“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。 兄のサポートに必死な両親を横目に、私は少しずつ家族と距離を置くようになっていきました。文・心音(ここね)【兄は障害者】vol. 7自分が悪いくせに、なぜそんなに……?前回のお話はこちらをどうぞ。今こうして振り返ってみると、将来がある兄のことを「なんとか更正させたかった」という親心がわかります。しかし、当時の私からすると、兄を一生懸命サポートする意味がまったくわかりませんでした。自分で人間関係を崩し、自分で学校で悪さをして、自分で崩壊させ、高校退学になった。「知り合いに会いたくない」と言い張り、自分の部屋から出ない。「そんなの、完全に自業自得でしょ?」と冷たく兄を見ていた私は、成長するにつれてさらにその想いは強くなっていくばかりでした。兄だけいろいろなところに連れて行ってもらって、好きなものも買ってもらえる。ちょっとワガママを言えば、両親は兄をそこに連れて行く。それをして何の得になるのか? 兄は調子に乗るだけじゃないの? と、なんだかバカらしいな〜なんて、子どもながらに思っていたことを記憶しています。家に帰らない日が続くようになった小学校から始めていた金管楽器。それは、私の心の支えでした。中学になっても私は吹奏楽部に入り同じ楽器を続けます。しかし、だんだん練習をサボり、帰宅も遅い時間に……。特に悪さをするわけではなかったけれど、単純に「荒れ果てた家」に帰りたくなかったのです。どうせ帰ったって、母は兄につきっきり。“自分の世界” に入る兄は、突然笑い出すし、いきなり話し出す。いっぽうで両親は、兄についてこれからどうしていくのか? という話題ばかりで、私のことなんてどうでもよさそうでした。気づけば、夜まで遊んでそのまま友人の家に泊まるというサイクルができていました。両親から夜電話がかかってきても、無視して干渉を避けていきます。そのほうが、気が楽だったから……。ある時、腕を掴まれて呼び止められるそれは、ある日のことでした。学校から帰宅する途中で、近所の人にいきなり腕を掴まれたことがありました。「ねえ、あそこのお家の娘さんだよね?」「最近、お兄さん昼間も家にいるけどなんでなの?」と。突然のことすぎてハッとしましたが、気づけば兄の行動は確かに “変” でした。普通なら、朝学校に行き、部活をして帰ってくるはずの年齢ですが、ずーっと家から出ないからです。そして、外出している姿を見かけても、母と一緒。昼間から公園に行ったり、ショッピングセンターで買い物をしたり。確かに周りからしたら、学校に行かずに遊んで暮らしているように見えたのでしょう。世間体を気にするのか? それとも…。その腕を掴まれた時、私はとっさに「え? 知りません。関係ないので」と言い放ちました。その頃から、私はくだらない “世間体” に嫌気がさしていました。わざわざ私を呼び止めてまで、人の家庭事情を詮索するなんて本当にいい迷惑だと思っていました。本人たちが一番パニックになっているのに、その様子がどのような状態なのか根掘り葉掘り聞こうとしてくるとは……。それをネタに今日も井戸端会議? 本当に、やめてほしい。また、兄の退学を知った近所の人たちのなかには、お世話を焼くつもりだったのか、ただの批判なのかわからないけれど、ヤジを飛ばしてくる人も。そんな不愉快な日々は日常茶飯事で、私はだんだん「家族とは関係ない」フリをし始めたのです。家族の話は、私にとってタブー。「兄弟いるっけ?」と聞かれても、「いないよ〜、ひとりっ子」と適当に言って、私は心をかたく閉ざしていました。もう誰も心の中に入ってくるな。しかも、私はこのあと、衝撃的な事実を知ることになるのです。(C)martin-dm/Gettyimages(C)finwal/Gettyimages(C)ColobusYeti/Gettyimages(C)max-kegfire/Gettyimages
2018年03月18日“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。 母はパートをやめて、兄につきっきりになっていきました。文・心音(ここね)【兄は障害者】vol. 6精神年齢は中学生のまま止まっていた一般常識や人間関係のルールを覚えるのに、効率が良い環境。それは「学校」です。当時、私が中学生だった頃はわかりませんでしたが、「学校」という小さな世界で揉まれることで、さまざまな学びがあることを大人になって深く感じています。多少、先輩後輩の煩わしさがあったり、部活が大変だったり、授業がつまらなかったりしても、「学校」にはとても大切な面があります。義務教育が終わっても、「学校」には行く意味があると、私は感じています。