LEGARE主催、『シプリアン・カツァリスピアノリサイタル ~ラフマニノフへのオマージュ~』が2023年12月3日 (日)に大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス(大阪府豊中市庄内幸町1-1-8)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ Twitter Facebook 1951年、フランスのマルセイユで生まれたキプロス系のフランス人、シプリアン・カツァリス、日本ではEテレ(NHK教育テレビ)「 ショパン を弾く」への出演で広く人気を博しました。演奏家生活50年を越えなお現役、円熟を究める名手です。1985年以降、来日は30回以上を数え、しなやかなフォームで繰り出す冴えわたる技巧に、指先が歌うメロディの香り高さが持ち味、ステージ上では魅力あふれるエンターテイナーでもあります。また「ベートーヴェン:交響曲全集」(リスト編曲)の録音では、他のピアニストがあえて手掛けないような超絶技巧曲を、さらに自身で音を足すなど魔術的な技巧と表現で披露し、クラシックファン、ピアノファンの度肝を抜いてきました。ピアノという楽器の表現の可能性を極限まで追及することが楽しくてたまらない、超個性派で孤高の存在、独自の道を行く『鍵盤の魔術師』。それがシプリアン・カツァリスです。今回の来日公演では、生誕150周年の作曲家ラフマニノフを、ピアニストであり、同時に作曲家でもあるカツァリスの視点でクローズアップ。あふれる歌心と詩情に共通項を持つシューベルトの「即興曲集」、ラフマニノフ「幻想小曲集」等の小品に、愁いの美が立ち上ぼる自作曲「さよならラフマニノフ」がカツァリスからの音のメッセージです。芸術の秋、大ベテランならではのピアノをお聴き逃しなく!シプリアン・カツァリス(ピアノ)Cyprien Katsaris, Piano1951年マルセイユ生まれのキプロス系フランス人ピアニスト兼作曲家。4歳からマリー=ガブリエル・ローワースにピアノを習い始めた。パリ音楽院卒。アリーネ・ヴァン・バレンツェンおよびモニーク・デ・ラ・ブルッコレリーに師事。ルネ・リロイおよびジャン・ヒュボーに室内楽を師事。1977年ブラティスラバでインターナショナル・ヤング・インタープリターズ・ロストラム・ユネスコで優勝、1974年ヴェルサイユでシフラ国際コンクール第一位受賞の他、1972年ベルギーのエリーザベト王妃国際音楽コンクールでは唯一の西ヨーロッパ人受賞者となった。カツァリスは、ベルリン・フィルなど、世界の著名なオーケストラや、レナード・バーンスタイン、クルト・マズア、チョン・ミョンフン、サイモン・ラトルなどの指揮者と共演。1984年ドイツでベートーヴェン作曲/リスト編曲の「交響曲第九番」で「レコード・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞した。テルデックとの録音を始め、これまで、ソニー・クラシカル、EMI、ドイチェ・グラモフォン、BMG-RCA、デッカ、パヴァーヌなどと数多くの録音を行い、現在は自身のレーベル「PIANO21」で録音を行っている。1992年、NHKは、シプリアン・カツァリスと共同で、フレデリック・ショパンについてカツァリスによるマスタークラスの番組を制作、その個性的なレッスンに多くの若いピアニストが魅了された。2008年8月、カツァリスは北京オリンピック開催時に招かれ、国家大劇院で演奏会を2回行い、新しく作られた、10台のピアノとオーケストラのために作曲した協奏曲の世界初演に加え、オリンピックの普遍性に敬意を表して古代ギリシャの旋律と中国の旋律を用いて即興演奏し、絶賛された。1997年に「ユネスコ平和芸術家」に任命され多くの関連のコンサートに参加している。大阪音楽大学客員教授。シプリアン・カツァリス公演概要 『シプリアン・カツァリスピアノリサイタル ~ラフマニノフへのオマージュ~』公演期間:2023年12月3日 (日)会場:大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス(大阪府豊中市庄内幸町1-1-8)■出演者シプリアン・カツァリス(ピアノ)CyprienKatsaris,Piano■スタッフ主催:LEGARE共催:大阪音楽大学付属音楽院企画制作:LEGARE協力:ヤマハミュージックジャパンマネジメント:おふぃすベガ■公演スケジュール12月3日(日)18:30開演※開場は、開演の30分前です。※上演時間:約2時間■チケット料金一般:4,000円学生:2,000円 ※4才から大学生まで(全席指定・税込)※4才からご入場頂けます※学生チケットにてご来場の方は、公演当日、年齢の分かる証明書を携行ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月06日世界音楽遺産実行委員会主催、『松本和将の世界音楽遺産シリーズ第7回ラフマニノフ編-帰るべき場所-』が下記の通り上演されます。【岡山公演】2023年9月2日 (土)/会場:ルネスホール(岡山県岡山市北区内山下1-6-20)【愛知公演】2023年10月9日 (月・祝)/三井住友海上しらかわホール(愛知県名古屋市中区栄2-9-15)【愛媛公演】2023年10月14日 (土)/IYO夢みらい館文化ホール(愛媛県愛媛県伊予市米湊768-2)【東京公演】2023年10月21日 (土)/浜離宮朝日ホール(東京都中央区築地5-3-2)チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ Twitter Facebook 2016年から続くリサイタルシリーズ「松本和将の世界音楽遺産」。7回目となる今回のテーマは“ラフマニノフ”。ラフマニノフ生誕150年となる記念イヤーの今年、ラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番を最も重要なレパートリーの一つとする松本が、オール・ラフマニノフ・プログラムのリサイタルを開催。また、松本自身がこの公演のために特別に「ピアノ協奏曲第2番」をピアノ・ソロにアレンジ。東京公演ではラフマニノフが数々の作品を残した特別なピアノを借りて演奏する。ラフマニノフの人生を辿るプログラム、ご期待ください。「時々ふと思う。ラフマニノフは自分にとって始まりの場所であり、「帰るべき場所」だなぁと。そんなラフマニノフ自身には帰るべき場所はあったのだろうか。」-松本和将ラフマニノフのピアノ(東京公演で使用)ラフマニノフが、晩年の10年間、ニューヨークの自宅で所有していたピアノ。ウェストエンド・アヴェニューに住んでいた1932年から1942年ビバリーヒルズに居を移すまでの間、ピアノ協奏曲第4番や交響的舞曲の作曲、またそれまでに作曲した作品の改訂をするなど、数多くの作曲に使用されており、「ラフマニノフのピアノ」として最も有名な楽器である。このピアノはその後バーバーが所有し、ソナタ第1番などを作曲した。バーバーのソナタ第1番は、1948年に作曲され1950年にホロヴィッツが世界初演している。ホロヴィッツは何度かバーバーの家を訪ね、作曲途中のソナタについて「終楽章をフーガにしたほうが良い」などバーバーに助言したという記録が残っている。Tai Hasegawa氏所蔵。過去の公演プログラムS.ラフマニノフ作曲:・ピアノ協奏曲 第2番(松本和将によるピアノ・ソロバージョン/世界初演)・ヴォカリーズ・鐘・前奏曲 Op.23-2,4,5・楽興の時 第3番・コレッリ変奏曲※曲目、曲順は変更となる場合がございます。松本 和将(ピアノ)日本音楽コンクール優勝、全賞を受賞。ブゾーニ国際ピアノコンクール第4位、エリザベート王妃国際音楽コンクール第5位入賞。これまでにプラハ交響楽団、プラハフィル、ベルギー国立オーケストラ、読売日響、日本フィル、新日本フィル、東京交響楽団、東京フィルなど、多くのオーケストラと共演。室内楽にも積極的に取り組み、イザベル・ファウスト、前橋汀子、宮本文昭、漆原啓子、長谷川陽子、藤木大地、三浦一馬、塩谷哲など多くの名演奏家と共演。上里はな子、向井航とピアノトリオを結成し全国ツアーやオーケストラとの共演を重ねるほか、室内楽に特化した「愛知カンマームジークアカデミー」を創立し室内楽の普及と人材の育成にも努めている。これまでに2枚のレコード芸術特選盤(「展覧会の絵」「後期ロマン派名曲集」)を含む23枚のCDをリリース。東京音楽大学准教授、名古屋音大ピアノ演奏家コース客員准教授として、後進の指導にもあたっている。 @kazmatsuki松本和将世界音楽遺産「松本和将の世界音楽遺産」と題したリサイタルシリーズとして、毎年一つコンセプトを設定して開催。一年間1つのテーマを掘り下げることによって実現する、他の追随を許さない高度に凝縮された音空間は、多くの方から高い評価を受けている。公演概要世界音楽遺産実行委員会『松本和将の世界音楽遺産シリーズ第7回ラフマニノフ編-帰るべき場所-』■岡山公演2023年9月2日 (土)16:00開演(15:30開場)会場:ルネスホール(岡山県岡山市北区内山下1-6-20)<チケット料金>一般:3,500円、学生:2,000円(要学生証提示)(全席自由・税込)■愛知公演2023年10月9日 (月・祝)13:30開演(13:00開場)会場:三井住友海上しらかわホール(愛知県名古屋市中区栄2-9-15)<チケット料金>一般:4,500円学生2,500円(要学生証提示)(全席指定・税込)■愛媛公演2023年10月14日 (土)14:00開演(13:30開場)会場:IYO夢みらい館文化ホール(愛媛県愛媛県伊予市米湊768-2)<チケット料金>一般:4,000円学生:2,000円(要学生証提示)(全席自由・税込)■東京公演2023年10月21日 (土)15:00開演(14:15開場)会場:浜離宮朝日ホール(東京都中央区築地5-3-2)<チケット料金>一般:5,000円学生2,700円(要学生証提示)(全席指定・税込) ■出演者松本和将(ピアノ) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年08月27日今年2023年はラフマニノフの生誕150年のメモリアルイヤーだ。数多くの記念公演の中でも、ひときわ個性的な公演が、まもなく開催される「ラフマニノフ生誕150年&没後80年レクチャーコンサート」だ。トークと演奏によって、ラフマニノフの魅力を味わい尽くそうというこのコンサートは、これからラフマニノフに親しもうという方にもぴったり。20世紀の作曲家であるラフマニノフが、なぜクラシック界においてこれほどまでに人気が高く、多くの人々に受け入れられているのかを深掘りする試みが楽しみだ。演奏は、近年ますます円熟を増したピアニスト青柳晋と、脅威のエレクトーン奏者、神田将の共演というのだから興味深い。青柳のソロによる絶品のラフマニノフ作品に加えて、エレクトーンで奏でる『ヴォカリーズ』の美しさは圧倒的。そしてこの2人が共演するラフマニノフの代表曲『パガニーニの主題による狂詩曲』とは、いったいどのような展開になるのだろうか。オーケストラを凌駕するほどのエレクトーンの響きと、それに重なる切れ味鋭い青柳晋のピアノ。これはまさに前代未聞のラフマニノフ体験が期待できそうだ。「ラフマニノフ生誕150年&没後80年レクチャーコンサート」9月11日(月)15時開演(途中休憩あり/約2時間公演)千葉市美浜文化ホール2階メインホール【演奏予定曲】<オール・ラフマニノフ・プログラム>前奏曲嬰ハ短調「鐘」(青柳晋)ヴォカリーズ(神田将)パガニーニの主題による狂詩曲(青柳晋&神田将)タランテラほか青柳晋(あおやぎすすむ):ピアノニカラグア生まれ、米国で5歳よりピアノを始める。帰国後、全日本学生音楽コンクール全国大会で1位受賞。桐朋学園大学在学中に西日本音楽賞を受賞し、ベルリン芸術大学に留学。23歳でロン・ティボー国際コンクールに入賞後、パリ日本大使館、ラジオ・フランス、旧西・東ドイツ各地からアメリカに至るまで各地で演奏活動を展開。ハエン、アルフレード=カゼッラ、ポリーノの各国際ピアノコンクールで1位受賞。1997年頃より日本でも演奏活動を開始し、2000年には青山音楽賞と第28回日本ショパン協会賞受賞。これまでに10枚のソロアルバムをリリースし、いずれも高い評価を受けている。2006年よりリスト作品をメインに据えた自主企画リサイタルシリーズ「リストのいる部屋」をスタートさせ、今年は18回目を迎える。著名アーティストからの信頼も厚く、近年は室内楽奏者としても活躍の場を広げている。全国の主要オーケストラと協演。東京芸術大学教授で後進の指導に当たりながら幅広く演奏活動を展開中。神田将(かんだ ゆき)・エレクトーン1967年生まれ、東京都出身。たった1台のエレクトーンでフルオーケストラに迫るサウンドを奏で、電子楽器の常識を覆したエレクトーン奏者。とくにクラシック作品の演奏を得意とし、カザルスホールなどのクラシック音楽専用ホールでのリサイタルを2006年以来続ける。2001年10月には、IMC(国際音楽評議会)総会の初の日本開催にあたり東京芸術劇場で催された記念演奏会に出演し、世界各国の音楽関係者から高い評価を受けた。 2009年、2010年には中国上海国際芸術祭に出演、2009年から仙台クラシックフェスティバルに連続出演、2013年と2014年には霧島国際音楽祭に出演。これらはエレクトーン演奏家として史上初の快挙となった。また、ソロの演奏活動にとどまらず、ソプラノのサイ・イエングアンや二胡の姜建華をはじめとしたクラシック界のトップ・アーティストとも数多く共演し、その卓越した音楽性は世界的オペラ演出家ミヒャエル・ハンペにも絶賛された。公演の音楽監督、作編曲、演出の手腕にも定評があり、一流演奏家たちからの信頼も厚い。 そのほか、全国の小中学校への訪問コンサートを通じ、子供たちに音楽の真価を伝えるための活動も積極的に行なっている。
