ソフトクリーム専門店「軽井沢カフェ・ド・ミノリヤ」が、大阪・阪急うめだ本店に2018年11月7日(水)から11月20日(火)まで期間限定で登場する。「軽井沢カフェ・ド・ミノリヤ」は1946年にオープン。店の看板メニューである「ロイヤルスウィートバニラ」は、軽井沢初のソフトクリームとして1955年に登場するやいなや、瞬く間にブームを巻き起こし、美智子皇后陛下、川端康成、室生犀星、堀辰雄などあらゆる著名人を虜にした。特に、ジョン・レノンは大ファンで「こんなおいしいソフトクリームは、食べたことない」と大絶賛。食べた後の“のどごしの余韻”まで研究し尽くされたこだわりのソフトクリームにはまったという。約40年間営業の後、軽井沢店は閉店。しかし、その後復活を望む声が多く、2004年にバニラソフトクリーム専門店として営業を再開した。大阪・阪急うめだ本店への限定出店は昨年に続き実施。日本にソフトクリームブームを起こした 「伝説のバニラ」が再び登場する。【詳細】軽井沢カフェ・ド・ミノリヤ限定ショップ期間:2018年11月7日(水)~11月20日(火)場所:阪急うめだ本店 B1階住所:大阪府大阪市北区角田町8-7
2018年08月18日大泉洋と宮崎あおいがドラマ初共演、脚本を山田洋次、プロデューサーを石井ふく子が担当するドラマ特別企画「あにいもうと」が6月25日(月)今夜オンエアされる。本作はこれまで幾度となく映像化されてきた室生犀星の同名小説が原作。今回『男はつらいよ』『家族はつらいよ』シリーズの山田監督が脚本を担当、「渡る世間は鬼ばかり」で知られる石井さんが1988年放送の「くもりのちハーレー」以来、30年ぶりにテレビドラマで脚本とプロデュースを担当。2人は“1972年版”の「あにいもうと」でもタッグを組んでおり、今回の“2018年版”では当時のストーリーにはなかった、もう1つの結末を描き出すという。舞台は東京下町で工務店を営む赤座家。一家の兄・赤座伊之助を大泉さんが、妹の桃子を宮崎さんがそれぞれ演じるほか、一家の次女・佐知に瀧本美織、桃子の恋人・小畑裕樹に太賀、伊之助の同級生・岡村咲江に西原亜希、大工見習いの三四郎に七五三掛龍也(ジャニーズJr./Travis Japan)、桃子が常連の飲み屋の女将・シマに一路真輝、デザイン事務所の研究生・パティにシャーロット・ケイト・フォックス、赤座家の父で棟梁・忍に笹野高史、母のきく子に波乃久里子といった豪華キャスト。赤座家の兄の伊之助は、父であり棟梁の忍の下で大工職人として働き、妹の桃子は大型トラックの運転手をしている。体力仕事をしている兄妹だけあり、家の中はいつも血気盛ん。ある日、桃子が恋人との間にできた子を流産したことを家族に打ち明けるが、相手の男のことを何一つ話そうとしない桃子に対し、伊之助が激怒。人一倍、桃子を可愛がる伊之助は居たたまれなくなり桃子を殴ってしまう。そんな行き過ぎた愛情をありがた迷惑に思う桃子は反発。伊之助の腕に噛みつき、兄妹喧嘩はやがて嵐のような騒ぎに。翌日、桃子が家を出て行ってしまう…。それから半年後、赤座家で父・忍の古希の祝いが開かれる。計画したのは伊之助。忍のお祝いは表向きの理由で、実はそれを口実に桃子を帰宅させるのが目的らしく、それを妹の佐知から聞かされた桃子は仕方なく帰宅することを決める。半年ぶりに家族が顔を揃える赤座家だが、そこに突然、桃子の恋人だった小畑裕樹が訪ねて来る…という物語。ドラマ特別企画「あにいもうと」は6月25日(月)20時~TBS系でオンエア。(笠緒)
2018年06月25日大泉洋と宮崎あおいが、TBSにて放送されるドラマ特別企画「あにいもうと」でドラマ初共演を果たすことが決定。脚本を山田洋次、プロデューサーを石井ふく子が担当、2人が兄妹役を務めるほか、瀧本美織、笹野高史、太賀らが出演する。■あらすじ東京下町で工務店を営む赤座家。兄の伊之助(大泉洋)は、父であり棟梁の忍(笹野高史)の下で大工職人として働き、妹の桃子(宮崎あおい)は大型トラックの運転手をしている。体力仕事をしている兄妹だけあり、家の中はいつも血気盛んだ。ある日、桃子が恋人との間にできた子を流産したことを家族に打ち明ける。相手の男のことを何一つ話そうとしない桃子に対し、伊之助が激怒。人一倍桃子を可愛がる伊之助は、居たたまれなくなり桃子を殴ってしまう。そんな行き過ぎた愛情をありがた迷惑に思う桃子は反発。伊之助の腕に噛みつき、兄妹喧嘩はやがて嵐のような騒ぎに。翌日、桃子が家を出て行ってしまう。それから半年後、赤座家で父・忍の古希の祝いが開かれる。計画したのは伊之助だ。忍のお祝いは表向きの理由で、実はそれを口実に桃子を帰宅させるのが目的らしい。そのことを妹の佐知(瀧本美織)から聞かされた桃子は仕方なく帰宅することを決める。半年ぶりに家族が顔を揃える赤座家。誰もが桃子の帰りを心待ちにする中、突然、桃子の恋人だった小畑裕樹(太賀)が訪ねて来て…。■1972年版でもタッグを組んだ山田洋次×石井ふく子で新たに描く!原作は、これまで幾度となく映像化されてきた室生犀星の同名小説。野性味にあふれ本能的に生きる一家を舞台に、兄と妹の狂おしいほどの情愛を通して家族の在り方を見つめる人間ドラマだ。今回この原作を、『男はつらいよ』『家族はつらいよ』シリーズの山田洋次監督が脚本化、「渡る世間は鬼ばかり」で知られる石井ふく子がプロデュースを務める。2人がテレビドラマで脚本とプロデュースを担当するのは、1988年放送の「くもりのちハーレー」以来30年ぶり、また1972年放送の「あにいもうと」でもタッグを組んでおり、今回は当時のストーリーにはなかった、もう一つの結末を描き出すという。石井氏は、「山田さんの脚本がすごく素敵なんです。現在、2020年のオリンピックに向けて、様々な場所で建設工事が行われていますよね。その中で、昔ながらの工法で日本の伝統技術を守る大工さんを描いてみたいと思い、山田さんと取材を行いました。物語の中では、赤座家は工務店を営んでいるという設定で、大泉さんには昔ながらの大工を演じていただきました。家族の在り方をもう一度考え直すことのできる、素敵な作品になったと思います」とコメント。山田氏も「石井さんとお会いするたびに『ぜひ、またご一緒しましょう。いい本を書いてください』と言われ続けてきた」と明かしながら「今回、このような形で実現できてよかった」と告白、「大泉洋さんと宮崎あおいさんという素晴らしい配役に決まり、テレビドラマ化できたことをうれしく思います」と喜びを語っている。■大泉洋、今回の出演は「ご褒美」! 宮崎あおいとテレビドラマ初共演そして今回、主人公の赤座伊之助を、『探偵はBARにいる』シリーズや『恋は雨上がりのように』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』など今後も続々と主演作が控える大泉洋。また伊之助の妹役・桃子を、『怒り』『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』の宮崎あおいと、日本を代表する俳優の2人が、兄妹役でテレビドラマ初共演を果たす。人生で初めてモノマネをしたのが寅さんだと言う大泉さんは、「脚本を読んだとき、“寅さん”がいるような気がして興奮しました。妹への愛情、家族への愛が詰まっていて、尚且つコメディの要素が入っていて面白い。こんなに素敵な役をやらせていただけることは、ここまでがんばってきた僕へのご褒美じゃないかと。この役に出会わせてくれて本当に感謝しています」と出演決定への思いを明かす。一方、「大泉さんはみなさんご存知のように、ムードメーカーで、現場ではいつもみんなを笑わせてくれました」と撮影をふり返った宮崎さんは、「しかし、もんち(桃子)は、お兄ちゃんのユーモアに笑わず、喧嘩し、いつも悪態をつくような人。演じていて思ったのは、この兄妹はすごく似ているなと。似ているからこそぶつかってしまう。喧嘩をしてしまう。大好きだからこそ許せないところがたくさんあるのだなと強く感じました」とコメント。さらに、「とても愛に溢れた物語を、石井プロデューサー、脚本の山田さん、清弘(誠)監督と話し合いながら一生懸命作り上げました。家族みんなで楽しんでいただけると思います」と述べている。大泉さんと宮崎さんのほかにも、赤座家の次女・佐知役に瀧本美織、父・忍役に笹野高史、母・きく子役に波乃久里子、桃子の恋人・小畑裕樹役に太賀。さらに、西原亜希、七五三掛龍也、一路真輝、シャーロット・ケイト・フォックスらも出演する。ドラマ特別企画「あにいもうと」は6月25日(月)20時~TBSにて放送。(cinemacafe.net)
