日本マクドナルドは、小・中学校の食育授業を支援するウェブ教材「食育の時間」に、食とスポーツを総合的に考える、子どものための“スポーツ食育”を題材にした新コンテンツ「放課後~スポーツを全力で楽しもう!もっと強くなれるヒミツ」を新設した。同社では、2005年7月にNPO法人企業教育研究会と共同で「食育の時間」を制作。未来を担う子どもたちがバランスの良い食生活を送るための知識を身につけ、食を選択する力を養ってもらうことを目的に、ウェブ教材として公開している。今回、取り組みが10年を迎えるにあたってコンテンツを新たに追加。「放課後~スポーツを全力で楽しもう!もっと強くなれるヒミツ」と題して、昨今の授業時間の増加や通塾等で忙しく毎日を過ごしている子どもたちのために、授業以外でも自主的に楽しく考えながら学べることを念頭に教材が開発された。“スポーツ食育”をテーマにした新コンテンツは、練習をより効果的にし、試合で活躍するには、毎日の食事や正しい生活習慣の積み重ねが大切であることを自ら考え、学べる内容。また、読み物スタイルのデジタルブックコンテンツも今秋以降に導入されるという。新コンテンツは、食育授業に45分を割けないことが多いという教員からの声をもとに制作給食の時間や朝の学習時間などの比較的短い時間でも活用できるサブ教材として追加していく予定だ。なお、「食育の時間」は、子どもたちにとって身近で大切な食にまつわる生活習慣や食生活を、テーマ別に時間割で構成されている。また、教材の提供だけでなく、「食育授業支援事務局」を設置し、授業を実施するにあたっての相談や授業用教具の貸し出し、モデル指導案の配布など、教員向けに授業づくりのサポートも行ってきた。2005年の取り組み開始以降、同教材を活用した授業 の受講児童・生徒数は、報告を受けている限りでも延べ13万人にものぼるという。実際に同教材を利用している茨城県鉾田市立串挽小学校 養護教諭の山口真理先生は、「給食時に野菜の栄養について指導した際、いつもは野菜を一口も食べない数人の子供たちがその日の給食の野菜を完食する姿が見られました。」とコメントしている。
2015年07月08日花總まり、蘭乃はな、城田優、井上芳雄らが出演するミュージカル『エリザベート』が今週末、東京・帝国劇場にて開幕する。6月9日、同劇場にて初日を目前に控えたキャストが意気込みを語った。チケット情報はこちら舞台は19世紀末のウィーン、若き皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ美貌の皇妃エリザベートが主人公。しかし自由を愛する彼女にとって宮廷の暮らしは苦痛でしかない。そんなエリザベートを黄泉の帝王トート(死)も密かに愛し続けていた。その愛はハプスブルク王朝を破滅へと導いていく…。1992年にウィーンで生まれた本作は、日本では1996年に宝塚雪組が初演。その後2000年には男女混合キャストで上演する“東宝版”と呼ばれるプロダクションが誕生、宝塚版・東宝版ともにコンスタントに上演され続けている大人気ミュージカルだ。今回はキャストに加え、演出・舞台美術、衣裳も一新され新しい『エリザベート』の誕生に大きな期待が寄せられている。タイトルロールをWキャストで演じるのは、1996年の宝塚版初演で同役を演じたオリジナルキャストである花總と、2014年の宝塚花組公演で同役を演じこれが宝塚退団後初ミュージカル出演となる蘭乃。「改めてエリザベートという役は本当に難しい役だなと痛感しています。宝塚版と東宝版では思った以上に違いがあります。新たにエリザベート役に挑戦するという気持ちでやっています」と花總。蘭乃は男優との共演が初めてとなるが「(実際の男性は)身体の大きさや厚みも違いますし、エネルギーがすごい。その中できちんと立っていられるように頑張っています」と話していた。エリザベートと相対するトート役は城田と井上が演じ、またエリザベート暗殺犯ルキーニ役も山崎育三郎、尾上松也というフレッシュな顔ぶれになった。「スタッフ、キャストを一新して、新しい僕たちの『エリザベート』を作ろうと意気込んで稽古してきた。それを皆さんに観てもらえるのを楽しみにしています」と井上が話せば、山崎も「僕らの世代の新しい『エリザベート』が完成しました。新たな伝説を作りたい」と意気込む。また、高校時代からの親友という城田と尾上は「まさかこういう形で共演するとは思わなかった。でも僕はミュージカルに出演する時は、必ず優に相談してるんです。今回も優がやるならという気持ちでやらせてもらいました」(尾上)、「僕自身、5年ぶりにトート役に挑戦する中で、育三郎や松也がいてくれることは非常に心強い」(城田)と話すなど、同世代の団結力をアピールしていた。公演は6月11日(木)に開幕するプレビュー公演を経て、6月13日(土)から8月26日(水)まで同劇場にて。
2015年06月09日スポーツ飲料ブランドでおなじみの「アクエリアス」が、アクティブな育児=略して“アク育”をサポートする活動をこの春に開始した。“アク育”とは「親子でカラダを動かし、こどもをアクティブに育てよう!という趣旨で、「アクエリアス」とともに“アク育”をサポートするアクティブ育児アンバサダーとして、教育評論家の尾木ママさんが就任している。3月20日には東京・赤坂サカスで行われたイベント「ママサカス」内にて、“アク育パーク supported by AQUARIUS”が設置された。多くの来場者が“アク育”を実際に体験する中、傍でその様子を見守った教育評論家の尾木直樹氏(尾木ママ)に、“アク育”の重要性について話を伺った。――今日、実際に“アク育パーク supported by AQUARIUS”をご覧になられて、どのような感想を持たれましたか?今回、ママサカス内の敷地に本物の芝を敷き詰め、フラフープやケンケンパの縄、ボールなど、シンプルな遊び道具を置いただけなのですが、見ていると子どもたちは想像していたのとはまったく違う遊び方をするんですね。例えば、一番人気だったサンドバッグ型のバルーン。意外や意外に子どもたちはみんなあれに乗るんですね。時にはパパやママも一緒に乗っていたり。だから子どもっていうのは非常に発想力が豊かで、自分で創意工夫して大人では考えつかない方法で遊ぶんだなぁと。改めて子どもの面白さを発見しました。子どもというのは本当に先入観なしに遊びますよね。僕なんかのほうがむしろ先入観があって、なんでそんな遊び方するんだよ?壊れるだろうって思うんですけど。子どもにとっては壊れることはなんともないことなんだなと。そこにある子どもの可能性に気付かされました。僕は子どもの教育を専門でずっと仕事をしてきているのに、子どもから学んでいるわけです。子どもって7~8割の子がちゃんとしたルールじゃないよってね。人工芝じゃない土の芝生の上で安全だし、伸び伸びと思いっきり遊べるので、やっぱり能力や子供らしさが引き出されているなと感じました。それをお母さんたちにも子どもと一緒に体験しながら味わってほしいんです。親子で一緒に楽しく遊んだり、運動したり、アクティブな毎日を送ることで、カラダを動かすことを楽しんでもらうことが“アク育”のテーマで、それが芝生をちょっと敷いただけでも引き出されるんだなと。そういったことを垣間見ることができました。――今、“アク育”が求められているのにはどうした背景があるのでしょうか?昨今、子どもたちの運動不足が問題となっています。2013年に実施した文科省のデータによれば、小学5年生の女子の約4人にひとりが体育の時間以外で1週間のうちで身体を動かしている時間はトータルで30分以下なんです。――例えば10年前や20年前の子どもたちに比べると、運動量が減っているということなのでしょうか?相当減ってきています。万歩計で歩数を調査してみると、今の子どもたちはだいたい1日2万3000歩ぐらい歩くんですが、1万歩を切るぐらいの子も多いんです。でも、歩数だけに特化して話してしまうと、例えば、図書室で本ばかり読んでいる子はどうしても少なくなってしまうので、それが100%いけないとは言えないのが少し難しいところです。“アク育”で大事なのは、“親子で一緒にカラダを動かす”ということなので、そこで実際に運動をするというのも大事ですが、家事や家族関係の部分で活動的に動くというのもひとつですので、幅広く考えてもらえればと思います。例えば台所仕事や、ちょっと拭き掃除をするだけでもいい運動になりますよ。――子どもたちの成長にとって、どうして“アク育”が大事なんでしょうか?子どもたちにとって大切なのは原体験なんです。僕はいつも8つの体験って言っているんですけど。火の体験、石の体験、水の体験、木の体験、土の体験、動物の体験、草の体験、ゼロの体験ですね。例えば今日の“アク育”パークだと土の体験と草の体験になるんです。土の中に小さい虫を見つけたり、芝の香りを感じたり。もっと大きな野原へ行けば、草笛を吹いたり、笹船を作って流したりとか。ゼロ体験というのは、極限状況の真っ暗闇の中で満天の空を眺めて、人間の存在の小ささや、自然の凄さを感じることです。運動不足の解消というのもありますけど、こういう原体験を通して学ぶことが大事なんです。そしてそれを親と一緒にやるというのが“アク育”のポイントなんです。