直木賞候補にもなった和田竜のベストセラー小説を野村萬斎主演で映画化した『のぼうの城』の第一弾予告編がこのほど公開された。『のぼうの城』予告編『のぼうの城』は、家臣から“のぼう様”と呼ばれる忍城(おしじょう)の城代・成田長親(野村)が、外見からは想像もできない才能と人望によって、天下統一を目指す豊臣秀吉の2万の大軍を相手に、たった500名の兵で圧倒的な戦いを見せる様を描いた作品。野村をはじめ、佐藤浩市、榮倉奈々、山口智充、成宮寛貴、上地雄輔、山田孝之らが出演し、犬童一心と樋口真嗣が監督を務める。圧倒的な戦力の差をつけられた長親の軍勢はどのようにして形勢を逆転し、勝利をおさめるのか? 小説『のぼうの城』は、その“奇策”の面白さと巧みさ、策を成功させるべく奔走する登場人物たちの魅力が読者の心を掴み、またたく間にベストセラーになった。累計130万部を突破した小説のオリジナルは実は、映画脚本。原作者の和田竜氏は脚本を基に小説を書き上げた。映画版はその意味で“真の”『のぼうの城』と言えるだろう。このほど公開された予告編も、少し奇妙な行動をとる長親や、激しい戦いの中で必死に生きる者たちの姿を積み重ねる構成で、原作ファンには読書時の記憶がよみがえる、未読の観客にはこれまでにないエンターテインメント映画の登場を予感させる内容になっている。『のぼうの城』11月2日(金) ロードショー
2012年06月08日東京ディズニーランドホテルは9月、東京ディズニーランドのシンデレラ城を舞台としたウェディングプログラム「ディズニー・ロイヤルドリーム・ウェディング」を導入する。同プログラムは、1983年の東京ディズニーランド開園以来初めてとなるパーク内ウェディング。シンデレラ城のアトラクション「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」内にある「グランドボールルーム」(大広間)で結婚式を行い、列席者が見守る中、新郎新婦が指輪の交換や結婚証明書へのサインを行い、永遠の愛を誓うという。挙式後は、フラワーシャワーで祝福され、列席者とともにシンデレラ城の前を行進。披露宴は、東京ディズニーランドホテルの宴会場「シンデレラドリーム」で行い、ミッキーマウスやミニーマウスなどのディズニーの仲間たちがお祝いに駆けつけ、ウェディングケーキへの入刀を盛り上げるとのこと。プログラム開始時期は9月下旬で、4月8日10時から予約受付を開始。料金は50名で750万円(1名追加4万5000円)。1日1組限定となっており、申し込み多数の場合は抽選。なお、シンデレラ城での結婚式は、50名(新郎新婦を含め52名)までとなっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月26日ベビーから小・中学生まで、子どもが心ワクワクさせるような遊びを提供する総合児童センター、「こどもの城」。冬休みの1月3~9日は特別期間として10:00~17:30まで開館(1月3日のみ12:30開館)、「冬休みあそんでゲンキに!みんなでエンジョイ!こどもの城」プログラムを展開する。テーマは“日本のお正月”。3階のプレイホールと1階ピロティでは「~新春あそびのお年玉2010~めざせ!あそびの龍人(たつじん)~」と題し、こまやべいごま、三つ馬、かるた、めんこ、おはじきといった昔懐かしい遊びを提供。1月4日には、正面玄関にて“こま名人”のこまのたけちゃんによるパフォーマンスも行われる。4階音楽ロビーでは、和太鼓と箏、三味線にチャレンジできる「日本の楽器やってみよう」を開催。スタッフの指導のもと、ふだん見慣れない楽器を奏で、音色を楽しむチャンス。幼児から参加できるというのも魅力だ。また、1月8日には、こどもの城和太鼓グループによる演奏会、「ひびけ!めでたいこ!」も正面玄関で開かれる。3階の造形スタジオも、この時期はお正月一色に。