妻として漫才師として明るく生きる主人公の信子に大地真央、その夫の伸郎に中村梅雀という最強コンビで、2年前の初演が大好評を博した舞台『夫婦漫才』。人気俳優・豊川悦司の原作はそのままに、個性派俳優として活躍中の池田テツヒロが脚本を手掛けた本作。笑いと涙たっぷりの世界を緩急自在に描き出すラサール石井の演出が、川崎麻世や村上ショージ、竹内都子、正司花江、吉沢京子ら手練の共演者とともに舞台を盛り上げる。2月7日、明治座にて初日を目前に控えたゲネプロに足を運んだ。【チケット情報はこちら】物語は平成15年の道頓堀の橋の上から始まる。年老いた信子(大地)と伸郎(梅雀)は、賑やかな街の様子を眺めながら、「変わったなぁ、大阪の街も……」と呟く。すぐに時代は昭和7年、信子が生まれた日にさかのぼる。幼なじみとして育ったふたりだったが、戦後6年経ってようやく伸郎がシベリアから戻り、晴れて夫婦に。それからは3人の子どもを抱え、昼も夜も働く信子だったが、伸郎は定職にもつかずフラフラ。くちゲンカも多くなるが、明るい信子と伸郎の掛け合いは、自然と夫婦漫才のようになってしまう。評判が評判をよび、ついに芸能プロダクションがスカウトに訪れて……。“笑い”や“漫才”が本作の横糸だとすれば、縦糸は“夫婦の愛”と“高度成長期”。舞台は随所に笑いをまぶしながらも、信子と伸郎の人生を丁寧に描いてゆく。大地は19歳でキャバレー勤めをしているシーンから登場。冒頭の、高齢となった細い声の信子から一転、美人だが負けん気の強い下町っ子として明るいオーラを放つ。時代は昭和30年代~60年代まで巡り、夫婦には何度も危機が訪れるが、いつも伸郎を支えてきたのは信子のカラッとした強さだ。大地はコメディエンヌぶりをいかんなく発揮しつつ、シリアスな場面ではしみじみと演じて飽きさせない。時代に合わせて大地がこまめに変えるヘアスタイルとファッションも楽しい。伸郎役の梅雀は、不器用で頼りないが、どうにも憎めない男を演じて見事。それはセリフ以外の表情で、信子を一途に愛する夫であり、“漫才”に取りつかれた男であり、さらには戦争の影をぬぐい切れない男であることが、観る側にしっかりと伝わるからだろう。とびきりの美人・信子との夫婦ぶりが、不思議とハマっているから面白い。そのほか、信子に横恋慕する平田役・川崎のコミカルな二枚目ぶり、伸郎の母親で、信子を温かく見守る和子役・竹内の深い愛情が印象的。村上や正司、吉沢ら、舞台にいるだけで時代の匂いを漂わせる役者陣にも、改めてうならされる。元宝塚と現スーパー・エキセントリック・シアターそれぞれの演技巧者、未沙のえると野添義弘に加え、上杉祥三、福本伸一、弘中麻紀ら、小劇場出身の実力派がしっかりと脇を固めているのも頼もしい。チケットぴあでは、各公演の前日17時まで当日引換券発売中。取材・文:佐藤さくら※川崎麻世の「崎」は立つ崎が正式表記
2019年02月08日花田優一(23)が1月9日、「バイキング」(フジテレビ系)に出演。靴職人である気概を語ったが、非難の声が上がっている。番組では花田に靴を注文しても商品が届かないといったことや、連絡が取れないといった声が上がっていることについて触れた。すると花田は、昨年12月に行われた展示受注会では“これまでの反省を活かした”と語った。それは靴の制作について納期を決めたり、注文数を絞ったりといったものだった。いっぽう「待つことに対する価値観が皆無に等しい時代。でも靴は凄く時間かかって、1年2年待つことはあること」と持論も展開した。さらにラサール石井(63)から「今これだけ受注が来ているから、これぐらいお待ち頂くことになりますが、いいですか?っていうのは……」と客側への説明はきちんとなされているのか訊ねられると、花田はこう語った。「なんていうんですかね、テレビに出ると、瞬間、思いついたことを発するまでのイマジネーションと形になるまでの時間がすごく短いじゃないですか。靴は思ってから完成するまですごい時間がかかるので、簡単に思いついた、出来たっていう世界じゃないんですね」おぎやはぎ・矢作兼(47)は「芸術家だ。芸術家に注文してるようなもんだ」とコメントしていたが――。Twitterでは花田を非難する声が上がっている。《自己弁護ばかり。納期守らないで悪いと全く思ってない》《ハイ、いいえを最初に答えずに、言い訳言い訳で結論言わずに、いつのまにか論点ずらしてくる》《朝ごはん食べましたか?っていう質問に対して、ご飯は食べてないがパンは食べました。って言うタイプの人間だ》また番組に生出演した理由について「自分の靴に対しての思いとか、靴職人の世界というかオーダーメイドの世界を伝えたくてこういう場に来ている」と説明した花田は、「今日も10分間しか出られないって言っているんですけど、なぜか帰らせてもらえてなくて……」と語っていた。しかしその口ぶりにもTwitterでは《断って帰ればいいじゃない》《今この瞬間にも必死で靴作ってれば良いものを……》《まぁ、彼も出たがりなんやろうけど》と否定的な声が上がっている。本誌は1月15日・22日合併号で、花田が吉岡里帆(25)の弟・Tさんを弟子にとっていたと報じている。しかしTさんに回ってくる仕事は顧客のクレーム処理ばかり。飲み歩いては工房に帰ってこなかった花田に見切りをつけ、わずか3カ月でTさんはそのもとを去ったという。花田にとって“靴職人”とは、どんな仕事なのだろう――。
2019年01月09日11月9日(金)、豊洲のIHIステージアラウンド東京にて新感線☆RS『メタルマクベス』disc3が開幕した。『メタルマクベス』は2006年初演。シェイクスピアの『マクベス』をもとに、200年後の荒廃した近未来と1980年代の日本とを交錯させて描いた、宮藤官九郎脚本の物語だ。タイトルの通り、全編をメタルの音楽が彩る。7月からキャストを変えてdisc1、disc2と『メタルマクベス』を上演してきた新感線。今年の再演にあたり、宮藤は脚本に手を入れ、いのうえひでのりは演出もアレンジ。新たな『メタルマクベス』が豊洲で回転をはじめているのだ。今回主役のランダムスターを演じるのは浦井健治。ランダムスター夫人には長澤まさみが扮する。浦井は5年ぶり3度目、長澤は新感線初参加。ミュージカル界の貴公子・浦井と、『キャバレー』でミュージカルを経験した長澤、ふたりがメタルでどんなシャウトを響かせるか、そしてどんな夫婦を演じるのかがやはり最大の見どころだろう。ほかにも高杉真宙、柳下大、峯村リエ、ラサール石井ら、魅力的なキャストが並ぶ。IHIステージアラウンド東京のこけら落としから1年3か月にわたって『髑髏城の七人』を上演してきた劇団☆新感線。さらに立て続けに『メタルマクベス』を演出するいのうえは、おそらく日本でもっとも、いや唯一“360度回転劇場”の扱いに慣れた演出家であることは間違いない。今作ではバイクがステージを疾走し、過去と未来が自在に行き来する。回転劇場ならではの楽しみがめいっぱい詰まったエンターテインメント作品、『メタルマクベス』の掉尾を飾るdisc3を見逃す手はない。公演は、12月31日(月)まで。文: 釣木文恵
2018年11月10日伊坂幸太郎の小説が原作の舞台『死神の精度 ~7 Days Judgement』が8月30日(木)に開幕する。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】伊坂作品初の舞台化でもある『7Days Judgement ─死神の精度─』(2009年)の再演。死神である千葉が、自身が「死」を実行すべきか判断するやくざ・藤田と、藤田を慕う阿久津と共に過ごす時間を描く。今回は死神を萩原聖人、藤田を初演に続きラサール石井、阿久津を植田圭輔、死神や藤田と敵対する男など複数役を細見大輔が演じる。脚本・演出は初演に続き和田憲明。この日は稽古が始まって3週間という頃。稽古場に入ってみると演出の和田と俳優が、段取りから心情の変化までじっくりと話し合っていた。隣に座り、かなり細かいところまで意見を交換する姿から、開幕に向けかなり丁寧に詰めている段階であることがわかる。和田自身が稽古場を歩き回り、俳優からスタッフまで修正点や確認点を伝えた後は、芝居の稽古に。物語の冒頭から始まった。真っ黒な傘を差し、登場する死神役の萩原。死の対象であるやくざ役の石井に気付き、みせる表情には、死を悲しむような存在ではないはずなのにいくつもの色を感じ、そこで一気にこの世界に引き込まれる感覚があった。細見が演じる死神は千葉とはまた違ったタイプ。死神にも色々いることや彼らのスタンスそのものを、CDショップでのわずかなやり取りで感じさせる鮮やかさはさすが。同様に、石井と植田の演じるやくざも、植田が石井演じる藤田の懐の大きさを、石井が植田演じる阿久津の粗暴だが憎めない感じを互いに引き立て合っており、さらに藤田と阿久津の間に流れる愛情が感じられる。ひとつのシーンを終えると和田からは確認とダメ出しがある。それは例えば「今までは布団を2回持ち上げていたが、なぜ今回は3回だったのか」や「あの言い方はなぜ変わったのか」など細かいもの。一挙手一投足のすべてに意味があることを改めて感じるダメ出しだ。実際見ていてこちらが引っかかることは、それが回収される瞬間が必ず訪れる。その緻密さは和田ならではのもの。このように積み重ねられ迎える本番で見られる世界が楽しみだ。また、伊坂作品の特徴のひとつでもあるが、随所に散りばめられた音楽も印象的。ストーリーに絡む楽曲はもちろん、CDショップで死神たちが聴いている楽曲など、ぜひ注目して聴いてみてほしい。公演は8月30日(木)から9月9日(日)まで東京・あうるすぽっとにて上演後、岡山、愛知、兵庫、山形、宮城、岩手を巡演。
