タレントの久本雅美(65)が16日、都内で行われた『WAHAHA本舗40歳記念全体公演シン・シンワハハ40』囲み取材に出席。14日に93歳で亡くなった“浪花のモーツァルト”キダ・タローさんを追悼した。久本は「キダ・タロー先生が亡くなられて、きのうびっくりしました。濃い接点はなかったのですが、お会いしたことはありました。本当にやさしくて、穏やかで面白い方だった」と回顧。「生きて生きて生き抜かれたような思いだったと思うので、ご冥福を心からお祈りします。CMソングもいっぱい、番組の音楽も。大阪で知らない人がいないですから。偉大な方が、また…。各番組とかCMソングすごかったですから」と賛辞を送った。会見に同席した柴田理恵も「偉大な方だったなと。歌が明るくてね。なつかしい思いと新しいなという気持ちになりますので、すばらしい方だったなと。ご自分の使命をすべて果たして、大往生なさったなと。ご冥福をお祈りいたします」とコメント。久本は「偉大な方が、また次へと出発されて、さみしいですよね」と語っていた。『シン・シンワハハ40』は、9月28日の東京公演を皮切りに全国各地で行われる。
2024年05月16日タレントの久本雅美が9日、都内で行われた『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』製作発表会見に、中村雅俊、コロッケ、林翔太、土生瑞穂、小川菜摘、松田悟志、玉野和紀、田中美佐子とともに登壇した。中村雅俊が今年6月に芸能生活50周年を迎えることを記念した公演が、東京・明治座にて6月2日~18日に上演される。同公演は、昭和歌謡音楽劇とコンサートの二本立ての構成。第1部の『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』は、中村の楽曲と同名タイトルの新作音楽劇で、登場人物の心情を昭和歌謡で表現した笑って泣ける物語に。第2部のコンサート『MASATOSHI NAKAMURA LIVE look back with smile , look ahead with pride. 』は、中村のヒット曲を中心としたライブで、記念すべきステージならではの演出を盛り込んでいる。久本は「私は中村雅俊さんの大ファンで、高校の時に『俺たちの旅』とか見て、最後に出てきたいい言葉を全部書き写してノートにためていたぐらい感動させていただいた。そんな方の50周年の舞台に出させていただくというのは本当にありがたく光栄に思っています」と笑顔でコメント。同舞台でカフェの看板娘を演じるが、「看板娘として花を添えられるように、お役に立てるように頑張って参ります」と意気込んだ。
2024年05月09日タレント・俳優の久本雅美(65)が9日、都内で行われた『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』製作発表会見に登壇。本公演で共演するモノマネタレントのコロッケ(64)に苦言を呈した。この公演は、芸能生活50周年を迎える中村(73)が、6月2日から18日にかけて東京・明治座で開催する記念舞台。昭和歌謡音楽劇『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』と、コンサート『MASATOSHI NAKAMURA LIVE look back with smile , look ahead with pride. 』という2部構成となっている。本公演の「見どころ」について聞かれた出演陣。中村は「まだ3日しか稽古していないんですけど、『台本はどうなったんだろう』と思うくらい、いろんな方向にお芝居が変わっていっています。キャリア50年やっているなかで結構初めてに近い感じで。ある種、いい危機感を持ってやっています」と、これまでとは異なる感覚を楽しみながら稽古に臨んでいる様子。続けてコロッケが「中村雅俊さんが今までやったことのない動きとかありますので、楽しんでいただける作品になるのではないかと。お茶目な中村雅俊さんが見られます」とアピールした。久本は「皆さん、それぞれのキャラが生かされるような感じになっているなかで、私自身は稽古中にアドリブとか入れながら、ふくらましていこうと虎視眈々と狙っていますので。台本もあるけど、そこプラスアルファ、皆さんの思いがのっかっていくと思いますのでいい感じになると思います」と話すと、すかさずコロッケが「久本さんは、セリフ忘れたときに全部フォローしていただけるので、いつも安心しております」と思わぬエピソードを明かした。すると、久本は「ちょっと聞いてくださいよ!コロッケさん、ホントセリフ覚えめっちゃ悪いんですよ!ビックリするくらい忘れるから、本番中に(笑)」と“告発”。すると、コロッケは「ホント、ありがとうございます」と頭を下げたところに、小川菜摘(61)も「私、めちゃめちゃ(コロッケと)絡みあるんですけど。すごい怖いんですけど」と参戦。これにはコロッケも「それは…なんとなくやりますから(笑)」とタジタジ。久本も「あとね、余計なアドリブ言ってすごく長くなるときあるから」と重ね、コロッケは苦笑い。久本は最後に、「でもそうやって、みんなでワイワイ言いながら、楽しいものを作れたらいいと思っています」とコメントした。会見には中村、コロッケ、久本、小川以外にも、本公演に出演する林翔太、土生瑞穂、松田悟志、玉野和紀、田中美佐子(特別出演)も登壇した。
2024年05月09日小春日和となった11月23日の昼ごろ、都内の住宅街を沈痛な面持ちで歩いていたのは久本雅美(65)。迎えの車に乗り込んだ彼女が向かった先は、創価学会の東京戸田記念講堂だった。「この日、11月15日に亡くなった創価学会名誉会長・池田大作氏の学会葬が行われました。会場では池田氏の生涯をたどる映像が流されました」(全国紙社会部記者)東京戸田記念講堂の収容人数は約4千人。この会場に参列したのは、主に創価学会の“幹部クラス”に属する学会員だったという。創価学会に詳しいジャーナリストの乙骨正生さんは次のように語る。「久本さんは、創価学会の『芸術部』の副部長を務めています。テレビタレントとして活躍する久本さんのことを、生前の池田名誉会長は高く評価していました」好感度No.1タレントに君臨したこともある久本だが、20代のころは仕事もなく、生活に苦しんでいた。そんなとき、友人に誘われて入会したのが創価学会だった。入会後ほどなく、タモリが司会を務める『今夜は最高!』(日本テレビ系)のレギュラー出演が決まり、「この信心はすごい!」と確信したという。その後、久本にとって運命的な瞬間が訪れる。’92年1月、創価学会の新春幹部会の席で漫才を披露したのだ。当時の様子を、創価学会のPRビデオ『すばらしきわが人生Part2』の中でこう振り返っている。《終わってホッとしていたら、池田先生に『おもしろかったね』と開口一番におっしゃっていただいたんです。うれしくて、感動で、涙が出て。(略)信心してよかったな、先生と会えて本当によかったと思いました。そういう原点の日を先生に作っていただいて――》このとき《先生の弟子として恥ずかしくないように》と思いを新たにしたという久本。’90年代中ごろからレギュラー番組も増え、マチャミの愛称でお茶の間人気を高めていく。同時に、創価学会が支持母体である公明党の選挙運動にも尽力してきた。最近では旧統一教会の問題に端を発し“宗教と献金”や“政教分離”の議論が進んでいるが、創価学会もそうした指摘を受けた過去がある。「久本さんの存在感は芸術部に所属する芸能人の中でもトップクラス。創価学会のイメージアップに彼女がはたしてきた役割は極めて大きいでしょう」(乙骨さん)学会葬の翌日には、金曜レギュラーを務める『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に出演、おなじみの明るい笑顔を見せた久本。“先生に漫才を捧げたあの日”を心のよりどころに、マチャミの芸人人生は続いていく――。
2023年11月28日WAHAHA本舗全体公演『シン・ワハハ』が6月22日(木)から東京・なかのZERO大ホールで開幕する。出演する久本雅美と柴田理恵が会見に臨み、本公演の見どころを解説した。公演のポスターには、赤塚不二夫が生み出した「カオルちゃん」の姿があるが、柴田によれば「赤塚先生のキャラクターを自由に使っていいよというお許しが出たので、いろいろなキャラクターが登場する〈赤塚歌舞伎〉をやります」。久本は「ニャロメ」で、柴田は「バカボンのパパ」を演じるといい、「ナレーションは片岡愛之助さんですが、WAHAHAの歌舞伎ですから。見得を切るなどしつつ、キャラクターショーになりそうです」(久本)。そのほか見どころとして2人が挙げたのは〈漁村パフォーマンス〉。以前、農村を舞台に、四季の移り変わりをコンテンポラリーダンスで表現したことがあるが、今回は漁村が舞台だという。「うちの劇団は台本がないので、(主宰の)喰さんがアイディアを出しながら、みんなで作り上げていくんです。私たちは今、苦戦しているところですが、喰さんの中ではもう完成しているみたい。今までもそうやってやってきたので、必ず幕が開くまでには形にします」(久本)。ちなみにWAHAHAと言えば、下ネタがふんだんに盛り込まれているのが特徴的。今回も下ネタがあるのか尋ねると「あるに決まってるじゃないですか。愚問です!」と久本は笑い、「感動的なものから、テレビではできないような下ネタまで織り交ぜてお届けするのがWAHAHAですから」と話す。往年のファンも多いが、今回初めてWAHAHAを観る人へのメッセージを求めると、柴田は「恐れるな!と伝えたいです(笑)。変化していく劇団も多いですが、WAHAHAは40年前と変わらず馬鹿なことをやり続けている。日常生活の中でいろいろあったとしても、私たちの姿を見て『こんな人たちがまだいるんだ』とほっとできるんじゃないかな。老若男女楽しんでいただけるように頑張っているので、安心して来てください」。そして久本は「好きか嫌いかははっきり分かれるとは思いますが(笑)、心軽やかに来ていただければ。決してイケメンやキレイな人がいるわけでもないですが、不器用な人の一生懸命な姿を見て、ぜひ明日への活力にしてもらえたらと思います」と語った。東京公演は6月25日(日)まで。ほか全国10ヶ所で公演予定。取材・文:五月女菜穂