小学2年生までなら親子で「お正月辰パックン」を、小学3年生以上は「お正月辰かぶり」作りに挑戦。いずれも和紙を使った制作物で、「お正月辰パックン」は手袋のような形状で手にはめて遊べるようになっており、「お正月辰かぶり」は凧のような形ながらかぶって遊ぶことができるなど、作るだけでなく遊べるのが特徴だ。お正月という絶好の機会、日本の古き良き伝統と文化に親しみに、家族みんなで出かけてみては?「冬休みあそんでゲンキに!みんなでエンジョイ!こどもの城」場所:東京都渋谷区神宮前5-53-1料金:入館料大人¥500、子ども¥400(3歳以上18歳未満)開館時間:10:00~17:30(1月3日は12:30~。入館は17:00まで)お問い合わせ:03-3797-5666取材/村上早苗
2011年12月22日金城武が10月9日(日)、釜山国際映画祭(BIFF)に初めて出席し、大きな喝采を浴びた。『ラスト、コーション』のタン・ウェイと共演したピーター・チャン監督作『武侠』(原題)の公式会見では、「いろんな方から釜山映画祭の素晴らしさを聞くたびに『何でいままで出席しなかったのか』と後悔していたので、今回招待され、このチャンスを逃す手はないと思ってやってきました。着いたばかりでまだ何もしていないのですが、ワクワクしています」と挨拶。記者からの「なぜそんなに美男子なのか?」という剛速球の質問には、さすがに苦笑い。「父がハンサムで、母もとてもきれいです。両親に感謝しなくてはいけないですね。どちらかというと僕は母親似です」と答えつつ、かなり照れていた。アジア全域で長い人気を維持し続ける秘訣を聞かれると、「僕は俳優として演技だけでなく、ロケ先の場所やいろんな人に会うことなど、何でも楽しんでいます。俳優業を楽しんでいたら、20年経ってしまったという感じです」と答えた。釜山のみならず韓国を訪問するのも公式には初めての金城さんに対し、タン・ウェイは昨年に続いての出席。実は、この日が誕生日だったタン・ウェイ。「去年に続いて今年も釜山で誕生日を迎えられて嬉しいです。こちらのケーキは美味しいですから(笑)。釜山では毎回来るたびに歓迎されて、本当に感謝しています」と満面の笑みを見せた。会見の後は、海雲台ビーチのBIFFステージにも登場。2,000人以上集まった観衆から、黄色い歓声が飛んでいた。今年から釜山の英語表記を、「PUSAN」から「BUSAN」に変更したため、略称もPIFFから、BIFFに変更となった釜山国際映画祭。総工費80億円とも言われる映画祭専用劇場、釜山シネマセンター「映画の殿堂」もオープンした。しかし名前やメイン会場は変われど、観客の熱狂ぶりだけは変わることはなさそうだ。第16回釜山国際映画祭は14日(金)まで開催中。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:第16回釜山国際映画祭 [映画祭]■関連記事:チャン・グンソク、釜山映画祭に登場ギター弾き語りで思わぬ収入も?オダギリジョー、チャン・ドンゴンとの格闘ふり返り「韓国に入国できなくなるかも」釜山映画祭開幕!オダギリジョーにチャン・ドンゴン、ファン・ビンビンは衣装替えも
2011年10月11日カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門で、香港のピーター・チャン監督によるアクション映画『武侠』〈原題)が上映され、金城武、ドニー・イェン、タン・ウェイらが公式会見を行った。『グリーン・デスティニー』に代表される、中国伝統の“武侠”ものと呼ばれる時代劇ジャンルそのものを題名にしたこの作品は、アクションに現代的なミステリーテイストを盛り込み高い評価を受けている。映画の中で金城武は丸めがねをかけた20世紀初頭の死体検視官を演じている。「監督がなぜ僕にこの役をやらせたいのか、最初はまったく分からなかった」という金城さんに対し、監督は「今回、タケシには、金城武ではなく、北野武になったつもりで演じてくれ、といったんだ。