LINEは10日、子会社のLINE Payを通じて、開発者向けクレジットカード決済サービスを提供するウェブペイ・ホールディングスを買収することに合意した発表した。同社の買収により、LINEプラットフォームの中核的な位置づけの送金・決済サービス「LINE Pay」の強化を図る。ウェブペイ・ホールディングスは、EC サイトやウェブサービス、モバイルアプリを対象とした開発者向けクレジットカード決済サービス「WebPay」を提供する企業。資本金は10万円。2013年10月の設立と日は浅いが、数時間で組み込める簡単なAPI、最短3営業日の審査期間、カード情報を加盟店側で処理・伝送・保存しない安全な決済システムを特長としたサービスを提供し、内外で高く評価されているという。LINEは事業戦略上、「LIFE」をテーマに生活に密着したプラットフォームの構築を目指しており、なかでも決済・送金サービスの「LINE Pay」はLINEプラットフォーム内外の様々なコンテンツ・サービスをつなぐ中核的な存在として位置づけている。同社では、このLINEプラットフォームの拡大にあたり、「LINE Pay」の事業化を加速させるために、今回の買収にいたったと説明している。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年02月10日Googleがスマートフォン向け写真・動画管理アプリ「Odysee」提供するOdysee社を買収したことが明らかになった。Odyseeがウェブサイト上で明らかにした。Odyseeのウェブサイトでは次のようなメッセージが掲載されている。「OdyseeのチームはGoogle+のチームに加わることにうれしく思っている。Odyseeのビジョンは誰もが制限なく思い出を保存し、どこからでもそこにアクセスするためのもっとも簡単な手段になることでした。私たちは人々に愛される製品づくりにGoogleで引き続き携われることをうれしく思っています」。なお、Odyseeのサービスの今後についても言及しており、2月23日まではサービスを継続し、その後すぐつにすべての写真、ビデオをダウンロード可能なアーカイブとして利用できるようになるという。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年02月10日住友化学は2月3日、日立金属の化合物半導体材料事業を買収すると発表した。買収時期は4月1日を予定している。今回の買収により住友化学は日立金属の窒化ガリウム基板・エピウエハ、ガリウムヒ素エピウエハなどに係る事業を取得することとなる。化合物半導体は、シリコンなどの単元素の半導体に比べて電子移動速度が速く、高速・高周波動作、受発光などの特性がある。住友化学は「情報電子化学部門の長期事業ポートフォリオで、次世代パワーデバイス向け化合物半導体材料を有望分野と位置づけており、今回の買収を通じて事業を一層強化し、同分野に置けるリーディング・カンパニーを目指してまいります」とコメントしている。
2015年02月03日アドビ システムズは、2014年12月に発表したフォトストックコンテンツ販売サイト「Fotolia(フォトリア)」の買収を完了したことを明らかにした。今後、Fotoliaは「Adobe Creative Cloud」に統合され、Creative Cloud会員は3,500万点以上の画像や映像へのアクセスおよび購入が可能となる。このたびアドビが買収を完了した「Fotolia」は、2004年に創立され、ニューヨーク、パリ、ベルリンに事業拠点を置き、23カ国(14カ国の言語)でフォトストックコンテンツ販売サイトを運営する企業。このたびの買収により、Fotoliaは「Adobe Creative Cloud」に統合され、現会員を含めてCreative Cloudのメンバーシップ加入者は、Fotoliaが扱う3,500万点以上のロイヤリティフリー素材(写真、イラスト、ベクター、動画)へのアクセスおよび購入が可能となり、デザイン作業を大幅に簡素化して工程を短縮できるとしている。また、同社はFotoliaを誰でも利用できる「独立したストックサービス」としても継続的に提供していくということだ。なお、アドビのデジタルメディア事業部門担当シニアバイスプレジデントであるデイビッド ワドワーニ氏は、今回の買収について「アドビは現在、ストックコンテンツ売買の大幅な簡素化に取り組んでいます。Fotoliaは、Creative Cloudがクリエイターにとって、グローバルコミュティ向けのアセット売買、才能発掘、作品宣伝のためのマーケットプレイスとなることを支援します。」とコメントしている。
2015年01月30日社会人になって21年目に入った。その半分以上を外資系の企業や団体で働いている。たまに日本企業にお勤めの方から、「日本企業と外資系との違いは何ですか?」と、とてもバッサリとした切り口の質問を受けることがある。「日本企業といってもいろいろあるのと同じで、外資系にもいろいろあるので…違いを一言でなんか言えない」というのが本音だ。だが、それをそのまま言ってしまっては、会話がそこで終わってしまう。だから、「そうはいってもですね…」と、以下の話をする。○日本企業と外資系とのもっとも大きな違い日本企業の中にいると社内での議論や仕事仲間同士の会話で「誰が」「何で」といった「前提」を強く意識することが少ない。これは日本語独特の文法も関係してくるのかもしれない。例えば、「ランチ行かない?」と職場で誰かが私に言ったとする。この会話には「誰が」といった主語や、「何で」といった理由は含まれていない。だが、余程、私が「勘違い」な人間でない限り、「ランチに行く」のは、声をかけた人と、声をかけられた私である。他のメンバーが加わるのかもしれないが、そのメンバーが誰かは、「ふわっ」としている。曖昧であってもあまり問題にはならない。「特に重要な相談ごと」があるわけでもないことは「阿吽の呼吸」で分かる。ランチに行く「理由」については気にもならない。私の想像だが、日本人同士には「そこまで言葉で言わなくても、相手は分かってくれている」という前提と安心感がある。この点、異なる言語、宗教、文化で育った者たち同士のコミュニティの場合、「そこまで言わないと、相手は分かってくれない」というのが前提のことが多い。「ランチに行かない?」と声をかけると「君と僕と二人でかい?」と、日本人同士ではあまり交わさないような会話の流れになることもある。「今度、新しいプロジェクトを始めることになったから相談をしていいか?」と「何で」という「理由」が、会話上続くこともある。「言わなくても相手はすでに分かってくれている」という前提のあるなしは、社員同士のランチのような他愛のない話であれば大きな問題ではない。だが、これが外交問題や、ビジネス上の重要な戦略についての議論、あるいは大きな契約に関わる「前提」の場合、当事者同士の勝手なバイアス(思い込み・先入観)が重大な失敗を招くことがある。だから、特に重要な話の時には、相手から「しつこい」と思われるくらい、前提となる言葉の定義や具体的な意味を、繰り返し確認して聞くクセがついた。自分の「常識」というのをあまり信用しないことにしている。こうして、日本企業と外資系とのもっとも大きな違いを挙げるとするならば、「言葉(文字)で言わないこと(書かれていないこと)」の確認にいかに手間ヒマをかけるかだと感じている。一方、こうした前提(条件)についての「勘違い」「早とちり」は、必ずしも外国人相手や外資系企業などで起こるわけではない。日本に住む者同士でも地域や世代の違い、何よりも個人差によって「前提」のミスコミュニケーションはよく生じる。これは、どちらか一方に責任があるのではなく、双方に原因がある。「異なることが前提」の異文化間よりも、「言わなくても分かってくれている」と思っていた間柄でのミスコミュニケーションの方が、生じてしまった後からの痛手や影響は、双方にとって大きいこともある。親しくて大切な間柄にこそ、丁寧な説明、あるいは、意を察することの胆力が必要なのかもしれない。<著者プロフィール<片岡英彦1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。