そのことを痛感したのは、兄が部屋から出なくなっていった頃からでした。同年代の友人たちは、月日と共に修学旅行やキャンプ、運動会、合唱祭など「学校」でしか味わうことができない集団生活を経験します。しかし、兄は自分の部屋から出ようとしませんでした。たまに外出しても、帽子を深く被り「知り合いには会いたくない」の一点張り。兄の人生は “中学生卒業” の思い出でストップしました。一般常識をこれから身につけていくであろう時期に、吸収する機会が極端に減ったのです。アルバイトをしてお金を稼ぐ同級生そして、高校生になれば「短期バイトOK」「高校生歓迎」の募集要項をみて、アルバイトをし始める同級生もいました。田舎だった地元では、高校生の時給は750円程度。それでも、1日5時間働けば、3750円になります。1万円稼ぐにも根気は入りますが、それでもアルバイトをしながらお小遣いを貯めて、休みの日に友だち同士で集まって花火大会に行ったり、彼女ができればデート代に回したりもできるでしょう。しかし、兄のアルバイト経験は、高校を退学させられる前に少しだけコンビニで働いていただけです。“数万円” を稼いだ経験が最後の兄は、そこから社会とかけ離れていくいっぽうでした。「お金がなくても、生きていることに意味がある」というのは、嘘だと思います。とても冷たい言い方かもしれませんが、キレイゴト抜きでお金がなければ何もできません。兄は働く場所もない。しかし、ご飯は通常の人間と同じように食べます。部屋から出なくなり、未来に何がやりたいかもわからない。そんな兄のお金はもちろん全て親まかせでした。母のサポートは「思い出づくり」だった私の両親は共働きでしたが、母は兄の引きこもりを心配して、ある日仕事をやめてきました。確かに働いていたほうがお金を稼ぐことができますが、母が仕事をやめた理由は「兄に思い出を作ってあげるため」だったのです。母に当時のことについて聞いてみたところ、「一般常識が作られる時期に、お兄ちゃんは家に引きこもっていたから、収入は減っても一緒に時間を過ごすことに注力した」と言います。動物園や映画、コンサートに行ったり、神社で兄が元気になるようにお参りしたり。季節の行事を楽しむために、ビニールシートを敷いてお花見をしたり、兄のために新しい洋服を買いに行ったり。兄が行きたいと興味を示した場所には、すべて連れて行ったと言います。しかし、兄は両親以外とは人間関係がまったくなかったため、「人と接すること」をどんどん忘れていきました。周りに気配りがまったくできず、大きな声で「あれが欲しいー!」と幼児のようにワガママを言ったり。ドタドタ歩いてズボンが下がってきても、兄は平気な様子でした。ヨダレが垂れて、独り言をブツブツ言い始める兄にとって自分を守る唯一の方法だったのかもしれませんが、「自分の世界」に入り込むようになっていったのです。まるで小さな幼児のように、ご飯を食べても全部口に入れずにボタボタと落としたり、洋服に平気でこぼしたり。ヨダレが垂れてもぼーっとしているだけで、母が拭いてあげる日々。気づけば独り言を言いながら笑い、誰と話しているかわからない。「お兄ちゃん、誰とお話してるの?」と母はいいながら、それでも思い出づくりをやめませんでした。あんなに「人気者だった兄」が、いつの間にか「見て見ぬ振りをされる人」に変わっていったのです。そんな兄と、さらに母は格闘します。ずっとあの人気者のお兄ちゃんに戻ると信じて。(C)maroke/Gettyimages(C)AzmanL/Gettyimages(C)fstop123/Gettyimages(C)sdominick/Gettyimages
2018年03月15日“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。 暴力的だった兄は、次第に家から出ない状態に変化していきました。文・心音(ここね)【兄は障害者】vol. 5高校退学後、兄は急に内向的になった大声をあげながら夜中に帰ってきたり、学校では “ヤンキー系” でヤンチャをしたりしていた兄。しかし、高校を退学させられた後は、だんだん世の中のギャップに気づきだしたのか、家から出ない日々が続きました。もちろん、中卒扱いで働く場所もない。外に出れば、好奇の的。だからといって、新しい予備校に行くという意欲もない……。母は「中学生までは、自慢の子供だった」と言います。運動神経が良く、足も速くていつもリレーの選手。ルックスもよくてオシャレが好きだった兄は、ファンクラブができるほど人気だったからです。それだけに、急に高校からいなくなった “人気者で目立つ兄” の噂は、瞬く間に広がっていきました。そして、自分の悪事に対して後から反省し始めたのか、兄は知り合いに合うたびに引け目に感じるようになっていきました。