昨年、晴れてマイホームを手にいれた人は、「今年は、住宅ローン控除の確定申告をしなければならない!」と思っているはず。「確定申告」と聞くと、それだけで敷居が高く、サラリーマンの妻にとってはドキドキなのでは? でも、住宅ローン控除についてザックリとしたイメージをつかんでおけば、随分と気が楽かもしれない。お話は、税理士の益田あゆみ先生に伺った。■家を買ったら確定申告が必要な理由とは? 住宅ローン控除とは、簡単に言えば「家を買って家計が大変でしょうから、税金を安くしてあげますよ」という国の制度だ。サラリーマンの場合、お給料は天引きなので、本来、家を買って安くなっているはずの税金分まで、余計にお給料から差し引かれてしまっている。この払い過ぎた税金を返してもらうための手続きが、「住宅ローン控除の確定申告(還付申告)」だ。■どうやって確定申告をすればいいの? 「確定申告書に不慣れな方は、持っていくべきもの(※1)を持って、税務署に行くのが一番です」と、益田先生。「税務署」と聞くと、怖いイメージがあるかもしれないが、確定申告期間中は、たくさんの係員が配置されており、記入の方法なども親切に教えてもらえる。税務署をむやみに恐れずに、まずは行ってみるのが、実は一番てっとり早いのだ。その際には、くれぐれも「持っていくべきもの」だけは忘れずに!※1: 国税庁のコチラのページ の「5 住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続」の(2)に記載■住宅ローン控除は1年目だけ確定申告が必要ちなみに住宅ローン控除は2年目以降、会社の年末調整で対応してもらえる。来年の10~11月頃、税務署から届く「住宅借入金等特別控除申告書」(※2)と、金融機関から届く残高証明書を添付して、会社で年末調整の手続きをすればいい。つまり、今年だけ確定申告をすれば、今後の税金が安くなる。そう思ったら、「えいやっ!」と頑張れるのでは? ※2:税務署からは9年分の控除証明書が届くので、該当する年だけ会社に提出し、残りの証明書は大切に保管しておく。■住宅ローン控除の申告が遅れてしまったら? 子育て中のママは、子どもの風邪などで、期限内に確定申告に行けないこともあるかもしれない。その際は、どうなるのだろう?「できるだけ早く、必要書類をもって手続きに行って下さい!!」と、益田先生。確定申告の期間が終わる3月15日すぎには、自治体はその年の住民税の計算を初めている。「その時点で確定申告の情報が届いていないと、税金を余分に支払うことになる可能性もあります」。もちろん確定申告をした時点で、払い過ぎた税金は戻ってくるが、二度手間になることは否めない。住宅ローン控除の確定申告は、申告期限に遅れないよう、早め、早めの準備を心掛けよう!
2015年02月11日夢のマイホーム購入をしたものの、住宅ローンに加えて駐車場代に固定資産税、マンションならさらに管理費、修繕積立金もかかり、思った以上にマイホームの維持費がかかる……とお悩みの方は多いことだろう。今回は住宅ローンで家計が火の車! という人に向けて、ファイナンシャル・プランナーの菅田芳恵さんにアドバイスをしていただく。○住宅ローンの返済額を減額住宅ローンは、毎月の返済額を変えることができます。しかし、減額すれば当然期間が長くなり、利息もより多く支払うことに。この方法は、マイホームを手放さないための最後の手段です。○家計を見直すむだな出費がないか、家計を見直します。生活費以外にも意外に無駄遣いをしているものです。毎月の支出を事前に決めておいてそれ以上は使わないようにしましょう。○生命保険の死亡保障額を見直す住宅ローンを組むときには、ほとんどの人が団体信用生命保険に加入しています。金融機関の住宅ローンであれば、必ず加入しなければならないもの。契約者が死亡した時に支払われる保険金でローンが相殺され、遺族にはマイホームが残る仕組みです。そのため、これを機に今までの生命保険を見直して死亡保障額を減らすことが賢い方法です。これで保険料も安くなります。○車を手放すマイカーは維持費がかかるもの。自動車税や自賠責保険、任意保険、ガソリン代、車検費用などで、駐車場代がさらにかかるケースも多いことでしょう。これらを合わせると年間数十万円にも。これからの旅行は公共交通機関、買い物は自転車と決めれば安く済みます。特に自転車はダイエットにもなるので一石二鳥です。○マイホームを売却しても借金は残るマイホームは、購入した金額から年々下がるケースが大半。なので、マイホームを売却してもローンが完済できないことはよくあります。つまり、借金が残ったまま今度は賃貸住宅の家賃を支払い続けるというわけです。そうなると以前と支出はそう変わりません。そこで、やはりマイホームの売却は最後の手段として、無駄な出費を見直して、それでもダメなら返済額を下げる。専業主婦の家庭なら、妻が職に就くということも考えねばなりません。
