中村屋はこのほど、「スパイスデリ 新宿中村屋 純カリー粉」を発売した。同商品は、1927(昭和2)年に、日本で初めて純印度式カリーを発売したという中村屋本店のレストランで使用しているオリジナルブレンドのカレー粉。オリジナルブレンドのスパイスは、高温で焙煎(ばいせん)した後に、石壷でスタンピング(型押しのように上から突くこと)した。さらにスパイスを熟成させることで、深い香りとコクが引き出されるという。しっかりとした熟成感がありながら、コリアンダーとカルダモンの清涼感ある香りが楽しめるとのこと。カレーだけではなく、様々な料理にも使用可能。なお、本店のレストランではこのカリー粉以外も使用しているという。価格は430円(税別)。
2015年02月19日快眠セラピスト・三橋美穂氏による「快眠教室」(全3回)が、千代田区・神保町の「おひるねカフェ コロネ」で2月に開催されました。いよいよこの日は最終回。受講の成果は……? 今回も、受講者それぞれが記録した「睡眠日誌」の発表から始まりました。覚えたての快眠ノウハウをさっそく実践今回は、第2回の講義で教わった新しいノウハウをさっそく実践して効果を得られたという人が多数。とくに、フィッティングの実践を行った「タオル枕」を試して睡眠の質が上がったという報告が目立ちました。また、著しい成果はなくても、自らに合ったよりよい快眠法を探す積極的な姿勢も。熱めのお湯に浸かってストレスや疲れへの抵抗力をつける「ヒートショックプロテイン」入浴法を試したという受講者は、「入浴中、意外に体温が早く上がりすぎてしまった」など体験の詳細を発表し、三橋氏と共に対策を思案。その他「(和食中心の)「ひらがな食」をもっと続けて効果をみてみたい」という声や、「悪夢を見てしまった」など新しい悩みの報告も。それぞれが実践した結果と向き合いながらアドバイスを受けました。続いては、「交代勤務の場合の睡眠の取り方」の講義。仮眠を取る時間帯の詳細や睡眠の環境づくりについての注意点などは、とくに保健師の参加も多い今回は貴重な情報。受講者は熱心に聞き入っていました。締めくくりは心地よい快眠体験後半の講義は「自分らしい眠りのスタイル」。陰陽思想にもとづくタイプ別に、入浴方法や適したアロマの香り、寝室や寝具などの睡眠環境をレクチャー。実際のアロマオイルのサンプルが配布され、教室は心地よいアロマの香りで満たされます。最後は音楽と三橋氏のナレーションによる「快眠メディテーション」。照明の光を落とし、星空をイメージしながらの深呼吸や、全身を光で満たすイメージなどを体感し、受講者が思い思いにリラックスした状態で講座は終了となりました。最後に受講者たちが、快眠教室の感想を発表。「今までにないくらいよく眠れるようになった」「たった3回の講義なのに自分の時間の感覚が変わった」「睡眠をきちんととることが認知症対策にもなることを、周りの人にも伝えていきたい」など、それぞれが感想やこれからの抱負を述べました。三橋氏は、一人ひとりの言葉に「これからも頑張ってください!」と温かいコメント。そして、「みなさんを通じて、より多くの方々によい眠りがもたらされるとうれしい」と締めくくりました。次回の快眠教室は4月8日、15日の開催を予定しています。「快眠講座」についてのお問い合わせ女性のためのおひるねカフェコロネウェブサイト:電話:03-3476-1045メール:info-s@nemulog.jp
2015年02月15日快眠セラピスト・三橋美穂氏による「快眠教室」が、千代田区・神保町の「おひるねカフェ コロネ」で1月に開催されました。今回は、全3回の講座で学ぶうちの第2回。受講者それぞれが記録した「睡眠日誌」の発表から始まりました。「睡眠日誌」の記録で気づきや体調改善も「睡眠日誌」は、毎日の睡眠時間や眠気を感じた時間帯、食事や入浴など睡眠に関する生活の項目について簡単に記録するもの。第1回の講座で立てた目標が達成できたか、またその後の1週間がどのような生活になったか、各自が振り返り発表を行いました。「夜にスマホを見るのをやめたら、落ち着いて眠れるようになった」「睡眠が1時間増減するだけで体調が全く違うことに気がついた」などのほか「高血圧だったが、夜早めに寝るようにしたら血圧が5~10㎜Hg低くなり、パソコンによる目の痛みもなくなった」など、大きな変化を感じた受講者も。「数年ぶりに病気で寝込んでしまい、記録をつけてみると睡眠だらけ」という発表者には、「病気のときは、たくさん寝ると免疫力がついていいんですよ」と、三橋氏がすかさず前向きなコメント。受講者たちは仲間の発表を興味深く聞いていました。続いては、睡眠によい食事と入浴法、寝室の環境についての講義。三橋氏は、自らの朝食を撮影した写真や自宅の寝室の写真もスライドに織り交ぜ、手作りの玄米おにぎりを受講生にふるまう心配りも。おなかも満たされながらの楽しいひとときとなりました。入浴の基本(三橋先生講演)グループで枕のフィッティングに挑戦!この日のメインは枕のフィッティング体験。三橋氏は寝具メーカーの出身で、頭をさわるだけで適した枕の高さがわかるという枕のスペシャリスト。「首筋が伸び、呼吸が楽にできる高さが適切」「枕はマットレスとセットで選ぶことが重要」など、まずは枕の選び方について学んだ後、グループに分かれ、持参したバスタオルを使った即席の枕で高さ調節に挑戦しました。グループごとにベッドが用意され、受講者たちはそれぞれ自分のバスタオルでつくった枕を置いて順番に試し寝。同じグループのメンバーが横からのぞきこみ、「高すぎない?」「寝心地は?」など口々に質問しながら高さを調節していきます。いざフィッティングをしてみると「こんなに低い枕でよかったの?」「いつもは枕なしで寝ているけど、この方が寝心地がいい」などの声が続々。中には「この高さが気持ちいい!」と感激し、忘れないように写真に収める姿も。第2回目もあっという間に時間がたち、受講者たちはこの日習ったことを振り返りながら再び快眠のための生活目標を発表して終了。睡眠日誌をつけながら1週間後の最終回に備えます。>>第1回目のレポートはこちら「快眠講座」についてのお問い合わせ女性のためのおひるねカフェコロネウェブサイト:電話:03-3476-1045メール:info-s@nemulog.jpPhoto by missmac
2015年02月09日俳優の中村雅俊と五十嵐淳子夫妻の三女でモデルの中村里砂が、芸能界デビュー1周年を迎えた。2010年にモデルデビューを果たし、女性誌『LARME』(徳間書店)のレギュラーモデルを務めるなど、ガーリー系女子の間で高い人気を誇っているが“2世”であることを公表したのはタレント活動を始めた1年前から。活動の場を広げたのも自らの意思で、「テレビに出演することも全部決まってから報告した」という。「最初は両親とも、すごく驚いていました」と話す中村が、芸能界デビュー後の変化や両親への思いを語った。<全身ショット>中村里砂、キュートなミニスカ&バニー風衣装2014年、両親の結婚記念日でもある2月1日から本格的にタレント活動をスタートさせた中村。1年間を振り返り「改めてデビューと言われると恥ずかしいですね」と照れ笑いを浮かべる。自身としては「モデル業に加えて、テレビという活動の場がひとつ増えた程度にしか捉えていなかった」というが、テレビ露出が増えることでファン層の変化や広がりを実感。「これまでのわたしを知らない人にも、常に新しいわたしを発信していけたら」という思いと旺盛なサービス精神から、最近ではバラエティ番組で家族とのエピソードやプライベートを明かして注目を集めている。「仕事が忙しい時には、お母さんが作るあたたかいごはんは、やっぱり嬉しいですね」と良好な親子関係を明かした中村。「すごく料理が上手なんですよ。ごはんも土鍋で炊くなどしてこだわっていて。特に和食がおいしいんです」と、母・五十嵐淳子の料理を絶賛した。また、2月1日は父・中村雅俊の誕生日だが、「プレゼントってあげたことがなくて…」とポツリ。「何をあげればいいかわからないんです。今年は渡せたらいいなと思います」と、娘としての顔ものぞかせる。家族のエピソードを語ることが増えたが、ここまで両親の力を借りることなく自らで道を切り開いてきた。“2世タレント”という言葉の裏に“親の七光り”という特権を見る視聴者は多いが、「自分のやっていることには責任を持ちたいし、やるからには1ミリも妥協したくない」と力を込める。もともと自立心は旺盛で、「(幼少の頃から)なんでも自分で決めたいタイプ。両親がダメといっても聞かない子だった」という中村。「小さい頃から舞台などは連れられて観に行く機会も多くて、役者の仕事をやってみたら、と言われたこともあった」というが、自らの意思でモデル業からスタート。「みんなでひとつのものを作り上げる作業が好き」だったこともあり、モデルの仕事を続けているうちに、俳優業にも自然と興味を抱くようになった。「両親とは進んできた道が違うから、自分はマイペースに」と語る中村。その大きな瞳からは、持ち前の自立心と、芸能生活2年目に挑む決意が感じられた。
