有川浩のベストセラー小説を岩田剛典&高畑充希のW主演で実写化する映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』が6月4日(土)より公開される。ファンから“ガンちゃん”と呼ばれ、EXILE/三代目J Soul Brothersのメンバーとして絶大な人気を誇る岩田。本作のプロデューサーは、岩田を主演に抜擢した理由を“笑顔”だと明かす。その他の写真『植物図鑑』は、運命的に出会った普通のOL・さやかと樹が、その日から期限付きの同居生活をスタートさせる中で、徐々に芽生える恋心を描いた純愛ストーリー。岩田が演じる樹は、子犬のような濡れた目と笑顔で「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか? 噛みません、しつけのできた良い子です」と出会ったばかりのさやかに懇願したかと思えば、ちゃっかりその日から、さやかの家に転がり込む、相手に警戒心を与えない人懐っこい青年だ。さやかより料理が上手で、植物、とりわけ野草について詳しくて、休日はさやかを土手に引っ張り出し、知らない世界を教えてくれる。その一方で、自分のことはあまり話さないミステリアスな一面もある。樹役について本作の企画・プロデューサーを務める井上竜太氏は、たまたま訪れた三代目JSBのライブで、モニターに映しだされた岩田剛典の笑顔を見て「樹がいた!」と確信し即決したとのこと。メンバーの中でもひときわ清潔感のあるノーブルなルックスをもつ岩田に、原作者の有川も首を縦に振ったという。さやかにとっては、突然現れた“王子様”のような存在になっていく樹を、爽やかに演じきった岩田。公開時には、そのキラースマイルの虜になる観客が続出しそうだ。『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』6月4日(土)全国ロードショー
2016年05月20日有川浩の人気小説を岩田剛典、高畑充希のW主演で映画化する『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の特別映像が公開になった。Flowerによる主題歌『やさしさで溢れるように』にのせて初披露となる劇中シーンも盛り込まれている。特別映像映画『植物図鑑』は、ごく普通の人生を歩んできたさやかと、謎の多い青年・樹との突然はじまった半年間の期限付き同居生活を描いた“甘く、切なく、苦く、もう一度甘い”ラブストーリー。特別映像は主題歌にのせて、偶然の出会いからはじまったふたりの共同生活の様子が描かれていく。自分のことは何も話さない樹について、さやかが知ったのは、料理が上手で、野草に関する知識が豊富で、カメラが趣味だということ。さらに、ふたりがただの同居人から一線を越えるドキドキのシーンや、さやかが涙を流す場面が二度あり、想像がふくらむ内容になっている。Flowerが歌う主題歌は、2009年にJUJUがリリースした同名曲をカヴァーしたもので、6月1日(水)に、シングルとしてリリースされる。『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』6月4日(土)全国ロードショー
2016年04月25日女子高生を中心に大ブームの“斎藤さんゲーム”。某携帯会社のCMでご存じの方も多いはず。その“斎藤さん”とは、トレンディエンジェルの斎藤司さん。いま最も熱い彼に、相方のたかしさんについて聞きました。やはり、“薄毛”で意気投合したのでしょうか?***斎藤:それが違うんです。僕は正直、誰と組んでも売れると思っていたんで、相方は誰でもよかったんです。当時、たかしと仲が良くて、ふたりでよく遊んでたんで、その流れでです。まあ、たかし、ラッキーでしたよね。――ベストな相方だと思います。斎藤:でもじつは、本当に運を持ってるのはあいつの方。基本的に、たかしってポンコツなんです。僕も僕で、負けじとポンコツな部分があるんですけれど、収録で、あいつのポンコツな部分が奇跡的にハマりだすことがあって、僕がそれに助けられることもあったり。それに、その場の瞬発力で勝負している僕とは違って、意外に笑いを方程式で考えられる人なんで、そこの部分の信頼もありますし。賞レースでも、僕はうまくいかないとイラついたりするんですが、たかしは全然気にせずニコニコしていて、おかげですぐに切り替えて次に臨めましたから。――確かに、ここぞという場面では意外と斎藤さんの方が緊張してますよね。たかしさんのあの動じない無邪気さはすごいです。斎藤:そうなんです。ゆとり教育が生んだモンスターと言われていますから。ここフザケちゃダメってところではフザケたり。そういう意味でも怪童です。年齢的には僕が上なんで、時どきキツいダメ出しをすることもあるんですが、一切気にしないですしね。それに、たかしとは面白いと思うものが一緒なんです。意地悪な視点が似ているんで、ふたりでいると悪口ばっかりしゃべってますけど(笑)。――女性の話をすることは?斎藤:僕は彼女事情も話しますが、たかしは一切話さない。あと、お風呂に行っても絶対に局部を見せないんですよね。けっして見たいわけじゃないんですけど、隠してる感じがなんか腹立つというか。普段は動じないくせに、なぜそこだけ気にしてるんだ、と。でもまあ心の奥で尊敬はしていますけどね。――ちなみに斎藤さん、恋人の存在を公表されていますよね。斎藤:それはねぇ…正直、ミスです。イベントに取材に来られる記者の方って、ほんと興味なさそうな表情をしているんです。そういう顔を見ると、つい喜ばせたくなっちゃって、盛り上がりそうな話題を提供しちゃうんです。彼女の話もそれでうっかりしゃべってしまって。芸能人との恋に憧れてたんですけれど、自らそのチャンスをふいにしてしまいました(笑)。◇今年、トレンディエンジェル初となる単独ライブ全国ツアーが開催。「TRENDY ANGELWORLD TOUR“JAPeeeeeN!!”」と銘打たれたツアーは、4/29の福岡を皮切りに、岡山、仙台、名古屋、静岡、札幌、東京、大阪の全国8か所。詳細はブログにて。また不定期に、新宿ルミネ、よしもと幕張イオンモール劇場などのライブにも出演中。◇さいとう・つかさ1979年2月15日生まれ、神奈川県出身。'05年にNSCで同期だったたかしとコンビを結成。ボケ担当。'13年にオンバト+第3代チャンピオン、'14年にTHEMANZAIで準優勝、昨年のM‐1グランプリで優勝。ソロで歌マネ番組などにも多数出演し注目を集める。※『anan』2016年4月6日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・望月リサ
2016年03月30日有川浩の人気小説を岩田剛典、高畑充希のW主演で映画化する『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の予告編映像が公開になった。「神様は不公平だ・・・」とぼやく普通の女の子・さやか(高畑)の日常が、青年・樹(岩田)との出会いによって運命的に変わっていく様が映し出されている。『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』予告編映像ある晩、さやかが帰宅すると、マンションの前に知らない青年が倒れていた…。予告編映像では、ひょんな出会いから“半年間”の約束で、その日から同居生活をはじめたさやかの戸惑いとトキメキ、不安とドキドキが、Flowerの主題歌『やさしさで溢れるように』にのせて描かれる。自分の名前以外のことはなぜか話さない樹だったが、“野草”に関する知識は図鑑並みで、「雑草という草はない。草にはすべて名前があります」と、さやかを土手に引っ張り出し、知らなかった世界を見せてくれる。だが、突然、現れた樹は、突然、さやかの前から姿を消してしまう。樹が隠していた秘密とは? さやかのひろった恋の種は咲くのか? 恋するさやかのドキドキが伝わってくるような内容になっている。『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』6月4日(土)公開
2016年02月26日ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)のデザイナーである山本耀司とニューエラ(NEW ERA)のコラボレーションブランド、山本耀司 for New Eraが16年1月にCotton Tee(7,000円)をNEW ERA STORE限定で発売する。これまでヨウジヤマモトと様々なコラボレーションを行ってきたニューエラ。今回はヨウジヤマモトブランドとしてではなく、山本耀司個人とコラボレーションを行った。Tシャツには、山本耀司が自身の思うニューエラのブランドイメージを墨と筆で具現化したアートワークと「Ten miles more to go y.y.」という直筆メッセージがプリントされている。カラーはブラックとホワイトの2色展開。
2015年12月25日ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)のデザイナーである山本耀司とニューエラ(NEW ERA)のコラボレーションブランド、山本耀司 for New Era(R)が16年1月にCotton Tee(7,000円)をNEW ERA(R) STORE限定で発売する。これまでヨウジヤマモトと様々なコラボレーションを行ってきたニューエラ。今回はヨウジヤマモトブランドとしてではなく、山本耀司個人とコラボレーションを行った。Tシャツには、山本耀司が自身の思うニューエラのブランドイメージを墨と筆で具現化したアートワークと「Ten miles more to go y.y.」という直筆メッセージがプリントされている。カラーはブラックとホワイトの2色展開。
