奇才・園子温監督が漫画家・古谷実の同名コミックを大胆な解釈で実写化した『ヒミズ』。主人公に共鳴する少女・茶沢景子を演じた若手実力派女優の二階堂ふみが、人生観が激変した本作との出会いを回想するとともに映画女優として生きる彼女の“幸福論”を語った。その他の写真衝動で父を殺した15歳の住田祐一(染谷将太)が、普通の大人になりたい夢を捨てると同時に残りの人生を“オマケ人生”と決め、世間の悪人を殺そうと決意する問題作。『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『恋の罪』で積み上げた園監督人気、舞台設定を3.11後の日本に置き換えて現実感を追求した野心的試みなどが支持され、国内外で激賞を集めた。住田を想い、行動を一つにする茶沢を演じた二階堂は、「川に飛び込み、転がって(笑)。茶沢として感じた傷みみたいな感覚が残っていますが、撮影当時のことはよく覚えていないですね(笑)」と撮影から約1年、全身全霊で演じ切った当時を回想。「今はすべてが楽しかったと答えられるけれど、大きくズン! と自分が変われた作品です」と成長を実感していた。『ヒミズ』は本人だけでなく、周囲の反応も変えた。特に昨年のヴェネチア映画祭で染谷と二階堂が日本人初となる最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)をダブル受賞した快挙は、予想外の影響を残した。「急にブワーと来られて、何なんだよ、大人、って。うつみたいな気持ちになりました(笑)」と世間の狂騒に困惑しながらも、「でも初めての賞が純粋にうれしくて、世界に行きたいと漠然と思っていたことも分かりやすく目に見えたので、一気に開けた感じがしました」と目を輝かす。ただ、受賞の栄誉は、「あくまでも通過点」と冷静な姿勢もキープしている二階堂。「賞を獲ったことで明確に自分の行きたい場所がわかったけれど、引きずりたくはないですね」と視線は前を向いているのだ。女優としての経験値も彼女を取り巻く環境も劇的に変化したが、女優としての価値観は不変で、「有名になりたいわけじゃなく、お金がほしいわけでもない。スクリーンの中にいれればそれでいいんです。それで自分の幸福論が成り立つから、どれだけ映画を純粋に愛せるか、今それはすごく感じています」とむしろ自身の原点を見つめ直すきっかけになったようだ。将来が楽しみな17歳。ちなみに前述の行きたい場所について聞いてみると、「それは10年後にいる場所。言葉に出すと簡単になるので、今は言わないでおきます(笑)」。『ヒミズ』7月3日(火)、ブルーレイ&DVD発売●コレクターズ・エディション(Blu-ray1枚組)価格:6090円(税込)●コレクターズ・エディション(DVD2枚組)価格:4935円(税込)発売元:ギャガ販売元:ポニーキャニオン取材・文・写真:鴇田 崇ヘアメイク:池上 豪スタイリスト:望月 恵
2012年06月20日セイコーインスツルは17日、日本を代表するカーデザイナー和田智氏がデザインを手がけたウオッチ「W(ダブリュ)」を発表した。各界で活躍するデザイナーとのコラボにより独創的なウオッチを展開しているISSEY MIYAKEウオッチ・プロジェクトの新作。6月に発売する。和田氏は「Audi A5」をはじめ、アウディを代表する車のデザインを手がけてきたことで知られる。同氏が「W」に込めたコンセプトは「伝統的な日本の美意識をベースにしたミニマルな精神」。白や黒を基調としたダイアルの色使いや、ムダがなくすっきりとした文字盤デザインなど、最小限の機能性に美を追求する日本の精神を表現した。一方で、計器類を連想させる文字盤や針、自動車のアルミホイールからインスパイアされたという硬質感を感じさせるケースなど、カーデザインの要素も取り入れられている。視認性を考慮したという直径43mmの大振りな文字盤もユニークだ。ケースはステンレススチール、バンドはステンレススチールまたは皮革。