脱サラして自営業として独立開業すると、今まで会社がやってくれていたことのほとんどを自分自身でやらなければなりません。わかってはいても、これが結構大変です。中でも戸惑う方が多いといわれているのが所得税の計算です。そこで本記事では、個人事業主の方に課税される所得税の仕組みについて初心者向けに解説したいと思います。所得税ってどんな税金?会社員のときは税金の計算は全部会社が行い、給与から天引きして納税してくれるのであまり関心がないかもしれませんが、個人事業主になると全部自分でやることになるので、いかに税金負担が大きいのかがわかります。中でも、中心的な位置づけになるのが所得税です。所得税とは、人が1年間で稼いだ所得に対して課税される税金のことをいいます。ここでのポイントは、あくまで所得であり、年収そのものではないということです。例えば会社員が給与を得ているときは、会社で経費を領収書精算することはあっても、自分自身の所得から経費を控除することはできません。一方、個人事業主になると、事業のために直接的に支出している費用は経費として計上し、収入から控除することができます。収入と所得の違いそもそも収入とは個人事業主が稼ぎ出した収入のことで、例えばお店を経営している場合であれば、総売上が収入にあたります。所得税はこの収入に直接課税されるわけではなく、収入を稼ぐためにかかった必要経費を差し引いた残りである所得に対して課税されるのです。例えば、飲食店であれば仕入原価が必要経費に該当します。会社員と個人事業主における所得税の納税方法の違い会社員の場合は、毎月の給与から約10%を会社が源泉徴収したうえで本人に支払っているので、本人が直接税務署に申告して所得税を納税する必要は原則としてありません。一方、個人事業主の場合は、毎月ではなく1月1日から12月31日までの所得を自分自身で計算したうえで、翌年の2月中旬から3月中旬にかけて確定申告して所得税を納税することになります。会社員の場合は給与から天引きで所得税を納税しているので、確定申告の時期になって納税資金に困ることはありませんが、個人事業主の場合は1年分の所得税をまとめて納税することになるので、納税資金の確保には気を遣わなければなりません。個人事業主の所得税計算の流れ個人事業主の方が所得税を計算する際には、おおむね次のような流れで計算をします。ステップ1:総売上を確認する1月1日から12月31日までの売上金額の総額を計算します。ステップ2:総売上から必要経費を差し引く事業のために支出した必要経費の総額を計算して、総売上から差し引きます。ステップ3:所得控除を差し引く適用できる所得控除を差し引きます。主な所得控除は以下のとおりです。基礎控除雑損控除医療費控除社会保険料控除生命保険料控除地震保険料控除障害者控除寄付金控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除青色申告特別控除所得控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率をかけることで算出した金額が所得税額です。ステップ4:税額控除算出した所得税額から税額控除を差し引きます。例えば住宅ローン控除を適用できる場合は、ここから住宅ローンの年末残高の1%に相当する税額を控除することができます。このように、収入から必要経費と控除を差し引いたうえで税額を算出し、そのうえで税額控除を差し引くことで、実際に納税すべき所得税を算出することが可能です。所得税の還付はあるのか会社員の方の場合、会社で年末調整が行われると、次回の給与に還付された所得税が加算されて振り込まれることになります。これは、毎月約10%ずつ天引きしている源泉徴収額について、年末調整で各種控除などを適用して再計算した結果、過払いになっていた所得税の還付がされるからです。個人事業主の場合は当初から1年間分まとめて確定申告をするので、会社員のように所得税が還付されるということは基本的にありません。ただし、申告した後に必要経費や控除に漏れがあったことが発覚した場合は、更正の請求をすることで過払いになっていた所得税の還付を受けることは可能です。個人事業主の節税ポイント個人事業主として成功するためには事業としての成功はもちろんですが、税金との付き合い方、つまり節税対策についても意識して講じていくことがとても大切です。ここでは、個人事業主が節税する際に必ず実施すべきことについて詳しく解説します。経費として認められる金額を漏れなく算出ふるさと納税を活用する青色申告を利用する[adsense_middle]経費として認められる金額を漏れなく算出節税対策の基本は必要経費の計上です。飲食店など比較的必要経費の範囲が明確な業態はよいのですが、賃貸経営などの場合は、本来必要経費として認められるはずの経費を見落としたまま申告しているケースが多々あります。例えば、物件まで行った際に支出した交通費、ガソリン代、駐車代、高速道路代、携帯電話の通話料金などについても必要経費として認められます。必要経費の割合と目安このように経費漏れを防ぐことは節税をするうえでとても大切なことですが、反面、経費として認められない範囲まで経費として計上してしまうと、かえって税務調査の対象になるリスクがあります。例えば、自宅兼事務所で個人事業をしている場合に、支払っている家賃全額を経費として計上してしまうと、税務調査で指摘を受ける可能性があるため注意が必要です。個人事業と私用と両方で使用しているものについては、事業として使用している割合に応じて経費化する必要があります。家賃であれば事業として使用している室内の床面積の割合に応じて、家賃を按分計算して必要経費に計上する必要があるのです。また、床面積の割合で按分計算することが難しい場合は、個人事業として使用している時間帯の割合に応じて按分計算する方法もあります。重要なことは、合理的に説明ができる方法で経費化することです。ほかにも問題になりやすいのが車両関係です。車を個人事業で使う人の中には、私用でもその車を使うというケースがよくあります。この場合、車両に対してかかる自動車税、自動車重量税、車検代、駐車場代などを全額必要経費として計上することはできません。事業として使用している頻度がわかるよう、車両記録簿などを作って記録をとり、その割合に従って按分計算するなどの対応が必要になります。領収書がない場合の対処法必要経費として計上するためには、支出したことの証拠となる領収書が必要不可欠です。ただ、必ずしも領収書がなければ必要経費にできないというわけではありません。例えば、電車やバスなどの公共交通機関を使って移動した場合は、領収書が発行されません。このような場合は、交通費明細を作成して乗車した区間、金額、目的などを記録して保管しておくことで、領収書がなくても必要経費として計上することが可能です。領収書を紛失したらもともと領収書が出ないものではなく、もらっていた領収書を紛失するということも個人事業をしていると起こりえます。この場合、経費にする方法が全くないというわけではありません。万が一領収書を紛失してしまった場合は、次の方法によって対処しましょう。領収書の再発行を依頼する支払証明書の発行を依頼するレシートを保管する購入したことがわかるメールなどの履歴を保管するクレジットカードの明細を保管する基本的にカード決済で購入しているものについては、クレジットカードに利用明細として記録されますので、領収書を紛失した場合でも必要経費として計上することが可能です。ただし、個人名義のクレジットカードを使う場合は、私用の買い物と事業用の買い物と混同しやすいため、明細上で仕分けして記録しておく必要があります。私も実際にクレジットカードの明細を使って領収書の代わりにしていますが、明細をエクセルデータでダウンロードしたうえで、私用と事業用で仕分けをして明確にしています。ふるさと納税を活用するふるさと納税とは、税金を納めるわけではなく好きな自治体に一定の寄付をすることで、次の2つの恩恵を受けられます。返礼品として、その地域の特産品などがもらえる寄付金控除が受けられる具体的には、寄付をした金額から2,000円を控除して、残り全額が寄付金控除の対象となります。確定申告の際には、自治体から送付される寄付の受領書が必要です。青色申告を利用する個人事業主の方が確定申告する際には、白色申告と青色申告の2種類があります。事前に青色申告承認申請書を提出して複式簿記による帳簿を備えることで、最高65万円の控除が受けられます。繰越控除と還付個人事業主が青色申告をするメリットは控除だけではありません。通常は個人事業が赤字だった場合、翌年に繰り越すことはできませんが、青色申告することで赤字を翌年に繰り越して翌年の所得から差し引くことができるのです。最高で3年間赤字を繰り越すことができるので、単年度で赤字になってしまった場合でも、3年以内に黒字化できれば赤字を使って節税ができます。「じゃあ、頑張って黒字を出した後に赤字になったら損するのでは?」と思うかもしれませんが、ご安心ください。前年が黒字で翌年に赤字に転落した場合は、翌年の赤字を前年に繰り戻して所得から控除することができるのです。これを純損失の繰戻還付といい、繰り戻しによって生じた差額分の所得税が還付されます。個人事業主の所得税に関するまとめ今回は個人事業主に課税される所得税の計算方法や、節税のポイントについて詳しく解説してきました。脱サラして個人事業主になると、確定申告の煩雑さに驚く人が多いのですが、必要経費の申告漏れなどが発生すると余分な税金をとられてしまうので注意が必要です。個人事業主はサラリーマンとは違い、今回ご紹介した節税方法を活用することで発生する所得税を抑えることができます。節税や確定申告が苦手という方は税理士に顧問を依頼するのもよいでしょう。シミュレーションをしたうえでアドバイスを受けられたり、確定申告を代行してくれたりするのでおすすめです。
2020年05月12日会社員から独立して開業するにあたり、注意しなければならないのが社会保険です。社会保険の取り扱いは会社員と個人事業主で違う点が複数あるので、間違えないようポイントを掴んでおく必要があります。そこで本記事では、事務所やお店などを経営する個人事業主の方が社会保険に加入する際の注意点について詳しく解説します。個人事業主でも加入が必須の社会保険&条件とは?そもそも社会保険というと法人のイメージがあるかもしれませんが、個人事業主の場合の扱いはどうなるのでしょうか。法人の場合は従業員の人数に関係なく、必ず社会保険に加入しなければなりません。対して個人事業主の場合は、常時雇用する従業員が5人未満であれば、社会保険への加入は任意です。よって、常時雇用する従業員が5人以上の規模になると、個人事業主だとしても社会保険への加入が義務付けられているということになります。義務化されている社会保険とは社会保険とはいくつかの社会保険制度を総称した言い方で、実際は以下のような種類があります。国民健康保険介護保険年金保険雇用保険労災保険国民健康保険毎月一定の健康保険料を負担することで、医療費の自己負担割合が3割になるという制度です。残りの7割は健康保険組合などが負担します。会社員は健康保険に加入しますが、個人事業主の場合は国民健康保険に加入することとなります。会社員の場合は健康保険料が給与から天引きされて支払われていますが、個人事業主の場合は自分自身で支払うため注意が必要です。国民健康保険料の算定国民健康保険料は、本人の前年の所得に応じて変動する形となり、高所得なほど保険料は高くなります。対して、国保組合に加入する場合は毎月の保険料が一定ですので、高所得の個人事業主に関しては国保組合の方が保険料負担が軽くなるのです。また、国民健康保険は世帯ごとに加入する形となるので、世帯全体の収入に対して保険料が決まるという形になります。介護保険介護保険は2000年からスタートした社会保険の1つです。介護保険を適用することで、介護にかかる費用の自己負担額を1~3割程度に軽減できるという制度です。高齢化が進んでいる日本において、原則40歳以上の人は介護保険料を負担しなければなりません。これは途中で定年退職するなどして収入がない人も支払う必要があるため注意が必要です。なお、個人事業主については会社員の場合と保険料の支払い方法が異なります。個人事業主は全額自己負担40歳以上65歳未満の場合、健康保険料と介護保険料は一緒に請求されて毎月支払うこととなります。会社員の場合は労使折半なので、保険料のうち半分を会社が負担して、残り半分を本人の給与やボーナスなどから控除することで支払います。そのため、会社員の中には自分で負担している認識がない人も多いようです。対して個人事業主の場合は全額自己負担となり、世帯のうち40歳以上の人の国民健康保険料と介護保険料を全員分支払うこととなります。脱サラして個人事業主として起業する人の多くは、この国民健康保険料や介護保険料などの自己負担の大きさに驚くことが多いです。会社員は労使折半で半分も会社が負担しているため、脱サラする際には自分でいくらの保険料を支払わなければならないのかを事前に確認しておくことをおすすめします。年金保険いわゆる年金のことで、20歳以上の人が一定期間にわたって支払った保険料に対して、老後に年金が支払われるという社会保険制度です。年金保険は会社員と個人事業主で大きな違いがあります。個人事業主は1階立て個人事業主が加入できるのは国民年金のみで、それ以上の上乗せは原則としてありません。対して会社員の場合は、厚生年金と国民年金の2階建てになっているので、保障が厚く実際に受け取れる年金も多くなります。さらに、会社員は保険料が会社と折半なのに対して、個人事業主の場合は全額自己負担なので、費用対効果で考えると会社員の方が有利なのは否めません。ただし、厚生年金の掛け金は会社員の給料に比例して高くなりますが、国民年金の保険料については収入の多寡に関係なく一定で、年々経過するごとに徐々に高くなっていきます。個人事業主が2階建てにする方法厚生年金のない個人事業主でも年金を上乗せしたいという場合は、別途国民年金基金に加入するという方法もあります。また、国民年金基金に積み立てるほどのキャッシュを準備できないという方については、毎月400円程度の負担で年金額を上乗せできる付加年金に加入することも選択肢の1つです。個人年金も視野に入れよう個人事業主は厚生年金に加入できないため、将来受け取れる年金額が会社員に比べるとどうしても少なくなってしまいます。そこでおすすめしたいのが個人年金保険です。個人年金保険とは、将来まとまった保険金を受け取るために毎月保険料を支払うもので、保険金を一括で受け取る方法と、月ごとに分けて受け取る方法などがあります。将来的に引退した時の年金を考えると、個人年金保険に加入するなど、何らかの対策は打っておいた方がよいでしょう。雇用保険の加入義務従業員が仕事を辞めた時の生活を保障するための保険制度です。雇用保険というと法人が加入するイメージですが、個人事業主であっても従業員を1名以上雇用している場合は加入義務があります。この場合の従業員とは正社員に限らず、アルバイトやパートなどの方についても雇用保険の対象ですが、以下のいずれかに該当する場合は対象外です。・雇用期間が30日以下・一週間の労働時間が20時間未満負担割合については、原則として雇用主側の負担割合の方が高くなります。労災保険の加入義務仕事中や通勤途中に従業員が怪我をした場合に、給付金が受け取れるという社会保険制度です。雇用保険と同様に法人が加入するイメージがありますが、従業員を1名以上雇用していれば個人事業主でも加入が義務付けられています。例えば通勤途中に交通事故に遭った場合、傷病手当金が支給されたりします。最近では、新型コロナウイルス感染症で自宅隔離やホテル、病院への入院を余儀なくされるケースもありますが、症状が出ているなど一定の条件を満たす場合は傷病手当金の支給対象になるとされているようです。個人事業主の社会保険加入における注意点[adsense_middle]個人事業主は保険料などが自己負担個人事業主が加入できる社会保険のうち、自分自身のために加入できるものとしては以下の通りです。国民健康保険年金保険介護保険対して、自分ではなく雇用している従業員のために加入できるものは以下の通りです。雇用保険労災保険いずれも個人事業主の場合は保険料などが自己負担になるので、会社員の頃よりもキャッシュアウトする金額が高くなります。社会保険料は経費にできない個人事業主の方から節税について相談されると、必ず聞かれるのが社会保険料の経費化です。これだけ多くの保険料や掛金を負担する個人事業主からしてみれば、せめて経費として節税に活かしたいところですが、残念ながら経費にはできません。社会保険料は、保険料や掛金を損金にするのではなく、確定申告の社会保険料控除として処理をします。個人事業主が社会保険に加入する方法と手続き個人事業主で従業員を5人以上雇用している場合は、その状態になった時点から5日以内に社会保険の加入手続きを完了させなければなりません。下記書類を準備するようにしましょう。これらの書類を事務所の所在地を管轄している年金事務所に提出することで、個人事業主でも社会保険に加入できます。提出方法は持参するほか、電子申請や郵送による提出も可能です。健康保険・厚生年金保険新規適用届2枚構成の書類で、1枚目が事業所業態分類票、2枚目が事業所の地図を添付するようになっています。地図はヤフーやグーグルマップなどの地図を印刷したものを直接貼り付けても問題ありません。また、個人事業主の場合は下記書類も合わせて提出が必要です。事業主の世帯全員の住民票の原本(※発行90日以内のものが必要です)事務所の所在地が確認できる賃貸借契約書の写しや公共料金の領収書など健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届雇用する従業員の基礎年金番号を記載します。年金手帳のコピーを本人に提出してもらうとスムーズです。また、以下に該当する場合は別途添付書類が必要になります。資格取得年月日の日付が、届書の受付年月日から60日以上さかのぼる場合60歳以上で退職した後に1日も空けずに再雇用された場合国民健康保険組合に引き続き加入していて、一定の要件に該当する場合これらのケースに当てはまる場合は別途準備する書類がありますので、事前に年金事務所などに確認が必要です。健康保険被扶養者(異動)届加入する人に扶養者がいる場合に提出する書類で、以下の添付書類が必要になります。被扶養者の健康保険被保険者証高齢受給者証(ある場合のみ)被扶養者の非課税証明書例外的に任意適用になる場合社員などを5人以上雇用している場合でも、次の業種については例外的に社会保険に加入するかどうか任意で判断することになります。第一次産業サービス業士業宗教業また、社員などの人数が5人未満の場合は原則として任意加入となります。この際、個人事業主本人は人数に含めませんのでご注意ください。個人事業主の社会保険加入に関するまとめ今回は個人事業主の方が社会保険に加入する際の注意点について解説してきました。会社員の場合は会社が勝手に手続きをしてくれますが、独立して個人事業を始めると全部自分で手続きをしなければなりません。保険料や掛金も全部自己負担なので、会社員の頃と同じ売上だと実質的に手元に残るお金は少なくなります。また、個人事業主は加入義務があるものと任意で加入できるものとがあるので、加入義務を満たしている状態で加入を忘れないよう注意が必要です。基本的には雇用する従業員が5人以上になる場合は、一度社会保険労務士や税理士などに相談することをおすすめします。
2020年05月11日個人事業主として独立するとき、銀行の口座は個人名義のままでも問題ありませんが、事業用の口座と分けて使うべきなのでしょうか?本記事では、個人事業主として独立された方やこれからされる予定の方に向けて、事業用の口座開設をすべきかどうかや、そのメリット、おすすめの金融機関などをお伝えしていきます。個人事業主は屋号付き口座を開設すべき?個人事業主は個人でもあり事業主でもあるため、プライベートの口座のまま取引先や顧客から報酬や売上を受け取ることが可能です。一方、金融機関で口座を開設する際に、屋号付きの口座にしてビジネス専用の口座とすることもできます。屋号付き口座を開設してビジネス専用の口座を持つと、プライベートとビジネスのお金を分けて管理できたり、税金の計算に便利だったりといったメリットがあります。詳しいメリットの内容については次以降で解説していきます。個人事業主がビジネス用の口座を開設するメリット個人事業主の方がプライベートの口座とビジネス用の口座を分けると、以下のようなメリットを得ることができます。プライベートとビジネスのお金を分けて管理できる確定申告の際に便利屋号付き口座を持つことで会社名義口座を持つのと同じような効果を得られるそれぞれ見ていきましょう。プライベートとビジネスのお金を分けて管理できるまず、プライベートの口座とビジネス用の口座を分けることで、それぞれお金を分けて管理しやすくなります。これは意外と重要なことで、ビジネス用の口座を作っていないと、1つの通帳で生活費などと事業用の経費(事務所家賃や仕入れ費など)が入り混じってしまいます。一方、口座を分けていると、生活費などにいくらかかっているか、事業の経費にいくらかかっているかをはっきり区別できます。例えば1月の収支がマイナスになっている場合には収入を上げるか支出を下げるかする必要がありますが、これは口座を分けている方が断然やりやすくなるでしょう。ちなみに、1カ月のお金の動きが多い場合には、ビジネス用の口座を収入専用の口座と支出専用の口座に分けることで、さらに管理しやすくなります。確定申告の際に便利起業して個人事業主になると、複式簿記による方法で記帳することで最大65万円の特別控除を受けられる「青色申告」を利用できます。青色申告をするには事業の財務状況を表す貸借対照表を作成する必要がありますが、その際、口座の1年間の取引を帳簿付けしなくてはなりません。1つの口座で事業用でない入金や出金があると、それらについてもすべて「事業主借」や「事業主貸」などとする必要があり、記帳の手間が増えることになります。一方、ビジネス用の口座を開設していると、生活費などをまとめてプライベートの口座に移す際のみ「事業主貸」とすればよいだけなので、記帳が楽になります。また、確定申告を税理士に代理してもらっている場合は、帳簿をつけるために通帳の中身を見せることになります。ビジネス用の口座を作っていないと、通帳を見せるときにプライベートな内容まで見せることになり、嫌だという方もいるでしょう。事前にビジネス用の口座を作成していれば、こうした心配をする必要もなくなります。屋号付き口座を持つことで会社名義口座を持つのと同じような効果を得られるもう1つのメリットとして、屋号付き口座を持つことによって、会社名義口座を持つのと同じような効果を得られるということが挙げられます。例えば、ネットショップを経営しているようなケースでは、振込先として銀行口座を提示することがありますが、こうしたとき、個人名の口座より屋号付きの口座の方が安心感を持たれやすくなるでしょう。また、複数の事業を行っている場合には、事業別に屋号をつけることで口座を分けられるというメリットもあります。屋号付き口座の開設について金融機関を比較!おすすめは?ところで、屋号付き口座を開くのであれば、どのような視点で金融機関を選ぶとよいのでしょうか?ここでは銀行系と信用金庫系、ネットバンク系に分けてそれぞれ比較していきたいと思います。なお、屋号付き口座はすべての金融機関が対応しているわけではありません。検討している金融機関があるのであれば、まずは確認してみるとよいでしょう。必要書類としては「本人確認書類」と「印鑑」、「開業届の控え」、「事務所の住所等の分かる賃貸契約書」などがありますが、こちらも金融機関によって変わることがあるので、事前に確認しましょう。[adsense_middle]銀行系都市銀行や地方銀行などが該当します。都市銀行の場合、三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行など、いずれにおいても基本的には屋号付き口座の開設が可能ですが、銀行の方針によっては口座開設時にヒアリングが行われ、必要に応じて書類を提出しなければならないことがあります。また、地方銀行においても基本的には屋号付き口座の開設が可能ですが、一部の地方銀行では取扱いがないこともあるため注意が必要です。都市銀行の場合、取引先や顧客に安心してもらいやすい他、都道府県をまたいで全国に取引があるようなケースでは、同じ都市銀行間であれば振込手数料が安くなるメリットを得ることができます。一方、将来的に銀行から融資を受けることなど考えているのであれば、地方銀行の方がおすすめです。信用や実績の少ない個人事業主の方が都市銀行から融資を受けるのはハードルが高いですが、地方銀行は中小企業や個人事業主をメインターゲットとしているため、話を聞いてくれやすいからです。都市銀行別屋号付き口座の取扱いの違い都市銀行においては、屋号付き口座の取扱いにおいて以下のような違いがあります。三菱UFJ銀行…口座開設時に屋号の郵便物や公共料金領収書などの提出が必要みずほ銀行…既に個人口座を開設している場合には屋号付き口座の開設が難しい三井住友銀行…「営業性個人」としての口座開設りそな銀行…りそなビジネスダイレクト口座として月額2,100円の経費が発生信用金庫系信用金庫も基本的には地方銀行と同じだと考えてよいでしょう。地方を中心に事業を行う場合や、将来的に融資を受けることも考えているのであれば、信用金庫の方が適していることが多いといえます。なお、地方銀行がよいか信用金庫がよいかについては、大きな違いはないと考えて問題ありません。支店数や、融資への姿勢など個別に判断する必要があるでしょう。ネットバンク系ネットバンクは、屋号付き口座であってもWeb上だけで口座開設を完結できる手軽さが特徴です。お金を振り込む際に手数料を安く抑えられるのもポイントの1つだといえます。ただし、住信SBIネット銀行など一部のネットバンクでは屋号付き口座の開設はできないため事前に確認しておきましょう。ネットバンク別屋号付き口座の取扱いの違いネットバンクにおいては、屋号付き口座の取扱いについて以下のような違いがあります。楽天銀行…個人口座開設後、個人ビジネス口座を開設するジャパンネット銀行…事業に関するウェブサイトで事業内容を確認してもらえる住信SBIネット銀行…営業性個人の口座開設不可個人事業主の口座開設に関するまとめ個人事業主の方が屋号付き口座を開くメリットやおすすめの金融機関などをお伝えしました。個人事業主になっても個人の口座のままで通すことはできますが、お金の管理の問題や確定申告のしやすさから、ビジネス用の口座を開設して分けるのがおすすめです。その際、どの金融機関にすればよいかについては、本記事の内容を参考に「取引先や顧客が全国にあるかどうか」や「将来融資を受けたいと思っているか」といった視点で選ぶとよいでしょう。
2020年05月05日個人事業主で支出した費用については、経費として計上することで所得を圧縮して節税することができます。ただ、個人事業主は法人に比べると経費として認められる範囲が非常に狭いので、経費漏れのないよう徹底することが大切です。そんな中、よくご質問をいただくのが家賃の取り扱いについてです。そこで本記事では、家賃を経費として計上する場合の注意点について詳しく解説します。事務所を借りている場合の家賃自宅とは別に事務所を借りて個人事業を営んでいる場合は、支払っている家賃全額が経費として認められます。これは当然といえば当然です。例えば、個人事業でラーメン屋をしていた場合、ラーメン屋の店舗の家賃は全額経費として計上して節税することが可能です。問題なのは、次のようなケースでしょう。自宅で個人事業をしている場合の家賃個人事業主の方の中には、事業が拡大するまで自宅兼事務所のような形で、自宅で事業を行うケースがよくあります。最近では、業種によってはパソコンさえあれば営業することができるので、余計な出費を抑えるために自宅で起業する人は少なくありません。このケースでは、次の2つのパターンが考えられます。賃貸物件で個人事業をする場合確定申告で経費になる家賃の割合とメリット自宅が賃貸物件の場合は、実際に支払っている家賃が経費として計上できるかどうかが問題となります。結論からいうと、経費にできますが全額ではなく一部に限られます。あくまで経費として認められるのは、事業として使っている限度までです。自宅ですから100%事業というのは理屈が通りませんので、概ねどの程度の割合を使っているのかで割合を算出することになります。例えば、3Kの物件で1室だけ事業用で使うのであれば、家賃9万円だとして3等分して3万円だけ事務所の家賃として経費に計上するやり方です。このように事業として使用している部分を按分して計算します。マイホームで個人事業をする場合賃貸ではなく、すでに所有しているマイホームの1室で個人事業をしている場合は家賃が発生していません。このような場合、自分から家賃をとって自分に支払うといった経理処理はできるのでしょうか。結論からいうと、できません。ただし、ローンで購入しているマイホームで未だ返済中の場合は、返済利息を事業として使用している部分と按分計算して必要経費にすることは可能です。利息を経費項目にする場合の注意点返済利息の一部を経費として計上する場合、注意しなければならないのが住宅ローン控除です。住宅ローンを組んでいる方の多くは住宅ローン控除を利用しており、住宅ローンの年末残高の1%の税額控除が受けられます。非常に節税効果が高いのですが、仮に利息の一部を経費として計上してしまうと住宅ローン控除に影響が出てきてしまうのです。そもそも住宅ローン控除は、購入する物件が自分の住居を購入するということを前提にして低金利で貸付を行っているので、事業として使用することは想定していません。そのため返済利息を経費に按分して仕分けしてしまうと、使用している部分の住宅ローン控除についても受けられなくなってしまうのです。物件価格にもよりますが、これはかなりの被害を受けることになります。そのため、経費にできるからといって安易に経費にすることはあまりおすすめできません。賃貸物件は必要書類に注意家賃の経費計上には賃貸借契約書が必要家賃を経費として計上する際には、前提として賃貸借契約書が必要になります。時々、大家さんや管理会社に領収書を出すよう要求する人がいますが、基本的には賃貸借契約書で代用することが可能です。ただし、賃貸物件の場合は賃貸借契約書があったとしても、もう1点注意しなければならないことがあります。それは使用用途です。例えば、居住用のアパートに住んでいる場合、賃貸借契約書の使用目的の欄に「住居専用」と書かれていることがあります。おそらく普通の居住用賃貸物件には、ほぼみんなこの記載があります。もしも、自宅で個人事業をしている方の賃貸借契約書に住居専用と書かれていると、契約違反に該当する可能性が出てくるため注意が必要です。住居として借りている部屋については、事務所として勝手に使用することができません。[adsense_middle]自宅兼事務所にしたい場合は大家さんの許可を得るどうしても自宅兼事務所にしたい場合は、事前に大家さんに相談して許可をもらい、その旨を書面で出してもらう必要があります。ネット通販など、人の往来がなく他の住戸への影響がほとんどないような場合であれば認められる可能性もあります。人を呼んでセミナーをやったり、物を販売するとなってくると、大家さんの許可が下りなかったり、そもそも行政側の許認可で引っかかる可能性があるので十分注意しましょう。経費にするかと契約違反は別問題こういう話をすると、それなら経費にはしないなら大丈夫かとよく聞かれますが、決して大丈夫ではありません。賃貸借契約書の使用用途はあくまで実態で判断しますので、家賃の一部を事務所の経費として青色申告や白色申告しているかどうかは関係ありません。実際に事務所として営業している時点で、それは契約違反です。例えば、物件の集合ポストに無断で事務所名の表札を出すことも、契約違反に該当する可能性がありますので十分注意しましょう。経費にする家賃の計算方法と仕訳自宅兼事務所の家賃を経費として計上する場合の按分計算について実際にやってみます。例えば、家賃6万円の物件で個人事業を計画したとします。賃貸借契約書の使用用途の問題もクリアできているとして、30㎡あるうちの10㎡を事務所として使用してパソコンなどを設置しました。この場合、経費として計上できる家賃は次のように計算します。6万円×1/3=2万円これが実際に経費として計上できる家賃額になります。実際に使用している割合を床面積で出すことが難しいという場合は、使用する時間など何らかの合理的な説明がつく方法によって、家賃を按分計算します。例えば、6時間だけ事業の用に供している場合であれば、6/24の割合で家賃を按分計算して、経費として申告するといった対応を検討する必要があるでしょう。いずれにしても、合理的な根拠があることがとても大切です。家賃は地代家賃の項目このようにして計算した家賃は、地代家賃に仕訳をして経費として計上します。例えば、先ほどの事例のように2万円を家賃として計上する場合は、次のように記載します。借方:地代家賃20,000円貸方:普通預金20,000円摘要:按分比率1/3このように必ず按分比率を記載するようにしましょう。按分比率が書かれていないと、実際の家賃を全額経費として計上していると誤解されて、税務調査の対象になる恐れがありますので注意しましょう。個人事業主の家賃と経費に関するまとめ個人事業主の方が支払う家賃は、経費の中でも比較的大きな金額であり、しかもランニングコストとして発生するものなので、経費にできるかどうかは課税される税金を大きく変動させることになります。特に賃貸の自宅を事務所として使用している方で、大家さんからの許可が得られている場合については、家賃を按分計算して経費として計上することが節税につながります。按分割合の判断が難しいという場合は、すぐにでも税理士に相談をしてできるだけ経費として計上することをおすすめします。また仕訳をする際には、必ず按分比率を摘要欄に記載することも重要です。記載が漏れていると、全額を計上していると誤解されますので気をつけましょう。
