恋愛において、本当の気持ちを打ち明けるのは容易ではない場合も……。「言えなかった本音を伝える」ことで、どんな変化が起きるのでしょうか?今回MOREDOORでは、投稿者から寄せられた『ずっと隠していた本音エピソード』をご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、ご参考にして頂ければ幸いです。同じ人を好きになってしまい……監修者:飯島慶郎(不登校/こどもの大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニック院長)精神科医・総合診療医・漢方医・臨床心理士診療科の垣根を超えた総合的な心身医療を行う。他院で解決できない複雑な病態、とくに不登校児の診療や不定愁訴(心身におこる様々な原因不明の症状)を得意とする。全国で初めての「不登校専門クリニック」を開設し、社会問題の解決に尽力中。※この記事は実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2024年04月16日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくんは、4月に入学してからすぐに登校しぶりが始まります。以前から常同行動や強いこだわりなどがあったものの、発達検査を受けても特に診断名はつきませんでした。2学期になると登校しぶりはますますひどくなり、大学病院の心理発達科を受診したものの、解決策は見つけられません。そんな中、小学校の先生からスクールカウンセラーに相談することをすすめられ、まっちくんと一緒にカウンセリングを受けることに。しかし、カウンセラーの先生が一生懸命いろいろ考えてくれたものの、まっちくんが受け入れられるような方法を見つけ出すことはできませんでした。その後もカウンセラーの先生がまっちくんと仲良くなるために試行錯誤したものの、心を開く様子はなかったようで、教育センターの不登校専門窓口を紹介されます。 息子のために何とかしたいと思うねこじまさん。「窓口に相談に行っても何か変わるかな……」と不安を抱えながら行ってみたものの、相談員さんが親身になって話を聞いてくれたことで、心が少し軽くなりました。そして、今後もし長期的に学校に行けないことがあっても、受け入れ可能な市の施設があることを教えてもらったのです。 後日、学校のスクールカウンセラーの先生に、不登校専門窓口に行ったことを伝えると……。 カウンセラーの先生の考えは… 「学校以外の場所を視野に入れていくのもアリなのでは」と考えているねこじまさんに対し、カウンセラーの先生は「学校でのルールを自分の中で納得させて、理解していくことが大切」だと言い切りました。 ねこじまさんはこのときのことを、「当時1歳だった末っ子を連れて何度も長い相談に行くのも大変な上に、スッキリしない時間が続くのがしんどくなってしまい……。カウンセラーの先生に信頼の気持ちを持てなかったこともあり、自己嫌悪になりながらもこの後は行かなくなってしまいました。いろいろ考えて行動や助言をくださったことは感謝しています」と振り返ります。 現在では、「ちょっと違うなと感じたら、他の場所へ早めに切り替えるというのが良いのかもしれない」と思っているそうです。 人にはどうしても相性というものがあります。悩みが生じたとき、ひとりで抱え込まずに誰かに相談することはとても大切ですが、その相談相手が合わない場合には、思い切って他の人や、別の専門機関に相談するということも念頭に置いておくといいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2024年04月12日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくんは、4月に入学してからすぐに登校しぶりが始まります。以前から常同行動や強いこだわりなどがあったものの、発達検査を受けても特に診断名はつきませんでした。2学期になると登校しぶりはますますひどくなり、大学病院の心理発達科を受診したものの、解決策は見つけられません。そんな中、小学校の先生からスクールカウンセラーに相談することをすすめられ、まっちくんと一緒にカウンセリングを受けることに。しかし、カウンセラーの先生が一生懸命いろいろ考えてくれたものの、まっちくんが受け入れられるような方法を見つけ出すことはできませんでした。その後もカウンセラーの先生がまっちくんと仲良くなるために試行錯誤したものの、心を開く様子はなかったようで、教育センターの不登校専門窓口を紹介されます。 息子のために何とかしたいと思うねこじまさん。「窓口に相談に行っても何か変わるかな……」と不安を抱えながら行ってみたものの、相談員さんが親身になって話を聞いてくれたことで、心が少し軽くなりました。 そして、相談員さんが提案してくれたことは……。 受け入れてくれる場所がある 今後、もし学校が無理だと感じることがあったとしても、受け入れてくれる場所があるということを教えてもらったねこじまさん。「この相談で、視野はすごく広がりましたし、それだけでも気持ちはラクになりました」と振り返ります。 そして後日、学校のスクールカウンセラーの先生に、不登校専門窓口に行ったことを伝えました。すると先生は、まっちくんとの関係性を築く前に外部の窓口を紹介したことを気にしていたことが判明。 不登校専門窓口を紹介されたことをネガティブに捉えてしまっていたねこじまさんは、スクールカウンセラーの先生の真意を知って、改めて感謝の気持ちを伝えました。 スクールカウンセラーの先生との関係が深まってよかったですね。お互いを理解する上で非常に重要なのは、コミュニケーション。モヤモヤした気持ちを抱え込むよりも、積極的に自分の考えを共有することで、互いに理解し合えることもあるのかもしれません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2024年04月11日もっと早くに気づけていたら現在中学3年生の息子は、自閉スペクトラム症と強度行動障害があります。診断を受けたのは中学1年生の時でしたが、初めて児童精神科を受診してから診断を受けるまで3年近くかかりました。私が息子に発達障害があることを疑いだしたのは、小学3年生で行き渋りを始めた頃からでした。初めての育児で私の知識が乏しかったこともあるかもしれませんが、息子が突然学校に行けなくなるまで、「発達の特性があるかもしれない」と考えたこともありませんでした。息子は1歳半健診で言葉の遅さを指摘されたくらいで、そのあとの健診も幼稚園でも就学時健診でも、何ひとつ問題はありませんでした。小学校1〜3年生頃の家庭訪問や懇談では、担任の先生に相談することがなさすぎて5分もかからず終了。テストの点数もよく勉強もよくできてクラスの人気者。今では考えられないですが、それが学校に行けなくなる前までの息子の姿でした。Upload By 花森はなもしかして?と児童精神科を受診学校に行けなくなった = 児童精神科を受診しよう!とすぐに決断できたのは、私自身に精神科への受診経験があったからです。今は児童精神科を受診しようとすると私が住んでいる地域では半年は待たなくてはいけませんが、当時は1ヶ月程度で受診できました。初めての児童精神科で診察が始まりました。息子は、教室にいるのがとてもしんどいこと、担任の先生が強く叱るところを見るのがつらいことなどを話してくれました。話をしていくうちに、次第に息子の真の姿が見えてくるようでした。いつも私が見ている「優等生」の姿は、すごく無理をして彼自身が懸命につくり上げていたもので、もうその無理ができなくなってしまったのではないかと思いました。そのことも含めて病院の先生にお伝えしましたが、発達検査などには至らず、不安を和らげる薬の処方を提案されました。Upload By 花森はな転院をすすめられ……児童精神科に通い始めて3ヶ月、薬を飲み続けても気持ちが安定しないので、病院の先生から大きな病院への転院をすすめられました。そして、「この病院ではこれ以上のことはできないので、もっと詳しく知りたいなら転院しましょう」と言われました。その際に「発達障害ではありませんか?」とお聞きすると、「いろいろお子さんを診てきましたが、息子くんの場合は違うと思います」と言ってくださいました。ホッとする反面、私の中で「それでも、もしかして……」という気持ちがくすぶり始めたのがこの頃です。Upload By 花森はな小学4年生で大きな病院Aに転院し、通院し始めた頃に最初に出た診断は「幼児返り」。そして、その次に出たのは「解離性障害」でした。新しい診断が出るたびに「発達障害の可能性はありませんか?」とお聞きしましたが否定され、発達検査を希望しましたが「必要ありません」とのことでした。今思えば、まだかろうじて元気が残っていたこの時期に検査ができていたらよかったと思います。本人が元気じゃないと検査自体が受けられないですし、通院もできませんので……。その後、こちらのA病院の治療方針とも合わず、もっと大きなB病院でセカンドオピニオンを受けることになりました。息子は、実はずっと困っていたのかもしれない病院は「違う」という診断を出してくれているのに、「発達障害ではないか?」と疑問を持ち続けた私に対して、ほかの家族の目はとても冷ややかでした。「通院よりももっと子どものことを考えて」「息子を病気にしたいのか」とまで言われましたが、そこで折れてしまっては、息子の学校の困りごとも生きづらさも何も解消しないと私は思いました。学校に行きづらくなってくると、息子はこれまでは口にしなかった教室の雑音がつらい、何もしないで「待つ」という時間が怖い、ノートの字が荒れてきたり書けなくなる、突然癇癪を起こすなど、さまざまな問題が一気に出てきました。学校が合わないこと、教室をイヤだなぁと思ってしまうのは、そういった特性上の理由が隠れているのかもしれません。息子の話は、これまでもずっと聞いてきたつもりです。それでも足りなかったし、学校に行けなくなる前にもうちょっとできることがあったのではないかなぁと、何年も経った今も後悔の念が消えないです。たぶん、この先もずっと消えることはないだろうと思います。Upload By 花森はな執筆/花森はな(監修:室伏先生より)息子さんの診断が分かるまでの経緯について、共有くださりありがとうございました。はなさんも息子さんも不安や葛藤を抱えながら、いくつもの医療機関で受診を重ねられ、本当に大変な日々でしたね。他のご家族さんからの理解を得るのが難しい状況でも、「そこで折れてしまっては、息子の学校の困りごとも生きづらさも何も解消しない」と考えて行動され続けたはなさんを尊敬いたします。幼児期のお子さんとは違って、学童期以降のお子さんでは、ご本人と信頼関係を構築するのに時間がかかってしまったり、ご本人の頑張りや取り繕いなどにより特性が分かりにくかったりして、診断に時間がかかってしまうこともあります。発達障害は生来お持ちの特性によるものなのですが、息子さんのように、それまではご本人の努力で、適応して生活されてきていたけれど、学童期になって人間関係が複雑化したり、思春期になって身体も心も不安定になったりして、困りごとが表面化する、ということもあります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。前の記事はこちら
2024年04月11日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくんは、4月に入学してからすぐに登校しぶりが始まります。以前から常同行動や強いこだわりなどがあったものの、発達検査を受けても特に診断名はつきませんでした。2学期になると登校しぶりはますますひどくなり、大学病院の心理発達科を受診したものの、解決策は見つけられません。そんな中、小学校の先生からスクールカウンセラーに相談することをすすめられ、まっちくんと一緒にカウンセリングを受けることに。しかし、カウンセラーの先生が一生懸命いろいろ考えてくれたものの、まっちくんが受け入れられるような方法を見つけ出すことはできませんでした。その後もカウンセラーの先生がまっちくんと仲良くなるために試行錯誤したものの、心を開く様子はなかったようで、教育センターの不登校専門窓口を紹介されました。 息子のために何とかしたいと思うねこじまさん。「窓口に相談に行っても何か変わるかな……」と不安を抱えながら、教育センターの不登校専門窓口に行ってみると……。 相談員から予想外の言葉が… 2時間ほどの相談時間があっという間に感じられるほど、たくさん話を聞いてもらえたそうです。まっちくんの特性を理解してくれた相談員さんは、心の底からまっちくんの頑張りを認めてくれました。 当時、できないことばかりに目が向いてしまい、不安な気持ちになることが多かったねこじまさんは、「長男がめちゃくちゃ頑張っていることを、ちゃんと認めてあげていただろうかとハッとしました」と振り返ります。 自分の悩みと不安に共感してもらえたことで、ねこじまさんの心は少し軽くなったようですね。まっちくんの一番の理解者であるねこじまさんの不安が軽減されたことで、まっちくん自身もより前向きに動き出せるかもしれません。どんなに困難な状況でも、理解してくれる人がいることは、心の支えになりますね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2024年04月10日「“内申点”が足りず高校受験で不合格だった」とYouTuberのゆたぼん(15)が公表したことで、“内申点”のあり方に賛否が集まっている。小学校から不登校を続けてきたが、中学3年の2学期からは登校し、高校進学を目指していたゆたぼん。3月14日に自身のYouTubeに動画を投稿し、受験で不合格だったことを報告。さらに4月4日の投稿では、入試の自己採点をした際に「一緒に受けた友達より僕の方が点数が倍以上だった。でもその友達は合格して、僕は不合格だった」と発言。不合格だった理由について「中学1、2年と学校に行っていなかった分の内申点の分まで、僕はテストで点を取らなければならなかった。特に沖縄の公立高校は内申点を重視するというのを知っていたんで、テストの点数が勝負だった」と語り、中学の教師からも「(合格は実力的に)厳しい。もう少し受かりそうな高校がある」とレベルを落としての受験を勧められていたが、あえてチャレンジしたと話していた。今後は高卒認定試験に挑戦するという。ゆたぼんの受験結果を受け、ゆたぼんの父の中村幸也氏は7日、Xに私見を投稿。多様性の時代において「学校しか選択肢がないのも内申点なんてもんも時代遅れ。日本の学校教育が社会に追いついてないんだから変えるべきは日本の学校教育のほうだよ」とし、「時代錯誤な内申点なんてあと数年でなくなる」とコメント。ジャガー横田の夫で、医師の木下博勝氏も9日、ゆたぼんの不合格を受け自身のインスタグラムに「自分の弟の時と同じかぶってしまって、こころが痛くなりました」と投稿。約30年前に「合格した同級生より得点は、はるかに上」だったにもかかわらず志望校に不合格だった弟の内申点が、教師の恣意的な評価によって悪かったことについて不満を綴った。そのうえで「公立高校の入試制度、見直すべきじゃないのかな。内申書が合否判定に大きく関係するのって、必要なのかな?私立の判定と同じにすべきでは?推薦等だけの活用で、良いのでは?」と指摘。さらに「内申点って、その中学のレベルによって、かなりのハンデが生じるよね?何で見直さないのかな。それとも、現在は是正されてるなかな」、「先生の顔色を伺いながら過ごす中学生は、昭和平成で終わりでいいのでは?」などと疑問を投げかけた。このように内申点制度の見直しを訴える声に対しては賛同する声も多く上がった。《内申点で中学生の反発を抑えようとするのは最悪手。内申点で抑え込めるのは,中位層の普通の子たち。本当に悪い子は「内申なんて関係ねぇ」子たちなので,よいことは1つもない》《内申点とか学校の成績って嫌いですワイはテストの点数は結構良かったけど、5段階評価で3以下だったで。90点くらいとっても2ついてたよ。先生に好かれてるかが重要だけど、ワイは嫌われてたわけだね》《学力があり、学校へいく意欲がある子どもを不登校で内申点が悪いからと高校入試で不合格にして「だから辛くても学校へ行かないといけない」と、子どもに圧力をかけて管理しないと成り立たないような学校の内申点のシステムもどうかと思う》一方で、内申点の重要さなどを説く声もあがり、賛否両論となっている。《中学から高校へ送られる内申点はテストの点数では評価できない、学ぶ態度や姿勢などが評価されますので点数が取れない子供にとっては有利な面もあります。要は日頃の行いでしょうか》《内申点を重視する公立高校があるもの多様性?の一つなのでそれを否定するのはおかしいかと》《内申点は無くなりません。むしろ内申点のみで評価されることの方が多くなると思います。一発勝負の試験結果より、どれだけ努力を積み重ねて来たかが評価されるのがこれからの社会です》《内申に懐疑的なのに、何故内申重視の学校に行ったのよ?一発勝負の高校なんて山ほどあるのに》