2023年08月14日共に子供時代からモスクワ音楽院の名ピアノ教授たちの薫陶を受け、“ロシア・ピアニズムの正当な継承者”とも讃えられるロシア音楽のスペシャリスト、上原彩子と松田華音のデュオ・コンサートが実現する。しかもプログラムは、デュオとソロによるオール・ラフマニノフとなればこれは気になる。2人のプロフィールを簡単に紹介しておきたい。上原彩子(Ayako Uehara)は、1998年の第12回チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門において、女性として、また日本人として、史上初の第一位を獲得た逸材だ。一方の松田華音(Kanon Matsuda)は、6歳でモスクワに渡り、ロシア最高峰の名門グネーシン記念中等(高等)学校において、外国人初の最優秀生徒賞を受賞し首席で卒業。モスクワ音楽院に日本人初となるロシア政府特別奨学生として入学し、2019年6月首席で卒業した俊英だ。共に小柄で華奢ながら、スケールの大きなピアニズムを持ち味に、ソロ演奏はもちろん、国内外のオーケストラとの共演を重ねる日本を代表するピアニストだ。プログラムには、ラフマニノフ20代半ばの作品から、死の3年前に書かれた最後の作品にして「最高傑作」のほまれ高い『交響的舞曲(2台ピアノ版)』までがずらりと並び、今年生誕150年のメモリアルイヤーを迎えたラフマニノフの真髄が楽しめること間違いなし。上原彩子&松田華音ラフマニノフピアノ・デュオ・リサイタル6月7日(水) 19:00サントリーホール〜オール・ラフマニノフ・プログラム〜12の歌 Op. 21より 第5曲「リラの花」変イ長調(松田)練習曲集「音の絵」Op. 39より 第6曲「赤ずきんちゃんと狼」イ短調(松田)楽興の時 Op. 16より 第6曲 ハ長調(松田)2台のピアノのための組曲 第2番 Op. 17 (1st 松田 & 2nd 上原)13の前奏曲 Op. 32より 第2曲 変ロ短調/第6曲 へ短調/第10曲 ロ短調(上原)交響的舞曲 (2台ピアノ版) Op. 45(1st 上原 & 2nd 松田)■チケット情報
2023年05月15日演奏はロシア歌曲の第一人者 遠藤桂一郎と新進気鋭のピアニスト 市居宥香Company Bene主催、現代音楽コンサート『エレクトリック・ラフマニノフ』が東京・名古屋の二会場で開催されます。【東京公演】 2023年5月9日(火)/杉並公会堂 小ホール(東京都杉並区上荻1丁目23-15)【名古屋公演】2023年5月17日(水)/長久手文化の家 風のホール(愛知県長久手市野田農)チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて4月5日(水)より発売開始です。カンフェティにて4月5日(水)よりチケット発売中【東京公演】 【名古屋公演】 公式ホームページ 今年生誕150年のラフマニノフの音楽をもとに、現代の気鋭の作曲家たちが同時代の音楽を新たに生み出す今年生誕150年を迎えるロシアのセルゲイ・ラフマニノフは、そのロマンチックな叙情性で世界中で愛されている作曲家である。そのラフマニノフのオリジナルの歌曲、ピアノ曲の演奏とともに、現代日本の世代の異なる4人の作曲家が電子音楽を通してラフマニノフを現代に新たに甦られる新作を世に問う。演奏はロシア歌曲の第一人者、遠藤桂一郎と新進気鋭のピアニスト、市居宥香。東京と名古屋の2公演あり。Company Bene現代音楽を中心に活動する団体で、知られざる国内外の才能を世に紹介したり、従来知られていた音楽に新しい角度からスポットを当てることモットーとしている。公演概要Company Bene『エレクトリック・ラフマニノフ』【東京公演】公演日時:2023年5月9日(火) 18:30開場/19:00開演会場:杉並公会堂 小ホール(東京都杉並区上荻1丁目23-15)【名古屋公演】公演日時:2023年5月17日(水)18:30開場/19:00開演会場:長久手文化の家 風のホール(愛知県長久手市野田農201)■出演者遠藤桂一郎(テノール)市居宥香(ピアノ)■新作初演 作曲北爪裕道、丹羽菜月、鈴木治行、小櫻秀樹■チケット料金【前売】一般:3,000円 学生:2,000円【当日】一般:3,500円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月12日ロシアを代表する作曲家セルゲイ・ラフマニノフの生誕150周年を記念して2月23日、20代の若手実力派音楽家たちを中心に2020年に結成され、話題を呼んでいるタクティカートオーケストラによるコンサートが開催される。指揮を任されたのは、こちらも若き俊英として国内外で活躍する坂入健司郎。「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調作品18」のピアノには、22歳にして数々のオーケストラと共演を果たし注目を集めている吉見友貴が参加する。初共演となる坂入と吉見がコンサートへの意気込みを語ってくれた。今回のプログラムについて坂入は「初期に作曲された『管弦楽のためのスケルツォ ニ短調』、誰もが知る代表曲『ピアノ協奏曲第2番 ハ短調作品18』、彼自身が”最後の作品になる“と語った『交響的舞曲 作品45』という、ラフマニノフの人生を追いかけるような面白いプログラムになっています」と語る。「ピアノ協奏曲第2番」はフィギュアスケートの浅田真央がソチ五輪のフリープログラムで使用したことでも有名だが、吉見は「実は、僕もフィギュアスケートは大好きでして(笑)、2番を弾くたびに浅田真央さんが滑っている姿が浮かんできます」と明かす。吉見が師事するアレクサンダー・コルサンティアが旧ソビエトのジョージア出身ということで、ラフマニノフには特別な思い入れがあり「いつも『ラフマニノフの2番には、ロシア人の心の深さ、言葉にならない叫びが出ているんだ』と言っていました。フォルテ(強く)とフォルティッシモ(非常に強く)がありますが、彼に言わせるとフォルテのほうが重厚でロシア人の心が表現されているということで…」と吉見が語ると、坂入も「僕のロシア人の師匠も『ディミュニエンドこそ、感情をクレッシェンド(だんだん強く)していくものだ』と言っていました」とラフマニノフだからこそ求められる豊かな“情緒”があるとうなずく。そして今回、2人が何より楽しみにしているのが、タクティカートオーケストラとの共演。「まだ認知度は高くないですが、彼らがどれだけ素晴らしいかを証明するチャンス。指揮者として彼らのポテンシャルを引き出さなくてはいけない」と坂入が語れば、吉見も「坂入さんを含め、若いみなさんとだからこそ、ゼロからいろいろ試しながら作っていけるのが楽しみです」と期待と意気込みを口にしていた。「ラフマニノフ生誕150周年記念コンサート ~タクティカートオーケストラ特別公演~」は2月23日、東京オペラシティにて開催。取材・文・写真/黒豆 直樹
2023年01月30日2023年は、ロシアの作曲家ラフマニノフの生誕150年。このメモリアルイヤーを象徴するかのようなコンサート「及川浩治ピアノ・コレクション(ラフマニノフ)」が開催される。“及川浩治が愛してやまない楽曲を親密な空間でお届けする”というコンセプトのシリーズ第1回に当たるこの公演は、まさにラフマニノフ尽くし。有名な前奏曲『鐘』に、切ない『エレジー』などの小品のほか、ピアノ・ソナタ第1番&2番の大作を一挙に弾ききる重量級のプログラムは聴き応え十分。ラフマニノフの素晴らしさを体験するのにピッタリのコンサートだ。さらには、今回のコンサートに臨む及川浩治の言葉にも説得力がある。曰く「この出だしのフレーズを聞いただけで雷鳴に打たれたような気分になり、ラフマニノフに参ってしまいました。なんといってもソナタの第2番は自分が素直になれるというか、喜びを見いだせるというか、もうピアニスト冥利に尽きる感じで自分自身を自然な形で表現できます(『プレイズ・ラフマニノフ』ライナーノートより)」19世紀末から20世紀前半のクラシック界を席巻したラフマニノフの凄さとはいかに。それを体験するチャンス到来!及川浩治ピアノ・コレクション「ラフマニノフ」リサイタル in SPRING20233月25日(土) 14時開演トッパンホール《オール・ラフマニノフ・プログラム》前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」 op.3-2ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 op.28楽興の時 第5番 変ニ長調 op.16-5エレジー 変ホ短調 op.3-1ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.36※曲目・曲順等が変更になる場合があります。■チケット情報
2023年01月16日“務川慧悟(3位)と阪田知樹(4位)のダブル入賞”という嬉しい結果となった「エリザベート王妃国際コンクール(ピアノ部門2021」。去る5月29日(日本時間5月30日)に閉幕したばかりのコンクールの熱演の模様を収めたライブ・アルバム(4枚組)が早くも登場する(7月9日発売予定/ナクソス・ジャパン株式会社)。「エリザベート王妃国際音楽コンクール」は、「チャイコフスキー国際コンクール」、「ショパン国際ピアノ・コンクール」と共に「世界三大コンクール」と呼ばれる世界屈指の名門コンクールだ。前身の「ウジェーヌ・イザイ・コンクール」時代を含めれば、ピアノ部門の優勝者には、エミール・ギレリス(1938)、レオン・フライシャー (1952)、ウラディーミル・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、フランク・ブラレイ(1991)、アンナ・ヴィニツカヤ (2007)、デニス・コジューヒン(2010)、ボリス・ギルトブルク(2013)など、錚々たる顔ぶれかが並ぶ。 2021年のピアノ部門は、当初予定されていたの2020年が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって1年延期され、バンデミック後に開催される最初のメジャー・コンクールとして大きな注目を集めていた。今回発売されるライブ・アルバムには、セミ・ファイナルとファイナルの中から、入賞者6人の選りすぐりの演奏が収録されているだけに期待が高まる。コンクール自体は無観客で行われたため、演奏終了を待ちきれずに聴衆の拍手が沸き起こるといったコンクールならではの場面はみられないが、緊張感に満ち溢れたハイレベルな闘いは長く語り継がれるに違いない。●「エリザベート王妃国際音楽コンクール(ピアノ部門)2021」結果第1位及び聴衆賞:ジョナタン・フルネル(フランス)第2位:セルゲイ・レドキン(ロシア)第3位 務川慧悟(日本)第4位 阪田知樹(日本)第5位 ヴィタリ・スタリコフ(ロシア)第6位 ドミトリ・シン (ロシア)●アルバム収録内容【CD1】1-4.ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op. 83/ジョナタン・フルネル5.ブルーノ・マントヴァーニ:妖精の庭から/セルゲイ・レドキン6.ピエール・ジョドロフスキ:夜想曲/ジョナタン・フルネル【CD 2】1-3. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op. 30/セルゲイ・レドキン4-7. シューマン:ピアノ・ソナタ第3番へ短調(管弦楽のない協奏曲)Op. 14/ドミトリ・シン8. ショスタコーヴィチ:プレリュードとフーガ 変ニ長調 Op. 87-15/務川慧悟【CD 3】1-3. モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488/ヴィタリ・スタリコフ4-6. モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595/務川慧悟7. ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル/務川慧悟【CD 4】1. リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調/阪田知樹2. ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op. 24/ジョナタン・フルネル3. ショパン:夜想曲第17番 ロ長調 Op. 62-1/ジョナタン・フルネル4. ドビュッシー:レントより遅く/セルゲイ・レドキンヒュー・ウルフ指揮、ベルギー国立管弦楽団(CD1: 1-5/CD2: 1-3)フランク・ブラレイ指揮、ワロニー王立室内管弦楽団(CD3: 1-6)
2021年06月08日「3大テノール」を筆頭に、優れたものを3つ並べた「3大・・・」と言う言葉に弱い我々日本人の心を鷲掴みにするような公演が神奈川県民ホールで開催歳される(5月16日:14時開演)。その名も「哀愁と情熱の3大協奏曲」と題されたこの公演の注目ポイントの1つがソリストだ。ヴァイオリンの山根一人、チェロの伊藤悠貴、そしてピアノの及川浩治の3人が一堂に会するこの公演は、日本を代表するソリスト3人を1つの公演で体験できるという贅沢な内容は他に代えがたい。しかも彼らが演奏するプログラムが、「メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲」「ドヴォルザークのチェロ協奏曲」&「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」となれば、これはまさに、レストランの料理に例えてみれば、ステーキにハンバーグとフォアグラを添えたかのような豪華さだ。楽しみ方は千差万別。協奏曲史上屈指の名曲3曲を楽しむも良し。3人のソリストの実力を確認するも良し。いずれにしても5月16日の日曜日の午後、神奈川県民ホールに足を運んだ聴衆は、お腹いっぱいになるに違いない。●公演詳細:
2021年05月12日優れた若手音楽家を支援する「齋藤秀雄メモリアル基金賞」チェロ部門の第17回(2018年度)受賞記念コンサートが開催される(3月25日:上野学園 石橋メモリアルホール)。「齋藤秀雄メモリアル基金賞」は、チェリスト・指揮者・教育者として高名な故・斎藤秀雄氏に因んで2002年に創設され、毎年、将来一層の活躍が期待される才能豊かな若手チェリスト、指揮者を顕彰している。今回のコンサートでは、伊藤悠貴のライフワークである作品の数々を散りばめた、オール・ラフマニノフ・プログラムが用意され、ピアノの渡邊智道&ハープの中村愛との共演による熱いステージが期待される。期待の若手チェリスト伊藤悠貴のパフォーマンスやいかに!?公演詳細: 渡邊智道中村愛「伊藤悠貴(チェロ)/齋藤秀雄メモリアル基金賞 受賞記念コンサート」【日時・会場】2021/3/25(木)18:30開演(18:00開場)/上野学園 石橋メモリアルホール【出演】チェロ:伊藤悠貴/ピアノ:渡邊智道/ハープ:中村 愛【曲目】ラフマニノフ(伊藤悠貴編):夕闇は迫りロマンス歌劇《アレコ》より「カヴァティーナ」、「若いジプシーのロマンス」6つのロマンス op.4お願いだ、行かないで朝夜のしじま歌うな、美しい人よああ、私の畑よ昔のことだろうか、友よラフマニノフ:チェロ・ソナタト短調op.19●伊藤悠貴(チェロ)15歳で渡英。王立音楽大学在学中にブラームス国際コンクール、ウィンザー祝祭国際弦楽コンクールに優勝。第17回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。これまでにフィルハーモニア管弦楽団、クラーゲンフルト歌劇場管弦楽団、小澤征爾/オザワ祝典合奏団、小林研一郎/読売日本交響楽団など国内外のオーケストラ、V.アシュケナージ、D.ゲリンガスなど世界的奏者と共演を重ね、ロンドンのウィグモア・ホール、ロイヤル・フェスティバル・ホールをはじめ欧州主要都市各地でリサイタルに客演。ラフマニノフ作品、およびイギリス音楽の研究・普及をライフワークとし、CDは「ラフマニノフ:チェロ作品全集」など3枚をリリース。ロマン主義的精神と技術の復興を標榜し、2020年に雁部一浩(作曲家)、渡邊智道(ピアニスト)と「ロマン派芸術音楽協会」を設立。指揮者、作編曲家、ラジオパーソナリティ、文筆家としても活動し、2013年にロンドンでナイツブリッジ管弦楽団を創設。東京芸術劇場アカデミー講師。使用楽器は日本ヴァイオリンより貸与の1734年製ゴフリラー。