そのままのタケシだと、格好よすぎるからね」と答え、場内の笑いを誘った。ピーター・チャン監督と金城武のコラボレーションは、『ウィンター・ソング』、『ウォーロード/男たちの誓い』に続いて3度目。チャン監督は金城さんを「タケシとの仕事は僕にとってチャレンジなんです。いつも『どうして?なぜ?』といろいろ質問をされる。だからこそやり甲斐があるんです」と絶賛。金城さんも、「監督は僕との仕事をチャレンジだと言いましたが、僕にとってこそチャレンジなんです。監督はいつも僕に、『なぜこの人を愛しているのか』、『なぜこういうことをするのか』などと考えさせてくれる。おかげで完全に創作のプロセスへと没頭できるし、それが喜びでもあるるんです」と、チャン監督と組むことの面白さを語った。(photo:text/Ayako Ishizu)■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート4】オダジョー、芝居を通しチャン・ドンゴンと言葉の壁を乗り越える【カンヌレポート3】アンジー、カンヌで家族への愛を熱弁!「家族こそ愛がある場所」レオナルド・ディカプリオ、映画祭開催中のカンヌにジェイミー・フォックスと傷心旅行【カンヌレポート2】J・デップ、カンヌ来場に熱狂!役作りにあのアニメキャラが影響?【カンヌレポート1】ウディ作品で開幕!ビーチではガガ様からサプライズライヴも
2011年05月17日壮大なスケールで描く時代劇『のぼうの城』のポスター画像が解禁!主人公“のぼう様”率いる「忍城軍」と豊臣秀吉の命を受けた石田三成率いる「天下軍」の2つのバージョンの計9名が写った迫力のビジュアルが明らかになった。犬童一心×樋口真嗣という邦画では異例のW監督体制で、8年ぶりの映画主演となる野村萬斎を迎えて製作された本作。戦国末期、小田原城攻めで天下統一を完成させようとする秀吉の命を受けて、石田三成が小田原城の支城・忍城(おしじょう)に攻め入る。守る忍城側の総大将は、でくのぼうの“のぼう様”として領民に親しまれ、勇も智もないながらも奇妙なカリスマ性を持つ成田長親。たった500の軍勢が豊臣の2万の大群と対峙し、城を守り抜くという戦国の世の奇跡の戦いが描かれる。今回発表された2種類のポスター。忍城軍のものは、笑顔で鷹揚と構える長親を中心に、榮倉奈々演じる、両群の命運を握る甲斐姫、成宮寛貴扮する軍略の天才を自称する酒巻、豪腕が売りの、山口智充演じる和泉、そして佐藤浩市の鋭い眼光が印象的な長親の幼なじみの侍大将・丹波がそれぞれ武器を構える姿が写っている。一方の豊臣方のポスターは、上地雄輔の三成に、山田孝之扮する三成の盟友・大谷吉継、平岳大扮する参謀・長束正家に市村正親の秀吉がギロリとこちらを睨む姿が写し出される。ちなみに、「忍城軍」の5人の足元にはなみなみと水が押し寄せているが、この“水”を使った三成による壮大な水攻めが、劇中、大きな見どころになっているとのこと。果たしてどのようなシーンに仕上がっているのか気になるところだ。ポスターで見るだけでも対照的な二つの軍だが、劇中ではどんなやり取りを見せてくれるのか?『のぼうの城』は2011年秋、全国東宝系にて公開。■関連作品:のぼうの城 2011年、全国にて公開■関連記事:山田孝之の“ドS”声で叱られたい!「ウシジマくん」容赦なき着ボイスの配信開始『のぼうの城』新キャスト発表三成役を上地雄輔、大谷吉継に山田孝之榮倉奈々『のぼうの城』で時代劇初挑戦男勝りな姫役で乗馬も披露!野村萬斎7年ぶり映画主演で“でくのぼう”の総大将に!佐藤浩市、成宮寛貴らと共演
