島根県の2大パワースポットと言われる「美保神社」と「出雲大社」。この2つは「両参り」することでさらに御利益がアップするとも言われていますが、島根半島の両端にあるため、その移動手段は事前にチェックしておいたほうが安心です。株式会社駅探(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金田直之)が運営するメディア「駅探おでかけラボ( )」では、美保神社と出雲大社を両参りするのにおすすめの移動手段について解説し、あわせて、一緒にお参りすべきと言われている八重垣神社との「三社巡り」についてご紹介した記事を2024年4月22日に公開いたしました。※公開記事コンテンツはこちら島根の2大パワースポット「美保神社」と「出雲大社」「両参り」するときのおすすめルートや八重垣神社との「三社巡り」についても解説! : えびす様をお祭りする「美保神社」美保神社は「三穂津姫命(みほつひめのみこと)」と「事代主神(ことしろぬしのかみ)」を御祭神とする神社です。三穂津姫命は五穀豊穣、夫婦和合、安産、子孫繁栄、歌舞音曲(音楽)の守護神として信仰されていて、美保神社という名前の由来にもなっている神様です。また事代主神は、海上安全、大漁満足、商売繁盛、学業、歌舞音曲(音楽)の守護神として信仰されていて、商売繁盛の神様「えびす様」の名前でも親しまれています。えびす様を祀る「えびす社」は全国に3300以上ありますが、美保神社は「えびす様の総本宮」とされています。美保神社では、毎月7日に「七日えびす祭」をおこなっています。神様との有縁の日とされていて、この日に行くと限定の「金字の御朱印」や「金色の鯛守」を受けることができます(抽選の場合あり)。漁業や商売繁盛のご利益があると言われ、地元の漁業関係者なども多く訪れる神社です。美保神社美保神社のアクセス情報美保神社のアクセス情報をご紹介します。■住所島根県松江市美保関町美保関608■電話番号0852-73-0506■電車・バスでのアクセス方法最寄駅はJR松江駅とJR境港駅です。・松江駅から:一畑バス(万原線、美保関ターミナル行)に乗車し、終点「万原停留所」で下車。美保関コミュニティバスに乗り換え、「美保神社入口」で下車します。・境港駅から:美保関コミュニティバス(境港線)に乗車し、宇井渡船場で美保関線のバスに乗り換え、「美保神社入口」で下車します。■車でのアクセス方法高速道路を利用する場合は米子ICで下車し、国道431号線を経由して境水道大橋入口交差点で県道2号線に入ります。道路状況にもよりますが、米子ICからの所要時間は65分前後です。周辺に無料の地区駐車場が2か所あります。だいこく様をお祭りする「出雲大社」日本三大神社の一つとも言われる出雲大社。8世紀には大きな社が建てられていたとも言われる歴史のある神社で、その名前を知らない人はいないでしょう。「縁結びの神」「福の神」としても知られる出雲大社の主祭神は「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」。「だいこくさま」とも呼ばれる神様です。大国主大神が「天照大神(あまてらすおおみかみ)」に国を譲った際に造営された宮殿が出雲大社の始まり、とも伝えられています。高さ8.8mもの大鳥居をはじめ、境内にはさまざまなお社があります。そのご利益を求め、毎年国内外から多くの参拝客が訪れていて、2019年には年間で600万人以上の観光客が参拝しました。出雲大社出雲大社のアクセス情報出雲大社のアクセス情報をご紹介します。■住所島根県出雲市大社町杵築東195■電話番号0853-53-3100■電車でのアクセス方法一畑電鉄「電鉄出雲市駅」から北松江線「松江しんじ湖温泉行」に乗車します。川跡駅で一畑電車・大社線「出雲大社前行」に乗り換え、出雲大社前駅で下車します。電鉄出雲市駅からの所要時間は25分前後です。■バスでのアクセス方法JR出雲市駅のバスターミナル1番の乗り場から「出雲大社行き」に乗車し、「正門前」で下車します。バスの所要時間は30分前後です。■車でのアクセス方法高速道路を利用する場合、出雲ICから国道431号経由で15分ほどかかります。参拝者用の大駐車場があり、無料で利用できますが、混雑状況によっては満車で利用できない場合があります。万社の場合は周辺の有料駐車場を利用しましょう。地図美保神社と出雲大社は両方行くべき?ご利益アップの「えぶす・だいこく両参り」とは美保神社と出雲大社はとてもゆかりの深い神社です。というのも、美保神社に祭られているえびす様は、出雲大社に祭られているだいこく様の子どもだからです。そのため、出雲大社と美保神社を「両参り」することでより良い縁が生まれる、と言われ、江戸時代から「えびす・だいこく両参り」が盛んにおこなわれていたと言われています。特に縁結びや復縁のご利益がアップすると言われていて、恋愛成就を願う人も多く訪れています。なお、両参りをする際は、親であるだいこく様からお参りすることが推奨されています。そのため、出雲大社を参拝してから美保神社にお参りするのがおすすめです。美保神社と出雲大社の両参りおすすめの移動手段は?美保神社と出雲大社を両参りしたい、という方は多いでしょう。けれども、冒頭でお伝えしたようにこの2つの神社は島根半島の両端に位置しているため、事前に移動手段をチェックしておかないと、予想以上に時間がかかってしまう可能性があります。そこで、2神社を移動する際におすすめの方法をご紹介します。車で移動する場合出雲大社から美保神社に車で移動する際には、約1時間30分(約82㎞)ほどかかります。出雲ICから山陰自動車道を経由して松江JCTで下車。松江だんだん道路と国道431号線を利用するルートがわかりやすくおすすめです。公共交通機関(電車・バス)を利用する場合公共交通機関を使って移動する場合は、電車とバスを乗り換えていくことになります。ここでは、スピード重視の方法と、安さ重視の方法をそれぞれご紹介します。