「KAT-TUN」上田竜也が主演を務めるドラマ24「新宿セブン」に、このたび、人気歌手の家入レオが出演決定。本作で女優デビューすることが決定した。24時間眠らない街、新宿歌舞伎町。東洋一の歓楽街と呼ばれ、妖しく危険に満ちたこの街で一目置かれている男がいた。七瀬質屋の店主で天才鑑定士。その男の名は「“七つ屋”の七瀬」。七瀬の店には、あらゆる物が持ち込まれる。時計やバッグ、果ては拳銃、クスリ、臓器まで…「人」も「モノ」も偽物を認めず、本物しか信じない七瀬は、持ち込まれる品物から依頼人の悩みを解決していく。なぜ、彼がこの街で質屋を経営しているのか?そこには歌舞伎町に潜む謎と隠された理由があった。ある答えに辿り着いた七瀬が、最後に鑑定するモノとは一体!?果たして、それは本物なのか偽物なのか…。家入さんが演じるのは、夏木マリ演じるシノブが経営する餃子屋のアルバイト店員・栞(22歳)。主人公の七瀬(上田さん)たちが通う歌舞伎町の餃子屋で、元気な看板娘を演じる。ひと癖もふた癖もある登場人物たちが、混沌とした街・歌舞伎町で繰り広げる人間模様…そこに栞はどう絡んでいくのか?本作への出演にあたって「すごく嬉しかったです」という家入さん。「台本をいただいたときに、ドラマの主題歌ではなく、出演者として自分の名前が載っているのを見て、少し感動しました(笑)」「私自身、今回ドラマに初出演させて頂きますが、皆さんが栞という役に対してどんな感想を持たれるのか、ドキドキワクワクしています」と期待を明かす。また歌手活動との違いについては、「音楽って、色んな人に支えて頂いて、はじめてステージに上がることが出来て。常に発信者が自分で、でもやっぱりどこか自分の中に深く潜っていく感じなんです。どんな歌詞を書いても、どんなメロディを作っても『家入レオ』なんです。当たり前ですが」「ドラマも色んな人に支えられて撮影しているとこには変わりないのですが、常に外にヒントがあって。相手の言葉や表情を受け取れたときの連動感とか、常にみんなでっていう連帯感のような雰囲気が新鮮でした」と熱弁。「あと普段の私ではなく『栞』なので、言葉遣いとか服装とか自分以外になれるという感覚が面白いです」と楽しんでいるようだ。クランクインした現場では「主演の上田竜也さんをはじめ、出演者の方みなさんに優しくしていただいてます。夏木マリさんにドラマについても勿論ですが餃子について話したり、田中哲司さんと学生時代のことについてお話したり、私がドラマの勝手がわからないときとかさりげなく中村倫也さんがフォローしてくださったり。助けられてます」と良い雰囲気であるようだ。「ドラマ初出演ですが、ちゃんと作品に馴染んだ『栞』をお届けできるように頑張りますので、楽しみにしてもらえると嬉しいです」と最後にメッセージを寄せた。ドラマ24「新宿セブン」は10月13日より毎週金曜深夜0時12分~テレビ東京ほかにて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年09月19日ワンランク上の美しさを手に入れる「ラ・プレリー」は現在、『SC エッセンス-イン-ローション』を購入した人を対象に、『SC エッセンス-イン-ローション』をもう一品と、フォームクレンザー(洗顔料)のサンプルをプレゼントするキャンペーンを行っている。2017年2月1日(水)~3月31日(金)までの期間中に商品を購入すれば、美肌だけでなくラグジュアリーセットまでプレゼントしてもらえるという魅力的な内容。これまで手に取ったことのない人も、この機会に美肌とラグジュアリーなプレゼントを手にしてみてはいかがだろうか。スキンキャビアコレクション初の美容液スキンキャビアコレクションは、その名の通り、キャビアから美容成分を抽出。たっぷりの美容成分で、肌に贅沢な美しさを与える。つけるとラグジュアリーで美しい肌へ導いてくれる『SC エッセンス-イン-ローション』。30年以上ロングセラーを記録し、多くの人に愛されているスキンキャビアコレクションから、2016年に初の美容液として発売された。これまでのスキンケアに加え、化粧水と美容液の間に使用することで、他のスキンケア商品とのなじみがよくなり、より効果が高まると言う。ワンステップ足すだけで、これまでよりもさらに美しい、極上の美肌を手に入れる。この機会にぜひ、検討してみてほしい商品となっている。(画像はプレスリリースより)【参考】※ラ・プレリーのプレスリリース
2017年02月14日シンガーソングライターの家入レオが、日本テレビ系で放送される『第95回全国高校サッカー選手権大会』(12月30日開幕)の応援歌を歌うことが20日、明らかになった。これまで、いきものがかり、FUNKY MONKEY BABYS、ナオト・インティライミ、miwa、GReeeeN、大原櫻子、BLUE ENCOUNTといったアーティストが歌ってきた、高校サッカーの応援歌。今回、家入レオが歌う楽曲のタイトルは「それぞれの明日へ」で、家入は「前に向かって歩いていってほしいという気持ちで作りました」と語る。この曲作りの中で、大会に関わる人たちの話や思いを聞く機会があったそうで、「一番衝撃を受けたのが、大勢いる部員の中で、先発出場する11人に選ばれるためのドラマが、試合で戦う前にあるということでした」という家入。「そこで挫折するのではなく、今はつらいかもしれないけど、この先に世界が自分のことを待っているんだと、この歌を通じて少しでも感じてもらえればいいなと思います」と呼びかけた。日本テレビスポーツ局の土谷幸弘プロデューサーは、家入を起用した理由について「小さな体から発せられる"エネルギー"です」と説明。「力強さと切なさが同居するまっすぐな歌声は、出場する選手たちの背中を押し、さらには視聴者の心を震わすすばらしい大会になってくれることを期待しています」と語っている。今回の高校サッカー選手権は、12月30日に開幕。来年1月9日に、埼玉スタジアム2002で決勝戦が行われる。
2016年10月20日リコー(RICOH)は、ワンショットで全天球イメージを撮影できる360°カメラ「リコー・シータ SC(RICOH THETA SC)」を2016年10月28日(金)より発売する。2013年に世界初のワンショットで360°撮影ができるカメラとして発売された「リコー・シータ」。発売以来、 全天球イメージというこれまでの映像表現の常識を超える可能性を秘めたツールとして、さまざまな映像分野で利用されてきた。新しく登場する「リコー・シータ SC」は、360°の全天球映像を誰もが日々手軽に楽しめる、360°カメラのスタンダードモデルとして開発された。高性能CMOSイメージセンサーや大口径レンズにより、出力画素で約1400万画素に相当する高精細な360°の全天球イメージを取得可能。夜景でもノイズを抑えた撮影を楽しめるので、クリスマスのイルミネーションなども美しく残すことができる。撮影した画像は、スマートフォンやタブレットに転送することで、パソコンを介することなくつなぎ目のない360°動画として楽しめるほか、市販のVRビューアーを利用した手軽なVR体験も実現できる。専用ウェブサイトにアップすれば、フェイスブックやユーチューブ、インスタグラム、タンブラーなどのSNS上で閲覧して、友人たちとの思い出を共有する新たな手段としても使えそうだ。また、静止画のLサイズで約1600枚の撮影が可能な大容量メモリーとは思えない、軽量化されたスマートなフォルムも魅力の一つ。カラーは全4色。自分のスタイルで撮影を楽しんでほしい。【詳細】RICOH THETA SC価格:オープン価格カラー:ブルー、ベージュ、ピンク、ホワイト【RICOH THETA SCの主な仕様】撮影距離:約10cm~∞(レンズ先端より)撮影モード・静止画:オート、シャッター優先、ISO優先、マニュアル・動画:オート露出補正 静止画:マニュアル補正(-2.0~+2.0EV 1/3EVステップ)ISO感度(標準出力感度):静止画:ISO100~1600、動画:ISO100~1600ホワイトバランスモード静止画:オート、屋外、日陰、曇天、白熱灯1、白熱灯2、昼光色蛍光灯、昼白色蛍光灯、白色蛍光灯、電球色蛍光灯動画:オートシャッタースピード静止画:(マニュアルモード以外)1/8000秒~1/8秒、(マニュアルモード)1/8000秒~60秒動画:(L)1/8000秒~1/30秒、(M)1/8000秒~1/15秒記録媒体 内蔵メモリー:約8GB記録可能枚数、時間静止画:(L)約1600枚、(M)約9000枚、動画(1回の記録時間):最大5分、動画(合計記録時間):(L)約63分、(M)約171分電源 リチウムイオンバッテリー(内蔵)電池寿命 約260枚画像ファイル形式静止画:JPEG(Exif Ver2.3)DCF2.0準拠動画:MP4(映像:MPEG-4 AVC/H.264、音声:AAC)外部インターフェース microUSB:USB2.0リモートレリーズ:CA-3に対応外形・寸法 45.2mm(幅)×130.6mm(高さ)×22.9mm(17.9mm※6)(奥行き)質量 約102gレンズ構成、F値:6群7枚、F2.0撮像素子、サイズ:1/2.3(×2)有効画素数:約12M(×2)、※出力画素 約14M静止画解像度:L:5376×2688、M:2048×1024動画解像度/フレームレート/ビットレートL:1920×1080/30fps/16Mbps(入力時)M:1280×720/15fps/6Mbps(入力時)無線_通信プロトコル:HTTP【問い合わせ先】お客様相談センターTEL:0570-001313
2016年10月16日歌手の家入レオが7月4日(月)、都内で行われた米アニメ映画『ペット』のイベントに出席し、同作のイメージソングである新曲「Brand New Tomorrow」を生披露。インスタグラムのフォロワー数国内2位を誇り、映画の宣伝隊長を務める柴犬のまるちゃんと対面した。日本でも興収50億円を超えた『ミニオンズ』のイルミネーション・エンターテインメントがこの夏、放つ最新作。飼い主が留守の間に、個性豊かなペットたちが大都会ニューヨークを冒険する感動ファンタジーで、家入さんも「ペットと飼い主の絆が描かれていて、性別や世代を問わず愛される作品だと思う。冒険心をくすぐられる」とすっかりお気に入りだった。映画のイメージソングを手がけるのは初めてで、「とても貴重な体験」と家入さん。楽曲に関しては「絆をテーマに、明日に向かって前に進んでいこうという明るい気持ちを歌っている」と語った。実家でミニチュアダックスフンドを飼っているそうで、「めちゃくちゃ可愛いですね。実家からメールの添付で写真を送ってもらい、いつも元気をもらっています。隣でいるだけで癒される」と親バカぶりも披露した。イメージソングのMVで家入さんとの共演も果たしている柴犬のまるちゃんは、インスタグラムのフォロワー数国内2位(240万人超え)で、“日本を紹介する犬”として海外でも人気を博す存在。現在、フォロワーは100か国を超えており、いま最も愛される柴犬と注目を集めている。『ペット』は8月11日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月04日大ヒット作『ミニオンズ』のスタッフが贈る、ペットたちの日常をユーモラスに描いた『ペット』。このほど、シンガーソングライター・家入レオの新曲「Brand New Tomorrow」が、本作のイメージソングとして起用されることが決定!映画への楽曲提供は初めてとなる本作について、また、自身のペットとのエピソードについて語ったインタビュー映像も到着した。大好きな飼い主ケイティと不自由ない生活を送っていた主人公のマックス。だが、ある日、ケイティが毛むくじゃらの大型犬デュークを保健所から連れて帰って来たことをきっかけに、あるトラブルに巻き込まれ、ニューヨークを舞台にマックスと近所のペット仲間たちが大冒険を繰り広げることに。ペットたちの日常の裏側をユーモラスに描いた映画に、初めて楽曲を提供することになった家入さん。今回の彼女の起用に際し、本作のイメージにふさわしい、“ペットを飼っている”アーティストを探していたという配給の東宝東和は、「まさに条件にぴったりな家入さんに満場一致でオファーを決定。その後、正式オファーしたところ、幸運にも7月6日に発売されるニューアルバムの中に、聴いた誰もが前向きな気持ちになれて、明日への希望を与えてくれる曲がありました。それは運命的と思えるほどに作品のイメージにぴったりとハマり、本国ユニバーサル・スタジオ/イルミネーションの製作者からも、『非常に素晴らしい楽曲!』