を呼び、今年の2月に渋谷西武で開催された写真展には多くの女性たちが足を運んだ。このたび公開が決まった映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』では、62歳から95歳までの7人の女性を中心に、ファッションを通したそれぞれの人生に焦点があてられている。伝説的なアポロシアター出身のグラマラスな81歳のダンサーから、アッパーウェストサイドの有名ブティックのオーナーで派手なアクセサリーを好む80歳、93歳のウェスト・ビレッジに住むカラフルな着こなしと自身の髪の毛から作った赤いまつげで有名なアーティストなど、彼女たちは人生の障害をスタイルとエレガンスで軽々と乗り越え、年齢など精神的なものにすぎないと証明してみせる。美や若さへの執着に疑問を投げ、自立したスタイリッシュな女性たちを親密かつカラフルなポートレイトで描く本作。マイ・スタイルを地で行く女性たちの姿に、大いに元気をもらえそうだ。『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』は、5月19日(金)より、TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月15日戸田恵梨香や杉咲花、鈴木杏らも絶賛の声を送る“美しき俊英”グザヴィエ・ドラン。昨年カンヌ国際映画祭で「審査員特別賞」を受賞した、その監督最新作『Mommy/マミー』の公開に先駆け、グザヴィエの描写スタイルの凄味が解る10分間におよぶミニドキュメンタリー『グザヴィエ・ドランのスタイル』が公開された。2015年、架空の国、カナダで起こった現実。ユーモラスな親子の日常を舞台に、グザヴィエにとっても重要なテーマである“母と子”の深い愛情と葛藤を描く本作。本作のみならず、19歳でカンヌ映画祭にて鮮烈なデビューを飾った『マイ・マザー』から、続く第2作『胸騒ぎの恋人』、第3作『わたしはロランス』、第4作『トム・アット・ザ・ファーム』と過去作品において、グザヴィエが描き出すのは、世間に苛立ち、アイデンティティや性について悩み、母親を始め友人や恋人、身近な人と衝突し、変化を生じていく人物たち。独白や表情のアップ、幻想的なシーン、人物の背中を追うバックショットなども数多い、オリジナリティ溢れるそのスタイルを解説してくれるのが、このドキュメンタリーだ。■「インスタグラム(Instagram)」のように対象だけを切り取る画法特に『Mommy』で目を引くのは、「インスタグラム・アスペクト」とよばれる1:1のアスペクト比による映像。国内外を問わずセレブを中心に人気を博す「インスタグラム」。主人公の“個”を強調するポートレイトショットとして有効な画角は余計なものが足せない分、キャラクターそのものが主役になり、観客をその人物に集中させることができる。■画角の変化は登場人物の心の動きとの同調前作『トム・アット・ザ・ファーム』では、人物の恐怖のピークに合わせて画面の縦幅を狭めていくシーンがあった。意図的に画角を変化させることで、人物の心の動きと観客の心情を同調させる効果をもたらしている。■独特の背面ショットはキャラクターとの目線の同一化彼の映像の切り取り方の一つとして、登場人物の背面から撮るショットが多用されていることも特徴的。これは、劇中の人物と同じ目線を持つことで、彼らの視点や気持ちを追えるという効果をもたらしている。ちなみに、カンヌ国際映画祭表彰式における象徴的なフォトセッション画像も、ドラン本人は背中を向けている。■孤立感を助長させるカメラと人物の距離登場人物の思考や願望、特に不安を描くための手段として、カメラと人物の絶妙な距離感を設けているのも、グザヴィエ特有の映像技法だ。玄関や廊下などの空間的要素を駆使しながら、人物との距離感を巧みにコントロールすることで、孤独感をより浮き彫りにさせていく。そのほかにも、画面構成やスローモーションの使い方、カメラの視点など、一見ランダムに見えながら実は考え抜かれた表現が使われている彼の作風。このドキュメンタリーから、グザヴィエが映画人・映画ファンたちを魅了し、“映画界の若き救世主”と呼ばれる理由が紐解けそうだ。『Mommy/マミー』は4月25日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、109シネマズ二子玉川ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Mommy/マミー 2015年4月25日よ新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開(C) 2014 une filiale de Metafilms inc.
2015年04月12日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)です。■「澤田知子 FACIAL SIGNATURE」澤田知子「顔は印鑑や署名のようなもので、その人それぞれのID、本人を証明するものだと思う」の言葉にあるように、1998年に『ID400』という、400 通りに自身の姿を変えた証明写真の作品を発表して以来、セルフポートレイトを手法として多くの作品を生み出してきた澤田知子。約8年振りとなる今回の新作『FACIAL SIGNATURE』は、作家がニューヨークで生活をしていた体験が元になっている。「人は何を、どこを見て個人を判断しているのか知りたいと思い、様々な東アジア人に見えるように変装した」という考察の下、300点のセルフポートレイトを撮影した。ページを捲るたびにこちらを直視する女達。どこかで見たことがあるような、誰かに似ているような、自分自身を見ているような、人間のアイデンティティの強さと儚さを浮き彫りにし、見る者に正面から問い掛ける。ナディッフ本店を有する複合アートスペースNADiff A/P/A/R/T 2F MEMにて現在開催中の「澤田知子FACIAL SIGNATURE」展は4月19日まで。18日にはナディッフアパートにて、本人を招いた出版記念トーク&サイン会開催も開催される。【書籍情報】「澤田知子 FACIAL SIGNATURE」著者:澤田知子出版社:青幻舎言語:日本語ソフトカバー/320ページ/B6発刊:2015年価格:5,000円
