東京都・新宿の東京オペラシティ アートギャラリーは、精神科医・高橋龍太郎氏の収集による1990年代以降の現代アートコレクション「高橋コレクション展ミラー・ニューロン」を開催する。会期は6月28日まで(月曜休館、5月4日は開館)。開館時間は11:00~19:00(金土は11:00~20:00)。入場料は一般1,200円、大学・高校生800円、中学生以下無料。同展は、高橋氏が日本のアートと文化を考えるためのキーワードとして提案する「ミラー・ニューロン」をタイトルに掲げ、草間彌生、舟越桂、Chim↑Pom、名和晃平ら52作家、約140点の作品を通し、日本の現代アートの流れを読み解くもの。高橋氏は1990年代に収集を本格化させ、奈良美智、村上隆、会田誠、ヤノベケンジといった、現在日本を代表する作家たちにごく早い時期から注目し、彼らの重要作品を次々と収集することで、現代アートのコレクターとして名を馳せてきた。同氏収集の「高橋コレクション」は1990年代以降の日本のアートシーンを俯瞰するうえで欠かせない存在として、高い評価を得ている。同展の開催に際し、高橋氏は以下のように語っている。「ミラーニューロンは、1996年発見された神経細胞である。実験者がエサを拾い上げたときに、それを見ていただけのマカクザルが、エサを取るときと同じ脳の部位が活動したことに由来する。このように他者の行動を自分もやったかのように映すニューロンは、人間にも存在することが確かめられている。人間はこのミラーニューロンによってもたらされる模倣行動によって、他者の行動を理解し共感する。1980年代以降現代アートは模倣と引用によるシミュレーショニズムの影響なくしては語れない。しかしシミュレーションといえば、日本には本歌取り、見立て、やつし等、千年の歴史がある。とするなら日本の現代アートシーンは、正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統ミラーを見据える合わせ鏡の只中にあることになるのだ。」また、関連イベントとして、高橋氏と出品作家が展示室の作品を前にしてギャラリートークを行う「コレクターVSアーティスト」が開催される。開催日時は5月24日の16:00~17:00。5月24日には鴻池朋子、近藤亜樹、松井えり菜、宮永愛子などが出演予定となっている。予約不要、参加費無料だが、参加に際しては当日の展覧会入場券が必要となる。そのほか、美術ジャーナリスト・編集者の鈴木芳雄と出品作家の名和晃平がアートをめぐり語り合う「名和晃平VS鈴木芳雄」が、東京オペラシティビル7階第一会議室にて開催される。開催日時は5月16日14:00~15:00。参加費無料。参加に際しては、当日11:00よりアートギャラリー受付にて配布される整理券が必要となるということだ。
2015年04月28日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・新宿の支店、ギャラリー5(新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー3階)です。■「YOSHITOMO NARA SELF-SELECTEDWORKSPAINTINGS」奈良美智日本の現代アートシーンを代表する作家・奈良美智は、ファッションや音楽の分野にも影響を与え、現代アートにあまり馴染みがない人も1度はその作品を目にしたことがあるはず。本書は、作家活動30周年を記念して刊行された愛蔵決定版作品集。『PAINTINGS』のほか、『DRAWINGS』も同時発売(画像は『PAINTINGS』)となっており、奈良が自身でセレクトした最新作・国内未発表のものを含めたおよそ100点の作品が、絵画とドローイングに分かれ、それぞれの書籍に収録。2001年以降、日本では奈良氏の絵画をまとめた作品集は刊行されていないため、ファンにとっては待ちに待った1冊であり、普段現代アートに触れる機会の少ない人にとっても非常に手に取りやすく、充実した内容となっている。なお、奈良美智の作品も出展される「高橋コレクション展 ミラー・ニューロン」が、4月18日より6月28日まで東京オペラシティアートギャラリーにて開催される。【書籍情報】「YOSHITOMO NARA SELF-SELECTEDWORKSPAINTINGS」著者:奈良美智出版社:青幻舎言語:日本語ハードカバー/160ページ/280×230mm発刊:2015年価格:3,800円