とのお墨付きをもらったことから、今回の楽曲タイアップが実現いたしました」と明かす。「最初にお話を聞いたときに『すごいうれしい!』って思いました」という家入さんは、「実家で自分もミニチュア・ダックスフンドを飼っているので、ペットに対する愛情だったり絆っていうのを歌でも表現したいな、って曲も制作していたりしたので、その曲がこういう形で選んでいただけてうれしかったです!」と運命的なオファーに感激の様子。また、映画への初の楽曲提供については、「この映画は夏公開ということで、小さいお子さんから幅広い人の心に感動を呼ぶ映画だなって思いますし、そういう作品に携わらせていただいて、本当に幸せだなって思います」とコメント。さらに、ひと足先に鑑賞した本作を「『ペット』って本当に世代を選ばない映画だと思うんです。大人の人で「アニメって子どものものだ」って思ってしまう人もいるかもしれないですけど、忘れかけているワクワクした気持ちとか、ドキドキした気持ちを、ストレートに伝えてくれる映画になっているので、たくさんの人に観てもらいたいです!」と絶賛、ペットを愛する飼い主のひとりとしてエールを贈っている。『ペット』は8月11日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月21日シンガーソングライター・家入レオの新曲「Brand New Tomorrow」が、映画『ペット』(8月11日公開)のイメージソングとして起用されることが20日、明らかになった。映画への楽曲提供は初めて。また、オファーを受けた当初の心境や、自身のペットとのエピソードについて語ったインタビュー映像も公開された。『ミニオンズ』のスタッフによる最新作となる本作は、飼い主が留守にしている時にペットは一体どんなことをしているか、ペットの日常の裏側をユーモラスに描いたアドベンチャー。大好きな飼い主ケイティと暮らす主人公の雑種犬マックスのところに、新たに毛むくじゃらの大型犬デュークがやってきたことをきっかけに、あるトラブルに巻き込まれ、ニューヨークを舞台にマックスと仲間たちが大冒険を繰り広げる。配給の東宝東和は「本作のイメージソングにふさわしい、かつ、"ペットを飼っている"アーティストを探していたところ、まさに条件にぴったりな家入さんに満場一致でオファーを決定」と今回の起用理由を説明。その後、正式にオファーしたところ、7月6日に発売されるニューアルバムの中に、聴いた誰もが前向きな気持ちになれて明日への希望を与えてくれる曲があり、「運命的と思えるほどに作品のイメージにぴったりとハマり、本国ユニバーサル・スタジオ/イルミネーションの製作者からも、『非常に素晴らしい楽曲』とのお墨付きをもらったことから、今回の楽曲タイアップが実現した」という。家入は「実家で自分もミニチュア・ダックスフンドを飼っているので、ペットに対する愛情だったり絆っていうのを歌でも表現したいな、って曲も制作していたりしたので、その曲がこういう形で選んでいただけてうれしかったです!」と感激。映画への初の楽曲提供に「この映画は夏公開ということで、小さいお子さんから幅広い人の心に感動を呼ぶ映画だなって思いますし、そういう作品に携わらせていただいて、本当に幸せだなって思います」と話した。また、ひと足早く本作を鑑賞した家入は「『ペット』って本当に世代を選ばない映画だと思うんです」とコメント。「大人の人で『アニメって子供のものだ』って思ってしまう人もいるかもしれないですけど、忘れかけているワクワクした気持ちとか、ドキドキした気持ちを、ストレートに伝えてくれる映画になっているので、たくさんの人に観てもらいたいです!」と絶賛した。(C)Universal Studios.
2016年06月21日1997年の『タイタニック』で日本中の女性を虜にしたレオナルド・ディカプリオ。『ロミオ+ジュリエット』『太陽と月に背いて』『仮面の男』…あの頃のレオ様って本当に美しかったですよね?当時は線の細い美少年だった彼も気づけばアラフォー。セクシーなブルーの瞳はそのままに、ダンディーさとワイルドさを併せ持つ大人の男性へと変貌を遂げました。そんなレオ様の最新作『レヴェナント:蘇えりし者』はもうご覧になりましたか?◆ワイルドすぎるレオ様に注目俳優として5度目のノミネートで、本作にて悲願のアカデミー賞主演男優賞を獲得したディカプリオ。今回、彼が演じたのは愛のために復讐の鬼と化した男です。狩猟中にクマに襲われ瀕死の重症を負った上に、仲間の裏切りで目の前で愛息子を殺害された主人公は、復讐を果たすために約120kmの過酷な旅を続け…。2013年の『華麗なるギャッツビー』で魅せたミステリアスな大富豪とは打って変わったワイルドすぎる姿には、度胆を抜かれること間違いないでしょう。◆レオ様のコメントを入手!このたび、作品の大ヒットを記念してディカプリオが明かした映画の見所&撮影秘話を特別に入手!ということで、そのコメントをご紹介します。特製グッズのプレゼントもあるので、ぜひ最後まで見てみてくださいね。――「撮影がとても過酷だったと伺いました。思い出や裏話を教えていただけますか?」ディカプリオ:「ものすごく大変だったよ!誰もが身を粉にして撮影に挑んだ。撮影中はマイナス27度まで冷え込んだこともあったんだ。氷点下の中で裸にもなったし、極寒の川にも飛び込んだ。低体温症にもなりかけたし、数えきれないくらい風邪をひいたよ。でもその甲斐あって、その場に居合わせたような臨場感を表現することができたんだ」確かにこの作品の臨場感はすごいんです。作り物ではない、本当に厳しい環境下で演じられたお芝居ゆえの熱量が感じられるので、まるでレオ様と一緒に19世紀のアメリカを旅しているような気持ちに!――「セリフがあまり多くない役でしたが、言葉無しで自分の考えを伝えるのは難しかったですか?」ディカプリオ:「今まで、言葉によって考えを伝える役を演じることが多かったから、ほとんどセリフが無い今回の役は非常にチャレンジングだったね。監督とよく話し合い、脚本を検討し、特別の瞬間や、グラスが経験したことについて考えて撮影に臨んだんだ」瀕死の重傷を負っている役なので、話すシーンはほとんどありません。その分、表情とボディランゲージで全ての感情を表現している彼に圧倒されちゃいます。特に目の演技には要注目!――「最後に、映画の見所を教えてください!」ディカプリオ:「この作品で描かれるのは、単なるサバイバルじゃない。親子の深い愛情と、それを奪われた男が復讐のために挑む壮絶な旅が描かれているんだ。そして、大自然の中で生き抜こうとする一人の人間のストーリーでもある。日常ではまず味わえない、壮大なスケールの旅に連れて行ってくれる作品だ。ぜひ劇場の大きなスクリーンで鑑賞してほしいな」殺された息子はもちろん、その母である原住民への女性への深い愛も描かれているので、男性としてのディカプリオの魅力も存分に感じられます。ですから、常々、「ひ弱な男じゃ物足りない!私が求めてるのはタフな男なのよ!」と考えている女性が観たら、愛ゆえに強く、時に残忍にもなれる彼の姿に、改めて「ディカプリオってかっこいい」と思うかもしれません。そう、レオ様は『タイタニック』の時から頼れる男だったけれど、今はそこに渋みと野性味が加わって、たとえて言うなら熟成したワインのような深い味わいを醸し出しているんです。ディカプリオの鬼気迫る演技で描かれる、深い愛とそこから紡がれる奇跡のサバイバル。復讐の先には、いったい何が待ち受けているのか…?魂を揺さぶる映画体験を、ぜひ劇場で堪能してください!【STORY】舞台はアメリカ西部の広大な未開拓の荒野。狩猟中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、狩猟チームメンバーの一人、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。さらに反抗したグラスの息子までも、フィッツジェラルドは容赦なく殺してしまった。グラスは、大自然の脅威なか、厳しい冬の寒さに耐え、交戦中の部族の熾烈な襲撃を交わし、愛する息子を殺されたことへの復讐の執念のみを武器に、約120キロの容赦ないサバイバルの旅を生き延びなければならない。果たして彼は、激しい怒りを力に変え、奇跡的に死の淵から蘇ることはできるのか!?4月22日TOHOシネマズ 日劇他全国で大ヒット公開中監督:アレハンドロ・G.・イニャリトゥ出演:レオナルド・ディカプリオほか配給:20世紀フォックス映画配給『レヴェナント:蘇えりし者』(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.★オリジナルグッズプレゼント★映画『レヴェナント:蘇えりし者』より、作品の世界観をイメージした「特製レザーノート」を2名様にプレゼントします!ご応募期限:2016年5月23日(月)
2016年05月07日SC15の展示場で、建築の足場のような鉄パイプで3階建ての櫓を作っていた会社があった。「Tezzaron」という会社で、 3階に上がると、展示場全体が見渡せるとブースの前を通る人を呼び込んでいた。きわものかと思ったのであるが、なかなか技術的に面白いものを作っていた。TSVを使った3D実装はHBMやHMCで実用化されつつあるという状況であるが、Tezzaronの技術はTSVよりもずっと高密度の接続ができ、性能的により良いものが作れるという。また、最大18枚のチップを積み重ねることができるとのことである。次の図のようにメモリチップとコントロールチップを積層する点は、HBMなどと似ているが、Tezzaronのスタックのメモリチップはメモリアレイだけを搭載し、デコーダやセンスアンプなどのメモリの周辺回路はコントロールチップに置かれている。このように周辺回路を含まないことでメモリチップを小さくする、あるいは、より多くのビットをメモリチップに詰め込める。周辺回路を別チップにすると、一般に、メモリチップとの接続本数が増えたり、配線が長くなったりするという問題がでるが、Tezzaronのチップ間の接続はTSVよりずっと小さく、チップ内の接続とあまり変わらず、問題にならないという。このように要素別に分解した形でRAMを作るので、Tezzaronは、Dis IntegratedなRAMということで、「DiRAM4アーキテクチャ」と呼んでいる。通常のTSVは、ウェハを貫通する接続に銅を使い、アグレッシブなものでも、直径が5μm、長さが50μm程度である。これに対してTezzaronの接続はタングステンを使い、直径が1μm以下で長さも10μm以下と短い。タングステンによる接続はLSIチップのシリコン層に作ったMOSトランジスタと第1層のメタル配線を接続するのに広く用いられており、微細な接続ができる確立した技術である。しかし、10μm以下(6μm程度という話も聞いた)の接続しかできないので、ウェハをそれ以下の厚みにすることが必要となるという。平面方向で見ると、通常のTSVでは40μm×50μmの面積に1本の接続であるが、Tezzaronのやり方では3μm×3μmに1本と200倍以上(図では66倍以上と書かれている)の密度の接続ができる。TSVの場合はウェハに大きな穴を空けてTSVを作ることによる機械的なストレスがピッチを決めるが、Tezzaronの方法はストレスはなく、位置合わせの精度でピッチが決まっているという。通常のTSVの場合は、ウェハを製造し、プローブテストで検査し、良品のチップの位置を覚えて置く。そして、ウェハを50μm程度の厚みまで研磨して、それを切断してチップにする。良品のチップを選んで積層を行ってパッケージに入れ、バーンインやテストを行うという手順で製造される。10μm以下という薄いウェハを実現するため、Tezzaronの場合は、ある程度の厚みのベースウェハ(Supporting Substrate)からスタートし、次のウェハの接合を行なったら、一番上のウェハを薄く研磨するという手順を繰り返す。このようにすれば、研磨する対象はベースウェハより厚いものとなり、10μm以下という極薄の壊れやすいウェハを研磨するという必要は無くなる。ただし、ウェハ1枚ごとに、積層、研磨を繰り返すことが必要になる。なお、接合にははんだなどは使わず、位置を合わせて200℃程度に加熱すると接合されるという。そして、必要な枚数のウェハの積層が終わったら、プローブテストを行い、ウェハを切断して良品のスタックを選別してパッケージに入れ、バーンインやテストを行う。TSVのプロセスでは、メモリウェハは1枚ずつ検査されて、最後のスタックを作る段階では不良のチップはスタック組み立てから除外される。