神木隆之介&門脇麦で実写映画化される『太陽』の原作舞台を生み出した、劇団イキウメの主宰・前川知大が、柳田国男の傑作逸話集「遠野物語」を劇化する舞台「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」の上演が決定。出演に仲村トオル、瀬戸康史ら豪華俳優陣が顔を揃えることが分かった。緻密な構成と筆致で、身近な生活と隣り合わせに現れる異界を描きだし、多くの演劇ファンを唸らせてきた前川氏。これまでに、鶴屋南北戯曲賞、読売演劇大賞の大賞、優秀作品賞、最優秀演出家賞など名だたる演劇賞を獲得。2016年は、自身が主宰する劇団イキウメの代表作であり、蜷川幸雄による演出も話題となった「太陽」の舞台版と、神木さんと門脇さんを迎えて実写化される映画版の同時期公開を控えるなど、より一層の注目を集めている。そんな前川氏脚本・演出による「奇ッ怪」シリーズを、世田谷パブリックシアターでは2009年より継続して上演。第3弾となる今回の「奇ッ怪」では、民俗学者・柳田国男が遠野盆地から遠野街道にまつわる民話を集録した「遠野物語」が原作。河童や天狗といった妖怪たちから、死者、神に至るまで様々な異界のものたちと生きてきた人々の共生を綴った物語を、前川氏の解釈で舞台に表現する。出演は、「チーム・バチスタ」シリーズや「あぶない刑事」シリーズをはじめ数多くのドラマや映画・舞台で幅広く活躍する俳優・仲村さん。シリーズ前2作にも出演した仲村さんは「奇ッ怪」の世界観に欠かすことのできない存在だ。「前川君の作品にかかわっているときは“これは偶然というには確率が随分と低い”と思う出来事がよくあります」「おそらく前川君のもっている此の世とあの世の中間辺りでとんでいる波のようなものをつかまえるアンテナに、僕の中にある、ふだんは只の鉄の棒のようなものが共鳴して何かを受信しやすい状態になるのだと思います」と、その独特の世界観を表現。また、「昔の遠野のことを話しながら、たったいまの真ん中のことを語ってしまう。そんな奇跡をまたやらかす!その力のひとつになり、その場に立ち会いたい」と、意気込みを力強く語った。そして、世田谷パブリックシアター主催「マーキュリー・ファー」で脆さと内に秘めた強さを持ち合わせる難役を繊細な表現力で演じ切った瀬戸さんが、前川作品に初参戦!実はイキウメ作品はほぼ欠かさず観劇するほど、前川作品ファンだという瀬戸さんは「毎日刺激的で精一杯生きているつもりなのに、なんとなく1日が終わっていっている気がする。前川さんの作品はそんな僕の日常に問いかけてくる。『これでいいのか』『自分に見えているものだけが真実なのか』と僕に、そして世の中に対し揺さぶりをかける」と、前川作品の魅力を語り、「今作で初めてお芝居でご一緒でき、喜びはもちろん、妖怪や神が住む森に迷い込んだ遠野の村人のように凄いところに足を踏み入れたようなワクワク感、そして少しの不安や恐怖…いまはそんな心境です」と明かした。また共演者には山内圭哉、池谷のぶえ、銀粉蝶といった日本の演劇界を支える実力派キャストが集結。瀬戸さんは「仲村トオルさんをはじめ素晴らしい演者の皆さんの中でお芝居できることを幸せに思いますし、何が何でも食らいついていきます」と熱いコメントを寄せた。舞台「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」は10月31日(月)~11月20日(日)まで、世田谷パブリックシアターにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年03月23日巨匠・松本清張の同名傑作短篇を原作に、連続テレビ小説「澪つくし」など大ヒット作を生み出し続けるジェームス三木が脚本を務める「一年半待て」が、フジテレビにて「松本清張スペシャル」として放送することが決定。主演に菊川怜が抜擢されたことも明らかになった。本原作は、これまでに小柳ルミ子、多岐川裕美、浅野ゆう子、夏川結衣などと10回以上ドラマ化された大人気サスペンス。過去には主要キャストに樹木希林、淡島千景、三國連太郎など、錚々たる面々が顔を揃えるが、今回の2016年版は歴代作の多くが“容疑者・さと子目線”で描かれてきたが、それまでの作品とひと味違い、その容疑者・さと子を守ろうと奮闘する、“弁護士・滝子目線”でストーリーが展開していく。これまでと全く視点を変えて描かれる本作の脚本を手掛けるのは、連続テレビ小説「澪つくし」や大河ドラマ「独眼竜政宗」をはじめ、大ヒット作を数多く生み出してきたジェームスさん。いまでも語り継がれる名作、1982年の名取裕子主演「けものみち」、1983年の佐久間良子主演「波の塔」を生んだ“松本清張×ジェームス三木”の最強タッグが再び本作で実現した。主演を務めるのは、女優のみならずキャスターなどマルチに活躍する菊川さん。今作では、才色兼備と呼ぶにふさわしい菊川さんの“はまり役”とも言える女性弁護士・滝子役を熱演している。一方、夫殺しの容疑者・さと子を演じるのは、約3年ぶりのフジテレビ系ドラマ出演となる石田ひかり。夫によるDVの被害者としての顔と、加害者としての顔の両面を併せ持つ、物語のカギを握る役どころに挑んでいる。 松本清張作品5作目となる菊川さんは「いままではどちらかと言うと、精いっぱいひたむきに犯人を追っていくというタイプだったんですけど、今回はちょっと大人のいろいろな善悪を織り込まれているような部分が、いままでとは違って非常に難しいですが、すごく自分にとってやりがいのある役だと思い、ぜひ挑戦させていただきたいと率直に思いました」とコメント。