というのも、例えば子どもが躓いてしまったときに、特に“アク育”では身体を動かしますから躓くことがいっぱいあって、そういうときに親が見本を見せてあげることや、アドバイスをしたりすることで、子どもが失敗を克服する達成感を得られることが重要なんです。そして、そういった達成感や成功体験が自己肯定につながり、成長する力の土台になるんですよ。すると、そのうちに子どもは自発的に工夫するようになり、創造力や向上心に発展していきます。これを“レジリエンス”と言いますが、要は"折れない心"です。一度失敗しても、「こないだパパとやって工夫してやってみたらできたんだからこの問題だってできるはずだ」というレジリエンスが非常に鍛えられてくるんです。人生、死ぬまでたくさん心が折れるような場面があるわけですが、そこでいちいちくじけていてはダメなんです。ですから、そういうときに自分自身を見つめる心、そして過去の成功体験を思い出せば、挫折はしないんです。そういうのも、親が一緒に居てくれると、子どもはすごく安心して、伸び伸びとやれるんですよ。――教育に長年携わっていらっしゃる中で、“アク育”を家庭で実践しているお子さんと、そうではないお子さんとで差は感じられますか?それは、もう歴然です。僕でなくても、見たらわかります。それぐらい違いますよ。具体的には、やっぱり“アク育”やってきている子は発想力が豊かです。ちょっとした工夫する力がスゴイんですよ。今日の“アク育”パークの芝生だけでも、いろんな工夫をしているわけでしょ。あれだけでも全然違うんですよ。例えば、「ホッチキスがないからもうできない」じゃないんです。工夫しちゃうんですよ。ないものはつくるんです。あるいは、「こういうふうに発想を変えたら、なくてもできちゃう」という発想をするんです。それはもう歴然たるものがあります。――メンタル面での違いは感じられますか?とても違いますね。“アク育”には失敗は必ずつきものですよね。落ちて痛い思いをしたり、何回やってもできなかったり。それなのに、隣で自分より小さな子が上手にこなしていたりするのを悔しい思いをしながらガマンして見ているだけでも鍛えられるんです。先ほども言いましたが、それがレジリエンスという、折れない心です。こういうときに、お母さんやお父さんが傍にいると「ホラ、あの子見てごらん」と。「こういう風に、こうやればやりやすいんだよ、できるんだよ」とか。そんなふうにして親がやって見せることで、子どもも「なるほど」と思って乗り越えるわけですよ。それは発想力にもなりますよね。動きを観察したり、分析する力もつきます。そして、自分でも実際にやってみようと模倣する力も。そうやって工夫して成功すれば、大きな達成感が得られ、さらにもうひとつステップアップして違う方法を工夫してみようと思うようになるんです。なので、いろんな能力が開拓されていきます。――“アク育”の重要性や必要性は多くの親が頭では理解していながらも、仕事が忙しかったり、疲れていたりで、実践が難しいこともあります。また、都会で暮らしていると近所になかなか遊び場所がなかったりということもあります。そういう場合はどうしたらいいでしょうか?生活の質を上げていこうという方向さえ向いていれば、工夫というのは考えればいくらでもあるわけです。そんな中で子どもとどういうふうに一緒にやるかを考えていけばよいのです。確かに都会の場合は、ちょっとボール遊びをするにしても、「ボール遊び禁止」という看板があったり。そういったお母さんたちの苦悩もわかります。だから、日曜日ぐらいは思い切って足を伸ばして遠出をしてみたりね。あるいは、パパやママもTシャツとジャージに着替えて「あそこの公園まで行って遊ぼうと思うんだけど、ランニングで行くぞー!」とかね。工夫すればできます。それから、子どもに相談してみるといいですよ。「ママもパパも帰り遅くなっちゃって、一緒に“アク育”できないけれども、なにかアイディアを考えてくれる?」と言うと、意外と、子どもが考えてくれると思います。“アク育”が大きくなってからの子どもの学力の伸びにも効果があるということは、実は脳科学的にも明らかになってきています。「どうすれば頭がよくなりますか?」って訊かれると、「とにかく遊ばせなさい」と答えます。昨今の子どもたちの運動量や“アク育”の低下の一因には、習い事の多さが背景にあります。幼稚園や保育園から習い事を始めても、小学5年生になればだいたい皆同じレベルになります。それよりも子どもと親子で身体を使って遊ぶ、“アク育”を実践してください。親子一緒に遊んだ後は、カラダの水分バランスを整えることも忘れないでくださいね。――ありがとうございました。教育・子育て界のご意見番・尾木ママさんも推奨する“アク育”。気候も暖かくなり、大人の心も体もアクティブに気持ちが向かいやすくなるこれからの季節。これを機に、家庭でも取り入れてみてはいかがだろうか。
2015年03月24日大阪・梅田にある梅田芸術劇場の10周年を記念する『Golden Songs』が2月13日(金)、東京国際フォーラム ホールCで開幕する。劇場に縁のあるミュージカルのナンバーを、縁のある出演者が歌い継ぐコンサート。12日に行われた最終舞台稽古では、安蘭けい、石井一孝、伊礼彼方、湖月わたる、姿月あさと、樹里咲穂、中川晃教、春野寿美礼、平方元基、マテ・カマラス、山崎育三郎ら主役級の豪華キャストが揃い、素晴らしい歌声とパフォーマンスを披露した。『Golden Songs』チケット情報ミュージカルからストレートプレイ、宝塚歌劇の公演など幅広いジャンルのステージを上演している梅田芸術劇場だが、ミュージカルファンにとっては関西圏で大型ミュージカルが上演できる数少ない劇場のひとつとして認知度が高い(今年もこの後『レ・ミゼラブル』などの大作の上演が控える)。また単なる“箱”としての劇場というだけでなく多くのオリジナル作品を送り出し、“梅田芸術劇場ブランド”は日本ミュージカル界で大きな存在となっている。このコンサートでは、劇場の10年を彩った数々の作品から選りすぐった人気ナンバーを数珠繋ぎで披露。『エリザベート』『モーツァルト!』『ファントム』『アイーダ』『MITSUKO』etc、etc。どの曲をとっても名曲ばかり。しかも、ところどころサプライズはありつつも、大半は実際に作品でそのナンバーを歌った俳優が歌うので、1曲1曲に説得力がある。出演者たちの思いのこもった熱唱に、観ながらに一気に物語に誘われ、その曲の背景にある世界までもが見えてくる。同時に、やっぱり感じるのは、いつ聴いても何度聴いても感動が湧き上がる、楽曲の素晴らしさ。歌唱力抜群のキャストで、素晴らしい音楽を堪能できる幸福感にひたる、夢のようなショーだ。ほかに日替わりの出演者も。公演は2月23日(月)まで東京国際フォーラム ホールC、2月26日(木)から3月1日(日)まで梅田芸術劇場 メインホールにて。チケットは発売中。
2015年02月13日現在、東京・帝国劇場にてミュージカル『モーツァルト!』が上演中だ。人気のウィーン産ミュージカルで、日本でも2002年の初演から5回目の上演となるヒット作品。今回は主人公ヴォルフガング・モーツァルトを日本初演から演じている井上芳雄のファイナル公演であることも話題。その、“ラスト・ヴォルフガング”に挑んでいる井上に現在の心境を聞いた。ミュージカル『モーツァルト!』]チケット情報作品は、天才音楽家・モーツァルトの波乱に満ちた生涯を綴った物語。2002年の初演時、23歳の井上にとっては初めてのタイトルロールだった。「自分のような若造が真ん中に立っちゃってすみません…という気持ちでした。ただ正直、主役のプレッシャーを感じるどころではなく、自分がこの役をやることで必死。力の抜き方もわからず、全力でやっていました。自分は技術も経験も役に付いていっていないけれど、せめてとにかく必死にやっていることだけは、自分がヴォルフガングをやる意味があるんじゃないかと思ってやっていたんです」と井上は当時を振り返る。また、短い生涯を周囲との軋轢の中激しく駆け抜けたこの天才の人生は、「そこまで幸せな人生を送ってきた」という井上には非常に遠いものに感じていたともいう。「ぜんぜん自分にはない要素ばかりの役だと思っていた。今も決して、僕が何もしないでもそれに見える役ではないと思うんです。でもやっぱり自分なりの積み重ねによって、今はものすごくヴォルフガングとの距離が近く感じているんです。ヴォルフガングになるぞ! 演じるぞ! という力みはほとんどない。僕も彼のことで理解できないこともあるんですよ。でもすべてわかってるフリをしてやるというより、台本に書いてあるそのままを、自分を通してやっている感覚です」。そう話す井上のヴォルフガングは、確かに自然体で舞台上に存在している。「今、すごく充実していますし、すがすがしい。宝塚の方の退団公演はこんなかんじだろうと思うくらいです(笑)」。彼の俳優生活に寄り添うようにあった本作は「俳優として色んなことを教えてくれた作品」という存在だが、モーツァルトが生涯を終えたのと同じ35歳になった今、井上はこの役を卒業する。「『モーツァルト!』だって最初はどうなるかわからないまま始めて、これだけ大きくなって愛されてきた。そういった、次の新しいスタンダード・ミュージカルを生み出す現場に関われたらいいですね」と俳優としての次の目標を語った井上。華も実力も、そして気力も蓄え、俳優として充実期に入っている彼のこと、おそらくその夢は遠からず叶えてしまうに違いない。だがまずは“井上ヴォルフガング”が伝説になってしまう前に観ておくことをおすすめする。なお、ヴォルフガング・モーツァルト役は山崎育三郎とのWキャスト。12月24日(水)まで帝国劇場にて上演中。その後1月3日(土)から15日(木)まで梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケットは発売中。