2015年04月09日東京都・阿佐ヶ谷で、美術を柱に音楽、文学、映像、舞踏、デザインなどの多様な表現と地域のコラボレーションを目指す総合芸術イベント「Pureism国際展 阿佐ヶ谷アートストリート2015」が開催される。会期は3月7日~29日。会場は阿佐ヶ谷地域の各所。同イベントは、アートカンファレンスや劇場公演、作品展示などを通して、「都市での地域アート」を試みるアートイベント。地方や郊外の問題として扱われる傾向の強い地域アートを、東京という都市だからこその独自の表現ができる可能性がある、との理念のもと、パブリック(公共)からリパブリック(公共圏)へとアートを拡大し根付かせることで、時代・集団を支配する社会の規範や価値観を、非連続的・劇的に変化させることを目的としており、昨年の開催に引き続き第2回目の開催となる。また、同イベントは大きく3つのプログラムから構成されており、ひとつ目が、様々な題材で行われるアートカンファレンスだ。村上隆や奈良美智を輩出するなど、現代アートの第一線で活躍するギャラリスト・小山登美夫によるレクチュア「西欧アートフェア事情」、美術史家・美術評論家の小倉正史によるレクチュア「日本の現代美術」、東京都内で開催されている、地域アートイベントの関係者を招き議論を行う「Republic 東京地域アートサミット Go to 2020 - 東京オリンピック文化村構想を企む -」などが行われる。ふたつ目が、阿佐ヶ谷の文化的シンボルであるラピュタ阿佐ヶ谷内の劇場「ザムザ阿佐谷」にて開催される「総合芸術ウィーク」。現代詩人・谷川俊太郎と、その息子であり作曲家・ピアニストである谷川賢作による「詩の朗読と音楽」、爆笑問題や日本エレキテル連合などが所属する芸能プロダクション・タイタンによる「タイタン漫才ライブ」、アイドルグループ・ASガールズによる「アイドルG8 in 阿佐ヶ谷」などが公演を行う。公演日程は3月7日~3月13日。入場料は前売り2,000円、当日券2,500円、7日間有効のパスポートの前売り4,000円。3つ目が、展示企画となる。大友克洋の「AKIRA」をマット・グレイニングの「ザ・シンプソンズ」のキャラクターと設定に置き換えて作品を再現していくバーキラ・プロジェクトによる「BARTKIRA EXHIBITION IN TOKYO」、作家、イラストレーター、アーティストと幅広く活躍する D[di:] の個展「The Pretty ASENCION “S”」、実験映画作家・太田曜が主催し、360°GRAPHICSの伊丹裕などが参加する「映像+実験映画祭」などが実施される。なお、「映像+実験映画祭」の開催日時は3月18日19:30~。会場はアート・アニメーションのちいさな学校・地下劇場。入場料は1,000円。
2015年02月13日ホテル日航奈良は11月1日~12月14日、開業10周年記念企画第1弾「開業記念日2組限定10万円挙式プラン」の販売を行う。○7月1日の開業記念日に挙式するカップル2組限定の10万円プラン同企画は、同ホテルが2015年7月1日にリブランド開業10周年を迎えることを記念し、2015年7月1日に挙式を考えているカップル2組限定で販売する特別挙式プラン。聖歌隊やオルガン奏者などのついたチャペルでの挙式を、10周年に合わせて10万円の記念価格(通常15万円・税サ込 )で販売する。また、このプランには通常挙式料金に含まれない、新郎新婦の洋装衣裳各1点や美容着付け、当日の宿泊なども含まれている。なお、申し込みが限定数を上回った場合、挙式カップルは申込期間後の抽選となる。申し込み受付期間は、11月1日~12月14日。挙式日は2015年7月1日。プラン料金は、10万円(税・サ料込)。プラン内容は、チャペル挙式(外国人牧師・聖歌隊男女各1名・バイオリン・フルート・オルガン奏者)・式次第・控室・新郎新婦洋装各1点・美容着付け・新婦介添え・アートフラワーブーケ・カップルの当日の宿泊。キリスト教式、人前式どちらでも可。挙式参列人数は80名まで可能になっている。抽選発表は12月19日以降に、申し込み本人に連絡する。