ダイアルの色は、ブラック、ホワイト、シルバーの3色。大きさは直径43mm、厚さ12.8mm。価格は3万9,900円から4万7,250円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月18日3月14日にアルバム『愛の夢』をリリースし、クラシック日本人ピアニストとして史上最年少CDデビューを果たした牛田智大。12歳の天才少年として話題のピアニストの本格的デビュー公演が、7月に開催されることが決定した。「牛田智大 デビュー ピアノ・リサイタル」の公演情報両親の仕事の関係で上海にわたった3歳の頃より、ピアノを弾きはじめたという牛田智大。弱冠5歳にして上海市で行われたコンクールで1700人の中から1位に輝く。さらに若きピアニストの登竜門「ショパン国際ピアノ・コンクール IN ASIA」年齢別出場部門において、8歳から12歳までの5年連続で1位を獲得。また今年2月に行われた第16回浜松国際ピアノアカデミー・コンクールでは、19歳のイタリアの女流ピアニストと1位を分かち合い、同アカデミー音楽監督の中村紘子や世界的ピアニストのラン・ランからもその才能を絶賛されている。昨年10月に放送されたテレビ朝日『題名のない音楽会』出演を機に、注目度も急上昇の牛田智大。本格的デビュー公演となるピアノ・リサイタルは、7月17日(火)に東京オペラシティ コンサートホールにて開催。チケットの一般発売は3月31日(土)10時より。また一般発売に先駆け、チケットぴあではインターネット先行先着プリセールを3月27日(火)10時より受付開始。■牛田智大 デビュー ピアノ・リサイタル【日時】7月17日(火) 19:00開演【会場】東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル (東京都)※本公演は20:00終演予定(休憩無し)
2012年03月26日光インターネット接続サービス「UCOM 光」キャンペーン記者発表会が2月15日、都内にて行われ、同サービス初代キャンペーンキャラクターに決まった山口智充が登場した。“ギガぐっさん”の必殺技写真山口は、CMで演じるネット世界のスーパーヒーロー“ギガぐっさん”として、光り輝く衣装を身にまとい登場。「こういうのを着ると、いつまでも男心をくすぐりますね。ステージにあがる前もこうやって…」と、効果音を交えながらポージングを披露した。CGを駆使したCMについては「自分がこういう世界のなかで生き生きと動く姿を見ると、ほんとに嬉しく思います。撮影も非常に楽しかったですね! ヒーローになった気分」と満面の笑みをみせた。最後に“ギガぐっさん”の必殺技「ギガぐっサンダーフラッシュ」「ギガぐっさん アップクライム ボンバー」を披露し、「みなさまのネットライフを安全に快適にパワフルに、光ぶっとくサポートさせていただきます!」と力強く宣言した。世界で初めて光インターネットサービスを提供した「UCOM 光」は、“光ぶっとい”をキーワードに、インターネットの利用用途に応じて、100Mbpsと1Gbpsを選択することができる「UCOM 光 マンション全戸一括タイプ 100 メガ/1 ギガ セレクトプラン(仮称)」サービスを首都圏ほか一部の地域で3月1日(木)より販売開始する。サービスエリアは順次拡大予定。山口が出演する新CM「ネットのヒーロー ギガぐっさん登場」篇は、2月20日(月)よりJR東日本、東京メトロ、東急電鉄、JR西日本の車内ビジョンにて順次放送される。