2018年08月28日伊坂幸太郎の小説が原作の舞台『死神の精度 ~7 Days Judgement』が8月から9月にかけて上演される。出演者の植田圭輔とラサール石井に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、2009年に伊坂作品が初めて舞台化された『7Days Judgement ─死神の精度─』の再演。ターゲットの死を7日間で見定めて「可」か「見送り」かジャッジする死神と、任侠の男・藤田、藤田を慕うヤクザ阿久津が出会い、運命が転がるさまを描いたストーリーで、死神・千葉を萩原聖人、ターゲット・藤田をラサール石井、阿久津を植田圭輔、藤田と敵対するヤクザ栗田など複数役を細見大輔が演じる。脚本・演出は初演に続き和田憲明が務める。唯一、初演から続けての出演となる石井は「もう1回やりたいと思っていたので嬉しいです。今まで散々芝居をしましたが、初めて“カッコいい”と言われた役だったので(笑)。男4人でやる楽しさもあり、演じていて気持ちがいい作品でした」と9年ぶりの再演を喜ぶ。先輩揃いの中に若手として参加する植田は「ラサールさんや萩原さんとずっと掛け合いをしている役どころですし、作品としても役としても自分の新しい一面を出せることになりそう。自分がどこまでやれるか。しっかり食らいついていきたいです!」。ラサール曰く和田の演出は厳しいといい「緊張します」と明かす植田に、ラサールは「初演は僕が1番怒られたんじゃないかな。どのみち褒められないから(笑)、支え合いましょう!」と笑う。作品については「ハードボイルドで、洋画や韓国映画の匂いのする作品。ストーリーもシンプルで、あまり多くを語らず、だからこそ想像できる部分がある」と石井。その中での自身の役柄・藤田は「昔気質で、話せばわかってもらえるようなことも言葉にしない、だけどウェットな部分も内側には持っている人。でもこういう人がいないと物事はまっとうにはいかないですよ。ばかだなとは思いますけど、あまり小利口に生きる人ばかりだと世の中は間違った方向にいくから」。植田は阿久津を「あほというか真っ直ぐというか…影響されやすいので、出てくるたびに言うことが変わってて、だから結局何がしたいの!っていう(笑)。だけど一生懸命だし、ずっとあがいていて、その揺れを演じるのは楽しみです。死神が“人間とは”と語るシーンが何度か出てきますが、“人間らしさ”の象徴だと思います」。植田の出演舞台に石井が訪れ、初めて会ったというふたり。対談で石井に「いいお芝居でした」と言われた植田は「ほっとしました」と笑顔。これから始まる『死神の精度 ~7 Days Judgement』に期待したい。公演は8月30日(木)から9月9日(日)まで東京・あうるすぽっとにて上演後、岡山、愛知、兵庫、山形、宮城、岩手を巡演。
2018年06月19日俳優の三宅裕司が’06年に旗揚げした「熱海五郎一座」。東京の喜劇を追求し続け、新橋演舞場に進出して5年目を迎えた。レギュラー出演陣には渡辺正行、ラサール石井ら笑いのプロが勢ぞろい。今年はゲストとして演歌界の大御所・小林幸子(64)が花を添える。 「9年前に、青山劇場での公演に初めて出演させていただいたんですよ。自分の出番を終えて舞台のソデに引っ込んでも、まだドッカーン!とウケている。あの笑いは気持ちいいですよね。最近は若い人だけ、女のコだけと、ウケる層が細分化されてきていますけど、この一座は子どもも大人もおじいちゃんも一緒に抱腹絶倒できるんですよ。ギャグを考え、演出をされる三宅さんは天才!!」(小林・以下同) 今年の演目は『船上のカナリアは陽気な不協和音~Don’t stop singing~』(6月1~28日)。小林扮する千夜子は、演歌界で活躍していた大物歌手。パトロンの政治家と豪華客船でバカンスに。その船には秘密や事情を抱えた観光客らが乗り合わせていて、密室状態の船内では、次々にトラブルが。 「伊東四朗さんがおっしゃってました。『喜劇役者はきちんとした芝居ができなきゃダメ。台本どおりに演じればギャグは光るから』って。亡くなられた喜劇俳優の由利徹さんも『世話ものの芝居でちゃんと泣かせて、舞台が暗転する直前にドカンと笑わせる。すると、暗転の間、お客さんは泣きながら笑ってる。これができたら、最高だ』と。喜劇の中のペーソス(哀愁)って、効きますよね。喜劇って笑わせるだけじゃないんですよ」
2018年06月04日「9年前に、青山劇場での公演に初めて出演させていただいたんですよ。自分の出番を終えて舞台のソデに引っ込んでも、まだドッカーン!とウケている。あの笑いは気持ちいいですよね。最近は若い人だけ、女のコだけと、ウケる層が細分化されてきていますけど、この一座は子どもも大人もおじいちゃんも一緒に抱腹絶倒できるんですよ。ギャグを考え、演出をされる三宅さんは天才!!」 そう語るのは、演歌界の大御所・小林幸子(64)。俳優の三宅裕司が’06年に旗揚げした「熱海五郎一座」。東京の喜劇を追求し続け、新橋演舞場に進出して5年目を迎えた。レギュラー出演陣には渡辺正行、ラサール石井ら笑いのプロが勢ぞろい。今年はゲストとして小林が花を添える。 「物語を思い出せなくても、あ~、面白かった!気持ちよかった!とスッキリしてもらえれば大成功なんです。涙も笑いも脳を浄化しますから。泣ける歌や一緒に歌いたくなる歌を人々が求めるのと同じことです」(小林・以下同) 今年の演目は『船上のカナリアは陽気な不協和音~Don’t stop singing~』(6月1~28日)。小林扮する千夜子は、演歌界で活躍していた大物歌手。パトロンの政治家と豪華客船でバカンスに。その船には秘密や事情を抱えた観光客らが乗り合わせていて、密室状態の船内では、次々にトラブルが。 本作はさらに、三宅が10年前に結成した念願のビッグバンドも出演し、小林がその演奏でジャズを歌うというぜいたくなおまけ付き。 「本作では英語でジャズを歌うので一生懸命に練習中。だったら洋楽を歌うアルバムも出しちゃえ、とシルヴィ・ヴァルタンのフレンチポップスを歌うべく、フランス語の猛特訓にも楽しみながらハマってま~す」 そんな小林ほどのベテランでも、歌っていて歌詞が飛んでしまうことがあるそうだ。 「そんなときは、ラララ~とか、愛してる~でごまかしますけど(笑)、一座の舞台でせりふを忘れてしまっても三宅さんがアドリブで笑いに変えてくれるから心強い!失敗も楽しめちゃうのね」
2018年06月04日昨年12月から全国を巡演してきたミュージカル「HEADS UP!」。2か月に及ぶ旅公演のラストを飾る東京凱旋公演に先駆け、囲み取材と一部シーンの公開稽古が行われ、取材には原案・作詞・演出のラサール石井、主演の哀川翔、相葉裕樹、橋本じゅん、青木さやか、池田純矢、大空ゆうひ、中川晃教が登壇した。ミュージカル「HEADS UP!」チケット情報石井が「旅公演をまわって、(カンパニーは)もう家族みたいなもの」と話した通り、囲み取材の雰囲気も和やかで、公演を経てチームワークがより深まった様子が伝わる。ムードメーカー哀川の呼びかけで釣りにも行くこともあったそうで、哀川が「劇場に入ると入りっぱなしなのでね!陽を浴びないと!」と明るく笑う姿に、共演者たちも自然と笑顔に。橋本が「翔さんが(この作品に)参加してくださったことは大きな奇跡」と感慨深げに話すと、今回初参加の池田も「初演から出演する皆さんの仲が良くて、最初はこの中に急に入るのは不安だなと思っていたのですが、稽古初日に翔さんからカブトムシをいただいて(笑)、皆さんに温かく接してくださいました。この東京公演で終わってしまうのが今、寂しくて切なくなるほどです」と明かし、大空も「自分がこんなに舞台でも袖でものびのびできるのはとても貴重だと思います」と笑顔を見せた。相葉が「(初演から)カンパニー全体がさらに濃く深くなりました。僕はみんなに振り回される役どころですが、その振り回され度合いも前よりも高まったんじゃないかな」と変化を語ると、青木は作品について「とにかくお客様の興奮がすごい。それは劇中でもそうだし、カーテンコールでも『楽しかった』って気持ちがものすごく伝わるんですよ。出るほうも観てるほうも幸せな気持ちになれるお芝居です!」と紹介。「この作品は中毒性があります!」と熱く語った中川は「初演からお客様に育てていただきました。旅公演を経て、今一番いい状態に仕上がってます」と呼びかけた。あるミュージカルの仕込みから本番、そして閉幕後のバラシまでの様子を、芝居・楽曲・ダンスで描くバックステージエンターテイメント。初演(2015年)で第23回読売演劇大賞 優秀演出家賞を受賞した作品でもあり、今回は新キャストも迎えて華やかさも楽しさもパワーアップしている。石井が「必ず爆笑して号泣して感動してお帰りいただけます。こんなに自信をもっておすすめできる作品はないです!」、哀川が「死に物狂いでやりたいと思います。足を運んでいただければ最高です!」と話す、舞台がもっと好きになる本作は、3月12日(月)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演中。撮影・取材・文:中川實穗
2018年03月06日昨年豊洲にオープンした客席が360度回転する劇場「IHIステージアラウンド東京」では、7月23日(月)より「新感線☆RS『メタルマクベス』」を上演することが決定。disc1~disc3と題し、3作を連続上映するという。「IHIステージアラウンド東京」でこけら落とし公演として上演された演目「髑髏城の七人」は、5シーズン全て異なるキャストで、脚本・演出も練り直し、全く違ったアプローチで上演。そして、3月17日(土)に初日を迎える「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」にてシリーズもいよいよラストを迎える。■劇団☆新感線の「メタルマクベス」とは?そんな劇場での次回作が、今回決定した劇団☆新感線の「メタルマクベス」。2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組み、初めて挑んだシェイクスピア作品であり、ロックバンドが劇中で生演奏する音楽に特化したスタイルで上演された。宮藤さんが脚本、いのうえさんが演出を手掛ける今回の公演では、宮藤さん自ら脚本を書き直し、キャストを変え、演出にアレンジを加えて「disc1、disc2、disc3」と題して3作を連続上演!宮藤さんは「いのうえさんに気に入られたい一心で引き受け、無我夢中で書いた作品」と前回をふり返り、「改めて読み返すと良くも悪くも力んでいる。ガチガチに力が入っている。そして奇跡的に成立している。『メタル』の『マクベス』になっている。ですからキャストを一新して“回る”メタルマクベスになっても本質は変わらない、むしろ“回らない”メタルマクベスよりイイ感じになるだろうと踏んでいます」と早くも成功に自信を見せている。一方、本劇場での特性を考えると「髑髏城の七人」か「メタルマクベス」しかないなと最初から思っていたといういのうえさんは、「3組ありますが、基本的に演出とセットは変えません。ただ、そこに役者にシフトした演出を加えていきますし、はからずもいくつかのジェネレーションに分かれたキャスティングになったので、それぞれの特長は生かすつもりです。そしてやはり次の一番の挑戦は、生バンドが入るこの劇場初の“音楽劇”になるということ。もちろん『髑髏城~』ではできなかった新たな仕掛けもいくつか考え中ですので、楽しみにしていてください」とメッセージを寄せている。■長澤まさみ&尾上松也ら豪華キャスト発表今回あわせてキャストも発表!本公演スタートとなるdisc1には、退団以来21年ぶりに劇団☆新感線に出演することとなった橋本さとしとミュージカルの女王・濱田めぐみ、disc2では歌舞伎界から尾上松也と歌手で女優の大原櫻子、そしてdisc3には「エリザベート」ほか様々な舞台に出演する浦井健治と、ミュージカル「キャバレー」の出演が話題となった長澤まさみ、彼らが冒頭からハイテンションで破滅へまっしぐらに突き進む、タイトルロールであるマクベス夫妻を演じる。橋本さんは「みなさんにちょっとは成長した姿を見せられる気がしますし、そうでないとアカンとも思っています。噂に聞くと舞台裏はたくさん走らないといけない劇場みたいですが、僕、方向音痴なので迷子にならないようにしないと(笑)」と話し、濱田さんは「とにかく初めて尽くしなので、新入生の気持ちで飛び込むつもりです」と意気込み。