2015年04月02日『ONE PIECE(ワンピース)』史上初の大型テーマパーク「東京ワンピースタワー」が13日、東京タワーのフットタウン内にオープン。アトラクションやショー、レストランなどを通じて、作品の世界観を体験できる話題の新名所を徹底紹介する。○コンセプトは新世界に浮かぶ"トンガリ島"「東京ワンピースタワー」は東京タワーのフットタウン1階、3~5階に誕生。3階「いりぐちフロア」、4階「まんなかフロア」、5階「てっぺんフロア」は、8つのアトラクション、ライブ・エンターテインメントショーに加え、さまざまなオブジェ・展示が楽しめるフロアで、1階「いちばんしたフロア」はチケットなしで利用できるレストラン、カフェ、ショップのフロアとなっている。パークのコンセプトは、新世界に浮かぶ"トンガリ島"。冒険好きで遊び好きの島民たちは、島を訪れてきた麦わらの一味と一緒に、世界中の麦わらの一味のファンが集まる島にしたいとアソビ場を作る。そして、麦わらの一味が旅立った後も、彼らの功績を伝えるために、その冒険を追体験できるアソビ装置を作った――。○キャラクターをテーマにした8つのアトラクションが誕生5階の「ルフィのエンドレスアドベンチャー」は、ルフィの冒険を追体験できる複合型アトラクション。前半のウォークスルーでは、シャンクスが幼いルフィに帽子をかぶせる名シーンや、炎を操るエースなどが再現され、後半は、体感型ワイドシアターで新世界以降の冒険を振り返る。シアターでは、魚人島やドレスローザでの激戦を、突風や煙といった特殊効果でリアルに体感できる。そのほかの7つのアトラクションはすべて4階にあり、チョッパーと一緒にサウザンド・サニー号の船内を探検するアトラクション「チョッパーのサウザンド・サニー号探検」では、船内のキッチンやトイレ、寝室やバスルームの見学できる。ゾロの剣術道場「ゾロの一刀両断」では、刀などの展示を見た後、訓練用の海軍砲弾攻撃のシミュレーターに挑戦。軍艦から発射される砲弾を刀で切る。「ロビンの古代文字の謎を追え」は、考古学者ロビンが参加者と一緒に古代文字の謎を解く回遊アトラクション。参加者は、受け取った電伝虫を通じてロビンと通信しながら、島内に隠されている古代文字を探していく。「ブルックのホラーハウス」は、ブルックがプロデュースした回遊型ホラーハウス。怖がりのブルックに代わって、塩玉を持ってゾンビを退治する。お金に目がないナミが経営する「ナミのカジノハウス」では、4択カジノゲームが楽しめる。そのほか、ウソップが作った狙撃場「ウソップの目指せ狙撃王(そげキング)」、フランキー将軍を模して作ったピンボールで遊べる「フランキーのへ・ン・タ・イ!ボールコースター」も。「フランキーのへ・ン・タ・イ!ボールコースター」の隣には、「フランキーのコーラバー」があり、フランキーが大好きなコーラをはじめとするドリンクとフレイバーが選べるオカキ「フランキー オカンキー」などのテイクアウトフードを販売する。○麦わらの一味が総出演! オリジナルショー開催ライブ・エンターテインメント「ONE PIECE LIVE ATTRACTION」は、東京ワンピースタワーでしか見られないオリジナルショー。洞窟をイメージした劇場で、ルフィやチョッパー、サンジ、ナミら麦わらの一味が、目の前で冒険を繰り広げる。ショーでは、プロジェクションマッピングやLEDライトを駆使。麦わらの一味のパフォーマンスと融合させた斬新な演出で魅了する。ルフィの食いしん坊やサンジの女好き、ゾロの三刀流など、それぞれのキャラクターの個性も盛り込まれている。観客も、心の動きを色で表現する不思議な石"ココロ石"を使って、ショーに参加する。○麦わらの一味のオブジェや名シーンを振り返る展示も東京ワンピースタワーには、キャラクターのオブジェや作品に関する展示も充実。3階の入り口前では、ルフィとチョッパーが出迎えてくれ、中に入るとまず、麦わらの一味たちの名シーンを振り返る「出会いの洞窟」が続く。洞窟を抜けると、そこは「トンガリ港」。トンガリ電伝虫とサニー号、その先には、麦わらの一味が全員集合して宴を楽しんでいるオブジェがあり、一緒に記念撮影できる。また、「メモリアルルーム」では、原作者・尾田栄一郎氏によるトンガリ島のオリジナルイラストを展示している。5階には、トラファルガー・ローと写真撮影できるスポットや、バーソロミュー・くまの肉球を再現した手に座れるスポットを設置。そのほか、エスカレーターやトイレの看板まで、至る所にキャラクターなどが描かれている。○作品の世界に浸れるレストラン・カフェ、ショップ1階には、麦わらの一味の料理人・サンジが島民と麦わらの一味たちの空腹を満たすために開店した食べ放題レストラン「サンジのおれ様レストラン」と、麦わらの一味のくつろぎをイメージした「Cafe Mugiwara」の2つのレストラン・カフェがオープン。「サンジのおれ様レストラン」では、ルフィが夢見た巨大肉のはちみつ焼、チョッパーのわたあめ大スキ すきすき牛肉すき焼、空魚のグラタン、ドレスローザ自慢のパエリアなど、肉料理、魚料理、ご飯ものなど、豪快な料理が勢ぞろい。砂漠のいちごショコラ、泣き虫しらほしのタイヤキなどスイーツも充実している。また、店内にはサンジのポートレイトや自身にちなんだグッズを展示している。一方、「Cafe Mugiwara」は、食事だけでなく、スイーツやドリンクでちょっと一息もできるカフェ。こちらも、麦わらオムライス、チョッパーの雪山モンブラン、麦わらのブレンドコーヒー、海賊ジョッキビールなど、キャラクターをイメージしたメニューが味わえる。さらに、「麦わらストア 東京ワンピースタワー店」では、文房具やタオル、Tシャツ、お菓子など幅広いグッズを販売。ここでしか手に入らないオリジナルグッズも多数そろい、日付と名前を入れた東京ワンピースタワー限定の記念刻印メダルも作れる。店内には、サウザンドサニー号やルフィのオブジェも飾られ、物語の世界を表現している。○陽気なクルーも魅力! あいさつは「とんがり~!」アトラクションやショーだけでなく、パークを盛り上げてくれるクルー(海賊と島民)も魅力。各アトラクションの誘導だけでなく、「とんがり~!」「一緒にとんがり~!」「お姉さん、迷ってるの~?」などと気軽に声をかけてくれる。クルーの衣装は原作者の尾田栄一郎氏がコスチュームデザインを担当。具現化にあたっては、数々の映画やCMでスタイリングを手掛ける伊賀大介氏、資生堂ヘアメイキャップアーティスト原田忠氏がディレクションし、イトキン、帽子専門店CA4LA(カシラ)の協力など、ファッション界の総力を結集した衣装となっている。「ワンピースタワー」概要【所在地】東京都港区芝公園4-2-8 東京タワーフットタウン内【営業時間】10:00~22:00(初日3月13日は13:00オープン)【料金】大人3,200円、子供(4~12歳)1,600円大人3,000円、子供(4~12歳)1,500円※3歳以下入場無料(保護者同伴)(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション(C)Amusequest Tokyo Tower LLP
