2016年1月から実運用が始まる予定の社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)。実施されれば企業で対応すべきことが多くなる。では、実際に企業にどのような対応が求められているのか、何をすべきなのか。「マイナンバー制度で企業実務はこう変わる」「(中央経済社)や「人事・総務のためのマイナンバー制度」 (労政時報選書)の著者でもある、野村総合研究所未来創発センター制度戦略研究室長の梅屋真一郎氏に聞いた。なお、ここで記載する内容は、2015年3月24日現在の情報に基づくため、今後制度が変更になる可能性もあることをご了承いただきたい。○企業が従業員の本人確認を行うのがマイナンバー制度の肝マイナンバーの対象となるのは、日本に住所がある日本国籍を有する人と中長期在留社や特別永住者という日本に住む外国人だ。各人に固有の12桁のマイナンバー(個人番号)が付与され、2016年1月以降は、児童手当の現況届けなどの法律で決められた行政手続きの際、番号の提示が必要となる。マイナンバー制度は、個人に関する税務や社会保障等の情報を紐づけ、行政の手続き効率化や給付金などの不正受給防止に役立てようというものだ。これだけを聞けば政府の取り組みであり、個人が管理されるだけのようにも見えるが、実際には企業の活動に大きな影響を及ぼすものでもある。「この制度の一番の肝となるのは、本人確認を必ず一度はするということです。日本の場合、会社勤めをしている人が多いですから、企業が従業員とその家族について確認してまとめるのが良いということになりました。免許証など顔写真つきの身分証明書と発行された番号、そしてできれば本人と付き合わせて確認することが求められています。これは従業員本人についてで、その家族の番号は従業員自身が本人確認をして、企業に提出することになります」と梅屋氏は語る。当面は税務や社会保障関連で利用されるため、家族というのは税でいえば扶養家族、健康保険でいえば被保険者ということになる。○番号から個人の属性を推察させないランダムナンバーを発行発行される12桁の番号は、完全にランダムになるという。同居家族でも先頭の11桁までが同じで末尾が枝番のように異なるというような形にはならないし、関東地方なら1から始まるというような地域別の区分もない。「海外では番号から出身地等が推測できる場合もありますが、マイナンバーでは本人を推測・特定できる事は望ましくないということで完全なランダムになりました」と梅屋氏。本人への番号の通知は2015年10月から開始される予定だ。「2015年10月に、各自治体から紙のカードが配送されます。少し丈夫な紙という程度で、これには顔写真もなく、生年月日や住所と一緒に12桁のマイナンバーが記載されています。これが通知カードです。顔写真のついた個人番号カードは、その通知カードをもって市町村役場に行き、2016年1月以降、改めて発行してもらう形になります」と梅屋氏は説明する。企業におけるマイナンバー確認時には、多くの場合、紙の通知カードを利用することになるだろう。企業としては、通知カードを捨てずに大切に保管することをあらかじめ徹底しておく必要がありそうだ。○アルバイト・パートも含めて番号の逐次収集&廃棄を実施マイナンバーの取得は、既存の従業員からだけでなく、新規に採用した従業員からも逐次行わなければならない。一方で、退職した従業員の番号に関しては破棄する必要がある。人事労務関連書類の法廷保存期間として、退職当日を起算日として数年の保存期間が設けられているが、これを過ぎれば情報を確実に廃棄しなければならない。この「従業員」には、パートやアルバイトといった非正規雇用も含むため、人の出入りが多い企業では取得と廃棄の繰り返しになり、かなりの労力がかかりそうだ。「これまで保存期間はあっても、保存期間を過ぎたら捨てなければならないという規則はありませんでした。多くの企業は保存場所のある限り保存しておくという方法をとっていたわけですが、マイナンバーの場合は目的外保管を禁止しているため、保存期間が過ぎたら破棄しなければなりません。即日というわけではないので、ある程度まとめてという形にはなるでしょうが、かなりの負担なのは確かです」(梅屋氏)。○将来を見据えて刑事罰などマイナンバー漏洩には厳しい罰則つき従業員とその家族の分までマイナンバーを企業が収集するということは、従業員がいるすべての企業が個人情報を扱うことになる。従来も個人情報保護については十分な安全対策が求められていたが、マイナンバーに関しては非常に厳しい罰則規定が存在する。「簡単にいえば、番号を持ち出して悪用すると刑事罰(4年以下の懲役または200万円以下の罰金)があります。企業の管理が甘かったとなると、企業も罰せられます。罰金も定められており、厳格な管理が要求されています」と梅屋氏は説明した。なぜそれほど厳しい罰則を設けているのかといえば、将来的なことを見越してのことだという。制度開始時は税や社会保障、災害対策の用途でしか使われないわけだが、今後官民での活用が進んでくれば情報漏洩が大きな問題になりかねないからだ。「税や社会保障のために使っているうちは、他人になりすましても他人の税金や社会保険料を払うことになるだけなので、おそらく盗もうという人も少ないでしょうし、盗まれてもそれほど大きな被害にはなりません。ところが番号の民間での活用が進んでいる海外では、クレジットカード審査時やECサイト利用時になりすましが多発して、大きな被害が出ています。日本では後発になった分、いろいろな危険性を考慮したわけです。また、活用を進める中で臨機応変に規則を厳しくして行くというのは中々難しいですから、最初から厳しくしておくことで皆が安全安心に使えるようにしようということでこうなっています」と梅屋氏は指摘した。○企業が行うべき対策は「常識」で考えるでは企業として具体的にどのような対応を行うべきなのか。まず確認すべきは、特定個人情報保護委員会の発表しているガイドラインやQ&Aの確認だ。具体例をあげて説明しており、どういう対応が求められているのかはだいたい理解できるようになっている。しかし、たとえば、管理用機器をオフィスから区分して置くにあたってパーティションの高さは何センチであるべきだとか、パスワードは何桁であるべきというような指定はされていない。これについて梅屋氏は「常識で考える」と解説した。「たとえば、パーティションが人の身長より低い程度で簡単に覗けてしまうというのは問題でしょうが、2mの高さがあるのに覗かれたというのは、それはきちんと区切っていたのに覗いた方が悪いとなります。パスワードも銀行が4桁だから4桁でいいと思ったというのであれば十分常識です。これが2桁でいいというのはおかしいと誰でも思いますよね。一方、10年たって世の中が10桁で当たり前になっている時、10年前にシステムを作った時は4桁が主流だったからそのままです、というのはその時々の常識に見合っていないといえます」と梅屋氏は語る。導入したそのままではなく、世の中の流れに合わせて常に見直しを行わなければならないのが特徴だ。今後は第三者認定制度なども発足し、よりわかりやすく、企業としてお墨付きを貰えるようにもなるだろうと予測される。○人事だけでなく全社的に取り組み全社員に周知徹底が必要企業として準備しなければならないのは、番号を収集し、管理し、破棄するという人事的なシステムだけではない。たとえば、今後は支払い調書等の経理的な書類にもマイナンバーを記載することになる。従来はExcelのテンプレートで済ませていた、というような場合には対応しきれなくなる可能性もあるだろう。「各種システムの見直しが必要でしょう。また、システム面だけでなく全社横断的な取り組みと、全部署・従業員への周知徹底が必要です。マイナンバーがどういうものなのか、その扱い方や罰則についても十分な教育をしなければなりません」と語る梅屋氏が、もっとも早い段階で強い周知徹底が必要だとしているのは、通知カードの配送時期とその保管についてだという。「10月には通知カードが届くわけです。それをまず認識して、きちんと保存してもらわなければなりません。1月に番号を収集しようとして、そんなカードは知らないというのでは困るわけです。そのためにはこの夏、8月から9月にかけてしっかりとした周知と教育が大切になります」と梅屋氏は準備の時が近づいていることを力強く語った。
2015年04月02日サイバートラストは4月1日、「マイナンバー制度」(社会保障・税番号制度)において、企業の本格運用に向けてマイナンバーの利用に際するセキュリティ対策サービスを4月から提供すると発表した。マイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」として、企業での厳格な取扱義務が課せられる。マイナンバー制度の開始までに、企業はマイナンバーの利用・保管のための体制やポリシーの設定、セキュリティ強化が必要になるが、企業内のシステムや操作端末・ユーザーに対するセキュリティ強化や脆弱性の評価などは、企業にとって大きな負担になると同社は予想する。同社が提供する「マイナンバー制度対応サービス」は、「ネットワーク認証・暗号化通信向けサービス」「ネットワークセキュリティサービス」「コンサルティングサービス」「マイナンバー秘匿化サービス」の4種類。ネットワーク認証・暗号化通信向けサービスでは、マイナンバーを含む特定個人情報にアクセスする操作端末やユーザーを限定し、マイナンバーを保管するサーバなどへの通信路を暗号化するで、不正アクセスによる情報漏洩を防止するための電子証明書を提供する。ネットワークセキュリティサービスは、マイナンバーを取り扱うシステムやネットワークにおいて、検疫ネットワークの構築、標的型攻撃への対策、統合ログ管理・分析など、包括的なもの。コンサルティングサービスには、マイナンバーを含む特定個人情報をシステムで利用・保管するために必要なセキュリティ・リスク・アセスメント、ポリシー策定や脆弱性診断などを含む。マイナンバー秘匿化サービスでは、システムで保管するマイナンバーを無作為に生成したデータである別のコード(トークン)に自動的に置き換える技術を用いることで、漏洩リスクを低減する。マイナンバー秘匿化サービスは提供準備中だが、その他のサービスは4月から提供開始の予定だ。