今回の参加に「天にも昇る気持ち」と喜んだのは松也さん。「経験したことのない舞台装置で演じられることにもワクワクしていますし、体力もいつも以上につけておかないと、と覚悟しています」とコメント。大原さんは「難しい役ですがいま22歳の私がやることで、逆にオリジナリティあふれる役として演じられたら」と自分の色が出せればと話す。一方、劇団☆新感線3回目の出演となる浦井さんは「5年ぶりにいのうえさんの演出を受けられるのも最高にうれしく、最高に怖い。ボッコボコにされつつもそのあとの景色を堂々と一緒に見られるよう、食らいついていきたいです」と力強く述べ、長澤さんは「disc1、2の舞台もぜひ観に行って、みなさんのいいところを盗みたいですね(笑)」と語っている。さらに、松下優也、山口馬木也、原嘉孝(ジャニーズJr.)、浅利陽介、高杉真宙、橋本じゅん、ラサール石井などが各discに出演する。■ストーリー時は2206年。繰り返される戦争によって世界はリセットされ、瓦礫の荒野と化していた。そこには、未来を占う魔女が3人…。日々戦いは繰り返され、絶大な勢力を誇るとある国の男率いる軍がほかの軍を次々と征していた。そこへ3人の魔女が現れ、男に「お前こそが未来の国王である」との予言を告げ、1枚のCDを渡す。それは、1980年代に活躍したヘビーメタルバンド“メタルマクベス”の伝説のCDだった。歌詞に込められた意味が殺人予告となっており、“メタルマクベス”バンドの人間模様が男の国王となる道に繋がる予言となっていた。やがて夫が国王となる予言を知った妻は、予言を現実のものとするべく夫をそそのかし、国王の息子を犯人に仕立て、王を殺すという計画殺人を企てる。国王から手柄として与えられた城で、軍の勝利を祝う宴を開く。国王とその息子、そして友人たちとの喜びの祝宴が幕を閉じたとき、その殺人計画は実行に移された。躊躇う男をけしかける妻。そして作戦は成功し、王を殺した犯人に仕立て上げられた王の息子は城から逃げ出した。王を永遠の眠りに導いたことで罪の意識に苛まれ、自分達の永遠の眠りが奪われてしまった男とその妻。それでも2人は王となる野心に向かって突き進んでいく――。「ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc1・disc2・disc3 Produced by TBS」公演概要■ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc1 Produced by TBS公演期間:7月23日(月)~8月31日(金)会場:IHIステージアラウンド東京(豊洲)チケット発売日:4月28日(土)12時~出演:橋本さとし、濱田めぐみ/松下優也、山口馬木也/猫背椿、粟根まこと、植本純米/橋本じゅん/西岡徳馬 ほか■ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 Produced by TBS公演期間:9月中旬開幕予定会場:IHIステージアラウンド東京(豊洲)出演:尾上松也、大原櫻子/原嘉孝(ジャニーズJr.)、浅利陽介/高田聖子、河野まさと、村木よし子/岡本健一/木場勝己 ほか■ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBS公演期間:11月初旬開幕予定会場:IHIステージアラウンド東京(豊洲)出演:浦井健治、長澤まさみ/高杉真宙、柳下大/峯村リエ、粟根まこと、右近健一/橋本じゅん/ラサール石井 ほか(cinemacafe.net)
2018年02月25日ラサール石井が構想10年の時を経て舞台化したオリジナルミュージカル『HEADS UP!』。あるミュージカルのバックステージを描くストーリーの面白さ、ミュージカルとしての質の高さで2015年の初演が大きな評判となった伝説の作品だ。パワーアップした再演が全国ツアーを経ていよいよ東京にやってくる。出演する相葉裕樹、中川晃教に作品の魅力を語ってもらった。ミュージカル『HEADS UP!』チケット情報ミュージカル史に燦然と輝く名作『ドルガンチェの馬』。1000回目の公演を終え華々しく終了したはずだったが、主演俳優の鶴の一声で、地方の劇場で1001回目の上演をすることに。舞台美術も廃棄済み、キャストもスタッフも足りない中、それでも関係者はなんとか幕を開けようと奮闘する……。自らの仕事に誇りを持った、しかしクセの強い登場人物の姿に爆笑すると同時に、ひとつのことに皆で力を合わせる姿にじんわり胸が熱くなる物語。「舞台愛に包まれている作品です。舞台監督や照明、制作、キャスト……誰にスポットを当てても共感できます」と語るのは、新人舞台監督・新藤を演じる相葉。「スタッフの皆さんの熱い気持ちも、この作品を通して改めて知ることが出来て、僕はより一層、舞台が好きになりました!」。劇場付き雑用係の熊川を演じる中川も「ひとりひとりが抱いている舞台愛だけじゃなく、関っているみんなで作り出す愛があったり、さらにそれがお客さまに届いたときにどんなミラクルが起こるのか……ってところまで教えてくれる作品」と話す。「役者の仕事は、観に来てくださったお客さまが劇場を出るときに元気になっていただけるようなものをお届けすることだと思うんです。そんな“役者としての使命”に向き合う役でもあります」。キャストは哀川翔、橋本じゅん、青木さやから個性的な俳優が集まる。普段からミュージカルのフィールドで活躍するふたりは、作品の“ミュージカル”部分を支える役割も。「面白いキャストが集まっていて、それもこの作品の魅力でもあるんですが、でもその中でミュージカルとして成立させるために色々とアイディアを出し、時には演出のラサールさんと話をしてくれたのがアッキー(中川)さんでした。やっぱり柱としてアッキーさんが居てくれることで、作品が引き締まりますよね」と相葉が言えば、中川も「(レ・ミゼラブルで)アンジョルラス役を経験したばっち(相葉)の方が支えていると思うよ! ばっちはとても人間味があって本当に良い俳優。しかもすごく歌も上手くなってる!」。お互いへのリスペクトもひしひしと伝わってくるが、中川によるとそんな気持ちこそが大切なのだそう。「僕らの普段と地続きの物語であるがゆえに、稽古場から舞台に立つまでの日常の小さな瞬間に、この『HEADS UP!』の感動は生まれていくんじゃないかなって思います。作品に込める気持ちが『HEADS UP!』を成り立たせている」(中川)。俳優たちが普段から抱く“舞台への愛”すら伝わる奇跡のミュージカル。評判の理由をぜひその目で確かめて。東京公演は3月2日(金)から12日(月)まで、TBS赤坂ACTシアターにて上演。
2018年02月23日東京・IHIステージアラウンド東京で、ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc1・disc2・disc3 Produced by TBSが上演されることが22日、わかった。同劇場は2017年3月30日に豊洲にオープンし、1,300人以上もの観客を乗せて360°回転する円形の客席が話題となっている。こけら落とし公演として劇団☆新感線の『髑髏城の七人』を、“花・鳥・風・月・極”の5シーズンに分け、全て異なるキャストで、脚本・演出も練り直し、全く違ったアプローチで上演してきた。この度、次回作として白羽の矢が立ったのは、同じく劇団☆新感線の『メタルマクベス』。2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組んでシェイクスピア作品のアレンジに挑んだ作品だ。舞台を2206年の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、ロックバンドが劇中で生演奏する。初演時は、内野聖陽と松たか子がマクベス夫妻を演じた。12年ぶりに復活した同作を、宮藤自ら脚本を書き直し、キャストを変え演出にアレンジを加えて、disc1、disc2、disc3と3作連続で上演する。7月23日に初日を迎えるdisc1では、退団以来21年ぶりに劇団☆新感線に出演することとなった橋本さとし&ミュージカルの女王・濱田めぐみがマクベス夫妻を演じる。他、松下優也、山口馬木也、猫背椿、粟根まこと、植本純米、橋本じゅん、西岡德馬らが出演する。9月中旬に開幕するdisc2では、歌舞伎界の次世代を担う尾上松也と、歌手としても女優としても常に話題を集める大原櫻子がマクベス夫妻に。他、原嘉孝(ジャニーズJr.)、浅利陽介、高田聖子、河野まさと、村木よし子、岡本健一、木場勝己らが出演する。11月初旬に開幕するdisc3でマクベス夫妻を演じるのは、ミュージカル界のプリンス浦井健治と、2017年のミュージカル『キャバレー』で圧巻の歌とダンスを披露した長澤まさみ。他、高杉真宙、柳下大、峯村リエ、粟根まこと、右近健一、橋本じゅん、ラサール石井らが出演する。○出演者陣のコメント同作を「いのうえさんに気に入られたい一心で引き受け、無我夢中で書いた作品です」と振り返った宮藤。いのうえは「上演できるのは場面転換が多く、長期公演でも耐性のある脚本のものということで『髑髏城の七人』か『メタルマクベス』しかないなと最初から思っていました」と明かし、「基本的に演出とセットは変えません。ただ、そこに役者にシフトした演出を加えていきます」と構想を語った。橋本は「自分の原点、劇団☆新感線の舞台に21年ぶりに戻ることになりました」としみじみ。濱田は「新境地を開くための冒険になるでしょうし、未知の世界でいろいろなことを吸収して新しい引き出しができそう」と期待を膨らませる。また「いつか劇団☆新感線の舞台に出たい」と思っていたという尾上は、「天にも昇る気持ちで、本当に感無量です。でもまさか、『メタルマクベス』で僕に声がかかるとは思っていなかったのでとても驚きました」という。マクベス夫人としては一番若い大原は「今22歳の私がやることで、逆にオリジナリティあふれる役として演じられたら」と意気込んだ。同劇団に出演するのが3度目となる浦井は「これで“準劇団員”と名乗れます!」と喜びを表す。初参加となる長澤は、「いつかはと思っていたので、お話をいただけてとてもありがたく光栄でした。人を笑わせるのは好きなほうなので今回のように作品にその様な要素が入っていると、よりやりがいを感じます」と語る。「歌ったり踊ったりするみたいですし、稽古までに体力をつけていろいろと準備はしておくつもりです」と意欲を見せた。