2014年12月11日ミュージカル『モーツァルト!』が11月8日、東京・帝国劇場にて開幕した。ウィーン発、日本でも上演を重ねる人気作。主人公のヴォルフガング・モーツァルトは、ミュージカル界のプリンス、井上芳雄と山崎育三郎のWキャスト。同日、開幕を目前に控えた出演者が意気込みを語った。ミュージカル『モーツァルト!』チケット情報2002年の日本初演から主役を務める井上は、5回目のヴォルフガング。この役を演じるのは今回がラストと公言しているが、「今回で卒業させていただきますが、“このメンバー”で作品を作るというのはいつも同じく“最後”だと思い、毎回演じています。(この顔ぶれでやることの)毎日が特別で、奇跡が起きていることだと思って演じたい」と語る。一方で山崎は、2010年公演に続き、2度目のヴォルフガング。「前回は本当に緊張で終わってしまったような感覚。あれから4年経って、いろんな経験をさせていただいた今の自分が、すべてを出し切って出来るヴォルフガングを演じたい」と意気込みを語った。ヴォルフガングの父・レオポルトを演じる市村正親は、この作品が胃がんの手術後の復帰第1作となる。「もう一回舞台に立てるのかと思うと、なんとも言えない気持ち。非常に感動。今は新人のようにドキドキしています。自分にこういう気持ちがあるんだな、まだまだ私もウブだなぁ」と笑顔で挨拶をするも、共演者たち、さらに記者たちからも復帰を祝う拍手が起こり、目頭を押さえる一幕も。「劇場に来てくださる方、今までずっと応援してくださっていた方に、帰ってきたぞと、元気な姿を見せたい。もちろん今日の初日は妻(篠原涼子)と上の子も観に来ますが、静かに支えてくれたので、その期待にも応えたい」と感謝の気持ちを口にしていた。市村の復帰を共演者たちも喜ぶ。井上は「稽古場に市村さんがいてくださるというだけで、全然雰囲気も違います。この『モーツァルト!』では12年間ずっとお父さん役を演じられていますので、やっぱり市村さんがいてくださらないとこの作品は始まらない。さらに以前より元気にエネルギッシュになって帰っていらしたので嬉しい驚き。市村さんの中はどうなっているんだろう?と思うくらい」と話し、山崎も「演出家の小池(修一郎)先生に、本当の親子のように見えたと言われたのが本当に嬉しかった。市村さんに気持ちをガッツリぶつけて今回のステージを務めたい」と感無量の面持ちで語っていた。共演は花總まり、平野綾、ソニンほか。公演は12月24日(水)まで帝国劇場にて、その後2015年1月3日(土)から15(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて行われる。チケットは発売中。
2014年11月10日“育乳”ブラジャー「エクサブラ」理想のバストラインを目指す女性に朗報です。10月29日、ファンジェリーは、“育乳”ブラジャー「エクサブラ」をリニューアルしたと発表しました。「エクサブラ」とは、着用するだけで大胸筋に働きかけてバストアップの運動ができるという“育乳”ブラジャー。加齢や出産などで垂れてしまったバストを美しいラインへと整えてくれる優れモノです。時間のない女性でも手軽にバストメイクできると評判で、補正下着にありがちな不快感や窮屈感もなく、ストレスを感じずに着用できると多くの女性の支持をうけています。より快適、より効果的今回のリニューアルでは、より快適に、より効果的をコンセプトに様々な改良が行われました。まず、見た目にこだわり全ラインナップの定番カラーをオールチェンジ。モードな「チョコ」とクラシカルな「バニラ」は肌馴染みもよく、胸元を華やかに見せてくれます。また、報告されていた不具合を修正しパターンを一部改良。これで様々なサイズのバストをより一層美しく見せることに成功しました。さらに、製品表示の布タグを排除し印字方式を変更したことで、布タグが肌にあたる不快感を一掃しました。美しいバストラインは女性としての自信につながります。あなたもリニューアルされた高機能ランジェリー「エクサブラ」で“育乳”をはじめてみてはいかがでしょうか。【参考】・ファンジェリー プレスリリース(PR PRESS)・エクサブラ・オンラインショップ
2014年11月01日11月8日(土)より東京・帝国劇場にて上演されるウィーン生まれのミュージカル『モーツァルト!』。『エリザベート』『レディ・ベス』など人気作を次々と生み出している、ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの手による作品だ。日本では2002年の初演より上演を繰り返し、今回で5回目の上演となる。10月初旬、この稽古場を訪れた。『モーツァルト!』チケット情報はこちら台風一過の青空が晴れわたったこの日、稽古場にはキャスト全員が初めて顔を揃えた。花總まり、平野綾、ソニン、春野寿美礼といったニューフェイスもいるが、メインキャスト、アンサンブルとも初演から続けて出演している顔ぶれも多い。実力も安定感もあるキャスト陣に、演出の小池修一郎も「素晴らしいキャストでまたこの『モーツァルト!』をできることを本当に嬉しく思います。千秋楽までみんなで頑張っていきましょう」とひと言。その簡潔な挨拶に、演出家と出演者の間に確かな信頼が見える。その空気の中で行われたのは、「本読み」と呼ばれる、椅子に座って脚本を読み進めていく作業だ。だがその内容は言葉からイメージする以上に充実。セリフのみならず、流れに沿ってキャストは歌も歌えば、すべてではないものの音響も入る。そんな中、初演より主役のヴォルフガングを演じる井上芳雄は、自らの才能に自信を持ち奔放にふるまう反面、才能と自分自身の間で葛藤し苦しむひとりの青年をいきいきと演じる。ところどころアドリブも飛び出すのがさすが。何よりも、その身体から解き放たれる自在な歌声は、音楽の天才・モーツァルトを体現するかのよう。1幕ラストを飾るビッグナンバー『影を逃れて』は、まだ舞台本番まで1ヵ月あるとは思えない圧巻の熱唱だ。アンサンブルの熱量も素晴らしく、Wキャストでヴォルフガングを演じる山崎育三郎も作品に入り込んでしまったのか、一緒に口を動かす姿も見られた。そのほかにもおなじみのキャストが多いカンパニーだ。ヴォルフガングの父・レオポルトは初演から変わらず市村正親。市村は本作が病気療養からの復帰作となる。すでに稽古場でも豊かな歌声を響かせ、父親の厳しさと愛情を醸し出している。さらにやはり居るだけで場が引き締まるこの人の存在は、父と子の物語でもあるこの作品に欠かせないと改めて感じた。コロレド大司教を演じる山口祐一郎も時に憎らしく、時に愛らしい、彼ならではの役作りで作品を盛り上げる。一方で花總、ソニンといった初参加のキャストも、すでにキャラクター造形が出来ているようで、魅力的な横顔を見せていた。まだまだ稽古はこれからだが、この美しい楽曲揃いの作品、その命とも言える歌の魅力を存分に堪能できそうな充実のキャスト陣。2014年版の『モーツァルト!』も期待大だ。公演は11月8日(土)から12月24日(水)まで東京・帝国劇場、2015年1月3日(土)から15日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて行われる。チケットは発売中。
2014年10月17日(画像はプレスリリースより)北海道で育乳セミナー2014年8月18日、株式会社CECILは北海道にて育乳セミナーを行うと発表した。講師はバストのカリスマ戸瀬恭子氏。定員は1回5名で、料金は税別1万円となっている。内容は、バストアップに必要な、美肌(土台作り)、正しい食生活、女性ホルモン、下着の正しい選び方と付け方、大胸筋の鍛え方、セルフマッサージに関することから、乳がんや子宮がんの話までと幅広い。戸瀬恭子氏による施術も今回、「施術」も行われ、育乳セミナー講師の戸瀬恭子氏が担当する。バストメイクドレナージュは税別52,500円、個別指導52,500円、両方を行うと97,000円となる。施術日程は9月27日(土)10:00~12:00、13:00~15:00、9月28日(日)16:00~18:00、9月29日(月)9:00~11:00。予約が必要。詳細は下記にてご確認を。問い合わせ先(株)CECIL〒455-0813愛知県名古屋市港区善進本町19ーBTEL052-384-7277tose461227@yahoo.co.jp(プレスリリースより)【参考】・CECILプレスリリース