2015年04月02日マイナンバー制度が2016年1月より施行される。経営や人事、会計などに関わる職種の人はしっかり準備を進めていると思われるが、それ以外の大多数の人にとって、この制度がどういうものなのか、どんな影響があるのかさっぱり分からないというケースが多いのが現状だ。そこで今回は、社会人のあなたに何が起こるかシミュレーションしてみたいと思う。なお、この記事は2015年3月16日現在の情報に基づいている。今後、制度が変更される可能性もあるので、ご了承いただきたい。○突然届くぞマイナンバーマイナンバー制度は、社会保障と税、そして災害対策の分野で利用されるもので、各行政機関ごとに管理されていた個人を識別する仕組みを一本化して情報管理を容易にし、国民の利便性を向上するという狙いがある。これによって、所得の把握や申告がシンプルになり、照合もしやすくなることから、税に関する不正や生活保護などの援助金の不正受給などを無くすという意味合いも強い。もちろん、大変なのは会社の総務や経理といった部署で、源泉徴収票や行政機関に提出する各種法定調書にもマイナンバーが記載されるようになるので、帳票レイアウトを変更するなどの対策はもちろん、そもそもマイナンバーを家族分を含めて社員からどうやって集めるのか、社内でどうやって管理するかで、現在頭をひねっている真最中だ。国民1人につき1つの割り与えられる12桁の番号は、2015年10月ごろから配布が開始される。何も知らなければ、ある日突然、紙の通知カードが届くことになるので、うっかり捨ててしまわないよう十分気を付けなければならない。個人番号カードの発行を市区町村に申請すると、2016年1月以降に写真付きで身分証明書としても利用できるカードが交付される予定となっている。今のところこの個人番号カードには電子証明書が搭載されたICチップが埋め込まれ、表面には氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーなどが記載され、本人の写真が添付される。このカードは住基カードに代わり、e-Taxなどの電子申請や印鑑登録証などの自治体が条例で定めたサービスにも利用できる予定だ。これは社長であろうが一般社員であろうが、住民票を持っている全ての人が対象となるので、「知らなかった」ということが無いよう、しっかり知識として身につけてほしい。○会社ではマイナンバーはどう扱われる?マイナンバーの適用分野は冒頭で述べたとおり、社会保障と税、災害対策になる。すなわち、会社に勤めているなら、厚生年金や健康保険、給与、賞与、年末調整などなど、社会人生活と切り離せないところと密接に関係してくることになる。とはいえ、こちらが会社に伝えない限り入力ができない。会社の総務なり、経理なり、担当になった人を通して、会社へマイナンバーを知らせるのだ。この際、単純にマイナンバーを伝えるというだけでなく、「本人確認」が必須となっている。マイナンバーとそれを所有している人が同一であることを確認するためのもので、いわゆる成りすまし防止のための措置だと思えばいいだろう。本人確認の方法や必須要件はまだ正式にかたまっているわけではないが、今のところ、マイナンバーカードに記載されている内容を、「番号確認」と「身元確認」に分けておこなうことが決まっている。例えば、最初に届いた通知カードで番号確認を行い、運転免許証やパスポートなど、顔写真が入ったもので身元確認をするといった方法が適切とされている。これらは、正社員だけでなく、パートやアルバイトも同様だ。「会社勤めの人は大変だな~」なんて思っている個人事業主のあなた。もし、社員やアルバイトを雇っていなくても、外注しているなら話しは別。これと同じ事を、外注の人に対してやらなければいけないのだ。こうした一例を聞いただけで、「えー」とならないこと。なぜかというとこれは扶養家族に対してもおこなうケースがあるからだ。あなたが会社員など厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者で、第3号被保険者の届け出(配偶者に扶養されることになった場合)をする場合、事業主が扶養家族に対しても本人確認をする必要がある。これとは逆に年末調整のときなどは、あなたが扶養家族のマイナンバーを提供する側になるため、本人確認もあなたが行い会社へ渡す。ただし、今例に挙げた中に出てきた「社会保障」の「年金」分野でのマイナンバー活用は遅れることが決まっている。しかし、「社会保障」の雇用保険などの労働分野は2016年より施行される予定なので、いずれにしても準備は必要。具体的にやらなくてはならないことは、ケースバイケースになるうえ、ややこしくはあるが、いずれにしても「本人確認」は、自分の身に降りかかってくるケースもある事はお分かりいただけたかと思う。○マイナンバーはどのような管理がなされるのか?マイナンバーが、所得や税、保険などに関係することは理解できたと思うが、一度預けたものがどのように管理されるか気になるだろう。そもそも、マイナンバーは先に挙げた3つの分野以外での使われ方は許されない。例えば、他人のマイナンバーを知っているからといって、その人の所得や税額を知ることもできないし、本人確認がされない限り、開示されることもない。会社が社員番号の代わりに利用したり、個人別の売り上げ管理で使用することもダメだ。さらにいうと、マイナンバーを預かっている会社が、うっかり漏えいさせた場合は、最高で「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」という、これまで以上に厳しい措置が待っている。これは個人情報保護法では適用外だった小規模事業主にも適用され、実刑を含む重罰が用意されている。我々が注意するべきことは、マイナンバーが生涯にわたって利用されるものであること、社会保障、税、災害対策以外の用途では、決して他人に教えないことが重要になる。マイナンバーカードの取り扱いに注意し、紛失しないように管理を徹底するように心がけていただいきたい(※漏洩等があれば再発行は可能)。○自分で確定申告する場合は?こうした注意事項の他にも、源泉徴収票や確定申告書、各種支払調書、各種被保険者届、それぞれマイナンバーがどこかに記載されることになるため、帳票類もサイズや様式の変更が予定されている。ちなみに税務関係書類への番号記載時期については国税庁のHPでは以下のようにアナウンスされている。①所得税:平成28年1月1日の属する年分以降の申告書から②法人税:平成28年1月1日以降に開始する事業年度に係る申告書から③法定調書:平成28年1月1日以降の金銭等の支払等に係る法定調書から(※)④申請書・届出書:平成28年1月1日以降に提出すべき申請書等から(※)法定調書の対象となる金銭の支払を受ける者等の番号も記載する必要がある。この変更は個人事業主や、社会人でも自分で確定申告をするようなケースで、かなり大きなインパクトとなる。手書きでの会計処理の場合は、いちいち関係各所へ出向いて新しい帳票を貰わなくてはならないし、古い業務ソフトを使っているケースでは新しい帳票印刷に対応できない可能性もあるなど、今のうちから備えておかないと面倒になることもあるだろう。また、Excelなどで管理している場合は、セキュリティ的な問題がある。備えるという意味で、一番良い方法はバージョンアップによるマイナンバー制度対応を約束してくれている製品を選ぶことだ。今後、数年に亘って制度改正が行われる可能性があり、それらにずっと追随していくのは、かなり負担だ。例えばソリマチは「給料王」や「会計王」シリーズでは対応プログラムの提供をアナウンスしている。自分にとっても会社にとっても、社会全体を巻き込んでのまったく新しい取り組みの始まりが、いよいよ間近に迫っている。今のうちから数年間に亘るマイナンバー制度への対応に備えた業務ソフトを利用して新しい環境に慣れておくとよいだろう。
2015年03月31日キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)は3月23日、中小企業向けにセキュリティ対策ソリューションを提供すると発表した。マイナンバー制度のガイドラインにおける技術的安全管理措置に記載された対策手法をもとに、「マイナンバーパック 安心PCプラン+」「マイナンバーパック 安心ネットワークプラン」の2種類を用意する。「マイナンバーパック 安心PCプラン+」は特定個人情報取り扱い端末に対するセキュリティ対策を重視したソリューション。PCやアラート設計されたログ管理ツール、静脈認証スキャナー、UTM(統合脅威管理ツール)の「FortiGate」等を組み合わせ、マイナンバー制度向けのセキュリティ環境を手軽に構築できる。価格は101万7800円。「マイナンバーパック 安心ネットワークプラン」は、特定個人情報取り扱い端末だけでなく社内ネットワーク全体のセキュリティ環境を構築できる。顧客の環境に合わせ、Active Directoryを設計し、よりセキュリティ強度の高いログイン環境を提供。価格は個別見積での提供となる。
2015年03月24日ペイロールでは、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度の施行に備え、事業会社を対象に、従業員や扶養家族などのマイナンバーを管理するために独自開発したソリューションサービス「マイナンバー管理サービス」の事業化を3月13日より開始すると発表した。同サービスは、同社の中核事業である給与計算アウトソーシングサービスに付随する事業として、マイナンバーの申請・収集・保管を行うもの。給与計算代行で培った86万名分の処理実績を持つオペレーションシステムを元に、すべて従業員と同社の直接対応とすることで、マイナンバーの保管・管理にともなう業務負担軽減を実現する。従業員から回収した申請書は2名体制で入力し、ミスがない体制を構築。従業員5000人規模で同社サービスを初めて利用する企業の場合、初期設定・登録費用としてデータ移行、システムトレーニング代に50万円、2016年1月初期登録などに一人あたり400~500円が課せられる。年間サービス費は、マイナンバー回収、管理、本人確認、源泉徴収票納品、監査対応代として、一人あたり400~500円となる。同社では、3年間で7億円の売り上げを目指す。まずは、既存顧客企業や、給与計算業務で大量処理ノウハウを培った大規模企業を中心にサービスの導入を展開していくという。
2015年03月13日トレンドマイクロは3月10日、企業向け総合セキュリティソフト「ウイルスバスター コーポレートエディション」のプラグイン製品「Trend Micro 情報漏えい対策オプション」が、「社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)」に対応したと発表した。ウイルスバスター Corp.のバージョン10.6および11.0でマイナンバーテンプレートを提供する。Trend Micro 情報漏えい対策オプションは、USBストレージデバイスやスマートフォンなどのクライアントPCへの接続を制御するほか、独自のテンプレートを使って機密情報や個人情報が含まれるファイルの流出を監視・ブロックする。マイナンバーテンプレートを使ってマイナンバーをはじめとする特定個人情報を含むファイルを検知する設定をしておくことで、クライアントPCからUSBストレージデバイスへのファイルのコピーやメール添付、オンラインストレージへのファイルアップロードのタイミングでファイルをスキャン。マイナンバーなど特定個人情報が含まれるファイルを検知し情報が外部に漏えいすることをブロックする。さらに、Trend Micro Control Managerとの連携による「データ検出機能」を利用することで、各クライアントPCに保存されているWord、Excelなどのファイルの中身もスキャン。マイナンバーなどの特定個人情報が一定数以上含まれるファイルが保存されていないかを確認し、その検出結果を管理画面にて可視化する。この機能を定期的に利用することで、従業員のPCに不適切にマイナンバーを含む特定個人情報が保管されていないかのチェックが可能となり、マイナンバーの取り扱いに関する企業内におけるコンプライアンス遵守の強化を支援する。Trend Micro 情報漏えい対策オプションに含まれる製品は、次のとおり。トレンドマイクロではこの機能の追加により、今後1年間で300社の導入を目指す。
2015年03月11日TBI JAPANは、2016年3月卒業予定の新卒採用において、学生が面接官を自由に選ぶことのできる「選べる社長面接制度」及び「面接官全員社長制度」を実施する。○求める人材は「未来の社長」「社員全員社長」を目指し、10年で100人の経営者を輩出することをビジョンに掲げている同グループ。新卒採用においても"未来の社長"以外は求めていないという。同社がこのたび実施する「選べる社長面接制度」は、採用面接時のミスマッチの解消と、採用時の学生の自主性を促すことを目的として実施するもの。学生は、各社長のプロフィールをもとに、面接官を選択。グループ面接となる一次面接、個別の二次面接を受けることができる。また「面接官全員社長制度」として、一次選考から最終面接まで全ての面接は、同グループ全23社のCEOやCOO等が直接実施。学生の自主性を主体的に引き出す採用フローを目指し、学生とのミスマッチを減らしていくという。