スピード重視ならこの方法(乗車時間:2時間前後、料金3,350円)一畑電車に乗って「出雲大社駅前」→川跡駅→電鉄出雲市駅へ(20~30分、500円)徒歩でJR出雲市駅に移動し(約3分)、山陰線でJR松江駅へ(25分~45分、590円)※特急利用の場合は追加で1,290円かかります松江駅から一畑バスで美保関バスターミナル/万原バスターミナルへ(40分、770円)美保関コミュニティバスに乗り「美保神社前」で下車する(30分、200円)※カッコ内の所要時間は目安であり、交通状況によって大きく変動する場合があります。また料金は2024年1月時点の大人料金です。それぞれの所要時間は上記のカッコ内の通りですが、上記には電車やバスの待ち時間が含まれていません。必ずしもちょうどよい時間に次の電車やバスが来るとは限らないため、トータルで3時間前後はかかると考えておいたほうがよいでしょう。安くいくならこの方法(乗車時間:2時間15分前後、料金1,720円)一畑電車に乗って「出雲大社駅前」→川跡駅→松江しんじ湖温泉駅へ(60~70分、820円)徒歩でバス停「国宝松江城/県庁前」に移動し(約10分)、一畑バスで美保関バスターミナル/万原バスターミナルへ(35分、700円)美保関コミュニティバスに乗り「美保神社前」で下車する(30分、200円)※カッコ内の所要時間は目安であり、交通状況によって大きく変動する場合があります。また料金は2024年1月時点の大人料金です。ちなみに、2日間かけて他の観光スポットを周ることも検討している場合は、一畑バスの「旅PASS 2Days」( )を利用するとお得になる場合があります。一畑電車、一畑バス(高速バス・臨時バスを除く)、松江市交通局(レイクラインを含む、臨時バスを除く)の全区間が2日乗り放題のチケットで料金は大人3,000円、小児・大人障がい者1,500円です。なお、「縁結びパーフェクトチケット」は2023年9月で終了していますので、ご注意ください。ここまで、車を使った場合と公共交通機関を使った場合とに分けて2つの神社の移動方法をご紹介しましたが、もっとも速いのは車での移動です。一日で両参りをしたい場合、それぞれの神社で参拝する時間を考慮すると、公共交通機関を使うプランは現実的ではありません。一日で回りたい方は車で移動するか、観光タクシーを利用しましょう。ただ、それでもかなりタイトなスケジュールになる可能性があることを頭に入れておきましょう。また、両参りプランが含まれるツアーもありますが、2日間もしくは3日間のコースがほとんどです。他の神社や観光スポットがプランに含まれていることが多いため、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。三社巡りと八重垣神社についてなど記事の続きはこちら島根の2大パワースポット「美保神社」と「出雲大社」「両参り」するときのおすすめルートや八重垣神社との「三社巡り」についても解説! : 会社概要商 号 :株式会社 駅探所在地 :〒102-0083東京都千代田区麹町5-4JPR麹町ビル代表者 :代表取締役社長 金田 直之資本金 :291百万円事業内容 :乗り換え案内/時刻表/地図を中心としたナビゲーション事業、インターネットメディア事業、インターネット広告配信事業URL :「ekitan」: 「駅探BIZ」: 「駅探ASPサービス」: 「駅探おでかけラボ」: お問い合わせ先【本データの利用条件】1情報の出典元として、「駅探Pおでかけラボ」の名前を明記してください2出典元として、以下のURLへのリンクを設置してください記事URL: 3調査結果データについて、加工・改変は許可いたしません。4当社がふさわしくないと判断した場合には、転載許可を取り消し、掲載の中止を求めることができます。【本件に関するお問い合わせ】株式会社駅探広報:山田TEL: 03-6367-5951メールアドレス: press@ekitan.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年04月22日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が17日に自身のアメブロを更新。病院を訪れ点滴を受けたことを報告した。この日、團十郎は「今日は病院」というタイトルでブログを更新し「今日は、幹細胞です」と説明。「効くのか効かないのか、と思ってましたが、なんか効く」と述べ「実感を感じながら点滴してもらいます」とつづった。続けて「ジュースはのも」と題したブログを更新。「さ!作業」と述べ、堪能したジュースの写真を公開し、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お疲れ様です」「良いですね」「ゆっくりしてね」などのコメントが寄せられている。
2024年04月17日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が22日に自身のアメブロを更新。正月に大怪我をしていたことを告白した。この日、團十郎は「到着!」というタイトルでブログを更新し「これから点滴なり」と報告。「時間かかりそうです」と述べ「終わったら帰宅なり」とつづった。続けて更新した「点滴」と題したブログでは「回復 これでだいぶ元気になると思う」と写真とともにコメント。「温泉ではずっと寝てたのでぼちぼち回復してくれるだろうと」とつづった。また「ぼちぼち時効ですかね」と述べ「正月にけっこう大きな怪我してて実は大変でした」と正月に大怪我をしていたことを告白。「それもあってけっこう休んでますね」と明かし、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「大変な状況だったのですね」「ゆっくり休んでください」「ご自愛ください」などのコメントが寄せられている。