2018年02月22日ミュージカル『HEADS UP!』の公開ゲネプロ及び囲み取材が13日、KAAT神奈川芸術劇場にて行われ、哀川翔、相葉裕樹、橋本じゅん、青木さやか、池田純矢、大空ゆうひ、中川晃教、原案・作詞・演出のラサール石井が登場した。同作は倉持裕脚本、ラサール石井原案・作詞・演出、玉麻尚一作曲・音楽監督の、日本生まれのオリジナル作品で、2015年11月に初演された。とあるミュージカルの仕込みから閉幕後のバラシまでを描いた、バックステージエンターテイメント。「まさか2回目があると思いませんでした。もう出ないと思っていたので」と笑顔を見せる哀川。「このヘッズ・アップは、ミュージカルを観たことがない人にもとても喜んでもらった作品で、お客さん同様、舞台上で作品を楽しんでいます」と作品について語り、「3月まで全力で走りきりますので、是非、劇場に足を運んでください」とメッセージを贈った。相葉は「僕は新人舞台監督という役柄なので、ラサールさんからは『あんまりしっかりしすぎないでくれ』とご指導もいただきました」と稽古を振り返る。初演時から2年経ち、大舞台もたくさん経験したが「再演でもしっかりしすぎないように気を付けました」と語り、「舞台監督役を演じてみて、スタッフさんの大変さが分かりました。リスペクトが止まりません!」と感謝を表した。橋本は「お客さんに早く観て欲しいです。そのために頑張ります!」とシンプルに意気込み、青木は「私が演じるのは制作で、お客さんが入ってくれるか、制作費、などとても現実的な部分にも、目が行くようになりました」と裏事情に詳しくなったことを明かす。また、同作に初出演となる池田は「初演の時は、観客として観ていて、純粋に素敵なだと思っていたのですが、まさか自分が出演する側になれるとは思っていませんでした」と驚いた様子。「初演よりもブラッシュアップされていて、絶対に楽しんでもらえる作品なので、早く皆さんに観て欲しいです!」と気合いを見せた。初演に引き続き出演する大空は「女優の気持ちに、1歩深い所へ進めたと思っています。お客さんが実際に入って演じられることが楽しみです!」と心境を吐露。中川は「ラサール石井さんは“喜劇のセンス”が凄いです!それは台本の熱量から既に伝わってきて、さらに俳優が演じることでまた新たな思い付きがあり試して、と常に稽古場で進化していました」と稽古の様子を明かした。神奈川公園はKAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて14日〜17日。東京公演はTBS赤坂ACTシアターにて2018年3月2日〜12日。他、富山公演、長野公演、大阪公演、名古屋公演を予定している。
2017年12月13日2年前、初めてミュージカルに挑戦した俳優の哀川翔(56)。ジャージ姿で熱心に稽古をする稽古場の共演者たちを見て、度肝を抜かれたそうだ。 「なんでみんなジャージに着替えてるんだ!?普段着でいいじゃん、と思って。『一世風靡セピア』で路上パフォーマンスをしていた30年前は、俺たち、スーツで踊ってたくらいだから(笑)。ミュージカルは、歌の練習にしてもありえないくらいデカい声を出していて、びっくりしたよ」(哀川・以下同) ’15年、オリジナルミュージカル『HEADS UP!/ヘッズ・アップ!』が産声を上げた。ラサール石井が10年間構想を温め、実現した作品だ。あるミュージカルの仕込みからバラシまで、さまざまな役割を担った人々が奮闘努力する舞台裏に光を当てる。 「ラサールさんから誘いがあってね、俺なんかがしゃしゃり出てもいいことないよ、って逃げたんだけど。足を踏み入れてみたらまんまとハマっちゃってさ」 哀川が演じるのは舞台監督・加賀美。現場の責任者だ。 「一本気というか、すごく不器用なやつ。執着してることがあっても、表に出さないね。自分の中ですべて打ち殺してるんだな。演じていると、もっとうまくやりゃいいのにと思う箇所がいっぱいある。だけど、その不器用さが信用されている理由なんだろうね」 当初は出演に逃げ腰だったものの好評で、ファンの熱望に応えて再演が決まった。 「高校生だったうちの娘たちも何度も見に来ましたよ。難しくないから、お芝居に触れたことのない人も『ミュージカルってこんなにおもしろいんだ!?』つってましたから。俺たち演者が達成感を味わえば、お客さんは拍手してくれるんだね。俺はこれくらい頑張ったんだ、という思いを本番でぶつけるんです」 「稽古は苦手」と笑う哀川だが、今では誰よりまじめに稽古場に通っている。夢中になれた一世風靡セピア時代は数年で過ぎ、熱い青春は終わると思っていたそうだ。が、50代半ばの今、また楽しめる宝物を見つけた。 「奇想天外なことが次々に起きる物語を作り上げていく話だけど、俺がミュージカル界に首を突っ込んだときの、何がなんだかわかんない感じとすごく似てる。初演のときよりグレードアップさせないと」
2017年12月11日ラサール石井原案・作詞・演出、倉持裕脚本、玉麻尚一作曲、川崎悦子振付のミュージカル『HEADS UP!』が待望の再演を果たす。舞台の成功のために幾多の困難を乗り越える関係者らの姿を描いたバックステージもので、2015年の初演後にはラサールが第23回読売演劇大賞演出家部門優秀賞も受賞した。12月KAAT神奈川芸術劇場より始まる全国公演を前に、11月下旬、稽古の模様が一部公開された。【チケット情報はこちら】舞台裏を描いた作品だけに、稽古場にはスタッフとキャスト、スタッフ役とキャスト役が入り乱れ、活気いっぱい。この日披露されたのは1幕10場。今拓哉演じる往年の名優・小山田丈太郎の代表作の1001回の公演という設定で上演される劇中劇『ドルガンチェの馬』の場面だ。5分前のベルが鳴り、舞台袖で劇場付雑用係役の中川晃教と舞台監督役の相葉裕樹が小さく「GO」と言うと、いよいよ『ドルガンチェの馬』開幕。城塞を舞台に繰り広げられる振付と歌は勇壮で、大劇場で実際に上演されているグランド・ミュージカルのような雰囲気だが、あるハプニングを機に事態は急変し、なんとも言えずコミカルな状況に。焦る出演者達、頭を抱えるスタッフ達。観客には抱腹絶倒間違いなしの名シーンだ。稽古後は、演出のラサール石井と、ベテラン舞台監督・加賀美賢治役の哀川翔が囲み取材に応じた。前回、10年以上温めていた構想を形にしたラサールは再演にあたり「チームワークもバッチリだし、前回よりも踊りの層が厚くなっています」とさらなる手応えを感じている様子。「全体の構成にひとつの秘密というか、ある構造があって、2回観ると全然違う風に見えるようになっているので、初めての方も、それから勿論、前回観た方もまた観ていただきたい。2回以上ご覧になると面白いと思います」とにっこり。一方、哀川は「(初演からの)2年間に皆色々な仕事してきて引き出しいっぱいなんだけど、俺はこれしかやってないから言われるとすぐ思い出す」と笑いを誘いながらも、「ラサールさんにしても(振付の)川崎さんにしても、前回やりきれなかったところを補充して作り直していて、結構早いペースで稽古が進んでいる。俺らも覚えているようで覚えていないから、新しく入ったキャストはむちゃくちゃ大変だと思う。自分らがこんな感じだから、前回観た方も忘れているはずなので(笑)、すげえ楽しめると思います」と、哀川らしい言葉で請け合った。『HEADS UP!』は12月14日(木)から12月17日(日)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて上演。その後、富山、長野、大阪、名古屋を巡演後、2018年3月2日(金)から3月12日(月)まで東京・赤坂ACTシアターにて上演。チケット発売中。取材・文:高橋彩子
2017年12月06日ミュージカル「HEADS UP!」の製作発表及びミニライブが9月26日、東京都内にて行われた。ミュージカル「HEADS UP!」チケット情報本作は、ラサール石井が構想を10年温めていたという、舞台のスタッフに焦点を当てた、日本発オリジナルのバックステージミュージカル。舞台の仕込みからバラしまで全てを見せるという構成は「バラしまで見せると物悲しい展開になるのでは」と、脚本家・倉持裕に懸念を抱かれながらも、最終的にはすごく希望のある展開の作品に。大反響を呼び、第23回読売演劇大賞演出家部門優秀賞を受賞している。2年ぶりの待望の再演ということで、今回のイベントには、ほぼ全キャスト及びクリエイターが参加。最初のミニライブでは、「劇場で起こること」「HEADS UP」「チケットは売れている」「古い劇場」の4曲をスペシャルメドレー形式で披露。舞台への期待を盛り上げた。初演から2年経つが「毎日のLINEが絶えない」(芋洗坂係長)というほどに仲の良いカンパニー。今回から参加という池田純矢とオレノグラフィティ、外岡えりからは「皆さんと一緒に並んでいることが夢のようで、愛がすごく詰まった作品なので、その作品の一員として必死に食らいついていきたい」(外岡)と身を引き締めた。2年前の初演が初ミュージカルだったという哀川翔は、本作にかける思いもひとしお。「ここ(製作発表会場)にいらっしゃる方にも是非見てもらいたい」と作品をアピール。中川晃教や橋本じゅん、今拓哉らは、本作の可能性について述べる場面も。「こういうオリジナルのミュージカルが、日本から生まれるというドキドキワクワクを体験できたということが、自分にとっての何よりの財産でした」と中川が述べると、橋本、今らも「この作品が今後のスタンダードとなってほしい」(今)と続いた。原案・作詞・演出を手がけるラサールは、「初演を見ていただいた方にも『ああ、これこれ!』と喜んでいただけるようにしたいので、ものすごく変えるつもりはないが、お客様にわからないくらいのところを“実は良くなっている”という風にブラッシュアップをしていきたい」と再演に向けて意気込んだ。「見ていただいたお客様にも、必ず帰りには一緒に歌っていただけるようなナンバーが沢山ある」(大空ゆうひ)という本作は、12月14日(木)から12月17日(日)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて上演。その後、富山、長野、大阪、名古屋を巡演後、2018年3月2日(金)から3月12日(月)まで東京・赤坂ACTシアターにて上演予定。チケットの一般発売は9月30日(土)午前10時より(大阪公演のみ11月18日(土)午前10時より)。