2015年03月10日内閣府はこのほど、住民票を有する全ての人に通知されるマイナンバー(個人番号)のナビゲーターに女優の上戸彩さんを起用したことを明らかにした。それに伴い3月9日より、上戸さんが出演するTV-CM 『知ってる? 』篇、『住民票』篇が全国にてオンエアされる。マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)は、平成28年(2016年)1月から社会保障、税、災害対策の分野で開始する新たな制度のこと。行政の効率化や国民の利便性の向上、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤(インフラ)として活用される。具体的には、「医療保険の保険料徴収」や「福祉分野の給付」などでマイナンバーを利用することになる。平成27年(2015年)10月から、住民票を有する国民一人ひとりに対し、12桁のマイナンバー(個人番号)の通知を開始する。通知は、市区町村から住民票に登録されている住所あてに届けられ、その番号は生涯にわたって利用することとなる。3月9日からは、マイナンバーのナビゲーター・上戸彩さんが登場するTV-CMが全国でオンエアスタート。CMは、「知ってる?」篇と「住民票」篇の2タイトルで、「知ってる?」篇では「1人に1つ。マイナンバー」というキャッチコピーのもと、上戸さんがマイナンバーのイメージキャラクター・マイナちゃんと制度について語っている。また、マイナンバーの通知は住民票に登録されている住所あてに届くため、住民票と異なるところに住んでいる場合は、現在住んでいる市町村に住民票を異動する必要がある。2つ目のタイトル「住民票」篇では、上戸さんがマイナちゃんとともに、住民票の確認を呼びかける内容となっている。マイナンバーについては、ウェブサイト「政府広報オンライン」のマイナンバー特集ページや、内閣官房トップページでも情報を公開している。
2015年03月09日NTTコムウェアは3月3日、マイナンバー制度導入に向けて、マイナンバー管理ソリューションの提供を開始すると発表した。サービスの開始は個人番号通知の始まる2015年10月を予定している。マイナンバー管理ソリューションは、強固なセキュリティに対応したクラウドを活用することにより、マイナンバーを適切に管理するもの。具体的機能としては、従業員のマイナンバーの登録、源泉徴収票など各種帳票への出力、保存期間を過ぎたマイナンバーの廃棄、事務取扱担当者の設定、特定個人情報ファイルの取り扱い履歴の管理を行う。なお、本人確認は企業が行うことを前提としている。現在運用している企業の人事・給与システムなどから独立し、CSVやPDF等により連携が可能なため、低コストで導入することが可能だという。なお、利用料金は未定だが、従業員の人数により料金が変動する料金体系を採用する。
2015年03月03日伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とブロケード コミュニケーションズ システムズは2月26日、CTCが複数のネットワークセグメントを安全に接続するルータとしてブロケードのBrocade Vyatta 5400 vRouterを活用して、埼玉県川口市の統合仮想基盤を構築したことを発表した。川口市は将来のネットワークの拡張や変更、番号制度(マイナンバー制度)導入にも柔軟に対応できるよう、Brocade Vyatta 5400 vRouterを利用したNFV(Network Functions Virtualization)を導入した。川口市は、統合仮想基盤を支えるネットワークの構築にあたり、NFVソリューションによって、物理的なネットワークの代わりにさまざまな機能を追加する形態を検討していたという。川口市は、CTCの支援の下、2014年8月より統合仮想基盤の構築作業を開始し、1カ月半後の同年10月にサービスインを実現した。今回構築した統合仮想基盤には、ネットワークセグメント間のルーティング(レイヤ3スイッチ)、部分的なファイアウォールとして「Brocade Vyatta 5400 vRouter」を導入している。川口氏は、2015年10月から導入が予定されている「個人を識別するための番号(マイナンバー)を活用する社会保障・税番号制度(以下、番号制度)」の導入に向け、統合仮想基盤上で稼働している共通基盤システムを生かす形でシステム開発を進めているという。番号制度の運用が本格的に開始されると、さまざまなネットワークセグメント間を適切に接続していく必要があるが、その際ハードウェアを調達することなく、Brocade Vyatta vRouterの設定を変更するだけでネットワークを再構成することができる。
2015年02月27日TKCは2月26日、中小・中堅企業および会計事務所への支援策としてマイナンバー(個人番号)を同社のデータセンターで保管し、必要な場合に限って利用できる新たな仕組みを構築すると発表した。2015年秋より、同社の給与計算システムや会計事務所向け業務管理システムなどのユーザー企業向けのクラウドサービスとして提供する予定だ。新サービスは社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の開始にあたり、マイナンバーの漏洩や滅失・毀損の防止を始め、中小・中堅企業や会計事務所にも求められる個人番号を適切に管理するために必要な措置(安全管理措置)に欠かせない情報セキュリティー対策を支援するもの。入力したマイナンバーを同社のデータセンターに暗号化して保管、申告書の印刷や電子申告で利用する時に限ってアクセス可能とする。これにより、PCの破損によるデータ滅失や、PCの紛失・盗難によるデータ漏洩リスクを防ぐとしている。マイナンバー情報の入力や参照にあたっては、利用者ごとに登録・閲覧・利用権限を設定可能。アクセスログを自動保存するため個人番号の取り扱いについて内部牽制が働き、適正に取り扱われているか自己点検が可能という。また、保管が不要となったマイナンバーを一定の条件に基づいて一括削除できる機能を備える。これらにより、同社システムを利用する中小・中堅企業や会計事務所が、マイナンバーの保管から破棄に至るまで適切な管理・運用が可能になるという。さらに、同社が提供する中小・中堅企業向け給与計算システム(PXシリーズ、e21まいスターあんしん給与)や、会計事務所向けに提供する「税理士事務所オフィス・マネジメント・システム(OMS)」「個人決算申告システム(TPS2000)」「年末調整・法定調書作成システム(TPS9000)」などの機能を強化し、マイナンバーをTKCデータセンターに暗号化して保管する仕組みを構築する。併せて、利用権限の設定やアクセス記録の保存、保管が不要になった場合の一括削除などの機能を持たせ、番号法やガイドラインが定める安全管理措置に準拠した運用・管理を可能にするとしている。
2015年02月27日オリエンタルランドは2月24日、「株式分割」「株式分割に伴う株主優待制度の配布基準変更」「長期保有株主向け優待制度の導入」について発表した。同社は、2015年3月31日を基準日として、2015年4月1日に1株を4株に分割する。これにより、株主優待制度の配布基準も変更される。同社は9月30日、3月31日の年2回を基準日とし、その時点における株主名簿に記録の所有株式数に応じて、株主用パスポート配布している。例えば、所有株式が100株以上の場合、3月末に株主用パスポートが1枚配布されることになる。長期保有株主向け優待制度としては、現行の株主優待制度に追加して、東京ディズニーリゾートの5周年ごとのアニバーサリーイヤーに株主用パスポートが配布される。「東京ディズニーリゾート35周年」のパスポートは、2015年9月30日から2018年9月30日までのすべての基準日(9月30日および3月31日)において、同一株主番号で同社株式を100株以上保有している株主に対し、2枚配布される。2018年12月に配布予定。「東京ディズニーリゾート40周年」のパスポートは、2018年9月30日から2023年9月30日までのすべての基準日(9月30日および3月31日)において、同一株主番号で同社株式を100株以上保有している株主に対し、4枚配布される。2023年12月配布予定。
2015年02月25日内閣府はこのほど、「マイナンバー(社会保障・税番号)制度に関する世論調査」の結果を発表した。同調査は、全国20歳以上の日本国籍を有する者3000人を対象に実施したもので、有効回答数は1680人だった。住民票を有する国民に付与される12ケタのマイナンバー(個人番号)は2015年10月から通知が始まり、2016年1月から利用が開始される予定。マイナンバーは社会保障、税、災害対策の行政手続きで必要になる。マイナンバー制度を知っているかどうかを聞いた質問について、「内容まで知っていた」と答えた人は28.3%、「内容は知らなかったが,言葉は聞いたことがある」と答えた人は43.0%、「知らなかった」と答えた人は28.6%だった。マイナンバー制度における個人情報の取り扱いにおいて最も不安に思うことを聞いたところ、「個人情報が漏えいすることにより、プライバシーが侵害されるおそれがあること」(32.6%)と「マイナンバーや個人情報の不正利用により、被害にあうおそれがあること」(32.3%)という回答が多かった。また、マイナンバーを含む自分の個人情報を、いつ、誰が、なぜ提供したのか、不正・不適切な照会・提供が行われていないかなどを確認できる「マイ・ポータル」の認知度については、「知らなかった」(83.6%)という回答が最も多く、「内容まで知っていた」という回答は3.6%、「内容は知らなかったが、マイ・ポータルという言葉は聞いたことがある」という回答は12.8%だった。
2015年02月24日NECは2月23日、2016年1月から本格的にスタートするマイナンバー制度に向け、コンサルティングからシステム構築・運用管理・データ利活用支援・従業員教育までをトータルに支援するソリューション「企業向けマイナンバーソリューション」を体系化し、同日より提供開始すると発表した。本ソリューションでは、NECのクラウド基盤やサイバーセキュリティ、SDNなどの技術・ノウハウを活用し、制度への基本的な対応だけでなく、情報漏えいや標的型攻撃への対策、個人番号カードを利用した新しいビジネス創出を行う際のセキュリティ強化・サービス向上などの支援も行う。制度対応ソリューションでは、コンサルティングサービス、マイナンバー制度対応業務システム、BPOサービス、セキュリィティ対策サービス、教育サービス、付加ソリューションとしては、セキュリィティ対策サービス、個人番号ソリューションの提供を行う。教育サービスでは、制度対応や情報セキュリティに関する社員研修を、集合研修とeラーニングの2つの形態で提供する。マイナンバー制度対応業務システムでは、オンプレミス向けには、ERPソリューション「EXPLANNER」を提供。クラウド型では、クラウドサービス「N-town」において、ワークフロー、給与管理、eラーニング、ファイル暗号化などを月額課金型で提供する。顧客自身がマイナンバー制度の収集・管理ができないユーザー向けには、BPOシステムとして、収集代行サービスと、マイナンバー保管サービスを提供する。NEC 主席政策主幹 兼 番号事業推進室長 戸田文雄氏は同社ソリューションの特徴を「安全確実に行うためトータルソリューションで、その先の新しいビジネスも考えている」と説明。同氏は、まだ法整備が進んでいない面もあり、現行の法制度のもとでは市場規模は、今後3年間で3,000億円程度だと説明したのち、NECとしてはこのうち700億円を獲得したいという意向を示した。ただ、マイナンバーを活用した新たなビジネスの広がりもあり、例として、銀行ATMによる口座開設、入場ゲート、クレジット決済端末などを挙げた。