2015年01月29日米Appleが英国の音楽利用動向解析サービス企業を買収したと話題になっている。これはオンラインでの音楽販売状況やSNSでの話題度、海賊版ダウンロードの利用動向などを提供する「Musicmetric」サービスを提供する英Semetricで、複数の報道によれば買収金額は5000万米ドル程度だという。同社は音楽ストリーミングを提供するSpotifyなどとも提携しており、AppleがBeats買収後に同分野でのプレゼンス拡大のために活用するとみられている。同件はMusicallyやWall Street Journalが報じている。それによれば、Semetricは1月12日(英国時間)に登記上の住所を英ロンドンにあるApple Europeのオフィスへと移しており、さらに新しいディレクターに米Appleで海外担当ディレクターのGene Daniel Levoff氏が就任しているという。少なくともLevoff氏は昨年2014年10月にSemetricのボードメンバーに名を連ねており、この時点で買収は進んでおり、1月の動きはその総括にあたるものと考えられる。Semetricは2008年にMusicmetricのサービスを開始し、Spotifyなどオンラインでの音楽配信サービスの市場が拡大するのに合わせ、その業容を拡大させてきた。直近では2013年1月に480万ドル規模の資金調達に成功しているほか、そのサービス内容も音楽だけでなく、TVや映画、ゲーム、書籍など、オンラインで流通し得るコンテンツを広くカバーしている。だがコア事業は依然として音楽分野であり、特に配信事業者や業界関係者らが利用する専用ツール「Musicmetric Pro」へのアクセス権販売が主な収益源となる。当然ながら、Appleの狙いはSemetricのMusicmetric技術を取り込んだ自身の音楽配信事業の強化だ。Appleは従来のiTunesによるダウンロード販売だけでなく、昨年2014年5月に約30億ドルでの正式買収を発表したBeats Electronicsの音楽配信事業「Beats Music」のテコ入れだ。Appleにとっては音楽ストリーミング参入は業界でも最後発となり、すでにSpotify、Pandora、Rdioなど業界ライバルが存在する世界においてAppleブランド以外の差別化要因が必要となる。これにMusicmetricを組み合わせることで、より精度の高いお勧め機能やソーシャル連動機能、さらには音楽権利者へのフィードバックや広告販売ツールへの活用など、プラットフォーム化を行っていくとみられる。買収のタイミングから判断して、この成果は早ければ今夏か次のiOSバージョンが発表されるくらいには何らかの形で発表されることになるかもしれない。直近の影響としては、SemetricのMusicmetricサービスは間もなく終了し、完全にAppleの一部として存在することが予想される。例えばAppleが2013年に買収したTwitterトレンド解析ツールを提供するTopsyは、Apple買収後すぐに有料のProアカウント新規販売を終了し、サービスをフェードアウトしている。Musicmetricも同様になるとみられ、おそらくは同種のサービスを提供する事業者にとっては顧客拡大のチャンスとなるだろう。先ほどのMusicallyの報道によれば、Spotifyが昨年The Echo Nestという同種のサービス企業を買収した際、ライバルの音楽ストリーミング事業者がThe Echo Nestとの契約を打ち切っているという。
2015年01月26日日本ブランド戦略研究所は20日、「企業情報サイトユーザー評価ランキング」の結果を発表した。同調査は業種別に抽出した有力企業252社の企業情報サイトの6コンテンツ(「会社案内」「ニュースリリース」「技術・品質・安全情報」「CSR・環境への取り組み」「IR情報」「理念・ビジョン」)をユーザーが評価するという形式で実施。調査期間は2014年10月、有効回答数は1万2,600人。○20社中10社は食品・水産業調査の結果、1位は食品・水産業の「サントリー」に。コンテンツの豊富さと頻繁な更新、ユーザビリティが評価され、6コンテンツのうち「ニュースリリース」「技術・品質・安全情報」「CSR・環境への取り組み」「理念・ビジョン」の4コンテンツで1位を獲得。前々回1位、前回2位から返り咲いた。次いで2位はWEBサイトを一新した「キリン」。3位「トヨタ自動車」、4位「サッポロビール」、5位「カルビー」という結果になった。業界別に見ると、上位20社のうち10社が「食品・水産業界」。他「機械・輸送用機器」「化学・繊維」「電機・精密」も多数ランクインした。
2015年01月21日ブラックベリーは14日、サムスン電子からの買収打診を受け、身売りに向けた協議を進めているという報道について、同社と協議した事実はないとし否定した。本件はロイター通信の報道がもとになっている。ロイター通信は14日、サムスン電子が最大で75億ドル(約8800億円)でブラックベリーに買収提案を行い、両社の幹部がすでに同件についての協議を行ったと報じていた。これに対して、ブラックベリーでは、協議を持った事実はないと否定。また、噂や憶測についてコメントはしないと方針を表明した。ブラックベリーはQWERTY配列の物理キーボードを備えたのが特徴のスマートフォンを展開。スマートフォン黎明期には市場シェアの多くを占め、存在感を発揮したが、近年はその存在感が失われている。昨年10月にはレノボからの買収提案に関する報道も行われ、身売りに関する話題が増えている。
2015年01月15日Infineon Technologiesは1月14日、International Rectifier(IR)の買収が完了したと発表した。Infineonは、必要とされる許認可と、IRの株主からの承認が得られたことにより、IRを2015年1月13日付で統合した。両社にはさまざまな補完する要素があり、今回の買収で製品ポートフォリオの充実に加え、特に米国・アジア地域の中小企業ユーザーを中心に販路拡大が実現する。また、パワーマネジメントシステムに関するノウハウも強化される他、化合物半導体であるGaNに関連した先端知識が加わることにより、パワー半導体分野のノウハウも充実する。さらに、生産分野での規模の経済効果が高まることにより、企業としての競争力が強化されるとコメントしている。