2020年05月04日本業とは別にお金を稼ぐ方法を得ることで、万が一のリスクを回避できるかも!?そこで今回は、20~30代女性から成るanan総研メンバー約200名に、今までの副業経験や考え方について教えてもらいました。文・harako【アンアン総研リサーチ】お金を稼ぐ力を身に付けたい副業について、質問してみたところ……。Q. 副業で収入を得たことはありますか?・はい 76%・いいえ 24%Q. 副業をやる理由はなんですか?第1位 お金を稼ぐため 31%第2位 趣味を仕事にするため 25%第3位 SNSやブログを活用するため 16%第4位 気分転換のため、その他 同率 13%第5位 時間を有効に使うため 2%※その他のコメントには、「複数から収入があると安心する。いま自粛生活になって、さらにありがたく思えた」(29歳・自営業)、「仕事が好きだし、世界も広がる」(31歳・会社員)などがありました。本業とは別に収入源を持っている女性が76%。お金を稼ぐことに対して、とても意識が高いのがわかります。また、お金を稼ぐためだけではなく、自分の趣味や好きなこと、発信ツール(ブログやSNS)を仕事に転換する計画をしているのでしょうか。副収入を得る方法5つ具体的な副業の種類は、こちら!1. インフルエンサー「Instagramやブログで商品PRをしてお金をいただいている」(34歳・専門職)「SNSで自分がPRや撮影に行くだけでなく、仲介として手数料を得ている」(32歳・専門職)「ブロガー活動」(31歳・会社員)2. 〇〇モデル「雑誌の読者モデルや広告モデル」(32歳・会社員)「撮影(ブライダルやサロンや雑誌)」(25歳・会社員)「読モやサロンモデルの仕事」(34歳・主婦)3. モノを販売「ハンドメイドピアスを販売」(31歳・会社員)「フリマアプリで本やCDや洋服を売ってる」(34歳・会社員)「ハンドメイドシルバージュエリーショップをオープンしている」(29歳・自営業)4. 知識を広める「非常勤講師として時々授業に行っている」(34歳・専門職)「ハンドメイドの先生」(28歳・会社員)「サッカーのイベントで登壇」(34歳・会社員)5. 掛け持ちバイト「医療関係の事務と掛け持ちしていた」(35歳・専門職)「報告書作成」(25歳・会社員)「飲食店でのバイト」(30歳・派遣社員)今は、影響力がお金に代わる時代です。ブログやSNSを継続している方は、そこからの副収入が得られるかもしれません。また、アラサー世代になると経験値も増えるので、講師業に挑戦してみるのも良いですね。うまくいかなかった原因は3つ失敗から学ぶこともあるはず……。1. 体力が必要「キャバクラは心身ともにしんどかった。向き不向きがあるが、副業でキャバクラで働きたいと相談を受けたら、正直に『しんどいよ』とアドバイスする」(31歳・自営業)「昔、ホテルのクロークの仕事を募集していたので応募して働き始めたが、宴会の仕事で、かなりの労働」(35歳・自由業)「バーでのバイト。帰宅が3、4時と遅く、次の日6時起き……自律神経がおかしくなった」(30歳・その他)2. 手間の割に稼げない「アプリで服を売る。大した収入にもつながらず、面倒だった」(31歳・会社員)「時給の高いパーティなどのコンパニオンの仕事に登録したら、ドレスや靴、髪のセットなどを自分でしなければならず、その準備のお金と時間を考えたら全然意味がなかった」(35歳・その他)「韓国から子ども服を輸入して売ろうとしたが、全然売れず赤字だった」(29歳・会社員)3. 不確定要素が多い「積み立てNISAをしていたが、新型コロナウイルスの影響でガタ落ち。失敗した」(35歳・自由業)「FX」(34歳・専門職)その他の意見には…「インスタ投稿の仕事。おすすめしたくないものを無理やりすすめるような投稿は、いくらお金をもらってもあまりしたくないなと実感」(28歳・契約社員)何がうまくいくのかはやってみなければわかりませんが、年齢を重ねるにつれて間違いなく体力は減るいっぽうです。時給仕事や不確定要素が多い仕事より、知識やアイディアを活用したほうがうまくいくのかもしれません。これからやってみたい副業3つanan総研メンバーが気になっているのは……。1. 知名度や影響力で仕事「InstagramでPR案件をいただくことが増えてきたので、さらに発信力をつけていきたいと思っている」(23歳・大学生)「子猫を飼ったので、ペット関連のグッズを売ってみたい! Instagramでもフォロワーが増えてきたし、tiktokでは、1投稿で3万VIEWを超えたので、この子が有名になるのを待っている(笑)」(29歳・自営業)「知識を活かした記事や本、メディア出演などができる人になりたい」(34歳・専門職)2. 在宅でコツコツ仕事「データ入力などの在宅事務作業」(25歳・その他)「ハンドメイド作家」(32歳・会社員)「Webの記事を書くなど、在宅で空き時間にできる副業」(25歳・会社員)「在宅ワークしてみたい。家で隙間時間にできる副業が何かあればやりたいなぁ」(27歳・会社員)3. インターネットで仕事「ECショップを立ち上げたい」(28歳・派遣社員)「Webディレクターとして、ホームページをディレクションしたい」(25歳・会社員)「Webデザイナーのお勉強を始める予定」(31歳・会社員)他にはこんな意見も…「ナレーションなどの声優がしたい」(28歳・契約社員)「サロンモデルをやってみたい。外見を整えてもらって、写真を撮ってもらって報酬がもらえるのは嬉しい。報酬はお小遣い程度のようですが、それでもやってみたい」(30歳・自営業)「ブリーダーをしてみたい」(33歳・会社員)お金を稼ぐことに対して、楽しみながら選択肢を増やしているのがわかります。「お金を稼がなきゃ…」と義務感にかられるのではなく、趣味や好きなことを本格的にビジネス化するのが多いようです。いろいろな可能性にチャレンジしよう!ひとつのことを極めるのも良いですが、多方向にリスク分散しておくことで身を守れるかもしれません。ぜひ、趣味や好きなこと、発信ツールなどを活用して、副収入をGETしましょう。©sureeporn/Gettyimages©andresr/Gettyimages©marchmeena29/Gettyimages©bernardbodo/Gettyimages
2020年05月03日個人事業を始めようと思ったら、税務署への開業届などいくつかの手続きが必要になりますが、その中でも重要になってくるのが専用口座の開設です。そこで今回は、個人で事業をする人の店名などが入る口座の必要性などについて詳しく解説します。屋号などが入る口座とは?個人事業を始める際には、取引先から報酬を振り込んでもらう先となる銀行口座を開かなければなりません。個人で使っている口座をそのまま流用することもできますが、私用と仕事を完全に仕分けすることが困難になることを考えると、基本的には個人事業専用にもう1つ口座を開設する必要があります。通常、個人が銀行口座を作る際には個人名義の口座しか作れません。では、店名などが入る口座とはどのような口座のことなのでしょうか。お店名義の銀行口座や通帳は作れる?法人であれば会社名義の銀行口座を作ることができますが、個人事業主についてはたとえお店の名前や事務所名があったとしても、法的には個別の人格がないのでその名前を主体として口座を開設することができません。ただ、取引先に送る請求書に書く口座が個人名義の口座だと、取引先に不安を与える可能性があります。そこで個人事業主については、個人名義の前や後にお店の名前などの屋号をつけて口座を開設することが認められています。これを店名などが入る口座といいます。例えば、山田太郎さんが山田食堂というお店を個人事業で営んでいる場合、次のような口座の開設が可能です。・山田食堂山田太郎・山田太郎山田食堂このように屋号単独での口座は開設できませんが、個人名を前か後につけることで屋号付の口座を開設することができます。店名などが入る口座は簡単に作れるのか店名などが入る口座は各銀行の窓口で開設することができますが、個人口座のように簡単に開設できるわけではありません。最近では銀行口座が詐欺行為の入金先になったりするケースを懸念して、銀行側も以前のように簡単には開設してくれないケースもあるようです。例えば銀行によっては、以下のような業種の店名などが入る口座の開設を断っているそうです。出会い系サイト運営アダルトチャット運営キャバクラホストクラブその他風俗店情報商材の取り扱いマルチ商法ネットワークビジネスこれらに該当しない業種でも、事業の実態や予定が明確でない場合などは口座開設を断られることもあります。私も実際に店名などが入る口座を開設したことがありますが、事業内容がわかるパンフレットを提出するなど、一定の審査がありました。また、事業を行う所在地を管轄するエリアに支店がない銀行については、口座開設できない場合もありますので、事前に支店に確認してから来店することをおすすめします。個人事業主が屋号付の口座を作るメリット個人事業主が店名などが入る口座を開設することで、次のようなメリットがあります。取引先への信頼度私はこれが一番大きいと思います。というのも、個人名義の口座しかない場合、取引先に出す請求書の振込先は個人名義の銀行口座になります。別に問題はないのですが、請求書を受け取った相手からすると「あ~個人なんだ」と再認識することになり、なんとなく心細くなるのです。人によっては、本当にこの口座でいいのか確認してくる人もいます。これが個人口座であれば店名などが記載されるので、ちゃんと事業としてやっているんだな、と信頼してもらいやすくなるのです。ちょっとしたことですが、先方に与える印象は大きく違ってくるので、個人事業を始めるのであれば必ず店名などが入る口座を作ることをおすすめします。管理しやすい個人名義用の口座と屋号付の口座を作ることによって完全に資金を分けることができるので、記帳などの管理がしやすくなります。キャッシュフローを把握できるので、資金ショートの兆候なども早めに気が付いて対処することができます。ビジネス機能が使える最近ではどの銀行でもオンラインでの振り込みや残高照会などが可能になっています。銀行によっては、店名などが入る口座と個人名義口座のオンライン上での機能が異なっていて、屋号付のビジネス口座で開設することで機能が拡張されるケースがあります。クレジットカードの引き落とし先にできる個人事業の決済にクレジットカードを使うケースも少なくありません。ちょっとした備品などをクレジットカードで購入すれば、履歴がすべて残るので経費管理がしやすくなります。ただ、個人事業主の場合は個人名義でしかクレジットカードを作ることができないため、クレジットカードの請求だけ個人口座から引き落としされてしまいそうに感じるでしょう。実は店名などが入る口座でも個人名義のクレジットカードの引き落とし先に指定できるケースがあるので、会社用のクレジットカードを1枚決めておけば、店名などが入る口座で全部経費を管理することが可能です。おすすめのネット銀行屋号付の銀行口座はほとんどの銀行で取り扱っていますが、銀行によって特徴が異なります。中でもおすすめしたいのが、実体店舗を持たないネット銀行系です。そこでここでは、おすすめのネット銀行について詳しくご紹介します。[adsense_middle]ネット銀行のメリット法人となると大手都市銀行で口座を開設していることが取引先の安心につながることはありますが、個人事業主の場合、屋号付の口座を開設していれば十分取引先の安心は得られるので、銀行はどこでもそんなに影響はありません。そんな中ネット銀行をおすすめする理由は、すべてがオンラインで完結することです。支店がある銀行の場合、窓口まで来店する手間がかかったりしますが、ネット銀行であればすべて郵送での手続きのみで、店名などが入る口座を開設することができます。また、取引先への支払い手続きなどについてもすべてオンラインで決済できますし、最近ではスマホでも簡単に操作が可能です。三井住友銀行やみずほ銀行など大手都市銀行系や、ゆうちょ銀行でもオンライン決済は可能になってきていますが、スピードや手数料の安さでいえば、やはりネット銀行系の方がメリットが大きいです。手数料が安い銀行振り込みする件数が増えてくると、じわじわダメージを受けるのが振込手数料です。近年、銀行の振込手数料の値上がりが始まる中、コストが少ないネット銀行系は月数回まで振込手数料が無料になるなど、独自のサービスを展開しているところもあり、手数料負担が軽くなる傾向があります。楽天銀行のビジネス口座がおすすめ店名などが入る口座を作るなら、ぜひおすすめしたいのが楽天銀行のビジネス口座です。通常、店名などが入る口座の開設は、支店まで足を運んだり様々な書類を準備したりする必要がありますが、楽天銀行なら必要最小限の書類を郵送で提出してオンラインで手続きするだけで完結します。楽天銀行で個人口座を開設している人であれば、すぐにウェブ上から店名などが入る口座の開設手続きが可能です。必要書類店名などが入る口座の開設にあたって必要になる口座は、以下のうちいずれか1つだけです。個人事業開業届の受付印があるものの写し個人事業開始申告書の受付印があるものの写しウェブ上で店名などが入る口座の申し込みをすると、楽天銀行から返信用封筒が送られてきますので、それに入れて返送すれば手続きは完了です。非常に簡単に作れます。個人事業主の口座開設に関するまとめ個人事業主として事業を始めるにあたっては、店名などが入る口座はもはや必須といっても過言ではありません。開設するなら比較的簡単なネット銀行系を活用するとよいでしょう。
2020年04月26日個人事業主である程度利益が出るようになってくると気になるのが節税です。個人の所得税は法人の法人税とは違い、所得が上がれば上がるほど税率が高くなる制度になっているため、ある意味法人以上に節税対策には気を使わなければなりません。そこで本記事では、個人事業主の方におすすめの節税対策について詳しく解説します。個人事業主の節税対策がポイントになるわけ個人事業主は法人と課税の仕組みが若干異なります。まずはその理由を知ることで、個人事業主における節税対策の重要性が見えてくるのです。ここでは、個人事業主に課税される所得税と法人に課税される法人税の違いについて詳しく解説します。個人事業主の税金:所得税個人事業主の方が仕事をして得た所得に対しては、所得税という税金が課税されます。所得とは個人事業における売上ではなく、売上から経費や控除を差し引いた部分のことです。法人の利益に対して課税される法人税も、基本的には理屈としては同じですが、決定的に違うのが税率の仕組みです。所得税は所得が上昇するにつれて税率も上昇する累進課税制度になっているため、最高で45%も税金で持っていかれてしまうことになります。対して、法人の場合は基本的に30%の固定で、あとはケースに応じて軽減されるという取り扱いのため、利益が大きくなればなるほど個人事業主には重い税負担がのしかかることになるのです。個人事業主の法人成りここまで話を聞くと、それならいっそ法人化したほうが節税になるのではと思うかもしれませんが、実はそんなに単純な話ではありません。所得税率だけ比較すると、税率33%である900万円以上になれば法人化した方がメリットがあるように思うかもしれませんが、実際に法人化すると経理処理は今よりもかなり複雑になります。経理初心者では税理士に依頼することになる可能性が高いので、税理士への顧問料や決算申告費用、さらには毎月の社会保険料なども負担しなければなりません。このように法人は設立するとそれなりに維持費がかかりますので、税率だけ見て単純に比較することはできないのです。個人事業主が節税する2つのコツ個人事業主が節税するためには、2つのコツをポイントとして押さえることがとても大切です。具体的にいうと、経費の計上と控除制度の活用です。詳しく見ていきましょう。[adsense_middle]経費をもれなく計上するメリット所得税を節税するためには、所得税の課税対象となる所得を抑えることを第一に考えることが大切です。かといって、売上を減らしてしまっては本末転倒なので、売上ではなくそこから差し引くことができる経費に着目します。個人事業主でも事業のために支出した費用については、経費として計上して売上から控除することが可能です。ただ、個人事業主の方の中には本来経費になるのに、経費として計上できていないケースがあります。ここでは、具体的なケースで解説して見たいと思います。賃貸経営のよくある経費漏れ個人事業主の中でもアパートやマンションなどの賃貸経営をしている方は、経費漏れが多い傾向がありますので注意が必要です。例えば、エアコン、給湯器、システムキッチンなどの設備の修繕や交換費用については比較的漏れがないのですが、次の経費については忘れてしまう傾向があるので注意が必要です。交通費(物件や不動産会社までの)通信費(賃借人や不動産会社との通話)税金(固定資産税など)損害保険料管理料これらの経費については、意外と漏れている人がいます。特に交通費については、電車代だけでなく、車を使った場合であればガソリン代や高速代、駐車代なども対象になるため、1年を通して細かく計上すればそれなりの金額になるはずです。ネット通販系で控除できる経費インターネットを利用して在宅で個人事業をする人が増えていますが、こういった方についても経費漏れが生じやすい傾向があります。通信費パソコン代タブレット代通信費については、インターネット回線利用料金以外にもプロバイダ料金やパケット通信費、サーバーレンタル料なども該当します。ただし、プライベートでも使用している場合は注意が必要です。個人事業主は公私混同になりやすく、税務署もその点について細かく確認してきますので、私用でもインターネットやパソコンを利用する場合は、経費として計上する価格割合を実際に使用している割合などに応じて制限する必要があります。詳しくは税理士に相談することをおすすめします。青色申告特別控除を利用する個人事業主の方が使える控除制度として代表的なのが、青色申告特別控除です。青色申告特別控除とは、複式簿記による帳簿等を備え付けることで最大で65万円の所得控除を受けられる制度で、個人事業主の方にとっては非常に減税効果が高く多くの方が利用しています。ただ、青色申告は税制改正により、2020年度の申告分から次のように取り扱いが変更になるため注意が必要です。具体的な変更点についてまとめてみました。基礎控除額が変更になる所得税から無条件に差し引くことができる控除を基礎控除といいます。従来までの基礎控除は38万円でしたが、今回の改正によりそこから10万円上乗せされて48万円になりました。よって、スタンダードの状態で48万円も控除になるのです。例えば所得税の税率23%の人であれば、今回の改正によって所得税が23,000円も軽減されることになります。非常に大きいですね。ただし、所得の総額が2,400万円を超える場合については、段階的に控除が減らされる仕組みになっていて、2,500万円を超えたところで控除は受けられません。青色申告特別控除が若干変更になります確定申告は白色申告と青色申告という2つの選択肢があります。青色申告とは、複式簿記による帳簿付けを条件として前もって所管の税務署に青色申告承認申請書を出すことで、先ほどの基礎控除に上乗せして青色申告特別控除が受けられるという制度です。今回の税制改正によって、従前まで65万円だった控除額がなんと55万円に減額されました。そうなんです。縮小してしまったのです。せっかく基礎控除が10万円上がったのに、こっちで10万円下げるなんてインチキだ、と思うかもしれませんが、実はちょっと違います。一定の条件を満たすことができれば、従前と同じ65万円の控除を受けられるケースがあるのです。65万円控除の条件基本的な特別控除額は55万円に減額となりましたが、次の2つのうちどちらかの条件を満たせば、従前通りの65万円の控除を受けられます。つまり、基礎控除の増額分の恩恵を受けられるということになります。電子申告e-Taxを使う確定申告の方法は税務署に持参するやり方のほか郵送することも可能ですが、最近ではインターネットで申告する電子申告が普及しつつあります。国も国民の納税情報のデータ化を進めている関係で、徐々に電子申告に移行させていきたいという意図があるのです。そこで電子申告によって確定申告をすることで、従来通りの65万円控除が受けられるようにしたのです。ただし、国税庁のホームページ上で申告書を作成することを電子申告と勘違いしている人がいますが、あれは作成しているだけなのでそれを印刷して持参や郵送しても電子申告にはなりません。電子申告はデータを印刷せず、そのまま送信することで確定申告を完結させるやり方です。そのため、個人を厳格に特定するために次のいずれかのやり方をする必要があります。マイナンバーカード方式マイナンバーカードに記録されている電子証明書を使って電子申告をします。マイナンバーの交付を受けている人であれば、アマゾンなどでICカードリーダライタを購入することで、自宅から簡単に電子申告することが可能です。ICカードリーダライタは数千円程度で購入できるので、今後のことを考えて購入しておくとよいでしょう。ID・パスワード方式マイナンバーカードがない人は、事前に税務署に届出することで発行されるIDとパスワードを使って電子申告ができます。ただ、基本的にはマイナンバーカード方式に統一する可能性が高いので、あくまで応急的な対応と考えた方がよいでしょう。電子帳簿を保存する税務書類のデータ化を進めるために、一定の帳簿類について紙ではなくパソコンデータで保存するという対応をとれば、従前と同じ65万円の青色申告が受けられます。ただし、電子帳簿保存をする場合は、専用の承認申請書を帳簿を保存する3ヶ月前までに税務署に提出する必要があるため注意しましょう。全部で何パターン?税制改正されたことで、個人事業主が青色申告する場合、次の4パターンの控除が受けられることになります。青色申告(簡易簿記の場合):10万円控除青色申告(現金主義の場合):10万円控除青色申告(複式簿記のみ):55万円控除青色申告(複式簿記かついずれかの条件を満たす場合):65万円控除なお、賃貸経営者でも青色申告は使えますが、事業的規模に満たない場合については10万円控除が限界です。5棟か10室のいずれか以上の規模になれば、最大で65万円の控除を受けることが可能です。青色申告のその他のメリット青色申告は特別控除のほかに純損失の繰り越し控除という特典も受けられます。純損失の繰り越し控除とは、事業の赤字を翌年以降3年にわたって繰り越せるという制度で、大きな赤字が出た場合に翌年以降の所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。現在白色申告を利用している個人事業主の方は、すぐにでも青色申告にすることをおすすめします。その他のおすすめの節税方法個人事業主の節税方法としては経費の計上と青色申告の2本柱が王道ですが、それ以外にもあえて挙げると、次のような控除制度もフル活用することでさらに節税することができます。[adsense_middle]医療費控除個人の1年間でかかった医療費は、下記の計算式によって算出した金額について上限200万円の範囲で医療費控除が受けられます。(実際に支払った医療費の合計額ー保険金などで補てんされる金額)ー10万円例えば歯科治療などを継続的に受けているような場合は、医療費控除でもそれなりの金額になるので必ず活用しましょう。住宅ローン控除マイホームを購入することで年末のローン残高の1%が税額控除されます。例えば、2,000万円であれば1%の20万円が所得税から直接控除されるという、非常に大きなメリットがあるのです。通常、控除制度というと所得から控除する制度が多いので、控除額が少なければそこまでの節税効果は期待できません。一方で税額控除については、税金そのものから直接差し引かれるため、所得控除に比べて節税効果が非常に大きくなります。税額控除はなかなか数少ない有効な節税手段なので、可能な限り活用すべきです。現在賃貸物件に居住しているという場合は、マイホームを購入して住宅ローン控除を利用することで節税の恩恵が受けられるでしょう。ただし、住宅ローン控除が適用できる物件には面積などの条件がありますので、予め確認しておくことをおすすめします。※新築又は取得したマイホームの面積が50㎡以上である必要があります。また、住宅の半分以上を自己住居として使うことなどが条件になっているので事前に確認しましょう。個人事業巣に節税対策に関するまとめ今回は個人事業主が節税対策を考える際のポイントについて解説してきました。最大限の節税効果を出すためには、経費を漏れなく計上して、かつ、青色申告することが基本になりますが、個人として利用できる控除制度も忘れずに適用させることが大切です。また、ある程度の利益が出るようになってきたら、将来的には法人化して節税していく方がおすすめです。個人事業主の場合は個人にすべての所得が集中してしまいますが、法人化することで家族に給与を払って所得を分散すれば、世帯全体で課税される所得税額を節税できます。さらに、個人事業主の場合は事業のために支出したものしか経費として認められませんが、法人化すれば、非常に幅広い範囲で経費に認められますので法人税も節税することが可能です。どのような節税対策がよいのかどの時点で法人化するのか、判断については簡単ではありませんので、まずは一度税理士に相談してみることをおすすめします。