2021年03月23日公益財団法人ソニー音楽財団による、第19回(2020年度)「斎藤秀雄メモリアル基金賞」のチェロ部門受賞者は、新倉瞳(チェロ)に決定した。※指揮者部門の該当者はなし。若手チェリスト、指揮者を顕彰することを目的とした「斎藤秀雄メモリアル基金賞」は、チェリスト・指揮者として高名な故・斎藤秀雄(1902-1974)氏に因み、2002年に創設された。過去の受賞者には、第1回(2002年度)植木昭雄、第2回(2003年度)古川展生等、日本を代表するチェリストが受賞している。一方、今回は該当者がなかった指揮部門においては、第1回(2002年度)大野和士、第2回(2003年度)広上淳一など、こちらも現在、第一線で活躍する指揮者を輩出。若手チェリスト・指揮者を世に送り出す重要な機会を提供し続けている。●新倉瞳/Hitomo Niikura(チェロ)幼少期をアメリカとドイツで過ごし、8 歳よりドイツでチェロを始める。桐朋学園女子高等学 校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業、卒業時には皇居桃華楽堂新人演奏会に出演、御前演奏を行う。その後、バーゼル音楽院ソリストコース・教職課程の両修士課程を最高点で修了。これまでにJan Vymyslicky、毛利伯郎、堤剛、Thomas Demenga、Martin Zaller (バロ ック・チェロ) の各氏に師事。室内楽を徳永二男、原田幸一郎の各氏に師事。 2014 年より Camerata Zürich のソロ首席チェリストをつとめている。2003年いしかわミュージックアカデミーにてIMA音楽賞を受賞し、アメリカ/アスペン音楽 祭に奨学生として参加。2007年第28回霧島国際音楽祭にて霧島国際音楽祭賞を受賞。2009 年ル ーマニア国際音楽コンクール室内楽部門にて第1位を受賞。2015年スイスのベルンで開催されたOrpheus Kammermusikwettbewerbにて入賞。同年、ポルトガルのリスボンで開催された Internacional Verão Clássico 2015 チェロ部門にて第1位を受賞。2016年5月スイス/ルツェルンの高級時計ブランド Carl.F.BuchererよりPathos Woman Awardを受賞。2017年第18回ホテルオークラ音楽賞受賞。2006年8月桐朋学園大学在学中には、EMI Music Japan(現ユニバーサル・ミュージック)よ り「鳥の歌」をリリースし、紀尾井ホールにてデビュー。これまでにEMI Music Japanから3枚のアルバム、Live Notesよりピアニスト佐藤卓史とのライヴCD「ブラームス&ラフマニノフ:チェロ・ソナタ」、F.S.L.レーベルよりアコーディオニスト佐藤芳明とのDuo「魂柱と鞴」、ア ールアンフィニ・レーベルより、最新CD「ダンツァ」や高橋多佳子、礒絵里子との「椿三重奏団」を含む4枚のアルバムが発売されている。今年秋には5人の作曲家に新曲を委嘱した「委嘱作品集」が同レーベルより発売予定。また、チューリッヒを拠点の人気クレズマーバンドCheibe Balaganのメンバーとして2014年から参加し、様々な音楽祭に招かれ、音楽の幅を広げている。現在はCamerata Zürichのソロ首席チェリストとしてスイスを拠点に活躍する中、ソリスト、室内楽奏者として全国各地でリサ イタル、オーケストラとの共演を重ね、司会、番組ナレーション、音楽劇、演奏家のためのドレスM Maglie le cassettoのプロデュース等、活動の幅を広げ音楽の素晴らしさを広く深く伝えようとする姿勢は多くの共感を集めている。使用楽器は、宗次コレクションより貸与されたGiovanni Grancino(1694年製)。
2021年03月03日5年目を迎えた芸劇ブランチコンサート、2020年度最後の公演は「ピアノデュオの醍醐味」と題され、若手実力派入江一雄と清水和音のピアノデュオが楽しめる(2月17日:東京芸術劇場)。プログラムに選ばれたのはミヨーの『スカラムーシュ』&ブラームスの『2台のピアノのためのソナタ Op.34b ヘ短調』ほかという豪華版。特に前者はブラームスの代表作として知られる『ピアノ五重奏曲』の原曲だと聞けばこれは気になる。息のあった二人の演奏が、ブラームスの思いのこもったピアノデュオの魅力を余すところなく表現してくれるに違いない。一方ミヨーの『スカラムーシュ』の楽しさは格別。フランス大使の秘書としてブラジルに滞在した経験のあるミヨーならではの感性で描かれたメロディは要チェック!なにはともあれ、このコンサートは、日本を代表するピアニストとしてひときわ輝きを放つ名手清水和音の今を聴く絶好のチャンス到来だ。彼の音楽の本質をさらに知りたい方には、昨年末に出版された著書『ピアニストを生きる――清水和音の思想 』もお薦めしたい。公演詳細: ●清水 和音 Kazune Shimizu(ピアニスト)完璧なまでの高い技巧と美しい弱音、豊かな音楽性を兼ね備えたピアニスト。ジュネーブ音楽院にて、ルイ・ヒルトブラン氏に師事。1981年、弱冠20歳で、パリのロン=ティボー国際コンクール・ピアノ部門優勝、あわせてリサイタル賞を受賞した。1982年、デビュー・リサイタルを開き、高い評価を得た。1983年、第9回日本ショパン協会賞を受賞。同年「プラハの春音楽祭」にて、プラハ室内管と共演。この成功により1984年、ブラティスラヴァ音楽祭のオープニングでスロヴァキア・フィルのソリストとして招待された。また同年、ミュンヘンのヘラクレス・ザールでデビュー・リサイタルを行った。ロジェストヴェンスキー指揮ロンドン交響楽団、ジャナンドレア・ノセダ指揮キーロフ歌劇場フィルハーモニー管弦楽団、ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団、アシュケナージ指揮シドニー交響楽団などと共演を重ね、国内外で広く活躍。室内楽の分野でも活躍し、共演者から厚い信頼を得ている。1995年秋から2年にわたって行われた、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲演奏会は、その完成度を新聞紙上で高く評価され、ライヴ録音がリリースされている。これまでにソニーミュージックやオクタヴィア・レコードなどから多数のCDをリリースしており、各誌で絶賛されている。2011年には、デビュー30周年を記念して、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番~第4番とパガニーニの主題による狂詩曲の全5曲を一度に演奏するという快挙を成し遂げた。2014年から2018年の5年間では春秋・年2回のリサイタル・シリーズ「清水和音 ピアノ主義」を開催。スカルラッティとバッハに始まり、古典派からロマン派を中心に20世紀のピアノ曲まで、幅広いレパートリーで聴衆を魅了した。デビュー35周年を迎えた2016年5月には、バッティストーニの指揮で、ブラームスのピアノ協奏曲第1番及び第2番を熱演。同年4月からは、年6回の室内楽シリーズ「芸劇ブランチコンサート」を開始するなど精力的な活動を続けている。桐朋学園大学・大学院 教授。
2021年02月11日毎年恒例、埼玉会館のNHK交響楽団公演。東日本大震災から10年の節目を迎える2021年3月11日は、特別なプログラムが用意される。何しろプログラムが物凄い。エルガー『エニグマ変奏曲〜ニムロット』、ロドリーゴ『アランフェス協奏曲』、ラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲』&ストラヴィンスキー『火の鳥』という名曲のオンパレードは、料理に例えれば、ステーキにフォアグラを添えた豪勢な“ロッシーニ風”とでも表現したくなるような素晴らしさだ。しかも演奏者の顔ぶれが素敵だ。尾高忠明率いるNHK交響楽団が迎えるソリストは、小山実稚恵(ピアノ)と村治佳織(ギター)。まさに人気と実力を兼ね揃えた日本を代表するソリスト2人の揃い踏みはめったに体験できるものではない。トリに用意されたストラヴィンスキー『火の鳥』は、まさに東日本大震災からの復活祈念を感じさせる名曲中の名曲だ。折しも今年2021年はストラヴィンスキーの没後50年に当たるメモリアルイヤーだけに、演奏者にとっても聞き手にとっても心に響くステージとなりそうだ。●公演詳細: ●尾高忠明(おたかただあき)/ 指揮1947年生まれ。国内主要オーケストラへの定期的な客演に加え、ロンドン交響楽団、BBC交響楽団、ベルリン放送響など世界各地のオーケストラに客演。1991年度サントリー音楽賞受賞。1997年には英国エリザベス女王より大英勲章CBEを授与された。その他1999年には英国エルガー協会より日本人初のエルガー・メダルを授与されたほか、1993年ウェールズ音楽演劇大学より名誉会員の称号、ウェールズ大学より名誉博士号、2012年有馬賞(NHK交響楽団)、2014年北海道文化賞、2018年度関西音楽クリティック・クラブ賞本賞、大阪文化祭賞、日本放送協会放送文化賞、2019年第49回JXTG音楽賞洋楽部門本賞等を受賞。現在NHK交響楽団正指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団音楽監督、BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団桂冠指揮者、札幌交響楽団名誉音楽監督、東京フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者、読売日本交響楽団名誉客演指揮者、紀尾井ホール室内管弦楽団桂冠名誉指揮者。また複数の大学で後進の指導を積極的に行っている。●小山実稚恵(こやまみちえ)/ ピアノ人気・実力ともに日本を代表するピアニスト。チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクールの二大コンクールに入賞以来、今日に至るまで、コンチェルト、リサイタル、室内楽と、常に第一線で活躍し続けている。2017年までの「12年間・24回リサイタルシリーズ」は、演奏内容と企画性に於いて高い評価を受けた。2019年から「ベートーヴェン、そして…」がスタート。これまで、国内外の主要オーケストラ、国際的指揮者との共演も数多い。協奏曲のレパートリーは60曲を超える。東日本大震災以降、被災地でも演奏を行い、仙台では被災地活動の一環として自ら企画立案した「こどもの夢ひろば“ボレロ”」を開催している。CDは、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルと専属契約を結び、最新盤は2020年7月にリリースした自身初のベートーヴェンのソナタ録音『ハンマークラヴィーア・ソナタ他』。著書に『点と魂と』、平野昭氏との共著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』、『ベートーヴェンとピアノ 限りなき創造の高みへ』がある。これまで文化庁芸術祭大賞、東燃ゼネラル音楽賞本賞、NHK交響楽団「有馬賞」、文化庁芸術祭優秀賞、芸術選奨文部科学大臣賞等を受賞。2017年度には紫綬褒章を受章。●村治佳織(むらじかおり) / ギター幼少の頃より数々のコンクールで優勝を果たし、15歳でCDデビューを飾る。1996年には、イタリア国立放送交響楽団との共演がヨーロッパ全土に放送され、好評を得た。フランス留学から帰国後、積極的なソロ活動を展開。ビクターエンタテインメントからのCDリリースは『カヴァティーナ』など9タイトル及びDVD『コントラステス』をリリース。その後NHK交響楽団ほか国内主要オーケストラ及び欧州のオーケストラとの共演も多数重ね、2003年英国の名門クラシックレーベルDECCAと日本人としては初の長期専属契約を結ぶ。移籍第1弾アルバム『トランスフォーメーション』は第19回日本ゴールドディスク大賞クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー<洋楽>を受賞。これまでにDECCAよりCD13枚、DVD2枚をリリース。また受賞歴も多く、第5回出光音楽賞、村松賞、第9回ホテルオークラ音楽賞を受賞。2012年4月より半年間NHK-Eテレ「テレビでフランス語」や、J-WAVE(FM)のナビゲーターを務めた。2014年10月には吉永小百合主演映画『ふしぎな岬の物語』でメインテーマ曲を演奏。2015年4月NHK-BSプレミアム「祈りと絆の島にて村治佳織 長崎・五島の教会を行く」に出演。2016年10月オリジナル・アルバム『ラプソディー・ジャパン』をリリース。2017年4月よりJ-WAVE「RINREI CLASSY LIVING」のナビゲーターを担当。11月ベストドレッサー賞(学術・文化部門)を受賞。2018年3月テレビ朝日「徹子の部屋」に出演。9月にリリースしたアルバム『シネマ』は、第33回日本ゴールドディスク大賞インストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。2019年1月アランフェス協奏曲を連続4公演成功させる。2月テレビ朝日「題名のない音楽会“ギターの秘密を知る休日”」に出演。6月には横浜開港記念式典での記念コンサートに出演し好評を博す。また、ブルガリ アウローラ アワード2019を受賞。◆村治佳織OFFICIAL HP:
2021年02月09日2002年のチャイコフスキー・コンクール・ピアノ部門で、女性初の、そして日本人初の第1位獲得という快挙を成し遂げた上原彩子。2022年のデビュー20周年に向けた3年がかりのカウントダウン企画第2弾では、自身が名ピアニストでもあったショパンとラフマニノフを弾く(2021年1月13日・東京オペラシティコンサートホール)。「ラフマニノフは、ショパンから最も大きな影響を受けています。ピアノを愛した二人の作曲家を並べることで、ちょっと特別な感覚で聴いていただけると思います」プログラムのメインは、その二人の関係を象徴するような、ラフマニノフの《ショパンの主題による変奏曲》。ショパンの《24の前奏曲集》作品28の第20番ハ短調を主題に、22の変奏で構成された、いわばラフマニノフによるショパンへのオマージュのような作品だ。「演奏される機会の少ない作品も含めてラフマニノフの良さを知ってほしいという気持ちで選びました。今回は前半に、元になったショパンの作品28の全曲も弾くので、面白く聴いてください」ロシア音楽を軸に活躍する上原のショパンは案外レアだ。《24の前奏曲集》は、すべての長・短調である24の調性で書かれた作品集。胃腸薬のCMで使われた第7番や、第15番〈雨だれ〉がよく知られるが、ラフマニノフが主題に用いた第20番も有名で、〈葬送〉の呼び名がある。それぞれが独立した小曲の集まりだが、「24曲全部を聴いてこそわかる」と上原は言う。「わたしのなかでは、始めのほうは長調の曲の幸せな印象が強くて、その春の暖かさが、だんだん暗い影に覆われて、第20番のところでどん底に引きずり込まれます。全曲を通していろいろなドラマがあって、弾いていても聴いていても、それを感じるのが醍醐味です」そしてこの2つの作品のあいだを、さらに二人の前奏曲でつなぐ「前奏曲づくし」の構成。「ショパンの作品45の前奏曲嬰ハ短調からラフマニノフへ。たぶん、作曲家が変わったかどうかわからないぐらいの変化で、不思議な感じでつながります。時代も国も違うのに空気が似ているのです。そしてラフマニノフの前奏曲作品23から2曲。ラフマニノフは、小品のほうが彼の飾らない素の部分が表現されているように感じます。そのシンプルなメロディを弾いていくのは、難しいですがとても大事です」キャリアを重ねるなか、背中など身体全体の使い方を考えるようになり、手の負担が軽減され、音も太くなってきたと感じている。筋トレも欠かさないが、大事なのは音量や打鍵の強さではなく、太く、減衰せずに伸びる音で弾くこと。そのためには余分な力を抜くことが大切なのだと教えてくれた。ますます充実するピアニズム。「ピアノという楽器を、純粋にピアノの音として捉えた作品。ピアノの素晴らしさを感じてもらえるプログラム」と語る今回のリサイタルでも、それが十分に発揮されるにちがいない。(宮本明)
2020年12月21日クイズ番組『東大王』で才女ぶりを発揮している、現役東大生の鈴木光さん。クラシック音楽にまつわる問題も得意分野で、今回ソニー・ミュージックでリニューアルされた名盤100枚シリーズ「ベスト・クラシック100極」のイメージ・キャラクターを務めることに。クラシック音楽という豊かな世界の扉を開く、ベスト100選!「4歳でピアノを始めて、クラシック音楽は演奏する側から入ったので敷居の高さを感じたりはしませんでした。といっても当時はクラシック音楽として認識していたわけではなく、魅力を知るきっかけになったのは小学生のとき。『カルメン 前奏曲』を学年全員で合奏することになり、いろんな楽器が合わさって曲を作り上げる楽しさを実感しました」クラシック音楽は作曲された時代や国、楽器によって多種多様。鈴木さんが「勉強しながら流しても集中力がそがれないし、寝る前に聴いても落ち着きます」と言うように、いろんなシチュエーションで聴けるのがいいところだが、そのぶん“入り口”がわからないという人も。「最初から全曲通して聴かなくてもいいと私は思っています。誰もが知っているようないわゆるサビから聴いてみると、興味を持ちやすいかもしれません。あとはたとえば、ベートーヴェンが難聴に苦しみながらも『運命』を作曲したのは有名な話ですが、そういったエピソードから入るのもおすすめです」シリーズの中から鈴木さんがおすすめ10タイトルをセレクトしているので、そちらを入り口にしても。「まずは何も考えずに好きな曲を選んでみたら激しい曲が多くなっちゃって(笑)。最終的には楽器や曲調など、バランスを重視しました」最新技術でより原音に忠実になり、通も満足できる内容が実現している。「このシリーズの良さは、それぞれの作曲家の代表作をひと通りカバーしていること。網羅性が高いので、クラシック音楽を知らない人でも基本が押さえられますし、これまでのCDから一歩進んだ遠近感のある繊密でクリアな音質の再現は聴きごたえがあると思いますよ」「ベスト・クラシック100極」鈴木さんのおすすめ10タイトルの一枚、セルゲイ・ラフマニノフ『ラフマニノフ自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番』。1600円。前半50タイトルが発売中で後半50タイトルは12月9日に発売。(ソニー・ミュージックレーベルズ)すずき・ひかる1998年生まれ、東京都出身。東京大学法学部4年生。2015年、アジア太平洋青少年リーダーズサミットに参加し、Stanford e-Japan Programで最優秀賞受賞。TBS系『東大王』にレギュラー出演。ワンピース¥32,270(TED BAKER/Sojitz Infinity Inc. TEL:0120・998・321)※『anan』2020年12月9日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・森本美砂子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年12月06日ピアニスト小川典子のリサイタルは、ロシア音楽だけで構成されたプログラム(11月7日・ミューザ川崎シンフォニーホール)。ラフマニノフの前奏曲集から8曲、プロコフィエフの戦争ソナタ第7番、そしてムソルグスキー《展覧会の絵》を弾く。「スケール大きなイメージのラフマニノフの音楽ですが、実はこの前奏曲ぐらいの長さの作品が最も適している。一度のクライマックスで音楽のシェイプができるので、焦点が定まって、彼の書法をとてもわかりやすくお聴きいただけると思います。プロコフィエフのソナタ第7番は、『非情』という言葉が似合う音楽。その中で、痛みを抱えた切ないフレーズも出てくるし、第3楽章は、7拍子という珍しい、座りの悪いリズムで突進して爆発します。素晴らしいミューザ川崎の響きの中で、どこまでぎんぎんに弾けるか、楽しみです。ムソルグスキーの音楽には、他の二人のような緻密さはありません。でもだからこそロシアの土臭さを感じるし、二人には書けなかった冒険もできる。豪華絢爛なオーケストラ編曲版よりも、原曲のピアノ独奏版のほうが、それがいっそうよく現れます」なお《展覧会の絵》は作曲家の自筆譜に基づいて演奏する。よく知られた出版譜とは微妙に異なっており、随所にハッとする発見があるという。ところで、じつは小川にとって初のオール・ロシア・プロ。しかしラフマニノフの協奏曲などのイメージも強い彼女だけに、もちろんロシア音楽は大好きで、その背景にもずっと興味を持って向き合ってきた。「高校の頃からドストエフスキーが好きだったし、ノーベル賞作家ソルジェニーツィンとソビエト政府の関係にも興味がありました。抑圧された環境で生きる人間の気持ちに関心があって、そんなテーマのドキュメンタリー番組などもよく見ていました」ロシアのピアノ曲には、楽器を鳴らしきるような豊かな音量や厚みのある音色が大事。それはそのまま小川のピアノの魅力の一端でもあるのだが、彼女はさらに、「エッジの効いた音」が必要だと説く。「そういうエッジの効いた音で弾いてこそ効果が出るように音が配列されている。たとえばシューベルトはそんな音で弾いたらダメ。それでは曲にならないように書かれているからです」ピアニストは日々、その作曲家と作品にふさわしい音を探し、見きわめ続けているのだ。そうやって見つけた音が彩る小川のロシア名曲。その音が震わせる空間を直接共有してこそ、より深く共感できるはず。そしてその聴き手の共感がもう一度、演奏にも還元される。「言葉にはできない客席の“気”のようなものはいつも感じて、演奏にも目に見えない反応があります。あえて私のリサイタルを選んでくださる熱心なお客様と一緒に、密度の濃い演奏会になることを楽しみにしています」開演前には音楽評論家・下田幸二とのプレトークも。これも聞き逃せない。余裕を持って、少し早めに会場へ。小川典子の公演情報はこちら取材・文:宮本明
2020年10月29日『T‐34 レジェンド・オブ・ウォー』『バーフバリ』『魔界探偵ゴーゴリ』の最高峰クリエーターが集結したロシア発のゴシック・サスペンス&アクション『THE NINTH』が、邦題『殺人狂騒曲 第9の生贄』として公開することが決定した。日本で大ヒットし、ロングラン上映された『T‐34 レジェンド・オブ・ ウォー』や、インド映画『バーフバリ』シリーズのVFXを手掛けたFilm Direction FX社がVFXを担当した注目作。19世紀末、ロシア・サンクトペテルブルクで起きた連続猟奇殺人の捜査に、2人の男性刑事と、凄腕の女霊媒師が挑む。9人目の犠牲者の魂が、死の国の扉を開く――。監督は、『アイスブレイカー 超巨大氷山崩落』でロシアのアカデミー賞「ゴールデン・イーグル賞」4部門(作品賞・視覚効果賞・編集賞・音楽賞)にノミネートされた気鋭のフィルムメーカー、ニコライ・ホメリキ。脚本家とアクションチームには、ロシアの傑作ミステリー『魔界探偵ゴーゴリ』シリーズのスタッフが集結。事件の謎を追う2人の刑事には、『ラフマニノフ ある愛の調べ』に主演した実力派俳優エフゲニー・ツィガノフと、『スターリングラード 史上最大の市街戦』のドミトリー・リセンコフ。ヒロインの霊媒師オリヴィアには、『アンダーワールド ブラッド・ウォーズ』で処刑人アレクシアを演じた英国女優デイジー・ヘッド。ほか、TVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ 第四章」に登場したユーリ・コロコルニコフが脇を固める。今回、公開決定に併せて日本版ポスターも解禁。中央に圧倒的な存在感でこちらを睨む霊媒師、その後ろには漆黒の闇の中で不気味に燃え盛る魔術の印<ペンタグラム>が配され、映画のミステリアスな世界観が伝わるビジュアルとなっている。『殺人狂騒曲 第9の生贄』は7月31日(金)よりシネマカリテにて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年05月28日ピアニストの河村尚子が栄えある「第51回サントリー音楽賞(2019年度)」を受賞した。サントリー音楽賞は、日本における洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈られるもので、1969年の第1回以来、今回が51回目となる。過去の受賞者には、第1回の小林道夫(チェンバロ)を筆頭に、内田光子(ピアノ)や武満徹(作曲)など、日本の音楽界を代表する顔ぶれがずらりと並ぶ。今回の受賞理由として、2019年の「ベートーヴェン・ピアノソナタ・プロジェクト」の完結及び、CD「ベートーヴェン・ ソナタ集1、2」のリリース。そして新しいレパートリー開拓ともなった山田和樹指揮NHK交響楽団との共演 による矢代秋雄「ピアノ協奏曲」においての演奏で作品の再評価に貢献したことなどをはじめ、近年の目覚ましく充実した演奏活動が評価されての受賞となった。今後の日本での活動は、10月にオーケストラとの共演や各地でのリサイタルを予定。東京では10月13日(火)に紀尾井ホールで1年ぶりのリサイタルを行うことが発表されている。プログラムには、モーツァルト、シューベルト&ショパンに加え、映画『蜜蜂と遠雷』で話題となった藤倉大作曲による『春と修羅』も予定される。●河村尚子(ピアノ)(c)Marco Borggreve兵庫県西宮市生まれ。1986年渡独後、ハノーファー国立音楽芸術大学在学中にヴィオッティ(ヴェルチェリ)、カサグランデ、ゲーザ・アンダなどヨーロッパの数々のコンクールで優勝・入賞を重ねる。2006年には権威ある難関ミュンヘン国際コンクール第2位受賞。翌年、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールにて優勝を飾り、大器を感じさせる新鋭として世界の注目を浴びる。ドイツを拠点に、ヨーロッパ、ロシア、日本などで積極的にリサイタルを行う傍ら、ウィーン交響楽団、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団、ロシア国立交響楽団、モスクワ・ヴィルトゥオーゾ、バーミンガム市交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団などのソリストに迎えられている。また、「ルール・ピアノ祭」(ドイツ)、「オーヴェール・シュル・オアーズ音楽祭」(フランス)、「ドシュニキ国際ショパン・フェスティヴァル」(ポーランド)、日本では「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」や「東京・春・音楽祭」などの音楽祭に参加。2011年には、ドイツ・ワイマール近郊にあるエッタースブルク城での音楽祭でアーティスト・イン・レジデンスをつとめ、4夜にわたるソロ・リサイタルを開催し、絶賛を博す。室内楽では、ハーゲン・クァルテットの名チェリスト、クレメンス・ハーゲンとのデュオで好評を得ているほか、マキシミリアン・ホルヌング(チェロ)とロンドン・ウィグモアホール、ラモン・オルテガ・ケロ(オーボエ)とニューヨーク・カーネギーホールにデビューするなど、同世代の実力派アーティストとも積極的な活動を展開している。日本では、2004年小林研一郎指揮東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会でデビュー。以来、パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団を含む日本国内の主要オーケストラと相次いで共演を重ねる一方、ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団、ファビオ・ルイージ指揮ウィーン交響楽団、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団、マレク・ヤノフスキ指揮べルリン放送交響楽団、イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、山田和樹指揮バーミンガム市交響楽団などの日本ツアーに参加。その他、サー・ロジャー・ノリントン、ユーリ・テミルカーノフ、アレクサンドル・ラザレフなど多くの指揮者から度々再演の指名を受けている。現在、2019年の日本デビュー15周年に向けて、2年にわたり「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト」に取り組み、自ら厳選した14のソナタを全4回のリサイタルで披露している。2009年、名門RCA Red Sealレーベルより「夜想 (ノットゥルノ)~ショパンの世界」てメジャー・CDデビュー。 2011年9月、セカンド・アルバム「ショパン:ピアノ・ソナタ第3番&シューマン:フモレスケ」をリリース、各誌で特選盤に選定される。2013年秋、サード・アルバム「ショパン:バラード」のリリースを経て、2014年秋には、プラハ・ルドルフィヌムでのチェコ・フィルとの定期演奏会、およびドイツ・エルマウ城でのクレメンス・ハーゲンとの演奏会をライヴ収録した「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&チェロ・ソナタ」をリリースした。2018年には4年ぶりのソロ・アルバム「ショパン:24の前奏曲&幻想ポロネーズ」をリリースし、2019年4月、「月光」「悲愴」を含む待望のベートーヴェンCDをリリースする。その他のレコーディングとして、ソロでは仏ディスコヴェール(2002年/同レコーディン具はXRCD化され、日本伝統文化振興財団より2012年6月に再発売された)、独アウディーテ(2004年)、ルール・ピアノ音楽祭エディション(2008年/ライヴ録音)が、また日本コロムビアからシューマンのピアノ五重奏曲(2010年/トッパンホール)、京響レーべルからラフマニノフのパガニーニ狂詩曲(2009年/広上淳一指揮京響との共演)、独コヴィエロ・クラシックからモーツァルトのピアノ協奏曲第21番(2014年/ボストック指揮アルゴヴィア・フィルとの共演)がリリースされている。また、国際ピアノ・コンクールにおける若者たちの群像劇をリアルに描いた、作家・恩田陸の直木賞受賞小説を原作とした映画『蜜蜂と遠雷』(2019年10月公開)では主人公・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当し話題をさらっている。文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、新日鉄音楽賞 、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞、ホテル・オークラ賞を受賞。これまで、ウラディーミル・クライネフ、澤野京子、マウゴルジャータ・バートル・シュライバーの各氏に師事。現在、 ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学教授、東京音楽大学特任講師。