2015年02月01日快眠セラピスト・三橋美穂先生による「快眠教室」が、千代田区・神保町の「おひるねカフェ コロネ」で開催されました。少人数制・アットホームな雰囲気で進行この教室は、よりよい睡眠をとるための基礎知識やノウハウを全3回の講習で学ぶもの。講師の三橋先生は、寝具メーカー勤務を経て独立し、睡眠に関する講演や執筆活動、寝具開発などの分野で活躍しています。受講者の職業や年齢は、男女ともに様々。「仕事が忙しすぎて寝る時間が少ないので、なんとか眠りの質を高めたい」「夜、起きていられずに『寝落ち』してしまう」「寝入りはいいが、眠りが浅いと感じる」など、実際に睡眠に関する悩みを抱える人のほか、「保健師をしており、シフトワーカーたちの相談に具体的なアドバイスができるようになりたい」「カウンセリングの仕事で、眠れない患者さんたちに助言できるようになりたい」など、睡眠に関する知識を仕事に役立てたいという受講者も。講師・受講者それぞれの自己紹介からスタートし、和気あいあいとした中で講座が進行しました。眠りについて考えるワークショップも1回目となる今回は、「睡眠の科学と基礎」をテーマにした講義やワークショップを実践。最初に、世界の睡眠時間の国際比較や、睡眠不足がもたらす経済損失など睡眠を取り巻く事情、よい睡眠が心身に及ぼすメリット、きちんと眠らないことのデメリットなどを三橋先生が解説。その後受講者たちは3つのグループに分かれ、「どのような場合によく眠れ、どのような場合に眠れなくなるか」を自らの経験から書き出し、眠りの傾向を探るワークショップを行いました。グループ発表では、「空腹すぎても満腹すぎても眠れない」「好きな香りや音楽によって眠れるようになる」「入浴後はよく眠れる」など受講者たちの経験に多くの共通点が見られたほか、「泣いた後はよく眠れる」「日曜日の夜は眠れない」などのユニークな意見も出されました。自身の睡眠に向き合う「睡眠日誌」に挑戦ワークショップの後は、詳しい睡眠のメカニズムや快眠のポイントについて学び、最後に、自身の眠りの1週間分の記録をつける「睡眠日誌」の課題が配布されました。受講者たちはそれぞれ、受講の感想と、よい眠りのために今後生活で気をつけたいことを発表。「睡眠不足による経済損失の多額さに驚いた」「睡眠と肥満の関係について知ることができてよかった」などのコメントのほか、「就寝の1時間前からスマホは見ないようにしたい」「休日の朝も寝すぎずに、ふだんどおり起きる努力をする」などさまざまな目標を表明しました。「昼寝を取り入れたいが仕事の合間にできるかどうか……」という悩む受講者には「目をつぶってみるだけでも効果があるので実践してみては」など、三橋先生の丁寧なアドバイスも。受講者たちは各自「睡眠日誌」に取り組み、第2回講座に望みます。「快眠講座」についてのお問い合わせ女性のためのおひるねカフェコロネウェブサイト:電話:03-3476-1045メール:info-s@nemulog.jpPhoto by Beyond Borders Media
2015年01月30日ディズニーアニメ最新作『ベイマックス』(12月20日公開)の日本語吹き替え版で、声優デビューを果たした菅野美穂と小泉孝太郎。天才少年ヒロとケア・ロボット"ベイマックス"が感動の冒険を繰り広げる本作で、菅野は、亡き両親に代わり甥っ子のヒロとタダシを育てる叔母・キャスを、小泉は、ヒロの兄で科学者としても道しるべとなる兄・タダシの声を演じる。実生活でも甥っ子がいる菅野。そして小泉も弟を持つ。本作の役柄と共通しているからこそ、セリフににじみ出てくる甥っ子、弟への愛情。演じる中で2人の実生活での境遇がどのように生かされたのか、また、役と自身の共通点・相違点などをインタビューした。――叔母役、お兄さん役と、お2人とも実生活と共通していますが、演じていて共感できたことはありますか?菅野:14歳の甥っ子がいますが普段触れ合う機会はキャスほどなくて、ただ、自分もこの年齢なので、息子がいてもおかしくないんだよなと思うと、そっかぁって思いました。そして、キャラクターはなるほどというか、この役をいただいたのは膝を打つ感じでした。でも、声だけで演じるのは難しかったです。一行のセリフで20回も30回もやったんですけど、そこまでいくと、自分でああしようこうしようというのがなくなり、とにかく監督のおっしゃることを頑張ろうっていう感じで。普段の演技とは違う経験になりました。小泉:実生活で弟がいるので、タダシとヒロの関係性っていうのはよくわかるし、お兄さんが弟を思う気持ち、弟がお兄ちゃんを思う気持ち、こういう感覚ってあったよなとか、特に、青春時代だと対抗心が芽生える男同士のあの感覚っていうのは。また、映画の中でタダシがヒロに自分の友達を紹介するシーンがありますが、実生活でも、高校の時に弟を自分の友達に紹介したことがあったなと。そういうところは、初めての声優でしたが、役立ちましたね。実生活で自分が経験してきたことを出せるので、救われた部分がありました。――菅野さんは、キャス役について「なるほど」とおっしゃいましたが、性格が似ていると思われたのでしょうか?菅野:元気なところとか「イエーイ!」っていう感じが似ているのかなって(笑)。――実生活ではどういう叔母さまですか?菅野:まだ姪っ子とかすごく小さいので、一緒にいると子供が中心な感じになります。だから大きくなったらキャスみたいになるのかなと。そして、ヒロとタダシの方が少し大人で、キャスを温かく受け止めるタダシみたいな感じがしましたけど、どうでしょうか?小泉:実際にセリフとかで描かれていないですけど、ヒロもタダシもキャスにすごい甘えているんですよね。甘えているし、いるからやんちゃができる。キャスを菅野さんが演じられるんだと思って、僕ら兄弟は、甘えている幼さも感じてもらえたらいいなと思っていました。キャスがいるだけで違うんですよ。雲泥の差! 感覚的な部分ですごく救われている部分があります。――"甘え"という言葉が出てきましたが、菅野さんは演じられていて母性愛は芽生えましたか?菅野:母性愛はあったと思います。多感な時期の14才の少年と大学生の男の子という2人がいて、自分だったらどうしようと思うんですけど、構えずに自分は自分でマイペースだし、ヒロにもタダシにもやりたいことを好きにやらせてあげているおばさまというのは、パワフルなんだけどどこか抜けているところもあって、すごく絶妙だなと思いました。たぶんキャスとしては、結婚もしてないし、私はどうなるのっていう不安が…年齢的にあるでしょう! でもそういうのをヒロとタダシには見せていない感じとか、パワフルで決して悲観的にならず、あんなおばさんだったら楽しいだろうなと思いますね。――小泉さんは、ヒロとタダシの関係と、ご自身の兄弟関係を比べて、いかがでしたか?小泉:ヒロとタダシはお互い、ロボット工学を専門として勉強していましたから、ライバル心もあると思うんですよね。兄弟がいるからこそ切磋琢磨して成長できる、お前も頑張るから俺も頑張るっていうあの兄弟の関係性は、すごい共感したところですね。実生活でも、仕事は違うけど弟が頑張っている姿を見て、自分も奮い立つというか、弟も自分の仕事を見て頑張らなくてはっていう。お互い仕事は違えど表に出る仕事を選んだので、お互いを見て、自分も頑張らなくてはというのは一致していると思います。――兄弟愛に限らず家族愛が描かれていましたが、実生活で家族愛を感じるのはどんな時ですか?小泉:今、生きてくれていることを感謝します。たわいもないことだけど、電話で話せる、会える、それにすごい感謝してます。もっと言いたいことがたくさんあったのに、今もあると思うのに言わず、思うように行きなさいと尊重してくれる。そこに父親の愛を感じる。そして、1年に数回、会った時にビシッと言ってくれる。そこで親と子っていうのを感じます。そして、『ベイマックス』も見るって言ってくれていますしね。あの人が『ベイマックス』見るって。試写会だと俺は目立つから行かないけど、公開したら行くよって!菅野:いいお父さんですねー!小泉:映画館でチケットを販売する人もびっくりするんじゃないですか!? 『ベイマックス1枚シニアで』とか言うのかな(笑)――お父さまに言われて大事にしている言葉はありますか?小泉:芸能界に入って2、3年の頃、自分はこの世界で通用しないんじゃないかと悩んでいた時に言われた「たとえ5年10年仕事がなくても、役者を一生の仕事にしようと思いなさい。その時一生懸命やっていれば、人は見ていてくれるから。仕事がなくても一喜一憂するんじゃない」という言葉はすごい救われたし、そういう風に生きていこうってあらためて決意させてくれた言葉でしたね。――今でも思い出しますか?小泉:思い出します。芸能界は不安定な世界だなと痛感する中で、心の支えになりますね。菅野:私も明日から思い出す! すごいお父さんですね。なかなか言えないし、お父さまが言ったと思うと言葉の重みが違うね(笑)――悩んでいる時というのは、自分からお父さまに相談するんですか?小泉:自分から父に相談したことは一度もないです。予期せぬタイミングで突然、何かを察して声をかけてくれるんです。いつもあの人サプライズなんで(笑)。――東京国際映画祭では、製作総指揮のジョン・ラセターさんたちと一緒にレッドカーペットを歩かれましたが、いかがでしたか? 『ベイマックス』チームは楽しそうでした!菅野:ジョン・ラセターさんのお人柄もあったと思います。本当にかわいらしい方で。そして、ベイマックスもいて、ベイマックスの感触が想像以上にベイマックスで、ぷにぷにしていて「あぁこの感じかー!」って思いましたね。小泉:失礼ですけど、(ジョン・ラセターさんは)キャラクターみたいな方。人間を超越した存在ですよね。菅野:ほんとほんと! あと、1人の男性としては、ずっと奥さまの手を握っていらして、仲がいい! むつまじい! そして、「ベイマックスかわいい」ってみなさんおっしゃっているのがすてきだなと思いました。自分たちのキャラクターを本当に心から愛していらっしゃるんだなっていうのがほほ笑ましかったです。――お2人は、ケア・ロボットのベイマックスは必要ですか?菅野:ベイマックスはほしいけど、必要かどうかって言われると、もっと必要な人がいるかもしれないなと思います。精神的なところでいうと、10代の多感な少年と少女の方が必要だと思うし、今は肩をこっているくらいなので、もっと必要な人はいるのかなと。いてくれたらすごくうれしいですけど。小泉:あんなにいてくれて安心感があるロボットもないでしょうからね。ケア・ロボットなので僕はほしいですね。自分のためだけじゃなく、自分の身の周りの人も助けてくれるだろうし、一生お医者さんに行かなくて済みますからね。こんなに明るい未来を感じさせてくれるロボットはないです。手に入るならいつかほしいです!(C)2014 Disney. All Rights Reserved.