2014年10月31日アメリカ・西海岸を拠点に運営するギャラリー「ブラム・アンド・ポー(BLUM&POE)」が9月19日、東京・原宿にオープンした。住所は東京都渋谷区神宮前1-14-34原宿神宮の森5階。ブラム・アンド・ポーは、1994年カリフォルニア州サンタモニカにギャラリスト、ティモシー・ブラム(Timothy Blum)とジェフリー・ポー(Jeff Poe)によって設立された。現在、彼らはサンタモニカにある約2,050平方メートルの工業用倉庫を改装し、そこを拠点にギャラリー運営を行っている。今回は、サンタモニカ、ロサンゼルス、今年5月にオープンしたばかりのニューヨークに続いて4店目となる。創業当初から一貫してアーティストと密接にかかわり、野心的な作品の制作に取り組み、これまで多くの展覧会を美術館レベルで志向してきた。現在は日本、中国、ヨーロッパ、アメリカのアーティストに脚光を当て、若手アーティストの作品普及に努めている。90年代半ばから日本でも、村上隆、奈良美智を紹介している他、最近活躍している菅木志雄や榎倉康二などが所属してる。東京で行われる最初の展覧会は、現代美術家マイク・ケリー(Mike Kelley)のもとでアシスタント経験を持つ、LAで活動するアーティスト、デイヴ・ムラー(Dave Muller)の日本初となる個展「Sublime Memory Garden」。昔から音楽に深い関心を持って作品作りを行ってきたムラーは、いかに音楽が日常に浸透し、生活をかたち作り、様々な文化・文脈間で対話を可能にするかに着目している。同展では、その音楽への思いを「自然」に結びつけ、思索のガーデンを作り出した。ギャラリーの窓いっぱいに明治神宮の森が広がる空間の壁に直接描かれたのは、音楽界の経済の担い手であったロックンロールの興隆と衰勢を年表形式で現したドローイング作品。中央にはポラロイド形式の作品が数多く並ぶ。オープン前日の18日にはオープニングレセプションが開かれ、オーナーのブラムとポー、アーティストのデイヴが来日。デイヴ氏は「オーナー2人とは95年からの付き合いで、今回9回目の個展。現在は家族のような関係」とにこやかに話した。また、日本の美術界からも、画家で彫刻家の奈良美智らが駆け付け華やかなオープニングとなった。【イベント情報】Sublime Memory Garden会場:ブラム・アンド・ポー住所:東京都渋谷区神宮前1-14-34原宿神宮の森5階会期:9月19日から11月15日時間:10:00から18:00休廊日:月曜日、日曜日・祝日入場無料
2014年09月19日ホテル日航奈良は14日~12月30日、若い女性を中心に人気の「かわいい御朱印帳付き宿泊プラン」を販売する。○「Holly Hock」のかわいい御朱印帳付き宿泊プランテレビや雑誌などで話題の御朱印巡りは、女性にとても人気で、奈良の社寺でも近年増えているという。同宿泊プランは、日記やスケジュール帳のように、ステーショナリー感覚で大切にしたくなる御朱印帳があれば、新たに興味をいだいて社寺を訪れる人が増えるのではないか、との思いで企画されたもの。特典は豊富なデザインを取りそろえ、女性を中心に大変人気のオリジナル御朱印帳専門店「Holly Hock(ホリーホック)」の御朱印帳で、人気のデザインを少しずつチョイスして用意する。同ホテルの所在地は、奈良県奈良市三条本町8-1。期間は、8月14日~12月30日。プラン販売開始は、8月14日 0時より。料金(税・サ込)は、1人8,000円~(ツイン2名利用 1泊朝食付き)。その他にもシングル、トリプル、フォースも用意。フォース4名利用の場合、1人6,500円~。特典は「Holly Hock」の御朱印帳(横11cm×縦16cm/布表紙/蛇腹折り/48ページ)を、1人1冊進呈。御朱印帳のデザインは、在庫状況により選べない場合がある。特典には御朱印されていない。また、料金に御朱印料は含まれていない。
