夫がプロのチェロ奏者というTさん夫妻が以前の住まいで頭を抱えていたのは、近隣への音問題。最上階で隣室のない居室、という条件を優先し、築年数にはあまりこだわらずに探して出合ったのが千葉県浦安市にある8階建てのマンションでした。同じマンションの最上階の部屋を3,600万円で購入。見積もりが良心的、会社が浦安にあり近い、プランナーさんと夫の趣味や感性が近い、などの理由からSHUKENにリノベーションを依頼し、650万円(設計料込み)で住み心地の良い住まいを手に入れました。■ モザイクタイル貼りのカウンターキッチンがお気に入り!予算の関係もあり、大きな間取り変更はしていません。まだ十分に使える設備は既存をうまく活用しつつも、SHUKENの得意とする造作を取り入れることで、大きなイメージチェンジをすることができました。なかでもモザイクタイル貼りのカウンターを挟んだキッチンは夫妻の大のお気に入り。こちらがリノベ前の「換金所」のようなキッチン「既存のキッチンは壁で閉じられ、小窓があるだけのつくりで、まるで換金所みたいでした(笑)。それがお洒落なカフェのように変わり、キッチンに立つのが楽しいです」と妻は話します。キッチン背面の収納は高さを抑えて、LDからは目につきにくくしました。大きな窓があるキッチンの奥側は、以前は引き戸で仕切られたパントリー兼洗濯機置き場だったとのこと。その戸を撤去して開口を空間に取り込むことで、西側からの採光・採風を大幅にアップさせることができました。北側からとらえたリビング。南面は引き違い窓に加え、サッシドアあり、コーナーを使った出窓ありと、大空間であっても眺めが平板になりません。窓上部には木製のカーテンボックスを設置し、無垢フローリングとの調和が美しい空間に仕上げました。こちらはリビング側からの眺め。大空間ならではの開放感を獲得しつつ、 2本の柱がさりげなくゾーニングしています。廊下からLDKに入るとすぐの場所には、ライティングビューローや本棚を配置。アンティークの味わいが深さが、ゲストの目を引き付けます。また、無垢フローリングを張った床は、下地の工夫で十分な遮音性能を確保しており、以前のようにまわりに気兼ねなく演奏を楽しめるようになりました。最上階に建つ箱型形状のT邸。広いバルコニーからは東京ディズニーランドも一望でき、そこから打ち上げられる花火も楽しめるとのこと。そんな南向きバルコニーからの採光は、既存よりも幅を広げた通路を通って室内の奥へ奥へと届きます。リビングの黒っぽい壁面は黒板塗装を採用しました。「絵も描けますが、マットな質感が気に入って、どこかに使いたいと思っていました」と夫。■ 4つの個室を使い分けて贅沢な空間に西側にある個室は夫の仕事部屋。楽器の練習や作曲などに専念できるそう。そして東側の個室は一室丸ごとクローゼットに。こちらの北側に突き出た洋室は、マンガを読んだり、風呂上がりの憩いの場として活用。「だらだらと過ごせる 大切な部屋です(笑)」と妻は話します。■ 陰影が美しいクラシカルな雰囲気の玄関大判のタイルを貼った床が、クラシカルな印象を奏でる玄関ホール。星型のシャンデリアが不思議な陰影を描きます。玄関のすぐ隣にある北側の個室には内窓を設置し、空間に明るさをプラスしました。各所のドアを開けると、リビングや個室から玄関ホールへと光がこぼれて明るい印象に。引き戸に変更した西側の個室からも光がよく届いています。壁に掛けられた絵画はIKEAで購入したものだそう。廊下からアクセスするトイレは設備を新調。さらに壁面は鮮やかなモザイクタイル貼りにしてリフレッシュ。また、洗面化粧台とビッグサイズの鏡はまだ十分使えると判断し、既存のまま活用しています。壁は布のような温かみのある質感のクロスに変更しました。リノベ―ションを振り返って、「家ができたとき、 自分たちでつくり上げたねと満足感でいっぱいに。これまで、普段使う食器などにはあまり気を使いませんでしたが、空間に合うものを選ぶようになりました」と妻は話してくれました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工 SHUKEN撮影中村風詩人
2018年08月06日マンションのルーフバルコニーは、ガーデニングや家庭菜園、物干し場所として使われるのが一般的です。最近では、家でアウトドア気分を楽しめるベランピングや、オープンカフェのようなテラスなど、様々なかたちで楽しむ人が増えてきています。今回はお宅拝見!の住宅実例から、ルーフバルコニーのある暮らしをマンションリノベーションで叶えたお宅をまとめて3本ご紹介。「室内が狭くなっても、広々としたルーフバルコニーが欲しい」、「第2のリビングとして使いたい!」そう思うのも納得の理由が続々です!■ まるで庭付きの戸建てのよう!子どもがのびのび育つルーフバルコニー山本さん夫婦は、子育てのためにマンションリノベを選択。80平米超のルーフバルコニーの開放感に惹かれて即決、築年数29年の中古マンションを購入しました。十分な広さのあるルーフバルコニーは家族がリラックスできる場や、子どもの遊び場としてもその価値を発揮しています。LDKだけでなく、バスルームや寝室もルーフバルコニーに面しており、部屋中が光で溢れています。ルーフバルコニーには緑がいっぱいで、マンションなのに庭付きの戸建てに住んでいるような気分。開放感ある住まいで、のびのびと子育てを楽しめそうですね。「子どもがのびのび育つルーフバルコニー」詳しくはこちら■ 広々ルーフバルコニーのおかげで毎日がリゾート感覚!アウトドア好きのHさん夫婦は、居室面積よりも広いルーフバルコニーを優先しました。首都圏で庭つき一戸建ては予算的になかなか厳しい……。でも、広いルーフバルコニーのある中古マンションという選択で、野外の空間が思う存分楽しむことができるようになりました。おかげで友人たちとBBQをしたり、朝食を食べたりと、まるでリゾートで過ごしているかのような毎日が実現。ルーフバルコニーがリビングの横にあるため、部屋の中と外の空間が一体化し、広々とした視覚効果が得られます。限られた室内空間を有効活用するワザや、ハイセンスなインテリアにも注目です!「毎日がリゾート感覚!野外空間での遊びができて大満足」詳しくはこちら■ まるで公園!眺め抜群のルーフバルコニーは花火の特等席だった!ここは公園かと見間違えるくらい、広々と開放的なHさん宅のルーフバルコニー。見晴らしのいいルーフバルコニー付き物件を手に入れて、リノベーションを完成したHさん夫婦。実は夫はリノベーション会社の設計者という仕事柄、ごく自然にリノベ前提で中古マンションを探していて、そんななかで見つけたのが今の物件でした。専有面積73平米に対し、ルーフバルコニーはなんと63平米!しかも、調布市の花火大会の特等席で、夜空に花火が打ちあがる様子が見られるのだとか!同じ花火でも、手狭なベランダから見るのとはまた違うはず。ルーフバルコニーだからこそ叶う、贅沢な過ごし方ができそうですね。そして、室内は壁を取りはらったおかげで、どこにいてもルーフバルコニーの存在を感じ、マンションにありがちな閉塞感とは無縁になりました。風の抜けも抜群で、マンションリノベの無限の可能性を感じられたそうですよ。「マンションで眺め抜群のルーフバルコニー」詳しくはこちらいかがでしたか?それぞれのライフスタイルによって、自分らしいルーフバルコニーの楽しみ方はいろいろ。暮らしをもっと豊かに楽しむためのルーフバルコニー活用術、ぜひ参考にしてみてくださいね保存保存保存保存保存保存保存保存保存保存
2018年08月05日「築年数にこだわらず、広さを優先して、子どもがのびのび暮らせる住まいにしたい」と考え、住み慣れた代々木上原エリアで物件を探していたAさん一家。はじめは新築、中古問わずに探していましたが、リノベーションという選択肢が大きく浮上。不動産の仲介からリノベーションの設計、施工までワンストップで依頼できるエキップの存在を知り、「子育てリノベ」を任せることに。築44年、専有面積約100平米のマンションを5,200万円で購入し、1,500万円(設計料込み)をかけてリノベーションし、広さを十分に生かした住まいを実現させました。■ 可変性のある広々としたLDK子どもたちがのびのび暮らせるように、と考えていたAさんの「寝室は最小限でいい。とにかくリビングを広く」という要望が叶い、LDKは開放感あふれる家族の場となりました。ソファはIDÉE、ダイニングテーブルはCLASKAのもので、いずれも岡嶌要さんのデザイン。壁の差し色は妻のアイデア。リビングはやや暗めの青、キッズコーナーの一部は明るい水色に。青に張り替えたソファやカラフルでユニークな雑貨がリビングを彩ります。開口部が大きく、明るいLDK。キッチンに立つと、LDとキッズコーナーを見渡せます。天井に変化をつけている板張りの部分は、梁を隠すという役目も。ダイニングにはflame(フレイム)の照明を採用しました。子どもがまだ小さいので子ども部屋はいらないと考え、LDKに隣接していた和室をキッズスペースに。