2018年05月08日新学期、新年度がスタートし、道行く人も電車の中もフレッシュ!フレッシュ!!フレッシュ!!!で溢れ、そのフレッシュさに少しでもあやかりたいと必死の古山エリーです。今宵もたわごとお付き合いくださいませ。個人的には新学期も新年度もまったく関係のない生活をしておりますが、最近、邪道な理由で習い事をひとつはじめました。邪道な理由とは…もちろん恋絡み。結婚にたどり着かないまま、ある程度の年齢を過ぎると、どんどんどんどん臆病になってしまうものなんです。好きな人ができても100%の力を注ぐのが恐くなってしまう…ものなんです。過去と比べても仕方のないことは分かっていても、どうにもこうにも経験が足枷になって。自分のなかで芽生えた「好き」な気持ちを素直に出していきたいのに、情けないかな、もの凄く恐くて仕方ない(壊れかけた吊り橋のド真ん中にいるくらい恐い)。というわけで、本来その恋愛に注ぐべきものを別に注いでバランスを取ろうと習い事をはじめたわけです(要は、逃げただけですが…)。だから相手には「あ、俺がいなくてもコイツは平気なんだ…」と勘違いをされ、悪循環極まりない。分かってます、よーく分かってます、自業自得です。ですが、ちょっぴり開き直ると、私が惚れる多くは自由に生きたがる(選んではならない)人なので、好きという気持ちにブレーキをかけるのはあながち間違いでもなくて。臆病になるのは「これ以上失敗しないでね」という自分自身からのサインなのかなーなんて。恋する楽しみを失いつつある我が身に潤いを与えてくれたのは、<a href="">『蜜のあわれ』</a>でした。近代文学史作家のひとり、室生犀星が晩年に残した小説の映画化です。ある日、老作家(大杉漣)の大切にしている金魚が人間の姿・赤子(二階堂ふみ)として現れ、おまけに彼の過去の女・幽霊のゆり子(真木よう子)も現れ、おかしな三角関係が展開する、なんとも不思議なお話です。二階堂ふみの演じる金魚の赤子(あかこ)がとにかく可愛くて。「人を好きになるということは愉しいものでございます」とか「おじさま、あたいを恋人にして頂戴」とか、自分じゃなかなか言えないけれど言われたらドキッとするセリフで老作家を振り回していく。無邪気で可愛い少女から嫉妬を知り徐々に女になって、さらに振り回していく。その小悪魔感といったらもう、同性も落ちちゃうほどです。ほんと、あのおねだり、振り回し方、夢中にさせる感じ、できるものなら真似したいです。恐るべし、赤子!そんなこんなで老作家が幻想で赤子を作り出したように、私も自分の幻想で素敵男子を作り出せるようにいざ妄想!?妄想が四十路を救う(はずがないけど…)、逃避という名の妄想にふけりながら今宵はここまで。また次回。(text:Elie Furuyama)(Elie Furuyama)
2016年04月12日“憑依系”女優の二階堂ふみが少女の姿に変貌した“金魚”に扮し、近代を代表する文豪・室生犀星の原作を映画化した<a href="">『蜜のあわれ』</a>。このほど、二階堂さんがまるで金魚のように口をパクパクとさせるメイキング映像が解禁となった。赤子(二階堂さん)は、あるときは女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか―」。奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんなあるとき、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が奇妙な三角関係(?)の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて…。<a href="">『シャニダールの花』</a><a href="">『ソレダケ that’s it』</a>などで知られる鬼才・石井岳龍が、犀星自身を想起させる老作家と、彼の妄想から生まれた少女の姿に変貌する金魚との艶やかで濃密な恋を描く本作。二階堂さんは、金魚のような赤い衣装に身を包み、丸いお尻で自分のことを“あたい”と呼ぶ少女・赤子を無邪気かつ、ときにエロティックに好演する。今回解禁となったのは、突然目の前に現れた老作家の過去の女である幽霊・ゆり子(真木さん)について赤子が老作家に話すシーンのメイキング映像。大杉さん演じる老作家の隣で、口をパクパクする練習をする二階堂さんのキュートな姿が収められている。猫、タヌキに続いて、人間以外の役は本作が3度目だという二階堂さん。より金魚らしい演技の研究に余念がない。水面に顔を出す金魚のように、「口をパクパクさせてみては?」とアドバイスしたのは老作家役の大杉さん。何度も練習する二階堂さんの顔を見て、思わず顔をゆるませ「可愛いでしょう、金魚さんだから」とニコニコ。また、スタッフとも「鯉と金魚のパクパクの違いは!?」と盛り上がる場面も。そんな二階堂さんは、メイキングのラストにはカメラ目線で “金魚口”を披露!そのとびきりなキュートさを、ここから確かめてみて。『蜜のあわれ』は新宿バルト9ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月07日「ぴあ」調査による2016年4月1日、2日のぴあ映画初日満足度ランキングは、多部未華子主演によるコメディ・ドラマ『あやしい彼女』がトップに輝いた。2位に韓国で大ヒットを記録した『ブラインド』をリメイクしたサスペンス『見えない目撃者』、3位に室生犀星が晩年に発表した小説を二階堂ふみ主演で映画化した『蜜のあわれ』が入った。その他の写真1位の『あやしい彼女』は韓国映画『怪しい彼女』のリメイク版。倍賞美津子演じる毒舌で頑固な73歳のおばあちゃん・瀬山カツが突然、20歳に若返り、大鳥節子として再び青春を謳歌する様をコミカルに描く。幅広い年齢層の観客が劇場に足を運んでいたが、10代の観客からは「やりたいことをやりきる主人公が素晴らしい」「若いっていいなと改めて思えた」と若返ってからの節子への共感の声が多く、一方で50代から70代の観客は「若返ったシーンはうらやましかった」「おばあちゃんの方の気持ちがよくわかる」「昔の歌や貧しかった時代を思い出し、笑える部分もあった」とおばあちゃん・カツに共感したようで、「昔のことも現代のこともわかっているので面白かった」といった声も聞かれた。本作は『謝罪の王様』『舞妓Haaaan!!!』などのコメディ映画を多数手掛ける水田伸生が監督を務めており、「ところどころのギャグが笑えた」「現代的なネタも取り入れられていて面白い」といった感想も寄せられたが、一方で「家族ドラマとしても感動した」「家族のための主人公の行動が本当に素晴らしかった」「笑いと泣ける部分が組み合わさっていて面白い。飽きなかった」「あまり映画を観なくなっていたが、また観てみたいと思わせてくれる作品」と、“家族”の普遍的な感動ドラマも描かれていたようだ。魅力的なヒロイン像やストーリーのユニークさから幅広い世代の共感を得た本作だが、見た目は20歳、中身は73歳の異色ヒロインに挑んだ多部の熱演っぷりも好評で、「歌も踊りも上手で観ていて楽しかった」「昔の“お母ちゃん”といった感じで魅力があった」「白目をむいたり理想の男性像を語ったり、素晴らしい演技力」との感想が寄せられた。(本ランキングは、4/1(金)、2(土)に公開された新作映画6本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『あやしい彼女』公開中