さらに弁護士ということで、法定シーンについては「ある意味、法廷は “ 舞台” のように感じました。演説ではなく弁論なんですけど、誰に向かって、何を聞かせ、どう訴えるのが効果的なのかを、監督と意見を交わしながら演じました。どうやって色を付けていくのがいいのか非常に難しかったです。また難しい言葉がたくさんあったので、滑舌には苦労しました」と秀才の菊川さんでも難しかったと語っている。意外にも今回が初共演となるそんな2人。菊川さんは石田さんについて「私が演じる高森滝子と、石田さん演じる須村さとこの2人だけのシーンがいくつかあったのですが、石田さんとお互いに意見を交わしながら撮影に臨みました。滝子とさとこの関係性がストーリーが進むにつれて少しずつ変化していく部分を2人でうまく表現できたと思っています」と初共演ながらも息ぴったりの様子。そのほか雛形あきこ、戸次重幸、前川泰之、渋川清彦、寺田農、ジュディ・オングら実力派で脇を固めている。菊川さんと石田さんの2人を中心に、次々と現れる女たちの欲望が渦巻くヒューマンサスペンスドラマ。“家庭”という密室で起こる一つの殺人事件を契機にすべてが動き出す…。前週8日(金)放送の米倉涼子主演ドラマ「かげろう絵図」と併せ、2週連続で“松本清張スペシャルドラマ”に期待したい。「一年半待て」は4月15日(金)21時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2016年03月15日女優の仲間由紀恵が、堤幸彦監督の映画『天空の蜂』(2015年秋公開)に出演することが23日、明らかになった。本作は、作家・東野圭吾が1995年に発表した同名小説(講談社文庫)を原作に、『トリック』シリーズなどで知られる堤幸彦監督が手掛けるクライシスサスペンス作品。ハイジャックされた最新鋭のヘリコプター"ビッグB"を原子力発電所の真上に静止させるという史上最悪の原発テロと、その危機に立ち向かう人々の8時間のドラマが描かれる。ヘリ設計士・湯原役の江口洋介、原発設計士・三島役の本木雅弘に加え、新たなキャストが発表。三島の恋人で事件解決を握る女・赤嶺を、提監督が全幅の信頼を寄せる仲間が演じる。制作サイドは、「主要キャラクターのほとんどが男性となる物語の中で、限定された登場シーンで圧倒的な存在感を発揮する女優を考えたとき、堤監督と15年以上も仕事を続けている仲間さんの顔がすぐに浮かびました」と起用理由を明かす。今回の出演オファーに仲間は、「『トリック』シリーズが完結して少し寂しく思っていたところ、また堤監督とお仕事をご一緒することができて大変嬉しかったです」と感激。「スケールの大きな社会派の作品だったので、堤組とはいえまったく雰囲気も違い、初共演の方が多かったこともあり、改めて新鮮な気持ちで作品に取り組めました」と語り、「私の役は、過去に心に傷を背負った役だったので、原作を元に1シーン1シーン役作りはもちろんのこと、髪型や服装・メイクまで監督と話し合いながら撮影しました」と振り返った。また、巨大ヘリ"ビッグB"を奪う謎の男・雑賀役に提組初参加となる綾野剛。犯人を追う地元のベテラン刑事・室伏役を柄本明、原発「新陽」の所長・中塚役を國村隼、原子炉核燃料開発事業団「炉燃」理事長役を石橋蓮司、警視庁長官役を竹中直人、東日本大震災で救助活動に向かう自衛隊員役を向井理、福井県警・警備部長役を佐藤二朗、福井県消防本部の特殊災害課長役を光石研、室伏の部下役を落合モトキ、航空自衛隊のヘリ操縦士役をやべきょうすけが演じる。そのほか手塚とおる、永瀬匡、石橋けい、カゴシマジロー、松島花、前川泰之、松田悟志、森岡豊の出演も決定している。
2015年02月23日映画『TAP 完全なる飼育』の初日舞台あいさつが9日、都内で行われ、キャストの前川伶早(まえだ れいさ)、有森也実、竹中直人らが出席した。少女と中年男の純愛を描く同作は、1999年の初登場以来、これまで7作品が製作されてきた「完全なる飼育」シリーズの最新作。ヤクザの若頭の愛人を母親に持つ結(前川)は、ふとしたことから、中年ヤクザの設楽(西沢)に監禁され飼育されることになる。激しく抵抗する結だったが、監禁生活を送るうちに、2人の間に奇妙な愛情が芽生え始める――というストーリーで、映画は全国公開中。舞台あいさつには、前川、有森、竹中のほか、キャストの西沢仁太、高川裕也、山根和馬、尚玄と片嶋一貴監督が出席し、映画初出演で主演を務めた前川は、「最初から最後まですべてが見どころ。飼育されてから心が動く様を楽しんで欲しい」と笑顔でアピール。前川は、シリーズの定番となっている初脱ぎにも挑戦し、「覚悟してやると決めて撮影に臨みました。演じているときは必死でした」とはにかみながら撮影を振り返った。一方、愛人である若頭を飼育する結の母親を演じた有森も、前川同様、大胆なシーンを披露しており、「男性を飼育するという感覚が無くて。でも、動物的な感じに飼育出来たと思う」と満足げな笑み。また、第6作を除くすべての作品に登場している竹中は、「ヤクザの役は照れる」と言いつつ、「このシリーズはいつも東京で撮影するけど、今回は沖縄だったから、沖縄そばを食べるのが楽しみだった」と話して観客の笑いを誘っていた。
2013年11月10日