5月23日、俳優の吹越満(59)が実の娘で女優の咲耶(24)が更新したInstagramに登場。娘のビジュアルに注目が集まっている。咲耶は昨年に女優デビューを果たし、’23年秋のシンドラ『君が死ぬまであと100日」(日本テレビ系)に出演。’25年には準主役を務めた映画「粛々のモリ」の公開も控えており、今後の活躍が期待されている。今回の投稿で、咲耶は《smile》と綴り、4枚の写真をアップ。うち3枚はカウンターに座り吹越とワインを楽しむ様子をアップしており、ワイングラスを持つ咲耶と2ショットを。見つめ合ったあと、二人で笑いあう場面もあった。咲耶のInstagramにはたびたび吹越の写真が投稿されており、親子仲は良好のよう。今年2月の吹越の誕生日にはレストランでお祝いした様子をアップしており、《普段から私よりマメにネイルを塗ってる洒落たおじなので、持ってなさそうで似合いそうな色を選びました》とネイルポリッシュを贈ったことを綴っていた。ネットのコメント欄では、咲耶の美しさに称賛する声が殺到。また、母である女優の広田レオナ(61)に似ているとの声も多数寄せられていた。《雰囲気があって綺麗ですね》《娘さんお母さんの雰囲気引き継いでいるね》《目元がお母さんに似ていますね。素敵》《娘ちゃんまだ若いと思うけど、妖艶さがレオナさん譲りですねー!可愛くてセクシーだからモテモテでしょう。パパ、心配ですね》《この写真の何がカッコいいって、吹越さんの渋い横顔とタバコの煙。映画のワンシーンみたいで素敵です》
2024年05月27日俳優の吹越満(59)が23日、娘で俳優・咲耶(さくや/24)のインスタグラムに登場。仲むつまじい親子2ショットが公開された。咲耶は「Smile」とつづり、親子で見つめ合う様子など4枚の写真をアップ。2人で食事に出かけたのか、咲耶はグラスを、吹越はタバコを手に、カウンター席で横並びに座っている。親子仲の良さがにじみ出る写真に、ファンからは「ほんと、素敵でカッコイイ父娘」「親子で呑めるの素敵!!」「グラス片手にいい女の雰囲気ダダ漏れ、、日に日に美しくなられる」「吹越さん絵になる!」「吹越パパといるときの咲耶ちゃんの自然で楽しそうな笑顔がほんとかわいい」など、さまざまな反応が寄せられている。吹越は1994年12月、俳優・広田レオナ(61)と結婚。2000年4月11日に咲耶が誕生した。その後、2人は05年12月に離婚。12年12月に再婚するも、17年1月に再び離婚していたことが明らかとなった。
2024年05月24日YouTuberのはじめしゃちょー、YouTuberグループ「はじめしゃちょーの畑」メンバーのたなっち、凸、またぞうが15日、ライブ配信アプリ「17LIVE(ワンセブンライブ)」にて実施された『「はじめしゃちょー」オーディション開催記念ライブ配信』に登場した。17LIVEとはじめしゃちょーがタッグを組む初のオーディションイベント「17LIVE×はじめしゃちょー&畑チャンネル出演者募集プロジェクト」が16日より開催されることを記念し実施された今回の配信。はじめしゃちょーがライバーの配信にサプライズでコメントを行うコーナーや、『はじめしゃちょーの畑』の人気動画を当てるクイズコーナーなどが行われた。そして動画後半には、はじめしゃちょーと「畑」メンバーが、Twitterで寄せられた質問に回答。「一番楽しかった企画」として、はじめしゃちょーは「3億円の豪邸を購入した動画」を挙げ、2、3年ほど前から憧れていた家を購入できたことについて、「達成感というか、目標が一個クリアできた嬉しさがありました」としみじみと語った。一方、「一番キツかった企画」は、「事故物件に一人で泊まる」というもの。「なかなかそういうところに泊まる機会もないので、このチャンスを無駄にはできないと泊まった」と言い、「気がおかしくなるくらい頑張りました」と振り返った。そして最後に「17LIVE×はじめしゃちょー&畑チャンネル出演者募集プロジェクト」に参加するライバーに向け、はじめしゃちょーは「動画クリエイターさんもうちに来られたことがないので、かなりレアな経験だと思う」「本当に楽しんでほしい。お待ちしております」とメッセージを送った。