2024年04月09日『思春期の心理を知ろう!』書影株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2024年4月5日に、『思春期の心理を知ろう!――心の不調の原因と自分でできる対処法』(松丸未来監修/3,850円税込)を発売しました。文部科学省の調査によれば、2022年に全国の不登校の児童・生徒の数はおよそ29万9千人で、過去最多を記録しています。不登校の一番の理由は「不安・無気力」が半数以上を占め、子どもたちの多くが何らかの「心の不調」を抱えていることが浮き彫りになりました。本書は、自意識や同調圧力が高まる思春期の心の変化を理解し、自分でできる「心の不調」の対処法を学べるワンテーマ図鑑です。ストレスへの対処法を知り、心とうまくつきあう助けになる本思春期とは、10〜23歳頃(学童期の終わりから青年期)を指し、「自分は何者なのか」と迷いながら、社会に出る準備をする時期です。身体の変化に加え、進学・受験、部活動、友人・異性関係などのストレスが多いため、不安になったり、落ちこんだり、イライラや怒りから攻撃的になったりすることもあります。しかし、こうした心の不調には個人差があり、考え方(認知)のくせが大きく影響しています。そこで本書では、思春期にありがちな考え方(認知)のくせを解説したうえで、認知や行動を変えることで心の不調を治す認知行動療法の基本と、自分でできる対処法を紹介します。本書の監修者で、子どもや若者の認知行動療法の専門家である松丸未来氏は、「発熱などの身体の不調に対処するように、心の不調にも早めの対処が大切です」と述べています。本書の構成と読み方本書は、全3章オールカラーの構成。1章は、思春期に心と身体がどのように変化するのかを解説します。2章では、「心の不調」を抱えやすい考え方のくせについて紹介します。「良いところを無視するマイナス化思考」「判断が両極端であいだがない全か無かの思考」など、小学生と中学高校生の2つの立場で、具体的な例を図解します。そして3章では、不安、緊張、怒り、落ちこみなどを身体、行動、認知への働きかけで軽くする方法を紹介します。これから思春期を迎える小学生は「予習」として、中高生は、普段の自分の口ぐせ、行動パターン、思いこみを「復習」しながら読むと、より理解が深まります。思春期の子どもへの対処に苦慮する親の助けとなる、専門家の見解も満載です。<本書で紹介する「心の不調」を抱えやすい考え方のくせ>〇良いところを無視するマイナス化思考(例)大会で優勝した→「でも〇〇さんは私よりもっとすごかった」(自分にとってうれしいこと、楽しいこと、肯定的な出来事を無視したり、無意味と判断し、素直に受け入れられない)〇判断が両極端であいだがない、全か無かの思考(例)自信のあったテストが75点だった→100点じゃなきゃ意味がない(100%以外の現実を評価できず、なぜ間違えたのかを考えようとしない)『思春期の心理を知ろう!』について1項目について、1見開きで解説本文サンプル第3章では具体的な実践方法を図解で紹介本文サンプル監修者プロフィール松丸未来(まつまる・みき)1998年、英国レディング大学心理学部卒業。2001年、上智大学大学院文学研究科心理学専攻修了。臨床心理士、公認心理師。スクールカウンセラー、東京認知行動療法センター心理士を兼務。著書に『よくわかる 学校で役立つ子どもの認知行動療法』(遠見書房)など。書誌情報タイトル:思春期の心理を知ろう!副題:心の不調の原因と自分でできる対処法監修者:松丸 未来判型:A4変型判上製[楽しい調べ学習シリーズ]定価:3,850円発売日:2024年4月5日ISBN:978-4-569-88164-5発行:株式会社PHP研究所 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年04月09日仕事において、辛いと感じていることを打ち明けるのは容易ではない場合も……。「言えなかった本音を伝える」ことで、どんな変化が起きるのでしょうか?今回MOREDOORでは、投稿者から寄せられた『ずっと隠していた本音エピソード』をご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、ご参考にして頂ければ幸いです。仕事について秘めていた思い勇気を出すことで……監修者:飯島慶郎(不登校/こどもの大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニック院長)精神科医・総合診療医・漢方医・臨床心理士診療科の垣根を超えた総合的な心身医療を行う。他院で解決できない複雑な病態、とくに不登校児の診療や不定愁訴(心身におこる様々な原因不明の症状)を得意とする。全国で初めての「不登校専門クリニック」を開設し、社会問題の解決に尽力中。※この記事は実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2024年04月09日小3でADHD、ASDと診断された息子の幼少期息子・コチ丸は小3の頃にADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉症スペクトラム症)の診断を受けました。小さな頃から落ち着きがなく、歩き始めた頃には周りも省みず、どこかへ行ってしまうことが多々ありました(焦)。一度、スーパーで後ろを隠れてついていき、いつになったら親を探すかというのを試してみましたが、どれだけ待っても探してくれることはなく(笑)、電気屋でテレビを観てくつろいだり、おもちゃ売場でゲームをやってみたりと自分の関心事にずーっと夢中でした……。最終的に私が待てなくて折れるという結果に……(汗)。私はコチ丸が診断された当時、子どもの発達に携わる仕事をしていたので、診断が出た時には「やっぱりか」という気持ちと同時に、この手に負えない感じは私のせいでもコチ丸のせいでもない、「しょうがないことだったんだ」と思えるようになり、そこからはコチ丸のやることを受け入れられるようになりました(単純)。Upload By あきトラブル続きの小学生時代。行事の参加自粛を求められることも……コチ丸は小学校時代、ほぼ教室にはおらず学校のなかを自由に歩き回ったり、図書館で本を読み漁ったりしていたようです。・とにかく、やりたいことはやらないと気が済まない→学校で興味本位で落ち葉に火をつけてボヤ騒ぎを起こす。・ちょっとしたことでカッとなる→掃除をしないことに注意をされて、掃除用具を持ったままくってかかり、女の子に怪我をさせる。・先が読めない→自転車ごと田んぼに突っ込む。口に入れていた単三乾電池をうっかり丸飲みする。と、トラブルが尽きない子どもでした。Upload By あき当時は大事な行事などがあると「コチ丸くんについて見ていられる先生がいないので、当日は休んでもらえませんか?」と打診されたりして、私としては小学校には不信感しかありませんでした。小5の時、卒業式に参加するのを「絶対に大丈夫」と本人が言い張り、私も頑張ってほしいと思い学校に頼んだことがありました。しかし、結局じっとできず、こっそり体育館の2階に勝手に上がって、式の様子を高い窓から覗き込んで見下ろしていたところ、参列していた保護者と目が合いビックリして悲鳴を上げられ大騒ぎになり、卒業生より目立ってしまったことも。すぐに呼び出されて怒られました(汗)。当時の卒業生には申し訳なかったです……。Upload By あき小3から「自由登校」開始。中学進学先は担任と意見が分かれ……小3の頃から、わが家は「自由登校」を始め、コチ丸自身が学校に行きたいと思った時だけ登校するようになりました。週に3~4日は家にいたのでランドセルはキレイなまま、小学校生活は終わりました(笑)。地元の中学に入学するにあたり、学習が遅れていることを理由に小学校からは特別支援学級への進学を勧められました。確かに小学校にはほぼ通っておらず家でも全く勉強はしてなかったので、中学の通常学級で授業についていくのは難しいだろうという先生の考えは理解できました。しかし、コチ丸はものすごい読書家で、読んだ本の内容をほぼそのまま覚えているなど、私よりずっと博識な子どもです。その上、好奇心旺盛でNPOなどの野外活動に一人で参加し、先陣きって何事も臆することなくやるタイプだったので、問題解決能力もそれなりにあるのでは……と感じていました。そのため私は、「コチ丸には中学校の特別支援学級より、もっと本人の個性を活かせる環境がどこかにあるのでは?」と思えてなりませんでした。Upload By あき私立中学への進学を決断。親子で歩み出した新たな道結局コチ丸は中学受験をし、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の私立中学校に入学しました。もちろんシングルの私にとっては人生予定外の大出費です(焦)。それでもコチ丸なりにわが家の状況を理解してくれていて、これはわが家にとってはスゴく大変なことなんだということを察してくれていたのだと思います。最初こそ休みながらでしたが、中1の終わりには生徒会に入り、やがて生徒会長になり公立高校に進学しました。大出費(笑)でしたが、間違いなく親子の人生を変えてくれた大満足な中学生活を送ることができました。さて、現在ですが……コチ丸は私と一緒には暮らしておりません。高校受験は自らやりたいことがあると、住んでいた愛知県から北海道の公立高校に入学し、寮生活を送っております。さらなる大出費です(笑)。あんなにいろんなことがあった賑やかな日々から一点、寂しい毎日ですが、たまに入ってくるコチ丸らしい淡々とした、でも愛嬌のあるLメッセージに心救われています。Upload By あきこれからコチ丸のこれまでの習い事や勉強、学校選びなど、数々の分岐点をコラムで振り返れたらと思っておりますので、よろしくお願いします!執筆/あき(監修:森先生より)あきさんのように、診断を受けて「私のせいでも子どものせいでもない、しょうがないことだったんだ」ととらえることができると、これからどうしたらいいかを前向きに考えることができますね。無理に型にはめようとするのではなく、個性を活かせる環境を探してくれたからこそ、お子さんは自分が本当にやりたいことを考えることができるようになったのでしょうね。保護者としては、1つひとつの分岐点で迷いもあるでしょうし、焦りもあるかと思います。お子さんのためになる選択を、長い目で見て考えることができるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月09日「学校へ行きたくない」を受け入れ続けて大丈夫?不登校や子育ての転機など2024年3月に公開した読者体験談『発達ナビ 読者体験談』は、会員のみなさんからご投稿いただいたエピソードを元にした記事です。発達ナビの連載ライターさんなどにイラストをつけていただき、コミックマンガエッセイ化しています。今回は、2024年3月に公開した読者体験談をまとめてご紹介いたします。3月に公開された体験談のテーマはコチラです。・不登校・発達障害子育て、わが家の転機・重度障害のわが子の困った行動みなさんのリアルな声と、それに応えた専門家の先生方のコメントにご注目ください!読者体験談を一気にご紹介!【2024年3月】「学校を休みたい」と言われたら「いいよ」と受容すればいいことは分かってる……けれど、本当にそれでいいの?このままだと子どもの将来はどうなるの?不登校のお子さんを持つ保護者さんは「このままで大丈夫なのか」といつも葛藤しているのではないでしょうか。そんな保護者の不安、疑問に、専門家が詳しくお答えしています。不登校を受容することは甘やかしなのか?ぜひご覧ください。DQ(発達指数)が境界域の息子さんを育てながら正社員としてフルタイムで働いていた保護者さん。キャリアアップのため転職をしたタイミングで、息子さんの登園渋りが始まってしまって……。発達障害のあるお子さんの子育てと仕事の両立、多くの方が悩まれているのではないでしょうか。投稿者さんの選択、そして決断後今思っていることについてまでご共有いただきました。3歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた息子さんは、幼稚園から理解されず、親子ともどもつらいご経験をされました。そんな中、幼稚園の年中から通い出した児童発達支援とそこで受けたペアレントトレーニングで、育児に転機が訪れて……。「迷惑をかけないように……」そう思って気を張り、あやまってばかりいた重度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)の息子さんを育てている保護者さん。ですが、3つの転機をきっかけに考え方が変わったそうです。「迷惑をかけないにしないと」と思って子育てをしている方にぜひ読んでいただきたい1本です。小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)、中学1年生でLD・SLD(限局性学習症)と診断されたお子さんの転機は、小学2年生の時に先生に言われたとある一言でした。小学校で荒れていたお子さんが、前を向くことになったきっかけは?先生方の支援に胸が熱くなるエピソードです。重度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)で、無発語の息子さんは、飼っている猫のことを不思議な存在と感じ、少し恐れているようで……。保護者さんから見た、息子さんと猫のやりとりに、なんだかほっこりです。現在12歳で重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断さたお子さんは、お風呂が大好き。そしてあるこだわりがあるそうで、そのなかにはちょっと困ることもあって……。困ったルーティンにどう対応すればいいのでしょうか?つらかった、楽しかった……発達障害のお子さんを育てた経験談は、きっと誰かの役に立ちます!エピソード募集中!『発達ナビ 読者体験談』では、発達ナビユーザーのみなさんからのご投稿を募集しています。現在の募集テーマはこちらです!・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルご投稿いただいたエピソードを基に、発達ナビの連載ライターさんなどのイラストによってコミックマンガエッセイ化、監修の先生からエピソードについてコメントをいただいたものを発達ナビ上でお届けします。共感や気づきを得られるようなエピソード、誰にも相談できないお悩みや、ママ友トラブルまで、さまざまなエピソードをぜひお寄せください。ご応募は以下の応募フォームよりご投稿いただけます。みなさまのご投稿お待ちしております!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月06日地元の公立中に行くのはつらい。でも、ハードな中学受験勉強はちょっと…こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムは、中学受験を考え始めたご家庭に向けて。特に、公教育がお子さんの体質的に合わなかったり、小学校時代にいじめ・不登校などのつらい経験があったりで、「とにかく地元の公立中には行きたくない」という場合や、「小学生に過剰な受験勉強をさせたくないけど、もし、うちの子が楽しく過ごせる学校があるのなら……」などと考えているご家庭に向けて、うちの3兄妹の私立中高一貫校、3回の「塾なし」中学受験を踏まえた私の経験を元に、お話しします。・中学受験を決めた時期・全体のスケジュール・塾なし中学受験について、ご参考になれば幸いです。難関校じゃなくていいのなら…うちの子たちが受験・進学した私立中高一貫校(以降、「A中学」と表記)は、いわゆる超難関校ではありません。私は子どもたちの志望校を探す際に、偏差値や知名度は参考にしなかったので、A中学の偏差値を正確に把握しないまま受験に臨みましたが、学校がWebサイトなどで公表している入試情報などと過去問の内容から「まあ、中堅校と言われるグループなのかな?」と推測します。とはいえ、コロナ以降も中学受験は過熱気味の傾向が続き、受験者数は増加傾向にあるようで、地方の私立中高一貫校であるA中学でも、年々志願者数が増加し(特に、ここ数年で急増)、1年前に長女が受験した時には、倍率が6年前の長男の受験時の倍以上になっていました。ですので、難関校の受験でなくとも、早めに動くに越したことはないとは思いますが、かといって、あまりに早くから塾通いなどでお子さんに受験勉強の負担を過剰にかけたり、保護者の方が必要以上に不安に感じることもないと思います。以下は「難関校じゃなくていいのなら……」という前提でのお話ですが、背伸びしない志望校での中学受験の全体像がイメージできるよう、保護者の方の疑問や不安にお答えする形で、うちの実例を交えたポイントをお伝えします。いつごろ中学受験することにしたの?中学受験をすることを決めたのは、それぞれ、長男は小5の秋、次男は小6の春、長女は小4の秋くらいでした。……遅いですよね(笑)まあ、中学進学に関して子どもの意志を尊重しようとすると、これぐらいの年齢になるまで分からないのは当たり前だとも思います。一般的には「中学受験は小3から塾通いが常識」などと聞きますが、難関校を目指すのでなければ、小5からでも十分間に合うと思います(小6からではかなり遅いですが……)。ただ、6年生で受験勉強と並行して複数の学校のオープンキャンパス、説明会や体験授業などに参加するのは大変なので、「まだ中学受験するか分からない」「志望校がはっきりしない」というご家庭も、できるだけ4・5年生のうちに、気になる学校のオープンキャンパスや説明会には参加しておいたほうがいいでしょう。受験を迷っている子も、一応小学校レベルの基礎学習だけでも、苦手なところがあれば学年をさかのぼって、穴埋めしておくのがオススメ。ちなみに、うちの3兄妹が中学受験することにしたのは、それぞれ理由が違います。発達障害のある長男は「地元の公立中に行くなら、不登校する!」と宣言し、私立中学以外の選択肢も考慮に入れつつの進学先選びに。5年生から体調不良で小学校を休みがちだった次男は、私立入学後にすぐに友達ができた長男の姿を見ているうちに「おれも」と希望。4年生でコロナ休校となった長女は、自宅でプリント学習をする傍らで、兄たちがオンライン授業を受ける姿を目にしたことなどが影響しました。結局3人共、A中学1校のみを受験。もし不合格だった場合、長男は、公営フリースクール(自治体の教育支援センター)+ホームスクールが"滑り止め”で、次男と長女は「公立中に進学する」とのことでした。併願せずに「本命一校しか受けない」のはかなりハイリスクなので、皆さんにオススメはしませんが、その分、その学校のみに絞った受験勉強・対策ができるので、子どもの負担は減ると思います。「万が一不合格でも、フリースクールや公立中でOK」と考えられるご家庭なら、有りかもしれません。全体のスケジュールはどんな感じ?うちの例は、あまり一般的ではないかもしれませんが、おおまかなスケジュールをご参考程度まで。志望校のA中学1校のみを、総合型選抜(専願のみ、算国+面接)と、一般入試(併願可、算国理社)の両方の入試方式で受験した場合です(ただし、それぞれの子によって、勉強の内容やスケジュールなどは個別に調整したので、以下はあくまで私が思う"理想的な”目安です)。<小4〜小5>・学校案内などの資料請求・オープンキャンパス、見学・説明会、文化祭などへの参加・総合型選抜対策として、自己PRポイントの実績づくり、体験授業への参加など・体感/体験型の自宅学習(理科実験や城巡りなど)・小学校レベルの基礎固め、さかのぼり学習、テスト直しなど<小6・夏ごろまで>・体験授業への参加(2回目)・中学受験用の基本問題集・検定試験の受験(算数検定、漢字検定など。