2024年02月23日講演・研修事業を行うペップハウスにしやん(所在地:千葉県白井市、代表:西山崇子)は、今までなかった新しい子育て&人財育成論の集大成『川上美保×西山崇子【これに気づいたとき子育ては変わる!!子育ては究極の人財育成】講座』を2024年3月9日にオンラインで行います。イベント詳細: 【これに気づいたとき子育ては変わる!!子育ては究極の人財育成】講座 チラシ1■開催概要イベント名: 川上美保×西山崇子【これに気づいたとき子育ては変わる!!子育ては究極の人財育成】講座開催日時 : 2024年3月9日(土)20:30~22:30会場 : オンライン参加費 : 一般2,000円(税込)アーカイブなし参加条件 : Zoomが使用可能な方定員 : 300名主催 : ペップハウスにしやん申込方法 : チケット販売サイトより販売サイト: ■講師プロフィール・川上美保有限会社オフィスフォーハウト 代表取締役。一般社団法人マザーニア創立者、凡努塾塾長、SBT認定一級メンタルコーチ、日本メンタルヘルス協会基礎カウンセラー、一般社団法人日本プロセラピスト協会エグゼクティブプロデューサー。子育てと仕事をどうすればできるかを追求し「働きながら子育て出来る社会創りを目指す」ために、2010年一般社団法人マザーニアを立ち上げ、子育て中のママでもプロ意識で社会と関わることが未来の子どもの成長が日本を担うと確信する。専門分野は人財マネジメントコンサル、コミュニケーション講座、プライバシーマーク取得コンサルなど多岐にわたり、各地で講師としても活躍。・西山崇子感謝・感動・感激パワフル NO.1 ペップトーカー。一般財団法人日本ペップトーク普及協会認定講師、公益財団法人 健康・体力づくり事業財団健康運動実践指導者、加圧トレーナー、プロフェッショナル子育てマイスター、予祝講師、自分の花を咲かせる会 講師、大人の部活キラキラ女子部主宰、全国マネージャー応援部責任者、日本朝礼協会朝礼インストラクター。持ち前の元気と明るい指導に定評があったが、ペップトークに出会い、やる気を引き出す言葉がけで月間100セッションを超す超人気トレーナーに。現在はメンタルトレーナーとして、小中高校、大学生の部活サポート、ジュニアアスリートの保護者サポートも行う。■会社概要商号 : ペップハウスにしやん代表者 : 西山崇子所在地 : 〒270-1412 千葉県白井市桜台3-23-17設立 : 2021年3月事業内容: スポーツトレーニング・講演・セミナー事業URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】ペップハウスにしやんTEL : 080-1078-5257お問い合せフォーム: hrtachan819@gmail.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月20日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿が14日に自身のアメブロを更新。治療のために病院を受診したことを明かした。この日、團十郎は「一日休み」というタイトルでブログを更新し「リズム変わったので今日はとても疲れました」とコメント。「でも勸玄が元気で良かった」と述べ「私は病院の後名古屋で全然遊んでなかったので今日は出かけます」と明かし「たまにはストレス発散」とつづった。続けて更新したブログでは「よろしくお願いします!!」と自身の足元の写真を公開。「まずは治療」と治療を受ける事を明かし「本当今日は疲れた」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お疲れになられたのですね」「お大事になさってください」「回復を祈ります」などのコメントが寄せられている。
2024年02月15日「子どもの風邪は絶対パパにうつる」(※画像はイメージです)同番組はともに3児のママである藤本美貴さんと横澤夏子さんがMCを務めるトークバラエティ。この日のゲストは、サッカー元日本代表の稲本潤一さんの妻で4歳と2歳の兄弟を育てている田中美保さんです。この日、話題に上がっていたのが「子どもの風邪」。田中さんの子どもは発熱すると、2人とも「熱性けいれんをするタイプ」で、初めて長男が熱性けいれんになったときはパニックになったといいます。熱性けいれんになった日は、長男の体調が悪く保育園からお迎え要請が来たため、お迎え後に車で病院に連れて行ったそう。その車中で長男の様子がおかしく、ふざけているのかと思ったら突然「白目剥いてけいれん」。病院に着いた田中さんは、他の患者さんが並んでいる中でもなりふりかまわず、受付に「(長男が)死にます!」と訴えたそうです。当時は「涙も出ないくらいびっくり」したといい、我が子を助けるために必死だったよう。その後、次男も熱性けいけんを起こすことがあり、都度対処してきた経験から、今では「ちょっとたくましくなった」という田中さん。とはいえ、次男は昨年アデノウイルス、手足口病、胃腸炎、溶連菌にかかって流行りの病気を「コンプリート」したそうで、大変であることには違いないですね。また、収録日の朝も長男が「のどが痛い」と言い出したために、朝病院に連れて行ってから現場に向かったそう。子どもの体調不良は仕方のないことですが、それに対処しつつ、仕事もこなさなければならないママやパパは本当に大変です!さらに、「子どもの風邪は絶対パパにうつる」とも。田中さんの夫の稲本さんは、子どもの風邪がうつって微熱が出ただけでも重症のように振る舞うことがあり、田中さんは「大丈夫!わかった!微熱だから!」とツッコむそう。田中さん自身は、子どもから風邪をもらってもそこまでひどくならずに回復するといいますが、それは「(自分が)寝込んだら多分家族全員死ぬ」と、常日頃から意識していることもかかわっているのではと感じているようです。