しかし、Tezzaronの場合は、メモリウェハ間を接続する直径1μmの電極は小さすぎてプローブを接触させてテストすることはできない。また、ウェハ同士を接合するので、不良チップがあってもそれを除外することができない。したがって、このようなやり方では良品のスタックの歩留まりは非常に低く、実用にはならないというのが一般的な見方であった。これに対してTezzaronは「BiSTAR(Built in Self Test and Repair)」というやり方を考案した。BiSTARは、ウェハ間の接続が高密度で短い接続で行えることを利用して、メモリチップの中の不良があるサブアレイを切り離して、良品のサブアレイで置き換える。この置き換え回路は、あらかじめチップに組み込んで置く。ウェハ間の接続が短いので、このスペアのサブアレイは同じチップ内にある必要はなく、他のウェハに有っても良い。このため、スタックするウェハの枚数が増えるにしたがってスペアのサブアレイの数も増えるので、次の図に示すように、良品のスタックが得られる確率はスタックのウェハ枚数が増えるにしたがって高くなるという。Tezzaronの1ウェハごとの接合と研磨によるウェハの薄型化は、確かに製造工程を複雑にしコストアップの要因となるが、TSV接続に比べて100倍以上の高密度の接続が実現できるこのテクノロジを使えば、10nmテクノロジを使わないと実現できない程度の高密度のメモリを45nmテクノロジで実現できるという。したがって、組み立て工程がある程度コストアップになっても、メモリ容量の点で差別化した製品が作れるので、全体としてはメリットがある。また、性能が上がることによるメリットもある。ネットワークプロセサは高速のメモリアクセスを必要とし、400Gbit/sのパケット通信の処理を行うためには、パケットバッファとして4GbitのDRAMで1TB/sのアクセスを必要とし、576Mbitで12BT/sのテーブルアクセスと576Mbit/sで5TB/sのアクセスができるSigmaQuad IIIeメモリが必要であるという。このためには30個のDDR3 DRAMと12個のRLDRAM3チップと4個のSRAMを必要とするが、Tezzaronの3D積層DiRAM4を使えば1個のスタックで済んでしまい、26mm×32mmのインタポーザに載ってしまう。このため、装置全体では、Tezzaronの3D積層のコストアップを上回るコストダウンが実現できるという。
2016年01月06日SC15の論文の採択率は20%強で、SCで論文を通すのは、なかなか、大変である。その関門を通って、今回のSC15で発表された日本の大学の論文発表は2件である。なお、論文の著者は全員が1つの機関の人だけという方が珍しく、世界中のあちこちの機関の人が1つの論文の共著者となっているという論文の方が多い。このため、何が日本の大学の論文かという明確な基準はなく、多分に筆者の恣意的な判断に依っている。SC15で採択された2件の論文の内の1件は、電気通信大学(電通大)の三輪准教授と東京大学(東大)の中村教授の共著の「Profile-Based Power Shifting in Interconnection Networks with On/Off Links」という論文で、もう1件は、九州大学(九大)の稲富准教授が第1著者で、同大、アリゾナ大学、ローレンスリバモア研究所、東大、京都大学(京大)、富士通の人たちが共著者に加わっている「Analyzing and Mitigating the Impact of Manufacturing Variability in Power-Constrained Supercomputing」という論文である。主に若い研究者の研究発表の場として設けられているポスター発表は、RIST(高度情報科学技術研究機構)と北海道大学(北大):GPU Acceleration of a Non-Hydrostatic Ocean Model Using a Mixed Precision Multigrid Preconditioned Conjugate Gradient Method東北大:An Approach to the Highest Efficiency of the HPCG Benchmark on the SX-ACE SupercomputerA Real-Time Tsunami Inundation Forecast System for Tsunami Disaster Prevention and Mitigation会津大学:Parallelization of Tsunami Simulation on CPU, GPU and FPGAs筑波大学:Large-Scale MO Calculation with GPU-accelerated FMO Program東大:Scalable and Highly SIMD-Vectorized Molecular Dynamics Simulation Involving Multiple Bubble NucleiDevelopment of Explicit Moving Particle Simulation Framework and Zoom-Up Tsunami Analysis System東工大:Out-of-Core Sorting Acceleration using GPU and Flash NVMDesign and Modelling of Cloud-Based Burst BuffersMulti-Level Blocking Optimization for Fast Sparse Matrix Vector Multiplication on GPUsDesign of a NVRAM Specialized Degree Aware Dynamic Graph Data Structure電通大:Memory Hotplug for Energy Savings of HPC systems大学ではないが、「JAEA Optimization of Stencil-Based Fusion Kernels on Tera-Flops Many-Core Architectures」を含めると、全体では日本の発表は13ポスターであった。中では4件のポスター発表を行った東工大が最多で、すべてのポスター発表に松岡先生の名前が載っている。SC15での日本の大学のブースは15(ただし、東京大学は3つのグループがそれぞれブースを出展)であった。なお、埼玉大学のブースは会場中央に近い良い場所にあり、会場の端に押し込められた他の日本の大学のブースと離れた場所であったために見逃してしまった。埼玉大学の皆様、申し訳ない。また、SC15では埼玉大学の隣にVR Study Meetingのブースがあった。前回の展示では、VR Study Meetingは埼玉工大、埼玉大、女子美大、東海大、中央大のチームと書かれており、日本の大学の展示に含めるべきであったが見落とした。大部分の大学は前回もブースを構えた常連であるが、前述のように、1件のポスター発表を行っている会津大学も過去に3回展示を行っている。初出時に、新たに参加と記述してしまったが、前回、展示がなかったので、勘違いしてしまった。○各大学の展示ブース今回から初参加の会津大学は平成5年に創立された県立の4年制大学で、コンピュータ理工学専門でその他の学科はないという珍しい大学である。当初は学部だけであったが、その後、平成9年に修士課程、平成11年に博士課程を開設している。日本の大学では最大の600平方フィートのブースを構えるOakleaf Kashiwaアライアンス。東大の平木研究室も毎年ブースを構える常連である。平木研はData Reservoirというプロジェクトで、遠距離の超高速通信を可能にする技術を研究している。今回は、SC15の会場に2台のPCを設置し、テキサス州オースチンから東京までの100Gbit/sの回線を使い、東京折り返しで2台のPC間でのデータ伝送実験を行った。通常のTCPを用いると、データ伝送速度は29Gbit/s(理論値の97.7%)であったが、超高速通信のために開発したLong Fat TCPを使うと73Gbit/sのデータ伝送が行えることを実証した。これは単一のTCP通信によるデータ伝送速度としては世界記録だそうである。日本の大学で発表ポスター数最大、TSUBAME-KFCのK80 GPUへのアップグレードでGreen500 2位を獲得した東工大は、Oakleaf Kashiwa Allianceと並ぶ600平方フィートのブースを構えていた。SC15で論文が採択された九州大学のブースである。椅子に座っている黒い服の人物が、論文の第1著者の稲富准教授。
2015年12月30日SC15において、将来のメモリに関するパネルディスカッションが行われた。モデレータはMicron TechnologyのRichard Murphy氏、パネリストはIntelのSekhar Borkar氏、NVIDIAのBill Dally氏、ARMのWendy Elasser氏、AMDのMike Ignatowski氏、IBMのDoug Joseph氏、ノートルダム大学のPeter Kogge教授、そしてMicronのSteve Wallach氏という顔ぶれである。モデレータからは以下のような質問が出されていて、パネリストは、自分のポジションを述べるという形式でパネルディスカッションが行われた。Exascaleとそれ以降にはどのようなメモリが良いか?コアあたりのメモリ量が減っているが、どうすれば良いか?メモリのインタフェースとして、HMCのような高速シリアルとHBMのような低速ワイドのどちらが良いか?PIM(Processing-In-Memory)アプローチの影響は?○MicronのSteve Wallach氏のポジションWallach氏はConvexの創立者の1人でCシリーズスパコンやExemplarスパコンを開発した。同社はHPに買収され、Exemplarの設計はHPのSuperdomeサーバに受け継がれた。その後、Conveyという会社を起こし、FPGAベースのスパコンを開発していたが、2015年4月のMicronによるConveyの買収に伴いMicronに移っている。Wallach氏は、2008年にCray賞を受賞している。メモリチップを3D積層するHBMやHMCが出てきて、メモリバンド幅は改善された。また、3D XPointのような高速の不揮発性メモリも出てくる。これを使えばワンレベルの仮想アドレススペースのメモリが作れるようになる。将来的には、計算処理とメモリの集積が可能になるが、どのような形で、どのようなアーキテクチャが良いかは今後の検討課題である。Exaバイトのメモリをアドレスするには60bitを必要とする。大容量の3D XPointのようなメモリが出てくると、記憶容量が増大し、Exaバイトを超えるメモリを搭載するシステムが出てくる。そうなるとPGASのアドレススペースとしては64bitでは不足で、128bitアドレスが必要になってくる。そうなると上位64bitをオブジェクトIDとし、下位64bitをバイトオフセットとするような形になると考えられる。○IntelのSekhar Borkar氏のポジション次の各グラフの8本の棒グラフは、左からSRAM、DRAM、Flash、PCM、STT、FeRAM、MRAM、RRAMを表している。そして、左上のグラフは、各メモリが作られているテクノロジノードのハーフピッチを示しており、より微細なプロセスで作られているSRAM、DRAMとFlashが成熟度が高い。その右のグラフはメモリのセルサイズを示したもので、面積の小さいDRAM、Flash、PCMが良い。右端のフラフはビット密度を示すもので、DRAM、Flash、PCMが良い。下の段の左端はReadとWriteのサイクルタイムを示すグラフで、SRAMとDRAMが高速である。その右は、ビット当たりのReadとWriteのエネルギーを示すグラフで、メモリで必要とされる大容量が実現でき、エネルギーが小さいのはDRAMとFlashである。その右は寿命のグラフで、FlashやPCMは寿命に問題がある。これらの特性をスコアカードにまとめたものが次の図で、容量、速度、エネルギーの点でバランスが取れているのはDRAMである。FlashとPCMはアクティビティが低いところでは大容量のメモリとして使えるという評価となっている。STT、FeRAM、MRAM、RRAMは、まだ、実用には疑問があるという評価である。Exascaleとそれ以降のメモリテクノロジとして使えるものはというモデレータからの事前の質問の回答はDRAM、NAND、PCM。3D XPointなどを指すと思われる飛躍的な進化の兆候は見られるがExascaleには間に合わない。また、DRAMは、エラーに関してはNANDのように管理することが必要という。これはRow Hammerのようなエラーが顕著になってきており、それを防ぐにはNANDのような管理が必要と言う指摘と思われる。プロセサチップに搭載されるコア数の増大から、1コアあたりのメモリ量が減ってきているという問題に対しては、DRAM+Flash+PCMのような階層的なヘテロのメモリで対応するしかない。銀の弾丸のような解決方法はない。メモリインタフェースを(HMCのような)高速シリアルにするか、(HBMのような)低速、ワイドにするかについては、性能的にはどちらでも良いが、エネルギー的には低速、ワイドが有利。コストの点では高速シリアルの方が僅かに良いといったところである。PIM(Processing in Memory)アプローチに関しては、処理用のテクノロジとメモリ用のテクノロジは優先度の付け方が違うので、長期的に見ると問題があるという見解である。ただし、これは3DスタックでロジックとRAMを異なるテクノロジで作る場合は含んでいないと思われる。