2017年09月29日こんにちは、島本薫です。「お芝居を観に行かない?」とお誘いすると、「いやいや……」と言われてしまうことが多いのですが、敬遠される一番の理由は「難しそうで敷居が高い」と思われていることのようです。では、難しいことをやさしく、それでいて深く、とんでもなく面白く取り出してくれるお芝居なら、どうでしょう。落語ブームの続く今日この頃。今回は、ユーモアとペーソスあふれる井上ひさしさんのお芝居、こまつ座「円生と志ん生」をご紹介します。■「円生と志ん生」~戦後の満州に“居残り”となったふたりの落語家の物語~これは「語る」ことに命をかけ、ピカピカに芸を磨き上げた人間の喜劇です。敗色の濃い1945年夏のこと。空襲続きで寄席も焼け、落語家は収入のあてもなく、たまの高座も着物ではなく国民服で務めるようなありさまだ。しかし、関東軍の慰問に行けば、白いゴハンがたらふく食べられて、お酒だって飲み放題、おまけにご時世だからと遠慮せず、好きな噺が何でもやれるというではないか。そこで満州に渡ったのが、五代目古今亭志ん生と六代目三遊亭円生(※正しくは圓生)だ。ところがソ連の参戦で軍はさっさと逃げを決め、残されたふたりは南端の大連まで落ち延びたものの、町が封鎖されて帰国できなくなってしまう。もっとも足止めをくらっているのはふたりだけではなく、大連にいる20万の民間人も同じこと。いつになったら日本に帰れるのか、それは誰にもわからない。お酒と賭け事が大好きで、テンポの良い軽妙な芸を得意とした兄弟子の志ん生と、心にしみる人情噺を得意としたマジメで細かい円生。性格も芸風も正反対のふたりだが、日本に帰るその日まで、なんとか手を取り合って生きていくことに。後に「昭和の大名人」と呼ばれるようになる円生と志ん生は、満州での約2年間をどう過ごしたのか――。飢えや寒さはおろか、ロシア兵に殺される危険やシベリア送りになる不安を抱えながらも芸を磨き続けたふたりの噺家の物語を、歌と笑いを盛り込んで描いた傑作喜劇。左から円生役の大森博史、志ん生役のラサール石井(2017年こまつ座東京公演、撮影:谷古宇正彦)■悲しみの奥から、言葉と笑いと音楽の力がほとばしる実はこのお芝居の背景、円生師匠と志ん生師匠が敗戦後の満州から帰国できなくなり、引き上げ船を待ちながら現地でぎりぎりの生活を送ったことは、紛れもない事実です。ふたりの芸が真に花開いたのは、帰国後のこと。ならば、この大連での日々はどのようなものだったのだろう?史実をもとに作家がそんな想像をふくらませ、深く面白く掘り下げたこのお芝居「円生と志ん生」では、井上ひさしさんならではの磨きあげた言葉が光ります。耳に心地よく流れていくテンポのいいセリフの中に、戦争の愚かさ虚しさが覗き、胸を突く。かと思えば状況を逆手にとって笑わせ、笑いの中に良くも悪くも、働く言葉の力が語られる。観客を一時も飽きさせません。「めくりが返り出囃子ひびき客の拍手で座布団にすわりことばのわかる人たちの前で思い切り落語を語りたい!」随所にはさまれる軽快な歌も聴きどころ。意外かもしれませんが、井上ひさしさんのお芝居は、ちょいと小粋な和製ミュージカルの趣があるのです。歌に芝居にと舞台を彩るのは、円生と志ん生を取り巻く女性たち。あるときは旅館の女将、あるときは娼妓、あるときは教師、あるときは名もない母親、あるときは修道女と、場面ごとに4人の女優が20役を演じ分け、当時の大連の様子を描き出すという趣向が凝らされています。左から池谷のぶえ、太田緑ロランス、ラサール石井、大森博史、大空ゆうひ、前田亜季(撮影:谷古宇正彦)左からラサール石井、池谷のぶえ、大森博史(撮影:谷古宇正彦)左から太田緑ロランス、前田亜季、ラサール石井、池谷のぶえ、大森博史、大空ゆうひ(撮影:谷古宇正彦)■たとえこの世が涙の谷でも「笑い」をつくり出すのが噺家の仕事もっとも笑い、もっとも深く胸を打つのが、終幕近くの修道院の場面です。この世にあるものは、いつか必ず滅びる。生きることは、つらいこと。そう語る院長に、ならばこの世に笑いをつくり出すのが噺家の仕事と語る円生と、つらい浮世を乗り越える笑いの力を披露する志ん生。「この世に(笑いが)ないならつくりましょう。あたしたちは人間だぞという証しにね」左から大森博史、大空ゆうひ(撮影:谷古宇正彦)聖書の引用と落語のネタの掛け合わせで、おなかがよじれるほど笑った後だけに、この深い言葉が刺さります。生前の井上ひさしさんは、「笑い」についてこのように語っていました。「『生きていく』そのものの中に、苦しみや悲しみなどが全部詰まっているのですが、『笑い』は入っていないのです。なぜなら、笑いとは人間が作るしかないものだからです」「笑いは、人間の関係性の中で作っていくもので、僕はそこに重きを置きたいのです。人間の出来る最大の仕事は、人が行く悲しい運命を忘れさせるような、その瞬間だけでも抵抗出来るようないい笑いをみんなで作り合っていくことだと思います」『ふかいことをおもしろく――創作の原点』(PHP研究所刊,井上ひさし著)よりむずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに――。そう考えていた井上ひさしさんが、戦争を背景に芸と笑いを描いたお芝居「円生と志ん生」。10年ぶりに再演されたこの機会に、ぜひお見逃しなく。■こまつ座第119回公演「円生と志ん生」公演情報左から円生役の大森博史、志ん生役のラサール石井(2017年こまつ座東京公演、撮影:谷古宇正彦)作:井上ひさし演出:鵜山仁出演:大森博史、大空ゆうひ、前田亜季、太田緑ロランス、池谷のぶえ、ラサール石井演奏:朴勝哲◆東京公演2017年9月8日(金)〜9月24日(日)紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA◆兵庫公演2017年9月30日(土)、10月1日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール◆仙台公演2017年10月8日(日)日立システムズホール仙台 シアターホール◆山形公演2017年10月14日(土)川西町フレンドリープラザこまつ座公式サイト:
2017年09月19日こまつ座の第119回公演『円生と志ん生』が9月8日、東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕した。故・井上ひさしが、昭和の大名人・六代目三遊亭円生と五代目古今亭志ん生との身に起きた終戦前後の史実をもとに、虚実交えて大胆に描き出した傑作音楽喜劇。円生には大森博史、志ん生にはラサール石井が扮する。7日、出演者と演出の鵜山仁が意気込みを語った。【チケット情報はこちら】昭和を代表する国民的落語家である円生と志ん生は戦中、戦地慰問の一環として満州各地を流浪。しかし1945年8月15日、終戦を迎え、ソ連軍によって占領された満州・大連市に封じ込められてしまう……。彼らが命からがら引き揚げるまでの“空白の600日間”、どう人生と戦っていたのか。混迷の大連で日本人を大いに楽しませ、励まし、そのことを通じ自らの話芸も磨き上げていく彼らの姿を描く物語。2005年、2007年に登場した人気作を、キャストを一新し10年ぶりに上演する。天才噺家に挑む大森、ラサールはそれぞれ「円生さんの魅力に引き込まれた。噺を聞いていて、やっぱり人間が好きだったんだなと感じる。独特な人間性があって本当に素敵。彼を演じることは役者冥利につきる」(大森)、「志ん生師匠を演じるのは、芸人のはしくれとして大変恐れ多いこと。師匠の魅力はその破天荒さ、そして稽古が大好きだったとのことですが、一回高座に上がったときに(稽古を)すべて忘れてその場でやるライブ感。また修羅場を生き延び、人間として大きいところもとても魅力です。志ん生さんの落語はたくさん聞いたのですが、(ビート)たけしさんに似てるところもあり、僕の師匠である杉兵助に似てるところもあり、時々勘三郎さんにも似ていたり……。これらの人たちに共通してるエッセンスを出せたらな、と思っています」(ラサール)と話した。また大森、ラサールは、ともにこまつ座初出演。特にラサールは「学生時代から井上作品に憧れていたと」言い、「こまつ座に出るのは昔からの夢。夢が叶ったのですが、これほど初日が怖く、不安なことは初めて。果たしてちゃんとやれるのか……ちょっとでも見守ってほしいと今日、井上さんのお墓参りに行ってきました」と緊張の面持ちで語る。が、その後に「明日は志ん生師匠のお墓にいこうかな(笑)。少しでも、神頼みではありませんが“お墓頼み”で……」と“オチ”をつけるところはさすが。ふたりの珍道中で出会う人々は、大空ゆうひ、前田亜季、太田緑ロランス、池谷のぶえという4人の女優が次々と役を変えて扮していく。元宝塚宙組トップスターである大空は「私もこまつ座には初めて参加させていただきます。ずっと憧れていて、お稽古場から幸せをかみ締めていました。素敵な言葉がたくさんあります。心と言葉を大切にして、師匠ふたりとすごす愛しい時間を毎日楽しみたい」と意気込みを語った。公演は9月24日(日)まで同劇場にて。その後兵庫、宮城公演もあり。
2017年09月11日「家事で失敗をやらかすこともしばしば。キッチンではドンガラガッシャ〜〜ン!!ってフライパンごと床に落としておかずをぶちまけたり。『アチャーッ、やり直し!』(笑)。テンションがダダ下がりの私に主人は『ええで、食べに出ようや』と言ってくれますが」 そう語るのは、片岡愛之助(45)と昨年の春に結婚した藤原紀香(45)。神戸の大学に在学中の’92年にミス日本グランプリを受賞。’95年、兵庫県西宮市在住中に阪神・淡路大震災を経験。「人生いつ終わるかわからない。したいことをしておこう」と一念発起し、上京。以来、芸能界の第一線で活躍を続ける。女優としての仕事以外に社会貢献活動も継続しながら、梨園の妻としても夫を支える。 本来は三枚目で、お笑いが好き。中学の卒業式の日に、自ら中心になり、はやっていた『学園天国』の替え歌を体育館で披露したそうだ。 「歌詞に校舎や先生や友達を登場させて大ウケでしたね。感動して泣いちゃう仲間までいて、うれしくて。エンタテインメントの原点を知りました」(藤原・以下同) 高校時代は落語研究会に所属した。かたや、中学時代から歌や踊りを学ぶミュージカルアカデミーにも通い、レッスンを受けていた。 「昔から背が高くて女の子役をもらえず、『白雪姫』では王子様(笑)」 来る6月の舞台は、素の彼女をよく知る当時の仲間が「ぴったりの役やん、絶対見に行くわ」と楽しみにしているという。新橋演舞場での三宅裕司率いる熱海五郎一座『消えた目撃者と悩ましい遺産』だ。 渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之らベテラン喜劇俳優との共演。若いころから親しんできた関西の笑いとは違う、東京の喜劇への挑戦だ。 「子どものころは男の子みたいにやんちゃな自然児でしたし、大ボケな面もあるのですが、そんな私をみなさんは知らないと思います。イメージと実際の私は違うんだろうなぁと、デビューからずっとそのギャップの中で生きてきたような気がします。この際ですね、芸達者な面々にイジり倒してもらって、素顔を引き出してもらいたい。私ってホンマはこんなんですよぉ、って」