2015年12月25日EXILEのAKIRA、EXILE兼三代目J Soul Brothersの岩田剛典らEXILE TRIBEのメンバーが出演する深夜ドラマ『HiGH&LOW ~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』(日本テレビ系/毎週水曜25:29~25:59)が、26日と27日の2夜連続で一挙放送されることが決定した。一挙放送は、一部地域を除き26日(24:40~27:10)に1話から5話を、27日(24:25~26:55)に6話から10話をそれぞれ放送。さらに、26日の24時から24時25分には、「これを見れば貴方も虜になる!話題沸騰の『HiGH&LOW』ここが凄い!スペシャル」と題された、特別番組も放送される。特番では、ドラマ本編の映像を用いながらストーリーを振り返るとともに、AKIRAや岩田をはじめTAKAHIRO、青柳翔、登坂広臣らキャストによる座談会を展開。おのおのの収録および撮影秘話、作品に懸ける思いが明らかになる。本作は、2016年7月16日公開の映画を中心に、Hulu配信、SNS、コミック、オリジナルアルバム、ライブツアーなどが連動した総合エンターテイメント『HiGH&LOW』の一環で制作。EXILE TRIBEが総出演するプロジェクト第1弾となるドラマでは、不良チームの闘いと友情をアクション満載で描いている。(C)HiGH&LOW製作委員会
2015年12月14日「EXILE/三代目J Soul Brothers」岩田剛典と高畑充希がW主演することで話題の有川浩のベストセラー恋愛小説を原作とした映画『植物図鑑』。この度、10月10日「萌えの日」に合わせて、本作の“萌えちゃう”ティザーポスターが解禁された。何のとりえもない普通のOLさやか(高畑充希)の目の前に、ある晩現れたのは行き倒れた青年・樹(岩田剛典)。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?」思いもよらない出会いから突然始まった2人の同居生活。名前と、野草に詳しいこと以外は、謎に包まれた樹。知らない世界を優しく教えてくれる樹と、毎日過ごすうちに、積もっていく“好き”という気持ち。けれども、彼にはある秘密があった――。原作は、「図書館戦争」、「フリーター、家を買う。」など数多くの作品が映像化されているベストセラー作家、有川浩の累計80万部数を超えの“最キュン”恋愛小説が実写化されたもの。主人公のミステリアスな青年・樹に扮するのは、「ディア・シスター」(フジテレビ)、『クローズEXPLODE』などに出演し、俳優としても活躍をする「EXILE/三代目J Soul Brothers」の人気パフォーマー岩田剛典。そしてヒロイン・さやかを演じるのは、来年の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のヒロインに抜擢され、その演技力が絶賛される高畑充希が好演する。今回、「萌」という漢字を分解すると十月十日になることから制定されたという「萌えの日」にちなんで、解禁されたポスターは、「名前しか知らない、あなたを好きになってもいいですか?」というキャッチコピーと共に樹とさやかが野草を探しに出かけた川辺で、そこに咲いていた色とりどりの花で作ったかんむりをつけてあげるシーンをイメージしているもの。王子様に花かんむりをつけてもらったら頭ポンポンより萌えちゃう!萌えキュンポスターとなっている。最旬のキャストで贈る究極の純愛ストーリー。岩田さんの“王子”っぷりに胸キュン必至となること間違いなさそうだ。『植物図鑑』は2016年6月4日(土)全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年10月10日『クロノ・トリガー』や『ゼノギアス』『クロノ・クロス』の作曲家としておなじみの光田康典氏の作曲家生活20周年を記念して制作される「光田康典×スクウェア・エニックス×クロノシリーズ」によるアレンジアルバム「ハルカナルトキノカナタヘ」が2015年10月14日にリリースされるが、その収録曲が公開された。世界各国のさまざまなアーティストがカバーするなど、ゲーム面だけでなく音楽面への注目も非常に高い『クロノ・トリガー』と『クロノ・クロス』の楽曲から光田康典氏がプロデュース。収録される10曲は光田氏本人が厳選したもので、『クロノ・トリガー』から「風の憧憬」「時の回廊」「ハルカナルトキノカナタヘ」など、『クロノ・クロス』からは「時の傷痕」「マブーレ」「RADICAL DREAMERS」など、ユーザーの記憶に残るゲームサウンドのメロディーラインを鮮明に残しながらも、新たな楽曲として楽しむことができる。■「ハルカナルトキノカナタヘ」収録曲01. 時の傷痕~ハジマリノ鼓動~02. RADICAL DREAMERS03. 風の憧憬04. サラのテーマ05. 凍てついた炎06. マブーレ07. 次元の狭間08. 時の回廊09. On The Other Side / エピローグ~親しき仲間へ10. ハルカナルトキノカナタヘなお現在、公式サイトでは全曲試聴が可能となっているので、早速チェックしてみよう。○CD発売前夜祭としてニコニコ生放送の配信が決定また、本作「ハルカナルトキノカナタヘ」の発売を記念して、発売日前日の10月13日(火)の21時00分よりニコニコ生放送『スクウェア・エニックス MUSIC 公式「ハルカナルトキノカナタヘ」発売前夜祭ニコニコ生放送』の配信が決定した。出演は、『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス』の作曲家・光田康典氏。CD発売前日に全楽曲を聞きながら、制作秘話などが語られるとのことなので、あわせてチェックしておきたい。光田康典氏プロデュースによる「クロノ・トリガー&クロノ・クロスアレンジアルバム/ハルカナルトキノカナタへ」は、2015年10月14日(水)の発売で、価格は3,000円(税別)。(C)1995, 1999, 2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
2015年10月06日●かつてはモノに囲まれていた最小限(ミニマル)なモノで暮らす「ミニマリスト」として知られる佐々木典士さん。6月には初の著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ - 』(ワニブックス/1,000円+税)を上梓した。「そんなにモノが無くて大丈夫?」と聞きたくなるような生活を送る佐々木さんに、ミニマリズムについてお話を伺った。○ミニマリズムに目覚めたきっかけ――佐々木さんは以前からモノをもたないタイプだったのですか?もともとはモノがたくさんある部屋に住んでいました。多趣味で、浅く広くいろいろなものに手を出すタイプだったんです。本やCD、DVDを集めていたし、カメラも趣味で自宅に暗室を設けていたこともあります。今になっては、何であのときあんなにモノを持っていたのかわからないです(笑)。――ミニマリズムに目覚めた一番大きなきっかけは?「ミニマリスト」という言葉に出会ったことですね。2013年末にクロアチアの島へ撮影に行ったんです。そのとき雨が降っていて、ホテルの部屋に閉じこもっていたんです。古いホテルの部屋は質素で何もなくて。撮影に同行していて、今一緒にブログもやっている沼畑さんという人が、その時の気分をミニマリストみたいだな、と思ったらしくウェブサイトで記事にしていました。そこではじめて「ミニマリスト」という言葉に出会い、検索してみたんです。――検索結果は?当時はまだ日本で「ミニマリスト」という言葉が浸透していなかったので、海外の人ばかり出てきて。例えばモノを15個しかもたないアンドリュー・ハイドという人の写真や、スティーブ・ジョブズが座禅を組んでいる若いころの写真です。出てくる人たちがすごく身軽で自由そうに見えて、「これだ!」と直感的に思いました。○「本」を手放すメリット――現在に至るまでで、「ここがターニングポイントだった」と思う出来事はありましたか?本棚をまるごと手放したことです。神保町の本屋さんに来ていただき、まとめて売りました。あとはCDやDVDなどのコレクションも、一度にすべて手放したことが大きかったのではないでしょうか。最初は段階的にやるつもりでしたし、マンガは売るつもりがなかったのですが、間違って全部持って行かれてしまって(笑)。でもその結果、すごくすっきりしました。――思い切りましたね……!本棚に本がたくさんあると、その中にある未読の本を読んだ方がいいんじゃないかな?と思ったりしてしまいますよね。でも絶対そこから選ばなくてはいけない、ということはないんです。本棚をまるごと処分したことで、今本当に一番読みたい本を1冊だけカバンに入れておくことができるようになりました。――出版社で編集の仕事をされていますが、職業柄「本を手放す」というのは非常に大変だったのでは?読めていない本はあるしホコリも積もるしで、本棚いっぱいの本を持つことがどこか自分の負担になっていたんです。読んでいても、自分の身になっていないものがたくさんありました。人は「自分の好きなモノ」に囲まれると心地いいと普通考えますよね。でも好きなモノを手放したときの開放感も、実はものすごいんです。「これは絶対必要だ!」と思っていたモノを捨てたとき、「捨てのK点越え」をしたときです。それにより、また新しい世界が見えたような気がします。編集部注:「捨てのK点越え」とは、自らを「捨て変態」と称し、モノを極限まで減らした暮らしをしているゆるりまいさん(「なんにもないぶろぐ」主宰)の言葉。「絶対に捨てられない」と思っていたモノを捨てたときに用いられるそうです。○捨てるのを迷ったモノ、1位は「テレビ」――本以外で捨てるときに迷ったモノはありますか?