2015年01月30日夢のマイホームを手に入れる手段として、住宅ローンの利用を検討する方が多いでしょう。「金利の低い変動金利と最後まで安心の固定金利のどちらを選ぶべきか」という悩みは永遠のテーマですね。今回は、住宅ローンの金利タイプの選び方のポイントをおさらいしてみましょう。■変動・固定 金利、みんなはどっちを選んでいるの? 実際に住宅ローンを組んだ人は、いったいどちらを選んでいるのか、気になりませんか。住宅金融支援 機構「民間住宅ローン利用者の実態調査2014年1月2月期」によると、変動金利42.8%、固定期間選択型33.7%、全期間固定金利23.5%という結果でした。やはり、実質1%を切る変動金利の低さに魅力を感じている方が多いのですね。2014年7月のイオン銀行の変動金利ですと、0.57%という驚くべき低さ。ちなみに、固定期間選択型を選んだ方は、10年固定型を選んだ方が最多でした。おそらく住宅ローン減税期間の10年で完済してしまおうという計画なのでしょう。・固定金利のメリットとデメリットメリット:金利が変わらない安心。将来設計がたてやすい。デメリット:変動金利より金利が高くなる。・変動金利のメリット・デメリットメリット:1%を切る金利の低さ。デメリット:将来設計がしにくい。未払利息が発生するリスク。■住宅ローン金利の選び方のポイント3つポイント1 性格で選んでみようあなたは物事を楽観的に捉えるタイプですか。それとも、何か考え始めてしまうと悲観的な思考にとらわれてしまいがちなタイプですか。悲観的になってしまうネガティブタイプの方なら、全期間固定金利を選んでおいた方が心休まることでしょう。固定金利なら、最後まで毎月の支払額が変わらない安心が手に入ります。変動金利ほどではありませんが、35年ローンでも2%以下の商品がある超低金利時代なのです。ポイント2 リスク許容度で選ぼう1)月々の返済額が上がっても耐えられる家計である2)子どもの教育費の掛かる時期はもう終わっている上の2つの問いに対して、どちらも「はい」と答えられるご家庭であれば、金利が上がっても返済に行き詰まる可能性は低いので、変動金利を選ぶことができます。反対に、今の変動金利の返済額を返すのがやっとだったり、子どもの教育費がかかる高校生や大学生になる年齢まで住宅ローンを組む予定なら、将来的に住宅ローンの負担に苦しむことになります。ポイント3 最後は自分の好みがいちばん住宅ローンの選び方について、いろいろお話してきましたが、結局のところ、あなた自身の好みが一番なのです。この先金利が急上昇するのかしないのかは誰にも分からないのですから。固定金利と変動金利、それぞれのメリット・デメリットをしっかり確認した上で、自分が選びたい方を選びましょう。そして、自分で決めた事を誰のせいにもせず、自分の選択に責任を持ちましょう。それが一番シンプルで満足度が高い方法です。<参考リンク> 独立行政法人 住宅金融支援機構
2014年08月25日マイホーム選びの押さえるべきポイントを整理した本特集もいよいよ最終回。 「これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識」 、 「マイホーム選びは立地が全て」 の他に、“未来のマイホーム勝ち組”になるためにチェックすべきポイントを整理して仕上げとしよう。■その1 マンションは“管理”を買う“ご近所付き合いが面倒だから、マンションにする”。そう考えているのであれば、それは目先のことしか考えていないと言えるだろう。マンションを購入するということは、所有者となったあなたは、マンションの管理組合の一員となり、マンションという財産を共同で管理していかなければならないからだ。現在、マンションの管理組合が機能せず、大規模修繕などがうまくいかずににっちもさっちもいかないマンションがたくさんあることは知っておくべきこと。そうならないためにも、マンションを買う場合は「管理組合がどうなっているのか? 実際にどんな管理が行われているのか?」そういった視点は必須だ。