2017年05月19日昨年、第29回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門でワールドプレミア上映され話題をさらった映画『星くず兄弟の新たな伝説』が、2018年正月に劇場公開されることが決定した。近未来のサイバーな東京の下町。しがないバーのオヤジになってしまったシンゴは、かつての星くず兄弟の栄光を夢見ていた。地球でダメでも月ならもう一度スターになれるチャンスがあると、売れっ子DJとなってしまったカンを誘って、月世界へ旅立つ。月で彼らを迎えたのは、どうしようもなくダメな芸能プロの「アストロ・プロモーション」。社長のアストロ南北はかつて地球で売れっ子スターだったと自称するが、この事務所にはウサコ、チェリー喜美雄というパッとしない2人のタレントだけ。しかも新・星くず兄弟の初ステージは場末のショーパブ。すっかり意気消沈した2人に、酔払い老人が声を掛ける。「スターになりたかったら、ロックの魂を探せ」。こうしてスターダスト・ブラザーズの2人は、謎のロックの魂を求めて月世界を冒険。一方、月の芸能界を支配する組織「フラッシュバブル」の女ボス・ベタール卑美子と片腕チェザーレ伊東は、星くず兄弟の活躍を封じるべく、始末屋を送り込む。果たして、2人はロックの魂を手に入れることはできるか?またスターになることはできるのか――?本作は、1980年にデヴィッド・ボウイのアルバム「ジギー・スターダスト」にインスパイアされて近田春夫が発表したアルバムを、1985年に手塚眞が映画化し熱狂的人気を博した『星くず兄弟の伝説』を再び同コンビがタッグを組み復活させたロック・ミュージカル映画。リメイクでも続編でもない、まったく新しいコンセプトによる新作『星くず兄弟の新たな伝説』は、近未来を舞台にスターダスト・ブラザーズというロッカー2人が月へ行ったり女性になったり西部劇をしたりと、想定外の冒険と活躍をする奇想天外なストーリー。もちろんミュージカルである本作は、ロックやポップスの新曲がたくさん。気分よく音楽にノリながら予測不可能なストーリーにふりまわされる、まったく新しいタイプの日本映画となっている。新たな伝説でカンとシンゴを演じるのは、「仮面ライダーオーズ/OOO」や『るろうに剣心 京都大火編』の三浦涼介と、「仮面ライダーキバ」や『クローズZERO』の武田航平。ヒロインには天才子役から実力派女優へと転身を遂げた荒川ちか。さらに、オリジナルキャストの高木完、久保田慎吾、ISSAY(「Der Zibet」)も再登場し、また昭和の元祖ロックスター「ザ・スパイダーズ」メンバー井上順をはじめ、夏木マリ、浅野忠信、野宮真貴(元「ピチカート・ファイヴ」)、ラサール石井、内田裕也といったロック魂全開の個性派な豪華メンバーも顔を揃える。『星くず兄弟の新たな伝説』は2018年正月、テアトル新宿ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2017年03月18日6月2~27日(12・19日は休演)に東京・新橋演舞場で公演される舞台『熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第4弾「消えた目撃者と悩ましい遺産」』の制作発表が7日、都内で行われ、三宅裕司、渡辺正行、藤原紀香、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之が出席した。"抱腹絶倒の東京喜劇"をテーマに、前身の「伊東四朗一座」を立ち上げて以来、多くの観客を集めてきた人気興行の「熱海五郎一座」。新橋演舞場に進出して4年目を迎える今年は、ヒロインに藤原紀香を迎えて笑いあり涙ありアクションありのミステリー爆笑エンターテイメントをおくる。今は銀座の高級クラブで働く元夫婦デュオでボーカルを務めていた京香(藤原)の周りに、医者や僧侶、弁護士や検事といったきな臭い男たちがうごめく。そんな彼女の元に次から次へとミステリアスな出来事が降りかかる、というストーリーとなっている。座長を務める三宅は「去年は評判がすごくよくて、5万人動員できました。都知事だった方(舛添要一元東京都知事)が色んなことを言っていただいて面白くなりましたね。今年も何とか前都知事(石原慎太郎)と現都知事(小池百合子)のバトルがヒートアップして、何かいい一言が欲しいですね(笑)」と笑わせつつ、藤原を起用した理由について「美しさと笑いという落差の大きなものが作れるだろうと思いました。高校時代は落研にいらしたみたいでお笑いが大好きみたいですから、ズッコケの方で落差が生まれると思います。素晴らしい落差をたくさん利用していただき、最高のボケ女優になっていただきたいですね」と期待を寄せた。それを受けた藤原は「オファーを受けてすごく幸せでした。三宅さんからは新たな一面を引き出すと言われたので、少しでも違った一面が自分でも発見できればと思っています」と抱負を。同舞台で初めて経験する東京喜劇は「初めてなので皆さんのエキスをチューチュー吸いながら稽古や本番ともども頑張っていきたいです」と意欲を見せ、「やるからには身も心も染まり、最高のボケ女優を目指して頑張っていきたいと思います!」と力を込めた。藤原の元旦那役を演じる渡辺は「今からどういうキャラクターにしようか考えていますが、元旦那の方ということは、あの方(陣内孝則)をイメージしています(笑)」と藤原を凍らせるも「本番ではそういうことがないようにしっかりとした笑いを取っていきたいと思います」と決意を新たにしていた。同舞台は、6月2~27日(12・19日は休演)の期間で東京・新橋演舞場で公演される。
2017年03月08日シェイクスピアの歴史劇で第一部だけでも約3時間、二部を通しで観たら6時間超…。そう聞くと、何かの修行?と感じそうなものだけれど、'09年の『ヘンリー六世』からスタートした新国立劇場のこのシリーズは、長時間もまるで苦にならないほど、めっぽう面白い。「最初に台本を読んだ時は、堅いし難しいし、まったくセリフが頭に入ってこなくて大変でした。でも、稽古場で人が口にした途端に、言葉がものすごくエネルギーを放ち始めたんです。セリフの裏にある役の背景が見えてきたり、口にしていることとは真逆の気持ちが生まれてきたり。シェイクスピアは400年経っても何も変わらない人間の根底を描いているんですよね。観れば、こういう人いるな~とか、うちの家族もこんな感じだな~とか、きっと、舞台を斜めに見ながら笑ったり共感したりしてもらえると思います。頭で難しく考えるより、むしろ感覚的に観ていただくほうが、わかりやすく楽しめるのかもしれません」そう話すのは、いまやこのシリーズになくてはならない浦井健治さん。これまでにヘンリー六世、ヘンリー七世を演じてきたが、今回は『ヘンリー四世第一部-混沌-・第二部-戴冠』で同じ血脈に繋がるヘンリー五世に扮する。「イングランドの歴史のなかでも偉大といわれる王様ですから、高貴で気高い人物を思い描いていたんです。でも、王子時代のハル(後のヘンリー五世)にはそのイメージが全然なくて、それまで考えていた役作りは全部白紙に(笑)。先輩方からいろいろアドバイスをいただいて、もう一度台本と向き合ってみると、対峙している相手とは別の人に自分の考えを伝えようとして意図的にしゃべっていたり、言っていることと考えていることが真逆だったりすることがわかってきて、なんて複雑でひねくれた人物なんだろうって。でもいまは、ハルのそんなところに、興味を惹かれています」浦井さんをはじめ、岡本健一さんや中嶋しゅうさんなど、共演者の多くはシリーズを通じて出演しているお馴染みの面々。「心にゆとりがあって、お芝居が好きで、何より作品をいいものにすることを第一に考えているような先輩方ばかり。いまは、皆さんにぶつかるだけぶつかって、ときどきとっ散らかる自分を楽しんでいます」◇うらい・けんじ1981年、東京都生まれ。近作にミュージカル『王家の紋章』、舞台『アルカディア』など。来年2月にはミュージカル『ビッグ・フィッシュ』出演が決まっている。ジャケット¥48,000 カットソー¥13,000パンツ¥19,000(以上DISTICTION MEN'S BIGI/メンズビギ リミテッド 有楽町マルイ店 TEL:03・6738・3801)その他はスタイリスト私物◇'09年に上演され、数々の演劇賞を受賞した『ヘンリー六世』。その続編『リチャード三世』が'12年に上演された際には、同じ役を同じキャストが演じ、歴史の流れが掴みやすいと評判に。今回の『ヘンリー四世』は『~六世』の前の時代の物語。浦井さんは今回、以前に自身が演じたヘンリー六世の父を演じることになる。写真は、'09年『ヘンリー六世』より。撮影:谷古宇正彦◇11月26日(土)~12月22日(木)初台・新国立劇場 中劇場作/ウィリアム・シェイクスピア演出/鵜山仁出演/浦井健治、岡本健一、ラサール石井、中嶋しゅう、佐藤B作ほか二部作通し券1万6000円(S席)S席8640円A席6480円B席(注釈付2階席)3240円*すべて税込み新国立劇場ボックスオフィス TEL:03・5352・9999(10:00~18:00)写真は、'12年『リチャード三世』より。撮影:谷古宇正彦※『anan』2016年11月23日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・宮崎智子ヘア&メイク・山下由花インタビュー、文・望月リサ
2016年11月21日コミック連載40周年を迎えたことを記念し、8年ぶりとなる新作アニメを放送する「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。この度、9月に放送されるアニメの内容がついに明らかになった。ここは葛飾区亀有公園前派出所。また商店会の面々にボーナスをむしり取られ、ふて腐れている両津勘吉。テレビでは、アッタカイーノ王国のサブリナ王女の来日が伝えられている。そんなことに全く興味のない両津は、いつものように超神田寿司のアルバイトに励んでいる。すると出前の途中で、誘拐事件に遭遇する。誘拐犯から助け出した少女は、なんと超神田寿司の孫娘・擬宝珠檸檬にそっくりなサブリナ王女だった。檸檬とサブリナはすぐに意気投合。日本文化に興味があり下町を見たいというサブリナ。檸檬は、サブリナのために両津を巻き込んだある作戦を考える。欲に目がくらんだ両津は、同僚の中川圭一と秋本麗子を巻き込み作戦を実行する。次の日、両津の案内で下町見物を堪能し大喜びのサブリナ。しかし、犯人グループは王女誘拐を諦めていなかった。誘拐事件が、下町を巻き込んだ大騒動に発展! 両津は下町を、みんなを守れるのか…!?「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、1976年に読み切りとして掲載され、その後連載が開始された国民的ギャグ漫画。2006年に連載30周年を迎え、2013年には連載通算1,800回を突破。本作の新作アニメが放送されるのは、2008年に放送されたスペシャル番組「こちら葛飾区亀有公園前派出所 目指せ! 亀有スーパースター!! 両津式アイドルへの道」以来、8年ぶりだ。新作となる今回のアニメは、アルバイトで寿司を出前中の両津勘吉が、誘拐犯に襲われる少女を救出したところから始まる。その少女は、なんと来日中のアッタカイーノ王国の王女・サブリナ。しかし、救出したはいいが誘拐犯たちは王女誘拐を諦めていなかった。そして誘拐未遂事件は、やがて下町全体を巻き込み、追いつ追われつの国際的大騒動へとエスカレートしていくというストーリー。大原大次郎、中川圭一、秋本麗子ら、派出所の面々はもちろん、両津の祖父・勘兵衛や擬宝珠(ぎぼし)一家、さらに爆竜大佐や、警視庁・特殊刑事課の刑事たちまでもが事件に関わることとなり、スペシャルアニメならではの「こち亀」オールスターが集結! ドタバタコメディーなストーリー展開、そして、東京の下町を元気に走り回る両津の活躍に期待だ。