2021年11月16日主演の生田斗真をはじめ、堤真一、仲里依紗、吹越満、新キャストとして鈴木亮平も参加することが明らかになった映画『土竜の唄 FINAL』。この度、オールスターキャストが大集結した超ド迫力の本ポスタービジュアルが到着した。8年ぶりのシリーズ3作目にして、ついに完結となる本作。今回公開されたビジュアルの中央には、1作目・2作目に負けない「バッチ来い!」な表情の生田さん演じる菊川玲二が登場。またその手には懐かしの制帽。ヤマ場の舞台となる豪華客船と金の手錠も描かれている。そしてその周りには、オールスターキャストが大集結。特製スーツを身に纏うパピヨン(堤さん)、手錠を持ち婦警姿で微笑む純奈(仲さん)、鋭い眼光で殺気を放つ轟周宝(岩城滉一)、玲二を全力で応援する酒見(吹越さん)&赤桐(遠藤憲一)&福澄(皆川猿時)のジャスティス・トリオとお馴染みキャラクター。さらに、シリーズ2度目の復活キャスト、愛すべき宿敵・猫沢(岡村隆史)と、美しき逆襲のヒットガールの胡蜂(菜々緒)。異様な殺気を放つ轟烈雄(鈴木さん)、全身黄色の衣装で沙門(滝沢カレン)が存在感たっぷりに登場している。『土竜の唄 FINAL』は11月19日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:土竜の唄 FINAL 2021年11月19日より全国東宝系にて公開©2021「土竜の唄」製作委員会 ©高橋のぼる・小学館
2021年08月23日吹越満によるソロパフォーマンス「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ2017『夜』- la nuit -」が、8月24日(木)から27日(日)まで上演される。公演初日を約1週間後に控えた稽古場を訪れると、自ら演出を手がける吹越のもと、映像や音響をはじめとするスタッフ達と緻密な稽古を繰り広げていた。フキコシ・ソロ・アクト・ライブ 2017 チケット情報1989年よりスタートした「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」シリーズは、吹越のライフワーク。今回、サブタイトルに「~俳優・吹越満の演芸 終わりの始まりを飾るシリーズ、1~」と銘打たれた本作は、2009年に発表された「スペシャル」から8年ぶりの上演となる。毎回、吹越が構成・演出・美術を手がけ、身体表現と映像に笑いが融合した独自のステージを展開している。この日は体育館並みの広さがある稽古場に移って3日目。レポート用紙57枚にまとめられた吹越自筆の構成案に添って、各シーンの精度を上げていく作業が繰り返された。吹越は映像の寄り引きやタイミングを何度も調整。鈴木羊(SEX FREE)が手がける音楽も緻密に絡み、細部にまでこだわる指示を飛ばしていた。演出補として稽古に参加していたのは、山内ケンジが主宰する城山羊の会をはじめとする舞台作品や映像など幅広いジャンルで活動する俳優・岩谷健司だ。吹越にとってはWAHAHA本舗在籍時の後輩にあたり、退団前から彼のブレーンとして「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」シリーズに参加。この日の稽古でも、岩谷は常に吹越に付き添い、パフォーマンスに対する意見を述べ、指示をメモに書き留めるなど精力的に現場を支える。吹越の脳内にあるイメージを具現化すべく、スタッフ一丸となって作品づくりに励む一方で、舞台セットである机の引き出しが突然壊れてしまい、思わず全員が笑ってしまうひと幕も。稽古場には集中とリラックスの瞬間がバランスよく訪れていた。2時間ほど序盤を合わせた吹越らは小休憩に。「仕上がりが楽しみになりました」と伝えて稽古場をあとにした取材チームの言葉に、吹越は少しだけはにかんでみせた。ぜひ劇場で、吹越のパフォーマンスと繊細なスタッフワークを見届けてほしい。公演は東京・東京グローブ座にて。チケット発売中。チケットは前日23:59まで受付、当日券も全公演販売。取材・文:岡山朋代