2015年03月16日ロモジャパンは3日、ロモグラフィーのインスタントカメラLomo’Instant の新色、Lomo’Instant Boston エディションの販売を開始する。価格は税別18,426円。Lomo’Instantは、2014年6月にクラウドファンディングプロジェクトにて、製品化されたインスタントカメラ。多重露光や長時間露光など、ロモグラフィーの特徴を残したまま、富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」と同じフィルムを使い、撮ってすぐに写真を見られる手軽さを実現した。新たに加わった「Lomo’Instant Boston エディション」は、2014年のクラウドファンディング立ち上げ時に原案として上がったが、最終的には候補からは外れたエディション。しかし、プロジェクトページの写真を見た人から要望が多く寄せられ、今回の発売が決定した。標準装備のワイドアングルレンズは、焦点距離が48mm(35mm換算27mm)、最短撮影距離が0.4mだ。3種類のレンズアタッチメント(魚眼、ポートレイト、クローズアップ)が付属するほか、今回は多重露光撮影用のアクセサリーもセットに追加された。これを使うことで、2枚の写真を半分ずつ混ぜたような不思議な写真を撮影できる。そのほか主な仕様は、電源が単4形アルカリ乾電池×4本、使用フィルムがFUJIFILM Instax mini フィルム、シャッタースピードが1/125秒およびB(バルブ)、絞りがf/8、f/11、f/16、f/22、f/32だ。また、レッド、ブルー、パープル、イエローというフラッシュ用カラーフィルターも付属する。
2015年03月04日写真家・映画監督の蜷川実花の個展「蜷川実花:Seif-image」が1月24日(土)から5月10日(日)まで、東京都・品川の「原美術館」にて開催となる。「蜷川カラー」と呼ばれる極彩色の鮮烈な作風で知られ、これまでアイドルやモデル、花々を題材にその光と影を捉え続けてきた蜷川実花。本展では、既存の蜷川実花の作品イメージとは異なり、闇や陰の部分に目を向けた新境地シリーズ「noir」や、川面に散る桜を一心不乱に収めた「PLANT A TREE」、そして初期から断続的に撮影されてきたモノクロームのセルフポートレイトを中心に多くの初公開写真を展開。「生身に近い、何も武装していない」と本人が語る特別な写真群(Self-image)を紹介する。そのほか、三面に投影された新作映像インスタレーションでは、映像にあわせ、特別に渋谷慶一郎氏が音楽を、サウンド・ジェネレートシステムをevalaが手掛けた。元邸宅という原美術館の親密な空間の中で展開される作品から、蜷川実花の新たな一面に出合えるはずだ。(text:Miwa Ogata)
2015年01月22日東京都・竹芝のGallery 916では、アムステルダムとニューヨークを拠点に活動しているオランダ人写真家 シャルロット・デュマの個展「ANIMA」を開催している。開催期間は12月28日まで(祝日を除く月火は休廊)、開場時間は11:00~20:00(土日祝は18:30まで)、入場料は一般800円、学生500円。同展は、現代社会における人間と動物の関係性をテーマに扱い、これまでに警察馬や救助犬、動物園で飼育されている動物など、さまざまなシチュエーションの動物を被写体としたポートレイト作品を発表してきたシャルロット・デュマの日本では初となる個展。米国兵士たちを埋葬するアーリントン国立墓地で、馬車馬として戦闘に駆り出されることもなくなり、兵士たちを永眠の場所へ運ぶという栄誉ある務めを粛々と行っている馬たちを捉えたシリーズ「ANIMA」より、大判プリント17点と映像作品1点を紹介している。また、個展に際してシャルロットは「人々の暮らしにおいて彼らが取り持っていた役割やその姿は、時代の移り変わりのなかで、徐々に消えてゆく運命にある。実用性の面でも、彼らは必要不可欠な存在ではなくなってしまった。しかし動物たちの存在は、その役割だけで語ることはできない。(中略) 私は、生存し繁栄するために寄り添う人間と動物、その間に存在する共存関係に魅かれる」と語っている。さらに、「アーリントンの馬たちを、彼らの仕事が終わったあとに一頭ずつ撮影した。私とカメラの前で眠りについてゆく彼らの無防備さと、彼らが意識を失い眠りに落ちてゆく様子を写し取った。馬たちと時間を共にしながら、私は彼らの最も親密でプライベートな瞬間に立ち会っているのだと感じた。覚醒とまどろみの隙間、夢と幻想のただよう空間のなかで」と、撮影当時の様子について振り返る。なお、「Gallery 916」は2012年に竹芝の鈴江倉庫にオープンした写真ギャラリー。写真家の上田義彦がキュレーターとなり、600平米もの広大なスペースを活用した新しい写真体験の場を創出している。
2014年12月22日東京都・品川の原美術館にて、蜷川実花初のセルフポートレイトを中心とした個展「蜷川実花:Self-image」展を開催する。開催期間は2015年1月24日~5月10日まで、開場時間は11:00~17:00(水曜は20:00まで、最終入館は閉館30分前まで)。入館料は一般1,100円、大高生700円、小中生500円。同展は、華やかで鮮烈な「蜷川カラー」と呼ばれるイメージとは異なる、闇や影の部分に目を向け新境地を開いたシリーズ「noir」(2010年~)と、川面に散る桜を一心不乱に収めた「PLANT A TREE」(2011年)、そして初期から断続的に撮影してきたモノクロームのセルフポートレイトを中心に紹介する蜷川実花の個展。作家自身が「生身に近い、何も武装していない」と語る、特別な写真群(=Self-image)となる。また、床から天井まで室内全体に映像が投影され、鑑賞者は海中を浮遊しているかのような感覚に浸ることのできる新作映像のインスタレーションも公開。音楽を渋谷慶一郎が、サウンドジェネレートシステムをevalaが手がける。さらに、陽光が降り注ぎ、原美術館の中でも特に印象的な階段室の窓が透過性フィルムにプリントされた白黒の蜷川作品で覆われるなど、元邸宅という親密な空間を活かした展示構成となる予定だ。なお、渋谷ヒカリエの8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは2015年2月4日より個展「noir」が、また三軒茶屋のCAPSULE/SUNDAYでも2015年2月21日より個展が開催されることになっている。