2020年04月04日フィンランドは、人口あたりの音楽家の比率が世界で最も高い国だということを耳にしたことがある。そのフィンランドが生んだ“異才”ムストネンが「東京・春・音楽祭2020」に登場する。経歴にもある通り、ピアニストであるとともに、作曲家・指揮者としても活躍するムストネンはまさに“音楽家大国”フィンランド音楽界を代表する存在だ。その尖った活動ぶりは、ちょっと普通じゃない過去の来日公演やアルバムの数々からも感じ取れる。最初の衝撃はベートーヴェンの小品ばかりを収めたアルバムだった。「パガテル作品126」の強烈無比のタッチと切れ味抜群の演奏は今もファンの間での語り草。来日公演で披露した、バッハとショスタコーヴィチの「前奏曲とフーガ」を交互に奏でるステージにも、単なるピアニストとは一味違うムストネンのこだわりが見えて目からウロコの連続だったことが思い出される。今回のステージでは一体どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか興味津々。●公演概要3月22日(日)東京文化会館小ホール「オリ・ムストネン/東京・春・音楽祭2020」●オリ・ムストネン(ピアノ)(c)Heikki Tuuliラフマニノフ、ブゾーニ、エネスクといった偉大な作曲家の伝統を継ぎ、作曲家、ピアニスト、指揮者として非凡な才能を持つ、今日の音楽界において特異な存在である。一人三役での公演も多く、その傑出した業績が称えられ、過去にはダニエル・バレンボイムやパーヴォ・ヤルヴィも受賞した名誉あるヒンデミット賞を、2019年に授与された。およそ35年にわたるキャリアにおいて、自身の非凡なる音楽的見識を発揮し、これまでに、ベルリン・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、シカゴ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ニューヨーク・フィル、ロサンゼルス・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、パリ管弦楽団等の著名オーケストラと、ウラディーミル・アシュケナージ、ダニエル・バレンボイム、ヘルベルト・ブロムシュテット、ピエール・ブーレーズ、チョン・ミョンフン、シャルル・デュトワ、クリストフ・エッシェンバッハ、ニコラス・アーノンクール、クルト・マズア、ケント・ナガノ、サカリ・オラモ、エサ=ペッカ・サロネン、ユッカ=ペッカ・サラステ、パーヴォ・ヤルヴィ等の指揮者と共演している。2019/20シーズンは、自身の新作《Taivaanvalot》をイアン・ボストリッジ&スティーヴン・イッサーリスとアムステルダムのミュージックヘボウ・アアン・ヘット・アイで初演、その後ウィグモア・ホールと香港でも公演を行う。ボン・ベートーヴェン音楽祭から委嘱された弦楽六重奏曲は、2020年2月にタベア・ツィンマーマンらによって初演される。また、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルとの共演や、オークランド・フィルへ弾き振りでの客演の他、南アメリカ・ツアーや各国でリサイタルなどがある。輝かしい音楽家との交流を持ち、ロディオン・シチェドリンからピアノ協奏曲第5番を献呈され、シチェドリンの70歳、75歳、80歳を祝うバースデーコンサートに招待された。またヴァレリー・ゲルギエフとは幾度も共演を重ね、これまでにマリインスキー劇場管弦楽団、ミュンヘン・フィル、ロンドン交響楽団、ロッテルダム・フィル等と演奏している。昨シーズンはフィンランド独立100周年式典で、ソリストとしてエーテボリ交響楽団と共演した。世界各地でリサイタルを行い、ワルシャワのショパン協会、ペルミのディアギレフ音楽祭、マリインスキー劇場、ドレスデン音楽祭、シカゴのシンフォニー・センター、ニューヨークのザンケル・ホール、シドニーのオペラ・ハウス等に登場している。スティーヴン・イッサーリスとは30年以上にわたり共演を続け、近年はヒンツガルフ音楽祭、魔法にかけられた湖音楽祭、ウィグモア・ホール、イタリア・ツアーなどで共演した。プロコフィエフの解釈には定評があり、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団とのピアノ協奏曲全曲の録音がオンディーヌからリリースされた。ピアノ・ソナタ全曲演奏会を、ヘルシンキ・ミュージック・センター、アムステルダム・ムジークヘボウ、メキシコのセルバンティーノ国際音楽祭、シンガポール・ピアノ・フェスティバル、ルール・ピアノ・フェスティバル等で開催し高評を得た。ベートーヴェンも重要なレパートリーであり、協奏曲は全曲とも何度も演奏し、ピアノ・ソナタ連続演奏会も各地で開催している。録音では、1997年にリリースしたロンドン・デッカからの『ショスタコーヴィチ&アルカン:前奏曲集』がエディソン賞とグラモフォン賞を受賞。オンディーヌからはほかに、『レスピーギ:ミクソリディア旋法の協奏曲/ローマの噴水』(サカリ・オラモ指揮フィンランド放送交響楽団)をリリースしている。イッサーリスとの録音は、BISレーベルよりマルティヌー、シベリウス、ムストネンの作品をリリースされているほか、ハイペリオンからの最新盤のショスタコーヴィチとカバレフスキーのアルバムが好評を博す。 ヘルシンキ生まれ。5歳よりピアノ、ハープシコード、作曲を学ぶ。最初にラルフ・ゴトーニに、その後ピアノをエーロ・ヘイノネンに師事した。
2020年03月12日音楽家が世に出る大きなきっかけとなるのがコンクールだ。そのコンクールの中でもピアノの「ショパン国際ピアノ・コンクール」や「チャイコフスキー国際コンクール」、指揮の「ブザンソン指揮者コンクール」の名声がひときわ高いのは、過去の優勝者や入賞者のその後の活躍ぶりによるところが大きい。今回「名曲全集」に登場するピアノの上原彩子と指揮のベン・グラスバーグこそは、まさにコンクールの申し子と言えそうだ。「第12回チャイコフスキー国際コンクール」のピアノ部門において女性として、さらには日本人としての初優勝を成し遂げた上原彩子と、「第55回ブザンソン指揮者コンクール」で優勝を果たしたベン・グラスバーグ。この2人が共演するベートーヴェンのピアノ協奏曲は聴き逃がせない。コンクールをきっかけに大きく羽ばたいた2人の今や如何に。さらなる深化をとげた音楽家の姿をしっかり見極める時間が楽しみだ。●公演概要1月19日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール「ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集第153回」●上原彩子 Ayako Uehara (ピアノ,Piano)3歳児のコースからヤマハ音楽教室に、1990年よりヤマハマスタークラスに在籍。ヴェラ・ゴルノスタエヴァ、江口文子、浦壁信二各氏に師事。第3回エトリンゲン国際青少年ピアノコンクールA部門第1位を始め多くのコンクールで入賞を果たす。2002年6月には、第12回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門において、女性としてまた、日本人として史上初めての第一位を獲得。第18回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞受賞。これまでに国内外にて演奏活動を行い、2004年12月にはデュトワ指揮NHK交響楽団と共演し、2004年度ベスト・ソリストに選ばれた。CDはEMIクラシックスから3枚がワールドワイドで発売された他、2014年にはキングレコードに移籍し、「上原彩子のくるみ割り人形」「ラフマニノフ13の前奏曲」がリリースされている。2006年1月10日には「日本におけるロシア文化フェスティバル2006」オープニング・ガラコンサートでゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団と共演、また、2008年9-10月にはクリスチャン・ヤルヴィ指揮ウィーントーンキュンストラー管弦楽団とのオーストリア及び日本ツアーを行ない、2017年3月には、ベルリン及び日本国内4都市において、エリアフ・インバル指揮ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団と共演、高い評価を受けた。東京藝術大学音楽学部早期教育リサーチセンター准教授。●ベン・グラスバーグ(指揮)ケンブリッジ大学を卒業後、英ロイヤル・アカデミーでシャーン・エドワーズに指揮を学んだ。17年9月、第55回ブザンソン指揮者コンクールで優勝したほか、聴衆賞、オーケストラ賞も受賞した。17年夏、グラインドボーン音楽祭「皇帝ティートの慈悲」でロビン・ティッチアッティのアシスタントを務めていたグラスバーグは指揮者急病のため、急遽に指揮台に上がり大成功を収め、史上最年少で同音楽祭の指揮台にあがった指揮者となった。グラインドボーンでは18年夏に『蝶々夫人』、秋には『椿姫』をアシストおよび指揮をする。17/18シーズンはカンマー・アカデミー・ポツダムにデビューし、コンサートと『コジ・ファン・トゥッテ』を指揮するほか、アーネム・フィル、リヨン国立管、ロイヤル・フィル、パリ室内管、サンクトペテルブルク響、デトロイト響にデビューする。またロンドン・フィルでウラディーミル・ユロフスキーのアシスタントを務めるほか、ブリュッセルのモネ劇場で始める新しいダ・ポンテ・サイクルにアシスタントとして、また指揮者として参加する。
2020年01月10日“日本を代表するヴァイオリニストとピアニストの共演”として、2009年に大きな話題となったアルバムが、松田理奈(ヴァイオリン)と清水和音(ピアノ)によるラヴェルだった。この録音から10年が経過したこの年末、名手2人が再び共演する。しかもプログラムには、10年前に手掛けた話題のラヴェルがずらりと並ぶのだからこれは聞き逃がせない。音楽家にとっての10年とは一体どのような意味を持つのだろう。10年前には新進気鋭のヴァイオリニストだった松田理奈は、今や日本屈指の名手の1人に数えられる存在となり、当時すでにスーパーソリストとして名を馳せていた清水和音は、今や巨匠への道を1歩1歩着実に歩みつつある大物としてその名を知られる存在だ。共に熱く激しい内面を持つこの2人が、さらなる深化の過程で相まみえるラヴェルが一体どのような凄みを持つものなのか。プログラム前半に置かれたモーツァルト&ブラームスともども心して聴いてみたい。●公演概要12月17日(火)紀尾井ホール●松田理奈 Lina Matsuda (ヴァイオリン, Violin)桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースにて研鑽を積み、2006年ドイツ・ニュルンベルク音楽大学に編入。2010年、同大学院を首席にて修了。1999年に初ソロリサイタルを開催した後、2001年第10回日本モーツァルト音楽コンクールヴァイオリン部門第1位、同コンクール史最年少優勝。2002年にはトッパンホールにて「16才のイザイ弾き」というテーマでソロリサイタル開催。2004年、第73回日本音楽コンクール第1位、2007年にはサラサーテ国際コンクールにてディプロマ入賞。2013年新日鉄住金音楽賞受賞。これまでに国内の主要オーケストラに加え、ハンガリー国立フィル、スーク室内オーケストラ、ヤナーチェク・フィルハーモニー室内管、ベトナム響など数々のオーケストラや著名指揮者と共演。2006年ビクターより『ドルチェ・リナ』をリリース。その後『カルメン』、清水和音とライブ収録した『ラヴェル・ライブ』、『イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲集』をリリース。2018年にはブラームスとフランクのソナタを収録した5枚目のアルバムをリリースした。松田理奈オフィシャルウェブサイト: ●清水和音 Kazune Shimizu (ピアノ, Piano)(c) Mana Miki完璧なまでの高い技巧と美しい弱音、豊かな音楽性を兼ね備えたピアニスト。ジュネーヴ音楽院にて、ルイ・ヒルトブラン氏に師事。1981年、弱冠20歳で、パリのロン=ティボー国際コンクール・ピアノ部門優勝、あわせてリサイタル賞を受賞した。これまでに、国内外の数々の著名オーケストラ・指揮者と共演し、広く活躍している。室内楽の分野でも活躍し、共演者から厚い信頼を得ている。これまでにソニーミュージックやオクタヴィア・レコードなどから多数のCDをリリースし、各誌で絶賛されている。2011年には、デビュー30周年を記念して、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番~第4番とパガニーニの主題による狂詩曲の全5曲を一度に演奏するという快挙を成し遂げた。2014年から2018年の5年間では年2回のリサイタル・シリーズ「清水和音 ピアノ主義」を開催。幅広いレパートリーで聴衆を魅了した。2016年4月からは、年6回の室内楽シリーズ「芸劇ブランチコンサート」を開始するなど精力的な活動を続けている。桐朋学園大学・大学院教授。