2017年08月21日個性派俳優ムロツヨシが主演を務めるドラマ「悪党たちは千里を走る」。山崎育三郎や黒川芽以ら旬の俳優陣が出演する本作だが、3月2日(水)放送の第7話より吹越満が敏腕刑事役で出演することが明らかになった。2005年に発表された貫井徳郎の同名推理小説をドラマ化する本作。制作会社のドラマディレクターだった高杉(ムロツヨシ)は、謎の天才犯罪者ジョン・レノンによって、後輩の園部優斗(山崎育三郎)や女詐欺師・三上菜摘子(黒川芽以)とともに成金の息子・渋井巧(大西利空)の誘拐犯にされてしまうユーモラスミステリー。来週3月2日放送の7話では、ジョン・レノンに脅迫を受けながら、所轄刑事・陰木光(中村靖日)や天王寺雄吾(夙川アトム)ら警察の追及をかわし、何とか身代金をせしめることに成功した高杉たちが、警視庁の敏腕刑事・黒田敏機の登場によって高杉たちはさらなる窮地に追い込まれていくことに…。今回新たに敏腕刑事・黒田役として登場するのは、「警視庁捜査一課9係」シリーズ「デカワンコ」「エイジハラスメント」など、シリアスなものからコミカルなものまで幅広いドラマや映画に出演する吹越さん。今回の出演に関して吹越さんは「原作も読んだことがあったので、脚本が大きくアレンジされているところが面白いと思いました。私が演じる刑事・黒田がドラマにピリッとしたスパイスを盛り込む存在になるのかな、なれたらいいな」と意気込みを語った。またムロさんも「舞台でも拝見したことがある先輩と、このドラマで共演できて嬉しく思っています。冷静さの中に、淡々とした恐怖がある吹越さんとしっかりと対峙して、しっかりと怖がりたいと思います」と早くも手ごたえを感じていた様子。迫力満点の演技で徹底的にムロさんを追い込んでいく吹越さんの見ごたえのある演技見が披露される7話。放送を楽しみにしていて。テッペン!水ドラ!!「悪党たちは千里を走る」は毎週水曜日23時53分~TBSにて放送。(cinemacafe.net)
2016年02月25日「あんた壊れてるよ、変態!」。罵りも何のその、友達のパパ・恭介を好きになってしまったメガネ女子・マヤは、恋愛成就のために一直線。その一途過ぎる暴走寸前の純愛は様々な関係性を崩壊し、広がった波紋はついに大事件へと発展する。「ソフトバンク白戸家」などの個性的なCMを生み出し、劇作家として第59回岸田國士戯曲賞を受賞した山内ケンジ監督の長編映画第2弾『友だちのパパが好き』。娘の友人から猛烈アタックを受ける中年男・恭介を吹越満、なりふり構わず自分の愛を伝える猪突猛進型女子・マヤを新人女優の安藤輪子が務める。果たして友達のパパを好きになる事などあるのだろうか?唯一無二の山内ワールドの魅力から、ワンシーン・ワンカットで行われた白昼の衝撃的キスシーンの裏側を聞いた。吹越と山内監督のタッグは、山内監督が主宰する演劇ユニット“城山羊の会”による「微笑の壁」以来約5年ぶり。演じる恭介は、愛人を妊娠させながらも、娘の友人・マヤのアプローチにもなびいてしまうダラしない中年男という役どころ。山内監督の、キャストを念頭に脚本を書き下ろす当て書きスタイルに頭をかきつつも「山内さんは、役者が余計な事を考えずに書かれていることをそのままやれば面白いという脚本を書く方。キャラクターにピタッとはまるセリフがあるので、こちら側から質問する必要がまったくない。俳優としては大助かり」と類まれなる作劇術に全幅の信頼を置く。一方の安藤は「脚本を読んだ時に、挑戦的で自分にはない役柄だと感じた」という、尋常ならざる純愛パワーで周囲を翻弄するマヤをオーディションで見事手にした。しかし相手役は、あの名バイプレイヤー・吹越だ。「オーディションの結果を聞いたときは“やったぞ!”という嬉しい気持ちと“やばい!”という両極端な気持ち。吹越さんはテレビで何度も拝見していましたが、ご一緒できると決まった時は、なぜかネットで画像検索していました」と照れ笑いで「怖い方かな?と思ったけれど、実際はとても優しくて気さくな方。カッコよかったです」と役柄同様にぞっこんだ。吹越はじめ、妻役の石橋ケイ、娘役の岸井ゆきの、愛人役の平岩紙らキャスト陣は、城山羊の会の経験者。