世界をフィールドに活躍する写真家の石川直樹による初の大規模個展石川直樹「この星の光の地図を写す」が、17年2月26日まで茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて開催されている。石川直樹は、日本写真協会新人賞や、講談社出版文化賞などの受賞歴を持つ写真家。22歳で北極点から南極点までを人力で蹴破し、23歳では七大陸最高峰の登頂も達成しており、各地を旅しながら人類学や民俗学などの観点を取り入れた独自のスタイルによる写真作品を発表している。同展では、北極、南極、ヒマラヤ8,000m峰などの極地を撮影した各シリーズを中心に、初期作から最新作までの作品を総合的に紹介。ニュージーランドの原生林を撮影した「THE VOID」や、ポリネシア地域に浮かぶ島々を写した「CORONA」、世界各地の洞窟壁画を巡った「NEW DIMENSION」、日本列島の南北に広がる島々を探索した「ARCHIPELAGO」などの作品が展示される。その他、石川が遠征で使用した装備や、旅先で収集した道具や品物なども展示。初の海外一人旅で訪ねたインドを撮った高校生時代の写真や、熱気球による太平洋横断の挑戦の映像までが展開され、石川の全貌に迫ることのできる機会となっている。さらに、空間構成の一部は、16年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で特別表彰を受賞した日本館出品建築家の一組であるドット・アーキテクツ(dot architects)が担当している。また、17年2月12日には水戸芸術館ACM劇場にて、石川とサウンドデザイナーの森永泰弘が世界各地でそれぞれ撮影・録音した写真と音源を使った初のビジュアル&ディスクジョッキーイベントも行われる予定だ。【イベント情報】石川直樹「この星の光の地図を写す」会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8会期:12月17日~17年2月26日時間:9:30~18:00(入場は17:30まで)料金:一般800円、団体600円、中学生以下・65歳以上・障害者手帳保持者は無料休館日:月曜日
2017年01月12日暮らしまわりのスタイリストとして活躍する伊藤まさこさんは、実は「さりげない気配りの達人」。その絶妙な“気配り”の秘訣、そして周囲の人からの、伊藤さんの「気配りエピソード」を紹介します。***18時からのオフの時間は、「友人たちとの食事を楽しむことが多い」と伊藤さん。アトリエにはよく友人が集まり、その楽しそうな様子は彼女のインスタグラムでも垣間見られる。「人を招いたときに気をつけているのが、ゲストを緊張させないこと。我が家に到着したら、すぐに自由に過ごしてもらえるように工夫をしています」例えば、グラスやカトラリーははじめから用意し、誰でもすぐ手にできる場所にセット。食事が始まれば、伊藤さんも一緒にテーブルについて、おしゃべりに興じる。ゲストがくつろげるように、丹念な準備をしているのだ。また、楽しかった様子はSNSにもアップ。「多くの人が目にするものだから、言葉は選んでいます。アップする写真も、見て楽しい、おいしそうって思ってもらえるものだけと決めていますね」とはいえ、耳に心地よいことばかりを並べて済ませているわけではない。言いにくいこともちゃんと伝えるようにしている。「おかしいと思ったら、すぐその人に伝え、それで終わり。引きずりません。思ったことをいつ伝えるかも大切にします」そんな伊藤さんのことを、料理家の坂田阿希子さんは「温かさのあるカジュアルな気配り名人」だと話します。「とにかくフットワークが軽いんです。SNSで彼女が和菓子をアップしていたので“食べたい”とコメントしたら、すぐに差し入れてくれて(笑)。不思議なことに、彼女の行動からは、これは特別なことじゃないのという雰囲気を感じとれるから、お返ししなきゃと思わず、素直に受け取れるんです」つい最近も料理の差し入れをもらったという坂田阿希子さん。伊藤さんには、男らしさと女らしさが共存しているとも話す。「愛猫が亡くなってしばらく経ったとき、“娘と庭で摘んだから”という簡単な手紙と一緒にブーケを玄関のドアにかけてくれていたことがあって。その心遣いが本当に嬉しかったんです。悲しんでいた私と適度な距離を保つ男前な感じと、花や料理にこめられた女らしさと。そんなバランスがちょうどいい人なんです」◇伊藤まさこさん暮らしまわりのスタイリストとして活躍する傍ら、旅や食にまつわる本も出版。ほぼ日刊イトイ新聞のサイトでは、お弁当の連載も担当する。『ちびちび もぐもぐ お酒とごはん』(PHP研究所)は11月に発売。◇坂田阿希子さん料理家。「studio SPOON」主宰。雑誌や書籍で活躍しながら、料理教室も開催。著書『わたしの作りおき便利帖』が発売されたばかり。※『anan』2016年10月5日号より。写真・馬場わかなスタイリスト・伊藤まさこ取材、文・野村紀沙枝
2016年09月29日スタイリング、そしてそのライフスタイルも支持されるスタイリストの伊藤まさこさん。彼女を知る人々は、「さりげない気配りの達人」と、伊藤さんを評します。ご本人への取材から見えてきた、気配りのコツとは。***大人ならではの気配りができる人を取材するなら?編集部の周辺できいてみると、みんな口を揃えて伊藤まさこさんの名を挙げる。それを本人に伝えると、「自分では普通のことをしているだけなので…。でも、そう言っていただけるのは嬉しいですね」と少し照れ笑い。伊藤さんの言う“普通のこと”とは、とてもシンプル。それは自分がされて嬉しいことを相手にするということ。「されて嫌なことは、絶対にしないようにしています。ただそう考えているだけだから、無理なく自然と動けているのかもしれない。私自身、気を使わせるのが苦手な部分もあるので、やりすぎないようにはしています」そんな絶妙な塩梅の伊藤さんの気配りをいくつか例に挙げてみると…。近所のホームパーティには、シャンパンをワインクーラーに入れて持っていき、相手に氷を用意させないように。あるときは、家の庭で摘んだミントでブーケを作って、お裾分けの惣菜と一緒にプレゼントと、まさに人柄溢れる温かな心遣い。この発想は、心の余裕から生まれるらしい。「いつもどうやったら気持ちよく過ごせるかを考えているんです。自分が機嫌よくいられれば、誰に対しても自然と心配りができると思うから。だから仕事は18時には終わらせて、その後はきっぱりオフの時間に。時間の使い方は潔いタイプかも。あと、悪口や噂話も苦手だから、ネガティブなことは言わない。こうやって、常に自分を健やかにしておくことが、大切だと思うんです」そんな伊藤さんに、誰もがふっと笑顔になれる贈りものアイデアを教えてもらうと、驚き・手間・備え・組み合わせ、この4つのキーワードが浮かんできた。なかでも、伊藤さんが一番大切にしているのが、手間をかけること。「特に目上の方になりますが、みなさんおいしいものや高価なものをよくご存じなんですよね。だからあえて手作りのものを差し上げています。自分の手足を動かして用意したものって、案外喜んでもらえるんですよ」その代表的なものが、手作りのお弁当。詰めるおかずは、作り慣れている和惣菜を4~5種ほど。お弁当箱やお箸は使い捨てを選び、食べた後の返却などで相手をわずらわせないようにしている。この優しいひと手間が、伊藤さんらしい気の配り方。さらに、料理上手ならではのおみやげも。「よく海外に行くんですが、毎回みんなの分のおみやげを買って帰って配るのは正直難しい。だから、持ち帰った現地の食材で料理を作り、おみやげ代わりに友人を招待。旅先での話も自然とはずみます」贈りもの上手の伊藤さんが、ものをいただいたらどうする?「できるだけお礼状を書くようにはしていますが、なかなか手紙を出せないときもありますよね。そういう状況にあるなら、すぐに電話をかけるようにしています。嬉しかったことは、早く伝えたくなっちゃうんです」◇伊藤まさこさん暮らしまわりのスタイリストとして活躍する傍ら、旅や食にまつわる本も出版。ほぼ日刊イトイ新聞のサイトでは、お弁当の連載も担当する。『ちびちび もぐもぐ お酒とごはん』(PHP研究所)は11月に発売。※『anan』2016年10月5日号より。写真・馬場わかなスタイリスト・伊藤まさこ取材、文・野村紀沙枝
2016年09月29日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、27日に放送された日本テレビ系バラエティ番組『しゃべくり007』(毎週月曜22:00~23:00)で、芥川賞を受賞した小説『火花』に続く2作目について、「年内には完成させたい」と語った。相方の綾部祐二とともに出演した又吉。くりぃむしちゅーの上田晋也から「次の目標はなんなの? また賞とりたいという目標があるの?」と聞かれると、「賞というよりは、またちゃんと書いて…。せっかく賞をいただいたので、このまま何も書かずにっていうのはさすがによくないと思うので」と話した。上田が「芥川賞とると次の作品も大変だろうな。2作目コケるわけにもっていうプレッシャーもあるだろうし」と言うと、又吉は「やっぱりプレッシャーはありますね」と打ち明け、「できるだけ早く書きたい」と吐露。「今書いてます。年内には完成させたい」とめどを明かした。また、又吉は「綾部さんが横からいろいろ言ってくる」と言い、「60代くらいのマダムと知り合うっていう設定はどうかな」などと意見してくると苦笑。上田は「先生は官能小説書いてらっしゃるわけじゃないから」と突っ込み、有田哲平が「それは綾部が書けばいい」と提案すると、上田も同調し、「ノンフィクションでいっぱいかけるだろ」と熟女好きで知られる綾部をいじった。
2016年06月27日著書「火花」が第153回芥川龍之介賞を受賞した又吉直樹が、このたび新たにZEROキャスターに加わることが明らかとなった。「ZERO(原点)にかえって、はじめる」「世の中の様々なことをZEROから考え直してみる」をテーマとして掲げる同番組。すでに嵐の櫻井翔や、桐谷美玲らが毎週ZEROキャスターとして活躍しているが、今後、又吉さんは月1回程度のペースで、ZEROに出演することとなる。又吉さんが自ら取材し伝えるのは、「働く」こと。驚きの「職場」、一流の「職人」、最高の「技術」…。さまざまな形で「働く現場」を切り取っていく。又吉さんは東日本大震災5年のテーマで、3月にもZEROに出演予定だが、自身のコーナーへの初回出演は4月28日(木)を予定している。このたびの起用にあたり、又吉さんは「今、日本や世界で起きていることに敏感でありたいです。あらゆる問題に対して簡単に答えを決めず、迷い、悩み、考え抜きたいと思います」と意気込みのコメントを寄せた。また、ZEROのテーマ曲も4月4日(月)から生まれ変わることに!宇多田ヒカルが新たに書き下ろした楽曲が使用されるという。さまざまな分野で才能を見せる又吉さんの、キャスターとしての活躍にも期待したい。「NEWSZERO」は毎週月~木曜23時~放送、毎週金曜23時30分~放送。(text:cinemacafe.net)
