タイ伝来の健康法、ルーシーダットン。体のハリやコリにアプローチできる方法として、ヨガの経験者を中心にひそかに人気を集めています。ここでは深い呼吸をしながらゆったりとポーズをとることで、リラックス効果も得られるルーシーダットンの効果や、ヨガとの違いについて説明します。1日中座りっぱなしという方や、肩こりに悩んでいる方、必見です!毎日のデスクワークやスマホの使いすぎなどで、首や肩周りがガチガチになっていませんか?こわばった体をほぐしながらリラックスする手段には、ヨガやピラティスなどがありますが、是非、試してみてほしいのがタイ式ヨガとも呼ばれるルーシーダットンです。ルーシーダットンとは出典:byBirthルーシーダットンという言葉は、サンスクリット語の「仙人=(ルーシー)」「ダッ=整える」「トン=自分」という単語の組み合わせからなっています。ルーシーダットンは仙人体操とも呼ばれ、タイの仙人や僧侶が修行の際に座禅のように同じ姿勢を取り続けることで起こる体の痛みや疲労を自分で癒すためにはじめた「自己整体」、「セルフマッサージ」のようなものであると伝わっています。観光地としても有名なバンコクの寺院・ワットポーには、ルーシーダットンのポーズをとる仏像が残っています。また、毎朝無料のルーシーダットン講座が行われているほど人気があるそう。日々のデスクワークや立ち仕事などで同じ姿勢を取り続ける現代人にとっては、まさに最適の健康法と言えるでしょう。タイのマッサージ師も自らの疲れを癒すために実施!出典:byBirthタイに行ったことのある方のなかには、タイ古式マッサージを受けた経験のある方も多いのでは?かなり力を込めて全身のマッサージをするタイ式マッサージは、施術をする側も疲労がたまります。とはいえ、マッサージ師の皆さんがマッサージを受ける機会はほとんどありません。タイの保健省が管轄するマッサージ師養成学校では、マッサージ師が自らの疲れを取り、精神を安定させるためにルーシーダットンの修得が必須となっているそう。「体のしくみを知り尽くしたマッサージ師が行っているセルフメンテナンス方法」と考えると、興味がわいてきますよね!ルーシーダットンとヨガの違い出典:byBirthルーシーダットンの動きの中にも、ヨガのポーズと似たものがあります。カルチャースクールなどでは、ルーシーダットンのことをタイ式ヨガと呼んでいるところも。では、2つの違いはどこにあるのでしょうか。ヨガはインド伝来の修行方法もともとヨガはインドに伝わるもので、瞑想やアーサナと呼ばれるポーズ、独特の呼吸をとることで悟りを開くことを目的とした、いわば修行方法のひとつ。呼吸は鼻から吸って、鼻から吐く腹式呼吸が基本です。ストレッチ効果のあるポーズで体のこわばりがほぐれ、深い呼吸と瞑想によって精神が落ち着くという効果は、ルーシーダットンと共通するものがあります。ルーシーダットンはタイ伝来、修行後のセルフメンテナンスルーシーダットンはタイで誕生し、座禅や瞑想を含む修行で疲れた体を癒すセルフメンテナンス法。ヨガとはスタート地点も目的も違うことになります。実際、ルーシーダットンではヨガにはない、自分で自分の体をさすって、マッサージするような動きをとることがあります。また、呼吸は鼻から吸ったあと、自然に息を止めてから口から吐くタイプの腹式呼吸。鼻呼吸が苦手な方にもトライしやすいでしょう。ルーシーダットンの4つの効果出典:byBirthでは、ルーシーダットンの具体的な効果をあげてみましょう。血行が改善されて、こわばりがほぐれるルーシーダットンの呼吸は、鼻から深く息を吸って軽く止めてから、口から息を吐き出すという方法。