2015年01月15日LINEは12月19日、マイクロソフトからMixRadio事業を買収することについて合意したと発表した。MixRadioは、世界31カ国数百万人のリスナーを抱えるモバイルに最適化されたラジオ型音楽配信サービス。音楽ファンは自分専用のラジオチャンネルをつくり、自分好みに合わせた独自のプレイリストをストリーミングで配信できる。家庭用のオーディオや、急速に成長するウェアラブル市場といった新しいデバイスやプラットフォームにサービスを拡大しているほか、次世代のラジオ型音楽配信サービスの提供を目指して、独自のレコメンド・エンジンを先日公開した。MixRadio事業チームは、さらなる事業拡大と発展に向けて「LINEが最適なパートナーである」としており、開発チームはMixRadioの首脳陣とスタッフと共に新設会社へ参加する。本拠地は引き続き英国のブリストルとなる。今後も同社は、サードパーティーとして、引き続きマイクロソフトと提携し、スマートフォン「Lumia」でラジオ型音楽配信サービスを提供していく。
2014年12月22日LINEは18日、米Microsoftからラジオ型音楽配信サービスのMixRadio事業を買収することで合意に達したと発表した。買収額ほか買収の具体的な目的については不明。MixRadioはパーソナライズ化できるのが特徴のラジオ型音楽配信サービス。ユーザーは、自分専用のラジオチャンネルをつくり、自分の好みにあわせた独自のプレイリストをストリーミングで配信することができる。また、音楽の専門家で構成されるチームが制作した様々なジャンル、ムード、シチュエーションを網羅した数百のプレイリストを利用できる。オフラインでプレイリストを再生できるオプションも提供する。LINEは、音楽とエンタテイメントは生活に欠かせないものであるという認識のもと同事業を買収したとしているが、具体的な用途については明示していない。同社のリリース上では、Mixradioはサードパーティーとして、引き続きMicrosoftと提携し、スマートフォン「Lumia」でサービスを提供していくとしている。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年12月19日LINEは12月18日、米Microsoftからラジオ型音楽配信サービス「MixRadio」を買収すると発表した。買収金額は明らかにされていない。MixRadioは、国内で提供予定の「LINE MUSIC」とは別のサービスとなる。MixRadioは世界31カ国で展開され、数百万人のリスナーを持つというモバイル端末向けのラジオ型音楽配信サービス。利用料は無料で、キュレーションチームが用意したプレイリストをストリーミング再生できるほか、ユーザーが自分専用のチャンネルをつくって配信を行うことも可能だ。Microsoftは2014年4月にNokiaのモバイル事業を買収した際に、MixRadioを傘下に収めていた。
2014年12月19日村田製作所の子会社Murata Electronics North Americaは12月12日(現地時間)、Peregrine Semiconductorの買収が完了したと発表した。Peregrineの独自プロセス技術である「UltraCMOS」は、高周波特性の良いRF部品を安価に提供する技術であり、同技術を採用したRFスイッチは、村田製作所のRFモジュールにもこれまで使用されている。また、Peregrineは村田製作所のRFフロントエンドモジュールにおける主要サプライヤの1社であり、これまでも協業により数多くの製品を開発してきた。今回の買収により、RF部品用の半導体プロセス開発、半導体設計、回路設計、モジュール設計まで一貫した開発体制が確立することが可能となり、今後、市場要求をより一層的確、かつ迅速に製品開発に反映させ、これまで以上に顧客ニーズに適合した最先端製品を、スピード感をもって提供していくことが可能になると同社では説明している。さらに、供給の柔軟性、供給力を確保することができ、この面においてもユーザーへ貢献していくとコメントしている。
2014年12月15日Microsoftは12月1日(現地時間)、モバイルデバイス向けのメールアプリケーションをリリースしているAcompliを買収したことを発表した。国内ではあまり聞かないソフトウェアベンダーだが、複数のメールアカウント管理やメールの振り分け、カレンダーの管理、各オンラインストレージを1つのアプリケーションで操作できるという特徴を備えている。一見すれば何ら珍しい出来事ではない。2010年代を振り返っても2011年にはSkypeを85億ドルで、2013年にはNokiaの携帯端末事業を37億9000万ユーロで買収している。さらに振り返れば、ビジネスユーザーご愛用のPowerPointですら、1987年当時のForethoughtを買収して自社製品としたものだ。このようにMicrosoftが買収した企業・事業部門は100を超える。今回のポイントは"今さら"メールクライアントを買収した点だ。しかも創業2年にも満たない企業をである。このたびMicrosoftがAcompliを買収したのは、自社アプリケーションの開発が何らかの暗礁に乗り上げていたことが理由ではないだろうか。WordやExcelといったOfficeアプリケーションはすでにiOSやAndroid向けにリリース済み(Androidはプレビュー版)。だが、Outlookに相当するアプリケーションはいまだ噂にも上らない。MicrosoftはExchange ServerやOutlook.comといったメール製品・サービスをリリースしているが、モバイルデバイスからのアクセスは他社製アプリケーションに任せてきた。だが、定番のGmailはExchange Serverのサポートを2013年1月で終了し、見直しを求められていたものの、CEOの交代など社内事情により素早い判断を下せていない。そのため、Acompliを自社アプリケーションとして迎え入れるのは自然な流れともいえる。さらに、Acompliは既存の機能を取り下げるようなことはないという。つまり、Exchange ServerやOutlook.comはもちろん、GoogleやiCloud(Apple)など他社のサービスもサポートするということだ。以前のMicrosoftでは思いも寄らないような出来事だが、同社CEOであるSatya Nadella氏の戦略と照らし合わせれば不思議ではない。もう1つ狙いはメールビジネスの拡大ではないだろうか。個人ではSNSやIMによるコミュニケーションが主流になりつつあるが、ビジネスシーンはいまだメールを使うシーンが多い。MicrosoftはAcompliをモバイルデバイス向けメインクライアントに沿えることで、彼らビジネスユーザーの取り込みとExchange Serverをさらに押し上げるため意図があるのだろう。他方でGoogleがリリースした「Inbox by Gmail」のように、メールに対するアプローチが変化しつつある流れも見逃せない。同アプリケーションは、メールをTODOやリマインダーのように操作し、操作名称もDone(完了)やSnooze(保留)といったものに置き換わっている。このような変化はInbox by Gmailに限らない。Web版Gmailのカテゴリ表示やDropboxがリリースする「Mailbox」も似た機能を備えてきたが、Inbox by Gmailはさらに先を行く概念を盛り込んだメールクライアントである。ただ、新しい概念やUIが使いやすいか否かは別問題で、筆者もiOS上で1カ月ほど使ってみたが、現時点では以前のGmailクライアントに戻してしまった。このように変わるもの・変わらざるものを求めるユーザーへの回答として、MicrosoftがAcompliをどのようなアプリケーションに進化させるのか、実に興味深い。阿久津良和(Cactus)