2019年12月12日チェロ・古川展生、ピアノ・妹尾武、尺八・藤原道山のスペシャルユニットKOBUDO-古武道-が、12月24日(火)、新歌舞伎座で古武道忘年会『師走の協奏曲(コンチェルト)』Vol.11~なにわ友あれクリスマス~を開催する。妹尾に新アルバムやコンサートについて話を聞いた。古武道忘年会「師走の協奏曲(コンチェルト)」Vol.11 チケット情報2017年に結成10周年を迎えた古武道。今年10月に通算8枚目となるアルバム『HORIZON』を発表した。今回、楽曲の多くを妹尾が手掛けている。「僕たちはそれぞれソリストとして活動していて、ある程度経験を積んでから出会った。“俺が俺が”と自己主張するのではなく、お互いをソリストとして生かせる曲作りを意識しています」と語る。寿司屋に飾ってあった鳥獣戯画から着想がわいた『踊る鳥獣戯画』は、動物や寿司が今にも踊り出しそうな軽快な曲。「僕の持つ和のイメージを投影したかったのと、古武道にはダンサブルな曲が少ないので、それにチャレンジしたいと思って作りました」。また、妹尾が敬愛するラフマニノフの交響曲第2番第3楽章を元にしたカバー曲『Love’s Journey』は、ジャズが心地よく響く。「僕がビル・エヴァンスなどのジャズが好きで、古武道にジャズを染み込ませたいという思いがある。また、古川はクラシックひと筋で、道山は武満徹などの現代音楽を小学生から聴いていた変わり者。たぶん、彼のような小学生はめったにいないでしょう」と笑う。ピアノとチェロの壮麗な音に包まれ、藤原の尺八はフルートやビブラフォンのようにも聞こえ、変幻自在だ。「道山は陰で血のにじむような努力をしていると思う。もちろん、僕らもそうですが。道山はいい意味で負けん気が強くて、お茶でも点てそうな姿勢の良さと立ち振る舞いから、僕は“女優”と呼んでいるんです(笑)。僕と古川はそこまで負けん気は強くなく、だらしないところを見せる時もある。でも、道山は隙がないので、その隙を演奏中やオフでつくのが楽しみなんです(笑)」という言葉から、3人の仲の良さがうかがえる。ラストの『夜明けのラプソディー』は、「未来に向かい、お客さんと盛り上がる曲を作りたかった。ゴスペルやクラシックも混じり、古武道のミックスジュース的楽曲ですね」と自信を見せる。珠玉の15曲が揃った。「一番うれしいのは、“演奏が上手ね”という感想ではなく、曲を聴いていると掃除がはかどる、ドライブが楽しい、元気が出た、お通じが良くなった(笑)などと言われること。音楽が生活の中に溶け込めることが作家冥利に尽きるんです」。新歌舞伎座での年末ライブは7回目となり恒例だが、クリスマスイブの夜は初めて。ゲストにミュージカルを中心に活躍する俳優・岡幸二郎を迎える。「クリスマスソングや新作を多めに披露し、岡さんがミュージカルの曲も歌います。音の贈り物で、みなさんが温かくなれる素敵な夜にしますので、ぜひ、来てください!」公演は12月24日(火)大阪・新歌舞伎座にて。チケット発売中。取材・文:米満ゆうこ
2019年12月04日1947年の創立以来、70年以上に渡ってヨーロッパの主要放送交響楽団の1つとして素晴らしい演奏活動を行ってきたケルン放送交響楽団が、ワルシャワ生まれの名匠マレク・ヤノフスキに率いられて来日する。両者の共演は1983年にまで遡り、2018年2月にはヒンデミット作品集を録音をするなど、関係性は抜群。2018年9月からは待望のベートーヴェン・チクルスを開始し、同時にレコーディングも進めているというのだから楽しみだ。今回はドイツ本国で行われたベートーヴェン・チクルスの勢いをそのまま持ち込むかのような日本公演が期待できる。ソリストには、2015年のショパン国際ピアノ・コンクールの覇者チョ・ソンジンを迎え、ベートーヴェンの偉大さを知る上で、欠かすことのできない「交響曲」と「協奏曲」の代表曲を披露する。いよいよ間近に迫った2020年の“ベートーヴェン生誕250年”を、より身近に感じさせるステージがこれだ!●公演概要・11月21日(木)東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル・11月25日(月)東京文化会館 大ホール・11月26日(火)サントリーホール 大ホール●マレク・ヤノフスキ (指揮)ワルシャワ生まれ。現代におけるドイツ伝統音楽の巨匠の一人。1939年ワルシャワ生まれ。ドイツで教育を受け、フライブルグ、ドルトムントの歌劇場で音楽総監督を務めた。ドルトムント在任中、その芸術性が高く評価され、ヨーロッパの主要な歌劇場に招かれるようになる。1970年代後半以降、世界の主要な歌劇場のうちヤノフスキが定期的に客演しない歌劇場は一つもないほどになり、その活躍の場はニューヨークのメトロポリタン歌劇場からミュンヘンのバイエルン国立歌劇場へ、シカゴやサンフランシスコからハンブルクへ、ウィーンやベルリンからパリへと広がった。これまでにフランス国立放送フィル音楽監督、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団首席指揮者、ベルリン・ドイツ響第1客演指揮者、モンテカルロ・フィル音楽監督、ドレスデン・フィル首席指揮者、ベルリン放送響芸術監督を務める。ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、ブルックナー、ブラームス、ヒンデミット、および新ウィーン楽派の解釈では世界的に定評があり、この幅広いレパートリーを網羅する多数の優れた録音を残している。2018/2019シーズンには、ドレスデン・フィル、ベルリン・フィル、ケルン放送響、フランクフルト放送響、NDRエルプフィル、ライプツィヒMDR、スイス・ロマンド管、オスロ・フィル、N響、サンフランシスコ響などを指揮予定。現在ヨーロッパと北アメリカの主要なオーケストラで特に高い評価を得ており、楽団を世界的な一流オーケストラへと育て上げる手腕を持つ指揮者としても知られている。●チョ・ソンジン(ピアノ)(C)Harald Hoffmann DG圧倒的な才能と生来の音楽性で、急速に世界的な活躍を繰り広げているチョ・ソンジンは、同世代の中で最も際立つアーティストの一人と認められている。2015年ショパン国際ピアノコンクールで念願の優勝を果たし、国際的な脚光を浴びる。ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、2016年にリリースされた最初のCDには、ノセダ指揮ロンドン響との共演による、ショパンのピアノ協奏曲第1番と4つのバラードが収録されている。2017年にはドビュッシーのソロ・アルバム、続く2018年には、ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管との「モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、ソナタ第3番、第12番」のアルバムがリリースされた。これらのアルバムは、いずれも世界中の批評家たちから非常に高く評価されている。●ケルン放送交響楽団(C)Marek Janowski1947年創立。以来70年以上に渡り、ヨーロッパの主要な放送管弦楽団のひとつとして地位を確立。広大なレパートリー、芸術的完成度をトレードマークとする。大都市ケルンの主要なコンサート・ホールや音楽祭と数多く提携し、海外ツアー、数々のCDのリリースなど、その活動はドイツのオーケストラ界を代表する存在として国際的に重要視されている。1964年より、C.F.ドホナーニ、G.ベルティーニ、S.ビシュコフを、2010/2011シーズンよりユッカ=ペッカ=サラステを首席指揮者に迎える。その指導の下、特にマーラー、ショスタコーヴィチ、R.シュトラウス、ラフマニノフ、ヴェルディ、ワーグナー作品で頭角を現し、世界各国で頻繁にツアーを行うようになった。また多数の現代作品の世界初演を行うことで音楽史に貢献。これまでにストラヴィンスキー、ベリオ、ヘンツェ、シュトックハウゼン、カーゲル、リーム、ヴィトマン、ペンデレツキといった偉大な作曲家が自作を指揮している。さらに、テレビ・ラジオ放送、デジタルメディア、教育プログラムを通してクラシック音楽の普及に邁進している。1983年、指揮者マレク・ヤノフスキと初共演。2018年2月には、ヤノフスキと同団による、ヒンデミット作品を収録したCDがペンタトーンからリリースされた。また2018年9月よりベートーヴェン・チクルスを開始。初めてとなるベートーヴェン作品のレコーディングを進めている。2019年2月ヤノフスキ80歳の誕生日には、ソリストにチョ・ソンジンを迎え、ベルリン・フィルハーモニーでのコンサートを含むドイツ全国のツアーを敢行した。※関連公演・11月21日(木)東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル・11月25日(月)東京文化会館 大ホール・11月26日(火)サントリーホール 大ホール
2019年11月14日交響曲や協奏曲、室内楽に歌曲やオペラなど、手掛けたすべてのジャンルに於いて最高の作品を遺した“クラシック界のレジェンド”ベートーヴェン”の作品群の中でも、ひときわ強い光を放っているのが32曲のピアノ・ソナタだ。第8番「悲愴」、第14番「月光」&第23番「熱情」のいわゆる“3大ソナタ”から、深い人生観が込められた第30番、31番&32番の“最後の3大ソナタ”などなど、32曲のすべてがそれぞれ個性的な表情を持つところがベートーヴェンの凄さだろう。“音楽の旧約聖書”に例えられるバッハの「平均律クラヴィーア曲集」に対し、“音楽の新約聖書”と呼ばれるベートーヴェン「ピアノ・ソナタ全32曲」の深遠な世界に挑むピアニスト河村尚子の「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト」がいよいよ最終回を迎える。プログラムには、前述の“最後の3大ソナタ”が用意され、プロジェクトの大団円に華を添える。この秋公開された映画『蜜蜂と遠雷』の中で、主人公「栄伝亜弥」の印象的な演奏を担った河村尚子だけに、コンサートへの期待は高まるばかりだ。●公演概要11月13日(水)紀尾井ホール●河村尚子(ピアノ)(c)Marco Borggreve兵庫県西宮市生まれ。1986年渡独後、ハノーファー国立音楽芸術大学在学中にヴィオッティ(ヴェルチェリ)、カサグランデ、ゲーザ・アンダなどヨーロッパの数々のコンクールで優勝・入賞を重ねる。2006年には権威ある難関ミュンヘン国際コンクール第2位受賞。翌年、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールにて優勝を飾り、大器を感じさせる新鋭として世界の注目を浴びる。ドイツを拠点に、ヨーロッパ、ロシア、日本などで積極的にリサイタルを行う傍ら、ウィーン交響楽団、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団、ロシア国立交響楽団、モスクワ・ヴィルトゥオーゾ、バーミンガム市交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団などのソリストに迎えられている。また、「ルール・ピアノ祭」(ドイツ)、「オーヴェール・シュル・オアーズ音楽祭」(フランス)、「ドシュニキ国際ショパン・フェスティヴァル」(ポーランド)、日本では「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」や「東京・春・音楽祭」などの音楽祭に参加。2011年には、ドイツ・ワイマール近郊にあるエッタースブルク城での音楽祭でアーティスト・イン・レジデンスをつとめ、4夜にわたるソロ・リサイタルを開催し、絶賛を博す。室内楽では、ハーゲン・クァルテットの名チェリスト、クレメンス・ハーゲンとのデュオで好評を得ているほか、マキシミリアン・ホルヌング(チェロ)とロンドン・ウィグモアホール、ラモン・オルテガ・ケロ(オーボエ)とニューヨーク・カーネギーホールにデビューするなど、同世代の実力派アーティストとも積極的な活動を展開している。日本では、2004年小林研一郎指揮東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会でデビュー。以来、パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団を含む日本国内の主要オーケストラと相次いで共演を重ねる一方、ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団、ファビオ・ルイージ指揮ウィーン交響楽団、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団、マレク・ヤノフスキ指揮べルリン放送交響楽団、イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、山田和樹指揮バーミンガム市交響楽団などの日本ツアーに参加。その他、サー・ロジャー・ノリントン、ユーリ・テミルカーノフ、アレクサンドル・ラザレフなど多くの指揮者から度々再演の指名を受けている。現在、2019年の日本デビュー15周年に向けて、2年にわたり「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト」に取り組み、自ら厳選した14のソナタを全4回のリサイタルで披露している。2009年、名門RCA Red Sealレーベルより「夜想 (ノットゥルノ)~ショパンの世界」てメジャー・CDデビュー。 2011年9月、セカンド・アルバム「ショパン:ピアノ・ソナタ第3番&シューマン:フモレスケ」をリリース、各誌で特選盤に選定される。2013年秋、サード・アルバム「ショパン:バラード」のリリースを経て、2014年秋には、プラハ・ルドルフィヌムでのチェコ・フィルとの定期演奏会、およびドイツ・エルマウ城でのクレメンス・ハーゲンとの演奏会をライヴ収録した「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&チェロ・ソナタ」をリリースした。2018年には4年ぶりのソロ・アルバム「ショパン:24の前奏曲&幻想ポロネーズ」をリリースし、2019年4月、「月光」「悲愴」を含む待望のベートーヴェンCDをリリースする。その他のレコーディングとして、ソロでは仏ディスコヴェール(2002年/同レコーディン具はXRCD化され、日本伝統文化振興財団より2012年6月に再発売された)、独アウディーテ(2004年)、ルール・ピアノ音楽祭エディション(2008年/ライヴ録音)が、また日本コロムビアからシューマンのピアノ五重奏曲(2010年/トッパンホール)、京響レーべルからラフマニノフのパガニーニ狂詩曲(2009年/広上淳一指揮京響との共演)、独コヴィエロ・クラシックからモーツァルトのピアノ協奏曲第21番(2014年/ボストック指揮アルゴヴィア・フィルとの共演)がリリースされている。また、国際ピアノ・コンクールにおける若者たちの群像劇をリアルに描いた、作家・恩田陸の直木賞受賞小説を原作とした映画『蜜蜂と遠雷』(2019年10月公開)では主人公・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当し話題をさらっている。文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、新日鉄音楽賞 、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞、ホテル・オークラ賞を受賞。これまで、ウラディーミル・クライネフ、澤野京子、マウゴルジャータ・バートル・シュライバーの各氏に師事。現在、 ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学教授、東京音楽大学特任講師。