テレビです。映画がすごく好きでしたし、いい番組も本当にたくさんありますからね。でも手放して一番良かったと思います。――なぜでしょうか?手放してみると、こんなにも影響を受けていたんだなということがわかりました。ずっと「テレビは必要」だと思っていました。生まれたときからあったので、テレビのない生活が想像できなかったんです。録画機能も随分進歩して、長時間録画ができたりしますよね。でもせっかく録画したのに見てないと、「こんなにまだ見なきゃいけないのか」とプレッシャーになる。消化しても消化しても見きれないんです。見る義務はないのですが、録画された番組から「たまってますよー」というメッセージが伝わってくる。それって精神状態にはよくないと思うんです。今は見たい映画があればネットを通して借りることもできるし、特定の番組だけを買って見ることもできる。「見なきゃいけない」というプレッシャーがなくなり、「本当に見たいからこの映画を、番組を見よう」ということが気軽にできます。――モノが出すプレッシャーから解放されたんですねそうとはいえ、テレビを捨てた後もしばらくは無意識でリモコンを探したりしていましたけどね(笑)――テレビという情報源を絶つことに不便を感じませんか?ネットがつながればニュースを知ることはできますし、不便は感じません。むしろ今はそういう情報をあまり入れないようにしています。ネットも目を引く情報がたくさんあって、楽しいじゃないですか。でも、そのときだけ「楽しいな」と思っても、その後思い返さないことが多くあります。それよりは、本を読んだりした方が自分に本当に必要なモノや情報を取捨選択して身につけられる、と思うようになりました。自分が積極的にとりに行くべき情報かを考えることにもつながりました。――ミニマリズムは「モノ」だけでなく「情報」まで及ぶのですね「ここまでやっちゃうんだ!?」ってね。びっくりです(笑)。2013年にミニマリズムに出会ってここまで来ました。今は厳選したモノだけが身の回りにあるという感じです。本当に身軽になったので、現在の住まいへの引っ越しも、荷造り含めて30分ぐらいで終わりました。そのうち5分ぐらいは天井の照明を外すのにかかった時間(笑)。次に引っ越すとしたら15分で終わるんじゃないでしょうか。●ミニマリズムはなぜ広がったのか○ミニマリズムが受け入れられた理由――知名度がほぼなかった「ミニマリズム」は、どうして広がっていったのでしょうか?第1に「モノを持たなくても済むようになった」ということ。僕がテレビを捨てられたのも、見たい番組だけを買うことができるようになったから。本を捨てられたのも、ネットショップで同じ本がいつでも買える世の中になったからです。絶版本って、「これを捨てたら神保町の本屋を何件も回らないと見つからないんだろうな」と思うと捨てられなかったのですが、そういうモノも手に入りやすくなりました。技術やサービスの発展のおかげですね。第2には「モノがなくてもいい」という価値観が生まれたこと。これまでは思い込みのように、「モノをたくさん持っていて、それに囲まれている方がいい」という考え方があったように思います。でも、今はなくてもいいという流れが生まれている。「買うべきモノが少なくなってしまった」といえるかもしれません。例えばスマートフォンは、毎年新しい機種が出ているけど形は大きく変わらない。スマートフォンのような最近出てきたモノですら、もはやそうで、いろいろなモノが「成熟」してしまったように思います。その結果、買うべきモノが少なくなってきた気がします。僕はモノが好きで、「新しい!」と思うものが出たら買うタイプです。例えば「手でもたなくていい」とか「すごくはじいて永久にぬれない」といった革新的な傘が誕生したら、きっとそれを買って試すと思います。でも今ある傘は、形がずっと変わっていないですよね。革新的なモノが毎年のように出続けていれば、僕もいまだにモノをたくさん買っていると思います。第3には「シェア」が大きな役割を果たしていると思います。カーシェアリングやシェアハウスなど、モノを共有することがごく当たり前になってきていますよね。モノも部屋も、余っているモノはネットを通じて、細かく誰かとシェアできる。シェアすることを考える上では、ネットの普及は本当に大きいですね。○ミニマリスト同士の交流――ブログを拝見すると、ミニマリストのオフ会をされていますよね。マイナビニュースで連載中の「断捨離パンダのミニマルライフ」の著者「おはぎさん」ともお会いされたとかもともと「ミニマリスト」って、1年前はほとんど誰もいなくて。言葉自体浸透していなかったし、普通に生きていると身の回りで出会わなかったんです。オフ会は、ミニマリズムを楽しんでいる仲間と実際に会ってみたい、しゃべりたい、みたいなノリで始まったのではないでしょうか?同じような価値観を持っている人をネットで探すって面白いと思います。僕は本を書くに当たって、ほかのミニマリストさんとお話してみたいな、と思ってオフ会に参加しました。もしかして僕が考えている「ミニマリズム」は、ひとりよがりの妄想かもしれないという不安があったので、実践している人たちに話を聞きたかったのです。会ってみると、ミニマリストの人たちって単純に良い人が多いです。モノに振り回されていないので、ストレスもなく穏やかで満たされている。ただし、見た目は本当に人それぞれです。ヒョウ柄のビジュアル系とか、カミソリのペンダントをつけている女の子とか、ビシッとスーツを着ているかたとか(笑)。――勝手なイメージですが、リネン素材の服が好きな人が多いのではないかと思っていました本当にバラバラです。スーツの方は、百貨店の売り場で働いているのですが、セールの時期になると「私のよー!」「私が先に手を付けたのよー!!」という戦いが本当にすごいんだそうです。そういうのを見ていたら物欲が引いたと(笑)。モノが少ない、というだけで普通の人の集まりですね。○ミニマリズムは炎上しやすい?――ミニマリズムが知られるようになった結果、ミニマリズム関連の話題が炎上しているのを見るようになった気がするのですが……「ミニマリズムの方がかっこいいから、その生活をしてないやつは駄目だ」と言ってしまうからではないでしょうか? 新しい価値観に出会った当初って、「こっちの方が新しい」「いい暮らしを見つけた」となってしまうんです。「モノを持っている方がよい」という価値観に対して、「何でそんなにモノを持っているんだよ」と言ってしまうとそれは炎上しますよね。――価値観を否定されるのはカチンと来ますね今まで一生懸命働いてモノを集めた人からしてみれば、「モノがない方がいい」という価値観に反発するのは当たり前のように思います。自分がやっていることを否定されたようにも感じるでしょうから。ただ、ミニマリズムが炎上するだけ新しい価値観であるということの裏返しだと考えることもできます。それだけ衝撃のある、面白い価値観だったと。僕は今でもモノが大好きなので、モノがあっていいという価値観はよくわかりますし、否定するつもりはありません。ただモノがなくてもいいという価値観もあってもいいし、それができる時代になってきた。だからその価値観を、自由な選択肢のひとつとして付け加えられればと思っています。――共存するためにはどのようにすれば良いでしょうか?「いやいや、モノがある生活を否定しているわけではないんだよ」と、お互いの価値観を否定せず、きちんと対話するといいのではないでしょうか? そういう問題が起こることも想定しつつ書きましたので、僕の本を読んで、そういう争いも収まってくれたらうれしいです(笑)●ミニマリストの「モノ選び」○人からもらった「プレゼント」はどうする?――思い出のモノが捨てられないのですが、どうしたら良いでしょうか?「過去の思い出」って過大評価されているような気がしています。思い出のモノって、無条件に素敵で、捨てちゃいけないモノという有無を言わせない重圧のため、捨てるときに罪悪感がありますよね。――「せっかくくれたのに申し訳ないな」って思ってしまいます思い出のモノを捨てるときは「相手に悪いかな」と思うんですけど、あげた本人って意外と忘れているものなんですよね。僕、小学生のとき好きだった子に腕時計をプレゼントしたことがあるんですけど、本を出したときにその子から「ようやくもらったモノを手放せます」と連絡がきました。多分ですが、彼女は「捨てたら悪いなあ」と思って、わざわざとっておいてくれていたんですね。でも僕は、失礼な話なんですけど何をあげたかとか覚えていなくって(笑)。――言われてみれば、プレゼントしたモノってあまり覚えていないかもしれないです僕がプレゼントする立場なら、もらって困っているモノはどんどん手放して欲しいです。自分があげたモノで、誰かが煩わしいと思っているのは嫌ですね。――「手放す」覚悟はできても、「捨てる」ことができない場合はどうしたら良いですか?どうしても捨てられないモノは、欲しい人にあげるのもいいのではないでしょうか。ミニマリストのみなさんもツイッターで欲しい人を募集したり、フリーマーケットで売ったりしています。いろいろな手放し方があると思います。誰にも「これは捨てられないなあ」と思うモノがあると思います。本当に大事なモノは「捨てられないなあ」とすら思わないものです。本にも書いたのですが、「5回迷ったら捨てる」のがいいのではないでしょうか? その思いがなくなることはまずないです。そこからあと1,000回は悩みますね(笑)。僕の場合ですが、iPhoneを見て「捨てられないなあ」とは思いません。それは絶対に必要なモノだから。それ以外は捨てられると思いますね。――佐々木さんは今処分しようか迷っているモノはあるんですか?布団乾燥機です。「これは行けるんじゃないか」と思いながら眺めています(笑)。もちろん「捨てたけどやっぱり必要だった」となったモノがひとつだけあります。それがフットマッサージ機で、結局3回買いましたね。