“新参者”の安藤は「お芝居の経験も少ないし、自分の中で確信が持てなくて、OKをもらっても不安は消えませんでした。山内監督は何を考えているのかわからない時もある不思議な方。あまりに何も言われないので、嫌われているのでは?と思ったこともありました。けれど石橋さんから“それでいいという意味だ”と言われて、その言葉を励みに頑張りました」と緊張の撮影を振り返る。ゆえに「褒められたら、ハイテンションになった」と嬉しそう。映画のルックは、ほぼワンシークエンス・ワンカット。その中で現代口語演劇の流れを汲んだリアルな言葉を使ったセリフが飛び交う。言葉の受け取り方の違いから会話が広がり、そこから問題が噴出したり、脈絡のないように思えるセリフがキャラクターの心情やシチュエーションを表していたり。それら会話のやり取りには一切の無駄な間がなく、即興で演じられているかのよう。ところが実際はその逆。撮影に入る前には、演劇の稽古のような入念なリハーサルが行われている。2人が初めて一線を越えてしまう道中での白昼のキスシーンは、通行人としてエキストラが数名いるものの、車道を走る車はすべてホンモノ。長回しゆえに吹越は「なかなかカットがかからないから、エキストラが全員通り過ぎてしまって、一般の方が通りかかるという状況。小学生にも目撃されました」と驚きの撮影を振り返るが、安藤は「私はキスに夢中で、周りはほとんど見えませんでした」と女優魂を炸裂させた。2人のキスは、車道を挟んだ車越しに展開する。車の陰になって姿が見えなくなったかと思いきや、偶然にも車が動き出し、2人が抱擁し激しいキスをしている姿が車窓越しに見える。吹越は「そもそも映画全体の何か所かに、計算でやっていたら何10テイクも重ねなければいけないような奇跡的な瞬間がちりばめられている。そういうのを見せられると、“山内さんは持っているなぁ”と思わざるをえない」と演出意図を超えたショットにうなるばかりだ。吹越は50歳、安藤は23歳。親子でもおかしくない歳の差。そもそも友達のパパを好きになる事などあり得るのだろうか?しかし安藤は「どちらかといえば、年上の男性の方が好き。マヤのように手を出そうとは思いませんけど、周りにもカッコいいと思うお父さんはたくさんいる」と“友パパ”好き賛成派。それでは愛されるパパ側はどうか。中学3年生の娘を持つ吹越は「いやいや、まったくモテません。用事があって学校に行くと娘の友達が集まって“キャーキャー”言うけれど、それは“本物だ、本物だ”という物珍しさからくるもの。体育祭でも騒がれましたが、それは“あまちゃん”のTシャツを着て行ったから」と苦笑い。たとえアタックされても「踏み留まります。娘の事もあるわけですから、そこはきちんとお話をしてダメですよと。それでもどうしてもと言うのであれば、他のお父さんを紹介します」と演じた恭介とは真逆の反応だ。実は山内監督の次回作となる長編映画第3弾はすでに撮了。吹越と安藤は、また山内監督からのオファーがあれば「ぜひ出演したい。自分の名前が山内監督の脳内に浮かぶことが光栄」と声を合わせる。さらに吹越は「50歳というと、カウントダウンが始まる歳だけれど、自分としてはまだやっていない事もあるし、誰にも見せていない部分もある。意外とみんなわかっていなくて、それを山内さんに見つけてほしい」と意味深アピール。それに続いて安藤が「実は私もまだまだ見せていないところがあるんです!」とニヤリとすれば、吹越は「こう言っておけば、山内さんも気になって連絡してくれるはず。この仕事を31年くらいやっていますけど、まだまだ見せていないところがあるよ!」と奇才にラブコールを送っている。(text/photo:Hayato Ishii)