2016年04月04日公開初日を迎えた映画『蜜のあわれ』の舞台あいさつが2日、東京・新宿バルト9で行われ、二階堂ふみ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏、韓英恵、渋川清彦、石井岳龍監督が出席した。金魚の赤子を演じた二階堂は「17歳の頃に原作を読んで、ずっと『密のあわれ』を映画にしたいという気持ちでいたので、まさかこうやってお披露目する日が来るとは思いませんでした。実際に今日という日を迎えて不思議な気持ちというか、思い続けてきたものが作品になることはすごくうれしいです」と笑顔を見せた。相手役の大杉は「二階堂さんは17歳の時と仰っていましたが、私は63歳でこの本を読ませてもらいました」と笑いを誘う場面も。続けて「実は4月2日がこの映画のクランクインでした。二階堂さんと初めて初日を迎えましたが、その時に二階堂さんが赤いドレスを着ながら『おじさま』というセリフで、『赤子がいる!金魚がいる!』と思いましたよ。その一言を聞いた時に何かを味わえる感じがしましたね」と褒め称えれば、永瀬も「金魚が主役の映画は世界初だと思います。金魚をどうビジュアル化するのかと思いましたが、二階堂さんは本当に金魚なんですよ。ずっと金魚に見えてきてすごいと思いましたね」と難役に挑んだ二階堂を絶賛した。この日も金魚をイメージした赤いドレス姿を着用するなど、プロモーション活動は赤い衣装だった二階堂。「今日で赤納めというか、映画が公開されて色んな方が赤い気分で劇場を出られるんじゃないかという思いです」と語ると、「石井監督から「赤いドレス今日じゃ終わりじゃなくて、もう1年ぐらい着続けて欲しいです」とラブコール。それを受けた二階堂は「赤をもう少し着続けようと思います(笑)」と応じていた。室生犀星の小説を実写化した本作は、老人と金魚の交流を描くファンタジー。少女の姿に変ぼうする"金魚"の赤子は、一緒に暮らす老作家との恋愛を楽しんでいたが、ある時、幽霊のゆり子が現る…。
2016年04月03日女優の二階堂ふみが4月2日(土)、都内で行われた主演作<a href="">『蜜のあわれ』</a>の公開記念舞台挨拶に登壇。本作で金魚を演じた二階堂さんは、赤いドレスに身を包み「今日で私にとっては“赤納め”。赤い気分で劇場を出ていただければ」とアピールした。室生犀星が、晩年に発表した同名小説を映画化。少女の姿をした金魚・赤子(あかこ)、老作家、老作家を慕う幽霊が織りなす奇妙な三角関係を、作家の芥川龍之介と金魚売りがひそかに見つめる。舞台挨拶には二階堂さんをはじめ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏、韓英恵、渋川清彦、石井岳龍監督が登壇した。17歳の頃に原作を読み、映画化を熱望していた二階堂さんは「公開を迎えて、不思議な気持ち」。赤いドレスを着てのプロモーション活動もこの日が最後になったが、石井監督から「先ほど、今日で赤納めと言っていたが、あと1年くらいは着続けてほしい」と懇願されると、二階堂さんは「じゃあ、もう少し着続けます」と赤いドレス卒業を撤回した。また、「クランクインはちょうど1年前の今日だった。現場で初めて二階堂さんとお会いして、『あっ、赤子がいる』と実感した」(大杉さん)、「赤子はプリティ」(真木さん)、「恐らく金魚が主人公の映画は世界初。二階堂さんが金魚に見えるのがすごい」(永瀬さん)、「踊りがすごくなめらか」(韓さん)と共演陣も二階堂さんの“金魚ぶり”を絶賛していた。芥川龍之介の幽霊を演じる高良さんは、「あえて幽霊は意識せず、生きている感覚を大切にした」と役作りを語り、石井監督とのタッグを重ねる渋川さんは「敬愛しています」とリスペクト。日本映画界の鬼才・石井監督は「いろんなバックボーンをもった、日本映画界を代表する俳優さんのすごみと存在感に圧倒された」と豪華なキャスト陣に感謝を示した。『蜜のあわれ』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月02日金沢三文豪の一人である室生犀星が、晩年に発表した小説「蜜のあわれ」を原作に、<a href="">『シャニダールの花』</a>などを手掛ける石井岳龍が監督を務めた<a href="">『蜜のあわれ』</a>。この度主演の二階堂ふみが演じる金魚・赤子と幽霊役の真木よう子が“金魚ダンス”を初披露するメイキング映像が到着した。赤子(二階堂ふみ)は、ある時は女、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか」と奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて――。映像化は難しいと言われてきた本作に挑むのは、『狂い咲サンダーロード』『逆噴射家族』 『シャニダールの花』などの映画だけにとどまらず、PVなど様々なメディアで活躍する石井監督。キャストには、自分のことを“あたい”と呼ぶ赤子役の二階堂さんをはじめ、赤子とともに暮らす老作家役に大杉漣、怪しげな幽霊役に真木さん、金魚売り・辰夫役に永瀬正敏、そのほか高良健吾、渋川清彦らが脇を固めている。そして今回解禁されたのは、映画の中で少女の姿に変貌する金魚の赤子が、尾びれをヒラヒラさせながら、幽霊役の真木さんと共に、キュートなダンスを披露するシーン。真木さんに、二階堂さんがダンスを教えるところから始まる本メイキング映像は、二階堂さんの意見も交え、和気あいあいの雰囲気で行われている様子も映されるなど秘蔵映像となっている。時には妖艶に、そして子どもにように無邪気に飛び跳ねる赤子。ヒョンヒョンと水の中でジャンプしているような真木さんとも息のあったフリフリの“金魚ダンス”をこちらから覗いてみて。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月30日女優に対して、誰かに「似ている」などと言うのが失礼なのは承知しているが、やはりこの2人、似ている気がする。顔や演技がではない。本能的に女優であること、そして、演じるということへの魂を焦がすような激しさが…。真木よう子は「遠くはないと思いますね。“熱”という部分はどちらも持ってると思いますし、あふれるパワーみたいなものはすごく似てるし、きっと他人からはそう見えるのかなって」とうなずき、さらに付け加える。「そういえばウチの娘がね、写真を見て『ママ。このコ、ママとそっくりだね』って言ってたの(笑)」。二階堂ふみはその言葉に「それはとっても嬉しいです」と柔らかい笑みを浮かべた――。二階堂ふみと真木よう子が、それぞれ金魚と幽霊という“人間ならざるもの”を演じた映画<a href="">『蜜のあわれ』</a>がまもなく公開となる。老作家(大杉漣)をめぐり、互いを牽制し、さや当てを繰り広げ、やがてなぜか友情をはぐくむ。なんとも幻想的で美しく、儚い世界の中で、彼女たちは何を感じたのか?原作は大正から昭和にかけて活躍した作家・室生犀星(むろうさいせい)の晩年の小説。犀星自身を投影したと思しき老作家の“おじさま”と、無邪気な金魚の少女・赤子のコミカルでエロティックな恋が展開する。そこに老作家の過去の女で幽霊のゆり子も加わり、石井岳龍監督の作り出す映像世界の中で、奇妙な三角関係が展開する。実は、二階堂さんにとってこの原作小説は、17歳の時に出合って以来、映像化を望み続けてきた作品。2012年当時、発表したフォトブック「進級できるかな。」の中でも「おかっぱで赤いワンピース」で金魚を演じたいと綴っていた。「小説を読んだとき、ワケの分からない面白さを感じました。こういう“分からないから面白い”作品があってもいいんじゃないかって。石井岳龍監督の現場にも行ってみたいと思っていたので、思い続けたことが叶いました!」。二階堂さんは金魚を演じる上で、その“分からない”ことを無理に説明、解釈しようとはしなかった。「実像のない役ですし、なるべく言葉に意味を持たせたくなかったんです。意味を意識することなく、おじさまと言葉遊びをするような感覚で、好きな漫画の動きを参考にしたりしながら作っていくのが楽しかったですね」。「ワケわかんない」と感じたのは、真木さんも全く同じ。「いや、もうホントに、5~6回、読んでも分からなくて、真っ白なまま現場に行きました。ゆり子について、石井監督に言われたのは、『生きてない。でも感情を持っている』ということ。