2023年06月19日恵泉女学園大学(東京都多摩市、学長:大日向雅美)が、一般選抜とAO入試後期の受験を考えている受験生向けに対策講座を開催する。同講座は2月の毎週火曜日に開催予定で、地方の受験生や保護者の方でも気軽に参加しやすいようにオンラインで開催される。概要恵泉女学園大学では今年度より、毎週火曜日17:00~オンラインでテーマ別オープンキャンパスを開催している。その中で今回、同大で今後実施される一般選抜とAO入試後期の受験を考えている受験生向けに、入試の特徴や入試に向けた対策を知ってもらえるように入試対策講座の開催が決定した。同講座は2月の毎週火曜日17:00~実施予定。参加者はZoomからオンラインで参加が可能で、一般選抜対策講座(国語および英語)かAO入試対策講座のいずれか希望のプログラムを選んで参加することができる(2/14からは学生・教員による大学案内も実施予定)。また、希望者は同講座の後に実施される個別相談にも参加することができる。参加申込は同大のオープンキャンパスページで受け付けており、同講座の参加者は入学検定料の割引特典も受けられる。【開催日程】・2/7(火)、2/14(火)、2/21(火)、2/28(火)(各日17:00~18:00)■一般選抜のポイント(試験日:2/16、3/2)・国語と英語の2科目を受験し、高得点の科目で選考・英検等の英語外部試験を利用可能(英検準2級レベル以上)・共通テスト利用入試とのセット出願が可能(セット出願の場合は共通テスト利用入試の入学検定料が無料)■AO入試後期のポイント(試験日:2/16、3/2、3/17)・3月まで実施される併願可能なAO入試・英検や漢検、農業技術検定など対象の検定を取得している場合、志望理由のみの面接で選考・対象の検定を取得していない場合でも、事前に配信される課題に取り組むことで受験可能▼入試対策講座の詳細・申し込み ▼入試日程一覧 ▼恵泉女学園大学HP 恵泉女学園大学について東京都多摩市にある女子大学人文学部(日本語日本文化学科・英語コミュニケーション学科)人間社会学部(国際社会学科・社会園芸学科)の2学部4学科がある。学園創立当初から、他の学校では見られない「聖書」「国際」「園芸」を正課に取り入れてきた恵泉女学園。人間の基本的なあり方を学び、広い視野をもつ自立した女性の育成を願った創立者・河井 道の信念は、恵泉女学園の誕生から90年近くたった今日でも、脈々と受け継がれている。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月01日久本雅美と藤原紀香がW主演を務める『毒薬と老嬢』が、東京・新橋演舞場で3月16日に開幕。これに先立ち、初日前会見とゲネプロが行われた。1941年に米ブロードウェイで初演されたジョセフ・ケッセルリングの戯曲を、錦織一清の演出で繰り広げる本作。ニューヨーク・ブルックリンの閑静な住宅街に暮らす老姉妹のアビー(久本)とマーサ(藤原)は、自家製の“ぼけ酒”を身寄りのない年配者に振る舞うなど街で評判の慈善家だった。しかし、このふたりはある秘密を抱えていて──。なお本作は2020年3・4月に上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になった経緯がある。仕切り直して再出発する想いを、久本は「キャスト・スタッフ、何とか元気で初日を迎えられました。一致団結して最後まで乗り切りたい」とコメント。藤原も「懸命にみんなで積み上げてきた『毒薬と老嬢』を一人でも多くの人に届けたい。こんな時代だからこそ、クスッと笑える楽しい作品を」と続く。話題は全編“関西弁”で展開されるという会話劇へ。大阪府出身の久本、兵庫県出身の藤原はもともと“使い手”だが、ブルックリンが舞台のブラックコメディを郷土の言葉で立ち上げた実感を問われると、久本は「関西弁では“どういう言い回しになるの?”と相談したね」と稽古中のエピソードを披露する。藤原は「日ごろ喋っている標準語が出ないようにしないと」と注意するものの、会見中のイントネーションはすっかり関西弁だ。両者揃って挙げる見どころは、ずばり「会話劇の応酬」に。特に久本は海外の人名が次々と登場することに苦戦した様子を「テディ(渋谷天笑)だのモーティーマー(納谷健 / 劇団Patch)だのジョナサン(室たつき)だの……誰?」と再現して会場を湧かせる。藤原は「セリフにも韻を踏んでいるところがたくさん散りばめられているんですよ。役者の集中力を要する作品ですが、そのぶんお客さんは楽しめるのでは」と笑顔を見せた。ゲネプロは全編にわたって、アビー&マーサの邸宅を訪れる各キャラクターが老姉妹のマイペースぶりに翻弄される様子をおもしろおかしく描くコメディが展開された。応接間のチェストに死体を隠しても「私たちのお客さま」で押し切るブラックさを、久本と藤原は和やかな笑顔と陽気な関西弁で表現する。ラストには安楽死や高齢化社会への風刺がにじむものの、どこかほくそ笑んでしまう後味だ。東京公演は3月20日(水)まで。その後、26日(土)・27日(日)に愛知・御園座、4月2日(土)に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、9日(土)・10日(日)に北海道・道新ホール、16日(土)~24日(日)に大阪・大阪松竹座と巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年03月18日久本雅美と藤原紀香が老姉妹役で舞台初共演、錦織一清の演出でブラックコメディに挑む。アメリカの劇作家、ジョセル・ケッセルリングが1939年に発表した作品で、ブロードウェイやウエストエンドでロングラン上演されたヒット作。ニューヨークに住む慈善家の老姉妹アビーとマーサが振る舞う“おいしいぼけ酒”を巡って繰り広げる奇想天外な物語だ。老姉妹に巻き込まれる登場人物には、渋谷天笑、納谷健(劇団Patch)、惣田紗莉渚、室たつきら多彩なメンバーが集う。達者な久本と老女役に初挑戦の藤原が、作品の魅力や意気込みを語った。「毒薬と老嬢」 チケット情報久本は藤原を「気さくで表裏のない男前で、華がある。私はその華に負けないように咲きたいです!(笑)」と話し、久本を「姉さん」と呼ぶ藤原は「愛のある笑いを持っている人。お肌つるつる、瞳キラキラでめちゃくちゃ美人です!」と互いの印象を語る。ブラックコメディを演じることについては「無理に笑わせるというより、クスッと笑ってもらえる技術が必要だと思います。ナチュラルに演じ切ることができれば」(久本)、「私にとっては大きなチャレンジです。学ぶこともたくさんあります。自分の持っているものと組み合わせて、新しいものを生み出していきたいです」(藤原)。今回、ふたりのセリフは関西弁で上演され、老姉妹による丁々発止のやりとりも大きな見どころだ。「ふたりとも関西人ですし、漫才とまではいきませんが、おもしろいものになるんじゃないかとワクワクしています」(久本)、「関西弁での舞台は初めてですが、故郷の言葉なのですごくうれしく楽しみです」(藤原)。物語には安楽死や高齢化社会への風刺がテーマに含まれ、初演から80年を経た今も色あせない。そんな作品の魅力について「作中にさらりと投げかけている“何が幸せなのか”や“命の大事さ”などのテーマは、時代を越えても変わらない共通したものだと思います。演じる意欲を掻き立てられ、やりがいのある舞台だと感じています」(久本)、「物事の考え方や価値観は人それぞれ。演じる側もお客様も、それぞれに感じることができるからこそ、長い間愛されてきた作品なんだと思います」(藤原)とそれぞれに語る。ふたりとも今作に挑む意欲は満々だ。「老若男女がさまざまなことを考えながら楽しめる作品です。なによりも『楽しかったなぁ』とお客様全員に思っていただける舞台にできれば」(久本)、「コロナ禍の制約の多い中、劇場へ足をお運びくださるお客様に少しでも楽しんでいただき、明るくなっていただけるように一生懸命につとめます。ぜひ、若い方にも観ていただきたいです!」(藤原)。公演は3月16日(水)~20日(日)の東京・新橋演舞場を皮切りに、3月26日(土)・27日(日)愛知・御園座、4月2日(土)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、4月9日(土)・10日(日)北海道・道新ホール、4月16日(土)~24日(日)大阪・大阪松竹座を巡演。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年03月03日司会者、タレント、女優、芸人と多方面で活躍中の久本雅美さん。自身のおひとりさまライフや恋愛と結婚への想い、仕事にかける情熱や家族とのつながりなどを記したエッセイ『みんな、本当はおひとりさま』が今、幅広い年齢層から大きな支持を受けています。インタビュー3回目では、年を重ねることで得られるものや未来につながる40代、50代の過ごし方などについてお聞きしました。★前回:久本雅美さんインタビュー「人生前向きに生きるコツは他人と比べないこと! 比べるなら昨日の自分」#2苦手な人と付き合うコツは自分が誠実であること――『みんな、本当はおひとりさま』の中では、苦手な人との関係を克服されたエピソードが紹介されています。ぜひ、苦手な人とうまく付き合うためのコツを教えていただきたいです。久本さん人間関係って大変ですよね。どう考えても自分と合わない人っていますもんね。