2019年11月06日幅広いレパートリーを武器に、ピアノ音楽の様々な可能性を切り開いてきたロシアの俊英ヴォロディンが来日する。そのヴォロディンの今回のテーマは、自らのルーツと言える“ロシアの作曲家たちの音楽”だ。20世紀前半似活躍したニコライ・メトネルのロマンティックな小品集「おとぎ話」に、チャイコフスキーの名高いバレエ組曲「眠れる森の美女(プレトニョフ編)」。そして締めくくりには、ピアノ音楽の中でも最高の技巧が求められる難曲、バラキレフの「イスラメイ」というプログラムには、ロシア伝統のロマンティシズムと気高いピアニズムの香りが充満する。「日本の聴衆は、真摯に演奏家の心に寄り添ってくださる。来日公演を重ねる度に、皆様がより身近な存在になっているのを実感する」と語るなど、親日家の側面も持つヴォロディンが描き出すロシアピアニズムの“凄さ”を体験したい。●公演概要10月21日(月)紀尾井ホール「アレクセイ・ヴォロディン ピアノ・リサイタル」●アレクセイ・ヴォロディン非常に繊細なタッチと華麗な技巧が高く評価されているヴォロディンは、桁外れに多様なレパートリーを有し、ベートーヴェン、ブラームスからチャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、さらにガーシュウィンからシチェドリン、メトネルまで自在に弾きこなす。1977年レニングラード生まれ。モスクワのグネーシン音楽大学で学んだ後、モスクワ音楽院でヴィルサラーゼに師事した。2003年、チューリヒで行われたゲザ・アンダ国際ピアノ・コンクールでの優勝を機に国際的にその名が知られることとなった。ゲルギエフ、アシュケナージ、ナガノ、インキネンらの指揮のもと、マリインスキー劇場管、ロシア・ナショナル管、SWR響、モントリオール響、N響、中国国家大劇院管などと共演、リサイタルはウィーン・コンツェルトハウス、マリインスキー劇場、フィルハーモニー・ド・パリ、チューリヒのトーンハレなどのホールで定期的に演奏。室内楽にも力を入れ、ボロディン弦楽四重奏団、モディリアーニ弦楽四重奏団、ヤンセン、ラクリン、マイスキー、ガベッタらと共演している。2019/20年シーズンは、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管、シドニー響、ハンブルク・フィル、ロイヤル・フィル、サンクトペテルブルグ・フィルなどに招かれ、ロンドンのサウスバンク・センターで開催される「インターナショナル・ピアノ・シリーズ」やウィグモア・ホール、アムステルダムのコンセルトヘボウでの「マスター・ピアニスト・シリーズ」にも登場する。最新の録音は、マリインスキー・レーベルからリリースされたゲルギエフの指揮によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第4番。チャレンジ・クラシックス・レーベルでラフマニノフ、シューマン、ラヴェル、スクリャービンのソロ作品も録音している。ショパンの作品を録音したCDは、クラシカ誌のショック賞とディアパゾン誌の5つ星を受賞した。スタインウェイの専属アーティストである。
2019年10月16日日本オリンピック委員会(JOC)が、オリンピック・ムーブメントの推進を目的に1997年より毎年開催しているオリンピックコンサート。スポーツと文化の融合をかたちにした、オリンピック映像とフルオーケストラが競演するという唯一無二のコンサートだ。毎年、東京などで開催し好評を博してきたが、2020年は1月~4月にかけ「プレミアムサウンドシリーズ」として、東京、名古屋、広島、大阪、仙台、札幌の全国6都市、その各地を代表する計7つのコンサートホールでの開催が決定した。【チケット情報はこちら】いよいよ開催まで1年を切った東京2020大会。オリンピックはいつの時代も、アスリートはもちろん、世界中の人々の心を揺さぶり続けてきた。今回のコンサートは“輝く夢に向かって”をテーマに、オリンピックをめぐる数々のドラマを、映像とフルオーケストラの響きでお届けする。コンサートのナビゲーターは、自身も競泳選手として、過去2回のオリンピックへ出場したオリンピアンであり、現在は俳優として活躍する藤本隆宏。2012年から9年連続で、今回のシリーズでもナビゲーターをつとめる。公演にはオリンピックという夢に挑み続けたオリンピアンも参加予定。また、公演各地の合唱団が、このコンサートでは恒例となった「オリンピック讃歌」にこめられたオリンピック精神を高らかに歌い上げる。<公演プログラム>第一部・オリンピック東京大会ファンファーレ(今井光也)・オリンピック・マーチ(古関裕而)・歌劇「運命の力」序曲(ヴェルディ)・映画「E.T.」から”地上の冒険”(ジョン・ウィリアムズ)・歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(グリンカ)第二部・喜歌劇「天国と地獄」序曲(オッフェンバック)※札幌以外の6公演・交響曲第2番第3楽章(ラフマニノフ)※札幌公演のみ・オリンピアン等によるトークコーナー~輝く夢に向かって※参加者は後日発表。・幻想序曲「ロメオとジュリエット」から(チャイコフスキー)・映画「ミッション」からメインテーマ(エンニオ・モリコーネ)・オリンピック讃歌(スピロ・サマラ)ほか公演は2020年1月11日(土)~4月4日(土)にかけて札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島の6都市・7会場で上演される。
2019年10月11日1970年アメリカ生まれのピアニスト、ニコラ・アンゲリッシュが来日する。熱烈なピアノ・ファンが相手ならば、過去の来日時におけるソロ・リサイタルやオーケストラとの共演、さらには「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」での素敵なパフォーマンスでもお馴染みのアンゲリッシュについて、前置きなしですらすら話ができそうなところだが、一般の方々に彼の魅力を伝えることは、原稿用紙(今やPC)を前にしたこの期に及んでなかなか難しいことにはたと気がつく。そう、アンゲリッシュには、これといった強烈な個性が見当たらないのだ。しかしながら、「だったらだめじゃん」などと思うのは大間違い。強烈な個性というものは、一歩間違えば奇をてらった陳腐な演奏と紙一重であるということも認識しておきたい。アンゲリッシュには、そのあたりの世界とは全く無縁の領域に生息するピアニストとしての存在価値があるように思えるのだ。言い方を変えればオーソドックス。しかしそのオーソドックスの絶対的な高みとは、他に代えがたい価値であるということを知ってほしい。特に今回のプログラムに並ぶドイツの作曲家たちの作品においては、オーソドックスであることの意味が大きく物を言いそうだ。音楽の価値や演奏の価値とはいったいどこにあるのだろう。そんな事を改めて考えさせられそうな重みを持つアンゲリッシュのリサイタルになりそうだ。●公演概要10月15日(火)紀尾井ホール「ニコラ・アンゲリッシュピアノ・リサイタル」●ニコラ・アンゲリッシュ(ピアノ)(c)Jean-François-Leclercq-Erato1970年アメリカ生まれ。5歳で母からピアノの手ほどきを受け、7歳でモーツァルトのピアノ協奏曲K.467を弾き演奏会デビュー。13歳でパリ国立高等音楽院に入学し、アルド・チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロフ、マリー=フランソワーズ・ビュケに師事した。ピアノと室内楽で1等賞を授与され、同音楽院を卒業。レオン・フライシャー、ドミトリー・バシキーロフ、マリア・ジョアン・ピリスのマスタークラスも受講。クリーヴランドのロベール・カサドシュ国際ピアノ・コンクールで第2位(1989年)、ジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールで第1位(1994年)に輝く。ドイツでは、フライシャーの推薦でルール・ピアノ音楽祭の新人賞を受賞。2013年、フランスのヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークより年間最優秀器楽奏者に選出された。2003年5月、クルト・マズアの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番の独奏を務め、ニューヨーク・フィルハーモニックにデビュー(リンカーン・センター)。マズア指揮フランス国立管弦楽団の日本ツアーでは、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏した。2007年10月にはウラディーミル・ユロフスキよりモスクワに招かれ、ロシア・ナショナル管弦楽団のシーズン・オープニング・コンサートに出演した。これまでソリストとして、シャルル・デュトワ、ロジャー・ノリントン、ウラディーミル・ユロフスキ、ヤニック・ネゼ=セガン、トゥガン・ソヒエフ、ステファン・ドゥヌーヴ、マルク・ミンコフスキ、エマニュエル・クリヴィヌ、チョン・ミョンフン、ジャナンドレア・ノセダ、ダーヴィト・アフカム、パーヴォ・ヤルヴィ、クリスチャン・ヤルヴィ、ダニエル・ハーディング、ヴァレリー・ゲルギエフ、ミヒャエル・ザンデルリング、クシシュトフ・ウルバンスキ、デイヴィッド・ロバートソン、ヘスス・ロペス=コボス、ケネス・モンゴメリー、アレクサンドル・ドミトリエフ、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、ヒュー・ウルフ、クリスティアン・ツァハリアス、大野和士らの指揮のもと、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、パリ管弦楽団、フランス国立リヨン管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロサンジェルス・フィルハーモニック、ピッツバーグ交響楽団、サンクトペテルブルク交響楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、モンペリエ管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、南西ドイツ放送交響楽団、hr交響楽団、スイス・イタリアーナ管弦楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団、トーンキュンストラー管弦楽団、モントリオール交響楽団、アトランタ交響楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、ソウル市立交響楽団、マーラー・チェンバー・オーケストラ、ヨーロッパ室内管弦楽団などと共演。ロンドン、ミュンヘン、ジュネーヴ、アムステルダム、ブリュッセル、ルクセンブルク、ローマ、リスボン、ブレシア、東京、パリを始め、各地でリサイタルを行っており、ヴェルビエ音楽祭、マルタ・アルゲリッチ主宰のルガーノ音楽祭より定期的に招かれている。2009年7月には、ヤニック・ネゼ=セガン指揮スコットランド室内管弦楽団との共演で、BBCプロムスへのデビューを果たした。古典派・ロマン派作品を得意とし、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲やリストの《巡礼の年》全曲を世界中で演奏。さらに20・21世紀の音楽にも関心を寄せ、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、バルトーク、ラヴェル、メシアン、シュトックハウゼン、ピエール・ブーレーズ、エリック・タンギーらの作品を演奏。ブルーノ・マントヴァーニの《Suonare》、ピエール・アンリの《オーケストラのないピアノ協奏曲》、バティスト・トロティニョンのピアノ協奏曲《Different Spaces》(Naïveレーベルに録音)をそれぞれ初演している。室内楽にも精力的で、マルタ・アルゲリッチ、ギル・シャハム、ヨーヨー・マ、ジョシュア・ベル、マキシム・ヴェンゲーロフ、諏訪内晶子、ドミトリー・シトコヴェツキー、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソン、ジャン・ワン、ダニエル・ミュラー=ショット、レオニダス・カヴァコス、ジェラール・コセ、ポール・メイエ、エベーヌ四重奏団、モディリアーニ四重奏団、イザイ四重奏団、プラジャーク四重奏団、パヴェル・ハース四重奏団がらと共演している。レコーディングでは、代表的なソロ・アルバムに、『ラフマニノフ:ピアノ作品集』(Harmonia Mundi)、『ラヴェル:ピアノ作品集』(Lyrinx)、『リスト:巡礼の年』(Mirare、「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「クラシカ」推薦盤)、『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番、第21番「ワルトシュタイン」、第32番』がある。Eratoレーベルとはブラームスに重点を置き、ピアノ三重奏曲(共演:ルノー&ゴーティエ・カプソン、ドイツ・レコード批評家賞)、ヴァイオリン・ソナタ(共演:ルノー・カプソン、ディアパゾン・ドール、「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「グラモフォン」エディターズ・チョイス、「スケルツォ」特選盤)、ピアノ独奏曲(「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「BBC ミュージック」優良盤)を録音。さらに諏訪内晶子との共演で『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」、第7番 』(Decca)を、パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団との共演で『ブラームス:ピアノ協奏曲第1番、第2番』(Erato)をリリースしている。このほか、フォーレの室内楽作品、J.S.バッハの《ゴルトベルク変奏曲》、『Dedication:献呈されたピアノ作品~リスト、シューマン&ショパン』などの録音も高い評価を得ている。最新盤は、『ベートーヴェン: 三重協奏曲、ピアノ三重奏曲第4番「街の歌」』(共演:パーヴォ・ヤルヴィ、フランクフルト放送交響楽団、ギル・シャハム、アンヌ・ガスティネル)、またロランス・エキルベイ指揮、インスラ・オーケストラとの最新レコーディング『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番「皇帝」』も2018年9月にリリース。
