井上芳雄主演ミュージカル『ウェディング・シンガー』が3月1日、東京・シアタークリエで開幕した。同名のアメリカ映画をもとに2006年にブロードウェイで舞台化、日本では2008年に初演され、今回が再々演となる人気作。同日、最終舞台稽古が報道陣に披露され、井上ほか共演の高橋愛、大澄賢也、吉野圭吾、新納慎也が取材にも応じた。『ウェディング・シンガー』チケット情報物語は、結婚式を盛り上げるウェディング・バンドマンのロビー(井上)と、式場のウェイトレス・ジュリア(高橋)の恋を軸にしたもの。個性豊かで愛らしい登場人物が、それぞれ幸せな結婚を夢に見、悩んでいく。アメリカ産らしいコミカルな展開と、80年代の音楽やダンスへのオマージュに満ちたハッピー・コメディだ。3回目の主演を務める井上は「“結婚したくなるミュージカル”と銘打っていますが、とにかく観た人すべてが幸せになってくれるだろう、とてもハッピーなミュージカル」とアピール。また「初演の時から“結婚したくなるミュージカル”と言ってたんですが、初演の時は誰も結婚しなくて、『何の効果もないな』って話していたんですが、5年たってじわじわと…」という井上の言葉を受け、今年1月に結婚をした大澄が「(上演)3回目にして結婚しました! みなさんも結婚したくなってください。バッチグーだよ!」と報告。大澄はほかにも「イケイケ」「ナウい」など80年代らしい言葉を連発、「あの時代を一番知っているのは自分」と話し、取材陣を笑わせていた。またジュリア役として今回初参加する高橋は本格的なラブシーンは初とのことで、「最初にラブシーンを合わせた時に、恥ずかしい!って真っ赤になっちゃって」と井上に明かされるも、感想を訊かれ「女優さんとしては必要なことなんだろうなって思いました」とクールな返答で、共演者たちに「ビジネスライク!」と突っ込まれていた。今回の上演は「ファイナル・ステージ」と謳われているが、井上は「最後に相応しい決定版が出来たんじゃないかと、とても楽しみ」と自信のコメント。さらに「今回の結果によってはリターンズがあるかもしれないと望みながら頑張りたい」と意気込んだ。公演は3月20日(水・祝)まで同劇場にて。3月23日(土)・24日(日)に福岡・博多座、3月31日(日)に東京・日本青年館 大ホールにて。チケットは発売中。
2013年03月04日11月16日(金)に開幕する、瀬奈じゅん主演舞台『Chanson de 越路吹雪「ラストダンス」』のファン感謝イベントが10月19日、東京・シアタークリエにて行われた。出席者は、瀬奈のほか共演の斉藤由貴、大澄賢也、柳家花緑。「愛の賛歌」など数々のヒット曲を歌い、いまだに伝説として語られる越路吹雪。56歳の若さでこの世を去った彼女の33回忌にあたる今年、その生涯を綴る舞台が上演される。主演は元宝塚トップスターの瀬奈じゅん。越路を支え続けたマネージャーであり、作詞・訳詩家としても名高い岩谷時子は斉藤由貴が演じ、越路を取り巻く人々を大澄賢也、柳家花緑、宇野まり絵、別所哲也が演じる音楽劇だ。この日は、司会を務めた花緑が「稽古がまだ始まっていなくて、“皆さん、はじめまして”に近いんですよ! 稽古場の面白いエピソードとかもありません(笑)。ここから(キャストが)打ち解ける、その第一日目です」と明かすも、終始和やかなムードで展開。「プレッシャーがあるんじゃないかとよく言われますが、私は何ひとつプレッシャーを感じていません(笑)。とにかく私の身体を通して越路さんの生き様を皆さまにお届けできれば」と意気込みを語った瀬奈は、「越路さんが宝塚歌劇団生として入学する少女の頃から物語が始まることに、びっくり。それに、影の強い方というイメージでしたが、脚本を読んだらすごく天真爛漫で、そこにも驚かされました。でも音楽学校生の頃の屈託のなさ、上級生に悪さをしてもあまり怒られないところとか……自分に似てるかな(笑)」と語るなど、大スターを演じることを楽しんでいる様子。また、斉藤は「岩谷さんとお仕事をご一緒させていただいたこともありますし、すごく大好きな方なので、とても光栄。岩谷さんは越路さんの影のマネージャーではなく、人生をとして越路吹雪という歌手と一緒に生きた方。脚本を読んで、胸が熱くなりました」と、こちらも愛情たっぷりに自分の演じる役柄について話した。