でも、その人のことで悩んだり翻弄されたりして毎日がブルーになるのは苦しいし、悔しいことでもありますから。苦手な人に振り回されない自分を作っていくしかないんですよね。――そのためには、どうすればいいのでしょうか?久本さん強くなる、ということですね。といっても、我を張るとか、戦うという意味ではなくて、相手がどんな人であろうが、自分は誠実であろうと決めて貫いていくということ。例えば、自分から明るくあいさつをして、人として誠実に付き合っていけば、その人の良いところが見えてくるかもしれないですよね。そうはならなかったとしても、相手との関係がギクシャクする原因が見えてくれば、うまく包んで付き合うことだってできると思うんです。人を変えることは無理だけれど、自分の考え方や受け止め方を変えることはできるんですよね。年齢を重ねることでしか得られない輝きがある――特に女性は年を取ることをネガティブに考えがちだと思うのですが、久本さんは年齢をポジティブに捉えていらっしゃいます。それはなぜなのでしょうか?久本さん例えば芸能界では草笛光子さん、黒柳徹子さんなど、私の周りには年上でイキイキと輝いていらっしゃる方がたくさんいるんです。そうした方たちがその場にいらっしゃると、それだけで温かさや強さを感じられたり、気持ちが和んだり癒やされたりするんですよね。人間的な魅力にあふれる姿を見るたびに、「すてきだなぁ」って思うんです。だから私は、年齢を重ねれば重ねるほど輝くことが、人間としての勝利だなぁって感じているんですよね。5年後、10年後、20年後の自分はどう生きているんだろうと考えるたびに先輩方の姿と重ね合わせては、「私もいい年齢を重ねてすてきな人間になりたいなぁ」って思うんです。――年齢を重ねることには、どんなメリットがあるとお考えでしょうか?久本さん若さ特有の輝きやエネルギーって、絶対的なものですよね。でも、年齢を重ねることによって生じるパワーや魅力もあるんです。私、人生は60代、70代からだと思っているくらいですから。もちろん、体にガタがきていたり、瞬発力が弱くなったり、記憶力が衰えたりもするものですが、それ以上に生きていることのおもしろさってありますよね。例えば、「65歳から卓球を始めました」「70歳で登山に目覚めました」という方がいらっしゃいます。私も自分で自分に限界をつくらずにいろいろなことに取り組んでいきたいなぁって思うんです。そのためには健康でいることが一番ですから、ストレッチをしたり、トレーニングをしたり、体を温めたりと体を気づかっているんですね。たくさん悩んだ経験が人間的な魅力につながる――体も心も揺らぎやすいウーマンカレンダー世代の女性が、久本さんのように元気に過ごしていくためのヒントを知りたいです。久本さん若さというアイテムが外れた30代から40代、50代にかけて「自分はどう生きたいのか?」とちゃんと悩んだ人は、その過程で培ったものが年齢とともに内側からにじみ出る輝きとなって表れると思うんです。例えば、おしゃべりをすることが苦手な人は、コミュニケーションがうまく取れないことや、自分の考えや気持ちをうまく言葉にできないことに悩むかもしれません。でも、たくさん悩んで自分のなかの自分と戦ううちに、人の話をじょうずに聞けるようになったり、その場にいるだけで和やかな雰囲気の人になっていくと思うんです。それが人間的な魅力や女性としての魅力につながっていきますから、のびのびと自分らしく生きて欲しいですね。――ご自身の経験を踏まえてのお言葉には、説得力があります。久本さんまぁ、私もバカなところもあるし、ボーっとしてるところも、情けないところもいっぱいありますから。こうして話しながら、自分自身にも言い聞かせているんです(笑)。<久本雅美さんプロフィール>1958年大阪府生まれ。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984年に演出家の喰始、柴田理恵らと劇団『WAHAHA本舗』を結成。軽妙なトークで人気を博し、『秘密のケンミンSHOW極』『ヒルナンデス!』(ともに日本テレビ系)など、数多くのバラエティ番組やドラマに出演。最新刊に『みんな、本当はおひとりさま』(幻冬舎)<著書>『みんな、本当はおひとりさま』久本雅美著/幻冬舎1300円+税★関連記事:久本雅美さんインタビュー「40代のころは飲めや歌えやの大騒ぎでした」#1★関連記事:乳がんで右乳房を全摘。だいたひかるさんインタビュー「抗がん剤治療中、太らないようにサウナスーツでレンタルDVD店へ(笑)」#2★関連記事:室井佑月さんインタビュー「シングルマザーだった35歳のとき、膵臓に腫瘍が見つかった」#1著者/熊谷 あづさライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。
2022年02月12日司会者、タレント、女優、芸人と多方面で活躍中の久本雅美さん。自身のおひとりさまライフや恋愛と結婚への想い、仕事にかける情熱や家族とのつながりなどを記したエッセイ『みんな、本当はおひとりさま』が今、幅広い年齢層から大きな支持を受けています。インタビュー2回目では、健康を保つための体のケアや心構えについてお聞きしました。★前回:久本雅美さんインタビュー「40代のころは飲めや歌えやの大騒ぎでした」#1起床後と就寝前には軽いストレッチをするのが日課――更年期から今にいたるまで元気に過ごされている秘訣をうかがいたいです。久本さん40代のころから週に一度、整体サロンに通って体の歪みを矯正したり、凝り固まった筋肉をほぐしてもらうようになりました。心身の不調に悩むことなく更年期を過ごすことができたのは、整体サロンで自分の体と向き合う時間を作っていたおかげかもしれないです。――他にはどんなことをなさっているのでしょうか?久本さん週に一度のペースでパーソナルトレーナーさんについて筋トレをしています。といっても過激なトレーニングではないんです。けがをしない体を作るのが目的なので、ストレッチのような動きを中心に無理なく運動をしています。――ご自宅ではどんなケアをしているのでしょうか?久本さん軽いストレッチをするくらいですね。朝起きたら背伸びをしたり、体を左右にひねったり、あお向けになって手足を伸ばして全身のストレッチをします。寝る前には開脚をして体を横に倒して体側を伸ばしたり、あお向けになって背筋を伸ばしたり、起き上がって首を回したり。どちらも3~4分程度で終わる簡単なストレッチなのですが、続けていると調子がいいんです。冷え性改善のために朝と夜、湯舟に浸かる――いつも元気な印象の久本さんですが、体調で気になることはあったりするのでしょうか?久本さん年に一度、人間ドックと婦人科健診を受けていまして、特に心配なことはないですし大病をしたこともないんです。ただ、冷え性は気になっていますね。体を温めるために、朝と夜はお風呂に入ります。朝は時間がないので湯船に浸かるのは5~6分。私はもともとカラスの行水なのですが、夜は10~15分はお風呂に首までちゃんと浸かるようにしています。朝は起きたら白湯を飲んで体を内側からも温めます。仕事では冷たいものを飲んだり食べたりすることもあるのですが、普段は冷たいものはとらないようにしています。あと、足首にはレッグウォーマーをつけて、夏でもかわいい腹巻きを常に着けているんです。――久本さんが元気でいらっしゃるのは、日々の努力の賜物なのですね。久本さん私がしていることは本当にささいなことなので、努力のうちに入るかどうかはわからないのですが……。でも、体は気づかっていますね。実は50代後半になってから、舞台に立っているときに息が切れるようになったんです。周りのメンバーのなかには、けがや病気をした人もいますしね。健康の大切さを実感するようになったので、自分なりに調子を整えるようにました。自分が元気じゃないと、舞台やテレビを見てくれる人たちに元気を与えることができませんから。他人と自分を比べずに、比べるなら昨日の自分――若々しいお肌の秘訣もぜひ、教えていただきたいです。久本さん基本的に面倒くさがり屋なので、美容のためのケアは続いたことがないんです。お化粧自体を煩わしいと思うタイプなもので、仕事が終わったらすぐにメイクを落とします。そのあとに洗顔をするのですが、気を付けているのは顔を拭くときにはゴシゴシこすらず、タオルを押し当てて水滴を取ることくらいで、ほとんどお手入れをしていないんです。まぁ、こんなふうに私が美容を語っても「お前が言うな」って感じですよねぇ(笑)。――タオルで顔をこすらないこと以外で、「これをしないようにしよう」と気を付けていることがありましたら教えてください。久本さん他人と自分を比べないということですね。比べるなら昨日の自分と今日の自分。人と比べて落ち込んでいるなら、昨日の自分と比較したほうがずっと前向きになれると思うんです。あと、最近気を付けているのは、信号が点滅しているときに横断歩道を走って渡らないようにすることです。先日、横断歩道を走っている最中に転んでしまってえらい目に遭ったんです。60歳を過ぎて地面に叩きつけられるときの痛さとつらさときたら、言葉では言い表せません。それ以来、「信号がチカチカしていたら次の信号まで待つ!」と心に決めています(笑)。次回は、年を重ねることで得られるものや未来につながる40代、50代の過ごし方などについてお話をうかがいます。<久本雅美さんプロフィール>1958年大阪府生まれ。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984年に演出家の喰始、柴田理恵らと劇団『WAHAHA本舗』を結成。軽妙なトークで人気を博し、『秘密のケンミンSHOW極』『ヒルナンデス!』(ともに日本テレビ系)など、数多くのバラエティ番組やドラマに出演。最新刊に『みんな、本当はおひとりさま』(幻冬舎)<著書>『みんな、本当はおひとりさま』久本雅美著/幻冬舎1300円+税著者/熊谷 あづさライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。