2015年02月24日伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)とサイエンティアは2月23日、2016年1月から始まる社会保障・税番号制度(以下、マイナンバー制度)に合わせ、マイナンバー管理システムを共同で開発し、都道府県向けに提供していくと発表した。は、都道府県での税務や福祉業務に関連するマイナンバー制度の運用に特化したパッケージを共同開発し、CTCが全国の都道府県に対し提供する。同製品は、各都道府県が個人に割り当てる固有の番号と国が発行する個人番号(マイナンバー)とをひもづけする「団体内統合宛名機能」、税務や福祉などの業務システムや中間サーバと連携するための「データ連携機能」、「運用支援機能」、「ログ管理機能」から構成される。同製品は、地域情報プラットフォームに準拠したソフトウェアを主軸に仕様の公開に合わせて機能を開発するため、マイナンバー制度の導入スケジュールに合わせた迅速な構築と、仕様変更への柔軟な対応が可能となっている。また、各自治体でのシステムの利用状況に応じて、仮想サーバ上で稼働するアプリケーションと、インフラを含めたシステム全体とで提供していく。
2015年02月23日サイボウズは1月28日に、自社製品での「脆弱性報奨金制度」ついて説明会を開いた。脆弱性報奨金制度、いわゆるバグバウンティプログラム(BBP)は一般ユーザー(バグハンター)からの脆弱性の報告に対して、一定の報奨金を出す制度のこと。英語圏ではGoogleやMicrosoft・Facebookなどが実施しているが、同社によると国内ではサイボウズのみが現在実施しているものだ。サイボウズの報奨金制度を担当するCy-SIRTの伊藤彰嗣氏が、2014年の実績と2月2日からスタートしている2015年の制度変更について説明した。○220万円を獲得したバグハンターも。総額で約700万円の報奨金が発生サイボウズの脆弱性報奨金制度は、2013年の試行期間を経て、2014年6月から12月まで6ヶ月間行われた。サイボウズの各種クラウドサービス、各種製品を対象としたもので、共通脆弱性評価システムCVSS(Common Vulnerability Scoring System:米国家インフラストラクチャ諮問委員会が制定したもの)によって深刻度をはかり、それを元に報奨金が支払われるしくみだ。2014年の6月~12月にユーザーから報告された脆弱性は241件、認定したものは158件となっている。このうち最も深刻度の高い「深刻度III」が10件あった。報奨金の総額は700万円となっている(このうち400万円は公開待ちなどの理由で保留)。1件あたりの報奨金最高額は51万円、報奨金平均額は4万2787円だった。もっとも報奨金を多く獲得したバグハンターは、6ヶ月間で220万円もの報奨金を得たとのことだ。このしくみによって、2013年と比べるとサイボウズの脆弱性認定件数は大幅に増えている。認定件数で7倍、外部からの通報は約4倍に増えており、報奨金制度が大きな効果を出していることがわかる。伊藤彰嗣氏は「脆弱性発見の手段として報奨金制度は大きな効果があると実証できた。社内での脆弱性発見と、報奨金による発見が相互補完することで、サイボウズ製品のセキュリテイが向上している」と述べている。サイボウズ社内では製品全体の安全性を網羅的に見る必要があるが、報奨金制度ではバグハンターが一点突破で脆弱性を発見しようとする。そのため単純な作業量で比較すると、報奨金制度のほうが圧倒的に多くの脆弱性を発見できる。また報奨金制度によって、サイボウズ社内での意識が高まる効果もあるとのこと。伊藤彰嗣氏は「報告された脆弱性が、社内で他の脆弱性を発見するきっかけにもなっている。サイボウズ社内での脆弱性に対する意識が高まっているため、2015年は社内での脆弱性発見が多くなることを期待している」と分析した。○検証環境提供プログラムでシステムへの影響はなし。海外からの報告が予想外に多かったサイボウズはクラウドサービスを多く抱えているため、実際に動いているシステムを元に検証するには危険性が存在する。そこでサイボウズでは、脆弱性報奨金制度のために「検証環境提供プログラム」を提供している。検証環境提供プログラムは、サイボウズの実際のサービスとまったく同じものだが、テスト用として提供されているため、バグハンターが様々なテストを行える。実際のサービスに影響を与えることなく、テストできるのが最大のメリットだ。検証環境提供プログラムには、月間2万から3万リクエストがあったそうだ。2014年の脆弱性報奨金制度を実施してわかったことがいくつかある。まずは関係する脆弱性がリリースされると、バグハンターによって速やかに検証されること。たとえばShellshockの事例では、リリースされた2日後にはバグハンターによる検証のシグニチャーがテストされていた。また海外からの報告が予想外に多かったようだ。伊藤彰嗣氏は「英語の資料をまったく用意していなかったが、脆弱性報告のうちの24%が海外からだった。2015年は英語のルールブックを用意するようにしたい」と述べた。もう一つ、サイボウズが実施したバグハンティング合宿も大きな効果があったとのこと。実際に集まって合宿形式で行うことで、多くの検証が行われ、年間脆弱性情報報告数の20%が2日間に集中した。イベント形式で実際に集まり、バグハンター同士のコミュニケーションを活発になったことが良い結果につながっている。バグハンターとして参加する人のプロフィールは、学生、会社員、開発者のほか、脆弱性診断士が腕試しすることもあるとのこと。そして意外なことに法人の参加もあったそうだ。脆弱性診断ツールの開発会社も参加している。○2015年はXSSとSQLインジェクションの報奨金をアップするほか、支払いを早める施策もサイボウズでは参加したバグハンターにアンケートを取り、2月2日からスタートしている2015年の脆弱性報奨金制度に反映させている。アンケートでもっとも多かったのが報奨金の金額への要望で、たとえばXSS(クロスサイトスクリプティング)の報奨金が低いとの指摘があった。伊藤彰嗣氏は「報奨金のベースとなっている評価基準・CVSS(v2)自体に限界がある。CVSSではサーバー側の被害のみを評価し、クライアント側の被害は評価していないため、XSS脆弱性がどうしても低くなってしまう」と述べた。そこで2015年の脆弱性報奨金制度では、サイボウズ独自の基準でXSS脆弱性の評価額をアップさせた。2014年と比べて、最高で2倍の報奨金となる。またSQLインジェクションでも評価を変更し、特定のケースで評価を高めて報奨金をアップさせる。アンケートでのもう1つの要望は、報奨金の支払いが遅いという指摘だ。2014年の制度では「報告された脆弱性を一般に公開してから」の支払いだったため、平均で支払いまでに約10ヶ月かかっていた。「忘れてしまいそう」という声もあり、2015年は支払いを早めるように変更された。2015年の制度では「一般公開するか、脆弱性認定後に6ヶ月を経過したら支払う」という形になっている。このように昨年の反省点を元に、2015年のサイボウズの脆弱性報奨金制度は、2月2日からスタートしている(サイボウズ脆弱性報奨金制度について詳細説明とガイドライン)。12月25日までのおよそ10ヶ月間行われているので、興味がある人はチェックしてみるとよいだろう。国内の脆弱性報奨金制度は以前、他社でも開催していたものの、現在はサイボウズのみとなっている。他社からの問い合わせがあるか?という質問に対し伊藤彰嗣氏は「国内企業からの正式な問い合わせはないものの、勉強会などで興味を持っていただいている。サイボウズでは自社でコントロールしたいので独自のシステムで報奨金制度を持っているが、他社ではすでにある脆弱性報奨金のシステム、たとえば『HackerOne』などを利用する手もあるだろう」と述べた。最後に伊藤氏は脆弱性報奨金でのよい点と気にかかる点をまとめた。気にかかる点としては「日本のお客様の中には、バグバウンティの狩猟的要素、攻撃者を雇うということを文化として理解していただけない方もいらっしゃる」と述べた。脆弱性の公開や報奨金のことを知ると「御社のソフトにはそんなに問題があるのか?」と思ってしまう人もいるとのことだ。これは脆弱性報奨金の問題というより、セキュリティの知識が、日本で理解されていないことが原因といえるだろう。脆弱性報奨金のよい点としては「弊社製品のPRのためにセキュリティチェックシートを作っているが、ここで脆弱性報奨金のことを詳しく紹介している。脆弱性報奨金制度によって安全性を高める努力をしていることで、お客様になるほどと思っていただける」とした。このように自社製品の安全度をアピールする手段として、脆弱性報奨金制度が有効に使われている。日本ではあまりなじみのない脆弱性報奨金制度だが、サイボウズの成功例を元に、他社での導入も期待したい。
2015年02月19日中央技能振興センターは5日、公募していた「厚生労働省ものづくりマイスター」(以下、ものづくりマイスター)のシンボルマークを決定した。マークのデザインは高知県の畑中奈緒さん。○ものづくりマイスターの認知度向上を目指すものづくりマイスターとは、厚生労働省と中央職業能力開発協会が共同で実施する、ものづくり分野の人材確保・育成を推進する取り組み。優れた技能と豊富な経験などを兼ね備えた製造・建設分野の技能者が、若者に実技指導等を通じ、ものづくり産業や技能の魅力を発信していくことを目指している。このたび決定したシンボルマークは、ものづくりマイスターの認知度向上を目指して公募したもの。マークの認知により活動しやすい環境を作り出すとともに、誇りと使命感をもって活動してもらうことを目的としている。マーク案の応募者数は全部で148作品。選出された畑中さんは、2010年に行われた第5回 若年者ものづくり競技大会「グラフィックデザイン」職種で優勝、翌年、ロンドンで開催された第41回技能五輪国際大会「グラフィックデザイン」職種に日本代表選手として参加した実力者だ。マークの趣旨について、畑中さんは「ものづくりマイスターの『M』の字をモチーフに、2人の技能者を表しています。左側は手を動かし研さんを積んで成長している若年技能者、右側はものづくりマイスターです」と解説している。決定したマークは、今後ものづくりマイスターが実技指導する際の腕章やワッペンなどに使用される予定。