2012年02月15日昨年のヴェネチア国際映画祭で、日本人初の快挙となる最優秀新人賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を染谷将太と二階堂ふみがW受賞して以来、一気に脚光を浴び、先週末より満席続出の大ヒットを記録している『ヒミズ』。世界の映画通たちを唸らせた注目の若き才能の圧倒的な存在感を証明する、本編の見どころ映像の一部がシネマカフェに到着した!「行け!稲中卓球部」で知られる古谷実の漫画を原作に、“普通の大人になること”を願う住田(15歳)と“愛する人と守り守られ生きること”を夢見る茶沢(15歳)が、ある事件を発端に対面する壮絶なドラマを描いた青春感動作。今回シネマカフェに届いたのは、本編から厳選された2本の映像。一本目は原作にはない園監督によるオリジナルシーンで、染谷さん扮する住田と二階堂さん扮する茶沢が“ガチ”で殴りあうシーンだ。どしゃ降りの雨の中、茶沢が「5・7・5」の韻に合わせて住田にいきなりビンタを喰らわせれば、最初は戸惑っていた住田も売られたケンカを買ったとばかりに容赦ないパンチで茶沢を追い込む始末…。本人談によれば「お互い本気で叩き合っていた」というが、「生まれて初めて女の子をビンタしました」という染谷さんに対して「カットがかかった瞬間、(染谷くんは)『大丈夫?』って急に優しくなるんです。優しくされると涙が出そうになるからやめてくださいって(笑)」(二階堂さん)というエピソードも。その次に映し出されるのは、原作漫画を忠実に再現したシーンの一つ。普通の中学生でありたいと願いながらも親に捨てられてしまった住田のもとに茶沢が押しかけ、慰めつつも住田以上にパニックに陥っている姿は可笑しくもある。迫真の混乱ぶりを見せる二階堂さんとマイペースな染谷さんのあうんの呼吸を感じさせる、こちらも見逃せないシーンだ。初日を迎えた週末には園子温監督や原作ファンなどのコア層に加えてシニア層やカップルまで幅広い客層を集客し、渋谷シネクイントでのレイトショーでは立ち見も出るほどの大盛況を見せている本作。芸能界の著名人の数々が自身のブログ等で本作をプライベートで鑑賞したという書き込みも多く見られているのだとか。観た人の多くが絶賛するワケとは?それを裏付ける、世界に誇る2人の堂々の演技をこちらで確かめてみて。『ヒミズ』は新宿バルト9、シネクイントほか全国にて公開中。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ヒミズ 2012年1月14日より新宿バルト9、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:第66回毎日映画コンクール最高賞は『一枚のハガキ』、男優賞に『モテキ』森山未來染谷将太が二階堂ふみの現場でのイタズラ告発するも「覚えてないですね」『ヒミズ』染谷将太×二階堂ふみインタビュー重なり合う若き魂、互いをどう見てる?二階堂ふみの「朝帰り」願望にどよめき被災地支援、出産、離婚までセレブたちの2011年をふり返り
2012年01月19日古谷実の漫画を映画化した『ヒミズ』が1月14日(土)に公開初日を迎え、主演の染谷将太、二階堂ふみ、園子温監督が舞台挨拶に登壇した。普通に生きたいと願いつつもクズのような親のせいで苦難の道を歩むことになる中学生・住田。彼と彼を愛する同級生の茶沢が死よりもつらい現実を乗り越え、生きていくさまを描き出す。これまでオリジナル作品だけを世に送り出してきた園監督。「原作の魂に忠実でありたい、原作の良いところを壊さないようにと思って取り組んだ」と初の原作ものの映画化について語る。染谷さんは園監督の現場について「とてつもなく自由な現場でした。やりたいことをやっていい雰囲気を監督が作ってくれました」と述懐。「泥だらけになるシーンもその日、雨だったからそうしたんです。想像もできないような発想を現場で監督がくださって、毎日刺激を受けてました」と感謝の思いを込めてふり返った。二階堂さんはクランクアップの翌日、学校に登校する途中に事故に遭いかけたことを告白。あまりに役に入り込んでいたことで、撮影終了後もなかなか役が抜けず、日常になじめずにいたという。