1回捨てて、やっぱり必要だと思って買ったものの、また捨てるっていう(笑)。今は手元にないのですが、また買うかもしれません。○ミニマリストのモノ選び――たくさんのモノに囲まれた生活から、極限までモノを減らす暮らしにシフトされた佐々木さん。現在手元に残っているモノや、新しく選ぶモノのこだわりはありますか?飽きのこないデザイン、シンプルだったり小さくてコンパクトなモノを選ぶようにしています。今は机と椅子の購入を真剣に検討しているんですけど、折りたたみでクローゼットに入るような品を選ぶと思います。あとは掃除がしづらいアイテムは買いません。素敵だけどごちゃごちゃしてホコリがたまりそうなモノは選ばないですね。――クローゼットがすごくスッキリしていますが、服はこれだけですか?パンツやTシャツはボックスに収納していますが、基本服はこれだけです。服選びにまようこともありません。最近は、洗濯ものをそのままハンガーでクローゼットに干す「クローゼット部屋干し」というスキルも身につけました。クローゼットがスカスカだからできることですね(笑)。○カーテンもない!? - ミニマリストの暮らし――書籍やブログ、出演されていた番組(7月7日放送 NHK「おはよう日本 ミニマリスト特集」)で紹介されている佐々木さんの部屋は、このようにして作られたのですね正直、テレビの放送を見て自分のことながら引きましたね。テーブルとして使っている茶托とか、「これはひどい、独居房みたいだ」って(笑)。ミニマリスト以外の方からの反響も大きくて、「カーテンすらないの!?」とネットで話題になりました。――カーテンも捨ててしまったんですか!?ロールスクリーンをつけているのですが、ちょうど映ってなくて。ネットで「カーテンはさすがに必要では?」という記事も出たので、これには反証しなくては!と思って、「カーテンはないけどロールスクリーンはあります!」とツイッターでつぶやいたんですけど、誰も反応してくれませんでした……。このインタビューでは「僕の家にはカーテンはないけど、ロールスクリーンがある!」ということが伝わればいいなと思っています(笑)。――しっかりと書いておきます(笑)。ありがとうございました『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ - 』(ワニブックス/1,000円+税)持ちモノを最小限にしたからこそ、見えてくる本当の豊かさやモノが少ない幸せ。他人の目線ばかり気にした世界から、自分の声に耳を澄ませてみること。終わりのないモノへの追求から一度思いっきり距離をとってみること。これはもう一度「幸せ」について考え始めることに他ならない。生き方にはもっと自由な選択肢があっていいはずだから。――持ちモノを自分に必要な最小限にする「ミニマリスト」という生き方と常識にとらわれない豊かな暮らしを紹介。
2015年08月19日「三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE」の岩田剛典、今市隆二、登坂広臣が5月21日(木)、東京スカイツリーで行われたサマンサティアラジュエリーの新CMお披露目会に登場した。以前より公開されていたCMは、サマンサティアラの新作ジュエリーを選ぶ岩田さん、今市さん、登坂さんの姿が印象的な映像。相手の喜ぶ顔を想像しながら選ぶ姿に、多く女性が虜になった。今回イベントでお披露目されたのは新しく撮影されたCM。ホテルのスウィートルームで撮ったという新CMがスクリーンに映し出されると、「ちょっとダンディな感じで…照れますね」と今市さん。もし彼女とホテルでこのシュチュエーションになったら?の問いには岩田さんは少し考えながらも「ちょっと先にシャワー浴びてくるわ」と話すと、悲鳴のような歓声が。それを聞いた登坂さんは「そしたら俺は『後でシャワー浴びるわ』にするわ。がんちゃんが先に浴びるなら…後にするよ」と仲の良さを示した。最後には、東京スカイツリー開業3周年の3にちなんで三代目カラーのブルーに染まると同時に、集まったファン全員に配られたペンライトもブルーに。メンバーの3人も感激した様子だった。(text:cinemacafe.net)
2015年05月22日8月23日に東京・夢の島公園陸上競技場で開催される夏フェス「WORLD HAPPINESS 2015」のメインビジュアルが公開。今年はデザイナーの山本耀司が担当したことが明らかになった。2008年より開催されている「WORLD HAPPINESS」は、高橋幸宏がキュレーターをつとめる音楽フェス。そのメインビジュアルにはこれまでイラストレーションが採用されてきたが、今回は初めて写真作品がメインビジュアルとなることがわかった。手がけたのは、ファッションデザイナー・山本耀司。世界中に多くのファンを持つファッション界の重鎮にして、今だに挑戦的な姿勢を崩さない彼が選んだのはなんと“愛犬”の写真。正面を見据える愛犬の凛とした姿に、「WORLD HAPPINESS」「音楽」という世界観を写した、愛らしくもスタイリッシュな作品となっている。山本耀司はまた、ソロ・アルバムもリリースするほどの音楽好きとして知られる。キュレーターの高橋幸宏は40年来の友人とのことで、高橋のたっての願いに快諾、実現したという。なお、これまでMETAFIVE、TRICERATOPS、Controversial Spark、野宮真貴 with カジヒデキ、筋肉少女帯、スチャダラパー、坂本真綾、SCANDALの8組が同フェスの出演者として発表されており、出演アーティストは今後も追加される予定。
2015年04月14日2戦2勝と最高のスタートを切った新生日本代表。新体制における第1号ゴールを含めた2得点をあげ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督から厚い信頼を勝ち取ったFW岡崎慎司(マインツ)は、ゴールに対する独特の美学を貫きながらさらなる成長を誓う。○いまも岡崎の心に色濃く残る通算7ゴール目日本代表として初めてキャップを獲得してから6年半あまり。その間に出場した91試合で積み重ねてきた日本歴代3位の「43」ゴールすべてに重みがあり、それぞれにドラマが凝縮されている。そのなかから、あえてベストゴールを選ぶとすれば――。岡崎は迷うことなく、2009年6月6日にあげた通算7ゴール目をあげる。敵地タシケントで行われた、ウズベキスタン代表とのワールドカップ・アジア最終予選。その前半9分に岡崎をいま現在に至るまで支え、未来永劫(えいごう)に心のなかで神聖化されていくゴールが生まれている。MF中村憲剛(川崎フロンターレ)が放った縦パスに、右サイドからゴール前へ飛び込む。左足によるボレーは相手GKにセーブされたが、直後に岡崎の真骨頂が発揮される。こぼれ球に誰よりも素早く反応し、体勢を崩しながら低空飛行のダイビングヘッドを見舞う。ピッチすれすれで首を必死に伸ばした、お世辞にも美しいとは形容できない姿勢から放たれた一撃はゴールネットを揺らし、岡田ジャパンを南アフリカ大会出場に導く決勝弾となった。○座右の銘「一生、ダイビングヘッド」の起源岡崎はワールドカップの大舞台でもゴールを決めている。それでも、ピッチが荒れ放題で、照明も薄暗かったタシケントのスタジアムでマークした一撃を大事にしている理由は何なのか。「自分に対して自信をもつことができたゴールだったんです」。兵庫県の強豪・滝川第二高校から清水エスパルスに入団した2005年。岡崎は中学時代に所属した宝塚ジュニアFCの山村俊一コーチから、いまも座右の銘としている言葉を贈られている。「一生、ダイビングヘッド」。山村コーチは基本を徹底的に反復させ、そのなかでもシュート練習に大半の時間を割いた。コーチが放つクロスに対してヘディングを見舞い続けた日々を、岡崎は苦笑いしながら振り返ったことがある。「カッコつけてボレーなんてしようものなら、ホントに怒鳴られましたからね」。当時は砂利混じりの土のグラウンドで練習することも少なくなかった。それでもダイビングヘッド中心のメニューは変わらない。地面にこすりつけた額に血をにじませながら、無我夢中で空中遊泳を繰り返した。○ストライカーの矜持を貫かせた絶対的な武器プロ入りに際しては母校の黒田和生監督(当時)から反対され、実際にエスパルスの1年目は8人いたFWで8番目にランクされた。長谷川健太監督(現ガンバ大阪監督)から右サイドバック転向を打診されたこともある。それでも「自分には絶対的な武器がある」という自負が、岡崎にストライカーとしての矜持(きょうじ)を貫かせた。中学時代から磨きあげてきたダイビングヘッドで日本代表を勝利に導き、ワールドカップ切符を手繰り寄せたという点で、通算7点目は原点にもなっているのだろう。ブンデスリーガに戦いの場を移して5シーズン目。不断の努力を積み重ねながらマインツのエースストライカーとして2シーズン連続で2桁ゴールをマークし、プレミアリーグのレスターからオファーが届くまでの存在に成長しても、間もなく29歳になる岡崎のプレースタイルの根本的な部分は変わらない。174cm、76kgと小柄なストライカーが生き残っていくためには、屈強な大男たちが壁を築くゴール前へ怯(ひる)むことなく飛び込んでいく勇気が何よりも求められる。岡崎からはこんな言葉を聞いたこともある。「恐怖を感じる前に飛び込んでいくんです」。○柴崎のゴールを体を張って“アシスト”した理由3月31日に味の素スタジアムで行われたウズベキスタン代表との国際親善試合。後半9分に十八番のダイビングヘッドで2点目を決めた岡崎は、同35分には体を張って味方のゴールを“アシスト”している。相手のFKが壁に当たり、こぼれ球がピッチ中央に弾む。飛び出した22歳のMF柴崎岳(鹿島アントラーズ)が、前に出てきた相手GKの頭越しにループシュートを放つ。距離にして約40m。3回バウンドしてゴールに吸い込まれるまで、岡崎は追走してくる相手DFを抑え、それでいてボールには触れずに、最後は笑いながらボールとともにゴール内へ転がり込んだ。