2014年12月15日ジョニー・デップがストリート・アーティストのギャラリーを訪問、英国王室のキャサリン妃のヌード・ポートレイトを注文した。ジョニーが買い求めたのはストリート・アーティスト、ペガサスの作品。7日(現地時間)ロンドン北部にあるペガサスのギャラリー・オープニングに足を運び、エリザベス女王の肖像画を2万5,000ポンド(約470万円)で購入。あわせて、現在第2子妊娠中のキャサリン妃がおなかに王冠を載せただけの姿を描く画をリクエストした。ジョニーは、オードリー・ヘプバーンからマドンナ、ネルソン・マンデラまで題材にストリート・グラフィティを描くペガサスの大ファンだという。ペガサスのマネージャーは「Metro」紙上で、ジョニーがギャラリーに来ることとキャサリン妃にまつわる作品を求めていたことを知っていたと話している。ジョニーはギャラリーに着くなり1点買い上げ、さらに先述のキャサリン妃の肖像を注文した。オープニングは大盛況だったようで、展示された作品は15分以内に全て売却されたそうだ。(text:Yuki Tominaga)
2014年12月10日12月13日から2015年1月31日まで、東京・六本木の「タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム」にて、写真家、リナ・シェイニウスによる日本初個展「Exhibition 03」が開催される。リナ・シェイニウスは、1981年、スウェーデン南西の町ベーナシュボリ生まれ。現在はロンドンを拠点に活動している。独学で写真を学び始めたのは10歳のとき。その後、Flickrを通じて注目を集めたことがきっかけとなり、撮影を依頼されたシャルロット・ランピリングのポートレイトが『Dazed & Confused』に採用されたことを皮切りに、プロとしてのキャリアをスタートさせ、以降、『Vogue』『AnOther』なと数多くのファッション雑誌へコントリビュートを経て、ドイツの週間新聞紙『Die Zeit』でフォトコラムを担当するなど、多彩に活躍している。そんな彼女は、モデルとして活躍後、写真家に転身したことから、被写体としての経験が作品にも大きく反映されているのが特徴。一つひとつの作品から伝わってくるのは、「見るもの」と「見られるもの」の関係性を再構築したいという欲求と、フィルム写真という手法でその関係を構築したいという確かな思いだ。また、リナ自身は自らのウェブサイトで、「私はカメラや写真集が身近である環境に育ち、そこから写真術の多くを学んだ。父は私たち家族の写真をたくさん撮り、それを映写機で見るのがとても楽しかった。モデルをやり始めてから、どのようにプロのファッション・フォトグラファーが動くのか、そして自分がどのようになりたくないのかを学んだ」とコメントしている。今回の展覧会では、約16点の作品が展示される。また、同期間中、渋谷区恵比寿の「POST」では、彼女が自ら編集・発行と担当している自費出版写真集「07」の発行を記念した展示も行われる。「タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム」では、初日12月13日18時からレセプションを開催。「POST」では、12月14日にサイン会が催される。【イベント情報】リナ・シェイニウス 「Exhibition 03」会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム住所:東京都港区六本木5-17-1AXISビル2階会期:12月13日から2015年1月31日時間:11:00から19:00休館日:月曜日、日・祝日入場無料
2014年12月08日東京都・谷中のSCAI THE BATHHUOSEでは、デフォルメしたポートレート作品などで知られるアーティスト、ジュリアン・オピーの新作個展「Street Portraits」を開催している。開催期間は12月20日まで(日月祝は休廊)、開場時間は12:00~18:00。入場無料。「Street Portraits」と題された同展は、オピーが暮らすロンドンの雑踏の光景に加え、東京の賑わうストリートで無作為に撮影された人々の顔を題材にした新たなポートレイトのシリーズを、絵画、彫刻、映像作品として展開している。今回の新作についてオピーは、「制作スタジオから外界を見渡して、いま世界がいったいどんな気分なのかを描写する現代の言語を探しています。これらの作品は、ロンドンと東京、二都市の街頭で集めたイメージを、LEDやビニール、アクリルをなど商業的なメインストリートでみられる画像生成技術と組み合わせて作りました。それは、原始時代から行われてきた人間の描写方法(顔のイメージを一瞬とめて記録するポートレイト)を、刻石やモザイク画、油彩ではなく現在の素材をつかって、そして象形文字からオールド・マスター、浮世絵、マンガまでに至るアート言語から抽出したかたちなのです」と説明している。なお、ジュリアン・オピーは1958年ロンドン生まれのアーティスト。1980年代初期に芸術活動をスタートし、ユーモアと批評性をあわせもった彫刻作品でイギリスのアートシーンの寵児として注目されるようになる。90年代以降に制作された、BLURのメンバーの顔を単純化したアートワークや、街角で目にするサインやピクトグラムを想起させる人物像のシリーズなどで知られている。また、広重の風景画や歌麿の人物像を敬愛するオピーは日本にも関わりが深く、日本の風景を描いた作品が東京国立近代美術館に収蔵されているほか、電通本社の「歩く人」の彫刻、2008年の水戸芸術館での大規模個展などを通して、日本にもファンが多い。
2014年11月27日スウェーデンが誇るプレミアムウォッカ「ABSOLUT(アブソルート)」から、限定デザインボトル「アブソルート アンディ・ウォーホル エディション」が登場。全世界で400万本、日本国内では5,200本限定で、11月4日(火)より発売された。モダンアートの巨匠で、いまもなお影響力のあるアーティストのひとり、アンディ・ウォーホール。今年の春先には、六本木の森美術館で日本で過去最大の回顧展となる「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」が開催されたのが記憶に新しい。彼が1986年にアブソルートのために初めて描いたボトルを立体で再現したという今回の限定ボトル。アブソルートは、これまで様々なアーティストとコラボレーションして広告キャンペーンを発表してきたが、その広告を初めて手掛けたのがアンディ・ウォーホルなのだ。ウォーホルはかつてこう語ったと伝えられている。「I love the bottle, I want to do something…(このボトル、好きだね。何かできそうな気がする…)」。表面には、アンディ・ウォーホルが描いたカラフルで鮮やかなロゴを配し、ウォーホルの手書き文字のスタイルで商品の説明が記載されている。ボトル上部のL.O.スミスのメダリオンもデザインに忠実なビビッドなカラーで再現されている。背面はウォーホル風のラフでアーティスティックなタッチで黒く塗られており、ウォーホルの小さなポートレイトとサインが描かれている。これまで見たこともないようなポップでアーティなボトルに仕上がった。自分だけのアンディ・ウォーホル作品として、手元に置いてみてはいかがか。また、現在「アブソルート」のWEBサイト(英語版のみ)には、「アブソルート アンディ・ウォーホル エディション」の特設ページが登場し、限定ボトルのイメージムービーなどが閲覧できる。さらに「Andy Warhol Art Exchange」と題し、ウォーホルタッチのアートワークを制作したり、WEB上で公開できるコンテンツも展開中だ。(text:Miwa Ogata)