2024年01月13日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿、長男の市川新之助が25日、都内で行われた『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台 二月御園座大歌舞伎』(来年2月1日~17日)の合同取材会に出席した。同公演で、團十郎は「吉野山」の佐藤忠信実は源九郎狐と「勧進帳」の武蔵坊弁慶を演じ、新之助は「外郎売」の外郎売実は曽我五郎を演じる。團十郎は「見やすい演目を並べさせていただいて、歌舞伎を初めて見る方でも、歌舞伎をよくご存じの方でも楽しめるような構成に、昼の部も夜の部もしています」と紹介した。襲名から約1年。新之助は「新之助と呼ばれることがあまりなくて、まだあまり実感がないのかなと思います。サインをたまに練習するんですけど、そういう時は『新之助だな』と思う時があります」と述べ、團十郎も「私もあまり実感ないんですけど、同じで、サインを書く時に『團十郎なんだな』と思ったりします」と話して笑いを誘った。團十郎はまた、「1年前の自分と今の自分を比較すると、團十郎という名前に慣れてきたのかなと思います。少しずつ、まだ海老の殻のついている團十郎ですが、團十郎なのかもしれないなと自分でも思うところがちょっと出てきた。周りも『團十郎』と呼ぶようになってきたので、ちょっとずつ團十郎になっている実感はあります。ですから荷が重いです」と話していた。
2023年12月25日歌舞伎俳優の市川團十郎白猿、長男の市川新之助が25日、都内で行われた『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台 二月御園座大歌舞伎』(来年2月1日~17日)の合同取材会に出席した。同公演で、團十郎は「吉野山」の佐藤忠信実は源九郎狐と「勧進帳」の武蔵坊弁慶を演じ、新之助は「外郎売」の外郎売実は曽我五郎を演じる。團十郎は「見やすい演目を並べさせていただいて、歌舞伎を初めて見る方でも、歌舞伎をよくご存じの方でも楽しめるような構成に、昼の部も夜の部もしています」と紹介。新之助は「『外郎売』は新之助の襲名でもやらせていただいて、すごく好きなんですけど、その『外郎売』をまたやれる。名古屋で舞台をやるのは初めてなので、すごく緊張するんですけど、名古屋の方々にもいろんな演目を楽しんでほしいと思っています」と語った。新之助は、初舞台から約1年が経ったが、「新之助と呼ばれることがあまりなくて、まだあまり実感がないのかなと思います。サインをたまに練習するんですけど、そういう時は『新之助だな』と思う時があります」と心境を語った。團十郎は、新之助の成長について「めざましく進歩したなと。『外郎売』を1年間引っ提げて各地で披露してきた結果、積み重ねてきた日々がちゃんと実となってお客様にも通ずるような芸風に少しずつなってきている」と評価。「本人もやる気がある。だからといって私はあーだこーだ言わないタイプなので、環境を作って見守って。あまりプレッシャーをかけすぎると感じちゃうので、伸びやかに修正点を注文しながら、また一歩階段を上ってもらいたいと思っています」と話していた。
2023年12月25日たった1日でボロボロ「もう二度と買わない」!同番組はともに3児のママである藤本美貴さんと横澤夏子さんがMCを務めるトークバラエティ。この日のゲストは、4歳長男と2歳次男の兄弟ママである田中美保さんです。藤本さんは、田中さんが40歳の誕生日を迎えた際のInstagram投稿が印象に残っていたよう。投稿では息子たちと田中さんのほほえましい親子ショットが公開され、併せて「日々ドタバタと過ぎていく毎日で寝ても寝ても疲れがとれない」という、子育てママのリアルな本音が綴られていたのです。それを見た藤本さんは「(田中さんが自分と)同じところにいる!」とうれしくなったそう。田中さんの息子たちは「一生動いてて」と表現するほどとにかく元気いっぱいで、何度注意しても「同じことをする」。時にはヒートアップしてしまい、怪我をすることもあるといいます。先日も、自宅の「戦いごっこをしちゃいけない場所」で兄弟が遊んでおり、次男が頭を打って号泣。慌てた田中さんが、どうしてこうなったのか聞こうとしても、長男は「俺じゃない!」と否定するばかりで大変だったよう。そんな息子たちのやんちゃぶりに、普段はおおらかだという夫の稲本潤一さんも「結構ブチギレる」のだそう……。小学6年生の長男がいる藤本さんは、田中さんの話に大いに共感。藤本さんいわく、長男には「例え話が通じない」そうで、何かを説明する際に「これが人だとするじゃん?」と例えても、「人じゃないじゃん」とツッコまれて話が進まないとか。また、田中さんと藤本さんは、男の子がいる家庭はとにかく汚れやすいというエピソードでも盛り上がりました。田中さん宅は息子たちによって「砂まみれ」で、「ラグの間になんでこんな砂(が入ってるの)?」と思うことも。それを聞いた藤本さんはすかさず「ラグとか敷いちゃダメ!」。さらに、田中さんの息子たちはどんぐりや松ぼっくりなどをすぐ拾ってくるそうで、藤本さんの息子も小学校5年生まで「石拾ってきたり」していたといいます。加えて藤本さんの息子は「よくわからないところでスライディングしたり」するので、理解できないほど活発だと困惑。田中さんも、息子におしゃれな靴を買ってあげたところ、「1日でボロボロ」にされたことがあり「もう二度と買わない」と言っていました。藤本さんと田中さんの息子あるあるトークは、三姉妹ママの横澤さんにとっては未知の世界だったようですが、同じような経験があり「わかる!」と深く共感した親御さんも少なくないかもしれませんね。「親の言うことを聞かない」は成長の証子どもが自分で考え活発に行動できるのは喜ばしいことですが、親の言うことを聞かないのは困りますよね。子どもが言うことを聞かない理由はさまざまですが、大まかに言うと、2歳~6歳頃は自我の芽生え、小学生になると世界が広がったことによる疲れ、中学生・高校生では思春期といったことが背景にあります。どの年齢でも、自分の葛藤をうまく消化できず、その思いをぶつける先が親だった、ということが多いです。特に幼少期の場合は、成長とともに自我が芽生え、今までママやパパにやってもらって当たり前だったことを「自分でやりたい」のにうまくいかない、親がそれをわかってくれないときに「言うことを聞かない」という様子が見られることもあります。子どもがあまりにも言うことを聞かないと、しんどいと感じることもあるかと思いますが、まずは子どもの気持ちの理解に努め、その子自身を見つめましょう。その上で、大人が自分自身の言動を振り返ることも大切です。参照:言うことを聞かない子どもにしてしまう5大原因…効果アリな3つの対処法を解説【教えて保育士さん】