血管は軽く息を止めたときにいったん収縮し、息を吐くと血管が拡張して血液が一気に流れ出します。この呼吸によって、血行が改善され、こわばった体が徐々にほぐれていくのです。また、体のこわばりがほぐれることで自然に心がリラックスしていくという効果も。ストレスによるコリやハリが気になる方にも向いています。集中力が高まるルーシーダットンは一人でもできますが、まずはレッスンを受けるのがおすすめ。レッスンでは、インストラクターが姿勢と呼吸のタイミングを指示していきます。それに沿って動いていくことで、頭のなかがからっぽになり「今」に集中することができるのです。特についつい過去の失敗や経験にとらわれがちだったり、まだ起きていない未来のできごとに不安を感じてしまうという方にも最適と言えるでしょう。自律神経が整い、精神が安定する脳や内臓器官のはたらきをコントロールする自律神経には、日中、活発になるアクセルの役割を果たす交感神経と、リラックスしたときや睡眠時に活発になるブレーキの役割をもつ副交感神経の2種類があります。忙しい現代社会で生活する私たちは、夜やリラックスしたいときでも交感神経が高ぶったままになりがち。言ってみれば、アクセルがかかりっぱなしの状態です。でも、この自律神経は自らの力でコントロールすることができません。体をリラックスさせ、心を落ち着かせる副交感神経のはたらきを高めるためには、腹式呼吸で行う深呼吸が効果的と言われています。ルーシーダットンで深い呼吸を行いながら、ゆったりとポーズをとることで、副交感神経が優位な状態となり、精神が安定していく効果が得られるのです。体のゆがみが矯正され代謝アップ同じ姿勢や間違った姿勢を取り続けていると、体は徐々にゆがんでいきます。自己整体とも呼ばれるルーシーダットンのポーズには骨盤や背骨、内臓の位置などのゆがみを無理なく矯正し、正しい位置に戻す効果があります。女性に多い骨盤のゆがみは代謝の低下を招き、下半身太りにもつながります。ルーシーダットンで体のゆがみが矯正されれば、姿勢がよくなって代謝も上がり、ダイエットにも役立ってくれるでしょう。ルーシーダットンは難しくない?効果は分かる?出典:byBirthルーシーダットンのポーズは簡単な動きが多く、誰でもできるものがほとんど。体が硬い方や筋力がない方でも始めやすく、けがの恐れもほぼありません。ヨガの経験がない方にもぴったりです。また、ルーシーダットンは動きのなかで瞑想を行ったり、意識して精神統一を行うというよりも、ポーズをとることで自然と瞑想効果が現れ、集中力が高まっていくという流れで進んでいきます。レッスンは、音楽に合わせて行われることが多く、じっとしているのが苦手な方や瞑想ができないという人でも楽しんで行うことができるでしょう。そして自己整体とも呼ばれるだけあって、体がほぐれ、軽くなるという変化が分かりやすいのも嬉しいポイント。初心者にとってはモチベーションアップにつながりやすく、続けている人が多い理由のひとつになっています。ルーシーダットンをはじめるには?出典:byBirth肩こりや体の疲れがなかなか取れないという方や、ストレスが溜まりがちな方にオススメのルーシーダットン。ポーズと流れはDVDや動画サイトなどでも見ることができますが、より効果を高めるためにも、最初はレッスンに参加して正しい呼吸方法と流れを体得するのがベストです。全国展開しているスポーツクラブやカルチャーセンター、自治体のスポーツセンターなどでも手ごろな価格でレッスンが行われていることがありますので、お近くでレッスンを受けられるところがないか、是非探してみてくださいね!