2010年12月28日覆面作家・舞城王太郎が原案を手がけた映画『NECKネック』が8月に公開されるが、これに先駆けて本日7月16日(金)より本作の公式Twitter上で、舞城さんが新たな小説「NECK the seventh」の連載を開始することが分かった。映画『NECKネック』は独自の研究でお化けを作り出そうとする女の子・杉奈と彼女に恋する大学生の首藤友和、杉奈の幼なじみで人気小説家の越前魔太郎と彼の担当の美人編集者・赤坂英子の4人の恐怖体験を描いた“胸キュンホラー”。映画と同じ溝端淳平を主演に配し、すでに舞台作品(演出・河原雅彦)が上演されているが、舞城さん曰く「同一のモチーフによる別のストーリーの作品」になっているという。また、本作に関しては、ほかにも様々なメディア展開が発表されており、映画、舞台とはまた異なる物語を収めた文庫小説が講談社文庫より発売されるほか、劇中の越前魔太郎名義による作品が文芸雑誌「メフィスト」に掲載されることなどが決まっている。さらに今回、ついに日本人ユーザーが1,000万人を突破したTwitter上でしか読めないという異色の新連載が決定!Twitter上ということで、当然のことながら1度のつぶやきは140字以内となるが、こうした条件にもかかわらず舞城さんは執筆を快諾したという。気になる物語は探偵もの!探偵・台無策太郎(だいぶさくたろう)が、録音技師の殺人事件の捜査で犯人と思しき男を追い詰めるのだが、そこには更なる深い闇が…!7月16日(金)から8月15日(日)までの連載で1日に4回更新される予定だという。これまで、様々な形で文学界をにぎわせてきた“異端児”の新たな挑戦に映画と併せて期待が集まる。『NECKネック』は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。「NECK the seventh」著者:舞城王太郎連載予定期間:7月16日(金)〜8月15日(日)※1日4回(12:00/15:00/18:00/21:00)更新を行う予定アドレス:※『NECKネック』公式Twilog()にてつぶやきをブログ形式で保存■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:小松彩夏5年間の“初恋”は「気持ちを確かめ合っただけ」ドキドキを体験!『NECKネック』カップル限定試写会に45組90名様ご招待ドキドキ満載“胸キュンホラー”『NECK』携帯クリーナーを10名様プレゼント溝端淳平首だけの演技にトラウマ?「テンション下がる…」覆面作家・舞城王太郎が出版界をジャック!数種類の「NECK」の物語を楽しめる
2010年07月16日カンヌ映画祭のコンペティション部門でバイオレンス映画『アウトレイジ』が上映される“快挙”を成した北野武監督が、このほどシネマカフェほかの合同インタビューに応じ、本作に込めた思いから人間行動論までを語った。今回の暴力映画は「たまに食べたくなったカツ丼」新作は、ここ最近の3作『TAKESHIS’』、『監督・ばんざい!』、『アキレスと亀』と打って変わり、バイオレンスへの原点回帰とも言われる9年ぶりの力作。常に意表をついて周囲を驚かせる北野監督らしく、秀でたエンターテイメント作品として仕上がった。「前3作から“ゴダール病”とでも呼べるような自省的な内容の作品にはまっちゃって、先進的なアートとかワケ分かんないこと考えてやったら完全に失敗して、ダメだこりゃ、と。次、何やろう?と思ったら、暴力映画を全然撮っていないなって思って。食べ物と同じで、たまにはカツ丼食いたいな、と。ただ『ソナチネ』とかと比較されて、『何も進歩していない』とか言われるのは嫌だから、もうエンターテイメントだ!観客全員が喜べるようなものを撮ろうってなった。次に思いついた暴力シーンを書き出して、そっからストーリーを逆算したの。コイツはこう来てこう死ぬ、とか、こんな死に方はしないだろって。で、またひっくり返していって、こうなると思ったら大間違いだとか、ここで(観る側を)騙すとか、いろいろ考えて。そしたら完全にエンターテイメントだなって言える作品ができた」。5月のカンヌ国際映画祭ではコンペ上映され、激しい賛否両論で話題を振りまいた。