自己PRと試験慣れするため)<小6・秋ごろ>・A中学で特によく出る分野を重点的に学習・過去問、時事問題・A中学主催の模擬試験・面接対策講座の参加・出願書類(志望理由書、自己PR文などの専用フォーマット)の入手<小6・12月〜1月上旬>・志望理由書などの出願書類の準備・面接練習(毎日10-15分)・苦手分野の特訓、暗記系の復習<小6・1月中旬〜>・出願(一般入試=インターネット出願、総合型選抜=出願書類の郵送)・過去問をひたすら繰り返し解く・総合型選抜入試(2科目+面接)・一般入試(4科目、A日程/B日程)<合格発表後>・入学手続き・制服のオーダー、指定体操服などの購入・小学校卒業式・入学説明会、新入生クラス編成テスト塾に行かなくても大丈夫?うちでは、塾なし自宅学習✕3回の中学受験(4教科と面接・総合型選抜対策)を、親子でなんとか乗り切りましたが、親の負担が大きく「誰にでもオススメ」とは言えません。でも、中学受験でも入試方式が多様化しているので、自宅学習でも十分大丈夫なことも。塾に通わなかったのは節約の意味もありますが、うちの子たちは小学校に行って帰って宿題をやるだけでもピーピー言っていたので、帰宅後さらに大手塾などに夜遅くまで通って大量の課題をこなすなんて、到底「無理ゲー」だと判断したからです。小学校自体の負担が大きな子の場合には特に、一般的な中学受験塾は、心身に過剰なストレスやプレッシャーが長期的にかかってしまうように思います。そんなワケで(半分やむを得ず)、私がマンツーマンで子どもの受験勉強に付き合うことになりましたが、子どもの負担を3分の1にしようとすると、親がその3倍の時間と労力を使うことに……。特にうちの子たちは、公教育の学び方が合わないタイプだったので、4教科を一人ひとりの子に合わせた内容・学び方で対応したため、私は数年間かかりきりで疲労困憊。その間きょうだいにも寂しい思いをさせたかもしれません。私は個人事業主なので仕事量の調節が可能でしたが、夫婦で正社員・フルタイムで働くご家庭などには「塾なし」は親の負担が大きいと思います。特に、公教育の学び方が合わないお子さんは、親が勉強に十分付き合えない場合、経済的に可能であれば、丁寧に個別対応できる家庭教師や個別指導塾などを頼るのがいいでしょう。とはいえ、難関校を目指すのでなければ、自宅学習でも十分対応可能だと思いますよ。昨今、大学入試同様、中学受験でも入試方式が多様化してきているので、特に、専願での自己推薦・総合型選抜入試や、1科目・2科目入試を実施する私立中学は多いですし、中には、得意なことを活かせる独自入試などを行う学校や、不登校・発達障害のあるお子さんを積極的に受け入れている学校もあります。ですので、志望校や受験方式によっては、必ずしも「中学受験の常識」通りに小3から塾通いして、膨大な知識と努力を必要とする4教科をまんべんなくできるようになる必要はないでしょう。背伸びしすぎない志望校で、受験科目を絞ったり、その子に合った入試方式で受験したりすれば、自宅学習でも十分大丈夫(親のフォローは必要ですが……)。また、試験の空気感に慣れるために塾の外部模試に参加したり、短期集中的に通塾したり、面接対策だけお願いするなど、ピンポイントで賢く受験塾を活用するのもいいと思いますし、オンライン学習や通信教育、動画学習などを併用して、親の負担を減らす方法もあります。うちの中学受験時代を振り返ってみると、確かに「塾なし」で親が根気よく付き合うのは大変ではありましたが、本格的な思春期になる前の子どもたちそれぞれと密に過ごし、親子でいろんな体験を一緒にしたり、たくさん雑談したり……と、貴重な時間でもありました。文/大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)楽々かあさんの書かれているように、志望校選びは頭を悩ませる大きな問題になります。できるだけ早めに情報収集をしていくことと、実際にオープンキャンパスなどに行って学校の現状を知っておくことが大事だと思います。大切なのは何より本人の意思が重要なので、本人の意見を聞きながら絞り込んでいくことです。1クラスの人数が多いところや少ないところがありますが、相性の悪いお子さんがいた場合の配慮や授業の進め方、合理的配慮、先生との相談のしやすさなどもポイントになるのではないでしょうか。入学したけれど学校の勉強についていけなかったというお子さんもいるので、受験をクリアするだけでなく、学習のスピードや教育課程が比較的ゆるやかに組まれているかなども確認できるとよいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年04月01日俳優・阿部サダヲが主演を務める、TBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』(毎週金曜後10:00)の最終回が29日に放送され、不登校のS君の“令和の姿”が明らかとなった。昭和パートで「不登校のS君」として登場した佐高強は、キヨシの支えもあり、再び学業にまい進することを決意。その後、令和に戻ったキヨシのもとに“50代”となった佐高くん(成田昭次)が再登場した。実は、高校を卒業した佐高くんは一念発起してオンラインゲームの会社を設立。今や会社のCEO(最高経営責任者)となる超大物となっていた。さらにキヨシに恩返ししたいと申し出ると、キヨシは父・井上昌和のタイムマシン事業のスポンサーとなった。そんな佐高のサポートもあって最終回ラストには、“2054年からやってきた井上”がタイムトンネルを発見し、再び市郎の元へとやってきた。はからずも佐高が続編を匂わせる展開の“きっかけ”を作った一人となった。宮藤官九郎氏が書き下ろす、意識低い系タイムスリップコメディー。1986年から2024年の現代へタイムスリップした“昭和のおじさん”小川市郎(阿部)が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていくストーリー。
2024年03月30日NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)のクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」では、児童・生徒の毎日のメンタルヘルス状況を把握し、学校全体でサポートするための「心の健康観察」(以下 本サービス)の提供を本日3月29日より開始します。なお、「まなびポケット」は全国で12,500校以上の学校よりお申し込みをいただき、申し込みID数は500万ID(※1)を超え、学習eポータル(※2)としてNo.1のシェア(※3)を獲得しています(2023年5月時点)。1. 背景文部科学省では、令和4年度の不登校児童・生徒数が過去最多となった状況を踏まえ、「誰一人取り残されない学びの保障」に向けた取組の緊急強化を図るため「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」(※4)を取りまとめ、不登校・いじめに対する方針を示しています。その中で、地方公共団体などにおいて不登校・いじめ双方に、困難を抱える児童・生徒の支援に向けたアプリケーションや、専門家の支援等を活用した心や体調の変化の早期発見・早期支援を目的とした「心の健康観察」の推進が求められています。そこでNTT Comは、児童・生徒の小さなSOSを早期に発見し、不登校・いじめの未然防止に向け学校をサポートするために本サービスを提供します。(※5)まなびポケットは、これまでも教職員が学級状態を多角的に把握することができるアンケートツール「WEBQU」(※6)の提供により、学校による不登校・いじめの未然防止、早期発見のサポートを行ってきました。また、MEXCBT(※7)で配信される児童・生徒の自己評価型の質問紙である「ScTN質問紙」(※8)の結果を可視化する「ScTN view」では、「主体的・対話的で深い学びの実現状況」を定量的に把握し、児童・生徒の指導や学校経営改善に役立てていただくことが可能です。上記のサービスに加え、本サービスを提供することにより、児童・生徒の毎日のメンタルヘルスを把握しやすくなり、多角度から学校側でのより迅速なサポートが可能となります。2. 本サービスの概要本サービスでは、まなびポケット上に表示される4つの選択肢から児童・生徒が自身のメンタルヘルスに合う選択肢を回答し、教職員はその結果を確認することができます。ネガティブな回答が続いている児童・生徒はアラート表示され、教職員による支援が必要な児童・生徒の早期発見をサポートします。また、まなびポケットのアカウントから利用できるため、既にまなびポケットをご利用中の場合、新規アカウント登録は不要であり、学校側のシステム管理の負担を軽減します。各学校の心の健康観察のデータは、まなびポケットを利用している自治体向けのダッシュボード(※9)に連携され、サマリー情報が可視化されます。ダッシュボードは学校だけでなく教育委員会でも閲覧可能であるため、自治体内で本サービスを利用している全学校のアラート件数の推移を確認し、データから対策を検討することが可能となります。さらに、まなびポケットの保護者向けデジタル連絡機能(※10)を利用している場合は、欠席状況なども同じダッシュボード上に可視化されるため、児童・生徒の様子を一元的に確認することが可能です。詳細は以下、サービスページをご確認ください。 3. 今後について今後は、保健室の利用状況など多面的なデータをまなびポケットのダッシュボード上に一元的に可視化することで、児童・生徒が安心して学べる環境作りと教職員の業務がより効果的・効率的に進むよう支援していきます。NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、ドコモグループの法人事業を統合し、法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。 NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect X(R)」にもとづき、お客さまやパートナーとの共創によって、With/Afterコロナにおける新たな価値を定義し、社会・産業を移動・固定融合サービスやソリューションで「つなぎなおし」、サステナブルな未来の実現に貢献していきます。 (※1): ID数には、「まなびポケット」を利用する教職員、児童・生徒、保護者のIDが含まれます。(※2): 学習eポータルは、GIGAスクール構想で整備された一人一台環境と高速ネットワークを活かし、ソフトウェア間の相互運用性を確立してユーザーにとっての操作性を向上させるとともに、教育データをより良く活用するために構想された、日本の初等中等教育向けのデジタル学習環境のコンセプトのことです。(※3): 株式会社MM総研「小中GIGAスクールにおけるICT整備動向調査(2023年5月時点)」より引用。 (※4): 文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた緊急対策等について(通知)」にて記載。(※5): 学習eポータルとしてまなびポケットをご利用中のお客様はお申込み不要です。2026年3月末まで無料で提供します。(※6): WEBQUとは、株式会社WEBQU教育サポート( )が提供・管理する教職員が児童・生徒の状態を多角的に知ることができるアンケートツールです。まなびポケットを経由しWEBQUのアンケートに回答後、結果はすぐに教職員にフィードバックされます。詳細は下記リンクから。 (※7): MEXCBTとは、文部科学省によって開発されたオンラインの教育システムです。詳細は下記リンクから。 (※8): ScTN質問紙とは、一般社団法人School Transformation Networking*が提供・管理する児童・生徒による自己評価型の質問紙です。文部科学省CBTシステム「MEXCBT」に搭載され、全国の児童生徒が受検できます。*( )(※9): 自治体の方であれば無料で利用可能です。今後提供される機能には有償プランが含まれます。詳細は下記リンクから。 (※10): 無料で出欠連絡や保護者への一斉連絡が行える機能です。詳細は下記リンクから。 関連リンク・報道発表「「まなびポケット」が令和の日本型学校教育を支える「ダッシュボード」の提供を開始」(2023年10月) ・報道発表「NTTコミュニケーションズとNTTコノキュー、XRを活用した先進的な英語教育を実現!教室留学で国際交流♪」(2023年10月) ・報道発表「学習eポータル「まなびポケット」にて児童・生徒の「主体的・対話的で深い学びの実現状況」を可視化する新機能ScTN viewを提供開始」(2023年7月) ・まなびポケットサービスサイト 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月29日不登校になったASD(自閉スペクトラム症)、DCD(発達性協調運動症)の小2息子Upload By ユーザー体験談Upload By ユーザー体験談8歳の息子は3歳でASD(自閉スペクトラム症)、DCD(発達性協調運動症)と診断を受けています。小学校2年生の春から登校渋りが始まり、だんだん登校できる日が減って3学期にはほぼ不登校状態になりました。ごくまれに頑張って登校をしてみても、すぐに具合が悪くなり、保健室で寝ている息子をお迎えに来るようにという要請の電話が学校からかかってきます。DCD(発達性協調運動症)の書籍を読み「僕も体育の時間は地獄なんだ」と話し、学校でお腹が痛くなったことがトラウマになり「また同じことがおきたらどうしよう」と布団からでてこなくなることもありました。母子登校や特別支援学級への転籍を勧めても「母子登校は恥ずかしい」「今のクラス(通常学級)のままがいい」と断固拒否……。息子は感覚過敏などは大きいと思いますが自閉傾向は比較的少なく、知的障害(知的発達症)ではないので、福祉にもつながりにくく、将来は自分で稼いで生きていかねばならないと思っています。無理に登校させることは避けさせたほうが良いと書籍やテレビ、発達ナビのコラムでも読んで頭では理解はしています。でも本当にそれが息子のためになっているのか確信がもてません。甘やかしているのではと、不安になります……。行き渋り、不登校の不安に専門家が回答!Q:つらい気持ちは分かるから無理はさせたくない、でも平日の昼間から自宅でしょんぼり過ごしている息子を見ると不安に……親にできることはある?A:行き渋りや不登校というのは、お子さんと学校との関係性の中で生じているとも言えます。なので、家庭でだけ何かしたところでお子さんにとって、学校という環境はつらいままです。家庭でできること、学校に関して働きかけができることをそれぞれやっていく必要があります。まずは担任の先生と面談できるとよいでしょう。学校でのお子さんの様子をうかがいましょう。家でお子さんが語ること、家での様子を保護者から学校に伝え、両方の話をすりあわせながら、どのように学校で過ごしたらつらくなさそうかについてさまざまな案を持てると良いと思います。そのうえでお子さんと話をしましょう。例えば、お子さんが登校したいという気持ちがある場合、基本的には、できるところから、つらくない程度から参加できそうなものに参加することを目標とし、1つずつ「できたね、つらくなかったね」を積み上げていくような関わりになります。このお子さんの場合、学校でのさまざまな苦戦があり、身体症状が出たり、(お母さんが一緒がいい、でも実際には恥ずかしいから一緒じゃなくていいなど)心細くなったりしています。学校での苦戦に関して、担任の先生らと相談しながら環境調整や合理的配慮ができるとよいでしょう。お子さんが学校は(現時点で)しばらく行かなくていい、もう行きたくないという場合には、学校との関わり方(担任の先生とどのくらいの頻度で保護者もしくは本人が会うか、お便りや配布物などの扱いをどうするかなど)を改めて担任の先生などと検討します。また、日中の過ごせる場所として地域の教育支援センターやフリースクールなどを検討するのもよいでしょう。そうはいっても、実際に家でしょんぼりしているお子さんにずっと対応していると保護者の方の気持ちも落ちてくるものですし、担任の先生らと話し合うにしても多少は緊張され疲れる面もあるでしょう。そういう保護者の不安、負担感といったところを例えばスクールカウンセラーや地域の教育相談室などで相談すると、両者の架け橋になってくださったり、保護者の気持ちの整理を手伝ってくださったりすると思います。Upload By ユーザー体験談Q:負荷をかけすぎて発達障害の二次障害などが起きてしまったらと思うと受容と甘やかしのさじ加減がつかめない。将来は自立してほしいと思っているけれど……。A:まずはお子さんの声を中心に支援を組み立てましょう。保護者や学校が良かれと思ってあれやこれやと作戦を練って対応すると、ときどきお子さん本人の意志や意向が置いてけぼりになることがあります。これまで学校生活の中でたくさん苦戦してきたがゆえに、行き渋りや不登校を呈しているという状態なのであれば、もしかしたらまずは休養を取るところから始まることもあります。「先生にもお願いして環境を調整したから、さあ学校に行きなさい!」とすぐに切り替わるものでもないのです。これまでのつらさを癒す時間も必要かもしれないと理解しつつ、しかし、一方で、失敗したり大きく傷ついたりすることなく頑張れそうな手頃な選択肢(例えば好きな授業にだけ出る、数時間だけ授業に出るなど)も用意しておき、本人の気が向いたらチャレンジできるようにしておくなど、動き出せそうなときには動き出せる道があり、休むときには休む道がある、そんな状況を作れると良いでしょう。大事なことは、「できた」「大丈夫だった」の積み重ねでしか成長はしないということです。成長は負荷をかければするというものではありません。できそうな何かがあって、取り組んでみて、実際できるから成長するのです。負荷をかけるかどうかというのは大人が考えることではなく、うまくいっていることが続いて、本人が「もっとやってみたい」と思ってはじめて、少し負荷をかけてみようかという話になります。お子さんが行き渋りや不登校の場合、将来に関しての漠然とした不安についてを相談場面などで保護者の方はよく語られます。このあたりはお子さんとの間で解消しようとしないことがまず大事です。保護者が感じる将来の不安(「このままじゃ将来生きていけないよ」など)をくれぐれもお子さんには話さないでください。