2階にある兄の部屋は、孤立していた両親は、兄の将来を考えて進路を応援する取り組みをしていましたが、兄は乗り気ではありませんでした。それどころか、部屋から出なくなっていったのです。基本的に部屋のドアを開けるのは、トイレのみ。歯磨きもしない、顔も洗わない、お風呂も入らない。ご飯を用意しても、リビングには来ない。同じ服を何日も着て、布団から出ないんです。「ねえ、お兄ちゃん、お風呂入ってスッキリしたらどう?」と母は、怒ることなく自分の部屋に何日も引きこもる兄に声をかけていました。「ご飯ができたから、リビングにおいで」と呼んでも出てこなければ、母は兄の部屋の前に、お味噌汁やご飯、焼き魚をトレーに乗せて「ドアの前に置いとくから、食べてね」とひと言。数時間経って、そーっと2階の階段を上ってトレーのご飯が減っていれば、片付ける。その繰り返しの日々が続きました。両親は無理に部屋から連れ出そうとはしませんでした。自分が撒いた “種” は、荒れ果てていた正直、兄に関して父より母のほうが献身的だった気がします。自分がお腹を痛めて “産んだ子” だからなのか、母はいつも兄の味方でした。見ていて苦しくなるくらい……。父は仕事から帰ってくると、たまに「疲れて帰って来ても、家の中では休まらんわ」と愚痴をこぼすこともチラホラありました。「知り合いに会いたくない」と兄がいっても、「お前が撒いた “種” だろ?」と冷たく言い返すこともありました。まさに、私は父が言った通りだと思います。“撒かない種に、芽は出ない” とよくいいますが、自分が撒いた後の畑には、必ず何かしらの “芽” が出ます。兄の畑は、荒れ果てていました。まるで、水のない乾燥した状態を耕さずにそのまま放置し、雑草が生えてぐちゃぐちゃになった畑。それは、兄が撒いた “種” の結果だったのです。そんな状況をなんとか打破するべく動いたのは、やはり母でした。パートをやめ、次のステップに踏み出しますーー。(C)RyanKing999/Gettyimages(C)yigitdenizozdemir/Gettyimages(C)Xander_D/Gettyimages
2018年03月11日株式会社スマイルエデュケーション3は、この度、メンタルヘルスコンディショニング講座を開設した。この講座では、医学的根拠に基づいたココロの可視化された情報から、ココロとカラダに悩みを持っている人たちに的確なアドバイスができる人材を育成することを目的としている。ココロを客観的に理解し、ご家族を含むさまざまな人間関係をより円滑にしたい人や、企業の管理職やクリニックスタッフのようなメンタルヘルス対策知識が必要な人など、科学的かつ客観的な数値をもとにカウンセリングを行いたい人はぜひチェックしてみてほしい。【健康測定】講座を受講することで「Lifescore」のサービスを無料で利用することができる。このサービスは、24時間のメンタル・フィジカルの状態を客観的な数値で知ることができ、起きているときと寝ているときのココロとカラダの状態を解析・チェック。この測定によって「いつものあなた」がどんなメンタル・フィジカルの状態かがわかる。【自律神経バランス測定】自律神経バランス診断により、8つの自律神経タイプのどこに自分がいるのかがわかり、より快適なココロとカラダへのアドバイスが可能。【ストレスチェック】140万ダウンロードされた人気のストレスチェックアプリ「COCOLOLO」は、スマホカメラを利用して、指先の皮膚の色変化を解析し、ストレス・リラックスの状況やお疲れ度合いなどを測ることができる。【オリジナルテキスト・DVD】通信講座では、心理学の基礎から自律神経バランスの重要性まで順序立てて進めていく、メンタルヘルスに関する知識とメンタルヘルスコンディショニングを整える具体的な方法について学べるテキスト4冊と、板生博士(医学)や各界のプロ講師による、自律神経バランスを整えてストレスから身を守るメソッドが詰まったDVD5巻が用意されている。その他、WINフロンティア株式会社代表兼CEO:板生研一博士(医学)が監修した認定講座や、模擬試験・修了試験などのオンライン試験など、ココロとカラダの確かな教養を身につける為の情報が凝縮。近年、大手企業などで人材育成の為に取り入れられている瞑想(メディテーション)などについても、この講座で学ぶ事が可能だ。この通信講座を通して、ココロとカラダの確かな教養を身につけ、ご自身はもちろんご家族のメンタルケアをしてみてはいかがだろうか?【参考】※メンタルヘルスコンディショニング講座