2020年04月25日個人事業主の方が新規事業を立ち上げる際に1つの課題となるのが、事業資金の調達です。個人事業主は法人に比べると融資が受けにくく審査が厳しいというイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。そこで本記事では、個人事業主が融資を利用する際のポイントや利用できる融資制度などについて詳しく解説します。個人事業で必要になる事業資金の目安個人事業主として事業をするにあたり必要となる事業資金は、営もうとする事業体によって大きく異なります。ここでは、およその目安について解説したいと思います。ネットを活用したビジネスネット通販やyoutuberなど、インターネット環境を活用したビジネスを行う場合、規模にもよりますが事業資金は比較的低く抑えられます。最近では自宅を事務所として開業届を出す個人事業主の方も多いので、家賃というランニングコストがかからなければ、調達しなければならない事業資金は大幅に抑えられるのです。目安としては、従業員等を雇用せずにフリーランス的な形で始めて徐々に拡大していくという場合であれば、50万円前後あれば十分でしょう。飲食店などの店舗経営飲食店などのショップを開業する場合は、個人事業主とはいえそれなりの事業資金が必要になります。店舗の場所や規模によって調達すべき事業資金の金額は変わってきますが、目安となるのが見込み年商です。飲食店やショップを経営する場合は、当初見込んでいる年商つまり年間の売上のおよそ50%程度の資金は調達しておかないと、途中でキャッシュフローが回らなくなる恐れがあります。両者の違いは、運転資金にかかるコスト両者の決定的な違いは、運転資金にかかるコストです。自宅開業系でのネットビジネス系であれば、設備投資としてパソコン台やネット環境に多少のコストがかかるものの、その後の運営については自分の人件費を除けばごく少額に抑えることができます。万が一自分が倒れて寝込んだとしても、収入が減少しても支出自体が少なく抑えられるので、キャッシュフローが困窮する心配はあまりありません。場合によっては、しばらくの間休業することも簡単です。対して店舗経営については、常に家賃という大きな固定費がのしかかるため、昨今のような新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が出されたりすると、途端に収入はゼロになるだけでなく、非常に重いランニングコストがかかってくることになります。そのため、店舗経営を個人事業主として始めたい方は、できる限り余裕のある事業資金を確保してから始めることをおすすめします。同じ個人事業主でも調達すべき金額には大きな差が出てきます。まずは自分自身の思い描いている事業を実現するために、どの程度の事業資金の調達が必要になるのかについて検討しましょう。おすすめの融資制度ここからは個人事業主の方におすすめしたい融資制度について詳しく解説していきます。法人で事業資金を借入するよりもなかなか条件が厳しい面もありますが、反対に個人事業主にやさしい融資制度もありますのでぜひ活用しましょう。日本政策金融公庫信用金庫ビジネスローン系多目的ローン[adsense_middle]日本政策金融公庫日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関で財務省が所管している金融機関です。経済の発展などを目的として設立されていることから、個人事業主など通常だと融資が受けにくい属性についても積極的な融資を行っています。日本政策金融公庫には複数の融資制度がありますが、中でも個人事業主の方におすすめしたいのが次の2点です。新規開業資金その名の通り個人事業を新規で開業しようとする人を対象とする融資です。個人事業主の場合、開業してある程度の実績ができてからであれば、他の金融機関でも融資が受けられたりしますが、全くのゼロから開業する場合は資金調達にとても困ります。新規開業資金なら新規開業する個人事業主はもちろんのこと、開業後おおむね7年以内であればすでに開業している方でも利用することが可能です。融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)融資期間:20年以内金利も低めでとてもおすすめの融資制度ですが、1つだけ注意点があります。融資期間は20年以内となっていますので、金利が低くても毎月の返済額が多めになる傾向があるため、事前にキャッシュフローのシミュレーションをしておくことをおすすめします。一般貸付通常の融資で事業を営んでいる人に広く対応している融資制度です。融資限度額:運転資金、設備資金4,800万円、特定設備資金7,200万円融資期間:運転資金5年以内、設備資金10年以内、特定設備資金20年以内このように用途に応じて限度額や期間が異なります。新規開業に限らず、事業途中での融資に利用しやすいです。また、税務申告を2期以上行っている場合、担保や保証人なしで利用できる融資制度もあります。個人事業主でも原則として無担保、保証人不要で、しかも2%以下の低金利で融資を受けることが可能です。ただし、税金関係に未納がある場合は利用できません。個人事業主の場合、資金繰りが危うくなると所得税等の支払いが遅れてしまうこともありますが、税金の未納があると利用できないため注意しましょう。信用金庫地域にある信用金庫も比較的個人事業主に対する融資に積極的な傾向があります。ドラマの半沢直樹でもありましたが、主人公半沢の両親の工場が銀行からの融資を断られた後に手を差し伸べたのが信用金庫だったそうです。信用金庫は地域のお金を個人や中小企業に対して融資することで、地域を発展させることに存在意義があるとされているので、都市銀行系に比べると個人事業主でも利用しやすいといわれています。信用金庫の金利などの特徴信用金庫は日本政策金融公庫のように、数千万円単位の融資には非常に慎重ですが、反対に1,000万円以下の資金調達であれば審査が下りやすいです。よって、比較的事業規模の小さいビジネスであれば信用金庫を利用してもいいかもしれません。金利については、日本政策金融公庫よりも高くなる可能性がありますが、それでもノンバンクなどに比べればマシな方です。ただし、公共性の高い日本政策金融公庫とは違い、民間の金融機関なので審査については多少ハードルが上がります。また、最大のネックは立地です。信用金庫は地元の中小企業事業者への融資を目的としているため、事業を始める地域にそもそも信用金庫の支店がないと利用することはできません。信用組合や地方銀行はどうなの?基本的には信用金庫と傾向は同じで、大企業ではなく中小企業や個人事業主に対する融資に積極的です。金利や貸し付け条件もおおむね同じで、近隣に信用組合がある場合に利用できます。また地方銀行についても、傾向としてはおおむね同じです。ビジネスローン系各金融機関が扱っている、ビジネス全般に利用できる融資で、金融機関によって貸し付け条件が異なります。審査が非常に早いので、臨時で運転資金が必要な場合などに向いていますが、反面金利が6%以上と非常に高く返済期間も短いものが多いので、濫用はおすすめできません。1度に借入できる金額も300万円程度と少額なので、あくまで一時的にキャッシュフローを補うような目的に使うこととし、設備投資についてはできるだけ日本政策金融公庫や信用金庫などを利用したほうが金利面でお得です。多目的ローン今すぐに資金が必要という時に便利なのが、クレジットカードなどでも利用できる多目的ローンです。多目的ローンとは使途を限定しないローンで、ウェブ上の手続きだけで200万円程度の資金であればすぐに借りられます。ただし、金利が高いので早めに返済しないと資金繰りを圧迫する可能性があります。金融機関から融資を受けられない方は、多目的ローンを使って繰り上げ返済していくか、実績を作った後に金利の低い金融機関と借り換えをするとよいでしょう。残高スライド元利定額返済方式に注意カードローン系を利用する時に注意したいのが、残高スライド元利定額返済方式です。最近の個人のカードではこの返済方式になっているものが多く、便利な側面がある一方で思わぬ落とし穴もあります。残高スライド元利定額返済方式とは、借入する際に月額返済額を定めて、債務残高が減少していくと段階的に減っていく返済方式です。例えば、設定金額10万円で100万円を借入した場合、翌月に追加で20万円借入しても月額返済額は10万円のままです。つまり、返済負担を一定に保つことで借入しやすくしているのです。これだけ聞くととても便利な返済方式に聞こえるかもしれませんが、借入を追加しても毎月の返済額に大きな変化がないので、返済自体は可能でもその間にどんどん借入残高が貯まっていってしまうのです。つまり、返済が全然進んでいかないので、気が付いた時にはすごい額の借入になっていたということも珍しくありません。個人事業主の方にとって非常に利用しやすいというメリットはありますが、使いすぎると返済ができなくなる恐れがありますので借入残高には十分注意しましょう。借入条件の注意点個人事業主の方が事業資金を借入する際には、次の点について注意が必要です。金利を低く抑える住宅ローンや不動産投資ローンとは違い、個人事業主が使う事業ローンは金利が割高になる傾向があります。金利が高いと返済効率が悪くなるので、たとえ借りられたとしてもあまりおすすめできません。特に1,000万円以上の融資を希望する場合については、日本政策金融公庫などできるだけ金利が低い金融機関を利用することをおすすめします。[adsense_middle]融資を受けやすくする方法個人事業主で融資を受けやすくするためには、金融機関を納得させられるだけの資料を準備することがとても大切です。新規開業であれば事業計画書、すでに営業中であれば前期の実績などの資料を金融機関に提出することで、融資を受けやすくなります。事業計画書は誰に相談する?事業計画書が重要といわれても、いままで作ったことがないという方がほとんどではないでしょうか。自分で作るスキルや経験がある方であればよいのですが、そうではない場合はぜひ税理士に相談してみてください。個人事業となると日々の記帳から確定申告まで全部自分でやらなければなりませんが、実際に事業を始めてみると本業に集中しなければならないので、そういった経理関係の業務に時間を割くことができません。そこで事業計画書と顧問契約をセットで税理士に依頼することで、資金調達の問題と開業後の経理の問題を同時に解決することが可能です。経営革新等支援機関ってなに?税理士に相談する際におすすめなのが、経営革新等支援機関に認定されている税理士です。経営革新等支援機関とは、財務局長および経済産業局長が認定する機関で、財務経営や資金調達のいわばスペシャリストとして認定された機関という位置づけです。何より頼りになるのが、事業計画書作りです。金融機関によっては、経営革新等支援機関が事業計画書の作成支援を行った場合に金利を優遇してくれる場合もあるようです。経営と資金調達に長けているので、単に事業計画書を作成するだけではなく、金融機関の印象が良くなる事業計画書を作成してくれます。税理士以外にも認定を受けている機関はありますが、個人事業主の場合は開業後の税務についてもまとめて依頼したほうがよいので、経営革新等支援機関に認定されている税理士が心強いでしょう。経営革新等支援機関は、中小企業庁のホームページで一覧を見られますので税理士選びの参考にするとよいでしょう。個人事業主の融資に関するまとめ今回は個人事業主の資金調達について解説してきました。個人事業主が融資を受けるとなると、法人よりもハードルが高いというイメージがあるかもしれませんが、日本政策金融公庫や信用金庫などをうまく活用すれば、意外と資金調達はスムーズにできます。ノンバンクや多目的ローンなどについては、すぐに使えるという強みがある一方で、高金利で返済が進みにくいという落とし穴がありますので、あくまで臨時で必要な場合に利用はとどめましょう。設備投資などまとまった資金の調達については、できるだけ低金利で借りられるところを選ぶことが大切です。資金調達は借りることが目的ではありません。借りたお金で事業を成功させるためには、その先にある事業計画がとても重要です。事業が初めてという方は、経営革新等支援機関に認定されている税理士などに相談して、事業計画書の作成や資金調達についてコンサルティングしてもらうことをおすすめします。
2020年04月23日個人事業主として事業を運営されている方、保険の加入を検討したことはありますでしょうか。会社員についてはあらゆる責任を会社がとってくれることが多いので、あまり保険について気にしたことはないかもしれませんが、個人事業主となるとあらゆるリスクを自分自身で管理しなければなりません。そこで本記事では、個人事業主におすすめの保険について詳しく解説します。個人事業主におすすめの保険の種類保険というとさまざまなものがありますが、個人事業主が加入を検討すべき保険には主に2つの種類があります。ビジネス上の損害賠償責任や倒産などに対する保険事業を行っていると、どんなに注意して仕事をしていたとしても取引相手に損害を与えてしまうことも少なくありません。そのような場合に、なんのリスク管理もしていないと大きくキャッシュがマイナスになってしまったり、場合によっては廃業に追い込まれてしまったりする可能性もあり得ます。そこで、個人事業主や中小企業の負う損害賠償責任を担保するための保険として、賠償責任保険に加入することで、これらのリスクを管理することが可能です。個人の生命や給与の補填をするための保険会社員の場合は企業側で社会保険に加入していることから、老後についても基礎年金の上乗せ部分である厚生年金を受け取ることができます。一方で個人事業主については、国民年金のみという非常に手薄い保障になっていることから、老後資金の対策として生命保険や個人年金なども積極的に検討していくことが大切です。今回はこの2つの保険で人気のものやおすすめのものについてご紹介したいと思います。個人事業主に人気の賠償責任保険個人事業をしていて損害が発生すると、受けるダメージは計り知れません。例えば、ちょっとしたミスであれば菓子折りを持参して誠心誠意謝罪すれば許してもらえる可能性もありますが、取引先に実害が生じているような場合については金銭による賠償が求められる可能性が十分あります。損害賠償を担保できるだけの内部留保があればよいのですが、ほとんどの個人事業主の方はそのような余剰資金を持ち合わせてはいないでしょう。となると、やはり損害賠償リスクを管理するための保険の加入というのは絶対的に必要であるといえます。保険に加入すれば給与を減らさなくて済む賠償責任保険に加入すれば、取引先に与えた損害に対して保険金が支払われます。つまり、損害賠償による自らの金銭の持ち出しを回避できるのです。具体的には、次のようなケースについて保険金が支払われます。施設、業務遂行中の事故生産物や仕事の結果の事故保管財物、借用不動産の事故預かった自動車に生じる事故運送貨物に生じる事故補償内容や対象についてはあくまで保険会社や契約内容によって異なりますので別途確認は必要ですが、このように幅広い損害をリスク管理することが可能です。賠償責任保険のメリット賠償責任保険に加入すると次のようなメリットがあります。相手との交渉を任せられる個人事業主で損害賠償責任が生じた際には、自分自身が窓口となって相手と交渉して賠償金額などを取り決めしなければなりません。交渉すること自体も大変ですが、それによって他の仕事が手につかなくなり、さらなる損害が生じる可能性もあります。賠償責任保険に加入していれば、取引の相手方との交渉は保険会社に任せられるので時間や労力をとられる心配がありません。ただし、売上高などに制限がある場合がありますので事前にご確認ください。補償の範囲が広い保険会社にもよりますが、賠償責任保険の補償範囲は比較的広いケースが多く、国内すべての施設や業務が対象となっているものもあるので、あらゆる業種のリスクに対応できます。また、施設や業務を限定することで保険料を抑えるといった工夫もできます。賠償責任保険に加入するケースが増えている業種次のような業種の個人事業を営む方は、賠償責任保険に加入するケースが増えているようです。建築業リフォーム関連業内装業ハウスクリーニング業設備工事業ビルのメンテナンス業製造業こういった業種の個人事業については、賠償責任保険で担保される範囲が広いのでぜひ加入することをおすすめします。将来のために加入すべき生命保険個人事業主の方は会社員に比べて年金などの社会保障が手薄になるので、老後の生活資金まで念頭において保険の加入について検討する必要があります。生命保険に加入することで、万が一の際に保険金を受け取ることができますが、実は加入する保険によって得られる効果が違うことに注意が必要です。[adsense_middle]生命保険の3つの種類生命保険には次の3つの種類があり、積立や費用について違いがありますので加入する際には注意が必要です。定期保険予め決められた期間の保障をするタイプで、その期間内に死亡した場合に保険金が支払われます。全期間掛金が同じで保険料が割安であるというメリットがある一方で、掛け捨てになってしまうので期間中に死亡しなければそのまま終了し返戻金はありません。つまり、貯蓄性は一切ないので、本人の死亡を担保する以外のリスク管理にはならない点に注意が必要です。資金に余裕がない場合や、とりあえず短期間だけ加入したい場合でなければあまりおすすめではありません。終身保険保障が一生涯続く保険で、満期という概念がないので満期返戻金というものもありませんが、途中で保険契約を解除した場合は解約返戻金として一定の保険金を受け取ることができます。保険料の支払い方法については、生涯払い続けるタイプと一定の年齢までに払い終えるタイプがあります。個人事業主には定年がありませんが、老後引退することも考えると、できるだけ60歳前後までに保険料の支払いを終えるような設計にするとよいでしょう。養老保険保険期間は決まっていて、その間に死亡した場合に保険金が支払われます。定期保険との違いは満期返戻金の有無です。養老保険は保険期間が満期になると、一定の満期返戻金が支払われるので貯蓄性があります。満期になるタイミングを仕事の引退時期と合わせることで、満期返戻金を退職金代わりに応用することも可能です。このように同じ生命保険でも貯蓄性の有無に違いがありますので、老後を考えて加入を検討する際には、できるだけ終身保険か養老保険の方がよいでしょう。第4の選択肢個人年金保険個人事業主最大の弱点は、厚生年金がないことによる老後年金の不足です。会社員の場合は厚生年金に加入できて、しかも保険料を会社が半分負担してくれているというかなりのメリットがある一方、個人事業主は国民年金のみなので将来受け取れる年金額が非常に少なくなります。そこで老後年金を確保する手段として、個人年金保険を活用することもできます。個人年金保険とは年金の民間バージョンで、契約の際に年金を受け取る年齢を任意で決めて、その年齢になったら年金を受け取るというタイプの保険です。受け取る方法としては一定期間年金が受け取れるタイプと、一生涯年金を受け取れるタイプがあり、それぞれ保険料が異なります。最近では保険料をドル建てで運用することで、将来受け取れる年金額を増やせる外貨建変額年金といった保険も出てきています。ただし、変額年金は投資としての側面があり、元本割れのリスクがあるので注意が必要です。個人事業主の退職金として人気の共済とは会社員にはあって個人事業主にはないものといえば退職金です。企業については退職金制度がある場合、退職の際にまとまったお金が支給されますが、個人事業主の場合はそういった制度が基本的にないため、老後資金に困ってしまうことがあります。そこでおすすめしたいのが小規模企業共済です。小規模企業共済とは、国が作った個人事業主などの小規模経営者に対する退職金制度です。個人事業主の場合、常時使用している従業員の人数が20人以下、商業と宿泊、娯楽を除くサービスの場合は5人以下であれば加入できます。(※詳しい加入条件については、別途ご確認ください。)廃業した時に手当てが支給される小規模企業共済は毎月掛け金を支払うことで、将来的に事業を廃業した時にまとまった手当てを共済から受け取ることができます。これが退職金代わりになるというわけです。また、節税対策になるという側面もあります。小規模企業共済に支払う掛金は、個人事業主が確定申告をする場合の経費、つまり所得控除の対象になるので所得税を節税できるのです。契約者貸付も魅力小規模企業共済のもう一つの魅力、それは契約者貸付です。個人事業をしていれば急遽資金繰りが圧迫したり、事業拡大のためにまとまった資金が今すぐ必要になったりすることも少なくありません。そんな場合、小規模企業共済に対してすでに積み立てている金額の範囲内であれば、一時的にそこから資金を借り入れる契約者貸付を利用することが可能です。個人事業主は法人に比べて金融機関の融資が受けにくい場合がありますので、契約者貸付は非常に魅力的な制度といえます。加入期間に注意メリットの多い小規模企業共済ですが、加入期間が20年未満の短期になると将来受け取れる金額が支払う掛金を下回る可能性が出てきます。よって、小規模企業共済に加入する場合はできるだけ長い期間で加入するイメージで検討することが大切です。個人事業主におすすめの保険に関するまとめ今回は個人事業主におすすめの保険について解説してきました。個人事業主は法人とは違い、損害賠償責任や老後の生活資金について自分でリスク管理をしなければならないので、保険加入の必要性は非常に高いといえます。また、小規模企業共済を活用すれば個人事業主の弱点である退職金問題をカバーできるだけでなく、所得控除で節税もできるのでとてもおすすめです。保険といっても賠償責任保険や生命保険などさまざまな種類のものがありますので、まずは自分にとって何が一番必要なのかをよく検討したうえで、優先順位の高いものから順番に加入していくとよいでしょう。
2020年04月20日サラリーマンの場合、労働の対価として勤務先から給与を受け取りますが、個人事業主の場合、売上の中から生活費を捻出する必要があります。事業用の経費や設備投資などと重ねて考える必要があるため、よりしっかり管理しなければなりません。本記事では、個人事業主の給与について、基本的な考え方や生活費の管理方法をお伝えしていきます。個人事業主の給与の考え方国税庁No.2260 所得税の税率さらに、住民税としておよそ10%の税率が課されます。所得税は1月1日~12月31日の間で得た所得を、翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告して税金を納めます。納税期限は通常3月15日までですが、口座からの引き落としという形にすれば4月中旬頃になります。個人事業主は毎月の売上が手元に残るため、勘違いしてしまいやすいのですが、この税金を納めて初めて、手元のお金が自由になるものだと考えておくとよいでしょう。なお、住民税は5~6月頃に手元に届く納付書で3カ月分を4回に分けて支払っていくことになります。これら所得税や住民税の額については、上記税率を知っておくとある程度計算することが可能なので、把握しておくことをおすすめします。生活費を賢く管理するにはどうすればいい?生活費を賢く管理する方法としておすすめなのが、先ほどご紹介した方法で住民税と所得税の額をある程度想定しておき、想定される売上から経費と税金を差し引いたうえで、毎月同じ日に同じ額を給与のように生活口座に移すという方法です。こうすれば、サラリーマンの給与のように扱うことができ、生活費を管理しやすくなります。ただし、毎月売上や経費が想定通りになるというわけではないので、順次調整していくことが求められます。経営者への給与を経費にするなら法人化を検討しよう生活費を管理しやすくなる方法として、他に法人化することが挙げられます。法人化することで経営者への給与を経費にすることができ、会社のお金と個人のお金を明確に区分できるようになります。法人or個人事業主の決め方とは?ただし、個人事業主で売上が少ない内は法人化することで税金の負担が大きくなってしまう可能性があります。もちろん、法人化することで社会的信用が高まるなどのメリットがありますが、基本的には「売上が一定額以上になったとき」と考えるとよいでしょう。一定額についてはケースバイケースのため必ずしもいくらとは言えませんが、一つのポイントとして、所得税の税率が高くなる「所得900万円を超える時」を目安としてみるといいでしょう。ただし、実際に判断する際には税理士に相談することをおすすめします。個人事業主の給与に関するまとめ個人事業主の経費についての考え方や生活費の管理方法、法人化を検討する際のポイントなどお伝えしました。個人事業主は売上から経費や税金を差し引いたお金の中から生活費を捻出していかなければなりません。全てを把握する必要はありませんが、本記事で紹介した内容を理解し、毎年ある程度税金の額と経費の額を想定したうえで、生活費を計算することをおすすめします。
2020年04月19日独立して個人事業主になるとビジネス用の口座を作る方は多いかと思いますが、法人カードを作る方はそう多くないのではないでしょうか。本記事では、個人事業主が法人カードを作るメリット・デメリットや審査のポイントなどお伝えすると共に、個人事業主の方におすすめの法人カード7種類について、それぞれの特徴やポイントを比較しつつご紹介していきます。個人事業主でもビジネス向けのクレジットカードを作れる?個人事業主として起業・独立しても法人を設立していない場合、法人カードなどビジネス向けのクレジットカードを作ることはできるのでしょうか?実は、法人カードには個人事業主向けの商品があります。こうした法人カードの中には、個人名義でも屋号名義でも利用できるなど個人事業主向けに特化しているものもあります。個人事業主が法人カードを持つメリット個人事業主は事業用の経費も個人名義のクレジットカードで対応できますが、それでも法人カードを持つのにはどんなメリットがあるのでしょうか?ここでは、個人事業主が法人カードを持つメリットとして以下の3つをご紹介します。ビジネス用の支払いに統一できる確定申告の際に便利限度額が大きいそれぞれ見ていきましょう。ビジネス用の支払いに統一できる個人事業主は個人用のクレジットカードでも事業の経費を支払うことができますが、法人カードと分けて持つことで、ビジネス用の支払いとプライベート用の支払いを分けて管理することが可能になります。確定申告の際に便利法人カードを作成してビジネス用の支払いとプライベート用の支払いを分けることで、クレジットカードの明細で経費を管理できるようになることから、確定申告の際に便利です。限度額が大きい一般的に法人カードは個人向けのカードより限度額が大きくなっています。このため、ビジネスで大きな出費がある場合でも対応しやすくなります。個人事業主が法人カードを持つデメリット一方、個人事業主が法人カードを持つデメリットとしては年会費がかかることが挙げられるでしょう。一般的に法人カードは個人向けのクレジットカードより年会費が高く設定されていることが多く、場合によっては負担が大きく感じてしまうことがあるでしょう。なお、法人カードの年会費は経費として計上することができます。個人事業主で法人カードの審査を通過するには?法人カードを作るには審査を通過する必要がありますが、その審査内容はどんなものなのでしょうか?法人カードの審査基準個人向けのクレジットカードの場合、申し込む人の属性や年収等が審査されることになりますが、法人カードの場合は行っている事業の信頼性に重点が置かれることになります。具体的には、設立年数や業績がみられるようです。法人カードの詳細な審査基準などは公開されていませんが、個人事業主の場合は信用面・資金面などが乏しいのが一般的で、貸し倒れのリスクも大きいことから慎重に審査が行われます。法人カードが必要な事情がある場合には、1カ月程度以上は余裕を見て手続きを進めておくとよいでしょう。法人カード申し込みの流れ法人カードの申し込みの流れは、基本的には個人向けクレジットカードと同じと考えて問題ないでしょう。インターネットで申込書を請求する申込書が届いたら必要書類と共に送付する入会審査が行われる審査を通過したら法人カードが発行され郵送される法人カード審査の必要書類法人カードの一般的な必要書類は以下の通りです。法人の登記簿謄本もしくは印鑑証明書代表者の本人確認書類(マイナンバーカード等)引き落としの為の銀行口座ただし、個人事業主の場合は本人確認書類と個人の銀行口座番号が分かれば問題ありません。コピーを事前に取っておけばスムーズに進められる程度で、特に気構える必要もないでしょう。個人事業主が法人カードを選ぶ際に気を付けておくべきポイント個人事業主が法人カードを選ぶ際、どのような点に注目するとよいのでしょうか。ここでは具体的に以下のようなポイントをご紹介していきたいと思います。法人カードに付帯されるサービスの内容年会費ポイント還元率それぞれについてご紹介します。[adsense_middle]法人カードに付帯されるサービスの内容法人カードにはさまざまなサービスが付帯されているものがありますが、どのようなサービスが付帯されているかは法人カードを選ぶ一つのポイントとなるでしょう。具体的には、出張が多い方は出張の手続きや手荷物の宅配サービスなどトラベルサービスがついているものや、国内外の旅行傷害保険のついたもの、国内外の空港ラウンジを利用できるものなどを選ぶとよいでしょう。年会費法人カードの年会費は個人向けクレジットカードより高めに設定されていることが多いですが、具体的な額はカードにより大きく異なり、数千円のものから数万円のものまであります。先述したような、トラベルサービスや保険など付帯サービスの充実した法人カードは年会費も高く設定されていることが多いため、普段からそうしたサービスを利用するかを想定したうえで、年会費を支払うだけの価値があるかを判断する必要があるでしょう。ポイント還元率カード利用代金に付与されるポイントやマイルも法人カードを選ぶポイントとなります。特に事業用の支払いにクレジットカードを利用していると、毎月結構な額の支払いが発生するため、還元率の高いカードを選べばバカにならない金額になります。そうして付与されたポイントを事業用の消耗品購入代金に充てるなどすれば、経費削減に役立てることもできます。個人事業主におすすめの法人カードを徹底比較ここからは、個人事業主におすすめの法人カードを具体的にご紹介していきたいと思います。ここでご紹介する法人カードは以下の7種類です。JCB法人カードオリコEX Gold for Bizアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード楽天ビジネスカードセゾンプラチナ・ビジネスカード三井住友ビジネスカード for OwnersNTTファイナンス Biz レギュラーカードそれぞれ見ていきましょう。(※年会費は全て税抜きで記載しております。)JCB法人カードJCBが提供する数々の付帯サービスが魅力の法人カード。年会費は1,250円と非常に安く利用しやすくなっています。国産のブランドということもあり、海外で丁寧な日本語サービスを受けられるという隠れたメリットがあります。年会費:1,250円ポイント還元率:0.5%~1.0%EX Gold for Biz M旅行傷害保険(海外2,000万円、国内1,000万円)やショッピングガード保険など充実した補償がありながら、年会費2,000円で利用できる人気の法人カード。年間の利用額によってポイント還元率が変動するシステムとなっており、最大還元率は1.2%と非常に高くなっています。年会費:2,000円ポイント還元率:0.6%~1.2%アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードアメリカンエキスプレスの法人カードはステータス性の高さや出張手続き、手荷物の宅配サービス、空港ラウンジの利用など各種付帯サービスが充実した法人カードです。年会費は31,000円と高めですが、納得の内容となっているといえるでしょう。なお、インターネット上から申し込むことで初年度年会費が無料になるキャンペーンを実施しているので、新規開設を考えているのであれば利用することをおすすめします。ちなみに、年会費を12,000円に抑えたアメリカン・エキスプレス・ビジネスカードもあります。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード年会費:31,000円ポイント還元率:0.3~1.0%アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード年会費:12,000円ポイント還元率:0.3~1.0%楽天ビジネスカード楽天ビジネスカードは個人向けクレジットカード「楽天プレミアムカード」と2枚1セットの所有が前提となる法人カードで、通常は法人の事業性などに着目して審査がなされる中、楽天ビジネスカードは経営者個人の年齢や収入が審査の目安となります。このため、起業したばかりの個人事業主の方でも比較的審査に通りやすいといわれています。年会費:10,000円ポイント還元率:1%~15%(楽天スーパーポイント)セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、一流ホテルの宿泊などのプラチナ会員限定サービスや空港関連サービスなどを多数利用できる法人カードで、年会費は20,000円となっています。また、年間200万円以上のショッピング利用で年会費は半額の10,000円となります。年会費:20,000円ポイント還元率:0.5%~1.0%三井住友ビジネスカード for Owners三井住友ビジネスカード for Ownersは、回数払いやリボ払いなど支払方法が充実していることから人気の高い法人カードです。その他、個人事業主であればキャッシングが可能な点や、法人カードでは珍しくApplePayに対応しているといった点も個人事業主の方には嬉しいポイント。年会費も1,250円と安く、その使い勝手の良さからコストパフォーマンスは非常に高いといえるでしょう。年会費:1,250円ポイント還元率:0.3%~0.5%NTTファイナンスBizカード レギュラーNTTファイナンスBizカード レギュラーは最高2,000万円の国内外旅行保険が付帯していたり、さまざまな複利厚生優待サービスが利用できたりとサービスの充実した法人カードです。ポイント還元率は1.0%。ポイントモール利用でポイントが最大26倍となるなど、メリットも大きいのにも関わらず年会費が無料という魅力的な内容となっています。年会費:無料ポイント還元率:1.0%個人事業主におすすめの法人カードに関するまとめ個人事業主におすすめの法人カードについて、そもそも個人事業主が法人カードを所有するメリット・デメリットや、法人カードを選ぶときに注意しておくべきポイントをお伝えしたうえで、7種類の法人カードを比較しながらご紹介していきました。法人カードの審査は簡単ではないので、必ずしも目当てのカードを所持できるわけではありませんが、本記事でご紹介した付帯サービスや年会費、ポイント還元率など、ご自分のビジネスやライフスタイルの合ったものはどれかといった視点で比較検討してみてください。