2019年03月11日アラフォー世代の美と健康にとって、最重要項目といえるのが “セルフケア” 力です。とはいえ、何から手をつけるのが確実でベストといえるのでしょうか? そこで、すべての現代女性に向けて「一生モノのセルフケア力を身につける」をテーマに、雑誌はじめ多数のメディアで『ムーンヨガ』を提唱してきた、セルフケアコーディネーターの石田ミユキさんにお話を伺いました。石田ミユキさん PROFILEタイ流セルフケアサロンOM NAMO(オナモ)代表。シューフィッターとして足元からの健康を学んだ後、タイへ渡りタイマッサージとルーシーダットンを修得、インド中央政府認定ヨーガ療法士の資格も持つ。現在はセルフケアに関わる分野で活動、ITM渋谷ヌアライフスクールも主宰し人材育成も行っている。どんなセルフケア法でも、すべての土台は「呼吸」血液やリンパの巡りを良くするタイマッサージや、タイ式ヨガと呼ばれるルーシーダットンを実践するうちに、ひどい月経不順や重い月経痛から解放されていったという石田さん。その経験に加え、ヒマラヤまで赴きヨーガ療法を修めるなど、心身に関わるいくつもの学びが積み上がって考案されたのが、呼吸からはじまる女性のためのセルフケアメソッド『ムーンヨガ』です。「セルフケアに取り組まれるきっかけは、みなさんさまざまだと思うのですが、どの健康法においても大前提といえるのが“呼吸”。呼吸をきちんと使いきることが、体(エネルギー代謝)にとっても、メンタル(自律神経のバランス)にとってもスイッチであり、要です。」「緊張した体」や「呼吸不足」では、運動しても逆効果「呼吸には大きく分けて、胸式呼吸と腹式呼吸、2つの方法があります。王道のヨーガは男性が得意とする腹式呼吸が基本ですが、女性の体はもともと胸式呼吸のほうが得意な構造になっています。まずは胸式で、息を吸いきる、そして吐ききることが出来ているか確認した上で、腹式呼吸に取り組みましょう」たくさんの女性の体に触れてきた石田さんによると、デスクワークや立ち仕事など、体を緊張させて働いている女性は、胸式呼吸すらまともに出来なくなっていることが多いのだそう。そのような状態でエクササイズなどに励むと、かえって体をしんどい状態に追い込んでしまうことに…。 「心」と「体」を調えるための “こきゅトレ”を!そこで今すぐ実践できるセルフケアの第一歩が、著書『月経周期を味方につけて毎日を快適に過ごす ムーンヨガ』で提唱されている“こきゅトレ”。ノド、肩、胸、背中、お腹、お尻、骨盤底筋群、横隔膜、呼吸に関わる主な筋肉の動きの確認とトレーニングができます。■こきゅトレ の方法呼吸を調えて、お腹からあばら骨、首、肩、背中へ…と手を移動させていきます。それぞれの部位を意識して、ゆっくりと呼吸をするトレーニングです。(1)呼吸を意識あぐらになり骨盤を立てて座る。手を太ももの上に置いて目を閉じ、呼吸に意識を向ける。★骨盤の立て方:お尻の下に両手を入れて上半身を前後にゆっくり揺らし、坐骨がグサリと手指に垂直にのる感覚があったら骨盤が立った状態なので、そこで両手を引き抜く。(2)お腹呼吸が落ち着いたら、両手をお腹に当て、数回の呼吸に合わせて両手でお腹の動きを感じる。(3)あばら骨両手を左右のあばら骨のところに当て、数回の呼吸に合わせて両手であばら骨の開閉を感じる。(4)首と肩の付け根両手をクロス、首と肩の付け根にそろえた指を置き、数回の呼吸に合わせて肩の上下動を感じる。(5)胸と背中片手を胸の真ん中、もう一方の手は甲を背中に当て、数回の呼吸に合わせて胸と背中の斜めの動きを感じる。(6)お尻、恥骨、膣、肛門付近最後は(1)と同じ体勢に戻り、数回の呼吸に合わせてお尻まわりの筋肉の動き、慣れてきたら膀胱のある恥骨のあたり、膣、肛門付近の動きまで観察してみる。 