2014年11月07日ワコールは23日~26日、東京都渋谷区・青参道にて、写真展「AZAMI –顔のないポートレイト-」を開催する。○ガールズカルチャーを先読みする写真家・田口まき氏によるコラボレーション写真展「ワコール人間学研究所」は、女性のからだを科学的に研究して、ものづくりに生かしてきたという。設立から50周年を迎えるにあたって同社は、バストの構造や年齢による変化への気づきに加え、アートを通じてブラジャーに関心を持ってもらうきっかけとなる展覧会を企画している。同展は、ガールズカルチャーを先読みするフォトグラファー・田口まき氏によるコラボレーション写真展。「青参道アートフェア」にて、さまざまな形でセレクトショップを展開する「アッシュ・ぺー・フランス」の協力のもと、青山通りと表参道をつなぐ裏通り"青参道"に位置するイベントスペース「THE BASEMENT」にて開催する。田口氏は、女の子をテーマにした活動を展開する新進気鋭のアーティスト。同展では初めて幅広い世代の女性を被写体に、科学的な視点で選ばれた同じサイズのバストを、それぞれの異なる個性を最大限に光らせた、美しいポートレイトのような写真で表現しているという。普段の下着選びでは、記号として捉えているブラジャーサイズだが、その同一サイズの中にもひとりひとりの異なる「かたち」や「柔らかさ」がある。同展は、ひとくくりには語ることのできない女性のバストへの「美」を表した展覧会になるという。開催日時は、10月23日(木)~26日 各日11時~19時30分。23日の18時~21時はオープニングレセプションを開催。入場は無料で、会場は「表参道 THE BASEMENT」。
2014年10月17日ニコール・キッドマンがハリウッド女優からモナコ公国公妃に転身したグレース・ケリーを演じる映画『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』が公開になる。本作では実話を基に、ひとりの女性のドラマが描かれるが、監督を務めたオリヴィエ・ダアンは、ミステリー映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックに大きな影響を受けて製作したという。来日時に話を聞いた。その他の画像映画は、過酷な課税を強要し、承諾しない場合はモナコを自国領にすると発表したフランスを相手に、公妃のグレース・ケリーがモナコを救うために、“最後の切り札”を武器に、危機に挑む姿を描いたもの。ダアン監督は『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』で伝説のシャンソン歌手の半生を描いて高い評価を集めたが、「グレース・ケリーについては多くを知らなかった」という。「まず思ったのは、伝記映画ではなく、ひとりの女性のポートレイト(肖像)を描きたいということでした。また、この物語のポイントは、平凡な女性が公妃になったのではなく、女優がプリンセスになったことにあると思います。さらに作りながらヒッチコックのことを避けて通ることはできませんでした。彼もまた映画を通じて女性の肖像を描き続けてきた作家です」。ケリーはヒッチコックの『ダイヤルMを廻せ!』や『裏窓』でヒロインを演じ、公妃になった後も、ヒッチコックから女優復帰のラブコールを受けていた。「私はヒッチコック作品を通じて、女性像を描いてみたいと思ったのです。だからこの映画では、ヒッチコック映画の引用やオマージュが多くありますし、強い影響を受けています」。さらに監督は「この映画は“沈黙の言葉”に注目してほしい」と語る。「この映画は、登場人物が実際に声に出さないセリフで出来上がっている、と言っていいでしょう。グレースも夫のレーニエも思っていることをハッキリと言葉にしない人たちでした。大事なのは言葉の中身ではなくて、その言葉を発する人間の表情やたたずまいです。思い返せば、ヒッチコックの映画も、具体的な言葉や描写を使うことなく様々なことを表現しましたよね? だから、この映画もぜひセリフとセリフの“行間”を読みながら楽しんでほしいですね」。小国を救うために奔走するひとりの女性の姿を描いた本作は、誰もが知る名女優にしてプリンセスの“知られざる素顔”を覗き見て、解読するミステリーでもある。大きなスクリーンでじっくりと観賞し、ダアン監督が仕掛けた謎の数々を読み解いてほしい。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
2014年10月17日ニコール・キッドマンがハリウッド女優からモナコ公国公妃に転身したグレース・ケリーを演じる映画『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』が10月18日(土)から公開になる。グレース・ケリーは1950年代に圧倒的な人気を誇った女優で、巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督は彼女を繰り返し起用し、公妃になった後もハリウッド復帰をもちかけるなど、彼女にラブコールを送り続けた。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』その他の画像グレタ・ガルボや、マリリン・モンロー、オードリー・ヘップバーンなど銀幕を彩ったスターは数多く存在するが、ケリーは“気品ある美しさ”で多くのファンを魅了した女優だ。ヒッチコック監督は『ダイヤルMを廻せ!』『裏窓』『泥棒成金』などで彼女を起用。1955年にはジョージ・シートン監督の『喝采』でアカデミー主演女優賞を受賞したが、その翌年に女優を引退し、モナコ大公レーニエ3世と結婚。世界中のファンが彼女の映画界引退にため息をついたという。映画『…公妃の切り札』は、彼女の結婚から6年後が舞台で、過酷な課税を強要し、承諾しない場合はモナコを自国領にすると発表したフランスを相手に、公妃のグレース・ケリーがモナコを救うために、“最後の切り札”を武器に、危機に挑む姿を描いている。劇中には、ヒッチコック監督も登場し、公妃になった彼女に新作映画『マーニー』の脚本を手渡して、女優復帰を持ちかける。ヒッチコック監督は20世紀を代表する巨匠監督で多くの女優とタッグを組んできたが、グレース・ケリーを繰り返し起用することを強く望んでいたようだ。ちなみに、本作を手がけたオリヴィエ・ダアン監督はヒッチコック作品と、彼の映画に登場するグレース・ケリーに影響を受けているそうで、本作でも随所にヒッチコック映画のオマージュと思われるカットや、彼の作品を参考にしたと思われる場面が登場。監督曰く本作は“伝記映画ではなく、ひとりの女性のポートレイト”だそうだが、往年の映画ファンは思わずニヤリとする場面や衣裳、デザインが次々に登場する作品になっているようだ。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