2014年08月13日東京・六本木の森美術館で5月31日から8月31日まで、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」が開催される。「ゴー・ビトゥイーンズ(媒介者 )」とは、英語が不自由な両親の橋渡しとして様々な用務をこなす移民の子供達のことを指す言葉。19世紀後半のニューヨークで貧しい移民の暮らしを取材した写真家のジェイコブ・A・リースが作り出した。本展では、異なる文化の間、現実と想像の世界の間など、“様々な境界を自由に往き来する”子供の性質に注目し、より多様な価値が共存する新たな世界への可能性を模索。世界各国のアーティスト26組の作品を通して、政治、文化、家族など子供を取り巻く環境や諸問題に目を向ける。見所は貴重な歴史資料の数々。アメリカのフォトジャーナリズムの草分けでもあるリースらによる、19世紀末から20世紀初頭の写真や、第二次世界大戦中にカリフォルニア州の日系アメリカ人収容所の様子を写した宮武東洋の写真などが並ぶ。国際的に活躍するアーティスト達の日本初公開作品も多数登場。2009年のベネチアビエンナーレでオランダ館を代表した映像作家のフィオナ・タンに加え、アジアのアートシーンを牽引するウォン・ホイチョンらが日本初公開作品を披露する。また、昨年日本公開されて話題を呼んだ、パレスチナが舞台の映画「自由と壁とヒップホップ」を手掛けたスヘール・ナッファール&ジャクリーン・リーム・サッロームなど気鋭の作家達の作品も紹介。クリスチャン・ボルタンスキー、奈良美智らも参加する。更に本展のための新作として、照屋勇賢は沖縄の子供を映し出す新作インスタレーションを、山本高之は子供達の手による「地獄」をテーマとしたワークショップ作品を発表する。その他、移民や国際養子縁組、アボリジニなどの少数派コミュニティーなど、子供を取り巻く社会問題について議論するプログラムが実施される他、アフガニスタンの少女やインドの売春窟に住む子供、北海道朝鮮初中高級学校に通う子達を描いた映画など7本が上映される。本展は11月8日から12月23日まで名古屋市美術館、2015年1月16日から3月15日まで沖縄県立博物館・美術館、4月5日から6月7日まで高知県立美術館を巡回する予定。【イベント情報】ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界場所:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階会期: 5月31日から8月31日まで時間:10:00から22:00(火曜日のみ17:00まで)入場料:一般1,500円学生1,000円4歳から中学生まで500円
2014年04月28日2月12日、「エトロ(ETRO)」は写真家・蜷川実花とコラボレーションしたカプセルコレクション“エデン(Eden)”の販売をスタートした。これに合わせて、エトロ家長男で今回のプロジェクトを手掛けたヤコポ・エトロ氏が来日。17日まで伊勢丹新宿店1階ザ・ステージにオープンしている同コレクションポップアップストアにて彼に話を聞いた。「作品、人柄共に素晴らしいアーティスト」と蜷川に首ったけの様子だ。「昨年伊勢丹新宿店で彼女に作品の撮り下ろしとディスプレイディレクションをしてもらうコラボを行ったが、もっと面白いこと・商品に関することをやりたいと思い、Edenに至ったんだ」と経緯から説明。商品ラインアップは全30型。バッグ、ショール、小物、ウエアなど様々なアイテムが製作された。特徴的な柄は、エトロのペイズリーに蜷川を象徴するモチーフであるバタフライやストーンが載せられたもの。「実花がミラノに来て、デザインを一緒に決めたんだ。完成したアイテムは若々しくて、楽しくて、フレッシュ、そして可愛い。凄く実花らしい仕上がりだと思わないかい?期待以上のものを作ってくれた。最初に行く所まで行こう、インパクトあるコレクションにしようと伝えたからね(笑)」目を引くのはその柄だが、ファスナーの引き手などの副資材も両者で考えたという。「例えば、僕はクラッチバッグが気に入っているんだけど、ふたを開けると内装は赤、そしてジップやポケットが付いていて機能性にも配慮している。こういう細かいところもディスカッションしたんだ」価格は1万7,850円から10万2,900円と、従来のエトロよりも抑え目。蜷川のポップでファンタジックな世界観と共に、「25歳位の女性達をエトロファンにしていきたい」と若い層へのアプローチにも意気込む。2人は2008年代々木体育館で行われたイベント「エトロサーカス」以来の友人とのことだ。ヤコポ氏はそれ以来彼女の作品に魅せられている。「彼女は映画監督としても素晴らしい。次はエトロのホームページとブティックで流すための、日本とエトロが融合したようなショートフィルムを作ってもらいたいと考えている。彼女も日本も大好きだからね」。