前回のストック食材 に続いて、今回も「働く母にとっての台所」について考えてみる。いやいや。キレイ事は言うまい。今回は、柳宗理について熱く語らせて下さい!■結婚祝いには、柳宗理のボールとザルを結婚祝いを贈る時は、柳宗理のボールとザルを選ぶことが多い。先方に既に買ってないかどうか確認し、買っていない場合は、これ幸いと「ボールとザル、贈るから」と宣言する。それくらいの勢いで、家財道具として推奨したい品が、柳宗理デザインのボールとザルなのである。贈った年若い友人達の評判は、「洗いやすくて、びっくりした」「デザインが美しいから、食卓にそのまま出しても違和感がない」と、上々である。そう、柳宗理のボールとザルの特徴は、この2点に集約されるのかもしれない。ザルは外枠と本体の繋ぎ目が平らなデザインなので、ゴミがたまりづらく、洗いやすい。ボールが描く曲線は、手で触りたくなる優しさがある。そのまま食器として食卓に出しても、遜色がないので、夏、このボールでそうめんを出すこともある。お酒が飲めないので我が家では出番はないが、ボールをワインクーラーにしても楽しそう。■柳宗理は、柳宗悦の息子私の柳宗理コト始めは、前述のボール&ザルだった。もう10年以上前だろうか、暮らし上手な方々が雑誌で何度も紹介していた(例:大橋歩さんも長年愛用されているようだ)、ある種のブランド品なので、「おお、これが例のボールとザルか」と手にとったら最後、思わず買ってしまった。自宅に帰ってから柳宗理の公式ページを見て、より一層、ラブになった。だって柳宗悦の息子なんだもの! 柳宗悦とは、ウィキペディアによれば、「民芸運動の創立者。日常的な暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に用の美を見出した人である」。日々の暮らしを大切にし、そこに美を見出す。そんな父の下で育まれた美意識とセンス、ひいては生き方が生み出すデザインは、サラブレッド的なお墨ツキがあるような気がしてしまう。■ミルクパン、私の失敗談次なる我柳宗理は、ミルクパンだった。以下は、ある日の私のブログ。「今日、柳宗理のミルクパンが届いた。その美しさに唸る。う~ん完璧。グリップは手に馴染むし、両方にある注ぎグチのカーブの自然なカタチは、造形美の極み。もちろん道具としても優秀で、注いだ時の汁きれの良さは最高! これで作るロイヤルミルクティが、ただ今のマイブームです)」実は、今現在、使っているミルクパンは二代目である。上記の如くウハウハと使い出したものの、すぐにグリップの一部が溶けてしまった。小ぶりな鍋なので、コンロの火を小さくしておかないと、グリップに火が届いてしまうのである。すぐさま二代目を買ったが、グリップ溶けが怖くて何年もお蔵入りしていた。最近、知ったことだが、柳宗理のキッチン用品は部品交換ができる。部品は柳宗理のキッチン用品を扱っている店で取り寄せができ、たとえばミルクパンのグリップを日本橋三越本店で取り寄せた場合、2週間程度かかり、費用は650円(税抜き)。 取り扱いサイト を見てみると、ステンレス製品の汚れ落としや焦げとり、黒柄カトラリーのハンドル交換などのサービスなどもあり、長く使い続けることが前提の商品なのがわかる。メーカーからの直接取り寄せも可能だが、その場合は別途送料が必要。ミルクパンの場合、グリップの取り付け金具が破損してないか要確認(そこが破損している場合は、部品交換がNG。■カトラリーも柳宗理結婚した時に揃えたカトラリーはDANSKだった。だが、使っているうちに大きい方のスプーンがよろしくないことに気付いた。アメリカで買ってきたせいか、口に入れる部分が広すぎなのだ。毎回のことだからストレスに感じて、ある日、柳宗理のスプーンを、ひとつだけ買ってみた。口に入れた時のすんなりした感じは、外国旅行から帰った直後に食べる日本食のよう。口の中の感覚って、大切だ。なので思い切って、柳宗理のスプーンを5つ買い、次に対になるフォークもエイっと5つ買ってしまった。これが、正解! 何となく違和感を感じながら使っていたカトラリーだが、買い換えをしてからは、不満が湧かない。時々、布巾でフォークやスプーンを拭きあげながら、「何て美しいデザインなのだろう!」と、ウットリするのは何とも楽しい時間だ。働く母にとって、納得のいく生活道具に囲まれていることは大切なことだ。その点、甘すぎず、機能性も兼ね備えている美しい柳宗理の台所道具は、どれをとっても、オススメなのだ!