2014年09月29日『ハーパーズ バザー(Harper’s Bazaar)』(ハースト婦人画報社刊)は、9月20日発売の11月号で、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)の孫娘エマ・ファーラー(Emma Ferrer)を表紙とする特別版を発売する。2,000部の限定発行。一部書店とアマゾン(予約受付中)で販売。同誌電子版の表紙もエマとなる。米国の定期購読者向け『ハーパーズ バザー』の表紙でモデルデビューを飾ったエマだが、11月号では彼女のポートレイトと素顔を8ページにわたり特集。オードリーと1950年代の『ハーパーズ バザー』で様々なコラボレーションを行った写真家のリチャード・アヴェドン(Richard Avedon)の孫、マイケル・アヴェドン(Michael Avedon)がエマを撮り下ろした。その他、通常版の表紙を飾るレディー・ガガ(Lady Gaga)など総勢17名が旬のファッションに身を包む「アイコンズ バイ カリーヌ ロワトフェルド(ICONS BY CARINE ROITFELD)」、20代の太田莉奈、30代の菊地凛子、40代の梨花など年代別の日本人女性5名が今考えていることを告白する「ファビュラス アット エブリー エイジ(FABULOUS AT EVERY AGE)」などを掲載。また、これまで隔月で発行してきた『ハーパーズ バザー』だが、2015年1月20日発行の3月号より年10回の月刊で発行する。エマは、オードリーの息子であるショーン・ファーラー(Sean Ferrer)の長女としてスイスで誕生。2歳で移り住んだ米・ロサンゼルスでアートとバレエに着手し、14歳よりイタリア・フィレンツェ在住。
2014年09月12日カメラの前で、満面の笑みをたたえてポーズをとっている派手なファッションの金髪美女。彼女はジャッキー・シーゲル。元ミセス・フロリダです。その横にいる老人は、彼女の夫。彼が「ウォルマートのお客さん」と呼ぶ、いわゆる一般庶民にリゾートマンションの共同所有権=タイムシェア権を売る(売りつける?)ビジネスで、無一文から大富豪に成りあがったアメリカン・ドリームの体現者、デヴィッド・シーゲルです。2人のポートレイトは、いかにも成金的な香りを漂わせています。お金持ちの老人と、玉の輿に乗った年の離れた若い妻。センスが良いとは言えないけれど、お金はあることがよく分かるファッションに身を包んだ美しい妻は、夫にとってステイタスシンボルでもあるわけで、あまりにも分かりやすすぎる2人です。当時の彼らは、全米でわずか1%しかいないという富裕層に属していました。監督が初めて会ったとき、2人はフロリダに総工費100億円、約8,500平米のアメリカ最大の個人宅を建設中。当時、夫婦の総資産は1,800億円。ところが、2008年のリーマンショックに端を発した財政危機により、数週間で1,200億円の借金を抱える身となり、もうちょっとでできあがる新居も売るはめになったのです。もともと、数少ない生粋のアメリカン・ドリーム体現者を記録するドキュメンタリーとして企画された本作。運命のいたずらによって、小説家すら思いつかないような転落劇を間近に映し出す貴重な記録映画になりました。もともとは、桁外れな金銭感覚や、贅沢三昧の日々、成金趣味などを通して描かれる、あまりにゴージャスすぎる成功者の物語を、観客たちはちょっと冷ややかな、羨望と軽蔑が入り混じったような目で見つめるはずだったのでしょう。観客たちの感情を後押しする鍵となる予定だったのが、タイトルにもある“ベルサイユ”。フランスにあるベルサイユ宮殿を模したという全米一大きな個人住宅になるはずだった新居のことです。それが、皮肉にも転落の大きさを象徴するものとなりました。もしそれが完成し、2人がそこで富にまみれて暮らす様子が映し出されていたとしたら、いまほど面白い作品になったかどうか。「他人の不幸は蜜の味」だからという意味ではありません。苦境にあるときほど、人間の本性が見えるものだから。何と言っても “財政危機”をきっかけに露呈しはじめたシーゲル夫婦の素顔、本性というのが、この作品を味わい深いものにしているのです。偶然が生んだ産物といえるかもしれない本作ですが、この家族を題材に決めた監督が持つ、嗅覚の鋭さになしには驚くばかり。報道写真や、ドキュメンタリー映像で決定的瞬間をとらえる秘訣は、まず技術よりも何よりも、その場にいるということ。カメラは、そんな事態になったからこそ見えてくる、意外に謙虚な夫婦の姿をしっかりと捉えています。特に、ジャッキーは予想外にしっかりとした人生観をのぞかせるのです。自分が“こういう女性は、きっとこういう人物のはず”、という先入観を持っていたことに気づかされ、恥ずかしくなったほど。夫が巨万の富を失っても、決して恨み言を言わず、悪態をつくわけでもありません。イラついた様子も見せる夫の傍で、ジャッキーはさほど動揺も見せず。桁外れの浪費癖がなおらず、借金を抱えていても相変わらず派手で露出度の高い服を着ているのはご愛嬌。どんな状況下でも、ファッションを変えないのが女の意地なのかもしれませんね。高いところから落下すればするほど、衝撃は大きくなるもの。観ている側は、その振れ幅の大きさに驚くのですが、当の本人たちは、悔しそうではありながらも、不思議なほど落ち着いています。あまりに負債が巨額だからでしょうか。とはいえ、「人生ってそういうものよ」的な態度でいる金髪美人妻の様子に、自分だったらあんな風には思えないだろうな、肝の据わった様子に敬意さえ生まれました。それに比べ、夫はちょっとちっちゃい。女は強し、です。本作は2012年撮影の作品ですから、この夫婦はいま、いったいどうなっているのか気になるところ。そんなことに興味を抱きながら、ある億万長者が見せてくれた、現代アメリカの姿をとくとご覧くださいませ。(text:June Makiguchi)■関連作品:クィーン・オブ・ベルサイユ大富豪の華麗なる転落 2014年8月16日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2012 Queen of Versailles, LLC. All rights reserved.