■その2 自治体を選ぶ「自治体を選ぶ」という視点も欠かせない。ある自治体では財政が厳しく、行政サービスが縮小傾向である一方、ある自治体は税収が豊かで行政サービスが充実している。こうした格差が目に見えて起きてくるのが、これからの時代だ。住む地域を決める時、まずすべきことは、自治体のホームページを確認するなどして、運営状態や財務状況、方針をチェックすること。ほとんどの自治体がインターネット上で情報公開をしている。不動産の価格には、自治体の経営状態や行政サービスの質も含まれているは知っておきたい。■その3 省エネかどうか「え? 最後がコレ?」と思った人もいるかもしれない。私も当初、長嶋さん主催の勉強会で「省エネ」という視点を聞いた時は「???」と思ったものだ。日本では、2020年に省エネ基準が義務化される。たとえばドイツでの脱原発をするための方法論の半分は、「エネルギーを使わないこと」、つまり建物の省エネを高めることを追求する方向だ。「日本でもいつか必ず、住宅の省エネ性能を徹底的に追及する日がやってくるでしょう」と長嶋さん。ゆえに、可能な限り省エネ性能の高い住宅を選ぶことは、長い目でみれば、住居費の大幅な削減となることも念頭に置いておきたい。マイホーム購入は、人生の最大の買い物。目先のことにとらわれず、長いスパンを見据えた視点で選びたいものだ。特集 マイホームは、今、本当に買いなの?【住宅購入のポイント1】 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識【住宅購入のポイント特集2】 マイホーム選びは立地が全て【住宅購入のポイント特集3】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月29日「 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識 」は、押さえた。その上で知っておくべきことは何だろう? 引き続き不動産のプロ、長嶋修さんにお話しを伺った。 ■日本の人口は急激に減る唐突な話かもしれないが、日本の人口は2004年がピークで、今後100年で100年前(明治時代後半)の水準に戻っていく可能性が高い。「それが、マイホーム購入とどう関係あるの?」と思う人もいるかもしれないが、実は大きく関係する。ウーマンエキサイトママ世代が老後を迎える50年後には、人口は今の3/4となるので、空き家が増える。「空き家の多い地域は治安も悪くなり、スラム化していく可能性が高いのです」と長嶋さん。■今後、有望な地域はどこか?確実に訪れるであろう人口減・高齢化、そして人気のない地域のスラム化。そうであるなら、「もし買うとしたら、どこにマイホームを持つべきなのか?」という視点が必要になってくる。「たとえ立派な建物でも、それがニーズのない立地にあるのなら資産価値はありません。即ち住宅選びの要諦は何よりも“立地選び”なのです」。長嶋さんに今後有望な地域をいくつかあげてもらった。特集 マイホームは、今、本当に買いなの?【住宅購入のポイント特集1】 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識【住宅購入のポイント特集2】 マイホーム勝ち組になるための3つのチェックポイント【住宅購入のポイント特集4】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月28日「 マイホームは、今、本当に買いなの? 」という問いの答えはYES。でも、後悔しないマイホーム選びをするためには一定の知識が必要だ。どんなことを知っておく必要があるのか? 引き続き、不動産のプロ、長嶋修さんに伺った。■その1 マイホーム関係の税金軽減制度を知る国は各種支援策で、マイホームの購入を支援している。支援策の内容を知り、上手に使いこなすことで、税金を安くしたり、ライフプラン作成に役立てよう。■その2 景気によって不動産価格は大きく変動する「住宅の価格というのは、200~300万円なんて平気で上下動するんですよ。とりわけ新築市場は、イメージでいうと築地の市場のようなもの。“今日は魚が大漁”とか“野菜がたくさん採れちゃった”といったノリで、供給数に対して買う人が少ないと、相場は下がります」と、長嶋さん。不動産価格は、私達が思っているよりも“生物(なまもの)”なのだ。それだけに不動産価格の変動を知るために、世の中の様子に敏感になる必要がある。