堤幸彦、本広克行、佐藤祐市によるコンテンツ制作プロジェクト「SUPER SAPIENSS」の発表会が1月19日、都内で行われた。価格変動する“デジタル上のアイテム”トークンを支援者が購入することで、その保有数に応じた投票権や抽選特典を受け取り、作品づくりに直接参加ができる本プロジェクト。原作づくりから映像制作、コミカライズやグッズ制作などを、支援するサポーターとともに一元化し実行することを目的としている。堤監督は「資金集めの新しい形。一見、伝わりづらいですが、エンターテインメントとして楽しめるものを作ることに変わりはない。さまざまな形で広がり、観る人も(コンテンツ制作に)参加できる」と期待感。現在、韓国の映像コンテンツが世界を席巻する状況を「意識はしている」と明かし、「自分たちも負けない作品を送り出す希望、意志、意欲を持っている」と決意を新たにしていた。現時点で映画なのか、ドラマなのか、またプラットフォームも未定だというが「すごく長い連続ドラマであり、すごく長い連作の映画だと想像してもらえれば」と堤監督。プロジェクトの第一弾として縦読み漫画「WEB TOON」にて創作された物語をもとに、コンテンツ制作が進む予定で、親交の深い本広・佐藤両名とのタッグに「三人寄れば文殊の“杖”ですね」と話していた。「状況を打破できる企画になればいいし、ものづくりのモチベーションにもなる。今までは敷かれたレールを走れば良かったが、これからはレールを作っていく」(本広監督)、「テーマとなる幹はひとつに集約されているが、そこから各々がアングルや表現の形を変えていく」(佐藤監督)とこちらも新たなムーブメントに期待を寄せていた。発表会にはプロデューサーの森谷雄氏、本プロジェクトをIT面で支える株式会社フィナンシェ代表取締役の國光宏尚氏が同席。また、タレントの池田美優が“一般人代表”として駆けつけ「話を聞いていたんですけど、全然わかっていないです。タイトルも決まっていないんですよね?」と思わず本音。それでも「こんなすごい面々が集まることないんじゃないですか。それにいろんな人の意見も加わっていくので、楽しみでしかないですね」と声を弾ませていた。取材・文・写真=内田涼
2022年01月19日現在放送中のドラマ「ファイトソング」に出演中の間宮祥太朗が、4月期のドラマ「ナンバMG5」に主演することが決定。「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督演出のもと、笑いあり、涙ありの全く新しい痛快青春ドラマが誕生する。本作は、フジテレビの新枠“水10ドラマ”のトップバッターを飾る作品。ユニークなヒーロー像が次々と誕生し、視聴者の期待や想像をいい意味で裏切っていくエキサイティングなドラマを制作していく。原作は、小沢としおの「ナンバMG5」と、続編「ナンバデッドエンド」。筋金入りのヤンキー一家「難破家」の次男・剛が、実は「ヤンキーをやめたい」「普通の高校生になりたい」と、家族に内緒で健全な高校に入学するという、高校“逆”デビュー物語だ。家族の前では特攻服を着たバリバリのヤンキー、学校では制服を着た真面目な高校生、という二重生活がスタートし、学校では優等生として美術部に入部。しかし、いじめられている友人を放っておけず、つい特攻服に着替えて助けたことをきっかけに、正体不明の最強ヤンキーとしてどんどんのし上がってしまうという波瀾万丈なストーリーとなっている。フジテレビ系ドラマ初主演、地上波ゴールデン・プライム帯ドラマ初主演となる間宮さんが演じるのは、“脱ヤンキー”を決意するものの、次々と事件に巻き込まれてしまう生粋のヤンキー、難破剛。演出は、フジテレビの連続ドラマを演出するのは「SP警視庁警備部警護課第四係」以来、14年ぶりとなる本広監督。間宮さんとは初タッグとなる。間宮さんは「とにかく、純粋で直情的な剛を楽しみたいと思います。周囲を巻き込んでいく面と、巻き込まれていく面、どちらも根の部分での天真爛漫さや純朴さが表れていると思うので、気持ちよく演じたいです」と意気込み、「家族からの期待や周囲からの決めつけ、現状の自分と理想の自分、向き不向きやアイデンティティー。剛だけではなく、自分が自分をどう生きるのかという普遍的なテーマが“ナンバMG5”という作品には包まれていると思います。お楽しみに!」とメッセージ。本広監督は「久しぶりの連続ドラマ、久しぶりのフジテレビジョン、久しぶりのコメディー作品、【踊る大捜査線】の連続ドラマから25年ぶりに古巣のフジテレビでコメディードラマを作れるなんて、楽しみしかないです!!」と喜びを語っている。なお、現在放送中の「突然ですが占ってもいいですか?」は、放送時間を変更してレギュラー放送を継続していく。「ナンバMG5」は4月、毎週水曜日22時~フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2022年01月19日本広克行監督作『ビューティフルドリーマー』のBlu-rayが3月17日(水)にリリースされることが決定。主演の小川紗良と本広監督からメッセージが到着した。日本映画界の鬼才監督による野心的な企画と若い才能たちの予測不可能なケミストリーで創造する新レーベル「シネマラボ」第1弾として製作された『ビューティフルドリーマー』は、『踊る大捜査線』シリーズや『幕が上がる』などのヒット・メーカーである本広監督が、押井守の脚本『夢みる人』の実写映像化に挑んだプロジェクト。映画は先勝美術大学の映画研究会に伝わる、“撮ろうとすると、必ず恐ろしいことが起こる”といわれる脚本の撮影を決めた映研部が舞台だ。映画を撮った経験などまったくない彼らの前に、予期せぬ困難とトラブルが次々と待ちうける。果たして彼らは、無事にクランクアップできるのか?本広監督は新たな試みとして、完全な脚本を用いず、おおよその筋だけを立て、現場で口頭の打ち合わせで芝居をまとめる“口立て”を用いた演出を取り入れたという。