2014年08月21日『エリザベート』『モーツァルト!』などを手掛けたミヒャエル・クンツェ(作)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽)のゴールデン・コンビによる新作として、大きな期待が寄せられているミュージカル『レディ・ベス』。2月24日、この注目作の“顔寄せ”が都内にて行われた。『レディ・ベス』チケット情報はこちら“顔寄せ”とは、稽古の初期段階で、作品に関わる者すべてが一堂に会する場。この日はレディ・ベスをWキャストで演じる平野綾、花總まりをはじめ、山崎育三郎、加藤和樹、石丸幹二、山口祐一郎ら出演者からスタッフまで、大勢の関係者が顔を揃えた。大作ミュージカルらしく、その人数は数十人に及ぶ。主催者が「これ以上ない豪華キャスト」と呼ぶキャストの面々はミュージカル界でお馴染みのベテラン揃いで、そのせいか稽古初期段階のこの場でも和気藹々とした和やかな雰囲気だ。ただしヒロインとしてセンターに座る平野、花總はやはり少々緊張気味か。ふたりとも背筋をピンと伸ばして椅子に座っている姿が印象的。物語は約45年もの長きにわたってイギリスを統治した女王・エリザベス1世の、その青春時代を描くもの。作曲のシルヴェスター・リーヴァイは出演者に向かって「レディ・ベスは本当にたびたび命を脅かされるような危険に直面しますが、それをひとつひとつ乗り越えていく。彼女が直面した嫌なものの数々、それは体験すべきものであったし、だからこそあれだけの素晴らしい人物になれたのではないかということについて、皆さんにも思いを馳せていただきたい」と語りかけるとともに、「皆さんは素晴らしい。ただ音符を歌うのではなく、内容を連想して歌ってくださる。つまり稽古のいちばん最初から何が大事かということを皆さんはわかっていらっしゃる。それこそ観客の心を掴む才能。皆さんの幸運を祈ります」とエールを贈った。演出の小池修一郎も「皆さんと未知のものに向かっていくことを楽しみたい」と挨拶。クリエイターチームの熱意ある言葉に、キャストの眼差しにも熱いものがみなぎってくる。日本から世界に向けて発信する大作ミュージカル『レディ・ベス』は、4月11日(金)に幕を開けるワールドプレミアに向け、こうして船出した。公演は帝国劇場にて4月11日(金)にプレビュー公演開幕、東京公演は5月24日(土)まで。チケットは発売中。その後大阪、福岡、愛知でも上演される。
2014年03月05日井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎の3人によるユニットStarS。この結成は、間違いなく2013年演劇界のトピックスのひとつだろう。もともと、それぞれが現在の日本ミュージカル界を牽引する人気俳優だが、彼らがひとつに集まったパワーは凄かった。5月に行った1stコンサートは即日完売。デビューCDはオリコンウィークリーランキング7位にランクイン。ミュージカル界の枠を超えて注目を集めた。さらに11月には、ミュージカル俳優の単独公演としては史上初の日本武道館公演が控える。3人に現在の心境を訊いた。StarS武道館公演 チケット情報はこちら井上は5月のコンサートを「僕たちの予想を超える盛り上がりでした。アイドルみたいなことをやって、最初は「引かれたらどうしよう」とおっかなびっくりだったのですが(笑)。お客さんが楽しんでくれて、すごく幸せでした」と振り返る。そこで得た3人の絆もかけがえのないものになった。「舞台の共演では作れないような関係性が作れました。ふたりの姿を見て自分も頑張ろうと思えるし、常に“StarSの看板”も感じながらステージに立たなきゃと思います」(山崎)、「今まではなかなかミュージカル界で横の繋がりってなかったんですが、それをダイレクトに感じられました。それは今後の舞台にも生きてくると思います」(浦井)。もともとStarSは、3人が「ミュージカルの素晴らしさをもっと広めたい」という気持ちから始めたこと。その手応えは「僕は今『レ・ミゼラブル』の公演中なのですが、そこでも「StarSで知って、初めて舞台を観ました」という方もたくさんいらっしゃる」(山崎)と実感する一方で、「CDをリリースして、爆発的に売れて世間に広まったりしないかな、という期待もちょっとあったんですけど(笑)。そんなに簡単にはいかないですよね。でも逆に、ミュージカル、演劇のお客さんの力を感じました。気に入ったら何回も観に来てくれて、応援してくれる。そこが盛り上がっていれば、そこからまた、広がっていく」(井上)と、自分たちのホームグラウンドの温かさを改めて感じるきっかけにもなったようだ。武道館公演は、そんなファンへの感謝の気持ちでもあるという。「やっぱりこれだけ盛り上がったら一発大きなことやりたいね、だったら武道館しかない! と。でもそこには自分たちの力なんてほとんどなくて、応援してくださった皆さんと動いてくれているスタッフのおかげ。だから『ありがとう公演』というタイトルなんです」と井上。浦井は「僕らの経験がひとつのきっかけになって、今後ミュージカル界でも武道館でやる人が増えていったらいいですよね」とこちらも大局的な視線で意気込みを語った。どこまでもミュージカル愛に溢れるプリンスたちが新たな伝説を作る瞬間に、一緒に立ち会おう。『三大ミュージカルプリンスコンサート StarS ありがとう公演~みんなで行こう武道館~』は、11月11日(月)、日本武道館にて開催。チケットは9月7日(土)一般発売開始。チケットぴあでは8月26日(月)11:00まで先行抽選「プレリザーブ」を受付中。
2013年08月23日現在、東京・帝国劇場にて上演中のミュージカル『二都物語』で、7月26日、アフタートークショーが行われた。『二都物語』は、ともにミュージカル界のプリンスと呼ばれている井上芳雄、浦井健治という若手実力派スターふたりの共演も話題だが、このイベントには井上、浦井とともにユニット“StarS”を結成している山崎育三郎が司会としてゲスト出演。今年5月にはCDデビューを果たし、ミュージカル界の外からも注目を集めている“StarS”が集結ということで、この日のチケットは完売御礼。ファンの熱い視線が注がれる中、プリンスたちの爆笑のトークが繰り広げられた。トークショーでは、様々なエピソードを脱線気味に話す井上・浦井を、軌道修正しつつ話を進めていく山崎、という、コンサートなどでもお馴染みの3人の個性が炸裂。作品では井上と浦井は同じ女性を愛する役どころだが、井上が珍しくフラれる役だということで「でも、お客さまの共感がぎゅっと自分に集まってくるのを感じる。結ばれるふたりよりこっちの方がおいしい!」(井上)というような話から、稽古期間は毎日井上・浦井が一緒に帰っていたという仲良しエピソード、さらには「最後は(残される)僕たち家族はいたたまれないけれど、十字架を背負うんじゃなく希望を託されているんだ、と(演出の)鵜山さんからはアドバイスをもらいました」(浦井)という真面目な話まで、縦横無尽なトークが展開された。さらに、もちろんStarSの話題も。2011年の帝国劇場100周年を記念したテレビ番組で鼎談をしたことが、ユニット結成のきっかけになったというStarS。「今日ここで3人で立てたのは嬉しい!」(井上)という感慨深い発言も飛び出した。11月にはミュージカル俳優の単独公演としては史上初の日本武道館公演も控えている彼ら。「武道館ではミュージカルファンの皆さんも一緒に盛り上がっていただきたい。本当に感謝・感謝の公演にしたい」と山崎が話せば、井上が「“1日だけのお祭り”です。浦井君はお祭りを表現して、衣裳はふんどしですよね!」と笑いを取るなど、楽しそうに武道館公演の構想も話していた。「StarSを見て、『二都物語』に興味を持って観に来ましたという方も結構いらっしゃる。それは本当に嬉しいこと。相乗効果でお互い盛り上げあっていければ」と井上。『二都物語』は8月26日(月)まで、同劇場にて。チケットは発売中。また、“StarS”日本武道館公演は11月11日(月)に開催、こちらのチケットは9月7日(土)に一般発売を開始する。
2013年07月29日ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の再演が決定、あわせて城田優の出演も発表された。城田は昨年に続いてのロミオ役、加えて今回新たに、ジュリエットの従兄弟で親友の敵でもあるティボルトのふた役に挑戦する。2001年フランスで初演。ジェラール・プレスギュルヴィックの情熱的かつロマンティックな音楽が観客を魅了、世界でのべ500万人以上を動員したヒット作だ。日本では『エリザベート』などを手がけた小池修一郎の演出により、2010年に宝塚歌劇団で初演。2011年には同じく小池修一郎がWキャストの城田優&山崎育三郎を得て日本オリジナル版として上演し好評を博した。城田は、以前取材に答えて「ロミオ以外だったらティボルトを演じたい」と話しており、ふた役には並々ならぬ思いが込められているようだ。「光のロミオに対して陰のような存在。危険な、セクシーな雰囲気を出して演じてみたい。いつか絶対に!」そう熱く話している。公演は9月3日(火)から10月5日(土)まで東京・東急シアターオーブ、10月12日(土)から27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて。チケットの一般発売は5月18日(土)より。