『生きている人間が出すのとは違った複雑な感情でやってくれ…』と。正直、難しかったですね」。映画の完成に二階堂さんは「感無量」と感慨を口にし、老作家と金魚の関係性に触れつつ、名だたる文豪たちの時代を生きた犀星の人生に思いを馳せる。「犀星は長く生きた人ですが、太宰に芥川しかり、すごい作品を若いうちから生み出た文士たちは、自ら命を絶っている。映画の中でも、おじさまは芥川の死について『純粋に文学的な死だったと思う』と言ってるけど、それはあの時代の犀星の気持ちがそのまま出ていると思うし、いろんな死を見送りつつ、書き続けてきた犀星だからこそ、晩年にこういう作品を書くことができたんじゃないかって思います」。真木さんも、完成した作品の中で、高良健吾が演じた若かりし芥川龍之介が登場するわずかな回想シーンが強烈に印象に残ったという。「文学小説を1ページずつめくりながら読んでるような気持ちで見てましたね。言ってみれば、全ては作家の幻想のようなところでもあって…。一番好きなのは老作家と金魚がケンカするシーンで『僕が書くことをやめたら、きみは存在しなくなるんだがね』と言うところ(笑)。作家が作家であるが故の狂気や危うさ――作家の物語を見せつけられた気がします」。作家が紡ぐことで生まれ、動き出すドラマ。それは、ある意味で男の勝手な欲望や女性に対する願望の産物とも捉えられる。それでも、二階堂さんは犀星をこんな言葉で弁護する。「犀星は、決してエゴだけで女性を理想化してない気がするんですよね…理想化してるところもあるんですけど(笑)。やはり、晩年の作品ということもあってか、理想だけでなく、そこに同じだけ“経験”があって、リアルに描かれている。そういうところが細やかで、昔の文士は違うなって思います」。「同じく」と二階堂さんの言葉にうなずく真木さん。図らずも、カウンターパンチとなり、現代の男たちの前に強烈な拳が繰り出されているのかもしれない…。逆に、時代を颯爽と駆け抜ける2人にとって、理想の女性像とは?「真っすぐに生きたい」と二階堂さんは語る。「高峰秀子さんが好きで、彼女が書かれたエッセイを読むと、芯がしっかりと通っていて憧れますね」。真木さんが続ける。「独立して強い女性を、これからきちんと日本の男が認めていくべきだなって思います。それこそ“草食系”なんて呼ばれる、つまんない男たちが多いですが、きちんと自分の足で立っている女性が本当にいい女なんだって認められる社会になってほしいです」。そう語る2人の顔は、やはり同じように熱を発し、そしてまぶしく光り輝いている。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年03月28日二階堂ふみが主演を務め、金魚から人間の姿に変貌する不思議な少女・赤子を熱演する映画『蜜のあわれ』。このほど、本作で文豪・芥川龍之介の“幽霊”役を眼力鋭く演じた高良健吾を、実の孫でクリエイティブ・ディレクターとしても活躍するアクタガワタカトシが大絶賛!初解禁写真とともに高良さん、石井岳龍監督からもコメントが到着した。原作者・室生犀星自身を想起させる老作家と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚との無邪気かつエロティックな触れ合いを、妖艶な“赤”の世界の中で描き出す本作。二階堂さんが自分のことを“あたい”と呼ぶ赤子を、彼女と共に暮らす老作家を大杉漣、また老作家の過去の女の幽霊を真木よう子、そして金魚売りの辰夫を永瀬正敏が演じるなど、個性豊かな実力派が集結する。そして、室生犀星と同時代に活躍した作家・芥川龍之介もまた、幽霊役として登場する。独特の陰のある色気を漂わす芥川を演じるのは、二階堂さん共演の『ふきげんな過去』が控え、月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」での繊細で誠実な演技が高い評価を得ている高良さんだ。芥川といえば、萩原朔太郎や中原中也と並び、当代きってのイケメン文豪の一人でもある。元祖“塩顔王子”とでも呼べそうな、面長で端正な顔立ちの芥川だが、繊細なだけでなく、全てのことを見抜いていそうな鋭い眼差しも印象的だ。顎に手を当てている肖像写真はあまりにも有名だが、今回の高良さんも、芥川の繊細さの中に秘める力強さや、眼力ある涼しげな佇まい、全体から醸し出す独特なオーラまで、完璧なまでに“芥川龍之介”を熱演。SNSでは、予告編のワンカットだけでも「高良健吾の芥川はかっこよすぎる!美しい!」などと、早くも大きな話題を呼んでいる。また、芥川龍之介の実孫・アクタガワタカトシさんも、いち早く本作を観た後、祖父の役を演じた高良さんに絶賛の声を贈っている。■アクタガワタカトシ祖父である芥川龍之介は、僕の父が小さいころに既に他界しているので、あまり具体的な話を聞いたことはないのですが、この『蜜のあわれ』という作品を通して、おじいさんに会えた感じがしました。ただ、高良健吾さんの芥川龍之介は、少しカッコよ過ぎるかもしれませんね(笑)。映画は、老作家の妄想で作られた金魚の少女というファンタジックな設定ですが、次第に現実味を帯びていき、現実と夢の世界にはざまのようないるような感覚がありました。■石井岳龍監督芥川役の高良健吾さんは、控えめな優しい役もお上手ですが、彼の尖ったキャラクターがすごく好きなので、今回の役は絶対にハマると思いましたし、実際にすごくかっこよかった。■高良健吾10代のころ、監督の作品に頭を撃ち抜かれた記憶があります。監督は現場でも、とてもかっこよかった。紳士だった。ロックだった。僕は芥川龍之介の幽霊の役です。幽霊役も来るようになったかと不思議な喜びも感じました。石井岳龍監督の世界に参加できた喜びを感じています。是非。蜜のあわれ。お楽しみに。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月17日映画『蜜のあわれ』のプレミア試写イベントが3月14日(月)、東京・浅草橋ヒューリックホールにて行われ、二階堂ふみ、大杉漣、永瀬正敏、石井岳龍監督らが着物姿で登壇した。本作は、近代文学史作家の室生犀星が晩年に発表した小説「蜜のあわれ」を映画化。犀星自身を投影しているといわれている老作家(大杉漣)と、犀星の理想の“女(ひと)”の結晶といわれ変貌自在の金魚の姿を持つ少女赤子(二階堂ふみ)との無邪気かつエロティックな触れ合いを艶やかに描く。原作を高校生の頃に読んだという二階堂さんは、「当時から、感覚的に体の中に入ってくる素敵な作品だなと思っていたんです。この作品が映画になったら見たいと思ったし、いつか作品を作ってみたいと思い続けていたので、今日は胸がいっぱいです」と喜びを語った。共演者の大杉さんについて、「たくさん引き出しをあけてくださって赤子はできあがっていった」と二階堂さんが感謝を伝えると、大杉さんも「逆に僕自身の引き出しや、気持ちの扉を二階堂さんが開けてくれて、撮影が終わってしまうのが寂しい程いい時間でした」と現場でも相思相愛だった様子を話した。また二階堂さんについて監督も「年齢的には若いのですが、『放浪記』の高峰秀子さんに見えることがあったくらい、大女優さんでした」と大絶賛。その言葉を受け、「高峰さんは日本映画の中で一番好きな女優さんなのでとても嬉しいです。頑張ります」と二階堂さんも笑顔を見せた。最後に「このような豊かな原作を、今までにない程のベストスタッフ、ベストキャストと作れたことをありがたく思っています」と監督が自信に満ちた表情で挨拶を行った。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月14日室生犀星の幻想文学を映画化した『蜜のあわれ』が3月2日(水)、東京国際文芸フェスティバルの一環としてトークイベントを実施し、主演の二階堂ふみ、原作のファンである歌人の穂村弘、石井岳龍監督が登壇した。石井監督は、本作の完成によせて「ベストキャスト、ベストスタッフ、ベストタイミング(の作品)でうれしく思います」と、満足気な表情を浮かべた。「蜜のあわれ」は、金沢三文豪の一人である室生氏が、自己を投影したような老作家を主人公に、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚との無邪気かつエロティックな触れ合いを艶やかに描いた物語。