主演は、監督としてメンバーをリードする主人公のサラに、新人女優としてだけでなく映画監督としても長編映画監督デビュー作『海辺の金魚』の公開を控える小川紗良。カメラ担当でサラを支えるカミオに『私がモテてどうすんだ』などの神尾楓珠。助監督兼雑用係として奮闘する映研のムードメーカー、モリタに劇団ナイロン100℃所属で『カツベン!』などの森田甘路。プロデューサーのリコには、『あさひなぐ』『ドロステのはてで僕ら』で好演した藤谷理子、メイク担当のシエリに、札幌の劇団イレブンナイン出身のヒロシエリ。録音担当のウチダに、これが映画デビュー作で若手注目劇団・劇団スポーツの主宰の内田倭史。また、映研OBとしてメンバーを支えるタクミを、数々の話題作に出演しながら映画監督としてもコンスタントに作品を発表し、マルチな才能を発揮している斎藤工が演じる。さらに、確かな演技力で撮影に貢献するサヤカには、『山猫は眠らない8 暗殺者の終焉』でハリウッド・デビューも果たし、女優としても大きく飛躍中の秋元才加。本編で驚異の超絶長台詞を披露するのは舞台、テレビ、映画に幅広く活躍する名優・升毅。そのほか、『海賊戦隊ゴーカイジャー』の池田純矢、『仮面ライダー エグゼイド」の飯島寛騎、“日本発 世界で最強に活躍するコスプレーヤー“伊織もえ、 “日本一かわいい女子高生“福田愛依、“恐ろしく美しい元自衛官。“かざり、“赤ペン瀧川”こと瀧川英次、ツルきゃらとして人気のうどん脳といった個性豊かな人気者たちが出演している。小川と本広監督からのメッセージは以下の通り。小川紗良・コメントいわくつきの台本を手にした映研部員たちが奮闘する、いわくつきの映画です。稽古から撮影まで予想のつかないドタバタとした時間を過ごしましたが、コロナ禍で迎えた劇場公開時にはそんな日々さえも貴重なものに思えました。ほとんど即興芝居で作られた本作、きっと何度見ても発見があると思います。ぜひ劇場で観た方も初めての方も、お家でゆっくりお楽しみください。本広克行監督・コメント何故、映画『ビューティフル ドリーマー』を作るに至ったかというと、これまで自分はテレビの情報番組、バラエティ、ドラマ、アニメ、CM、MV、舞台、イベント、映画祭と多岐にわたり沢山の人が集まり楽しんで貰える作品を作り続け、そしてひとつの作品が完成すると、また次の作業が始まり、ずっと祭から抜け出せないでいるこの感覚を作品にしたいと考えてました。そんな中「監督絶対主義」を掲げる実写映画レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」プロジェクトが動きだし今までずっと考えていた演出を全部この作品で試させて貰ってます。遣り甲斐があります。何か気になった人は調べてみて解答が見えて来たら、また続きを見たくなるかもしれません。この作品はどこまでも作り続けられる作品なのです。■リリース情報『ビューティフルドリーマー』Blu-ray、3月17日(水)発売[2枚組:本編Blu-ray+特典DVD]価格:¥5,800(本体)+税収録分数:未定(本編75分+映像特典)DISC1:本編Blu-ray収録分数:未定[本編:75分+映像特典:未定]仕様:1080p High Definition/16:9LBビスタサイズ/2層音声:オリジナル(日本語)DTS-HD Master Audio 5.1chサラウンド / オリジナル(日本語)リニアPCM 2.0chステレオDISC2:特典DVD 収録分数:未定仕様:16:9LBビスタサイズ/片面・2層音声:オリジナル(日本語)Dolby Digital 2.0chステレオ<映像特典>予告編集[15秒予告 / 30秒予告 / 本予告(60秒)]映研クロストーク[PART1 / PART2]メイキング映像/イベント映像(完成披露試写 / ヒット祈願/公開記念舞台挨拶)
2021年01月28日モデルで女優の池田エライザが初監督を務める映画『夏、至るころ』(12月4日公開)に、夏木マリら著名人や映画評論家から賛辞が寄せられた。同時に、池田の演出中の写真も公開された。緑あふれる故郷の山々に抱かれながら友情を育んできた高校3年生の翔と泰我が、夏祭りを前に初めて自分の人生と向き合い、それぞれの一歩を選びとる物語。少年たちが打ち鳴らす和太鼓の力強いリズムや、不思議な少女・都が奏でるギターの旋律、蝉の鳴き声や美しい自然の音に池田のセンスが光る、初の原案・監督作となっている。今回コメントを寄せたのは、夏木マリや上白石萌音ら女優から、映画監督の矢崎仁司氏、映画評論家の南波克行氏、映画ライターや大学教授陣など多数。夏木は「初指揮にして幸せをテーマに抱えるとは何という手腕! 気づかない日常から、幸せは近くにあることを映す演出は見事」と分析し、「そして、新人が魅力的な映画はいい映画に決まっているのです。監督デビューおめでとう……素晴らしい……」と祝福も兼ねた声を。上白石は「池田エライザという人の目に、世の中がどう映っていたのか、そしてどう映っているのかを、少し覗かせてもらったような気がしました」、南波氏は「真の才能の凄さにひれ伏す思いです」と言葉を並べた。矢崎監督は「絆とか団結とか、いろいろと不穏な空気の世界に投げ込まれた新鮮なパプリカ。同じ方向に走らされている今、『いつでも立ち止まっていいんだよ』って手渡されたピクルス。池田エライザ監督は映画と格闘して、決して甘くも苦くもない、酸っぱい映画を生んだ。ありがとう」とコメント。そのほか、「多方面で多彩なエラさん(池田エライザ)の頭の中を垣間見れた気もして俳優仲間として、友人としても、嬉しくなれました」(山田裕貴)、「こんなにピュアでさわやかな青春映画は、久しぶりだ」(西脇英夫氏/映画評論家)、「彼女には今後も映画を撮り続けてほしい」(増當竜也氏/映画文筆)、「池田エライザを女優として好きだが、この作品を彼女が監督したと知らずに見ても好きになる。必ず」(遠藤薫氏/映画ライター)など、作品と池田それぞれに称賛が寄せられている。(C)2020『夏、至るころ』製作委員会