引き戸で仕切ることもできますが、普段は開け放って空間全体を広く使っています。そしてキッズスペースには「秘密基地」が。物件を見にきたとき、長男が押入れの中で遊んでいたことをヒントに、エキップ代表の伊達さんが発想したのだそう。ハシゴや黒板などの楽しい仕掛けもあり、まさに「秘密基地」のような空間に。■ リビングの広さを優先させ、寝室は最小限に既存の間取りはLDKを中心に、左右に洋室と和室が振り分けられていました。その構成は基本的には変えないまま、洋室にあった壁面収納を取り払って床面積を広げ、 内装を新しくして寝室に。現在はベッドを2台並べ、家族4人で使っています。以前の間取りだと、寝室とLDKはドアで仕切られていましたが、なるべく空間を広く使えるように引き戸へと変更。そして既存のクローゼットは内装を一新。棚やパイプハンガーを活用することで使い勝手を改善することができました。■ かつて暮らしたメキシコを感じる、鮮やかなタイル使い玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのは、扉に色鮮やかなタイルを埋め込んだ大容量の壁面収納。その収納に沿って左に曲がると、LDKにつながる鮮やかな青いリビングドアがあります。Aさん夫妻は、長男が誕生する前、メキシコに駐在していことがあり「新しい住まいのどこかにメキシカンタイルを使いたい」という想いがありました。そこで、タラベラ焼きのタイルをアメリカのサイトから購入し、伊達さんが玄関収納の扉にうまく生かしてくれました。また、背が低かった玄関の靴収納は、上に伸ばすことで収納力をアップさせています。水回りの位置も基本的にはそのまま。玄関脇にあるトイレは、細いカウンターを1枚取り付けただけのシンプルなつくりです。床はトーヨーキッチンリビングのベネチアンモザイクタイルで、ウロコのような美しい光沢を放っています。浴室は少しだけ拡張させ、子どもたちと一緒でもゆったり入れるユニットバスにサイズアップ。洗面室は、広いカウンターを造作し、システムミラーボックスを取り付けることで使いやすくなりました。商社勤務のAさんは、近い将来、海外駐在の可能性が高いとのこと。「その間は賃貸に出して、帰ってきたらまたリノベーションすればいいかな」と考え、将来の変化を見据えつつも、家族の「今」を存分に楽しんでるようです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです設計・施工エキップ撮影山田耕司
2018年08月03日家は家族の笑顔があふれる場所にしたいですよね。子育ての視点も取り入れて家づくりをすると、子どもがのびのび過ごせそうです。日刊Sumaiの過去記事から、「子育てを考えたリノベーション実例」を、3本まとめてご紹介します!■ 元気いっぱいの男の子も大満足な家小学生と中学生の2人の男の子を持つTさん一家。子どもたちのことを考え、学区が変わらないエリアで、築20年のマンションを1,100万円(設計料込み)をかけてリノベーションしました。物件は、1階の角部屋です。1階なら階下に人がいないので、部屋を歩きまわっても足音が響くのを気にしなくてすみます。元気いっぱいの子どもたちを周囲に気兼ねなく育てられるようにと、場所選びにも配慮したそうですよ。内装は、木やスチール、レンガなどの素材を使い、インダストリアルな雰囲気を演出。ボーイッシュなインテリアにまとめたことで、子どもたちにとっても住み心地のよい家となっています。白と黒のアクセントを効かせたカラー使いにも注目したいところ。クールで清潔感が漂うステキなインテリアは、真似したくなりますね。記事はこちら■ 子どもの将来を見据えたフレキシブルな家づくりHさん夫妻は妊娠をきっかけに、子どもが通う学校のことも考えて、住みたい街を選択。築39年、約74平米の中古マンションを、1,180万円かけてリノベーションしました。物件の築年数は長かったものの、旧耐震基準ながら耐震基準適合を取得しており、管理面もしっかりしたマンションだったことで、ココなら安心して子育てができると思ったそうです。玄関が狭く感じたので、思い切って下駄箱を撤去し、その代わりに収納スペースを設けました。収納スペースの奥にはフリースペースがあり、もうひとり子どもが生まれたら子ども部屋としても活用できるようになっています。子育てのしやすさを考えたフレキシブルな設計は、ぜひ参考にしたいところです。さて、ほかにはどんな仕掛けがあるのでしょうか?記事はこちら■ 「子育ての不便をなくしたい」から生まれた“痒い所に手が届く”空間子育てが始まると、それまで住んでいた家を急に不便に感じることがあります。何気ない段差が子どもにとっては危険なポイントになったり、ゆっくり寝かしつけられない間取りであることに気づかされたり。Sさん夫婦も長男誕生をきっかけに、住まいへの意識が変わったそうで、落ち着いて子育てできる空間を求めて、物件探しが始まりました。子育て仲間の多い地元であることを条件に、築33年、専有面積66平米の物件を購入。リノベーションで家族が集うリビングをできるだけ広くとり、隣接する子ども室にはいつでも視線が合うように大きな内窓を設置しました。さらに、子どもが増えたときのことを考え、ロフトスペースも確保。玄関は広くし、ベビーカーや外遊びの道具なども楽々収納できるように。Sさん夫婦のリノベーションは、子育てしやすい空間づくりのヒントが分かる好例です!記事はこちら
2018年07月15日長年住み慣れた、山手線内側の落ち着いた町に家を持つことを決意したMさん一家。立地優先の物件探しを1年半続け、築43年、専有面積65平米のマンションを4,850万円で購入しました。既にリノベーション済みでしたが、まとめサイトで見つけたという空間社に依頼して、自分たち好みの間取りや内装に再度リノベーション。水まわりをはじめ設備の多くを既存利用し、また、珪藻土を自分たちで塗るなどして、工事費600万円(設計料込み)で自分たちらしい住まいを実現させました。■ 家族の気配を感じられる、仕切りのない広々LDK「ひとつの大きな空間で、家族全員でわいわい過ごしたい」という夢を実現するために、壁を取り払って広々としたLDKを設けました。モダンでクールな印象だった室内は、木や珪藻土をふんだんに使った温かみのあるナチュラルな雰囲気に一新。設備の多くをそのまま利用したため、内装に思い切って費用を割くことができました。キッチンはアイランド型にして回遊動線を確保。IKEAのキッチンにステンレスのシンクを組み合わせて新調し、機能性と美しさを両立させました。■ 大人のゴロ寝もウェルカムな畳スペースLDKの一角に設けた畳スペースは、主に子どもの遊び場として活用。あえて梁下に設けたベンチにより緩やかにゾーニングされ、圧迫感を回避しています。ベンチには子どもの絵本やおもちゃをスッキリ収納できます。キッズスペースとして使うだけでなく、大人のゴロ寝も許してくれる包容力のあるスペースになりました。壁のニッチは、解体時に見つけたスペースを本棚として有効活用しています。■ リノベ済み物件を再リノベして、自分たちらしい住まいに物件購入時のLDK購入時、こちらの物件は既にリノベーション済みでした。リノベ済み物件ならではのメリットをできるだけいかして、広々とした空間と木の風合いが心地いい住まいへと生まれ変わりました。「壁は自分たちで珪藻土を塗ったから、よく見るとアラだらけで(笑)。でも穴を開けようが落書きしようが、気楽な感じがいい。どんぐりの木のフローリングも、素足で歩くのが気持ちよくって」と夫は話します。玄関は夫の自転車を収納するため、廊下をなくしてたたきをL字型に拡張しました。床と壁は汚れが目立たないように、濃いグレーに塗装(写真左)。珪藻土を塗った壁ともしっくり馴染んでいます。また、以前も収納だった場所を活用して、棚付きのリビング収納(写真右)に。65平米という広さの限られた住まいでは、デッドスペースの活用が暮らしの質を向上させるポイントになります。■ 既存利用と新設とをうまく組み合わせた家づくり寝室は、壁紙を好みのブルーに貼り替えました。天井のランドリーハンガーはカワジュンのもので、「雨の日の室内干しとして活躍しています。冬場はそれが加湿器代わりにもなり、乾燥をしのげるんです」と妻。水回りの内装は、「ちょっとモダンだけど清潔感があるのでよし、としました」とほとんど手を加えていません。入り口の扉のみ、ガラリ戸に交換して通気性を確保。元々あったLDKに隣接する2部屋を取り払い、キッチンを中心とした広々LDKにしたことで、「家族全員で丸テーブルを囲む」という夢も実現しました。物件探しを振り返って、「山手線の内側でありながら、落ち着いた雰囲気がある。自転車があればどこへでも行け、ふたりの職場まではそれぞれ20分ほど。満員電車のストレスとも無縁で、通勤のついでに保育園の送り迎えや買い物がこなせます。希望する小学校の学区内でもあり、就学前に慌てて引っ越さないですむのも、魅力のひとつでした」と夫妻は話してくれました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。設計・施工空間社撮影遠藤 宏