2022年02月08日司会者、タレント、女優、芸人と多方面で活躍中の久本雅美さん。自身のおひとりさまライフや恋愛と結婚への想い、仕事にかける情熱や家族とのつながりなどを記したエッセイ『みんな、本当はおひとりさま』が今、幅広い年齢層から大きな支持を受けています。インタビュー1回目では、普段の生活ぶりや更年期の時期の体の変化などについてお聞きしました。自由である分、責任を持たないといけない――『みんな、本当はおひとりさま』というタイトルは、胸に刺さる言葉です。久本さん私自身、気付けば63歳になっていて、この年までひとりでした。でも、寂しくもなければ不幸せでもないですし。結婚していようがしていまいが、子どもがいようがいまいが、自分の人生を切り拓いていくのは自分にしかできないので、『みんな、本当はおひとりさま』を通して、私のこれまでの生き方を知ってもらうことで、皆さんに元気になってもらえたらいいなぁと思っているんです。――久本さんが「独り身って、やっぱり気楽でいいなぁ」と思うのは、どんなときでしょうか?久本さん自分の時間を自由に使えることのありがたさは、常日ごろから感じています。好きなときにごはんを食べて、好きなときに寝て、好きなときにテレビを見て。自分のリズムを好きなように作っていけるのがひとり暮らしの醍醐味ですよね。まぁ、だからいまだに独身なのかもしれないですけど(笑)。――ということは、起床時間や就寝時間も日によって違うのでしょうか?久本さんこれくらいの年になると、寝る時間も起きる時間もだいたい決まってくるんですね。夜は12時半過ぎには寝て、朝は遅くとも8時までには起きます。すべてが自由だからといって、ダラダラと過ごすわけではないんですね。自分がどう生きて、どのような価値ある生き方をしてくか。自由というのは自分で自分に責任を持たないといけない部分が大きいですし、時間を無駄にしたくないという気持ちが強いんです。――メリハリのある生活を送られていらっしゃるのですね。久本さん私はすべてのことに意味があると思っているんですね。だから、ダラダラするのにも、ボーっとするのにも意味がある。ただ、無駄が嫌いな性格ということもありまして、朝起きてから夕方まで何もしない、という日はないんです。1日家で過ごすとしても、映画やお芝居のDVDを見たり、本を読んだり、Zoomで友だちとおしゃべりしたりと、とにかくいつも何かをしていますね。40代は若く、50代もまだまだ元気な年代――逆に、「独りだと心細いな……」と感じる瞬間もあるのでしょうか?久本さんもちろん、ありますよ~。例えば、ジャムの瓶が開かないときとか、ワインのコルクが抜けないときとか。私は電気系統がさっぱりわからないので、テレビや家電のちょっとしたトラブルにも困ります。あとはやはり、地震が起きたりすると心細さを感じますね。でも、喉元過ぎれば熱さを忘れるタイプなものですから。まわりに妹や友だちがいますし、みんなで励まし合いながら生きています。――ウーマンカレンダー世代の40代、50代のころには、どのような生き方をしていたのでしょうか?久本さん今は人生100年時代ですから、40代、50代は折り返し地点ともいえる年代ですよね。63歳の今、思うのは、40代はめちゃくちゃ若いということです。体も動くし、走れるし、頑張れます。実際、40代のころの私は毎日、バリバリ動いていましたし、お酒もガンガン飲んでました。20代、30代のころに比べれば無茶はできなくなりましたけど、打ち上げとなったら「朝まで行こうよ!」くらいの勢いはありましたね。50歳を過ぎても元気でしたが、50代半ばごろからは体のことを考えて2時過ぎくらいには引き上げるようになり、60代の今はその日のうちに帰ります。まぁ、年に1回くらいは、ハメを外して朝までガンガン行くこともありますけどね(笑)。48歳のときに子宮筋腫の手術を受けた――ちなみに、更年期の年代はどのように過ごされていたのでしょうか?久本さんありがたいことに、私の場合、更年期症状の経験がほとんどないんです。ホットフラッシュというのかな? 体が急に暑くなることは3~4回くらいはありました。でも、すぐに治まったので暑さや汗に悩むこともなかったんです。――更年期のころの生理の状態はいかがでしたでしょうか?久本さんもともと生理不順だったこともあり、あまり悩むこともなく、いつの間にか閉経していました。ただ、48歳のときに子宮筋腫が見つかったころはつらかったですね。出血量が多く、貧血気味になることもありました。――子宮筋腫は手術を受けたのでしょうか?久本さん腹腔鏡手術だったので2泊3日の入院で済みましたし、回復も早かったですね。この子宮筋腫が更年期の時期で一番大変だったかもしれないです。次回は、健康を保つための体のケアや心構えについてお話をうかがいます。<久本雅美さんプロフィール>1958年大阪府生まれ。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984年に演出家の喰始、柴田理恵らと劇団『WAHAHA本舗』を結成。軽妙なトークで人気を博し、『秘密のケンミンSHOW極』『ヒルナンデス!』(ともに日本テレビ系)など、数多くのバラエティ番組やドラマに出演。最新刊に『みんな、本当はおひとりさま』(幻冬舎)<著書>『みんな、本当はおひとりさま』久本雅美著/幻冬舎1300円+税著者/熊谷 あづさライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。
2022年02月05日京都・南座の新春恒例「初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演」が1月2日(日)から開幕するのを前に取材会が行われ、渋谷天外、藤山扇治郎、ゲストの久本雅美ら出演者7名が登壇した。「お正月なので衣装代も奮発して、時代劇の“まげもの”2本をパーンと打ち上げます!」と威勢のいい天外に、久本も「お芝居観に来たなという贅沢感が味わえる」と続き、早くも一致団結のムードが漂う。出演者が五・七・五のカルタで意気込みを語るなど、お正月らしい趣向で盛り上げた。「初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演」チケット情報一本目は「藤山寛美二十快笑」にも選出される『お種と仙太郎』。嫁姑問題を描いた人情喜劇を扇治郎と久本の共演で贈る。扇治郎は「お風呂場とかでよく、久本姉さんこれやりはったらいいのにとかひとりで考えるんです。その5本の候補のうち、1本がこれでした」とドンピシャの配役に喜ぶ。観客には自粛疲れを思いやり「来年は劇場に足を運んでもらって。僕と久本さんでやる人情喜劇でホロリと沁みていただけたら嬉しいなと思います」久本は「扇ちゃんがお風呂場でも私のことを考えてくれてたなんて。気色悪いけど、嬉しいです(笑)」と冗談めかしつつ、姑役は藤山寛美をはじめ代々男優が演じてきただけに「緊張します」と続ける。「男性が女性を演じる時点でひとつ面白さが加わっているので、それを女性が演じるとなると本当に難しいお役やと思います。ほんまはええ家族なんやなと思ってもらえるように、可愛げがある意地悪ばあさんでありたい」と語る。二本目は松竹新喜劇随一の爆笑喜劇『お祭り提灯』。このたび、39年ぶりに曽我廼家の名跡を継承した曽我廼家一蝶、いろは、桃太郎ら若手が大役に挑む意欲作だ。提灯屋、徳兵衛役の一蝶は先輩らに「熱量だけは負けたくない」と気合十分。扇治郎を中心に「劇団の新たな屋台骨となれるよう精進したい」とやる気をみなぎらせる。11月の襲名披露公演では観客の拍手が胸に沁みたと言ういろはは1『お種と仙太郎』で嫁のお種、『お祭り提灯』で徳兵衛の妹役に挑む。「お種は素直で謙虚な娘だと思うので、私も初心を忘れず素直な気持ちで成長できるように頑張ります」。桃太郎は、藤山寛美の十八番でもある提灯屋の丁稚役に抜擢され「恐ろしさに身震いしました」と驚嘆しながらも、「共演の方々の力を借りつつ、いい意味で期待を裏切りたい」と覇気を見せた。取材会では、カルタの五・七・五で「なんでかな おちょやん出たのに 気づかれず」と朝ドラ『おちょやん』出演という今年のハイライトをユーモアたっぷりに振り返ったのは渋谷天笑。同じく次代を担う若手の一員として「南座の公演を頑張って、街で声をかけられる人間になりたい」と活躍を誓う。仲間の援護も頼もしい扇治郎は、来年は寅年で年男。「松竹新喜劇をまた観たいと思っていただけるよう、お客様のハートに噛みついて離さぬよう精進したい」と決意を語った。公演は1月2日(日)から10日(月・祝)まで南座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年12月22日SNSの普及もあり、教育情報があふれる時代になりました。もちろん情報に助けられることもありますが、理想の子育てと自分の子育てを比較して落ち込むことも多いのではないでしょうか。それぞれはすばらしくても、すべての教育方法を取り入れることがベストとは限りません。逆に、親が頑張りすぎて余裕をなくしてしまうことは、子どもにとって悪影響です。親子で “ゆとり” をもつために、「しないこと」を考えてみませんか。親のストレスが子どもに悪影響を及ぼす……親がいっぱいいっぱいの状態になり、ストレスをため込んでしまうのはとても危険です。なぜならば、その親のストレスが、今度は「マルトリートメント(不適切な養育)」というかたちで子どもに悪影響を及ぼすからです。マルトリートメントの意味は、虐待よりももっと広い意味の「子どもの健全な成長・発達を阻む不適切な行為」。たとえば、「大声で叱りつける」「叩く」「気分に任せて態度を変える」行為などが、それにあたります。