2020年04月08日働き方改革が推進されている昨今、空いた時間を活用して個人事業主として開業する人も増えてきているようですが、税金の取り扱いには注意が必要です。会社員と個人事業主では税金の取り扱いが違うので、勘違いしているとトラブルになったり、内緒で副業をしていてバレたりといった自体を招いてしまいます。そこで今回は、個人事業主と会社員の税金や控除の違いについて詳しく解説します。個人事業主と会社員の違い会社員の税金や控除関係は基本的に会社の総務や経理の方が処理をするため、本人自らが申告する必要はありません。会社員の場合は毎月給料の約10%が源泉徴収という形で天引きされていて、その天引きした金額を年末調整によって正しく計算し直して過不足があれば精算を行います。年末調整によって税金が過払いになっていれば、次回の給与支給の際に加算され、反対に不足する場合は給与から差し引かれるのです。いずれにしても、税金や控除の計算や還付、納税といった一連の手続きすべてを会社がやってくれるので本人にかかる負担は何もありません。個人事業主は全部自分で計算する個人事業主を始めて最初に直面する課題、それが確定申告ともいわれています。特に会社員だった方が脱サラして開業する場合や、会社員が副業を始めるような場合については税金や控除の手続きを初めて体験することになり、ミスが発生しやすいため注意が必要です。給与所得と事業所得の違い会社員に支払われる給与は給与所得として申告することになります。ここでは事業所得との違いがわかるよう、給与所得の計算方法について解説します。給与所得の計算方法給与所得を求めるためには、準備段階として次のようなステップで情報を整理していきます。1:給料を1年分集計する実際に1年分の給料を集計してみましょう。例えば、月給30万・ボーナス50万円の方の場合、次のように集計します。月給30万円×12ヶ月+ボーナス50万円=410万円2:給与所得を求める所得とは収入から経費を引いた利益のことで、給与所得の場合は以下の計算式によって算出します。給与所得=年間給料410万円-給与所得控除会社員の場合は個別に必要経費を差し引くことが難しいため、所得金額に応じて一定の給与所得控除額が決められています。計算式にすると次の通りです。給与所得控除額=収入金額×20%+440,000円=126万円これが給与所得から差し引くことができる、いわば会社員の経費ということになります。実際に計算式に当てはめると次の通りです。給与所得=年間給料410万円-給与所得控除126万円=284万円3:課税所得を求める給与所得がわかったら、ここからさらに控除額を差し引いていくことになります。今回は一律に適用される基礎控除を差し引いたとして次のようになります。課税所得=給与所得284万円-基礎控除38万円=246万円4:所得税を計算する所得税は課税所得が大きくなればなるほど、税率が高くなる累進課税になっているので、課税所得に対応する税率をかけて所得税額を算出します。課税所得246万円に対する税率は10%、控除額97,500円です。所得税額=246万円×10%-97,500円=148,500円この金額が会社員の支払う税金の金額です。年末調整の際に所得税額と源泉徴収した累積金額を比較して、源泉徴収額の方が多ければ差額が次回給料と一緒に還付され、反対に少なければ追加で差し引かれることとなります。事業所得との違いは?これに対し個人事業主の場合は、行っている事業に応じて事業所得や不動産所得などを集計して税金を計算することになります。会社員との一番の違いは、毎月源泉徴収が行われないということです。会社員は本人が何もしなくても、会社が給料の約10%を源泉徴収して納税しているため、年末に差額を調整するだけで済みますが、個人事業主の場合は1年間分まとめて所得を集計し、そこから経費を差し引いて課税対象額を算出します。それでは具体的に計算してみましょう。1:所得を計算する個人事業主の場合は給与所得ではなく、事業所得や不動産所得など他の所得を合算して計算をするため少しややこしくなります。例えば、個人事業の売上が500万円、経費200万円で青色申告している単身者を仮定して以下の計算式に当てはめて計算してみましょう。所得金額=1年間の売上500万円-経費200万円-青色申告特別控除65万円=235万円配偶者がいればここから配偶者控除などを差し引きますが、今回は単身者という設定なのでこの金額がそのまま課税所得になります。2:所得税を計算する所得税の金額は次の計算式に当てはめて計算します。所得税額=235万円×10%-97,500円=137,500円このように、個人事業主の場合は年間の売り上げと経費をまとめて集計しなければならないですし、しかもそれを自分自身でやらなければならないことから、慣れていないと確定申告の時期にはかなりの負担となります。税金にどのくらいの違いが出るの?ここまで見ると、個人事業主の場合税金や控除の計算が非常に面倒で負担になることはお分かりいただけたかと思います。では、会社員の方が独立して個人事業として開業を目指す場合、同じくらいの収入で税金にどの程度の違いが出るのでしょうか。結論からいうと、会社員の給料と個人事業主としての利益が同額であれば、会社員の方が有利です。税金についても会社員の方が有利な傾向がありますが、それ以上に有利なのが年金です。会社員の場合は厚生年金に加入できて、なおかつ保険料の半分を会社が負担してくれます。対して個人事業主の場合は厚生年金よりも年金支給額が少ない国民健康保険のみの加入で、しかも保険料は全額自己負担です。ここの格差が非常に大きいので、会社員の方が個人事業主として独立を検討する際には、概ね現在もらっている給料の2倍程度の利益を目標としなければ、現実的に会社員の頃よりも手元に残る金額が増えない可能性が高いといえます。[adsense_middle]個人事業主のメリットは?このように同じ利益であれば給与所得の方が有利ですが、個人事業主ならではのメリットとしては経費があります。給与所得については給与所得控除があるものの、所得に応じて金額が決まっているため節税に活用することはできません。一方、個人事業主であれば売上から経費を差し引くことができるので、経費を上手に活用すれば発生する税金をある程度コントロールすることが可能です。例えば、会社員の方がマイカー通勤したとしても経費にはなりませんが、個人事業主の方がマイカーを仕事で使用すればガソリン代や高速道路代、駐車場代、重量税、自動車税などの一部を経費として売上から差し引くことができます。また、車両本体の購入代金についても減価償却費として経費計上できるので、うまくやりくりすることで利益を圧縮して節税することも可能です。個人事業主のデメリットと注意点このように経費を計上できる点が個人事業主のメリットですが、注意しなければならないのは経費にできる範囲です。例えば法人の経費は、法人が事業活動をするうえで支出しているものについては原則としてすべて対象とすることができますが、個人事業主の場合は売り上げを上げるために直接的に支出した費用に限定されるというデメリットがあります。つまり、経費として計上して認められる範囲が非常に狭いのです。この点を理解しないまま、片っ端から領収書を切って経費計上していると、税務調査で引っかかって修正申告、追徴課税になる可能性があります。そのため、ある程度広い範囲で経費を計上したい方は、法人化も検討しながら事業運営をしていくことをおすすめします。会社員が副業で個人事業をする場合の税金と注意点会社員の方で副業をする人が増えていますが、中には会社に内緒で始める人も多いようです。最近は働き方改革で就業規則が改定され、副業が解禁されている企業も増えていますが、中にはまだ副業が禁止のままの企業も多く、会社に言い出せないまま始めている人も少なくありません。会社が終わってからどこで何をしようが、会社に知られることはないから大丈夫。そう思っている人もいるかもしれませんが、実は会社員の方が副業を始めると思わぬことから会社に副業がバレてしまうため注意が必要です。開業届を出すと住民税が上がってバレる会社員の方が副業をして所得が増えると、会社が年末調整してくれていたとしても、翌年には確定申告をして副業の所得を申告しなければなりません。開業届を税務署に提出して副業の所得を申告すると、当然その人の総所得が給与所得よりも高くなり、それに比例して翌年の住民税が増額することになります。ここでポイントになるのが、住民税の徴収方法です。会社員の方は給与から住民税が差し引かれるため、各人の住民税の決定通知は会社に届きます。会社員としての給料が一定なのに住民税だけ値上がりしていることがわかると、会社側に副業をしているということがバレてしまうのです。このように総所得が上がると住民税が変化し、それによって会社が副業に気づいて懲戒処分を受けるというケースがありますので、副業を検討している人は必ず勤務先に許可をとってから始めることをおすすめします。個人事業主と会社員の違いに関するまとめ今回は個人事業主と会社員の税務上の取り扱いの違いについて解説してきました。サラリーマンであるうちは気づきにくいですが、個人事業主になってみると会社が社会保険料などどれほど負担してくれていたかが身に染みてわかるものです。そのため、会社員自体の手取り給与と同じくらいの売り上げだと個人事業主の手取りはかなり低くなってしまいますし、将来受け取ることができる年金額も大幅に減少してしまいます。開業届を出して独立しようとお考えの方は、その点を十分理解したうえで収益目標などを立てることをおすすめします。
2020年03月31日個人事業主として仕事をするうえで必ず必要になるのが、専用の銀行口座です。私用の銀行口座をそのまま使う人もいますが、記帳がしにくくわかりにくい状態になるため、基本的には私用と事業用で口座は分けることをおすすめします。ただ、個人事業主用の銀行口座の開設は、個人口座の開設よりも手続きが複雑な場合があるので注意が必要です。そこで今回は、個人事業主の銀行口座の開設方法や必要書類などについて詳しく解説します。個人事業主が口座を作る際の名義と屋号個人事業主の方が銀行口座を開設する場合、2つの選択肢があります。その1:個人名義の銀行口座を新たに解説するすでに持っている銀行口座とは別に、個人名義の口座を開設します。この場合は、すでに口座を持っている銀行では開設できないので別の金融機関で口座を開設することになります。口座開設の方法は個人の口座を開設する場合と全く同じなので、比較的簡単に開設することが可能です。個人名義の銀行口座開設の際の必要書類個人事業主の口座を個人名義で開設する場合、次の本人確認書類のうちいずれかを金融機関の窓口に持参して手続きをします。運転免許証運転経歴証明書(2012年4月1日以降に発行されているものなら利用可能です)パスポート住民基本台帳カード(顔写真付きのものが必要です)在留カード特別永住者証明書外国人登録証明書個人番号カードこれらにプラスして銀行印として登録する印鑑を持参しましょう。なお、印鑑のサイズについては特段の規定はないので、100円ショップで売られている印鑑でも登録すること自体は可能です。ただし、シャチハタやゴム印については偽造などの恐れもあることから利用できません。通常は次のようなサイズが一般的とされています。・男性用:直径13.5~15mm・女性用:12~13.5mm印鑑の印影は苗字だけ、名前だけ、フルネームの3種類がありますが、どのパターンでも銀行印として登録することが可能です。私は以前に外国人の方の口座開設を手伝ったことがあるのですが、外国人ですから当然印鑑は持っていません。中国や韓国の方であれば同じ漢字の印鑑が売られていることはありますが、欧米の方の印鑑は特注しないと無理でしょう。ただ、外国人の場合は特段印影と本名が一致していなくても登録することができるようです。私が手伝った方は中国の方でしたが、100円ショップで鈴木という印鑑を買って銀行に持ち込みましたが、普通に口座開設ができました。その2:屋号名義の口座を開設する個人商店や事務所など、法人ではないものの看板を掲げて商売をしている方については、個人名義の口座ではなくこうした屋号名義の口座を作りたいという人もいるのではないでしょうか。屋号については法人のように明確な登録基準がないため、屋号名義の口座を開設する際には個人口座とは違い、開設するにあたって一定の審査が行われる場合があります。屋号の基準屋号とはいわゆる店舗名や事務所名のことを指していますが、法人口座のように組織名だけの口座名義になるわけではありません。基本的に屋号名義の口座については、屋号にプラスして個人名義も列挙される形になります。山田商店山田太郎〇山田太郎山田商店〇山田商店×屋号名義は審査が厳しい屋号名義の銀行口座はオレオレ詐欺などに悪用されることもあるため、銀行によっては審査が非常に厳しかったり、屋号名義の口座開設自体を受け付けていなかったりする場合もあります。手続きをする際には事前に金融機関のホームページで確認することをおすすめします。屋号口座の作り方、開設までの流れを徹底解説ここからは屋号名義の口座の作り方の流れについて開設していきたいと思います。屋号名義の口座は個人名義とは違い、必要書類が別途必要になるほか一定の審査が入ることもあるので、申請したとしても開設できない場合もあるようなので注意が必要です。[adsense_middle]屋号口座開設の必要書類屋号名義の口座開設に必要な書類は金融機関によって異なりますが、概ね先ほどの個人名義の口座開設に利用する本人確認書類に加えて、以下の書類のうち1つの提出が必要になります。国税または地方税の領収書または納税証明書原本社会保険料の領収書原本商業登記簿謄本原本事務所の賃貸借契約書写し公共料金の領収書原本確定申告書(税務署収受印済のもの)原本これらの書類の提出を求める意図は、事業の実態を確認するためです。先ほども言った通り、屋号名義の口座は詐欺に悪用されてトラブルになることがあるため、必ず屋号名義の事業の実態を金融機関側が確認します。そのため、形式的に確認するというよりもこれらの書類を確認して営業実態があるかどうかを確認するので、例えば自宅で事業をしている場合に、自分で自分に賃貸している内容の賃貸借契約書を形式的に作成して提出しても審査は通りません。このあたりについては、昔に比べて審査が非常に厳しくなっていますので十分注意が必要です。私も数年前に屋号付きの口座を開設した経験がありますが、上記書類だけでは審査が通らず、事業をしている実態を示すために営業で使っているパンフレットなどを別途提出し、事業内容を説明したことで何とか口座を開設することができました。このように、屋号名義の口座は個人名義の口座に比べて開設までのハードルが若干高いので注意しましょう。個人名義と屋号を比較するとどっちがおすすめ?では個人名義と屋号、個人事業主が口座を開設するとしたらどちらがおすすめなのでしょうか。個人名義がおすすめのケースクラウドワークスやランサーズなどを活用して活動する、いわゆるフリーランスの方については簡単に開設できる個人名義の口座で十分でしょう。むしろ屋号名義の口座だと、振込先として登録できないケースもあるため、フリーランスであれば個人名義の口座をもう一つ開設すれば問題ありません。そのほか飲食店や個人商店など現金決済が主体の場合で、銀行口座に直接取引先から報酬を振り込んでもらうことがない業種業態については、個人名義の口座でよいでしょう。屋号名義がおすすめのケース個人として一事業を立ち上げて営業活動を行うケースについては、屋号付の銀行口座がおすすめです。取引先に請求書を発行する際に、口座名義が個人名義よりも屋号名義の方が相手に与える印象がよいです。取引先にきちんと事業としてやっているんだな、ということをわかってもらえる意味でも、屋号名義の口座を開設したほうが信用度も高まるでしょう。通帳はあり?なし?屋号名義の口座を開設する際、金融機関によっては通帳がないタイプのものとあるタイプのものがあり、迷うことがあります。どちらにするかは好みによりますが、基本的には通帳なしタイプの方がおすすめです。通帳がないタイプでも、ウェブ上で入出金記録を簡単に閲覧できますし振込も簡単です。昔のように通帳と印鑑を銀行に持参して手続きをする機会はほとんどなくなりましたので、管理・保管が大変な通帳をわざわざ作らない方がリスク管理になります。通帳がなくてもウェブ上から入出金記録を出力して印刷することも可能なので記帳に問題はありませんし、最近の会計ソフトであれば直接データを連動させて自動的に記帳することも可能です。なお、通帳はなくてもキャッシュカードは通常通り発行されますので問題ありません。屋号口座を開設する際の注意点屋号名義の口座を開設する場合、どこでも好きな銀行で開設できるわけではありません。基本的に事務所の所在地を管轄している支店の金融機関でないと申し込みを受けてもらえないことが多いです。例えば自宅で事業を営んでいる場合、自宅周辺にある金融機関でしか屋号名義の口座が開設できない可能性が高いです。そのため、希望する金融機関があったとしても、必ずそこで口座が開設できるとは限りません。まずは事務所周辺の金融機関を検索して調べたうえで、屋号名義の口座開設が可能かどうか一件ずつ確認していくことになります。おすすめの金融機関は?屋号名義の口座を開設するのにおすすめなのは、実体店舗を持たないネット銀行系です。ネット銀行系は手続きをすべてオンラインと郵送だけで完結できるため非常に簡単に屋号名義の口座を開設できます。例えば楽天銀行のビジネス口座であれば、個人名義の口座を持っている場合、以下のいずれかを郵送で提出することで屋号名義の口座を開設することができます。個人事業開業届個人事業主開始申告書上記は個人事業を始める際に最初に提出するものなので、簡単に手に入ります。またスマホ上でも簡単に決済できますので、迷っている方はネット銀行で屋号名義の口座を開設してみてはいかがでしょうか。口座はいつ開設するのがベスト?屋号名義の口座を作るとして、どのタイミングで作るのがベストなのでしょうか。ネット銀行系であれば比較的審査が緩めなので、開業前で実績がない状態でも開業届を提出していれば開設することが可能です。対して、都市銀行系などはある程度の営業実態がないと開設できない場合もあるので、まずは取り急ぎ細かな書類が不要なケースが多いネット銀行系で口座を開設しておいて、その後必要に応じて都市銀行系も開設して変更するといった形がよいと思います。個人事業主の銀行口座の開設方法に関するまとめ今回は個人事業主の方向けに、屋号名義の口座開設方法について開設してきました。屋号名義の口座を持つと事業を始めたという気持ちが強く持てるため、できることなら開設することをおすすめしますが、個人名義の口座よりも開設するためのハードルが若干高くなります。現金決済ではなく取引先から振込で報酬を受け取る業態については、個人口座と屋号口座では相手に与える印象や安心感が変わってきますので、長い目で見ればできる限り屋号名義の口座を開設したほうがよいでしょう。ネット銀行系なら比較的簡単に開設できるケースもあるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
2020年03月30日個人事業主の方が効果的に節税するためには、計上可能な経費を漏れなく計上することがとても重要になります。中でも車に関係する経費については、他の経費に比べて高額になる傾向があるので、認められる範囲内できっちり計上することが大切です。そこで本記事では、個人事業主の方が経費として計上できるもののうち車に関係する経費について詳しく解説します。個人事業主で車を購入するケースネットを活用して自宅で事業を展開する個人事業主の方が増えていますが、中には事業に車を使用するケースもあるかと思います。例えば、営業で外回りをするために車を購入するケースもあるでしょう。基本的に事業のためだけに車を使用する場合は、ある程度経費として認められる可能性が高いですが、私用でも車を利用する場合については注意が必要です。経費として認められるのは、あくまで事業のために直接使用している部分だけなので、車を私用でも使う場合については部分的に経費として認められなくなる可能性があります。車の名義はどうなる?経費として計上するとなると気になるのが車の名義です。例えば法人が車を保有するとなれば法人名義で購入するのが通常ですが、個人事業主の場合は店舗名や事業所名で購入することはできるのでしょうか。結論からいうと、個人事業主の方が車を購入する場合の名義は、その方の個人名義になります。店舗名や事業所名などのいわゆる屋号については、株式会社のように法人格がないので、権利を帰属させることができないからです。よって、個人事業主が車を購入する場合は普通に自家用車を購入する場合と同じで個人名義になります。ただ、個人名義だからといって経費にできないわけではありませんのでご安心ください。計算上経費にできる費用車に関連して発生する費用には様々なものがありますが、個人事業主の経費として計上できる可能性があるものとしては次の通りです。税金関係自動車税、軽自動車税、自動車重量税、自動車取得税など車を保有することでかかる税金については、経費として計上することが可能です。かかるタイミングが決まっているので、ある程度経費として先読みできる点がメリットといえます。自賠責保険・任意保険など強制加入が義務付けられている自賠責保険、任意保険(車両保険、人身傷害、弁護士特約など)の保険料も経費として認められます。保険の名義も車と同様に屋号で加入することはできませんが、個人名で加入している保険料でも、経費として計上することが可能です。車両維持費車両を維持していくためにかかるメンテナンス費用で、主に次のような費用が経費として認められます。洗車費用車検費用ガソリン代オイル交換台ブレーキパッド交換タイヤ交換、保管代点検費用その他修理費用駐車場代交通費高速道路料金やETC、そのほか駐車料金なども事業のための利用であれば経費として認められます。ただし、いつ、どこへ、なんの目的で行ったかなどについては記録に残しておくことが大切です。ローン金利ローンを組んで車を購入した場合は、金融機関に支払う利息も経費として計上することが可能です。このように、車に関連して計上できる経費は多岐にわたります。車の減価償却費について車の経費の中で忘れてはならないのが、減価償却費です。減価償却費とは物の劣化代のことで、車などの高額資産については、購入した代金を一括で経費として計上するのではなく、使用年数に応じて毎年一定額を経費化していきます。車の主な減価償却期間は次の通りです。普通車:6年軽自動車:4年ダンプ以外のトラック:5年ダンプのトラック:4年例えば新車で300万円の普通車を購入した場合、1年あたり50万円を減価償却費として計上することができます。どこまでが減価償却の対象?減価償却費は車に関連する経費の中で最も高額になる可能性が高いので、計算する際には間違えないよう注意が必要です。車を購入する際には車両本体料金以外にも様々な費用が掛かりますが、減価償却に含む費用としては次のようになります。車両本体料金カーナビETCスタッドレスタイヤその他オプション納車にかかる費用反対に、以下の費用については購入時に支払った費用だとしても減価償却には含めず、個別に経費化します。自動車税、自動車取得税、自動車重量税自賠責保険料登録費用、代行費用車庫証明の取得にかかる費用なお、リサイクル料金を支払った場合は、すぐに経費化するのではなく車を将来的に売却または廃車にする際に経費として計上するため、それまでは預託金として仕訳をして確定申告をします。中古車の減価償却車を中古で購入した場合は、減価償却期間がその分短くなります。中古車の耐用年数(減価償却期間)は、次のように計算します。中古車の耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2よって、普通車で6年以上型落ちしている車でも最低2年で減価償却することになります。中古車は短期償却が可能このように新車であれば6年かけて減価償却するところ、中古車であれば最短2年でスピード償却ができるので、売上が伸びていて急遽経費が欲しい場合は、高額な新車を買うよりも中古車を買った方が一度に大きく減価償却費を計上できるため有利です。例えば300万円の新車だと年間で50万円しか減価償却費として計上できませんが、6年落ちの中古車で200万円であれば倍の100万円を減価償却費として計上できますので、節税対策で経費を計上したい場合には注意しましょう。カーリースを利用した場合最近ではマイカーリースやカーシェアなど車を保有しないケースもあるかと思います。これらのサービスを利用した場合は、リース料金などをそのまま経費として計上することが可能です。ある意味減価償却費を計上しているのと同じような感じになるので、マイカーにこだわらなければリースやカーシェアを活用することも一つの方法となるでしょう。[adsense_middle]私用でも車を使う場合の按分割合個人事業主で車を保有する人の中には、個人事業だけではなく私用としても使うというケースは多いのではないでしょうか。例えば、普段は子供の送り迎えなどに車を使っていて、週末だけ事業で使っている場合や、反対に平日は配送の仕事で車を使って、週末は家族で遊びに行くために使うなど、仕事と私用の両方で使うケースは意外と多いと思います。ではこのような場合、どこまで経費として計上することが可能なのでしょうか。経費の分け方車を仕事と私用の両方に使っている場合は、仕事として使っている割合と私用として使っている割合を合理的な考えに基づいて按分して、それを経費に当てはめて計算することになります。例えば、週7日のうち4日を仕事で使用している場合、かかった費用のうち4/7を経費として計上することが可能です。また、明確に使用している日数を割り出すことが難しい場合は、およそ半分程度としてかかった費用の半分を経費として計上することもできます。絶対にこう計算しなければならない、という決まりはありませんが、使用した日数・時間などに応じて合理的に説明がつくやり方で按分計算することがとても重要です。実際は私用でしか使っていない車を個人事業主の経費として計上しようとする人が時々いますが、実態を調査されるとバレて修正申告することになる可能性がありますので絶対にやめましょう。按分計算しなくていい経費車に関係する費用でも、次の費用については私用と仕事用で按分計算する必要はありません。駐車料金高速道路代また、駐車場の料金についても店舗専用の駐車場がある場合などについては、全額を経費として計上することも可能です。自宅の駐車場代については、按分計算が必要になります。仕訳の仕方について私用と自営業どちらでも使用する車の場合、費用の仕訳はどのようにしたらよいのでしょうか。基本的に、事業と私用の支出が混ざっている場合は家事関連費に仕訳をします。按分計算した費用については、家事関連費に仕訳をして所得税を計算しましょう。経費として認められにくい車とは私もこれまで車に関係する費用を経費として計上した経験がありますが、その際に税理士から注意をされたのが車の車種です。例えば、軽自動車については比較的営業車両的なイメージが強く、維持費が安いことから経費として認められやすい傾向があるのですが、外車などについては税務署から私用との指摘を受けやすくなるため注意がいるそうです。特に危ないのがベンツです。ベンツは税務署の印象として事業用というイメージが薄く、本人の私用であるという認識があるようなので、個人事業用の車として確定申告しても否定される可能性がありそうです。ただ、BMWは意外と認められるそうで、外車によっても税務署の受ける印象が違います。ベンツというと高額なイメージがありますが、最近では中古で新車の軽自動車以下の金額でも購入できるので、一概にそうとは言い切れないと思います。とはいえ税務署的にはベンツはNGが出やすいそうなので気をつけましょう。また車の台数が多い場合も、必要性も含めて指摘を受けますので注意が必要です。自家用車のほかに仕事用で複数台車を所有する場合は、具体的に複数台必要になる理由について説明できるようにしておきましょう。個人事業主の車に関係する経費に関するまとめ今回は個人事業主の車に関係する経費の計上の仕方について詳しく解説してきました。車は個人事業で扱うものの中でも比較的高額な経費を生み出すので、正しく計上して税金を圧縮することが大切です。ただ、私用でも使っている場合については必ず按分計算して必要な割合だけを経費にする必要があります。按分の仕方については、絶対的な決まりはありませんので、合理的な説明ができる方法で割合を決めることが重要です。税金を得するために、私用の車を全額経費にすると税務調査の対象になる可能性があるため注意しましょう。