2016年03月04日ほっこりした笑いがちりばめられた作風で知られる西加奈子さんと、プロのお笑い芸人である又吉直樹さん。お互いに“笑いのツボが似ている”というおふたりにとっての笑いとは?笑うこと、笑われることへの優しさがあふれる対談が実現!***西:又吉さんとは、最初はイベントでお会いして。私が『炎上する君』という短編集を出した時に帯コメントをお願いしたんですよね。又吉:それがきっかけでお会いするようになって、最初はすごく質問されたんです。興味を持って聞いてくださっているのかなと思ったけれど、だんだん、研究されてんのかなと思えてきまして…。西:つい聞いてまうねん(笑)。「今なんでそれ言ったん?」「今、最後に言ったやつは、最初から頭の中にあったん?」とか。又吉:「最初から頭にあって、はやく言いたいと思いながら喋ってました」と言ったら「ほう…」って。西:だって又吉さんは、どうしたら思いつくんだろうってことを言うから。又吉さんの笑いには2種類あると思うねん。ひとつは、例えば小学校の授業中に校庭に犬が入ってきて興奮する、という思い出みたいな笑い。それって、うちの世代にとっては「あるある」やん?でも、そんなこと人に言われるまで思い出さないでしょう?又吉さんは「ああ、そういうことあった!」って思い出させて、私の中の体温をあげてくれるの。もうひとつは、私の体の中にはまったくなかった熱が、隕石が落ちたようにバーン!と入ってくるような笑い。又吉さんが、どちらの笑いも持っていることにおののいてしまう。又吉:自分ではあまり分からないですね。「こうなったらこうなる」とは考えずに、「こんなんあったら面白いな」とは思うんですけど。西:又吉さんは自分はどっちもできまっせ、みたいに気取ってないでしょう。超フラット。帯コメントをお願いしたのは、そんな人が、もしも自分の本を「面白い」と言ってくれたら、すごく自信になるなって思ったから。又吉さん、昔、「優しい人は必ず面白いです」って言ってましたよね。又吉:言ったかもしれません。西:その時は、すぐには分からなかった。「面白い人は優しい」なら分かる。誰かを楽しませようって気持ちは美しいし、誰かに笑われてもいいっていうのは、心が大きいことだし。その逆が分からなかったけれど、今は分かる。又吉さんは絶対にスカさないし、どんな無茶なことや寒いことを言われても「そうですね」と受け入れてますよね。又吉:ああ、それだけは決めているかもしれないです。自分たちがMCをする番組に後輩が来ると、めっちゃ緊張して訳の分かんないこと言い出す奴がいっぱいおるんです。その時に「何言うてんねん」とは言わず、一回そいつの言葉を信じて、質問していくんです。それでおもろなる時があります。西:おもろなくなる時もあるでしょう?又吉:そん時は、みんなでおもろない方向に突っ走っている1~2分がおもろなっているというか。それが芸人としていいのかは分からないですけれど。「芸人やったら笑われんと笑かせ」とは、先輩たちが言うてきた言葉ですけれど、僕はあまり気にしいひんというか。西:『火花』にもそういう話がありましたよね。又吉:そう、自分の小説に書いた時、先輩から批判されるかなと思ってたんです。でも、木村祐一さんがいろんな芸人さんたちにインタビューした映画が京都国際映画祭で上映されたんですが、そのタイトルが『ワレワレハワラワレタイ』なんです。むっちゃいいタイトルだと思って。木村さんに話したら、「俺も先輩に怒られるかと思ったけれど、でもみんなの話を聞いていて、そう思ってん」って。嬉しかったですね。西:人から笑われたいって、めっちゃ懐深いことだと思う。又吉:自分が笑っていたいんです。人が笑っているのを見るのは嬉しいですし。◇にし・かなこ 1977年、テヘラン生まれ、大阪府育ち。’04年に『あおい』でデビュー。『通天閣』で織田作之助賞、『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、『サラバ!』で直木賞受賞。◇またよし・なおき 1980年、大阪府生まれ。芥川賞作品「火花」の、俳優・堤真一による朗読CDが発売中。2016年春にはNETFLIXでのドラマ『火花』が配信スタート予定。※『anan』2015年11月18日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス)取材、文・瀧井朝世
2015年11月12日お笑い芸人として初の快挙となる芥川賞を受賞したピースの又吉直樹が、フジテレビにて放送される「ほんとにあった怖い話・夏の特別編2015」にて、芥川賞受賞後初のドラマ出演、さらに自身初となるホラー作品への出演を飾ることが明らかとなった。1999年に放送スタートし、フジテレビ夏の風物詩となっているオムニバス形式のリアルホラードラマ「ほんとにあった怖い話(通称:ほん怖)」。本番組では、日本中から届いた本当に起きた心霊現象や不思議な体験を忠実にドラマで再現、恐怖VTRを見た「SMAP」の稲垣吾郎をナビゲータとした“ほん怖クラブ”のメンバーたちがスタジオで怖さを吹き飛ばすおまじないを唱えるのが定番となっている。又吉さんは、アパートで同じフロアに住む家族の秘密を描き、日常に潜む不可思議で怖い体験を描いた作品「つきあたりの家族」に出演。「“ほんとにあった怖い話”のシリーズは好きですね。(過去の作品も)よく見ていて、怖いものもあったり、あったかいものもあったりで好きだったので、この話が決まってうれしかったです」と初出演の喜びを口にした。芥川賞作家としてのドラマ出演は、「きれぎれ」(’11)で第123回芥川賞を受賞した町田康が「いま何待ち?」(2002年10月~2003年3月放送)に出演して以来となる。作家としての次回作にも注目が集まる又吉さんだが、ホラー作品への挑戦について話が及ぶと「ホラーは特殊な技術がいるということは聞いていて、そう簡単に書けるものではないことも分かってるんですけど、怖いものは割と好きなので、一回書いてみたいですね」と意欲をにじませた。“Jホラーの父”と呼ばれる鶴田法男監督が繰り出すリアリティーあふれる演出と、又吉さんや、玉森裕太(Kis-My-Ft2)を始めとする豪華俳優陣の出演による恐怖実話が見どころの「ほん怖」。「季節的にも(怖い話は)最高ですし、やっぱり怖い話を見て涼むっていうのもいいですし、不思議な話は家族で見てもひとりで見てもどこかワクワクするような魅力がありますし。期待して見ていただきたいと思います」と語る又吉さんが本編で体験する恐怖とは?寝苦しい夜が続くこの夏の、涼しいひとときとなりそうだ。「ほんとにあった怖い話・夏の特別編2015」は8月29日(土)21時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年08月12日タレントで作家の又吉直樹が6月20日(土)、都内の書店で「芸人と俳人」(集英社)の刊行記念イベントを行った。又吉さんは著書「火花」が今年上半期の芥川賞候補となったばかり。多くの報道陣が駆けつけるなか、7月16日(木)の発表を前に心境を語った。芥川賞といえば、純文学作家の登竜門として国内で最も注目を集める文学賞。「うれしいですけど…不安もあります」といまの率直な思いを語り、「受賞するしないというよりは、(審査員に)どう読んでもらえるかという期待と怖さがある」と緊張しきり。それでも「いままで好きになった作家さんが、芥川賞に選ばれることも多いので…」と静かに闘志を燃やしていた。実は芥川賞候補になるには、主催の日本文学振興会から意思確認があるそうで、「正直、聞きなれない名前だったので、移動中にお電話をいただいたときは、何かしでかして、偉い人に怒られるんじゃないかと思った」のだとか。又吉さんの俳句入門として、2012年10月号からスタートさせた「すばる」でのコラム連載「ササる俳句 笑う俳句」をまとめた「芸人と俳人」。気鋭の俳人・堀本裕樹さんに弟子入りし、徐々に俳句の面白さに開眼する過程を追い、独自のセンスを生かした20句を超える実作俳句や、書き下ろしエッセイを収録している。「学生時代から興味があって、句集を買うのも好きでした。難しい句もあり『理解したいな』とずっと思っていた。基本的なルールを覚えればすごく楽しいですよ」(又吉さん)、「優秀な生徒さん。吸収が早いし、読書家でボキャブラリーが多いから、(俳句を詠むとき)役に立っているはず」(堀本さん)と良き師弟ぶりを披露していた。「芸人と俳人」は発売中。(text:cinemacafe.net)
2015年06月20日伊藤英明が人気コミックを実写映画化する『テラフォーマーズ』で主人公の小町小吉役を演じることが明らかになった。伊藤は「この映画がどこまで世界に通用するか楽しみ」とコメント。原作者の貴家悠は、「間違いなく今世紀日本最高峰の筋肉映画となるでしょう…!!映画化………やれます!!」と期待を寄せている。その他の画像『テラフォーマーズ』(作・貴家悠、画・橘賢一)は、週刊ヤングジャンプで連載中のSFアクション・コミックス。火星を舞台にゴキブリが進化した生物=テラフォーマーと人類の戦いを描く。原作コミックスは、現在12巻まで刊行されており、累計発行部数は1100万部を突破。“このマンガがすごい!2013”オトコ編で1位を獲得している。伊藤は「最初は“火星に行く”という設定があまりにも壮大すぎて一度は断ろうと思ったのですが、監督が三池(崇史)さんだったことと、原作がとても面白かったこともありこれはぜひやりたいと思いお受けしました」と言い、「三池組は朝から夜まで寝ずに撮影し、妥協しないので、それがまた始まると思うと…正直嫌ですが(笑)、本当に楽しみです」とコメント。伊藤とは『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』『悪の教典』『喰女 -クイメ-』などでタッグを組んできた三池監督は、「逆境にこそ伊藤英明は光る。だから、史上『最凶の火星』に送り込もうと思っている。故に、この作品は世界で最高に輝く映画になる」と語り、原作者の橘賢一も「これほど人類を救うのが似合う男が他にいるでしょうか。屈強な肉体。優しくて力強いその眼差しはまさに小町小吉!スクリーンの中で暴れまわる日本原産オオスズメバチを今から楽しみにしています!!」とコメントを寄せている。本作の脚本は、劇団☆新感線の中島かずきが手がけ、ストーリー設定やキャストなどは順次発表される。撮影は5月中旬より開始され、アイスランドなどで撮影が行われる。『テラフォーマーズ』2016年公開