自分の将来がどうなるかなんて子どもには分かりませんし、そうした言葉のインパクトは強く、まるで呪いのようにお子さんに伝わることもあります。お子さんには自分の未来は明るいと感じていて欲しいところです。だからこそ、そうした将来への不安等の話は大人の間で扱ってほしいと思います。担任の先生はお子さんの今の生活を支えてくださるパートナーですが、もう少し長期的な視点で相談ができそうな相手としてスクールカウンセラーや地域の教育相談、教育支援センター、また不登校のお子さんの親の会などでそのあたりを話題にするとよいでしょう。進路についての情報を正しく知るだけで、この先どうなっても大丈夫だなと感じることができることもあります。お一人で情報収集していると、ネット上の情報が玉石混交なため不安も増大するかもしれません。ぜひ相談機関を活用していただければと思います。Upload By ユーザー体験談(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月27日【著者インタビュー】『子育てママに知ってほしいホンモノの自己肯定感』Five Keys・井上顕滋インタビュー|子どもの未来を左右する「ビリーフ」とは株式会社幻冬舎ゴールドオンライン(本社:東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目9番7号、代表取締役:山下征孝)は、同社が運営する「話題の本.com」( にて2024年3月26日(火)、著書『子育てママに知ってほしいホンモノの自己肯定感』を刊行した、Five Keys代表 井上顕滋氏のインタビュー記事を公開しました。著者インタビュー【著者インタビュー】『子育てママに知ってほしいホンモノの自己肯定感』Five Keys・井上顕滋インタビュー|子どもの未来を左右する「ビリーフ」とは2023年、何らかの問題を抱えて学校に行けなくなった子どもが過去最高の人数に達したと報じられました。不登校だけではなく、いじめや引きこもりなど子どもに関する問題は年々深刻になってきています。それらの問題に根底にあるキーワードのひとつが子どもの「自己肯定感」かもしれません。 そこで今回は日本初の非認知能力専門塾「Five Keys」の代表であり、著書『子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感』を刊行した井上顕滋氏にインタビュー。ホンモノの自己肯定感を育てるために家庭でできることについて伺いました。インタビュー記事はこちらから : インタビュー記事一部をご紹介叱らない子育てによって生まれた問題――『子育てママに知ってほしいホンモノの自己肯定感』を執筆するに至った思いを教えてください。1980年代の後半頃から子育てのスタンダードが変わり、「叱らない子育て」というものが主流になりました。子ども自身の気持ちや主体性を尊重しましょうという考えそのものは悪いことではありませんが、それが行き過ぎることでワガママと主体性の境界線がなくなってしまったように感じます。それによって社会に適応できない子どもが増加しました。――不登校やいじめなど、子どもに関する社会問題とも関係がありそうですね。子育てで悩んでいるお母さんから、本当にたくさんの相談をいただきます。皆さんしっかり勉強をして、ある意味テキスト通りに育てたという方がほとんどです。でもうまくいかない。それは本当の意味で原因を理解していないからなんです。これは正しく伝える必要があるなと感じました。ーーーーーー以上記事一部抜粋ーーーーーーインタビュー記事全文はこちらから : 『子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感』(井上 顕滋 [著]/幻冬舎)子育てに正解はないが間違いはある──。ホンモノの自己肯定感が無限の可能性を引き出す。自己肯定感が子どもの成長を大きく変える。ホンモノの自己肯定感を育むために欠かせない「優しさ」「厳しさ」の2つの愛情近年、「自己肯定感」という言葉が老若男女問わず広く知られるようになりました。自己肯定感とは簡単にいうと「自分らしさを認め、自分を受け入れる感覚」のことです。自己肯定感は子育てにおいても重視されていて、自己肯定感が高い子は何事にも積極的でポジティブにとらえることができ、くじけずに何度でもチャレンジすることができる傾向があるといわれています。また、ありのままの自分を受け入れることができるので幸せを感じやすいとされます。一方で自己肯定感が低い子は新しいことに挑戦するのを怖がったり、何か壁にぶつかったときに、あっさり諦めてしまったりする傾向があるのです。これらは子どもに対する親の関わり方によって大きな違いが出るとされており、子どもへの接し方ひとつで自己肯定感は高くも低くもなっていくのです。著者はこれまで20年以上にわたって数多くの企業の研修に携わり、その研修プログラムの一部として自己肯定感を高める方法を伝えてきました。そして、この手法を子どもにも分かるようなプログラムにつくり直せば、子どもたちのなかに逆境にも立ち向かっていけるホンモノの自己肯定感を育むことができるはずだと考え、「こども成功塾」を設立して、芯が強く目標を達成できる子どもを育てるためのセミナーを保護者向けに実施してきました。著者はその経験を通して、より効果的に子どもの自己肯定感を高める接し方として「母性愛」と「父性愛」という2種類の愛情を注ぐことを重視しています。自己肯定感の土台をつくるのは「生まれてきてくれてありがとう」と子どものありのままを受け入れて愛する母性愛であり、「優しさ」にあたります。それに対し、社会のルールや規範という「厳しさ」のなかで目標を達成する力を育む父性愛も同時に子どもに注ぐ必要があります。もしこの父性愛が欠けてしまえば、自分自身を肯定する気持ちそのものは強くとも、かえってそれが裏目に出て、失敗を恐れ挑戦できなくなってしまったり、困難なことに出合うとあっさり諦めたりしてしまうといった、偏った自己肯定となってしまう恐れがあります。母性愛を注いで自己肯定感の土台をつくり、そのうえで父性愛を注ぐことで、子どもは自分のありのままを認め、かつそれを自信に変えて何事にも立ち向かっていける「ホンモノの自己肯定感」を高めていくことができるのです。本書では、このホンモノの自己肯定感を育むうえで欠かせない母性愛と父性愛とはどのようなものか、どう子どもに注いでいけばよいのかについて解説しています。芯が強く目標を達成できる子どもを育てるための道しるべとなる一冊です。書籍情報はこちら : 著者井上 顕滋1970年生まれ。2004年 Result Design株式会社を設立。最先端の心理学および脳科学を学び、それらを融合させることで人それぞれの持つ能力を最大限に引き出す、独自の能力開発メソッドを確立。3000社以上の企業で経営者・経営幹部への指導や研修を行い、「1年間で離職率8分の1」「2年間で経常利益26.8倍」「営業成約率平均31.9%アツプ」などの実績を持つ。エグゼクティブコーチ、メンタルトレーナーとしてオリンピック出場の日本代表選手や世界一に輝いたプロスポーツ選手のサポートも行っている。自らも経営者として30年以上の部下育成の経験をもつ。2011年に未来の成功者を育てるため、小学生を対象とする日本初の非認知能力専門塾Five Keysを設立。2015年には非営利型一般財団法人日本リーダー育成推進協会 (JLDA)を創設し代表理事に就任。現在は特別顧問。講座などを通じてこれまで指導した小学生の保護者は4万人を超える。インタビュー記事はこちら : お問い合わせ本記事に関する問い合わせはこちら株式会社幻冬舎ゴールドオンライン〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目9番7号TEL:03-5411-6270URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月26日美樹さん(仮名・35歳)の息子は、小学校1年生の夏休みが明けたころ、仲の良い友だちの転校を機に不登校になってしまったそう。美樹さんも仕事を辞めて勉強のフォローをするなどして、息子をサポートしていたと言います。そんな中、心配した義両親が頻繁に家を訪問するように。特に義母は、息子の不登校に対して、美樹さんを遠まわしに非難してくるようになったそうです。義母からのプレッシャーが日に日に強くなる中で、美樹さんや息子を取り巻く環境はどうなっていったのでしょうか。親身になってくれない夫「息子が不登校となり、夫ともいろいろ話をしました。ただ、夫はかなり仕事が忙しく、あまり時間を割けない状況。私は仕事を辞めていたので、息子に関してはほぼ私が対応することになりました。それと、たびたび訪ねてくる義両親に関しても相談をして、“精神的にきつい”と伝えたんですが、さほど親身にはなってもらえませんでした。“心配をしているからだ”“話は聞き流しておけばいい”と言われてしまって…。そんなある日、義母から連絡が来ました。“明日、ある人を連れて行く”と言うのです」高齢男性の正体「“ある人”というのは、義母の知り合いで、かつて小学校の校長先生を務めていた男性だそう。“職を退いたあとも教育機関に勤めていた偉い方だから、的確なアドバイスがもらえるだろう”と義母は言うのです。翌日、義両親とともにその男性がやってきたんですが、80代は超えているような高齢の方でした。息子の近くに寄り、話しかけるのですが、息子は怯えるばかり。仕方なく、私が傍で男性の話を聞きました。まず小学校の意義を説かれ、“同年代の友人と接することで人間形成がなされていく”と。そして私に対しては、“子どもに教育を受けさせるのは親の義務だ”と言い、叱責を受けました」エレベーターでの出会い「男性の言っていることは間違っていないと思いますが、息子に寄り添ってくれる様子はなく、時代遅れだと感じてしまいました。3人に帰ってもらってひと安心した途端に、どっと疲れが押し寄せてきましたね。私としては、息子の負担にならないように、ゆっくり様子を見ていきたかったのですが…。この一件を通して、正直焦りも生まれてきました。その数日後、マンションの1階でエレベーターを待っていると、ある女性に声をかけられました。“お子さん、不登校なんですか?”と尋ねられたんです」頼りになる先輩ママの存在「それは同じマンションに住む女性で、息子より少し年上の子どもを持つ、先輩ママの美代子さん(仮名)という方でした。そして、美代子さんの子どももまた、不登校を経験していたのです。話を聞いて、そういえば数年前、近くの公園で彼女が子どもと遊んでいる姿をよく見かけたのを思い出しました。美代子さんは、“よかったらうちに遊びに来ませんか?”と言ってくれて、早速息子を連れて伺いました。美代子さんの子どもは、息子の4つ上の男の子。どうなることかと思いましたが、息子はすぐに美代子さんの息子に懐いたのです。それから頻繁に遊びに行かせてもらうようになりました。息子が不登校になって1年近く経ち、今もまだ学校には行けていません。いまだに何が正解なのかわかりませんが、美代子さんたちのおかげで、息子にも良い兆しが見えてきています」“子どもの不登校で悩んだ妻の告白”をご紹介しました。同じ悩みを持つ人の存在は大きいですよね。どんな偉い人よりも、その言葉はすんなり耳に入ってくるはず。近くにそういう方がいたことは、大きな救いとなったことでしょう。©望菜 竹内/Adobe Stock ©polkadot/Adobe Stock文・塚田牧夫
2024年03月20日結婚して家族が増えれば、関わる人も増えてきます。すると、思いがけない問題が生じることも。特に、子どもに関しての問題はデリケートかもしれません。美樹さん(仮名・35歳)も、子どもの不登校をきっかけに、義実家との不和に発展していったのだそう。当時の状況を詳しく伺いました。息子の変化「結婚した翌年に、息子が誕生しました。多少ワガママではあるものの、大きな問題はなく元気に育ってくれて、小学校に入学後は新しい友だちもできて、楽しそうに学校に通っていたんです。その様子が変わったのが、1年生の夏休みが明けたころでした。朝、いつものように学校に送り出そうとすると、行きたくなさそうな素振りを見せるのです。そういう日もあるかと捉え、気分をあげるような言葉をかけて、その日は送り出しました。ところが、翌日も同じ反応を見せたんです。“学校で何かあったの?”と尋ねても、明確な答えがなくて…。どう対応すべきか困りました」友だちの引っ越しが引き金に「学校の先生に連絡をして様子を伝えたところ、学校での行動に問題はないとの返答でした。なので、とりあえず2~3日休ませてもらって様子を見ることにしたんです。そこで、1つ気付いたことが。近くに住んでいた、息子と仲のいい友だちが、最近引っ越してしまったんです。その友だちは幼稚園から一緒で、小学校でも同じクラス。1番の仲良しと言ってもいいほどでした。もしかしたら、そういった環境の変化が、息子の心理に微妙な影響を与えたのではないかと思いました」本格的な不登校がスタート「何日か休んだら元気になるだろう…と思っていましたが、息子はいっこうに学校に行こうとはしませんでした。そこで、再び学校に連絡し、しばらく休ませてもらいたいと伝えたんです。でもそこで、もう1つ問題が。私は仕事をしていたのですが、息子を家に一人にしておくわけにもいきません。数日は有休を使って休んでいましたが、延々と続けるわけにもいかないので、夫とも相談して仕事は辞める方向で話を進めることになりました。ネットでいろいろ調べてフリースクールなどに通わせようともしましたが、息子に提案すると拒まれてしまい、学習面においても私がフォローすることに。本格的に不登校の生活が始まり、私の不安も大きくなっていきました」義母からのプレッシャー「しばらくして、義母から“〇〇くん、学校に行ってないの?”という連絡が来ました。どうやら夫が義母に状況を伝えたようです。翌日、義母と義父が家にやってきました。二人は息子に対して、“学校で何かあったの?”と尋ねましたが、息子は困った表情を浮かべるだけ。義母は、“心配ね…”と難しい表情で言っていました。そこから義母は、3日おきくらいに訪ねてきては心配する様子を見せていたんですが、だんだん様子が変わってきて…。次第に“なんでこうなっちゃったのかしら”“もっと早く気づいてあげられなかったの?”と、私を非難するような発言をするようになったんです。義母の心配も当然ですが、頻繁に家に来られるようになると私自身の余裕もなくなって、どんどん気が滅入っていく日々がつらかったです」“子どもの不登校で悩んだ妻の告白”をご紹介しました。親としても不安が大きくなっていくなかで、義母からプレッシャーをかけられるのは辛いもの。義母には、妻を責めるのではなく、孫に寄り添うことを優先してもらいたいものですね。©まーとん/Adobe Stock ©kapinon/Adobe Stock文・塚田牧夫
2024年03月20日「インクルーシブ教育」を推進するための指針を、教育リーダーズから学ぶ2022年に国連から日本へと推進が通達されたこともあり、昨今大きな注目を集めている「インクルーシブ教育」。インクルーシブ教育とは、文部科学省で下記のように定義されています。‘’「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。障害のある子もそうでない子も、共に学ぶための仕組みづくり。しかし実際の市区町村、学校教育の現場では、対応のノウハウが欠如していたり、人員が足りなかったり、チームの目線が合わなかったりと、推進が難しい現状もあるという声も散見されています。そんな中でも、すでに全国でインクルーシブ教育を先駆けて推進している人たちがいます。彼らはインクルーシブ教育をどのように捉え、何を考え、推進を実現してきたのでしょうか?この連載では、そんな彼らを「教育リーダーズ」と位置付け、その言葉に耳を傾けることで推進のヒントとなる”指針のカケラ”を集めていきたいと思っています。第二回は、神奈川県鎌倉市教育委員会の教育長である、高橋洋平氏にお話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部プロフィール 高橋洋平 氏宮城県登米市出身。 中学校教員や市教育長を務めた父親と障害を持つ叔母の影響を受け、教育の道を志す。 東北大学教育学部を卒業し、文部科学省に入省。 学校教育のデジタル化や福島県庁での震災復興、米国の大学で教育研究、コンサルティング会社教育チームマネージャーなど、多角的に教育に携わる。2023年に鎌倉市立小中学校の教育行政を牽引する教育長に就任。Upload By 発達ナビ編集部正しいことを、子どもたちの「今」に合わせて実装するーー本日はよろしくお願いいたします。さまざまな視点・キャリアから教育に向き合ってきた高橋さんですが、まずは教育に対してのお考えの原点にあるものを教えていただけますでしょうか。原点には間違いなく福島で過ごした時間があります。私の在任当時、避難指示区域となった町村の子どもたちは、避難先に建てられたプレハブの仮設校舎などに通っていました。学校を訪ねるたびに、本当に可哀想だな、早く村に戻してあげたいなという一心で、県庁の学校再開支援チームをリードしていたんです。ーーそこで、今の教育に対する価値観にもつながる体験をされた。除染などにより放射線量が下がり避難指示が解除され、新しい学校の整備ができた時の、仮設校舎の閉校式での出来事でした。教育関係者と喜びを分かち合っていた私たちでしたが、ある小学校6年生の女の子から「仮設って言わないで。この学校は仮設なんかじゃない」って言われたんです。ーー仮設なんかじゃない。とても重い言葉です。もう、頭をガツンとやられるような、本当にショッキングな言葉でした。Upload By 発達ナビ編集部ーー子どもたちのためにと奔走するあまり、見えていないものがあったと。はい。その子が先生や友人と学びあった6年間は仮設なんかじゃなく、「本物」ですからね。人生に仮の時間なんてあってはならない。過去の震災に囚われ、未来の復興を見て、当時の私には子どもたちの今が見えていなかったんです。だから、「仮設」や「被災者」、「障害者」などもそうですが、一方的な決めつけではなく、目の前のその人と向き合って仕事をしたいと、強く思っています。ーーその経験が、今のインクルーシブ教育への想いにもつながっているんですね。能登地震でも学校を含め甚大な被害がありました。関係者の尽力で他校を間借りしたりして学校が再開されており、これからさまざまな面で復興が進んでいくことと思われます。