子どものこころの発達研究センター発達支援研究室の小児科医・友田明美氏(福井大学教授)によると、マルトリートメントがエスカレートすると、子どもの脳に強いストレスがかかり、脳の損傷を招くこともあるのだそう。その結果、脳機能にも影響が及び、正常な発達が損なわれてしまうとのこと。子どもによっては、キレやすい性格になったり、うつ状態になったりするケースも……。また、親のストレスが子どもの人間関係にも悪影響を与えると話すのは、日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子氏。子どもにマナーを守らせるとき、「親自身のイライラをぶつけるように “表情も音調も冷たく、言い放つ” ような冷たい対応をしていると、いずれ、子どもも他人に対して同じような態度をとるようになる」と警告しています。さらにこのとき、親に口答えできず、我慢を強いられ続けると、自分より弱い人に対して攻撃的になる傾向もあるのだそう。そんな最悪の状況は避けたいですよね。そのためには、親の精神的な “ゆとり” を確保するのが有効です。次に紹介する「10のしないこと」をぜひ参考にしてみてください。子どもの教育に疲れたら「10のしないこと」を考えて「疲れたな……」「イライラしているな」と感じたら、 “しなくてもいいこと” を考えてみましょう。合同会社こどもみらい探究社代表で保育士の小竹めぐみ氏と小笠原舞氏、教育学博士であるアグネス・チャン氏など、子育て・教育のプロたちの提言を参考に、「10のしないこと」をピックアップしてみました。しないこと1:子どもに期待しない子どもは「親の期待」に敏感です。親が子に期待をすると、子どもは強いプレッシャーを感じます。すると今度は、子どもの意識は「親を満足させること」に向いてしまうのです。たとえば、ママが「今日もゴールを決めてね!」って言っていたから、なんとしてでも頑張らなくてはと考えてしまうわけです。「最後まで走れるといいね」「全力で頑張ろうね」など、 “そのときのその子のベスト” を大切にしてあげましょう。しないこと2:先回りしない、手助けしすぎない親は、わが子が勉強や運動などで遅れをとらないように、「教えてあげなきゃ」と先回りしがちです。しかし、東京家政大学子ども学部教授の岩立京子氏によると、それは子どもから学びのチャンスを奪う「悪い先回り」なのだそう。「チャレンジと試行錯誤のあとの達成感が子どもを育む」と信じて、あれやこれやと先回りしたい気持ちをぐっと押さえていきましょう。しないこと3:子どもの失敗を恐れない子どもに「失敗させたくない」と考える親御さんは多いはず。しかし、子どもにとって、失敗からの学びはとても貴重です。教育ジャーナリストの中曽根陽子氏は、「失敗は、そのときの能力以上のことに挑戦した結果。つまり、成長のチャンス」だと言っています。「自分でやるの!」と言い張って、お皿をひっくり返した……ということ、よくありますよね。でも、その失敗が未来の挑戦力につながるのですから、お子さまにはどんどん失敗をさせてあげてください。しないこと4:他人の成功例をまねしない「これからの教育に王道はないんですよ。他人のものさし、固定概念に縛られていてはダメ」「人間の価値はその子の個性にあります」ーーこれらはアグネス・チャン氏の言葉。「毎日絵本を10冊読んでいたので、国語のテストはいつも100点です」という記事を読んで、「今日からうちも10冊読み聞かせよう!」といった教育は、わが子の個性を見ているとは言えませんよね。もしかしたら、お子さんは絵本よりも図鑑のほうが好きかもしれません。これからの時代は、子どもをしっかりと見て、その子に合った対応をすることが大切です。しないこと5:子どもをほめないアドラー心理学では、子どもを「ほめる」のではなく「認める」ことを大切にしています。なぜならば、親が子どもをほめるときは、どこかで「子どもを自分の思い通りにしよう」という下心が入ってしまうから。「こんなに勉強ができてすごいね!(もっと頑張って、もっと勉強ができるようになってほしい)」とほめるのではなく、「頑張ったね!ママも嬉しいよ」と、子どもを認め、共感してあげてください。しないこと6:生活リズムにこだわりすぎなくていい小竹氏と小笠原氏は、「夜は9時までに寝ないといけない」「一日三食食べさせなければ」「遅くならないうちにお風呂に入らなきゃ……」と、生活リズムにこだわりすぎなくていいと話しています。親だって毎日同じ時間に寝ることはないですし、一日二食になることもありますよね。ですから、寝る時間がいつもより遅くなってしまっても、お風呂に入れなくても、「今日はこれでOK」と、肩の力を抜く日があってもいいのです。しないこと7:ルールを守りすぎないルールを守るより新しい発見を楽しむべきだと、アグネス・チャン氏は言っています。ルールを守って、いつも通りの生活しかしたくない子を育ててしまったら、大人になって苦労しますよ。だってものすごいスピードで新しいものが出てくる時代ですから。そのたびにストレスになったら、毎日楽しくないじゃないですか。新しいものを求める子にしましょう。新しいものをつくれる子にしましょう。そのためには、親が新しいものを怖がらないで、刺激的な楽しい環境をつくることです(引用元:ブックバング 小学館|子どもに「規則正しい生活」は必要ない 息子3人を「スタンフォード大学」に合格させたアグネス・チャンが考える教育法)アグネス・チャン氏は、日本で重要視される「規則正しさ」よりも、刺激的な毎日を送って脳のシナプスを増やすことが重要だと断言。実際に「毎日食事場所を変える」「突然家族旅行を決行する」などを実践して、子どもが退屈しないような工夫をしていたそう。「ルールを絶対に守らない」ということではなく、日常にスパイスを加えるイメージです。しないこと8:イライラしている自分も子どもも責めない親も子どももイライラする日がありますよね。特に子どもはそんなイライラをもてあまし気味です。アグネス・チャン氏は、「子どものイライラの原因はホルモン」だと話しています。思春期前後の子どもは、ホルモンバランスが変化するためイライラしがちなのだそう。「イライラは誰のせいでもなく仕方がないこと」と親が丁寧に説明をしてあげることで、子ども自身もイライラを客観視できるのです。ですから、イライラしている子どもにイライラしそうになったら、このコラムの「しないこと8」を思い出してくださいね。しないこと9:いつも笑顔でなくてもいい笑顔は誰にとってもうれしいもの。でも、 “笑顔” にとらわれすぎていませんか?心理学者・大日向雅美氏(恵泉女学園大学学長)は、「子育ては修羅場!いつも笑顔で穏やかでいることは無理」と言いきっています。また、こころぎふ臨床心理センター所長の長谷川博一氏も、「無理をして笑顔をつくる必要はない」と述べています。だから、親はいつも笑顔でなくたっていいのです!悲しい、つらいことがあれば、我慢せず泣いたっていいのです。しないこと10:子どもを世界の中心にしない食事のメニューやお出かけの場所などを決めるとき、子ども中心に考えてしまう親御さんは少なくないはず。しかし家庭のなかで子どもを特別扱いしすぎると、その子は自己愛の強い、自己中心的な人間になってしまうかもしれません。以下は、サイコセラピストのエイミー・モーリン氏が挙げた、「あなたは特別な子よ」というメッセージを送っていないかどうかのチェックリストです。□子どもをほめちぎり、もち上げることが好きである□子どもに求められたら、何をしていてもすぐに中断している□子どもが望むことをするために、たくさんの時間を費やしている□わが子の能力はどんなことでも平均以上だと思っているもしひとつでも当てはまるようであれば、お子さまが「私って特別」と感じている可能性があります。エイミー・モーリン氏は、「自分が世界の中心」と子どもが勘違いしないために、「親はひとりの時間をつくる」「夫婦の時間を楽しむ」べきだと話します。親が自分の人生を犠牲にしない生き方をすることは、子どもへの大きなメッセージとなるはずです。***「しないこと」でよい効果が得られるなら最高ですよね。一方で、絶対やったほうがよいことがあります。それは、「大好きの声かけ」や「スキンシップ」で親の愛をしっかり伝えること。アグネス・チャン氏は「前に進んでいく力になる自己肯定感を育てるのは、親の絶対的な愛情です。それはこれからの時代、子どもを幸せにしたい親が贈るべき最高のプレゼント」だと言っていますよ。「すること」と「しないこと」、しっかり心に刻みたいですね。(参考)小竹めぐみ 著, 小笠原舞 著(2016),『いい親よりも大切なこと』, 新潮社.中曽根陽子(2016),『成功したいなら「失敗力」を育てなさい』, 早川書房.ブックバング 小学館|子どもに「規則正しい生活」は必要ない 息子3人を「スタンフォード大学」に合格させたアグネス・チャンが考える教育法伸芽’sクラブ|子育てはもっと楽をしてもいい?余裕ある子育て、子育てを楽しむことが与える子供への影響PHPファミリー|子育てでお母さんが持っておきたい「3つの余裕」公益財団法人 母子健康協会|新マルトリートメント(避けるべき子育て)が子どもの脳の発達に与える影響についてーマルトリートメントが子どもの人生に影響を与えるSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの失敗の機会を奪う「悪い先回り」を今すぐやめて、「いい先回り」をするための工夫とは?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な言葉かけSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子育てでは“ほめないこと”が大切なわけ。アドラー流・子どもを「ほめずに勇気づける」方法Forbes|精神の強い親がしない13のことダイヤモンドオンライン|「期待しない子育て」が脳にとてつもなくいいワケ東洋経済オンライン|「子どもに当たり散らす親」がいずれ陥る悲劇 「しつけ」という言葉ですべてを片付けるなすくすく子育て情報|いい母の重圧現代ビジネス|メンタルが強い子の親が、絶対に子どもを「特別扱い」しないワケ