2018年07月13日専有面積60平米以上、予算2,500万円以内、駅から徒歩10分以内、15~20年後でも売れる物件、など細かな条件でマンションを探していたEさん夫妻。最終的に選んだ住まいは、利便性が良く、豊かな緑も感じることができる小田急小田原線の向ヶ丘遊園駅にある築27年、2,160万円のマンション。雑誌で見たシンプルな雰囲気が気に入ったエム・デザインと共に、工事費650万円(設計料込み)で居心地のいい空間をつくり上げました。■ 無垢フローリングの明るいリビング無垢のフローリングが心地よい、広々としたリビングダイニングは約12畳。TVボード、ステンレスのローテーブルは、新居に合わせてオーダーしました。IKEAのソファは白をチョイス。圧迫感がなく、部屋をよりいっそう広く見せてくれます。また、ダイニングテーブルは、床材に合わせてエム・デザインが制作したオリジナルです。バルコニーに面したリビングをダイニングから見たところ。南向きで日当たりがよく、やわらかい光が差し込みます。窓の向こうには生田緑地が望め、日常的に自然を感じられるのもこの部屋の魅力のひとつ。リビングのクローゼットは右半分を収納、左半分をデスクスペースに。扉を閉めれば、散らかりやすいPCまわりもスッキリ目隠しができます。■ ブルーのサブウェイタイルで仕上げた爽やかなL字型キッチン理想は対面式キッチンでしたが、スペースの都合でL型になりました。「L型にあまりいいイメージがなかったのですが、実際に使ってみると動線が短く思った以上に使いやすいです」と妻。キッチンの壁の一部には、こだわって選んだブルーのサブウェイタイルを採用。シンプルな空間のアクセントになっています。また、キッチンカウンターの一部をダイニング側から使えるオープン棚にしました。こちらには、お気に入りの食器や写真集、料理本などをディスプレイしながら収納しています。そして、2つある個室のうち1つはLDKに面している寝室。「窓を開けられる部屋にしたい」と、南側に配置しました。正面に見えるカーテンの先は、2畳弱のウォークインクローゼット。あえてコンパクトにつくり、ものを増やさないようにしているそうです。■ 狭い玄関に広々スペースが出現右手にある白い扉はシューズクローゼット。玄関横の予備室の壁を一部くぼませ、その部分に新設しました。また、靴箱を撤去したことで玄関土間のスペースも確保できました。狭かった玄関にゆとりが生まれ、来客時に靴やベビーカーなどが置けて使い勝手もよいのだそう。玄関横にはインテリアを楽しめるスペースとして飾り棚も新設。最後に水まわりですが、「ふたり並んでも不便なく使えるように」と、広さにこだわった洗面台は、木枠の土台にモルタルを塗装したオリジナル。木製の引き出しも造作し、収納場所を確保しました。また、トイレ部分は大きく変えず、間取りは以前のまま。壁、天井と床の内装を一新し、設備は新しくパ ナソニックの「アラウーノ」を採用しました。天井近くの棚や、手洗い器も新たに取り付けたものです。洗面スペースで存在感を放つのは、「オーデリック」の壁付け式ランプ。現行品ですが、アンティーク風のデザインを選んだことで落ち着いた雰囲気に仕上がりました。今回の家づくりを振り返って、「実は、もうひと部屋増やすか、とても悩みました。でも、家族が長い時間を過ごすのはやっぱりリビングかなと思って。“居心地のいい部屋は、広い方がさらに気持ちいい”と、代表の藤原真紀子さんにも背中を押してもらいました。物件探しもリノベもたくさん迷いましたが、今はとても快適に暮らしています」と妻は話してくれました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。設計・施工エム・デザイン撮影 中村風詩人
2018年07月09日「生まれ育った町で子育てしたい」という妻の思いから始まった津川家の家探し。長女の小学校就学前のタイミングで中古マンション購入+リノベを検討し始め、物件探しからトータルで依頼できる会社を探しました。候補だった3社から選んだのは、「最初から色々と説明してくれて親しみやすかった」という、nu(エヌ・ユー)リノベーション。スタッフと内見して一目で気に入った港南台にある築26年のマンションを購入し、1170万円(設計料込み)をかけてリノベーションをしました。■ 夫妻の希望で広々とした玄関土間とLDKを実現トレイルランニングが趣味の夫は、アウトドアグッズを置ける玄関土間を希望し、玄関はゆったりと余裕のあるスペースを確保。靴や装備品などをまとめて置くのに重宝しているそう。窓際のボックスは靴入れで、賃貸住まいの頃から使っていたものを利用しています。「建物の裏手に高速道路があるため、元から二重サッシになっていました。閉めるとすごく静かです」と夫。シックなネイビーのリビング扉はオリジナル。その先には、無垢のフローリングが素足に心地いい空間が広がります。「好きなテイストの写真を集めていたら木ばっかりだった」というふたりの好みを反映して、フローリングには優しいカラマツの無垢材を採用。土間はモルタル、ウォークインクローゼットはコルクタイル、寝室はカーペット、キッチンは磁器質タイル、と異なった床材を使い分けることで、フラットな空間をゆるやかに分けています。夫妻の要望は、個室を小さくする代わりにLDKを広くとること。それに対してデザイナーが提案したのは、ウォークインクローゼットから寝室、リビング・ダイニングへと通り抜けできるプランでした。そのおかげでゆったりしたスペースを確保できたLDKは、ベランダが南向きで、前方に建物がないため2階でも明るさは十分。木製のブラインドをつけたダイニング側の窓は元々台つきで、グリーンなどを飾って楽しんでいるそう。ベランダ側に張り出したスペースは、グリーンを置きたかったのでモルタル敷きのインナーテラスに。リビングに置いたUNICOのソファをはじめ、優しい風合いの木の家具が無垢材の床となじんみ、LDKはやわらかい空気に包まれています。バルコニー側からLDK全体を見た様子。妻はキッチン、子どもはダイニングがお気に入りの場所。夫はリビングにビーズクッションを置いてくつろぐのが定番だそう。■ 北欧風のぬくもりを感じるキッチンキッチンとバックカウンター、ダイニングテーブルと壁付けのテーブルはそれぞれ高さを合わせ、美しく収めました。キッチンとひとつながりになったダイニングテーブルは、nu(エヌ・ユー)リノベーションの施工例を見てオーダー。食事やお茶を楽しむだけでなく、長女が折り紙やお絵描きをしたり、時にはあやとりをしたり、さまざまな場面で活躍しているそうです。壁は少しくすみがかった空色に塗装し、北欧風のぬくもりを感じさせる空間に。キッチン背面には圧迫感が出やすい吊戸棚をつけず、バックカウンターと一枚板のオープン棚で見せる収納に。コンロ横の壁はメンテナンスもしやすいタイル張りにしました。カタログで見てひと目ぼれした蜂の巣のような六角形のデザインがキュート!■ 光と風が通り抜ける寝室LDKに隣接する寝室の床は、落ち着いたトーンのカーペット敷きにしました。LDK側にある引き戸を開けると、バルコニーに面した窓からの光が寝室、その奥のWICまで届きます。寝室と引き戸でつながっているWICは、IKEAの収納パーツをフル活用して使いやすくカスタマイズ。寝室と廊下からアクセスできて、出入りがスムーズなうえ、風もよく通るとのこと。子ども部屋の壁は一面を鮮やかなピンクに塗装しました。現在はあまり使っていないため、ソファなどを置いて予備室的に使用していますが、いずれはベッドなどを入れる予定だそう。キッチンから寝室とサニタリーをつなぐ廊下を見たところ。カーテンの奥は収納になっていて、 トイレ裏にできたスペースを有効に活用しています。キッチン横の通路からアクセスする洗面脱衣所の洗面台は、木製カウンターやミラーキャビネットを造作してシンプルに仕上げました。無垢フローリングの上を冬でも元気に素足で走りまわる長女は、4月から小学生。妻と同じ通学路を通って小学校へ通う日を、心待ちにしているそうです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。設計・施工nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影山田耕司