2023年12月22日映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が2024年9月に公開される。監督は呉美保、主演は吉沢亮。耳のきこえない母ときこえる息子の物語映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の原作は、実録ノンフィクション『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』。きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子ども「コーダ」という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をしている作家・エッセイスト五十嵐大による自伝的エッセイだ。劇中では、耳のきこえない母ときこえる息子の物語を繊細に描いていく。監督は『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の呉美保メガホンを取るのは、佐藤泰志による小説を綾野剛主演で映画化した『そこのみにて光輝く』や、中脇初枝の短編小説集を映画化した『きみはいい子』などで国内外にて高く評価される呉美保。9年ぶりとなる長編映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で、誰もが共感する母と息子の物語を紡ぎ出す。主演・吉沢亮が難役に挑む主演は、『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズといった話題作から、作家性の強い監督作まで幅広い作品に出演している吉沢亮。映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』では、耳のきこえない両親の元で育った息子という難役に挑む。また、主人公の両親役には、ともにろう者俳優として活躍する忍足亜希子、今井彰人がキャスティングされている。主人公・五十嵐大…吉沢亮宮城県の小さな港町で暮らす五十嵐家に生まれる。耳のきこえない両親から、沢山の愛を受けて育つ。五十嵐明子…忍足亜希子大の母。ろう者。五十嵐陽介…今井彰人大の父。ろう者。河合幸彦…ユースケ・サンタマリア鈴木広子…烏丸せつこ鈴木康雄…でんでん脚本は『正欲』 『アナログ』の港岳彦脚本は、『正欲』 『アナログ』の脚本も手掛けた港岳彦が担当。才能あふれるスタッフ・キャストによって紡がれる母と息子の物語を、ぜひ劇場でチェックしてみていほしい。映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』あらすじ宮城県の小さな港町、耳のきこえない両親のもとで愛されて育った五十嵐大。幼い頃から母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし次第に、周りから特別視されることに戸惑い、苛立ち、母の明るささえ疎ましくなる。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つが……。【作品詳細】映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』公開時期:2024年9月監督:呉美保出演:吉沢亮、忍足亜希子、今井彰人、ユースケ・サンタマリア、烏丸せつこ、でんでん脚本:港岳彦原作:五十嵐大「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎刊)企画・プロデュース:山国秀幸手話監修協力:全日本ろうあ連盟配給:ギャガ©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会
2023年12月12日2023年12月8日、以前は市川海老蔵の名で知られていた、歌舞伎俳優の市川團十郎さんがInstagramを更新。舞踊家の市川ぼたんとして芸能事務所に所属する、長女の写真を公開しました。京都府京都市にある劇場『南座』にて、ぼたんさんと、同じく歌舞伎俳優の市川新之助を襲名した、長男の堀越勸玄さんとともに出演している、團十郎さん。同日、團十郎さんは「お散歩。勸玄はお部屋なり」というひと言とともに、ぼたんさんの写真を公開しました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る Ichikawa Ebizo 十一代目市川海老蔵(@ebizoichikawa.ebizoichikawa)がシェアした投稿 満面の笑みで楽しそうに走る、ぼたんさん。スラリと伸びた足や整った顔立ちは、2017年に亡くなった團十郎さんの妻でタレントの、小林麻央さんを彷彿とさせます。團十郎さんが公開した、ぼたんさんの写真に、麻央さんの姿を重ねた人は多い様子。「麻央さんが走っているように見えて、涙が出ました」「麻央さんの生き写しですね」「立派に成長していて、胸がジーンとした」などの声が相次いで寄せられました。ぼたんさんは、同日現在まだ12歳。これからいろいろな経験を経て成長する姿を、團十郎さんはもちろん、麻央さんも天国で見守っていることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年12月09日呉美保監督9年ぶりの最新作『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が2024年に公開されることが決定した。本作は、作家・エッセイストとして活躍する五十嵐大の実録ノンフィクション『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬舎刊)を原作に、呉監督が吉沢亮を主演に迎え、『正欲』『アナログ』(2023) の脚本を手掛けた港岳彦による脚本で作り上げた作品。『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』書影今年の9月に公開された『私たちの声』(2023) の一編、杏を主演にシングルマザーの日常を描いた短編映画『私の一週間』で8年ぶりに監督作を発表した呉監督。