劇中、真っ赤な尾ひれをヒラヒラさせる小悪魔な“金魚”として登場する二階堂さんの姿に、文筆家でもある穂村さんは「びっくりしましたね。原作は言葉だから成立したと僕は思っていて、映像化はできないんじゃないかなと思い込んでいました。でも、皆の心の中にある金魚像を超えるってすごいなと思いました」と、生身の金魚を表現した二階堂さんの佇まいを絶賛した。老作家役を演じた大杉漣と愛を募らせる演技セッションも、本作の見どころのひとつ。大杉さんとの共演について、二階堂さんは「自分の財産になりました」と、言葉にした。「俳優部の先輩として背中を見ていて、私はちゃんと受け継いでいかないといけないなと思いました。その姿を現場で見ることができました」と、背筋を伸ばしていた。しかしながら、「とっても優しくて温かくてチャーミング」だと大杉さんを形容した二階堂さんは、「大杉さんは、すごくパンがお好きなんです。撮影がお休みのときに皆で漁港に行って、帰りにパン屋に寄ったら、すごくうれしそうにパンを選んでいて(笑)。その姿が作家の愛嬌みたいなものにつながっていたし、男性としても人間としても魅力的でした」と、思い出し笑いをしながら目じりを下げていた。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より、新宿バルト9ほかにて公開。(cinamacafe.net)
2016年03月03日二階堂ふみ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏と個性豊かな実力派キャストで文豪・室生犀星の小説を映画化した『蜜のあわれ』。ある老作家と少女の姿に変貌する金魚との無邪気でエロティックな触れ合いを、耽美な世界観で描いた本作の衣装展の開催が決定。au「三太郎シリーズ」や『ライチ☆光クラブ』など話題作を次々手がける本作の衣装デザイナー、澤田石和寛から貴重なデザイン画とともにコメントが到着した。本作は、作者・室生犀星自身を想起させる老作家の妄想から生まれた金魚の少女・赤子が、自分のことを”あたい”と呼び、老作家のことを”おじさま”と呼んで甘えてみせる可愛らしい恋の物語。金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子をコケティッシュかつ自由自在に演じるのは、文芸作品から少女コミック原作の『オオカミ少女と黒王子』などまで幅広い役柄をこなす、天性の演技派・二階堂さん。この赤子は、高校生のときに原作小説を読んだ二階堂さんが、映画化の際にはぜひ自身で演じたいと熱望していた役だという。また、赤子と共に暮らす老作家役を演じた大杉さんは、“作家と金魚の秘めた恋”という妄想を見事に体現。さらに老作家の過去の女である怪しげな幽霊役には真木さん、同時代に活躍した作家・芥川龍之介役には高良さん、金魚売りの辰夫役に永瀬さんと豪華な顔ぶれが、鬼才・石井岳龍監督のもとに集結した。そんな本作の衣装を担当した澤田石氏といえば、「三太郎シリーズ」CMや『ライチ☆光クラブ』『信長協奏曲』『新宿スワン』など、ヒット作に引っ張りだこの気鋭の衣装デザイナー。今回は、劇中で二階堂さんが着た衣装や写真ほか、ソファに寝そべる二階堂さんのポスタービジュアルと同じシチュエーションで写真が撮れるフォトスポット展示などが実現。二階堂さんの“赤子”衣装は13種類の赤い生地を使い、金魚の艶めかしさと純情を二階堂さんのアイディアも取り入れながら表現したという。その衣装について、澤田石氏は「金魚の赤子が産み落とされて死んでしまうまで、その時間を追う衣裳です。つまり赤子の成長が衣裳で表現されているのです。袖が伸び、スカートの丈が長くなり、次第に“赤”の面積が増え、朱赤色のシルクオーガンジーから赤黒い二色糸のシフォンへ素材の変化に合わせて“赤”がどんどんと深くなっていくのです。赤子の尾びれはスカートになっていて、3種類のスカートがありました」と明かす。さらに「ドレスだけで13種類の生地で制作しています。靴下も手袋も帽子も鞄も赤です。時代設定を追ってヴィンテージの鞄をフランスから送ってもらいました。金魚を表現するためにもうひとつ重要だったのがフォルムです。金魚のフォルムをデザインするために衣裳制作の岩崎晶子に金魚の形をおこしてもらいました。裾を軽くするなど金魚の尾鰭の動きをイメージした、柔らかいドレスにしてもらっています。素材に透ける素材のドレスを重ねることで、衣裳の輪郭に金魚の尾ひれのような印象を加えることもデザインの1つです」と語り、“赤子”を象徴するドレスへのこだわりを熱弁する。この“赤”の衣装には「男性の思考から産まれた女性の“艶めかしさと純情”を赤い色をつかって表現することができたと思います」と自信を覗かせる一方、大杉さんが演じた作家については「作家の着物は灰白色の着物で始まり、最後は漆黒まで色を深めていきます。死に向けた色として。死の色については“黒”と石井さんが口ずさんだことを覚えています。大体12色の着物があったと思います。時間を追ってどんどん作家の着物は色が濃くなっていきます」と語っている。また、二階堂さんについては、「彼女はこちらの思い描いたイメージに乗り、その上でもっと個性を強くするアイディアを出してくれる素敵な役者です。顔合わせで初めて会ったときにデザイン画をみて、『楽しみにしています』と言っていました」とコメント。「衣裳的には、『ポックリがいいと思う』とアイディアが出てきました。まだ白い生地で作成された衣裳の仮縫いを着て、「ポックリ…」と彼女が口ずさんだことを覚えています。衣裳合わせでは、1着づつ着ながら、こちらの意図を確認するようにゆっくり時間をかけて赤子のキャラクターを完成させてくれました。『蜜のあわれ』の世界観の中心に立って、赤子を体現してくれたと思います」とそのやりとりを明かし、二階堂さんの表現する姿勢に称賛を贈っている。「映画『蜜のあわれ』公開記念展示~人を好きになるということは愉しいものでございます~」は3月1日(火)~3月13日(日)まで渋谷ヒカリエ(8階)aiiimaにて開催。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月23日金沢三文豪のひとりである室生犀星の晩年の小説を実写化する映画『蜜のあわれ』。本作で金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子を熱演する二階堂ふみが、人気写真雑誌「PHaT PHOTO」vol.92の表紙&巻頭特集に初登場。気鋭の写真家・磯部昭子とのフォトセッションで“変幻自在の金魚”を表現していることが分かった。赤子(二階堂ふみ)は、ある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか――」。奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんな或るとき、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて…。室生犀星自身を想起させる老作家と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚との無邪気かつエロティックな触れ合いを描き出す本作。老作家役には『仮面ライダー1号』公開が控えるベテラン俳優・大杉漣。丸いお尻で自分のことを“あたい”と呼び、金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子を、『オオカミ少女と黒王子』『ふきげんな過去』と今年も出演作目白押しの二階堂さんが演じる。また、老作家の過去の女である怪しげな幽霊役に真木よう子。同時代に活躍した作家・芥川龍之介役には高良健吾。金魚売りの辰夫役に永瀬正敏と個性豊かな俳優陣が脇を固める。この度、2月20日(土)より発売の写真雑誌「PHaT PHOTO」vol.92にて、二階堂さんが表紙と巻頭特集に初登場。写真家・磯部氏とタッグを組み、“変幻自在の金魚”をテーマにしたフォトセッションが掲載される。