2014年12月08日富士通マーケティング(FJM)は、中堅中小企業向けマーケットプレイス「azmarche(アズマルシェ)」において、新たに「スタートアップ企業応援プラン」の提供を開始した。同プランは、起業を予定する人や創業から3年以内の法人を対象に、創業に必要なサービスを集約したもの。各種業務システムなどの「業務アプリケーション」や、情報共有やグループウエアなどの「コミュニケーション」、ファイルサーバやセキュリティなどの「ICTインフラ」といった各分野のサービスを用意する。また、「ICT投資はしたいが、費用は最低限にしたい」というニーズに応え、初期費用が無料で初年月額費が特別割引価格となるほか、電話サポートの付くプラン「応援価格」を設ける。なお、同社は今後、日本中小企業情報化支援振興協会(JASISA)やクラウドサービス推進機構(CSPA)、商工会議所、ITコーディネータ協会などと連携し、情報セキュリティのリテラシー向上やICTの利便性の理解促進などの啓蒙活動を実施し、中堅中小企業のICT基盤構築とそれらを活用した効率的な生産活動につながる情報提供を行う考えだ。
2014年12月08日米Corningは2日(現地時間)、、サムスン電子から光ファイバ事業を買収する方向で最終合意に達したと発表した。当局の買収条件などを満たした後、2015年3月末までに買収手続きを完了する見込み。なお、金額などの買収条件は非公開。サムスン電子は、韓国、中国および東南アジアを中心に光ファイバやケーブルを供給している。Corningでは買収により、今後需要の伸長が期待されるアジア市場での光ファイバ事業強化、拡大を図る。買収後、サムスン電子の光ファイバ事業および、韓国・亀尾、中国・海南の同製造施設は、Corningのオプティカルコミュニケーション部門に統合される予定。
2014年12月03日米Microsoftがモバイル端末用のメールアプリを開発・提供する米Acompliを買収した。Acompliの「Acompli Email」(iOS、Android)は、Microsoft Exchange、Office 365、Outlook.com/Hotmail/MSN/Live、Google Apps、Gmail、iCloud、Yahooなどをサポートする。カレンダー/リマインダー機能が統合されており、添付ファイル機能として、Dropbox、Google Drive、Box、OneDriveなどのクラウドサービスの利用が可能。重要度で自動的にメールを分類するスマートインボックス機能、コンタクト別に関連するメールやイベント、ファイルをまとめる機能なども備えた高機能メールアプリだ。The VergeでCasey Newton氏は、Acompli Emailの価値を「一言で説明すると、まだMicrosoftが実現していないiPhoneユーザーのためのOutlook」としていた。MicrosoftはCEOのSatya Nadella氏が提唱する「モバイル優先、クラウド優先」に従って、サービスやソフトウエア製品をクロスプラットフォームに提供する戦略を進めており、Acompli買収はその一環と見られている。Acompli CEOのJavier Soltero氏は「あらゆるサービスとプラットフォームで最良のメールアプリを作るというAcompliのビジョンを今後も大事にしていく」と述べている。
2014年12月02日前回の記事では、業務の見える化に役立つ手法と、大企業が抱える、大企業ゆえのプロセスの問題点を取り上げた。今回の記事では、事業再編や買収・統合を繰り返すことで複雑化してしまったビジネスプロセスやシステムを改善し、競争力の強化に貢献するソリューションをセミナーに先立ってご紹介しよう。○システム間の壁をなくし、業務プロセスを一本化企業はビジネス現場において必要な情報やデータを活用するためにITシステムを利用しているが、こうしたシステムは必ずしも全て一元化されているわけではない。前編でもご紹介したとおり、部門ごと、業務ごとによって利用しているシステムが異なっているケースが大半であり、特に買収・統合などによるシステム統合は一筋縄ではいかない。システムの全面的な刷新を行うにしても、膨大な費用が必要となるからだ。既存の投資(システム)を生かして、システムとプロセスを有機的につなぐ解決策として、ここでご紹介したいのが、SOA(サービス指向アーキテクチャー)を採用したBPMプラットフォーム「OpenText Process Suite」および同コアエンジンである「OpenText Cordys」(以下Cordys)である。ソリューションの特長であるSOAフレームワークによって、異なるシステムやテクノロジー間のギャップを解消できるため、システムありきではなく、業務主導型のプロセスを柔軟に構築できる。たとえシステムが世界各地に乱立していたとしても、そこにあるデータを一元的に閲覧し、活用できるようになるというわけだ。従来は、こうしたシステム連携を行うためには、膨大な労力と時間が必要とされていたが、このアプローチによって開発期間が大幅に短縮されるため、必要なシステムがスピーディーに展開できるという。もちろん、一連の業務プロセス管理と自動化、各種ルール定義などを設定・実行するBPM本来の機能も備えている。業務活動モニター(BAM)も組み込まれており、リアルタイムで上がってくるデータと、あらかじめ設定したKPIを比較しながら、改善点を探ることができるため、状況に合わせた動的な判断や割り当てにより、プロセスのボトルネックを即座に解消し、タイムリーかつ的確な業務の流れをコントロールできる。このほか、カスタマイズ可能なユーザーインターフェースの設計やモバイル対応などのモジュールが用意されているという。○BPM成功へのヒント~高い汎用性・拡張性が、使い方の幅を広げるBPMは決してシステムだけで成功するものではないが、最適なシステムを活用することによって、プロセスの標準化や効率化を最大化させることができる。業務プロセスの状況把握を可能にするだけでなく、業務の継続的な改善を実行するのに必要な機能を兼ね備えたソリューションを活用すれば、現場での効率アップやミスの防止、さらにはスピーディーな経営判断にもつながってくるだろう。企業の情報システム部門にとっても、寄せ集めのコンポーネントのみで構成されたシステムを運用するケースで発生していたような、システム間の依存状況の心配や、システムごとのインストールやアップグレードに時間と労力、追加コストの負担から解消される。システムの継続的な運用とメンテナンスの容易性が高まることは間違いない。別の側面から見ると、業務プロセスの中で必ず発生する各種コンテンツやドキュメントの利活用にも期待できる。例えば生産プロセスであれば製品の仕様書や設計指示書、また販売プロセスにおいては契約書や申込書など、業務シーンごとにさまざまなドキュメントや関連情報が存在している。しかし、プロセスやシステムが分断されているケースでは、一定の部門や業務など限られた範囲のみの利用であったり、手作業による受け渡しが発生している。ECM(エンタープライズコンテンツ管理)と呼ばれる情報コンテンツ管理基盤とBPMソリューションを連携することでプロセスに即した情報共有が加速されるため、こうした取り組みも増え始めているようだ。BPM活用の具体的な導入事例とその効果に加え、子会社ごとにバラバラとなっていた業務プロセスを統合し、最終的に全社共通のプロセスへ移行させてゆくための手法(シェアードプロセス)、EDI/サプライチェーンとの連携なども紹介される予定だ。ビジネスプロセスの最適化という難題を実現するために、関心を持たれた方は、ぜひセミナーに参加して、その詳細をご確認いただきたい。
