「フラット35」は、2003年に住宅金融公庫が発売した住宅ローンです。住宅金融公庫は2007年に独立行政法人住宅金融支援機構に生まれ変わり、同時にフラット35はシェアを伸ばしました。その理由は時代のニーズに応えた商品改善や、取り扱いの条件を変更したことが理由です。現在のフラット35は、完済まで金利がずっと変わらない全期間固定金利型です。各金融機関で取り扱っていますが、フラット35の適用金利は窓口になる金融機関によって異なります。■ 1. いろいろなバリエーションがある「フラット35」ララ / PIXTA(ピクスタ)現在、フラット35では、融資限度額が物件価格の100%に引き上げられ、住宅ローンの借り換えやリフォーム費用と一緒に借り入れることも可能になっています。また、民間の金融機関から、固定金利で借り入れをしていた人は、フラット35を利用することで全期間固定金利にすることができるようになりました。以下のように色々なプランがあります。・フラット35スタンダードのフラット35です。最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。・フラット35S省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅を取得する場合に、フラット35借入金利を一定期間引き下げることができます。・フラット35借換融資ほかの住宅ローンから借り換えできるプラン。・フラット50長期優良住宅の認定を受けた住宅に適用されます。長期優良住宅の償還期間が最長50年のプラン。・ダブルフラットフラット35を2種類組み合わせることができる、いわゆる「ミックスローン」です。返済期間をずらすことで柔軟な返済計画が立てられます。・フラット35リフォーム一体型リフォーム費用もフラット35の金利で借りられるプランです。・フラット35保証型金融機関が提供する住宅ローンに対して住宅金融支援機構が保険を引き受けることにより実現した全期間固定金利の住宅ローンです。■ 2.保証型と買取型の違いは?Sunrising / PIXTA(ピクスタ)別の観点で見ると、フラット35は、「買取型」と「保証型」に分けられます。前述のバリエーションの中でフラット35保証型以外は買取方のフラット35です。それぞれの仕組みを紹介します。2-1買取型のフラット35住宅金融支援機構は、直接顧客への販売をしないため、全国の300を超える金融機関がフラット35を代理販売しています。金利は住宅金融支援機構が「下限」「上限」を毎月設定します。銀行が販売したフラット35を、住宅金融支援機構が買い取ります。買い取る資金は、投資家から集めたものです。住宅金融支援機構がMBS(資産担保証券)を発行し、資金を投資家から集めるのです。この仕組みで行っている融資を「買取型」のフラット35と言います。金利を決める、審査する、事務手数料を決める、団信をつけるかどうか決めるのはすべて住宅金融支援機構です。2-2保証型のフラット35これに対し、金利を決める、審査する、事務手数料を決める、団信をつけるかどうかを銀行が決めるタイプがあり、「保証型」のフラット35と言います。住宅ローンが返済されない場合、債務者の住宅ローン返済と機関投資家への元利金払いを住宅金融支援機構が行います。つまり、住宅金融支援機構が保証会社の役割をするのです 。近年、保証型は通常のフラット35(買取型)よりも受託金融機関側で柔軟な設計が出来るため、その数は増えつつあります。現在、保証型のフラット35の新規受付を行っている銀行は、日本住宅ローン株式会社、アルヒ株式会社、財形住宅金融株式会社、広島銀行など。10社に満たないのが現状です。■ 3.なぜ金融機関によって金利が違うの?KazuA / PIXTA(ピクスタ)フラット35の金利は金融機関により異なります。住宅金融支援機構は金利の下限と上限を毎月設定します。それを受けて、金融機関は自社商品の金利設定をその範囲内で行います。金融機関は下限の金利設定するのが普通ですので、どの金融機関もほぼ同じ金利になります。しかし、・事務手数料を安くし、金利に上乗せをする・フラット35保証型を採用する・自己資金不足分の1割を金融機関が独自に融資するなどにより、フラット35の金利が金融機関によって変わってくるのです。■ まとめhide / PIXTA(ピクスタ)多くの人に利用されている「フラット35」。人気の理由は時代のニーズに合致し、利用されやすいことがあげられます。適用金利はプランや窓口になる金融機関によって異なりますので、しっかりとチェックしましょう。また、ほかの住宅ローンに比べて、必要書類が多くなるケースがあります。期日までに忘れずに用意し、スケジュール通りローン申請ができるようにしましょう。
2019年05月24日