「ゴールというものは、一人の選手にとって大きなものになる。自分はそれを知っているから、ああいうプレーができたんだと思う」。自己犠牲を厭(いと)わない岡崎の献身的な姿に、就任2戦目を5対1の大勝で飾ったヴァイッド・ハリルホジッチ監督も賛辞を惜しまなかった。「素晴らしいことだし、珍しいことだし、(世界中の)どこにも存在しないことだ。(5つのゴールのなかで)実は一番スペクタクルなのかもしれない」。○2戦2発で射止めた新生日本代表のエースの座ボールをかき出そうとした相手DFの足につまずくなど、件(くだん)のシーンではけがに見舞われる恐れもあった。サッカーを愛する子どもたちにはまねをしてほしくないという願いを込めて、岡崎は4月2日に更新したブログにこう綴(つづ)っている。「あの場面で迷わずガムシャラにボールをゴールへ押し込んで欲しいなって思います。まずはガムシャラにサッカーをすることが、みんなには大事だと思うから」。自分自身にリスクを生じさせた点は反省しているが、柴崎のゴールを優先させた選択は後悔していない。2戦2発でハリルジャパンでもエースを拝命し、日本歴代2位の三浦知良(横浜FC)の「55」得点を視界にとらえた岡崎はさらなるレベルアップを誓う。「奪った後に縦への速いボールが自分に入ってくるので、それをどうやってさばけるか。そういうプレーの質を高めてもっとゴールを奪いたいし、チャンスメークもできるようにしたい。まだまだ気が抜けないし、もっと上を目指したい」。原点を貫き通すいい意味での頑固さと、際限なく湧きあがってくる貪欲な向上心。そして、前線で放つ大きな存在感とフォア・ザ・チームの精神。ハリルホジッチ氏を含めた歴代の日本代表監督が、岡崎に魅せられてきた理由がここにある。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年04月04日ザディグ エ ヴォルテール(Zadig et Voltaire)が3月24日、青山店でアーティストの大竹司によるウインドーライブペインティングを開催した。大竹司は現代美術ギャラリー「山本現代」に所属するアーティスト。金沢美術工芸大学などで伝統的な日本画を学び、近年では妖怪や招き猫といった日本独特のモチーフを、カラフルな色彩と軽妙なタッチで描いている。ザディグ エ ヴォルテールでは、創始者ティエリー・ジリエ(Thierry Gillier)が大竹の作品に感銘を受けたことから、14SSコレクションでコラボレーションを展開。今シーズンにも、大竹の作品をテキスタイルに取り込んだコレクションを発表している。今回のライブペインティングは、そんな両者の関係によって実現したプロジェクト。ライブペインティングでウインドーに描かれた作品は4月19日まで展示される。
2015年03月31日向井理と片桐はいりという異色の顔合わせが話題を呼んだ昨年公開の映画『小野寺の弟・小野寺の姉』。本編に加えて80分に及ぶ特典映像と豪華特典を収録したブルーレイ&DVD(特別版2枚組 ブルーレイ 5,800円税別 / DVD 4,800円税別 発売元:ポニーキャニオン)がリリースされた。監督・脚本・原作は映画『怪物くん』やアニメ『TIGER & BUNNY』など、数多くのヒット作を手がけている西田征史。西田はこの作品で第39回報知映画賞の新人賞を受賞するなど、その手腕を存分に発揮。今後さらなる活躍が期待されるクリエイターの一人でもある。物語は早くに両親を亡くして以来、一つ屋根の下で二人暮らしをしているより子(片桐)と進(向井)の姉弟が主人公。過去の失恋が原因となり恋愛に臆病になってしまった33歳の進と、他人よりもこだわりが強すぎ、おまけに生命力も異常なまでに強すぎる40歳のより子。互いにクセがありながらも、ほどよい距離感を保ちながら暮らしていた2人だが、ある日、誤って配達されてきた一通の手紙をきっかけに、それぞれの人生が意外な方向へ転がっていく……。2012年の単行本出版、2013年の舞台版(向井、片桐主演)を経て映画化された、"日本一不器用な姉弟"の恋愛と家族愛を描いたハートウォーミング・ストーリーだ。撮影を振り返っての思い出や作品への思い入れについて、向井は「舞台版の時に3カ月くらい、毎日ずっと稽古で、もちろん片桐さんも一緒で、地方に1週間っていうのもありましたし。舞台の演出も幕が開くと二人芝居から始まる形だったので、幕開け前は二人で必ず握手をしてました。映画は、そういうのがあっての集大成な感じもしますね」とコメント。また、「オーディオコメンタリーはかなり裏話をしているのでおすすめです。また、色々な質問にも答えているので楽しめると思います」と、今回のパッケージ化のオススメポイントをアピールしている。向井のコメントにもあるように、今回リリースされた特別版と通常版には映像特典として向井理と片桐はいり、西田監督によるオーディオコメンタリーとメイキング映像、予告編集を収録。加えて特別版は劇中に出て来るキャラクター・犬のペロ君のポストカード、そして全24ページオールカラーブックレット付と実に盛りだくさんとなっており、作品を見た人はもちろん、初めてこの作品に触れる人にも楽しめる内容となっている。ブルーレイだと特別版と通常版の値段の差は1,100円だが、その分かなり充実したボリュームとなっている。
2015年03月17日前編に引き続き、電子黒板機能付きプロジェクター"CP-TW3003J"の開発を担当した小野寺氏と、プロトラブズ社長トーマス・パン氏との対談をお届けする。後編では、実際の利用シーンと将来の活用方法について話が発展した。○これ一つですべての授業が可能にトーマス・パン氏(以下パン氏):電子黒板機能付きプロジェクターを使いこなせば、これだけで学校の授業を完結させることができますね。単に補佐するものではなく、こうした製品であるのは、どのような理由からでしょうか。小野寺信二氏(以下小野寺氏):黒板に書くような手書きと、デジタル機器として教材を呼び出したり書いたものを保存したりといったことの両方を、画面内の操作だけでシームレスかつ直観的に行えることをめざしたいと思い、開発しました。パン氏:それは学校への導入に際して、従来の考え方では難しい点があったということでしょうか。小野寺氏:機能を増やすと、先生方が使いこなすにはどうしてもトレーニングが必要になります。PCが動かないというだけで混乱してしまう。とはいえ、そのハードルは2年前と比べるとだいぶ下がってきました。スマホやタブレットが普及したおかげで、フラットパネル上での指やペンでの操作が身近になりました。パン氏:確かに、触って操作することに多くの人が慣れてきましたね。そうした教育の現場以外で、注目されている分野はどこでしょうか。小野寺氏:まずはビジネスユースです。書いた画像を保存できるので、会議の情報を容易に共有できますから。企業のお客さまからは、マーカーに近い書き心地や小さい字を書きたいという要望もあります。また、そのほかに美術館や展示会での利用も考えられると思います。双方向性を活かして絵画の関連情報を知ることができる、そんな利用方法も面白いのではないでしょうか。○双方向が創る未来パン氏:ハードウェアとアプリケーションが複雑に関係し合っているこのプロジェクターですが、新しいマーケットを見据えて、ソフトウェアを飛躍させることによりハードを売るという流れも見えてきますね。小野寺氏:一つお伝えできるのは、デジタル教科書です。今、教科書業界で次世代デジタル教科書の共通プラットフォーム開発に取り組んでいるという話もあります。例えば歴史の時間には「関ヶ原の戦い」が動画で見られるなど、電子黒板の上に教科書の内容に関連した動画などのデジタル教材が出せるようになります。このとき、操作やインタフェースがある程度共通化されると、先生方にとっても使い勝手が向上するのではないでしょうか。そのような環境が整い、先生方がアナログ・デジタルを意識せず、双方向のツールとして電子黒板を使い、子どもたちと向き合える、そんな授業のお手伝いができればと思っていますし、こういった進化に、プロジェクターもどんどん対応していきたいと思っています。パン氏:なるほど。教材を共有すれば、どんな先生であっても教え方を標準化することができますね。ここには非常に大きな夢があるように感じます。ものづくりの会社をやっている身としては、社内のトレーニングに使いたいですね。適切なガイドをすることで、誰が作っても高い品質のものができるようになる。そういった教育が、インタラクティブ機能を持ったこのスクリーン上で可能になりますね。小野寺氏:「表示するだけ」のプロジェクターにとどまらず、「双方向」というキーワードのもと、より広い用途で使っていただきたいですね。○アナログとデジタルをなめらかにつなぐパン氏:こちらの製品は2014年7月に発売されたばかりですが、反響はいかがですか?小野寺氏:主に教育関係の方に使っていただき、おおむね好評を得ています。しかし、課題もあります。今までマーカーでホワイトボードに書かれていたというお客さまからは、応答性をもっとあげてほしいという声がありました。人は字を書くとき、書いた軌跡を瞬時に判断し、次に書き始める位置を決めていきますが、電子黒板への指や電子ペンでの入力は、どうしても遅延が発生してしまうので、自分がいつも書いている文字と少し違ってきます。センサーのレスポンスやセンシティビティをさらに上げるのが今後の課題です。パン氏:もっと細かく、素早く反応してほしいというわけですね。ただ、解像度も処理速度も上げるとなると、コストとの兼ね合いが難しくなるのではないでしょうか。小野寺氏:確かにそうですが、お客さまからの要望でもあり、理想としては、アナログペンと同じような感覚でデジタルを使えるというところまで持っていきたいと考えています。また、今は平らな面に限られていますが、将来的には曲面や凹凸面など、さまざまな場所で操作可能な「投写する表示装置ならではの機能」を開発したいと思っています。○製品づくりで忘れないことパン氏:お話をうかがっていく中で、この電子黒板機能付きプロジェクターは単なるツールではなく、一つの文化になっていく可能性を秘めた製品だと感じました。また、ものづくりをしている者として品質へのこだわりと苦労にはとても共感できます。日立さんはパートナーさんとの関係をきちんと構築し、最後までやり抜いて日立の高品質な商品として市場に送り出している。この点はとても印象的でした。小野寺氏:ありがとうございます。「品質を守る」は、入社以来ずっと言われてきたことです。今後も品質を守りながら、パートナーの皆さんと一緒にものづくりを進めていきたいと思っています。「製品はお客さまのためにある」のだとわれわれは考えています。