2015年02月10日2015年1月の相続から相続税法の改正が施行され、これまでより相続税の課税対象になる人が増えると見込まれています。この機会に相続税対策として、子どもや孫に生前贈与をして、相続税の課税対象財産を減らしておこうと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、生前贈与をするにあたってのよくある勘違いや、気をつけたい事例などをみて、効果的な生前贈与の方法を学んでいきましょう。そもそも、贈与とは?贈与とは、どのようなことを指すのか確認しておきましょう。まず、贈与者(財産をあげる人)が「あげます」と意思表示し、受贈者(財産をもらう人)が「もらいます」とそれを受ける。そして、贈与契約を取り交わし、贈与者が受贈者に財産を渡すことによって贈与が成立します。契約といっても、必ずしも契約書を交わす必要はありません。口頭でも贈与は可能です。ただ、契約書がないと、贈与者が亡くなって相続が発生したときに、税務署から贈与ではなく相続財産とみなされるケースもあるので、税務調査などを考慮するのであれば、贈与契約書を作成しておくべきでしょう。名義預金にならないように贈与するその年の1月1日から12月31日までの1年間(暦年)にもらったお金は、110万円までは贈与税がかからないことをご存じですか?これを、「暦年贈与」といいます。贈与をすることで相続財産を少なくすることができ、相続税対策になります(ただし、被相続人から法定相続人への生前贈与に関しては、相続発生前3年以内に受けていた贈与が、相続財産として相続税の対象になります)。この制度を利用して、長期にわたって親や祖父母の口座から子どもや孫の口座に毎年110万円を移動して、相続税対策をしている方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし、これを暦年贈与として認めてもらうには、基本的には受贈者が自由にこのお金を使えることが必須です。なぜなら、「銀行の窓口に行くのも、通帳や印鑑を持っているのも贈与者」という場合は贈与ではなく、贈与者の「名義預金」(受贈者の名前を借りているだけの預金)とみなされてしまうからです。未成年者の通帳を、親が管理している場合の注意点名義預金とみなされた場合、その通帳に入っているお金は、相続財産として相続税の課税対象となります。きちんと贈与財産と認められるように、受贈者である子どもや孫が自分で窓口へ行き入金した上、通帳と印鑑を管理し、いつでも引き出せるようにしておきましょう。子どもが未成年の場合は、保護者である親などが通帳や印鑑を管理していれば問題ありません。しかし、親が管理している間に、親が子ども名義の口座から「生活費に一時借りる」など、一度でも出金してしまうと、その後元通りに戻しても名義預金とみなされ、贈与財産と認められなくなる場合があるので気をつけてください。子どもや孫が未成年の時から贈与を受けている場合、20歳になったら忘れずに通帳と印鑑を渡して、以後の贈与金は受贈者である子どもや孫が自分で入金するようにしましょう。面倒だからなどと子どもが銀行へ行かず、そのまま親が管理している場合には名義預金とみなされます。過去からの分を含めて贈与と認められないことがあるので、気をつけたいところです。あわせて、婚姻等で子どもの名前が変わったら、すぐに名義変更しておくことも重要です。旧姓のまま置いていると、「実際に使用していないのでは?」と考えられて、名義預金とみなされる可能性があるからです。生命保険料を贈与する場合の注意点「契約者=子、被保険者=親、保険金受取人=子」の生命保険に加入して、子どもに保険料を贈与するのも生前贈与対策の一つです。「若いうちから子どもに大金を持たせるのは、子どもに良い影響を与えないかも」などと考えて、実際にまとまったお金(保険金)を手にするのは親の相続時(亡くなったとき)となる、この方法を採用している人は少なくありません。親が子に保険料を贈与する場合、子が保険料を支払っている形にする必要があります。例えば、保険契約上は「契約者=子、被保険者=親、受取人=子」でも、親の預金口座から保険料を支払っていると、親が実質の契約者(保険料の負担者)とみなされてしまいます。親の口座から子の口座に保険料相当額を振り込むなど、贈与の証拠が残る形にして、子ども名義の口座から子ども自身が保険料を支払う形をとっておきましょう。保険契約者を親から子に変更する場合の注意点保険料を生前贈与するために、すでに契約している生命保険の契約者を子に変更することがあります。このとき、「保険契約を子にプレゼントする形になるので、贈与税の対象になるのでしょうか?」という質問をされる方がいらっしゃいますが、契約者の変更では贈与税が課税されることはありません。親に万一のことがあって、子どもに死亡保険金が支払われたときに、親が保険料を負担していた分に相当する保険金は相続税の対象に、子どもが保険料を支払っていた期間分は一時所得として、分けて計算されます。このように、保険の契約者を変えた場合は、贈与税の課税対象となるわけではないことを覚えておきましょう。贈与を考える際に必ず実行しておきたいことこれまでみてきたとおり、相続税対策として生前贈与を活用する方法はいろいろありますが、総合的にみて、必ずやっておきたいことがあります。それは、贈与があったことを裏付ける証拠を残しておくことです。贈与の際、渡す側と受け取る側の双方にその意思があったという贈与の事実を証明するために、贈与のたびに贈与契約書を作成しておきましょう。また、「連年贈与」にならないよう注意する必要もあります。例えば、毎年100万円を10年間贈与したとします。1年間の贈与は基礎控除である110万円の範囲内ですので、贈与税の対象になりません。ただ、「もともと毎年100万円を10年間贈与するという契約だった」とみなされると、1,000万円を贈与したものとして贈与税が課税されてしまいます。これが連年贈与です。そうならないように、毎年、贈与の都度取り決めをして、贈与契約書を作成することが重要になります。さらに、毎年同じ日に同じ金額で贈与するのは極力避けましょう。税務署から連年贈与とみなされるおそれがあります。贈与のタイミングや金額は、毎年変えておくのが理想的です。長い年月をかけて、相続税対策としての生前贈与をしてきたのに、実際の相続時に税務署に認めてもらえなかったということが無いよう、しっかりとした知識を持って進めていきたいですね。不安な方は、贈与の事実を税務署にきちんと説明できるように、専門家と相談しながら準備を進めるといいかもしれません。2014年12月、自民党税制調査会は来年度の税制改正で、親や祖父母が子や孫に将来の結婚や出産、育児関連の資金を贈る場合に贈与税がかからなくなる制度を、4年間の時限措置として新設を目指す方針を打ち出しました。この制度は、親や祖父母が金融機関に作った専用口座にお金を入れておけば、子や孫一人につき一定額(上限1,000万円を予定)まで贈与税がかからなくなるというものです。高齢者から若い人へ、資産が動くことが期待できるこの税制改正。今後の行方に注目していきたいですね!コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年01月27日富士通は1月21日、2016年1月のマイナンバー制度の施行に向け、自治体や民間企業向けにマイナンバー制度に対応した業務システムや運用プロセスの構築を支援するコンサルティング、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス、教育関連のサービス、アプリケーション、セキュリティなどの製品を体系化し、1月21日より順次提供していくと発表した。具体的には、従来から提供している、自治体向けのMICJETシリーズや民間企業向けのGLOVIAシリーズなど既存の業種業務アプリケーションのマイナンバー制度への対応内容・時期を明確化するとともに、自治体向けの「FUJITSU 自治体ソリューション MICJET番号連携サーバ」(以下、MICJET番号連携サーバ)や、マイナンバー制度対応業務を支援する「FUJITSU BPOサービス マイナンバーBPOサービス」(以下、マイナンバーBPOサービス)などの新ソリューションを提供する。また、同社は1月21日付で富士通グループ全体を横断する組織として「番号制度推進室」を設立した。同組織では、マイナンバー制度への対応ソリューション、商品・サービスの企画および将来に向けたマイナンバー利活用の企画、推進を行う。自治体ソリューション「MICJET番号連携サーバ」では、中間サーバへの業務データ(所得、資格など)連携をスムーズに行う機能や現行の宛名管理方式と運用を継承することができる宛名管理機能により、既存システムへの影響を最小化し、運用の負荷と改修コストの低減を実現。マイナンバーBPOサービスでは、マイナンバー制度に対応する新たな業務(マイナンバーの収集・本人確認・保管など)、および各法定調書申告、届出書へのマイナンバー記載といった一連の業務を、SaaS環境などのICTを活用したBPOサービスで提供する。そして、ラーニング「企業におけるマイナンバー制度の理解と対応」では、多人数に対する、個人番号や特定個人情報の取扱についての研修に適したeラーニングサービスを提供。マイナンバー制度に関する基本事項から、マイナンバーの正しい管理方法まで分かりやすく説明する教育コースを用意するほか、要望にあわせた個別の対応も実施する。販売価格(税別)は、「MICJET番号連携サーバ」、「マイナンバーBPOサービス」がいずれも個別見積り。eラーニング「企業におけるマイナンバー制度の理解と対応」が1ID(1カ月)につき4,000円(税別)~となっている。
2015年01月21日「マイナンバー」を知っていますか?住民票を持っている全ての人に1人1つの番号を付け、「社会保障」「税」「災害対策」分野の情報を紐付けて管理する制度のことです。なぜ導入することになったのか。私たちの生活はいつからどのように変わるのか。マイナンバー制度の背景と特徴について解説します。2015年10月から通知が始まる、マイナンバーって何?マイナンバーは、正式には「社会保障・税番号制度」といいます。社会保障、税、災害対策の分野で各機関が保有する個人情報を紐付けて、公平・公正な社会を実現することを目的に導入が決まりました。日本は従前、各行政機関において縦割りの個人情報管理を行っており、非効率な面があったために、今回の制度が導入されることとなりました。これまで、公的年金の基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポートの番号、運転免許証番号、雇用保険被保険者番号など、各行政機関が個別に番号をつけていましたが、あらゆる行政サービスを包括する個人情報番号は存在していませんでした。そこで、1人1つのマイナンバーを付与し、各機関が管理している個人情報と紐付けて、必要に応じて相互に引き出すことができるようにします。2015年10月に配布される通知カードにより、原則として生涯変わらない、12桁の番号(マイナンバー)が届くことになります。この番号が使えるのは、2016年1月からになります。導入されると、次のようなメリットがあります。社会保障・税に係る行政手続きの添付書類の削減マイ・ポータル(お知らせサービス)等による国民の利便性の向上行政を効率化して、人員や財源を国民サービスに振り向けられる所得のより正確な捕捉により、きめ細やかな新しい社会保障制度が設計できるたとえば、毎年6月に児童手当の手続きをしますが、2016年からは、この手続きのときにマイナンバーの提示を求められることになります。これまでは、1月1日時点の居住地と6月1日時点の住所が異なる場合、1月1日に住んでいた自治体から「所得証明書」を入手し、それを現在居住している自治体に提出しなければ、児童手当の手続きができませんでした。しかし、マイナンバーによってこれらの情報が紐付けられるようになると、所得証明書の入手が不要になります。現在住んでいる自治体が、1月1日時点に居住していた自治体にマイナンバーを使って問い合わせをすることができるようになるからです。つまり、マイナンバーにより、国民は手続きにかかる時間・費用を削減でき、行政機関は事務コストが軽減され、国家としては公平で正確な給付ができるようになるといわれています。マイナンバーが使われるシーンはこれだ!マイナンバーの通知は2015年10月に行われますが、実際に提出を求められるようになるのは2016年1月以降です。社会保障、税、災害対策の分野で、行政機関などにマイナンバーを提示することになります。たとえば、確定申告であれば、2017年(平成29年)2~3月に行う「平成28年分の確定申告」からマイナンバーを記載することになります。マイナンバーがどのような場面で使われるかについては、法律や条例で定められています。行政機関等でマイナンバーの提示を求められることになる手続きは次の通りです。【マイナンバーの提示が求められる手続き(例)】国民年金や厚生年金の給付に関する手続き国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法による年金給付に関する手続き確定給付年金、確定拠出年金の給付に関する手続き独立行政法人農業者年金基金法による、農業者年金事業の給付に関する手続き失業手当などの雇用保険の給付に関する手続き労災に関する手続き児童手当に関する手続き母子家庭自立支援給付金などの手続き障害者総合支援法による、自立支援給付に関する手続き特別児童扶養手当法による給付手続き生活保護の手続き介護保険法による保険給付の手続き、保険料の徴収に関する手続き健康保険や後期高齢者医療制度の保険給付の手続き、保険料の徴収に関する手続き日本学生支援機構による奨学金貸与に関する手続き公営住宅に関する手続き確定申告被災者生活再建支援金の手続きこれらに付随して、勤務先、金融機関などでマイナンバーの提出を求められることがあります。