2014年12月20日ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作『ベイマックス』の日本語版で菅野美穂と小泉孝太郎が声のキャストを務めている。声質や演技力を徹底的にリサーチしてキャスト選びをするディズニー作品で声の出演を務めたふたりは、本作を「一生に1本の作品」だという。公開前に話を聞いた。その他の画像本作は、最愛の兄タダシを謎の事故で失い孤独になってしまった少年ヒロが、兄が作り出した人間をケアする心優しいロボットのベイマックスの存在によって少しずつ元気を取り戻し、戦闘力も戦闘意欲もないベイマックスを相棒に、兄タダシの死の謎に迫る姿を描いた作品。小泉はタダシを、菅野はタダシとヒロの親代わりをつとめている叔母キャスの声を演じている。菅野も小泉も丁寧な役作りでファンから高い評価を集めているが、小泉は「想像以上に苦労した」と収録を振り返る。「台本1ページ分を収録するのに2時間かかってしまったりしたんですけど、本当に納得がいくまで収録できて、タダシというものを作り出せたのかな、と思っています」。一方の菅野も「普段は声、顔、動きで役を担っていくわけですけど、声だけで演じるということは、こんなにも“拠り所”がないのか、と。確信というものがないまま、20回、30回と演じるので不安にはなったんですけど、それこそが自分にとって新鮮な経験で、まだまだ勉強しなければならないことがたくさんあるなと思いました」という。しかし、ふたりは最後までこだわり抜いて収録に挑んだようだ。ディズニー作品は続編や関連する短編作品が登場した際には再び、同じキャストが声を演じるが、小泉は「最初で最後だと思って臨みました」と力強く語る。「もちろん、続編のお話があれば光栄ですけど、1作品できただけでも光栄なこと。これが最後だと思って声を吹き込んだので完全燃焼させたつもりですし、その喜びを感じながら吹き込みましたね」(小泉)「“燃え尽きる”感じはありましたね。私の役はそんなにたくさん出てくるわけではないんですけど、短い収録の中で、よその現場とはまったく違う得がたい経験ができたので、一生に1本の作品だな、と思いました」(菅野)。ちなみに本作は、ヒロとベイマックスの冒険を通して、家族や仲間の大切さ、優しさが感じられる作品だが小泉は「映画を観ると、自分の身近にいる、当たり前にいる家族や恋人がとても素敵なんだって改めてすがすがしい気持ちになれる気がします」と言い、菅野は「今回、お仕事をさせていただいて思ったのは、(監督の)ドン・ホールさんとかクリス・ウィリアムズさんとかみなさん本当にいい方で、本当にベイマックスが好きで、映画が公開されるのをワクワクしていて。だからディズニーは世代を超えてあらゆる人に響くんだと思いました」と笑顔を見せる。ふたりは声のキャストとして参加しているが、作品を観賞する際には“観客”に戻って映画を楽しんだようで、インタビュー後も映画の感想を語り合う姿が印象的だった。『ベイマックス』12月20日(土) 全国ロードショー
2014年12月19日女優の菅野美穂が22日、日本語吹き替え声優を務めるディズニーアニメ最新作『ベイマックス』(12月20日公開)の公開記念イベントに、俳優の小泉孝太郎とともに着物姿で登壇した。『ベイマックス』は、14歳の天才科学者・ヒロが、事故で亡くなった兄タダシの遺したケア・ロボット"ベイマックス"とともに、サンフランシスコと東京を融合させた架空都市・サンフランソウキョウを舞台に感動の冒険を繰り広げる物語。菅野は、甥っ子のヒロとタダシを母親代わりに育てる女性キャス、小泉は兄タダシの声を演じ、共に声優初挑戦を果たした。菅野と小泉は、来日したドン・ホール監督、クリス・ウィリアムズ監督らを日本ならではのおもてなしで迎えようと、着物姿で登壇。菅野は「演技というのは同じなんですが、まったく新しい経験をさせていただきました」と声優に初挑戦した感想を述べ、演じたキャスについて「ヒロとタダシ、2人の多感な男の子を温かく見守るおばさんで、明るくてパワフル」と説明した。また、「ディズニー映画に参加させていただけて本当に光栄でした」と喜びを語り、「ドン監督、クリス監督の映画を見て、作品の世界観を勉強して撮影に臨みました」と明かした。そして、「ベイマックスが日本に似た景色の中でいきいきと活躍している様子を見てワクワクしたので、日本のお客さんに見てもらえるのを楽しみにしています」と期待感を表した。さらに、「ベイマックスが日本の鈴をモデルにしているということで、ベイマックス! ベイマックス! ベイマックス!」と、鈴がデザインされた着物の帯をアピール。監督たちにもベイマックスがデザインされた法被をプレゼントすると、「ありがとう!」「かっこよくてすばらしい」「日本公開まで毎日着続けます」と全員大喜びだった。(C)2014 Disney. All Rights Reserved.
2014年10月22日1世紀に渡り親しまれてきた新宿の老舗食品メーカー「中村屋」が、新宿本店ビルの建て替えにあたり、新たに「中村屋サロン美術館」を開館する。10月29日のグランドオープンに先駆けた内覧会では、開館記念特別展「中村屋サロン―ここで生まれた、ここから生まれた―」がお披露目された。新宿中村屋ビル3階に設えられた中村屋サロン美術館は、展示室と多目的スペースを備えた約240平方メートルの文化芸術施設としてオープンする。白と赤の壁、木製の什器とレトロなランプが落ち着いた雰囲気。開館記念展は、中村屋から広まった近代日本の芸術潮流であり、また館名の由来ともなった「中村屋サロン」にスポットを当てる。荻原守衛、中村彝、高村光太郎、會津八一、中原悌二郎ら関連する作家による絵画、彫刻および書など約50点を集め、明治から昭和に掛けての芸術家達の文化交流の様相を提示した。中村屋の創業者である相馬愛蔵・黒光夫妻は芸術に深い理解を示した文化人である。愛蔵と同郷の彫刻家・荻原守衛(碌山)を中心に、中村屋には多くの芸術家達が自然と集い、その様子がさながらヨーロッパのサロンのようであったことから、夫妻のもとに開花した芸術潮流は「中村屋サロン」と呼ばれた。同館の染谷省三館長は、「ここ新宿中村屋で生まれ、発信された芸術文化は中村屋のアイデンティティーである。それを後世に伝え、また人々の文化的集いの場“サロン”となる美術館にしたい」と話す。本展の目玉となる作品が、萩原守衛によるブロンズ彫像『女』だ。不安定な膝立ちのポーズに秘められた躍動感を感じる一作であり、その造形美は必見である。同館の太田美喜子学芸員は、「美術史上ではよく知られた“中村屋サロン”の一般認知度の低下を食い止めるとともに、若者にその存在をもっと知ってもらいたい」と言い、若い世代の鑑賞者に向けて、出品作の中から中村彝の油彩画『小女』を推薦した。相馬夫妻の長女・俊子をモデルに制作された本作は、肺病に侵された画家とモデルの恋のエピソードで有名。俊子の強いまなざしときりりとした太い眉、頬にさす紅色の生命感が鮮烈で、どこか現代にも通ずる魅力を持った作品だ。その他、高村光太郎の『自画像』や、鶴田吾郎の『盲目のエロシェンコ』など有名作が出展され、コンパクトながら見どころの多い展覧会にまとめられた。かつて多くの企業美術館が立ち並んだ新宿。新たな新宿の芸術サロンとしての同館の今後に注目したい。【イベント情報】中村屋サロン美術館 開館記念特別展「中村屋サロン―ここで生まれた、ここから生まれた―」会場:中村屋サロン美術館住所:東京都新宿区新宿3-26-13 新宿中村屋ビル3階会期:2014年10月29日から2015年2月15日時間:10:30から19:00休館日:火曜日、1月1日(火曜が祝祭日の場合は開館、翌日休館)入館料:300円
2014年10月22日資生堂ギャラリーは、昨年永眠したグラフィックデザイナー兼アートディレクターの中村真の没後初となる回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」を開催している。6月29日まで。本展では、資生堂のイラスト広告を写真広告へと転換させた中村の創作プロセスを、自宅に遺されていた記録写真や校正刷りポスターなどの未公開資料を交えながら展示。モデルに山口小夜子を起用した香水の広告など、数々のポスターも紹介する。デザイン評論家の柏木博、グラフィックデザイナーの佐藤卓と松永真を迎えてのトークショーも6月22日の14時より資生堂銀座ビル3階の花椿ホールにて実施(申し込み制)。中村は1926年岩手生まれ。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後し、49年に資生堂に入社。写真を用いた写真表現で頭角を表し、50年代半ばから80年代まで多くの広告を製作した。資生堂の宣伝部政策室長から顧問までを務め、国際グラフィック連盟などで幅広く活動し、93年に紫綬褒章受章。2013年6月永眠。【イベント情報】「中村誠の資生堂 美人を創る」展会場:資生堂ギャラリー住所:東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル地下1階会期:6月3日から6月29日時間:11:00から19:00(日曜日は18:00まで)休館日:月曜日入場無料
2014年06月10日戦前のイラスト広告を写真へ資生堂ギャラリー(東京都中央区)で昨年永眠した中村誠氏の回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」が開催される。中村誠氏は資生堂の広告を数多く手がけてきたグラフィックデザイナーでアートディレクター。1949年に資生堂に入社してから戦前の資生堂のイラスト広告を写真広告へ転換させた人物として知られている。ただ単にイラストから写真へ変えただけでなく、その仕事内容は実に繊細なもの。中村氏は生前「計数に表現することのできない表情とか、雰囲気、空気感を大切にしてきた」と語っていた。資生堂が確立していた独自のイラスト広告の伝統を受け継ぎながら、製版の工夫、大胆なトリミングといった手法により広告を進化させていった。(画像はプレスリリースより)「一業、一社、一生、一広告」中村氏が築いたスタイルは他の人ではできなかったということは、こんなエピソードからうかがえる。「一業、一社、一生、一広告」、これは中村氏が企業デザイナーとして掲げていたモットー。「企業のアイデンティティーをビジュアライズするのがアートディレクターの仕事」と語っており、生涯、企業イメージの創出に力を注いだ。そんな実直な意識のもと生み出された広告だからこそ、見る人に深い印象を与えるものになったのだろう。中村氏の広告は国内だけでなく海外でも賞を得るなど世界的に高く評価されている。回顧展は2014年6月3日(火)~6月29日(日)11:00-19:00 (日曜のみ11:00-18:00) 開催される。【参考】・株式会社資生堂 プレスリリース(PRTIME)