2015年12月15日SC15において、ムーアの法則が終わった後の時代のコンピューティングがどうなるかについてのパネルディスカッションが行われた。モデレータはローレンスバークレイ国立研究所のGeorge Michelogiannakis氏。登壇したパネルメンバーは、(右から順に)同じくローレンスバークレイ国立研究所のチーフテクノロジオフィサーのJohn Shalf氏、南カリフォルニア大のBob Lucas教授、ローレンスバークレイ国立研究所のDavid Donofrio氏、IBMのJun Sawada氏、チューリッヒのETHのMattias Troyer教授、 IntelのShekhar Borkar氏という豪華メンバーである。南カリフォルニア大のLucas教授は、D-Wave Systemsの量子コンピュータを使った研究を行っていることで有名で、Troyer教授は、D-Waveは通常のコンピュータの性能を大きくは超えない、本当に量子効果で動いているのかどうかは疑問という論文を出している反D-Wave派の中心人物である。IntelのBorkar氏は、Extreme-scale Technology開発のディレクタで、Intelのテクノロジ部隊を代表する人物である。IBMのSawada氏は、IBMのニューロチップ「TrueNorth」の開発者で、日本で開催されたCool Chipsでも講演している。Michelogiannakis氏は、「これは、どのテクノロジが勝つのかというバトルではなく、それぞれのテクノロジはどのような問題を解くのに適しており、どこがテクノロジ間の境界線になるのか、各テクノロジはどのような可能性を持っているのかに関して理解を深めることが目的」と述べてパネルディスカッションを開始した。○IntelのSekhar Borkar氏のポジションモデレータの指名で、最初にポジショントークを行ったのは、IntelのBorkar氏である。ムーアの法則の時代のデバイスはMOSトランジスタであり、これは熱励起された電子(または正孔)を使うデバイスで、増幅作用があり高い信号/ノイズ比をもつ回路が作れる。そして、性能、エネルギー効率、コストが何10年にもわたってスケールしてきた。また、製造性も何10年にわたって維持されてきた。コンピューティングは、(数100年の歴史のある)ブール代数を使い、トランジスタを使ってメモリとロジックを作ってきた。計算の論理としてはチューリングマシンを数10年にわたって使っている。そしてコンピューティングの実装としてはノイマンアーキテクチャを使ってきている。これに対して、今後のデバイスの候補とされるものとそれを使うコンピューティングについてまとめると次の表のようになる。CNT(カーボンナノチューブ)やグラフェンのようなカーボン系の素子は、基本的な動作原理は、シリコンと同じMOSトランジスタで、熱イオン素子である。10-20年にわたって研究されてきたが、まだ、成熟していない。問題点としては、ソースドレインのコンタクトの形成、CNTの成長の方向などを揃えること、直径を一定に制御すること、メタリックなCNTを除去することなどが解決されていない。ということで、大量生産の見通しが立たない。TFET(Tunnel FET)はMOSデバイスであるが、熱イオン素子ではなく、トンネル現象を使う。10年以上にわたって研究されているが、まだ、成熟していない。性能が低く、当初、想定されたほど、サブスレッショルドの漏れ電流も小さくならない。量子コンピューティング素子は、増幅作用が無い。このため、ノイズの中から信号を探すような動作になってしまう。また、超電導が維持できる低温に冷やすことが必要である。10年以上にわたって研究されているが、まだ、成熟していない。用途が限られるし、大量生産の見通しもない。ニューロ素子は、コンピューティングの理論が無く、なぜ、どうやって動作するのかが分からない。何10年も研究されているが、依然、先行きが見えない。用途も限られる。ということで、ポストムーアの候補と目される素子の研究は続けて行くべきであるが、本当に実用になるかどうかの見通しがあるものは無い。従って、Post MooreはMore of Mooreで行くしかない。というのがBorkar氏の主張であった。
2015年12月09日スパコンによるHPC(High Performance Computing)といっても、それが何の役に立つのか専門家以外には分かり難いということから、SCでは、「HPC Matters」という標語でHPCの重要性を理解してもらうという活動を行っている。そのHPC Mattersの基調講演が、SC15の本会議の開催に先立って前日の夕方に行われた。この基調講演が終わると展示フロアが開場して前夜祭であるGalaになるので、一番多くの参加者が集まるという良いタイミングである。今年のHPC Mattersの基調講演を行ったのは、IntelのシニアVPでData Center Groupを率いるDianne Bryant氏である。ガリレオが望遠鏡を発明して、見える範囲が大きく広がったのと同様に、HPCは数値シミュレーションで、これまで見えなかったことを可視化して見えるようにしている。その点でHPCは科学をトランスフォームしているという。そして、Gordon Moore氏のスピーチを見せ、その中で、Moore氏はコンピュータが高性能化するにつれて扱える問題が広がると指摘していた。1997年にIntelが作ったASCI Redは、当時Top500の1位であった。しかし、2015年現在の1位はIntelのXeonとXeon Phiを使う「Tianhe-2(天河2号)」であり、その間に性能は2万5000倍になったが、消費電力は20倍にしかなっていない。このようにテクノロジがHPCをトランスフォームしている。そして、Intelの半導体技術開発のディレクタであるMark Bohr氏が登壇し、ムーアの法則がHPCをトランスフォームさせ、さらにHPCがムーアの法則をトランスフォームしていることを説明した。ムーアの法則による微細化で、使用できるトランジスタ数が増えトランジスタの性能もあがるので、ムーアの法則がHPCをトランスフォームするのは当然であるが、実はHPCがムーアの法則をトランスフォームするという面もあるという。ちょっと見難いが、左の写真は微細な配線パターンで、正方形のパッドや長方形の配線のパターンが並んでいる。しかし、露光に使う光の波長より、これらのパターンの方がずっと小さいので干渉が起こり、このパターンをマスクにしても所望のパターンは露光できない。このため、Intelはどのようなマスクパターンを作れば、干渉の結果、所望のパターンがウェハに焼き付けられるかを計算してマスクを作る。その結果が右の写真のような変なマスクパターンとなっている。この計算には100万CPU時間が必要とのことであり、1万個のCPUを使うスパコンで100時間の計算を必要とする。また、半導体の内部での電子の振る舞いや、製造プロセスをシミュレートして、どのような半導体ができるのかを求めたり、配線の製造プロセスをシミュレートしたりすることは、半導体プロセスの開発には不可欠で、これらの計算には1万~100万CPU時間が必要であるという。この点で、HPCがムーアの法則をトランスフォームしていると言っても過言ではない。そして、BaiduのチーフサイエンティストのAndrew Ng氏をスライドで登場させた。Ng氏は、最近のMachine Learningの急速な進歩は、学習に使うデータのサイズが大きくなったことの貢献が大きく、将来的に、人工知能のすべての分野においてHPCを使う科学者の貢献が大きくなっていくと述べた。また、インドでスパコン環境の整備を行っているHemant Darbari氏も登壇させた。同氏は、HPCを使ってシミュレーションを行うモノづくりによる効率化や気象シミュレーションによる天気予報が、農業をはじめとする色々な分野の効率を上げていることをあげ、HPCはコミュニティをトランスフォームすると述べた。そして、IntelはHPCの重要性に鑑み、ACMのSIGHPCとタイアップして、年間30万ドルのComputational & Science Fellowshipという奨学金を2016年から創設すると発表した。これはAndrew Grobe元社長の発案であるという。そして、Exascaleの実現には消費電力をはじめとして、まだ解決すべき問題があるが、一方、世界には食糧問題、水不足の問題などExaのスパコンが貢献できると考えられる問題がたくさんあり、開発を推進する必要があると述べ、開発をけん引する6人のキーマンを紹介して基調講演を締めくくった。
2015年12月01日今回のSC15で発表された第46回 TOP500では、中国の「天河2号」が1位を維持し、Top5には変動が無かった。また、Top10で見ても、新顔は6位の米国の「Trinity」と前回の23位から増設でランクアップして今回8位となったドイツの「Hazel Hen(前回の名称はHornet)」の2システムだけである。これを見ると、今回もTOP500には大きな変動は無かったとも言える。しかし、実は大きな変化がある。TOP500にランクインした中国のシステム数が大幅に増加したのである。今年6月の第45回のリストでは37システムであった中国のシステム数が、今回は109システムに激増している。これにより、前回は40システムで米国に次いで2位だった日本は39システムで3位に後退している。また、メーカー別では、49システムをランクインさせたSugon(曙光)が、HP、Crayに次ぐ3位となった。これを受けて、Sugonの展示ブースでは、アジアの第1位のスパコンベンダーと書かれていた。この中国のシステムの急増は驚きで、多額の予算をつぎ込んで、スパコンを増強したのかと思ったのであるが、その中身を詳しく見て行くと、どうもそうではないようである。前回までのTp500リストに載ったことがなく、今回のリストで初登場した中国のシステムは87システムある。しかし、その中には、2013年に設置されたと申告されているシステムが2システム、2014年に設置されたと書かれているシステムが3システム含まれている。これらは以前から存在したスパコンであるが、これまではLINPACK性能の測定を行わず、TOP500に参加していなかったシステムである。これらの5システムのうちGovernmentのシステムが1システムあるが、4システムはIndustryとなっている。私企業が所有しているスパコンについては、TOP500に参加するものもあるが、どの程度の規模のスパコンを持っているかをライバル企業に知られたくないので、TOP500などのベンチマークには参加しないという企業も多い。今回、新顔として登場した中国のスパコンは、Government、Research、Academicというものはごく少数で、大部分はIndustryのスパコンである。