どんな局面だと、住宅価格はどうなるか? ザックリ押さえておこう。■その3 中古市場は物件の見極めが重要年々、中古住宅への関心は高まっている。周囲にも、新築ではなく、敢えて中古住宅を選ぶ人が増えているのでは? 中古住宅は、消費税がかからないケース(売主が個人の場合)もあるので、増税も追い風となるかも。「中古住宅を買って住むというトレンドは、今後も続いていくでしょう」と、長嶋さん。中古住宅を購入する時は、物件の見極めが重要だ。「プロの視点で見ると、中古住宅の品質はピンからキリまであります」。今までは、中古住宅については「25年経ったら、住宅の価値は一律0円になる」とされていた。今後は、「資産性の高い中古住宅」「資産性が0に近い中古住宅」、その差が出てくる。この大きな流れの変化は、是非とも知っておきたい重要事項だ。特集 マイホームは、今、本当に買いなの?【住宅購入のポイント特集1】 マイホーム選びは立地が全て【住宅購入のポイント特集3】 マイホーム勝ち組になるための3つのチェックポイント【住宅購入のポイント特集4】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月27日最近、「マイホームを購入するなら、今がチャンス!」といった話をよく聞く。“マイホーム購入適齢期”のウーマンエキサイトママ達は、そんなニュースが気になっているのでは? 人生最大の買い物であるマイホーム。目先の情報に振り回されず、本当にお得な買い物をするために、どんな視点が必要なのか? 不動産のプロである長嶋修さんに伺った。■マイホームは、今、本当に買いなの?「マイホームは、今、本当に買いなのでしょうか?」。取材の冒頭で率直に長嶋さんに聞いてみた。答えは、YES。「短期的に見れば、今が買い時なのは確かです。これから3年は、不動産は、“上昇サイクル”に入りますからね」。長年、不動産市場を見てきた長嶋さんは、不動産の価格が“上がる”とは言わず、“上昇サイクルに入る”という表現をした。■駅近、徒歩7分不動産価格が上昇するエリアは極めて限定的だ。具体的には、首都圏の都心や地方の大都市の中心地、あるいは、特別の状況を作ることができた立地だけ。長嶋さんは「駅近、徒歩7分」というキーワードを教えてくれたが、駅から近いことも必須条件となる。上昇サイクルに入るということは、価格が低い今の段階で購入すれば、今後、マイホームの価値が上がることになる。「どうせ一生住み続けるんだから、“マイホームの価値”なんて関係なくない?」と思う人も多いだろう。でも、違うのだ!■住宅で資産形成をするという発想今、マイホーム購入適齢期を迎えている人達の多くは、親が住宅を買って損をしている世代だ。購入価格より住宅の価値が下がり、売ろうにも売れない。もしくは売ったとしても、大幅な赤字になる、親たちには、そんな未来がウッスラと見えている。かつての日本は、家を買えば資産になった。土地の価格が上がっていたから、若い時に買った家が、2倍、3倍の価値となるので、家を買うことが資産形成となった。「今でも価値の落ちない、あるいは落ちにくい住宅を選んだ人は、特に意識しなくても自然と自然形成でき、長い人生を通してそれなりに豊かな生活を過ごせるでしょう。しかし、そうでない住宅を選んだ人は、単にお金を垂れ流すだけの“負債住宅”を選んだことになります。両者の資産格差は数千万円にもなるのです」つまり“資産価値を持ち続ける家を買えたか否か”で、将来が大きく変わってくるのだ。■マイホーム購入を楽しもう“資産価値を持ち続ける家”を選べば、不要になった時に相応の価格で売ることができ、持家に縛られない人生が送れる。では、そのために何をすればいいのだろう?「マイホーム購入という大きな決断をするとき、そこには“魔物”が潜んでいます。一世一代の大きな買い物の場面では、だれもが気分が高揚します。後から振り返れば、どうしてそんな決断をしてしまったのだろう、と思うこともよくあるそうです。読者の皆さんはどうぞ落ち着いて、まずはしっかり勉強して、一定の知識や見識をつけ、そのうえでマイホーム購入のプロセスを楽しんで下さい。この“プロセスを楽しむ”というのは、後になってマイホーム購入の満足・納得感を大きく左右します」特集 これからマイホームを買う人が知っておきたい3つの常識【住宅購入のポイント特集2】 マイホーム選びは立地が全て【住宅購入のポイント特集3】 マイホーム勝ち組になるための3つのチェックポイント【住宅購入のポイント特集4】 参考/ 「これから3年 不動産とどう付き合うか」(日本経済新聞社) 長嶋修(著) 本体¥1,400+税