2014年05月16日占いの種類は多いですね。タロットカードや水晶占い、易、四柱推命、人相、手相などなど。少し前には『動物占い』が開発されてはやりましたし、最近では『名探偵コナン占い』なんてものまであります。占いにはどんな種類があって、どのように発展してきたのでしょうか。日本占術協会副会長、福田有宵先生に伺いました。――「占い」ってどのくらい前からあるのでしょうか。福田先生3,000年くらい前からあると言われています。――日本で行われている占いにはどういう種類があるんでしょうか?福田先生まず、東洋の占いと西洋の占いに分けて考えましょう。■西洋の占い・西洋占星術・タロットカード・水晶占い・誕生石・カバラ(数秘術)福田先生西洋の占いは主にこのような種類ですね。――カバラ(数秘術)というのは何ですか?福田先生これは「年回り」を占うものでもともとはユダヤ系の人たちのものですね。日本で人気が出たのはここ20年、30年のことです。――タロットカードはいつぐらいからあるんでしょうか?福田先生タロットカードは10世紀ぐらいからでしょうか。タロットカードや水晶占いなどはロマの人達が広めたと言われてますね。――こういう西洋系の占いが日本に入ってきたのはいつぐらいなんでしょうか?福田先生やはり明治維新を迎えてからですね。面白いのは、戦国時代にトランプカードが伝わってきていたのはわかっています。――え、トランプって戦国時代に来ていたんですか?福田先生みたいですね。それが占いに使われたかはわかりませんが。まあ、ゲーム、花札みたいに博打に使用されたんじゃないでしょうか。――では東洋の占いですが……。福田先生東洋の占いは、命(メイ)、卜(ボク)、相(ソウ)、医(イ)、山(ザン)という5種類に大別されますね。福田先生のお話を以下にまとめてみました。■東洋の占い命(メイ)、卜(ボク)、相(ソウ)、医(イ)、山(ザン)に大別されます。●命(メイ)命(メイ)は、人間に主眼を置いた占術で、生年月日時を基本にして人間の宿命を究明するものです。<<命に属するもの>>四柱推命、算命、紫薇斗数、奇問遁甲気学(九星術)、0学占術(四柱)、六星占術(四柱)●卜(ボク)卜(ボク)は、事件に主眼を置いた占術で、ある時間と方位を基本にして事件を究明します。周易、断易(五行易)コイン占い、念珠占、測字占●相(ソウ)相(ソウ)は、物体の姿に主眼を置いた占術で、その形から他に及ぼす影響を究明します。<<相に属するもの>>観相(人相、骨相、手相、体相)家相、名相(姓名学)、墓相筆相、風水・医(イ)医(イ)は、人間の肉体に主眼を置いた方術で、肉体の疾病による悩みを究明します。<<医に属するもの>>漢方、鍼灸・山(ザン)山(ザン)は、人間の精神に主眼を置いた方術で、人間の物心両面の向上発展を究明します。<<山に属するもの>>符呪――これらはもともと中国で生まれたものなんでしょうか。福田先生そうですね。この中では卜(ボク)が一番古いと言われています。『易経』は中国最初の書物と言われています。――そうなんですか。最古の書物が占術に関するものなんですね。福田先生卜(ボク)が日本に伝わったのが奈良時代と考えられています。――それはまた古いですね。福田先生周易の原文に「十翼」と呼ばれるものが付け加わって『易経』になって日本にも伝わったんですね。易経は室町時代には『足利学校』(当時の最高学府)で教えられていますし、徳川時代には湯島聖堂、昌平黌(しょうへいこう・昌平坂学問所のこと)で教えられていますね。この頃になって庶民にも「易」というものが広がったと考えていいと思います。――天中殺という言葉が流行(はや)ったり、細木先生の『六星占星術』が流行(はや)ったりと、占いにもはやりすたりがあるようですが、これらは新しい占いなんでしょうか。福田先生天中殺ブームの元は和泉宗章さんですが、「天中殺」は先ほど説明した「算命」、高尾系の算命で使われる用語です。そこに注目した点が面白いんですね。――ということは、まったく新しいものではなくて、もともとあった算命の一派ということなんでしょうか。福田先生そうですね。兄弟姉妹と言いますか(笑)。――細木先生の六星占術はどうなんでしょうか。福田先生六星占術は、命の『四柱推命』、これの新解釈と考えていいですね。もともとは12年のサイクルで回していたのを、6年という半分のサイクルにしたところに面白みがあるんです。――なるほど。色んな新しい占いを開発されたりします。例えば『動物占い』なんてのがありましたが……。福田先生生年月日時を元にして、それを10や12のグループに分けて当てはめるという仕組みは、命(メイ)の占術と言っていいかもしれませんね(笑)。――確かにそうですね。福田先生グループに分けるには10と12があるんですよ。十干と十二支ですね。――なるほど。収まりのいい数字なんですね。確かに星座も12宮ですし、一度13宮にしようとして定着しなかったですね(笑)。福田先生私たちのリズムに乗っ取った数字なのかもしれませんね。――色んな占いがあるわけですが、先生は占術の意義をどう考えておられますか?福田先生占術というのは、「現世利益」つまり「どうすればこの世で報われるのか」を扱う「人間学」だと私は考えています。あの世で報われる話には宗教が救ってくれるわけですが、人間はそれだけではやはり苦しいんですよ。現世で報われたいという人間の希望、それに応えるためにはさまざまな解釈、回答を用意してあげたい。それが占術ではないでしょうか。色んな占いがあります。占いによって色んなアドバイスが得られるでしょう。ただ、あくまでもあなたが信じるかどうかです。良い方へ良い方へ考えて行動すれば、占いも人生の良き相棒になるのではないでしょうか?(高橋モータース@dcp)*……取材を終えた後、調べてみましたが『動物占い』はそもそも四柱推命を元にして作られたもので、まさしく「命」(メイ)の占術、その新解釈版でした。さすが福田先生!
2012年09月02日