【民間事業者・金融機関でマイナンバーの提出を求められるケース(例)】年末調整就職するとき退職するとき原稿料などの報酬支払い時証券会社で特定口座を開くとき株取引等で配当金や売却益などを得たとき保険金等を受け取った場合セキュリティについてマイナンバーは使い方次第で便利な制度になり得ます。しかし、個人情報が外部に漏れるのではないか、他人のマイナンバーで成りすましが起こるのではないか、といった懸念を抱いた方も少なくないでしょう。このような不安を払拭するため、制度面とシステム面の両方から個人情報を保護する措置が講じられています。制度面では、法律に規定があるものを除いて、マイナンバーを含む個人情報を収集したり、保管したりすることを禁じています。また、「特定個人情報保護委員会」という第三者機関を設置し、監視・監督にあたります。法律に違反した場合の罰則も、従来より重くなっています。システム面としては、マイナンバーで個人情報の紐付けをしても、一元管理ではなく、情報を分散して管理することで外部への漏えいを防ぎます。従来通り、年金の情報は年金事務所、税の情報は税務署と分けて管理するのです。行政機関同士での情報のやりとりをするときも、マイナンバーを直接使わないようにしたり、システムにアクセスできる人を制限したり、通信する場合は暗号化を行ったりすることになっています。通知カードとともに送付される申請書を郵送するなどして、希望者には「個人番号カード」が通知カードと引き換えに付与されることになります。このカードに関しても、プライバシー性の高い個人情報を盛り込まないなどの工夫がされることになっています。個人番号カードとは、券面に氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーなどが記載された写真付きのカードです。身分証明書として利用できるほか、カードのICチップに搭載された電子証明書を用いて、e-Tax(国税電子申告・納税システム)などの各種電子申請が行えたり、お住まいの自治体の図書館利用証や印鑑登録証など、各自治体が条例で定めるサービスが利用できたりするようになる予定です。ただし、個人番号カードのICチップには、病気の履歴や所得情報のようなプライバシー性の高い情報は記載されないことになっています。マイナンバーは、生涯にわたって利用する番号です。個人番号カードをうっかり置き忘れたり、盗まれたりしないように大切に保管してください。また、むやみにマイナンバーを教えないこと。前述した法律や条例で決められている、社会保障、税、災害対策の手続きで、行政機関や勤務先などに提示する場合以外は、他人に教えてはいけませんよ。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年01月20日2016年1月から施行される「マイナンバー制度」。非常にインパクトの高い制度であるにも関わらず、7割の企業がまだ未着手という話もあるほど、浸透率が低いのが難点だ。大企業や中小企業はもちろん、個人商店、個人事業主、SOHOといった法人、さらには全国民にとって、重大な変化をもたらすマイナンバー制度への備えに対する期間として、この1年は決して長いものではない。現在の状況から、今後どのような点に留意して事に当たれば良いか、会計、人事給与システムのベストセラーであるスーパーストリーム株式会社に話を伺ったので紹介しよう。○2016年に開始される「マイナンバー制度」スーパーストリームは、1995年にSuperStreamシリーズを販売開始して以来、20年間にわたって、会計、人事・給与の業務領域に特化した専業のERPベンダーとして活動してきた企業だ。現在では7,400社の企業に導入され、その存在は社会的にも大きな影響を持っている。そんなスーパーストリームに「マイナンバー制度」について話を伺う機会をいただいた。「マイナンバー制度は、日本の企業、国民すべてに関わってくる制度です。この1年の期間でどこまで備えることができるかという点では、2015年度における企業の経営テーマの中で最重要課題といっても過言ではありません」と語るのは、スーパーストリーム CTO(最高技術責任者)の山田誠氏だ。マイナンバー制度についてはすでにご存知だろうが、改めて概要を説明すると、住民票を有する全ての国民に対して1人1番号の個人番号、いわゆる「マイナンバー」が付番され、これを社会保障、税、災害対策の分野(将来的に適用分野は拡張される予定)で個人情報とマイナンバーを紐付けて効率的な管理を行うというもの。2015年10月からマイナンバーを記載した通知カードが、国民へ向けて送付され、2016年から利用が開始されるというものだ。「マイナンバーは結婚や転居をしても同一のものが使われ続けます。カード1枚あれば、年金手帳や健康保険証、介護保険、そういったものが統合的に生涯に渡って管理できるため、国民のメリットも高いです。社会保険や災害時の補助申請などもスムーズにできますから、国としても効率化ができる。自治体やその他行政機関単位で分散管理されていた個人情報が連携できるので、より正確な所得や他の行政サービスの受給状況も国が把握できるようになります」と山田氏はいう。マイナンバーひとつでそれだけのことができるという事は、逆に大変重要な情報ということになる。「企業側としてはプライバシー保護の観点から、どれだけ安全・安心な情報管理を保てるかという部分が大切になります」と山田氏。このマイナンバー制度には重い罰則が科せられることも大きな特徴のひとつで、万が一、漏えい事故などが起これば企業の信頼が失墜しかねない事態になることも予想できる。それだけにIDの管理徹底は企業の最重要課題になり得るのだ。○負担激増の人事部門「企業でいうと人事部門が最初に直接影響を受ける部署でしょう」と山田氏がいうように、マイナンバー制度が始まって、もっとも負担が大きくなる部門は人事給与業務だ。特にサービス業などを代表としたパート、アルバイトの雇用者が多い業種では、より顕著になる。「対象範囲は正社員のみならず契約社員、パート・アルバイトなどの全従業員分のマイナンバーを理解、同意を得て集める必要があります。社外研修で雇った講演者・弁護士なども対象です。業種によっては膨大な数のマイナンバーを取り扱わなければなりません」と山田氏は警鐘を鳴らす。マイナンバーはただ集めるだけでなく、本人に利用目的を明示し、個人番号の本人確認作業も発生する。さらに扶養家族がいれば、その分も含めて取り扱う必要があるので注意が必要だ。また、退職者の個人番号を適切に削除することが義務づけられるのも、マイナンバー制度の特徴だ。「企業は退職者を含めた労働者名簿や賃金台帳、そして源泉徴収票を、電子データや紙で一定期間保管する必要がありますが、マイナンバー情報に対しては、特定個人情報ガイドラインの安全管理措置の一環として退職後の一定期間で適切に廃棄又は削除する必要があります。詳細は未だ不透明な部分もありますが、いずれにせよ、企業にとってマイナンバーの情報管理については非常に頭を悩ます問題になり得ます」と山田氏。この他、マイナンバーに関わる企業の基本方針や取扱規程の策定および組織としての情報管理体制づくりも必要となる。例えば「誰が・どの業務に対して」マイナンバーを確認することができるのかといった部分にも取扱規程を設ける必要があり、給与業務でも社会保険担当者は閲覧できるが給与計算担当者は不可視にする、といったポリシー設定も必要となる。もちろん、システム自体のセキュリティ対策や堅牢性も重要になる。先ほど決めたポリシーに従い、それがきちんと運用されているかを可視化するログ監視も必要だ。ログに関しては入力、変更といったIDに直接関与したユーザーに対するだけでなく、閲覧した人も採取していかなくてはならない。登録・削除・更新のログ採取のみならず、参照も採取するとなるとその量は膨大に膨らむ。「システムの堅牢性を維持しつつこれに備えて改修しなければなりません。一部の企業ではクラウドサービスなどを利用して、マイナンバー情報を社外で管理することを検討されている企業もあります。仮にそのような考え方をとるならば、社内の人事・給与システムと密に情報を連携する仕組みが必要であり、また通信・ネットワークに対しても堅牢でセキュアな仕組みを作る必要があります。社外のサービスと自社の人事・給与システムを組み合わせるのは運用コストも鑑みると現実的に少し無理があるのではないか?と考えています」と山田氏は語る。○マイナンバー制度に備えるには信頼できるパートナー選びが重要ざっと教えていただいただけでも、これほど大きなインパクトと負担が起こるのが「マイナンバー制度」の導入だ。さらに言うなら2015年中にはシステムの改修が終わっていて、運用方法も決まっている必要がある。これを考えれば、残された時間が決して長いわけではないことがお分かりいただけるだろう。スーパーストリームの「SuperStream-NX」シリーズは、これらの課題をクリアし、的確なワークフローを実現できる製品となる。加えて特筆すべきは、既存顧客であれば、それらのアップデートは無償で供与される点だ。「2015年秋には標準機能としてマイナンバー制度対応のアップデートプログラムを提供します。既存ユーザーの方々には、標準の保守契約内で追加費用が発生することはありません。これは今後予定されているマイナンバー制度の拡張や消費税増税対応、軽減税率対応も含めて全て同じスタンスで対応します」と語る山田氏。法改正・税制対応の開発コストをユーザーに負担させないスタンスは、長年のノウハウと数多くの顧客の信頼を勝ち取った同社だからこそできるサービスといえるだろう。「日本国内で7000社を超える会計、人事・給与システムを提供している企業として、ユーザーの皆様のニーズを常に把握し、最適な形で安心できるサービスを提供し続けることが私達の使命と考えています」と最後に語ってくれた山田氏。マイナンバー制度への対策を早急に行いたい企業、あるいは人事システムのリプレースも視野に入れている企業は、一度同社に相談してみてはいかがだろう。
2015年01月14日トレンドマイクロは12月10日、「社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)」に対応したセキュリティ製品「Trend Micro マイナンバー向けサンドボックス」を、2015年第2四半期より地方公共団体などに向けて提供すると発表した。マイナンバー制度は、2015年10月より番号が通知され、翌2016年から行政手続き上の利用が開始される。運用においては、所轄官庁から中間サーバ接続時におけるセキュリティ対策が示されており、中間サーバへアクセスする端末を設置するセグメントに「サンドボックス装置の導入」が推奨されている。同製品は、ネットワーク上の不審な通信を検知し、ふるまい検知で見つかった不審ファイルをサンドボックスで解析させることにより、標的型サイバー攻撃からのリスク低減を実現する。具体的には、ネットワーク上の不審な通信を検知し、振る舞い検知で見つかった不審ファイルをサンドボックスで解析する。日本語を含むマルチランゲージOSに対応したサンドボックスを搭載しており、日本語アプリケーションである一太郎などもサポートしている。また、ファイル実行の結果発生する通信のふるまいや、ドロップするファイルの分析を行うエンジンを複数搭載しており、パターンファイルによる対策に依存せず、高い分析能力を備えたサンドボックスによって脅威検出ができるという。なお、トレンドマイクロでは、マイナンバー制度の運用に対応したセキュリティ製品として、「ウイルスバスター コーポレートエディション11」「Trend Micro Deep Security」「Trend Micro Safe Lock」なども提供する。