2018年07月05日「駅から近く、静かな立地が希望」だったという中原さん夫妻。関東の広範囲を対象に1年半かけて選んだ住まいは、病院や学校などが近くにあり、子育てがしやすそうな環境だったという神奈川県川崎市内にある築41年、物件価格2,200万円のマンション。「私たちの要望ひとつひとつに真摯に答えてくれそうだった」というフィールドガレージとともに、工事費1,100万円をかけて古さを感じさせない快適な空間をつくり上げました。■ ナラ材とイケアを組み合わせたオリジナルキッチン当初はアイランドキッチンを希望していましたが、構造の都合でL字型キッチンになりました。「ワークトップが広く、思っていた以上に使いやすくて気に入っています」(夫)とのこと。ぬくもり感のある白いタイルと黒く塗装した天井とのコントラストが絶妙な仕上がりです。キッチン本体はナラ材を使って造作し、そこにイケアの収納を合わせました。側面には薄いステンレスを張ってキッチン本体となじませる、という細やかな工夫も。床にはタイルを採用し、リビングダイニングとは床材を分けたことでゆるくゾーニングされています。キッチンからダイニングを見た様子。ベランダからはたっぷりの陽が入り、明るい空間です。リビングダイニングには極力ものを置かず「必要最低限にして、シンプルな空間にしたいです」 と妻。ダイニング側から見えるキッチンカウンターのアイアンの脚は、無骨な雰囲気を醸し出していてお気に入り。リビングダイニングの天井は黒く塗装し、シンプルな空間を効果的に引き締めています。「完成間近の頃、たまたま訪れたレストランの天井の配色が気に入って」と、急遽、白から黒に変更したそう。■ 室内窓でつながるいくつもの空間以前の間取りでは、バルコニーに面してリビングと寝室がありましたが、壁を取り払い、約15畳の広々としたリビングダイニングを実現しました。ダイニングからリビングを眺めると、左手にはゲストルームとつながる大きな室内窓があります。すりガラスのおかげで、採光を確保しながらもプライバシーが守れるようになっています。ゲストルームにあるもうひとつの室内窓は、北側の寝室ともつながりをもたらしてくれています。こちらの寝室はウォークインクローゼットの奥に配置されています。■ どこからでもキッチンにアクセスしやすい家事動線玄関は「土間のようにしたい」と、リクエストし、モルタルのツヤのある仕上がりにこだわりました。そして、廊下の壁には靴の収納棚を設置。もともとリビングに使われていた扉を塗装して、目隠し用の引き戸として使っています。廊下からもアクセスできるウォークインクローゼットは、 玄関にもキッチンにもすぐ出られて家事動線がスムーズに。サニタリースペースは、トイレの扉を撤去して、洗濯機、洗面、トイレがひと続きになった空間に一新。天井には洗濯物が干せるバーを取り付け、ランドリースペースも設けました。床材には足触りのよいサイザル風塩ビタイルを採用しています。そして浴室は、築年の古いマンションゆえコンパクトサイズ。建物の構造上、拡張するのが難しかったので、ユニットバスはあきらめて造作しました。洗面室の壁に配管を埋め込み、 追い炊き機能を後付けしています。夫妻で悩みながら時間をかけて完成した部屋は、結果、大満足の空間に。リノベーションを振り返り「壁の断熱材を足したり、梁を補強したりといったインフラ面もきちんとケアしてもらいました。おかげで古さを感じることはなく、快適に暮らせています」と話してくれました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。設計・施工フィールドガレージ撮影飯貝拓司
2018年07月03日子どもの誕生を機に家を持とうと考えていた千葉県千葉市にお住いの黒川さん夫妻は、新築マンションを検討していたものの、費用とプランが納得できる物件がなかなか見つからなかったそう。そこで中古マンションをリノベーションして自分たちらしい空間にしようと考えました。すでにウサギを飼っていたので、特にウサギ専用のスペースを作ることはマストでした。そこで、築17年のマンションを、こだわりのウサギ専用のインナーバルコニーが付いた1LDKにリノベーションしました。■ ウサギが自由に遊べる空間に!ウサギLOVEな夫婦黒川さん一家が暮らすのは、30階建てマンションの23階。2000年築で広さは97平米。オープンなLDKを、ソファでくつろぐリビングスペースと、家族で食卓を囲むダイニングスペースに、家具で緩やかにゾーニングしています。そしてLDKの一角に、「ウサギ専用のインナーバルコニー」と小上がりをつくりました。子どもやウサギたちの様子をいつも見守れる間取りになっています。光がたっぷりと注ぎ込むインナーバルコニーは、モルタル仕上げの床に人工芝を敷き詰め、ウサギたちが走り回っても足裏を傷つけないように配慮しています。「以前はケージに入れている時間が多かったんですが、ここでは思い切り遊ばせられます」と妻はほほえむ。■ ウサギカフェでの運命的な出会いが、飼うきっかけ!?子どもの頃にもウサギを飼っていたという妻。そんな彼女が夫とウサギカフェへ行ったことが、飼い始めるきっかけだったという。そのカフェで手乗りサイズの茶色い子ウサギのかわいさに、妻のハートは射抜かれた!それが、現在4歳のミニレッキスのオリーブ。その後、ラテ(3歳)が加わり、一時は5羽と暮らしていた、ウサギLOVEな夫妻。しかし、こちらのマンションの規約で小動物は2羽までしか飼えないため、3羽は妻の実家に預けているそう。「以前はLDKに出して遊ばせていたんですが、毛がすごく抜けて掃除が大変だったんです」(妻)。そこでウサギ専用のインナーバルコニーをつくること。ガラス張りにして、いつでもウサギたちの様子を見ることができるようにしました。■ ウサギのお部屋は、夫が愛情込めてDIY!ケージを置いている棚は夫がDIYしました。オリーブもラテも、睡眠、ご飯、トイレはすべてケージの中。エサは牧草と、牧草を原料にしたペレットをメインにしているそう。ちなみに、ニンジンは食べないのだとか。意外!おやつは、ビタミンCなどのサプリメント。ウサギだって、栄養バランスは大事なんです!「子どもがもう少し大きくなったら、ウサギと遊ばせてあげたい」と妻。家の中がウサギのキュートな仕草で明るい雰囲気に包まれているお宅でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.23」も参考にしてみてくださいね。設計・施工/リノベる。撮影/山田耕司
2018年06月21日「いつかは戸建てを新築」と思っていた愛知県日進市にお住まいのTさん一家は、エイトデザインと出合ってリノベーションでの家づくりに方針転換。中2と小5の男の子がいるので、学区が変わらない住み慣れたエリアが希望でした。エリアを絞って中古の戸建てとマンションを並行して探していたところ、築20年の理想的な条件のマンションを購入することに成功。1,100万円(設計料込み)をかけて、インダストリアルなインテリアが似合う家へとリノベーションしました。■ クールでハードな内装に統一階下を気にせずのびのびと子育てをしたかったTさん夫妻は、はじめこそ戸建てにこだわっていましたが「マンションなら周囲に気兼ねせずに暮らせる1階角部屋を」 とリクエスト。高台にあるので1階でも日当たりが良く、周囲からの視線も気にならないLDKは、元々あった和室をなくして開放感を持たせました。木、スチール、レンガなどの素材や家具が、インダストリアルな雰囲気を演出しています。リビングはどこか懐かしく、味わいのあるパーケットフローリングを採用。「男の子をふたり育てているうちに、ボーイッシュなインテリアが好きになりました」という妻のインテリアセンスを活かして、クールかつハードな内装に仕上がっています。そこに合わせたちょっと無骨な雰囲気の家具がよく映えて、さりげなく配されたグリーンも効果的です。大きな木のカウンターが印象的なキッチンはテーブル一体型のスタイル。「壁を向いて料理をするのが嫌だった」という妻の声を反映して、キッチンは家族の顔が見えるオープンなスタイルに変更しました。無骨な感じの工業系スツールがよくマッチしています。木のカウンターの向こう側は、飾り気がなくクールなオールステンレスキッチン。マルゼンの業務用キッチンは機能美にあふれていて、天井のむき出しの配管、無造作に吊り下げられた照明、黒いエアコンなど、空間全体の雰囲気とも見事に調和しています。汚れやすいキッチンの床は、黒い塩ビ製長尺シート貼りに。ダイニングやリビングとは、床の高さや材を変えることで変化をつけています。キッチン背面はブリックタイルがアクセントになっていて、その向こうはパントリー。冷蔵庫も食器棚もストック食品もすべて収められています。壁に取り付けたフックもさりげなくおしゃれな雰囲気。■ LDKの各所に散りばめた、こだわりのスペースリビングの一角には、スチール製パーテーションで仕切られた、趣味のDIYなどを楽しむアトリエがあります。こちらは床を一段下げ、大量の本やマンガ、雑誌を収納する本棚を造り付けました。棚の中の壁はシックなブルーグレーに塗装しています。アトリエからはパーテーション越しにLDKの様子がうかがえます。上部はスチールの枠でゆるやかに仕切られており、コンパクトなスペースながら圧迫感はなく、明るさも十分伝わってきます。LDKにあるエアコンの配管を利用したおしゃれなインテリアは、妻のアイデア。「枝は子どもたちに拾ってきてもらいました」とのことで、センスの良さが光っています。