2021年05月18日昨年、公演延期となったWAHAHA(以下:ワハハ)本舗全体公演『王と花魁』全国ツアーの開催が決定。構成・演出の喰始、キャストの柴田理恵、久本雅美、梅垣義明に現在進行形の想いを尋ねた。ピリオドを打った『ラスト3~最終伝説~』から4年ぶりの全体公演となる本作。枠にとらわれることのない多彩なパフォーマンスで客席に全力の笑いを届ける。延期が決まっても喰は「中止は念頭になく絶対にリベンジしたかった」と語り、その言葉に柴田・久本・梅垣の3人も頷く。ワハハ本舗の特徴といえば、“過剰”ともいえる客席とのコミュニケーション。「ろくでなし」を歌って鼻から豆を飛ばし、「愛の讃歌」でステージを降り観客をハグしにかかる梅垣の芸に代表され、これを目当てに訪れる人も多い。しかしコロナ禍では“濃厚接触”。得意技を封じられた一同はどうやって客席を魅了するのか。そう聞くと、喰は「梅垣は今までお客さんをひどい目に遭わせてきたけど、今度は梅垣がひどい目に遭う番」とほくそ笑む。制限を逆手に取った笑いを追求する一方で、無観客配信を行った梅垣は画面の向こうにいる観客の反応がわからない心もとなさを経験した。「自分がいかにお客さんから助けられてきたか、コロナ禍で“観客の力”を実感しました」と語ると、喰は「今回のお客さんはおかしくても笑い転げるのは難しいから、マスク上でアピールしてもらう?」とその場でアイディアを出す。一度目の緊急事態宣言が明けてから、さまざまな舞台を観に行った柴田は「ワハハみたく底が抜けたような笑いって今見かけないよね」とひと言。「だからこそ我々がやる意義は大きいんじゃないかな」と万全の対策で観客を迎える覚悟を語る。久本も「私たちを待ってくださっているお客さんの存在を感じています」と続き、「その気持ちに応えて全力で“バカ”やる所存です!」と意気込んだ。最後に喰は「エンターテインメントは精神のワクチン。接種の無理強いはしません。でもワクチンを体に入れて心が軽くなるのであれば、ぜひお越しください」「我々も年齢を重ねましたから。いつまでもあると思うな、ワハハ本舗ですよ」と呼びかけ、インタビューを結んだ。なお、取材中に喰が思いついた案は「マスクdeエール」プロジェクトとして進行中だ。演劇人に対するメッセージを寄せたマスクの着用姿を写真・動画に収めてワハハ本舗に送ると応援動画として編集され、劇中や記者発表イベントにて上映されるという。BGMには『王と花魁』応援隊長・泉谷しげるが書き下ろしたオリジナル楽曲が予定されている。公演は10月28日(木)~31日(日)に東京・新宿文化センター 大ホールで行われたあと、11・12月に全国12会場を巡演する。取材・文:岡山朋代
2021年05月07日子どもにとって、親から向けられる言葉の影響力は計り知れません。わが子にはできるだけ、傷つけるような言葉をぶつけないようにしよう、と心がけてはいても、思い通りにいかずにイライラしたりカッとなったり……。今回は、「子どもに絶対言ってはいけない言葉」について解説し、子どもの自己肯定感を育むだけではなく、親のストレスも軽減される「効果的な声かけとほめ方」を紹介していきます。親の言葉が「子どもの人生の土台」をつくる「いつも穏やかな気持ちで子どもに接したいのに、カッとなるとつい厳しい言葉をぶつけてしまう」「自分の言葉が子どもの人生に悪影響を与えているのではないかと不安になる……」このような悩みを抱えている親御さんも多いのではないでしょうか。真剣にわが子と向き合っているからこそ、親はいつも悩み、不安を感じてしまうもの。「いまの親は思い込みに縛られていて、せっかく愛情があるのに空回りしていることが多い」と述べるのは、教育評論家の親野智可等先生です。みなさんも、ネットの情報やSNSなどを見ては、他人と比較して落ち込むこともあるはず。自分の育児法に自信がもてなくなると、子どもとの向き合い方までもわからなくなってしまいます。親もひとりの人間なので、思い通りにいかない子どもにイライラしたり、感情的になって怒鳴ったりすることもあるでしょう。しかし、親から言われ続けた言葉は、知らず知らずのうちに子どもの心に深く刻み込まれることも事実です。一般社団法人日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカさんによると「親の言葉は子どもにとって一種の暗示のようなもの」であり、「『あなたはできる』と言われて育った子は恐れずに挑戦する子になるなど、親の言葉が価値観の基礎になる」と指摘しています。逆に、親から「あなたって本当にダメな子ね」と言われ続けると、子どもの自己肯定感は育まれません。それどころか、チャレンジ精神が失われ、ちょっとした壁にぶつかるとすぐに諦めるような無気力さばかりが目立つようになるでしょう。このように、親からかけられた言葉が子どもの人格形成や、生きていくうえで身につけておきたい「自己肯定感」に強い影響を及ぼすことはよく知られています。親が子どもに “絶対に言ってはいけない” 言葉続いて、親が子どもに言ってはいけない言葉について、具体的に解説していきます。■子どもの存在そのものを否定する言葉「あんたなんて産まれてこなければよかったのに」「お前なんていないほうがいい」「捨ててしまいたい」これらの言葉は、どんな場合であっても決して言ってはいけません。もちろんほとんどの親は、このような言葉を発したことはないでしょう。しかし、ときに冗談や過剰な謙遜、周囲への照れなどから軽い気持ちで言ってしまうケースも。たとえ冗談でも、言われた子どもは心に深い傷を負うかもしれません。大人になって何かにチャレンジしようとしたとき、幼いころに親から存在を否定されたことを思い出し、「どうせ自分なんか」と一歩も踏み出せなくなってしまうこともあるので注意が必要です。■子どもの人格を否定する言葉「あなたって意地悪な子ね」「どうしていつも迷惑ばかりかけるの!」たとえばお友だちを叩いてしまったとき、「お友だちを叩くなんて乱暴な子ね!」と子どもの人格を責めるか、「お友だちを叩くのは悪いことだよ」と行動そのものに対して注意をするかで、受け取り方は大きく変わります。『子どもが一週間で変わる親の「この一言」』(三笠書房)の著者の波多野ミキさんは、「人格を否定されるようなことを言われ続けると、だんだんとネガティブになり、『自分はダメな子なんだ』と思うようになります」と警鐘を鳴らしています。あくまでも「子どもの行動そのもの」に目を向けて、人格を否定しないように気をつけて。■子どもの能力を否定する言葉「何度やってもできないなんてダメな子ね」「お前には無理だ」自分の能力を否定される言葉で叱られ続ける弊害について、前出の親野先生は次のように述べています。よく見られるのは、「ダメな自分は親から愛されないのではないか」という不安から、わざと心配させるような行動をとり、「こんなに心配してくれているから自分は愛されているんだ」という確認作業を行なうこと。また、子どもは自分が叱られながらも、親の口調や態度をよく観察しています。その結果、親の叱り方をまねするようになることも。弟や妹、友だちに対して、できないことをとがめるような口調で責めるようになる前に、親自身の叱り方を見直す必要があるでしょう。■兄弟・姉妹や他の子と比べる言葉「お兄ちゃんはできるのに……」「お友だちに負けないように頑張りなさい!」『叱りゼロ!「自分で動ける子」が育つ魔法の言いかえ』(青春出版社)の著者でプロコーチの田嶋英子さんは、「わが子とほかの子どもを比べてしまうのは、ちゃんと成長しているかどうか確かめて安心したいから」と説明しています。しかしたいていは “できている子” と比べてしまうため、結果的に不安が増してしまうことが多いそう。比べられて育った子は、劣等感が強くなり、自分に対してマイナスのイメージを抱くようになります。比べるなら過去のその子自身、つまり半年前や一年前の姿を思い出して、「ずいぶん成長したね」と前向きに考えるようにしましょう。伝えたいことは間違っていなくても、選ぶ言葉によって子どもの心を深く傷つけることがあります。親が発する言葉の重みや責任について、一度立ち止まって考えてみる必要がありそうですね。カッとなる前に押さえておきたい!叱り方のポイント2つ子どもの性格や家庭の方針によって叱り方はさまざまですが、状況に応じて即座に正しい声かけをするのは容易ではありません。カッとなってとっさに人格を否定するような言葉が出てしまうこともあるはずです。自分の言葉に後悔して落ち込まないように、「これだけは押さえておきたい叱り方のポイント」を覚えておきましょう。■子どもが自分から動けるような「具体的な提案」をするNG:「こんなに散らかして!なんで片づけないの!?」OK:「まだ遊びたいのかな?遊び終わったならおもちゃを箱にしまって、おやつにしようか」毎日毎日同じことを注意しているのに、いつまでたっても自分から動こうとしない、と悩んでいませんか?だからといって、ついイライラして感情のままに叱っても、状況は改善されません。前出の田嶋さんは、「子どものよい部分に目を向け、自己肯定感を高めながら、できていないところも直すことを心がけて」とアドバイスしています。「小さいおもちゃはこの箱に、大きいものはこの箱に入れようか」など、具体的に指示を出しながら促すとスムーズに行動できるようになるでしょう。■「私」を主語にすれば、子どもを責める口調になりにくいNG:「(あなたは)何回言ったらわかるの!」OK:「(私は)○○してくれると嬉しいな」子どもを叱るとき、無意識のうちに相手を責めるような口調になっていたら要注意。親業訓練協会の瀬川文子さんは、「子どもを叱るのは、たいてい子どもの行動に対して親が気に入らないとき。