2014年07月26日前回は、3つの制度のうち「住宅ローン減税の拡充」と「すまい給付金」についてお話ししました。2,000万円を超える住宅ローンを組む場合、消費税が上がる前に購入するよりも有利になるケースがあること、すまい給付金は住宅所有者の所得等によって定額で支払われることをお伝えしました。今回は、3つ目の制度「住宅取得等資金贈与の特例」の仕組みと、これらを使った活用術について紹介します。「住宅取得等資金贈与の特例」とは何か消費税が10%に上がる前に家を購入したいと思ったとき、悩ましいのが自己資金の問題ではないでしょうか。「なるべく早く買いたいけれど、頭金が十分に貯まっていない・・・」。そんなときに検討したいのが、「住宅取得等資金贈与の特例」です。住宅取得等資金贈与の特例とは、実の父母や祖父母等の直系尊属から、住宅取得等資金の贈与を受けた場合に適用される、非課税制度です。親から子へ、祖父母から孫へ、マイホーム取得等のための資金を贈与する際に、通常の贈与(暦年課税等)とは別に贈与税を非課税にする枠を設ける、というものです。期間限定の制度で、年内で終了予定となっているものです。2014年中の贈与であれば、2015年3月15日までに引き渡し(または棟上げ状態になっている)が完了し、同期日内に申告すれば、贈与を受けた人1人につき、所定の省エネ・耐震対応住宅で1,000万円まで、その他の住宅で500万円までの贈与が非課税になります。暦年課税の基礎控除110万円と合わせて使えるので、贈与を受ける人1人あたり1,110万円(省エネ・耐震対応住宅の場合)、または610万円(その他の住宅)までの贈与に関しては贈与税がかからないことになります。住宅資金贈与を受ける場合の注意点この制度を利用する場合の注意点は、次に挙げる2つです。契約前に、棟上げ・引き渡し時期を確認する住宅資金をもらった時期が記録に残るようにしておくこれから家を建てるという場合は棟上げ(屋根が完成している状態)のタイミングを、建売住宅やマンションを購入する予定なら、引き渡し時期がいつになるかを必ず確認しましょう。たとえば、2014年3月に実父から500万円、実母から100万円の贈与を受けて、現在工事中の分譲マンションの売買契約を締結したとしましょう。2015年2月に引き渡され、同年3月15日までに贈与税の確定申告を行ったら、2014年贈与分の特例が適用されます。しかし、2015年4月の引き渡しとなると、この特例の対象とならず、通常の贈与として基礎控除110万円を差し引いた、490万円に対する贈与税82万円を納めなければいけなくなります。年内に親や祖父母からの贈与をもとにマイホームを取得する場合は、売買契約を結ぶ前に引き渡し日、または棟上げ状態になる日を必ず確認しましょう。メリットを活かしつつも、振り回されない対応を2回に分けて3つの制度(「住宅ローン減税の拡充」「すまい給付金」「住宅取得等資金贈与の特例」)について解説しました。最後に、利用するにあたっての考え方を整理しておきます。まず、いずれの制度も生活ありきです。制度をフルに利用しようとするあまりに、住宅ローンを借りすぎたり、父母等の老後の生活に支障をきたすほどの贈与をお願いしたりしないこと。住宅ローン減税の拡充のみに注目すると、2,000万円超4,000万円以下のローンを組むのが賢明に感じますが、最も重要なのは「無理なく返済できるかどうか」です。高額なローンを組むために返済期間を長期で設定するなら、繰り上げ返済の計画も同時に立てておくこと。制度に振り回されてはいけません。共働きの場合は、夫婦で互いにローンを組むことを検討しましょう。それぞれが住宅ローンを組むことになるので、各自で住宅ローン控除、すまい給付金、団体信用生命保険(団信)の対象になります。パートナーに万一のことがあったときの死亡リスクを分散させることができますし、それぞれで住宅ローン控除が使えるので、「借入額を2,000万円以上にしないと、住宅ローン減税拡充の恩恵が受けられない!」なんて悩まなくてすみます。すまい給付金は50歳未満の場合、「住宅ローンを組んだ住宅所有者」が対象者となるので、それぞれの親等から贈与を受けたとしても、住宅の持分割合相当の給付金をそれぞれが受けられます。親と同居する家を購入する場合で、親から資金援助の話が出た場合は、「住宅取得資金贈与」として取り扱うか、「親が出した資金分を、親の名義として登記するか」が問題になります。