2014年05月30日(画像は花王プレスリリースより)大人カワイイ!菅野美穂大人カワイイ女優として、男女を問わず常に人気があるのが菅野美穂さんです。昨年、俳優の堺雅人さんと結婚をし、女性としての可愛らしさが増したと評判になっています。そんな彼女の魅力をよく伝えているのが、花王ソフィーナ「プリマヴィスタ」のCMでしょう。菅野美穂さんの可憐な美しさがプリマヴィスタのイメージにぴったりだと、視聴者から大好評です。2014年2月21日より公開された新CMについても早々と話題になっています。プリマヴィスタから限定コンパクト新CMのパウダー編では、「プリマのパウダー、塗りにくいとこにもツルン!」と笑顔いっぱいで語っている彼女。その表情は幸せそのものという感じで、ついついCMに釘付けになってしまいます。そして、ウットリとした表情の彼女が手に持っているコンパクトに注目。2月25日より数量限定で発売されているこのコンパクトは、ピンクの花がちりばめられていて、持っているだけで春気分がアップします。睡眠不足や生理前後で、化粧乗りがいまいちの肌でも、プリマヴィスタなら大丈夫。ムラなくのびて、マイナス5才肌を実現してくれます。あなたもプリマヴィスタで菅野美穂さんのような透明感あふれる肌を目指してみてはいかがでしょうか。【参考リンク】▼花王プレスリリース
2014年02月26日俳優の堺雅人と女優の菅野美穂が来月にも結婚するのではと、各メディアが報じている。2人の出会いは映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』。本作で堺さんは主人公である大奥総取締・右衛門佐(えもんのすけ)、菅野さんは愛を求め続ける5代将軍・綱吉を演じた。本人たちからの公式なコメントはいまだ発表されていないが、両事務所はこの報道を肯定している。昨年の10月に行われた『大奥』舞台挨拶の際には、堺さんは菅野さんのことを「危険な甘い香りがする。本当にお綺麗な方」と惚れ惚れといった様子で賞賛しており、また、菅野さんも「ニコニコと穏やかな草食系の方だと思ってましたが、マイペースな“植物系”男子でした」と堺さんを分析していた。(text:cinemacafe.net)
2013年03月22日6年ぶりにセクシー美も解禁タレントの矢部美穂が主演した、公開中の映画「ピンク・レディ女はそれを我慢できないッ」で、久々のセクシーな姿を惜しげもなく披露し、話題を呼んでいる。この映画は上野貴弘監督がメガホンをとったもので、かつて戦隊シリーズのヒロインとして女優活動をしていた主人公さくらは、現在では平凡な主婦として生活するひとりの女性となっていた。ところが、かつて好意をよせていた戦隊シリーズ時代の共演者と偶然再会し、再び恋に落ちて……とストーリーが展開していく。トレーニングの成果も劇中、タイトなシルエットのボディスーツ姿など、セクシーさを前面に出したスタイルで演技しているが、矢部がこうした活動をみせるのは、久々のことであり、2006年にリリースした写真集「DEEP AND IMPACT」以来のことになるそうだ。約6年ぶり、35歳となった彼女だが、年齢を感じさせない美しいプロポーションをみせている。撮影には、加圧トレーニングや週2回の筋力トレーニングでシェイプアップにも挑み、ボディメイキングに努めて臨んだそう。美しさには隠れた努力があったようだ。映画は28日まで、池袋シネマ・ロサで公開されている。元の記事を読む
2012年12月26日女の幸せとは何か?母になるということはどういうことか?男性の目線であれこれ勝手なことを考えても大層な答えなど出てこないことは承知しているが、画面の中の菅野美穂の姿を追いかけていると否応なくそんな考えを巡らせてしまう。ドラマ「働きマン」に『パーマネント野ばら』、『ジーン・ワルツ』、そして先日まで放送していたドラマ「結婚しない」然り。まもなく公開となる『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』では男女の役割が逆転した世に君臨する将軍・綱吉に扮したが、ここでも母として、娘として、国を統べる権力者として宿命と欲求の狭間で揺れる女の性(さが)を狂気すら覗かせながら見せつける。ごく普通の人生の中ではとうてい経験することのできない濃厚な女たちの人生を、役柄を通して生きるというのはどういうことなのか?この小さな体の内に彼女はどれほどの思い、感情、経験を積み重ねてきたのか?公開を前に話を聞いた。まずは綱吉という女性について。強さと弱さ、可憐さと妖しさを併せ持つこの女将軍を菅野さんは愛する娘を失った母親という側面から捉えたという。「最初はボーイズラブの話という印象を持ってたんですが(笑)、そういう描写もあるというだけで原作を読ませていただいたら壮大で本格的で『よしなが(ふみ)先生、天才だな!』と思いました。男女逆転で生まれるはずの難しい部分も男女の業が浮き彫りになることで(歴史の)本流に戻すという作りになっていて。綱吉は天真爛漫で支離滅裂だし、お父さん(桂昌院/西田敏行)との血の繋がりが濃くて、男性に対してすぐ興味を持つくせに薄情で…と、いろんな要素をいっぺんに持っている人。だからこそ危なっかしい魅力を持っていると感じました。その中で子を失った悲しみというのが一番印象に残ったので、それを軸にしようとは思いました」。だが「どこを見て私にオファーしたのかと思った(笑)」と語るように、自分から遠いと感じるところが多かったこの役柄とあって演じる上では「綱吉を理解しようとは思わなかった」とも。「親との関係や子を思う気持ちについて女性として共感できても、将軍家の一番上に立つということや大奥で全ての男が私に見てもらいたがってるという状況は想像してもピンと来ないですからね(笑)。理解しようとすれば背伸びが必要になるので。でも、その状況にいる人はそんなこと疑問にさえも思わないと思うんです。だから自分との違いを考えて演技するというよりはなるべく疑問を持たずに、目の前のシーンに集中していけば映画が完成したときに一つの“線”になるかな?という気持ちでした」。行列を従えて美男たちがひざまずく大奥へと続く御鈴廊下をきらびやかな打掛を羽織って練り歩く姿は、まさに権力と自らを一体化させた強く輝く女性。演じていてなかなか気持ちよいものだったのでは?一方で信頼する家臣の夫を寝取り、真夜中の廊下を白い寝間着姿でさまよい歩くさまは妖艶で何とも言えぬ迫力を放っている。「大奥の廊下を歩くのはきっと気持ちいいんだろうなと思ってたんですが、意外と楽しめない自分がいて『あれ?』っと思ってました(苦笑)。作りが大変で夜中の2時に始まって朝の10時にやっと完成という感じだったので、その日のシーンが全部撮りきれるか心配になって意外に委縮してビビってましたね(笑)。人生で絶対に起こらないことなのでいい経験でした。(夜中のシーンは)原作でも『お前は父に似ておるな』と言う姿は、静かだけど狂気を孕んでいる綱吉の象徴のような気がしました。家臣の夫を寝取って、それに飽きてその息子までって…ちょっとひどいですが(笑)、目の前の興味に素直になり過ぎているがゆえの狂気を感じました」。インタビューの最中、菅野さんの口からはたびたび「女の業」という言葉が発せられたが、この女将軍・綱吉の人生を通して菅野さんの胸の中に強く突き刺さったのは、堺雅人演じる右衛門佐との間の「プラトニックな愛」だった。「人生で経験するであろうひと通りのことを経験した上での最後のプラトニックと言いますか。ほかの男たちとは世継ぎ目当ての恋愛だったけど、右衛門佐とはそこが違って…でも互いの立場もあって言い出せなくて。将軍という一つしかない席に座って何でも思い通りになるはずの彼女も手の届くものでは満たされずに、何を本当は欲しがっているのか分かってなかったと思うんです。でも、やっと右衛門佐と心を通じ合せたときに『(本当に欲しかったのは)心から添い遂げられる人だったんだ』と分かった。でも、プラトニックな愛が一番カロリーを使うと思うんですよ。それを人生が下り坂に入ってから分かるというのは哀しいかもしれないけど、ハチャメチャに生きた綱吉だからこそ美しいなと思えました。幸せかどうかは…どう取るかによりますが(笑)、それでも2人の“夕暮れの恋”は美しいと思います」。相手役の堺さんとは初共演だったが、現場での堺さんの姿から受け取った刺激や自分自身を顧みて感じたことも多かったよう。「堺さんはご自分で研究して役作りをなさってて、監督に自分から提案されたりするんです。研究が進み過ぎて鎌倉時代の小説とか読んでましたね(笑)。私が見て思ったのは、堺さんは学者タイプというか、論文をまとめるかのように研究していく役者さんなんですね。私はスポーツ選手のようなタイプで、監督がコーチなんです。言われたことをやるという感じで言われたことに疑いを持たずにやってるんですね。監督は実際にモニターを見て『こうした方がいい』と言ってくださるので、自分の感覚や内側の目で『ん?』と疑問に思っても監督の目の方が正しいことが多いんですよ」。先述の“プラトニックな愛”など作品を通じて感じたことは少し時間を置いた後で自身の内側にジワジワと染み込んでくることが多いとか。菅野さんはそれを「あと役作り(笑)」と表現する。「スイッチを押すようにカチッとではなく、ちょっとずつちょっとずつ役柄に影響された上でのいまの自分なんだろうなと思ってます。だから5年後の40代になってからの方が綱吉の気持ちをよく分かってるかもしれないですね。『ジーン・ワルツ』のこともいまになって思い出すんですよ。あのときも30代だったし十分に身近ではあったんですが、少し年を重ねたいまになってドラマのこともあったりして余計に思い出します。そういう意味では完全に自分のためだけの“あと役作り”ですね(笑)」。「自分のためだけ」と言いつつも、それをしっかりと現在の仕事に反映させてしまうところが彼女の名女優たる所以である。今回、宿命と葛藤の果てに辿り着いた真実の愛の感情が数年後にどのような化学変化を彼女にもたらすのか楽しみだ。(photo / text:Naoki Kurozu)