2020年03月28日自分自身で自営業を営んでいる方を一般的に個人事業主といいますが、最近ではフリーランスという言葉もよく耳にします。個人事業主をかっこよく表した言葉と思っている人もいるかもしれませんが、実は個人事業主とフリーランスは微妙に意味が異なるのです。そこで今回は、個人事業主とフリーランスの違いについて細かく解説したいと思います。フリーランスの定義とは?最近よく耳にするフリーランス、響きは個人事業主よりもおしゃれだからこっちの呼び方で名乗っているという人もいるのではないでしょうか。フリーランスとは簡単にいうと、どこの企業や団体にも所属していない人のことをいいます。例えば、サラリーマンは会社に雇用されて仕事をしていますので、当然ながらフリーランスではありません。また、派遣社員は派遣元に雇用されていますし、アルバイトもバイト先に雇用されているのでフリーランスには該当しません。フリーランスは個別の案件ごとに企業などと契約を結んで仕事をして報酬を受け取る形態で、雇用契約ではなく業務委託や請負といった形態をとります。仕事をする上での双方のメリットフリーランスの働き方は自分次第で企業などに拘束されないので、仕事さえきちんと完成させられれば、基本的にはやり方は自由です。そのため、うまくスケジュールを組んで効率的に仕事をしていけば、サラリーマンよりも多くの報酬を受け取ることも十分可能になります。一方仕事を発注する企業としては、雇用契約を結ぶ必要がないので人を雇うというリスクがありません。プロジェクトの進行状況に合わせて、柔軟に予算を調整できるのでとても重宝します。また、スキルが高い人が多いので、社内で雇用して一から教育するよりもスキルレベルの高いフリーランスの人に外注したほうが、クオリティが高まるのです。個人事業主との意味の違いとはフリーで仕事をするという働き方であるフリーランスに対し、個人事業主も企業に所属しないということについては同じです。ですが、フリーランスのように自分のスキルを活かしてフリーで仕事をするというよりは、法人格ではないものの個人で独立して事業を営むことで、店舗や個人商店、事務所などを構えて営業しているケースもあります。つまり個人事業主とは会社に雇用されていないフリーランスのうち、法人化せずに事業を営んでいる人のことをいうのです。個人事業主は事業を運営するのにあたり、従業員を雇用することも可能ですし、屋号で開業届を役所に提出することも可能です。このようにフリーランスとは働き方のうち企業に所属せずに仕事をしている人のことをいい、個人事業主はその中でもより法人に近い形で事業を行っている人というイメージです。起業する方法と税金の違いフリーランスも個人事業主も税務上の取り扱いは同じなので、基本的にどちらの場合も個人事業主として確定申告する必要があります。基本的には税務署に対して開業届を提出したうえで、毎年1月1日から12月31日までに生じた所得について、翌年の2月中旬から3月中旬の間に確定申告をします。このようにどちらの場合も税務上は同じ手続きが必要です。課税される税金についても、所得税や個人事業税など基本的には同じになりますし、どちらの場合も青色申告と白色申告を選択することができます。フリーランスの一般的なイメージ会社に雇用されていないという意味では個人事業主と同じですが、フリーランスという働き方からくる一般的なイメージというと、飲食店の経営というよりは、パソコンやインターネットを活用して依頼を受ける、次のような仕事をしている人のイメージがあります。コピーライターイラストレータープログラマーシステムエンジニア作曲家映像クリエイター編集者このように基本的にはパソコンとインターネット環境だけあれば仕事が完結するような職種が、比較的フリーランスと呼ばれる人たちが行っている仕事です。非常に専門性が高く、企業に所属していなくても自らのスキルが高ければ、それなりに多くの仕事を受注することができます。自ら仕事を作るというよりも、企業からの案件を受けて仕事をすることがほとんどです。個人事業主の一般的なイメージ個人事業主というと、フリーランスのようなIT関連の仕事ばかりではなく、飲食店や事務所など様々な業種がイメージされます。フリーランスとの一番の違いは、個人事業主自らが企画やプロジェクトを発足するなどして仕事を作り出していることでしょう。仕事を受注することがメインのフリーランスに対し、個人事業主は会社経営に近い一定の組織力があるので、自らが動いて仕事を作り出すこともできるのです。そしてその力が強い個人事業主は、やがて法人化していく傾向があります。このように個人事業主は株式会社の一歩手前の状態と考えるとイメージしやすいでしょう。対してフリーランスの場合は法人化を目指しているというよりは、フリーランスという働き方に重きを置いているというイメージがあります。副業としてフリーランスを始める人が増えている働き方改革が叫ばれる中、多くの企業が原則副業禁止の就業規則から原則OKの就業規則に改定しつつあります。そんな中注目されているのが、フリーランスによる副業です。日中会社で仕事をしている人にとって、自由に使える時間は限られています。その限られた時間の中で副業をするためには、できるだけ自宅でも仕事ができるフリーランスが向いているのです。日中時間がとれなくても、仕事が終わって帰宅してからや休みの日などの時間を活用して自宅で作業することで、一定の収入を得ることができるフリーランスは、働き方改革の中で人口がどんどん増えています。[adsense_middle]副業としてのフリーランスの始め方以前はフリーランスを始めたくても、ある程度のコネクションがなければ仕事を新規で受注することができませんでした。ところが最近では、クラウドワークスやランサーズといったフリーランスに仕事を紹介して仲介してくれるサービスを利用することで、誰でもスキルさえあれば簡単にフリーランスになれます。報酬の支払い関係もすべて管理してくれるので、仕事を納品したのに報酬が支払われないというトラブルもありません。また、サイト側で源泉徴収をしてくれる場合もあるので、確定申告が苦手なサラリーマンでも気軽に利用することが可能です。主婦におすすめのフリーランス私も仕事でフリーランスの方に仕事を発注することがあるのですが、そこで感じることは主婦の方にもっとフリーランスを知ってほしいということです。というのも、主婦の方の中には仕事に関して非常に高いスキルを持っているのに、結婚して子供が生まれたことで仕事ができなくなっているケースが非常に多く、もったいない状況になっています。主婦の方の仕事というとパートというイメージがありますが、パートだと子供と接する時間が制限されることから、多くの制約がかかります。最近では待機児童の問題もあるため、子供を預けたくても預けられない人が増えていてパートで仕事をできないケースも少なくありません。そんな場合にフリーランスを利用してもらえれば、もともと仕事のスキルは高い方が多いので場合によってはパートで働く以上に稼げる可能性もあります。もちろん自宅に居ながら仕事ができるので、子育て中のママさんでも安心して仕事ができます。何より、自分のペースに合わせて仕事ができる点が大きな魅力といえるでしょう。フリーターとの違いとは会社に所属していないという意味ではフリーターも同じですが、フリーターは基本的にアルバイトとして組織に雇用されているため、基本的にはフリーランスとは働き方が全く異なります。フリーターのメリットフリーターは企業側に雇用されているため、いきなり仕事がなくなるという心配はありません。1ヶ月前に通知されれば退職になる可能性はありますが、それでもいきなり明日から仕事がなくなるということはありませんし、雇用保険である程度は守られます。ただ、最近のコロナウイルスのように緊急事態が発生するとシフトが減らされるなどして収入が減ることはあるので、完全に安定しているとはいえません。フリーランスのメリットフリーランスはフリーターのように雇用されているわけではないため、基本的に仕事のスケジュールは自分の好きなように組み立てることが可能です。また報酬額についても、一定のスキルがあればそれなりに高額になってくるというメリットもあります。ただし、フリーランスは仕事の保証がないので企業側からの発注がなくなれば突然収入が途絶えることも覚悟しなければなりません。フリーランスや個人事業主で成功するためのポイントフリーランスも個人事業主も会社という組織に属していないため、いかにして収入を安定させるかが開業当初の当面のテーマとなります。そんな中重要なことは、できるだけ取引先、発注先となる企業の数を増やすということです。一社の下請け工場のようなやり方をしていると、万が一そこからの発注が途絶えたときにいきなり収入がゼロになってしまう可能性があります。いくら大口の取引先があったとしても、フリーランスや個人事業主としてリスク管理するためには、ある程度の取引先を同時に抱えて収入を安定させることを第一に考えた方がよいでしょう。個人事業主とフリーランスの違いに関するまとめ今回は個人事業主とフリーランスの違いについて詳しく解説してきました。どちらも視点が違うので、同じ土俵で比較することは難しいですが、どちらも会社に属していないという点では共通しています。今後副業を容認する会社が増えていけば、個人事業主よりも気楽に始められてほとんどリスクもないフリーランスで仕事をする人は増えていくでしょう。また、そんなスキルの高いフリーランスに仕事を発注したいという企業も今後は増えていくのではないでしょうか。
2020年03月25日ネット通販やyoutuberなど誰でも手軽に個人事業が開業できるようになった昨今ですが、確定申告の時期になると思った以上に税金がかかることに驚く人がたくさんいます。法人の節税対策についてはさまざまな記事がありますが、個人事業についてはあまり言及されていないことが多いため、どうしていいかわからずお困りの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、個人事業主の節税対策にフォーカスして解説したいと思います。個人事業主が節税対策すべき税金個人事業主の節税を考える前に、まずは個人事業主に課税される税金の種類についておさらいしていきましょう。個人事業主として開業すると、主に以下の税金が課税されます。所得税消費税住民税個人事業税この中でも今回は事前対策による節税効果が高い所得税について解説していきたいと思います。個人と法人を比較した場合の所得税のメリット、デメリット所得税とは売上から経費を差し引いた利益に対して課税される税金で、法人でいうところの法人税にあたる税金です。1年分の利益に対してまとめて課税されるため、個人事業主であれば個人のさじ加減である程度の微調整はしやすいというメリットがあります。ただ、個人と法人で決定的に違うのが経費の取り扱いです。個人事業は利益から控除できる経費が少ない法人の節税というと経費を計上するというイメージがあるかと思います。個人事業主の場合も基本的には同じですが、経費として計上できる幅が法人の時と比べると格段に狭くなります。法人の場合は基本的に法人の事業活動において支出した費用すべてが経費の対象となるのに対し、個人事業主の場合は事業で収入を得るために直接的に必要な費用に限られるのです。そのため片っ端から領収書を切っていても、経費として計上できないものも数多くあるということです。では具体的にどのような費用であれば経費として認められるのでしょうか。個人事業主で経費として認められる範囲次の支出については、個人事業主の経費として収入から差し引くことができます。従業員の給料仕入れ費用通信関係費家賃水道光熱費保険料消耗品費減価償却費[adsense_middle]従業員の給料従業員を雇用している場合は、従業員に対して支払う給料について経費として計上することが可能です。ただし、配偶者や親族などに支払った給料については一定の条件を満たさないと経費として認められません。詳しくは、青色申告の部分で解説します。仕入れ費用ネット通販などを行っている場合は、商品の仕入れのために支払った費用が経費として計上できます。このほか飲食店で個人事業主を営んでいる場合も、材料費は経費として計上することが可能です。通信関係費インターネット回線使用料、プロバイダ料金、電話料金、携帯電話料金など事業に欠かせない通信関係の費用は経費として計上することが可能です。ただし、個人の携帯と事業用の携帯を別で所有していない場合には、すべての料金を経費にできない可能性があります。詳しくは後程解説します。家賃事務所や店舗を借りて営業している場合は、家賃自体が経費になります。ただし、居住部分も含んで賃貸している場合は、事業として使用している部分しか認められないため注意が必要です。水道光熱費事務所や店舗の水道光熱費も経費として計上できます。ただし、自宅で開業している場合については、私用と明確に区別する必要性が出てくるため注意が必要です。かかった費用全額を経費として計上すると、一部を税務署から否定される可能性があります。保険料事業のために支出した保険料は、経費として計上できます。例えば次のようなケースが考えられます。不動産投資をしていて、保有しているアパートに火災保険をかけて保険料を支払っている場合自営業で外回り営業をする際に使用している車両にかかる保険料を支払っているこれらの保険料は、個人事業主の経費として計上することが可能です。特に火災保険料については、経費として計上することを忘れている大家さんが多い傾向があります。火災保険に加入しておけば、経費として節税効果があるだけでなく、火災や台風などで建物が損傷した場合にも保険金が支払われるので思わぬ出費を回避することが可能です。また、古いアパートを保有している方は自然災害以外に給排水管の老朽化などで水漏れを起こすことがあり、賃借人から賠償請求されることも少なくありません。賃貸業をしている方で火災保険にまだ加入していないという方は、ぜひこれを機会に加入を検討することをおすすめします。消耗品費ボールペンやホッチキスなどの事務用品も、事業に使用するものについては経費として計上することができます。ただし、高額なものについては次の減価償却費で計上します。減価償却費購入価格が10万円以上のものや、使用期間が1年以上になるものについては、消耗品ではなく減価償却費として経費にできます。ただし、減価償却費の場合は一括で全額を経費化するわけではなく、耐用年数に応じて分割して経費化していくことになるため注意が必要です。パソコンはどっち?事業でパソコンを購入した場合、普通に考えれば消耗品ではないので固定資産として減価償却費で計上することになります。ただし、中古パソコンで8万円で購入したとすると、10万円未満なので消耗品として一度に経費にすることが可能です。青色申告をすると特例がある個人事業主で青色申告していると、30万円未満のものについては減価償却で少しずつ経費にするのではなく一度に償却することも可能になります。この特例を少額減価償却資産の特例といい、合計300万円を上限として一括で経費にできるのです。なお、通常通り耐用年数に従って減価償却費として経費にしていくこともできます。個人事業主が経費を使って節税する方法と注意点個人事業主も法人の場合と同様に、経費を漏れなく計上することで利益を圧縮して節税につなげることが可能です。ただし、個人事業主の場合は冒頭でお話した通り経費として計上できる範囲が狭いので、あまりやりすぎると税務調査の対象となる可能性があるため注意しなければなりません。私用との区別が大切個人事業主の方が節税対策をすると陥りがちなのが、個人用の支出との混同です。これは自宅で開業している方によくある傾向で、次のような事業を自宅で営んでいる方は注意が必要です。ネット通販youtuberライターイラストレーター動画編集これらの事業を自宅で営んでいる場合、次の経費について計上する際に事業用との明確な仕分けが必要になります。水道光熱費事業として使用している時間帯をある程度特定して、個人が通常の生活で使用している部分との割合を按分計算などして算出しましょう。家賃個人事業として使用している住居内の床面積の割合に応じて家賃を按分計算します。また、居住用で借りている場合は消費税非課税ですが、事務所として借りている場合は家賃に消費税が課税されますので、按分計算する際には注意が必要です。明確に区別することが難しい場合は、一度税理士に相談することをおすすめします。自動車の保険関係事業として使用している割合を、使用している時間などから割り出して按分計算します。自動車関係については、保険料以外にも税金や駐車場代、高速道路代などさまざまな関係費があり、本当はただの自家用車なのに個人事業主の経費として計上している人もいるようですが、これは大変危険な行為です。自動車関係の支出については、車両を使用した記録をつけるなどして事業用であることを証明できるようにしておきましょう。また、車種についても税務署から指摘を受けることがあります。以前に私が相談を受けた案件で、飲食店の営業車でベンツを使用しているというケースがりました。ベンツなどの高級車を事業用で経費にする場合は、税務署から指摘を受ける可能性が高いです。対して、軽自動車や軽トラックなどは比較的認められやすい傾向があります。電話料金通話明細を取り寄せて1件ずつ個人の電話か事業の電話かを仕分けします。ただ、最近は通話料が定額の料金プランが多いので、使用頻度などに応じて按分して分けることもあります。詳しくは税理士に確認してから経費にした方がよいでしょう。個人事業主の経費以外の節税方法個人事業主が経費計上以外で節税対策を考える場合、絶対に外せないのが青色申告です。青色申告とは確定申告の方法の1つで、複式簿記による帳簿をつけることで10万円、55万円、65万円のうちいずれかの控除が受けられます。(2020年度分より)青色申告承認申請書を税務署に提出することで、まず10万円の控除が使えることになります。そこから複式簿記による帳簿を備えることで控除額が55万円にまでアップし、さらに次のいずれかに該当すればさらに10万円プラスして65万円の控除が受けられます。[adsense_middle]青色申告のメリット①電子申告できる確定申告はe-Taxによって電子申告できる確定申告は直接税務署に行って提出する方法以外にも、インターネットを通じて電子申告することも可能です。マイナンバーカードとそこから情報を読み取るICカードリーダライタがあれば、自宅のパソコンから24時間いつでも確定申告ができるので、忙しい個人事業主の方には特におすすめです。電子帳簿を保存する紙ベースの帳簿ではなく、パソコンにデータ保存できる帳簿で保存します。対象となる帳簿は、仕訳帳と総勘定元帳です。それ以外のものや領収書などは、電子データとして保存していなくても今のところは大丈夫のようです。青色申告のメリット②専従者給与家族の給料が経費になる個人事業主の方が青色申告をするもう1つのメリット、それは専従者給与です。(※白色申告でも専従者給与が使えますが、控除額が異なります)そもそも、配偶者に給料を支払ったとしても経費として売上から差し引くことはできません。ところが、青色申告をしていてかつ次の要件を満たしている場合については、配偶者や親族などに支払った給料についても経費として一定額を売上から差し引くことができるのです。専従者に対して給与が支払われている青色申告している個人事業主と生計を共にしている配偶者かその他の親族である12月31日時点で相手が15歳未満ではないその年に6ヶ月以上、青色申告をしている当該個人事業主の営む会社で仕事をしている「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出している届出書の通りに給与が支払われていて、金額も届出書の範囲内である一般常識を考慮して妥当である給与額である経費として認められる金額専従者給与が適用されるとしても、上限なくいくらでも認められるわけではありません。あくまで家族に対して支払う給与になるので、要件にもある通り一般常識を考慮した妥当な範囲に限られます。具体的には月額10万円が1つの目安です。10万円を超えてくると一概にダメというわけではありませんが、どのような業務を行っているのか、税務署から聞き取りされる可能性が出てきます。源泉徴収に注意専従者給与をも源泉徴収の対象となることを忘れてはいけません。月額8万8,000円以上の金額を支払うと、源泉徴収の対象となり所得税がかかってしまうのです。そのため8万8,000円以上の金額を支払う場合は、事前にシミュレーションしてどちらの方が手元に残る金額が多くなるのか確認しましょう。配偶者控除と扶養控除専従者給与を使う際に気をつけなければならないのが、配偶者控除・扶養控除の関係です。配偶者控除や扶養控除を適用している方の場合、専従者給与を支払ってしまうとそれらの適用から除外されてしまいます。例えば配偶者控除から外れてしまうと、年間38万円の配偶者控除が受けられなくなってしまうのです。よって、配偶者に専従者給与を支払う場合は38万円を超えないと損をすることになります。仮に年間で25万円を配偶者に支払ったとすると、差し引き11万円になってしまうので専従者給与よりも配偶者控除のままの方が、節税効果が高くなります。実際、税務署で専従者給与の相談をすると、この件について教えてくれることもあるくらいです。このように選択を間違えると節税対策どころか、かえって税負担が増えてしまうので専従者給与を活用する際には必ず事前にシミュレーションすることをおすすめします。個人事業主の税金対策に関するまとめ今回は個人事業主の節税について解説してきました。経費を使って利益を圧縮する方法は法人と同じですが、個人事業主の場合は認められる範囲が狭いのであまり経費にばかり頼りすぎると、無駄な出費が増えてしまい赤字になってしまう恐れがあります。できれば青色申告などの所得控除を漏れなく活用することで、総合的に所得を減らした方がより高い節税効果が得られるでしょう。
2020年03月23日個人事業主として事業を始めるにあたり、一つの課題となるのが事業資金の調達です。企業であれば銀行融資を利用したり、株式を発行して資金調達したりすることが可能ですが、個人事業主となるとなかなかそうはいきません。そこで今回は、資金調達を検討している個人事業主の方向けに利用できる補助金や助成金制度の種類について解説したいと思います。補助金を活用するメリット補助金というと中小企業の法人が対象というイメージがあるかもしれませんが、要件をよく見ていくと意外と個人事業主が利用できるものもあります。個人事業主は株式を発行することができないので、最初のうちは特に資金調達に苦労するでしょう。そんな時に補助金がもらえたら、スムーズに事業を開始できます。補助金は新規、独立開業資金になる補助金の一番のメリットは、何と言っても返済が不要という点でしょう。銀行融資を受けると当然返済していかなければなりませんが、補助金については返済が不要なのでもらった分だけ事業活動を有利に進められます。特に営業が開始していない独立開業当初については、当面の運転資金として非常に重宝すること間違いないでしょう。リスクを負わずに資金調達できるところが、補助金最大の魅力といえるでしょう。補助金と助成金の違い補助金制度について調べていくと、同じような内容で助成金というものが出てくることがあります。補助金と助成金、どちらも返還不要の資金を出してくれるという意味では同じですが、助成金は要件を満たしていれば原則として支給されるのに対し、補助金については事前に予算が決まっているため、予算を使い果たした場合は条件に該当していても支給を受けられません。補助金の種類と条件個人事業主が利用できる補助金や助成金には様々なものがあり、種類によって条件も異なります。また、補助金制度は時限的なものも多いので、利用できるものが毎年同じとは限りません。ここでは、よくある補助金制度の種類と条件について比較してみました。[adsense_middle]創業事業承継補助金事業を創業する際に利用できる補助金制度で、毎年一定の予算の枠内で複数の経営者に支給されています。具体的な金額は以下の通りです。外部資金調達がない場合:50万円以上100万円以内外部資金調達がある場合:50万円以上200万円以内募集要項には中小企業者と記載されていますが、これに個人事業主も含まれています。従業員数の条件補助金の中には支給条件に従業員数が関係していることがよくあります。これは補助金や助成金制度が、比較的小規模零細企業や事業者を対象としていることから、雇用している従業員数が一定以下であることを支給条件とするケースが多いからです。従業員数の条件は業種によって基準が違うことが多く、一般的には製造業は従業員数が多く、サービス業や小売業は少なめの設定になる傾向があります。海外で起業すると受けられない最近はインターネットさえあればどこでも起業できるので、海外で事業を始める人も少なくありません。ただし、創業事業承継補助金は国内に住んでいて日本で事業を行う人を対象としているので、海外に居住している場合や、海外で事業を起こす場合については利用できません。小規模事業者助成金個人事業主など小規模な事業者が利用できる助成金で、創業してからの事業の発展や維持をするために利用することを目的としています。そもそもこの助成金には、国内の小規模事業をさらに発展させて社会貢献や雇用維持につなげようという狙いがあるので、助成金の支給要件に経営者の年齢も関係してきます。具体的には代表者が60歳以上である場合は、承継診断票を提出した上で後継者候補が中心となる事業計画書などが必要になります。支給される助成金の詳細は以下の通りです。対象:日本の小規模事業者全般補助率:補助対象経費の3分の2以内補助上限額:50万円(500万円:複数の事業者で連携して行う共同事業の場合のみ)テレワーク助成金コロナウイルスの流行によって一躍話題沸騰したのがテレワーク助成金です。テレワークとは職場という場所にこだわらず、在宅などでも勤務を可能とする勤務形態のことで、コロナウイルス対策の一環として多くの企業が一気にテレワークの導入と実施へと舵を切りました。そこで注目されたのが、東京都などが実施している事業継続緊急対策助成金、通称テレワーク助成金です。助成金の上限:250万円助成率:100%助成金の対象となる費用テレワーク助成金最大の特徴は、助成対象となる費用の広さにあります。テレワーク助成金は、主に次のような費用を対象に助成金が支給されます。機器購入費用テレワークを実施するために必要となる、パソコンやタブレット、スマホ、外付けハードディスク、ルーター、ウイルス対策ソフト、サーバ、ビジネスチャットなど非常に幅広い範囲で認められます。中でも珍しいのがパソコンやタブレットの購入です。他の助成金では、パソコン本体やタブレットなどの購入費用そのものの購入費用に対して助成金が出るということは非常に少ない傾向にあります。個人事業主の中には、パソコンなどの設備機器が十分揃っていないところも多いと思いますので、これを機会にテレワーク補助金を活用するとよいでしょう。リース費用テレワークのための設備購入費用はもちろんの事、それらのリース費用についても同じく助成金の対象となります。社内ネットワークを構築するとなると、かなりまとまったお金が必要になりますので、助成金の上限金額である250万円満額まで使いこなせればかなりの負担軽減となります。クラウドサービスなどテレワークをするにあたって絶対に必要になってくるのが、クラウドサービスの導入です。これまで会社のデータベースは社内のサーバなどで管理していましたが、最近ではグーグルドライブなどネット上の共有サーバにデータを保存して、外出先からもアクセスできるようにする会社が増えてきました。クラウドサービスを上手に活用することで、社内会議や打ち合わせが円滑になるだけではなく、取引先の担当者とクラウドデータを共有することで、より密に連絡が取り合えるとともにお互いの信頼関係の構築に大きく貢献できます。個人事業主は雇用人数に注意テレワーク補助金は個人事業主でも利用することが可能ですが、注意しなければならないのが従業員の人数です。テレワーク補助金の対象となるのは、常時雇用者が2名以上かつ、申請時点で6ヶ月以上は雇用している事業者に限られます。個人事業者の中には、自分一人で起業しているケースや、自分と配偶者だけで営んでいるようなケースも多いので、2名以上という条件は意外とハードルが高いです。もしも個人でネット通販を自分一人でやっているような場合については、助成金の支給対象から外れます。補助金、助成金支給までの流れと注意点このように個人事業主にとって非常に利用価値の高い補助金、助成金ですが、利用するにあたって注意すべきことがあります。それは報告義務です。補助金や助成金は申請書を提出するだけで、すぐに支給されるような甘いものではありません。返済不要ということもあり、利用したい方がとても多いので不正受給を防止して効果を高めることを目的に、補助金支給後の定期報告や結果報告などが義務化されています。例えばテレワーク助成金の場合、助成金を受け取るためには次のようなステップを踏まなければなりません。業者への見積もり依頼助成金申請書の提出審査設備導入上限額の通知助成金支給[adsense_middle]ステップ1:業者への見積もり依頼助成金を申請するためには、助成してもらう対象となるテレワークの導入費用の見積もりが必要になります。そこで、テレワークを導入するための費用の見積もりを業者に依頼し見積書を手に入れます。ステップ2:助成金申請書の提出見積書の内容を踏まえて、助成金申請書を作成します。申請書を作成する際のポイントは、事実を間違いなく記載するということです。実は助成金からみのご相談が最近増えているのですが、皆さん一様にこのように聞いてこられます。「どうすれば助成金を貰いやすくできますか」要するに、助成金の対象者に選定されるためには、どのように事業計画書や申請書をかけばよいのでしょうかという問題です。基本的に助成金は要件に適合していれば助成を受けられるのですが、テレワーク助成金のように実際に支出する費用に対して助成金が出るものについては、申請の段階で100万円の見積書を提出したとしても、50万円までしか認められないというケースが出てきます。ステップ3:審査どこまでがテレワーク助成金の適用範囲なのかという問題なのですが、業者によっては今回の助成金制度を利用して、テレワークとは直接関係のない設備投資についても見積書に盛り込んでくるケースがあるのです。申請する会社としても、できるだけ助成を受けられる金額を増やしたいので、平たく言うと「うまく誤魔化せそうな申請書や見積書の書き方を知りたい」ということなのですが、当然のことながら嘘は絶対にいけません。これは法的な観点からも不正受給に該当します。また、補助金や助成金は不正受給を防ぐために、必ず結果報告の提出が必要になっています。つまり、申請書通りにものを買って事業を行っているのかどうかまで、追って確認をしてくるということです。ステップ4:上限額の通知申請した金額に対して、助成金が認められる限度額の通知がされます。ただこの段階ではまだ助成金は入金されません。あくまで、支給される上限額が明確になるだけなので、それを受けて実際に設備を導入するかを決断します。ステップ5:設備導入実費でテレワーク設備を導入して、その結果を報告書として提出します。見積書と内容が変わってくると、事前に通知されている上限額を下回る可能性がありますので注意が必要です。ステップ6:助成金支給結果報告書を提出して、予定通りの導入がされていることが確認されると助成金が振り込まれてきます。助成金によっては前払いのものもありますが、基本的には先に事業主側で支出することになるものが多い傾向です。助成金、補助金を利用する際の効果報告の注意点助成金や補助金には様々なものがあり、支給要件もものによって大きく異なります。中でも、オフィスインフラ関係の助成金、補助金制度には注意が必要です。例えばIT導入補助金が最近話題となっていて、補助額が上限450万円と高額なため利用希望者が多いようです。テレワークのように導入後簡単な報告をすれば済むのであればよいのですが、IT導入補助金の効果報告は細かな指標まで示して効果を報告しなければならないので、報告書の作成にかなりの労力を費やすことになります。そのため、自営業で従業員が少ない場合は補助金が逆に負担になってしまうこともあるのです。補助金や助成金を申請する際には、後でどのような結果報告が求められるのかについて、よく調べておくことをおすすめします。助成金とハローワークの関係助成金を検索すると支給要件の中にハローワークの利用が盛り込まれているケースをよく見かけます。そもそも助成金や補助金は、受給する個人事業主や企業があらゆる法令を遵守していることが前提となっていますが、それ以外にもできるだけ公的機関のサービスを利用することが条件に盛り込まれているケースがあります。ハローワークもその一例で、ハローワークを通じで人を雇用することが助成金支給の条件になっていることがあるのです。例えば次の助成金については、ハローワークの利用が条件となっています。特定就職困難者雇用開発助成金地域雇用開発助成金障害者職場定着支援奨励金トライアル雇用奨励金これらの助成金等はハローワークを利用して雇用した場合に利用が可能で、申請窓口もハローワークになっています。個人事業主の方でも他の要件に該当すれば利用できますので、今後求人を検討している方はハローワークを利用するのも一つの手です。個人事業主向けの助成金に関するまとめ個人事業主にとって補助金や助成金は効果的な資金調達方法なので、要件に当てはまるものは積極的に利用することをおすすめします。ただし、利用した後は必ず結果報告を求められますので、どこまでの報告義務があるのかも含めて確認することが大切です。すでに導入を検討しているものに補助金が使える可能性があるかもしれませんので、ぜひ一度調べてみてはいかがでしょうか。