2020年11月18日『踊る大捜査線』シリーズのヒットメーカー・本広克行が、多大な影響を受けたと公言する押井守の原案『夢みる人』を実写化した『ビューティフルドリーマー』が公開となる。大学の映画研究会の部員たちが、部に伝わるいわくつきの台本を映画化するという本作に込めた思い、そして、知られざる押井とのエピソードなどを本広監督が語ってくれた。本広は自ら新レーベル“Cinema Lab(シネマラボ)”を押井、小中和哉、上田慎一郎と共に設立。1960年代から70年代にかけて、商業映画とは一線を画した、作家性を前面に押し出した傑作を次々と世に送り出した映画レーベル“ATG(アートシアターギルド)”を参考にしたという同レーベルは、“限られた制作予算”のみを条件に、監督絶対主義での映画制作を謳う。なぜ新レーベルを?との問いに本広は、ここ数年、抱いてきたという危機感を口にする。「最近、実写映画の企画が人気のアニメや漫画を原作にしたものばかりになっているんですよね。CG技術が発達し安価になって、昔は実写化が無理だと言われた作品を作れるようになってきたのも大きいんでしょうが、僕のところにくる話は全部そういうものなんです。このままじゃ、日本映画はごく小さなインディーズ映画とマンガ・アニメ原作の大作のどちらかになってしまうんじゃないかと」そんな二極化、分断が進む状況に思い悩み、第三極と言える“中間”の受け皿を作れないか?という思いで設立したのがこの“Cinema Lab”であり、その第1弾として、本広が常々、最も影響を受けた存在のひとりとして挙げてきた押井守とのタッグが実現した。ここからは、本広の押井との関わり合い、そして本広から見た押井の“すごさ“についてたっぷりと語ってもらう。「最初に観た押井さんの作品は、世界初のOVA作品と言われている『ダロス』。なにやってんだ? これ……と驚いて、次に『天使のたまご』を観て衝撃を受けましたね。「意味が分からない」って言う人も多いけど(笑)、僕は“こんなすごい映画を作れる日本人がいるのか!”と。映画学校に通っていた頃、押井さんがシンポジウムに来たので、質問したんですよ。『天使のたまご』に魚が空中を泳ぐ描写が出てくるけど、どういう意味なんですか?って。そうしたら“日常を描きたかった”って。当時は全然分からなかったけど、自分がそこそこ演出の経験を積んで、後にあの作品がDVDになったときにもう一度観たら“うわっ!そういうことか”って思って、震えるほど素晴らしかったです。30年も前にそんなことを考えていたのかって」本広の代表作で、劇場版第2弾は日本の実写映画の興行収入歴代1位を記録している『踊る大捜査線』シリーズは、押井が参加した『機動警察パトレイバー』の影響を受けていると言われる。「でも脚本の君塚(良一)さんも、プロデューサーの亀山(千広)さんも、『パトレイバー』を観たことはなかったんです。純粋に『太陽にほえろ』のカウンターとして生まれたもので、刑事は走らない、叫ばない、殴らないというコンセプトで、作っていくうちに“あれ? これパトレイバーに似てるな”って気づいたんです。都市博覧会が開かれるはずだったのに、当時の青島知事が中止を決めたお台場にフジテレビの新社屋がポツンとあって、コンビニすらなくて空地だらけで、“ここでなにかドラマを作れない?”って言われたんですけど、これ『パトレイバー』じゃんって(笑)。ただ、当時は実写をやってる人間がアニメに言及するとオタクってバカにされていた時代でしたからね」押井も『踊る』シリーズは観て、気に入っていたという。「深津絵里さんが演じたすみれがいいねって言ってました。(『パトレイバー』の)南雲さんと同じような、ああいう男勝りのキャラクターが好きなんですよ、押井さん(笑)。あの作品は、なぜか庵野(秀明)さんとかも観ていて、飲み会に呼んでもらったことがありました。(『新世紀エヴァンゲリオン』のスタッフの)摩砂雪さんや鶴巻和哉さんもいて、“やべぇ! エヴァだ!”って(笑)。僕は、『踊る』で『エヴァ』の楽曲の『危機一髪』を使わせていただいてたので“すみません!”って。ビデオ化のときも、僕はあの楽曲を使いたいって言い張って、問い合わせたら庵野さんが“いいんじゃないの”って口添えしてくださったんですよ」あらためて、押井守というクリエイターのすごいところは? そんな問いに、本広は“捨てる”技術だと語る。「『パトレイバー』や『攻殻機動隊』、『イノセンス』もそうなんだけど、押井さんは、主人公を不在にしてしまうんです。でもそれで傑作にしてしまうのがすごいですよね。実写で、例えば『踊る大捜査線』でそんなことやったら猛反発ですよ(苦笑)。アニメだからできるのかなぁ……? いらないなら、(主人公を)書かなければいいって。それが押井イズムなのかな? 演出でも、『鉄人28号』の舞台の現場を見に行ったら、押井さんは途中で演出することをやめてる! なにをやってるのかと思ったら、メイキングを撮ってるんです。え? どういうこと? ってもう予測不能でした(笑)」今回の映画『ビューティフルドリーマー』は、そんな本広の押井への“愛”がつまった作品となっている。特に映研部員たちが作ろうとしている劇中映画の中身を見れば、押井ファンには本広の“本気度”が伝わるはずだ。「最初、押井さんは軽音楽部の女の子たちの話を書いてくれたんですけど、それだと僕の予算にハマらないなというのもあって、“自由にしていいよ”と言われたので映研という設定にしました。押井さんの“本当に幸せな日々を毎日繰り返すことは幸せなんだろうか?”という問いかけを描いています」希代のヒットメーカーの新たな挑戦に注目したい。取材・文:黒豆直樹『ビューティフルドリーマー』11月6日(金)テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開(C)2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