2019年10月10日おとな向け映画ガイドオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/9/23(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は22本。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『任侠学園』。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が多くて21本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン…』を使ったタイトルはこれが元祖。1968年に『ウエスタン』という邦題で公開されたイタリア製西部劇の傑作です。クエンティン・タランティーノはこの映画を見て映画監督になろうと思ったそうで、新作の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、まさにこの映画タイトルの引用です。今回、50年の時を経て、オリジナル版が日本初上映されます。どこをとってもカッコいいんです。荒野の駅に到着する汽車、待ち受けるロングコートの男三人、どこからともなく現れた謎のガンマンとの銃撃戦……。冒頭からひきこまれます。小さなハーモニカを持つガンマンはチャールズ・ブロンソン。なんと、アメリカの良心のようなヘンリー・フォンダが悪役で出演しています。ほかに、ジェイソン・ロバーズ、ジャック・イーラムと渋い役者が並び、イタリアン・ビューティ、クラウディア・カルディナーレが花を添えます。流れる哀愁のメロディーはエンニオ・モリコーネ。アメリカの西部劇が下火となり、それを受け継いだ形で、イタリアの「マカロニ・ウエスタン(英米伊での呼称はスパゲッティ・ウエスタン)」が世界的にブームとなりました。その代表的な監督、セルジオ・レオーネが、これまでの用心棒ものから西部開拓物語といえる大叙事詩に作風を変えた野心作です。アメリカの西部劇役者を多く起用しただけでなく、撮影も行われ、『駅馬車』でおなじみのモニュメントバレーも登場します。68年といえば、サム・ペキンパーの『ワイルドバンチ』が発表されたのもこの年。『明日に向って撃て!』が翌69年。消えゆく西部劇を惜しむかのような作品が続きます。そういう流れの中で作られた映画。大いなる西部への挽歌をイタリア人監督が作り、さらに50年後、アメリカ人であるタランティーノがこの作品にオマージュを捧げているということも面白いです。『エセルとアーネスト ふたりの物語』『さむがりやのサンタ』『スノーマン』『風が吹くとき』といった名作絵本の作者、レイモンド・ブリッグズが自身の父母について描いた物語をアニメ映画にしています。あの絵本同様、なんともあったかくて、イギリス人ならずとも懐かしく感じる、ささやかな家族のお話です。1928年のロンドン、お金持ちの家のメイドをしていたエセルと、牛乳配達を仕事にするアーネストの出会い、結婚、出産、そして戦争、戦後の混乱や子供の成長……。その暮らしぶりが、手描きのアニメーションで丹念に表現されています。息子のブリッグズは1934年生まれ。ジョン・レノンやポール・マッカートニー(エンディング曲を担当)よりは少し年上ですが、50〜60年代、髪を長くし、世の中に反抗したイギリス「怒れる若者たち」の世代です。両親が希望する通りの人生を歩む訳ではありません。親子の世代間ギャップはありますし、この時代、電化や通信の変化も劇的です。でも変わらないのは日々の暮らしと家族への思いやりの気持ちです。イギリス公開時のキャッチフレーズは「40年、1つの愛、数えきれない紅茶」だったそうです。紅茶は変わらない日常の象徴。そういう普通の人たちの20世紀の歴史です。『パリに見出されたピアニスト』パリ、北駅。乗降客が自由に弾けるよう設置されたピアノで、バッハを無心に弾く若者の姿から物語が始まります。クラシックには縁のなさそうな格好の彼の演奏に足を止めたのが、パリ音楽学院のディレクター。天才を発見した、と思ったのです……。若者の名はマチュー。郊外の貧しい家庭に育ち、友達もワルばかり。そんな彼がピアノを弾けるのには、ある理由があったのです。最近はこういうの、たいてい「実話に基づく」なのですが、この作品はオリジナル脚本。貧困な家庭に育った若者が、ピアノコンクールの優勝を目指す、という、王道ではありますが、実によくできたサクセスストーリーです。セーヌ川、サン・マルタン運河、ノートルダム大聖堂など、パリ各地でロケをした映像。演奏される曲は、リスト、ショパン、そしてラフマニノフの作品。クラシックファンならずとも楽しめます。マチューを演じるジュール・ベンシェトリが、名優ジャン=ルイ・トランティニャンの孫だというのはフランス映画ファンにとっては、へーっの話題では。『春画と日本人』文化記録映画として作られた作品ですが、劇場公開されます。2015年に開催された、日本で初めての大規模な春画の展覧会、「春画展」の内幕を描いています。もともとは2013年に大英博物館で大成功を収めた企画、その日本巡回展として考えられていたのですが、東京国立博物館をはじめ、20以上の美術館、博物館に断られ、細川家18代当主の細川護煕さんが館長をつとめる永青文庫が引き受けたいきさつなどが関係者の証言で明らかになります。なかには、さる高名な博物館関係者のように、イギリスの展覧会のことを褒め称え、自腹でも行きたいというのですが、「では日本展をお宅の館で」ともちかけると、モニャモニャと腰砕けになる、といった風に、本音と建前がちがう日本の現実が浮き彫りになります。無修正の浮世絵「春画」が、地道な出版活動の積み重ねをへて、いまや堂々と書店で売られるようになったことや、普通のアートとは微妙に異なる図書館での春画の扱いなど、興味深い内容ばかりです。展覧会は18歳未満は入場禁止でした。展示を振り返っての関係者のコメント「ひとりの逮捕者もださずによかった」というのが、まさに本音でしょうね。あ、この映画も無修正の春画がでますので、18歳未満は入場禁止です。文京区の小さな博物館、永青文庫には異例の21万もの人が訪れました。私もこの展覧会に行き、感動した一人です。その時手に入れた600ページ以上におよぶ貴重な図録は家宝と思っています。文:ぴあ編集部 坂口英明
2019年09月23日女性は指揮者になれないといわれた時代に先駆者となったアントニア・ブリコの半生を描いた『レディ・マエストロ』が9月20日(金)より日本公開。そのほかにも、不良少年がピアノと出会ったことで変わっていく『パリに見出されたピアニスト』、世界最高峰のコンクールに挑む4人のピアニストを描いた『蜜蜂と遠雷』と、音楽に魅了され、全てを音楽に捧げた作品が続々。“芸術の秋”にぴったりな、数々の名曲に彩られた熱い音楽映画3作品をご紹介。裏切り、バッシングを乗り越え…『レディ・マエストロ』(9月20日公開)1926年、ニューヨーク。「女性は指揮者になれない」といわれた時代に、オランダからの移民アントニア(クリスタン・デ・ブラーン)は誰にも負けない音楽への情熱で指揮者になる夢を諦めない。出生の秘密、恋人(ベンジャミン・ウェインライト)の裏切り、女性指揮者への激しいバッシングなど、彼女を襲う様々な困難を乗り越えていく。女性指揮者のパイオニア、アントニア・ブリコの半生をマーラー「交響曲第4番」、ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」など、数々の名曲が奏でられる勇気と感動と驚きに満ちた実話。路地裏の天才が“本物”に出会う…『パリに見出されたピアニスト』(9月27日公開)パリの駅に置かれた1台のピアノで警察の目を盗み、演奏するのが楽しみの不良少年マチュー(ジュール・ベンシェトリ)。ある日警察に捕まったマチューは、名門音楽学校での清掃の無償奉仕を条件に釈放される。音楽学校でディレクターを務めるピエールはマチューの才能を見抜き、ピアノ教師のエリザベスも巻き込みながらマチューをピアニストにする夢を抱く。初めは反抗的な態度をとっていたマチューも次第に真剣に音楽へ向き合うが…。「のだめカンタービレ」で日本でも広く知られるようになったラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18」などクラシックの名曲の数々が、本作をドラマチックに盛り上げる。松岡茉優×松坂桃李×森崎ウィン×鈴鹿央士が競演…『蜜蜂と遠雷』(10月4日公開)ピアノコンクールに挑む4人のピアニストを描いた恩田陸の同名小説を実写映画化。ピアノが弾けなくなった元・天才ピアノ少女の亜夜役を松岡茉優、妻子持ちで出場年齢制限ギリギリの明石役を松坂桃李、名門音楽院に在籍し完璧な技術を持つマサル役を森崎ウィン、突如現れた謎の天才少年の塵役を新人の鈴鹿央士が演じている。国際ピアノコンクールの舞台に、それぞれの想いをかけた熱い戦いが始まる。果たして、音楽の神様に愛されるのは誰か?実力派ソリスト・河村尚子をはじめ国内外で活躍するピアニストたちが劇中で奏でられる最高峰の演奏を担当。宮沢賢治の同名の詩をモチーフにし、劇中でコンクール曲となるオリジナル楽曲「春と修羅」は、国際的に評価の高い作曲家・藤倉大が手掛けている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開(C)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会パリに見出されたピアニスト 2019年9月ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開©Récifilms –TF1 Droits Audiovisuels –Everest Films –France 2 Cinema –Nexus Factory –Umedia 2018
2019年09月10日首都圏オーケストラの祭典「フェスタサマーミューザKASWASAKI 2019」が絶賛開催中だ(7月27日~8月12日:ミューザ川崎シンフォニーホール)。15年目を迎える今年は、首都圏主要オーケストラの他、東北の名門「仙台フィルハーモニー管弦楽団(8月4日)」や、バーンスタインの遺志を受け継ぐ札幌のユースオーケストラ「PMFオーケストラ(8月2日)」などの参加によって、全国規模のオーケストラフェスへと進む道筋も見え始めたように感じられる。各オーケストラが趣向を凝らした今年のプログラムの中でも、特に注目されるのが「日本フィルハーモニー交響楽団(8月7日)」だろう。なんといってもソリストに起用したのが、先日モスクワで開催された「チャイコフスキー国際コンクール」ピアノ部門で見事第2位に入賞した藤田真央なのだから素晴らしい。この結果を予測しての起用であるのならば、まさにオーケストラの企画の勝利に違いない。コンクール効果も相まってチケットはすでにソールド・アウト。しかし“オーケストラの祭典”はまだまだ続く。ミューザ川崎の素晴らしい音響の中に観を浸す快感を是非ご堪能あれ。イベント詳細8月7日(水)開場14:30開演15:00ミューザ川崎シンフォニーホール【関連リンク】 フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2019()【関連リンク】 日本フィルハーモニー交響楽団 炎のマエストロ+若手ピアニストの熱演()●藤田真央(ピアノ)藤田真央(ピアノ)2017年、弱冠18歳で第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝し、一躍世界の注目を浴びる。国内はもとより、各地でリサイタル、オーケストラと共演しており、これまでに、オレグ・カエターニ、リッカルド・ミナーシ、小林研一郎、現田茂夫、飯森範親、大友直人、クリスティアン・ツァハリアス、東京都交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、ユタ交響楽団、ローザンヌ室内管弦楽団、マカオ管弦楽団等と共演。2018年には、ルール音楽祭でリサイタルを行った他、ヴェルビエ音楽祭にアカデミー生として参加。スイス、並びにパリのルイ・ヴィトン財団主催New Generationシリーズに招かれリサイタルを行った。今シーズンは、カーチュン・ウォン指揮/読売日本交響楽団とラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、秋山和慶指揮/東京交響楽団とジョリヴェ:ピアノ協奏曲「赤道コンチェルト」を共演予定。現在、特別特待奨学生として東京音楽大学2年ピアノ演奏家コース・エクセレンスに在学し研鑽を積んでいる。●小林研一郎(指揮)東京藝術大学作曲科および指揮科卒業。第1回ブダペスト国際指揮者コンクール第1位、特別賞受賞。ハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィル)音楽総監督、日本フィル音楽監督、チェコ・フィル常任客演指揮者、アーネム・フィル常任指揮者をはじめ、国内外のオーケストラのポジションなどを歴任。ハンガリー政府よりリスト記念勲章、ハンガリー文化勲章、星付中十字勲章、2010年にはハンガリー文化大使の称号が授与されている。2011年文化庁長官表彰を受け、2013年秋の叙勲では旭日中綬章が授与された。現在、日本フィル桂冠名誉指揮者、ハンガリー国立フィルおよび名古屋フィルの桂冠指揮者、読売日響の特別客演指揮者、群馬交響楽団ミュージック・アドバイザー(19年4月より)、九州交響楽団の名誉客演指揮者、東京文化会館音楽監督、長野県芸術監督団音楽監督、東京藝術大学、東京音楽大学およびリスト音楽院名誉教授などを務める。国内外のオーケストラへの客演も数多く、日本を代表する指揮者のひとりである。
2019年08月02日