2014年11月19日弥生は11月13日、オリックスによる株式の取得を通じ、オリックスのグループ会社となると発表した。年内をめどに、オリックスはMBKパートナーズが組成した投資目的会社が保有する弥生株式の99.9%を取得する予定。弥生は、会計ソフト「弥生会計」や確定申告ソフト「やよいの青色申告」をはじめとする各種業務ソフトウェアの開発・販売および導入後のサポート・サービスを提供している。同社は、業務ソフトウェアメーカーから、小規模事業者が事業を立ち上げ、継続するうえで直面する課題や悩みにこたえる「事業コンシェルジュ」への進化の途上にあるという。今回の買収により、弥生のサービスおよびITにおける専門性に、オリックスが有する金融およびサービスのノウハウを組み合わせることで、「事業コンシェルジュ」への進化のスピードを加速し、小規模事業者にさらなる価値を提供できるものと考えているとしている。一方、オリックスは今回の買収を戦略的投資と位置づけ、これまでの顧客基盤に加え、日本の企業の8割以上を占める小規模事業者という新たな顧客層に向けたサービス事業を展開していく構え。なお、弥生の経営方針に変化はなく、代表取締役社長である岡本浩一郎氏は引き続き、弥生の経営に従事する。
2014年11月13日オリックスは13日、業務ソフトウェアサービス会社で知られる弥生の買収を発表した。年内を目処に弥生の全株式を取得する。買収額は、弥生の借り入れ分や、取得株式分などを含めた総額で約800億円強。弥生は、会計ソフト「弥生会計」や確定申告ソフト「やよいの青色申告」など、各種業務ソフトウェアの開発・販売および導入後のサポートなどを提供するソフトウェア会社。オリックスはこの買収を戦略的投資と位置づけ、125万社以上の登録ユーザーを有する弥生の顧客基盤を活かし、小規模事業者に向けたサービス事業を展開していく。一方弥生は自社が提供するサービスおよびIT専門性に、オリックスの金融、サービスのノウハウを組み合わせることで、自社サービスの進化を加速させるとする。なお、弥生の代表取締役社長である岡本浩一郎氏は、引き続き弥生の経営を担当する。
2014年11月13日Thorlabsは、Corningの量子カスケードレーザ(QCL)事業と関連する光半導体技術の研究グループを買収すると発表した。同買収により得られる資産および知的財産権は、米国メリーランド州を拠点とするThorlabsの量子エレクトロニクス(TQE)部門に統合される予定。同部門は、2009年のCovega買収によって設立された半導体製造拠点で、総面積6万ft2の垂直統合生産システムを有する製造施設であり、2012年11月に買収したQCLおよびインターバンドカスケードレーザ(ICL)メーカーであるMaxionの本拠地にもなっているという。なお同社では、今回の買収が光半導体デバイスの生産能力の増強や、防衛/セキュリティ/商用/研究用途での利用を容易にすることにつながるほか、今後の製品開発において半導体レーザのコア技術が拡大することにつながると説明している。
2014年11月05日メガチップスは10月29日、MEMS発振子などをてがける米SiTimeの全株式を取得することで、完全子会社化することを決定したと発表した。同買収は、今後の成長が期待されるモバイル、ウェアラブルなどを含むIoT分野向けに事業を展開していくにあたって、自社製品の拡充を図る目的として行われるもの。SiTimeの子会社化により、MEMS発振子を中心としたタイミングデバイス事業への参入を行うこととなる。なお、買収額は2億ドルで、すべて現金払いにより、SiTimeの株主へ支払いが行われる。これらの資金はメガチップスの手元資金ならびに銀行借り入れによって賄われ、支払いはクロージング後に行われるという。また、クロージングは2014年11月末までになされる予定だという。
2014年10月31日LenovoとGoogleは30日(米国時間)、LenovoがGoogleからMotorola Mobilityの買収を完了したと発表した。これに伴い、LenovoはMotorolaブランドと「Moto G」「Moto X」といったMotorolaの製品群に加え、約3,500名の従業員を取得し、世界で3番目に大きいスマートフォンメーカーとなる。LenovoのMotorola買収は2014年1月に発表済みで、買収額は29億1,000万ドル。Lenovoがブランドと製品群を取得する一方、GoogleはMotorolaが持っていた特許を引き続き所有し、Lenovoにライセンス供与を行う。また、今回の買収完了に合わせて、レノボ・ジャパン代表取締役社長のロードリック・ラピン氏が「Motorola製品は成熟市場にマッチしていることもあり、今回の買収によってレノボは、日本のスマートフォン市場への将来的な参入の可能性に向けて、戦略的な形で計画を練ることが可能になります。日本という独自性が高く、重要な市場でこれまでのパートナー様だけでなく、新たなパートナー様とも協業していけることを楽しみにしています」とコメントを発表。日本のスマートフォン市場への参入に含みを持たせた発言だが、同社の広報部に対する取材では、日本での展開について「未定」としている。
2014年10月30日米Ooyala(ウーヤラ)は10月28日、オンライン動画広告の配信テクノロジーの提供と収益化を行う英Videoplazaを買収したと発表した。英Videoplazaは、ヨーロッパ放送事業者の半数や、アジア太平洋地区における一流メディア企業など、ビデオパブリッシャー各社に対し、プログラマティック・トレーディング・ソリューションを提供する。今回の買収により、米Ooyalaは、急速に成長している動画広告市場に参入し、新しい観点での広告ビジネスを構築することが可能となる。同社は、テレコミュニケーション&インフォーメーションサービス企業となる豪Telstraの傘下に入った後、個人に最適化されたクラウド型動画配信の推進を目指しており、今回の買収はその最初のステップとなるという。また、英Videoplazaにとっては、米Ooyalaとの協力により、米国市場に販路を拡大することが可能となる。両社は今後、コンテンツの管理やワークフロー、高品質なビデオ体験、広告配信、プログラマティック・トレーディング、視聴者個人に合せたコンテンツレコメンデーション、視聴者趣向のリアルタイム分析、コンテンツ・広告効果の分析など製品ポートフォリオの拡大を図りたい考えだ。