彼は日本に度々来日し、着物生地のコレクションもしているという。「日本文化は最も洗練された文化の一つ。だから日本で生まれたアーティストは世界でも通用する。著名な方では写真家の杉本博司さんや画家の奈良美智さんに興味がある。いつかコラボできたら」と、日本への造詣の深さを窺わせた。今後同コレクションは銀座三越(2月18日から23日)、阪急うめだ本店(2月26日から3月4日)、東急東横店(2月27日から3月12日)にポップアップストアをオープン。2月18日よりエトロ銀座本店、3月1日より全国のエトロブティックで扱われる。伊勢丹新宿店では2月15日16時より蜷川と『ヌメロ・トウキョウ』編集長の田中杏子のトークショーを開催予定。
2014年02月14日奈良県は大和朝廷のあったところで、平城京(現奈良県奈良市に在)から長岡京(現京都向日市に在)に遷都されるまでは文字通り日本の政治の中心でした。それ以降は中央から外れたため、京都のようにその時代、時代の遺構が層状に積み重なって……ということがありません。ちょっと掘るとすぐ奈良時代、さらにそれ以前の遺構、みたいなことになっています。奈良県南部の古代の遺跡は謎に満ちていて古代史ファンをひきつけてやみません。■明日香村に残る巨石遺構群飛鳥時代は592年~710年の118年間に渡る時代ですが、この間、都は「飛鳥」(あすか)の地にありました。飛鳥の地は、現在の奈良県の南部、高市郡明日香村にありました。この明日香村には数々のミステリアスな巨石の遺構があります。●巨石を組み上げた石室『石舞台』最も有名なのはこの『石舞台』(いしぶたい)でしょう。巨大な石を積み上げて作った横穴式の石室がむき出しになっている遺構です。長さ約7.7m、幅約3.5m、高さ約4.7mの大きさです。元々は古墳だったものが、周りの土が取り除かれ、現在のような姿になっています。葬られていたのは蘇我馬子と言われています。蘇我馬子というと大化の改新で暗殺された蘇我入鹿の祖父に当たります。●何に使ったのか!?『酒船石』長さ約5.5m、幅約2.3m、厚さ約1mの巨石の表面に水を流すような溝が数本、溝が分岐し水をためるような楕円形の「くぼみ」が4つ掘られている謎の遺構です。その形から、水を流して占いに使ったのではないか、酒を作るの使ったのではないかなど諸説ありますが、未だに謎のままです。ちなみに手塚治虫先生は『三つ目がとおる』という漫画の中でこの酒船石の謎を扱っています。●新しく遺跡発見!『亀形石造物』1992年に上記の酒船石の北で石垣が発見されます。これだから奈良の遺跡は侮れません。まだ掘られていない大物があるのです。2000年に行われた大規模な発掘によって思いもよらないものが見つかったのです。それは長さ約2.4m、幅約2mもある巨大な亀形の遺構です。甲羅の部分は池のようにくり抜かれています。調べてみると、頭の方から水を入れて尻尾側から出水させたようなのです。水は甲羅の部分にたまるようになっています。またすぐ側には、これまた水をためるために作ったような小判型の石造物が出ました。亀形石造物、小判型石造物、それを囲むように石が敷き詰められ、石垣が築かれていたのです。新しく発見された遺構も含めて、何らかの「水に関する祭祀」を行った場所なのではないかと推測されていますが、やはり謎のままです。斉明天皇の行った工事が『日本書紀』に記述されており、その遺構がここだと言われています。初めてこの遺構が公開された時には、熱心な古代史ファンが詰めかけました。●まったく謎の『亀石』甲羅に手足を収めた亀の格好をしているので亀石(かめいし)と呼ばれている巨石遺構です。長さ3.6m、幅2.1m、高さ1.8mもあります。誰がいつ作ったかなどはまったくわかっていません。この亀石は現在南西を向いていますが、西を向く時が来たら奈良盆地は泥の海に沈むという伝説があります。●ユーモラスだが謎の『猿石』1702年に田んぼの中から掘りだされたもので、猿面をした人物をかたどった奇石遺構。全部で4体あります。それぞれの外見から、男、女、僧、山王権現と呼ばれていますが、もちろん便宜上の名前であって、その由来や、いつ作られたのかといったことは全くわかっていません。他にも『鬼の雪隠』(おにのせっちん)、『鬼の俎板』(おにのまないた)と呼ばれる巨石遺構、また壁画で有名な『高松塚古墳』、『キトラ古墳』など、明日香の地はミステリアスな魅力に満ちています。もし奈良県、南部に旅することがあったらぜひ訪問してみてください。(高橋モータース@dcp)