また、設置年は2015年となっているが、使っているCPUを見ると、最新のXeon E5-2600のv3ではなく、1世代前のv2を使っているシステムも多い。このため、これらのシステムは、申告上は2015年設置となっているが、それ以前に設置されたものもかなりあるのではないかと推測される。設置企業であるが、Internet Company Bのように業種以外は匿名のエントリも多いが、AlibabaとかChina Mobileというものや、Agricultural Bank of China (ABC) Shandongなどというものもあり、いわゆる科学技術計算向けの計算センターではないものが多く含まれているのではないかと思われる。例えば、Google、Microsoft、Amazonなどが、そのセンターを使ってTOP500のランキング用のベンチマークであるLINPACK性能を測れば、相当に高い値が出せると思われる。また、トヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーも相当規模のスパコンを使って衝突シミュレーションなどを行っていると見られるが、TOP500で高いランクをとっても会社としては何のメリットもないので、TOP500には参加していないと思われる。LINPACK性能の測定には、どの程度のチューニングを行うかにもよるが、1日から1週間程度を必要とし、その間、システムを占有してしまう。商用の運用を行っているInternet Companyでは、通常業務を止めてLINPACK性能を測定するのは容易ではない。中国では、政府の権限が強いので、システムを借り上げて測定するということが出来るのかも知れないが、日本や米国ではインターネットサービスや銀行のオンラインを止めて、LINPACK性能を測定することは出来そうにない。したがって、日本や米国で同じ手法でTOP500にランクされるシステム数を増やすことは難しいが、一方、中国のスパコン資源が急速に増加したということでもなさそうである。
2015年11月25日オースティンで開催されているSC15において、ExaScalerが液浸のXeonサーバブリックとストレージサーバブリックの発表を行った。これまでExaScaler/PEZYは、PEZYの開発した1024コアのPEZY-SCを搭載したHPC向けのサーバだけを作っていたのであるが、16個のXeonを搭載する「Multi-Xeon Server Brick」と、24台の3.5インチHDDと24台の2.5インチSDDを同時に搭載できる「Storage Node SH Brick」を製品ラインに追加する。これらのBrickに従来のPEZY-SCを搭載しながらもホストCPUのXeonとPEZY-SCモジュールの双方の搭載メモリ容量を倍増したBrickを加え、新たに開発した液浸槽のシステム全体を「ZettaScaler-1.5」として発表したものである。同社のブリックは14cm角で長さが80cmあまりの角柱状であったが、このサイズを今回発表のブリック2種類とPEZY-SCブリック共に20mm程拡幅して14cm×16cmとした。、16本のブリックを収容できるZettaScaler-1.5液浸システムには、これら3種のブリックを任意の組み合わせで搭載できる。したがって、これまでのようにPEZY-SCブリックだけを使うHPC用のシステムもできるし、Xeonブリックを4本にストレージブリックを12本というような構成のシステムを作ることもできる。通常のHDDは液浸すると冷却液が浸み込むおそれがあるので、液浸はできないが、HGSTは液浸が可能なHDDを開発しており、SC15でも展示を行っていた。高性能のHDDはディスクの高速回転時の摩擦を減らすため、空気ではなくヘリウムを充てんするが、ヘリウムは分子が小さく抜けやすいので、密閉度を高くする必要がある。液浸が可能なHDDは、これに加えてモーターなどの回転部分も密閉して液浸を可能にしていると考えられる。ExaScalerは、どこのHDDを使っているかは公表していないが、ブースで展示されていたのはHGST製であった。例えば、前述のXeonブリックが4本、ストレージブリックが12本とすると、Xeonが64個、3.5インチHDDが288本と2.5インチSDDが288本収容できることになり、非常に高密度のサーバを作ることができる。高価なフロリナートを冷媒として使うためのコストアップはあるが、データセンタの床面積の削減、冷却電力の削減、低温動作による消費電力と故障の低減などを考えるとペイするのではないかと思われる。現地でExaScalerの齊藤会長に確認したところ、「ExaScaler」という製品名が米国と日本で他社によって商標登録されてしまったために、ExaScalerの名称を会社名以外に使用することを避ける必要が生じた。そのため、この機会に製品名よりも大きな意味としてZettaScalerを液浸冷却システムのプラットフォーム全体の名称とすることとしたそうである。また、これらの3種のブリックに加えて、8台のフルサイズのGPUを搭載する「GPGPU Node Brick」の開発を進めており、3カ月程度で製品化を行う予定であるという。
2015年11月19日スーパーコンピュータ(スパコン)分野で最大の学会である「SC15」が、11月14日からテキサス州オースティンのオースチンコンベンションセンターで開催された。オースティンでの開催は2008年以来7年ぶりである。このSC15では78件の論文発表をはじめとして、135件のポスター発表、42のワークショップ、12件のパネルディスカッション、75件のBirds-of-a-Featherと多くの発表が行われる。また、大規模な展示はSCならではの見どころで、今年は、約1万4000m2の会場に、343の展示ブースが作られる。その内の217が企業の展示ブースで、120あまりは政府系の研究機関や大学などの研究、教育機関のブースである。主催者側から国別のブースの数が発表されたが、239ブースと約70%が米国のブースで、それについで日本が39ブースとなっている。興味深いのはRepublic of Koreaが1ブースと書かれていることで、韓国のKoreaは4となっているので、これは北朝鮮のはずである。この北朝鮮のブースがどこにあり、何を展示しているのか知りたいと思い、色々な知人に尋ねてみたのであるが、誰も知らなかった。北朝鮮の国籍では米国のビザは取れないので、あるとしても無人のブースではないかという人もいて、謎である。もし、見つけたら教えてと皆様に頼んでおいた。11月21日追記:上記で、北朝鮮のブースがあると書いておりましたが、これは、他の韓国のブースはKoreaと書かれていましたが,1つのブースだけがRepublic of Koreaと書かれていたのを,北朝鮮と勘違いしたものであることが分かりました。Republic of Koreaは韓国(大韓民国)であり,北朝鮮は「Democratic People’s Republic of Korea」であり、実際には北朝鮮のブースは存在しておりませんでしたことを追記させていただきます。今年のSC15の参加登録者は1万2157人と発表された。事前の登録を行わず、会場で参加登録をする人もいるので、実際の参加者数は、この数を多少上回ると見られる。この中で論文発表などのテクニカルプログラムに出席する人は4809人と発表された。
2015年11月17日メディア・インテグレーションMI事業部は、EVE Audio社の最新デスクトップ・モニター・システム「SC203」を発表した。発売時期は2015年11月上旬。価格は6万9,800(1ペア)。同製品では、極小サイズのコンパクトボディーに、駆動範囲の大きい1インチのボイスコイルを採用した3インチ・ウーファーを搭載。2-wayのマスターとスレーブのシステムで構成された各チャンネルのウーファーとツィーターは、各々が専用の30W PWMアンプによって駆動する。また、ステレオRCAアナログ入力、光TOSLinkデジタル入力、RCAサブウーファー出力などを装備。Mac/PCに接続すれば、96kHzまでのデジタル信号をダイレクトに再生できる。FlexiPadと呼ばれるくさび型のオレンジ色のラバーパットが付属しており、正確に角度を付けて、場所に応じて最適な角度(0度/7.5度/15度)で設置することができる。さらに、オプションのアクセサリーとして、3/8インチ径のマイクスタンドとスピーカースタンドに取り付け可能なSC203専用のマウント・アダプターも用意される。
2015年10月23日レオパレス21はこのほど、壁1面を好きな壁紙に張り替えできるサービス「お部屋カスタマイズ」において、プレミアムウォールペーパー「壁神」の販売を開始した。「お部屋カスタマイズ」とは、入居時に壁1面を好きな壁紙に張り替えできるサービス。壁紙のラインアップは100種類以上に及び、全国で約14万室が対応物件となっている。今回、新たに加わったプレミアムウォールペーパー「壁神」は、現在「お部屋カスタマイズ」で展開している国産壁紙とは異なるデザインの壁紙。英国王室やセレブリティらに親しまれる、海外の洗練されたデザインが特徴とのこと。名称を最上級を表す「神」として表現し、壁紙を変えることによる目に見えない趣や雰囲気を体感することができるとしている。壁紙には著名アーティストが衣装として着用していた、ハニーサックルアンドチューリップ柄のウィリアム・モリスの壁紙や、英国王室御用達のロイヤルワラントを取得したサンダーソン、著名なホテルの客室やグッチ、カルティエなどのウィンドウディスプレイを手掛けているエリティスの壁紙など、合計30種類を取りそろえる。なお、プレミアムウォールペーパー「壁神」がラインアップする壁紙は、有料販売(税別7万1,000円~22万7,000円)となる。各店舗では、全種類の壁紙の特徴を掲載した「壁神」のカタログを用意している。
2015年10月13日NTTドコモは25日、Androidスマートフォン「GALAXY S5 SC-04F」のソフトウェアアップデートを実施した。ソフト更新により、電池持ちを改善する。今回のソフト更新の対象は、6月4日に実施したOSバージョンアップを実行した端末。使用状況により、電池持ちが悪くなる事象が確認され、今回のソフト更新で改善する。ソフト更新は端末本体による方法とパソコンを使った方法の2種類。端末本体による方法では、設定/端末情報/ソフトウェア更新の順に選択する必要がある。更新時間の目安は約7分。パソコンを利用した方法では、「Samsung Kies3」を利用して、更新を行う。更新時間の目安は約29分。
2015年09月25日オンキヨー&パイオニアは9月10日、パイオニアブランドのAVアンプ「SC-LX89」「SC-LX79」「SC-LX59」を発表した。発売は10月中旬で、希望小売価格は、SC-LX89が395,000円、SC-LX79が295,000円、SC-LX59が210,000円(いずれも税別)。SC-LX89とSC-LX79は2014年8月に発売された「SC-LX88」と「SC-LX78」の後継モデル。SC-LX59は、2014年7月に発売された「SC-LX58」の後継モデルだ。SC-LX89、SC-LX79、SC-LX59は、マルチチャンネル同時ハイパワー出力が可能なClass D「ダイレクト エナジーHDアンプ」を内蔵。同時駆動出力はSC-LX89が810W、SC-LX79は770W、SC-LX59は720Wとなっている。DACにはESSの「ES9016S」を2基搭載する。Dolby Atmosを利用できるほか、今後のファームウェアアップデートでDTS:Xをサポート予定。Dolby AtmosとDTS:Xの7.1.4デコードが可能で、パワーアンプ2chを接続することで多彩なスピーカーシステムに対応する。自動音場補正技術「MCACC Pro」を採用。周波数と音圧レベル、さらに時間軸の要素を加えた補正を行う。低域と高域のズレやチャンネル間の位相をそろえる「フルバンド・フェイズコントロール」、ソースに由来する低域のずれを補正する「オートフェイズコントロールプラス」、2本のサブウーファーを接続した環境で低域表現を向上させる「デュアルサブウーファーEQ」も利用可能だ。HDMI端子は8入力/3出力を装備。HDRコンテンツや4K/60p、4:4:4、24bit映像信号の伝送に対応するほか、BT.2020、HDCP 2.2など、最新の規格にも対応している。このほか、HD画質のコンテンツを4Kへアップスケールする「Super Resolution」を搭載している。ハイレゾ音源の再生にも対応。192kHz/24bitまでのFLAC / WAV / AIFF / Apple losslessに加えて、DSD 5.6MHzを再生可能だ。WAVとFLACは、マルチチャンネルコンテンツにも対応している。このほか、従来モデルではオプションとなっていたWi-Fi機能(IEEE802.11/b/g/n/a)を標準搭載し、Bluetoothも利用できる。