2020年11月05日小川紗良主演、本広克行監督がメガホンをとった、映画レーベル「Cinema Lab」第1弾作品『ビューティフルドリーマー』より、冒頭から6分40秒までの本編映像が公開された。押井守の脚本「夢みる人」を映像化した本作では、劇中のセリフの半分以上が俳優たちの即興芝居で構成されているという、本広監督の前代未聞の演出方法がなされている。到着した映像では、その演出の一端が垣間見れる。古いフィルムを見つけ、面白いから自分たちで撮影してみようと提案するシーンが描かれる今回の映像に関して、本広監督は「映画研究会のメンバーと斎藤工の即興芝居は特に見ものです」と、見どころは映研OBとしてメンバーを支えるタクミの出演シーンだと明かし、「冒頭からこんなに本編映像解禁したのは、僕自身初めてです。是非劇場に行く前にご覧ください!」とコメント。また主演の小川さんは「部室で古いフィルムを見つけてみんなで映写機にかけてみるという経験を、私も映画サークル時代にしたことがあります。ひとつひとつ確かめながら映写機に触れる緊張感や、スイッチを入れた途端に聴こえるカタカタという音の高揚感など、全てが追体験のようによみがえりました」と撮影をふり返る。そして「冒頭シーンから、私たちの即興芝居で作り上げています。どこまでが芝居でどこからが素なのか、絶妙に混ざり合った私たちの掛け合いが楽しめると思います」と話している。『ビューティフルドリーマー』は11月6日(金)より全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフルドリーマー 2020年11月6日よりテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開(C) 2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
2020年11月04日未曾有のエンタメ業界の変革期の中、本広克行監督、押井守監督、小中和哉監督、上田慎一郎監督が参加する映画実験レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」が発足した。「Cinema Lab(シネマラボ)」は、参加監督たちが日本映画界に多大な影響を与えた通称ATGこと日本アート・シアター・ギルドに着想を得て発起した、監督の作家性を最大限に活かす“監督絶対主義”で映画を制作する映画の実験レーベルだ。映画化の条件は「限られた制作予算」のみ。制作過程となる企画開発、脚本、キャスティング、ロケーション、演出などすべてのクリエイティブは監督が自由に手がける。『星空のむこうの国』 の小中監督は、「『監督が自由に映画に情熱を注ぐ魂』と『商業映画』の幸福な融合ができればと考えています」とコメント。本広監督も「作家性のある作品が少なくなっている今、次世代の若者のクリエイターたちが撮りたいものを撮れる場を作れないか、というのをずっと思っていました。その土台に、押井監督、小中監督、上田監督をはじめ私達がなれればいいと思っています」と本レーベルにかける熱意を語っている。さらに第1弾作品として、本広監督による『ビューティフル・ドリーマー』を11月6日(金)にテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開することが決定した。本作は本広監督にとって2年半ぶりとなる実写映画。自身も所属した「映画研究会」を舞台に、映画を撮ったことのない先勝美術大学映画研究会の部員たちが“いわくつきの台本”を基に、映画製作に挑む過程を映し出す。監督としてメンバーをリードする主人公のサラに、朝ドラ『まんぷく』で話題となった新進女優・小川紗良。主人公を支える部員には、『HiGH&LOW THE WORST』『私がもててどうすんだ』の神尾楓珠、劇団ナイロン100℃所属の森田甘路、『あさひなぐ』『ドロステのはてに僕ら』の藤谷理子、札幌の劇団イレブンナイン出身のヒロシエリ、本作で映画デビューを果たす内田倭史が名を連ねる。さらに、斎藤工、秋元才加、瀧川英次、升毅といった個性豊かなキャストたちが、本人役で出演。今後も参加監督の新作が順次公開される予定なので、続報に期待したい。●映画レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」参加映画監督:・本広克行監督『踊る大捜査線』シリーズ・押井守監督『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』・小中和哉監督『星空のむこうの国』・上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』レーベルサイト: ●小中和哉監督コメント「映画ファンにとって、最大公約数的な大型商業映画だけでなく、意欲的、冒険的、個人的な限られた予算で制作された映画が見られることは大切なことだと思います。それが映画の裾野を広げ、テレビとは違う映画という文化を豊かにすることだと感じております。かつて日本映画にはそのような限られた予算で意欲的に制作された映画がありました。「ATG」(日本アート・シアター・ギルド)は「限られた予算」という条件と引き換えに自由を得た監督たちが勝負を挑む場として観客の注目を集めました。前衛や反体制、芸術という要素に映画ファンが興味を示した時代でした。オリジナルビデオという映画館にかからないビデオ用映画では、アクションややくざ、エロというジャンル映画が量産される中傑作が生まれましたし、ビデオ市場メイン、ミニシアター単館公開という図式で作家性の高いユニークな映画も生まれる余地がありました。しかしビデオが売れなくなり映画館での回収がメインとなった昨今、映画興行も映画制作も制限があると感じています。変化している時代に多様なジャンルの映画作品を届けるため、監督一個人ではなく、志のある映画監督が集まり、共同戦線を組み、ムーブメントを作り上げる必要を感じていました。バラバラに時々いい作品があっても、継続して一つのジャンルを作り上げないと、映画ファンには届きません。