2012年12月21日映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』のプレミア試写会が12月17日(月)に都内で開催され、主演の堺雅人と菅野美穂を始め、尾野真千子、柄本佑、要潤、桐山漣、郭智博、永江祐貴、三浦貴大、宮藤官九郎、西田敏行に金子文紀監督の総勢12名が和装で舞台挨拶に登壇した。よしながふみの人気漫画を原作に先日、最終回を迎えた連続ドラマ「大奥 ~誕生~[有功・家光篇]」の30年後の元禄の世を舞台にした本作。謎の奇病の蔓延で男性の人口が激減し、男女の役割が逆転した日本の権力の頂点に立つ女将軍・綱吉と公家出身ながら大奥の総取締役まで上り詰めた右衛門佐の究極の愛を描き出す。登壇陣は会場中央にせり出す形で設置されたレッドカーペットを歩き、2階席まで埋め尽くした4千人の観客の大歓声を浴びた。堺さんはドラマ版では3代将軍・家光の側室で慈愛に満ちた有功(ありこと)に扮したが、本作で演じた右衛門佐は正反対の権力への野心に満ちた謀略の男。「自分自身はあまり野心がないので、ありったけの野心を振り絞って、野心MAXでやらせていただきました!」と胸を張る。菅野さんは、魔性を感じさせたかと思えば天真爛漫なかわいらしい部分も持ち、将軍としての勇ましい一面も持つなど多面的な綱吉について「壇蜜さんみたいな役です(笑)」と説明。演じている最中も、そして映画完成後のインタビューなどでも綱吉を簡潔に説明する適切な表現がなかなか浮かばなかったそうで「今日、やっと分かりました!壇蜜さんです!」と嬉しそうに語り笑いを誘っていた。西田さんは壇蜜さんを知らなかったようで、「どういう方ですか?」と不思議そうに質問。さらに要さんが「僕の役は壇蜜さんとは真逆で…」と語るに至って、堺さんは「さっきから壇蜜さんの話しかしてないじゃないですか!」とキレ気味に抗議し会場は再び笑いに包まれた。宮藤さんは綱吉の正室を演じたが「西田さんは女性との絡みがあってエロい感じだったのに僕はそういうのがなかった…」と残念そうにふり返る。その西田さんは「僕の役者のキャリアの中で数少ない濡れ場がありました」と満面の笑み。「四十数年、役者やってきてこれまで3回くらいしかなかった。それを今回、尾野さんとやらせていただきまして」と嬉しそうに報告すると客席からは拍手が沸き起こった。さらに西田さんは三浦さんを見やり「僕は三浦さんが生まれた日にちょうどお父さんの三浦友和さんと仕事でご一緒してたんです。『今日、生まれるかもしれないんです』と仰っていたのを覚えています」と20年以上前のエピソードを明かすなど、劇中のみならず壇上でも千両役者ぶりを発揮し舞台挨拶を盛り上げた。金子監督はこの豪華俳優陣について「みんな予想を裏切ってくれる」と称賛。特に西田さんのアドリブについて「台本のト書きに『怒ってる』とあるのに、いきなりこのシーンについて『泣きたい』と仰って、みんな『えー?』っとなったんですが、素晴らしかった」とベテラン俳優の想像を超える演技に賛辞を惜しまない。堺さんも「そのシーンが西田さんとの初めてのシーンでしたが、いま思い出しても素晴らしかったです」としみじみと語った。最後に再びマイクを握った堺さんは、本作について「大きな物語ですが、そこに残るのはひとりの人間の寂しさや愛、一組の人間の結びつきだったり、人肌の温かさがメッセージとしてあると思います」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』は12月23日(土)より公開。■関連作品:大奥 ~永遠~[右衛門佐・綱吉篇] 2012年12月22日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012男女逆転『大奥[右衛門佐・綱吉編]』製作委員会
2012年12月17日興行収入23億円を記録し、大ヒットした『大奥』の続編『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』が完成し25日、都内の劇場で堺雅人、菅野美穂、柄本佑、西田敏行、金子文紀監督が出席して完成披露試写会が行われた。作品の画像よしながふみの人気コミックを原作に、本作では前作より過去にさかのぼり、五代将軍綱吉の時代が舞台。謎の疫病によって男女の立場が逆転してしまった江戸時代で、女将軍や女人禁制の大奥が誕生した過程が絢爛豪華に描かれる。映画公開前に放送されるテレビドラマ版『大奥有巧・家光篇』との二部構成。堺は放送中のドラマ版で野心的な主人公・有巧(ありこと)を演じ、映画と合わせて1人2役を務めており「有巧と違って、右衛門佐は包容力があるタイプ」と分析した。一方、“生類憐みの令”で知られる五代将軍・綱吉を演じる菅野は「綱吉といえば、犬将軍ですもんね。お話をいただき、『犬を抱っこできたらいいな~』という下心があったんですが(笑)、台本をいただいて何という大役なんだと震え上がった」と振り返った。そんな菅野について、“お仕えする”堺は「まるで1本の大きなの木のような存在で、僕はそこにまとわりつく“つる植物”のようだった」とコメント。「本当にお美しくて、危険で甘い香りもある」とゾッコンの様子だった。西田は綱吉の父・桂昌院を演じ、「菅野さんがとても素晴らしくて、圧倒されました。(役柄同様)溺愛することができましたし、その気持ちは僕自身もストレートに持っている」と目尻が下がりっぱなし。一方、右衛門佐の右腕を演じ、今作の語り部も兼任する柄本は「ナレーションはほぼ初めてで…」と恐縮しきりだった。前作『大奥』、そして放送中のドラマの演出も手掛ける金子監督は「前作は10代をメインにした青春群像劇で、今回は堺さんが30歳から60歳くらいまでを演じている」と説明。「抵抗できない現実を受け入れて、いかに生き抜くか。登場人物が葛藤する姿は共通している」と両作品に共通するテーマ性を語り、「今まで4本の映画を作ったが、一番気に入っている。正直、反省点がない」と誇らしげな様子だった。映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』12月22日(土)全国ロードショー
2012年10月26日邦画としては異例のオールパリロケを敢行した『新しい靴を買わなくちゃ』が6日、全国で封切られ、主演を務める中山美穂と向井理、共演する桐谷美玲、綾野剛、メガホンも執った脚本家の北川悦史子氏とプロデューサーの岩井俊二氏が東京・有楽町の丸の内TOEIでの初日舞台あいさつに立った。その他の写真パリで暮らす日本人女性(中山)と日本から観光に来た青年(向井)が運命的に出会い、3日間の恋に落ちる淡くてビターなラブストーリー。中山は「撮影をしている間は、まるで魔法にかかっていた感覚。映画が公開され、それが解けちゃうんだなと思うとさみしいですが、今度は皆さんが素敵な魔法にかかってください」と作品の雰囲気そのままに、ロマンチックな言い回しでファンにメッセージをおくった。一方、向井も「初日を迎えて、映画が僕らの手から飛び立つのは複雑な気持ち。どの作品よりも思い入れが深い作品になった」と思いは格別の様子だった。中山と向井が共演するのは今回が初めてで、「次に共演するなら、ハードアクション・コメディかな。どこか異国に行きたい」(中山)、「アクションをやったことはないので、想像つかないですね…。でも、やりますか?」(向井)と早くも再共演に意欲満々。一方、パリで遠距離恋愛カップルを演じた桐谷と綾野は、2度目の共演で「実は2回とも恋人役なんですよ。綾野君は現場でも引っ張ってくれるから、次はお兄ちゃん役がいいですね」(桐谷)、「3回目もぜひ恋人役で」(綾野)とこちらも共演プランに花を咲かせた。本作の企画が立ち上がったのは、今から6年前のこと。北川監督がパリを舞台にしたラブストーリーの構想を、中山にメールで伝えたことが始まりだったという。「そこから私が入院してしまったから、ずいぶん時間がかかってしまった。美穂ちゃんと岩井さんがずっと私を励まし続けてくれた」と北川監督。「ここに並んでいる皆さんと、ケンカしたり、仲直りしたりして心をこめて作りました。きっと皆さんの心に響くことと信じています」と感無量の表情だった。また、岩井プロデューサーも「6年ほど前に北川さんから『手伝って』とお電話をもらい、安請け合い(笑)したが、これだけの時間が経つとは思っていなかった」としみじみ語っていた。『新しい靴を買わなくちゃ』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年10月09日全編フランス・パリで撮影されたこの秋話題のラブストーリー『新しい靴を買わなくちゃ』が10月6日(土)、全国で封切られ、主演を務める中山美穂と向井理、共演する桐谷美玲、綾野剛、メガホンもとった脚本家の北川悦史子とプロデューサーの岩井俊二が東京・有楽町の丸の内TOEIで初日舞台挨拶を行った。中山さんは劇場に駆けつけたファンを前に「みなさんのリアルな笑顔を見られて、これ以上嬉しいことはない」と感無量。一方、向井さんも「とても思い入れが深い作品です」と誇らしげだった。パリで偶然出会った現地在住の編集者・アオイ(中山さん)と、観光にやって来たカメラマンのセン(向井さん)が繰り広げるわずか3日間の恋愛模様をロマンチックに描く。