2015年05月01日「無印良品」を展開する良品計画は、同社のロングセラー商品"脚付マットレス"を進化させた新商品「ソファベンチ」を全国の無印良品にて販売を開始した。なお、同製品は4月8日に開業した成田空港第3ターミナルのゲートラウンジに約400台導入され、ターミナルに導入される様子を記録した動画が同社のWebサイトで公開されている。価格は、ソファベンチ本体が6万5,000円、ポリエステル平織ソファベンチ本体用カバーが1万4,000円、ソファベンチ・オットマン本体が1万5,000円、ソファベンチ用テーブル・メラミン天板が1万9,000円。「ソファベンチ」は、1991年の登場以来、約四半世紀にわたって無印良品のロングセラーヒット商品となっている「脚付マットレス」を、人々が集う空間で使用するために発展させた新商品。耐久性と安定性を強化するためにスチールフレームを採用している基本構造はそのままに、専用テーブルやオットマンと組み合わせることでさまざま用途に対応することが可能となっている。同製品は、成田空港第3ターミナル(LCC専用ターミナル)のフードコート用にオーク無垢材のテーブルと椅子・ソファベンチが400席以上、ゲートラウンジ用にソファベンチ約1400席分が導入されている。これらを空港にとどまらず、さまざまなシーンで活用できるように仕様を一部変更して一般向けにしたものが、同ターミナルのオープン日と同じ4月8日から全国の無印良品で発売された。なお、空港という公共性の高い場所へのこれだけ多くの家具が配置されるのは、同社にとって初の試みだという。同社のWebサイトでは、その設置される様子を記録した動画が公開されている。ちなみに、マイナビニュースでは先日、第3旅客ターミナルのクリエイティブディレクションを務めたクリエイティブラボPARTY 伊藤直樹氏のインタビューを行っている。
2015年04月11日●細部にこめられた「LCCらしい」工夫とデザイン成田空港で整備が進められてきたLCC(格安航空会社)専用の「第3旅客ターミナル」が、いよいよ本日(4月8日)から営業を開始することになり、その全貌が明らかになった。延床面積6万6,000平方メートル、利用航空機の年間の発着回数は5万回、約750万人の利用者数を見込んでいる。そうした数値的な部分の一方で、色分けされた陸上トラックのような動線、ガラスではなく金網を使用した出発ゲート、450席のフードコートなど、"LCCらしさ"をふんだんに盛り込んだターミナルとなっている。今回は、この「第3旅客ターミナル」のクリエイティブディレクションを務めたクリエイティブラボPARTYの伊藤直樹さんに、その完成までのお話を伺った。○PARTYが空港の設計に関わったきっかけ目の前に現れた伊藤氏は思ったよりも大柄で、「体育会系」が第一印象だった。青い折り返しのついた個性的なシャツにジャケット、7分丈のパンツの下は白と赤の靴下にスニーカーととても爽やかな出で立ちだ。さっそく、第3旅客ターミナルのクリエイティブディレクションに携わることになったきっかけを聞いた。伊藤さん:スカイツリーを設計した日建設計さんから、成田空港の第3旅客ターミナルを作りたいということで、お話をいただいたのが3年前のことです。通常、サイン設計はハコができてから必要なところに設置していく、というのが流れなのですが、建築計画の段階からサイン設計を念頭に置いた空港を作りたいという姿勢に興味を持ち、ふたつ返事で参加させていただきました。通常のように、ハコが完成した後にサインを置くとなると、どうしても空間の制約などが出てくるのですが、一緒にゼロから参加することで、ターミナル自体のコンセプトというか、フィロソフィーがしっかりと全体に反映できたと思っています。○LCCターミナルを形作るということ効率化によって低価格な運賃を提供するLCCの専用ターミナルというだけあって、ターミナルの設計も"リーズナブル"に行う必要があったという。既存の空港に数多く設置されている内照式の看板は、1個あたりの価格が約100万円。同ターミナルの予算上、まずはこの看板をこれを減らすことが設計の前提となったそうだ。そこで、第3旅客ターミナルの看板には、何と横断幕などで使われるターポリンという布素材を採用。そこに光を当てることで、利用客に案内をしている。――予算が限られた中、どのようにディレクションされたのでしょうか?伊藤さん:まず、設計費用が「ローコスト」であることをポジティブにとらえようと思いました。どれくらいシビアだったかと言うと、提案後に先方から最初に出てくるフレーズが「予算」でしたね(笑)経済的な合理性をデザインに落とし込んだらどうなるか、ということを最優先にしたんです。要するに、制約を好きになれるか、ということだと思います。制約を愛することができれば「予算がないこと」も愛することができる。「じゃあ、こうしようか」「こんなアイディアはどうだろう」と発想していきました。看板が作れないなら、道を使って直接案内してしまおう。壁面にわかりやすく、大きくなデザインを施そう。こういった発想で、看板の設置数を大幅に削減しました。●陸上用トラックが担う"ニコイチ"の機能○空の移動をスポーツに見立てた陸上トラックこうした「制約」の結果で生まれたのが、同ターミナルの大きな特徴である、陸上トラックを模した動線のデザインだ。実際に陸上競技でも使われているゴムチップ製の床材を採用し、ブルーで出発、赤茶で到着を表示。導線を明確にすることで、電光掲示板の案内を最小限にし、コスト削減にも成功している。――なぜ、陸上トラックになったのでしょうか?伊藤さん:学生時代に陸上部だったことや、仕事でスポーツブランドとの関わりが多かったこともあり、「走る瞬間のポジティブな感覚」を表現できたら面白いな、と思ったのが提案のきっかけです。3年前に実施した最初の企画からずっと、この提案は続けてきました。今回の設計コンセプトは「more than 2 into 1―ふたつ以上の機能をひとつのものに集約するという経済合理性―」でした。要はニコイチというやつですね(笑)予算が限られていますから、サインにサイン"だけ"の仕事をさせていたらとても追いつかない。それに加えて、トラックを歩いていたら搭乗口についた、みたいな体験が生み出せたら面白いだろうなと思ったんです。空港の動線というのは、実はとてもシンプルです。誰もが電車やバスで入口から入り、検査をうけたら搭乗口に向かう。だからこそ、トラックにできたというのもあると思います。それに、空港の移動というのは、かなり負荷がかかるものです。荷物は重いし、とくにLCCは(搭乗に至るまで)結構歩く必要があるんですよね。それを軽減するために、他のターミナルには動く歩道が置かれていますが、第3ターミナルでは十分な数を配備することが難しかった。そこで、移動をもっと前向きにとらえてもらえたらいいなと思い、このようなデザインにしました。確かに、第3ターミナルへ向かうためには徒歩で第2ターミナルから向かうか、第2と第3ターミナル間を結ぶシャトルバスで移動することになる。動く歩道の設置はなく、第2ターミナルからはおよそ500メートルの距離(徒歩目安12分)がある。それをいかに機能的かつ、楽しめる環境として存在させるが大きなポイントだったそうだ。○「ハコ作り」から参加したからできるデザイン――トラックをはじめ、カラーリングや素材選びについて教えてください。伊藤さん:ターミナルに採用したトラックの色は、陸上競技で使われている公式カラーと同じものです。空に向かうイメージの青で「出発」を、アースカラーの赤茶で「到着」を表現しました。ゴムチップ製のトラックは足への負担も少なく、長時間歩いても疲れにくいという特性もあります。トラックの青はとても鮮やかな色なので、他の部分は極力を色を入れず、モノクロとしました。欧文フォントはNeue Frutigerを採用しています。先ほども触れたことですが、建築の段階から景観をデザインできたのは本当に良かったですね。ターポリンの案内板もそうですが、成田空港さんからは掃除のしやすさとか、耐久性、万が一のテロ対策など機能的なところにオーダーが入ることが多かったので、ひとつひとつ検証して解決していくという作業が必要でした。ピクトグラムに関していうと第1、第2ターミナルのそれと変えてしまうと合一性が取れないということで、形は基本同じです。ただ、陸上のスタイルで三角だけの矢印で行き先を案内したりするなど、今までなかった工夫をしています。伊藤さん:また、全体のデザインに関しても「デザインをしないデザイン」を念頭に置いていたので本来建造物として必要な要素は工場や倉庫、スタジアムなど空港ではないものを研究して着想していきました。天井の配管は工場のイメージ、動線という観点ではIKEAもとても参考になりましたね。待ち時間の長いLCCならでの工夫もあって、色分けしたソファベンチを空港オリジナルで作ったりもしています。――最後に、今回手がけた第3旅客ターミナルへの想いをお聞かせください。伊藤さん:安く旅をする、ということを徹底的に楽しめる人たちに使ってほしいと思います。経済合理性がデザイン合理性にもつながっていく。それは空港自体のデザインもそうですし、フードコートのデザインやお店選びにもこだわっていて、日本ならではの安くて美味しいものがそろっています。国内線もあるので、2020年東京オリンピックの見据えてバックパッカーなど、海外旅行者にも楽しんでもらえたら嬉しいですね。成田は羽田と比べると、立地的にも相当な逆境にあると思っています。ですが、第3ターミナルを利用してもらえれば、LCCでも出発の高揚感や到着の安堵感を味わえるようにデザインしたつもりです。このターミナルから、成田に対するこれまでの固定観念を打ち破れたら楽しいと思います。
2015年04月08日クリエイティブカンパニー「バスキュール」および「PARTY」は2社共同で、2015年3月よりクリエイティブスクール「Both Art and Programming Academy」(略称:BAPA)第2期を開校する。現在受講生を募集中で、応募締め切りは2月23日 9:00まで(予定)。受講期間は3月25日~7月20日 隔週水曜日 19:00~22:00。受講料は社会人12万円、学生10万円(いずれも税別)。同スクールは、デザインとプログラミングスキルを併せもった次世代クリエイターの育成を目的として設立されたもの。2社に在籍するクリエイターや世界で活躍するクリエイターらを講師陣として迎え、理論と実践を組み合わせた多彩なプログラムを、全13回(約4カ月間)にわたって提供する。今回、新たに日本テレビの人気番組「SENSORS」とのコラボレーションが予定されているほか、講義やワークショップの内容に関してもパワーアップを図っているという。また、講師には、伊藤直樹氏(PARTY)、中村洋基氏(PARTY)や朴正義氏(バスキュール)、原ノブオ氏(バスキュール)、馬場艦平氏(バスキュール)といった主催企業のクリエイターのほか、NHK「デザインあ」映像監修などで知られる中村勇吾氏(tha ltd.)、人型ロボット「クラタス」プロジェクトなどでに携わった木谷友亮氏(カイブツ)、第17回文化庁メディア芸術祭でエンターテインメント部門大賞を受賞した「Sound of Honda / Ayrton Senna 1989」を手がけた電通の菅野薫氏など、クリエイティブシーンの先端で活躍する面々が名を連ねている。現在入学希望者の応募受付を行っている。応募資格は、33歳以下の学生、社会人(※2015年2月末現在)であること。入試選考を実施し30名程度を選抜するということで、ポートフォリオや個人サイトによる「自己推薦」、あるいは「SENSORS」の番組タイトル映像を制作する「作品応募」のふた通りの応募方法が提示されている(受験費はいずれも無料)。なお、応募の詳細は同校のWebページにて確認してほしい。