2014年10月29日富士フイルムは10月27日、子会社でバイオ医薬品受託製造会社(CMO)であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies USA(FDBU)を通じて、バイオ医薬品CMOでワクチン製造に強みを持つKalon Biotherapeutics(Kalon)を買収し、ワクチンCMO市場に参入すると発表した。FDBUは10月22日、Kalonの持分所有者であるテキサス州およびテキサスA&M大学と、Kalonの持分譲渡に関する契約を締結した。今後、数か月以内に決済手続きを行い、Kalonの全持分の49%を取得する。また、Kalonの取締役の過半数を富士フイルムグループから任命する。今後、FDBUは同契約に規定されたマイルストーンに沿って持分比率を100%まで引き上げていくとしている。Kalonは、テキサスA&M大学によって設立された、高度な技術と最先端の設備を持つバイオ医薬品CMO会社で、米国保健福祉省傘下の米国生物医学先端研究開発局(BARDA)から、バイオテロや新型インフルエンザのパンデミックなどの非常時に公共の健康を守るための医療手段を開発・製造する重要拠点「Center For Innovation In Advanced Development and Manufacturing(CIADM)」の1つとして指定されている。また、テキサス州はテキサス新興技術基金(Texas Emerging Technology Fund)を通して、本拠点の建設・運営を援助している。技術面において、Kalonはワクチンを動物細胞培養法で製造することに強みを持っている。ワクチン製造に必要なウイルスを製造工程内にとどめる、世界トップレベルの高度な封じ込め技術を保有しており、新型インフルエンザウイルスやエボラウイルス、炭疽菌などに対するワクチンを安全かつ安定的に製造することができる。さらに、ウイルスの高度な封じ込めが可能な、小型で可動式のモバイルクリーンルームを完備している。このモバイルクリーンルームを同社のワクチン製造施設である「National Center for Therapeutics Manufacturing」に、最大20基まで設置することが可能という。この設備では、多品種のワクチンを同時並行で製造することができる。さらに、増設が容易なため、顧客からの増産要請にも柔軟に対応できる。なお、同クリーンルームは、動物細胞培養法によるワクチンはもちろんのこと、抗体医薬品を含むあらゆる種類のバイオ医薬品の製造も可能で、今後高まるバイオ医薬品の多品種少量生産ニーズに応えることができるという。今後、富士フイルムは、テキサス州行政庁およびテキサスA&M大学のサポートも得ながら、ワクチン分野への取り組みを強化していくとコメントしている。
2014年10月28日シーメンスは10月20日、エンタープライズ向け製造実行システム(MES)を手がける米Camstar Systems(Camstar)を買収すると発表した。Camstarは1984年設立、本社はノースカロライナ州シャーロットで、米国、シンガポール、マレーシア、中国、オランダに拠点を持つ。この買収は、エレクトロニクス、半導体、医療機器などの業界向けに製品開発と製造自動化の統合ソリューションを拡充して「ものづくりのデジタル化」を推進するというシーメンスの戦略に基づくもの。Camstarはシーメンスの製品ライフサイクル管理(PLM)ビジネスユニットの傘下に入ることとなる。買収の最終手続きは2014年11月後半に終了する予定で、買収の諸条件は開示されないという。シーメンスPLMソフトウェアのプレジデント兼CEOのChuck Grindstaffは「Camstarの人材と製品が加わることは、お客様がデジタル・エンタープライズを推進するための支援に必要な業界屈指の包括的な機能と深い専門知識の提供に当社が集中する新しいステップとなるものです。Camstarのソリューションが加われば、PLMと製造オペレーション管理(MOM)の統合をさらに加速させることができます。統合デジタル・エンタープライズでは、PLMとMOM、さらに産業オートメーションとが統合され、バリューチェーン全体で製品とプロセスにイノベーションをもたらすことができます。Camstar独自の価値と産業に特化したアプローチはシーメンスのMOM対応の戦略を補完するものであり、当社のプレミアムMESブランドであるSIMATIC ITとともに歓迎されるソリューションとなります」とコメントしている。
2014年10月20日米Qualcommは10月15日(米国時間)、英国の半導体メーカーCSRを1株あたり9ポンド、合計約16億ポンド(約25億ドル)で買収することで同社と合意に達したと発表した。CSRはBluetooth関連チップなどを中心に手掛けてきた半導体メーカーで、2014年8月にMicrochip Tecxhnologyが買収を提案していたが、買収額で折り合いがつかず、10月15日を期限として交渉が進められていた。なお、同買収の完了は2015年夏になる予定だという。
2014年10月15日●Dellグループでビジネスを展開できるのは大きな誇り米Dellの買収により、同グループ企業の一員となったDell Software。買収後の現状やグループ内における役割、今後のビジョンなど気になる部分について、Dell Software Sales, Marketing and SvcsGlobal Vice President&General ManagerのDave Hansen氏、そして日本法人であるデル・ソフトウェア 代表取締役社長の中村共喜氏に話を聞いた。本題の前に、Dell Softwareの設立経緯について簡単におさらいしておきたい。まず、2011年1月14日に米Quest Softwareが米BakBone Softwareの買収を完了。そして2012年9月28日、米Dellが米Quest Softwareの買収を完了した。これに伴い、日本法人の日本クエスト・ソフトウェアも2013年2月1日にデル・ソフトウェアへと社名変更を行っている。Dell Softwareは、Dellグループにおいてシステム管理/セキュリティ/ビジネス・インテリジェンスなどに関するソフトウェア分野を担う企業だ。ただしDell専属というわけではなく、ひとつのソフトウェア開発企業として独立したビジネス展開を行っている。これについてHansen氏は「弊社はDellグループの一員ですが、ビジネスとしては親会社のDellに特化するわけではなく、あらゆるベンダーに対して中立的な立場で取り組んでいます。買収前からのパートナー様についても、もちろん継続してお付き合いをさせていただいています。確かに従来は、さまざまなポイントプロダクトを持つ"集合体"になっていたかもしれません。しかし、現在はこれまで培ってきたものを上手く統合するような開発体制を整えると同時に、ポートフォリオの充実に向けて新たなビジネス展開を加速しています」と語る。一方で、同社にとってDellグループの一員であるメリットも大きいという。「Dellのハードウェアは非常にクオリティが高く、インプリメントしやすいという認識があります。また、ハードウェア/ソフトウェア/サービスを提供するグローバル企業としてもチャンスに恵まれており、さらなる規模拡大が期待できます。弊社としても、このDellグループでビジネスを展開できるのは大きな誇りです」とHansen氏。さらに、Dellを経由することによるビジネスチャンスの拡大効果もポイントで「ソフトウェア企業の顧客数は大手でも1万~5万ですが、デルはすでに数百万の顧客を有しており、今後も新規顧客が増加していきます。