撮影現場でのエピソードを尋ねると、染谷さんが「(二階堂さんが)控室でちょっかい出してきて、イライラしました」と明かしたが、告発された二階堂さんは「覚えてないですね。私は真面目に現場に取り組んでたんで…」としらを切り通す。これに対して染谷さんは「メイキングを見てください!」と怒り心頭の様子。2人のやり取りに会場では温かい笑いが起こった。園監督は2人の芝居について、染谷さんに「65点」、二階堂さんに「64点」という採点をつけたが「満点あげようかとも思ったけど、まだピークではないからね。まだ天狗になるときじゃない」とエール。「2人とも現場では、まだまだ素晴らしい芝居ができるはずだと可能性を信じて、どんどん成長していった」と称賛を贈った。この日はさらに、映画に感動したという原作者の古谷さんから、劇中の2人の様子を描いたメッセージ入りのイラストが届けられた。染谷さんは「映画をやらせてもらった身として、(原作者との)距離の取り方が難しいものですが、嬉しいです」とホッとした表情を見せていた。『ヒミズ』は新宿バルト9、シネクイントほか全国にて公開中。■関連作品:ヒミズ 2012年1月14日より新宿バルト9、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:『ヒミズ』染谷将太×二階堂ふみインタビュー重なり合う若き魂、互いをどう見てる?二階堂ふみの「朝帰り」願望にどよめき被災地支援、出産、離婚までセレブたちの2011年をふり返り染谷将太と二階堂ふみが“ヴェネチア”トロフィーとご対面!なんとモグラも祝福!?衝撃の青春感動作『ヒミズ』夫婦&カップル限定試写会に35組70名様をご招待
2012年01月15日2人が醸し出しているのは“独特の存在感”なんていう生やさしいシロモノではない。異彩、違和感…いや異物感?10代にして染谷将太と二階堂ふみは、ほかの同世代の俳優たちにはない、形容しがたい“何か”を身にまとっている。そしてそれは映画『ヒミズ』において、鬼才・園子温の手を介して化学変化を遂げ、衝撃と共に観る者の心を貫く。彼らの叫びは、言葉にならない魂の咆哮は、痛みはどのように生まれたのか?2人に話を聞いた。「行け!稲中卓球部」などのギャグ漫画で知られる古谷実が笑いを封印して送り出した異色の漫画作品を原作とする本作。一切の夢も希望も持たず、ごくごく普通に生きることだけを望みつつも、そんな思いとは裏腹に絶望的な非日常に巻き込まれていく住田と彼を慕ってやまない茶沢の壮絶な青春を描き出す。さらには3.11の東日本大震災発生を受け、設定を「震災後の日本」に変更し、全ての撮影が終わった後で被災地での撮影が敢行された。少年は佇む。雨の中に、崩れ落ちた被災地の静寂の中に。もがき、這いずる。泥の中を。住田という役を演じる上で、園監督に染谷さんが与えられたのは、ただひたすらの“自由”。だが、自由に演じるほど難しいことはない。「(脚本の)ト書きがないんです。いや、あるけど関係ない。無視して勝手に動いて、セリフも自分が言いたいように変えながら演じました。でも単に『自由に』と言われてもできなかったですよ、最初。一番初めのリハーサルなんて(二階堂さんと)2人で突っ立ってただしゃべってるだけでしたから。確かにそれじゃ面白くないですよね(笑)。自由にやらせてくれるんですが、自由にやれるように園さんはリハーサルを何度も重ねてくれたんです。そうやってリハーサルを重ねるにつれて体が軽くなっていくのが分かりました」。本作に限らず、ひと癖もふた癖もある役どころを演じることが多い染谷さん。役柄へのアプローチについては「毎回、監督によって違いますが…」と前置きし“捨てること”の重要性を説く。「調べ物をして知識を蓄えたり、用意したりするんですが、常に一貫しているのは、クランクインしたときにそれらを全て一度、捨てるんです。正確に言うと捨てざるを得ない。(蓄えてきたものが)無意識に出ること?はい、それはありますよ。でも意識すると出過ぎちゃう。