大澄、花緑はそれぞれ6役、7役があるという苦労を嘆き、大澄は得意のダンスシーンがあるかという質問に対し「越路さんが歌ってる後ろでバックダンサーをやるとか、(役を増やして)勝手に踊っちゃおうか」と少々やけっぱちに語り、客席の笑いを誘っていた。イベントでは瀬奈が「ラストダンスは私に」「愛の賛歌」の2曲も披露、ドラマチックに歌い上げた。「本番では20曲近く歌いますが、1幕は舞台に立っている越路さんという形でショー的要素が強い。2幕は、誰に聞かせるわけでもなく、越路さん自身が心情を歌う形になっていく」とのことなので、その歌い方の違いなども楽しみにしたい。公演は11月16日(金)に東京・かめありリリオホールで開幕。その後12月4日(火)から19日(水)にシアタークリエ、11月27日(火)に石川・北國新聞赤羽ホール、12月22日(土)に愛知・中日劇場、12月29日(土)・30日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケットはいずれも発売中。ほかに長野、山梨公演もあり。
2012年10月23日累計1500万部突破の売上を誇る田中芳樹の人気SF小説『銀河英雄伝説』。アニメや漫画でも知られる今作は、昨年の初舞台化も大成功を収めている。4月14日、その第二章となる“自由惑星同盟篇”が東京国際フォーラムホールCにて開幕した。前日の公開舞台稽古で行われた記者会見には「原作、アニメともに大ファン」と公言する主演の河村隆一を筆頭に、馬渕英俚可、野久保直樹、大澄賢也、天宮良、中川晃教、松井誠、西岡徳馬の主要キャストが一堂に会して話題作への意気込みを語った。「銀河英雄伝説=第二章自由惑星同盟篇=」 チケット情報“不敗の魔術師”と呼ばれる天才的な指揮官、ヤン・ウェンリーを演じる河村について、上司シドニー・シトレ役の西岡は「淡々としながら内には熱いものを秘めている。ヤンのイメージそのまんまです。劇画の味を生で感じられるので観る人は楽しいんじゃないかな」と絶賛。ともに軍の同志役として活躍する大澄や松井も、劇中そのままに「河村くんについていきます」と声を揃える。舞台裏のチームの指揮も上々のようだ。「温かいムードのある現場で、初日が開いてからも皆でディスカッションしながら作っていくことになりそうな気がします。ヤンは先を読む力があって頭脳明晰だけど、どこか怠け根性ものぞく憎めない男。こんなヤンの生き方を学びたい」と河村。舞台は開幕から一瞬にして『銀河英雄伝説』の世界へタイムスリップ。まさに銀河級のスケールの大きさを感じさせる映像と音楽の効果が、壮大な宇宙へと誘ってくれる。河村が扮するヤン・ウェンリーは、劇中に出てくる「温和な表情で辛辣な台詞を吐く」という言葉のとおり、穏やかな物腰と怜悧な横顔が魅力的だ。現実的で生真面目なムライ(大澄)、女好きの策士ワルター・フォン・シェーンコップ(松井)、皮肉屋の頼れる先輩アレックス・キャゼルヌ(天宮)といった個性豊かな仲間たちに囲まれ、その信頼を集めるカリスマ性に納得させられる。陽気で少々喧嘩っ早い凄腕パイロット、オリビエ・ポプラン(中川)の登場シーンは爽やかで楽しい。また一方ではヤンと憧れのマドンナ、ジェシカ(馬渕)、親友ジャン・ロベール・ラップ(野久保)との三角関係もせつなく描かれる。頭脳的な戦術、アクロバットな戦闘シーンも見どころだが、西岡曰く「我々は軍人の使命として戦うけれど、一番大事なことは戦いをなくすこと」。戦うことを嫌いながら、やむなく軍の指揮をとらねばならないヤン・ウェンリーの苦悩にも注目したい。「戦争の愚かさ、兵士の命が失われるむなしさ……、そういったことを伝える作品だと思う。平和の大切さをいま一度、感じていただけたら嬉しいですね」(河村)。公演は東京国際フォーラムホールCにて4月22日(日)まで開催。その後、NHK大阪ホールにて4月28日(土)、29(日)に上演する。チケットはいずれも発売中。取材・文:上野紀子