相続税対策として行うのであれば、住宅取得資金贈与として取り扱うのが賢明です。相続税の心配のないケースであれば、主に住宅ローンを組む人の所得に応じて判断するとよいでしょう。すまい給付金の対象とならないのであれば、親負担分を親名義にしておくことで、親自身がすまい給付金の給付対象になる可能性があります。それぞれの制度の特徴を理解した上で、賢く利用してください。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年04月17日マイホームは家族の夢。いざ、買おうというときに「しまった!」となりやすいのが、物件価格以外の諸費用の準備です。新築で物件価格の3~5%、中古物件で6~9%かかるといわれています。しかし、この金額幅がクセモノ。3,000万円の新築マンションなら3%で90万円、5%で150万円と、60万円もの開きがあります。大きな買い物ですから、できる限り出費は抑えたいですよね。今回は諸費用を節約する5つのポイントをご紹介します。「不動産取得費用」と「ローン関連費用」の2種類がある諸費用は「不動産取得にかかる費用」と「住宅ローンを組むときにかかる費用」の大きく2種類に分けられます(表参照)。表:マイホーム購入にかかる諸費用【概要】詳細につきましては、国税庁等のホームページ等でご確認ください。上記のほか、不動産取得費用として、不動産所得税、固定資産税、都市計画税が入居後にかかります。(都道府県・市町村等により異なります)(例)東京都主税局不動産取得費用に関しては節約の余地はありません。しかしローン関連費用については、どこで融資を受けるかどんなローンを利用するか契約時の設定をどうするか…によって金額が異なります。たとえば、最近流行りのミックスローンの場合、複数のローンを組むので、1つのローンで借り入れをする場合に比べて、ローン事務手数料は高くなることが多いです。ローン関連費用のなかで、工夫次第で当初の諸費用を抑えることができる5つの費用を紹介します。(1)ローン保証料住宅ローンの場合、連帯保証人を立てる代わりに金融機関が指定する保証会社と保証委託契約を結ぶのが一般的です。このときに発生するのがローン保証料です。住宅金融支援機構のフラット35や一部の金融機関で取り扱っている住宅ローンには、ローン保証料が無料のものがあります(ただし、フラット35の場合には団体信用生命保険の保険料が別途かかります。また、ローン保証料が無料の金融機関では、ローン事務手数料を徴収するところがほとんどです)。ローン保証料については、一括前払する方法と、毎月の返済に加えて支払う方法があり、どちらを選択するかでトータルコストは異なります。(2)ローン事務手数料住宅ローンを借り入れる際の事務費用です。「借入額にかかわらず一律31,500円」等の定額タイプが主流ですが、「融資金額×2.1%」等の定率タイプもあります。(3)団体信用生命保険料住宅ローンの返済途中で契約者が死亡・高度障害になった場合に、契約者本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。大半は借入金利の中に含まれていますが、フラット35等一部のローンは有料で、借入残高等と特約料率に応じて算出した保険料を毎年支払うことになります。無料の場合でも、がん保障付き住宅ローン(死亡等に加えて、がん(悪性新生物)と診断されれば残債を清算するもの)や三大疾病付き住宅ローン(同様に、がん、急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になった場合に残債を清算するもの)等を付加した場合は、融資金利が0.2~0.3%上乗せされることが多いです。なお、団体信用生命保険に加入した場合、契約者である世帯主が亡くなると、以後の住宅ローンの返済義務はなくなります。生命保険で高額な死亡保障を備えている家庭は保険の見直しを行いましょう。生命保険の保険料を軽減することができるかもしれません。(4)火災保険料住宅ローン契約時に入る火災保険については、不必要な補償を削ることで節約できます。たとえば、水災リスクの低い立地・建物の場合は水災補償を、高セキュリティのマンションなら盗難補償を外す・・・といったように、優先順位の低い補償(特約)から見直していきましょう。建物の火災保険を付けることが住宅ローン締結の要件ですが、必ずしも住宅ローンを組む銀行で付けなければいけない、というわけではありません。