2013年02月08日駒田一、戸松遥、佐々木喜英が出演するミュージカル『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』が10月18日に東京・青山円形劇場で開幕した。韓国では1995年の初演から現在までロングランを続けている大ヒットミュージカルで、日本では今回が3度目の上演。初日に先駆け17日、同劇場にて最終舞台稽古が公開された。40歳になってまだ独り身の男、ドンウク。早くに両親を亡くした彼は、何かと妹たちの世話を焼いているものの、彼女たちは独立してすでに家にはいない。そんな彼のもとにある雨の晩、7年ぶりに弟のドンヒョンが帰ってきた。久々の再会に気まずさが漂う中、突然ド派手な格好の女の子が歌い踊りながら乱入。結婚カップルを盛り上げるのが仕事の彼女が、訪ねる家を間違えたのだ……。ドタバタな展開の中にも「家族愛」という大きなテーマが太く濃く描かれ、温かな優しさが感じられる物語が展開する。兄ドンウク役は、『レ・ミゼラブル』『ラ・マンチャの男』など大作ミュージカルの常連でもある駒田一。初演から同役を演じている彼は、絶妙の間合いで笑いを生み出し、観客をどんどん『サ・ビ・タ』の世界に引きずり込む。その反面、独りでいることの寂しさを家族への愛で押さえ込もうとするドンウクの孤独をリアルに表現し、客席の涙をも誘った。佐々木喜英は歌にダンス、さらに初挑戦というピアノ演奏にと大奮闘で、弟ドンヒョン役を好演。「家族のために生きることこそ幸せ」という兄の愛が重荷でありつつも、やはり兄を愛している…という複雑な心理を繊細な演技で描いた。そしてこの兄弟のわだかまりを溶かすのが、戸松遥が演じるユ・ミリ。今回が初舞台の戸松だが、思い切りの良い演技でドジの上早とちり、だが一生懸命なユ・ミリを生き生きと演じていてキュートだった。キャストは基本的にこの3名のみだが、この舞台、観客の参加が必須となっている。演出にも工夫がこらされ、出演者も積極的に客席と絡み、自然と客席も劇中に入り込んでいく仕組み。さらに今回は360度を客席が取り囲む“円形劇場”での上演、舞台と客席の距離も非常に近い。客席も一緒に作品を作り上げているかのような気分でアットホーム感が増し、観客は3人のドラマをより身近なものとして感じていくはずだ。舞台と客席のコミュニケーションが多いこの舞台、カーテンコールではさらにお楽しみもある。事前に公式HPより申し込めば、キャストがカーテンコールであなたの誕生日を祝ってくれたり、プロポーズの後押しをしてくれたりすることも可能。スペシャルゲストとして、初演・再演に出演した山崎育三郎、原田夏希(予定)が登場する回もある。劇場に出かける前にチェックしてみよう。東京公演は10月28日(日)まで。11月4日(日)には福岡・黒崎ひびしんホールで上演される。チケットはともに発売中。
2012年10月19日日本でも1987年の初演以来上演を繰り返しているミュージカル『レ・ミゼラブル』。ミュージカルの金字塔とも呼ばれ、大作ミュージカルの代名詞ともなっているこの作品が、来年の上演から装いも新たに“新演出版”として登場する。10月15日、山口祐一郎らその新『レ・ミゼラブル』に出演するキャスト68名が一堂に会し、製作発表を行った。ヴィクトル・ユゴーの原作を元にした本作は、19年の刑に服したのち脱獄、次第に善に目覚めて行く主人公ジャン・バルジャン、彼を追い続ける刑事ジャベール、さらにその日生きるのもやっとの民衆たちや、革命に燃える学生たちの姿を流麗な音楽で紡いでいく群像劇。1985年のロンドン初演から全世界で上演され、世界での観客総数は6000万人に迫るという、まさに演劇史を代表する名作だ。この作品が舞台装置、照明、音響、衣裳からキャラクターの描き方まで一新、新演出として生まれ変わる。新演出にともない、全キャストがオーディションで決定。この日は応募総数15000人という激戦の中、役を勝ち取った出演者が披露された。ジャン・バルジャン役は、同役を1997年から務めている山口祐一郎と、劇団四季で多くの主要キャラクターを演じた後、母国韓国のミュージカル界で華々しく活躍しているキム・ジュンヒョンのダブルキャスト。山口は「まったく新しい演出家の方で、どうすればオーディションを突破できるのか、当日は(役に合わせて)髭はあった方がいいのか剃った方がいいのか、にこやかにしていた方がいいのか真面目な顔をしていた方がいいのかと迷うくらいに、ドキドキして受けました」とその厳しさを振り返り、キムは「日本の『レ・ミゼラブル』に参加できて本当に嬉しい。難しい役だと思いますが、みんなで力をあわせてお客さんに感動を与えられる作品を作るために頑張ります」と喜びを語った。また革命運動に身を投じる学生マリウスに恋をする少女エポニーヌ役で本作に初参加する平野綾が「この場に立てる喜びと緊張で、泣いてしまいそう。ミュージカル出演は2作目で圧倒的に経験値が足りないので、まわりのみなさんに食らいついていきたい」と語るなど、感無量のコメントを口にする出演者も多数。出演者全員の『レ・ミゼラブル』という作品への思いがひしひしと伝わってくる製作発表だった。このメンバーで贈る新生『レ・ミゼラブル』の誕生を楽しみに待ちたい。出演はほかに吉原光夫、川口竜也、知念里奈、笹本玲奈、山崎育三郎、森公美子ら。すべての役がダブルキャスト、トリプルキャストになっている。公演は5月3日(金・祝)から7月10日(水)まで東京・帝国劇場(4月23日(火)よりプレビュー公演あり)、8月3日(土)から31日(土)まで福岡・博多座、9月7日(土)から23日(月・祝)まで大阪・フェスティバルホール、10月1日(火)から20日(日)まで愛知・中日劇場にて行われる。東京公演のチケットは4・5月分が2月9日(土)、6・7月分が3月16日(土)に一般発売を開始する。
2012年10月16日フランスで発表され、世界40か国でベストセラーとなった物語『100歳の少年と12通の手紙』が、日本の舞台に初登場する。日替りキャスト全12組のうち、成海璃子と江波杏子のペアに、稽古場で作品の印象を訊いた。物語には、余命わずか12日と宣告された10歳の少年オスカーが登場する。普通なら本人も周囲も希望を見失って当然の状況だが、病院ボランティアを務める老婦ローズの態度は違っていた。思考停止するのではなく、残された時間はできるだけ能動的に過ごしたほうがいい。ローズが少年に提案したのは、「1日を10年と考えて生きること」。その教えは、オスカーの心を確実に動かしていく。作者エリック=エマニュエル・シュミットが投げかけるのは、いかに生きるか、という根源的なテーマだ。長さに違いはあっても、命に限りがあるという点では、誰もがオスカーと変わりない。「本当にすごい作品だと思います。心にすんなりと入ってくるんです」とオスカー役の成海が言えば、ローズ役を演じる江波も「読んでいて、ものすごく解放されます。書かれていることすべてが素晴らしいと思います」と絶賛の言葉を惜しまない。舞台上では、元東京バレエ団の中島周が平山素子振付によるダンスを披露し、前嶋康明のオリジナル曲をヴォーカルグループが生で繰り広げる。演出の鈴木勝秀が目指すのは、バレエの手法を使った“観る朗読劇”だ。「音楽によって引き出される感情があると思うので、本番が楽しみです」(成海)。江波は「“演じずに、ただ読んでください”“目と目を合わせないように”という演出なんです。役と役ではなく、まさに私と成海さんの魂と魂が触れ合う感じ。水のように清らかで素直な成海さんとご一緒できるのは、とても新鮮です」と話す。成海にとっても今回の舞台は新しい体験のようだ。「江波さんの読み方が変われば、こちらのリアクションも自然と変わります。毎回同じである必要はなくて、計算ではなく、感情のまま素直に読むことが大事だということがわかりました」。今その瞬間を大切にするということ。まさにそれは作品に込められたメッセージと同じだ。アトリエ・ダンカンプロデュース『100歳の少年と12通の手紙』は、9月12日(水)から23日(日)まで東京グローブ座にて上演。キャストは日替りで、公演日順に、多田直人&柴田理恵、小西遼生&杏子、古川雄大&萩野志保子、成海璃子&江波杏子、新納慎也&彩吹真央、宮野真守&萬田久子、竹財輝之助&秋野暢子、山崎育三郎&涼風真世、川平慈英&香寿たつき、松岡 充&木の実ナナ、安倍なつみ&木村多江、池松壮亮&南 果歩が出演する。
2012年09月07日来年の上演が決定しているミュージカル『レ・ミゼラブル』の出演者が8月22日、発表になった。出演は、主人公ジャン・バルジャンに山口祐一郎、キム・ジュンヒョンなど。『レ・ミゼラブル』は、19世紀フランスの社会情勢を背景に、貧困に苦しむ民衆の姿や革命を目指す若者たちの戦いを描く、ヴィクトル・ユゴーの長編大作小説を元にした作品。日本でも1987年の初演から愛され続けており、これまでに鹿賀丈史、滝田栄、村井国夫、野口五郎、斉藤由貴、本田美奈子.、川崎麻世、夏木マリといった名だたる俳優がこの舞台に立っている。ミュージカルの金字塔とも言うべき存在の作品だが、前回(2011年)で初演から続いた“ロンドンオリジナル版演出”での上演が終了、次回からは日本でも、ロンドン25周年を機に登場した“新演出”での上演が決まっており、それに伴う新キャストも注目されていた。主人公ジャン・バルジャンには、これまでにも長く同役を演じている山口祐一郎に加え、劇団四季で『ジーザス・クライスト・スーパースター』のジーザス役など様々な主要キャストを演じた後、現在は母国・韓国のミュージカル界で活躍をしているキム・ジュンヒョンが新たにキャスティング。バルジャンを追い続ける刑事ジャベールには、前回公演時に史上最年少でバルジャン役を演じていた吉原光夫が役を替えて登板、さらにアンサンブルとして数々のミュージカルの舞台に立ってきた川口竜也が抜擢された。そのほか、エポニーヌ役の笹本玲奈、マダム・テナルディエ役の森公美子ら『レ・ミゼ』おなじみの俳優に加え、エポニーヌ役に声優の平野綾が新キャスティングされるなど、新旧入り混じった出演陣となる。今年は映画版の公開も控えており盛り上がりそうな新生『レ・ミゼラブル』に期待したい。公演は4~7月帝国劇場、8~10月福岡・大阪・名古屋での上演が決定している。なお本日発表になったキャストは下記の通り。ジャン・バルジャン…山口祐一郎、キム・ジュンヒョンジャベール…吉原光夫、川口竜也ファンテーヌ…知念里奈、和音美桜、里アンナエポニーヌ…笹本玲奈、昆夏美、平野綾テナルディエ…駒田一、KENTARO、萬谷法英アンジョルラス…上原理生、野島直人コゼット…若井久美子マリウス…山崎育三郎、原田優一、田村良太マダム・テナルディエ…森公美子、浦嶋りんこ、谷口ゆうな