そんな妻の要望によりLDKの一角に設けられたのは、 南と西の両方のバルコニーに出られる土間テラス。洗濯物の出し入れに便利な物干しバーも設けました。サンダルが雨に濡れる心配がなく、グリーンのお手入れにも便利とのこと。そして、夫妻の寝室はキッチンの背後に設けました。キッチンをLDKのセンターに配置したことでやや奥まった部屋に。収納力の高いウォークインクロゼットを設けて室内をスッキリ保てるようにし、コンパクトながら落ち着ける空間を演出しました。■ 玄関と水まわりは既存を利用をし、インダストリアルな空間にガラス入りリビング扉から光が降り注ぐ明るい廊下沿いに、水まわりは集約されています。手前側の両サイドの個室が兄弟それぞれの子ども室で、どちらもカーペットだった床をフロアタイルに替えるなど、仕上げをやり直してリフレッシュしました。シンプルな下駄箱は、既存のものを黒く塗装して再利用。Tさんの家らしいインダストリアルな雰囲気を感じる玄関に生まれ変わりました。トイレは白い壁と黒い床のコントラストが印象的です。位置は以前と変わっていませんが、内装と便座を新しくして、洗練された空間へと一新。小物までモノトーンでまとめ、すっきり整えています。そしてトイレの向かいにある洗面室に入ると、妻がどうしても使いたかったという白いサブウェイタイルに囲まれた空間が。「目地を黒にしたので、汚れが目立たないのも気に入っています」と妻。壁に取り付けられたクラシックなデザインの水栓や、鏡に映るフック、鏡の両サイド取り付けられた存在感のあるガラスのウォールランプまで、ひとつひとつこだわって選びました。どの空間にも妻のインテリアセンスが光るTさん一家のインダストリアルで無骨な家。「以前はふたり一緒だった子ども室も、それぞれの個室を確保できました。クールでハードな内装に、インダストリアル系の照明や家具が映え、とても気に入っています!」(妻)と大満足の様子でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。設計・施工エイトデザイン撮影山田耕司
2018年06月16日結婚を機に現在の住まいでもあるマンションを新築で購入したKさん一家。その後、夫の転勤によりイタリアで約5年間を過ごしたのちに帰国し、ほどなくして長女が誕生しました。「小学3年生くらいまでには部屋を持たせてあげる」と約束していた夫。学区が変わらず、夫妻の通勤にも便利な今の家に住み続ける選択をベストとし、テレビ番組を通じて知ったブルースタジオに連絡。工事費1,120万円(設計料別)で築20年の住み慣れたマンションを、今のライフスタイルに合わせてリノベーションしました。■ 約60平米の空間を活用するための収納術玄関から入るとまず目に飛び込むのは、縦に伸びるキッチンカウンター。カウンターを中心に右手側がLDK、壁面収納をはさんで左側がプライベートスペースとなっていて、視線の抜ける空間が広がります。リノベーションで使い勝手が向上したという壁付けのキッチンは、「ダイニングテーブルがすぐそばなので、つくったものを配膳するのも、食べ終わった食器を片付けるのもすごく楽なんです」と妻。「娘さんの部屋をつくるためのリノベーションでしたが、ご主人が長年コレクションされてきたミニカーをどうするかということも、ミッションのひとつでした」と設計を担当したブルースタジオの石井健さんは振り返る。ブルースタジオは、約60平米という空間を有効活用すべく、廊下をなくして大きな壁面収納でLDKとプライベート空間を仕切る提案をしました。そしてミッションのひとつでもあったミニカーは、もともと夫が所有していたコレクションケースごと壁面収納に組み込んでしまうことに。このケースの色に合わせて、棚や床の色も決めていきました。サイドから陳列するデザインのコレクションケースのため、壁面収納から前に引き出して使えるように設計されています。200個以上コレクションしているというミニカーは、勤務先の車種をはじめ、世界各国の名だたる自動車メーカーのものがそろいます。壁面収納は、どこに何を入れるかをかなり細かく計算したうえで造作しました。そのおかげで、棚のサイズに合った収納ボックスや本が整然と収めることに成功。右側の扉はスライド式になっていて、中には掃除機や薬箱などを収納しています。■ ダイニングテーブルと一体化したキッチンカウンター照らし出されたガラスブロックが美しいキッチンカウンター。キッチン側の下部はすべて収納になっていて、食器やレンジなどが整然と収まっています。「重い買い物袋を下げて帰宅しても、すぐにカウンターの上で仕分けできるのがいいんです」と妻。スペースが広いので、長女が友人を招いてお菓子づくりをするときなどにも重宝しているそうです。キッチン家電などを使う際のことを考えて、卓上にコンセントを設置しています。スタイリッシュなメタルボディが美しいコーヒーメーカーは、イタリアの家電メーカー デロンギのものです。ダイニングテーブにはイームズのサイドシェルチェアを3脚色違いで合わせました。K邸では各自にテーマカラーがあるそうで、それに沿ってチェアの色も決められているとのこと。■ 差し色には鮮やかなカラーを大胆にこちらは夫が趣味で描いているという絵画が飾られた空間。正面の白い壁の向こうがエントランスです。ティファニーブルーで塗装された壁にはワークスペースを設置しています。そのワークスペースのデスク部分の蓋を持ち上げると、中には長女の電子ピアノが収められていました。同じくティファニーブルーで彩られた空間は他にもあります。北側に位置する夫妻の寝室は、ダークブラウンのカーペットとリネン類が用いられ、落ち着いたトーンでコーディネートされています。こちらの壁の一面だけに、ワークスペースと同じティファニーブルーを取り入れています。ベッドの右側にはクローゼットがあり、夫妻の衣類はすべてそこに収納しているそうです。LDKと長女の部屋をつなぐ小窓には、雑貨や小物などもディスプレイすることができ、お互いの気配をさりげなく伝えるのに一役買っています。日当たりのいい場所につくられた長女の部屋は、青空をイメージしたというU字型の天井が印象的。大きな梁を生かした折り上げ天井の内側は、本棚として使用しています。長女の部屋の真向かいには洗面室と浴室があります。洗面台はLDKの壁面収納と同じゴム集成材で造作し、床を石張りにすることで高級感のある雰囲気に仕上げました。また、シンプルなデザインで統一されたトイレには、サンワカンパニーの吊り棚「グロッシー」を組み合わせました。壁には夫が海外で撮影した風景や写真、家族の思い出を大小さまざまなフレームに入れて飾っています。Kさん宅は角部屋に位置するため、西側には広々としたルーフバルコニーも。リビングから出入りが可能で、 夏には花火も楽しめるとか!夫はリノベーションを振り返って、「環境を変えずに、娘には念願の個室を持たせてあげることができましたし、私自身も大事なミニカーのコレクションを飾ることができるようになって、非常に満足しています」と嬉しそうに話してくれました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.17」も参考にしてみてくださいね。設計ブルースタジオ撮影山田耕司
2018年06月09日東京都多摩市にある、築33年(昭和59年築)の団地を購入したTさん夫妻。高台に位置するため眺望がよく、ペットの飼育が可であることなども気に入っての購入だったそうです。購入後は自分たち好みの空間にするために、工事費830万円(税・設計料込み、施主支給品は含まず)をかけてリノベーションしました。設計・施工は、「シンプルで上質な雰囲気の施工例をHPで見て、いいなと思いました」(夫)という空間社に依頼しました。■ 夫妻の愛犬への思いや気遣いが伝わるリノベ玄関に入ってまず驚くのは、玄関土間と床との段差がないということです。ヘリンボーン貼りのタイルが、玄関土間からそのままフラットにリビングまで続くユニークなスタイルになっています。そんな、まるで戸外のようなつくりの廊下を元気に走り回るのは、ミニチュアダックスの愛犬・こむぎです。リビングやダイニングの床に、木目を浮き上がらせる「浮造り(うづくり)」という表面に凹凸のあるフローリングを採用したのも、こむぎが走りやすく、足腰への負担が軽くなるように配慮したためです。ダイニングのインナーテラスのそばには、こむぎ用のハウスも完備されています。■ 広さや天井の高さを生かした開放感のある空間にダイニングは白を基調としていて、手前に張り出し圧迫感のあった梁を取り払ったことで現れた排気ダクトも、白い塗装を施して空間に馴染ませています。壁の仕上げは、珪藻土です。珪藻土は防臭効果も高く、カレーのにおいも残らないほどだそうです。リノベーション前の様子専有面積は81.59平米と広いだけでなく、最上階にあるT邸。ダイニングは勾配天井になっていて、いちばん高いところで4m近くもあります。