火災保険の保険料も自由化していて、各社で料金設定が異なります。2~3の保険会社に見積りをとって、比較検討するとよいでしょう。(5)司法書士報酬等登記は司法書士に任せるのが一般的ですが、自分で手続きをすることもできます。ある程度の専門知識は必要ですが、登記の勉強をしたり、法務局に出向いたりする等の時間がある方なら、司法書士報酬分を節約することができるので、チャレンジする価値があります。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2013年12月26日マイホーム購入額は年収の5倍が基本とされています。単純に、3,000万円の住宅を購入するには年収600万円が必要という計算になります。しかし、世の中の多くの仕事が年収600万円稼ぐのが難しいのに比べて、3,000万円台の住宅が多いのも現実。「では、どうする?」と考えたときに、引っ張りだされてしまうのが「お父さん、お母さんからの資金援助」です。しかし、例えば年収400万円のご家庭が3,000万円の住宅を購入する場合、足りない差額分1,000万円をちょーだい!と言いたいのは山々ですが、両親に切り出すのもためらわれるし、言われたほうの両親も突然困ってしまいますよね。では親からの資金援助、実際に他の家庭ではどれくらいもらってるのでしょうか?■親の資金援助、平均相場は?国土交通省の「平成23年度住宅市場動向調査について」によると、注文住宅の場合、全資金のおよそ4.8パーセントが贈与という結果が出ています。贈与というのは、住宅購入にあたって親からの資金援助を受けたり、贈与税の対象となるお金の援助が含まれます。この統計によると、注文住宅を新築する場合、建物総費用の5.2パーセント、土地取得費用の5.4パーセントが贈与対象ということです。3,000万円の注文住宅で土地代が1,000万であれば、210万円の資金援助があるということになります。その他、分譲住宅であれば3.7パーセント、3,000万住宅であれば111万円。中古住宅であれば3.3パーセント、3,000万住宅であれば99万円という平均値のようです。また、総住宅購入資金のうち、およそ3割が自己資金、7割が住宅ローンという内訳の方が多いとのこと。「親からの資金援助があるかも?」と甘い期待を抱く子どもは多いかもしれませんが、家が買えるほどの預貯金を親が持っていることは中々ないようです。■新築住宅の平均費用は3,493万円平成20年住生活総合調査の調査結果(国土交通省)によると、全国で新築の住宅を購入する場合の費用平均は3,493万円という結果があります。それに対して国税庁の行う「民間給与実態統計調査結果について(平成23年度)」によると、男性一人あたりの平均給与は500万円となっています。つまり、多くのご家庭では、年収の6倍をこえる住宅を購入しているということなのです。ということは、お父さん、お母さんは子どもから「最後のお願い!」をされる可能性が十分あるといえます。お父さん、お母さんもお子さまも、家族全員が安心して暮らせるように、みんなで将来設計をたてることが大切といえるでしょう。また、お父さん、お母さんは、しっかり財布のひもを握りしめておかなければ…なんてことも、もしかしたらあるのかもしれませんね。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年01月13日「そろそろ2人目が欲しい」「子どもが快適に過ごせるように、今より広い家に住みたい」「これからずっと家賃を払い続けるなら、自分たち好みの家に住みたい」子どもの成長のためにも毎日の生活環境には気を配りたいのは当然。そこで今回、最近そんなこと漠然と考えている人におすすめの、役立つ無料イベントをご紹介。今、おうちスタイルユーザーをはじめ奥様たちの間で話題沸騰の、LIXIL東京ショウルーム。ここで最新キッチンやバスを体感しながら、我が家の理想のイメージづくりから資金計画や住宅ローンの選び方まで、今後の家族計画に欠かせない情報が手に入る『知って得する!賢い住まいの購入術』。ショウルームでは実際のリフォーム事例を見て、楽しく「自分たちらしい住まい」をイメージ。また、内窓1枚で変わる体感温度や、床材で変わる部屋の雰囲気など、最新技術や素材を、目で見てさわって実感。「こんな家に住みたい!」という気持ちが高まりそう。注目のセミナーでは、・新築と中古、どっちがメリットある?