ホラー、ファンタジーを好むティム・バートン監督が審査委員長を務めた賞レースでは賞を逃したものの、芸術性を好む同映画祭のメーン部門でヤクザもののバイオレンス・エンターテイメントが上映されただけで“珍事”だった。「海外のアート的なフェスティバルとかとは関係ねぇなと思ったら、急にカンヌとか呼ばれてしまって、これは結構大騒ぎになるぞ、って思ってたら、案の定、賛否両論になっちゃって。だから『ざまあみやがれ、こんな映画をコンペに選んだのはそっちなんだから、俺は知らないよ』って言ったんだけど。悪口言う人と褒める人と正反対で、まあまあっていう人がいなくて、いいか悪いかはっきりしていたね。でもまあ狙い通りだった。ショックな映画だろうな、とは思っていたから」。“全員悪人”をテーマに暴力団組織内部の抗争を描く同作では、自身、新たな試みとして主演と言えるキャラクターを7〜8人描く群像劇に挑戦。さらに北野組常連の俳優陣をキャスティングせず椎名桔平、三浦友和、國村隼、小日向文世、北村総一朗ら初タッグの俳優を揃えたのも新趣向。中でもインテリヤクザに扮した加瀬亮の怪演が、前評判を呼んでいる。「英語を使うシーンが途中からいっぱいあるインテリヤクザ役があって、英語も話せる役者を探していたら加瀬くんが来た。けど、普段の雰囲気からはどう見てもヤクザに見えないじゃない。どうしよう、と思ってメイクさんと相談して、オールバックにして、眉毛を剃ってみたり、結構苦労した。最終的に四角くて細いサングラスをかけさせたり。それでも『コノ野郎、バカ野郎』って怒鳴り合っている場面で、加瀬くんも入ってきて同じ台詞言っても全然怖くない。だから、この人は無口にしよう、でも、ひとつキレたら殴り出すという風に、徹底的に暴力に寄せた。キレたら怖い奴に設定に変えて台本を書き直して、かなり悪い奴に仕上がった。やっぱりパッと印象に残るようになったと思うし、うまいこといったかなって思うよね」。とはいえ、抗争の中心人物として動くのは、ビートたけし演じる、大友組の組長・大友。『戦場のメリークリスマス』を機に、俳優としても国内外で高い評価を得ているが、自身では顔をクシャクシャにして照れ笑いしながら厳しく自己評価する。「俺は基本的には演技、上手くないからねぇ。へたくそだから、しゃべんない方がいいもん。しゃべるとね、怪しいんだ俺は。『バカ野郎』なんて言ったら、単なる松村(邦洋)のモノマネになっちゃう。『ダンカン、バカ野郎』(松村さんによる、たけしさんのモノマネ)と変わってないって。『てめえ、何言ってんだ、バカ野郎』(本作の台詞)と同じだったっていう。だからできるだけ、怒鳴らないようにしようと思ったけど、みんなが怒鳴っているから、しょうがなくて怒鳴っていると、ふと我に返って、コレ、松村がモノマネするときと俺と、変わってないじゃないか、って(笑)」。大きな見どころのひとつが、バイオレンス描写の過激さ故に北野映画特有のバイオレンスと笑いが繋がって楽しめる感覚だ。「今回、あんまりにも描写が痛くてなぜか笑ってしまう。っていうか、これだけ追い込まれると人間笑うんだなって。編集していても順撮りじゃないから始めは気がつかなくて、ある程度繋がってくるとバカ笑いしちゃうシーンが出てきた。アレ?これ、お笑い映画撮っちゃった、参ったなーと思ったら、編集マンの人が『これだけ痛ければ笑いますよ、喜劇じゃないけど笑わずにはいられない状態になりますもの、これ』って。大丈夫かなって思っていたら、その感覚は世界共通で、カンヌでも観客がバカ笑いしてた。バカ笑いしている割にはみんな暴力映画って言っているわけ」。登場人物たちは、裏切り、騙し合いを続ける。北野監督の考える、人間の悪は?「悪っていうのは人間社会が進化する過程において、人間本来の欲望を規制するために、社会が悪と決め付けたこととも考えられる。例えば、人間が成長してある程度、性的能力とか体に備わって意識するようになったときには、ほかの奴を殴ってでも女を取るのが、生物として本能的だと思うよ。