今回、『きみはいい子』(2015) から9年ぶりの長編作品のテーマに選んだのはコーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)。耳のきこえない母ときこえる息子の物語を点描のように繊細に紡いでいく。主演を務めるのは『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズなど、今年6本の出演作品が公開された吉沢亮。本作では難役に挑戦し、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現する。■呉美保監督 コメント原作を読み、きこえない両親に育てられた五十嵐大さんの人生に触れ、コーダならではの情緒と葛藤に、まだまだ知らない世界はあるのだなと無知を学びました。と同時に、親と子の極めて普遍的な感情にも触れ、自分自身の家族へのいつかの懺悔が一気に蘇り、これはマイノリティには留まらない、大いなるアイデンティティの物語だと、強く思いました。久しく映画作りからは遠ざかっていましたが、いつか復帰できるなら絶対にこの方と、と勝手に心に決めていたのは吉沢亮さんです。彼の、繊細かつ制御された芝居の奥底にある魂の叫びを覗き見たくて、さらにはまだ見ぬ新しい吉沢亮に出会いたくて、9年ぶりの長編映画に臨むに至りました。■吉沢亮 コメント感情の内側までも表現してくれる手話は口以上に多くを語り、言葉とはただ吐き出すものではなく、伝えるものであると言う、当たり前であるはずのことを改めて教えてくれました。コーダとして生まれた葛藤を抱えながらも、両親から沢山の愛を受けて育った五十嵐大さんの人生を、昔からご一緒したいと夢見ていた呉美保監督と共に丁寧に生きさせてもらいました。お楽しみに。<作品情報>『ぼくが生きてる、ふたつの世界』2024年 公開公式HP:五十嵐大/幻冬舎 (C)2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会
2023年12月09日吉沢亮が、『私たちの声』『そこのみにて光輝く』の呉美保監督のもと、作家・エッセイストとして活躍する五十嵐大の実録ノンフィクションを原作にした映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』に主演する。宮城県の小さな港町で暮らす五十嵐家に、男の子が生まれた。両親、祖父母は“大”と名付けて誕生を喜ぶ。ほかの家庭と少しだけ違っていたのは、父・陽介と母・明子の耳がきこえないこと。幼い大にとって、ときには母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし成長とともに、周囲から特別な目で見られていることに戸惑い、苛立ち、母の明るさすら疎ましく思いはじめて、冷たい態度をとることが増えていく。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大。そして数年後。“きこえない世界”と“きこえる世界”のふたつの世界を行き来するなかで、帰郷したある日、記憶の底に隠れていた母への思いもかけない気持ちがあふれ出し…。五十嵐大「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎刊)第38回モントリオール世界映画祭最優秀監督賞、キネマ旬報ベスト・テン1位に輝いた『そこのみにて光輝く』(14)、『きみはいい子』(15)の呉美保監督にとって9年ぶりの長編作品で、耳のきこえない母ときこえる息子の物語を繊細に紡いでいく。今年9月に公開された『私たちの声』(23)の一編で、杏を主演にシングルマザーの日常を描いた短編映画『私の一週間』で8年ぶりに監督作を発表した呉監督。そして今回、『きみはいい子』以来の長編作品の テーマに選んだのは、コーダ(CODA:Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子ども)という生い立ちを踏まえて社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐さんによる実録ノンフィクション「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎刊)。脚本は、『正欲』 『アナログ』(23)、『とんび』(22)などを手掛ける港岳彦が担当した。そして、主演を務めるのは『キングダム』シリーズや『東京リベンジャーズ』シリーズなどの話題作から、『かぞく』など作家性の強い監督作など、幅広い作品に出演し、今年は6本の出演作品が公開する(配信含む)など俳優としてチャレンジを続ける吉沢亮。本作でも、耳のきこえない両親の元で育ったコーダ・五十嵐大の心の軌跡を体現することに挑む。吉沢亮×呉美保監督よりコメント到着【呉美保監督】「復帰できるなら絶対にこの方と、と心に決めていたのは吉沢亮」原作を読み、きこえない両親に育てられた五十嵐大さんの人生に触れ、コーダならではの情緒と葛藤に、まだまだ知らない世界はあるのだなと無知を学びました。と同時に、親と子の極めて普遍的な感情にも触れ、自分自身の家族へのいつかの懺悔が一気に蘇り、これはマイノリティには留まらない、大いなるアイデンティティの物語だと、強く思いました。久しく映画作りからは遠ざかっていましたが、いつか復帰できるなら絶対にこの方と、と勝手に心に決めていたのは吉沢亮さんです。彼の、繊細かつ制御された芝居の奥底にある魂の叫びを覗き見たくて、さらにはまだ見ぬ新しい吉沢亮に出会いたくて、9年ぶりの長編映画に臨むに至りました。【吉沢亮】「手話は多くを語る。言葉とはただ吐き出すものではなく、伝えるもの」感情の内側までも表現してくれる手話は口以上に多くを語り、言葉とはただ吐き出すものではなく、伝えるものであると言う、当たり前であるはずのことを改めて教えてくれました。コーダとして生まれた葛藤を抱えながらも、両親から沢山の愛を受けて育った五十嵐大さんの人生を、昔からご一緒したいと夢見ていた呉美保監督と共に丁寧に生きさせてもらいました。