ATG映画、Vシネマに匹敵する新しいブランドが一つ存在しても良いと思うのです。そんなことを考えて本広さんや押井さんの賛同を得てシネマラボ企画は動き出しました。自主映画からスタートして商業映画に進出した大先輩・大林宣彦監督は生涯《映画監督》ではなく、《映画作家》と名乗っていました。商業主義に飲み込まれることなく、自主映画、アマチュア映画の心を忘れず、プロフェッショナルな監督ではなく、作家であろうとしてきました。今回の企画は、大型商業映画を撮ってきた押井、本広両監督は、初心に戻って個人の想いに忠実な自主映画のような作品を作ろうという気持ちがあるでしょうし、自主映画から商業映画へ活躍の場を広げた上田監督にとっては、自主映画の自由さを失わずに商業映画が撮れる場としての魅力を感じての参加だと思うのです。つまり、「監督が自由に映画に情熱を注ぐ魂」と「商業映画」の幸福な融合ができればと考えています」。●本広克行監督コメントシネマラボというレーベルは、当初小中監督から「現代のATG」を作らないかという提案から始まりました。ラボ=実験。予算に制限がありながらも監督の作家性を最優先し、後世に残る作品を生み出す事を目的としたレーベルです。映画はオールドメディアであり、長い間その形を変えていません。それをどのような形で進化させるのかをいつも考えています。興行的には、厳しいかもしれません。でも、やらないと後世に残る映画は作れない。作家性のある作品が少なくなっている今、次世代の若者のクリエイターたちが撮りたいものを撮れる場を作れないか、というのをずっと思っていました。その土台に、押井監督、小中監督、上田監督をはじめ私達がなれればいいと思っています。その第一弾となったのが、「ビューティフルドリーマー」です。ずっと押井守監督と組んで実写を撮ってみたいと思っていました。今回の為に押井監督には「夢みる人」という原案となる本を書いてもらいました。当初は登場人物が軽音楽部だったのですが、それを私なりにアレンジして映画研究会にし、主演を小川紗良さんに演じてもらいました。小川さんは実際に大学で映画研究会に入って作品を作っていて、自然と出る演出する言葉を知っているのと、信じた事に周りを巻き込んで猛進して行きそうな強い眼差しが今回の主演に絶対に必要な人でした。全ての映像作品を作っていてずっと思っていた事があります。今や当たり前のように作品の中だけで交わされる省略された無駄のない台詞を、演者から出るリアルな話し言葉を使って作品を作れないか。今では機材の性能が上がっていて、昔は録音できなかった台詞も今だからできる方法があります。急に違う作り方をすると観ている人は拒否反応がある事を知っていながらも、このシネマラボで自分なりの「実験」として、エチュードという形で映画の中の台詞をリアルに演出させてもらいました。是非この不思議な映画を、多くの人に色々な感情で楽しんでもらえればと思います。●『ビューティフル ドリーマー』主演・小川紗良コメント大学時代、サークルで映画を撮っていた私にとっては、あの頃を追体験するような日々でした。映画サークルって、色々な珍事件が起きるんですよ。データが飛んだり、お金が尽きたり、機材が壊れたり、しょうもないことで喧嘩したり、色恋沙汰がもつれたり。それでも映画を撮りたい気持ちは突っ走って、かぐや姫もドン引きな無理難題を言ってみたり。部室には余計なものがいっぱいあって、3留くらいしてる先輩が昼寝してる。”伝説のOB”はいつまでもサークルにはびこって、ああだこうだと言ってくる。本当に、映画サークルって変。それでも、サークル活動や映画撮影の在り方が変わり果ててしまった今となっては、あの変な日々も懐かしく思えたり。2020年、思いがけずこの映画は「癒し」になるかもしれません。人と人との距離の近さが生む珍事件たちに、ぜひ心をふっと緩ませてみてください。夢みる人、そしてかつて夢みた人に、届きますように。『ビューティフル ドリーマー』11月6日(金)テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて全国順次公開
2020年08月12日本広克行監督、押井守監督、小中和哉監督、そして上田慎一郎監督が参加する映画実験レーベル「Cinema Lab」(シネマラボ)が発足。同レーベル第1弾作品として、本広監督作『ビューティフル・ドリーマー』が公開されることが決定。主演には小川紗良を迎えた。条件は「限られた制作予算」のみ!“監督絶対主義”で映画を製作Cinema Labは、参加監督たちが日本映画界に多大な影響を与えたATGこと日本アート・シアター・ギルドに着想を得て発起した、監督の作家性を最大限に活かす“監督絶対主義”で映画を製作する映画の実験レーベル。参加監督は、「踊る大捜査線」シリーズや『亜人』の本広監督、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の押井監督、「ウルトラシリーズ」や「いいね!光源氏くん」の小中監督、そして『カメラを止めるな!』の上田監督。映画化の条件は「限られた制作予算」のみ。映画は、製作過程となる企画開発、脚本、キャスティング、ロケーション、演出など全てのクリエイティブは監督が自由に手掛けた作品を公開。日本映画界に少し違う角度から光を照らし、映画を好きになってもらうこと、映画の魅力を再発見すること、次世代の映画監督を発掘することなど、日本映画界に貢献することを目指していくという。第1弾は本広克行監督×原案・押井守監督!新レーベルの第1弾は、本広監督にとって2年半ぶりの実写映画。今回、題材に選んだのは、監督自身も所属した「映画研究会」。映画を撮ったことのない先勝美術大学映画研究会の部員たちが挑む“いわくつきの台本”を映画化するというストーリー。新たな試みとして完全な脚本を用いず、おおよその筋だけを立て、現場で俳優や監督が口頭の打ち合わせで芝居をまとめる“口立て”を用いた手法で演出する。原案は、押井監督の「夢見る人」。