2014年12月11日●2016年に始まるマイナンバー制度、おさえておきたいポイントは?11月17日、埼玉県さいたま市においてオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)が主催する「奉行フォーラム2014 in大宮」が開催された。マイナンバー制度の導入・メンタルヘルス対応など、企業として対応が求められる政策の施行が控えているだけに、多くの来場者で賑わった。大宮会場においては、定員560名に対し、665名が参加したというだけあって、それだけ将来への備えを考えている企業が多いことが伺えた。中でもマイナンバー制度を取り上げたセミナーは約500名が受講するなど注目度が非常に高かった。ここでは、その様子をお伝えしよう。○2016年1月から利用開始「マイナンバー制度」基調講演として「2016年に始まるマイナンバー制度に企業はどの様に備えるべきか」と題したセミナーを担当した、株式会社野村総合研究所の塚田 秀俊氏は、「社会保障、税、災害対策の3つの分野において、マイナンバー制度が導入されます。これ以外の目的に使うとなんらかの罰則が当てはめられる予定です」と語る。ロードマップによれば、2015年10月から国民への番号通知が始まり、2016年1月より番号の利用が開始される。塚田氏がいうとおり、「社会保障分野」においては年金の資格取得や確認、給付時に利用されるほか、雇用保険、ハローワークでの事務処理、医療、福祉の事務といった部分で使われる予定となっている。「税」では、国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書などに記載され、内部事務において利用される見込みで、3つめの「災害対策」では、被災者生活再建支援金の支給、地方公共団体の条例で定める事務などに利用されることが想定されている。「マイナンバーの活用に際して、情報管理徹底の必要性と法令違反時の罰則厳格化が課題となります。これは行政、民間問わず、番号の管理や利用に関してさまざまな制約を受けるということです」と塚田氏はいう。マイナンバーはこれまで以上の個人情報を伴う。そのため、先ほど述べた分野以外での利用などはもちろん、個人番号の漏えいなどに関しても「『業務に関して知りえた個人番号を漏えいまたは盗用した場合』は、3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金となります。さらに『従業員が上記の違反行為を行った法人』にも同じ罰金刑が適用されます」と、厳格化される情報管理の徹底について警鐘を鳴らした。また、法人がマイナンバーを取り扱う業務について「一部の派遣社員などを除き、正社員、契約社員、パート、アルバイトなどは、自社対応が必要になります。さらに給与厚生関連事務のすべての領域においてマイナンバーを使うことが想定されます」と塚田氏。入社、退職時はもちろん、組織移動や社保算定、給与支払、労災や保険の給付申請に至るまで、多岐にわたってマイナンバーを管理する必要が出てくるというわけだ。ただし、マイナンバーは強制的に個人に求めることはできない。これについて「個人情報を自己コントロールできるようにするため」と塚田氏はいう。しかし一方で、法人は対象となる各種書類において、マイナンバーを明記する必要もあるため、個人がマイナンバーの提供を拒むケースではトラブルになる可能性があるという。マイナンバーの記載が法令で定められた義務であることを周知して提供を求めるなどの方法があるというが、いずれにしても法人としては、こうしたケースに対してどのように対応していくか検討したほうがよさそうだ。○制度開始へ向けて各法人は早期の準備を「法人がマイナンバー制度の開始に備えておくべき点は、目的外利用の禁止、提供を求める際の制限、本人確認の措置、そして情報の安全管理の4つです」と塚田氏は語る。各社員へ向けてのマイナンバー制度の周知や、開始時に予想される大量処理についても準備をしておく必要があるほか、情報管理体制の整備も進めなくてはならない。続いて、特に留意すべき点として「事務を実施すべき主体と事業会社との関係」が挙げられた。「例えば従業員と健康保険組合での帳票のやり取りでは、これまで人事部門が間に入って業務効率を上げていた企業が多いと思います。しかし、ここで介在する人事部門が『目的外利用』に当てはまるケースが考えられるのです」と塚田氏。その場合、従業員と健康保険組合が直接やり取りをするのか、あるいは委任状などを添えて人事部が介在するか、いずれかの方法へルール変更する必要が出てくるのだ。このほか、給与業務以外の情報管理体制作りが必要であることや、マイナンバー記載書類の提出時には原則として都度本人確認が発生し、その際にも公的書類の提出が求められる点などについて触れた塚田氏。「まず着手すべきこととして、一番重要なのは全社横断的なタスクフォースの結成です。人事だけでは解決できない問題が出てきますし、経理部門と一緒にやらなくてはならないことなども多くなります。企業規模にもよりますが、社長以下、経営者の方々にもこれを認識していただいて、準備を進めていただいたほうがよいでしょう」と語った塚田氏。最後に再度マイナンバー制度についておさらいをしたところで時間となり、大きな拍手と共に壇上を後にした。同氏のセミナーの元となった資料は野村総合研究所のホームページ上で公開されており、今後も最新情報が順次公開になるという。準備を進める企業には貴重な情報となるはずなので、常にチェックしておくとよいだろう。●OBCのマイナンバー制度への対応続いて「奉行シリーズではじめるマイナンバー制度への備え」と題されたセミナーでは、株式会社オービックビジネスコンサルタント 開発本部 藤本 大氏が講演。マイナンバー制度の概要について語った藤本氏は「企業にとってとてもインパクトの強い制度です」と来場者に念を押す。また、マイナンバー制度が初年度に適用される「社会保障」「税」「災害対策」だけでなく、将来的に広範囲に影響を及ぼすことになることに触れ、「一度だけ対応すればよいという訳ではなく、国の方針に従って順次対応していくことが求められます」と藤本氏はいう。マイナンバー制度が与えるシステムへの影響に関して、藤本氏は人事労務系、会計・税務系の視点で分析する。「人事労務系に関して、奉行シリーズでいえば【給与奉行】で年末調整や社会保険の届出書などの帳票に番号を出力する必要があります」と語る藤本氏。もちろん、所得税、社会保険関連といった各種帳票にもこれは当てはまる。「番号を取得した際の本人確認の証拠やアクセス権限、操作・照会ログといったマイナンバーを安全に利用する仕組みも必要です」と藤本氏はいう。会計・税務系システムへの影響に関しては、個人のマイナンバーのみならず、自社の法人番号を出力する仕組みも意識しなくてはならない。さらに取得した番号管理の難しさも先ほど同様となる。「段階的に法制度が整い適用されていく状況です。奉行シリーズでは段階的に決まっていく各種帳票や、この先公開される個人番号の安全措置に関するガイドラインに対して、保守サービスのOMSS、OMSS+のサービスによって継続的に対応していくことをお約束します」と語る藤本氏。すでにレイアウトが公開されている源泉徴収票などを例に、マイナンバー対応について説明しながら、「例えば源泉徴収票は本来の目的以外に、従業員が家のローンを組む際などにも活用されていました。この場合、個人番号の印字が必要ない可能性があり、単に個人番号を出力するだけでなく、さまざまなシミュレーションを行いながら検討を行っている最中です」と藤本氏。OBCならではのユーザー視点で、奉行シリーズへのマイナンバー制度導入が進んでいるようだ。現在未発表の帳票出力に関しては公開されてから順次対応するというOBC。個人のマイナンバーのみならず、法人のマイナンバー対応も順調に進んでいる。「現在マイナンバーについて、個人番号は社会保障、税以外に災害対策にも利用されますが、法人番号についても民間での利活用が検討されています」と語る藤本氏。今後は企業の事務負担軽減機能も検討していく予定で、例えば企業間の取引に企業番号を活用して請求書や納品書に、自社情報として法人番号を記載するなどが考えられるのだという。「帳票対応だけでなく、全従業員の個人番号の管理が重要視されると考えています」と藤本氏。取得する際の本人確認、取得した番号の漏えい対策など、さまざまな課題があるが、「これらを補完するシステムの番号管理が重要です」と藤本氏。これには本人確認、目的外利用の禁止、安全管理、番号破棄の4つのポイントがあるのだという。本人確認においては番号が正しいか確認する際に、どのような手順でそれを行ったか、後から追えるような仕組みを取り入れる。目的外利用については、該当帳票のみに番号を出力する。安全管理についてはアクセス権限設定や操作・照会ログの採取。番号破棄では、対象となる退職社員のリストアップなどが仕組みとして取り入れられるのだという。「OBCではマイナンバー制度への対応というだけでなく、国が定めたガイドラインに沿った個人番号の包括管理ができるような製品を実現してまいります」と語ってくれた藤本氏。セミナーが終わると、ほぼ満席となった会場から大きな拍手が聞こえて来た。すべての企業、国民にとって対応が求められるマイナンバー制度。各企業がゼロから対応を考えるのはいささか無理が生じる可能性があるが、OBCの製品とノウハウの力を借りれば負担やリスクは最小限で済む。マイナンバー制度について準備が足りていないと思う企業は、一度OBCに相談してみてはいかがだろう。
2014年12月08日本田技研工業は1日、新型ハイブリッドセダン「グレイス(GRACE)」を発売した。グレイスは、5ナンバーサイズのコンパクトなボディーながら、アッパーミドルセダンに迫る広い室内空間を実現したハイブリッドセダン。ロングホイールベースに加えてリアシートの位置を最大限後方に配置することで、「アコード ハイブリッド」にも匹敵するリア席足元のスペースを確保し、430L(FF車)の容量を持つ広いトランクルームはトランクスルーも可能となっている。1.5LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンに高出力モーターを内蔵した7速DCTと、リチウムイオンバッテリー内蔵のIPUを組み合わせた「SPORT HYBRID i-DCD」を採用し、ハイブリッドセダントップクラスの低燃費34.4km/Lを実現。ビスカスカップリング式を採用した4WD車も設定されている。エクステリアは、伝統的なセダンスタイルの中にクーペのような流麗なフォルムを融合し、プラチナメッキ仕上げのフロントグリルと先進感やワイド感を強調した「ソリッド・ウイング・フェイス」を採用。LEDリアコンビネーションランプとリアライセンスガーニッシュを繋げることで、堂々とした車格感のあるデザインとした。そのほか、細部にわたり上質感を感じさせるインテリアデザイン、上級セダン同等の作りとしたリアシート、入力分離式ダンパーマウントを採用して上質な乗り心地を実現したサスペンションなどが特徴。安心・安全性能では、「コンパティビリティー対応ボディー」と「歩行者傷害軽減ボディー」を採用し、「VSA(車両挙動安定化制御システム)」「ヒルスタートアシスト機能」「エマージェンシーストップシグナル」といったアクティブセーフティー技術を全タイプに標準装備。「シティブレーキアクティブシステム」「サイドカーテンエアバッグシステム」「前席用i-サイドエアバッグシステム(容量変化タイプ)」をセットにした「あんしんパッケージ」をタイプ別にオプション設定している。グレイスの価格は、195万円~240万9,800円(いずれも税込)。