でもそれ、社会として成り立つために、悪=犯罪という括りを付けないと、人間社会自体が成り立たないというだけ。オットセイが周りの奴をかみ殺して十何匹もメスのオットセイをはべらせてハーレム作っているのを『恥ずかしくないのか、お前は。もっと女を分け与えろ、それじゃオットセイの社会は成り立たない』って言ったって、しょうがないじゃない。それは考えてないだけだもん。人間だったら少し頭が発達してきたから、弱者を救うことによって、全体的に盛り上げようとすることで、性とか食べ物の欲望とかそういうものを、独りよがりに行使することを悪としただけ。それがなきゃ、美味いものを食っている奴を後ろからぶん殴って、気絶している間に食って帰っちゃえばいいんだから。それは誰でもしたいと思うよ」。人間は欲望に抑制の効かない未完成な存在そういった悪とキッチリ一線ひけない人間の未熟さも明確に指摘する。「人間ってのは未完成な動物で、こういう暴力映画っていうと暴力は社会に対して悪影響があるんじゃないでしょうか?って言う。だけど拍手して観ている奴がいる。悪いことなら止めるんだけど止めないんだよ。食べ物でも何で腹いっぱい食っているんだ?肝臓壊したり糖尿になったり、体に悪いのになぜ食うかと言うと、頭と体のバランスが人間って全然取れていない。教えてくれないんだよ、体から信号出ていないんだもん。『それ以上食うと体に悪いです』なんて絶対言わないでしょ?だから食っちゃうの。それだけ人間ってね、欲望に対しては規制が効いていない、だからすごい未完成な動物なんだよ」。劇中、数人、生き残るワルがいる。現実社会で生き残るために必要なことは?「多分、グループがあってそこで生き残ろうとする。だから葛藤があるんじゃない?このグループじゃないところにポンと出ちゃえばいい。そうすればこのグループからしたらその人、関係ないだから、客観的に見たらその人、生き残っているってことじゃん、もしかしたらね。漫才ブームのときに一番最初に漫才辞めたの俺なんだもん、もう終わりだと思って。B&Bとかみんなそこにいたけど、俺、ポンと外に出ちゃった。で、結果的にブームはなくなって、たけしと紳助が漫才ブームを生き抜いたって言われるんだけど。俺、TVの次に、今度ラジオに行っちゃった。TV界からラジオに行っただけなんだけど、たけしはお笑いから生き抜いたってことになる。で、次に映画に行っちゃった。TVのタレントから俺だけ映画に行ったら、また生き抜いた、みたいなことを言われる。要するにグループの中に属さないってことじゃないかな。そうすりゃ生き抜いたことになる。怪しいんだけど、俺」。騙す、騙される、どっちが好き?の問いに、「あーあ」と嘆くような口調と優しい笑顔で答えた。「俺ら、騙す商売だからなぁ。騙す商売だけど、騙されることによってプラスマイナスゼロにしているところ、あるよね。よく騙されるの、騙してもらったお金、騙されてぼられているだけだよ」。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年06月10日これまで、その特異な世界観と文体から「映像化不可能」と言われ続けてきた作家・舞城王太郎による原案を基に、相武紗季、溝端淳平、栗山千明、平岡祐太という旬のキャストを集めて現在製作中の“胸キュン”ホラー『NECK』。11月30日(月)、主演の4名が揃って本作がクランクアップした。「<恋>のドキドキと<恐怖>のドキドキは紙一重!?」をテーマにした、“胸キュン”ホラーという新たなジャンルを打ち出す本作。実は映画に因んで、クランクアップの記念撮影時にはあるドッキリが仕込まれていた。仲良く笑顔でピースポーズをする4人。その背後には劇中にも登場する、長い黒髪のお化け“ゆかりちゃん”の姿が…。この証拠写真をご覧になれば分かる通り、相武さんの絶叫とキャスト全員の驚きでドッキリは大成功!本作ならではの締めくくり方で撮影は無事、終了した。果たして、映画の中の“ゆかりちゃん”はどんな恐怖をもたらしてくれるのか?『NECK』は2010年夏、シネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:NECKネック 2010年夏、シネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開■関連記事:舞城王太郎「NECK」映画&舞台化で相武紗季、溝端淳平、栗山千明、平岡祐太ら出演