なるべく影響されないように…と言ってもどこかしらで影響されるものなので。何て言うか…やってみたら分かるんですよね」。二階堂さんは時に強烈なパンチを浴び、河原を転げ落ちながら、突飛で破天荒でひたむきな茶沢を体現した。「基本的にあまり考えるタイプではないので、いわゆる“役作り”はしません」。真っ直ぐな瞳でこちらを見つめながら茶沢になりきっていく過程を明かしてくれた。「特に今回は現場で感じたままをそのまま出すのがいいかなと思いました。とにかくやってみようと、現場でのテンションや雰囲気、空気感を大切にしました。役柄に関してはどんな役もやっぱり私自身だから、演じながら『この子はこういう子だな』とか感じたりすることはほとんどないんです。その中で今回、茶沢になって、ものすごく住田が好きで、『守ってあげたい、守りたいよ』という気持ちが素直に込み上げてきましたね。クランクインしたその日から、自分が茶沢としてそこに立っているというのがすごく感動的でした。茶沢として成長するというよりも、私にとっては住田との距離を縮めていくということが何より重要でしたね。2人の距離が茶沢に直結しているというか…日に日に住田との距離が近くなっていくのをひしひしと感じていました」。「住田と茶沢の若さがエネルギーの塊だったと思う」(二階堂さん)、「人間力…人の力ってすごいなというのをこの映画に関わる役者や全てのスタッフを見て感じた」(染谷さん)と、2人はこの作品の根底にある“強さ”を分析する。特に観る者の心に突き刺さってくるのが、ヴェネチア国際映画祭でも反響を呼んだという、茶沢による「がんばれ住田!」の連呼。汗と涙にまみれながら茶沢は住田を励まし続ける。気安く言われたら腹が立つ「がんばれ」という言葉だが、少女の叫びは素直に心に響くと同時に一緒に叫び出したくなるような衝動さえももたらす。「心の底から…本当に嘘のない『がんばれ』を言いましたね。セリフではなく自然と出てくる言葉でした。ラストがああいう形で本当によかったと思うし、私自身もあのシーンでオールアップだったんですが、ものすごく感動しました」(二階堂さん)。役柄やシーンについて2人で話し合うことは「全編を通じて一度もなかった」(染谷さん)という一方で、撮影の合間には他愛もないおしゃべりで盛り上がることもあったとか。映画の中でこれだけの“化学反応”を見せている2人が普段はどのように絡み、互いをどのように見ているのか気になるが…。染谷さんが明かす。「ふみちゃんはイタズラっ子ですね。どんなことされたか?いや、特にイタズラされてないかもしれないんですが(笑)、何かイタズラっぽい悪い顔をするんですよね。(二階堂さんを指しつつ)ほら、こういう顔です(笑)」。一方の二階堂さんは染谷さんについてしみじみとこう語る。「お父さん…ですかね(笑)?父親のように見守ってくれます。前世ではきっとお兄ちゃんですね。兄妹だったんじゃないかって思ってます」。ここに描き出されるのは底なしの絶望でも単純な希望でもない。生と死、肯定と否定、愛と憎悪が入り混じり、3.11以降の新しい世界を静かに照らし出す。2つの若き魂が引き起こしたディープインパクトを肌で感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:ヒミズ 2012年1月14日より新宿バルト9、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:二階堂ふみの「朝帰り」願望にどよめき被災地支援、出産、離婚までセレブたちの2011年をふり返り染谷将太と二階堂ふみが“ヴェネチア”トロフィーとご対面!なんとモグラも祝福!?衝撃の青春感動作『ヒミズ』夫婦&カップル限定試写会に35組70名様をご招待ヴェネチア国際映画祭で喝采!『ヒミズ』レビュアー限定試写会に15組30名様ご招待
