『TRICK』シリーズの脚本家として知られる蒔田光治が、原案用台本を手がけた舞台『飛び加藤~幻惑使いの不惑の忍者~』。伊賀の忍びながら、今は足を洗いひっそりと生きる加藤段蔵が、旅芸人の少女・楓と出会ったことから、彼の隠された過去が明らかになっていくという痛快活劇だ。上演に先がけ、5月16日、都内の稽古場にて会見が行われ、演出の河原雅彦と出演の筧利夫、佐津川愛美、細田よしひこ、三上市朗、涼風真世と、舞台で登場する“手妻”の第一人者・藤山新太郎が登壇した。『飛び加藤~幻惑使いの不惑の忍者~』チケット情報“飛び加藤”こと、実在した伝説の忍者・加藤段蔵を主人公に、『人魚姫』をモチーフにして描かれる本作。それだけでも十分ユニークな内容なのだが、この作品の大きな特徴として手妻の存在がある。手妻とは現代で言うマジックのことで、加藤段蔵は忍者という顔に加え、手妻師としての一面も持っていた人物なのだ。演出の河原は、「今回は手妻あり、殺陣あり、また人間ドラマもしっかりと書き込まれている脚本。作品としてはすごく明瞭ですが、これまでになかったような形のエンターテインメントになると思います」と作品にかける思いを語った。古来より伝わるその手妻の技を、現代へと継承しているのが、本物の手妻師である藤山。本作における手妻指導はもちろん、手妻師役として舞台にも立つ。藤山は「思った以上にセリフが多く、四苦八苦しております」と苦笑いを浮かべながらも、話題が手妻のこととなると一気にプロの顔へ。手妻のひとつとして、世界でも5本の指に入るほど古いマジックである、“植瓜術(しょっかじゅつ)”を本編中に登場させると言う。これは何もない砂の上に種を置き、布をかぶせると一瞬にして蔓が伸び、瓜ができてしまうという芸。藤山が「非常に珍しい手妻で、お客さまも生まれて初めて見る芸だと思います」と言うだけに、こちらも大きな見どころになることは間違いない。共演者たちが「非常にパワフル」と口をそろえる加藤役の筧は、会見の場でもその熱い役者魂を披露。ふたつのコップの間に閉じた扇子を挟み、その上に手ぬぐいを乗せコップごと持ち上げるという手妻“相生茶碗(あいおいぢゃわん)”を実演してみせた。「タネは意外とアナログですが、いかに演技と話術で見せていくかが重要」と筧が語るように、彼が「筧パワーです!」と雄たけびをあげると、見事コップは手ぬぐいに吸いつけられるように空中へ。その後披露された藤山の手妻とともに、舞台への期待感をグッと高める一幕となった。公演は6月10日(日)から26日(火)まで東京・シアタークリエで開催。その後、大阪、石川、福岡と各地を回る。チケットは発売中。なお、チケットぴあでは「手妻ショー」付チケットを5月18日(金)午前10:00より販売する。対象公演は6月24日(日)13:00開演のシアタークリエ公演のみ。ショーの所要時間は約30分を予定。取材・文:野上瑠美子
2012年05月17日今年の直木賞を受賞した池井戸潤の「下町ロケット」(小学館刊)がWOWOWの連続ドラマW枠で実写化。主演の三上博史、寺島しのぶ、渡部篤郎と鈴木浩介監督、そして原作者の池井戸さんが8月4日(木)に都内で開催された記者会見に出席した。純国産ロケット生産のために欠かせないある部品は、下町の小さな町工場の特許技術だった――。その特許がなければロケットは飛ばないという状況の中、巨大企業と町の小さな工場のプライドを懸けた熱きドラマが展開する。東日本大震災の後に、急ピッチで制作が進められた本作。三上さんは「3.11の直後、自分に何ができるかとずっと考えていましたが、行き着いたのは本分である役者で何かをすること。そんな中で(オファーの)電話をいただき、時間もなく大変なのは分かってましたが参加しようと思いました」と強い思いを明かす。三上さんと渡部さんの共演は映画『スワロウテイル』(岩井俊二監督)以来。三上さんは「気がついたら15年経ってた。あのときはお互いにまだガキんちょでしたが(笑)、いまこうしてオヤジになって顔を突き合わせているのが不思議です」と感慨深げ。三上さん演じる佃の口からは「誇り」、「プライド」といった言葉がたびたび発せられるが、三上さん、渡部さん、寺島さんも、職種は違えど佃と同様に強い思いを持って役者という仕事に打ち込んできた。自らの俳優としての信念や情熱について渡部さんは「ひとつのシーン、作品を作るにはすごく力が必要なんです。『誇りを持っている』ということすら考えずに挑んできたように思います」と語り、寺島さんは「自分が共感できることやビビッと来たものに対して執着はすごくあると思います。といってあれもこれもできるタイプではないんですが(笑)、この作品になら命を懸けられる、という情熱はあります」と胸の内を明かす。そして三上さんは「僕にとって(俳優の)仕事は生きがいなんです。生きがいにするためには、お金のためだけでなく、プライドを持たなくてはいけない。こうして夢中になれるものを持っていることを幸せに思います」と真摯に語ってくれた。この日は、原作者の池井戸さんも出席。「下町ロケット」を出版した後、20件を超える映像化のオファーがあったそうだが「その中でWOWOWさんに決めた理由は、(自身の小説が原作で、以前ドラマWで製作された)『空飛ぶタイヤ』のスタッフが揃うと聞いて、僕自身が見たくなったから」と直木賞受賞決定以前から話が進められていたという今回の実写化の経緯を説明。改めてキャスト陣の苦労をねぎらい、感謝の言葉を口にした。「下町ロケット」はWOWOW連続ドラマWにて8月21日(日)22:00より放送開始(全5話)。なお第1話は無料放送される。■関連作品:岳 -ガク- 2011年5月7日全国東宝系にて公開© 2011「岳 -ガク-」製作委員会 © 2005 石塚真一/小学館 CATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション■関連記事:長澤まさみ、小栗旬にヒソヒソ話で下ネタ?小栗旬、怒り全開の長澤まさみにタジタジ?「プリプリ怒ってました」長澤まさみ、天然ボケ告白小栗旬に現場で「お兄ちゃん!」と呼びかける小栗旬が山に本気で挑む!『岳 -ガク-』試写会に25組50名様ご招待『宇宙兄弟』が小栗&岡田で映画化『テルマエ・ロマエ』ほか人気漫画も続々実写映画化
2011年08月04日