2015年01月30日今年も残すところあとわずか。本チャンネルで取り上げたニュースのうち、特にクリエイターからの注目度が高かったものをピックアップし、あらためて2014年を振り返る。2014年1月~6月までのトピックはクリエイティブ業界トピック年鑑(上半期編)を参照してほしい。○7月●バスキュールとPARTYの学校「BAPA」の卒業制作展が開催バスキュールとPARTYが、共同で運営するスクール「Both Art and Programming Academy」(略称「BAPA」)の第1期生による卒業制作展を渋谷ヒカリエで開催。同スクールは、「デザイン」と「プログラミングスキル」を併せもった次世代クリエイターの育成を目的とし、理論と実践を組み合わせた多彩なカリキュラムを実施するもの。第1期では、朴正義(Bascule)、伊藤直樹(PARTY)をはじめ、クリエイティブな現場の最前線で実績をあげている17名が講師を務めた。東京都・渋谷ヒカリエで次世代クリエイター養成学校「BAPA」の卒展を開催中●建築家・ガウディと漫画家・井上雄彦が出会う展覧会が開催「特別展建築家ガウディ×漫画家 井上雄彦 -シンクロする想像の源泉」が東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催。カタルーニャ工科大学監修のもとアントニ・ガウディの自筆スケッチや図面、大型の建築模型などの資料や作品約100点に加え、井上雄彦氏がガウディの人生や人物像を元に制作した約40点の書き下ろし作品が展示された。「東京都・六本木で建築家・ガウディと漫画家・井上雄彦が出会う展覧会を開催○8月●LINEスタンプクリエイターの約半数がデザイン経験なしLINEが、ユーザーが制作したスタンプを販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」において、実際にスタンプを販売している日本国内のクリエイター893名を対象として、プロフィールや制作・販売状況などに関するアンケートを実施。「クリエイターとしての業務経験の有無」ついて、現在クリエイティブ・アート系の仕事に就いているという人が39.9%、過去に経験がある人は13.8%である一方、そうした仕事の経験がない人が46.4%にのぼることがわかった。LINEスタンプクリエイターの実態調査を発表 - 約半数がデザイン経験なし●福岡市のクリエイター移住プロジェクトがキックオフ福岡市では、東京在住のデジタルクリエイター・エンジニアを対象とした、"福岡に住む・働く"を実行に移すプロジェクト「ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ」が行われているが、本プロジェクトのキックオフイベントが、東京・代官山のDAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERYにて開催された。IT・クリエイティブ分野において一定レベルのスキルを持つ人材に向け、市内への移住に関する総合的な情報提供および、最大2カ月間の就業体験機会を提供し、IT・クリエイティブ分野におけるよりよいワークスタイル、ワークライフバランスを提供していこうという狙いだ。2カ月の移住体験を提供! 福岡市の新たなプロジェクトのキックオフイベント○9月●デザインオフィスnendoらが手がける"男性向け"ハローキティサンリオは、人気キャラクター"ハローキティ"が40周年を迎えた節目として、新たなプロジェクト「HELLO KITTY MEN」を開始。同プロジェクトは、これまで女性を中心に愛されてきたハローキティを男性向けに展開していくというユニークなもの。手掛けたのは、プロダクトから空間まで幅広い活動で知られるデザインオフィスnendo、広告や書籍、雑誌で活躍するグラフィックデザイナーの田部井美奈氏、展覧会のアートディレクションやグラフィックデザインなどで知られる石黒篤史氏の3組。ハローキティ×デザインオフィスnendo! 男性向け“ハローキティメン”始動●セガがプロジェクションマッピングと砂場が融合した遊具を発表セガが、プロジェクションマッピングを取り入れた室内用キッズ向け遊具機器「え~でる すなば」を稼働すると発表。室内用の砂とプロジェクションマッピングによる映像技術の応用により、砂の造形に応じて投影される映像がインタラクティブに変化する子供向けの遊具機器。砂の高低差を感知して映像を投影することで、砂を掘ると川や海になり、積み上げると山になるなど、カラフルな映像がリアルタイムに変化するアクションを楽しむことができる。プロジェクションマッピングと砂場が融合した遊具「え~でる すなば」登場○10月●外国人から見た、「新国立競技場」のデザイン2013年9月に東京に招致が決定した2020年開催のオリンピック。その競技場の建設案に関しては、都内の環境や整備とも関わるため、今年もさまざまな議論が起こった。クリエイティブチャンネルでは、外国人のみなさんがそのデザインについて抱いているイメージに関するアンケートを実施した。「新国立競技場」のデザイン、どう思う? - 日本在住の外国人に聞いてみた!●アドビ初のデジタルガジェット「Adobe Ink & Slide」が国内発売アドビ システムズが、Adobe Creative Cloudと連携するデジタルペンと定規「Adobe Ink & Slide」を日本でも販売開始。デジタルペン「Adobe Ink」は軽量で、快適な握りやすさを考慮した形状を、液圧成型による三面構造で実現。iPad向けデジタル定規「Adobe Slide」はInkのコンパニオン製品。直線を引いたり、正円を描いたりと、アナログ環境で定規を用いて行うような描画体験を実現する。アドビ初のハードウェア「Adobe Ink & Slide」日本国内での発売が決定○11月●文化庁メディア芸術祭の大賞作品発表文化庁メディア芸術祭実行委員会が、平成26年度[第18回]メディア芸術祭の受賞作品・受賞者を発表。本年度は「アート部門」の大賞が「該当なし」となった。アート部門以外の大賞について、エンターテインメント部門は、スマートフォンのGPS機能を使った仮想世界の陣取りゲーム『Ingress』(グーグルズ ナイアンティック ラボズ = 米国)。アニメーション部門では、心の傷に苦しむ少女と、彼女が空想の中に棲息する毛むくじゃらの生き物が繰り広げる、悪夢のようでありながらも美しい友情を描いた9分21秒の短編アニメーション『The Wound』(アンナ・ブダノヴァ氏 = ロシア)が受賞した。文化庁メディア芸術祭の大賞作品発表 -「Ingress」や「五色の舟」など●佐藤可士和氏が語る、ヤンマーのブランドイメージ統一プロジェクトヤンマーが、ブランドイメージ統一プロジェクト「YANMAR PREMIUM BRAND PROJECT」を今年も継続して行った。クリエイティブチャンネルでは、それを総合プロデューサーとしてとりまとめているクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏に、同プロジェクトの今後の方針や"デザイン"に関する考え方について話を聞いた。佐藤可士和「デザインとは"人の思い"を形にして伝えていくこと」 - ヤンマーを"変えた"ブランド戦略とは○12月●ソフトバンクがiPadとBluetooth接続で演奏可能なキーボードを発売ソフトバンク コマース&サービスが、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で注目を集めるMiselu製のワイヤレス音楽キーボード「C.24」を500個の数量限定にて発売。2015年1月末に予定する世界発売に先駆け、同社のオンラインショップで独占先行販売を実施した。ソフトバンク、iPadとBluetooth接続で演奏可能なキーボード「C.24」発売●チームラボが松竹映画のオープニングロゴと創業120周年記念ロゴを制作チームラボが、松竹の映画本編前に流れるオープニングロゴとブルーライン用オープニングロゴ、および同社の創業120周年記念ロゴを制作した。同社が制作を手がけたのは、松竹の映画作品の冒頭などで使われる「映画本編用オープニングロゴ」と、新たなクリエイターの発掘や若手監督・プロデューサー等の育成を目的した企画作品レーベルの「ブルーライン用オープニングロゴ」(2015年度よりレーベル名が「ブルーライン」となる)、そして2015年に松竹が創業120周年を迎えることを記念した「松竹創業120周年のロゴ」の3つの映像作品だ。チームラボ、松竹映画のオープニングロゴと創業120周年記念ロゴを制作2014年もさまざまな事柄があったが、「LINE Creators Market」や3Dプリンタ関連のサービスなど、クリエイターのデジタル作品が販売可能となるプラットフォームの登場が目立った1年だった。2015年はどのようなトピックがクリエイティブチャンネルを賑わしてくれるのだろうか。次の1年にも期待したい。