2014年12月24日古味直志氏による漫画で、2014年1月~5月に放送されたTVアニメ『ニセコイ』に登場する「小野寺小咲」と「鶫誠士郎」が、2.5頭身のデフォルメフィギュア「ねんどろいど」シリーズで立体化され、「GOOD SMILE ONLINESHOP」にて予約受注がスタートしている。価格は3,704円(税抜)。2015年2月に発売される『ねんどろいど 小野寺小咲』は、特徴的な凡矢理高校の制服を丁寧に作り込んで立体化。表情パーツには、優しい「笑顔」に加え、ちょっと困ったような表情が小咲らしい「恥ずかし顔」やコミカルな「慌て顔」を用意している。さらに「通学かばん」や物語の鍵となる「約束の鍵」などオプションパーツも豊富に用意しており、ドキドキの告白シーンや登校シーンなど、劇中のさまざまなシチュエーションを再現できる。そして、2015年4月に発売される『ねんどろいど 鶫誠士郎』は、「ビーハイブ」の腕利きヒットマンを立体化。動きやすさ重視のブレザー系男子制服はもちろん、トレードマークでもある大きなリボンや銃もデフォルメながらも細部まで細かく造形されている。表情パーツにはクールな「通常顔」、コミカルな「慌て顔」や女の子らしい「恥ずかし顔」を用意。そのほか銃や劇中で登場したYシャツ姿の上半身が付属し、『ねんどろいど 小野寺小咲』と合わせて、劇中シーンを楽しめる。原型制作は、ともに七兵衛が担当。商品価格は3,704円(税抜)で、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の受注締切はともに、11月26日21:00。商品の発売および発送は、『ねんどろいど 小野寺小咲』が2015年2月、『ねんどろいど 鶫誠士郎』が2015年4月を予定している。(C)古味直志/集英社・アニプレックス・シャフト・MBS
2014年11月03日俳優の向井理と女優の片桐はいりが30日、都内で行われた映画『小野寺の弟・小野寺の姉』(公開中)の大ヒット御礼舞台あいさつに出席した。『小野寺の弟・小野寺の姉』は、両親を亡くしてから、一軒家で暮らす不器用な姉弟の恋を描く、温かい人間ドラマ。向井、片桐の他、山本美月、及川光博、ムロツヨシ、寿美菜子、麻生久美子、大森南朋ら豪華キャストが出演。実写映画『怪物くん』(2011年)や、アニメ「TIGER&BUNNY」などの脚本を手掛けた西田征史監督がメガホンをとった。ぴあの出口調査で満足度ナンバー1になったことについて向井は「すごくうれしいです。満足度ってバロメーターなので」と大喜び。姉弟役ということで、似ている部分を尋ねられると、片桐は「体温が同じでした。体温というか、作品に対するモチベーションの温度が、同じでした。それは奇跡的なこと」と言うと、向井もうなずき「気負いがなかった。だらけているわけじゃないけど、西田さんがメガホンをとっていたからだと思います。一軒家で撮影していて、昭和のノスタルジーみたいな感じ。今回は脱力系のお芝居が必要とされていたので、そこの調節が似ていたかなと思います」と、撮影を振り返った。続いて、向井と片桐の仲良しぶりがわかるエピソードを、西田監督が披露。「一軒家に控室があり、呼びに行ったら、ふたりが横で寝てるんです。男と女じゃないですか!主演女優と、主演男優でしょ!?2人が無防備に寝てるのを見て、姉弟みたいだなと思いました」と感心。2人は覚えてないようだったが、片桐は「でも、これだけいっしょにいて、何の噂もなかった(苦笑)。悔しいな」と恨み節を口にし、会場は爆笑の渦に。3人とも続編についても前向きで、向井が「何でもできると思うんです。西田さん次第で」と言うと、片桐も「寅さん映画みたいに46作!」と西田監督にラブコールし、会場からも拍手が上がる。また、クロストークの後、向井たちから、感謝の気持ちを込めて、スペシャル映画グッズが当たる抽選も行われ、大盛況のまま、幕を閉じた。
2014年10月31日飛ぶ鳥を落とす勢い、とはまさにこのこと。向井理さんがすごい勢いで活躍しまくっているのはご存じの通り。先日、あるお仕事でインタビューをしましたが、あのちっちゃなお顔を目の前にして、「確かに、カッコいい」と認めざるを得ませんでした。そして、取材の際に撮影した写真がまたカッコいい。映画でも、TVでも、CMでも、グラビアでも文句なし。でも、“何をやってもカッコいい”という評判は、もしかすると、俳優にとってはちょっとやっかいなものなのかもしれません。美しすぎた若き日のブラピが、デビューからしばらくは奇妙な役ばかりやっていましたが、やはり真剣に演技へと向かっていこうとすると、外見がイカし過ぎなのは考えもの。そこばかりに目が行き、正当な評価がされにくい。贅沢な話ではありますが、本人たちにとっては深刻な事態。あえて、個性的な役に挑むのは当然の流れといえます。そこで映画『小野寺の弟・小野寺の姉』。ここで向井さんが演じるのは、早くに両親を亡くしてから、姉・より子(40歳)と一軒家で共に暮らし続けている小野寺進(33歳)。不器用で内気、恋に奥手な進と、弟の幸せを願い続け自分の幸せを後回しにしてきた姉の、互いを思いやる心が何とも胸に染み入る物語です。進は、いつも髪に寝ぐせをつけ、ファッションにもそれほどこだわらない黒縁眼鏡男。“崩れた”というには、まだまだ“向井理”の原型を残し過ぎですが、決してイケメンではない役で、ぼそぼそと喋る完全な理系。ご自身も、わりと“暗い”らしく(本人談)、さらに親しくしている西田征史監督が彼のために書いた役だそうで、本人に近い部分も多いとか。この世界に入っていなかったら、彼はこんな感じで生きていたのかな…という“もうひとつの可能性”を探ってみるのも、本作の面白い見方かもしれません。とはいえ、向井さんじゃなく小野寺進だって、現実に近くに居たら十分に“射程圏内”という人は多いはず。姉の優しさにより育まれた彼の思いやり溢れる性格は、人によっては物足りなかったり、分かりにくかったりするかもしれません。ちゃんと好きなら好きだと言って欲しいし、自分からデートに誘って欲しいし、二人の関係がなかなか進められない理由があるならそれもきちんと説明して欲しい。そう思うのが女性でしょう。でも、日本人は昔から、察する文化を共有してきたのだから、こんな風に不器用な人の気持ちを察することは比較的得意なはず。みなまで言わない、そういう奥ゆかしさがカップルの中にあってもいいし、それができる間柄も素敵だと思うのです。親しい仲にも、距離はあっていい。実は、進とより子の関係も、親しいばかりでなく距離があります。それは、冷めているからではなく、思いやりや敬意があるからこそ生まれる距離。それを大切にできる人たちは、人を慮ることができるし、誰にでも優しくて調子ばかり良い器用な人よりは、ずっと誠実な感じがするのです。外見ばかり気にしていておしゃれ過ぎる男性も、ちょっと浅い気がしますし。進の寝ぐせだけはどうにかしてほしいですが、これは女性が毎朝何とかしてあげられそうですからね。つまり、私は好きなんです。不器用でちょっと距離感がある進のような人が。そういう人が徐々に距離を詰めてきたとき、さらに喜びを感じたりして。明け透けでない相手の心をさぐるのも楽しいもの。向井理≒小野寺進の魅力から、イカしすぎない男性の魅力に目覚めてみては?(text:June Makiguchi)■関連作品:小野寺の弟・小野寺の姉 2014年10月25日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会
2014年10月27日「ぴあ」調査による2014年10月24日、25日のぴあ映画初日満足度ランキングは、向井理と片桐はいりが主演した『小野寺の弟・小野寺の姉』がトップに輝いた。2位にデンゼル・ワシントンが『トレーニング・デイ』の監督と再タッグを組んだ主演最新作『イコライザー』が、3位にヨガを通して変わっていく女性の姿を描いた『シャンティ デイズ365日、幸せな呼吸』が入った。その他の写真1位の『小野寺の弟・小野寺の姉』は、生真面目な姉と引っ込み思案で奥手な弟の恋と人生を描いた作品。監督は『TIGER&BUNNY』の脚本家、西田征史。出口調査では「ほのぼのと心温まる姉弟の物語で、片桐はいりの素朴で味のある演技がよかった」「姉弟ふたりの掛け合いが本当におもしろかった。笑えて、ラストはうるっとくる締め方で泣きそうになった」「のんびりとした映画だったが、自分のことを振り返り、改めて身近にいる人たちの大切を感じた」「思いやりの心、ありがとうの気持ちが描かれているので心に余裕がない人に観てほしい」など、10代から60代までの観客から支持を集めた。2位の『イコライザー』は、ワシントンが仕事請負人として夜な夜な世の不正を抹消していく男を演じたアクション映画。観客からは「寡黙だがやるときはやるという主人公のキャラと、デンゼル・ワシントンの落ち着きがあってタフで強いという雰囲気がマッチしていてよかった」「デンゼル・ワシントンの力強いアクションが観られて大満足! 伏線をしっかり回収したストーリー構成もよい」「観終わったあとに余韻を残す“静”のあるアクション映画。