連続テレビ小説「まんぷく」で注目を集めた小川紗良が、監督としてメンバーをリードする主人公のサラ役で主演。カメラ担当でサラを支えるカミオ役を神尾楓珠。助監督兼雑用係として奮闘するモリタ役を森田甘路。プロデューサーのリコ役を藤谷理子。メイク担当のシエリ役をヒロシエリ。録音担当のウチダ役を内田倭史。OBとしてメンバーを支えるタクミ役を斎藤工。確かな演技力で撮影に貢献するサヤカ役を秋元才加。そして、瀧川英次と升毅が本人役で出演する。本広監督「映画の中の台詞をリアルに」映画について本広監督は「ずっと押井守監督と組んで実写を撮ってみたいと思っていました。今回の為に押井監督には『夢みる人』という原案となる本を書いてもらいました。当初は登場人物が軽音楽部だったのですが、それを私なりにアレンジして映画研究会に」と語り、「全ての映像作品を作っていてずっと思っていた事があります。今や当たり前のように作品の中だけで交わされる省略された無駄のない台詞を、演者から出るリアルな話し言葉を使って作品を作れないか。今では機材の性能が上がっていて、昔は録音できなかった台詞も今だからできる方法があります。急に違う作り方をすると観ている人は拒否反応がある事を知っていながらも、このシネマラボで自分なりの『実験』として、エチュードという形で映画の中の台詞をリアルに演出させてもらいました。是非この不思議な映画を、多くの人に色々な感情で楽しんでもらえればと思います」と新たな試みについて話した。また主演の小川さんは「大学時代、サークルで映画を撮っていた私にとっては、あの頃を追体験するような日々でした。映画サークルって、色々な珍事件が起きるんですよ。データが飛んだり、お金が尽きたり、機材が壊れたり、しょうもないことで喧嘩したり、色恋沙汰がもつれたり。それでも映画を撮りたい気持ちは突っ走って、かぐや姫もドン引きな無理難題を言ってみたり。部室には余計なものがいっぱいあって、3留くらいしてる先輩が昼寝してる。”伝説のOB”はいつまでもサークルにはびこって、ああだこうだと言ってくる。本当に、映画サークルって変」とふり返り、「思いがけずこの映画は『癒し』になるかもしれません」とコメントしている。『ビューティフル・ドリーマー』は11月6日(金)よりテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフル・ドリーマー 2020年11月6日よりテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開(C) 2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
2020年08月12日“今、そこにいる日本人”のリアルな会話劇を開拓してきた演劇界の異才・平田オリザと、『踊る大捜査線』シリーズなどエンタメ性豊かな作品群で知られる映画監督の本広克行。ふたりが2015年にタッグを組んだ舞台『転校生』(作・平田、演出・本広)が、本日8月17日、装いも新たに初日を迎える。キャストは前回同様、オールオーディション。応募総数2128人の中から選ばれた男女42名によって、オリジナルの女子校版と、男子校を舞台にした新版の2バージョンが同時上演される。『転校生』は、1994年の青山演劇フェスティバルでの初演以来、高校演劇ではバイブル的存在となっている。平田戯曲らしい“同時多発”会話で展開する、ある高校生たちの一日を描いた物語だ。誰もが覚えのある、10代特有の他愛もない会話を何層にも重ねることで、かれらが抱く漠然とした不安や社会への好奇心、大人たちへの不信感をさりげなく浮き彫りにしてゆく。今回は、平田が改定版として男子校版を翻案したスペシャルな公演。演出の本広自身による書類審査で選ばれた185人と、オーディションアプリ「mysta」で予選を勝ち抜いた12人の合計197人に実技審査を実施。まったくの新人やタレント活動をしている人、有名劇団に参加経験のある女優まで、多彩なバックボーンをもつ出演者がそろった。「“役者として本気で覚悟が決まった方”を募集したところ、前回よりも応募総数が多く、非常にみなさんが高いコミットで応募してくれたので、選ぶのが大変でした」と語る本広。観ればきっと、“かつての私”や“クラスメートだったあの人”の顔が見つかるはずだ。文:佐藤さくら
2019年08月17日新たな才能の発掘を目指し、平田オリザの戯曲を本広克行が演出するPARCOプロデュース『転校生』の開幕が迫る。初日を約10日後に控えた稽古場を訪れると、若手俳優42人が発声練習を始めた。【チケット情報はこちら】1994年に初演された歴史ある「女子校版」と、今回新たに登場する「男子校版」に分かれて同時上演される本作だが、この日の稽古は男女合同で行われた。和気あいあいとした雰囲気は、さながら“共学”の教室風景。「相手の台詞をよく聞いて、大きな声ではっきり台詞を言う」と書かれた貼り紙に見守られながら、ひとりが「あいうえお、いうえおあ……」と先導すると、全員があとに続いて滑舌を鍛える。初めての全編通し稽古を控えたこの日、最初に行われたのは作品の最後を飾る4場の場当たりだった。まずステージに立ったのは「女子校版」の21人。同級生の噂から進路まで、高校生ならではの硬軟さまざまな雑談が“同時多発会話”によって展開される。机と椅子が並ぶ“教室”を設定した舞台からの出ハケも非常にランダム。退場した生徒が両袖に居残り、作品の行方を見つめる様子が客席から確認できる演出は、2015年に本広が試みた内容を踏襲している。ステージと客席を見下ろす小高い場所に位置する演出席。本広はそこから降り、役者と同じ視座に立って指示を飛ばした。「退場後の袖では“素の自分”でたたずんで」と提案すると、あるキャストから「“役”ではなく自分として?」と質問が。疑問点はその場で解消し、すぐ実践してみせるなど、よりよい作品づくりに努める積極的な姿勢が見受けられた。続いて「男子校版」の21人が4場のスピードスルーと全編の通しに臨んだ。