2015年09月10日NTTドコモは28日、「GALAXY Tab S 8.4 SC-03G」(Samsung製)のAndroid 5.0へのOSバージョンアップを開始した。OSアップデートにより、画面デザインが刷新されるほか、ロック画面に任意のアプリの通知が表示されるようになる。アップデート後は、OSのバージョンがAndroid 4.4から5.0となる。画面がカラフルなデザインに刷新され、任意のアプリの最新の通知をロック画面に表示できるようになる。通知は、表示する優先順位の設定も可能。そのほか、連絡先アプリで別人の「よみがな」が表示される、緊急長持ちモード設定時にdocomo IDを設定しようとするエラーが表示される場合がある不具合も修正される。OSアップデートは、「設定」から「端末情報」、「ソフトウェア更新」とタップし、画面の案内に従って操作することで可能。更新時間は、Wi-Fi/Xi/FOMA接続時で約48分。更新後のビルド番号は「LRX22G.SC03GOMU1BOH7」。「設定」、「端末情報」、「ビルド番号」と進むことで確認できる。
2015年09月07日エプソンは1日、ハイアマチュアやプロ写真家向けのインクジェットプリンタ「プロセレクション」シリーズの新製品として、A3ノビ対応の「SC-PX7V II」を発表した。10月上旬から発売し、価格はオープン、店頭予想価格は50,000円台後半の見込み。SC-PX7V IIは、2011年9月発売「PX-7V」の後継機。プロセレクションシリーズではエントリークラスとなるが、上位モデルと同系統のデザインとなり、高級感とシリーズ一体感がアップした。高い光沢感の8色顔料インクを採用しており、構成はフォトブラック、マットブラック(またはブルー)、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、オレンジ、グロスオプティマイザとなる。PX-7Vの「高彩モード」を引き継ぎ(ブルーインク使用時)、ポジフィルム風の高彩度な写真表現を可能とした。また、画像処理技術「オートフォトファイン!EX」の強化によって、暗部階調性が向上している。スマートフォンやタブレット向けアプリとの対応も高まり、印刷アプリ「Epson iPrint」では設定可能な用紙種類が増え、スマートフォン内の写真を利用して多彩な印刷を楽しむアプリ「Epson Creative Print」にも対応した。前者のEpson iPrintでは、オンラインストレージサービスに保存した写真や文書も、ワイヤレスで印刷可能だ。最大プリント解像度は5,760×1,440dpi、ノズル数は黒系が360ノズル(180×2色)、カラーが1,080ノズル(180×6色)。給紙はオーソドックスな背面給紙で、A4普通紙で最大120枚、ハガキで最大50枚をセットしておける。厚紙やファインアート紙といった用紙は、背面からの手差し給紙を使う。CD/DVD/BDレーベル印刷にも対応している。印刷速度の目安は、L判写真(光沢紙)が約36秒、A3ノビ写真(光沢紙)が約2分30秒だ。印刷コストの目安は、L判写真(光沢紙)で約21.7円となっている。インタフェースとしては、USB 2.0、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN(Wi-Fi)を装備。本体サイズは使用時がW622×D797×H418mm、トレイなど収納時がW622×D324×H219mm、重量は約12.3kg。
2015年09月01日2012年2月に、シングル『サブリナ』で鮮烈なデビューを果たした家入レオさん。デビューから3年、10枚目という区切りのシングル『君がくれた夏』をリリースします。家入さんというと、13歳のときに音楽塾『ヴォイス』の門を叩き、単身上京しシンガーソングライターとして修業をしてきたミュージシャンです。『サブリナ』でデビュー後、さまざまなフェスにも出演、タイアップ楽曲も多く歌ってきました。その強力なヴォーカルスタイルと、透き通った目力が印象的ですが、今作では優しい歌声をミディアムバラードで聴かせてくれています。タイトル通り、夏をテーマにした甘酸っぱい恋愛ソングではありますが、成熟してきたヴォーカルスタイルが楽曲に深みを与えています。この曲は、フジテレビ系ドラマ『恋仲』の主題歌にもなっていますので、どのようなタイミングで使われているのかを確認するのも楽しいかもしれません。20歳になった家入さんは、一味違います。リリース情報:『君がくれた夏/家入レオ』(2015.8.19発売/¥1200(tax out)/VICL37087)※初回限定盤(¥2000(tax out)/VIZL853/DVD付)も同時発売
2015年08月13日エプソンは4月22日、8色顔料インクを採用したA2ノビ対応のインクジェットプリンタ「SC-PX3V」を発表した。5月14日から発売し、価格はオープン、推定市場価格は15万円台の後半となっている。SC-PX3Vは、プロ写真家やアマチュア写真愛好家に向けた「プロセレクション」シリーズの新モデル。2009年10月に発売された「PX-5002」の後継機となる。8色顔料インクの独立型インクカートリッジを搭載し、ブラック系は「Epson UltraChrome K3 INK」だ。フォトブラックまたはマットブラック、グレー、ライトグレーという3種類のブラック系およびグレー系のインクが使える。黒濃度を高めたフォトブラックインクで暗部の微妙な階調を立体的に表現するほか、顔料インクが用紙の表面付近で高濃度定着するマットブラックインクは、多彩な用紙において高い定着性を実現した。カラーの色域も拡大しており、従来よりも滑らかなグラデーション表現を可能にしている。主な仕様は、印刷方式がMACH方式、最高解像度が2,880×1,440dpi、ノズル数がブラック540ノズル(各180ノズル×3色)、カラーが900ノズル(各180ノズル×5色)。対応用紙サイズはA2ノビ縦まで。標準用紙カセットには最大120枚の用紙をセットでき、手差し給紙も備える。本体サイズはW684×D376×H250mm、重量は約19.5kg。インタフェースはUSB 2.0、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN。無線LANは「Wi-Fi Direct」に対応し、スマートフォンなどと無線LANで直結して印刷できる(スマートフォン用プリントアプリ「Epson iPrint」に対応)。本体の操作パネルは、チルト可能な2.7型タッチパネルを採用している。写真作品づくりをサポートするソフトウェア「Epson Print Layout」にも対応しており、「ロール紙長尺印刷」と「ギャラリーラップ」の作成機能が追加された。Epson Print Layoutは、「Adobe Photoshop」や「Adobe Photoshop Lightroom」のプラグインソフトとして利用できる。また、オプションとして、新たに17インチ幅対応のロールペーパーユニット、プレミアムサテンキャンバス / プレミアムマットキャンバスを追加。税別価格は、ロールペーパーユニットが19,980円、プレミアムサテンキャンバスが27,500円、プレミアムマットキャンバスが25,000円だ。
2015年04月23日新日鉄住金ソリューションズは4月9日、レオパレス21が法人向け賃貸契約の業務効率向上を目的として「CONTRACTHUB(コントラクトハブ)@absonne」を導入したことを発表した。同社によれば、賃貸業界では初となる契約業務の本格的な電子化への取り組みとなるという。電子帳簿保存法、電子署名法などの法整備により、紙でのやり取りが義務付けられていた契約文書を電子化することができるようになったなか、業務効率向上のため自社の契約業務の電子化に取り組んできた新日鉄住金ソリューションズは、このノウハウをもとに「CONTRACTHUB@absonne」を2013年12月より一般提供を開始した。「CONTRACTHUB@absonne」では、基幹システムとの連携などエンタープライズ企業に求められる機能を実装し、クラウド基盤absonne(アブソンヌ)でのクラウドサービスとして提供している。すでに高島屋やファミリーマートなど大手企業を中心に39社の導入実績があるという。レオパレス21では、2015年1月より、社宅などの法人向け賃貸契約を対象に、「CONTRACTHUB@absonne」の利用を開始。見積、新規契約、駐車場などのオプション契約、請求書など契約業務の一連の流れをすべて電子化することで、賃貸契約業務がスピードアップしたほか、ペーパーレス化によって業務効率の向上を実現している。今後は、同社の賃貸契約の約半数の利用を占める法人に対し、広く浸透させていく構えだ。契約文書の電子化により、郵送のための事務負荷や切手代の節約、ペーパーレスによる省資源化、文書のやり取りの時間短縮、情報の見える化などのメリットがあるという。
2015年04月10日NTTドコモは17日、Androidスマートフォン「GALAXY S III α SC-03E」向けの最新ソフトウェアの提供を開始した。ソフト更新より、スリープモード解除後にWi-Fi接続に復帰しない不具合に対処する。ソフト更新は端末本体とパソコン接続の2種類の方法がある。端末本体では、設定/端末情報/ソフトウェア更新の順に選択し、画面の案内にしたがって操作をしていく。パソコンを使った方法では「Samsung Kies」をインストールしたパソコンが必要になる。手順は、端末のホーム画面で、本体設定/開発者向けオプションの順に選択、USBデバッグのチェックが外れていることを確認。パソコンの画面で、Samsung Kiesを起動させ、端末本体をパソコンに接続し、表示されたポップアップ画面にしたがい更新作業を行う。ソフト更新後のビルド番号は「JSS15J.SC03EOMUBNK2」。更新時間の目安は端末本体による方法が約18分、パソコンによる方法が約9分。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年12月17日●コールドプレートと液体を組み合わせた冷却技術SC14の展示では、CPUなどの発熱を、空気ではなく液体を使って運び出すシステムの展示が目立った。また、そのための冷却システムを販売している会社の展示も多く見られた。スパコンの高密度実装が進んだために、空気で熱を運ぶ方法では発生する熱を運びきれなくなってきたことが、その背景にある。空気の比熱は1008J/Kg℃(40℃)で、水の比熱は4180J/Kg℃程度であるから、重量あたりでは、水は空気の4倍程度の熱を運べる。しかし、水の密度はおおよそ1000kg/m3であるのに対して空気の密度はおおよそ1.2kg/m3であるから、体積当たりにすると、水は3500倍あまりの熱を運べることになる。CPUのヒートシンクの高さが2cm、幅が10cmとすると、空気の流れる断面積は0.002m2で、流速1mとすると10℃の温度上昇で運べる熱は22J/s(=22W)である。これではCPUの発熱を運びきれない。CPU 1個だけなら20℃上昇を許容して流速を3m/sにすれば、132Wの熱を運ぶことができるが、複数のCPUや他の発熱部品を狭いところに詰め込むと、この条件を満たすのは難しく、空気では冷やせなくなる。一方、水は体積が同じなら3500倍の熱を運ぶことができるので、毎秒0.6cm3というわずかな流量で同じ熱を運べる。そして、10cm3/sの水をパイプで供給することは難しくないので、現在の発熱密度が10倍になっても十分、冷却が可能である。○コールドプレートを使う水冷方式水は電気を通してしまうので、直接、LSIやプリント板に触れさせるわけにはいかない。このため、パイプなどで水を運び、LSIなどに水で冷やす銅板やアルミ板などを接触させて冷却するという方法は古くから使われてきた。この水で冷やした銅板(あるいはブロック)を「コールドプレート(Cold Plate)」と呼ぶ。