2012年01月12日まもなく公開となる映画『ヒミズ』のヒット祈願イベントが1月11日(水)に市谷亀岡八幡宮にて開催され、染谷将太と二階堂ふみが出席した。「行け!稲中卓球部」で知られる人気漫画家・古谷実がギャグを封印して描いた異色の作品を映画化。中学生にして人生に夢も希望も持てない少年と、彼に恋心を抱き自らも傷を抱える少女の生きる姿が鬼才・園子温の手で描かれる。染谷さんは袴、二階堂さんは着物姿で登場。二階堂さんは「普段、着る機会がないので頑張りました。青春色の水色で、(目許の)ラインストーンがポイントです」と笑顔を見せた。昨年のヴェネチア国際映画祭では揃って最優秀新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。ついに今週末より公開となるが「撮影は5月で、長かったような短かったような…。楽しみです」(染谷さん)、「早く観ていただきたい気持ちともう少し『ヒミズ』と関わっていたいという寂しいような思いです」(二階堂さん)と心境を語った。今年20歳を迎える染谷さんは、新年にあたり「新」という漢字を色紙に書き記した。二階堂さんはこの春、大学受験を控えているが「力強く、いっぱい米を食べて元気に」という思いを込めて「米」と書いた。ちなみに、染谷さんは20歳になったらやってみたいこととして「20歳とは関係ないけど、旅行とか行きたいですね。ブータンに行ってみたい。惹かれます」とコメント。二階堂さんは今年18歳だが、大人になったらしてみたいことを尋ねられると「朝帰りです」。集まった報道陣は一瞬どよめいたが「夜中にいろんなところを歩いて、疲れ果てておうちに帰りたい」と笑顔で明かした。未成年の2人だが、この日、ヒットを祈願し鏡開きを行ない、絵馬を奉納。その後、本堂で祈祷を受けた。『ヒミズ』は1月14日(土)より新宿バルト9、シネクイントほか全国にて公開。■関連作品:ヒミズ 2012年1月14日より新宿バルト9、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:被災地支援、出産、離婚までセレブたちの2011年をふり返り染谷将太と二階堂ふみが“ヴェネチア”トロフィーとご対面!なんとモグラも祝福!?衝撃の青春感動作『ヒミズ』夫婦&カップル限定試写会に35組70名様をご招待ヴェネチア国際映画祭で喝采!『ヒミズ』レビュアー限定試写会に15組30名様ご招待山田孝之はロールキャベツ男子!?司会者の珍発言に本人苦笑い
2012年01月11日舞台から映画、TVドラマ、バラエティ番組まで、その流暢な語り草とスパイスの効いたキャラクターで、独特の存在感を示す八嶋智人。昨年公開された『秋深き』で映画初主演を飾った彼が今回、ノスタルジーあふれる篠原哲雄監督の最新作『つむじ風食堂の夜』で二度目の主演を果たした。名前のない、「私」という役を通して見えてくる、役者・八嶋智人のこだわりとは――。大人だけれど少年の心を抱えたままの、どこかファンタジーの主人公を彷彿とさせる「私」。原作者の吉田篤弘によれば、この「私」はまさに八嶋さんをイメージして書かれたそうだ。自身をイメージして作り出された役を演じるというのは、どんな心境だったのだろうか?「お話が『私』という、誰でもない役だったので、いろんな人が『私』という人物とダブればいいという部分はありましたね。どういう風に生きて、これからどこへ向かっていくのか、自分探しみたいなものを、頭で分かってても生理的に受け入れられるような瞬間に、ようやく地に足がついて一歩踏み出せる。そんな瞬間が最後に訪れる映画なので、僕自身は、感じるということ、刺激を受けることに対して嘘がないようにやるのが一番重要なんだろうなと思ってやってました。その分、周りの方々は個性の強いキャラクターなので大変だったと思いますよ。(帽子屋役の)下條(アトム)さんは、ありもしないものを『ある』って言ったり…、でもそれが『声のマジック』みたいなものかもしれませんが、リアリティをもってくるんですよ。すごく助けていただきました!」