さらに今回は「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載40周年記念ということもあり、ジャンプアニメでおなじみのゲスト声優陣の出演も決定! サブリナ王女には、「NARUTO-ナルト-」のうずまきナルト役の竹内順子、誘拐犯リーダー役には、「キン肉マン」「北斗の拳」「シティーハンター」の神谷明、3人の誘拐犯部下役には、「SLAM DUNK」桜木花道役の草尾毅、「トリコ」のトリコ役の置鮎龍太郎、「BLEACH」の黒崎一護役の森田成一と、豪華声優陣が集結。すでに発表されている「こち亀」おなじみメンバー、ラサール石井(両津勘吉役)、森尾由美(秋本麗子役)、宮本充(中川圭一役)、佐山陽規(大原大次郎役)らとどのような掛け合いを見せるのかも楽しみにしたい。また本作を手掛けるしぎのあきら監督は「両さんが、どれだけ元気よく動き回るかが、一番の見どころだと思っています。そして、8年ぶりに戻ってきたレギュラーたちの活躍にも注目してほしいです」と見どころを語り、「期待を裏切ることのないよう、スタッフ一同、リオ五輪の声援に負けないように頑張っています。『こち亀』は、漫画界の金メダリストです!!」とメッセージを寄せていた。スペシャルアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(仮)は9月18日(日)9時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2016年08月08日9月に上演される舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のPVが7月22日(金)に公開された。1976年にスタートし、現在も連載中の秋本治による国民的ギャグ漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、通称「こち亀」。週刊「少年ジャンプ」連載40周年を迎える今年に、1999年の初の舞台化から10年ぶり5度目の舞台化が実現。テレビアニメ「こち亀」にて主人公・両津勘吉の声でお馴染みのラサール石井が脚本・演出・主演を務めている。キャストには、主演のラサールさんほか、原作でもお馴染み、派出所の美男子担当・中川圭一役にユージ、派出所の美女担当、秋本・カトリーヌ・麗子役に原幹恵が参加。先日公開されたキャストビジュアルも、キャラクターの再現度の高さにSNSなどでは驚きの声が起きていたばかりだ。本日公開されたPVは、七夕の日に行われた「大成功祈願イベント」の際に亀有で撮影したもの。ラサールさんたちはもちろん、舞台版オリジナルキャラクターの向島三四郎役を演じる池田鉄洋や、生駒里奈(乃木坂46)、特殊捜査部隊「SOT」役の青柳塁斗、味方良介、章平、北園涼、福澤侑らキャスト10名がキャラクターに扮して登場している。亀有商店街、香取神社といった地元の風景のなかに、キャラクターたちが地元の人々とともに、歌い、踊る、楽しいビデオとなっている。舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、 東京公演が9月9日(金)~AiiA 2.5 Theater Tokyoで、大阪公演が9月23日(金)~サンケイホールブリーゼにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年07月22日アイドルグループ・乃木坂46の生駒里奈が7日、都内の神社で行われた舞台『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の大成功祈願&七夕短冊飾りに、ラサール石井、原幹恵ら共演者らとともに出席した。『週刊少年ジャンプ』で連載40周年となる秋本治原作の国民的ギャグマンガが10年ぶりに舞台化された同作で、サキを演じる生駒は、意気込みを聞かれると「私は、毎週『ジャンプ』を買っているジャンプファンで、その中で40年の歴史を持っている作品に携われることに、鼻血が出るほどうれしいです。今日、こうやって取材を受けていることも、暑いから夢なんじゃないかなって思います」と喜びを語り、「自分の力はまだまだ伸ばしていかないといけないので、一生懸命、こち亀に華を添えられるように頑張りたいと思います」と気合を入れた。また、秋本・カトリーヌ・麗子を演じる原は「毎週日曜日のアニメを楽しみにしていた世代なので、こうして『こち亀』の舞台に出させていただけることは夢のようなことでとても嬉しいです」と笑顔を見せつつも、「原作ファンの方に麗子として受け入れていただけるかどうか、緊張しています」と吐露。「もちろんそこは壊さないようにしつつ、私なりの麗子も皆さんに気に入っていただけるように頑張って行きたいと思います」と意気込みを語った。さらに、七夕にちなみ、願いごとを短冊に書いて笹に飾るという企画も行われ、"筋肉がつきますように"と願いごとを書いた生駒は「筋肉量を計ったらすごく低かったので、まず(稽古に)ついていけるようになるまで(筋トレを)頑張りたいと思います」と抱負を語り、石井から「(乃木坂46で)踊っているだけでも筋肉は付くんじゃないの?」と突っ込まれると、「それにも付いて行けなくなってしまって…。昔はフワフワ系(のダンス)だったんですけど、最近はずっと跳ねる系で、そうしたら腰が痛くなってヤバいなって」と告白し、共演者らの笑いを誘った。このほか、同イベントにはユージ、池田鉄洋、青柳塁斗、味方良介、章平、北園涼、福澤侑も出席した。同舞台は東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて9月9日から19日まで、大阪・サンケイホールブリーゼにて9月23日から25日まで上演。
2016年07月07日女優の黒木瞳が初めてメガホンをとった映画『嫌な女』初日舞台挨拶が6月25日(土)、丸の内ピカデリーにて行われ、出演する吉田羊、木村佳乃、中村蒼、古川雄大、ラサール石井が黒木監督とともに顔を揃えた。観客からの「おめでとう」の声に、黒木監督は感極まり、「私たちが皆さまを笑顔にさせたいと思ったのに、皆さまから笑顔をもらいました」と声をつまらせた。本作は、桂望実氏の同名ベストセラー小説を黒木監督が構想4年をかけて映像化したもの。敏腕弁護士と天才詐欺師という境遇も立場も違う対照的な女性が出会い、詐欺師が抱える問題を次々に弁護士が解決していくという、笑いと涙の人生リセット・エンターテインメント。主演の吉田さんや木村さんをもってして「厳しい監督」と評された黒木監督だったが、自身も、「撮影に入ってから帰ろうかなと思ったのも正直、1日あります」と明かし、「でも私の背中を押してくれたのはスタッフ、キラキラした演技を見せていただいた俳優、そして笑顔になってくださるだろう観客です」と、感謝の気持ちを言葉で示した。とはいえ、やはり初日は緊張したようで、「出演しているときといまの立場は全く違うので、いま、大変緊張しています。女優と変わらない気持ちになるように、朝、焼きそばを食べてきました(笑)」と、朝からがっつり食して万全の態勢で臨んだという。黒木監督の演出で驚いた点を訪ねられた吉田さんは、「女優が女優を撮るので演出にもちょいちょい瞳さんの芝居の要素が入ってきます。瞳さんは音にこだわる方で、ナレーション収録のときに『羊ちゃん、いまの音はド、レ、ド、ド、でお願い』と言われて(笑)」と、意図を理解するのに苦労したと言えば、黒木監督は必死にその場で解説を始めた。観客もポカンとする中、ラサール石井さんが「全然分かんない」と口火を切ると、中村さんも「楽譜を全然読めないので…」と、困惑顔。黒木監督はミュージカル俳優の古川に助け船を求めるも、「僕、ミュージカルをやってるんですけどちょっと分からない、すいません(笑)」とにべもない態度をとられ、「え~」と立ち尽くした黒木監督だった。『嫌な女』は全国にて公開中。(cinamacafe.net)
2016年06月25日「週刊少年ジャンプ」(集英社)において、1976年より現在も連載中の秋本治原作の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。この度、原作連載40周年を記念して、8年ぶりに新作テレビアニメが放送されることが決定した。主人公の警察官・両津勘吉が勤務する亀有公園前派出所を舞台に繰り広げられる、ギャグ要素たっぷりのコミカルなストーリーと個性的なキャラクターが魅力の本作。40年間における週刊連載で、1度も休載しておらずコミックスの総発行部数は累計1億5650万部にものぼり、幅広い世代から愛されている大人気作品だ。ア二メは1996年にレギュラー放送がスタートし、2004年に惜しまれつつも終了。その後は不定期に特別番組として数回放送されたが、この度、2008年以来8年ぶりの放送となった。また、声優にはラサール石井(両津勘吉役)、森尾由美(秋本麗子役)、宮本充(中川圭一役)、佐山陽規(大原大次郎役)といったお馴染みのキャストが大集結している。そして今回の放送決定に併せて、新作のキービジュアルも公開! 浅草やスカイツリーをバックに自転車で爆走する両津勘吉の姿が描かれ、今作も大アクションドタバタコメディーが展開されていくと予想される。プロデューサー・高橋知子は「原作40周年をぜひアニメでも盛り上げたい! ということで8年ぶりにアニメの制作が決まりました」と経緯を話し、「これまでの設定を生かしながらスカイツリーなどリアルな2016年の世界観をふんだんに取り入れて制作しています。懐かしいけど新しい2016年のこち亀をどうぞお楽しみに!」とメッセージを寄せた。先日、10年ぶりに本作の舞台化が決定し、ラサールさん以外のキャストを一新した新キャストが発表されこちらも話題。今回のア二メ放送決定でさらに“こち亀”ファンを沸かせそうだ。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(仮題)は2016年、フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年06月20日桂望実のベストセラー小説を原作に、女優・黒木瞳が初めて映画監督に挑戦した映画『嫌な女』。この度、全国公開を前に6月15日(水)、完成披露プレミア試写会が行われ、黒木監督と主演の吉田羊と木村佳乃が登壇し会場を沸かせた。石田徹子(吉田羊)は弁護士。仕事も結婚生活もうまくいかず、心に空白と孤独を抱えた日々を過ごしていた。そんなある日、婚約破棄で慰謝料を請求されたという女性が徹子の元に訪れる。女性の名は小谷夏子(木村佳乃)。徹子の同い年の従妹だった。夏子は男をその気にさせる天才。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。この日以来、徹子は生来の詐欺師の夏子に振り回され…。この日行われた舞台挨拶に、ゴージャスにドレスアップした黒木監督と映画初主演となる吉田さんと木村さんが登壇が登場すると、会場からは大きな拍手と共に、感嘆の声が沸き起こった。