2020年03月22日企業が副業を禁止する時代から、副業を認め社員のスキルアップに繋げる時代に移行した昨今、個人事業主から将来的に法人化を検討する人も増えてきました。そんな中、いつ、どのタイミングで法人化するのが妥当な選択肢なのかというご相談をよくいただくことがあるので、今回は個人でやっている事業を法人化することのメリットや条件などについて詳しく解説したいと思います。【個人と法人の違い①】法人化のメリットから比較個人事業主の方の中には漠然と法人化を目標としているケースがありますが、そもそも個人と法人では具体的に何が変わってくるかご存知でしょうか?節税対策になることは何となく聞いているけど、それ以外のことはあまりよくわかっていないという方のために、それぞれの違いについて簡単に触れていきたいと思います。法人のメリット1:税金のかかり方が違う個人と法人で最も違う点、それは税金のかかり方です。個人事業主の場合、事業主とはいえ基本的には個人の所得に対して所得税がかかってくるため、稼げば稼ぐほど税率が上昇していき納税する税金も増えていきます。対して法人の場合は個人とは別人格となるので、一旦法人で利益を出した上で個人に所得を分配する形となります。そのため、個人事業主に比べると家族などに所得を分配することで課税される税率を低く抑えられ、最終的に納税する税金を低く抑えることができるのです。必要費用にできる範囲が異なる所得税の節税については、売上から差し引くことができる経費の幅が非常に大きな影響をもたらします。個人事業主については、あくまでその事業のために支出した経費に限定されるので、必要経費にできる範囲が狭く所得が高くなる傾向にあります。法人の場合は、原則として法人の活動におけるすべての支出が経費にできるので、個人事業主の時に比べると必要経費の範囲が増えて節税することが可能です。法人のメリット2:社会的な信用法人化というと節税のことばかり考えがちですが、本来法人化する目的は事業規模の拡大にあるはずです。例えば複数の会社と取引をするような事業の場合、個人事業主よりも法人化することで社会的信用度が高まるため、取引先の拡大につながるというメリットがあります。特に名の知れている大きな会社については、法人でないと取引の承認が下りないこともあるので、会社を作ることでビジネスチャンスが一気に広がるのです。ちなみに、法人化には株式会社の他にも合同会社や合資会社などの方法もありますが、個人事業主から法人化を目指すのであれば圧倒的に株式会社にするべきです。株式会社の社会的な知名度に比べ合同会社や合資会社は知名度が低く、取引先に漠然とした不安感を与えてしまうことが多いので、基本的には株式会社で法人化する方がよいでしょう。人材の確保一人で事業をする場合とは違い、従業員を雇用するとなると個人事業主では規模が小さいと思われがちなので良い人材が集まらない可能性があります。法人化することで世間的に会社として認識されるので、人材募集もしやすくなり確保した人材も定着するようになるのです。法人のメリット3:任意償却ができる法人化すると減価償却の取り扱いが個人事業の時と大きく変わります。例えば不動産投資事業をする場合、アパート経営や不動産投資の経費というと真っ先に出てくるのが減価償却費です。減価償却費とは簡単にいうとものの劣化に対する費用で、アパートの購入金額を法定耐用年数で分割して徐々に経費として計上します。アパート経営の場合、減価償却の対象となるのは建物やその付属設備だけで土地は劣化しないため含まれません。この減価償却費に関する扱いが、個人事業主と法人とで次のように異なります。個人事業主の場合減価償却費については、毎年経費として計上しなければなりません。つまり、経費として計上するかどうかを選ぶことはできず、強制的に計上することになります。法人化した場合減価償却費を計上するかどうかの判断は、会社の任意で決められます。仮に利益が出ている年度であれば減価償却費を計上し、反対に赤字が出ている場合は減価償却費を計上しないという選択も可能なのです。減価償却費事業において非常に大きな経費なので、どのように償却できるのかについては非常に大きなポイントとなります。法人のメリット4:日当で節税できる意外と経費で重要になってくるのが交通費です。例えば、地方の人が東京に出張する場合には、新幹線代などの高額な交通費がかかることがあります。この場合についても、個人事業主と法人とで次のような違いがあります。個人事業主の場合事業に直接関連する交通費であれば、実費を経費として計上することができます。但し、自分に対して遠方へ出張したことに対する手当、つまり日当を支払っても経費にはできません。法人化した場合法人の場合は出張旅費規定などの社内規定を作成することで、日当を支給して経費にすることが可能です。当該規定に基づく日当であれば経費として計上することができるだけでなく、日当は交通費の実費ではなく出張したことに対する手当なので、実費を超えていてもよほど高額な金額でなければ問題なく経費にできます。支給した後の日当については、出張旅費規定に基づいていれば給与として扱われません。よって、所得税や住民税についても日当には課税されないというメリットもあります。このように法人化には大きなメリットがありますが、実はメリットだけではありません。法人化することのデメリットをよく理解していないと、逆に法人化したことで後悔するというケースもあります。【個人と法人の違い②】法人化のデメリットから比較[adsense_middle]会社の維持費がかかる法人化というと会社設立の際にかかる初期費用を心配する人が多いのですが、実は初期費用よりも設立後の維持費の負担の方が大きいという点に注意が必要です。設立費用については一時的な出費なので、事前に準備しておけば対処できますが、ランニングコストについて正しく把握しておかないと、節税効果以上にキャッシュアウトしてしまう可能性も十分ありえます。では、具体的にどのような維持費がかかるのでしょうか。社会保険料の金額法人化すると社会保険に加入しなければならないので、たとえ従業員が自分だけだとしても一定の金額を負担しなければなりません。健康保険料や厚生年金などについては、毎月納付書が送られてくるのでそれなりの負担となります。金額自体は給与の設定金額にもよりますので一概にはいえませんが、個人事業主の時にはなかった出費なので、予め計算に入れておかないとキャッシュフローがきつくなるため注意が必要です。給与コスト法人化することで従業員を雇用すれば、その分給与コストがかかることになります。たとえ従業員が自分だけだとしても、設立当初は何かと出費がかさむので注意が必要です。特に役員報酬を経費にするためには、金額を設定すると1年間は変更できないので設定金額は慎重に決めましょう。税理士報酬の目安個人事業主の時とは違い、法人の決算申告は必要になる書類が多岐にわたるため、経営者自身が自分で経理も兼任して対応することはほぼ不可能になります。そのためほとんどのケースで、法人設立と顧問税理士との顧問契約はセットになることが多いです。中には税理士費用を懸念して、自社で経理部を立ち上げてそこで全て処理しようとするケースもありますが、そうなると余計に給与コストがかかるので、規模が小さいうちはできるだけ税理士に会社の会計部門をアウトソーシングすることをおすすめします。税理士報酬は会社の規模によって異なりますが、最近では記帳代行で月額3万円程度と低価格な税理士法人も増えてきたので法人化を考えている人にとってはありがたいところです。ただ、税理士報酬で注意しなければならないのは毎月の顧問料よりも決算申告の費用です。決算申告費用は20万円以上が一度にかかるため、規模が小さいうちはキャッシュフローを圧迫します。法人の場合はたとえ赤字だったとしても、法人住民税の均等割が課税されるので、利益が出ていなくても資本金が1,000万円以下であれば7万円が課税されてしまいます。そのため決算時期のキャッシュが不足しないよう注意しなければなりません。法人化の条件と方法法人化のメリットとデメリットがわかったところで、具体的にどのような条件が揃ったら法人化すればよいのでしょうか。そもそも、事業拡大を目的として法人化するのであれば特にタイミングを考える必要はないので、今すぐにでも法人化したほうがよいでしょう。検討が必要になるのは、節税を目的に法人化する場合です。先ほども述べた通り、あまり法人化のタイミングが早すぎるとかえって経費がかかりすぎて年収が減ってしまう可能性も十分ありえます。法人化の目安は600万円個人事業主と法人の節税効果の分岐点は、個人と法人で計算方法や税率が異なるため一概にはいえませんが、概ね所得600万円が1つの目安となります。個人の所得税は累進課税で、所得が高くなればなるほど税率の上がり幅が大きくなるのである地点で法人税を逆転することになるのですが、その目安がおよそ600万円なのです。所得の分散で節税効果アップ個人事業主の場合は全て自分の所得になりますが、法人化すれば会社の利益を複数の人間に分散して所得を散らすことができます。所得税は所得が低いほど税率が低いので、自分の家族を従業員にして給与を支給することで、自分一人に所得が集中する時よりも課税される税金を節税することができるのです。例えば、個人事業主で1,000万円の所得がある人が法人化して所得を夫婦で500万円ずつ分けた場合、500万円ずつ分けた方の税率が下がります。給与所得による恩恵個人事業主の場合は事業所得となるものが、法人化した場合は給与所得として扱われます。給与所得は給与所得控除が使えるので、無条件に所得を引き下げて節税する効果があるのです。役員報酬の注意点自分で会社を設立すれば、自分に支給する役員報酬も自由に設定することができますが、これには一定のルールがあるため注意しなければなりません。役員報酬の改定については、決算日から3ヶ月を経過する日までに行わなければならず、毎月同じ金額にする必要があります。これを定期同額給与といいます。また、会社の決算期の途中で役員報酬を増額することも可能ではありますが、増額した部分は経費として認めてもらえないため注意が必要です。役員報酬を自由にいつでも変更できるとすると、会社の利益を見ながら役員報酬を操作して節税できてしまうため、役員報酬や役員賞与は上記のルールに従って設定するようにしましょう。法人化に必要な初期費用とは?株式会社の設立手続きにかかる最低限の費用は、資本金を別にして考えるとズバリ24万円です。思ったよりも安いと思った人もいるかもしれませんが、具体的な内訳について確認してみましょう。[adsense_middle]公証人認証手数料・・・5万円会社に関する基本的な情報を記載した会社定款という書類を作成して、公証役場で認証を受けるためにかかる手数料です。登録免許税・・・15万円会社を設立するためには、法務局で会社の登記申請をする必要があり、この際に登録免許税として15万円かかります。15万円は最低料金で厳密にいうと資本金×7/1000の計算式で登録免許税を算出します。定款の印紙代・・・4万円会社設立の時に作成する会社定款は、課税文書のうち第6号文書に該当するため、原本に4万円の印紙を貼る必要があります。行政書士に定款作成を依頼すると、電子定款といって紙ではなくデータで定款を作成してくれるので定款の印紙代を丸々節約することも可能です。上記をすべてトータルすると、5万円+15万円+4万円=24万円となり、これが株式会社設立時に最低限必要な初期費用となります。この他にも謄本の交付手数料として数千円程度、法人設立に必要な実印などの印鑑作成の実費(1~2万円程度)また、会社設立手続きを司法書士や行政書士に依頼すると、別途業務報酬として数万円程度がかかります。これら以外にも資本金の準備は必要ですが、設立費用だけであれば24万円で法人化できるので規模の小さな個人事業主でもハードルはそんなに高くないといえるでしょう。個人事業主&法人化に関するまとめ個人事業から法人化することで節税になるケースは多いですが、所得が600万円以下のうちは急いで法人化するとかえって年収が減る可能性があります。法人化すると毎月のランニングコストも増えるので焦りは禁物です。節税だけを法人化の目的とするのではなく、自営業からの事業拡大のプロセスとして検討するのが本来のセオリーではないでしょうか。
2020年02月25日老後の資産が心配等の理由から、株式投資を副業として始めてみようとお思いの方は結構多いかと思います。この記事はそういった株式投資を副業で始めたいという方にポイントを絞って解説していきたいと思います。副業禁止のサラリーマンや公務員が株式投資をする事は出来るのかこの記事を読んでいらっしゃる方は会社員、いわゆるサラリーマンの方が多いと思います。日本におけるサラリーマンの割合は8割を超えますので、それも当然ですね。会社員の方が株式投資をするにあたって気になるのは、会社で副業を禁止されている場合ではないでしょうか。副業で株式投資を始めてみようと思ったものの、会社の就業規則に反して本業がおろそかになっては本末転倒になりかねません。そもそも株式投資は副業にはあたらないそもそも株式投資はいわゆる副業にはあたらないと考えられます。法律に副業に関する定義がないので、断言は難しいのですが、以下にその理由となるお話をさせて頂きたいと思います。株式投資は副業というより資産運用株式投資はお金を儲けるという点では副業ともいえますが、副業というよりは資産運用というカテゴリーに属するものでしょう。いくら大きい会社であろうと個人の資産を制限する権利はありませんから、株式投資を禁止するという事はできません。また、世の中には相続等で親の株式を相続されている方もいらっしゃいます。積極的に売買をしていなくても株を所持する事は株式投資です。会社が副業を禁止していたら、株式の相続もできないのでしょうか?そんな事はありません。株式投資は副業とはいえないでしょう。法律上、就業規則で副業そのものを禁止する事は基本出来ない「職業選択の自由」という言葉を聞いたことはないでしょうか?職業選択の自由は憲法で保障されている権利です。学生の時に授業で聞いたことがある人も多いでしょう。そもそも会社の就業規則で副業を禁止していたとしても、就業後の時間で副業する事を禁止するのは憲法・法律違反です。状況にもよりますが、副業を理由に懲戒免職にならない判例が複数出ています。副業禁止のいくつかの注意点とはいえ、副業ならなんでもしていい訳ではありません。念の為いくつかの注意点について触れてみましょう。会社の本業と競合して損害を与えたり、会社の信用を下げる場合副業で疲労してしまって本業に支障が出る場合こういったケースの場合、法律的にも懲戒免職にあたる場合が考えられますが、株式投資がこれらに該当するとは考えられないので、まず問題ないでしょう。公務員が副業で株式投資は可能なのか?公務員の場合、サラリーマンとは違い法律で副業は禁止と明確に定められています。具体的には、国家公務員法103条と104条、地方公務員法38条になります。ただ、これは簡単に言いますと、公務員が他の企業や団体に所属して働く事を禁止しているものですので、やはり株式投資をする事はあてはまらないと言えます。ただ、インサイダー取引防止等の目的で一定の幹部以上に株式投資の「報告」を義務付けているところもあります。報告ですので株式取引の禁止ではありません。公務員の方で、これから株式投資を始めようという方は、一度それとなく規則等を確認してみてはいかがでしょうか。株式投資が禁止されていないとはいえ、報告の手続きを怠ったという理由で上司に目をつけられては良い事はありません。また、一度調べてしまえばすぐ変わるという事もないでしょう。会社にばれたくない。株式投資は会社にばれないのか?とはいえ、会社に株式投資をしている事がばれないで済むのならそれに越した事はないですよね。もし会社に株式投資をしているという事がばれるとしたら、それは恐らく税金関連でしょう。具体的に言いますと、税金の手続き次第では、国から会社に株式投資で得た利益分の住民税が会社に報告される場合があります。会社の経理の人が注意深く見ていれば、同期の同じくらいの収入の方と比べて住民税が多いという事に気付くかも知れないですから、そこからばれる可能性が一番高いでしょう。解決方法とすれば、証券会社の口座を特定口座にする事によって、税金の処理を証券会社内で済ます等があります。実際の方法については後の確定申告の解説でご説明したいと思います。株式投資は副業として向いているのか?株式投資のメリット・デメリットさて、株式投資を副業で行う事が問題ないとわかった所で、そもそも株式投資が副業として向いているのかどうか考えていきましょう。株式投資のメリットはいくつかあります。労働時間やシフトに縛られる事なく自由にできる。スマートフォン等を利用し、どこでも株式投資ができる。経済や金融の勉強になる。株主優待等を利用する事ができる。そしてデメリットとしては以下の様な事が挙げられます。ある程度の元手がいる。リターンばかりではなく、リスクもある。これらについて、ご説明してきたいと思います。[adsense_middle]株式投資のメリット労働時間やシフトに縛られる事なく自由に株取引できるこの記事を読んでいらっしゃる方は、基本的に本業があると仮定してお話をしていきたいと思います。本業がある方は、本業に従事している時間が少なくても約8時間程はあると思います。その間は本業に従事しなくてはいけませんし、またそうするべきでしょう。そうなると、必然的に副業をする時間は業務時間外となり、あまり多くはとれないでしょう。残業があればなおさらです。また、アルバイトともなれば勤め先の要求にもある程度は応えなくてはならず、労働時間やシフトも完全に自分の思い通りという訳にはいかないでしょう。しかし、株式投資を副業でするとなれば、時間に縛られるという事はありません。自分がやりたくない時には全く株式投資をしないという事も可能です。日本の株取引をしている株式市場自体は、通常平日の9時から11時30分と12時30分から15時までです。しかし、株取引の注文は、この時間帯以外に出す事もできるので、全く自由な時間で株式投資を副業として行う事ができます。実際にはその株式を購入するかどうかを検討する事に時間がかかりますが、購入した後は特に手続きもありませんので、実労時間という点でも少なくていいでしょう。スマートフォン等を利用し、どこでも株取引ができる今は、スマートフォンやタブレットや発達したので、スマートフォン等から簡単に株取引をする事ができます。株取引するのは時間としてはあまりかかりません。スマートフォンやPCから行えばものの5分もかからないでしょう。本業の就業時間外はもとより、お昼休み等でスマートフォンを使う事が可能であれば、株取引はもとより、その結果を確認したり分析したりする事も簡単に可能です。私が株式投資を始めた頃は電話で株取引する事が一般的でしたが、今やスマートフォンやタブレットで株取引をする事が多い時代です。経済や金融の勉強になる株式投資を副業で始めるとして、株式の売買を直感やひらめきに頼る人はほとんどいないでしょう。ご自身で調べたり考えたりして株式投資に挑む方が大半かと思いますが、その過程で検討している会社について調べたり、日本全体の景気や金融の制度等について考える事も多いと思います。そういった目的を持って経済や金融の事について調べていけば、自ずと詳しくなり経済や金融の勉強になります。本業にとってもプラスになるという事もあるかもしれません。株主優待等を利用する事ができる株主優待という言葉を聞いた事はないでしょうか?株式投資というと一般的に「配当」という形で株主に対してお金を支払うものですが、株主優待は、株式を一定数保持している株主に自社製品や優待券等をプレゼントして株主に報いる物です。一部では、会社の製品やサービスとまったく関係ないものを株主優待として渡している企業もあります。現金で配当を渡す場合と違い、会社の負担が現金と比べて小さいのか、豪華な株主優待をしている会社もあり、株主優待を現金に換算すると年利10%を超えるような株主優待もあります。株主優待はインターネットを使って簡単に調べる事が可能なので、株主優待を上手く利用して上手に家計をやりくりしている方も多いようです。しかし一方で、まったく利用しないサービスを株主優待として貰っても、使い道がないという方もいます。その辺はよく調べてから株主優待を利用しましょう。株式投資のデメリットある程度の元手がいる株式投資は株を購入しますから、ある程度まとまった現金が必要です。方法によっては1万円ぐらいから始められなくもないですが、少なくても30万円ぐらいは必要でしょう。また、株式投資を始める資金は大いに越したことはありません。株は投資した資金に対して10%とか15%という形でリターンがあるものです。ですから、株式投資の資金はあればある程良いのです。しかし、今持ち合わせがないからといって悲観的になる必要はありません。株式投資は何より勉強と情報収集が大事です。少しずつでもお金を貯めながら、これぞという会社の株が見つかるまで勉強と情報収集をするというのも一つの手段です。リターンばかりではなく、リスクもある。これは誰しもがわかってる事かもしれませんが、株式投資を含む資産運用はリターンとリスクがあります。もっと具体的に言えば、株式に投資した現金が減る可能性があるという事です。しかし、リスクは後述する分散投資をする事や、入念に調べる事で回避ができるものです。とはいえ、株式投資に絶対はありません。無理のない範囲で行うという事も忘れないでおきたいものです。株取引を始めるのに絶対覚えていて欲しい2つのコツ株取引で稼ぐ絶対の方法は無いですが、これだけは忘れて欲しくない2つのポイントがあります。それは、決算書を入念に読む分散投資をするこの2つです。1つずつ解説致します。決算書を入念に読む株式投資を行うにあたっては、投資先の会社の決算書を入念に熟読する事が必要です。決算書には株主に向けて色々な情報が盛り込まれています。いくら儲かったのか、経費はいくらなのか、それはどうしてなのか。人によっては、それは対外向きに良い事を並べているだけと言う人もいます。確かにそうかもしれません。しかし、まずはその対外的に発信している情報すらわからなければ、その会社を理解する事は出来ません。また、その決算書の書いてある事がわからないのであれば、その会社について理解しているとは言えないでしょう。よくわからない事に取り組んで利益を出すという事が可能でしょうか。分散投資をするいくら決算書に書いてある事を熟読し理解したと言っても、株式投資には一定のリスクが伴います。もちろんリスクがあるからこそリターンもあるわけですが、リスクは減らすに越した事はありません。そこで分散投資という物が必要になります。とはいえ、そんなに難しい事ではなく、例えば120万円を株式に投資しようと思ったら、いきなり120万円を使うのではなく月10万円を12回に渡って投資するという方法です。これはドルコスト平均法とも言います。こうする事によって株式の購入価格を平均化する事ができ、極端に高値で株式を購入するリスクを減らす事ができます。いわゆる株取引と他の資産運用の違いいわゆる株取引を始めようと考えている方は、他にもFXや投資信託等、色々な資産運用に興味がある方が多いかと思います。しかし、資産運用は専門用語も多く、難しい言葉も多いです。ここではFXや投資信託等、他の資産運用にはどういったものがあるのか、株取引との比較を元に違いについて解説したいと思います。[adsense_middle]FX(外国為替証拠金取引)FXは正式には、外国為替証拠金取引といい、Foreign=外国の・exchange=両替という意味でFXと呼ばれています。外国のお金を売ったり買ったりして、その差額が利益になります。特徴的なのは、レバレッジをかけて、FXに投資した何倍もの金額を動かす事ができ、そのため利益や損害も大きくなる可能性があります。株取引でも「信用取引」と言い同じような事ができますが、信用取引ではだいたい元手になっている資金のおよそ3倍までです。最大25倍までレバレッジをかけられる事が多いFXはいかにレバレッジが大きいかがよくわかると思います。投資信託投資信託は投資家から募ったお金を金融の専門家等が投資先を決めて運用するものです。専門家に何に投資するか決めて貰うと言えばわかりやすいでしょうか。投資先も株式に限らず国債等の債権であったり、日本の投資信託であっても海外の株式や債券に投資していたりします。メリットとしては、多くの投資家から集めたお金で複数の株式や債券を購入しているので、危険が分散されているという事や、専門家が投資先を決めているという事、海外の株式や債券を個人で購入するより容易である事等が挙げられます。デメリットとしては、専門家等を利用している為、その分費用が多くかかっているという事が挙げられます。クラウドファンディング最近では、インターネットの発達によりクラウドファンディングという物が流行り始めました。クラウドファンディングとはインターネットを使って不特定多数から資金を集め、会社を作ったり、サービスを作ったり、個人が何かを制作したりと多岐にわたります。最近では、投資的な意味合いも強くなり、日本でも大手の金融会社がクラウドファンディングのサービスを始めたりしています。資産運用だけではなく、自分が欲しいサービスや品物を実現する為に協力するという意味合いで参加するという場合もあります。しかし、クラウドファンディングはまだまだ歴史も浅く、中には詐欺まがいとは言えないまでも整備されていない状況がある事も事実です。利用する場合は、よくよく調べていく必要があるでしょう。確定申告の手続きは必要か株式投資を始めるにあたって、儲かるかどうかと同じくらい気になるのが、確定申告の手続きは必要になるのか?といった事でしょう。結論から言えば、「確定申告は基本必要ない」という事になります。どういう事かと疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、まずは「特定口座」の説明をさせて頂きたいと思います。特定口座とは何か株式投資をするには、証券会社で口座を作る必要がありますが、銀行で普通預金口座や当座預金口座があるように、証券会社の口座も一般口座と特定口座の2種類があります。また、特定口座には源泉徴収ありと源泉徴収なしの2種類があります。ここで間違いやすいのは、一般的に使われているのは特定口座で、確定申告したい人向けなのが一般口座だという事です。一般口座と特定口座では、一般口座と特定口座は何が違うのでしょうか。特定口座は年間取引報告書を証券会社が作成しますが、一般口座は年間取引報告書を証券会社で作ってはくれません。年間取引報告書とは、会社の源泉徴収票のように、年間の取引や配当が記載されたもので確定申告に使う事ができます。さらに特定口座は源泉徴収有り無しで二種類に分かれまして、源泉徴収有りの場合は株式投資で発生した税金の納入まで行われます。源泉徴収無しの場合は年間取引報告書が発行されるので、それを使ってご自身で確定申告をする必要があります。一般口座の場合は株取引の損益計算や税金の計算まで、全て自分で行わなければなりません。ですので、特定口座の方が一般に使われているのです。わかりにくいので表にまとめると以下のようになります。一般口座や特定口座を選ぶ時の注意点一般の方は特定口座の源泉徴収有りを選ぶのが無難ではないでしょうか。まず、第一に簡単です。税金の計算から、年間取引報告書の作成等の手続きを証券会社が行ってくれ、税金の支払いも勤め先の源泉徴収のように証券会社がしてくれます。第二に、源泉徴収を証券会社で行ってくれるので、上記に書いた税金から会社に株式投資がばれるといったリスクが少ないです。何か特別な理由がない限り、特定口座を利用し源泉徴収有りにするのが良いと思われます。また一般口座であっても、普通徴収を選択する事によって住民税の支払いを自分でする事ができるので、会社に知られる事はありません。サラリーマンの副業・株式投資に関するまとめ株式投資を行う事で懲戒免職になったりする事は考えにくいですが、きちんと手続きを理解する事によって特に会社等に報告する事なく、副業として取り組む事が可能です。そして、副業としてのメリットも多いので、理解した上で行えば老後の資産形成にも役立つと考えられます。また、口座に関しては「特定口座の源泉徴収有り」にする事で確定申告も不要になります。この記事を参考に、ぜひ副業として株式投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