コールドプレート方式の弱点は、CPUなどの少数の高発熱の部品を冷やすには適しているが、メモリDIMMや、その他の部品にまでコールドプレートを付けることは難しいので、それらの部品の発熱を取り去るために空冷のファンも必要になるという点である。次の写真は、冷却系のメーカーであるASETEKの水冷用のラックといくつかの製品の例である。写真では見えないが、ASETEKのラックは、CPUなどを冷やして温まった水の熱を2次冷却水に移す熱交換器を内部に持っている。そして、冷却水の給排水系には、ASETEKはプラスチックの可撓制のあるパイプを使っている。CoolITも冷却システムのメーカーである。CoolITのコールドプレートは長方形の角を落としたような形状で、こちらも接続にはプラスチックパイプを使っている。ASETEKは1ラック用のCDUをラックに内蔵しているが、CoolITは、集中型の大きなCDUで複数のラックに冷却水を供給している。ASETEKやCoolITはプラスチックパイプを使っているが、水漏れを心配して、歴史的には、パイプとコールドプレートを銅で作って溶接するというのが一般的であり、LenovoのNeXtScaleサーバや富士通のFX100スパコンをはじめとして、多くの水冷システムは銅を使っている。銅パイプの場合は、力が掛かって接続部が破損しないように、余裕を持った配管が行われる。Lenovoのサーバは主要LSIだけにコールドプレートを取り付けているのであるが、DIMMにはカバーが掛けられており、この部分もヒートパイプを使うなど何等かの方法で水冷されているようである。Lenovoの説明パネルでは、85%以上の熱を水冷で運んでいると書かれていた。富士通のFX100スパコンの3ノードボードは1つのコールドプレートで、CPU LSIと両脇に配置された計8個のMicronのHMCメモリを冷却している。なお、この写真では、中央のノードはLSIが見えるようにコールドプレートを取り外した状態で展示されている。京コンピュータの時は、メモリDIMMは空冷、IOノードも空冷で、ラックの発熱の50%程度しか水冷されていなかったが、FX100では90%が水冷である。そして残る10%もオプションのEXCU(リアドア空冷か)で吸収して計算機室の空調負荷をゼロにすることができる設計となっている。SGIのICE-Xサーバは冷却水の通路は銅パイプであるが、コールドプレートはアルミで作られている。なお、水冷のシステムは、冷却水の接続にはノンスピル(あるいはドリップレスともいう)コネクタを使っており、コネクタを抜いても水が漏れることがないようになっている。○カスタムのコールドプレートを使う水冷プリント板に搭載された発熱部品の高さはマチマチであるので、単純な平面の大きなコールドプレートではうまく接触しない。このため、プリント板とほぼ同じサイズのアルミの分厚い板をそれぞれの部品の高さに合わせて、削ってすべての発熱部品に接触するようにして、ほぼ100%の熱をコールドプレートで運び出すというやり方を取っているのは主にヨーロッパ勢で、フランスのBULL、ロシアのRSC group、イタリアのEurotechなどである。Eurotechは、SC14において第2世代となる「Aurora Hiveシステム」を発表した。Aurora Hiveのモジュールはブリックと呼ばれ、幅が105mm高さが130mmで奥行が325mmとなっている。このブリックをラックの前後から挿入する構造で、表、裏ともに16行×4列のブリックを収容する。従って、ラック全体では128ノードを収容できる。ブリックは6角形ではなく4角形であるが、ラックには、ブリックを入れる4角形のスペースが整然と並んでいる様子が蜂の巣に似ていることからHiveと名付けられたという。コールドプレートは冷蔵庫の冷却プレートのような形状で、そのままでは発熱部品とは接触せず、間を埋めるような金属部品を取り付けているようである。分厚いアルミ板から削り出すのは高くつくと思われ、こちらの方が安くできそうである。このブリックに6枚のボードを収容でき、Xeon E3 1200 v3、あるいはX-Gene Oneプロセサを搭載したCPUボードが1枚、NVIDIAのK40あるいはXeon Phiボードを4枚、そしてInfiniBandの通信ボードを1枚というのが標準的な構成である。●不活性液体による浸漬を活用した冷却技術○不活性液体を使う浸漬液冷方式コールドプレートでは主要発熱部品だけの放熱に限定され、より多くの部品の放熱を行おうとすると、カスタムの切削加工などが必要となり、コストが掛かる。それなら、電気を通さない不活性の液体にプリント板を漬けてしまえば、全部の部品の放熱ができるという方式が考えられる。これが不活性液体を使う浸漬冷却である。不活性の液体として使われているのは、Exxon Mobile Chemicalが製造している商品名「SpectraSyn(Poly-Alpha-Olefin:PAO)」、3Mが製造している商品名「Fluorinert(Fluorocarbon)」、同じく3Mが製造している商品名「Novec(PerFluoroKetoneやHydroFluoroEtherなど)」がほとんどである。SpectraSynは車のエンジンオイルのようなもので比較的安価であるが、多少べとつくので、修理などの際にプリント基板や部品から取り除くのが大変という難点がある。FluorinertやNovecは蒸発してしまうのでしばらく放置すれば取り除けるが、冷却液が非常に高価なのが難点である。例えば、通販サイト「モノタロウ」でのフロリナート1.5Kg入りのビンの値段は、種類によって異なるが、34,900~50,353円となっている。1.5Kgといっても比重が1.7~1.9くらいと重いので、ビールの大瓶より少し多い程度の体積でしかない。つまり、ビールの100倍以上高い液体である。Novecの方はフロリナートの半分くらいのお値段であるがそれでも安くはない。大量に買えばもっと安くなるのであろうが、これで数100リットルのタンクを満たすのは大変である。Green Revolution Cooling(GRC)はSpectraSynを冷媒として使っている。写真の製品は42Uの標準ラックを横に倒してオイルに漬けたようなもので、これにオイルを循環させて、外部の熱交換器で冷却している。なお、この写真では隙間をあけてサーバを入れているが、詰めて実装することができる。昨年11月と今年6月のGreen500で1位を取った東工大のTSUBANE-KFCは、このGRCの製品を使っている。LiquidCool Solutionsの製品は、サーバボードをアルミのケースに入れて密閉し、ケースにオイルの供給と排出のコネクタを付けたという構造になっている。合成オイルで満たされるのはケースの中だけなので、開放型のGRCのものより多少は扱い易いと思われるが、修理などの際は、ケースを開けて、オイルを除去する必要があり、手間が掛かりそうである。なお、この写真ではアルミケースを水槽に入れているが、これは浸漬液冷という演出だけで、通常の使用ではこのように浸漬されることはない。東工大は、京コンピュータを1つのキャビネットに収容するTSUBAME 4を2021~2022年に完成させるいうロードマップを持っており、このTSUBAME 4の研究のため、試作機を作っており、NVIDIAのJetson TK1という組み込み用のボードを使った36ノードの試作機をSC14で展示した。この写真のようにプリント板の下半分だけを合成オイルに漬けて冷却している。主要な発熱部品は下半分に搭載されているので、これでも液冷の効果は得られる。また、上側にあるコネクタ類はオイルに浸からないので、保守やケーブルの繋ぎ変えが簡単にできるという。ICEOTOPEは、3MのNovecを冷媒として使っている。写真に見られる密閉型のモジュールはNovecで満たされている。モジュール内部にはNovecと外部からの冷却水の間の熱交換器が組み込まれており、モジュールには冷却水を供給する。つまり、外部から見ると、水冷のモジュールと同じになっている。LSIの発熱でMovecを気化させ、熱交換器で冷却して、液体に戻すという2相式の冷却であるので、比熱で熱を運ぶより効率が高いと思われる。下の写真はNovecの製造元の3Mのブースに展示されたもので、Novecを満たした水槽にプリント板を漬けている。展示のため、蓋が十字に置いてあるが、動作中は蒸気を逃がさないように蓋を閉める必要があると思われる。今回のGreen500で2位となったExaScaler/PEZYの展示は、何故かSuiren(睡蓮)スパコンが設置されているKEKのブースではなく、共同研究先の東京大学(平木研究室)のブースにあった。アクセラレータであるPEZY-SCのチップやボードは実物が展示されていたが、重くて嵩張る水槽は無く、パネルでの展示であった。Suirenは浸漬液冷で、これまで冷媒はフッ化炭素系というだけで詳細は非公開であったが、今回、3Mのプレスリリースで、FC-43という沸点174℃、密度1880Kg/m3のものを使っていることが明らかになった。●ヒートパイプを活用した冷却技術○ヒートパイプで熱を運ぶ冷却高発熱の部品からヒートパイプで熱を運び出し、処理しやすい場所に水や空気との熱交換器を設けるという方法を取るシステムもある。HPのHPC向けのサーバである「Apollo 8000」は、次の写真に見られるように、ヒートパイプでCPUなどの熱を運び出す。そして、写真の左側に写っているブレードの側面に見られるように、ヒートパイプの端を露出させた構造になっている。ラックに挿入すると、この露出部分が水冷のレールに接触し、熱を冷却水に伝えるという構造になっている。ヒートパイプの中は、発熱サイドで冷媒の温度が上がって蒸発し、水冷のレールに接触している部分で液に戻るという2相の冷却システムとなっており、その熱を2次冷却水に伝えるという冷却システムになっている。その点では、構造は大きく異なるが、原理的にはICEOTOPEのものと同じである。また、パネル展示だけで実物は無かったが、Calyosという会社が、「Vapor Chamber」という製品を展示していた。ASETEKやCoolITのコールドプレートのような形状のVapor Chamberをプラスチックや銅パイプで接続してヒートパイプを構成して熱を運び出す。しかし、一般にヒートパイプは銅系の合金のパイプで、封じ切りで作られており、この構造で蒸気が漏れないのかが気になった。この記事で紹介したように、SC14では高性能の冷却システムを使用するシステムが数多く展示された。サーバやスパコンのエネルギー効率は改善されていくが、必要な性能の増大の方がスピードが速く、発熱量は増える方向にある。また、設置面積を小さくするため、発熱の密度はどんどん高まっており、高性能の冷却システムの必要性が高まっていることが、この背景にある。そして、この記事で紹介したように、色々な冷却方式が使われており、現在は、乱立とも言える状態である。業界として経験を積むにつれて、将来的には、使い勝手のよい幾つかの方式に集約して行くのではないかと思われる。
2014年12月12日Broadcomは12月8日、欧州連合が開発しているグローバル衛星システム「ガリレオ」をサポートするGNSS(全地球衛星測位システム)ロケーションハブ「Broadcom BCM4774」のサンプル出荷を開始したと発表した。同製品は、ガリレオ、GPS、GLONASS、SBAS、QZSS、BeiDouといった衛星システムを同時にサポートする。新システムに対応したスマートフォンは従来以上の精度を有し、高速で初期位置を算出するため、正確な位置情報を得ることができる。さらに、ロケーションハブのアーキテクチャにより、スマートフォンのメインアプリケーションプロセッサ(AP)はデータ演算を「BCM4774」にオフロードすることで演算負荷を軽減し、長時間にわたりスリープモードを維持できる。加えて、独自のハードウェア設計とメモリの増設により、モードによっては、従来のアーキテクチャと比較して消費電力を最大95%削減でき、モバイルデバイスのバッテリ寿命を大幅に延ばすことが可能である。そして、さまざまな状態を認識することで、モバイルデバイスから収集するデータの価値を高める。例えば、ユーザーが歩いているのか、走っているのか、サイクリングしているのかを認識し、特定された状態に適した位置情報に更新して提供することにより、データ結果の精度を向上できるという。この他、開発者およびOEM側で情報の分析やコンシューマへの提供方法を決定できる。