2012年08月22日ミュージカル『ミス・サイゴン』のプレビュー公演が7月1日に東京・めぐろパーシモンホールにて開幕、2日には同会場で出演者5人よる記者会見が行われた。『ミス・サイゴン』公演情報1989年にロンドン、1991年にNYで幕を開け、1992年の日本初演時には1年半にわたるロングランを記録した。すでに定評のある作品だが、今回日本で初めて披露される新演出バージョンは、キャストにとっても新鮮に感じられたよう。20年前から“エンジニア”役を演じ続け、「700回くらいやって体にしみついているので、音楽が鳴っただけで役になれる」という市村正親は、「ステージの傾斜がなくなったり、リモコンで動いていた舞台装置を人が動かすようになったり。左右だけでなく、上下も活かした演出になっている。よりリアルで、よりドラマ性が強い。新鮮な気持ちで演じることができます」とその印象を話す。また、前日のプレビュー公演初日ついては「日本初演と同じような興奮がお客様にあって、カーテンコールがなかなか収まらなかった」と振り返った。日替りでキム役を演じる笹本玲奈と知念里奈は、「お芝居の要素が強くなった」(笹本)、「どのシーンも感情があふれる生々しいものになっていると思う」(知念)とコメント。クリス役の山崎育三郎と原田優一も、「稽古中は“もっともっと、キスキスキスキス!”と演出家に言われました。映画だと思えと。キムとふたりでいるところをカメラにのぞかれているような意識で演じろと。歌も、ふたり向き合ったままで、お客さんのほうに歌いかけたりしないんです」(山崎)、「昨日の公演では、お客さんが息を呑むのまで感じられた。僕らにとっても刺激的な初日になりました」(原田)と、口を揃えて新演出のリアリティに言及した。ベトナム戦争を背景にしているが、戦争がテーマではない。伝えたいのは、“究極の愛”だ。あらためて見どころについて問われた市村は、「曲がいい。ドラマがいい。舞台転換がいい。俳優がいい。オケがいい。照明もいい。皆いいんです。『ミス・サイゴン』全体を楽しんでほしい」と作品の総合力をアピールした。舞台装置のスケールが大きいことから、これまで日本国内では、東京・帝国劇場、福岡・博多座の2か所でしか上演がかなわなかったが、新演出バージョンは劇場の大きさや設備の制約を受けないため、全国各地に出向くことが可能になった。それにより今回は、東京のほか、広島、名古屋、甲府、厚木、仙台、北九州、浜松、大阪、熊本、松本、盛岡の11都市での上演が実現する。足かけ7か月にわたる長丁場になるが、市村は「それぞれの地元の方の“待ってたぞ”という声に応えたい。喜んでいただける顔を間近に見られるのはうれしいです」と初の全国縦断公演への期待を語った。
2012年07月02日1989年英ロンドンでの初演以来、米ブロードウェイなどで上演されているメガヒット・ミュージカル『ミス・サイゴン』。『レ・ミゼラブル』を世に送り出したアラン・ブーブリル(作詞・脚本)とクロード=ミッシェル・シェーンベルク(音楽)のコンビによる名曲の数々。そしてベトナム戦争に翻弄される恋人と親子の運命がリアルに描かれるという点で、本作は唯一無二のミュージカルともいわれている。そんな“伝説の作品”が、このたび演出を大幅に一新して今夏全国で上演される。1992年の日本初演以来、本作に700回以上の出演を続ける市村正親と演出補のダレン・ヤップによる取材会と公開稽古が6月13日、都内の稽古場で行われた。『ミス・サイゴン』チケット情報取材会では、本作のリニューアルされる点に質問が集中。ダレンは、これまでは原寸大のヘリコプターやコンピューター制御による舞台装置を用いることで、日本国内では帝国劇場と博多座でしか上演できなかったことに触れ、「セットは竹を中心としたオーガニックな素材を使い、より繊細なものへと変わります。また世界最大級となる9メートル幅のスクリーンを設置して、ヘリコプターの離着陸などを表現。舞台転換も人力、それもスタッフとキャストが一緒に行うので、よりひとつのコミュニティという感覚になっていくはず」と新演出の魅力を話した。市村も「舞台セットが変わると演じ方も変わってくる」と話し、「エンジニア(市村の役名)としての芯は同じだけれど、繊細なセットやリアルな映像と共に舞台に立つには、より密度の濃い芝居が必要になる。今回の新演出をいい機会に、いったん気持ちをクリアにして稽古に挑みたい」と率直な気持ちを語った。公開稽古では、濃い茶色の竹素材で精巧に組み立てられたセットを背景に、劇中の3曲が披露された。サイゴンで出会ったベトナム人のキム(笹本玲奈/トリプルキャスト)と米兵のクリス(山崎育三郎/ダブルキャスト)が『サン・アンド・ムーン』を熱唱。続いてクリス(原田優一/同)がキム(知念里奈/同)と共に本国に帰ることを決意する『世界が終わる夜のように』をデュエット。波乱の時代をしたたかに生き抜くエンジニア(市村)の姿とアンサンブルのダンスが印象的な『モーニング・オブ・ドラゴン』。アジアを舞台に展開する、壮大な人間ドラマを描く本作。新演出は、その醍醐味をたっぷりと味わえるものになりそうだ。公演は7月1日(日)東京・めぐろパーシモンホール 大ホールを皮切りに、8月22日(水)から9月9日(日)の東京・青山劇場ほか、広島、愛知、山梨、神奈川、宮城、福岡、静岡、大阪、熊本、長野、岩手の各地で行われる。チケットは一部を除き発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年06月14日今年6月から行われる宝塚歌劇月組公演『ロミオとジュリエット』の制作発表が4月26日、都内にて行われた。これは先週末に宝塚を卒業した霧矢大夢の後を継ぎ、月組新トップスターとなった龍真咲(りゅう まさき)のお披露目公演。会見には龍のほか、新娘役トップスター愛希(まなき)れいか、準トップスターに就任した明日海(あすみ)りお、演出の小池修一郎らが出席した。宝塚歌劇月組『ロミオとジュリエット』チケット情報はこちらお披露目公演に選ばれた作品は、シェイクスピアの古典的名作を原作に、2001年にフランスで初演、全世界で500万人以上の観客動員を誇る大ヒットミュージカル。日本では2010年に宝塚星組が初演、昨年は雪組での再演とともに、宝塚以外でも城田優・山崎育三郎主演バージョンとしても上演されている。演出を手がける小池修一郎は「昨年の雪組公演の最中に震災があった。当日は2幕は中止、数日後に公演が再開されてからも、交通事情もあり来られないお客さまももちろんいたが、来てくださるお客さまも大勢いた。当時はこんな状況下でロマンチックな甘い愛の名作をやるのはどうなのだろうと思ったが、逆にこれを観るから明日も生きていくことに向かい合えると仰ってくださる方もいて、私自身、宝塚歌劇の強さや存在価値を改めて認識できました。この作品が多くの方の心にとって安らぎや、愛というものを信じることができる力になればと思っています」と語った。また、今回は主人公のロミオと、ジュリエットを挟み彼と対立するティボルトを、龍と明日海が役替わりで演じることも話題。トップお披露目の主人公を役替わりにするというめずらしい形態になるが、これについて、小林公一理事長は「月組は龍がトップになり、非常に若い組になった。フレッシュな組なのでいろんな可能性が出てくる。また明日海も愛希も、そして龍自身もまだ伸び盛りなので、その中で月組全体が切磋琢磨していけるためにと考え、主役の役替わりもひとつの手段と思った」とその狙いを話した。この作品でトップお披露目となる龍真咲は2001年に初舞台。宝塚生活12年目でのトップ就任で、5組の中で最も若い。その彼女は「月組生一丸となって楽しい舞台を作ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」と爽やかに挨拶。役替わりに関しても「いろんなことを経験させていただくというのは舞台人としてとても恵まれていること。真摯に受け止めてしっかり務めていきたい」と意気込んだ。また愛希は「『ロミオとジュリエット』という名作でジュリエット役をさせていただくことが本当に嬉しく、幸せな気持ちでいっぱい」、明日海は「『ロミオとジュリエット』という物語自体のファンでしたので、今回ふたつの役で作品に関わることができてとても幸せ者だなと実感しています。体力とガッツをしっかり蓄えて頑張りたい」とそれぞれ話した。公演は6月22日(金)から7月23日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、8月10日(金)から9月9日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。チケットは兵庫公演が5月12日(土)、東京公演が7月1日(日)にそれぞれ一般発売開始。