2014年12月01日平成27年から「子ども子育て支援新制度」がスタートします。多くのママたちからは、「聞いたことはあるけれど、実際この新制度によって自分たちの生活がどう変わるのかがわからない」という声が、大変多く聞こえてきます。今回は、数々の子育て専門資格を活かして、多くのママたちの子育てに寄り添う活動をする一方、行政の子育て専門委員や東京都足立区の子ども子育て新制度プロジェクトメンバーでもあるNPO法人子育てパレット代表 三浦りささんに、新しく始まるこの制度について、わかりやすく説明していただきました。■「子ども子育て支援新制度」は、どんなことを目的にした制度なの?現在、子育てを取り巻く課題が、数多く浮き彫りになっています。少子化問題、待機児童問題および子育てと仕事の両立の難しさ、子育てに対しての孤立感・負担感、児童虐待問題の深刻化、放課後児童クラブの不足などなど。こうした状況を打開するための策として、国をあげて「子育て支援の量を拡充、質を向上しよう!」ということを目的とした制度です。■「子ども子育て支援新制度」の開始によって、具体的にどの部分がどう変わるの?(1)保育・教育の場が増えます子ども子育て支援新制度が始まると、幼稚園、保育園・保育所、認定こども園(保育+教育)、地域型保育(小規模保育、保育ママなど)のいずれかが増えます。ただし、幼稚園が増えるのか? 保育園が増えるのか? 認定こども園が増えるのか? 地域型保育が増えるのか? はお住まいの市町村の事業計画によって遂行されます。場合によっては、現在通っている保育園・幼稚園の運営スタイルが変わることもあるかもしれませんし、新制度を選択しない私立幼稚園(※この場合は従来通りの利用手続き・利用料)もありますので、一度、市町村や園に確認してみるとよいでしょう。(2)新制度利用の幼稚園、保育園、保育所への入園・入所申込み方法が少し変わります今までは希望の幼稚園に直接申込みをして、園側から入園内定をもらい、入園という流れでしたが、子ども子育て支援新制度開始後は、入園内定を受けたら園を通して利用のための認定申請を管轄市町村に行い、認定通知を受け、幼稚園と正式入園契約となります。保育園や保育所の場合は、市町村に入所申込みをした後に認定証が交付されます (3)新制度利用の場合、保育料が変わります新制度における保育料は、国が定める上限額の範囲で各市町村が定めます。大きな変化でいいますと、幼稚園や認定こども園(短時間利用・保育必要なし)では所得に応じた保育料に変更し、兄弟利用の場合に第2子半額、第3子以降は無料が適用されます。保育園・保育所、認定こども園(長時間利用・保育必要あり)、地域型保育の場合は、所得割課税額と利用時間によって定められる上限額の範囲で決められます。(4)保育を必要とする該当事由が広がります従来の就労、妊娠・出産、保護者の疾病・障害、親族の介護・看護、災害復旧に加え、新たに求職活動、就学、虐待やDVのおそれがあること、育児休業取得中からすでに保育を利用している子どもがいて、継続利用が必要であること、という条件が加わりました(5)保育以外の部分についてその他については、子育て相談や一時預かりの場、放課後児童クラブ(学童保育)を、空き教室などを利用して増加する、かつ対象を小学校6年生までにする(※現在は小学校3年生まで)など、地域の子育てニーズに合わせた支援の場を増やしていきます。子ども子育て支援新制度とはどんな制度なのか、何となく理解できたでしょうか。お住まいの地域で実際にどのような変化があるのかはについては、自治体の取り組み方によって変わってきます。ぜひお住まいの市町村がどういう事業計画で遂行していこうとしているのか、情報を集めてみてくださいね。参考URL: 内閣府・子ども子育て新制度ページ
2014年11月21日『ヴォーグ ウエディング(VOGUE Wedding)』は、初の特別付録がついた14年秋冬号を11月21日に発売する。この付録は「セルジオロッシ(SERGIO ROSSI)」と、サンリオのキャラクター「マイメロディ(MY MELODY)」のコラボレーションによるミラー。セルジオロッシの最新シューズコレクション、そしてウエディングドレス姿のマイメロディが仲良く並んでプリントされた、スペシャルコラボミラーとなっている。今号の『ヴォーグ ウエディング』では“これがヴォーグ流、大人のウエディング”をテーマに、実際に催された大人のこだわり結婚式をレポートする。ヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルとして活躍するリンジー・エリンソン(Lindsay Ellingson)を始め、映画監督のライ、ランジェリーデザイナーのダフネなどが、自分らしさを貫いた自然体の結婚式。そのテーブルコーディネート、ブーケ、フロア装飾などが、結婚式当日までのストーリーと共に展開される。その他、誌面上ではヴォーグこだわりのドレス、ギフト、シューズなどを紹介。「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」のフレグランスをプレゼントするキャンペーンも実施される。
2014年11月20日野村総合研究所(以下、NRI)は11月20日、「マイナンバー登録・管理サービス」の提供を開始した。2016年1月に予定されている「マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)」の施行に備え、金融機関や事業会社に対して、顧客や従業員等のマイナンバーを安全かつ効率的に管理・利用するためのソリューションである。マイナンバー制度は、「個人番号関係事務実施者」となる企業などに対して、厳格な手続きや安全管理を要求している。2016年1月に迫った制度の施行を控え、対象となる企業では、短期間で全組織を対象とした事務作業の確認や見直しが必要となる。マイナンバーの記載が必要となる書類は多岐にわたり、企業の事務負荷は大きい。加えて、特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)を扱うため、安全管理に係る負担も増大することが予測される。対応が十分でない場合、本業への影響が危ぶまれるだけでなく、重大な法律違反となる可能性もあり、マイナンバーの取り扱いや管理事務に係る負荷を軽減できるソリューションが求められている現状だ。今回NRIが提供を開始した「マイナンバー登録・管理サービス」で対象とするのは、証券会社や銀行、保険会社など、金融機関が抱える顧客のマイナンバーと、事業会社における従業員のマイナンバーの登録や管理。マイナンバー自体を企業内の情報システムに置かず、NRIのデータセンターで一括して管理するため、本サービスの利用企業においては、既存業務への影響を考慮する必要がほとんどなくない。また、特定個人情報を企業内で保有することを極力排除できるため、情報漏洩リスクを極小化できるという。利用企業で新たに発生する業務設計とシステム構築は、本サービスとの接続部分に限定されるため、対応コストの負担もわずかで済むとしている。本サービスでは、制度対応に必要な現行業務の分析に始まり、安全管理措置対策の構築、職員等の教育・研修、マイナンバーの登録・管理にいたるまで、一連のメニューを用意している。企業は、(1)特定個人情報保護を考慮した社内態勢整備の支援、(2)マイナンバーの登録、(3)マイナンバーの管理・利用、という主に3つのサービスから必要なものを選択できる。
2014年11月20日イオンは18日、2015年2月期より、長期・大口保有株主を対象にした優待制度を新設すると発表した。これにより、同社株式への投資魅力を高めるという。新たな優待制度では、3年以上継続して同社株式を保有し、かつ毎年2月末時点で1,000株以上保有の株主に、イオンギフトカードを贈呈する。具体的には、保有株式数1,000~1,999株ではギフトカード2,000円分、2,000~2,999株では同4,000円分、3,000~4,999株では同6,000円分、5,000株以上では同1万円分を贈る。ギフトカードの発送は5月頃を予定している。第1回目は、2012年2月末から株式を継続して保有し、かつ2015年2月末の同社株主名簿に1,000株以上保有している株主が対象となる。なお、2015年2月末の権利付最終日は2015年2月24日となっている。現行のイオンオーナーズカードによる株主優待制度は今後も継続して実施する。同制度は、全国のイオンやマックスバリュなど、特典対象店舗の直営売場での買上金額に対してキャッシュバックするもの。対象となる支払金額合計に対し、持株数に応じた返金率を半期ごとにまとめて返金する。
2014年11月19日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使ったバランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立を毎日ご紹介!今日の献立は「マイタケとベーコンのリゾット」を含めた全4品。マイタケをたっぷり入れたリゾットに、デザートは簡単プリンで決まり! マイタケとベーコンのリゾット マイタケの香り豊かなリゾットです。 イカのふんわりサクッと揚げ サクッと軽い衣がおいしいイカリング! リンゴのシャキシャキサラダ リンゴと白菜に手作りドレッシングがよく合います。 カラメルプリン ゼラチンでかためるタイプのプリン。カラメルのほろ苦さがおいしい! ⇒今日の献立一覧はこちら
2014年10月30日日本IBMは10月28日、銀行・保険・証券などの金融機関向けに「金融機関向けIBMマイナンバー対応ソリューション」を発表した。同ソリューションは、金融機関が個人顧客や法人顧客、従業員のマイナンバーを取得し管理・保管する機能や、セキュリティー機能などを提供する。金融機関の個々のシステムや業務アプリケーションを改修することなく、マイナンバー対応処理に必要な共通機能が利用できるほか、法改正などにより、マイナンバーの適用範囲が拡張された場合にも、柔軟な対応が可能だという。「マイナンバー取得機能」では、業務運用やサーバー間のメッセージのやりとり、ネットワークの伝送まで、多様なレべルで暗号化を実施し、十分なセキュリティーを確保。既存システム上で稼働させつつ、営業店システムなど他の業務アプリケーションとは別に運用するため、既存システムへの影響を最小限に抑えることができる。マイナンバーの取得は、企業の担当者が、営業店の店頭や営業職員・渉外員顧客訪問先において、Webやタブレットを活用し対面で行うという。「マイナンバー管理・保管機能」は、顧客から取得したマイナンバーを、登録・更新・消去といったライフサイクルに合わせて一元的に管理するもの。登録済マイナンバーの目的外利用の制限や、マイナンバーへのアクセス権限・履歴管理を確実に実施する。また、IBM不正検知技術を活用し、アクセス権限を付与された人の内部不正を防ぐ機能も搭載する一方、既存のホストシステムや分散システム、バッチ処理・オンライン処理などの業務アプリケーションから、登録されているマイナンバーへのスムーズなアクセスも実現する。「マイナンバ-セキュリティー機能」では、ハードウェア情報を読み出そうとする不正行為に対し機器自身が防御する機能や、キーなどの重要情報の漏洩を防ぐソフトウェアの機能、管理・運用局面での各種ツールなどを利用し、システム全体として統制する強固な暗号化技術を活用する。同技術は、ホストシステム・分散システムのどちらでも提供可能で、すでに導入している金融機関では、少ない追加投資で対応できる。同社の暗号化技術は、政府がマイナンバー管理に求める基準などのほか、FISC(The Center for Financial Information Industry Systems)の安全対策基準にも準拠するという。「金融機関向けIBMマイナンバー対応ソリューション」は、11月末日より販売開始し、価格は個別見積もりとなる。
2014年10月28日