「朝起きたらこの高校の生徒になっていた」とひとりの転校生が教室に現れるストーリーは女子校版と同じだが、セリフやエピソードの一部は新たに平田が書き下ろしている。転換時、両袖のキャストがキャッチボールする──といった、女子校版の楽器演奏とは異なるパフォーマンスも楽しめた。物語の終盤、教室には“転校生”と親の都合で学校を去るかもしれない同級生のふたりが残る。自分だけでは抗いようのない現実を背負った彼らの応酬を、他の19人が見つめる男女共通のラストについて、本広はキャスト全員に「閉幕は“現実”の終わりでもある。この夏が過ぎたら21人が揃うことはそうないと思って余韻を持たせて」と語りかけた。互いの稽古を見学し、切磋琢磨している男女42人が役者として成長する姿を見届けよう。公演は8月17日(土)から27日(火)まで、東京・紀伊國屋ホールにて。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2019年08月16日南波あつこによる人気コミック『青夏 きみに恋した30日』が実写映画化。2018年8月1日(水)より全国の映画館で公開される。”期間限定の恋”を描いた青春ラブストーリー『青夏 きみに恋した30日』は、夏休みを田舎で過ごすことになった都会の女子高生・理緒と、そこで出会う地元の男子高校生・吟蔵との”期間限定の恋”を描いた青春ラブストーリー作品。原作は『別冊フレンド』で2013年から2017年にかけて連載され、人気を博した。主演に葵わかな×佐野勇斗都会育ちの女子高生・理緒には、『サバイバルファミリー』(2017)を始め、テレビドラマやCMに多数出演する葵わかなを起用。また、理緒が恋する少しぶっきらぼうだが優しい男子高校生・吟蔵には、『ちはやふる -結び-』(2018)など話題作への出演に続き、自身が中条あやみとダブル主演を務めた『3D彼女リアルガール』(2018)の公開を控える佐野勇斗が抜擢された。超フレッシュなキャスト陣が集結そんな2人を取り囲むキャストには、漫画「咲-Saki-」の実写版にも出演した古畑星夏や、岐洲匠、久間田琳加など超フレッシュな若手俳優陣が集結。次世代を担う新鋭たちの演技に注目が集まる。また、『走れ! T校バスケット部』など4本の映画公開を控える劇団EXILEの佐藤寛太が友情出演。吟蔵の実家が営む酒屋に立ち寄る、都会から田舎に遊びにきた男性役を演じ、同じく友情出演の声優・愛美とも共演した。主題歌にMrs.GREEN APPLE、挿入歌では井上苑子とタッグ主題歌「青と夏」を歌うのは、10代を中心に絶大な人気を誇るバンド・Mrs.GREEN APPLE(ミセス グリーンアップル)。また、挿入歌では同バンドと女子高生からカリスマ的な支持を集めるアーティスト・井上苑子がタッグを組み、ひと夏の恋を描いた映画にぴったりの音楽でバックグラウンドを盛り上げる。ストーリー夏休みの間、大自然に囲まれた祖母の家で過ごすことになった都会育ちの女子高生・理緒は、そこで地元の高校生・吟蔵と出会う。少しぶっきらぼうだけど実は優しい吟蔵に、理緒は一瞬で恋に落ちる。吟蔵も、まっすぐな理緒に次第に惹かれていくが、夏休みが終われば離ればなれになってしまう──。わかっていても止められない想い。吟蔵の幼なじみで婚約者の万里香や、理緒に想いを寄せる祐真たちも巻き込み、恋はどんどん加速していく。果たしてこの恋のゆくえは──?【作品詳細】『青夏 きみに恋した30日』公開日:2018年8月1日(水) 全国ロードショー原作:『青夏 Ao-Natsu』(講談社『別冊フレンド』刊)監督:古澤健脚本:持地佑季子出演:葵わかな、佐野勇斗、古畑星夏、岐洲匠、久間田琳加、水石亜飛夢、秋田汐梨、志村玲於、霧島れいか、南出凌嘉、白川和子主題歌:Mrs.GREEN APPLE『青と夏』(ユニバーサルミュージック/EMI Records)挿入歌:Mrs.GREEN APPLE『点描の唄』feat.井上苑子(ユニバーサルミュージック/EMI Records)配給:松竹
2018年06月15日映画『曇天に笑う』が、2018年3月21日(水・祝)に全国の劇場で公開される。主演は福士蒼汰、監督は本広克行が務める。原作は、累計発行部数120万部を突破している唐々煙による同名の人気漫画。明治11年の日本を舞台に、絶対脱獄不可能な監獄「獄門処」に重犯罪者を護送する“橋渡し”役を務める、曇三兄弟の活躍を描く冒険活劇だ。明治時代の監獄を舞台に、福士蒼汰がアクションに挑戦三兄弟の長男で主人公の曇 天火(くもう てんか)役を務めるのは、福士蒼汰。また、兄を慕いながらも、その存在をいつかは超えたいと悩む次男・空丸役を中山優馬が、甘えん坊で長男の天火が大好きな三男・宙太郎を若山耀人がそれぞれ演じる本作のメガホンを取るのは、「踊る大捜査線」シリーズやアニメ「サイコパス」などで知られる本広克行。アニメ版でも脚本を務めた高橋悠也とタッグを組み、本格時代劇アクションに挑む。主題歌はサカナクションの新曲『陽炎』主題歌にはサカナクションが新曲『陽炎』を描き下ろす。本広監督の熱烈オファーにより実現したこの楽曲は、2017年3月末にライブツアーで披露されて以降、現在も修正を重ね続けている。締め切り直前まで試行錯誤を繰り返す予定で、フロントマンの山口一郎が「この曲が今後のサカナクションの方向性を決める」と言い切るほど、渾身の一曲になることがほのめかされている。また、オープニング曲「曇天に笑う-opening&ending‐with GOCOO」も楽曲提供する。『曇天に笑う』あらすじ「どんな時でも笑っていられる強い男になれ」が信条のお調子者、曇天火(福士蒼汰)は、3兄弟の長男で、弟思いで人々から慕われていた。どんな悪党にも負けない最強の男として村を守っている一方で、実は弟にも言えない秘密を抱えていた。彼らの暮らす地では、300年に1度曇り空が続く日、世界を滅ぼす破壊の神・オロチ(大蛇)が復活し、人々に災いをもたらすという伝説があったのだ。ついに曇り空が続き、オロチ復活がささやかれるある日、オロチの力を利用し、政府転覆を目論む忍者集団・風魔一族が村を襲い、明治政府と大闘争がおき、それに巻き込まれた天火の弟・空丸(中山優馬)は、命を狙われ捕らわれの身になってしまう。弟を救うため、単身で風魔一族に戦いを挑む天火だが、仲間の裏切りに遭い絶体絶命の窮地に。果たして天火は愛する弟を守れるのか?そして彼が隠し続けてきた秘密とは?史上最悪の運命をひっくり返せ!奇跡の大逆転エンターテイメントがはじまる。【作品情報】映画『曇天に笑う』公開時期:2018年3月21日(水・祝)出演:福士蒼汰、中山優馬、若山耀人ほか原作:唐々煙「曇天に笑う」(マッグガーデン刊)全6巻+外伝監督:本広克行脚本:高橋悠也© 映画『曇天に笑う』製作委員会 ©︎唐々煙/マックガーデン