その広さや高さを十分に生かして、夫は「なるべく間仕切り壁を取り払って、開放感のある広いワンルーム感覚の空間にしたかった」と言います。ところが、Tさんのお宅は壁で建物を支えるつくりの団地のため、残さざるを得ない構造壁が多かったそうです。■ 使い勝手のよい機能的な収納をたっぷりとそこで、ネックだった構造壁を逆に上手く利用してWICやパントリー、ランドリールームを設け、収納を充実させることにしたそうです。収納スペースが充実していれば、居室内に収納が必要なくなるため、可能な限り広くとったリビングやダイニングの開放感が妨げられないというわけです。ランドリールームと隣接するキッチンをつなげて、通り抜けられるようにする案もありましたが、採用しなかったのは、収納スペースを少しでも多く確保するためだったそうです。各所の収納内部には、棚を多めに取り付けているのも特徴的です。こうすることで、どこに何があるのかが分かりやすく、出し入れもしやすくなるからです。「収納は苦手だったのですが、ストック食品などはカゴに入れるだけで絵になるから、雑多な入れ方でも夫にほめられます(笑)」と妻。また、ダイニングからパントリー内部や冷蔵庫が見えないように設計されているのもポイントです。寝室は、パープルの塗装壁で安らぎのある空間になっています。隣接するWICにはあえて建具をつけず、出入りしやすいつくりにしています。WICの中もやはり、可動棚やハンガーバーで使いやすくカスタマイズされています。スペースがゆったりしていて、出かけるとき、帰ってきたときの心のオンとオフを切り替える場所にもなっているそうです。最上階なので、グルニエ(小屋裏収納)も付いています。グルニエは12畳もの広さがあり、季節外のものや布団などを収納しても、まだまだ余裕があるほどです。■ 隅々までこだわれるのもリノベのメリット!洗面室は照明やミラー、水栓もひとつひとつ夫妻のこだわりで選ばれました。トイレ奥の壁や洗面・脱衣室、寝室の壁、ドアは夫妻がDIYで塗装したものです。ゲストルームの壁では、珪藻土塗りにもチャレンジしたそう。リノベを終えて、「珪藻土の壁など、やりたいと思っていたことがほぼできてよかったです」という夫。妻も「住むほどに、日々愛着が湧いてきます」と話してくれましたが、実は当初、新築への憧れもあったとか。けれども今では、夫が勧めてくれたリノベのよさ、古いもののよさを実感しているそうです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.24』も参考にしてみてくださいね。設計・施工空間社撮影山田耕司
2018年05月16日「歴史のある古い街に住みたい」と、古い洋館や港の見える丘公園がある横浜・山手エリアのマンションを購入したOさん一家。エリアにはマンション自体が少なかったため1年がかりで物件を探し、昭和54年築のマンションを約3,000万円で購入しました。リノベーションを依頼したのは、「施工例を見て一番好みが合うと感じた」というエム・デザインです。■ 3LDKを1LDKに一新。寝室をLDKの中に設けた大胆リノベ広さ85.55平米の住まいの元の間取りは3LDK。東西にバルコニーがあるのが魅力でしたが、細切れになった3つの居室と狭いサニタリーが難点でした。そこで一旦スケルトンにし、1LDKへと大胆に間取り変更することに。住まいの中で目を引くのは、LDKの中に設けた夫妻のベッドスペースです。あえて壁で仕切らずワンルームとすることで空間を伸びやかに見せつつ、ブラインドを下ろせば空間を仕切れるプラン。ベッド脇の壁に設置した小さな飾り棚は、時計やスマートフォンを置くのに重宝します。■ 子ども部屋の天井には家族の星座を描いたアートが!一方、西側の個室には、子ども用のベッドと夫婦二人のデスクが仲良く共存。家じゅうが家族全員の共用スペースとなっているユニークな住まいです。大胆な天井の絵は、夫の提案でアーティストの大小島真木さんに依頼したもの。家族の星座である動物が散りばめられた幻想的なこの絵は、大小島さんが1週間泊まり込んで制作したのだそう。とってもロマンチックですね。■ 自ら描いたデザインスケッチを形に。思い通りの住まいを実現物件を探している1年の間に、好みの間取りやインテリアをじっくり練っていたという妻。マンション購入時には「間取りだけでなく色や素材まで、奥様が詳しいデザインスケッチをつくってくださいました」と、エム・デザイン代表の藤原真紀子さん。例えば低めに設定したキッチンカウンターは、「料理をしていても家族の顔がよく見えるように」と妻がスケッチしたデザインを形にしたもの。メインの団らんの場であるダイニングにいる家族と会話しやすいデザインです。カウンター背面、アール壁で仕切られたパントリー内部は、キッチンのタイルと合わせて壁をシックなブルーに塗装。キッチンを動かしたことで生まれた空きスペースには可動式の収納棚を設置する工夫も。ここには、リビングでよく使うものを収納しています。夫婦のデスクスペースの造作棚の配置やサイズも、ほぼ妻のデザインスケッチ通り。目を引くドアの赤は、長女が選んだ色だそうです。■ 水回りは広く快適に、LDKはヘリンボーンの床とヴィンテージ家具で理想の空間に狭かったサニタリーは快適な広さに一新し、バスルームも一回り大きく。トイレは向きを変え、手前にあった収納スペースをなくして広々とさせました。洗面台は病院用シンクと集成材で造作したオリジナルです。洗面室とトイレの床材に、掃除しやすくコストを抑えられる木目調のフロアタイルをセレクトしたのは藤原さんの提案。こうしたプロならではのコストカットの目線で、工事費は800万円(税・設計料込み)におさめました。モルタルで仕上げた玄関は、隣接するベッドスペースをコンパクトにしたことで広さを確保。大容量の下駄箱は、扉の素材を室内のインテリアの雰囲気と調和させています。「リノベーションの過程がすごく楽しくて、もう終わっちゃうのかと残念だった」と振り返る妻。こだわったヘリンボーンの床に、新たに揃えたこだわりのヴィンテージ家具が調和する住まいで、理想の暮らしを実現しています。もっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.24』も参考にしてみてくださいね。設計・施工エム・デザイン撮影中村風詩人
2018年05月01日結婚と妊娠を機に、中古マンションを購入してリノベしたHさん夫妻。築39年、約74平米の中古マンションを、1,180万円かけて自分たち好みにリノベーションしました。妻の妊娠がわかった時、今後の暮らし方についてよく考えたという夫妻。街の雰囲気や住み心地、その後の子どもの学区のことなども考えて、住みたい街を絞り込みました。見つけたのは、ふたりの職場から近く、両家の実家とも適度な距離にある大規模マンション。旧耐震基準ながら耐震基準適合を取得しており、管理に熱心なマンションだったことも背中を押しました。すでに何度かリフォームされていたようで、個室は大きな寝室がひとつだけという1LDKの間取り。リノベーションは物件探しや同行内覧からお願いしていた空間社に依頼。広いLDKはより開放的に、寝室と子ども室、さらに将来もうひとり子どもが増えた場合のための部屋も欲しい、玄関は広く収納もたっぷり、と希望を出しました。■ リビングには憧れていた壁面いっぱいの本棚を!家族が集まるリビングダイニングは、広さはほぼそのままに、閉じていたキッチンをリビング側に向けてオープンにして、開放感を出しました。夫もよく料理をするため、ふたりで立てる広いキッチンを要望したHさん夫婦。引き出しや扉はイケアのものを利用してコストダウンを図っています。キッチンの奥にはパントリーが。手持ちの家電や食器の数に合わせて棚を造作。左側には2面に可動棚もあり、かなりの大容量です。夫が以前から憧れていたという壁面収納は、リビング一面の壁を使い、上部にオープンな本棚、下部には奥行きの浅いテーブルとテレビ台を造作して、機能的な空間に。くつろげる場所がたくさんある、魅力的なリビングダイニングとなりました。■ 大容量の収納と、家族の変化に対応するフリースペース狭く窮屈だった玄関は、下駄箱を撤去し、代わりに設けた収納スペースと一体化させることでゆとりが生まれました。床にはモザイクタイルを取り入れて個性をプラス。写真左は収納スペースの奥につくったフリースペース。もうひとり子どもが生まれたときには追加工事をして子ども室としても使えるよう、ベッドがギリギリ入る大きさにしました。壁面の棚は既存のものをそのまま利用しています。玄関から奥のフリースペースまでを見たところ。廊下側の収納に使ったルーバーの折り戸は、既存の建具を白く塗装することでコストカットを実現しました。収納とフリースペースの間はあえて壁の上部を開けたことで、圧迫感がありません。■ シンプルな水回りにはブルーのアクセントカラーをリビングダイニングを広くとった代わりに、個室は最小限の大きさに。まだ子どもが小さいので、この寝室で家族3人で寝ています。寝室には室内窓も設けました。アール型に抜いた壁の向こうはウォークスルークローゼットで、そこからさらにフリースペースへと通り抜けできるように設計されています。上の写真は寝室とフリースペースをつなぐウォークスルークローゼットから寝室を見たところ。寝室とリビングの間に室内窓を設けたので、ベランダからの光と風が寝室だけでなくフリースペースにまで届きます。クローゼットは両側にハンガーパイプと棚をつけて、空間をフル活用。上部に布団も置けて便利です。水回りの位置は変更していませんが、風呂と洗面の位置を入れ替えたことで、バスルームがサイズアップ。洗面はシンプルでミニマムですが、素材や設備を厳選しました。洗面ボウルは大きくて使い勝手がいい病院用の流しを採用しました。さらに、洗面の横には引き戸で仕切ったトイレが。どちらも壁の一面を爽やかなブルーにして、アクセントカラーとしています。通勤のしやすさ、実家との距離、住みやすさを考慮して選んだ場所で新しい生活を始めたHさん夫婦。結婚式と出産、物件探しとリノベーションが同時進行という、ものすごく忙しい1年でしたが、快適な暮らしに大満足しているようです。もっと詳しく知りたい人は『リライフプラスvol.26』をぜひ参考にしてみてください。設計・施工空間社撮影山田耕司