そうした意味で、弊社のパートナー様とは別にDellのハードウェアグループ経由でも市場へアプローチできるという、複数のルートがあるのは大きな強みとなります」と続けた。○データプロテクションやセキュリティを軸にビジネス基盤を構築それでは、Dell Softwareは日本市場をどのように捉えているのだろうか。Hansen氏は「弊社にとって、日本市場は非常に重要なポジションにあります。日本には、これまで長くお付き合いいただいているパートナー様が数多くいるため、そうした意味でもプレゼンスを活かしてビジネスを展開していきたいですね。日本市場で特に今後注力したいのは、セキュリティ/データプロテクション/Windowsマネジメント/Windowsマイグレーションといった分野です」と語る。これに対して、日本法人であるデル・ソフトウェアの現状と対応を聞いてみたところ、中村氏は「私が代表取締役社長に就任した7月中旬頃までは、まだ複数の企業がマージされて同じオフィスにいるだけ、という状況でした。これは、現状維持でビジネスを継続できる反面、デル・ソフトウェアとしてのアイデンティティがあまり確立していないともいえます。弊社としてはこの状況を打破し、米Dell Softwareと同じようにビジビリティを出していきたいと考えています」と答えてくれた。注力分野についても、ただ闇雲にリソースをつぎ込むわけではない。中村氏は「ハードウェアビジネスとの大きな違いは、ソフトウェアビジネスの場合はいわゆるプリセールスからデリバリーまで含めて、エンジニアリングが不要な売りきりの製品がひとつもないことです。一口で情報管理やシステム管理、セキュリティといっても非常に幅が広いため、そうした意味では最初からすべてを網羅しようとするとリソースがいくらあっても足りません。どこで基盤となるビジネスを作るかが重要ですね」と語る。そこでまずは、買収前から手がけているデータプロテクションや、セキュリティ関連ではSonicWALLのポートフォリオを中心にビジネス基盤を構築し、徐々にその他の領域へと拡大していくという。「デル・ソフトウェアといえばデータプロテクションはもちろん、システムマネジメントとセキュリティマネジメントに強く、情報管理のマネジメントソリューションも持っている、というイメージを数年後にお客様が抱いてくれればありがたいです」(中村氏)●数年で20億ドル規模のグループを目指す日本法人は総合代理店として米国から製品を輸入し、日本市場で販売していく役割を担っている。日本語化なども含めて、開発に関してはすべて米Dell Softwareで行っているそうだ。販売については親会社のDellを含め、100%パートナー企業経由になっているという。なお、Dellとはより身近に話ができ、プライオリティを上げて販売してくれるという側面はあるものの、基本的に他のパートナー経由と同列の扱いになっている。「弊社は日本において製品をしっかりと顧客へ届け、同時にサービスも提供していくという責任があります。単純に紹介するだけではなく、パートナー様と一緒に顧客ニーズに応じた正しい使い方を示し、満足していただくことが重要です」と中村氏。ワールドワイドと日本市場の違いについては「これだけ大きなマーケットシェアを持つ、国産のコンピュータベンダーが3社もいるのは日本ならではの特徴です。弊社としても、そこを無視してビジネスをするわけにはいきません。もうひとつは、米国では顧客の中に自分でアーキテクティングや内製ができるシステム管理者がいる割合が高いのに対し、日本の場合は多くが外部業者に依頼している点です。そこで、できるだけプライム・コントラクターを通じてビジネスをする必要がある、というのもポイントといえます」と語った。そのほか、短期間に買収が続いたことでパートナー企業が不安を抱く可能性については「7月に開催したパートナーサミットでは、今までお世話になったパートナー様と今後も一緒にビジネスをしていきたいというメッセージを伝えました。一方でDellに対しては、マネジメントを含めて弊社ができることについて話し合い、担当セクションも設けました」と中村氏は語った。最後に「数年で20億ドル規模のグループにしたいという目標があります。これからは、インテグレーション統合やユースケースの増加はもちろん、複数のプロダクトを共通プラットフォーム上で動かすようなコンポーネントを数多く作っていく予定です」と、今後のビジョンを語るHansen氏。買収により各製品の機能アップが若干遅れた部分について、現在急ピッチで開発を進めているということなので、こちらも期待したいところだ。
2014年10月14日ディー・エヌ・エー(以下DeNA)は1日、キュレーションプラットフォームを運営するiemoとペロリの2社を買収し子会社化したと発表した。これにともない、DeNAは新たにキュレーションプラットフォーム事業を開始するという。DeNAが買収し子会社化したのはiemoとペロリの2社で、どちらもキュレーションプラットフォームを運営していた。iemoは、2013年12月にサービスを開始した住まい・インテリアの分野に特化した情報を短時間で読める「まとめ」形式で配信するキュレーションプラットフォームを運営。ペロリは、2013年4月にサービスを開始した女性向けファッションのキュレーションプラットフォーム「MERY」を運営していた。DeNAは、iemo、ペロリが持つ強みを活かし、ライフスタイルを軸とした他分野のキュレーションプラットフォームを立ち上げるという。各プラットフォーム同士での相互送客やノウハウの共有を行い、数年後にはキュレーションプラットフォーム全体でMAU(月間アクティブユーザー数)5,000万人を目指すとしている。また、DeNAはキュレーションプラットフォームで集客した巨大なユーザー数をベースに、広告展開やeコマースとの連携も視野に入れているという。
2014年10月01日既報の通り、Synapticsは10月1日付でルネサスエスピードライバ(RSP)の買収を完了したことを発表した。これにより、Synapticsはタッチソリューションベンダから、中小型液晶向けドライバICも手掛ける表示デバイス向けソリューションベンダへと変貌を遂げることとなる。果たして、新生Synapticsはどのような姿となるのか、Synapticsの社長兼CEOのリック・バーグマン氏に話を聞いた。--6月11日の発表から約3カ月での買収完了ですねこの統合が実現するまで、忙しい日々を過ごしてきた。事前に2014年の第4四半期中には買収を完了する予定とアナウンスをしていたが、最速の形で実現でき、新生Synapticsとしてのスタートを切ることができた。--この買収・統合の意図するところは何でしょう?6月の時点でも買収の背景を説明したが、実際に統合が進んだことで、よりエキサイティングな結果を生み出すこととなった。Synapticsはタッチソリューションのリーダーであり、RSPはディスプレイドライバのリーダー企業だった。買収の発表以降、RSPと連携を図ってきたが、両社の顧客の反応は非常に好意的だ。これまでもSynapticsは成長を続けてきたが、今回の統合により、2015年以降も、成長が続くという評価を受けている。--とはいえ、日本の企業と米国の企業が統合されたわけですから、そのギャップの解消など問題点もあったのでは?この3カ月の間、新生Synapticsの組織をどのようにするかという話を常に行ってきた。確かに、国際的な買収・統合ということで、組織を構成させる簡単な答えはなかった。