呼吸で、「未来の心と体の快適さ」も手に入れて神経をコントロールできない自律神経も、呼吸を使えば意図的に調えることが可能となり、さらには自律神経と同じ間脳の視床下部でコントロールされている女性ホルモンの調整にも繋がります。「また、呼吸と連動して膣の動きが出てくることにより、骨盤の内部を温める機能もアップ。冷えにくくなり、月経痛や腰痛が楽になる人は多いです」ノド、肩、胸、背中、お腹、お尻まで動かしての呼吸は、腸や骨盤底部、膣、恥骨、肛門まわりなどの動きとも連動しています。年齢を経ていくにあたり心配な頑固な便秘や尿もれといった症状と無縁でいるためにも、毎日の“こきゅトレ”を習慣にしたいですね。ムーンヨガをはじめてみたい方、興味のある方は是非、書籍でも詳細をチェックしてみてください。参考書籍:『月経周期を味方につけて毎日を快適に過ごす ムーンヨガ』(BAB出版)
2015年08月19日寒さに身を縮めていたら、あっという間にコリがひどくなって、背中、二の腕、お腹のお肉がゆるんでくるアラフォー世代。「何かしなくては、でもしんどい運動は苦手…」そんな女性の間で、最近じわじわ人気が高まっているのがタイ式のヨガといわれてる「ルーシーダットン」です。ルーシーダットンを日本語に訳すと「ルーシー(修行する者)、ダッ(伸ばす、曲げる)、トン(自分で)」。タイの修行僧が、自分の身体のコリや歪みを整えるために行ってきた自己整体体操で、体が硬くても取り組みやすいのが特徴です。ツボの刺激+ストレッチ+呼吸法を合わせてポーズを行っていくので、コリほぐし、血液やリンパ液の循環促進、代謝アップ、深層筋の活性化、体の歪みの調整、リラクゼーション(自律神経の調整)などの効果を期待できます。では、簡単にトライできるルーシーダットンのポーズをご紹介しましょう。まずは“骨盤の位置”の確認からルーシーダットンの呼吸法は、鼻から吸って、ためて(約3秒〜5秒)、口から吐きます。息を吸いながらポーズを取り、吸いきったらポーズをキープ、吐きながら最初のポジションに戻ります。ポーズを取る時は必ず骨盤がまっすぐ立った、内蔵が正しい配置におさまりやすい状態で行いましょう。骨盤の位置を確認したい時は、お尻の下に両手を入れて、前にかがんだり(骨盤が前傾)、後ろに倒れたり(骨盤が後傾)してみて、体を起こした時に指の上に刺さるように座骨がのったら骨盤がまっすぐ立った状態なので、そこで手をストンとはずします。デスクワークに疲れたら、この1ポーズ!それでは、眠気を防ぎ、肩まわり、背中、腕のコリを緩和、さらにお腹まわりをふくめた上半身の筋肉を活性化するポーズをひとつご紹介します。1.息を吸いながら組んだ両手をひっくり返して前へ。背中の奥のほうから腕を伸ばすように伸ばしたら3秒ほど息をためてキープ。(写真左)2.息を吐きながらポーズを解放して胸の前まで両手を戻す。(写真右)3.組んだ両手をひっくり返して前につきだしてから、ひじを曲げずに左方向へ伸ばす。上半身と顔は正面に残したまま3秒ほど息をためる。(写真左)4.息を吐きながらポーズを解放、胸の前まで両手を戻す。反対側(右方向へ)も同じように行う。(写真右)5.組んだ両手をひっくり返して前へつきだしてから、頭上へ。両ひじは耳の真横まで引き付けて。(写真左) 6.ろっ骨から引き上げるようにお腹を縦に伸ばし、息を3秒ほどためる。息を吐きながら、手のひらを返したまま肘を曲げて指の関節で頭頂部のツボ(百会)を刺激。(写真右)シンプルな動きですが、細胞に酸素や栄養が行き渡って体が軽くなり、ムキムキになることなく体が引き締まったり、歪みにくい体の使い方が身についていきます。このポーズは、イスに座った状態や立った状態でもできます。日々のセルフケアに、ぜひ役立てみてくださいね。
2015年01月05日