2014年08月21日今夏、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の代表作『200個のキャンベルスープ缶』が国立新美術館「アメリカン・ポップ・アート展」にて日本初公開されるのと共に、彼が60年代に制作した作品をフィーチャーしたアートイベントが都内で続々と開催されている。タブロイド・ギャラリー(東京都港区海岸2-6-24)では、ウォーホル自身が唯一認めたコピー作品とも言われるパブリッシャー「サンデーB.モーニング(Sunday B. Morning)」が制作したポスターなどを中心に、彼の作品を紹介する展覧会「アンディ・ウォーホルとSunday B. Morning」展を8月4日まで開催。入場無料。本展ではSunday B. Morningの新作「Dollar Sign」と「I Love Your Kiss Forever」を始め、代表作「キャンベル・スープ缶」や「マリリン・モンロー」などの版画作品を展示。ウォーホルのポスターやリプロダクションが世界中で複製される中、Sunday B. Morningは最高品質の紙に、保存用の最高級インクを用いて印刷することでウォーホルの作品に最も近いものとして唯一ウォーホル本人に評価されたことで知られている。また、ギャラリーターゲット(東京都渋谷区神宮前2-32-10)では、ギャラリーコレクションやエディション作品(限定した部数で版元から販売される版画)などを通してウォーホルを紹介する「WARHOLS - Early Editions & Printed Matters -」を8月8日から22日まで開催。入場無料。1962年Ferus gallery (米ロサンゼルス)での初個展を皮切りにそれまでのコマーシャルアーティストからポップアーティストへと転身を遂げたウォーホルにスポットを当てる。初期のモチーフ、キャンベルスープ缶、コーラの瓶、コミックのキャラクターなどを経て、キュレーターのヘンリー・ゲルツァーラー(Henry Geldzahler)のすすめで始めた「死と惨劇」シリーズ、ウォーホルの代名詞とも言えるマリリンやエルビスのポートレイトなど、今もなお多くの作家に影響を与えているこれらの作品群はすべて60年代に制作されている。
2013年07月29日国内初の個展が東京都写真美術館でアメリカ版「ヴォーグ」や「ハーパース・バザー」などのトップファッション誌を中心に、第一次、第二次世界大戦をはさんで活躍した、国際的評価の高い写真家、アーウィン・ブルーメンフェルドの、日本国内では初となる個展が、東京都写真美術館2階展示室で、5日より開催されている。その魅力の全貌を体感することができる、貴重なチャンスだ。欧米ではファッション・ポートレイト全盛期の旗手として、著名な存在だが、重要な作品が各国に散在しており、これまでなかなかその魅力を日本で紹介する機会がなかったという。美に対する感度アップ間違いなし!それが今回、ブルーメンフェルドの遺族や関係者により、1930年代のヴィンテージ・プリントや作家自身が選出した名作100点、カラー復元された美しいファッション写真などが集められ、開催が実現したのだそうだ。東京都写真美術館では、それらの資料から約290点(資料含む)の作品群を厳選して一挙紹介。シュルレアリスムからヌード、ファッションまで網羅し、多くの写真家に影響を与えた、美の写真家・ブルーメンフェルドの表現世界を堪能することができる。そこには2つの大戦に翻弄され、時代に応じて活動の場を選択せざるを得なかった作家の苦悩もうかがえる。華やかな作品の内に込められた精神を感じれば、より深く鑑賞することができるだろう。今もなお、古さを感じさせず輝く美は、見る者をひきつける。ぜひあなたもセンスの栄養になる刺激を受けて、感度をアップさせて。開催期間は5月6日まで。休館日は毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)、4月30日は臨時開館となっている。元の記事を読む
2013年03月08日記念・限定という魅惑的な響きREVLONの日本上陸50周年を記念した限定ショップが登場する。爪の先から足元まで、女性のきれいを応援し、数々のヒット商品を日本にも展開してくれてきたREVLON。今年は50年という節目のアニバーサリーイヤーとなる。限定ショップは、3月8日 (金)から3月17日 (日)までの間、表参道ヒルズ路面スペース「ギャラリーコーワ」に登場する。10日という短い期間だが、「限定」「アニバーサリー」と言われると、思わず立ち寄りたくなってしまうのもオトメ心だ。※画像は、レブロン株式会社ニュースリリースよりココでしか見ることが出来ない新商品のムービーも10日間という短くも感じられる日程だが、表を通りかかっただけで、人目を引く数々の写真たちに、思わず足を止めてしまうだろう。これらは、フォトグラファーKei Ogata氏が今回の為に特別に撮り下ろした、様々な年代の5人のモデルのポートレイトを展示されている。REVLONが新たに掲げるビジョンは『Inspire My Beauty』をダイナミックに表現している。今回の限定ショップには、この春の新商品や話題の商品を試すことが出来るスペースも作られている。ココでしか見ることが出来ない、新商品のオリジナルショートムービーもあるという。女性たちの「美しくなりたい」という気持ちに刺激を与える10日間となるだろう。(レブロン株式会社ニュースリリースより引用)場所 : 表参道ヒルズ路面スペース「ギャラリー コーワ」OPEN : 12:30 – 19:00 ※最終日16:00 CLOSE参加モデル : Yuko Sumida Jackson、 小泉 深雪、 美馬 寛子、 秋元 梢、 玉城 ティナ元の記事を読む
2013年02月28日Paul Smith SPACE GALLERY(ポール・スミス スペース ギャラリー)では、ロンドン在住のフォトグラファー デヴィッド・マックリーンによるエキシビションを2012年10月6日(日)~11月25日(日)まで開催する。フォトグラファー デヴィッド・マックリーンは、ストリートスナップとポートレイト撮影を得意とし、Shooter(=撮影者)という名でロンドンの人々を撮影している。ポートレイトはすべて自然光を利用した撮影方法を用いナチュラルでありのままの姿を写している。アートディレクター ダニー・ハンターと共同で開設するブログ「Shot by Shooter」は現在週平均1,800PVを記録する人気ブログとなっている。今回のエキシビジョンのために、特別に東京でも撮影が行われ、東京の街を背景にした人々のスナップと、ロンドンでのスナップとのストリートコラージュが展示される。【Shot by Shooter】会期:2012年10月6日(土)~11月25日(日)水曜定休会場:東京都渋谷区神宮前5-46-14Paul Smith SPACE GALLERY3F時間:12:00~20:00TEL:03-5766-1788ブログ「Shot by Shooter」: Smith 公式サイト:元の記事を読む