何をもって本当の復興というかは本当に難しく、数字などで一律に「ここまでいったら復興!」と決められるものではなく、復興には一人ひとりの形があるのだと考えています。いずれにしても自分の力で立ち上がり、自らの幸せを掴んでいくことが、復興なのかなと考えています。それはまさにインクルーシブな学びにも通じて、それぞれの個性や特性を持ちながら、それぞれの学びや幸せを勝ち取っていくということのように思われます。東日本大震災でもコロナ禍でもさまざまな分断が生じましたが、そういった分断を乗り越えていけるような学びや対話の形を、これからも追い求めていきたいです。ーーインクルーシブ教育について文部科学省が示す方針については、どのように捉えられていますか?インクルーシブ教育を含め文部科学省が示す方向性は、基本的にはいつも正しいことを言っているなと感じます。でも、その正しいことを子どもたちや学校教育の現場において、真に正しいものにどのように落とし込んでいけるかが大事なことです。福島での経験を踏まえて、鎌倉で実践していきたいと、今はそう思っていますね。鎌倉は多彩な文化にも恵まれ、そして海や山という自然も近くにあり、学ぶ場としてとても豊かだと思っています。そして何より、多様な人がこの街を選んで、関わってくれている。まさに街としてもインクルーシブな環境の中で、鎌倉らしい教育の形をつくっていきたいです。Upload By 発達ナビ編集部その場所ならではのテーマやキーワードを見つけ、街の共感を得て推進するーーインクルーシブ教育の中でも、「鎌倉らしさ」について紐解いていければと思っています。鎌倉市が見据える未来について、教えてください。鎌倉では、世界に誇れる持続可能な町、そして共生社会を市民と共創するというビジョンを掲げています。 市民一人ひとりがお互いに尊重し合って、支え合って、自らが望む形で社会との関わりを持ち、生涯に渡って安心して自分らしく暮らしていくというものです。とてもインクルーシブな考え方を持ったビジョンだと思っています。ーー鎌倉市の教育が目指す方向と、重なる部分が大いにあると。はい。まずは自分自身を認め、そのうえで他者を尊重し、違いがあるからこそ学びがあると理解する。その上で、他者と協働しながら持続可能な共生社会の創り手へと育っていく。そんな視点に基づいているのが、鎌倉市の教育が目指す基本的な考え方です。鎌倉らしさで言うと、一つは「如意」という禅の言葉があります。Upload By 発達ナビ編集部ーー「如意」ですか。歴史ある鎌倉らしい言葉です。いわゆる如意棒の「如意」であり、意のまま、自由自在という禅の言葉です。自分の良さと可能性を認め、他者を価値ある存在として尊重し、目指したい方向を合わせながら進んでいく。自分だけでなく社会として自由自在で幸福であることを尊重する。Well-beingに通じる言葉だと思っており、教育で目指すべき姿であるなと感じています。ほかにも、この街らしさで言うと「鎌倉野菜」にもヒントがあるかなと。ーー「鎌倉野菜」はブランド化されて全国的に人気ですよね。山に囲まれた鎌倉の狭い土地であり、かつ多様なレストランからのオーダーを受けて、色とりどりの野菜が少量多品種で生産されています。七色畑とも呼ばれ、インクルーシブ教育が目指すべき姿も重なる、そんな風に思っています。弱みは強みに変わるし、活躍の場を通じてスタイルがつくられ包摂される、鎌倉の教育の姿にも取り入れていきたいなと。その土地ならではの教育の形、キーワードを見つけることは、関係者の目線も揃いやすく、大切なことかなと感じています。Upload By 発達ナビ編集部一方で、難しいのは、歴史ある鎌倉の資材を活用することのみに縛られてしまうと、発想としてプロダクトアウトなんですよね。教育においては、やはり子どもたちを起点としたマーケットインで考えていないと、意味のある形に落とし込めないと思います。やはり学習者中心の視点で考えなければならない。これは忘れてはいけないポイントの一つです。ーーなるほど。そんな鎌倉市の教育においての課題はどのあたりにありますか?どの教育委員会でも重要なテーマとして扱われていますが、学校に行くのがつらい子どもたちが増加しています。学校教育の構造も変わっていかなければなりません。子どもたちが学校にフィットしていない本質的な原因に目を向けながら、さまざまな方々と連携してプロジェクトを進めているところです。民間との協業に力を入れ、魅力的な人や資金のリソースを確保するーー不登校のお子さんに対する取り組みについて、具体的に教えてください。「かまくらULTLAプログラム」という取り組みをご紹介させていただきます。こちらは、不登校や学校に行くことがつらいと感じている子どもたちを対象にした、一人ひとりが学習の個性や特性に応じて自分らしく学んでいく方法を見つけていくことを目的とした探究プログラムです。鎌倉らしい森、お寺、海、テック企業などの地域特性を活かしながら、色んな分野のプロである大人たちと一緒に活動をします。海のプログラムでは、「タコから学ぶ生物多様性からの自己理解」をテーマに、漁師さんのお話を聞いたり、「気持ち悪いー!」とか言いながらもタコを触ったり、パエリアにして食べちゃったり、体験を通して学んでいきます。そうやって保護者の方がいないところで、1つの探究テーマを通して、自らの学習の特性を踏まえて学び方を自己調整しながら学んでいくプログラムです。Upload By 発達ナビ編集部ーー不登校の子どもたちにとって、非常に有意義な場をつくることができているんですね。森のプログラムでは、浄智寺の朝比奈住職の得意料理でもあるカレーをいただいたのですが、その上に鎌倉野菜の素揚げを乗せました。敏感な子も多く、「絶対食べられないよ」と言っていたのですが、ペロリと食べていましたね。「どうして食べられたの?」と聞いてみたら、見たことがない野菜だから挑戦してみたと話してくれました。他にも浄智寺の井戸水の飲み比べをしてみたり、五感を思う存分活用した伸び伸びとした学習に、鎌倉のエッセンスを加えて、独自のプログラムを展開しているんです。ーーお話を伺っているだけで、子どもたちの目が輝いている様子が浮かんでくるようです。本当にそうなんです。例えば工作や絵やダンスやプログラミングなど、子どもたちそれぞれに得意な表現方法があります。得意な学習スタイルで、自ら学びのハンドルを握り、自分らしく学びを掴み取っていくという方向に、教育が変わっていかなければならないのだと思っています。このプログラムは、それぞれの子供たちが学びに向き合っていくエネルギーを高めることができていると感じています。海のプログラムの終わりに「なりたい自分になれたよ!」って叫んでくれたお子さんもいて。大人たちも感動していましたね。ーーとても感動的なエピソードです。一方で、子どもたちが何が得意で、どんな個性を持っているか見えづらいという、学校現場の悩みもあるようです。そのために私たちは、アセスメントという形で学びの特性をできるだけ把握できるように努めています。話すのが得意なのか、聞くのが得意なのか、対人関係や関心分野、表現の特性までを可視化していきます。このデータは、もちろん本人や保護者の方にも共有して、ご家庭での理解にも役立てていただいています。子どもによってはあえて苦手な学び方にチャレンジしたりということも見られるようになってきました。学校ではLITALICO教育ソフトのプログラムも活用しながら、定点観測的に継続して積み上げていき、その後の学びと接続していけるように取り組んでいるところです。特別支援学級を中心に先生と活用してフィードバックを重ね、教育の現場でも役立っています。Upload By 発達ナビ編集部ーー「かまくらULTLAプログラム」での実践を経て、今後の展望を教えてください。手応えを感じているので、学びの多様化を進めるために、体験型のプログラムを軸とした新しい「学びの多様化学校(不登校特例校)」をつくる計画を進めています。1学年10人ほどを想定していまして、学校に行きづらさを感じている子どもたちの学習の進度や特性に合わせて、個別最適の学びが得られる場として令和7年の開校を目指しています。こうした施策を進めていくことで、従来の学校とも相互に刺激を与え合って、学びの選択肢を増やしていきます。通常の学校に通えない子の受け皿やセーフティネットにという言い方はあまりしたくなくて、自分らしく学べ、こういう場なら行ってみたいと思ってもらえるものにしていきたい。こうした取り組みを通して、今学びとつながれていない子どもたちの可能性にしていきたいと思っています。ーー民間との連携で言うと、ほかにはどのようなことをされていますか?「鎌倉スクールコラボファンド」という取り組みをしています。これは、プロジェクト型学習やプログラミング学習、デジタルを活用した個別最適な学びなど、学校が魅力的な企業や大学、NPO等とのコラボレーションを通して、社会に開かれた教育課程を実現していくために、クラウドファンディングで資金調達をするものです。Upload By 発達ナビ編集部寄付を個人や企業から募り、教育委員会でプールすることで、子どもたちの学びにとって必要な領域に、スピード感を持って柔軟に使っていくことができます。このようなアジャイルな資金の活用の仕方はやはり公費だけでは難しく、クラウドファンディングだからこそ実現できた形となります。第4弾となる今回の募集でもなんとか目標達成して調達できました。ーー他の市区町村にも横展開できるような、インクルーシブ教育の土台をつくるためにも活用できそうなモデルですね。そうですね。このスクールコラボファンドの取り組み自体も、他自治体にも広がりを見せています。もちろん私たちのノウハウも共有しますので、今後も全国の自治体に波及していってくれたら良いなと思います。私たちもさらに進化させていきたいと計画しているところです。Upload By 発達ナビ編集部ーーたくさんの視点をいただきありがとうございました。最後に、鎌倉市としてこれから大切にしていく、教育に対しての想いについて教えてください。これからの学校教育の現場には、子どもたちが自分で学びを選ぶという形が求められてくると思います。大人に一方的に教えてもらう教育ではなく、子どもたちが主体的に自ら掴み取っていく学びの環境をいかにデザインできるかが試されてくる。福島の復興で被災者自身が自分の力で立ち上がり、自ら多様な幸福を掴み取っていった時と同じように、子どもたちに一方的に与える学びでなく、多様な子どもたちを信じて委ねながら、共に学んで成長していきたい。そんなことを日々考えながら、鎌倉市のインクルーシブな学びのためにできることに力を尽くしたいと思います。インクルーシブ教育推進のために、まずは子ども以上に大人がワクワクしながら働けているか高橋さんは最後に、個別最適で協働的な学びとか、探究的な学びを教育で実現したいと言うのなら、それ以前に大人がワクワクと自分の仕事に向き合えているかが大切なのではないか、と話されていました。教育委員会自身、あるいは教育長自身が、そういう学びであったり、仕事の仕方をできてるかどうかを常に見直さなければいけないと、自分に言い聞かせているようです。言葉や枠組みが先行しがちなインクルーシブ教育の本質を突いた、示唆のある言葉だと感じました。Upload By 発達ナビ編集部引き続き、この連載では全国の教育リーダーズの話を取材し、皆さんにお伝えしていきます。インクルーシブ教育の取り組みを知ることで指針を集め、今まさに実践されている、実践しようとしている方のヒントになりますように。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2024年03月19日与えたパーランクー(小太鼓)でのエイサーごっこに飽きて、暴言が出るようになってきたUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろで、発達に特性があるタイプです。5歳になった孫サルルゥは、小学校入学を目前に控え、動きがますます激しく大きくなり、大声を出すようになってきました。3歳頃から始めた沖縄の小太鼓パーランクーは、一時は早朝から深夜まで叩き続けるほど夢中になっていたのに、急に見向きもしなくなりました。まるで卒業してしまったかのように、まったく関心を示さなくなったのです。でも私と夫ラクマは特に驚きませんでした。4人いる私たちの息子や娘も、夢中になっていたことを突然やめることが多かったからです。孫サルルゥは近所に住んでいるので、多いときは週に数回わが家に遊びにやってきました。孫サルルゥは活発なタイプですので、夫や息子たちをつかまえては、決闘ごっこや野球ごっこなど動きの大きな遊びをやりたがります。夫ラクマはフリーランスとして自宅で仕事をしているので、もっぱら彼がサルルゥの相手をしています。サルルゥに悪気はないのですが、夢中になるとよく勢いあまって、家具やラクマの腕などを叩いてしまいます。ラクマはペアレント・トレーニングなどを受けた経験があるので、サルルゥに近づいて、穏やかな声で彼を注意します。ふだん味方になることが多いラクマから注意を受けるとサルルゥは大声で「おじいちゃんのおうちこわす」と怒ります。ラクマは「お家を壊されると困るなぁ。お家壊すとサルルゥはおじいちゃん家に遊びに来られなくなるよ。おいしいおやつやごはんも食べられなくなるよ」と静かに諭していました。するとサルルゥは興奮おさまらない表情ながら、反発はやや控えめになりました。自らの体験をふりかえり、さらに大きな運動の機会を与えたいと考えるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ孫サルルゥと夫ラクマの、そのようなやりとりを見ながら、私は、小学校入学に向けて、サルルゥには新しい工夫が早急に必要だと感じていました。定期的に夫婦で通っている発達支援施設のトレーナーさんに相談しつつ、新しい方法を考えてみました。ヒントは私の幼少期にありました。私と孫サルルゥの特性には多くの共通点がありました。私自身も多動で身体をぶつけあう遊びが大好きだったのです。私が子どもの頃やりたかった習い事は、キックボクシング・プロレス・空手・カンフーでした。なかでも私の最大のアイドルは、カンフーで悪者をやっつける香港の映画スターでした。でも、私のまわりにいるきょうだいや友だちは、いっしょにカンフーごっこで遊んでくれる子がいませんでした。そのため、私は母にカンフーか空手の道場に通わせてほしいと、けんめいにお願いしました。ところが母は、ピアノや活け花、書道、剣道、算盤を習わせ、花模様のワンピースを着せたがりました。女の子らしく育ってほしいと願っていたようです。私は激しく失望し、母に反発しました。教育熱心な母は、私が反発するとなおさら厳しく接するようになりました。家庭内での無理解に加えて、学校では過剰適応の傾向があったため、二重のストレスから私はやがて不登校になっていきました。私の独特な好みや行動パターンは、周囲にまったく理解されず、問題行動と受け取られることがありました。もし私が子どもの頃、希望通りの運動をやらせてもらえれば、きっとストレス発散をすることができて、不登校は起こらなかっただろうと感じています。次女リスミーと話し合って空手道場に通うことにUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ孫サルルゥへの工夫として、どんなスポーツがいいのかと思いをめぐらしつつ、サルルゥの母親である次女リスミーの意見を聞いてみました。リスミーも、新しい工夫が必要だと感じていたようで「空手がいいかもしれない」と答えました。その頃はちょうど東京オリンピックで地元の選手が金メダルをとっており、子どもたちの間で空手道場に通うことが静かなブームになっていたようです。その後すぐにサルルゥは近所の空手道場に入門しました。私と夫ラクマは、道場までのサルルゥの送迎をかって出ました。習い始めたのはいいものの、空手の技で仲間を殴ったりしないか気になり、稽古の様子を観察したかったのです。結果として、サルルゥが乱暴をする心配はまったくありませんでした。空手道場では礼儀作法をしっかり指導してくれていたので、とても安心して見ていられました。サルルゥは、すっかり空手に夢中になりました。昇級試験を目指して稽古に励むようになり、家族の都合で稽古を休む時は悔しがって大泣きするほどでした。空手道場の稽古と礼儀指導で自信がつき、目に見えて落ち着くようにUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイサルルゥは実家にやってくると空手の型を披露するようになりました。まるで別人のように落ち着き、棒をふりまわすようなことはなくなりました。堂々とふるまうようになり、学校では落ち着いて授業を受け、学童クラブでももめごとは起こりませんでした。サルルゥは、この春から小学2年生に進級します。空手道場への送迎も必要がなくなりました。サルルゥの落ち着きぶりを見た私は、改めて、ぴたりとハマる工夫をすることの大切さを知りました。私は今年で還暦を迎えましたが、キックボクシングのジムに通うことを、ひそかに計画中です。夫ラクマは賛成してくれますが「キックボクシングのやりすぎ防止の工夫をしないとね」とアドバイスをしてくれます。私は小学生の頃、それまで苦手だった跳び箱を克服することに夢中になり、夏休みに朝から夕方までほぼ毎日練習。知らないうちに両方の手首を脱臼していました。脱臼に気づいたのは大人になった30年後。病院のレントゲン検査で分かりました。私の場合、習い事を始める前にケガ防止の工夫から入るのは、趣味を長く続けるためのよいアイディアかもしれませんね。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:井上先生より)空手やスポーツに限らず、本人の興味関心に合った習い事やそれができる環境は大切なものだと思います。ワッシーナさんが書いておられるように、お子さんのタイプによってはのめりこみすぎて身体を壊してしまう、ほかのことを全くしなくなってしまうなどの心配はあるかもしれませんが、始める前にお約束をしたり、対策を考えておくのは良いですね。活動に加えて、指導者の存在も大きな影響を与えます。叱責が多く力で抑え込むような指導者は合わないことが多く、その活動も嫌いになってしまうかもしれません。活動は好きだけど指導が合わず、協力体制が取れない場合は親も子も疲れ切ってしまうので、早めに別の指導者を探すなどの決断をしていくことも大切です。また、実際に活動してみると本人が思っていたことと違っていたり、その活動が本人の特性に合わないこともあります。その場合どこまで頑張るかは柔軟な判断が必要になってくると思います。最近ではインターネットでの習い事もあるので、チャレンジの幅が広がっているのではないでしょうか。前の記事はこちら