2人の共演は今回が初めてで、中山さんは「すごく演じやすかった」。早くもこの絶妙なコンビネーションによる再共演を望む声が上がっており、「次はどこか異国で、ハードアクションコメディなんてどうかなあ?」(中山さん)、「アクションはやったことないので、想像つかないですけど…、やります?」(向井さん)と本人たちもまんざらでもない様子だ。桐谷さんと綾野さんが演じる遠距離カップルのゆくえも、物語の重要なカギになっており「私もいつか大人になったら、こんな恋愛してみたい」と桐谷さん。こちらのコンビは2度目の共演だが、桐谷さんは「2度とも恋人役なので、次はお兄ちゃんを演じてほしい。綾野くんは現場でも私を引っ張ってくれたから」。一方の綾野さんは「3回目もぜひ恋人で!」と“恋人続行”を宣言していた。北川監督が、本作の構想を一通のメールで中山さんに伝えたのはもう6年前のこと。「その後、私が入院してしまったり、いろいろと完成までに時間がかかってしまった。そんな私を美穂ちゃんと岩井さんがずっと励まし続けてくれた」と今回の“共犯者”への感謝を述べると共に、映画の完成に感慨もひとしお。岩井プロデューサーも「6年ほど前に北川さんから『手伝って』とお電話をもらった当時は、これだけの時間が経つとは思っていなかった」と長い道のりのゴールに、ホッと一安心していた。『新しい靴を買わなくちゃ』は全国にて公開中。シネマカフェSweet「『新しい靴を買わなくちゃ』特集 パリ、恋、4人の場合」■関連作品:新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月6日より全国にて公開© 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会
2012年10月07日堺雅人、菅野美穂が主演する映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の主要キャストが揃った華やかなポスター画像がこのほど公開された。その他の写真本作は、2010年10月に公開された『大奥』の続編となる劇場版第2弾。謎の疫病によって男性の数が激減し、男女の立場が逆転してしまった江戸時代を舞台に、五代将軍綱吉(菅野)を頂点とする“大奥”の人間模様を描く。このほど公開されたポスター画像の中心には、才覚と野心で“大奥”の世界をまい進していく右衛門佐(堺)と、将軍綱吉(菅野)の姿があり、ふたりを取り囲むように、側用人として綱吉に使える柳沢吉保(尾野真千子)、右衛門佐の片腕となる部屋子の秋本(柄本佑)、綱吉の側室である伝兵衛(要潤)、大奥の御台所(正室)信平(宮藤官九郎)、そして綱吉を溺愛する父・桂昌院(西田敏行)が並ぶ。キャッチコピーには、“孤独なふたつの魂は、やがて永遠の愛に”とあり、“大奥”での陰謀や愛憎劇が渦巻く中で、右衛門佐と将軍綱吉にどのような運命が待っているのか気になるところだ。このポスターや映画チラシは、29日(土)より本作を上映する予定の劇場に設置、配布される。映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』12月22日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年09月26日日本映画としては異例の全編パリロケで話題の映画『新しい靴を買わなくちゃ』の完成披露会見が行われ、主演の中山美穂と向井理、共演の桐谷美玲、綾野剛、北川悦吏子監督、岩井俊二プロデューサーが登壇した。その他の写真本作はパリを舞台に、ある男女が過ごす3日間を見つめたラブ・ストーリー。恋人に会いに行く妹に付き添ってパリにやってきたカメラマンの青年が、現地で暮らす女性と出会い、心を通わせていくさまをナチュラルな映像で描き出していく。監督は脚本家として数々の名作ドラマを生んだ北川悦吏子氏。また、映画ファンから根強い人気を誇る岩井俊二氏がプロデュース、音楽を坂本龍一が手がけたことも注目を集めている。主演を務めた中山美穂は、長年暮らしているパリでの撮影について、「撮影中はあくまで現場なので気にならなかったのですが、出来上がったものを観て不思議な感じがしました。撮影中もどんな風に撮られているかまったく想像できなかったので、新鮮な驚きがありましたね」とコメント。今回が初共演となった向井理については、「呼吸の相性がいい」と好印象を受けた様子。一方向井は、「中山さんはおっちょこちょい(笑)」と、中山の落ち着いたイメージとは違う意外な一面について語り、会場を和ませた。また、本作の企画は北川氏と中山のメールのやり取りから生まれ、完成までに6年をも費やしたという。「普段ドラマでは12話という長さで視聴者を魅了していくのですが、今回は最初に思いついた3日間のお話を映画という枠でやり切りたかった。脚本家なので、現場でセリフを変えてしまうことも多かったのですが、皆さんが困りながらも付き合ってくれました(笑)。私の脚本は土台でしかなくて、俳優さんがいて、空気が生まれて、やっとひとつの作品になる。今もまるで夢の中にいるみたい」という北川氏の映画への想いに、岩井氏も「時間はかかりましたが、念願のパリで、念願のキャストで、すばらしい作品になった」と感無量のコメント。長年あたためた企画の実現に、しっかりした手ごたえを感じられたようだ。作品のタイトルにちなんで、女性キャストが新しい靴に履き替えるというパフォーマンスも行われたこの日。パリのセレブ御用達ブランド、ロジェ ヴィヴィエが提供した靴が登場すると会場の女性たちからため息が。真新しい靴をまとった中山は「気分が上がります」とにこやかにコメント。会見を華やかに締めくくった。『新しい靴を買わなくちゃ』10月6日(土)全国ロードショー
2012年09月26日映画『新しい靴を買わなくちゃ』の完成報告会見が9月25日(火)、都内で開催され、主演の中山美穂、向井理、桐谷美玲、綾野剛、プロデュースと撮影監督を務めた岩井俊二、そして監督・脚本の北川悦吏子が出席した。北川監督の『ハルフウェイ』に続く2作目の監督作品で、全編パリで撮影された本作。セーヌ河のほとりで偶然の出会いを果たしたアオイ(中山さん)とセン(向井さん)の3日間の恋の物語を優しく、切なく描き出す。6年ほど前に北川監督と中山さんが交わした1通のメールが本作のきっかけ。北川監督が体調を崩して一時、企画が頓挫しかけたこともあったそうだが、無事こうして完成を迎えた。北川監督は「感無量です!」と感激しきり。「私は脚本家なので現場でどんどんセリフを変えていき、みんなパニックになりつつもこなしていってくれました。自分が書いた本は土台でしかなく、そこに人がいて動いて、空気が生まれていったように思います。坂本龍一さんが曲もつけてくださり、いまは夢の中にいるみたいです」と満面の笑みを見せた。中山さんと岩井さんが北川さんの病院を訪れて、そこで見舞いがてらに打ち合わせをしたこともあったという。岩井さんは一時は北川さん以外の監督を立てることも考えたそうだが、「僕がそうポロっと言ったら、美穂ちゃんが『北川さんでやろうよ』と言ってくれたんです。時間はかかりましたが、念願のパリで念願のキャストでできました」と喜びを口にした。中山さんは9年前より生活の拠点としているパリで撮影された本作について「出来上がった作品を観て、パリの風景の中に自分がいるのを見て不思議な気持ちになりました」と明かす。「脚本を読んで、自分で演じてるのに、撮影中はどういう風に切り取られるのか全く分からず、(完成した作品を観て)新鮮な驚きがありました」と語った。向井さんは中山さんの印象を問われ「結構、オッチョコチョイなところがある」とニヤリ。「(役の)アオイっぽいなという感じで、撮影の最後にはアオイとして見てました」と語る。綾野さんは絵を志してパリに留学中の青年・カンゴを、桐谷さんは彼を追いかけてパリへやって来たスズメを演じているが、長回しによる2人の会話シーンは大きな見どころの一つ。桐谷さんは「台本はあるんですが、プラスアルファでやれることがあるならと言われてたので、カンゴとスズメとして綾野くんと会話してました」とふり返る。岩井さんが撮影監督を務めたからこそ実現したとも言える不思議な空気感が漂うこのシーンについて、綾野さんは「ただただ心地よかったです。生きてる実感があったというか、ずっと続けばいいのにと思ってました」と述懐。さらに綾野さんが「(相手役が)桐谷さんでよかったです」と語ると、桐谷さんは嬉しそうに微笑んでいた。会見の終わりには、映画にちなんで劇中で使用されているブランド「Roger Vivier(ロジェ・ヴィヴィエ)」の今シーズンの新作のヒールが登場。中山さんと桐谷さんはそれぞれ向井さん、綾野さんにエスコートされながら壇上で新たな靴に履き替えた。桐谷さんが履いたのは、映画のラストシーンで履いたものの色違いの秋冬の新作「BELLE DE NUIT(ベル・ドゥニュイ)。中山さんは、スワロフスキーが施され日本で1点のみのヒールとなる「Palace(パレス)」を着用。多くの記者が注目する中での靴の履き替えに、中山さんは「恥ずかしい…」と照れつつも、新しい靴に「気分が上がります!」と笑顔を見せていた。『新しい靴を買わなくちゃ』は10月6日(土)より全国にて公開。■関連作品:新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月6日より全国にて公開© 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会