2012年09月28日9月14日(金)に発売される『インディ・ジョーンズ』ブルーレイ・ボックスの約7時間におよぶ特典映像の詳細が発表された。その他の写真『インディ・ジョーンズ…』は、考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描く大人気シリーズ。今回リリースされるブルーレイ・ボックスは全5枚組で、『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』はスティーヴン・スピルバーグ監督の監修の下で完全リストア(修復)された版で登場。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』と『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』はデジタル・リマスター版で収録され、数量限定の特典として、オリジナル・フィルムを特殊な印刷技術により精巧に再現しフレーミングをしたフィルムポートレイト“フィルム・セル”が封入される。これまでもVHSやレーザーディスク、DVDでボックスセットが発売されてきた本シリーズだが、このほどリリースされるブルーレイボックスには、新たに発掘され、初出しとなる映像が多数収録される。シリーズ1作目『レイダース…』は58分もの秘蔵メイキング映像だけでなく、57分もの秘蔵特典を収録。残る3作品についてもメイキング映像が収録され、視覚効果や小道具、インディ・シリーズのキャラクターに迫るドキュメンタリーなど、映画の舞台裏に関する映像が多数収録される。インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ収録内容(すべてブルーレイ・ディスク)Disc1~4:本編ディスクDisc5:特典映像ディスク『レイダース失われたアーク<<聖櫃>>』秘蔵特典※・ジャングルから砂漠まで・冒険物語から伝説へメイキング集・『レイダース失われたアーク<<聖櫃>>』秘蔵メイキング※・『レイダース失われたアーク<<聖櫃>>』メイキング・『魔宮の伝説』メイキング・『最後の聖戦』メイキング・『クリスタル・スカルの王国』メイキング撮影の舞台裏インディ・ジョーンズのスタント/インディ・ジョーンズの音響効果/インディ・ジョーンズの音楽/インディ・ジョーンズの特殊効果/“溶けゆく頭部”制作の舞台裏/インディ・ジョーンズと不気味な生き物たち/インディとの旅 ロケーション/インディの仲間と敵/伝統的な小道具の数々/視覚効果の秘密/撮影終了後の冒険/インディ・ジョーンズのヒロインたちトリビア(英語のみ)※新収録映像特典価格:13650円(税込)9月14日(金)発売発売・販売元:パラマウント ジャパン
2012年08月08日9月14日(金)に発売される『インディ・ジョーンズ』ブルーレイ・ボックスの特別映像がこのほど公開された。特別映像『インディ・ジョーンズ…』は、考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描く大人気シリーズ。今回リリースされるブルーレイ・ボックスは全5枚組で、『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』はスティーヴン・スピルバーグ監督の監修の下で完全リストア(修復)された版で登場。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』と『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』はデジタル・リマスター版で収録され、数量限定の特典として、オリジナル・フィルムを特殊な印刷技術により精巧に再現しフレーミングをしたフィルムポートレイト“フィルム・セル”が封入される。このほど公開された特別映像は、シリーズのダイジェスト映像を交えながらスピルバーグ監督、主演のハリソン・フォードのインタビュー映像、『レイダース…』のリストア作業前と後を比較できる映像などを収録。また、秘蔵映像や、初公開映像を含む約7時間にもおよぶ特典映像の一部も披露されている。先ごろ行われた世界最大級のポップカルチャーの祭典“コミコン・インターナショナル”には、本ボックスの発売を記念したブースが登場。主人公インディが大のヘビ嫌いという設定にちなんで『レイダース…』に登場した無数のヘビが巣くう“霊魂の井戸”が再現され、ブース内には本物の生きたヘビ46匹が登場した。このヘビは充分にエサを与えられた後に格納され、活発に動くように床下にヒーターを設置。観客は、怪しくうごめくヘビたちに見入り、『スター・ウォーズ』の人気キャラクターR2D2の姿が描かれた壁画と共に写真におさめていた。インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ収録内容(すべてブルーレイ・ディスク)Disc1:『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》』リストア版Disc2:『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』デジタル・リマスター版Disc3:『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』デジタル・リマスター版Disc4:『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』Disc5:特典映像ディスク価格:13650円(税込)9月14日(金)発売発売・販売元:パラマウント ジャパン
2012年07月18日スティーブン・スピルバーグ監督、ジョージ・ルーカス製作、ハリソン・フォード主演の大人気シリーズ『インディ・ジョーンズ』のブルーレイ・ボックスの発売日が9月14日(金)に決定。その内容の一部も発表された。『インディ・ジョーンズ』ブルーレイ発売動画『インディ・ジョーンズ…』は、考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描くアドベンチャー大作。1981年にシリーズを開始し、全世界で大ヒットを記録。その後も続編や、彼の若き日を描いたTVシリーズが製作され、2008年には19年ぶりの長編『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開された。今回リリースされるブルーレイ・ボックスは全5枚組。『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』は今回のブルーレイ化に際してスピルバーグ監督の監修の下で完全リストア(修復)された版で登場。オリジナルのフィルム・ネガをハイビジョンの4倍の情報量の4Kでスキャンした後にひとコマずつ修復した映像と、音響デザイナーのベン・バートが保管されていたオリジナルマスターミックスを使用して丁寧に修復し5.1ch化したサウンドで、過剰な改変や改悪のない公開時の雰囲気が守られた修復版になるという。また、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』と『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』はデジタル・リマスター版で収録される。特典映像ディスクの詳細は現段階では不明だが、LD、DVDボックスには収録されていなかった新収録映像も収められる。また、数量限定の特典として、オリジナル・フィルムを特殊な印刷技術により精巧に再現しフレーミングをしたフィルムポートレイト“フィルム・セル”が封入される。インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ収録内容(すべてブルーレイ・ディスク)Disc1:『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》』リストア版Disc2:『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』デジタル・リマスター版Disc3:『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』デジタル・リマスター版Disc4:『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』Disc5:特典映像ディスク価格:13650円(税込)9月14日(金)発売発売・販売元:パラマウント ジャパン
2012年06月26日