2012年04月26日昨年、芸歴50周年を迎えた北島三郎。今年も座長をつとめる恒例の北島三郎特別公演が、7月1日(日)からの東京・明治座を皮切りに、福岡・博多座、名古屋・御園座の3都市にて上演される。明治座での特別公演は今回が初。4月12日には都内にて、北島とともに共演の星由里子、松村雄基、大江裕らが制作発表記者会見と囲み取材を行った。「北島三郎特別公演」チケットじょうほう芝居と歌の2部構成で、第1部では芝居『火消し一代め組の辰五郎』が上演される。「火事と喧嘩は江戸の華」と謳われた江戸時代に、庶民から尊敬され信頼をよせられた江戸町火消し・め組の組頭である辰五郎の生き様を描いた物語だ。女房役を演じる星は「北島さんとの共演は今回で4回目。北島さんの舞台では終演後にお客様からよく『良かったよ』と気さくに声をかけてもらえて、元気をいただけるんです。今回も皆さんにお声がけいただけるようにがんばります」と意気込みを語った。北島とテレビでの共演はあるものの、舞台では初めてとなる松村は「緊張していましたが、先ほども北島さんがお声をかけてくださって解きほぐしてくださいました。優しさと大らかさと男気がある方なので、ご一緒させていただくのが楽しみ。稽古を含めると6か月に及ぶ公演。体調を整えながらがんばりたい」とコメント。数ある演目の中でなぜ『め組の辰五郎』を選んだのかという質問に対して北島は「冷めた日本を熱くする、燃えるような元気のでる芝居を、と考えました。人との大事な絆もあり、威勢がいいところをみせて、『がんばろうぜ!』という姿を、舞台を通じて皆さんに観てもらいです」と答えた。第2部は歌謡ショー『北島三郎、魂の唄を…』と題して数々のヒット曲を披露する。フィナーレでの恒例の大仕掛けがみどころで、今回も健在とのこと。北島は「聞く歌、一緒に歌う歌、最後にはびっくりするような仕掛け。演歌は歌詞が暗いイメージもあるが、明るいショーにしたい」と抱負を語った。また今回は、愛弟子の大江裕が特別公演に初参加し、歌はもちろん芝居にも出演する。大江は「北島先生と同じ舞台に立てる自分は幸せもの。精進して一歩ずつ進んでまいりたい」と独特の語り口でコメント。それに対し北島は「大江は出るだけで舞台が明るくなるし、きっと一味つけてくれるでしょうね」とエールを送った。昨年は、震災の影響で東京公演が途中で休演となり、今回は例年以上にファンからの期待が寄せられている。北島は「私たちがやるのは大衆劇であり大衆の歌。難しくではなく易しく、ご年配の方まで皆さんに喜んでもらいたい。元気になってもらえるように、歳を忘れてがんばります」と意気込みを語った。明治座公演は7月1日(日)から7月29日(日)まで開催。チケットは5月28日(月)より一般発売開始。その他の公演詳細は公式サイトで随時発表される。取材・文:大林計隆
2012年04月13日今年、初演から20周年を迎えるミュージカル『ミス・サイゴン』の製作発表が4月9日、東京・めぐろパーシモンホールにて行われた。出席者は市村正親、笹本玲奈、知念里奈、新妻聖子ほか。『ミス・サイゴン』チケット情報はこちら陥落直前のサイゴンで出会ったアメリカ兵クリスとベトナム人少女キム。恋に落ちたふたりだが、サイゴン陥落の混乱の中離れ離れになってしまう。時は流れ、アメリカの地で戦争のPTSD(後遺症)に苦しむクリスは彼を支えるエレンと結婚をするが、遠く離れたバンコクの地でキムは、クリスとの子・タムを育て、彼がいつか迎えにきてくれると信じていた……。ベトナム戦争を背景に究極の愛を描いたこの作品は、『レ・ミゼラブル』のアラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルクによる名曲が彩る壮大なミュージカルだ。作品のスケールに比例するように舞台機構も壮大で、1992年の帝国劇場での初演の際は3か月に及ぶ劇場改修を行い、帝国劇場以外では設計当初からこの作品の上演を想定した福岡・博多座でのみしか上演が実現しなかった。その大作が映像を駆使し全国ツアーも可能になった“新演出版”として蘇る。混乱の時代を利用して“アメリカン・ドリーム”を手にしようと立ち回るエンジニア役を初演から務め、日本版『ミス・サイゴン』の顔とも言える市村正親は「演劇は(劇場に)観に来ていただかないといけないのですが、遠いところにはこちらから行く。今まで帝劇と博多座でしかできなかったのが、日本全国を回れるようになった新演出の『ミス・サイゴン』、地方の皆さんが待ってくれていると思うとやる方もドキドキしています」とコメント。またこの役については「(初演時)劇団をやめて掴んだ役がエンジニア。それが1年半のロングランをして、その後の僕の演劇人生の大きな道しるべとなりました。エンジニアの“アメリカン・ドリーム”は自分ともダブります」と感慨深げに語っていた。ヒロイン・キムは笹本玲奈、知念里奈、新妻聖子が演じる。それぞれ「今まで積み上げたものも大切にしながら、またゼロから生きられたら」(笹本)、「新演出を観ましたが、また違う角度から『ミス・サイゴン』という作品を素敵に表現されていたので、その中で自分がどんな風に表現できるか楽しみ」(知念)、「新演出ということで新作に挑むような気持ちでいます」(新妻)とコメント。またクリスの同僚・ジョン役の岡幸二郎は「私はベトナムに行って、実際ジョンのような活動(アメリカ兵がベトナムに残してきた子供〈ブイ・ドイ〉への支援活動)をする方にお会いしたことがあります。まだ現実に続いている作品なので、重く受け止めながらメッセージを伝えたい」と話していた。この日はキム役の3人や新メンバーの山崎育三郎、上原理生らが劇中歌も披露。それぞれ力強い歌唱を響かせ、新しく蘇る名作への期待を存分に煽っていた。公演は7月1日(日)東京・めぐろパーシモンホール 大ホールを皮切りに、8月22日(水)から9月9日(日)の東京・青山劇場ほか、広島、愛知、山梨、神奈川、宮城、福岡、静岡、大阪、熊本、長野、岩手の各地で行われる。
2012年04月10日JR京都駅から東海道本線で5駅。そのJR山崎駅から、10分ほど歩くと現れるのが、日本初のモルトウイスキー蒸溜所「サントリー山崎蒸溜所」だ。1924年の竣工以来、ジャパニーズウイスキーをつくり続けている。タイプの異なる酵母、そして、木桶とステンレスタンクの発酵槽の使い分け、蒸溜時の加熱方法、形状の異なる複数の蒸溜釜を使い分けることなどで、個性豊かな、モルト原酒を生み出す蒸溜所として世界的にも知られている。そして、日本を代表するシングルモルトウイスキー「山崎」がつくられている場所だ。緑豊かな敷地内に足を踏み入れると、森林浴をしているような、すがすがしい気分にさせられる。天王山のふもと、霧が発生しやすい湿潤な気候が、モルトウイスキーの製造に適している。山崎は、桂川、宇治川、木津川の3つの川が合流する場所。ウイスキーの仕込み水として使用するのは、ミネラルバランスがよい軟水。その昔、千利休が茶を点てたことでも知られる名水だ。蒸溜所では、蒸溜設備の見学と、モルトウイスキーがつくられる工程についての知識を深められる、ガイドツアーに無料で参加できる(平日、土・日・祝日の午前中実施。約60分。前日までに要予約)。木桶での発酵工程。温度管理が難しく、手入れも手間がかかるが、保湿性に優れるなど利点も多い。木桶内の乳酸菌や微生物の働きによって、優れたモルト原酒をつくり出す。大小、形状もさまざまな銅製の蒸溜釜(ポットスチル)が並ぶ。これらを使い、加熱方法を変えるなどして、ライトからヘビーなものまで、タイプの異なる原酒をつくりわける。樽に詰めた原酒を熟成させる樽貯蔵庫。オーク樽をメインに、種類、形状、サイズの異なる何万もの樽が、静かに熟成までの時間を過ごす。日本独自のミズナラ樽も使用。ビャクダンやキャラを想わせるオリエンタルな香りが特徴だ。貯蔵庫を巡ると、この地で最初に蒸溜した原酒を詰めた、1924年の樽を見ることもできる。ガイドツアーの最後には、「山崎」の試飲も。手間と時間をかけて育まれた、さまざまな原酒を合わせた琥珀色のしずく。背景を知った後での味わいは格別だ。ウイスキーライブラリーには約7000本もの原酒を展示。テイスティングカウンターでは、モルト原酒の香味の違い、経年によるモルト原酒の香味の比較なども体験できる(有料)。併設のショップでは、限定のウイスキーや貯蔵に使用した樽材を再利用したオリジナルグッズなどを手に入れられる。山崎蒸溜所ならではの日本のウイスキーづくりの歴史やこだわりに触れられ、さらには、味わうこともできる蒸溜所見学ツアー。京都や大阪など、関西方面への旅の計画に加えてみては。お問い合わせ:サントリー山崎蒸溜所 tel.075-962-1423大阪府三島郡島本町山崎5-2-1【工場見学】開館時間:10:00~16:45(最終入館16:00)休館日:年末年始・工場休業日(臨時休業あり)※要予約。 公式サイト 取材/はまだふくこ