2012年09月25日絶対不可能と言われていた“リンゴの無農薬栽培”を実現させたリンゴ農家・木村秋則氏の挑戦を描いた著書『奇跡のリンゴ』が、阿部サダヲと菅野美穂主演で映画化されることが決定した。その他の写真日本最大のリンゴ生産地である青森県を舞台に、一人の農家の挑戦を描いた本作。『ゴールデンスランバー』『チーム・バチスタの栄光』で知られる中村義洋が監督を務め、阿部と菅野が夫婦役を演じる。極貧に耐え、自殺に追い込まれるほど過酷な状況になっても、11年もの年月をかけてリンゴの無農薬栽培を実現させた木村氏。今回キャスティングされた阿部は、「『世界で初めて(リンゴの無農薬栽培)』を成功させて今現在もご活躍中の方を演じるなんて、今までそんな経験はなかった。ステキな秋則を作りたいと思っています」と意気込みを見せている。両親が岩手県のリンゴ生産地の出身ということもあり縁を感じているという菅野は、「農薬アレルギーのある妻を苦しみから解放してあげたいという愛情が(無農薬リンゴ栽培の)きっかけだなんて、なんと素直で優しいんでしょう。猪突猛進の主人を温かく見つめるのが妻の務めでは」と、その献身的な役柄を振り返った。また中村監督は、「あらゆる仕事においてチャレンジを続ける人々の普遍的な物語。今まさに何かを諦めかけている人が見て、この家族に比べたら自分の方が恵まれているな、もう少し頑張れるな、なんて思っていただければ」と語っている。木村氏本人の、「一つのものに狂えばいつか答えは見つかる。とにかく諦めないで」という強いメッセージが込められた本作は、弘前市全面協力のもと、4月中旬からオール弘前ロケを敢行し、2013年に公開される予定だ。『奇跡のリンゴ』2013年ロードショー
2012年04月06日中山美穂が10年ぶりにTVドラマに帰ってくる女優、中山美穂が俳優、佐藤浩市とのW主演でTBSドラマ「終着駅~トワイライトエクスプレスの恋(仮)」に10年ぶりに出演する。2002年に作家・辻仁成氏と結婚、フランスに移住した中山は、今回のドラマ出演の為に帰国。フジテレビ2002年の「ホーム&アウェイ」以来のドラマ出演となり、TBSは総力を挙げて制作に臨んだ。大人のラブストーリーが展開「終着駅~トワイライトエクスプレスの恋(仮)」は、大阪発札幌行き寝台特急「トワイライトエクスプレス」が舞台となる。不倫関係にある中山と佐藤が別れを決意し、最後の旅行に出かける。エクスプレスのスイートルーム内で揺れ動く感情を二人が演じる。今回の撮影は、JR西日本が全面協力、実際のダイヤの合間をぬってトワイライトエクスプレス内で撮影を敢行。ドラマとしては異例の力の入れようだ。現在、活躍中の多くの女優や歌手が憧れる中山の久々のドラマ出演に、大きな期待が寄せられている。TBSドラマ特別企画「終着駅~トワイライトエクスプレスの恋(仮)」は3月20日 後9:00より2時間放送。元の記事を読む
2012年02月17日2月より六代目中村勘九郎襲名披露興行を行う中村勘太郎が都内で取材会を行い、現在の心境を語った。襲名興行は2月に東京・新橋演舞場にて、3月に東京・浅草の平成中村座で上演後、主要都市を回る。新橋演舞場二月大歌舞伎<中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露>チケット情報「演舞場と中村座で襲名興行ができるのは、なんだか勘九郎らしいですね。父が19歳の時から夢見て建てた中村座で初の襲名ができる。うれしいですね」と勘太郎。父・勘三郎が勘九郎時代に築いてきた功績は数限りない。1994年よりほぼ毎年、若者の街渋谷で『コクーン歌舞伎』を上演。また、現代の作家に新作歌舞伎を創って欲しいという思いから、串田和美、野田秀樹、渡辺えり、宮藤官九郎などに演出や執筆を依頼し新たなファンを掘り起こした。2000年には中村座にゆかりある浅草に仮設劇場を建て、“平成中村座”として公演を行った。その後この一座は日本国内のみならず、世界各地で上演を行っている。そんな勘九郎の名を継ぐ重責については「とりあえず怖い」と話す。「やっぱり戦ってきた名前ですから。(中村座やコクーンでの上演は)歌舞伎を愛してもらいたい、色々な人に知ってもらいたいって。危機感をずっと持っていたんでしょうね。お客様が入ってくれなきゃ話にならないですし。ただ、新しいことをするとよく思わない人もいますよ。いいものをすることによって戦うというか。熱い魂を持って戦ってきた名前ですね」12月の中村座は勘太郎として最後の舞台出演になる。「今月はいい最後を迎える事ができるんじゃないかな。『積恋雪関扉』の関兵衛は今までの役者人生の中で一番苦心した役ですね。演じた者にしかわからない苦しみや疲れがあります。勘太郎という名前で関兵衛をやらせてもらい、偉大なる先輩方が愛した役で、同じ疲れを自分自身で体感でき、歌舞伎ってこういう楽しさもあるんだなと思いました」今年は震災はもちろん、長男の誕生、父の病気、祖父(七代目中村芝翫)の逝去と勘太郎にとっても大きな出来事が続いた。「すごい年になっちゃいましたね。(父の代役を務めた際)命を削ってでもやりますと言ってたら、本当にそれぐらい大変でした(笑)」2月興行では『土蜘』の僧智籌と、『河内山』松江出雲守、『春興鏡獅子』の弥生での出演が決定している。「『土蜘』は、今まで中村屋にあまり縁のなかった役ですが楽しいです。弥生は、祖父(七代目中村芝翫)と1対1でずっと稽古をやってました。父も祖父もすごく大事にしています。おじいちゃま(十七代目中村勘三郎)も。全員の血が入っているから大切にしなければと思いますね。3人とは体型が違うので、当時振り付けられた踊りをどうこの身長で踊るかですね」襲名興行まであと僅か。「今月の“勘太郎”最後をまずは楽しみたいです。襲名はお祭りですからね。お客様にも楽しんで頂いて、一緒に祝って欲しいです」。公演は2月2日(木)から26日(日)まで新橋演舞場で上演。その後、3月平成中村座、9月に大阪・松竹座、10月に名古屋・御園座、12月に京都・南座、2013年2月に博多・博多座で上演される。
2011年12月22日歌舞伎俳優の中村勘太郎が、来年2月に六代目中村勘九郎襲名披露の成功を祈願して11月27日、東京・浅草寺でお練りを行った。父、中村勘三郎と弟の中村七之助らとともに雷門前を出発し、ゆっくりと本堂までお練りを開始。晴天となったこの日、人気役者を一目見ようと2万5千人が集まり、「中村屋!」と声がかかると笑顔で応えていた。新橋演舞場二月大歌舞伎<中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露>チケット情報勘太郎は「勘九郎という、父が46年間名乗っていた名前を継ぐプレッシャーはあります。みなさまからの笑顔とご声援を胸に、1年間しっかり務めたいと思います」と挨拶。また勘三郎は「勘九郎っていい名前ですけど大した事ありません。(自分が)勘三郎を継いだ時のほうがプレッシャーがありました。気楽にいい勘九郎にしてもらいたい」とエールを送った。勘九郎を名乗る実感がまだ湧かないという勘太郎だが、「謙虚な気持ちと向上心と、ハングリー精神を忘れないように務めたい」と話し、気持ちを引き締めていた。なお、勘太郎としての出演は今年12月の『平成中村座』(東京・浅草)が最後となる。襲名披露は、来年2月2日(木)から26日(日)まで東京・新橋演舞場にて興行を行い、その後、3月に平成中村座、9月に大阪・松竹座、10月に名古屋・御園座、12月に京都・南座、2013年2月に福岡・博多座と各地を回る。新橋演舞場のチケットは12月23日(金)より発売。
2011年11月28日今年9月、東京・新橋演舞場『秀山祭九月大歌舞伎』興行で、三代目中村又五郎、四代目中村歌昇をそれぞれ襲名する歌舞伎俳優の中村歌昇と長男の中村種太郎が、中村吉右衛門、中村歌六らとともに8月22日、東京・浅草寺で「お練り」を行った。チケット情報鳴物の山車と木遣り(きやり)に先導され、雷門を盛大に出発。1万人の人で賑わう仲見世を経て、「播磨屋!」、「又播磨!」などの掛け声が飛び交う中、本堂に向かい成功を祈願した。朝から激しく降っていた雨も「お練り」が始まるとすっかり止み、天さえも味方につけているかのよう。なお、浅草寺での「お練り」は2005年1月の中村勘三郎以来6年7か月ぶり。三代目又五郎を襲名する中村歌昇は、「本日は本当にありがとうございます。お天気の悪い中、木遣りの方々、お囃子のあやめ連の方々、浅草の芸子の皆様、ありがとうございます。皆様のご声援に応えるべく、この道一層の精進をいたし、ひとかどの役者になることが、皆様へのご恩返しだと思っております」とコメント。また、四代目歌昇を襲名する中村種太郎は「このようにお練りをさせていただくことは、色々な方々のお力があってのことだと思っております。感謝の気持ちを持って、一所懸命舞台を勤めることが一番の恩返しだと思ってております」と抱負を語った。播磨屋一門の長である中村吉右衛門は「本日はお足元の悪いなか、かくも賑々しくお運びいただき誠にありがとうございます。皆様方のお力によって、舞台で力を発揮できることと思います。ぜひとも又五郎、歌昇をどうぞ宜しくお願いいたします」と締めた。公演は同劇場にて9月1日(木)から25日(日)まで上演。チケットは発売中。
2011年08月23日映画『ジーン・ワルツ』(大谷健太郎監督)の初日舞台挨拶が2月5日(土)、東京・銀座の丸の内TOEI1で行われ、主演の菅野美穂、共演の田辺誠一、原作者の作家で病理医の海堂尊氏らが出席した。大学病院を舞台に顕微授精のスペシャリストの産婦人科医、曾根崎理恵(菅野さん)の国家の医療体制に反発する戦いを通じ、代理母出産など日本の産婦人科医療の現実を描く医療ミステリー。命を扱ったデリケートなテーマに菅野さんは「いま30代で、いつか母親になりたいと思っている。こういうタイミングで、こういう映画に参加させていただき幸運でした」と深い関心を持って捉えた様子。「出産のいいところだけ見て夢のように産みたいと思っていましたが、産科医療がどれだけ大変か、胎児が10か月体内にいる間にどういうことが起こりうるかシビアな面も知って、だからこそ赤ちゃんを抱っこできる喜びを知り得るとわかった。改めて赤ちゃんを産みたいと思いました」と強い母親願望を口にした。一方の田辺さんは、大学病院で理恵の上司にあたるエリート医師役。劇中では、さまざまな事情を抱えながら出産に立ち向かおうとする女性たちが登場しており「いろいろな生き方の女性を見て、女性は命がけで“命”を産むんだと、感動しました」としみじみ。また長年の不妊治療の末に39歳で妊娠をした荒木浩子役の南果歩は、出産シーンをふり返り「美術さんが新生児ロボっていうのを作ってくれて、何体かあったんですが、やっぱりウチの子が一番かわいい!と思って、親バカでした」と実生活でも母親だけに出産に思い入れもひとしおの様子で、観客の笑いを誘った。『ジーン・ワルツ』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集「『ジーン・ワルツ』 現場が伝える女性の『生き方』&『働き方』」■関連作品:ジーン・ワルツ 2011年2月5日より全国にて公開© 2011「ジーン・ワルツ」製作委員会■関連記事:天才医師が新医療の闇に迫る『ジーン・ワルツ』オリジナルバッグを5名様にプレゼント菅野美穂インタビュー“天才女医”から見つめる、女性の生き方『ジーン・ワルツ』海堂尊インタビュー納得の出来に原作者も「危険な映画(笑)」菅野美穂「ピザマルゲリータを見ると帝王切開を思い出す」就活女子必見…?桐谷美玲がコメディ初挑戦でコスプレ軍団に囲まれ困惑