本で主人公の心理を表現するなど、いろいろな工夫があっておもしろかった」「身の回りの物を使って敵を倒すなど、映画的におもしろい要素が多くある作品」などのコメントが寄せられた。(本ランキングは、10月24日(金)、25日(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2014年10月27日「今回ほど、自分自身と役の境目がなかったことはないですね」。映画『小野寺の弟・小野寺の姉』で演じた進という役柄について、向井理はそう語る。朝ドラから漫画原作の映画までタイプの異なる幅広い役をこなし、自然に役に溶け込むがゆえ、どの役からもなかなか彼自身の“素”が見えないが、本人の言葉を信じるなら、本作で見せている姿が、まさにプライベートでの向井理そのものということになる。その他の写真両親の死後、2人で生きてきた姉のより子と弟の進が反発し合いながらも互いの幸せを願い奔走する姿、各々の不器用な恋愛模様を絡めつつ描き出す本作。向井にとって特別な作品となったようだ。原作は本作で長編初監督を務めた西田征史自身による小説。映画に先立ち昨年、映画と同じく向井と片桐はいり主演、西田演出による舞台版が上演されたが、5年ほど前から映画化を含めた企画が決定していたとあって「やっと来た、という思いだった」と明かす。舞台版が姉弟に降りかかる非日常的な事件を描いたのに対し、映画で描かれるのは他愛のない日常。それを踏まえ、向井が意識したのは「より子との距離感」だった。「2人が一緒にいて話しているシーンはもちろんですが、セリフなしでより子を見ている進の表情からより子の人物像が見えてきたり、一人でいる時でも何となく互いへの愛情が見えてくる、そんな雰囲気を出せればと思ってました」。とはいえ冒頭の発言でも分かるように、役を作りこむといった作業は一切なく、西田からも細かい注文も片桐と姉弟関係について話し込むということも全くなかった。「何も考えてなかったというのが正直なところです(笑)。舞台の上で少し緊張してスタンバイしている僕らの姿や、撮影の合間にベラベラと話している様子を見て、西田さんには僕らが本当に姉弟に見えたそうです。作りこんで役に寄せるのではなく、自然に築いてきた関係をそのまま映像に乗せたという感じでした」。2010年の『ゲゲゲの女房』への出演と前後して巻き起こった“熱狂”から数年。いまなお人気は衰えることを知らないが、周囲の喧騒をよそに当人は「僕自身はデビューしてから何も変わってないというのが正直な思い」と冷静そのもの。ただ、本作の西田然り、同じ監督・演出家と2度目、3度目となる仕事が増えてきたことに喜びと責任を感じている。「一度呼ばれて、次もまたその次の作品でも呼ばれるものを常に提示していきたいです」。『小野寺の弟・小野寺の姉』10月25日(土)新宿ピカデリーほか全国公開取材・文・写真:黒豆直樹
2014年10月23日映画『小野寺の弟・小野寺の姉』の試写会が10月14日(火)に開催され、主演の向井理と片桐はいりが揃って舞台挨拶に登壇した。不器用ながらも互いを思いやる姉弟の姿を描いたハートウォーミングコメディ。親を亡くして以来、2人で暮らしてきた小野寺姉弟のなかなか進まない恋模様などを描き出す。公開前に映画をアピールする絶好の機会ながら、向井さんも片桐さんも劇中のテンションそのまま自然体ののんびりしたムード。片桐さんが「眠くなるような…いや、家でくつろいでいるような感じで観ていられる映画が出来ました」と言えば、向井さんも「何もない…いや、ストレスなく観られる映画です!」とまさかのネガティブPRかという失言まじりで映画を紹介し笑いを誘う。ダメ男気味の進を演じる上で、向井さんには意外な苦労があったそう。役柄的にどちらかと言えばヒョロッと弱々しいイメージの進だが、ちょうど本作の撮影の時期は、向井さんが元プロボクサーの警官を演じたドラマ「S -最後の警官-」の撮影と重なっていたそうで当時、向井さんの肉体はムキムキ!「大変でしたよ。緩い服を着ないと(筋肉が)浮いちゃう…」と苦笑交じりにふり返ったが、“姉”からすかさず「筋肉自慢?」と茶々が入る。さらに片桐さんは「シャワーシーンもありますので!」と向井さんの隠れマッチョ(?)ぶりを発見するチャンスとばかりにファンの期待を煽る。片桐さんは、改めて向井さんについて「みんなが弟にしたいキャラ。いつもこっちが勝手なこと言ってても微笑んで受け止めてくれる」とその度量の広さ、懐の深さを絶賛。向井さんは片桐さんについて「自然体でいられるのがすごい。作っているわけでも天然でもなく、素でそこにいられる強さを持っている」と評する。初共演の時から現場で自然に仲良く言葉を交わしていたそうで、その時には舞台や本作の企画もすでに動き出しており「常にこの作品のことが頭の隅にあった」と向井さん。片桐さんは「その間に“ゲゲゲ(=向井さん出演の朝ドラ『ゲゲゲの女房』)”も“じぇじぇじぇ(片桐さん出演の朝ドラ『あまちゃん』)”もあり、向井理の成長を見てきました。ずいぶん変わりましたよ」と“弟”の成長に目を細めていた。『小野寺の弟・小野寺の姉』は10月25日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:小野寺の弟・小野寺の姉 2014年10月25日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会
2014年10月15日「EXILE」および「三代目J Soul Brothers」のメンバーである岩田剛典が10月8日(水)、初めての連続ドラマレギュラー出演作となる「ディア・シスター」の制作発表会見にW主演の石原さとみ、松下奈緒らと共に出席した。自由奔放な妹・美咲(石原さん)と真面目な委員長タイプの姉の葉月(松下さん)という正反対の姉妹を中心に展開する本作。岩田さんは、美咲の同級生で彼女に想いを寄せるも、それを伝えることで関係が壊れるのを恐れ、“親友”という立場で彼女をそばで見守る永人(えいと)を演じる。永人という役柄について「年齢的にもキャラクターとしても自分と通ずるものがあると思います。チャーミングに演じていきたい」と語る。初めての連ドラレギュラー出演となるが、「みなさんのお力をお借りして精一杯、自分らしく演じられたらと思います」と意気込みを口にした。特に、永人を演じる上では「中性的な感じを意識している」という。また、永人はプロを目指すスケートボーダーという設定とあって「夜な夜な、スケボーの練習をしています」とも明かす。さらに「脱ぐシーンが意外と多いです(笑)」とファンにとっては朗報も!「(撮影の)直前に筋トレをしています!」と少しでも美しい肉体をという努力を明かし、会場は笑いに包まれた。ちなみに、田辺誠一が演じる宗一郎は永人の兄だが、葉月も美咲も高校教師だった宗一郎のことが好きだったという過去があり、永人にとっては兄が恋のライバルに…?会見では、その田辺さんから「かわいい弟が出来ました」という嬉しいコメントも聞かれた。タイトルの“ディア(=親愛なる)”にちなんで、「いま最も“ディア”な存在は?」という質問にはやはり「EXILE TRIBE」の存在を挙げる。今回の連ドラ出演に際しても、リーダーのHIROやメンバーからも活躍を期待するメッセージが届いているそうで、“俳優”としての成長を誓っていた。「ディア・シスター」は10月16日(木)よりスタート/毎週木曜22時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年10月08日日本を代表する世界的デザイナー山本耀司のデザイナーとしての足跡をたどる新刊「山本耀司。モードの記録。」(2,835円)が、1月24日文化出版局より発売となった。本書は、文化出版局の雑誌「装苑」「ハイファッション」「ミスター・ハイファッション」の3誌で長年取材、掲載してきた、山本耀司の膨大な記事の中から、テーマを厳選し再構成したものが中心。山本耀司の長年のファンの方はもとより、ファッションを学ぶ人や、クリエイティブな仕事の現場にいる人にも、クリエーションとは何かを、上質で美しい写真とテキストでインスピレーションをもたらしてくれるおすすめの一冊に仕上がっている。トピックスの中には、1991年に東京で開催された「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」との合同ショー「6・1 THE MEN」やパリコレでのバックステージ写真、ヨウジヤマモトの30年間の全コレクションアーカイブの他、ヨウジヤマモトを着る男たちとして、西島秀俊、伊勢谷友介、大沢たかお、市川海老蔵、吹越満ら9人の旬な男たちも登場。また山本里美との対談、ヨウジヤマモトを着たピナ・バウシュのポートレートなど貴重な記録に加え、現在の山本耀司がクリエーションと社会についての思いを語った約1万字の最新インタビューなどが、240ページに渡って展開される。(text:Miwa Ogata)