2012年11月30日奈良県と言えば「鹿」ということになっています。奈良県人しては複雑な気分ですが「奈良=鹿」の認知度は非常に高く、ご存じの通り、奈良遷都1,300年記念のマスコットキャラクターの『せんとくん』にも鹿の角があって物議を醸しました。鹿にまつまわるもろもろをご紹介します!■『鹿せんべい』に関する話奈良公園には鹿せんべいを売っている屋台がたくさんあります。鹿せんべいは米ぬかを原材料にしています。試しに食べてみる人もいますが、調味料が入っておらず無味ですから、人間が食べても美味しくありません。屋台の側で人間が鹿せんべいを購入するのじっと待っている鹿も多いです。お利口なことに屋台に置いてあるせんべいを狙う鹿はいません。お金を払って、観光客が手にするとわっとやって来るのです(笑)。ちなみに現在では10枚で150円ですが、筆者の記憶では30円という時代もありました。もちろん大昔の話ですが。■鹿は礼儀正しいか?鹿せんべいをくれる観光客におじぎをする――という話があります。確かになぜか頭を下げる鹿もいますが、すべてがそんなイイ鹿ではありません。観光客が鹿せんべいをくれることを、奈良公園の鹿は知っていて、スキあらば鼻先をぐいぐい押しつけてきます。気をつけないと服が鹿のだ液、鼻汁だらけになってしまいます。■鹿害もあります!奈良公園の鹿は一応建前上は「野生動物」ということになっていますが、『財団法人 奈良の鹿愛護会』によって保護されています。ただやはり鹿なので、近在の畑の苗木を食べたりする害を起こしており、農家の人からは「鹿害に関する陳情書」が出されていたりします。奈良の鹿は、春日大社では「神のお使い」というスタンスですので、そう簡単に間引いたりできないのです。■罰当たりな話筆者が高校生のころに罰当たりな事件がありました。夜中に奈良公園の鹿を(かわいそうに)鉄パイプで一撃。白いバンに積み込もうとした2人組が捕まりました。「鹿肉が美味しいと聞いていたので食べようと思った」というのが犯行の動機です。ほかにも最近ではボウガンで傷つけたり、角を狙ったりする輩もいるようです。けしからん話です。■『鹿サイダー』登場!鹿にかぶせた商品開発は盛んですが、この『鹿サイダー』は新顔です!「奈良県初登場のご当地サイダー」です。鹿の味がするわけではなくて、「柿酢風味」でさっぱりとした甘酸っぱさがウリです。ちなみに柿は奈良県を代表する果物です。というのは、柿は大和朝廷の時代から栽培されていました。「柿食えば……」で有名な法隆寺も奈良県にあります。鹿サイダーが柿酢風味というのも理由のあることなんですね。(谷門太@dcp)『鹿サイダー』を販売しているサイト
2012年11月26日青森県の「青森県立美術館」(青森県青森市安田字近野185)で10月6日より開催されている「奈良美智展~君や僕にちょっと似ている~」の入場者が10月27日で2万名に達した。記念すべき2万人目の来場者は東京都町田市から来た女性。奈良美智の作品は始めて見たとのこと。美術館から記念品の図録とぬいぐるみを授与され、「来てよかった!」と笑顔を見せた。奈良美智は青森県出身のポップアート作家。ニューヨーク近代美術館やロサンゼルス現代美術館に作品が所蔵されているほど世界的に評価されているアーティストだ。にらみ付けるような女の子をモチーフとした絵画に特徴がある。奈良美智展では、ブロンズ彫刻や絵画など新作109点を展示。2013年1月14日まで開催している。開館時間は9:30~17:00。展覧会の情報は青森県立美術館のサイトで確認を。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月06日歴史の町・奈良では、2011年より奈良のB級グルメNo.1を決める「ならB級グルメ決定戦」を開催している。その初代王者となったメニューは、なんと総得票数の約半分を獲得して圧勝した絶品メニューだとか。東大寺などの世界遺産ばかりが注目され、名産品やおいしいものが少ないと言われがちな奈良。そんな奈良で生まれた激ウマB級グルメとは一体どんなものなのだろうか?奈良県民に聞き込み調査したところ、ある料理の名前が挙がった。その名は「大和焼きそうめん」。焼きそうめんと聞くと沖縄県の名物料理をイメージしてしまう。