2020年02月06日こんにちは、婚活FP山本です。最近では副業をしている会社員をよく聞きますが、同じくらい確定申告に困っている声もよく聞きます。会社員なら税金のことは基本的に年末調整で済みますし、確定申告したことがない人も多いですからね。とはいえ、未経験なら許される訳もないですから、しっかり確定申告もこなしましょう。今回は、副業している会社員の確定申告について、基本や方法をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。副業中の会社員は確定申告が必要?まずは、確定申告の必要性についてお伝えします。簡単にいえば、会社員の副業が以下の条件に当てはまるなら確定申告が必要です。副業収入が給与所得に該当する副業所得が年20万円を超えている逆にいえば、副業収入が雑所得などに該当し、かつ年20万円を超える所得になっていないのであれば、確定申告は不要になります。まずは、自分の副業収入が何所得に該当するかを確認し、その上で所得金額を確認して、確定申告が必要かどうかを考えましょう。ちなみに確定申告は、「やったほうが損」にはなりません。むしろ、やらないほうが色んな意味での損に繋がりやすいものですから、必要性が分からないならやる前提で考えましょう。副収入がある会社員は原則必要と考えておこう副業の代表格であるアルバイトによる収入は、基本的に給与所得に該当します。また年20万円という金額は、月に2万円程度を稼げば達成できてしまう金額です。自分で継続的に副業をしている自覚のある方なら、ほとんどの人は確定申告が必要になるでしょう。仮に今は副収入が少なくて確定申告が不要な人も、会社員なら将来的には必要になる可能性が高いです。今のうちから練習や勉強の意味も込めて、確定申告してみることをおすすめします。注意点は「収入20万円以上」ではない点?次は、先ほどの条件を補足していきます。勘違いされる方も多いのですが、そもそも収入と所得は以下の違いが注意点として挙げられる点に注意しましょう。所得=収入-経費確定申告の条件にあった20万円とは「所得」のほうです。仮に経費ゼロ円で20万円を稼いだつもりでも、何か経費にできるものがあることもあります。逆に当人は経費として使ったつもりでも、副業との関連性がなくて経費として認めてもらえないこともあるのが実情です。少なくとも、経費として認めてもらうためには領収書などの客観的な証拠が必要になります。確定申告の要不要を考える時だけでなく、実際に確定申告をする時も必要ですから、帳簿や領収書などはしっかり保管しておきましょう。副業がアルバイトなら確定申告が必須かももう一つの「給与所得かどうか」は、副業がアルバイトなら基本的に給与所得に該当します。アルバイト先からもらう源泉徴収票にも、種別の欄で「給与・賞与」などと記載されているのではないでしょうか。そのように書かれていたら、確定申告が必要です。もっとも最近では働き方も様々で、雑所得に該当するケースも多々あります。自分で自分のことが分からないのは、それはそれで危険でしょうから、ぜひこの機会に把握しておきましょう。確定申告は「したほうが得」な行為?今度は、確定申告の意味合いについてお伝えします。確定申告とは「自分で自分の税額を計算して納税する行為」です。その一方で、「源泉徴収されてきた税金を精算する行為」でもあります。言い方を変えれば、納めすぎた税金を返してもらえることもある訳です。特に副業がアルバイトで給与所得なら、すでに税金を源泉徴収されていることも多いといえます。しかしその税金は、多めに取られていることも多いので、確定申告すれば返してもらえる可能性が高いです。それなら、確定申告したほうが得ではないでしょうか。税金というのは、納めなければ罰せられますが、納めすぎたとしても問題にならず、納税者が損するだけです。ただでさえ年収が上がりにくい時代なのですから、少しでも得を増やしていきましょう。年末調整が臨時収入になった事があるのでは?きっとあなたも一度や二度、年末調整で税金が返ってきた経験があるのではないでしょうか。そしてそれが、ちょっと嬉しい臨時収入のように感じたことはありませんか。確定申告で税金が返ってくるのは同じ理由です。もちろん、必ず返ってくる訳ではありませんが、会社員やアルバイトで給与を貰っているならすでに源泉徴収されているので、戻ってくる可能性も高いといえます。初めての確定申告なら難しそうに感じて面倒に思うでしょうが、それ相応のメリットもあることが多いです。どのみち、しなければならない事も多いのですから、ぜひ前向きに取り組んでいきましょう。確定申告しなかったらどうなる?今度は、確定申告しなかった場合についてお伝えします。不要な方は別として、確定申告が必要なのにしなかった場合、以下のようなペナルティが課される可能性が高いです。延滞税:申告が遅れた場合無申告加算税:申告しなかった場合重加算税:悪質な場合簡単にいえば、納税に非協力的・不誠実であるほどに、ペナルティの程度も高まっていきます。もちろんペナルティが課されてからでは、どんなに謝っても許してもらえませんし、最悪は「脱税行為」として捕まる可能性すらゼロではありません。副業は収入金額も少ないことが多いだけに、つい軽く考えてしまうことも多いですね。そんな理由は通じませんから、必要性が分からない時は「原則必要」と考えて確定申告しましょう。兼業・副業で、本業の会社を失うことも?とりわけ会社員の副業や兼業では、会社バレが怖いのではないでしょうか。どの程度のペナルティがあるかは様々ですが、税金上のペナルティを上回る罰を受ける可能性もあるでしょう。確定申告をしない場合、それが理由で会社バレする可能性も高まります。逆に確定申告すれば、国としては副業を推奨していますから、不十分ながら会社にバレにくい手段も用意されています。副業が原因で本業を失っては本末転倒ですから、そういう意味でも誠実に確定申告はこなしましょう。[adsense_middle]確定申告の方法と流れとは?ここからは、実際の確定申告の方法を流れに沿ってお伝えします。まず、確定申告では自分で自分の納税額を計算しなければなりません。そして、自分の納税額を計算するために、自分の収入と経費を把握することが必要となります。普段、帳簿などは付けていますか?副業がアルバイトなら源泉徴収票があるので簡単ですが、それ以外なら収入さえ不明なこともあります。しかし不明なままでは確定申告できませんから、まずはしっかり自分の収入と支出を把握しましょう。なお、どうしても分からない場合は早めに税務署などへ相談することをおすすめします。ちなみに経費は、副業の所得に関するものだけでなく、例えば生命保険料(控除)なども所得税を計算するうえでの経費になります。漏れのないように把握しましょう。確定申告は個人的に自分でする必要アリ年末調整とは違い、確定申告は会社がするように指導してくれませんし、仕方も教えてくれません。同僚に聞いても分からないことも多く、マネするわけにもいきません。あくまで確定申告は、個人的に自分で自発的にする必要があります。そういう意味では、少し難しい作業ですね。とはいえ、副業しているなら確定申告は毎年のことになります。日常的な副業収支の把握を含め、なるべく早めに確定申告にも慣れていきましょう。「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単収入と経費を把握したら、次は実際に確定申告書へ内容を記入します。普段から会計ソフトなどで収支管理をしていない方の場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単です。説明や解説も色々と載っていますから、それに沿って入力していきましょう。ちなみに確定申告では、アルバイトなどの給与所得を除いて、大きく以下の2つを計算・算出していきます。雑所得や事業所得などの所得額について実際の所得税額についてなお、副業もアルバイトで給与所得なら、本業である会社からの給与所得と合算することになります。また所得税額を計算する際には、所得から「14種類ある税金計算上の経費(所得控除)」を差し引く流れです。どの所得控除が使えるかは個人差がありますが、使えるなら使っておきましょう。源泉徴収票や各種証明書も忘れず添付しよう所得税額を計算する際に見た源泉徴収票や各種証明書は、基本的に書類に添付して申告することになります。一方の雑所得や事業所得などを計算する時に使った帳簿や領収書などは、添付する必要はありません。ただし、5~7年の保存義務がありますから、ちゃんと保管しておきましょう。また、確定申告は「控え」とともに2通提出します。もちろん上記の添付は「提出用」のほうに添付して下さいね。これで、確定申告書類は完成です。確定申告の提出期限には注意しよう確定申告書類が全て整ったら、あとは実際に税務署へ提出するばかりです。ちなみに税務署への提出方法は、以下の3つの方法があります。税務署へ郵送する税務署へ持参するe-Taxを利用する(事前の申請や機器の準備が必要)なお、確定申告は2月16日~3月15日が申告期間です。土日などの関係で毎年、微妙にズレますが、基本的に3月15日が提出期限になります。この日を超えると、先ほど触れた延滞税が発生するかもしれないので注意が必要です。なるべく3月15日までに提出しましょう。また確定申告の期間中は、土曜日も受け付けている税務署も多々あります。会社員として平日は行けなくても、土曜なら行けるのではないでしょうか。ただし全ての税務署ではありませんから、持参する場合はしっかり事前に確認しておきましょう。やり方がわからない時は税務署で相談を!はじめて確定申告する場合、どうしても色々と分からない部分も出てくる可能性が高いです。そんな時は、税務署で相談しながら作成することをおすすめします。確定申告の期間中は、税務署内に専用の相談コーナーが設けられていることも多いですからね。もちろん、税務署での相談は無料なのでご安心下さい。また副業の内容や収入額にもよりますが、相応の規模があるなら「税理士に相談・依頼する」という方法もあります。依頼するほどではないなら税務署に相談しつつ、自分でもしっかり学んでいきましょう。[adsense_middle]副業以外でも確定申告できると得になる!最後に、確定申告の優位性についてお伝えします。会社員なら税金のことは年末調整で済みますが、あくまで年末調整は「簡易版の確定申告」です。年末調整ではできないこともあり、例えば以下の所得控除は確定申告でしか使えません。医療費控除:病院へ行ったり、薬を買ったりした場合寄付金控除:「ふるさと納税」した場合(特例アリ)雑損控除:災害や盗難などで、資産に被害を受けた場合また、あなたが何らかの事業や投資をしているなら、確定申告することで赤字や損失を繰り越せるようにもなります。それに、税金上の優遇や恩恵の多くは「確定申告が必要」とあることが多いです。確定申告できるようになれば、それだけで得になるのではないでしょうか。副業に励めているだけでも十分な得かもしれませんが、確定申告の得はその程度ではありません。ぜひ会社員の方も、副業に関わらず確定申告に挑戦してみましょう。確定申告を通して税金に強くなろう!確定申告は自分で自分の納税額を計算しますから、おのずと確定申告に慣れてくると税金のことも分かるようになってきます。すると節税の方法や税金制度などにも敏感になれ、総じて得しやすくなることが多いです。たとえ小さな得でも、一生続ければ大きな得になるでしょう。今は老後資金2000万円問題も騒がれている時代ですから、常にできることを増やして収入や資産を増やしていく必要もあります。確定申告や税金に強くなれば、それだけ収入や資産を増やしやすくなりますから、ぜひ今後は積極的に確定申告を勉強していきましょう。そしてまずは、存分に節税していって下さいね。副業中の会社員は確定申告を学ぶチャンス!一般的な会社員は年末調整で済みますから、確定申告を学ぶ機会など中々ありません。だからこそ、副業はむしろ会社員が確定申告を学ぶチャンスとさえいえます。できるようになれば、得も沢山です。ぜひこの機に、存分に確定申告について学んでいきましょう。
2019年11月30日こんにちは、婚活FP山本です。最近では随分とアルバイトの方からの相談も増えましたが、中には確定申告の必要性を知らない方も沢山おられました。知っていても書き方や申告方法がイマイチ分からず、あとで大事になってしまった方もいたのが実情です。副業の方も含めて、アルバイトであっても確定申告には注意しましょう。そこで今回は、アルバイトと確定申告に関することについてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。年末調整がなければバイトでも確定申告が必要ただし、アルバイトは給与所得であることも多く、役所の応対次第では会社バレする可能性が残ります。まだアルバイトする前であるなら、できれば事前に役所で応対について確認しておいたほうが無難です。ぜひ覚えておきましょう。並行的に税金の計算方法を覚えよう!初めて確定申告をする時、特に書類に記入する時は、自分が何をしているかも分からないことも多いですね。それでも最近なら調べながら書くことができますが、やはり少しずつでも税金について学んでいったほうが無難といえます。その方が節税もしやすくなりますからね。むしろ確定申告は、税金のことを知るほどに簡単にできるようになります。そして確定申告ができるようになれば、行動の幅を広げることも可能です。確定申告と並行して、まずは税金の計算方法あたりから覚えていきましょう。[adsense_middle]確定申告の期間は2月16日~3月15日今度は、確定申告についての補足をお伝えします。まず、確定申告の申告期間は毎年、翌年の「2月16日~3月15日」です。毎年、土日などで多少の前後はありますが、基本的にこの期間中に確定申告をします。できれば、余裕を持って提出できるよう準備しましょう。また所得税を返してもらう確定申告(還付申告という)の場合、翌年1月1日から5年間提出できます。年の途中で退職してアルバイトになったような場合は、特に還付申告したほうが得なことが多いです。年末調整がないなら、しっかり確定申告しましょう。なお、年末調整があったとしても、以下の場合は年末調整で処理できませんから、確定申告したほうが得です。病院に行った、薬を買った(医療費控除)自然災害で被害を受けた(雑損控除)ふるさと納税をした(寄付金控除、一部例外アリ)中でも医療費控除に該当する場合、相応の年齢になれば毎年のことになることも多いといえます。つまり毎年、確定申告したほうが得になる訳ですから、ぜひ早いうちに確定申告に慣れていきましょう。計算方法や申告方法、書き方が分からない時は相談を初めて確定申告をする場合、やはり色々と分からないことも出てくるでしょう。計算方法、申告方法、書き方……。パソコンやスマホで検索したとしても、なお分からない方も極めて多いのが現実です。そんな時は、税務署に直接行って相談する方法もおすすめといえます。特に確定申告の期間中は、税務署が専用のコーナーを設けていることも多いので尚更です。税務署は、決して怖いところではありませんから、安心して行ってみましょう。納税義務の無視は金額に関わらず危険!最後に、アルバイトの場合の注意点をお伝えします。一般的なアルバイトの場合、どうしても収入金額が低いので、納税義務を無視・軽視しがちです。しかし確定申告が必要なのに申告しなかった場合、以下のようなペナルティが課される可能性があります。延滞税:2ヶ月までは7.3%、2ヶ月以降は14.6%無申告加算税:50万円までは15%、50万円を超える部分は20%重加算税:事情や状況によって35~40%この通り、かなりのペナルティです。ちなみに上記を超えた場合は、「脱税」として刑事罰を受けることになります。特にアルバイトが副業の場合、意図的に確定申告を無視する方もいますが、会社バレに加えてペナルティまで負う可能性があるので強めに注意しましょう。なお、「お金がなくて支払えない」ような場合は、ちゃんと話せば税務署は事情を聴いてくれます。逆に税金から逃げる人には容赦がありませんから、誠実な対応を心掛けましょう。不要かどうかより、原則必要と考えよう人間は、不慣れなことや苦手意識のあることは、なるべく避けようとするものです。それは税金や確定申告であっても同じといえます。このため、「きっと自分には不要、しなくても大丈夫」などと考えがちです。しかし、税金については社会のルールが許してくれません。たとえアルバイトであっても、例外はありますが原則的に納税はしなければなりません。あくまで原則必要と考えて、年末調整がないならしっかり確定申告しましょう。バイトでも確定申告で税金を取り戻そう!例外もありますが、基本的に年末調整や確定申告は「払いすぎた所得税を取り戻す行為」です。このため、やらないのはむしろ損に繋がります。必要なのにしなかった場合のペナルティも極めて重いものです。あくまで原則必要と考えて、たとえアルバイトであっても確定申告に挑みましょう。
2019年11月17日こんにちは、婚活FP山本です。最近では副業をしている方も増えてきましたが、仕事を掛け持ちしている場合の年末調整はどうなるのか、不安な方も増えてきました。特に勤め先が副業禁止としているような場合は、尚更かもしれません。失敗したら会社バレするかもしれませんし、やはり正しい知識を身に着けておくべきでしょうね。そこで今回は、副業している場合の年末調整について基礎知識や注意点をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。年末調整とは源泉徴収された所得税の精算なお、住民税の税額は所得額に関わらず一律10%となっています。また住民税の納付書は6月頃に届きますから、少し支払いまでに時間差があるため、支払い用のお金を残しておきましょう。給与所得の場合は役所で事前確認を!副業が給与所得の場合は、住民税を「自分で納付」にしても会社バレすることがあります。これは、ハッキリ言って「役所の応対次第」です。このため、できれば給与所得の副業を始める前に役所に確認しておいたほうが無難と言えます。あるいは、無難に雑所得に当たるような副業を選ぶのもアリです。これから始めようとしている副業の収入が何所得に該当するのか……会社員の方は注意して調べておくことをおすすめします。会社バレを防ぐためにも税金は申告しよう最後に、副業している会社員の確定申告における注意点をお伝えします。そもそも、日本では「全ての利益」に対して税金がかかる制度です。たとえ少額の副業収入であっても、確定申告が必要なのにサボると、一定のペナルティ的な税金を負わされることもあります。また確定申告をサボると、その確認のための連絡が勤め先に行き、それが元で会社バレするケースもあるわけです。つまり副業をする場合は、基本的に確定申告しないという選択肢はありえません。会社バレを防ぐためにも、ペナルティを防ぐためにも、しっかり副業するなら確定申告しましょう。確定申告できれば「やれる事」が広がる!多くの人にとって確定申告は、「できれば避けたい難しい事」です。しかし確定申告が普通にできるようになれば、「やれる事」が一気に広がります。たとえば「ふるさと納税」をすることもできますし、「医療費控除」を使って節税することもできるようになるわけです。何事も、できないままにしておくよりはできるようになった方が得ではないでしょうか。せっかく副業にも行動の手を広げたのなら、ついでに確定申告にまで広げておきましょう。副業・掛け持ちは年末調整ではなく確定申告を前提に!副業にも励んでいくつもりなら、どうしても会社員であっても年末調整では済まず、確定申告もする前提で挑む必要があります。確定申告をサボると、会社バレするかもですし、ペナルティを負うかもしれません。自分の身を守るため、より稼いでいくため、そして節税するためにも、今後は確定申告も学んでいきましょう。
2019年10月31日サラリーマンが投資をする時、「投資は副業になるのか」を気にする人もいるでしょう。結論から言うと、サラリーマンの投資は副業になりません。投資は資産運用なので、銀行の定期預金や貯蓄性の保険などと同じ扱いになるからです。しかし、投資をしていることが周りに知られると仕事に支障をきたす恐れがあります。そこで、おすすめの金融商品と投資をしていることが会社にバレない方法について解説します。副業を禁止している会社がある国税庁アルバイトやアフィリエイトなどの副業は、本業の給与所得と合算されるため、その合計が330万円を超えると税率が30%(所得税20%+住民税10%)となり、投資よりも高い税率を払う必要があります。国税庁の調査では、平成29年度の給与所得者の年間平均給与は432万円。サラリーマンの副業に関しては税率30%程度かかる人が多いことがわかります。本業の収入にもよりますが、アルバイトやアフィリエイトなどの副業をするよりも、投資したほうが有利だと考えられます。不労所得が得られる不労所得とは、労働することなくお金を稼ぐことです。投資には、主に次の2つの方法があります。短期投資:デイトレード(買った銘柄をその日に売ること)など、短期で売り買いを繰り返すことです。マーケットの動きを常にチェックする必要があるので、日中忙しいサラリーマンには向いていません。長期投資:一度購入したら、数年~数十年単位で保有し続ける手法。株価やニュースなどを頻繁に確認する必要がないので、サラリーマンに向いている投資手法です。本業で忙しいサラリーマンは、頻繁に株価をチェックできません。また、取引を何回もしていると仕事に悪影響を及ぼす可能性があります。ですから、短期投資は控えるようにしましょう。サラリーマンに向いている投資手法は長期投資です。数年~数十年単位で金融商品を保有するので、仕事が終わってから値段を確認するだけで十分です。買ってしまえば何もすることがないので、長期投資は不労所得になります。ただし、投資は損失が出る可能性もあるので注意しましょう。収入の柱が増えるので本業にもプラス収入が本業以外にも増えることで、仕事のストレスが減ります。心に余裕ができれば、仕事でも結果を出せて出世が早くなるかもしれません。「投資はお金が貯まってから」と考える人もいるかも知れませんが、今は投資信託なら100円から始めることができますし、Tポイントなどポイントで投資できる証券会社も増えています。小遣い程度の金額からでもいいので早めに投資を始め、サラリーマンを続けながら収入の柱を増やすようにしましょう。ただ、投資でうまくいっても簡単に仕事を辞めてはいけません。サラリーマンには、次のようなメリットがあるからです。安定した収入一番大きいメリットは、サラリーマンの収入は安定しているということです。投資ではパフォーマンスがいい時もありますが、悪い時期もあります。給与所得という安定収入があれば投資も冷静に行えるので、仕事を続けた方が投資においても有利になることが多いのです。会社の看板があるサラリーマンなら住宅ローンなど組みやすいですし、社会的な信用が高いです。年金や保険料も会社がある程度負担してくれるというメリットもあります。投資だけで生活すると社会的な信用が低くなりますし、生活が不安定になる可能性もあります。投資のデメリットヤフーファイナンスインカムゲインには、配当のほかに「株主優待」もあります。株主優待とは、配当金とは別に自社製品やサービスを企業が株主に送るものです。株を持っているだけでもらえるのでオトクな制度です。大和インベスター・リレーションズによると、2018年時点で株主優待を導入している企業は1450社。全上場企業の3分の1以上が株主優待を導入しています。自分が使っている商品や、気になる会社の株主優待を調べてみるといいでしょう。投資を始めるにはネット証券会社で口座を開く投資を始めるには、証券会社に口座を開設する必要があります。証券会社を大きく分けると、野村証券や大和証券などの総合証券と、SBI証券・楽天証券・松井証券などネット証券の2種類があります。総合証券は店頭や電話で取引し、ネット証券は取引がすべてネットで完結するのが特徴です。総合証券は営業マンがサポートしてくれるので銘柄選択などを相談できます。ただ、日中忙しいサラリーマンは、営業マンとのやり取りが煩わしいと感じる人もいるでしょう。ネット証券ならパソコンやスマートフォンで取引を完結することができ、サービスや情報なども充実しています。さらに手数料が総合証券に比べて圧倒的に安いというメリットがあります。サラリーマンで投資をするのであれば、総合証券よりもネット証券をおすすめします。ネット証券で最も人気があるのがSBI証券です。SBI証券口座開設数は460万を超え、多くの個人投資家から支持されています。業界最低水準の手数料や、プロも愛用する高機能ツールである「HYPER SBI」が人気の秘密です。禁止されていなくても投資が会社にバレる?副業ではないので、サラリーマンでも投資しても問題ありません。しかし、周囲に投資をやっていることがバレると、仕事でミスをしたときに咎められる恐れがあります。余計な詮索を受けないよう、投資をしていることがバレないようにしたいと考える人もいるでしょう。投資をしていることが会社にバレてしまう理由は、住民税の支払いです。投資で20万円以上の利益が出ている場合は確定申告をしなければなりません。その際に、会社に投資をしていることがバレてしまうのです。そうならないためには、住民税を自分で納付する必要があります。以下のように確定申告書にチェックを入れることで、会社に通知が行かなくなります。住民税を自分で納付すれば、投資が会社にバレる心配はありません。国税庁特定口座(源泉徴収あり)で取引すれば確定申告不要株式や投資信託を売却して利益が出たとき、20.315%の税金(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課税されます。投資の利益が20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。しかし、確定申告の必要がない特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、確定申告不要とすることもできます。証券口座には「特定口座」と「一般口座」の2種類があります。特定口座を選べば、1年間の株や投資信託の売買でどれだけの利益または損失があったかを証券会社や銀行がすべて計算してくれ、「年間取引報告書」にまとめてくれます。さらに特定口座には、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の種類があり、「源泉徴収あり」を選べば投資家に代わって税金を納めてくれるので、確定申告の必要がなくなるのです。サラリーマンの副業・投資に関するまとめ今回はサラリーマンの投資について解説しました。給与がなかなか上がらないので副業を考えている人も多いと思います。働き方改革が進む中で副業を認める会社も増えてきました。しかし、副業を禁止している会社もあります。そんな会社に勤めているサラリーマンでも、投資は資産運用なので副業にあたりません。勤務時間外に投資を行うことは問題にならないのです。ただ、投資をしていることを会社に知られたくない人もいるでしょう。そういう人は確定申告の際、住民税を「自分で納付する」にしておけば大丈夫です。また、証券口座を「特定口座(源泉徴収あり)」にしておけば確定申告が不要になるので、会社に投資がバレる心配はありません。サラリーマンの投資は、インデックスファンドとインカムゲイン狙いの株式投資がおすすめです。ただし、投資は元本が保証されているわけではありません。必ず余裕資金で行なうようにしてください。短期的な利益ではなく、長期でコツコツと資産を増やすことを目指すようにしましょう。
2019年08月27日元々絵を描くことが好きだった私。子供が生まれ、身内に見せるために育児漫画を描くようになり、そこからSNSやメディア連載で漫画を公開するようになり…。ありがたいことに色々な方から見て頂いたり感想を頂けるようになりました。そんなコミックライターという立場を通じて、私が嬉しかったことは…■色んな人とつながり合える喜びフツ〜ウの主婦である私の漫画を読んでくれる人達がいるなんて、今でも不思議な気持ち。■漫画に描きながら自分を再発見これからも楽しみながら続けていけたらいいなと思っています!