2011年12月08日山口祐一郎が主演するミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』が11月27日東京・帝国劇場にて開幕した。前日の26日には、山口のほか知念里奈、高橋愛、浦井健治、山崎育三郎、石川禅ら出演者たちが初日を目前にした心境を語った。『ダンス オブ ヴァンパイア』チケット情報はこちら作品はロマン・ポランスキー監督映画『吸血鬼』を原作にしたウィーン生まれのミュージカル。日本でも2006年、2009年と公演を重ね、今回が三演目となる人気作だ。内容は、山口祐一郎が演じるヴァンパイアのクロロック伯爵と、石川禅扮するヴァンパイア研究をするアブロンシウス教授の対決を軸に、個性豊かな登場人物が騒動を起こしていくコメディタッチの物語。爆笑シーンの連続に激しいダンス、ジム・スタインマンによるロックなサウンドと客席の熱気もヒートアップする作品なだけに、出演者たちの意気込みも相当なもので、山口は開口一番「全員で舞台で爆発しようと思っています!」と挨拶。またこの作品の魅力を改めて問われると「演じていて楽しいというのは怒られちゃうんですけど、自分がやっていて楽しい。それに出演者が毎回、自分の持っている持ち味やエネルギーを作品にぶつけてくる。だからこそ皆さんに愛されているのかな」と答えていた。クロロック伯爵が狙う乙女・サラ役に、前回に引き続き出演する知念里奈に加え、高橋愛が初参加するのも話題。お風呂のシーンもあるが「モーニング娘。だったら出来ないことなので……。卒業して“モーニング・コード”がなくなったとたんにコレかあ!って感じです(苦笑)。稽古中は緊張しなかったんですが、いざ舞台に立つと、どうしようって緊張感もあります」と話す。ポロリを期待していいかという報道陣の質問に対しては「ないです絶対!」と即答。すると先輩の知念が「ポロリがないように、一生懸命わたしはああした方がいい、こうした方がいい、と言ってるんですが……(アドバイスを)やめておいた方がいいですかね?」と言い、笑いを誘っていた。公演12月24日(土)まで同所にて。1月7日(土)から12日(木)には大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。チケットはともに発売中。
2011年11月28日山口祐一郎が主演するミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』の製作発表が11月8日、都内にて行われ、山口のほか知念里奈、高橋愛、浦井健治、山崎育三郎、石川禅、演出の山田和也が登壇した。開場100周年を迎えている帝国劇場で、この作品が記念の年の掉尾を飾ることになる。「ダンス オブ ヴァンパイア」チケット情報はこちら『ダンス オブ ヴァンパイア』はロマン・ポランスキー監督映画『吸血鬼』を原作に、『エリザベート』などの人気作を手がけるミヒャエル・クンツェが脚本を担当したウィーン発のミュージカル。ヴァンパイアのクロロック伯爵とヴァンパイアを研究するアブロンシウス教授との対決を軸に、ユニークな登場人物が巻き起こす騒動を時にスリリングに、時にコミカルに綴るもの。2006年の日本初演時には客席が総立ちになり、千秋楽には当日券を求める観客が1200人以上列を作ったほどの人気作だ。2009年の再演を経て、今回が三演目となる。初演からクロロック伯爵を演じているのは山口祐一郎。山口は「みなさんに少しでも元気になっていただけるなら何でもしますと(演出の)山田さんにお話したんですが、『山口さんに何でもしますと言われても僕は……』と言われてしまいました(笑)。またお風呂のシーンもあることですし、高橋さんと知念さんにはぜひ頑張っていただいて、みなさんにエネルギーをお伝えすることができれば」とユニークな挨拶を。山口から話を振られた知念里奈と高橋愛は宿屋の娘・サラ役をダブルキャストで演じる。風呂好きのヒロインでセクシーな入浴シーンもあるが、今回作品に初参加する高橋はそのシーンについて「最初ちょっと驚いたんですが、(前回も出演している)知念さんに裏技を訊いて、色々やっています。頑張ります!」と心強いコメント。知念も「愛ちゃんのサラはすごくキュートで可愛らしい。こんな風にやることもできるんだなと思うところもあり、私も新たなサラを模索していければ」と話していた。また、モーニング娘。を卒業してこれが初仕事となる高橋は「卒業してひとりで歩かなきゃいけない時にこういう作品にめぐりあえて嬉しい。それに、やっぱりひとりじゃない。キャストやスタッフの皆さんとひとつのものを作るというのは変わっていない」とソロとしての第一歩についての心境を語っていた。公演は11月27日(日)から12月24日(土)に東京・帝国劇場、1月7日(土)から12日(木)に大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケットは東京公演分は発売中、大阪公演分は11月13日(日)に一般発売開始。
2011年11月09日犯人制圧や災害救助などの任務を行う“警備犬”と訓練士である警察官のきずなを描いた『DOG × POLICE 純白の絆』。俳優の時任三郎が、警備犬の訓練所である警視庁警備部警備二課装備第四係の係長・向井寛役で、主演の市原隼人らを静かに見つめるリーダー的ポジションを存在感たっぷりに演じている。その他の写真俳優デビューから早30年。それでも「役者ってキャリアは関係ないと思うんですよ。ときには子役から大切なことを学ぶことも」と語り、共演した市原を「すごくナイスガイで、作品や演技に対する姿勢がまっすぐ。今どき珍しいピュアな青年で『純白の絆』ってタイトルは市原君に捧げたいほど」と振り返る。刑事志望の主人公・早川勇作(市原)が、不本意な人事異動で警備部に配属。そこで人命救助や犯罪者の制圧に活躍する“警備犬”と出会い、絆を深めながら、成長を遂げる。これまで一般的にはほとんど知られることのなかった警備犬にスポットを当てた物語に、時任は「この作品をきっかけに、警備犬はもちろん、彼らに関わる人々の環境がより良いものになり『もっと頑張ろう』と思ってもらえれば、役者冥利に尽きる」と思いも格別だ。撮影中の2011年3月11日に東日本大震災が発生し、ロケが一時中断。警視庁警備犬チームが東北の被災地に出動する中、「災害時に救助するのが警備犬。その事実を広く認知してほしいという気持ちがより強いものになった」(時任)。多くの被災者が困難と向き合う現実を前に、俳優として複雑な胸中にもなったというが「それだけに、社会的な意義も大きいこの映画に参加することで、気持ちの整理がついた部分もある」と今は胸を張る。自身が演じた役柄は「あくまで現場の自主性に任せる人物。もちろん責任者として最終的な判断は下しますが『ああしろ、こうしろ』って口出しするタイプじゃない。リーダー像も時代とともに変わりますからね」。出演作『海猿』シリーズの再始動も決定し「これからも日常性や生活者としての感覚は失いたくない。役者って特殊な職業だから、ついつい“普通”が薄れてしまいがち。でも、そういう部分を演じられなければ、役者とは言えないですからね」と眼差しは未来に向けられる。俳優にキャリアは関係ない。その言葉通り、今後も真摯に演技と向き合う時任の姿がスクリーンで見られるはずだ。最後に「ストレートに楽しめて、疾走感あふれる作品。犬と人間のきずなが、きっと感情に訴えかけてくれる。いろんな意味で大変だったから、その分愛着もありますね」と作品を力強くアピールしてくれた。『DOG×POLICE 純白の絆』10月1日(土)から全国ロードショー取材・文・写真:内田涼
2011年09月29日ドラマ・映画・舞台などで活躍中の俳優・城田優が、9月7日(水)にアーティスト「U」の名義で約4ヶ月ぶりの2ndシングル『刹那(せつな) ~a sandglass of fate ~』をリリースする。ミュージカル『ロミオとジュリエット』チケット情報今年5月、トリプルA面シングル「U」で歌手デビューした城田優。自ら作詞・作曲・編曲を手掛けるなど、積極的に制作活動を行いその才能を存分に発揮している。今回リリースされる2ndシングルリード曲『刹那 ~a sandglass of fate ~』は“運命と恋愛の砂時計”がテーマ。結ばれるはずの無かった男女の禁断の恋模様を砂時計に重ね合わせ、独特の世界観を表現した。今作に収録されている楽曲も、前作同様全て作詞・作曲・編曲を城田本人が手掛けており、収録されているPVや3つのバージョンのそれぞれ異なるCDジャケットなど全てに城田のこだわりが凝縮されている。城田は9月9日(金)TBS「A-Studio」、10日(土)日本テレビ「メレンゲの気持ち」、12日(月)フジテレビ「HEY!HEY!HEY!」等TV番組でに出演。また、11日(日)の13:00から、東京ドームシティ ラクーア 野外イベントスペースにて、2ndシングル「刹那 ~a sandglass of fate ~」CD発売記念イベントを開催予定。なお、山崎育三郎とのWキャストで主演を務めるミュージカル『ロミオとジュリエット』が東京・赤坂ACTシアターにて9月7日(水)から10月2日(日)まで上演。10月8日(土)から20日(木)は大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。チケットは発売中。
2011年09月05日