2017年12月12日うつ病をはじめとするメンタルヘルスの病の認知が上がり、自分もうつ病ではないかと検診を受けたり、そこでうつ病だと診断されたりする人の数が増えている。だがあなたは子どもの頃、不安な気持ちや気分の落ち込みにどのように対処していただろうか。その状態を打ち明けたり、「精神疾患」と診断されることに恐さを感じていなかっただろうか。著名人が「精神疾患や学習障害を患うことは異常ではない」と人々に訴えかけるキャンペーンが5月から6月にかけて行われた。#MyYoungerSelf begins on Monday!Can you guess any of the participants? pic.twitter.com/MdjCN0eUxf— Child Mind Institute (@ChildMindDotOrg) April 29, 2017メンタルヘルス問題を抱えている子どもを救うため、立ち上がったセレブたち#MyYoungerSelf(幼かった頃の私)を使ったハッシュタグ・アクティビズムは、5月のメンタルヘルス啓発月間に合わせて、アメリカの国家規模の非営利機関「Child Mind Institute」(子どもの精神学会)が始めたものだ。このキャンペーンは、子どもの頃に精神疾患や学習障害を患ったことのある著名人が、自身の経験を話したり、そのような問題に偏見を持つべきではないと訴えたりし、多大なインパクトを与えた。その背景には、アメリカの子どもの5人に1人が精神障害・学習障害を抱えているというデータがある。日本では全人口の40人に1人が精神疾患の治療のために医療機関を利用しており、多くの子どもが同様の問題を抱えていると考えられる。(参照元:Child Mind Institute, 日本精神神経学会)トミー・ヒルフィガー(ファッションデザイナー)※動画が見られない方はこちら日本でも人気なカジュアルプレッピーブランドのトミーヒルフィガーのデザイナーである彼は、「失読症」を抱えていた。彼が自分の症状について話すのを恥ずかしがっていた過去を振り返って人々に呼びかけたいのは、もし自分に何か問題を感じたら大人に話すべきだということだ。エマ・ストーン(俳優)
2017年07月18日やるべきことが山のようにあって、自分の時間なんてまったくない…。そんな毎日をすごしていると、心身ともに疲れがたまります。ときには、「心が折れそう…」なんて感じる瞬間もあるのでは?そこで今回は、ワーママとして忙しい日々を送る女性たちに、タフな心を維持するコツを教えてもらいました。目の前のことだけで精一杯! 油断するとパンクしそう…という人は、真似をしてみてはいかがでしょうか?■自分で自分を追いつめていたかも…「子どもの健診の待ち時間に、ふと本棚にあったマンガを手に取って開いてみたんです。そのページには、忙しくてゆとりをなくした主人公の女性が、玄関で『あの靴を履かないといけないのに! このストッキングじゃダメ!』というようなことを言いながら、イライラしているシーンが。すると、一緒にいた男性が『靴はこっちでも良いでしょ?』とやさしく提案。それで主人公の女性が少し落ち着く…という内容だったと思います。当時の私は育休が終わったばかりで、仕事と家庭の両立に疲れ、イライラしてばかり。このシーンを読んで、そのイライラの原因は『こうしなくちゃならない』という私の考え方なのかも? と思い至りました。それ以来、こう思い込みそうになったら、別の方法を探したり、ときには『やらなくても大丈夫』とあきらめたりするように心がけています。そうすると、イライラが軽減される気がします」(Rさん/36歳/食品メーカー)忙しくて時間がないときは、視野が狭くなってしまいがちです。そこから一歩引いてみて、視野を広げられると良いですね。完璧を求めるのは悪いことではないと思いますが、それで自分を追いつめてしまうことも。特に家事や育児など、いくつもの役割を抱えて大変なときは、自分の中での合格点を下げることも大切かもしれません。まずは60点くらいまで、思い切って合格点を下げてみてはいかがでしょうか?■ネガティブな気持ちを切り替えるコツ「私はとにかく、くよくよ考え込んでしまうタイプ。一度落ち込むと引きずってしまい、なかなか元気な状態に戻れず…夫に迷惑をかけたこともたくさんあります。そんな私が少し『タフになったかな?』と感じたのは、『まあ、いっか』と声に出して言うようになってから。友人から教えてもらった方法なのですが、言葉にするって本当に効果があるんです。『くよくよパターン』に陥りそうなときや、ちょっとうまくいかないな…と感じたときは、声に出して『まあ、いっか』。これで、何とか毎日乗り切っています」(Mさん/34歳/教育関連)気持ちの切り替えは、本当に難しいものです。とはいえ、1日は24時間しかないし、くよくよして落ち込んでいる間、時間が止まってくれるわけではありません。Mさんの場合、その切り替えスイッチが「まあ、いっか」とのこと。たしかに、声を出すと、気持ちを切り替えやすいと言われています。