撮影は、スタジオに巨大な水槽を置いて実施。二階堂さんは、金魚のウロコのようにも見えるエキゾチックな柄のワンピースを身にまとい、時に水槽の中にすっぽりと体を収めたり、水槽の上に腰掛け微笑んだり…。水槽のまわりで楽しそうに、自由自在に動きまわり、様々なポーズと表情をみせる姿は、まさに本作に登場する可愛らしく、時に妖艶な表情もみせる赤子のようだったという。「PHaT PHOTO」2016年3-4月号 vol.92は、2月20日(土)より発売。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月20日詩人・小説家の室生犀星の晩年作「蜜のあはれ」を二階堂ふみ主演で映画化する『蜜のあわれ』。この度、二階堂さん演じる金魚である少女・赤子と真木よう子演じる幽霊・ゆり子の怪しげなふれあいを収めた場面写真が解禁。さらに石井岳龍監督が2人の魅力についても語った。赤子(二階堂ふみ)は、ある時は女、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか」と奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて――。監督には、『シャニダールの花』などの映画だけにとどまらず、PVなど様々なメディアで活躍する石井監督。石井監督は、作者・室生氏自身を想起させる老作家と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚・赤子との無邪気かつエロティックな触れ合いを幻想的に描いている。自分のことを“あたい”と呼ぶ赤子役には、『オオカミ少女と黒王子』『ふきげんな過去』など主演映画の公開を控える二階堂さん。共演には、老作家役の大杉漣、幽霊・ゆり子役の真木さん、文豪・芥川龍之介役の高良健吾、金魚売りの辰夫役の永瀬正敏といった個性派俳優が脇を固めている。今回解禁されたのは、赤子がゆり子に膝枕され、肩に手置き頭を撫でられているワンシーン。赤子とゆり子の怪しげな触れ合いが、ただならぬ雰囲気を醸し出している。老作家の昔の女の幽霊役を演じた真木さんは、赤子とのシーンについて「おじさまの浮気が発覚し泣きわめく赤子に対して、ゆり子が慰めるシーンは、すこし男性的な感性が働いたと思います。それは純粋に、赤子に魅力を感じたからこその、自然な流れでした」と撮影をふり返った。また石井監督は、原作ファンで主演を熱望していた二階堂さんについて、「恐るべき女優さんですね。会った瞬間から、この人は赤子だと思いました。いま日本の女優さんの中でこの役をやるなら、二階堂ふみさん以外にはありえないと思います。」と絶賛し、「自分の意見もきっちり伝える、非常にしっかりとした大人の部分と、自由奔放な子どもぽい部分を併せ持っている方ですね。なおかつ役に憑依するタイプで、リハのときからリミッターを越えた完成度で入り込んでいた」とも語っている。そして真木さんについては、「今回、幽霊だけど人間的な感情もあって一番難しい役柄だったと思うのですが、編集してみると感情が繋がっていてさすがでしたね。幽霊なのに、『心臓が止まるかと思った』とかおかしいセリフも、絶妙なお芝居になっておりました」と演技力に感心していた様子。さらに監督は、「ほかのシーン同様、難しい役の微妙な感情の揺れの振幅を、お二人ともそれぞれの固有のやり方で的確に掴んで、感情を味わい深く葛藤させ交錯させています。二階堂さんのあくまで金魚としての無邪気な好奇心と言動と人間的エロスに対する幼稚さゆえの戸惑いと、真木さんの幽霊でありながらも生前のエロスが徐々に蘇り灯がついてゆく複雑な戸惑いの、感情表現のぶつかり合いが見事で、鑑賞していると何かこう体の奥の方がゾクゾクぞわぞわしますね」と改めて2人の色気に魅了されたと語っている。二階堂さんと真木さん2人なくしては成立しないと監督が絶賛する本作。そんな“金魚と作家と幽霊”が織り成す艶やかで濃密な恋の物語に期待したい。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年02月17日女優の二階堂ふみと俳優の大杉漣が27日、都内で行われた、映画『蜜のあわれ』の完成披露試写会に出席した。室生犀星の小説を実写化した本作は、老人と金魚の交流を描くファンタジー。少女の姿に変貌する"金魚"の赤子(二階堂)は、一緒に暮らす老作家(大杉)との恋愛を楽しんでいたが、ある時、幽霊のゆり子が現れ――というストーリーで、映画は4月1日から全国公開。真っ赤な"金魚"を思わせる衣装で登場した二階堂は、「高校生の頃に読んで、『自分がやりたい!』と色んな人に話してて。言い続けてたら、出会う時があるんだと実感しました」とオファーに歓喜。"金魚"という難しい役どころだったが、「会話のやり取りが可愛い。全部が気持ち良いセリフだったので、言葉を発するのが楽しかったです」と笑顔で振り返った。そんな二階堂について、石井岳龍監督は、「本当に可愛らしい。こんな素敵な金魚がいたら欲しくなる。最高だろうな」と大絶賛で、大杉も、「振り回されっぱなし。ずっと翻弄されていました」とメロメロだった様子。二階堂は、「やりたかった作品で、こんな濃厚な時間を大杉さんと過ごせて幸せでした。役として愛でてくださいました。空いた時間には、ドライブにも連れて行ってくれました」と微笑んでいた。
2016年01月28日室生犀星氏の幻想文学を映画化した『蜜のあわれ』の試写イベントが1月27日(水)、東京・アキバシアターで行われ、出演する二階堂ふみ、大杉漣、石井岳龍監督が登壇。全身真っ赤な衣裳で登場した二階堂さんは、「赤くしました」と笑ってみせ、その可憐な姿で会場中の視線を釘づけにしていた。『蜜のあわれ』は、作者である金沢三文豪の一人・室生犀星自身を想起させる老作家と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚とのふれあいを描いた物語。二階堂さんは、金魚の姿を持つ妖艶な美しさを兼ね備えた少女を生き生きと演じた。石井監督は、金魚役を演じた二階堂さんについて、「本当にかわいらしいですし、こんな素敵な金魚がいたら最高だろうなと…自分でもほしくなりました。二階堂さんは原作のことをずっと前から知っていらして、なり切っていて。本番になる前のテストから役が憑依したような状態で、『もったいないから待って』と逆に止めるくらいでした」と、完璧な役作りを誉めそやした。もともと高校時代より原作を読んでいて、映画化の際には出演を熱望していたという二階堂さん。本作への思い入れについて、「読んでからずっと自分がやりたいと思って、いろいろな人に話していたんです。言い続けていたら出会うときがあるんだなと思いました」と話すと、隣の大杉さんに「高校時代に読んでやりたいって。僕63歳で読みましたからね(笑)」と返されていた。劇中で濃密な時間を交わす二人。二階堂さんは撮影期間へ思いをはせ、「大杉さんという大先輩の姿を見ながら、私がやりたかった作品で、こんな濃厚な時間をご一緒できるなんて幸せだなと思いながら、すごくたくさん役として愛でていただきました。あと、空いてる時間でドライブに連れて行ってもらいました」と、微笑んだ。大杉さんも頷き、「食事に行ったり、あとウサギランドってところがあって。僕ら長い時間、夕方までウサギと触れあっていたよねえ」と、懐かしそうに振り返っていた。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinamacafe.net)