さらに問題を複雑化したのは、それぞれの企業が互いのコアビジネス分野においてリーダー的なポジションを有していたことだ。既存のリーダーとしての地位を確保しつつ、統合後の共同開発製品にも注力しなくてはいけないというバランスの問題があった。しかし、現在のチームはそれらの要素をうまくかみ合わせ、最適な配置ができたと思っている。RSPの代表取締役であった工藤郁夫氏には、ドライバICの事業である「CDD(カスタマドライバディビジョン)」の担当と、日本のPresidentに就任してもらって、日本でのプレゼンス強化を図ってもらうこととなっている。--中小型の液晶パネルが適用されるのは従来、スマートフォン、タブレット、ノートPCと言われてますが、これに変わりはない?その3分野は両社が従来から注力していた分野で、今後、両社の技術連携の強化を進めることで成長の機会を拡大していくこととなる。一方、今後の成長分野として、奇しくも両社ともに自動車業界をターゲットに考えていたことも買収発表後で分かった。従来からのコアマーケットとこうした新市場で適用される我々の技術が適用できるセット製品の出荷台数は2013年では13億台だが、2017年には21億台まで拡大することが見込まれている。もちろん、出荷台数の増加に伴って売り上げは拡大されていくだろうが、それ以上に今回の買収により、それぞれのセット製品に対して、我々のソリューションを複数投入することが可能になり、それがさらなる売り上げの拡大につながることとなる。--例えば?今までもタッチコントローラやタッチパッド、指紋認証などを1つのシステム上に提供してきたが、今後はドライバICなども提供できるようになり、そのチャンスが広がることが期待される。--さきほど、統合後の共同開発製品にも注力という話がありましたが、そういった製品もさらにそうしたチャンスを広げてくれることになる?これまでも我々単体で「Touch Display Driver Integration(TDDI)」という技術の開発を行ってきた。これはHDやフルHD以下のミドルレンジを狙った1チップソリューションだ。これまでタッチセンサチップとディスプレイドライバICは別々のチップで、それぞれの処理をホストプロセッサを介して行う必要があった。これがTDDIになるとタッチ処理とディスプレイ表示処理をホストプロセッサを介さなくて、1チップ内で独立して処理できるようになり、初めてタッチとディスプレイのイベントが完全に同期化されるようになる。--買収時の説明で、そうした製品を2016年には提供すると話されてましたね実は統合作業が順調に進んだことで生まれたメリットの1つとして、こうした技術開発も順調に進んでいることが挙げられる。6月の時点で2016年と言っていたが、チップとしては、もう少し早く提供できるようになると予測している。ただし、それを搭載するのはスマートフォンの端末メーカーの状況次第というところがあるので、具体的なセット製品がいつ出荷される、という点はコメントできない。--そうすると、その次も考える必要がありますよね?すでに我々は商標も取得している「Smart Display」というソリューションの実現に向けて動いている。TDDIの発展系で、ディスプレイ一体型ソリューションという位置づけだ。--ディスプレイもやると?そうではない。TDDIはタッチとディスプレイドライバの1チップソリューションだ。Smart Displayはそこに16ビットのプロセッサを搭載させることで、例えばタッチによる拡大・縮小処理などをホストプロセッサを介さずにディスプレイ側のみで実現しようというもの。例えば我々のソリューションの1つに指紋認証機能があるが、現在はディスプレイの決まった位置を触れる必要があるが、この技術を活用することでディスプレイのどこを触っても認証できるようにすることも可能になる。--NVIDIAやAMDがGPUとCPUの統合チップを提供していますが、そうしたイメージですか?そこまでハイパフォーマンスではない。ディスプレイを介するアクションはディスプレイ側で処理をできる限りしよう、というもので、ホストプロセッサを置き換えて、1チップでなんでもできる、というものではない。これにより、ホストプロセッサの負担を減らし、メインメモリとのやり取りも減らせるので、省電力化も可能になるというメリットを得られる。--そうした技術はやはりスマートフォンやタブレットが中心ですか? 先ほど自動車という話がありましたが、ナビなどのインフォテイメント部分ならともかく、インパネなどにタッチは向かない気がします確かにTDDIやSmart Displayはインフォテイメント分野では活用されるだろうが、インパネなどタッチがあまり必要のない部分は従来のディスクリート製品で対応していくことになる。我々は、次世代の統合製品だけでなく、そうした従来のディスクリート製品を今後も継続して提供していく意思も持っている。--車載分野ではタッチ以外に音声が入力インタフェースとして期待されていますが、そういった分野には進出しないのでしょうか?音声でのコントロールは車載分野ではそぐわない部分があると考えており、Synapticsとしての現時点での答えはノーだ。あくまでタッチ技術にこだわっていく。--わかりました。半導体業界としては自動車に期待が集まっていますが、それ以外にも産業機器や医療機器といった分野も有望市場と見られていますが、そうした分野への対応はどうでしょう?ゲイズトラッキングやオーディオ関連でのヒューマンインタフェース、3Dジェスチャなど、興味分野としては多岐にわたってはいる。ただし、あくまで技術的に有望であるかどうかが重要。Synapticsとしては、これまでも複数の企業を買収してきたが、そういった買収部分を抜いた旧来の技術だけを見ても売り上げの拡大を実現してきた。そうした意味では技術そのものに投資を行っていくことが重要だと思っており、売り上げの約20%を常にR&D費用として新技術の開発を行っている。--今回のRSPの買収も技術的に有望であったから、と?そういうことになる。--それではそうした日本の企業を買収したことで日本でのビジネスの展開の仕方にも変化は出てくるのでしょうか?RSPの強みがもともと日本にはあるので、それを活用していきたいと思っている。RSPは日本において成功を収めてきた企業だ。そうした意味では、その強みを今後も生かして、新たな市場の開拓を進めていってもらうつもりだ。--日本を担当する工藤さんはいきなり大変な役目を任されたわけですねまだ数値的な目標は出していないが、現時点で彼には2つの大きな目標を伝えている。1つ目は統合をスムーズに移行させてもらいたいということ。もう1つはそれを踏まえて既存の顧客との良好な関係を継続していくことだ。--それでは最後に日本のユーザーカスタマに向けて新生Synapticsとしてメッセージがあればお願いします今回RSPがSynapticsに統合されたことは、日本でのビジネスの拡大を図る上で、非常に大きな意味を持つこととなる。重要な点として受け取ってもらいたいことは、RSPの買収に伴い、日本に対してSynapticsが投資を行っていく姿勢が見えたであろうということだと思っている。我々は、日本を重要な市場と認識しており、日本の顧客の重要性を認識しているし、今後も継続して顧客のニーズに全力で応えていくつもりだ。--ありがとうございました
2014年10月01日