初監督に挑戦した黒木さんは「今日は奇跡の日です! いろいろなことに『丸』がひとつずつ積み上げられて、今日を迎えることができました」とまず感謝の気持ちを述べた。そして質疑応答にて、撮影中に一番しんどかったことは?という黒木監督からの問いに吉田さんは「台本を読んで一番これが山場になるだろうなと思ったシーンが撮影初日のファーストシーンだったこと」と回答。対して黒木監督は「すみません(笑)女優は体力あるうちに大事なシーンを撮っておいたほうがよいと思いまして…」と話すも「でもあのシーンを乗り越えたからこそ1か月を乗り切れたような気がします。瞳さんの計画勝ちだなと思いました」と吉田さんが続けた。また、劇中では吉田さんと木村さんのバトルシーンがあるそうで、吉田さんは「佳乃ちゃんが私を叩くシーンがあるんですけど、本当に叩くのがうまいんですよ!叩き慣れてるなって(笑)」と感心したと話していたが、続けて木村さんは「本気で当ててと言われたので叩かせていただいたんです。でも、叩いた後のふり向いた羊ちゃんの顔が怖くて!(笑)」とふり返った。さらにそのバトルの中には、吉田さんが「あんたってほんと死神みたいな女ね」と言うシーンがあるそうで、「散々バトルして疲労困憊で息が上がりながらそのセリフを言ったら、 瞳さんが『森進一さんみたいだから抑えて!』と言われて(笑)」とダメ出しされたと明かす。何回も撮り直したシーンということもあって印象深い場面となっていたようだ。さらに黒木監督は今後について「羊ちゃん佳乃ちゃんと女優同士でキャッチボールしたらどんな感じになるんだろうと、すごく刺激的になるんだろうなと思います。 芝居を見せていただいたので、興味深々です」と女優同士での再タッグも希望していた。今回は撮影以来、久しぶりの再会となった3人。軽快なトークが繰り広げられ、 笑いの絶えない和やかな舞台挨拶となっていた。吉田さん演じる徹子と木村さん演じる夏子。境遇も立場も違う対照的な2人の女性の人生のケミストリーを鮮やかに描き出し、女性の強さと友情をコミカルかつ情感豊かに謳いあげている本作。この2人のほかにも、中村蒼、佐々木希、田中麗奈、ラサール石井、袴田吉彦、寺田農ら豪華キャストたちが登場し脇を固めている。『嫌な女』は6月25日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年06月16日ラサール石井が脚本・演出・主演を務め、10年ぶりに舞台化される「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。このほど、「乃木坂46」の生駒里奈が、本舞台にオリジナルキャラクターの謎の少女・サキ役として出演することが決定。「乃木坂46」以外の舞台は初挑戦となることが分かった。週刊「少年ジャンプ」(集英社)にて連載40周年を迎える「こちら葛飾区亀有公園前派出所」といえば、秋本治による国民的ギャグ漫画。葛飾区亀有の下町を題材とし、主人公の両津勘吉を中心にさまざまな時事ネタや流行を取り入れた本作は、コミックスの発行部数は累計1億万部を超え、これまでTVアニメ化や実写ドラマ・映画化などでも幅広く愛されてきた。今回、1999年の初の舞台化から、10年ぶり5度目となる本作。脚本・演出を手がけ主人公・両津勘吉役をおなじみラサールさんが演じるほか、派出所の美男子担当・中川圭一役にユージ、秋本・カトリーヌ・麗子役に原幹恵、向島三四郎役に池田鉄洋らが出演するなど、注目を集めている。そんな中、ストーリーの鍵を握る、舞台オリジナルキャラクターの少女・サキを演じることになった生駒さん。これまで、映画『コープスパーティー』で初主演を果たしていたが、「乃木坂46」以外の舞台出演は今回が初めて。生駒さんは、「もともと『ジャンプ』が大好きで、そのご縁でTX『特捜警察ジャンポリス』のレギュラーもやらせていただいてますが、まさか『こち亀』の舞台に出られる日がくるなんて思っていなかったので、とても嬉しいです」と喜びをコメント。「『ジャンプ』が大好きな一員として、また、40周年という私より20年も先輩の作品の記念公演に華を添えられるように、サキ役を精いっぱい演じさせていただきます!頑張ります!」と熱い意気込みを明かしている。連載40周年特別企画舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、9月9日(金)~19日(月・祝)AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京)、9月23日(金)~25日(日)サンケイホールブリーゼ(大阪)にて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年06月13日週刊「少年ジャンプ」(集英社)にて連載40周年を迎える「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が、この度10年ぶりの舞台化を決定。脚本・演出・主演にラサール石井、そしてユージ、原幹恵、池田鉄洋らを迎えることも明らかとなり、さらに併せてキャラクタービジュアルが解禁された。原作は、1976年にスタートし、現在も連載中の秋本治による国民的ギャグ漫画。葛飾区亀有の下町を題材とし、主人公の両津勘吉を中心に様々な時事ネタや流行を取り入れた本作は、連載開始から一度も休載されることなく、2016年秋、遂に前人未到の連載40周年を迎える。コミックスの発行部数は累計1億万部を超え、これまでTVアニメ化や実写ドラマ・映画化など幅広く展開し老若男女に愛されてきた。舞台版としては1999年の初の舞台化から、今回は10年ぶり5度目となった。キャストには、主演のラサールさんほか、原作でもお馴染み、派出所の美男子担当・中川圭一役にモデルとして活躍し、現在はバラエティなどで活躍するユージさん、派出所の美女担当、秋本・カトリーヌ・麗子役に「エイジハラスメント」などドラマ、バラエティ、グラビアで幅広く活動する原さんが参加。もともと原作が好きだったというユージさんは、今回のオファーを受け「海パン刑事かな!と思ったのですが、まさかの中川役でびっくりでした!!」と驚いたという。「ただ、僕はお金持ちではないですけど、家柄、アメリカ育ち、体型などなど、実は中川との共通点が多くて…。これはもう適役ですね!(笑)」と自ら語っていた。また原さんは、子どもの頃ア二メを見ていたそうで「翌週からの元気の源であり、生活の原動力でした!まさかそんな作品に…しかも!?麗子役で出演できるなんて、とても嬉しく思いつつも、今からドキドキです!自分なりの麗子を作っていきつつも、皆さんのイメージを崩さないように頑張っていきたいと思います!!」と意気込みをコメントした。そして、舞台版オリジナルキャラクターとして、両さんとコンビを組む向島三四郎役に池田さんが。また、「ミュージカルテニスの王子様」で向日岳人演じた青柳塁斗(RYO役)、味方良介(Wake役)、章平(MAKOTO役)、北園涼(HIROSHI役)、福澤侑(SATOSHI役)が、イケメン特殊捜査部隊「SOT」として出演。2003年版ではシルバー大佐を好演した池田さんは、「念願の舞台版『こち亀』復活!原作好きの方に声を大にしてお伝えします。この舞台化、ガッカリさせません。ラサール石井さんの『こち亀』愛はホンモノですから。笑えます、泣けます、震えます!『こち亀』ファン必見の舞台です」と熱いメッセージを寄せている。またラサールさんは「初演からご出演頂いていた皆さんは、私含め、年取ったので…(笑)、本公演は私以外一新しよう!ということで、キャストをほぼ総入れ替えしてみました」と今回のキャスティングを説明。「ただ、初演から中川を演じていた伊藤明賢が今回は一転海パン刑事を演じることに!ほかのキャスト陣もかなりイメージ通りで、豪華なメンバーが集まったのでお楽しみに!」と期待膨らむコメントを残した。連載40周年特別企画舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は9月9日(金)~19日(月・祝)AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京)、9月23日(金)~25日(日)サンケイホールブリーゼ(大阪)にて上演。(cinemacafe.net)
2016年06月06日俳優の高橋一生がこのほど、東京・六本木のテレビ朝日で行われたウェブ限定動画『民王 番外編 秘書貝原と6人の怪しい客』(22日24:10配信開始、全6話)の制作発表会見に登場し、菅田将暉から受けたドッキリの衝撃を振り返った。今作は、遠藤憲一演じる総理大臣と菅田演じるおバカな息子が入れ替わってしまうという同局系ドラマ『民王』に登場する、高橋演じる総理秘書・貝原茂平を主人公にしたショートドラマ。この第3話(5月6日配信分)の撮影で、出演する予定のなかった菅田が、高橋の前に突然登場するというドッキリを仕掛けた。高橋は、この時のことを「生まれて初めてドッキリを仕掛けられて、(驚くと)本当に固まっちゃうんだな」と感想。ドッキリ後は、あまりの動揺に「(芝居が)めちゃくちゃになっちゃったんじゃないかなと思ったんですけど、後から(映像を)見たら、なんとか必死に藁(わら)をもつかむ思いで、皆さんにお芝居を振って…(笑)」と、自らの姿を苦笑いして振り返りながら、「でもお芝居の楽しさってああいう突発的なことにも対応しなくちゃいけないこともあるので、楽しくやれたかなと思います」と満足の表情を見せた。このドッキリは、高橋以外全員が知っていたそうだが、セットの裏で菅田がスタンバイしている時にトラブルが発生し、思わず監督が走って行ってしまったため、共演のラサール石井は「完全にバレた…」と冷や汗。それでも、高橋は気づかなかったそうだ。ラサールは、ドッキリ当時の高橋のリアクションを「ちょっと泣きそうになってましたね。菅田君が出てきてくれたことへのびっくりと感動とドギマギがあって、すげぇ面白い高橋君が見られる」と予告。しかし、すぐに役の貝原に戻ったのを見て「あれがすごかった」と絶賛した。『民王 番外編 秘書貝原と6人の怪しい客』は、矢野聖人演じるおバカな若手2世議員・鶴田航の教育係に就いた貝原の苦悩と奮闘を描くストーリー。高橋は「(菅田演じる)翔君は本編で『ただのバカじゃないです』っていうセリフがあったんですけど、(鶴田は)ただのバカなんで。本当に途方もないバカなので(笑)」と、磨きがかかった問題児ぶりを紹介している。また、内閣官房長官・狩屋孝司役の金田明夫など、おなじみのキャストに加え、航の世話をする秘書・花山夏樹役にラサール、もう1人の秘書・新妻結花役に佐津川愛美が登場し、各話にも"怪しい陳情客"として、野間口徹、橋本さとし、六平直政、新妻聖子といった面々がゲスト出演。高橋は、会場に集まった『民王』ファンに「続編のためにお芝居をしたつもりです」と呼びかけていた。
2016年04月22日