2014年12月31日●「Adobe MAX」で発表された内容の"ベスト"な部分をおさらいアドビシステムズは、東京都・六本木の東京ミッドタウンホールにおいてクリエイターの祭典「Adobe CREATE NOW "Best of MAX"」を開催した。ここでは、午前中に行われた「キーノート」セッションの模様をレポートする。「Adobe CREATE NOW "Best of MAX"」は、"Inspire"、"Learn"、"Connect"という3つのキーワードをテーマとした3部で構成されている。そのオープニングプログラムであるキーノートセッションでは、"Inspire"をキーワードに、ゲストスピーカーによる講演や、10月4日~8日に米国ロサンゼルスで開催された「Adobe MAX」の内容を受けたCreative Cloudの最新情報などが紹介された。○高解像度デジタル映像の需要により、制作現場にも変化キーノートセッションは、アドビ JAPAC地域マーケティング バイスプレジデント・木ノ本尚道氏の挨拶で幕を開けた。木ノ本氏は、近年、高解像度のデジタル映像へのニーズが非常に高まっているとし、12月12日に公開される映画「ゴーン・ガール」の編集に「Premiere Pro」が使われていることや、日本の次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)において、4K放送のデータ制作ツールとして「Premiere Pro CC」が指定されていることを紹介した。こうした環境の遷移によって、制作現場でもさまざまな変化が起こっており、デザイナーがコーディングを覚えたり、Webデザイナーが動画編集を学んだりするなど、クリエイターは常に新しいツールを学び、それを使いこなしているという。また、デザインの領域においても変化が激しくなっているとし、さらにビジネスの分野においても「クリエイティブを重要視している会社は10%以上収益の成長率が高い」というデータを紹介したうえで、「アドビはすべてのクリエイターのデザイン能力を信じ、デザインに敬意を表し、今後も長い間サポートしていきたいと考えています」と聴講者にアピールした。一方、「Adobe MAX」で発表された数多くのアップデートの中でも、特に注目してほしいのが「モバイル」だと強調。昨今のモバイルデバイスのパワー向上に関して「このパワーをコンテンツ消費のためだけでなく、制作ツールとしても利用できると考えている」と述べ、あいさつを締めくくった。○「Adobe MAX」で発表されたアップデート内容とは次に、同社マーケティング本部 西山正一氏とCreative Cloud エバンジェリスト 仲尾毅氏のふたりが登壇。西山氏は冒頭で、Twitter上でのキャンペーンについて案内。続いて「Adobe MAX」でのアップデート内容について、"クラウド時代のワークフロー"と言える制作環境を実現する「クリエイティブプロファイル」、クリエイティブプロファイルを通じて、デスクトップとモバイル間を連携する9つの新しい「モバイルアプリ」、キーボードやマウスがない環境でのクリエイティブへの取り組みである「タッチインタフェース」、そしてアップデートによってさらに進化した「デスクトップアプリ」という4つのポイントを紹介した。続いて、仲尾氏によるふたつの新しいモバイルアプリのデモへと移行。カメラで撮影したモノの輪郭を検出して自動的にベクトルデータ化するアプリ「Shape CC」のデモでは、筆で書かれた文字をiPhoneカメラで撮影し、即座にベクター形式のデータとして保存。それをクリエイティブプロファイルを通じて、iPad上の「Adobe Draw」やデスクトップの「Illustrator」上で読み込んで活用する様子を実演した。続いて、身の回りにあるさまざまなアイテムから「Photoshop」や「Illustrator」、「Photoshop Sketch」(モバイルアプリ)で使える"ブラシ"を作成できるアプリ「Brush CC」のデモ。チューブから絞り出した本物の絵の具をiPhoneカメラで撮影し、ターゲット(利用アプリ)や種類、切り抜き、調整などを行って作成したブラシを、iPad上の「Photoshop Sketch」上で利用する様子を披露。さらに、同アプリで作成したビットマップ画像をIllustratorへ転送し、Illustratorの「オブジェクト」メニューから「Sketch and Line Art」→「パスまで拡張」を選択することによって、パスに自動変換されるという新機能もあわせて紹介された。さらに西山氏が「Creative SDK」がパブリックベータとして公開されたことを案内。これにより、モバイルアプリの機能の数々やクリエイティブライブラリへのアクセス、「Photoshop Mix」の画像編集機能などを、サードパーティー製アプリが無償で搭載できるというものだ。既に「Snapwire」などのアプリでCreative SDKの画像編集機能が使われているという。そして、数々のデスクトップアプリのアップデート内容として、「Dreamweaver」が64ビット化を果たしたことなどを紹介。特に注目してほしいアップデートとして、6月の時点ではベータ版であった「Creative Cloud Extract」(旧称:Project Parfait)が晴れて正式リリースされた点を挙げた。これは、Photoshopを使わずにPSDファイルを編集できるという強力な機能で、夏にCreative Cloud上のストレージサービスのひとつとして登場したものが、このたびPhotoshopやDreamweaverに追加されたということだ。仲尾氏のデモでは、Creative Cloudのストレージ上にPSDファイルをアップするだけで動的なプレビューができるとともに、CSSを瞬時に生成する機能などを実演。同機能がこのたびDreamweaverに搭載されたことを紹介し、グラデーションの抽出や画像の移動および形式変換などをPhotoshopなしで行えることをデモで見せてくれた。最後のテーマとなったのは、同社の「タッチインタフェース」に対する取り組みについてだ。今後、このタッチ操作どのようなクリエイティビティが実現できるかを、マイクロソフトとの協業で進めていくという。ここで仲尾氏が「Surface Pro 3」のタッチインタフェースによる、最新版のillustrator CCの操作シーンをデモした。ジェスチャーによる操作や付属のペンのみによる描画、タッチ操作による直感的な編集、タッチスライドや雲形定規、ペンの筆圧に応じた描画、雑に引いた線をつなげてくれる「連結ツール」などを実演したのち、「Surface Pro 3でのタッチとペン操作による新感覚のIllustratorをぜひ皆さんにも体験していただきたいと思います」と語った。西山氏によれば、今後はアドビとマイクロソフトとで「タッチインタフェースによるクリエイティブワーク」についてのセミナーを開催していく予定だという。また、Illustrator以外にも、さまざまなアプリケーションに応じたタッチインタフェースの開発を進めていくということだ。●クリエイティブ表現の最前線を走る2名によるトークセッション○人の顔を使ったプロジェクションマッピング「OMOTE」の舞台裏ここからは2名のゲストスピーカーを迎えてのセッションとなる。最初は、映像制作会社「P.I.C.S.」のプロデューサー・浅井宣通氏による「テクノロジーは夢を見る」。浅井氏は、世界中で話題を集めた"人間の顔"に投影するプロジェクションマッピング「OMOTE」の制作者として、一躍時の人となった人物だ。冒頭の挨拶では作品の反響の大きさをあらためて実感している様子が窺えた。映像制作会社でミュージックビデオやCMを作っていたが、最近になってプロジェクションマッピングの企画やプロデュース、テクニカルディレクションに携わるようになったという浅井氏。「OMOTE」は仕事ではなく、プライベートなプロジェクトとして友人と3人で作ったという。8月中旬に動画投稿サイト「Vimeo」にアップロードしたところ、1日で100万アクセスという世界的な広がりを見せ、まだ公開から2カ月ほどしか経っていないにも関わらず、世界各国からイベント出演依頼や具体的な制作依頼が相次ぐなど目まぐるしい日々が続いているという。「OMOTE」は自主的なプロジェクトのため予算がなく、有名なモデルを使うこともTVや新聞などでの紹介もなかったが、同作品がコンテンツの力だけで世界に伝わったことによって、「作品力(おもしろさ)=媒体力」であることをあらためて感じたという。面白い物を作れば世界中の人が見てくれるということは、すべての人に開かれている可能性であり、素晴らしいことだと語った。続いて、「OMOTE」のメイキングの紹介となった。同作品のタイトル「オモテ」とは「能のお面」のこと。3Dで制作したお面を顔にかぶせることがコンセプトになっているという。まずは女性モデルの顔を3Dスキャニングして「ポイントクラウド」と呼ばれる点の集まりからなるデータを作成。その点同士をつないで面にした3Dモデルを作り、同時に発泡スチロール製のモックアップを組み上げたという。次に行ったのは「テクスチャシューティング」。ヘアメイクアーティストが実際に顔にメイクしたものを3方向から撮影し、そのデータを3DCGソフトで3Dモデルにテクスチャとして貼り付けることで、パソコン内で動かせるリアルな3Dモデルになるという。そのテクスチャをはがした、やや不気味な2Dの顔データを土台として、アニメーションを作成していくとのことだ。続いて、顔の位置を検出する「キャリブレーション」や動いた顔の位置を取り込む「モデリング」をすることで、パソコン内の3Dモデルと実際の女性モデルの顔の動きと同期し、パソコンの画面に映っているものを女性モデルの顔にプロジェクターで投影することで、ピッタリ合う仕組みになっているという。また、このような作品を作る上での大切なポイントとして、「テクノロジーの精度」(位置がズレていたりタイムラグが生じると面白くないから)、「クライアントワークでは精度の追求が難しい」(開発時間が足りないから)、「表現について」(テクノロジーのギミックだけでは、人は感動しない)、「普遍性と時代性」(変わらないものと時代によって変わるものの両方が必要だと語る。OMOTEの場合の"普遍性"は日本の伝統や美意識、"時代性"はテクノロジーによるギミック)、そして「根性」(あきらめないこと。OMOTEは途中何度も挫折しかけたが、6カ月かかって完成した)という5つを挙げた。このほか、友だちが集まって作りはじめたが内容がまとまらず、毎週夜中まで徹底的に議論して皆が納得できるまで詰めた結果、ひとりではできない優れた作品ができたという経験から感じた「コラボレーションのメリットとデメリット」や、好きでなければ夢中になれない、好きでやっていれば気づいたときには上達しているという"「好き」力"や、自分が面白いと思うことによってエネルギー源となる"「ワクワク」力"、そして記憶をコーヒー豆、パッションは熱湯、創造力を作品に例えた方程式「創造力=記憶×パッション」、そして自分の中のやる気は何だろうと考えた浅井氏が共感できるという楽曲として、槇原敬之の「ぼくの一番欲しかったもの」を紹介。会場内に曲が流れたのちエンディングとなった。○「無から有を生み出す物」と言う意味ではクリエイターは「創造主」キーノートセッションのラストは、クリエイティブラボ「PARTY」を率いるクリエイティブディレクター・伊藤直樹氏による「BE CREATOR! ~君は神になりたいか~」と題されたセッションだ。伊藤氏は最初に「クリエイター」という言葉について、イギリス人の英会話の先生から「クリエイターを英語にすると創造主(つくりぬし)を意味する」と指摘されたエピソードを紹介。その瞬間は顔が赤らんだものの、自分でクリエイターと名乗ることもあながち悪いことではないと感じたという。その理由として、「創造主」や「神」というのは言い換えれば「無から有を生み出した者」であり、われわれクリエイターが常に感じている「今までになかったものをこの世に生み出したい」という思いと合致しているからだという。