だから『どうしてそんなことをするの!』という表現になってしまう」と説明しています。これは「あなた」を主語にした叱り方であり、相手を責めるニュアンスが強く、責められたほうは言い訳や反発をしてしまうという悪循環を生むことも。子どもに注意するときは、「(私は)こうしてほしい」「(私は)こんな気持ちになった」と、「私」を主語にするようにするといいでしょう。「叱る回数」よりも「ほめる回数」を増やしてみませんか?子どもを叱りつけるたびに後悔し、自分を責めてしまいがちな親御さんは、「子どもをほめること」を意識して過ごすように心がけましょう。親御さんのストレスが軽減されるのはもちろん、お子さんの自己肯定感もぐんぐん上がりますよ。■子どもが失敗したときこそ、ほめるチャンスです!たとえば、お片づけを「していない」ことばかりに目が向いてしまうケースでは、お片づけを「してくれた」ときにしっかりとほめるようにします。その際には「きれいになって気持ちがいいね」「片づけてくれて助かるよ」と、感謝の気持ちもプラスしましょう。また、お子さんが何かに挑戦して失敗してしまったときも、ほめ言葉を伝えるチャンスです。結果だけに着目するのではなく、そのプロセスやがんばった姿を認めてあげることで、子どもの自信につながります。「親は子どもの『できる』『できない』に目を向けがちです」と苦言を呈するのは、東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり先生。がんばってもできなかったときは、「つらかったね」「次はきっとできるよ」「一緒にやってみようか」と励ましながらも、がんばったことをしっかりとほめてあげるといいでしょう。■ニコニコして子どもを見守るだけでも効果ありなかには「ほめるのが苦手」「どうやってほめればいいの?」と悩んでいる親御さんもいるのではないでしょうか。発達心理学が専門で恵泉女学園大学学長の大日向雅美先生は、「ほめることにテクニックはない」ときっぱり。ただし、「『何かができるから、いい子』というほめ方はしない方がいい」とアドバイスしています。「これができたからいい子だね」と条件つきでほめてしまうと、子どもは「次も親の期待に応えなければならない」とプレッシャーを感じてしまうそう。また、乳幼児教育学が専門で玉川大学大学院教授の大豆生田啓友先生は、「ほめ方には、『見守る』ことも含まれる」と述べています。子どもの様子を見て、「がんばっているんだな」とニコニコしながら見守ってあげることも、子ども自身が「自分は認められている」と感じることにつながるので、十分効果的だといえるでしょう。もっと具体的に「子どもをほめる基準」や「子どものほめ方」を知りたい方は、ヒューマンアカデミーの通信講座「ほめ育子どもコーチング講座」をおすすめします。子どもの長所を伸ばすだけでなく、親自身の成長も感じることができると注目されている「ほめ育」。しっかりと基礎から学ぶことで親子の絆が深まり、子どもの自己肯定感アップにもつながりますよ。***普段あまり意識していなくても、子どもにとって親の言葉は強い影響を及ぼします。今回ご紹介した「叱るときに注意したいこと」と「ほめるときのポイント」を覚えておけば、親子のコミュニケーションはより豊かになるでしょう。(参考)PHPファミリー|子どもの「性格の土台」は親の言葉がつくる東洋経済オンライン|親が子どもにうっかり授ける「裏の教育」PHPのびのび子育て 2021年3月特別増刊号,PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「私メッセージ」の叱り方で子どもが変わる!親は怒りではなく“第一次感情”に注目してNHK すくすく子育て情報|“ほめて育てる”とはいうけれど…ヒューマンアカデミーの通信講座 たのまな|ほめ育子どもコーチング講座(Basic)
2021年03月04日久本雅美(62)が総合司会を務めるトーク番組「メレンゲの気持ち」(日本テレビ系)が来年3月で終了すると報じられた。スポニチアネックスによるとテレビ局関係者は「節目の25年を前に、新鮮さを求めての決断。番組としての役目は十分に果たした」といい、「新たな番組に良い形でバトンを渡したい」と明かしたという。96年4月にスタートした「メレンゲの気持ち」。四半世紀にわたって、久本は“土曜日の昼の顔”を務めてきた。そんな彼女は本誌16年10月18日号に登場し、番組とともに歩んできた日々を回想している。数々の著名人たちとの名トークを繰り広げてきた久本は、初対面でも打ち解ける秘訣をこう明かしている。「初対面の方とお話しする機会はとても多いですね。そんなとき、まず出演ゲストの『素敵だな』と思うところに目を向けて話を始めるようにしています」「挨拶は大切ですね。私も“笑顔で・元気よく・爽やかに”挨拶することを心がけています。一言挨拶を交わすだけで、その場の空気がきれいに流れていくと思います」脇を固めるMCメンバーの話術も、同番組の魅力の1つ。同号で久本はHey! Say! JUMP・伊野尾慧(30)について「お笑いのセンスもあるし気取りもなく自然体ですごくいい。癒し系です」と、そしていとうあさこ(50)に対しても「気配りができて、私を立てながらもしっかりと自分の役割を果たしてくれる素晴らしい人です」と大絶賛していた。そんな優秀な共演者に囲まれた久本は18年12月、「優秀なスタッフに恵まれて自由に楽しくやらせていただいています。これからは皆さんに恩を返していきたいですね」と本誌を通して番組にも賛辞を送っている。オファーを受けた当時38歳だった久本も18年7月にはついに還暦を迎えた。還暦直前に応じた本誌のインタビューでは「草笛光子さんなんか、84歳という年齢にもかかわらずあの美しさで、ファッショナブル。80歳超えても自分の番組を持っていらっしゃる黒柳徹子さん(87)にも憧れていて、私も『やれるところまでやったろう』と思って」と意気込んでいた。「いつまでも若々しい久本さんにとって、WAHAHA本舗の舞台上から見るお客さんの笑顔が元気のエネルギーだといいます。また仕事を通して、多くの人に会うことこそ健康の秘訣だとも。久本さんには“朝ドラに出演する”という大きな夢があります。それを叶えるまで『芸能界はやめられへん!』と意気込んでいます」(スポーツ紙記者)還暦以降も挑戦に燃える久本。看板番組が有終の美を迎えても、まだまだ活躍は続きそうだ。
2020年10月20日久本雅美が生誕60年を記念した舞台『マチャミの婚前披露宴還暦すぎてもヨロちくび~!』を全国5都市で上演する。大阪市内で開かれた会見で久本は「60歳なんてあっという間。想像よりは元気やな」と、7月に還暦を迎える心境を吐露。「『60歳でもこんなことやるんかい』と楽しんでいただけるよう、今回も暴れます!」と気合い十分に語った。「マチャミの婚前披露宴 還暦すぎてもヨロちくび~!」チケット情報そもそも過去に3人の占い師から、60代で「結婚」「ラブ運上昇」「モテ期到来!」と3連チャンで太鼓判を押されたことが、今回の企画への後押しになったと明かす。「いくら胡散臭くても別々の場所で3人の占い師から『60歳から恋愛運が良い』って言われたら、当たるでしょ」。期待に胸膨らませながらも今作は「予行演習」であることを宣言。当日は新郎不在の壮大な“妄想披露宴”をド派手に執り行う。会場ごとに松尾貴史、青木隆治、柴田理恵ら多彩な顔ぶれが司会、主賓、友人として出席。観客も列席者という設定だ。「松崎しげるさんに『愛のメモリー』を歌っていただき、劇団の梅垣義明はナジャ・グランディーバさんというドラァグクイーンとタッグを組んで見せてくれます。他にも豪華メンバーによるあらゆる祝辞、あらゆるパフォーマンスをご覧いただくのがコンセプト。私自身も思いを込めてパフォーマンスさせていただきます」。公演チラシは、海辺をバックに純白のウエディングドレス姿の久本が微笑むデザイン。これまで「唯一縁がなかった雑誌」という結婚情報誌の表紙をイメージした。「憧れの『ゼクシィ』風です。メイク中は金髪のカール姿が『あれ、戸川昌子さんかな?私シャンソン歌手になってない!?』と心配でしたが、キレイに仕上げていただき満足しております(笑)」。実は50歳の時も、大阪では同様の記念舞台を上演している。「その時は、お客さんにも『60歳でほんまに結婚して赤いウエディングドレス姿で報告するから、みんなも披露宴に来てや~』と宣言してたのに、まさかのパート2。再び皆さんに祝っていただき、これからの人生の糧にしたい」と久本。それゆえ、観客巻き込み型のステージを楽しんでほしいとも。「50歳のときに母親が亡くなって、その時は何年か後に歌手のBOROさんに舞台で『大阪で生まれた女』を歌っていただき、天国の母に捧げたんですけど…。披露宴ですから、両親への感謝の気持ちも込めて、今回も何かできればいいなと。笑かしながらもグッと来て、ハッピーオーラ全開です!まずは地元大阪から一生に一度の披露宴を3公演もかましていくので、独身、カップル、ご家族連れの方まで元気になっていただければ。観に来た友人、親族も泣きながら楽しんでくれると思います(笑)」。公演は、9月22日(土)・23日(日)大阪・森ノ宮ピロティホール、9月29日(土)東京国際フォーラムホールC、11月3日(土・祝)・4日(日)京都劇場にて上演。地方公演あり。チケットは全国一斉6月30日(土)10:00より発売。一般発売に先駆け、6月29日(金)18:00まで大阪・京都公演の先行先着プリセール実施中。取材・文:石橋法子