2015年12月18日映画やドラマで静かに、しかし確かな存在感を感じさせたかと思えば、一転、舞台の上ではこれが同一人物かと見まがうようなコミカルな一面を見せる。吹越満とは何とも不思議な俳優だ。その奇妙な(失礼!)佇まいはインタビューで対峙してもやはり、変わらない。そんな彼が主演を務める映画『冷たい熱帯魚』がまもなく公開となる。メガホンを握ったのは、日本の映画監督の中でも数少ない“鬼才”という形容が似合う監督・園子温。吹越さんは堕ちて、堕ちて、ひたすら堕ちる、救いようのない主人公・社本を演じている。園子温vs吹越満――。タッグを組むのは今回で3度目、主演としては初めてとなったが、吹越さんはこの強烈極まりない作品に何を感じ、どのような思いで臨んだのか――?「楽しかった。現場で監督が一番面白い存在だったから(笑)」監督自身の経験と、90年代に起きた愛犬家殺人事件やほかの猟奇事件からインスパイアされて製作されたという本作。小さな熱帯魚屋を営む主人公が、ある出会いをきっかけに、たったひとつの“破滅”という名の道を進んでいく姿が映し出される。「ひと言で言うと楽しい」とは園組の撮影の印象。3度も組むぐらいだから当然、と思いきやその内容は映画さながらなかなか激しいようだ。「撮影は3週間ぐらいかな。おそらくは十分な時間がない中で、クランクイン前には1週間のリハーサルがあって、クランクインの日は朝から深夜、2日目が朝から次の日の朝まで…24時間以上か。いや、もうウワァって始まりだったんですが、なぜかホントに最後まで全然イヤじゃなかった。それは監督の人柄もあるのかな?やっぱり面白いね、監督が現場で一番面白い存在だっていうのは(笑)」。吹越さんから見た園監督というのは…?「作品の感じから、何となくどういう人か分かる気がするでしょ?でも、結構きちんとしてる。作品からすると意外なくらいね(笑)。酒癖が悪いってのは本当で(笑)、でもそれを認識してるから、ちゃんとお酒を飲まない時間を作って…ってそりゃそうか、大人だし(苦笑)。で、何より監督本人が言うのが『役者のお芝居を撮りたい』ということ。美術も照明も音もカメラもアングルももちろん必要で大切なんだけど、一番大切なのは役者の芝居だと謳ってる。だから、ずっと大切に“見られていた”という感覚はありますよ」。一見、人のよさそうな同業者の村田(でんでん)の恐るべき“裏”の顔を目の当たりにしつつも、抗うことすらできずに絶望へと引きずり込まれていく社本。この2人の関係を吹越さんはこう語る。「村田はものすごい悪だけど、いま考えると社本にも裏があって、『みんなによく思われたい』とか『責任を負いたくない』とか考えて、何とか取り繕うとしてもそれが全部悪い方向に行っちゃう。そういう人間だからこそ、村田は社本のことを狙ってたのかな、というのが僕の解釈。分かりやすい悪人が村田なら、社本は問題になる人間ですね。村田を見ながら僕も『そっちの方が良いなぁ』って思ってましたもん。『お前が考えてる地球はツルっとした丸い石だろう?おれが考えてるのはゴツゴツした岩だ』なんてセリフとしてかっこいいしね(笑)。やってることはひどいけど、すごい人間だなぁって」。「この映画に出て思ったのは“作りモノなめんなよ!”ってこと(笑)」まさに、吹越さんが引用したセリフではないが、破滅への一本道をスルスルと堕ちつつも、要所要所でグサリと突き刺さる何か――単に猟奇殺人事件を映画化したのではない、あえて言うなら“異物感”をこの映画の物語は感じさせる。「観てる側が『こう進む』と思ってるところをカクっと外して、また『こうかな?』と思うとカクっ、カクって全部外していく。それは裏を返せば実は、全部あっているということなんですね。昔、知り合いでビートルズの曲を聴いて、ジョンが歌ってるのか、ポールなのかが分かるっていうヤツがいて。試しにこれはジョン、これはポールってやってみたら、全部外れてた、ということがあったんだけど(笑)。それは、全部聞き分けてたってことなんだよね。それと同じで、園さんは全部“ちゃんと”外してるんですよ。それがエンターテイメントだな、と思います。“事実は小説より奇なり”って言うけど、逆にこの映画に出て思ったのは“作りモノなめんなよ!”ってこと(笑)」。そこで“絶妙”という言葉しか思い当たらない演技を見せている吹越さんもやはり、エンターテイナーだろう。もうすぐ46歳。不惑の40代も半ばを過ぎて、自らをどのように見つめているのか。その言葉は興味深い。「(観客が自分を)ダメというよりは良いと思ってくれているのかなぁ…でも、それを真に受けて自信を持ってよいものかなぁ…?という感じでしょうか(笑)。『俺、良い演技したよね』って言ってもいいかな…と思わなくもないような…と言うのは冗談ですが(笑)。