2024年03月17日成長に涙……だけじゃない⁉卒園式の練習を嫌がる、本番でやってしまった!不登校だけど卒業式はどうする?発達に特性がある子どもたちの卒園、卒業式卒園式、卒業式シーズンですね!お子さんの成長に涙、涙だったという方もいれば、式自体に出席するべきか、出席したとしても最後まで参加できるかなど悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。今回は、連載ライター陣などから寄せられた卒園式、卒業式にまつわるエピソードをまとめてご紹介します。発達に特性があるお子さんの卒園、卒業式はお悩みは多いと思いますが、お子さんの予想以上の成長にびっくりする場面もあったようです。卒園式の練習が嫌な理由は?行事が苦手な息子、卒園式大丈夫?発達障害の疑いがあるモンズースーさんの息子さん。卒園式の練習を毎回逃げ出していたのですが、そこには彼なりの理由がありました。行事の練習がとても苦手なADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)のむっくん。行事の練習は不参加で本番にだけ参加するスタイルを貫いてきました。そんなむっくんの卒園式、むっくんの行動の理由を知って……。小学校、中学、高校の卒業式は?大のおっちょこちょいなADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)のリュウ太くん。小学校の卒業式で、“珍事件”が起こりました!「卒業生入場!」ハラハラしながら見守る中、まわりより小さな体のシュウママさんの長男が入場しました。その雄姿に特別支援学校で過ごした6年間を思い出を重なり感動の涙です。中学1年で不登校になった多原さんの娘さん。卒業が近くなり、卒業アルバム、卒業式をどうするか決めなければいけなくなり……。小学校でも中学校でも卒業式で涙を見せたことがなかった荒木さんの娘さんが、高校の卒業式では大号泣。その理由は……。さいごに発達に特性があるお子さんの卒園、卒業式は十人十色。参加できてもできなくても、お子さんは自分のペースで少しずつ成長しているものです。いい思い出になることを願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月15日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。勿体ないと思うこと。宮藤官九郎の連続ドラマは、視聴者の評価が高まれば高まるほど、完結に向けて視聴者の輪が閉じる。もちろん作り手としてそんなことは決して意図していないはずだが、緻密な構成が知られているために、未見の視聴者の間に「後から見てもちゃんと分からないでしょ」という空気が醸成されてしまう。面白いと言えば言うほど輪が広がらないもどかしさはファンにもあるが、何より一番もどかしいのは作り手だろう。『不適切にもほどがある!』7話はそんなもどかしさと、視聴者にとっての面白さとは何かについて深く考えさせられる回だった。小川市郎(阿部サダヲ)は昭和の中学の体育教師。『地獄のオガワ』というあだ名の通り、デリカシーも配慮もないが、情に厚い男である。妻とは早くに死に別れ、娘の純子(河合優実)と二人で暮らしている。その小川が偶然、令和にタイムスリップしてしまい、その明快かつ大胆な言動が意外と有り難がられてテレビ局のアドバイザーに。しかし、令和で知り合った犬島渚(仲里依紗)が純子の娘、つまり自身の孫だと知り、更に小川は9年後に自分と純子が阪神大震災で死ぬことを知ってしまう。その事実を純子に言えないまま、小川は純子を令和に連れてきて渚と純子の夫・ゆずる(古田新太)に会わせる。小川の中でも、知ってしまった娘の寿命をどう捉えたらいいのか答えはまだ出ない。一方、令和から昭和へやってきた、向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)はマイペースに昭和での生活を楽しんでいる。キヨシは不登校の同級生、佐高(榎本司)とラジオを通した縁でようやく会えるようになっていた。先週に引き続き、小川は大御所とオワコンの境界線上のベテラン脚本家・エモケン(池田成志)の、新作ドラマの立ち上げに絡んでいる。始まる前から制作側が前評判に神経を尖らせる様子は、いかにも令和のドラマの現場という感じである。SNSでリアルタイムにドラマの感想をポストする人々に対する小川の「そいつら見てねえな!」というツッコミや、「大事なお客さんだし。この人達の承認欲求はここで満たされてるわけですから」という羽村由喜(ファーストサマーウイカ)のセリフが、非常に耳が痛い。SNSと切っても切り離せぬ令和のテレビ制作・視聴を描くこのエピソードで、とりわけ印象深かったのは、純子をデートに連れ出したナオキ(岡田将生)が淡々と語った『好きなドラマ』の評価だった。「ぼく、ドラマって全部通して見たことないんですよね。たまたまテレビつけたらやってて。6話とか7話だけ見て。その回が好きならぼくにとってそれは、好きなドラマです」おそらく今この国で一番巧妙に伏線を張り、ストーリーの美しい多面体を構築する脚本家・宮藤官九郎が書き上げたこのセリフ、複雑な余韻の言葉を噛みしめてみる。本来は一つのフィクションを楽しむのに、初回から画面の隅から隅まで注視してSNSで語りあう楽しみ方も、あるいは言葉として語らず胸の中で噛みしめる楽しみ方も、ナオキのような偶然の断片的な楽しみ方も、正誤も上下もないはずである。楽しみ方に『べき』はない、好きに見てくれればいいというなんとも風通しのいい、力の抜けたセリフ。同時に、どこから入ってもらっても構わないという意味で、プロとしての矜持を感じさせる言葉でもあった。今後、テレビで放送されるドラマがどんな流行を辿るかはともかく、当面はSNSで多くの人々が感想を共有しあう流れは変わらないだろうし、作り手もそれを前提にしてドラマ制作やプロモーションをすることになるのだろう。まるでクドカン本人が来し方行く末を棚卸したかのような今回のエピソードを見て、ドラマのファンとしては語る言葉の有無に関係なく、作品を好きだと思う純度は大切にしたいと思うのだった。そして、この20年、毀誉褒貶(きよほうへん)と視聴率の容赦ない荒波をもがきながら泳ぎ続けるクドカンという脚本家が、やっぱり好きだと思った。令和で純子とナオキは何を見つけに行ったのか、不登校が結んだ少年二人の縁はどこに着地するのか、昭和で始まってしまいそうなサカエの恋愛はどうなるのか、そして知ってしまった娘の寿命を小川はどう見届けるのか。伏線を回収してほしいというより、笑顔と希望のあるラストだといいなと願う。さて、次回はここまでどんなシリアスな展開にも、その天真爛漫さで我々視聴者の笑いの癒し枠だったムッチ先輩がついに令和に降り立つ。その無垢さゆえに、小川市郎以上に危険な不適切の嵐が吹き荒れるかもしれない。楽しみで仕方がない。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年03月12日小学3年生の3学期、突然学校を行き渋るようになった息子息子が学校に行きづらくなってしまったのは、小学3年生の3学期。いつものように集団登校で出発したはずが、突然家に帰ってきてしまいました。私は、行き渋る息子を学校に半ば強引に連れて行き、校門で先生へ受け渡す日々。そんなある夜、息子が「先生がこわいから学校に行きたくない」と告白してくれました。Upload By 花森はな小4の春休み、初めて児童精神科を受診幸い3学期ということもあり、残りの期間は無理をせず何とか登校。春休みに児童精神科を受診してみることにしました。この時は息子に自閉スペクトラム症があることは分かりませんでした。医師から「不安を取り除くお薬を処方しますね」と言われ、「新学期からは学校に行けると思いますよ」とのことでした。私は「本当に行けるようになるのかなぁ?」と不安に思いつつ、息子の投薬生活が始まりました。Upload By 花森はないざ新学期になってみると……行けない。行けませんでした。学校では泣いて暴れて、手がつけられず。それまで反抗的な言動も特になく、クラスメイトと同じように教室で勉強をして、友達と楽しく遊んでいた息子とはまるで別人のようでした。そして、薬の副作用で朝起きられなくなり、ますます息子は学校へ行きづらくなりました。そもそも息子の心はギリギリ状態で新学期のストレスが大きすぎたのか、ほかにもいろいろな要因が絡み合っていたのか……当時の私は、一人で悩みを抱えこむことしかできませんでした。Upload By 花森はな小6でコロナ禍の一斉休校。学校にも、外にも行けなくなってしまったその後、息子は特別支援学級に転籍し、4年生の間は私が付き添いをして何とか登校。5年生になると、送迎は必須であるものの何とか一人で学校にいられるようになりました。しかし新型コロナウイルス流行による一斉休校をきっかけに、6年生から本格的な不登校に突入。とうとう外へ出ることもできなくなってしまいました。その後、息子は中1で自閉スペクトラム症と診断され、強度行動障害も判定されました。中学3年生になった現在は現在の息子は、特別支援学校の中等部3年生に籍を置いていますが、学校に通えるのは年に数回だけ。それでも、前を向いて通信制高校にチャレンジしようとしています。不登校や行き渋りをきっかけに、子どもの抱える困難さや特性に気づくこともあると思います。私ももっと早くに気づくべきでした。たくさんの後悔があります。それでも、不登校になったことで、濃密な親子の時間を過ごすことができたと思っているし、子どもたちとの仲も以前よりずっと深まった気がしています。そういったことをこれから書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!Upload By 花森はな執筆/花森はな(監修:初川先生より)初回のコラム(息子くんについての不登校の経過紹介)をありがとうございます。小学3年生で不登校になった際の学校側の環境調整はどうされたのかなとか、はなさんお一人で抱えることとなったと書かれていますが、そのあたり相談できる人がいなかったのはとても大変だったことと思います。そして息子くん本人が「怖くて行きたくない」と言っている中で、薬で不安を下げて登校させるアプローチを提案されたのは、はなさんからするとなかなか悩ましかったのではなかろうかなど感じます。どうにか登校が安定しつつあった小4、5を経て、コロナ禍……。そして中学校生活。「元気な不登校やっています」に至るまでさまざまなことがあったとお察しします。これからのコラムでこのあたりのいろいろも語られてゆくのかなというところで、今後のコラムを楽しみにしています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月10日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくんは、4月に入学してからすぐに登校しぶりが始まります。以前から常同行動や強いこだわりなどがあったものの、発達検査を受けても特に診断名はつきませんでした。2学期になると登校しぶりはますますひどくなり、大学病院の心理発達科を受診。医師に悩みを相談しましたが、親の気持ちを理解してもらえず、つらい気持ちになってしまったねこじまさん。小学校の先生からスクールカウンセラーに相談することをすすめられ、まっちくんと一緒にカウンセリングを受けることに。しかし、カウンセラーの先生が一生懸命いろいろ考えてくれたものの、まっちくんが受け入れられるような方法を見つけ出すことはできませんでした。そんな中、先生が給食を食べてから帰ることを半ば強引に提案。嫌がるまっちくんでしたが、無理やり教室へ連れていかれ、給食を食べることになってしまいました。 ねこじまさんは、なかなか心を開けないまっちくんの性格を知っているからこそ、先生の「みんなやさしそうなクラスだから、慣れたら大丈夫」という言葉に違和感を覚えます。 2週間後、ねこじまさんだけのカウンセリングの日がやってきて……。 先生の行動はありがたいけれど… まっちくんは周囲から見ると、「何が大変なの?」と思われることが多く、気づかれにくいのが特徴だったそうです。だからこそ、「『みんなよくあることだよ』と言われることが本当に多かった」と振り返るねこじまさん。 カウンセラーの先生は、まっちくんと仲良くなるために試行錯誤してくれたそうですが、まっちくんが心を開く様子はありません。その結果、先生はお手上げ状態になってしまったのか、ねこじまさんに教育センターの不登校専門窓口を紹介しました。 人の心は無理に開けられるものではありません。子どもだからといって、一般的な方法で心を開いてくれるとは限りませんね。ねこじまさんは教育センターの不登校専門窓口への相談を新たな希望の光と捉え、まっちくんが自分らしくいられる場所を見つけるための一歩を踏み出したのでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2024年03月08日「心が元気やなかったら、体も元気になれへん」 この投稿をInstagramで見る くわばたりえ(@kuwabatarie)がシェアした投稿 中学生の長男、小学生の次男、長女を育てているくわばたりえさん。キッチンで1人おしゃべりしながら夕飯を作る動画は、多くのお母さんたちを勇気づける人気コンテンツです。2月下旬に公開した動画では、15年使っていたお鍋を空焚きでダメにしてしまい、新しくル・クルーゼの大きなビタミンカラーの鍋を夫にプレゼントしてもらったと明かし、夕飯用のカレーを作りながらおしゃべりを繰り広げました。手際よく下準備をしながらくわばたさんが話しはじめたのは、「不登校の子って今、多いでしょ?」という話題。最近、フリースクールの雑誌の取材を受けたことが、「学校って絶対行かなあかんのかな?行けへんより行った方がいいねんけど、行くのが辛くなるときにどうしたらいいかっていうのを、(今は自分の子どもが学校に行けているとしても)今のうちから考えておくっていうのがまず1つあっていいんかなと思ったのよね、親の心構えとして」と考えるきっかけになったといいます。学校ではなくフリースクールに行くのも良いといい、「だってさ、大人もいろいろあるけど、子どももいろいろあると思うで」と、くわばたさん。最近の子どもたちの環境は「うちらの子どものときと違うもん。そもそも携帯とかスマホがなかったから、スマホがある時代とない時代でなにが違うって、LINEのやりとりの中の問題があったりするわけやん」と、スマホは非常に便利なツールではあるものの、トラブルにもなりやすいと話します。「うちらだってよくママ友のグループLINEでこんなんあんなんあるわけだから、子どもだってあるよね」との意見には、たしかに!と納得させられますね。くわばたさんとしては、まだスマホがなかった時代の「陰口」のほうがマシだと思うといい、「30人ぐらいのグループLINEがあったとして、私がいじめられたら、みんなグループから出ていくやん。私ひとりぼっち。それで別で新しくLINEグループ作られてる、そんなんめっちゃ嫌やん」。また、その場で終わる陰口と違ってLINEのやりとりは文字で残るため、後から仲良しグループがこじれた場合「こんなこと書いてあったよ」と画面を転送されてしまうケースがあるとし、「便利だけど、便利だからこそのいろいろ(悪い面)が出てくるんや」と危惧していました。くわばたさん自身、お子さんのサッカーチームの役員をしていて、「たいしたことないことやったらLINEだけど、文字に残したくないからって電話してくる人おるもん」「なんでそんなこと言ってくるかっていったら、今までそういうことで大変な目にあったことがあるんでしょうね。だからもう文字に残しませんっていうことやろうね。だから昔に比べていろんなことが変わったと思う」と、経験を明かしました。さらに最近、くわばたさんのもとに学生さんから「学校に行きたいけれど、心が追い付かなくて行けないんです。どうしたらいいですか?」という相談が寄せられたそうで、「行きたいのに行けないんだったらフリースクールに行ってみたらって。今だったら三学期の間はフリースクール行って、4月から学校行ってもいいし、無理だったらもう行かんでもいいし。ほんまにしんどいときは、なにもせんでええんやろうな、ほんまに」と、温かく包み込むように語りかけていました。「私もなんかいろんなこと悩んでてな、もうほんましんどい、頭がしんどいってなると体調まで悪くなってくるからな。心が元気やったら体も元気になんのよ。だから、心が元気やなかったら、体も元気になれへんってこと」という言葉にも、納得です。心と体の問題は密接なもの。親としても日々の生活でいっぱいになってしまうときはありますが、いつ子どもからのSOSがあっても受け止められるよう、心構えをしておきたいですね。
2024年03月08日ねこじまさんの長男・まっちくんが小学1年生のときのお話です。入学式のときから「早く帰りたい」と連呼していたまっちくんは、4月に入学してからすぐに登校しぶりが始まりました。以前から常同行動や強いこだわりなどがあり、集団の中で順番や列を覚えるのが苦手だったまっちくん。発達検査を受けても、特に診断名はつきませんでした。しかし2学期になって、登校しぶりはますますひどくなります。大学病院の心理発達科を受診して医師に悩みを相談しましたが、親の気持ちを理解してもらえず、ねこじまさんはつらい気持ちになってしまいました。まっちくんの登校しぶりで予定通りに事が運ばない日が続いたある日、ねこじまさんの怒りが爆発。小学校の先生は、スクールカウンセラーに相談することをすすめてくれました。 まずは、ねこじまさんだけでカウンセラーの先生に話を聞いてもらったものの、具体的に何をしたらいいのかを教えてほしかったねこじまさんは、モヤモヤした気持ちを抱えたままになってしまいました。 そして翌週、まっちくんと一緒にカウンセリングを受けてみると……。 学校には、僕の好きなものがない まっちくんのことを知りたい先生は、立て続けにいろいろと質問をしてくれますが、警戒心が強いまっちくんはずっと薄い反応でした。しかし、「今好きなものや好きなことを教えて」という質問には、生き生きと話し始めるまっちくん。ただ、この好きなことすべてが、学校にはありません。まっちくんにとって、学校は好きなことができない場所だったのです。 先生は一生懸命いろいろ考えてくれたのですが、まっちくんが受け入れられるような方法を見つけ出すことはできませんでした。 ねこじまさんは、このときのことを「先生が考えるほど、歩み寄ろうとするほど、長男の気持ちは引いていってしまう、そんな印象でした」と振り返ります。 大人や子ども関係なく、相手の心を開き、わかり合うことは難しいものですよね。警戒心が強めのまっちくんにとって、先生に歩み寄られること自体がプレッシャーになってしまったのかもしれません。 まっちくんの気持ちにねこじまさんが寄り添い、一緒に解決策を探すことで、新たな希望の光を見つけ出すきっかけにたどり着けるといいですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター ねこじまいもみ