朝起きた時点で「一日のスタート」として切り替えを行いたいなら、元気に「おはよう!」。お昼過ぎに疲れたな…と感じたら「よし! 元気出すぞ!」と一言。そして、Mさんのように「まあ、いっか」。こういった声のスイッチを持っておくと、気持ちの切り替えに役立ちそうです。 ■必要なのは「スマホ断ち」だった!?「家事・育児・仕事に追われていると、『少しでも良いから、一人の時間がほしい!』と思いますよね。しかし、それが叶わないからイライラしたり、泣きたくなったりしていました。でも、実は大事な『一人の時間』を奪っていたのは、ほかでもない自分自身だということに気づきました。きっかけは実母からの『せっかく私が手伝いに来ているのに、スマホばかり触って…』という一言。たしかに、実母が手伝いに来てくれている日は、普段より自分のために使える時間が増えるはず。それなのに、その貴重な時間を、スマホ画面を見ることだけに費やしていたんです。それ以降、少しでも時間ができたらできるだけスマホを触るのは控えて、本を読んだり、好きな音楽を聴いたりして過ごすようにしています」(Tさん/34歳/医療・福祉)以前は、ちょっと時間ができればすぐにスマホでSNSやネットサーフィンをしていたTさん。その習慣を変えてから、イライラすることがずいぶん減ったそうです。ネットゲームやニュースチェック、SNSなどを楽しむのも良いですが、これでは完全に一人で過ごしているとは言えないかも?一日にほんの少しでも、「完全に一人になる時間」を作ることで気持ちが落ち着き、イライラや疲れが軽減できるかもしれません。また、スマホを見る頻度を下げると、目の疲れ・頭痛・肩こりなどの予防・軽減にもつながりそうです。「タフな心を維持する」というのは、簡単なことではありません。今回話を聞いた3人のワーママも、自分のことを「タフだ」とは思っていないようでした。ただ紹介した方法で、少しは「タフになれたかも?」とのこと。まったく落ち込まない、イライラしないのは難しいかもしれません。しかし、大切な家族、仕事、そして自分自身のために、少しだけタフになれる工夫を日々の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか?
2017年01月19日NECは12月15日、12月から施行となったストレスチェック制度に向けて、グループ約7万人の従業員を対象にストレスチェックを行うメンタルヘルス対策システムを2016年4月に導入することを発表した。同システムは、NECソリューションイノベータの「メンタルヘルスケアサービス」を活用して構築されたもので、NECは同システムを「クラウド型メンタルヘルス対策支援システム」として提供も開始した。同システムは、厚生労働省が作成した「職業性ストレス簡易調査票」(全57問)を採用したセルフチェック機能が搭載されており、従業員のストレス状況を把握するとともに、従業員自身のストレスへの気付きを促すものとされている。同社は、グループ約7万人の従業員を対象に定期健康診断と同期化して、年1回実施するという。また、同法で義務とされる、高ストレス者で申し出のあった従業員への医師による面接指導なども強化していくとしている。さらに、職場が抱えるストレス状況を可視化する機能も搭載。従業員のストレスチェックの回答結果をもとに、職場や役職ごとの平均値を一覧で表示し、職場間比較や経年比較が可能となっている。同社は、希望部門において同機能を用いて、職場が抱えるストレス状況を把握し、適切な改善施策の検討や立案など、職場環境改善活動を効果的に推進していく構えだ。同システムの価格は、31万5200円~(税別、500ID・1年利用の場合)となっている。
2015年12月15日損保関連各社がメンタルヘルス対策サービス企業において心の病を抱えてる社員の存在は経営上の脅威。そういった企業のメンタルヘルス対策のサービスに力を入れる損害保険関連会社が増えている。損保ジャパン・ヘルスケアサービスでも損保ジャパン・ヘルスケアサービスでは、従業員の心の病の予防から復職支援までのサービスを提供。07年に設立した同社は、設立直後に比べて今年の顧客数が6倍となる見通しだ。同社では、医師や看護師などの専門家によるメンタルヘルス対策や研修も行い、職場環境の改善を推進するなど、企業側にも変化を促す。うつ病などの病気の場合、治療を受け回復した従業員を同じ職場環境に戻した場合、再発する恐れが大きいため、企業側の対応も必要なのだという。企業にとって「人」は大事な資産厚生労働省によると、自殺やうつ病による09年の国内の損失は、約2兆7000億円に上るという。企業の資源は人であり、心の病で退職したり休んだりすることの損失に企業が気づき始めたようだ。
2010年10月27日