2014年12月10日●新設台数が鈍化し高齢化が進むスパコン○スパコンの新設はスローダウンしている恒例であるが、SC14で第44回のTop500の「BoF(Birds of a Feather:同じ羽を持つ鳥の集まり、転じて同好の士の集まり)」が開催された。今年1月に、Top500の創始者の1人であるHans Meuer教授が亡くなったので、委員会のメンバーはご子息のMartin Meuer氏に交代している。なお、Samuel Williams氏はHPGMG、Mike Heroux氏はHPCGという新しいベンチマークプログラムの説明のための参加であり、Top500委員会のメンバーではない。Top500というとリストの順位だけが注目されるが、その価値は単なる番付表というだけでなく、その中身を分析して行くと、スパコン界の状況が見えてくるという点が重要である。今回のTop500では、1位の天河2号から9位のVulcanまで、前回のリストからまったく変動がなく、かろうじて10位に米国政府機関のCray CS-Stormスパコンが入ったということだけが変化である。右側の図は、これまでの毎回のTop500リストで、何システムの新しいスパコンがリスト入りしたかを示している。もちろん、毎回、新システムの数は変動するが、概ね、150~200システムという状況が2013年6月までは続いていた。しかし、その後、新システムの数は急減し、今回は78システムになってしまった。明らかに、2013年以降は、Top500リスト入りする規模のスパコンの新設がスローダウンしている。新設のスローダウンの結果、リストに入っているスパコンの平均年齢が上がってきている。左上の図のように、2011年頃までは平均1.27年前後で推移していたが、それ以降、平均年齢が上がってきて、今回のリストでは2.9年と過去の2倍以上の年齢となり、Top500の世界も急速に高齢化が進んでいる。右上の図は、500システムの性能の合計の値の直前のリストからの伸びを示すものである。このグラフはアップダウンが激しいが、過去にはおおむね1.9倍弱程度とムーアの法則の1.6倍(なぜ、ムーアの法則が1.6倍かは不明)を上回る伸び率で推移してきたが、このところ1.2倍程度という低い伸びになっている。左下の図は、Top500全システムの性能の合計、1位のシステムの性能と500位のシステムの性能の推移を折れ線グラフで示したもので、1位の性能の線はでこぼこしているが、合計と500位の性能は片対数グラフに綺麗に乗っていた。しかし、2011年ころから500位の性能の伸びがスローダウンし始め、2014年には合計の数値の伸びもスローダウンの兆候が出始めている。右下の図は、性能の合計値が500システム合計の性能値の半分となる順位の推移を示すグラフで、2010年頃までは上位50~70システムの性能合計が全システムの性能合計の半分を占めるという状況であった。しかし、このところ上位10~30システムで半分を占めるという状況になっている。これは性能の高い大規模システムと性能の低い小規模システムとの2極化を意味している。次の左上の図は、システムの平均性能の推移と1個のプロセサの性能の推移を示すもので、縦軸は適当にスケールされているので、絶対的な値は意味はない。この図から明らかなのは、プロセサの性能の向上にくらべて、システム性能の伸びの方が大きく、テクノロジの伸びだけではスパコンに必要とされるたけの性能向上を支えることは出来ず、使用するプロセサの個数の増大で対処しているという状況になっているということである。右上の図は、500システム全体で、GPUなどのアクセラレータが占めるFlops値の合計を示すものである。2012年から2013年に掛けて、アクセラレータのFlops値の急速に増加したが、その後は、伸び率が減少している。左下の図は、アクセラレータのFlops値が全体のFlops値の中で占める割合を示したもので、このところ34%くらいのところで留まっており、どんどんアクセラレータのFlops値が伸びて、Top500全体の性能を引き上げて行くという状況ではない。右下の図は、LINPACKのFlops値を消費電力で割ったエネルギー効率の図であり、リストの中で最も効率の良いシステムのFlops/W値は順調に伸びているが、下位のシステムでは効率の改善が遅れていることを示している。Top10システムでは2000GFlops/kW程度になっているのに対して、Top50システムでは1500GFlops/kW、Top500システム全体では1000GFlops/kWとTop10に比べて半分の効率でしかない。●今後もBellの法則は成立するのか?○Gordon Bell氏が提唱したBellの法則Gordon Bell賞の創始者であるBell氏は、おおよそ10年ごとに新しい重要なクラスのコンピュータが出現するというBellの法則を提唱した。次の右上の図は、それぞれのアーキテクチャのシステムがTop500システムの中で占める割合を示したグラフで、1994年頃まではベクトルスパコンの時代であった。しかし、それ以降は、(IBMのPOWERや富士通のSPARC64のような)カスタム設計されたスカラCPUを使うスパコンが多数を占める時代となり、これが10年程度続いた。まさにBellの法則が当てはまる状況であった。そして、2003年頃になると、x86などの市販の汎用プロセサを使う小規模サーバをクラスタ接続するマシンが主流を占めるようになり、この状況は現在も続いている。アクセラレータを使うマシンが増え始めているが、近い将来、これが主流となり、汎用CPUだけのクラスタシステムの時代が終わって、Bellの法則が成り立つようになるのかどうかは、まだ分からない。Top500スパコンの性能の伸びがこのところスローダウンしていることは明らかであるが、2015年から2017年頃に掛けて、100~数100PFlops級のスパコンの設置計画が米国や中国をはじめとしていくつか出てきており、現在のスローダウンは一時的なものであるという見方もある。一方、ムーアの法則もスローダウンしており、テクノロジの伸びとスパコン性能の伸びの乖離が大きくなり、システムが巨大化し、コストも高くなるので、Top500級のスパコンの調達がスローダウンしてきているという見方もあり、どちらが正しいのかは、まだ、はっきりしない。次の2つの図は、国別の性能合計の伸びと、今回のTop500リストでの国別のシステム数を示すパイチャートである。国別の性能合計では、米国が一貫してトップを走っており、EU全体の合計の性能も、概ね、米国の線と並行で推移している。日本と中国の線を見ると、中国の急速な性能向上が目立つ。2010年以降でいうと、京コンピュータの完成で一時的に逆転したが、それ以外では、中国の性能合計が日本のそれを上回っている。国別のシステム数では、米国がほぼ半分の46%を占め、中国が12%でそれに続いている。こちらのグラフはEU全体のまとめでなく国別になっており、日本、英国、フランス、ドイツの各国が5~6%というレベルで並んでいる。Top500の世界では、このところの性能の伸びのスローダウンが今後どうなっていくのか、近い将来、現在の汎用CPUだけのコモディティクラスタの時代が終わり、新しいクラスのコンピュータの時代に変わるのかが注目される。また、Top500は密行列を計算する性能を測っているが、これでは現代の問題を代表していないということから、HPGMGやHPCGベンチマークが提案されており、これらのベンチマークで測ると、性能の伸び方が、ある程度変わって見えることになるかも知れない。Bellの法則の新しいクラスのコンピュータは、HPLの計算性能を上げるのではなく、ストレージを含めてビッグデータの処理性能を画期的に引き上げるという方向に行く可能性が高く、HPL性能で計測している限り、新しいクラスのコンピュータの台頭は見えないかも知れない。Top500の分析は、どのようにスパコン界が動いて行くかについて考えるヒントを与えてくれるが、スパコン界の動きを理解するためには、Top500以外のより広い範囲の分析も必要となる。そしてスパコンへの投資額は、国家間の競争や安全保障などにも影響される。その点で、中国の急速な台頭や国別のシェアもスパコン界の動向に影響を与える重要な要素であり、スパコン界は目が離せない状況となっている。
2014年12月10日SC14でのGreen500の1位に輝いたのは、ドイツのダルムシュタットにあるヘルムホルツセンターの「Lattice-CSC」というスパコンである。スコアは、5271.87MFlops/Wで初めて5GFlops/Wを超えた。2位は高エネルギー加速器研究機構(KEK)のSuiren(睡蓮)の4945.63MFlops/W、3位は東工大のTSUBAME-KFCの4447.58MFlops/Wで、4GFlops/Wを超えたのはこの3システムだけである。恒例であるが、1位から3位には表彰状が手渡され、その後、1位のチームは、どのようにして高スコアを実現したかなどについて発表を行うことになっている。L-CSCは量子色力学の計算を行うために設置されるシステムで、計算ノードは、ASUSの2ソケットサーバで、CPUは10コアのIvy-Bridgeを2個使用し、それに4台のAMDのFirePro S9150 GPUを接続している。最終的には160ノードのシステムになる計画であるが、まだ、システム構築中で、今回の結果は56ノードで測定されている。ソフトはGPLライセンスで入手できるオープンソースのCALDGEMMとHPL-GPUをカスタマイズして使っているという。次の図に示すように4GPUまでは完璧に性能がスケールしている。次の図に示すように、実線のCPU処理時間が破線のGPU処理時間を下回っていれば、パイプライン処理がうまく働き、全体の95%以上でこの条件が成立している。そして、DGEMMはGPUだけでやらせる方法とCPUとGPUで処理分担する方法を実装しており、両者を使うと2-5%性能が高くなるが、GPUオンリーの方が3-4%エネルギー効率が高い。このため、両者をダイナミックに使い分けているという。なお、このグラフで、GPUオンリーの処理の場合、CPU時間は非常に短く、GPU処理時間が長くなっている。一方、両者を使った場合は、GPU処理時間は多少減り、CPU処理時間は長くなっているが、それでも、概ね、GPU処理時間を下回っている。また、DTRSMについてもGPUに一部オフロードすると、残った行列のサイズが大きい場合は性能上有利であるが、行列サイズが小さくなると逆転するので、これもダイナミックに切り替えてその時点で最良のものを使っている。また、CPUはDVFSを使って最良の条件で動かしている。一般的には低いクロックの方が効率が高いが逆転する場合もあるので、それぞれの時点で最適のクロックを選んでいる。これらの動作条件のダイナミックなチューニングに加えて、GPUにもDVFSを適用し、処理の初期のCPU負荷の小さいときや処理の終盤のGPU負荷の小さいときは、不要なCPUやGPUは低電力状態にしてしまってエネルギーを節約している。そしてハードウェアとしては、HDDを使わない、温度にあわせてファンの速度を調節して電力消費を減らしている。Level 1ではルール上は、コアフェーズの最初と最後の10%の期間を除いた、20%の期間の消費電力を測れば良いことになっているが、70%-90%の期間をとると最後に消費電力が減っているので、この登録ではコアフェーズ全体の消費電力を計測した。結果として56ノードで5295MFlops/Wとなったが、これにInfiniBandスイッチの消費電力257Wを追加して、5271MFlops/Wの値をGreen500に登録したという。これを電力が減少する70%-90%の区間で測定すると、InfiniBandスイッチの電力を含まない値であるが、6010MFlops/Wとなり、問題の規模を小さくして測定すると、6900GFlops/Wまでスコアを上げられるという。このため、電力測定は20%の区間でなく、コアフェーズ全体とすべきと主張している。Level 1ではシステムの1/64を測定すれば良いという点では、一部の良いノードだけが選択的に測定されてしまう恐れがあるので、全体を測定すべきという意見と、100kW以上の大電力を高精度で測るのは難しいので、部分的な測定を認めるべきという両方の意見を併記している。
2014年12月09日