2012年04月16日人気作家・田中芳樹による大ベストセラー小説『銀河英雄伝説』の舞台版に河村隆一が主演する。この製作発表が1月16日に都内にて行われた。『銀河英雄伝説 =第二章 自由惑星同盟篇=』チケット情報はこちら未来の銀河系を舞台に“銀河帝国”対“自由惑星同盟”の戦いを描く『銀河英雄伝説』は、累計1500万部を売り上げ、これまでアニメ化やゲーム化もされている人気作品。昨年1月に初めて舞台化され、その後外伝2作も立て続けに上演、好評を博した。昨年の3作品は名将・ラインハルト率いる銀河帝国軍サイドの物語を紡いだが、いよいよもうひとりの英雄ヤン・ウェンリーを中心とした『自由惑星同盟篇』が登場する。智将と呼ばれる戦争の天才ヤンには、「僕自身、“銀英伝”の大ファン」と語る河村隆一が扮する。「ヤンは決して戦争が好きなのではなく仕方なく戦っているようなところがある。ぜひこの作品を若い人にも見てもらって、戦争の醜さなども感じていただきたいし、ひとりひとりの心の中に色々な違う答えを持って帰れる作品だとも思っています」と熱く語る。また相対するふたつの勢力のうち自由惑星同盟については「とってもアウトローで賑やかで明るい、そしてどんな発言しても許される、そういう美しさ、強さがあると思います。友情・愛情が詰まっているのがこの同盟側だと思うので、このすばらしいキャストの皆さんと一緒に作っていけるのが嬉しい。今日もひとりひとりの顔が原作の中から浮かび上がってくるような思いで楽しいです」と話し、「特に(ヤンの先輩であるキャゼルヌ役の)天宮良さんはベスト」という原作ファンらしいマニアックなコメントも飛び出した。会見には原作者である田中芳樹も登壇。「30年前に若気の至りで書きたい放題書いてしまったものがこんなに大きく育ちまして、半分呆然としています。去年の舞台版では小説では書ききれなかったこと、書きたかったけれど書き損ねたことを舞台ならではの手法で迫力いっぱいに表現してもらい嬉しかった」としみじみと話した。その田中に「“河村隆一ならでは”のヤンをやってください」と言われたという河村は「とはいえ、僕自身も大ファンですので、“銀英伝”のファンを裏切らないようなヤン・ウェンリーを頑張って演じていきたい」と力強く語っていた。出演はほかに馬渕英俚可、野久保直樹、大澄賢也、天宮良、中川晃教、松井誠、西岡徳馬ら。なお、フィナーレでは河村プロデュースの『銀河英雄伝説 =第二章 自由惑星同盟篇=』テーマ曲が披露される予定。この曲についても河村は「今まで書いてきたいろんな曲と比べてもいい曲ができたと自負している」と自信を語った。公演は4月14日(土)から22日(日)まで東京国際フォーラム ホールC、4月28日(土)・29日(日・祝)にNHK大阪ホールにて上演される。チケットは東京公演が1月21日(土)、大阪公演が2月4日(土)にそれぞれ一般発売開始。
2012年01月17日瀬奈じゅん、橋本さとしらが出演する『ニューヨークに行きたい!!』。10月29日(土)に日本初演の幕を開けるこのミュージカルの稽古場を10月上旬、取材した。ミュージカル『ニューヨークに行きたい!!』のチケット情報この作品は2007年にドイツで初演、約3年のロングランを果たし現在もシュツットガルト、ウィーンで上演中、“現在ヨーロッパでもっともチケットの取れないミュージカル”と呼ばれているもの。人気キャスターのリサ(瀬奈)のもとに、老人ホームで暮らす母マリアが駆け落ちをした、という知らせが入ることから始まるコメディで、豪華客船を舞台に、恋や親子愛がドタバタの中描かれていく。この日主に稽古が行われていたのは、物語の冒頭、リサが母親の駆け落ち相手の息子・アクセル(橋本)とともに母たちが乗った豪華客船を追いかけようとするシーン。バリバリのキャリアウーマンであるリサと、そんなリサの態度が鼻につくようでいちいちつっかかるアクセルの言い合いが、テンポ良く繰り広げられる。大澄賢也による振付もキュート。単なるダンスではなく、歌詞の意味を含んでいてユニークだ。ダンサーたちも汗びっしょりになりながらも笑い転げているのが印象的。また瀬奈には「ミュージカル!って感じで」という要求も大澄から飛ぶ。元宝塚トップスターの瀬奈、それに応えて大げさなくらいにバッチリ格好よく決めると、「最高です!」という賞賛が。ノリノリで踊り、笑う出演者たちの姿が、この“ハッピーなコメディ・ミュージカル”の成功を早くも予感させた。公演は10月29日(土)から11月20日(日)まで東京・帝国劇場、11月25日(金)から29日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。チケットはともに発売中。
2011年10月12日