お楽しみに。『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は2024年、全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年12月09日2023年11月23日、歌舞伎俳優の市川團十郎さんがInstagramを更新。長男で同じく歌舞伎俳優である、市川新之助さんの写真をアップしたところ、大きな反響が寄せられました。新之助さんは、同日、東京都内で行われた新潟のブランド米『新之助』の新米お手渡しイベントに出席。来場者100名一人ひとりに、新米を手渡したといいます。※写真は複数枚あります。左右にスライドしてご覧ください。 この投稿をInstagramで見る Ichikawa Ebizo 十一代目市川海老蔵(@ebizoichikawa.ebizoichikawa)がシェアした投稿 10歳でありながら、1人でイベントに出席し、立派に務めを果たしていた新之助さん。幼い頃のあどけなさが抜け、その凛とした美しい佇まいと表情は、2017年に亡くなった母親の小林麻央さんを彷彿とさせます。投稿には新之助さんの成長に、驚きの声などが多数寄せられていました。・かわいかったカンカンがこんなに大きくなったなんて!すごくかっこよくなりましたね。・しっかり目を見て渡していてえらい。3枚目は麻央さんにそっくりです。・麻央さんに似ていると思ってたけど、團十郎さんにも似てきた。パパとママのいいと取り!團十郎さんは、投稿に「どんな気持ちだったのかを、聞くのが楽しみです」とコメントをつづっており、きっと後で新之助さんからイベントの感想を聞いて親子で会話をしたのでしょう。未来の歌舞伎界を背負う存在として、注目が高まっている、新之助さん。今後の活躍を応援したいですね![文・構成/grape編集部]
2023年11月24日2023年5月18日、自宅で倒れていたところを発見され、歌舞伎俳優の四代目市川猿之助(本名:喜熨斗孝彦)氏ら3人が救急搬送される事件が発生。後に、搬送された猿之助氏の両親は死亡が確認され、猿之助氏は自殺ほう助の容疑で逮捕されています。同年11月17日、猿之助氏の判決公判が東京都千代田区の東京地裁で開かれ、懲役3年、執行猶予5年の判決がいい渡されました。市川猿之助氏、判決を受けコメント同日、猿之助氏の判決を受け、松竹株式会社はウェブサイトを更新。亡くなった猿之助氏の両親へ哀悼の念を表し、「いかなる事情があったとしても、市川猿之助が行った判断は決して許されるものではなく、大きな過ちであった」と、会社としての考えを述べました。続いて猿之助氏の今後については、「まずは1人の人間として、両親のぶんまでしっかりとこの後の人生を歩んでほしい」と述べ、歌舞伎俳優としての予定が白紙であることを明かしています。また、同社はウェブサイトに猿之助氏のコメントも掲載しました。本日、裁判所から、懲役3年執行猶予5年の判決の言い渡しを受けました。失意のどん底で決意したこととはいえ、常に自分を見守ってくれた父と母を巻き込んでしまったこと、そして、歌舞伎界を含め、多くの皆様に治癒し難い傷を負わせてしまったことに対し、言い表せない罪を感じています。自分の記事が世に出るとき、そのこと自体により、四代目猿之助を継承した自分が「猿之助」という名前のみならず歌舞伎界という大きな伝統と文化に対し深い傷を与えてしまうこと、また成長を歩み続けている猿之助一門のみんなを暗闇の中に放り出すこと、その現実の大きさから自死を選んでしまいました。どん底の中で生き長らえることを選ばなかった自分の弱さを責めるしかありません。たとえ生活の場を失ったとしても、次の日を信じて静かに待つべきでした。生きることを諦める気持ちになったとき、自死を成し遂げることだけを考えていました。自分の精神状態の異常性すら理解できない状況に陥っていました。「あなただけ行かせるわけにはいかない。」という両親の言葉も自然に受け止めてしまっていました。来世に向かう両親の身支度をし、そして、自分の終止符へと向かいました。自分一人で抱え込まず、周囲の人に自分の不安や絶望を相談するべきでした。ただ、当時の自分は、自分の立場もあり、他の人には自分の気持ちは理解できないだろうと考え、また、周囲に弱みを見せることもできませんでした。事件の日から今日まで生きてきました。毎日、あの日のことを思い返してきました。私だけが生き延びてしまった、父と母に申し訳ない、そういったことを考えていました。事件後も、死んでしまいたい、明日命が終わっていないか、と思うこともありました。しかし、周囲や病院関係者の助けのおかげで、事件のときほど真に迫った自死の思いが生じることはありませんでした。「最後に何か言いたいことはありますか。」という裁判官の言葉に対し、「自分にできることがあればやらせていただきたい。」と答えました。今後は、生かされた自分に、これから何ができるか考えていきます。これからは、一人で抱え込まずに、自分の弱さも自覚し、周囲の方々に相談し、助けていただきながら、一日一日一生懸命に生きていこうと考えています。本当にご迷惑をおかけしました。松竹株式会社は、猿之助氏と時間をかけて話し合い、責任をしっかりと受け止めた上で、今後について模索していくとのこと。また、事件の発端とされているハラスメント行為の報道については、現時点で事実確認はないものの、通報窓口の利用者を拡大するなど、会社として改善を進めていくといいます。[文・構成/grape編集部]