2016年01月27日金沢三文豪の一人である室生犀星の小説を、主演に二階堂ふみを迎え映画化する『蜜のあわれ』。この度本作の予告編とチラシビジュアルが解禁され、また新たに永瀬正敏が出演することが明らかとなった。赤子(二階堂さん)は、ある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか」奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく。そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬さん)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きた…。『狂い咲サンダーロード』『逆噴射家族』など、ジャンルを超越した強烈な世界観で熱狂的な支持を受け、『シャニダールの花』『ソレダケ/that’s it』と精力的に作品を創りつづけている石井岳龍が監督を務める本作。撮影を、『悪人』『許されざる者』などをの名カメラマンの笠松則通が20年ぶりに監督をタッグを組み、『るろうに剣心』『十三人の刺客』の澤田石和寛が衣装を担当。室生さんの地元である石川県金沢市・加賀市を中心に富山県でもロケが行われ、原作小説に流れる幻想的な文学的世界観が表現されている。今回出演が明らかとなった永瀬さんは、金魚売りのおじちゃん・辰夫役として参加。永瀬さんは、石井監督が“石井聰亙”名乗っていた時代の作品である『五条霊戦記 GOJOE』やテレビ版「私立探偵濱マイク」などの出演を経て、ひさびさの石井組への参加となる。今回解禁された予告編冒頭では、肩をあらわにした二階堂さんが、真っ赤な尾ひれを彷彿とさせる衣装に身を包み「ねぇおじさま、尾ひれはね、優しくなでおろすようにするの…」と色っぽくささやく。さらに「短い人生を愉しいことでいっぱいにすべきよ!」とおじさまに迫る小悪魔的な仕草や、可愛らしいダンス、そして軽やかな楽曲が、観る者を不思議な世界へ誘う映像に仕上がっている。他にも、真木さん演じるゆり子の幽霊や、高良さん演じる芥川龍之介、金魚売りの永瀬さんら、映画ファンにとっても心躍るキャストたちの姿も映し出されている。さらに、同時に公開されたポスターでは、衣装に身を包んだ二階堂さんがソファに寝そべる色っぽい姿が、「人を好きになるということは愉しいものでございます」という言葉とともに映し出されている。今後も出演作が目白押しとなる若手実力派・二階堂さんが挑む新たな一面を覗いてみて。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年01月08日『生きてるものはいないのか』『シャニダールの花』、『ソレダケ/that’s it』と独自の世界観で作品を描き続きける鬼才・石井岳龍が、二階堂ふみを主演に、金沢三文豪の一人である室生犀星の小説を映画化する『蜜のあわれ』。この度、本作に登場する小説家のひとり、芥川龍之介役を高良健吾が演じることが明らかになった。自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛嬌のある顔が愛くるしい赤子は、共に暮らす老作家を「おじさま」と呼んで、とめどないおしゃべりをして毎日を過ごしている。ふたりはかなりきわどいエロチックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっ付けて一緒に寝たりもする。しかしなにやら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが違う。普通の人間には彼女の正体が分からず、野良猫には正体がバレてしまう。そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる真っ赤な金魚。赤子と老作家が仲睦まじく暮らしていたところに、老作家の過去の女が現れて…。『私の男』『この国の空』など体当たり演技で世界からも注目を集める女優・二階堂ふみが妖艶な美しさを兼ねそろえた魅惑的な少女・赤子を演じる本作。赤子と共に暮らす老作家を大杉漣、老作家の過去の女である怪しげな幽霊として、三角関係を繰り広げる・田村ゆり子役を真木よう子が好演する。今回発表されたのは、芥川龍之介(劇中ではアクタガワ役)を演じる高良さん。彼が演じる芥川氏は、作者・室生犀星とは年齢も近く、同時代に活躍。また、室生氏の近所に住まい、その死の前日にも室生氏を訪ねたというほど親交が深かったという。そんな芥川氏を演じることになった高良さんは「芥川龍之介の幽霊の役です。幽霊役も来るようになったかと不思議な喜びも感じました」とコメント。さらに、石井監督の大ファンでもある高良さんは「10代の頃監督の作品に頭を撃ち抜かれた記憶があります。監督は現場でも、とてもかっこよかった。紳士だった。ロックだった。石井岳龍監督の世界に参加できた喜びを感じています」と喜びを語った。石井監督は今回のキャスティングについて「アクタガワの役は、最初から彼(高良さん)しか考えられなくて、どうしてもとプロデューサーに無理強いしました。努力家でじっくり役を掴んでいくタイプですね。久々にキレた方向の役だと思いますが、国民的作家の元祖が、あの世から蘇り、鋭くすべてを射抜くような眼力で 狂的な熱を発し微笑む姿を、静かに熱演してくれてます」と高良さんを絶賛している。多くの俳優陣と共に作品を作り上げてきた石井監督に「圧巻」とまで言わしめた高良さん。高良健吾版“アクタガワ”に期待が高まる。『蜜のあわれ』は2016年公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月31日室生犀星の晩年の小説を、二階堂ふみ&大杉蓮主演で映画化する『蜜のあわれ』。このほど、本作に女優の真木よう子が出演していることが明らかとなった。自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛嬌のある顔が愛くるしい赤子(二階堂ふみ)は、共に暮らす老作家(大杉漣)を「おじさま」と呼んで、とめどないおしゃべりをして毎日を過ごしている。ふたりはかなりきわどいエロチックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっ付けて一緒に寝たりもする。しかしなにやら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが違う。普通の人間には彼女の正体がわからず、野良猫には正体がバレてしまう。そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる真っ赤な金魚…。赤子と老作家が仲睦まじく暮らしていたところに、老作家の過去の女(真木よう子)が現れて…。徳田秋聲、泉鏡花と並び、金沢三文豪の一人である室生犀星の小説「蜜のあはれ」を、『生きてるものはいないのか』『ソレダケ/that’s it』の石井岳龍が監督を務め実写映画化する本作。すでに発表済みのキャストとして、妖艶な美しさを兼ねそろえた魅惑的な少女・赤子に二階堂さん、赤子と共に暮らす老作家に大杉さんが配役され、その独特の世界観の映像化が期待されている。このほど真木さんの配役が決定したのは、大杉さん演じる老作家の過去の女である怪しげな幽霊・田村ゆり子役。二階堂さんと大杉さんがそれぞれ演じる“金魚”と老作家、そして真木さん演じる“幽霊”との三角関係が展開されるようだ。今回の出演に際して真木さんは、「今回演じたのは幽霊役なんですが、監督からは『感情がないわけではないんだけれども、どこか生と死の狭間を演じてほしい』と言われて。そんなこと言われてもできないですよね(笑)。だからこそ役者としてはやりがいがあって、今まで演じたことのない役どころなので面白いなと思い演じました」と、幽霊役を演じるやりがいについて語っている。さらに石井監督は、「この役はとても難しかったと思います。幽霊だけど普通に見えるし、でもやっぱり幽霊だし、ギャグなのかシリアスなのかよくわからないオフビートな会話もたくさんあるし。私的も、どう演出したらベストなのか迷った時もありましたが、ご本人はさすがに演技勘が鋭く、天然でお茶目な面もあり、最終的に繋がってみると、ぴったり彼女ならではのキャラにハマって見え、さすがでしたね」と、真木さんの演技に賛辞を送っている。映像化が困難ともいわれた室生犀星の超現実主義的小説を実写化する本作は、室生氏の地元である石川県金沢市・加賀市を中心に富山県でもロケを敢行。二階堂さんの“金魚”と真木さんの“幽霊”がどんな世界観を作り出しているのか、大いに期待がかかる。