ネット上には多くの「神」が存在するが、その人たちはきっと無から有を生み出した人であるからこそ称賛されるのだとし、「自分たちも常にそうでありたい」という思いを明かした。続いてスクリーンに映し出されたのは「12(9)」という数字。これは、同社で最も多くのソフトウェアを扱えるデザイナーが、実際に扱えるソフトウェアの数だという。合計12種類で、そのうちアドビ製品が9種もあり、ひとりで何でもできてしまう「フルスタック系」として頑張っているという。ここで伊藤氏は自分の過去を振り返り、20歳では「何かを作りたい」という思いがあったものの引きこもりであったが、25歳で広告代理店に入社してひきこもりは卒業。それでも「1人がいい」と思っていたが、30歳になりもの作りはできるが「ひとりでは限界」だと感じたという。35歳でもの作りをしてきたが「皆とやることは大変だ」という思いが募ったが、40歳で皆とのやり方がわかり、震災直後に「PARTY」という会社を設立。東京とニューヨークに拠点を置き、現在30名ほどのクリエイターが在籍しもの作りをしているという。PARTYとは「徒党」であり、その意味は「あることをなすために団結する」ことだ。伊藤氏は、本当は「孤高」が好きだが、無から有を生み出すためには徒党を組むほうがいいと感じたとそうだ。続いて、同社が携わった数々のプロジェクトを、制作費とそれに関わった人数とともに紹介。最後に制作費300億円(当時の貨幣価値で30億円)で21万人もの人が関わった「東京タワー」の例を挙げ、「いつかは21万人の規模で東京タワーのようなものを作りたい」という夢を語り、キーノートの最後を締めくくった。
2014年11月13日アドビ システムズは、イベント「Adobe CREATE NOW “Best of MAX”」に関連したTwitterキャンペーンを実施している。実施期間は11月13日まで。このキャンペーンは、同社の公式Twitterアカウント「AdobeCreativeStation」(@AdobeCS_jp)の特定のツイート(アドビのイベント"Best of MAX"を見てCreative Cloud 1年分をゲット!……)をリツイートした人の中から、抽選で5名に「Adobe Creative Cloud」を1年間無料で利用できる権利をプレゼントするというものだ。また、対象のツイート内に含まれているURLをクリックすると、11月8日に行われたイベント「Adobe CREATE NOW “Best of MAX”」のWebページに飛び、キーノートのストリーミング配信を閲覧することができる。キーノートには、プロジェクションマッピングの流行を先進的な表現とプログラミング技術でけん引してきたP.I.C.S.の浅井宣通氏、クリエイティブラボ「PARTY」の代表を務めるクリエイティブディレクター・伊藤直樹氏といった最前線で活躍するキーパーソンたちが登壇しているため、興味のある人はぜひストリーミング配信をチェックしてみてほしい。
2014年11月10日ゲッティ イメージズは、赤坂ミッドタウンホールで行われるアドビ システムズの主催するイベント「Adobe CREATE NOW “Best of MAX”」(11月8日開催)に、ゴールドスポンサーとして参加する。同イベントは、クリエイターの制作現場で「Creative Cloud」がどれほどの効果をもたらすかを紹介するもの。ゴールドスポンサーであるゲッティ イメージズからは、同社のアートディレクター 小林正明がスピーカーとして登壇し、「これからのクリエイティブ・フォトグラフィー」と題したセッションを行う。また、同イベントには、P.I.C.S.のプロデューサー/テクニカルディレクター浅井宣通やPARTYのクリエイティブディレクター伊藤直樹らもゲストスピーカーとして登場するほか、ビデオセッションでは11月29日公開予定の映画『寄生獣』の映像プロデューサー 守屋圭一郎が、同作の見どころや舞台裏を紹介する予定となっている。
2014年10月09日昨年大ヒットしたテレビドラマ『半沢直樹』シリーズ。その主人公は銀行員だが、大ヒットした理由としては、銀行という保守的なイメージが強い組織の中で、上司の圧力などを恐れず、自ら信じる正義を貫く姿に多くの視聴者が共感したことが挙げられるだろう。そこで思ったのが、日本初めての"ネット銀行"となったジャパンネット銀行を立ち上げるのに参画した銀行員たちのことだ。同行を設立した、当時のさくら銀行(現三井住友銀行)の立ち上げメンバーたちは、金融監督庁(現金融庁)との折衝や新銀行の方向性を巡っての銀行内での議論など、多くの困難と闘って新銀行を立ち上げたのではないか、という事だった。そこで、その立ち上げメンバーの一人で、現在ジャパンネット銀行の社長を務めている小村充広氏にインタビューさせていただくことにした。○ネット銀行設立というアイデアはどこから?――どういうきっかけで、新しい銀行をつくろうということになったのですか?当時のさくら銀行の岡田頭取が中心となり、新たな銀行のビジネスモデルを作ろうということになりました。従来のビジネスモデルにこだわらない特に個人向けの利便性の高いサービスということで、最終的には"三本の矢"ではないですが、ネット銀行、コンビニATM、消費者ローン、この3つをやっていこうと。ネット銀行については、ジャパンネット銀行という形で実現し、ローンに関してはアットローンという消費者ローンの専用会社をつくり、今はSMBCコンシューマーファイナンスという会社になっています。また、コンビニATMは、@BΛNKとしてam/pmの店舗にATMを出すということで実現しました。15年ほど前にスタートした企画が、現在では3つとも世の中に認知されています。――その"三本の矢"は、新たな収益源を求めて企画されたのですか?新しい銀行のビジネスモデルとして、お客様のニーズに合致して、かつ我々の収益源にもなるものということで企画されました。――そういう新しいビジネスモデルをつくろうという構想の中で、ネット銀行もその一つとしてあったということですね。小村社長はかなりアイディアマンでいらしたそうですが、もともとはマーケティングの部署にいらっしゃったんですか。商品開発やマーケティングが長く、預金商品の開発や、金利の自由化の対応、コールセンター、チャネルの開発などをやっていました。その後、総合企画部というところに行き、新銀行のモデルを作る新規事業を担当していました。○コンビニのような銀行を目指すため"ネット専業"を主張――ネット銀行をつくるにあたっては、専業にするかどうかという議論があったとお聞きしましたが、小村さんはどういう意見をお持ちだったのでしょうか?さくら銀行(現三井住友銀行)の中でネットバンキングをやってもよかったのですが…石田さんは、銀行の窓口って、最近だといつ行かれましたか?――最近、家を買ったときぐらいなので3年前ですね。そのときに、いろいろ借りるときの手続きで、1カ月の間、かなり頻繁に行ったことがあるのですが、そのほかはほとんど行ってないですね。行きたくて行くところではないですよね。しょうがなく行くところ。――そうかもしれないですね。行きたくないんです、銀行なんて。待たされるし、3時までしか開いていないし。一般の大勢の方にとって、本当に便利なのは銀行に行かなくて済むことですよね。――そうですね、確かに。お金をおろさなければいけないときは仕方がなくATMに行くけれど。ある意味、コンビニみたいな銀行を目指した方がいいのではないかと思ったわけです。――いつでも、どこでもですか。そう、いつでも、どこでも。さくら銀行(現三井住友銀行)の中で、インターネットバンキングサービスをするというよりも、コンビニのように特化した方が日常的な利便性を提供できるのではないかと。そういった利便性や、手軽さを提供するには、あえて専業で絞った方がいいし、加えてシステムも、これはコンビニでいうところの配送システムや店舗運営になるかと思いますが、百貨店のいろんな商品を扱っている仕組みと、コンビニのような限定された商品を置いているシステムとは、やはり後者のシステムのほうが柔軟性や早さを実現できます。いろんな商品を扱っている銀行の基幹システムではなくて、24時間、365日動いて、しかも柔軟で、開発するときも、ローコストでできるということを実現するためには専業の方がいいと思ったのです。――コンビニのような銀行をつくろうと思われたわけですね。そうですね。一生に1回しかないような住宅ローンというのは、メガバンクにお願いして、我々は日々の生活に必要なバンキングサービスを提供すればいいのではないかと。――銀行というところは保守的というイメージがあるのですが、小村社長が専業のネット銀行をつくろうと主張した際、社内的な壁はありましたか?意外とそうでもなかったですよ。もちろん、当然ながら法律は守らないといけないし、お客様あってのことですので、お客様に迷惑をかけてはいけないし、銀行としての道徳もありますが、そういったことさえ守ればやりたいことはできました。ただ、銀行に限らないと思いますが、打率って2割あれば十分なんです。サラリーマン社会だと、バットを振らないで見送り三振になってアンパイアに文句言う人がいるでしょう。でも文句を言う前に、まずバットを振ろうよと。イチローではないので打率3割5分なんて打てるわけがないのです。そのかわり、ボールを振ってはだめだし、あるいは大振りばっかりしていてもだめですけれども、まずバットを振るということと、打率は2割あったらいいと、そう思っています。ただし、8割の失敗の部分については、出血を抑えるためにはどうすればいいかをきちんと考えておかなければいけません。――ヒットを打つにはどうすればいいのでしょうか?社内を説得できるような材料を揃え、お客様のニーズをきちんと把握し、法律上の問題もクリアして、収益が一定程度は見込めて、という条件がそろえば、文句のつけようはないと思います。○新銀行設立にあたっての、金融監督庁(現金融庁)とのやり取りとは?――小村社長は、新しいネット専業銀行にはどういうビジョンを持っていらっしゃったのでしょうか?コンビニのような銀行を目指していましたので、預金、無担保ローン、決済、この3点でよく使ってもらえる銀行というビジョンを持っていました。――2000年10月に開業に至ったわけですが、新しい銀行を作るということで、金融監督庁(現金融庁)との折衝は大変でしたか?銀行免許ですか。――はい。新しい銀行をつくる上で、どの辺が金融監督庁(現金融庁)を説得させないといけない点だったのでしょうか?一つは、ネット専業銀行の社会的意義ということだと思います。――その辺は金融庁の人は理解してくれましたか。話していくうちにご理解はいただけるようになりました。――法的なクリアしなければいけない、免許をとるためにどんなものが求められるのでしょうか。