2019年07月05日会社の収入だけだと、欲しい服も買えないし美味しいものも食べられない……そんな悩みを抱えている女性は意外と多いようです。そんなときは、家にいながらにして収入を得られる在宅副業がおすすめ。今回は、“在宅でできる副業”を、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政ブロガー・アフィリエイター普段日記を書いている方や、文章を書くのに自信がある方におすすめしたい在宅副業が、ブロガーやアフィリエイターです。簡単に言うと、ウェブサイト上で、記事やブログを公開し、それをみんなに見てもらうのです。ただ、それだけでは収益は発生しません。そのサイト上に広告やアフィリエイトリンクを設置しておくことで、サイトを見た人がその広告を見たりクリックしたりすると、収益が発生するのです。今は、簡単に自分のサイトを作ることができるので、その気になれば今日からでも始められますね。フリマアプリで転売以前、転売業はあまり一般的でない副業でしたが、フリマアプリが多数登場し、個人が簡単に商品を転売できる環境が整ったことで、徐々に一般的な副業になりつつあります。これもおすすめの在宅副業です。本来、転売業には在庫を抱えるリスクがありますが、今では取引成立後に発注をかける“無在庫販売”という方法もあります。いきなり商品を取り扱うのには抵抗がある……という方は、使わなくなったブランドバッグや読まなくなった漫画など、身の周りの不用品を出品し、取引のコツを掴んでみましょう。また、販売手数料が無料になるようなイベントを定期的に開催しているサービスも。そのタイミングを狙えば、さらに収益を得ることができるでしょう。雑誌・番組のモニター雑誌やテレビ番組を見て、感想を書いたりアンケートに答えたりするモニターも、お手軽な在宅副業でしょう。募集が少ない、選考時に感想文などを求められることがある、定期的に該当する雑誌やテレビ番組を見なければならないなど、ハードルはやや高めですが、月の謝礼が10,000円~20,000円前後と高額なので、非常におすすめです。全国誌や全国放送のモニターは競争率が高いので、ローカル誌や地元のテレビ番組を狙いましょう。電話占い・カウンセリング簡単にできるものではありませんが、占い・カウンセリングも在宅副業としてはおすすめ。占星術やタロットカード、心理カウンセラーなど、一定のスキルを習得する必要はありますが、電話占いやチャットカウンセリングのサイトに登録することで、家に居ながらにして収益を得ることができるのです。コミュニケーション能力も必要になる仕事なので、本当に自分に適しているか吟味したうえでトライしてみましょう。リピーターを獲得できればかなりの報酬がもらえる場合も……!「在宅副業で稼ぐなんて難しい……」と思う方もいるかもしれません。しかし、実際に私の周囲には、ライターとして月に90万円以上、在宅の占い師として月に120万円以上、アフィリエイターとして月に数百万円稼いでいる方もいます。比較的お手軽に始められる上に、高収入も期待できる在宅副業。皆様もぜひ、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © Yuganov Konstantin /shutterstock© Watthano /shutterstock© Alliance /shutterstock© n_defender /shutterstock
2019年03月09日今の生活をほんの少しの時間で素晴らしいものにできるとしたら、あなたはどうしますか?例えば、1日5分で生活水準がグンと上がるとしたら、きっとやりたい女子は多いはず。そんなお小遣い稼ぎをリストアップしてみましょう。そこで今回は、「1日5分でできるお小遣い稼ぎ(プチ副業)」について資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政■ポイント制アプリでスキマ時間に稼ぐ最も手軽にできるプチ副業を考えると、ポイント制アプリが挙げられるでしょう。これは、商品の中から“自分の欲しい物まとめ”を作って稼ぐというのがスタンダードな形態。自分のリストから誰かが商品を買うと、ポイントをGETできます。アプリを見て、欲しい物や自分好みの商品があったら、ボタンをタップしてアイテムをどんどん追加していくだけでOK。追加したアイテムが多いほど稼ぎやすくなると言えます。しかも、アプリ内から買い物をするとポイントが3倍になるなどのキャンペーンも実施しているところも。■リサーチ会社に登録してアンケートモニターで稼ぐアンケートモニターは、主に企業の商品開発のお手伝いの仕事になります。新商品の発売前などに、どんな色が女性に人気があるか調査をしたい、ペットボトルのお茶のパッケージはどんなものが受けるか等、新商品や既存サービスなどをより良く世の中に送り出すため、メーカーなどが一般消費者の意見を求める手段としてモニターの方々に協力をお願いする内容です。基本は、アンケートを配信しているリサーチ会社に無料登録して、配信されてくるアンケートに答えるだけ。5分でできるお小遣い稼ぎだと言えるでしょう。■内職などの在宅ワークでコツコツ稼ぐ内職と聞くと、面倒くさそうと思う方も少なくないかもしれません。しかし最近は手軽にできるものもあります。例えば、ティッシュ広告入れ、シール貼り、翻訳、テープ起こしと様々です。特にテープ起こしは、誰でも手軽にできるためお勧めです。これは録音された音声を文字起こしする作業のことで、「テープリライター」「テープライター」とも呼ばれています。こちらの起こし作業内容は、講演や座談会、会議やインタビューなど実にさまざま。さすがに5分で終えることは難しいかもしれませんが、在宅でできるお手軽な仕事なので、こちらもおすすめ。■文章力に自信があれば電子書籍もアリ今や、誰でも作家になれる時代がやってきました。紙媒体だと、一般的な書籍でも企画書を作り、それを出版社の企画会議や編集会議で承認を得なければならないというハードルがあります。しかし現在では、電子書籍であれば誰でも出版できるようになりました。もちろん出版社の許可も不要で、テーマ設定も自由です。たとえばアマゾンの「KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)」や「パブー」「文楽」といった電子書籍のプラットフォームを利用すれば、コスト0円で出版することができます。あなたが文章力に自信があるなら、電子書籍でプチ副業もアリかも。毎月3~4万円稼げると聞くと、数字だけで見ると大した額に感じられないかもしれません。しかし、すでに生活の基盤が成り立っている上に追加の収入が入ってくるため、そのお金は毎月ほぼ自由に使えるのです。欲しいものを買ったり、彼氏とおいしいレストランに行ったりと、日々の暮らしが相当豊かになるはず。1日5分でできるプチ贅沢を手に入れてみてはいかがでしょう。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム Dean Drobot / shutterstock(C) Stock Rocket / shutterstock(C) Batkova Elena / shutterstock(C) TierneyMJ / shutterstock
2018年11月24日ある程度自分の資産を持っている(貯蓄額で言えば50~100万円)女性なら、一度は夢見るのが“お金の運用”だと思います。しかし、仮想通貨やFXといった投資に手を出すのは、ちょっと怖い……そんな方には、まずリスクの少ない運用法をお勧めします。そこで今回は「女子にお勧めの利回りの良い預金運用法」をご紹介致します。文・山田良政個人向け国債(変動10年タイプ)…安心度★★★★★ 利回り★★★数ある預金運用において、国内で最も安全なのは個人向け国債(変動10年タイプ)でしょう。こちらは基本的にいつでも申し込める上、元本割れすることはほぼありません。1万円から買うことができますが、自動的に積立はできません。厳密に言えば、元本割れすることもなくはないのですが、日本が崩壊するくらいの出来事がなければあり得ないくらい、その確率は低いです。利回りが年率0.05%のため、利回りの良い銀行の定期預金に預けるのがベターです。途中で解約した場合、直近2回の利息が戻ってくるお金から差し引かれますが、微々たるものなので気にしなくて良いと言えます。インデックスファンド…安心度★★ 利回り★★★★★インデックスファンドとは、日経平均株価などの株価指数(市場平均)に、値動きが連動することを目指した投資信託のことを指します。あまり経済に詳しくなくても、ニュースで日経平均株価の値動きを耳にする機会はありますよね。つまり、日経平均株価に連動するインデックスファンドを購入すれば、その日のニュースをチェックするだけで、基準価額をわざわざ調べなくても値動きを予測することができます。日経新聞や株価に興味のある方にはお勧めです。投資型クラウドファンディング…安心度★★★ 利回り★★★★★投資型クラウドファンディングは、別名「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、金融庁の認知を受けている投資商品です。2015年に、政府が正式に投資型クラウドファンディングの規制を緩和したことから注目が集まり、一気にその名が広がりました。今、なぜ資産運用として投資型クラウドファンディングがお勧めなのかと言うと、昨今の低金利時代に平均5%~10%以上の利回りが期待できるからです。しかも、FXや株式よりもリスクが低く、1万円という少額から始めることができるなど非常に多くのメリットを兼ね備えているのは魅力的ですね。貯蓄型の低解約返戻金型終身保険…安心度★★★★ 利回り…★★★★保険と聞くと、運用と無関係だと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、保険は病気やケガのときに保障されるものばかりではなく、貯蓄の機能を兼ね備えているものもあります。貯蓄の利回りが定期預金より高いものもあり、お金を増やす上で選択肢のうちのひとつとして考えてみるのもアリです。たとえば、低解約返戻金型終身保険は終身保険ではありますが、通常の終身保険とは違い、保険料を支払っている間の解約返戻金の割合を、通常の返戻金の7割程度と大きく下げている代わりに、保険料の払い込みが終了すると、解約返戻金が一気に増える仕組みの保険です。若い人であれば、教育資金作りやマイホーム資金作りなどに活用することもできます。最後に、投資でも資金運用法でもそうですが、一番大切なことは“分散投資”の発想を持つということだと思います。分散投資とは、「卵をひとつのカゴにいれておくと、落とした際に全部の卵が割れてしまうかもしれない。しかし、複数のカゴに卵を入れておけば、一度に全部割れてしまうことはない」という理論です。あなたの大切な資産を運用しようと思うなら、可能な限り複数の運用先に分散しておくのが得策です。今回ご紹介した運用法を複数運用して、できる限りリスクを回避しましょう。(C) ESB Professional / shutterstock(C) Viktoriia Hnatiuk / shutterstock(C) Dean Drobot / shutterstock(C) Stock-Asso / shutterstock
2018年10月22日副業と聞くと、何だか簡単なもののように感じる人もいるかもしれません。しかし、実際は慣れているからこそ収益化できるのであって、初心者がむやみに手を出すと、お金につながるどころか損をしたり、ストレスを感じて参ってしまったりする場合も少なくありません。そこで今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに「簡単そうに見えるけど実は難しい副業」についてご紹介いただきます。文・山田良政ノルマ系の内職…速度が求められ、ハードルが高め副業の典型といえば、やはり内職が挙げられると思います。ポスティングから、宛名書き、データ入力など内容は様々ですが、基本的に初心者にはおススメできません。というのも、ある程度慣れた人を見てみると、“職人”と言わんばかりのスピードで数をこなしていくからです。大抵の内職にはノルマがあり、それをクリアしつつ、さらにプラスを生んでいかなければ、収益化は難しいのです。根気とやる気のある人以外は、うかつに手を出さない方が良いかもしれません。LINEスタンプクリエーター…規格に沿いつつ売れるデザイン力が必須LINEスタンプといえば、今や誰でも参入できる副業のひとつと思っている人もいるかもしれません。しかし、プロや天才的なアマチュアが多数ひしめく中で、勝ち抜きつつ利益を出さなければならないという、過酷な世界になっています。しかもLINE社の規約はかなり厳しく、初心者の方は、スタンプを世に送るまでかなりの時間と労力を要することを覚悟しておかなければなりません。時間に余裕があり、絵心に相当の自信がない限り、難しい副業といえるでしょう。ブロガー…自分に発信力や話題性がないと厳しい誰でもどんな情報を気軽に発信できるブログ。ブロガーになって本格的にPV数を稼ぎ出すことができれば、広告収入でかなりの収入を得ることもあります。簡単ゆえに憧れる人も少なくない副業だといえます。しかし、ブロガーを本業としてやっている人は、発信力・話題性も当然のこと、人知れず陰で涙ぐましい努力をしています。内容はもちろん、ネタ収集や写真のテクニック、そして何時にリリースするかまで徹底的に分析しているのが実情です。副業レベルの気持ちで中途半端に行っても、ただの自己満足で終わる結果になるでしょう。不動産投資…初心者が手を出すと火傷する副業No.1不動産投資は、働かなくても毎月定期的に収入が入ってくるシステムを作ることができるので、夢のある副業ですよね。でも、この不動産投資は、しっかり学んで準備をした上で着手しないと、利益どころか借金がかさんでしまう恐れのある怖い副業なのです。特に初心者は、固定資産税や修繕費、自然災害(保険料)といった費用を想定して物件を購入することが少ないため、思わぬ出費によって資金繰りが上手くいかなくなり、結果手放さざるをえないケースも。しっかり学ばないと火傷することが多い副業なので、皆さんも気を付けましょう。世の中を見渡してみると、実にさまざまな副業があります。しかし、好奇心で選んでしまうと、後々つらい思いをしてしまうものも少なくありません。まずは、シンプルにできるもの、収益化しやすいもの、そして自分が得意なジャンルから始めてみましょう。そうすれば、そこからどんな副業が自分に合っているかが見えてくるはずです。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム pathdoc / Shutterstock(C) Gorodenkoff / Shutterstock(C) GaudiLab / Shutterstock(C) leungchopan / Shutterstock
2018年10月10日お金を稼ぐために始めた副業が、プライベートでも活用できたという話をよく耳にします。どうせ働くなら、役に立つものがいいに決まっていますよね!そこで今回は、「プライベートでも役立つ副業」を、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政■ソーシャルマーケット……自分の技術を高められるもしあなたが、何か得意分野を持っているなら、迷わずそれを副業として活かすことをお勧めします。例えば、資料作成やイラストの提供など、あなたにしかできないサービスを、ソーシャルマーケットに提供するのです。大体ワンコイン(500円)から値付けができるため、そのうち2,30%を持っていかれたとしても、数をこなせばなかなかの収入になるはず。さらにあなたのスキルにも磨きがかるはずです。■エキストラ……好きな芸能人と会うきっかけに!?よく映画やテレビドラマなどで、主役の人の周りにその他大勢として歩いている人を見たことがあるかと思います。あれもれっきとしたアルバイト、「エキストラ」なのです。あなたが芸能界やタレントに興味を持っているなら、応募してみるのも良いかもしれません。単発の仕事がほとんどなので、情報を逐一チェックしておく必要はありますが、好きな芸能人と知り合える可能性もゼロではありませんよ。■結婚式代理出席……美味しく稼げる!結婚式の際、友人の数が確保できていない新郎新婦のために、友人という設定で代理人が結婚式に参加するビジネスもあります。この副業の良いところは、報酬をもらって美味しい食事にありつけるところ。もしもあなたがグルメなら、舌を肥えさせてお金ももらえるため、まさに一石二鳥でしょう。調理師や料理の仕事に興味があるなら、一度トライしてみても良いかもしれませんね。■空き物件・空地の場所探し……不動産投資を視野に入れているならアリ不動産投資と聞くと、何だかお金持ちがやっている、リスクが高そうと感じる人もいるかもしれません。でも、空き物件や空き地の場所探しなら、ノーリスクである程度の不動産の知識を身につけることができます。これは空きビル・遊休地の情報や、空き家対策で困っているオーナーを会社に紹介するという内容になります。報酬をもらいながら、どんな土地・建物が空き家になる傾向が高いのかを知ることができるため、あなたが将来不動産ビジネスに乗り出すときや家を買うときに大きなアドバンテージになってくれるはずです。どんな仕事でも、ある程度続けていたらそれなりの知識や経験が身についてきます。よくセミナーや塾などに入って学ぶ人を見かけますが、実は副業を通してさまざまなことを身につけた方が収入にもなり、効率も良かったりするのです。副業を報酬で選ぶのも悪くはありませんが、何を身につけたいかで選んでみるのも、ひとつの選択なのかもしれませんね。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム Josep Suria / Shutterstock(C) Gumirova Elvira / Shutterstock(C) issam elhafti / Shutterstock(C) Stasique / Shutterstock
2018年10月07日なるべくお金は計画的に使っていきたいものですが、急な出費やお金を使いすぎた時に、どうしよう……と困ってしまうこともありますよね。そんな時は、すぐにでも始められる副業でその場をしのぐという手もあります。そこで今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに、「お金に困った時にすぐにできる副業」をお伺いしました。文・山田良政■早起きさえできればOK!モーニングコール代行モーニングコールと聞くと、ホテルなどで朝起こしてくれるサービスを想像する方が多いかもしれません。しかし、実は個人に対してモーニングコールをするサービスもあり、実際にその会社に登録することでお仕事をもらえるのです。だいたい1件につき100円~200円なので、朝早く起きて数をこなせばそれなりの収入になると言えます。特別なスキルは一切不要なので、早起きに自信がある人は、是非チャレンジしてみてはいかがでしょう。■好きこそものの上手なれ!電話占いビジネス占い師というと、特殊な技術がなければできないように思われがちですが、意外とそうでもありません。もしもあなたが占いに興味があれば、占い本で方法を学び、電話占い会社に登録してみるのも良いでしょう。最初は緊張するかもしれませんが、慣れればかなりの収入(5万円~40万円)に繋がる場合も。“好きこそものの上手なれ”なので、もし占いが好きなら挑戦するのもアリです。最初は、タロットやオラクルカード、星占いなどから始めるのが無難でしょう。■案件によっては高収入も!覆面調査員覆面調査員と聞くと、何だか物々しく感じる人もいるかもしれません。でもご安心を。実際は、飲食店やアパレル会社などでサービスを受けて、事前に決められた項目を評価し、レポートを提出するというものです。的確な観察力さえあれば、報酬だけでなくサービスも受けられるため、一石二鳥でしょう。だいたい1件当たり、3千円~2万円くらいの金額になると言われています。■タイピングがある程度できれば…チャットレディチャットレディと聞くと、ちょっといかがわしい職業のように思われがちですが、要するにチャットで男性の話し相手になってあげる仕事です。直接会ったり、電話で話したりすることがないので移動にかかる労力や不快さは少ないと言えます。ただ、タイピングがある程度早くないと、相手を待たせることになるので難しいでしょう。報酬や形態はさまざまですが、だいたい1時間3000円が相場です。ただし、会社はよく吟味して選びましょう。トラブルに発展するケースもあるので、よほど即金が必要でない限りはお勧めしません。今回は、すぐにマネタイズできる副業をピックアップしました。どれも少しクセがありますが、確実かつスピーディーにお金に結び付くものばかりです。でも、本来なら、お金に困らないようにきちんと計画的な使い方を心がけるのが一番。貯蓄に意識を向けて、安定的なライフスタイルを心がけましょう。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム ImageFlow / Shutterstock(C) Maya Kruchankova / Shutterstock(C) baranq / Shutterstock(C) fizkes / Shutterstock
2018年09月22日