2014年01月28日「私、初恋の相手は聖司くんなんだよね・・・」とこっそり打ち明けてくる女性、結構たくさんいますよね。イケメン揃いのジブリの男性キャラクターの中でも不動の人気を誇るのが、「耳をすませば」の天沢聖司くん。しかも彼はただのイケメンではなく、「バイオリン職人になる!」という夢のために頑張っているアツい一面も持っているのです。聖司くんのように、夢を持って一途に頑張る聖司くんタイプの彼には、普通のアプローチは通用しません。そんな彼に好かれる方法を、リチャード・テンプラーの著書『上手な愛し方』を参考にお教えします。これで聖司くんゲットも夢じゃない・・・!?■1.ありのままの自分を見せる「好きな相手にこそ、ほんとうの自分を見せてしまおう。それが相手の理想のタイプとちがうなら、深みにはまる前に相手が気づいてくれる。」聖司くんタイプの彼はとても鋭いです。相手と自分の感性や波長が合うかどうか、を察知する能力に長けています。そのため、彼の前では猫をかぶったりせず、ありのままの自分でいることが大切です。そのままのあなたが持つ魅力こそ、彼が見極めたい部分だからです。腹の立つことを言われたら、雫のように「イヤなヤツ!」と毒づいても構わないのです。■2.すごくないところも好きになる「パートナーに高みにいてもらいたいなら、ときには神棚に置いて崇拝するのもいいだろう。しかし、そこに置きっぱなしにするのはいけない。好きに昇り降りさせて、相手が神のごとくふるまうときだけ、あなたはそれを楽しめばいい。」才能豊かな彼を好きになると、あまりすごくない部分を目にして勝手に幻滅してしまうこともしばしば。しかし、互いに想いあいたいと思っているならば、彼の「すごくない」部分も含めて愛する必要があります。雫も、もともとは天沢聖司を「やさしく静かで知的な人」だと思っていました。しかし実際の聖司くんは意地悪も言うし、ちょっとストーカーっぽいし、イメージとは全く違うタイプの男の子でした。雫も最初は驚きますが、想像よりもずっと活き活きした聖司くんの魅力を素直に認め、惹かれていきます。■3.憧れるだけではなく、彼から良い影響を受ける「ふたりの関係がいいものならば、おたがいへの依存心は減り、自立心が育まれるものだ。相手を愛するということは、そのままの相手を認めるものだからだ。」雫は聖司に「詩の才能あるよ」と言われたことで自信を得て、「あいつがやるならあたしもやってみる」と、自分も「物語を書く」という夢を追うことを決意します。聖司くんが雫にプロポーズまでしたのは、「お互いに良い影響を与え合い続けられる」と感じられたからかもしれません。■4.ロマンチストな彼の願望を叶える「ふたりの時間が少なくなるほど、このルールは重要になる。愛とは火を燃やすようなものだからだ。どうにかして絶やさない方法を見つける必要がある。」聖司くんタイプの彼は基本的にロマンチスト。雫との久しぶりの再会のとき、聖司くんは「雫に早く会いたくてさ。何度も心の中で呼んだんだ!雫ーーーって!そしたらさぁ、本当に雫が顔出すんだもん。すごいよ、オレたち!!」と興奮気味に語り、このテンションのまま雫にプロポーズをします。朝もやを二人で眺めたり、彼の才能をラピス・ラズリに例えるなどして、ロマンチストな彼の願望を次々に叶えてあげましょう。そしてここぞという時に「言葉がなくても通じ合ったね、今・・・」と口にすれば完璧です。■5.夢の実現を誰よりも応援する「だれかを愛するなら、相手の夢や野心、計画を応援するのは、あなたの仕事だ。そこで、あなたがすべきことがある。それは心を広くもち、熱い思いを共有し、しんぼう強くなること。そして、嫉妬や怒りの気持ちをぐっとおさえることだ。」バイオリン職人になりたい、という夢を聖司くんに打ち明けられた雫は、少し劣等感を感じてしまいます。もしも雫がそのまま「あ~、才能ある人はいいよね!私なんか受験勉強もしてないし!あいつ何なの?才能自慢?」と思ってしまっていたら「耳をすませば」という名作は生まれませんでした。雫は、聖司くんのことを心から尊敬し、彼の才能を信じて待っていようと決意します。その上で、彼に追いつこうと必死で物語を書きはじめるのです。僻んだり悲しんだりせずに彼を応援したからこそ、二人の未来は開けていったのです。■さいごに己が信じた道を、わき目もふらず突き進んでいく男性って本当に素敵ですよね。そんな男性に好かれるためには、彼の才能を理解し、応援し、自分も良い影響を受けることが大切。ともに成長していこうとするあなたの姿を見れば、彼も「大好きだ!!」と言わずにはいられなくなるはずです。参考文献:リチャード・テンプラー『上手な愛し方』ディスカバー・トゥエンティワン参考URL:「耳をすませば全セリフ集」小嶋もも/ハウコレ)<おすすめ記事>・ベジータ系男子を落とす方法・『ハリー・ポッター』マルフォイ系男子の落とし方・7選・「進撃の巨人」で気になる彼と距離を縮める方法・5選
2013年07月05日片桐はいりと向井理が姉弟役で共演する舞台、『小野寺の弟・小野寺の姉』が7月に開幕。そこで小野寺の姉・より子役の片桐はいりと、小野寺の弟・進役の向井理にそれぞれ話を訊いた。舞台『小野寺の弟・小野寺の姉』チケット情報すでに『ママさんバレーでつかまえて』『ハングリー!』でも共演を果たしている片桐と向井。向井は片桐について、「本当にすごい人」と切り出し、「僕が心から尊敬していることを、はいりさんは全然感じていないと思いますけど(笑)。そんなはいりさんと、特に舞台でご一緒出来るのは本当に楽しみですし、同じくらい怖くもあります」と明かす。それについて片桐は、「向井さんは私と真逆の人。不器用な私と違って、何でもサラリとこなせてしまう。自分とは全然違うタイプだからそう思うのではないでしょうか…」と、遠慮がちに語る。今回作・演出を手がけるのは、『ママさん~』でもそのふた役を担った西田征史。実は片桐にとって西田作品は、「最大公約数をつかむような、かなり難易度の高いもの」らしい。「私が考えつかないような角度から、西田さんの笑いは生まれていく。どちらかと言うと私は、ピンポイントを狙うような芝居に慣れているので、そこはもうちょっと間口を広げていかないと難しいかなと思います」と、現段階での課題を挙げる。さらにあまりやったことのない、物語の主軸を担う人物だけに、「そういう“わきまえのある主役”というのを(笑)、向井さんに教えてもらいたいです」と続ける。その向井にとって西田は「兄貴みたいな存在」であり、「ちゃんと笑えて、意外に泣ける。すごく緻密で愛のある作品を作られる方。そんな西田さんが長年温めていた作品に参加できるのは、すごく嬉しい」と目を輝かせる。また舞台では初のコメディということで、「そこは今まで全部はいりさんに持っていかれたところなので、今回はぜひ僕も取りにいきたい」と意欲を見せる。向井が演じる進は、姉に翻弄されながらも能天気で自由な、ちょっと内気な男性。自らのことを「あまり快活ではない」と語る向井だけに、「あまり違和感なくできるのでは」と笑う。片桐演じるより子は、本人いわく「思いの分量が多過ぎる人」。また足し算ではなく引き算していく役だと考えており、「今回はちょっと薄味にチャレンジしてみようかなと。『私の出汁、どれくらい出てますか?』ってことをはかられる場所になると思います」と話し、ベテラン女優のさらなる飛躍を予感させた。公演は7月12日(金)から8月11日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、8月22日(木)から28日(水)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。東京公演のチケットは発売中。大阪公演は5月18日(土)午前10時より一般発売開始。なお、チケットぴあでは大阪公演のインターネット先行抽選を5月1日(水)午前11時より受付。取材・文:野上瑠美子
2013年04月26日『ひとつ屋根の下』など数々のヒットドラマを手掛けた脚本家・野島伸司が、初めて舞台の脚本に挑戦。生のステージに築かれた新たな野島ワールド、『ウサニ』が開幕する。『ひとつ屋根~』で野島とタッグを組んだ演出家・永山耕三が演出を担い、テーマ音楽となるオリジナル曲を小室哲哉が書き下ろすなど、ドラマファン、音楽ファンも注目する話題の舞台だ。開幕前日の8月2日、公開リハーサルと会見が行われ、主演の溝端淳平と共演の平野綾、真野恵里菜、高岡早紀、山本耕史が登場し、本作への意気込みを語った。「ウサニ」チケット情報「23歳の僕には1回じゃ理解できない、深い愛の哲学を描いた不思議な世界」と溝端が言うように、現実と幻想の間を錯綜するストーリーは、次から次へと思いもよらぬ展開をみせる。青年コーゾー(溝端)が美味しいイチゴを作るため、アマゾンの奥地から持ち帰った伝説のへびイチゴの精霊は、ウサギに似たぬいぐるみ・ウサニ(平野と真野のWキャスト)に変身し、純真な愛をコーゾーへ注ぐ。その思いにほだされながらも謎の美女レーコ(高岡)との愛欲におぼれるコーゾー。そこにアマゾンの大蛇王スネーク(山本)が、ウサニを取り戻そうと現れる。ウサニ役の平野と真野は、愛らしい着ぐるみ姿で溝端を囲み「成立させるのが難しいほどの世界観。いろいろな視点から見ていただけたら」(平野)、「野島さんの初の舞台脚本にヒロインとして出させていただけて幸せ」(真野)とそれぞれコメント。浴衣姿の高岡が「この衣裳でわかるように、キャラクターが出て来るたびに違う世界が繰り広げられる。皆さんが今まで見たことのない世界に迷い込めるんじゃないかな」と落ち着いた自信の笑みを見せると、長い尾を持つ黄金の蛇に扮した山本も「かなり振り幅の広い世界観。いろいろなものを作り出してきた野島さんだけど、まだ新しいものが生まれるんだなと思った」と強く頷いた。ファンタジックな美術に彩られた舞台の上で展開するのは、コミカルかと思えばセクシー、はたまたスラップスティック。色合いの違うさまざまなシーンに意表を突かれる。“真実の愛とは?”“男はなぜ浮気をするのか?”といった深遠なテーマに向けて飛び交う言葉は、「見て見ぬフリが大事」「愛は使い捨てカイロのようなもの」等の野島流哲学だ。溝端が、まるでシェイクスピア悲劇を演じるかのように熱のこもった長い独白に全身全霊で挑み、健闘をみせていた。「のめり込むのが愛なのか、それとも居心地が良いのが愛なのか。そのふたつの対比が今回の舞台のカギなので、愛について考え直すきっかけになるのでは」と溝端。ファンタジーのヴェールに包まれた世界の奥で、辛辣な愛の痛みに出会う。そんな独特の魅力に満ちた舞台だ。公演は8月3日(金)から8月26日(日)まで東京・ルテアトル銀座 by PARCOにて上演。なお、限定公演日のみアフタートークイベントも開催する。取材・文:上野紀子
2012年08月03日