八嶋さん曰く、「普遍的なものが凝縮された“旅”のような映画」という本作。撮影は和洋折衷の雰囲気漂う函館で行われたが、独特の空気に誘われるように、「私」は個性あふれる人々と出会っていく。中でも月船さらら扮する女性・奈々津との、微妙な距離感のあるやり取りの間に見せる、八嶋さんの少年のような表情が印象的だが、2人の関係はどうやって築いていったのか?「月船さんも演技のバランスを迷っていて、8日間しか時間がなかったのでお話した方がいいかなと思って、『僕の好みとしては、がーっと泣いたり感情的なところを、劇的だけどもうちょっと抑えてる方が好きです』と最初に言って。無責任に言ったんですけど(笑)、すごく考えていただいて、リハーサルからすごく変わりましたね。『この女優さん、すごい対応力だな』と思いました。物語の中でも、彼女は『芝居をやりたくても出来ない』という役なのですが、宝塚のトップをやられていた月船さんもちょうどその頃に、『もっとちゃんと自分たちで考えた芝居をしたい』って作家に直談判して、小さな劇場で舞台をやるって話していて。映画のまんまじゃん!って(笑)。僕以外にもたくさんの縁がある作品だなと思いました」。現実から目を背けるではないが、どこか夢見がちなところを秘めた「私」は、この一期一会を通して、先ほども出てきたように「地に足つけて」一歩を踏み出していく。この人生の“ターニングポイント”について八嶋さんは語る。「全部が繋がっているから今ここにいる、ということが僕は大きいような気がして、この映画をやって余計にそう思いました。ここにいてもどこにでも行ける、“タネも仕掛けもございません”というようなイメージを自分の中に持つこと。それが行き過ぎると夢見がちになってしまうのですが、そのどっちにおいても己の分が分かるという、地に足が着いた瞬間がターニングポイントだと思うんです。それは僕にとっては、作品に向かう自分のあり方、家族が出来た瞬間や子供が出来た瞬間というのがターニングポイントになってますね」。これまで数々の作品で、バイプレーヤーとして唯一無二の存在感を示してきた八嶋さん。だが『秋深き』、そして本作と主演作が続き、また新たな演技の“ルート”が見つかったという。「『エドモンド』(’05)という人生初の主演の舞台のときに、それまでは“受け身でいる”ということが全くなくて“攻撃が最大の防御”というところがあって(笑)。仕掛けていくという演技体を突き進んでいたんですけど、あらゆることを封じられたんですね。主演か主演じゃないかって『いる』感覚が違うんですよね。山の頂点に行くのは同じなんだけどその登り方、ルートが違うような。昨年の『秋深き』のときも初めて主演をやらせていただいて、やっぱり物語を背負わなきゃいけないし、ぶれちゃいけないんだと思いましたが、今回も完全に“受け身”でいることが重要だったから、それは自分の中で新しい展開でした」。それでは、この先どんな作品や役に出会いたいか?との質問には「お呼びがかかる待ちです」と一見、意外にも思える“受け身”な姿勢を見せる八嶋さん。だが、そんなフラットな姿勢こそが、彼の変幻自在な魅力を生み出しているのかもしれない。「ずっと役者を続けていれば、いろんな使い方をしてくれる人と出会う。すごい消極的なことを積極的に話してますけど(笑)、出会い待ちというのが俳優の仕事だと思うので。基本的には何でもやりたいです。主演が続くのも楽しいし、逆に(主人公に)刺激を与える奇抜な役も遊べて楽しいし、待ちたいですね。そのためにずっと俳優でいたいというのはあります」。衣裳・レザーブルゾン/カットソー/パンツ/ベルト:BURNER 代官山問い合わせ先:BURNER 代官山(03-5784-2030)Hair&Make:陽(akira)/Stylist:どら(CaNN)■関連作品:つむじ風食堂の夜 2009年11月21日よりユーロスペースほか全国にて順次公開©2009「つむじ風食堂の夜」製作委員会
2009年11月20日