2018年04月24日結婚を機に中古マンションを購入し、広々したサーフスタイルにリノベーションしたYさん夫妻。豊かな緑に囲まれ、ゆったりとした敷地に建つマンションを選んだ決め手は、そこがどこよりも住み慣れた場所だからでした。■ 妻が生まれ育った環境抜群のマンションの一室を購入サーフィンを通じで出会ったふたりが結婚したのは2015年のこと。分譲も賃貸も生涯支払う額はほぼ一緒だと知り、だったら早めに新居購入に動いたほうがいいのではないか、と考えたそうです。京都府宇治市にお住いのY夫妻のお住いは、最寄り駅から徒歩数分で緑が多い抜群の立地です。マンションは昭和57年築、専有面積は78.79平米で物件価格は1,200万円、工事費は1,400万円(税・設計料込み)でした。「最初は住宅展示場などを見学に行ったりしましたが、そうなると今度はよい土地が見つからなくて……」と妻。そんな中、幸運にもふたりにぴったりの中古マンションの一室が見つかりました。それは妻が生まれ育ち、いまも実母が暮らすマンションでした。住み慣れたマンション周辺の住環境がよいことは、地元育ちの妻が誰よりも知っていました。購入時に夫の単身赴任が決まっていたこともあり、同じマンションで妻と母がお互いのひとり暮らしをサポートできることも購入への後押しとなったそうです。■ テーマは「サーフィン」。ルーバー扉を多用した大胆リノベーションリノベーションの依頼先は、「京都」「リノベ」「おしゃれ」といったキーワードで検索して出会ったリボーンキューブ。妻の主導で進められたリノベーションは、最初はテーマが定まらなくて、とにかく好みのインテリア画像を何枚も送ってやりとりをしたのだそうです。提案されたテーマは、夫婦共通の趣味であるサーフィンでした。そこで妻の大好きなセレクトショップ「ロンハーマン」のようなテイストをふんだんに取り入れたインテリアにすることになりました。圧巻なのが、エントランスからリビングダイニングまで連なる白いルーバー扉。左右にある寝室やトイレ、クロゼット、バスルームの扉に至るまですべて同じ仕様のルーバーにしました。インテリアは好きな要素をごちゃ混ぜにするより、ひとつのテーマで振り切ったほうがいいというリボーンキューブのデザイナーのアドバイスに納得し、思い切ってルーバーを多用したことでより奥行きのある空間に仕上がりました。リビングの壁の一部もエントランスから続くルーバーに。一見するとウォークインクローゼットのように見えますが、インテリアとしてルーバーを張って統一感を出しました。■ リラックス感のあるリゾートのような雰囲気に!間取については、元は細かく仕切られた5DKの空間を、メリハリのある1LDKに。清々しいくらいモノがなく、スッキリとしたリビングダイニングのフローリングは色ムラのある幅広のオーク。肌触りもやわらかく、裸足で歩いても心地よいのだそうです。窓際にはテラコッタタイルを敷いてインナーバルコニーとしても使えるように。屋外と室内の仕切りを曖昧にしたことで、リゾートのような開放感を感じられる空間に。キッチンとバックカウンターはIKEAのものを採用しました。また、床は玄関から続くテラコッタで統一。コンロは火力にこだわってガスを採用。体格の良いの夫とふたりで作業しやすいように、通路の幅はゆとりを持たせています。キッチンと同様に洗面スペースもゆったりとした設計にしました。カウンター下はお掃除ロボットが行き来しやすいよう、なるべくモノを置かず、日用品のストックなどは左奥の収納スペースにすべて収めています。写真右手はルーバーの引き戸を開けると現れるトイレ。廊下との境をフラットにして、こちらもお掃除しやすいように工夫をしています。床は白いタイルで清潔感をアップしました。■ 日常と趣味とが違和感なく共存する理想の住まいサーフィンが大好きなふたりのために、エントランスは土間にしてウエアやボードなどを収納できる広いスペースを確保しました。扉なしのシューズラックやサーフボードラックは、オリジナルです。玄関から入ってすぐのルーバー引き戸を開けると寝室があります。マンションの共用廊下を通る人の気配を緩和できるように、窓側にもルーバー扉を取り付けました。窓用エアコンの目隠しにもなっています。窓側のルーバーだけは隙間をあけることで、換気と採光もできるようにしています。ハンガーも棚上もまだまだ余裕があるウォークインクローゼット。収納力抜群の玄関土間とこのWICがあることで、LDKをいつもすっきりと保つことができています。将来的には、子ども室などほかの使い方も考えているとか。以前は狭い社宅でストレスを感じることも多かったそうですが、いまではストレスフリーな新婚生活を送れているそうです。もっと詳しく知りたい人は『リライフプラスvol.26』をぜひ参考にしてみてください。設計・施工リボーンキューブ撮影飯貝拓司
2018年04月16日インダストリアル感のある武骨なデザイン、アメリカのヴィンテージ家具……。大好きなインテリアで思い通りの空間を実現したい、と家を持つことを決意したIさん夫妻。横浜市内に77.52平米の中古マンションを購入し、「施工事例にピン!ときた」というフィールドガレージにリノベーションを依頼しました。リクエストは「個室はいらないのでLDKを広く、収納を多めに」のみ。「あとのレイアウトは完全にお任せでした」と夫妻。■ キッチンは「何をどこに収納するか」を念頭にプラン広いLDKで存在感を放つのが、ラフな印象の黒いアイランドキッチンです。オリジナルで制作したもので、シンク側、コンロ側どちらにも扉のある収納つき。キッチン周りのものはほとんどここに収まるため、空間をスッキリ保ってくれます。キッチンを常に整えるコツは、「何をどこに置くか」を明確にプランすること。例えばシンク下の一部はゴミ箱の定位置に(写真上左)。コンロ横の柱とデスクスペースの間には収納を造作し、炊飯器や電子レンジ、食器類を収めました(写真上右)。シンク右手の可動棚(写真下)は、食材のストックを収納するパントリーにしています。■ リビングの一角にブックシェルフと一体の遊び心あふれるロフトを「リビングには、大量の本や雑誌を収納できるブックシェルフがほしい」と希望した夫妻。その案を、デザイナーの青木さんが「シェルフを壁代わりにしてその裏にロフトをつくれば、部屋も広く見えるし使い勝手もいいはず」とロフトを合体させたプランにバージョンアップしました。「提案を聞いたときはびっくりしました。今は上が物置、下が子どもの遊び場になっているけど、子どもが大きくなったらここを夫婦の寝室にしてもいいし、ゲストルームにしてもいいかも」と夫が話す通り、家族の変化に合わせて使い道がたくさんありそうです。下の写真は、リノベーション前のLDKの様子。間取りだけでなく、フローリングの変更や壁の塗装で一新されたことが分かります。現在のリビングの床は5mm厚の足場板、ダイニングはモルタル、キッチンは塩ビタイル。ひとつながりのLDKですが床材で緩やかに場を分け、メリハリをつけています。出窓のOSBボードはホームセンターでカットしてもらい、夫がDIYで貼ったもの。家具はパシフィックファニチャーのダイニングテーブル、トラックのソファなどお気に入りばかり。収納をしっかり設けたことで、心地よいLDKが完成しました。■ 身支度も帰宅後もスムーズ。土間とつながる広いWICさらに暮らしを便利にする収納が、玄関から続く大容量のWICです。以前は洋室だった北側の一室をすべて収納に作り変え、玄関からぐるりと回遊できるつくりに。帰宅して靴を脱ぎ、コートをかけて荷物を置くという一連の動作が、WICを一回りしただけで終わるので快適。広い土間にはベビーカーも置けます。廊下側の有孔ボードには趣味の自転車関連のグッズを飾りながら収納。その奥は、棚が丸見えにならないようカーテンを取り付けました。■ 洗面室も収納たっぷり。すみずみまで自分らしいインテリアにタオルや洗剤ストックなどで雑然としがちな洗面室にも、十分な収納を確保。洗濯機まわりの棚にはハンガーバスケットを引っ掛け、容量も使いやすさもアップ。洗面台の下の棚はあえて扉をつけず、用途ごとにボックスに分けて収納しています。親子3人で寝ている個室の床は、モルタル仕上げで硬質な雰囲気に。建具はほぼ既存のものを塗装し直してリユース。寝室のクローゼットは取っ手のみ交換して表情を変えました。工事費は950万円(税・設計料込み、施主支給品は含まず)。「好みの空間を手に入れたいなら、まずは収納から」ということを教えてくれる住まいです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.24』も参考にしてみてくださいね。設計・施工フィールドガレージ撮影飯貝拓司