行政側としては、社会的意義のほか、消費者に迷惑をかけずにメリットを与えるという点を重視していました。インターネットもまだその当時はダイヤルアップでしたし、iモードも文字ばかりの白黒でしたから、インターネット特有のリスクということに関し、どういう手段を用意しているのかということに尽きたのではないですかね。インターネットにはどういうリスクが潜在的にあるのか。それに対してどういう手を打つのか。もちろん、通常の銀行のリスク管理、コンプライアンス、市場リスク管理、オペレーショナルリスクなど、そういった点は、我々はさくら銀行(現三井住友銀行)から学ぶなり、専門家を連れてくるなりすればできるので。――初めてというところで、リスクを考えるのもそうだし、対策を考えるのも、想像力がかなり必要ですね。インターネットの、潜在的、顕在化しているリスクを銀行サービスに置き換えて、ではどういう手を打つのかということを、我々自身が考えなければいけなかったということですね。新しいイノベーションには付きものですよね、それは。恐らく、日本の銀行ではジャパンネット銀行が初めて、開業から預金通帳というものをなくしたのです。預金通帳をお持ちですか?――妻が持っていますが、私は持っていないです。要らないでしょう。――要らないです。細かいことを言うと、預金通帳をなくしたらどんなリスクがあるんだという、そういうことも含めて考えました。どこもやったことがないから。――確かに、預金通帳をなくすことでどんなリスクがあるのでしょう。紙に記載されたものがないので、電子的にサーバーに保管するとか、そんな感じで対策するものですか。一つは相続で困るのではないかと。これまでだと、誰かが亡くなったときには引き出しの中から預金通帳が出てきて、預金があったことに家族が気づいて銀行に電話しますよね。それをどうするんだとかね。――それらの対策はどうなんですか。僕は預金通帳をなくしたかったのです。お客様の利便性からしてもコストからしても。ただそういった相続などの懸念の対策として、キャッシュカードは全員に配ることにしました。また、スターターキットに綴じ込み用紙のようなものをつくって、ATMから出てきた紙を綴じておくことができる、それで代用していこうということにしました。――スターターキットの綴じ込み用紙は誰も使っていないかもしれないですね。ただ、そういう対策は必要だったわけですね。当時は必要だった。ただ今みたいにネットが当たり前になってくると、利用する側のほうが対策を考えますからね。いまや預金通帳に限らず、旅行でも飛行機のチケットはeチケットを使いますよね。――そういう形で免許をとるために金融庁当局と議論を重ねていったわけなんですね。議論というよりも、新しいことをやろうと思うと、リスクを自分たちの責任において考えなければいけないということです。A、B、Cというリスクが考えられるけれども、Aに対してはこういう手を打とう、Bに対してはこういう手を打とうと、説明してご理解していただくということです。――金融監督庁の人も、これどうなの、これどうなのということはあったのでしょうけれども。本当に支店がなくて大丈夫なんですかとか。大阪になくていいのかとか、そういう心配事がいっぱい出てくるわけですよ。――本当に支店がなくて大丈夫かというのは、どう答えられたのですか。支店がないのがウリですし、逆にいうと何で支店が必要なんですかと。――人が来なくていい銀行なのに、支店はいりませんと。行かないのに作っても仕方がないですよね。電話とメールとインターネットで十分事足りるんです。その分ローコストにして、お客様の手数料を安くとか、金利をよくということで還元していくことが、ある意味でネット専業銀行の社会的意義ですので、支店をいっぱい作ったら意味がなくなってしまいますよね。――今おっしゃっているような形で、ひとつひとつクリアしていかれたわけですね。前例がないものを、銀行のような組織の中でやるというのはかなり大変だったとご推察しますが、今の小村さんの感じだと楽しんでやってらっしゃったのかなという感じもするのですが。壁があるのは、金融庁、金融監督庁に限らず、どんなものでも壁はありますよね。それを乗り越えないと何も始まらないですね。○真正面から突破するのではなく、人間力で明るく突破――壁を突破する人間力というか、そういうのが必要なわけですね。人間力ではないですけど、明るいほうがいいかもしれないですね。壁がありますでしょう。この壁をどうやって突破しようかと思うときに、あまり真正面から行ってもしょうがないので、横から行ってみようとか、走りぬけようかとか、地下を掘ってみようとか、そういうふうに思う人のほうがいいかもしれないですね。真正面から突破しようとしていたらくたびれるし、楽しくないでしょう。――晴れて開業となった後ですが、いろいろな記事などを見ると、最初は銀行口座の開設がばっと上がったけれども、途中で停滞した時期もあったということですが。最初はテレビコマーシャルも含めて広告を出しました。お客様も珍しさもあって口座開設してくださったのですが、だんだん下火になってきまして、いろいろやっても空振りばかりで当たらなくて。そこでわかってきたのが、ネットの社会では自分で自分を勧めてもだめだということ。ジャパンネット銀行が、「ジャパンネット銀行はいいですよ」と言ってもなかなかお客様の背中を押すことにはならないのです。――自分で自分の背中を押せない。自分で自分のことをPRしてもよくなくて、第三者がジャパンネット銀行はいいよと言ってくれるほうがとても効果があるんです。自分たちが広告を出してもあまり信用してくれない、効果が薄い。やはりファクトがないとだめです。便利とか、安いとか、そういうファクトがあって、第三者がいいよと言ってくれることが重要です。2001年にヤフーオークションのオフィシャルバンクになり、それがいろいろなネットの掲示板に出て、広まっていきました。――当初は広告を打ったりされていたけれども、ネットの世界は違うと。ネットのマーケティングには、ファクトと、口コミ、連携が必要だということですね。さっきの答えと一緒ですが、銀行は言ってみれば裏方です。銀行のホームページって、見ますか?――見ないです。見ないですよね。株とか、外貨預金なんかは面白いかもしれないけれども、定期預金なんて見ても金利は変わらないんだから面白くないでしょう。車好きな人はトヨタのホームページを見ていたら楽しいし、ヤフーのホームページを見ていたら面白い、楽天だって面白い。だけど、銀行のホームページを楽しんで見る人は少ないと思います。――そうかもしれないですね。あくまで主役は消費であって、ネットでショッピングをするとか、オークションをするとか、公営競技の投票をするというのが主役なのです。そして、極力意識することなく便利に決済ができるというほうがお客様にとってはいいわけです。だから主役とどう提携するかというのが大切でした。オークションや公営競技で提携して、そこに便利な決済スキーム、あまり意識しないでも決済できるような仕組みを提供すれば、おのずとジャパンネット銀行の口座が必要になるし、そうなるようにしてきました。オレがオレが、ではなくて、こすったら出てくるくらいでちょうどいいのです。○主戦場はネット、ジャパンネット銀行の責務――昨年社長となられてまた一層ネット銀行とのかかわりがかなり深くなられたわけですが、今後のビジョンをお聞かせいただいてもよろしいですか。やり切れていないです。それこそ、メガバンクのインターネットバンキングサービスとネット専業銀行の違いは何ですかということを聞かれた場合に、細かいところは説明できます。ですが、一般のお客様がネット専業銀行とは何なのかと認識するレベルにまではいっていないんです。たとえば、みなさんはスーパーとコンビニの違いをご存知です。スーパーとはこんなもので、コンビニとはこんなものだとご自分で定義づけていますね。まだそこまでいっていないです。新規参入銀行の中でも僕は2種類あると思っています。メガバンクがネット専業銀行をつくるのと、銀行業界以外の企業が銀行をつくるのとでは意味、目的が違うんです。メガバンクがネット専業銀行をつくるのは、ネット市場に進出するためにつくっているのです。ネットユーザーを取り込もうとしてつくっているのです。だからあくまで主戦場はネットです。他業種から参入された企業は、恐らく銀行業に参入するために形態として選んだということでしょう。ジャパンネット銀行はメガバンクがつくったネット専業銀行で、僕らはコンビニになりたいわけです。スーパーや百貨店になったら意味がないのですね。なので、純粋なネット専業銀行という意味で、僕は、いつでもどこでも誰でも、ということが必要だと思っています。そして、それをやるのはネット専業銀行というより、ジャパンネット銀行の責務だと思います。――やはり、パイオニアとしての自負ですね。本日はありがとうございました。
2014年02月06日すでに今夏ドラマ1番のヒットとも言われているTBSドラマ『半沢直樹』。老若男女から支持を集めていますが、そんな中ちらほら聞こえてくるのが「『半沢直樹』の堺雅人がたまらない!大好き!」という女性の声。半沢直樹は、その言動でサラリーマンをスカッとさせながら、一方で世の女性たちをキュンとさせてもいるのです。今回は20代の女性たちに行ったアンケートをもとに「『半沢直樹』に見る!不倫願望を掻き立てる上司の特徴」をお教えします。半沢直樹が上司だったら嬉しいですが、同時にちょっとキケンでもあるみたいです。■1.元・剣道部「半沢直樹は、慶応義塾大学経済学部卒で体育会剣道部という高スペック。ドラマの中でもかっこいい剣道シーンがあって、思わず見入ってしまった。武道に長けている人は素敵。」(22歳・大学生)一本筋の通った感じがある「武道」は、やはり女子人気抜群。ほどよく筋肉のついた体も、とても魅力的です。ちなみに、逆に惹かれない運動部は何かと聞いたところ、「バドミントン」「卓球」「テニス」「柔道」といった名前が挙がりました。どうやらユニフォーム姿がかっこいいスポーツは強いようです。■2.ワイルドなところがある「そもそもドラマのキャッチコピーは「クソ上司め、覚えていやがれ!」。半沢直樹は、敵のことを容赦なく叩きのめすんだけど、そんなところがワイルドで良い。たまに見せる野獣のような笑顔にゾクッとする。」(25歳・小売り)男性の草食化が叫ばれて久しいですが、やっぱり女が根底で求めているのはこういう「男らしさ」なのです。半沢直樹の、狂気すらはらんだワル~イ笑顔には、誰もが思わずドキドキ。堺雅人の普段の顔は柔和で優しげなだけに、ドラマだけで見せるワイルドさが女心をぐっと掴みます。不倫相手には、こういう男らしいワルさを求めてしまうものなのかもしれません。■3.頭がキレる「ドラマを見るたびに惚れ直すのが、半沢直樹の頭の良さ。こんな人になら手の平の上で転がされてもいい。しかも決して他人に付け入る隙を与えないから、不倫関係になっても上手く周りをだましてくれそう。」(27歳・マスコミ)不倫相手に求めるカッコ良さの中でも、一番大切なのはやっぱり「頭の良さ」。人として尊敬できる相手だからこそ、危険な橋を渡ってでも会いたいわけです。もしドラマのような頭脳選を目の前で繰り広げられたら、女としてはたまらないですよね。■4.部下に優しい「敵には鬼のような顔も見せる半沢直樹だけど、部下には本当に優しい。あの優しさで接せられたら、好きになる自信がある。」(24歳・事務)第三話での「中西。お前洋食派?和食派?」には癒されました。厳しい顔で戦いながらも、守るべきものは本気で守る姿にキュンとします。「甘い」のではなく「優しい」というのがポイントですね。■5.ほんわかした面がある「下手な関西弁使ったり、パンを口いっぱいに頬張ったり、奥さんに頭を撫でてもらったり、半沢直樹がふと見せるほんわかした一面がたまらなく好き。普段は男らしいのにたまにカワイイ人は魅力的。」(25歳・飲食)神経を張りつめさせた精悍な顔を見せていたかと思えば、ふとした瞬間にとぼけた顔や言動を見せたりするのが半沢直樹の魅力。女性が持つ「母性」をぐいぐい刺激してきます。不倫相手を切らせない男性は、こういうかわいらしさを持った人なのかもしれません。■さいごに色々な魅力がたっぷり詰まった半沢直樹。一回観たら虜になること間違いなしです。現実では素敵な上司に恵まれていなくても、半沢直樹との脳内不倫で女子力アップできちゃうかもしれません。(小嶋もも/ハウコレ)