2016年08月19日劇作家・平田オリザの戯曲『転校生』が、映画監督・本広克行の演出で上演される。とある学校の教室を舞台に、女子高生たちの1日を描く作品で、1994年にオール高校生キャストで初演されて話題に。本広は今回、オーディションを行い、1474人の中から平均22歳のキャスト21名を選んだ。舞台『転校生』チケット情報稽古も中盤に入った8月某日、通し稽古が行われた。キャストたちが髪をいじったりメイクを直したりしながら、平田作品に特徴的な “同時多発会話”で台詞を言うさまは、等身大の女子高生の日常を見るように自然だ。舞台の両サイドには通路が設えられ、さらに奥には、観客にも見える場所に出演者たちのドレッサーが置かれている。「舞台上では役を演じ、通路では役を離れてニュートラルに行き来し、ドレッサーでは自分自身に戻るという、三つの人格を設定しています」と本広は説明。劇のラスト、ふたりを残して他の出演者がドレッサーの前で舞台を見守るのだが、彼女達の多くは、見ながら涙を流していた。本広は終始、笑顔で、様々な角度から舞台を確認してメモを取っていく。通し稽古終了後には、リアクションのしかた、感情を出すタイミング、他の場面に出てきたことをどう匂わせるかなど、細かくダメ出し。スカートの広げ方や下敷きの見え方といった細部にまで視覚的にこだわった演出は、映画監督の真骨頂と言えるかもしれない。本広は、平田作品に10年ほど前から「ハマって」いたという。最近では、ももいろクローバーZが主演した今年の映画&舞台『幕が上がる』も手がけた。「映画では台詞って基本的に重ならないんです。でもオリザさんの舞台では、芝居が多重に進行していても聞き取れる。人間の耳って面白いなあと感じましたね。いつかオリザさんの芝居を演出したいと考えていて、『転校生』をAKBのようなアイドルたちでやったらどうかと提案したら、オリザさんが『実は小説を書いていて……』と。それで結果的に『幕が上がる』を先にやることになったんです」。そんな本広の、映画と演劇への思いは、随所に見ることができる。たとえば、舞台に掲げられた3枚のスクリーン。演じているキャストたちを、客席からは見えないアングルからとらえてスクリーンに投影したり、平田のテキストがキャストの台詞に合わせて投射されたりするのだ。リアルタイムで操作するのは、若い映像監督たち。色々な意味で、映画と演劇が交差・交流する場となりそう。多感な若い女性21名を束ねる労力は大変なものだろうが、本広は「キャリアが少ない分、色に染まってくれるところは子供達と一緒。本人たちには言いませんけれども、やはり選ばれし子達なので成長がすごいです」と手応え十分の様子。「舞台は言ってしまえば嘘の世界。でも、彼女達の姿はリアルなので、そこをぜひ目撃していただきたいと思います」。公演は8月22日(土)から9月6日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて。取材・文:高橋彩子
2015年08月21日憂鬱な梅雨が始まり、“家の中で過ごす休日をいかに充実させるか”がもっぱら最近のテーマという方もいるのでは。そんな方におすすめしたいのが、 「ネスレシアター on YouTube」 。有名な映画監督の質の高い作品をYouTube限定で無料公開しているという、これまでにない企画です。なかでも、働く女子にとって見逃せないのが『踊る大宣伝会議(略)』。あの『踊る大捜査線』の本広克行監督がメガホンをとり、架空の広告代理店の制作現場を描いています。広告代理店と言えば、何だか華やかな世界というイメージがありますが、じつはそうでもないよう。クライアントへのプレゼンテーションに向けてドタバタする模様や、さまざまな職種の人が関わって、ひとつの広告が作られていく様子は、きっと新鮮に映るはず。あまり馴染みのない用語がぽんぽん飛び出しますが、ひとつひとつ文字で説明が入る映像のテンポがよく、一気に引き込まれてしまううえ、何だか目が離せなくなってしまうのもこの作品のすごいところ。新しい映像表現の形に自然に触れて楽しめます。現場で働く人たちのオーバーな表現には、まさかこんなことはないだろうとは思いつつも、知らない世界のことだけにもしや…という気にさせられ、想像をかきたてられます。それらの作品を中心に上映する『神戸三宮映画祭』が6月5、6日に開催され、『踊る大宣伝会議(略)』のシリーズ第2弾の制作記者発表会がおこなわれました。本広克行監督と、シリーズ第2弾に出演が決まっているGACKTさんによるトークセッションでは、本広監督が「広告の舞台裏を描くのは10年前から暖めていた企画で、やっていて楽しい。どんどんイメージが広がるので、この(制作記者発表会の)シーンを使ったらどうなるかな」と語ると、GACKTさんも「広告代理店の中はすごくドロドロしているので、それが表に出る面白さがある。自分が関わることでさらに面白くしたい!」と、意欲を見せました。二人の熱意に、期待感大! 仕上がりが楽しみです。シリーズ第2弾は、2015年9月に公開予定。無料でここまで面白いショートムービーが見られることにちょっとビックリしてしまうほど。1話10分程度なので、ちょっとした息抜きや気分転換にもおすすめです。・神戸三宮映画祭 公式サイト
2015年06月12日