2018年04月09日リノベーションしたいけど予算がない、新生活のためになるべく予算を抑えたい。でも、実際にリノベをしてみると、「あれもしたい、これもしたい」と工費が膨らんで……。リノベーションと予算の関係はいつも悩ましいものです。2015年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーで「カジュアルリノベーション賞」を受賞したMさんのお宅(30代・女性)は、あらかじめ予算の上限を決め、既存を上手く活用しながら280万円で理想の空間を手に入れました。低予算で思い通りのリノベーションを実現するための、ポイントが満載です。■ 中古マンション購入の段階から計画的に。総予算を組んでから物件探しある日、Mさんは父親から「資金を援助するから家を買わないか」と打診され、マンション購入の検討を始めました。予算は「住宅ローンの支払いが現在の家賃と同じかそれ以下」になるように、設定エリアと条件を絞って中古マンションを探し、見つけたのは、川崎市内の50㎡のリフォーム済み物件でした。50平米以上の物件としたのは、住宅ローン控除を受けるため(※専有面積が50平米以下のマンションでは住宅ローン控除が受けられません)。年末のローン残高に応じて、10年間一定額が所得税から控除されるという住宅ローン控除。専有面積のちょっとした違いで控除を受けられなくなるのはもったいないので、選ぶ際に気をつけてください。■ 予算の上限は300万円。やりたいことを明確にして優先順位を駅からやや遠いぶん、物件価格が低く抑えられたので、余った予算でリノベーションを施すことにしたMさん。予算を「300万円」に設定しました。Mさんはもともと家具や小物、食器など質のいいものを少しずつ集めるのが大好き。「せっかくなら集めたインテリアが似合う空間にしたい!」と、無垢材の床や珪藻土の壁は最優先に。またキッチンにカウンターを設けたい、などと、やりたいことをギュッと絞ったのです。その姿勢に賛同したのが設計を担当した空間社のデザイナー、宮本泰則さん。「要望が明確だったので、予算の中でできることと削る部分を分けるだけでした」と話します。リノベーション前丁寧に選んだ家具が映える空間にするために、素材感を整えることを優先し、建具とキッチン扉の変更を提案。例えば木の扉に替えたキッチンは、木目が主張しすぎないシナの板を2人でじっくり選びました。■ コストをかけるところはしっかりと。こだわりの「キッチンカウンター」中でも最もこだわったのは「キッチンカウンター」です。入れたいものすべての寸法を測って棚の幅や高さを決めたので、炊飯器や電子レンジもピッタリ。一部をガラス扉付きの棚にして食器のコレクションを収納しています。その一方でコストのために諦めたのは、現在納戸に使用している洋室の内装と、寝室の床をフローリングではなくカーペットにしたことですが、今はそれも気に入っています。寝室のクローゼットは既存を生かし、扉と枠を交換してスッキリとした印象に。壁の一面を、クロスの上からネイビーに塗装した寝室。マティスの絵がよく映えます。結果、リノベーションにかかった費用は全部で280万円。予定していた金額より少なく済みました。「先々のこともよく考えて予算を組んだ」というしっかり者のMさん。毎月の支払いは賃貸のときと比べて2万円ダウンし、その分をきちんと貯蓄に回しているそうです。賃貸料から総予算を決めて物件探しを始めたこと、リノベーションの予算にも上限を設けたこと、やりたいことを明確にして絞り込んだことなど、リノベ予算を抑えたい人にとって参考になるるポイントが盛りだくさんです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.23』も参考にしてみてくださいね。設計・施工空間社撮影飯貝拓司
2018年04月04日東京都練馬区にある吉田邸の窓の外に広がるのは、美しい桜並木です。妻の実家への近さに加えてこの桜並木も気に入り、予算内で購入したそう。マンション平成9年築、専有面積は56平米で、工事費 700万円(設計料・施主支給品は含まず)でリノベーションしました。完成した空間は岡山県・西粟倉村の檜や杉(ニシアワー)、卵の殻を原料とした左官材(ビーナスコート)などの自然素材をふんだんに取り入れ、窓の外に広がる自然とも見事に調和しています。その設計にあたったのは、設計事務所に勤務する夫。プランニングの際、ヒントにしたのが、国内外の旅で利用したホテルだったそうです。■ どこにいても気配が感じられる家族をつなぐ回遊空間「いいなと感じたホテルの部屋には、デザイン性や収納力に優れた造作家具があって、回遊性のある動線にも魅力を感じていました」と夫。自邸では、まず、家の中央にあったトイレを移動して水回りを一か所にまとめました。そして、元のトイレの位置にあって動かせなかった配管スペースの周りに、大容量の収納を配置。この収納を中心としてぐるりと回遊できる動線、ドーナツ状の空間を生み出したのです。グレーの塗装を施した部分が、家の中心に設けられた収納です。寝室側からはウォークインクローゼット、キッチン側からは日用品のストックなどを入れる収納になっています。ドーナツ状の空間には、LDKやワークスペース、寝室などのゾーン分けはありますが、実際は全体が大きな一つの空間のようになっています。生活時間帯がずれる日が多い夫妻ですが、「夫が別のところにいても、何をしているのか分かるのがいいですね」(妻)。また空間の一体感は、数字以上の面積を感じさせる一因にもなっています。■ 圧巻の造り付けオープン棚は全長約9m!収納力だけでなく、空間のつながりや奥行きを感じさせるポイントにもなっているのが、リビングから寝室まで続く造り付けのオープン棚です。その全長は、なんと約9m!棚のリビング側は、テレビ台や飾り棚として使用しています。壁面と棚板の間にはあえて隙間を設け、コード類が通せるようにしてあります。棚の中央部分は、棚板を手前に張り出させて机とし、ワークスペースに。そして、寝室側の棚にはプラスチックケースを収め、生活感の出やすいものを収納しています。一連の棚でありながら、場所によって機能を分けた多様性が特徴です。■ 素材やディテールへのこだわりは建築士ならではLDK入り口の引き戸は、縦格子です。空間の表情を豊かにするだけでなく、LDKからの光を廊下に届ける役割もしています。ダイニングのベンチは造り付けで、座面の下にはゲスト用の布団が入っています。座面が畳なので、座り心地がよいだけでなく、布団を敷けばゲスト用ベッドとしても使用できるスグレモノです。玄関収納はアウトドア用品も入っているほど、大容量。室内の棚などと同じシナランバーで造作し、ツマミにはウォールナット製のものをセレクト。室内の雰囲気にもマッチしています。キッチンやLDKの壁には、マヨネーズをつくるときに廃棄される卵の殻を原料にした壁材「ビーナスコート」を使用しています。ツヤ消しのやさしい雰囲気に加え、吸湿効果なども期待できるそうです。キッチンの背面には吊り戸棚を造作したほか、無印良品の棚も組み合わせています。モザイクタイルの壁が印象的な洗面・脱衣室は収納をたっぷり取りつつ、ゆったりと作業や身支度ができる広さも確保しています。洗面台の左下の扉奥には、ゴミ箱がビルトインされています。浴室・洗面室の引き戸は、割箸を製造するときに出る端材を使って造作したものです。浴室・洗面室を使用中かどうかは、引き戸上部のスリットから漏れている明かりでわかるようになっています。トイレ正面の壁には、岡山県・西粟倉村の杉の間伐材を使用した個性的なパネルを採用しました。リノベーションは、設計をした夫の独壇場だったのかと思いきや、「木材を見に行ったり、つくる過程も楽しめました」と妻。2017年にに誕生した第一子と同様、どのようにこの空間が育っていくのかも、楽しみにしている様子でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.24』も参考にしてみてくださいね。設計吉田智重(坂倉建築研究所)撮影遠藤宏
2018年04月02日