ひとつ、自分で思っているのは『俳優になりたい』ということ。俳優になりたいんですよ、僕(笑)。そのためにこうやって映画やTVや舞台で仕事してるのかな。“良い俳優になりたい”というのでも“俳優を続けたい”でもなくて、あくまでも俳優になりたい。いつなれるのか分からないけれど、このままこうして続けていればなれるのかな…と思って仕事してます。その俳優になりたいって気持ちがなくなったら終わりですよ」。そう言って笑うこの男は“いま”一体何者なのか?もしかしたら、この映画を観たらもっとそんな謎が深くなるかもしれない――。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:三池崇史×園子温×吹越満がほろ酔い&タバコ片手に過激発言で映画界をメッタ斬り!鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月21日映画監督の三池崇史と園子温、俳優の吹越満によるトークイベントが1月20日(木)、東京・港区の東京ミッドタウン内の「ビルボードライブ東京」で行われ、園監督を中心に、3人は過激なトークを繰り広げ会場は大きな盛り上がりを見せた。「三池崇史presents大人だけの空間」と称したトークショー付きの試写会企画の第2弾で、この日は吹越さん主演の園監督最新作『冷たい熱帯魚』の上映を実施。上映前のトークイベントに登場した時点で3人、特に三池監督と園監督はすでにほろ酔い気味!三池監督は『冷たい熱帯魚』を「ここ何年かにおける驚くべき傑作」と絶賛する。一方で「僕と園さんの映画との関わり方は全く違う。僕はいろいろやりつつも、いまは健全な家族で楽しめる作品作ってる(笑)」と自身の健全さをアピールして園監督との違いを強調!「園子温が暴れ回った後を付いていく。(園監督が)僕らの作れる映画の幅をどこまで広げてくれるのか」と続けると、これに園監督が「逆ですよ!三池崇史が森を伐った後を、僕らはスポーツカーで走るつもりなので心外です」と反論し、会場は笑いに包まれた。映画は、90年代に実際に起きた「愛犬家殺人事件」を基にしているが、園監督は「“事実は小説より奇なり”と言うけど、事実は起承転結の“結”がダラダラしたりする。だから“転”から“結”の部分をフィクションにした」と熱弁。勢いあまって「そこで吹越さんが…」と核心を語りそうになり、慌てて吹越さんが「まだ(観客は)観る前ですから!」と止めに入る一幕も。さらに、酒とタバコがトーク中も“注入”されていく中で、発言内容はどんどん過激に。三池監督は、自身の監督作で今年公開となる『忍たま乱太郎』の話題でも自虐的な発言を交えながら会場の笑いを誘う。園監督も負けじと(?)、現役の映画監督や公開中の作品の名を挙げて「消えてなくなれ!」などと毒を吐き続けた。吹越さんが慌てて「普段はこういう人じゃないです!」と再び“火消し”に走るも、2人はどこ吹く風。「いまの映画監督なんて全員ダメでしょ?」(園監督)などとさらに過激な方向に…。吹越さんは「ほかの作品や監督のことは置いといて…」と苦笑しつつ、「『冷たい熱帯魚』のオファーは本当に、本当に嬉しかった」と充実した表情を見せる。ちなみに園監督が吹越さんに主演を依頼した経緯はというと「喫茶店で話してたら吹越さんが入ってきたので『(スケジュール)空いてる?』って(笑)。そのいいかげんさが良いものを呼ぶと信じてる」と力強く語り、三池監督も頷いた。さらに園監督は「血まみれになりながら書いた」など、こちらも過激な製作の過程を暴露。三池監督は「映画は狂人が作るべきものなんですよ!例えば、勝新太郎がいまの時代に二十歳で生きてたとしても、映画関係者は誰も見向きもしない。そんな状況になってしまった。そんな中で園子温は勝手なことして生きてる」と三池流のエールを送り、観客の喝采を浴びていた。ちなみに、ここまで過激な方向で息のピッタリ合ったやり取りを見せた三池監督と園監督だが、今夜が初対面だという…。『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月20日