2024年03月05日アイジーエー株式会社(所在地:東京都江東区)の代表取締役を務める心の専門家、佐藤康行の最新刊『しんどい月曜の朝がラクになる本』(サンマーク出版)が、2月23日(金)の発売後、好調な売れ行きによりたちまち重版となることが決定しました。本書では、多くの人が感じる月曜日の憂うつを和らげ、一週間を前向きにスタートさせるためのヒントと実践的アドバイスを提供しています。《ネット書店》・Amazon販売ページ: ・楽天販売ページ : 新刊『しんどい月曜の朝がラクになる本』(サンマーク出版)本書を読むことで、憂うつな気分で月曜の朝を迎えている多くの方に、素晴らしい改善策となる「美点発見(R)」人間関係メソッドをマスターいただけます。この「美点発見(R)」を実際にやってみるだけで月曜の朝の気分が一変し、継続することで、人間関係だけでなく日ごろ目にしているすべての風景までもがキラキラと輝いて見えてきます。そして結果的にすべての曜日を楽しみに迎えることができ、毎日が幸せと喜びに満ち溢れるようになります。つまり、月曜の朝がラクになることは、誰もが思う以上に、人生に大きな影響を及ぼすということです。■個人から企業まで「美点発見(R)」人間関係メソッドで激変した実例多数「美点発見(R)」人間関係メソッドによって、ある小学校のクラスではいじめや不登校が解消されました。ある女子生徒は自殺を思いとどまり、現象面がみるみる変化しました。愛知県でスポーツクラブを運営するある企業は、コロナ禍でも、利益が過去最高益となる快挙を達成しました。ANA(全日空)では、この「美点発見(R)」人間関係メソッドを、全43,000人を対象とした社員研修に導入し、驚くべき組織の活性化が進んでいます。そのような実例を多数掲載しています。■内容紹介・職場や学校、いじめや不登校の問題まですべて解決・ANAグループに起きた「大変化」・部下を変えない、変わるのはリーダー・美点発見(R)で人間関係に奇跡が起きる・自分の中にある宝物を見つける・イヤな過去も変えて、今を生きる・好かれるより先に相手を好きになる・常識を超えた人生変革法・これで月曜の朝がラクになる etc.■書籍情報書名 :しんどい月曜の朝がラクになる本著者 :佐藤康行発売日:2024年2月23日(金)定価 :1,760円(本体1,600円+税)単行本:192ページ発行 :サンマーク出版ISBN :978-4763141095■佐藤康行プロフィール1951年、北海道美唄市生まれ。1980年、「ステーキのくいしんぼ」を創業。「世界初の立ち食いステーキ」を考案し、8年で年商50億円(70店舗)を達成した。その後、経営権を譲渡、1991年に「心の学校」を創立。約30年にわたり「本当の自分=真我」に目覚めることを伝え続け、これまでグループ全体で52万人以上の人生を劇的に好転させてきた。2014年、JR東京駅前に「YSこころのクリニック」を開院、うつ病治療では90日以内の寛解率が90%以上という成果を上げている(現在は門前仲町に移転)。研修指導はノーベル賞候補となった科学者や有名な医師、大企業の経営者、社員教育など幅広く、ANA(全日空)ではグループ全社員43,000人を対象に研修が行われている。国会議員など政治家からの信頼も厚く、文部科学大臣を輩出。政府からの依頼を受け、ひきこもり問題解消で大きな成果を上げた。また公立小学校のいじめ・不登校児問題も、多くの事例を解決に導いた。著書は『満月の法則』(サンマーク出版)、『仕事で心が折れそうになったら読む本』(PHP研究所)、『太陽の法則』(KADOKAWA)など多数あり、累計発行部数は250万部に及ぶ。■会社概要商号 : アイジーエー株式会社(IGA Inc.)通称 : 心の学校・アイジーエー本社所在地: 〒135-0033 東京都江東区深川1丁目5-5 佐藤康行 真我ビルWebサイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月05日小1から行き渋り、小3で母子登校できるようになったけど現在小学6年生のわが家の長女『姉子』は、小学2年生の時にASD(自閉スペクトラム症)と母子分離不安と診断され、小学4年生の時に知的ボーダー、場面緘黙と医師から言われています。姉子は、赤ちゃんの頃から繊細なところはあったものの、幼稚園の時は楽しく園生活を送っていました。しかし、小学校へ入学するとすぐに、登校前に泣き出したり、腹痛や頭痛を訴えたりして、行き渋りをするように。そして、1年生の時の個人懇談で担任の先生から発達検査を受けることをすすめられ、すぐに発達支援センターへ相談に行き、2年生になってすぐWISCを受けました。結果はかなり凸凹があり、これまで相当しんどい思いをしてきたことが分かりました。でも、検査を受けたことで姉子の特性や困り事を知ることができたので、「上手にサポートできれば学校生活も楽しめるかもしれない」と、前向きにとらえていたところで、まさかの転勤。さらにコロナ禍で環境が大きく変わったことにより、転校先で姉子はまた行き渋るように……。転校先の学校では、別室登校や母子登校など姉子のペースでスモールステップを繰り返し、学校にいる時にも少しずつ笑顔が見えるようになってきました。しかし……。登校できるようになってきた矢先の転勤、転校姉子が3年生になり、転校先の学校にもやっと慣れてきたところで、またしても転勤!霧の中でなんとか小さな光を見出して進んでいた道の前に、まるで高い壁ができたような気分でした。当然と言えば当然ですが、姉子の心はスタートラインに戻ってしまいました。前の学校の時と同じように母子登校でスモールステップで……とやってみましたが、そう簡単には行かず、また家にこもるようになりました。そこで、私から姉子への登校刺激やアプローチを一旦全部ストップしてみました。学校には行かないけれど先生方や相談機関とは密に繋がり続けて、相談先はしっかり確保することを意識しました。学校の支援に関する情報は集めておいて、いつでも動ける状態を保ちつつ、「お母さんと一緒に好きなことをしようよ」という生活に変えてみることにしたのです。Upload By スパ山「お母さんと好きなことをしようよ」という生活にしてみると一緒にゲームをしたり、お菓子づくりをしたり、おしゃれなカフェに行ったり。そして、頃合いを見て、学校行事のお便りをさりげなく貼っておくなどして時々ほんの少~し匂わせていきました……(笑)。すると、姉子が給食の献立を見て「え~、おいしそう」と話したのです。学校について姉子から触れてくれたことに飛び上がるほどうれしかったのですが、そこは落ち着いて「ほんとだね~おいしそうだね~」とだけ答えました。姉子が完全に学校を拒否してるのではないと分かって私は安心しました。Upload By スパ山大きなきっかけは、弟の特別支援学級への入学その年の秋頃、ASD(自閉スペクトラム症)がある弟が新1年生として、姉子と同じ小学校の特別支援学級へ入学することが決まりました。そして、入学前に弟と私で特別支援学級を見学しに行くことになりました。しかし、当日、夫の仕事の都合がつかず、姉子とまだ小さい次女と2人だけで留守番をさせるのも心配だったので、結局姉子も次女も一緒に連れて行くことに。放課後の誰もいない時間に、私と子どもたち3人で見学に行きました。姉子にとっては数ヶ月ぶりの学校です。どうなるかとハラハラしていたら、「ここが靴箱だよ」「廊下は走らないんだよ」と弟と妹に教えてあげるなど、お姉さん風を吹かせ始めたのです。拍子抜けしてひっくり返りそうでした(笑)。特別支援学級の先生方もとても優しく、私たちが安心して見学できるように細やかな配慮をしてくださいました。最初は少し不安そうにしていた姉子ですが、帰る頃には先生とすっかり仲良くなって「また遊びに来てね」と言われ「うん!」と答えていました。その光景を見た時に、「姉子も特別支援学級の教室ならもしかして通えるのでは……?」と私は思ったのでした。Upload By スパ山不登校の娘、特別支援学級への転籍に向けて。母、動きます!私は、学校をお休みしていた間にもしっかり繋がっておいた相談機関に行き、見通しが立たないことを不安がる姉子に、しっかり伝えられるように特別支援学級の情報を集めました。学校にも相談に行き、特別支援学級への転籍について話し合いました。そして、弟の2回目の特別支援学級見学の時、姉子に「また一緒に行く?」と聞いてみたら、「うん!」と笑顔つきで返事が返ってきたのです。そこで、慎重に慎重を重ねてゆっくりと、明るい雰囲気を保ちつつ、希望すれば特別支援学級に姉子も弟と一緒に通うこともできると話しました。姉子の反応は「へ~」という感じでしたが、表情は明るかったです。Upload By スパ山小4への進級目前、娘が登校の意思を。そして、特別支援学級へと転籍弟の入学式の少し前、姉子が急に登校の意志を示しました。驚いた私は思わず「へ!?どこに!?」と聞いてしまいましたが、姉子は「○○学級(特別支援学級)に」とにっこりして答えてくれました。こうして、4年生に進級すると同時に姉子は特別支援学級へ転籍することになりました。霧がかかって壁に阻まれていた道がまた見えたようでした。そこからは以前培ったスモールステップで、焦らず諦めずゆっくりゆっくり、2年の母子登校を経ながら学校生活を取り戻していきました。Upload By スパ山6年生になった今は6年生になった現在は、母子分離不安の症状も落ち着いて、私がいなくてもほとんどの時間を特別支援学級の教室で過ごしています。また、通常学級へ交流に行ったり、調子の良い時は、3年生になった弟と1年生の妹と一緒に3人で下校したりすることもあります。委員会やクラブ活動に参加したり、下級生の面倒をみたりしているそうで、その成長っぷりに私は驚かされています。姉子のおかげで、私もたくさんの発見と学びがあり、めちゃくちゃ反省もしました……。姉子が疲れているときは「休もうよ、大丈夫だよ」と、必要以上の不安を感じることなくどっしり構えることができるようにもなりました。もしまた進む道が見えなくなっても、壁がドーンと現れたとしても、「想定内だ」と、心づもりしておき、いつでも子どもたちをサポートできるように見守っていきたいと思っています。執筆/スパ山(監修:藤井先生より)スパ山さんがお子さん3人を育てながら、転勤を繰り返し、試行錯誤されていた様子が伝わってきました。不登校のお子さんにどのように接したら良いか分からない、という方への希望のメッセージですね。読ませていただき、ありがとうございます。今では特別支援学級に行くことができるようなった姉子さんは、スパ山さんの母子登校2年のサポートがあり、弟さんの入学などをきっかけに、学校は行っても大丈夫かもという安心に繋がっていたのだと思います。これからまた環境の変化があるかとは思いますが、休んでも大丈夫だった今回の経験が、これからの姉子さんの成長を支えていくものになると思いました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月04日「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]にて2024年3月5日(火)~3月10日(日)まで開催Upload By 発達ナビニュース年齢や障害の有無、国籍に関わらず、さまざまな体験が楽しめる展示企画「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」が、渋谷区にあるシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]にて2024年3月5日(火)~3月10日(日)の期間で開催されます。1970年代のオランダにて、重度の知的障害がある方のレクリエーションとして始まった「スヌーズレン」。スヌーズレンとは、オランダ語の「くんくん匂いをかぐ」と「うとうとする」という2つの言葉をあわせた造語で、障害がある人ができるだけ感じ取りやすく、リラックスできるように、光や音楽、感触や食感、そして、さまざま香りを体験できる素材を揃えた環境で行われる取り組みです。今回の展示企画では、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感に、前庭覚・固有受容覚を加えた7つの感覚を楽しめる3つのラボがオープン。デジタルテクノロジーを活用した「センサリーラボ」には、ハイハイ前の赤ちゃんや重度障害がある子どもも楽しめるブランコや、幻想的で優しい光や色、音などで構成されたコーナーなどが設置されます。身体や感覚器を使う「イマーシブラボ」は、身体機能に関わらず誰もが楽しめることをめざす体験型コンテンツです。ホッとひと息できる「アレコレアジワウラボ」では、おいしいコーヒーや紅茶、みんなで一緒に食べられるインクルーシブスイーツも登場!障害やさまざまな特性がある方がカフェでのサービスを担います。障害がある人もない人も、大人も子どもも楽しめる本展示企画。感情を豊かに表現し、言葉に頼らない“感じるコミュニケーション”を体験することで、互いに理解し合うインクルーシブな環境づくりを考えるきっかけとなるのではないでしょうか。会期中、関連イベントとして3月6日(水)、7日(木)にワークショップ「香りで探す“私”の感情」が、3月8日(金)にはトークイベント「もっとインクルーシブに遊び・育ち・はたらく」も企画されています。<詳細>会期:2024年3月5日(火)~3月10日(日)会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](東京都渋谷区宇田川町3-1 渋谷東武ホテルB2F)開館時間:13:00~19:00 ※ファミリータイム11:00~13:00入場料:無料※クリックすると、発達ナビのWebサイトから「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」のページに遷移します。障害のある作家を対象とした国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024」開催中。3月15日(金)までエントリー受付中Upload By 発達ナビニュースアートを起点に新たな価値や文化の創造を目指す福祉実験カンパニーの株式会社ヘラルボニーが、障害のある作家を対象とした国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024(ヘラルボニー・アート・プライズ)」を新たに創設し、2024年1月31日(水)〜3月15日(金)の期間にてアワードへの公募を受け付けています。才能ある多くの作家たちのキャリアの芽生えに貢献する芸術賞として創設された「HERALBONY Art Prize 2024」。本アワードの審査員には、金沢21世紀美術館のチーフ・キュレーターの黒澤浩美さんをはじめ、東京藝術大学長の日比野克彦先生など、国内外から文化・芸術分野の専門家を迎え、その視点から異彩を放つ作家を新たに見出していきます。そして、作家たちのさらなる活躍を後押しし、その才能を広く発信していくことを目的とされています。アワードへの応募期間は2024年1月31日~3月15日(金)までとし、特設サイトからエントリーが可能です。4月中旬に1次審査(画像審査)で通過作品が選出され、その後の2次審査(現物審査)にてグランプリと企業賞が選出されます。そして、8月上旬には受賞者及びファイナリストの作品が一堂に集結する展覧会や授賞式などの関連イベントの開催が予定されています。作家を志望される方はこの機会にチャレンジを、独創的な応募作品たちを直接目で見て、体感したい方は8月の展覧会へ足を運んでみてはいかがでしょうか。■応募要項応募対象者1. 国内外で活躍を志望する、障害(※)のある作家※障害者手帳をお持ちの方2. 作家本人または所属団体等による応募申し込みが可能です。(1)作家本人(2)親権者(作家が未成年の場合)(3)親族・保護者(4)後見人(5)作家が所属する福祉施設その他団体3. 国籍・年齢・性別及びプロフェッショナル・アマチュアを問いません。応募期間:2024年1月31日(水)~3月15日(金)まで応募方法:公式Webサイト上の専用応募フォームにて■展覧会概要受賞者及びファイナリストの作品を展示予定会期:2024年8月10日(土)~ 9月22日(日)会場:三井住友銀行東館1F アース・ガーデン(東京都千代田区丸の内1-3-2)主催:株式会社ヘラルボニー応募および詳細は特設Webサイトをご参照ください※クリックすると、発達ナビのサイトから『HERALBONY Art Prize 2024 』のWebサイトに遷移します。3月21日は世界ダウン症の日!2024年のポスターテーマは「 思いこみを想いなおそう。 」Upload By 発達ナビニュース3月21日は「世界ダウン症の日」として2011年に国連で制定されました。翌年の2012年3⽉21⽇から「世界ダウン症の⽇」に向けてダウン症のある⼈たちがその⼈らしく、安⼼して暮らしていけるよう、世界各地で啓発イベントが毎年行われています。公益財団法人日本ダウン症協会(JDS)では、世界ダウン症の日がある3月を「ダウン症啓発月間」とし、情報発信や啓発に取り組んでいます。その活動のひとつとして、2013年から毎年啓発ポスターを制作。趣味や仕事、さまざまなことに取り組むダウン症のある人たち、赤ちゃんから大人までいきいきとした表情を捉えた写真が中心のポスターとなっています。2024年のポスターテーマは、「 思いこみを想いなおそう。 」。