しかし、県民によると「普通のそうめんを焼いたものではないし、ソーメンチャンプルーでもない、パスタのようなおいしい麺料理」だと言う。期待に胸を膨らませながら、うわさの大和焼きそうめんを開発した「目茶旨地鳥焼家 ごちどり 新大宮店」に出向き、そのそうめんの正体とおいしさの秘密を聞いた。奈良県桜井市周辺の特産品「三輪そうめん」と奈良県唯一の地鶏「大和肉鶏」を絶妙なバランスでコラボレーションさせた料理。それこそが、初代「ならB級グルメグランプリ王者」に君臨する大和焼きそうめん(580円)だ。原料を聞いただけでも、まさに奈良尽くしの逸品であることが分かるだろうが、その味わいがまたすごいのだ。なんせ、スルスルッと喉を通る細麺が特徴の三輪そうめんに、あっさりしていながらクリーミーな味わいが特徴の100%大和肉鶏スープが絶妙に絡む。後をひく強いうまみがぎっしりで、リピーターが続出というのも納得できる。開発者の「奈良にもおいしい料理があるということを皆さんに知っていただきたい」という思いから誕生したという大和焼きそうめん。特別に厳選した大和肉鶏を毎朝さばくことで鮮度にこだわり、より味が染み込むようにとそうめんは生のものを使用している。固めにゆで上げ、そこに7時間コトコト煮込んだスープと秘伝のスパイスを絡ませて作る。「昔からの調理法に倣い、当たり前のことを真面目にやっているだけ」と謙遜するが、料理人のおいしさへのこだわりと、手間暇がかかっているからこそ完成する逸品なのだ。「ならB級グルメ決定戦」で優勝した「ごちどり 新大宮店」の栄光をたたえ、「大和焼きそうめん」を奈良のご当地グルメに認定された。B級グルメの王者を競う本家である「B-1グランプリ」に奈良県から初挑戦してはどうか?という話が持ち上がったという。しかし、B-1グランプリに出場するためには、B-1グランプリの正会員ならねばならないなど厳しい条件がある。このことから、B-1グランプリ出場は一時暗礁に乗り上げていた。現在は奈良市の協力などもあり、奈良県内で「大和焼きそうめん」をメニューに取り入れた店が多数出てきたことから、出場できる可能性が高まってきたという。ところで、今や奈良市のお墨付きまでもらっている「大和焼きそうめん」であるが、実は家庭料理から生まれたものだという。「焼きそうめんは家でよく作ってもらっていたメニューなんです。それをベースに試行錯誤を重ねた結果、大和肉鶏のうまみと合わせることを思いついたのです」と開発者の笹井マネジャーがルーツを明かしてくれた。そうめんが特産品で、家庭には必ず買い置きがある奈良県ならではの逸話だ。店では、今や月に約1,000食も注文されるという大人気メニューとなっており、年齢、性別を問わずに多くのお客さんに愛されている。コラーゲン豊富なスープや、抗疲労成分を含有する大和肉鶏とたっぷりの野菜が使われているため、女性のお客さんには特に喜ばれているという。「奈良にうまいもんなし。とはもう言わせない!奈良にはまだまだおいしい食材や料理がたくさんあるということを全国の皆さんに知っていただけるように頑張ります!」本家B-1グランプリ優勝の可能性も十分にある、奈良県の新ご当地料理大和焼きそうめん。奈良を訪れた際には、2012年「ならB級グルメ決定戦」第3位に選ばれた「シンデレラチキン目茶旨唐揚げ」や、大和肉鶏の旨さを最大限に引き出した「ももタタキ」などとともに、ぜひその味をご堪能あれ。●information「目茶旨地鳥焼家 ごちどり 新大宮店」創業:平成15年6月住所:奈良県奈良市大宮町6-9-4アクセス:近鉄奈良線新大宮駅から南へ。徒歩1分営業時間:17:00~翌2:00(LO1:00、日祝は~24:00(LO23:30))定休日:無休【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月04日デザインステーショナリー・ファッションアクセサリー・インテリアアクセサリーなどの企画・製造・輸入ろ・販売を行うマークスは、2013年度版「DAILY PLANNER EDIT(デイリー・プランナー”エディット”)」の販売を開始した。同アイテムは、第21回日本文具大賞・デザイン部門においてグランプリを受賞した、1日1ページタイプの手帳で、オン&オフタイム24時間をカバーできる。