2009年12月07日独特の文体とストーリー展開で、多くの読者の支持を受けると同時に、文壇を悩ませる作家・舞城王太郎の書き下ろしの原案を相武紗季、溝端淳平、栗山千明、平岡祐太というフレッシュなキャスト陣を迎えて映画化した『NECK』が来年の夏に公開されることが発表された。「煙か土か食い物」で2001年にメフィスト賞を、「阿修羅ガール」にて第16回三島由紀夫賞を受賞、「好き好き大好き超愛してる。」は芥川賞の候補に挙がるなど、華々しい経歴を持つ一方で、その特異な文体と構成が、一方で称賛を、一方では酷評をといった具合に賛否を呼ぶ舞城王太郎。覆面作家として活躍する彼が、このたび「同一モチーフの全く別のストーリー」(本人談)という2本の新作を書き上げた。それは「NECK」という題名で一つは舞台化、もう一つは映画化されることになった。独自の研究でお化けを作り出そうとするちょっと変わった女の子・杉奈と彼女に恋する大学の同級生・首藤友和、杉奈の幼なじみの人気作家・越前魔太郎、魔太郎の担当の美人編集者の4人を中心とした“恐怖”の物語が展開される。映画版で主人公の杉奈を演じるのは相武紗季。友和に溝端淳平が扮する。この2人は、前クールで好評を博した月9ドラマ「ブザービート」でも共演しており、再共演に注目が集まる。また作家の魔太郎には平岡祐太、担当美人編集者に栗山千明とこちらも昨今、映画にCMに引っ張りだこの2人とあって、公開前から期待が高まる。ちなみに、溝端さんは映画版のみならず、河原雅彦の演出による舞台版にも出演。こちらでは酒井という役名で映画と同じく中心の4人のうちの1人を演じるということで、舞台では板尾創路らと共演することになるという。今回の製作発表に際し、相武さん、溝端さんのコメントも到着。相武さんによると「(杉奈は)見た感じも白衣を着てたり、髪型もちょっとイメージチェンジを図ってます」とのこと。また、初めてのホラー映画挑戦に関しても「(ホラーの中にも)恋の“胸キュン”があったり、ただ怖いだけではない、色々な要素がある作品」と語っている。溝端さんは、自身が演じる首藤を「マイペースな杉奈に恋をして、振り回されまくる子犬のような青年」と称し、作品についても「観た人が爽快さを感じたり、笑ったりしながら、ブルッと震えてしまうような作品になる、誰も観たことがない“胸キュンホラー”」と期待を語る。監督は「永遠の仔」、「天国への階段」、「ランチの女王」、「不機嫌なジーン」などの人気ドラマの演出を手掛けてきた白川士(たけし)。本作で初めて長編映画のメガホンを握る。これまで「映像化不可能」、「映像に不向き」といった声を浴びてきた“異端児”舞城王太郎作品だが、舞台でそしてスクリーンでどのような形で表現されるのか?『NECK』は先日より撮影が始まり、11月末にクランクアップし、来年のゴールデンウィークの完成を目指している。公開は来夏、シネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて。舞台版「NECK」は青山円形劇場(東京・青山)にて2月12日(金)より公演開始。2010年は舞城王太郎「NECK」旋風が到来する?■関連作品:NECK 2010年夏、シネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開
2009年11月13日