2013年08月05日56万部を突破した三浦しをん氏の同名小説を松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョーらを迎えて映画化する『舟を編む』に、ピースの又吉直樹、麻生久美子らが出演することが発表された。その他の写真本作は、ある出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書“大渡海(だいとかい)”の製作に奮闘する編集者たちの姿を描いた作品。又吉と麻生は、松田演じる変わり者の編集者・馬締光也を中心とした個性豊かな編集部のメンバーと関わる、辞書の装丁デザイナー上田役(又吉)と、『大渡海』をPRする役割を担う女優役(麻生)を演じる。さらに、編集部と共に辞書を作り上げていく登場人物として、宇野祥平、波岡一喜、森岡龍、斎藤嘉樹の名前も発表された。読書家として知られ、執筆活動も行っている又吉は、「辞書を読むのは好きですね。家に国語辞典だけで4、5冊あります」と、広辞苑など多数の辞書を愛用する無類の本好きだという。「今のコンビ名“ピース”も、なかなか思い浮かばなかったので、カタカナ語辞典で適当に開いて指さした単語にしようと思ったら“スカベンジャー”って出て。でも意味を見たら“ウジ虫”って書いてあって、『絶対あかんやん』ってやめたんですけど」と明かす。「日常的に辞書は引いてきました」という又吉は、「辞書作りの人のことまでは考えたことなかったので、すごい面白いなと思いました。辞書作りって、共通認識を作っていく仕事なんですよね。『アイス食べたいけど、太るからどうしよう』みたいな、言葉では言い表せられない、“精神内部で感情がぶつかり合うこの感じ”って思っていたら、『それ“葛藤”やで』って、みんなが一発でわかるように言葉を決定していくイメージ。言葉にならない感情を言っていって、横から言葉にしていくっていうものだと感じました。松田さんとオダギリさんは、やっぱり雰囲気があって声が心地よかったです」と語っていた。『舟を編む』2013年4月13日(土)丸の内ピカデリーほか全国公開
2012年12月19日お笑い界きっての本読み、ピース又吉直樹の本にまつわるエッセイ集『第2図書係補佐』が、この度発売された。劇場「ヨシモト∞ホール」のフリーペーパーへの連載分(2006年~2009年)に新たに書き下ろしを加え、尾崎放哉、太宰治から穂村弘、町田康まで47の作品を紹介している。また、芥川賞作家・中村文則との対談も実現。人気芸人でありながら、よしもとの太宰治との異名ももつ又吉直樹の、独特な世界観を楽しめる『第2図書係補佐』は、一見の価値ありだ。本書「はじめに」より抜粋タイトルは『第2図書係補佐』。「第2」で、しかも「補佐」。僕の役割は本の解説や批評ではありません。僕にそんな能力はありません。心血注いで書かれた作家様や、その作品に対して命をかけ心中覚悟で批評する書評家の皆様にも失礼だと思います。だから、僕は自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました。本を読んだから思い出せたこと。本を読んだから思い付いたこと。本を読んだから救われたこと。 もう何年も本に助けられてばかりの僕ですが、本書で紹介させていただいた本に皆様が興味を持っていただけたら幸いです。 第2図書係補佐 著者:又吉直樹発売日:2011年11月22日(火)価格:¥520
2011年11月29日なぞ多き"ともだち”に迫る!!映画、マンガ、アニメなどでだれもが一度は浦沢直樹さんの作品を見たことがあるのではないでしょうか?浦沢さんの作風はスポ根からSF、ミステリーまで多岐にわたり、女性にとっても魅力的な作品が多数あります。そこで20代女性に「THE浦沢直樹作品」と思うマンガを聞いてみました。>>男性編も見るQ.THE浦沢直樹のマンガと言えば?(複数回答)1位『20世紀少年/21世紀少年』62.3%2位『YAWARA!』37.0%3位『MONSTER』22.3%4位『PLUTO』10.7%5位『MASTERキートン』9.7%■浦沢直樹マンガといえば『20世紀少年/21世紀少年』!!・「映画を見る前に読んだらはまってしまい、寝る間も惜しんで読んだから」(29歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)・「映画になったことで、一番知名度があると思うから」(28歳/情報・IT/技術職)・「浦沢先生の知名度を押し上げた作品だと思うから」(27歳/建設・土木/事務系専門職)・「ストーリーの続きが待てないほど、なぞが多く面白い」(25歳/情報・IT/技術職)・「一気読みして、作者は本当に天才だと思った」(27歳/金属・鉄鋼・化学/営業職)■浦沢直樹マンガといえば『YAWARA!』!!・「なんといっても『YAWARA!』。ほかの作品も好きだし、暗い雰囲気も嫌いじゃないけど、この柔ちゃんのかわいさはどの作品にも勝る!」(23歳/金融・証券/販売職・サービス系)・「読んで柔道が好きになった。『等身大の女の子ってこうだよね』と、つくづく感じます」(28歳/通信/営業職)・「小学生のときに一番はじめに読んだこともあり、柔ちゃんの真っすぐさが胸に突き刺さった」(24歳/小売店/販売職・サービス系)・「これを見てうっかり柔道部に入ってしまった」(27歳/医療・福祉/専門職)■浦沢直樹マンガといえば『MONSTER』!!・「話が単純じゃなくて、すごく凝っているところがいい!!毎回ドキドキさせられます」(24歳/医療・福祉/専門職)・「ストーリーの構成と展開がしっかりしていて面白いから」(24歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「話が難しいけどスリルがあって面白かったから」(29歳/小売店/販売職・サービス系)■浦沢直樹マンガといえば『PLUTO』!!・「マンガが特に好きというわけでもない子が絶賛していたから」(22歳/その他/専門職)・「『鉄腕アトム』をモチーフにしていて、とても興味深い」(25歳/医療・福祉/事務系専門職)・「面白い!! 『鉄腕アトム』をあまり知らなくても楽しめた」(27歳/学校・教育関連)■浦沢直樹マンガといえば『MASTERキートン』!!・「1話完結という短いストーリーなのに完ぺきすぎる。ほかの作品の方がはるかに有名かもしれないが、一番オススメはこれ」(24歳/その他/事務系専門職)・「かた苦しい考古学ではなく、とても面白いと思います」(25歳/医薬品・化粧品/専門職)・「深夜にテレビでアニメを放映していて、楽しみにしていた」(28歳/その他/事務系専門職)■番外編:浦沢直樹マンガといえばこのマンガ!!・『Happy!』:「スポーツマンガで女の子が一生懸命成長していく物語。『これぞ青春、浦沢直樹だなぁ』と感じる」(25歳/自動車関連/秘書・アシスタント職)・『踊る警官』:「友達とまわし読みをしていた」(24歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)総評62%の支持を得て見事1位に選ばれたのは『20世紀少年/21世紀少年』。3部作の実写映画も公開されたことで「一番知名度がある」という意見が多数でした。「一気読みしてしまった」、「寝る間も惜しんで読んだ」という人がいるほど、ドキドキハラハラのストーリーを作れる浦沢さんに対して「天才!」と絶賛する声も多く寄せられました。2位は、スポーツマンガの『YAWARA!』。男性の作者ながら「等身大の女の子ってこうだよね」と女子から共感される物語になっています。これを読んで「柔道が好きになった」、「柔道部に入った」という意見も。谷亮子選手の愛称となった"柔ちゃん”もこの主人公が元になっているのは有名な話です。第3回手塚治虫文化賞、第46回小学館漫画賞を受賞した『MONSTER』は3位。"スリル”と"凝ったストーリー”は浦沢作品の定番となっていますが、その中でもサスペンス要素が強く、児童虐待や東西冷戦など深刻なテーマをしっかり扱った重厚な作品です。4位は手塚治虫原作の『鉄腕アトム』のエピソードをモチーフにリメイクした『PLUTO』。続く5位は保険調査員の活躍を描いた『MASTERキートン』。「一番有名ではないかもしれないけれど、面白いのはこれ」という意見がありました。映画化されたこともあり、知名度の高い『20世紀少年/21世紀少年』が1位に。1986年から1993年まで連載が続いた『YAWARA!』は、アニメ化されたことが知名度と人気に影響を与えているようです。オリンピックのたびに"柔ちゃん”を思い出してしまいますよね。『YAWARA!』のようなさわやかなスポ根マンガからサスペンス、SFなど多彩な作品が描ける浦沢さんには、これからも日本のマンガ界を引っ張ってもらいたいですね。(文・飯塚雪/C-side)調査時期:2011年8月2日~8月16日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:女性542名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【ランキング女性編】「声まねしてみたい」と思ったことのあるアニメキャラランキング【ランキング女性編】自分の肖像画を描いてほしい週刊少年ジャンプの漫画家ランキング【ランキング女性編】小学生のころ大好きだったマンガランキング完全版(画像などあり)を見る
2011年10月24日