『蜜のあわれ』は2016年公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月27日女優の二階堂ふみが、文豪・室生犀星の最晩年の小説を原作にした映画『蜜のあわれ』(2016年公開)で主演を務めることが8日、明らかになった。本作の原作は、室生が1959年に発表した同名小説。物語は、室生の理想の女性の結晶とも言われ、実は正体が金魚であるという少女・赤子と老作家との会話で構成されている。劇中では、妖艶な美しさを兼ねそろえた魅惑的な少女・赤子を二階堂が熱演。赤子と共に暮らす老作家を大杉漣が怪しげに演じる。原作を高校時代に読んだという二階堂は、「映画化するなら絶対に自分がこの赤子という役をやりたいなと思ってました」と念願がかなった模様。さらに、「私はあの頃の時代の小説のフェチズムがすごく強調されているところがとても好きなんです。ロリータコンプレックス的な要素や女性に対しての憧れであったりとか、色んなものが入り交じっていて」と、自身の文学観を披露する。金魚が正体である少女を演じることについては、「金魚ってこういう動きするかな…と手探りでやる作業がとても楽しかったです」と振り返りつつ、「人間以外の役をやるのは猫、狸に続いて、実は3回目なんですが、意外と人間以外もいけるな、と思いました」と手応えをつかんだようだ。メガホンをとった石井岳龍監督は、「今回は以前からお仕事をしたかったけどかなわなかった初めての方々とたくさんご一緒でき、緊張もしましたが同時に大きな喜びでもありました」と撮影の充実ぶりを語るとともに、「本格文芸ドラマにファンタジー、エロス、ミュージカル要素なども盛り込まれ、それが目を見張る映像と美術世界の中に描かれます。見どころ満載の、おかしくて切なくていとしい至福の作品になると思います」と自信をのぞかせた。撮影は、石井監督と数々の作品を共にし、近年では『悪人』(2010年)、『大鹿村騒動記』(2011年)、『許されざる者』(2013年)など話題作を手がけたカメラマン・笠松則通氏が担当。ロケは室生の地元である富山県・金沢市を中心に行われた。
2015年07月08日徳田秋聲、泉鏡花と並び、金沢三文豪の一人である室生犀星が、晩年の1959年に発表した小説「蜜のあはれ」の映画化がこのたび決定し、二階堂ふみ、大杉漣が出演することが明らかになった。詩人として大正期の詩壇を牽引し、昭和期には「幼年時代」「あにいもうと」「杏っ子」などの名作小説を発表しつつも、随筆、童話、俳句と多岐のジャンルに渡って作品を発表した室生犀星。今回映画化が決定した小説「蜜のあはれ」は、室生氏の理想の“女(ひと)”の結晶といわれ変幻自在の金魚の姿を持つ少女・赤子と老作家との会話で構成された、超現実主義的小説である。今回の映画化にあたって監督を務めるのは、『狂い咲サンダーロード』『逆噴射家族』などジャンルを超越した強烈な世界観で熱狂的な支持を受け、今年『ソレダケ/that’s it』が公開された石井岳龍。撮影を、石井監督と数々の作品を共にし、近年では『悪人』『許されざる者』などを担当する日本を代表する名カメラマンの笠松則通が務め、石井監督との20年ぶりのタッグが実現した。今作の監督を務めるにあたって石井監督は「金魚や幽霊と小説家がこんなに活き活きと会話をし続けるお話が面白くないはずがないです。見どころ満載の、おかしくて切なくて愛しい至福の作品になると思います」と、本作の仕上がりへの自信を見せた。金魚の姿を持つ妖艶な美しさを兼ねそろえた魅惑的な少女・赤子を演じる二階堂さんは、「原作を初めて読んだ高校生のときから、映画化するなら絶対に自分がこの赤子という役をやりたいなと思ってました。私はあの頃の時代の小説のフェチズムがすごく強調されているところがとても好きなんです。ロリータコンプレックス的な要素や女性に対しての憧れであったりとか、色んなものが入り混じっていて。今回の私が演じた赤子はすこし自分自身が子供にかえっているような気がしています。人間以外の役をやるのは猫、狸に続いて、実は3回目なんですが、意外と人間以外もいけるな、と思いました(笑)」と、異色の役どころに挑んだ感想を語っている。赤子と共に暮らす老作家を演じた大杉さんは、「老いゆく作家の儚さ 切なさ 可笑しみ そして あわれ!そんな人物像に愛おしさを強く感じました。室生犀星のリアルな言葉に老いてなお枯れることのない “残酷な蜜“ を味わっていただければ嬉しい限りです」と本作への思い入れを口にした。石井監督自ら、文芸ドラマにファンタジー、エロス、ミュージカル要素が盛り込まれていると語る本作。二階堂さんの妖艶な演技にも大きな注目が集まりそうだ。『蜜のあはれ』は2016年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月08日石川県金沢市には、一度入ったら二度と出られないお寺があるという。その名前は「忍者寺(妙立寺/みょうりゅうじ)」。なんと忍者もビックリの複雑な構造とカラクリ満載の楽しいお寺らしい。加賀百万石(かがひゃくまんごく)の歴史漂う城下町・金沢になぜ忍者寺なるものがあるのか。その歴史をひもときながら、忍者寺の魅力を紹介する。忍者寺は寛永20年(1643)、金沢の地を治めていた加賀藩三代藩主・前田利常が、市内の寺院を集めた寺院群の監視所として建立したのが始まり。当時の加賀藩はすでに百万石の禄高(ろくだか)を誇る強大な外様大名として知られ、江戸幕府が加賀藩征伐を計画していたほどだった。そこで藩では金沢城を外敵から守るために、忍者寺を作ったと伝えられている。つまり、忍者寺は加賀藩を守るための要塞のような役割を担っていた。そのため、万が一外敵が入ってきても攻撃を最小限に食い止められるよう、複雑な構造の内部にアッと驚くようなカラクリが備えられたのだ。実際、足を踏み入れてみると、それほど大きいお寺ではない。しかし、4階7層からなる寺内には、23の部屋に29の階段と、とにかく複雑。初めて入った人は完全に迷ってしまう。さらに、一見なんの変哲もないように見えるのに、数々の知恵をこらした仕かけがあるということで、これが「一度入ったら二度と出られない」といわれるゆえんになっている。注目のカラクリだが、まず本堂正面に床にはめ込まれた「さい銭箱」がある。普段はそのまま機能しているが、敵が攻め込んだ際、フタを外すと「落とし穴」になる。左に進むと短い階段が集中する階段群が。迷路のように複雑であることに加え、床板を外すと落とし穴になる「落とし穴階段」が備わっているため、敵の侵攻を止める効果がある。さらに進むと「伝説の井戸」が見えてくる。金沢では茶道が盛んだったため、表向きには茶道用の水源として使われていた。しかし、深さ25メートルの井戸の途中には横穴があり、藩主が住む金沢城に続いていたという話が残されており、いざという時の逃げ道になっていたと伝えられている。また、本堂入り口の横には、階段の床板下の垂直な部分にある蹴込みに障子が貼られた「明かりとり階段」がある。これは、外敵が入ってきたら内側から足の影を確認して、槍などで攻撃できるように作られたもの。階段をのぼって足を刺されてしまってはひとたまりもない。シンプルながらよく考えられた仕かけだ。他にも各所に「隠し扉」や「隠し階段」「落とし穴」が点在し、お殿様が滞在する重要な部屋には、簡単にたどりつくことはできない。ちなみに「忍者寺」の由来は、この複雑な構造と巧妙なカラクリからきている。いわゆる忍者とは関係がないそうだ。内部を見学する時は係の人が先導して説明してくれる。お寺の複雑な構造を非常に分かりやすく解説してくれるので、仕かけを考えた人の知恵に幾度となくうならされる。忍者寺界隈には、作家・室生犀星(むろうさいせい)が幼少の頃を過ごした「雨宝院(うほういん)」、キリシタン大名として知られる高山右近ゆかりの「昌柳寺(しょうりゅうじ)」など、約70の寺院が立ち並んでいるため、この一帯は「寺町寺院群(てらまちじいんぐん)」と言われている。加賀百万石の歴史の余韻にふけりながら、辺りを散策してみるのも面白いだろう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年02月28日