・どの金利タイプのローンが一番お得?・物件決定前のチェックポイントは?・価格の妥当性ってどうやって調べる?・自分にあった資金計画、どうたてる?・不動産屋さんってどう選ぶべき?などなどよくある質問例を含めたわかりやすい情報を、物件選びのプロと資金計画のプロが伝授してくれる。本格的に考えたい人は、セミナー終了後もそれぞれのプロにメールで個別相談できるという、かなり親切な内容。この貴重なイベント、少しでも興味がぜひ足を運んでみてほしい。■イベント詳細 『知って得する!賢い住まいの購入術』 日程:12月16日(日) 13:30~(13:15より受付開始)会場:LIXIL 東京ショウルーム費用:無料(事前登録制)定員:20組(ご同伴者様の参加も可)主催:ニフティ株式会社注目の講師は誰?その他イベント詳細は >>コチラ
2012年11月29日「マイホームを買うときは、生命保険を見直して毎月支払っている保険料を削減し、家計を節約するチャンス!」とよく言われます。ただこれは、マイホームを買うまでにちゃんと必要十分な生命保険に入っていた場合の話。もともと十分な保険に加入していなかった人などは、住宅の取得が保険料の削減に結びつかないケースもあります。マイホームを買う人の多くは、自己資金だけでは足りない資金を住宅ローンを使って工面します。そして、住宅ローンを組むとき、ほとんどの民間金融機関では団体信用生命保険(以下、団信)の加入を義務づけられます。団信に加入していると、住宅ローンの返済中に借りている人が死亡・高度障害状態になった場合、その時点のローン残高と同額の保険金が金融機関に支払われます。そのおかげで遺族はその後のローン返済を免れることができます。家族にとっては、一家の大黒柱でもある世帯主が死亡したときの備えとなります。また金融機関にとっても、貸したお金を確実に回収する手立てをあらかじめ講じることができます。団信は、ローン契約者に健康上の問題がなければ加入することができます。そして、加入できれば保険料は金融機関の負担、つまり、契約者からみるとタダになります。なお、「フラット35」という住宅ローンは、団信への加入が強制ではなく任意で、加入する場合の保険料は契約者の負担になります。「住宅ローンを借りるときに、なかば強制的にもう1本生命保険に入るのだから、これまで加入していた生命保険と合わせると保障が過剰になるはず」というのが、「マイホーム購入時の保険見直し・保険料削減」の”リクツ”ですが、それは、これまでどんな保険に加入していたかによります。不測の事態が発生したときに団信のおかげで負担が減るのは、住宅ローンの返済だけ。ということは、それまで加入していた生命保険に住居関係費用の保障が厚く乗っていた場合にのみ、保障内容を見直して保険料を削減することができることになります。たとえば、家を買う前に賃貸住宅暮らしをしており、万が一世帯主が死亡したあとも、遺族がずっと賃貸暮らしを続けるという前提で保障額を決めていた場合などです。長期間の家賃が保障額に盛り込まれているため、保険金額は高くなっているはずです。このような人が、住宅ローンを借りて団信に入ると、家賃分の保障を削減でき、毎月支払う保険料を削って家計をスリム化することができるのです。一方、家賃分を保障額に組み入れていない保険に入っていた場合は、たとえ見直しをしても保険料は削減できません。たとえば、世帯主が死亡したら配偶者が実家に戻ったり、働いて収入を得ることを前提に保障額を決めていた場合などです。また、夫婦ともに、入っている保険が医療保険や個人年金保険だけで、死亡保険に入っていない場合なども同様です。とはいえ、自分が入っている生命保険に、どんな保障が、いつまでついているのかを正しく把握している人は多くなさそうです。申し込むときに理解したつもりでも、時間が経つと忘れてしまいがち。そのうちに、子どもができて家族構成が変わり必要な保障額が変わってしまったりします。マイホーム購入のような人生の重大な決定をするときや、節目となるライフイベントを迎えるときは、加入している保険の内容を分析し、どんな保障がいつまで続くのかを確認するキッカケにしたいものです。必要な保障が必要な時期まで過不足なく確保できている状態がベスト。不足していたら保障を新たに加え、過剰なら削減する。そうすることでマイホームでの新生活は、いっそう安心できるものになるはずです。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月22日