2011年02月07日思わず支えたくなるような純粋無垢な女性から、目的のためには手段を選ばない悪女まで、女優・菅野美穂の演技には毎度驚かされる。そんな彼女が『チーム・バチスタの栄光』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』などの映像化で知られる医療ミステリー作家・海堂尊の新シリーズ『ジーン・ワルツ』の映画化で演じるのは、クール・ウィッチ(冷徹な魔女)と言われ、権力に屈しない行動力を持つ、産婦人科医であり顕微授精のスペシャリスト・曾根崎理恵だ。“史上最強の女医”を演じたことで彼女自身の人生はどう変化したのか――。曾根崎の芯の強さに「羨ましい」「原作の曾根崎先生は、どこまでもクール。内側にある情熱はポーカーフェイスで一切表面に出さず、水も漏らさないような計画を立てる完璧な女性。そういう女性を私が演じるってどうなんだろう…という不安はありました。でも、映画の台本を読んで、彼女の揺らぎとか葛藤を膨らませていることに気がついて、私の役割は原作の曾根崎先生と映像化にあたっての曾根崎先生のニュアンス、その両方を繋ぎ合わせることだと思ったんです」と語るように、信念を貫きながらも揺れ動く心情を丁寧に表現している。菅野さんが20代の頃からカメレオン女優と言われるゆえんはそこにある。物語の舞台となるのは、とある理由で閉院間近となったマリアクリニック。曾根崎と彼女がサポートする4人の妊婦それぞれの出産に至るまでが描かれ、多くの女性は出産について深く考えさせられる。もちろん菅野さんもそのひとりだ。作品から受けた衝撃を「頭をガツンと叩かれたようだった」と説明する。「いままでは、赤ちゃんを産むことに関してどこか夢見がちだったというか、早いか遅いかの違いはあっても、いずれ母親になるだろうと思っていたんです。けれど、そうではなかった。現代の女性にとっては、産む人生も産まない人生も選択できる。赤ちゃんを産むにしても、十月十日の間にどれだけ大変なことが待っているのか──その大変さを知り、その先にあるであろう自分の赤ちゃんを抱くことの喜びを考えることができた。いまは夢見がちではなく、現実的な大変さも含めて、いつか赤ちゃんを産みたいと思っています」。また、今回は菅野さんをはじめ浅丘ルリ子、南果歩、風吹ジュン、白石美帆、桐谷美玲など女性キャストが多かったこともあり、現場でも出産トークが繰り広げられた。「風吹さんが現場にお茶のセットを持ってきて中国茶を入れてくださったんです。そのお茶を飲みながら、出産のときはね…と話をしたこともありますね」。監督の実体験から演技のヒントを得るそして、和気あいあいとしたオフタイムの雰囲気とは一変、劇中で曾根崎が代理出産という大胆な計画を遂行するために、上司である帝華大学准教授の清川と火花を散らし、繊細さと強さを武器に清川を振りまわす一幕も。菅野さんはそんな曾根崎を「羨ましい」、「あっぱれな女性」と称える。「曾根崎先生のやろうとしていること、言っていることは正しいけれど、拳をあげた瞬間に意味が変わることってありますよね?でも、彼女の場合は正々堂々と正義をきっちり貫き通している。もちろん、その自信の裏には努力があるわけですが、私は彼女ほど自分に自信を持てないし、嫌われたらどうしよう?って考えてしまう。ほんとにあっぱれな女性ですよね」。クール・ウィッチと呼ばれながらも同性から頼られるキャラクターでいられるのは、彼女に観客が希望を託したいと願うからなのかもしれない。続けて、何日もかけて撮影したという、曾根崎と清川が一緒に手術を行うシーンが印象深く記憶に刻まれているとふり返る。「赤ちゃんが生まれるだけでなく、曾根崎先生と清川先生の本音がぶつかるシーンでもあって、さらに帝王切開の術式を手際よく演じなければならなくて…いろいろなものがギュウギュウに詰まっているシーンでした。私自身は子供を産んだ経験がないので分からないことだらけだったんですが、この作品の撮影に入る前に大谷監督はイクメンをされていたので、監督の(実体験からくる)何気ない言葉の一つ一つが演技につながりました。何よりも“映画を観たあとにあったかい気持ちになれる、そういう映画にしたい”という監督の言葉が支えになりましたね」。「私もいつか赤ちゃんを産みたい」と菅野さんが熱い思いを胸に刻んだように、多くの女性が曾根崎先生のような産婦人科医の下で、出産したいと思うことだろう。温かな気持ちを抱きながら──。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集「『ジーン・ワルツ』 現場が伝える女性の『生き方』&『働き方』」■関連作品:ジーン・ワルツ 2011年2月5日より全国にて公開© 2011「ジーン・ワルツ」製作委員会■関連記事:『ジーン・ワルツ』海堂尊インタビュー納得の出来に原作者も「危険な映画(笑)」菅野美穂「ピザマルゲリータを見ると帝王切開を思い出す」就活女子必見…?桐谷美玲がコメディ初挑戦でコスプレ軍団に囲まれ困惑矢田亜希子クリスマスにプレゼントもらう予定アリ矢田亜希子インタビュー「いまだからできる」母親役で見せた強さ
2011年02月03日海堂尊原作の同名医療サスペンスを映画化した『ジーン・ワルツ』の完成披露試写会が1月30日(日)、東京・千代田区の帝国ホテルで開催され、主演を務める菅野美穂をはじめ、白石美帆、桐谷美玲、片瀬那奈、南果歩という日本を代表する豪華女優陣が勢揃い。原作者の海堂氏、そしてメガホンを取る大谷健太郎監督と共に本作の完成を報告した。主人公は顕微授精のスペシャリストで“遺伝子(ジーン)の女神”の異名を持つ天才医師・曾根崎理恵(菅野さん)。医療の最高峰である帝華大学病院で働く彼女が院長代理を務める廃院寸前の小さな産婦人科医院「マリアクリニック」には、禁断の“治療”が行われているとうわさが囁かれていた。真相を確かめるべく、同僚のエリート医師・清川吾郎(田辺誠一)は理恵の周辺を探り始めるが…。映画化もされた「チーム・バチスタの栄光」で華々しい作家デビューを飾った現役医師の海堂氏が、日本の産婦人科医療の現実を描く原作が菅野さん主演で映画化された。菅野さんは「クールでポーカーフェイスな役柄。普段の自分とは違うので頑張りました。参加できて光栄ですし、女性が多い現場で楽しかった」と“美の競演”が実現した現場にニンマリ。海堂氏も「全ての登場人物が予想以上に美しくなった。こんなにたくさんの美女に囲まれるのはこれが最後だと思うので、人生の短い頂点として楽しみたい(笑)」と映画の出来栄えはもちろん、華やかな雰囲気にご満悦だった。難病を抱える子供を持った母親を演じる白石さんは「妊娠も出産も経験したことはありませんが、いつか自分の身にも起こりうること。女性目線で心の痛み、命の奇跡を実感した。自分が出産するときに、もう一回この映画を観たい」と母性に目覚めた様子。南さんは不妊治療を経て、自然分娩を希望する女性を熱演し「自然だけでは立ち行かない現実がある。医療があったからこそ生まれた命もあるはずだし、自然志向に偏り過ぎる風潮に一石を投じる作品になれば」と自身の経験を踏まえて、真摯にコメント。さらに「今後ないとは思うが、子供を産むときは菅野さんにとり上げてほしい」とアピールする場面も。この日、客席には夫で俳優の渡辺謙の姿もあった。自称・ヤンキー妊婦役の桐谷さんが役作りの参考にしたのは「八王子のヤンキーです。監督が参考にしろって(笑)」。先輩女優との共演に、「みなさん優しかったし、女優としてたくさん勉強することができた」とふり返り、「命を扱った作品。ぜひ同世代に観てもらえば」と語った。そしてジャーナリストを演じる片瀬さんは「一般的にジャーナリストは客観的に情報を伝える仕事だが、テーマがテーマだけに、女性としての感情を抑えずに、女性目線で伝えたい気持ちを優先させた。生きることの素晴らしさ、女性のすごさを感じてほしい」とこちらも“女性が主役”と熱弁した。母性がテーマの本作に、菅野さんも「改めて母親になりたいと実感しました…なかなかなれませんけど(笑)」と少々自虐的に語ったほか、帝王切開の施術シーンを演じる際、資料DVDを見たといい「それ以来、ピザマルゲリータを見ると帝王切開を思い出しちゃうんですよ!」と珍発言も飛び出した。この日は、会見当日にあたる1月30日が「女性医師の日」に制定されたことを記念し、なんと65名の女医が菅野さんらと写真撮影に臨んだ。「うわぁ、圧巻ですね。みなさんお美しい」と菅野さん。主題歌「こたえ」を歌う小田和正からビデオメッセージが届くと、「普段は自分の演技に反省しながら、映画を観るんですが、小田さんの主題歌を聞いた瞬間、自分でも感動してしまい、涙が出ました。優しい気持ちになれる曲」と感謝感激していた。『ジーン・ワルツ』は2月5日(土)より全国にて公開。■関連作品:ジーン・ワルツ 2011年2月5日より全国にて公開© 2011「ジーン・ワルツ」製作委員会■関連記事:就活女子必見…?桐谷美玲がコメディ初挑戦でコスプレ軍団に囲まれ困惑矢田亜希子クリスマスにプレゼントもらう予定アリ矢田亜希子、出産後初の5年ぶり主演ドラマで母親役!出産シーンでは思い重ね涙
2011年01月30日