思いこみや先入観は、誰かを傷つけてしまうだけでなく、繋がり合うことや自分自身の可能性すら閉ざしてしまうことも。何かを決めつけてしまう前に、そこにいる人を想うこと、そして、豊かな個性の先にある「わくわくする可能性」を想ってみようというメッセージが込められています。2024年のポスターモデルは、長野県伊那養護学校高等部に通う3年生の清水一哉さん。ボッチャの試合で活躍する清水さんの、いきいきとした姿が映し出されています。そして、モデルの撮影をしたのは、ダウン症がある写真家、川田たいしさん。1996年に働く障害者フォトコンテストへ出品した「頑張って」が特別賞を受賞。その後、数々の賞を受賞し、展覧会も多数開催しています。JDSでは、啓発活動としてこのポスターを無料で全国へ配布し、掲示をお願いしています。このポスターをあなたの学校や会社、地域の掲示板などに貼ることで、ダウン症について知るきっかけが広がっていくのではないでしょうか。※クリックすると、発達ナビのサイトから「世界ダウン症の日2024啓発ポスター」のページに遷移します。才能あふれる若きピアニストたちが出演!パラアーティストによる『ユースフルコンサート 2024 』3月29日(金)横浜ラポールシアターにて開催Upload By 発達ナビニュース横浜市港北区の障害者スポーツ文化センター横浜ラポールラポールシアターにて『ユースフルコンサート2024』が、2024年3月29日(金)に開催されます。出演するピアニストはさまざまなコンクールへの出演・受賞経験がある5名のパラアーティストです。出演者の桑名翔英さんは、療育手帳重度判定のASD(自閉スペクトラム症)があり、鶴見養護学校卒業後、現在は特例子会社にて勤務している22歳。ピアノ歴は12年、気が優しく力持ちだそうで、その性格を表すかのような優しい音色が特徴的です。ASD、知的発達症、ADHD(注意欠陥多動性症)がある佐藤匠さんは7歳よりピアノを始め、現在はピアノ歴11年。心に響く音を伝えることを大切にしているアーティストです。現在は就労継続支援B型事業所で働きながら、ピアノレッスンに通い、国際音楽コンクールなどにも出演。日々、舞台で演奏するのを楽しみにしているそうです。4歳でASDと知的発達症と診断を受けた現在21歳の萩原温さんは、小学校入学後よりピアノを習い始め、ピアノ歴は14年。障害がありコミュニケーションが苦手な人たちも、定型発達の人たちと同じように、好きなことや楽しいと思うことがあり、それを糧に日々生きているとたくさんの人たちに感じてもらいたいという思いを抱く佐藤さん。精力的にコンサートやイベント、コンクールに参加し、受賞歴も多数。現在26歳の橋爪遼星さんは、10歳で指一本で一音を弾くことからピアノをスタート。複雑な譜読みが得意だそうです。ASDとADHD、トゥレット症候群で、サヴァン症候群でもあるのだとか。鎌倉養護学校卒業後、社会福祉法人で焼き菓子をつくる仕事をしながら、週末はいろいろな場所でピアノコンサートを開いています。2018年12月、ニューヨークで開かれた国際障害者ピアノコンクールにて発達障害部門で「銅賞」を受賞。医療的ケア児として家庭と病院との連携の乳幼児期を過ごした日比基就さんは、生後数日後に心臓病の根治術と気管切開術を続けて受けました。4歳前に抜管に成功してからも困難が続き、声の発生や言葉の習得に努めましたが、知的発達症とASDの診断を受けました。ピアノとの出合いは5歳。当時通っていた幼稚園のグループレッスンがきっかけだとか。リトミックから少しずつピアノレッスンに移行し、個人レッスンを小学3年生から受け始め現在に至ります。当日の演奏曲は、ベートーベンの『月光 第1楽章』やショパンの『英雄ポロネーズ』などクラッシックの有名曲から、『春の歌』や『幻想曲さくらさくら』など春の訪れを感じさせるものまで。入場は無料で、年齢や障害のあるなしなどに関わらず、どなたでも観覧できます。春の一日、才能あふれる若きピアニストたちによる音色に、心を満たされるひと時となるのではないでしょうか。日時:2024年3月29日(金)開場13:30開演14:00(15:30 終了予定)会場:障害者スポーツ文化センター横浜ラポールラポールシアター(横浜市港北区鳥山町1752)料金:入場無料予約:不要※当日直接会場へ来場ください出演者(※五十音順):桑名翔英、佐藤匠、萩原温、橋爪遼星、日比基就問い合わせ:障害者スポーツ文化センター横浜ラポール文化事業課TEL 045-475-2055/FAX 045-475-2053※クリックすると、発達ナビのサイトから『ユースフルコンサート 2024』のページに遷移します。オールマイノリティプロジェクト主催公開シンポジウム 「『どうして上手くいかないの?』当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」2024年4月7日(日)開催Upload By 発達ナビニュース千葉大学子どものこころの発達教育センターの大島郁葉教授(臨床心理士/公認心理師)が代表をつとめるオールマイノリティプロジェクトが主催する公開シンポジウム 「『どうして上手くいかないの?』当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」が2024年4月7日(日)にオンラインにて開催されます。支援のスキルには、被支援者のニーズをまず「理解する」ということが大切です。しかし、被支援者を「理解する」というプロセスは、支援スキルの中では、あまり重要視されてはいないかもしれません。そして、この被支援者を「理解する」ことの壁としてあるのが「バイアス(偏見)」ではないでしょうか。今回のシンポジウムでは、さまざまな視点から、支援者が被支援者を理解する過程において、支援者側のどのようなバイアス(偏見)が支援の壁となり得るのか、そして、どのような解決方法があるかについて学び、話し合います。当日は、主催の千葉大学子どものこころの発達教育研究センターの大島郁葉教授による開会挨拶「当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」に続き、東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生による基調講演「当事者とともに考える、支援における不均衡とこれからの支援のあり方」を予定。また、発達障害がある当事者の方や、一般社団法人UNIVA 理事の野口晃菜氏、翻訳家の高橋璃子氏、厚生労働省から西尾大輔氏が参加するパネルディスカッションなども行われます。当事者やご家族だけではなく、発達障害者支援に関心のある皆さんにもおすすめのイベントです。開催日時:2024年4月7日(日)13:00~16:10開催方法:オンライン参加費:無料対象者:発達障害の当事者やご家族の方、発達障害の支援に関わる方、発達障害者支援に関心のある方申込期限当日参加:2024年4月7日(日)12:00まで見逃し配信:2024年5月7日(火)12:00まで<見逃し配信>開催1~2週間後に配信を開始。視聴期限は2024年6月7日(金)23:55までアクセシビリティ対応:情報保障などのアクセシビリティ対応が必要な参加者の方は、2024年3月15日(金)までに下記の問い合わせ先へ問い合わせ先:オールマイノリティプロジェクトE-mail:amp2022.jpn@gmail.com※クリックすると、発達ナビのサイトからpeatixの「『どうして上手くいかないの?』当事者とともに考えるこれからの発達障害の支援のあり方」チケット申し込みページに遷移します。【東京都】令和6年度からフリースクール利用料を月2万円助成の方針を公表Upload By 発達ナビニュース昨年度、東京都内の公立小中学校では、不登校の児童や生徒はおよそ2万7000人にのぼりました。この人数は、統計を取り始めて以来、最多と言われています。そのような現状のなか、東京都では、学校以外の学びの場の選択肢を増やす目的で、令和6年度からフリースクールなどの利用料について最大月2万円の助成をする方針を公表しました。学校生活に馴染めず生きづらさを抱える子どもたちが、自分らしくありのままで成長できるように、学び方や居場所の多様な選択肢を創出することを目的とされています。対象は義務教育段階の不登校状態にある都内在住の児童・生徒です。都は、保護者に対しフリースクールなどについての勉強会を開くことも予定しています。また、フリースクールなどの活動を充実させる取り組みなどに対し、施設へ最大500万円程度の補助金を支給することも検討されています。なお、この取り組みは、「フリースクール等の利用者等支援事業(助成金)」として東京都より1月26日に公表されました。利用料助成の実現は、2月20日から開催される東京都議会において予算案が可決されたのちに、正式に事業化となる予定です。制度の詳細については、新年度に入ってから周知される見込みとのことです。※クリックすると、発達ナビのサイトから「東京都子供政策連携室」のホームページに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月02日一般社団法人 意識の旅研究所(HP: ) 代表の谷原由美(たにはら・ゆみ)は、『マンガ 100%願いが叶う 潜在意識の法則』(星野書房)を2024年2月28日に出版しました。この書籍は、人の心の95%を支配しているといわれる潜在意識の正しい知識と、よりよい未来を創造するための潜在意識の使い方や書き換え方を、マンガやイラストでわかりやすく徹底解説しています。『マンガ 100%願いが叶う 潜在意識の法則』潜在意識とは「いまは意識していない意識」「自分で自覚できていない意識」のことです。顕在意識は意識の5%、潜在意識は意識の95%を占めているといわれています。「頭ではわかっているのに、感情的についていかない、わからない」というものこそ、潜在意識が支配している状態なのです。人は潜在意識に支配されているといっても過言ではありません。本書では、自分ではコントロールが難しい潜在意識を、確実に書き換えていく方法を誰にでもできる形でマンガやイラストを使いわかりやすく伝えています。「自分の人生をよりよくしたい」「もっと楽しく生きたい」「毎日が緊張と不安でいっぱいでなんとかしたい…」という状況から、潜在意識のパワーを活用することで、自分が心から望む人生をつくりあげていくことができるようになります。著者は、2011年の震災の年に、夫が病気でほとんど働けない状況に陥り、専業主婦として3人の子育てをしていたところから一転、働かなくてはいけない状況になりました。そこで、「そうだ、ヒプノセラピストになろう!」と何かに導かれるようにヒプノセラピストに。ヒプノセラピーとは、催眠療法のひとつです。著者がスクールに通いはじめた当初、セラピーを受け、セッションを重ね、自分の小さな頃の体験を掘り起こし向き合うことで、メンタルに大きな変化があらわれました。そうして、自然と自分自身の考え方が変わり、そうこうしているうちに、夫が奇跡のように復活。家族に起きていたあらゆる問題が解消していったのです。ヒプノセラピーの効果を身を持って実感し、ヒプノセラピーを通じて「誰もが自分の力を存分に発揮できるように」と願い、本書の執筆に至りました。誰もが潜在意識の力を使い、余計な思い込みを手放して、本当に手にしたかった人生を歩んでいくためのヒントがつまった一冊です。【著者紹介】谷原由美(たにはら・ゆみ)著者:谷原由美(たにはら・ゆみ)2011年、大震災の年に家族の不幸、一家の試練に見舞われ、専業主婦から起業し、ヒプノセラピストとして活動を開始。「受けるだけで人生が変わる」と評判になり、開業してすぐに講座は満席、個人セッションは常に3ヵ月待ちになる。2018年に、プロのヒプノセラピストを育成する協会、一般社団法人 意識の旅研究所を立ち上げ、潜在意識を根こそぎ変えることで、どんな人の人生も劇的に変わるメソッドを開発。プロとして活躍するセラピストを多数養成し、これまでにのべ1万人にメソッドを提供する。「すべての人の人生を美しい旅に」を理念に、潜在意識を変えることで、あらゆる女性たちが、お金・人間関係・仕事・生き方の悩みから解放され、豊かさにあふれた人生を生きるサポートに力を入れている。プライベートでは3児の母。マンガで解説著書に、『あなたの人生が開花する ヒプノセラピーの教科書』『本当の自分に出逢う 前世療法の教科書』『眠りながら奇跡を起こす 潜在意識で生まれ変わるコツ』(すべてKindle出版)がある。『あなたの人生が開花する ヒプノセラピーの教科書』【書籍情報】書名 : 『マンガ 100%願いが叶う 潜在意識の法則』著者 : 谷原由美(たにはら・ゆみ)定価 : 1,595円(税込)発売日 : 2024年2月28日発行 : 星野書房発売 : サンクチュアリ出版ページ数: 192ページ販売先 : 【目次】序章 「潜在意識を味方につけよう!」の巻潜在意識がわたしたちを無意識に動かしている人生がうまくいく人、うまくいかない人 ほか1章 「夫とうまくいかない」の巻マンガ 夫とわかり合えない…夫とわかり合えないのはなぜ? ほか2章 「子どもが不登校になった!」の巻マンガ 娘が不登校になってしまった…反抗期の子どもが不登校になってしまったら… ほか3章 「チャンスが目の前にあるのにつかめない」の巻マンガ チャレンジするのが怖いチャンスがつかめないのは、自分の妄想が邪魔をしているから ほか4章 「他人に嫉妬してしまう」の巻マンガ 同僚への嫉妬がとまらない…潜在意識に味方になってもらうには ほか5章 「将来に漠然とした不安を感じる」の巻マンガ 未来への漠然とした不安が消えない…未来は「思い」に左右される ほか6章 「お金の不安がとまらない!」の巻お金に対する不安を消すには?お金へのとらえ方を変えると、「お金がある状態」になる ほか7章 「もっと潜在意識を書き換えたい!」の巻潜在意識をごっそり書き換える方法人間関係を改善したいとき ほか 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月28日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。最初に小さなひっかかりがあった。2話の最後、「今日、正人くんどうしたの」という質問に「お父さんが見ててくれるから大丈夫」と答えた犬島渚(仲里依紗)の言葉。渚の親の世代で、一人で乳幼児をきちんと預かることが出来る老父は珍しいんじゃないかと思った。その小さなひっかかりの答えを、今回知ることになった。1986年に生きる小川市郎(阿部サダヲ)は、生徒に『地獄のオガワ』とあだ名される中学の体育教師。あだ名の通りハートは熱いがガサツ。ジェンダー、パワハラ配慮なし。そんな小川市郎が、令和の現代にタイムスリップしてしまう。令和の世にはあり得ない雑な言動で騒ぎを引き起こすものの、その破天荒さがうけてしまい、テレビ局でアドバイザーを務めることに。小川はテレビ局で働くシングルマザーの渚と意気投合し、いい雰囲気になりかけるが、小川の娘・純子(河合優実)の名前から、渚は小川の孫だと判明する。しかし渚が会ってほしいと連れてきたのは、渚の父親で『ゆずる』と名乗る男(令和・古田新太昭和・錦戸亮)だけだった。二人の話によると純子は離婚して海外に行ったというが、どうも様子が怪しい。そして小川と逆に、令和から昭和へタイムスリップしている向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)は、不登校でまだ出会ったことのない同級生の存在を知る。クドカンドラマの中に潜むのは…ドラマ全体の折り返しに、宮藤官九郎がアクセルを踏み込んできた。怒濤の笑いと胸にせまる悲しみがごちゃ混ぜになって、それをエピソードとしてまとめあげる。その腕は宮藤官九郎ならではだ。そもそも古田新太の若い頃が錦戸亮という無理筋を、前半は『覇者』『肩パッド』『許しを請うダンス』で大笑いさせておいて、それでも最後には見る者を思わず泣かせてしまうのである。クドカンの頭の中では、笑いと哀しみの境界線でどんな化学変化が起きているのかと改めて不思議に思う。軽薄に見えて実は誠実で愛情深かった婿が、最初に作りたいと願ったのが義父の背広なのも、純子が父を東京まで迎えに行ったのも、採寸が上手くいかなかったのも、飲食店で朝まで語り明かしたのも、何もかもそれぞれの愛情ゆえだった。その互いの愛情のベクトルが父と娘をこの世から連れて行ってしまう残酷さに、ただただ胸が詰まる。『あまちゃん』(NHK)『いだてん』(NHK)『俺の家の話』(TBS系)そして今作。クドカンが描くドラマには、ありふれた愛おしい日々の中に影のように災害や死の不条理が潜んでいる。だがその理不尽と同じくらい、そこから日常に立ち戻る人々の営みも丁寧に描かれる。真実を告げ、深々と詫びて頭を下げたゆずるに、小川が「で?背広は?」と力強く促した言葉は、それでもきっとお前はあの背広を縫い上げただろう、絶望の中で仕事を全うしただろうという確信あってのものだった。そして、最後に背広姿の小川を見て、渚が誇らしげに「当たり前だよ!父さんが仕立てたんだから!」と言ったその言葉一つで、父と娘で寄り添って生きた年月が分かって胸が熱くなる。ゆずるが縫い上げたそれは、まさしく『父の背広』であった。スーツでもジャケットでもなく背広。裏地に漢字で名前が縫われた背広。背広を着てタバコを取り出し、火をつける小川市郎は実に格好よかった。タフな昭和のお父さんの格好よさだった。そして、それは令和の今は通用しない失われた格好よさであるからこそ、尚更素敵に見えた。ちなみに宮藤官九郎は、その作品の中で美形を美形に見せなくする名人である。数多くの時代をときめくイケメンたちがクドカンの手にかかると「残念な愛すべきポンコツ」になってしまうのである。錦戸亮は、そんなクドカンの魔力で大いに輝く俳優である。今回も顔は良いのに何だかなあ、な男に見事にハマっていた。やっぱりクドカン作品の錦戸亮は、とてもいい。今回は切ない令和パートではあったが、昭和ではキヨシが見知らぬ不登校の同級生と繋がろうとするエピソードが始まった。このドラマの中で、マスメディアの主流として描かれるテレビとは対照的な魅力を持つメディアとして、ラジオがピックアップされようとしている。そして、仮に自分自身の天命を受け入れたとしても、果たして小川は愛娘の死を黙認できるのだろうか。少しでも光がさす展開になるといいなと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年02月27日