2018年06月29日芸能界随一の“親友”と言われる久本雅美と柴田理恵が11月10日(木)、女の友情を描いた映画『マイ・ベスト・フレンド』のトークイベントに登壇。36年にわたって培った友情について熱く語り合った。トニ・コレット&ドリュー・バリモアを主演の迎えた本作。性格や好みは違えど、なぜか子どもの頃に出会って以来、友情を築いてきた2人の女性が、結婚や乳がん、乳房切除手術、不妊治療の末の妊娠など、様々な人生のステージに向き合い、支え合い生きていくさまを描き出す。この日の試写会は「泣いてはいけない」と銘打って行われていたはずだが、久本さんは「ズルズルピーピーでした…」と大号泣したと明かし、柴田さんに至っては、映画開始15分で泣き始め、さらにこのトーク中も思い出して涙をぬぐうほど!劇団で出会って以来、36年にわたって女の友情を紡いできた2人の心をガッチリと鷲づかみにしたよう。これまでの2人の間の出来事で忘れられないことを尋ねると、柴田さんは、まだ売れずに六畳一間に住んでいた頃の思い出として「風邪をひいたときに雑炊を作ってくれたこと。金がない時なんだけど、ニンジン、椎茸、卵も入れてくれて…」としみじみと述懐。久本さんは「柴田と(柴田さんの)ダンナと3人で食事に行くんですけど、私がいつも真ん中に座るんですよ(笑)。家族みたいなもので“長女”になった気持ち」と笑う。この映画を観つつ「どっちかが先に死ぬんだろうって思いながら見てた」と久本さん。いつか、年を重ねてどっちかが先に逝ってしまったときは「泣いちゃうだろうけど、感謝の涙でおくると思います」とも。また、柴田さんが夫と暮らす家には、なんと、久本さんのための部屋があるという!柴田さんが家を作る際に、独身の久本さんを思い「老後が心配だから部屋を作った」というが、久本さんによると「窓なしの四畳半ですよ(笑)! (部屋を見て)絶対に結婚してやるって思った」とか。共に年齢を重ね、以前よりもケンカも減り「不満もないし、隠し事もない」という2人。最後は「お互いに長生きしましょ(笑)」と笑い合っていた。『マイ・ベスト・フレンド』は11月18日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月11日フリーアナウンサーのみのもんたと、お笑いタレントの久本雅美がこのほど、都内のスタジオで、読売テレビ・日本テレビ系『カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW 10年目突入スペシャル!』(10月6日21:00~)の収録後に取材に応じ、みのから司会ぶりを絶賛された久本が「とりあえず、1回抱かれます(笑)」と熱視線を向けた。都道府県の県民性やご当地グルメなどを紹介する同番組は、2007年にスタートし、10月で10年目に突入。「10年目」について聞かれたみのは「あっという間」と感慨深げで、「久本さんにはずいぶんと助けてもらいました」としみじみ語った。みのは久本の魅力について「人の心をつかんで離さないすばらしい才能」と分析。そして「多くの司会者を知っているが、技術はすばらしくとも嫌味だと感じる人はたくさんいた。そういう司会者はだいたい消えていきますね」と得意の"みの節"を披露した。すかさず「厳しいな~」と久本が突っ込む中、みのは「とっておきの話をしましょうか?」と切り出した。同番組スタート当初、司会スタイルとして、みのがゲストに話を振る進行だったそうだが、みのは「2、3本目の収録あたりで、(久本の)間や緩急の自在さに天性のものを感じた。そこでスタッフに言って、(今の久本が回すやり方に)一瞬にして変えてもらったんです」と明かした。その理由は「その方がゲストもスタッフもみんな生き生きとできる」からだそうで、結果として周囲からよい評判を聞くようになったといい、みのは「(スタッフに進言した)僕の勝ちです」とニヤリ。これに久本は大照れで、あわてふためきつつも「何をしていいか分からない。とりあえず、1回抱かれます」とはぐらかし、会場は爆笑に包まれた。今回のスペシャルの見どころについて、大阪出身の久本は「また大阪が面白くさせまっせ」と得意満面の笑顔。みのはそのVTRを見て「初めて泣かされた」と告白し、「人間ドラマ(がすばらしい)。通天閣をそういう目で見る人もいたのかと…」と目を細めていた。この日のゲストには、田中美里、壇蜜、あき竹城、井森美幸、船越英一郎、萩原次春、横澤夏子、柴田理恵、羽場裕一、勝俣州和、千原せいじ、岡田圭右、武蔵、次長課長、陣内孝則、竹内力、ガレッジセール、具志堅用高、土田晃之を迎える。
2016年09月22日シドニー五輪で銅メダルを獲得した元競泳選手の田中雅美が17日、都内で行われたディズニー/ピクサー最新作『ファインディング・ドリー』(7月16日公開)の日本最速スペシャル・プレビューイベントに登壇。今夏開催されるリオデジャネイロ五輪で最も注目の競泳選手として、萩野公介の名前を挙げた。大ヒットを記録した『ファインディング・ニモ』の続編となる本作は、忘れんぼうのナンヨウハギのドリーが、カクレクマノミのニモ&マーリン親子と共に、家族を見つける冒険を繰り広げる物語。本作で田中は、水泳界から初めてのディズニー声優に抜てきされ、ドリーの家族の思い出につながるマカジキの声を演じる。マカジキをイメージして青のドレスを着たという田中は、「映像がきれい。実際に潜った感覚に近い…それ以上に夢が広がる映像。ニモとドリーも可愛くてワクワクが止まらない時間だった」と本作の感想を述べ、「驚きと喜びといっぱいになった。水泳界初のピクサー作品の声優だったので緊張もした」と声優の話を聞いた時の心境を告白。「一言だけど難しかった。ニュアンスとかトーンの大きさとか。10回以上トライした」とアフレコを振り返った。リオ五輪の話になると、「後輩たち…頼もしい水泳選手が出場します」と熱く話し出し、特に注目の選手について「萩野公介選手。『ドリー』に出てくる魚のように速い。すばらしいテクニックがある」と語り、「ドリーのように、夢とか目標というものにくじけそうになってもあきらめず泳ぎ切ってほしい」とエール。そんな萩野選手は、本作に登場する謎の協力者、タコのハンクに似ていると言い、「"どんなものにも自由に変えられる"というところで思った。萩野選手はバタフライもクロールも背負泳ぎも個人メドレーも全部速い。自由自在ということでハンク」と説明した。冒険心あふれる男の子・ニモに似ているのは、五輪2大会連続2冠という偉業を達成した「北島康介」だと言い、「明るくて、えらぶらない、人を大事にする人。アテネの時には、一番期待されていたにも関わらず、チームのミーティングでギャグをしたり、泳ぐ背中も後輩に伝えるだけでなく、リフレッシュもさせる…チームも中心だったのでニモ」と説明。本作の主人公、忘れん坊で明るい楽天家・ドリーについては、「(バルセロナ五輪金メダリストの)岩崎恭子ちゃん。『最近物忘れ激しい』って言っていたのもありますが、恭子ちゃんは心が強くて明るい。楽天家というより前向き」と語った。自身については、泳ぎが苦手なジンベエザメのデスティニーだと言い、「現役時代、練習中に壁に頭をぶつけたことがある。また、身体がものすごく大きい選手だったので」と照れ笑い。イベントの中で、シドニー五輪で獲得した銅メダルもお披露目した。
2016年06月17日いまや老舗劇団として、また久本雅美や柴田理恵、佐藤正宏、梅垣義明など人気者が多数所属することでも知られるWAHAHA本舗。4月14日に東京・日本青年館で開幕した舞台『ミラクル』は、結成28年を経てなお攻め続けるWAHAHA本舗の底力を見せつけるものだった。WAHAHA本舗全体公演「ミラクル」チケット情報2006年の『NHK紅白歌合戦』で話題になった裸タイツをはじめ、梅ちゃん(梅垣)のシャンソンコーナーや、2009年入団の正司歌江、2010年入団のアジャ・コングが華を添えるネタもの、久本と柴田のここでしか見られない漫才など、その内容はバカバカしさとシモネタ満載。頭をカラッポにして思いきり笑えるステージだ。そして今回、『ミラクル』と銘打たれた公演のテーマは、なんと「祈り」。あの“大物歌手”のナレーションで幕が上がると、白いエンビ服を着た劇団員がズラリと登場。いつもなら、平均年齢45歳という彼らが必死に踊るダンスに笑うのだが、今回はなにやら違う様子だ。静かに流れ出す曲は、60年代のヒット曲『アクエリアス~レット・ザ・サンシャイン・イン』。全身で想いを表すような激しいダンスに笑顔はない。途中から座長・大久保ノブオが東日本大震災での記憶を、叫ぶように曲に重ねてゆく。元は若者たちの葛藤を描いた名作ミュージカル『ヘアー』のナンバー。思いがけず胸が詰まるような気持ちになるなか、オープニングが終わった。あえてストレートにこのシーンで始めたかったという、作・演出の喰始の言葉が大久保から紹介された後は、久本と柴田のMCも加わっていつもの“最高にくだらない”ステージに突入!その一発目が10年ぶりの復活演目だという「ハダカ影絵」なのだから、改めて振り幅の広さに笑ってしまった。全裸になった男性陣が、巨大な布の向こうで下半身(前張りナシ)を存分に利用した影絵を披露。プリミティブアートのような大らかさに、恥ずかしそうにしていた女性客も思わず爆笑。その後も趣向を凝らしたコーナーが20種ほど、10分の休憩を挟んで3時間たっぷり続く。意外にも本公演では初めてという、梅ちゃんが豆を鼻から飛ばしながら歌う『ろくでなし』や、久本のツッコミと柴田のボケが冴え渡るヘビメタ漫才、裸タイツの女性キャストと女装着物姿で日舞を舞う男性キャストのコラボなど、笑いの連打に客席も大喜び。中でも“綾小路ひさまろ”(久本)の独り身女性漫談は、テレビで見かけるそれ以上にひねりが効いて秀逸。お客様のリアルな不幸エピソードを読み上げ、客席まで行って励ますミニコーナーと共に、“バカでもダメでもいいじゃない”という弱者への共感とエールが、ひしひしと伝わってきた。公演は4月21日(土)の東京・オリンパスホール八王子、6月15日(金)から24日(日)まで東京・天王洲銀河劇場ほか、全国各地で7月8日(日)まで開催。チケットは一部を除き発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年04月19日