「仕事とプライベート、子供の予定や成長の記録まですべて書き込みたい」「旅の思い出や、書評の切り抜きなど、スクラップしたい」といったさまざまな使い方を可能にする。2013年度版「EDIT」は、機能性を追求したカバーのほかに、「日本人クリエーターとのコラボレーションカバー」が実現。参加しているのは奈良美智氏、蜷川実花氏「ニナデジ」、ライフスタイルブランド「EBI」、デザインユニット「LIGHT CUBE」、「MOTHERHOUSE」山口絵里子さん、「SIWA・紙和」深澤直人氏の6組で、バリエーションは60種類にものぼる。価格は2,520~4,935円。また、スマートフォンと一緒に持つためにつくられた「B7サイズ」の手帳「EDIT-LITE」を新たに追加した。価格は1,890円。「EDIT」2013年版は現在、全国の量販店・雑貨店・書店などで販売中。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月03日ホテル日航奈良(奈良県奈良市)は8月1日より、興福寺の節分行事「追儺会(ついなえ)」で関係者へ振る舞われる「粕汁」をホテルの朝食会場で再現し、宿泊客へ提供する。興福寺東金堂で行われる追儺会とは、毎年2月3日の18時30分より、薬師如来の御宝前で除災招福の悔過法要を行い、その後鬼追いの儀式、豆まきへと続く節分行事のこと。粕汁は、その法要前に興福寺の関係者や、行事の手伝いをする人の身体を温めるために振る舞われる一般の人々はなかなか口にすることができないもの。伝統的に継承されてきた食や行事などを体感してもらい、奈良ファンを増やしていきたいというホテルの取り組みの1つで、興福寺の全面協力のもと実現したという。粕汁の具材は、野菜や油揚げなどでヘルシー。白味噌と酒粕の風味が甘く香り食欲をそそる仕上がりになっているという。バイキング形式で、7時~9時30分の間に提供する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月30日秋の深まりとともに、魅力が高まる、奈良へのほっこり旅。旅の途中、日本庭園を眺めながら、体に優しい和のランチを味わい、奈良伝統工芸に触れる、体験プランはいかが? 奈良で約300年続く、奈良晒(さらし)の問屋、中川政七商店の和雑貨ブランド「遊中川」の本店では、布蔵を改装した「機場(はたば)」にて、麻の手紡ぎ手織り体験ができる。ならまちの路地裏に残る、築120年の町屋に店を構える、遊 中川本店。奈良の特産品である蚊帳生地を使用したふきんや、日本の伝統色が映える手紡ぎ手織り麻の小物が揃う。奈良晒とは、奈良周辺で生産されてきた麻織物。麻皮を紡いで糸にし、手織りした麻布を天日に晒し、純白にしたもの。日本の麻織物を代表する高級品。現在では、奈良の月ヶ瀬地区で、わずかに生産されているのみ。中川政七茶房のお重ランチ地元・奈良の食材を取り入れ、季節感のある、目にも舌にも嬉しいランチ。ランチをゆっくりと楽しんだ後、機場を体験する。※画像はイメージです。落ち着いた和の空間で、食事や甘味が楽しめる、中川政七茶房。元は布蔵であった場所を改装した「機場」。月ヶ瀬から、最近まで、実際に使われていた織機を運び入れてある。奈良晒の手紡ぎ手織り体験では、大麻を裂いて、撚りをかけて糸を作るといった工程から、織り、布に仕立てるまでを体験。細かな作業の積み重ねで作られ、ひとつひとつの工程が、いかに重要かを知る。アテンドが付き、奈良晒と中川政七商店の歴史について、楽しく、詳しく解説してくれる。その昔、実際に使われていた大福帳といった小物も置かれている。体験してこそわかる、麻織物のよさ。伝統工芸の素晴らしさを改めて知る、いい機会だ。なお、第63回正倉院展開催中(~2011年11月14日まで)の、2011年11月12日(土)には、中川政七茶房の正倉院展限定甘味と機場体験に、正倉院展入場券が付いた「奈良の伝統工芸体験&第63回正倉院展鑑賞(甘味コース)」企画も用意されている。お問い合わせ:中川政七茶房 tel.0742-24-2267奈良県奈良市元林院町31-1中川政七茶房のお重ランチ、アテンド付き機場体験(手織り麻商品の土産付き)1名¥3,000毎日13:00~(所要約1.5~2時間。13時~ランチ、14時~機場体験)※3日前までに要予約。「奈良の伝統工芸体験&第63回正倉院展鑑賞(甘味コース)」 専用応募フォーム
2011年11月07日