2023年11月17日昔、学校で同じクラスだった人や、親しかったものの気付けば連絡を取らなくなってしまった旧友は、あなたにもいるのではないでしょうか。世間は意外と狭いもの。年月が経ってから偶然にも再会し、お互いに驚く…という展開は、時々起こりますよね。以前は市川海老蔵の名で知られていた、歌舞伎俳優の十三代目・市川團十郎白猿(いちかわ・だんじゅうろう・はくえん)さんも、そういった経験をしたようです。市川團十郎白猿、ホテルで手渡された手紙に感動2023年11月14日、市川さんはブログに「ホテルに!?え!?」という、動揺が伝わってくるタイトルの記事を投稿しました。この日、市川さんは京都府京都市の南座に出演。襲名披露公演で使用される、祝幕のお披露目イベントを行いました。イベント後、市川さんはホテルに移動し、おいしい食事を堪能したのですが…そこで、驚くべき出来事が起こったのだとか。豪華なフルーツの盛り合わせとともに、市川さんが受け取ったのは、1通の手紙でした。なんと手紙の送り主は、このホテルの料理長であり、市川さんの元同級生!意外な場所での同級生との再会を受け、市川さんは「泣ける…ありがとう。フルーツ、おいしく頂きます」というコメントとともに、この写真を投稿しました。翌朝、市川さんは料理長とのツーショット写真も公開。きっと昨晩の手紙を受け、市川さんから声をかけたのでしょう。同級生が、料理長としておいしい食事を振る舞っていることを知り、市川さんも嬉しそうな表情を浮かべています。ほほ笑ましいエピソードに、ファンからは「そんなことがあるだなんて…!」「すごい、まさに奇跡の再会!」といった声が続出。きっとこのホテルで口にした料理は、市川さんにとって最高のものであったことでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年11月16日2023年10月・11月に、「十三代目 市川團十郎白猿 襲名披露巡業」公演が全国20ヶ所にて開催となる。それに先駆け出演の市川團十郎による取材会が都内某所にて実施された。演目として『毛抜』を選んだ理由について「市川團十郎家の襲名公演ですので、歌舞伎十八番もしくは新歌舞伎十八番をご披露するというのが一般的。秋巡業の演目の候補としては『鳴神』、『毛抜』があがるなか、決め手となったのは一人で芝居をするところが多い点です。『鳴神』は荒事の要素は多いですが、女方と二人で芝居を進めていくことが多く、市川團十郎が中心の『毛抜』の方が襲名披露巡業としては面白いのではないかと思いました。『毛抜』には紋切り型という幕外の型があり、ご当地によって幕外の景色を変えたいという思いもあり、『毛抜』に決めさせていただきました。『毛抜』はもともと二代目市川團十郎が行った「雷神不動北山櫻」という作品。そこから七代目市川團十郎によって『鳴神』、『毛抜』、『不動』が歌舞伎十八番に選定されますがその形は途絶え、二代目市川左團次が色気ある作品に作り替えたのが今日伝わっている『毛抜』であり、『鳴神』。今やっている『毛抜』は派生して出来ている部分も大きくあり、二代目市川團十郎が演じていたものをそのまま演じている『助六』と違い、『毛抜』は原型がどうだったかは正直分からない。その中で『毛抜』の粂寺弾正は愛嬌とおおらかさ、その中にひけらかさない知的の強さ、歌舞伎十八番の「剛の者」というすべてのエッセンスがないと出来ない、歌舞伎十八番の中でもハードルの高い役のひとつ。」と語る。また、「歌舞伎十八番は荒事の印象があるかもしれませんが、お家騒動を解決していくLGBTQの壁をも超えた主人公が奮闘していくところに、新しい視点でも見ていただける作品なのではないかと思います。」と見どころについても触れ、「自分自身、襲名披露巡業のみならず他の興行を含めても各地に一番足を運んでいる役者だと思います。首都圏の近郊や遠方にいらっしゃる方々に届けられるよう巡業に力を注いで生きてきました。今回各地の方々にお目にかかれるということで、團十郎として今後ともよろしくお願いいたします、というご挨拶と、今まで海老蔵としてありがとうございました、という感謝を伝えられる興行になれば良いなと思う。」と締めた。チケットは好評発売中。
2023年10月10日女性が主人公の7つのショートストーリーからなる映画『私たちの声』が9月1日(金) に公開される。このたび、『きみはいい子』以来8年ぶりに監督を務めた呉美保のインタビューが到着した。呉がメガホンを取った日本版ストーリー『私の一週間』では、育児・家事・仕事に励み、多忙な毎日を過ごす2児のシングルマザーの日常を描いている。約15分の短編だが、呉監督ならではの繊細な視点からリアルな日本の子育て風景を描き出しており、ラストにはほろりとさせられるドラマとなっている。本作に参加した経緯について、呉監督は「長男を出産してから1本も長編映画を撮っていませんでした。映画の撮影に入ると最低でも1カ月はかかりますし、ずっと地方に行きっぱなしだったりするので、子どもがいる中でそれをする勇気がなかったんです。そんな中で2人目を出産し、『またずっと映画を撮らないのかな』『もう一生撮れないかもしれない』と考えていた時に、 WOWOWの鷲尾プロデューサーから本作のお話をいただきました。短編だったこと、そしてテーマが“ジェンダーギャップ”という今まさに自分が抱える悩みでしたので『私がこれをやらずしてどうする!』と参加を決意しました」と語っている。また、脚本のアイディアは身近な題材からだったそうで、「このお話をいただいてから、撮影までに1カ月ほどしか時間がありませんでした。私には2人の子どもがいて、時間のない中仕事をしています。脚本を書くにあたりパッと思い浮かんだこと、そして今回のテーマで考えついたのは、自分が日常的にやっていることでした。主人公をシングルマザーの設定にして、家事と仕事と育児に全力投球するという女性を描こうと決めました」と等身大の物語を描いたことを明かす。さらに主人公をシングルマザーに設定した理由については「昨今、“ワンオペ”という言葉をよく聞きますが、女性と男性の地位について描こうと考えた時に、夫は仕事でなかなか帰ってこず、妻が仕事をやりながら育児も家事もやっているという表現では暗に男性を責めることになってしまうと考えました。主人公をシングルマザーにすることで、子どもを育てながら働くということがどれぐらいの作業量になるかをシンプルに描けるなと思いつきました。本作を見て、家事育児はつまり沢山の“名もなき家事”と向き合うことなんだということを感じてもらえたらなと」と意図を明かしている。主演を務めたのは、監督と同じく働く母として活躍する杏。彼女との作業について呉監督は「ものすごく楽しかったです!また彼女とご一緒したいですし、この作品においては、彼女なしでは成立しなかったと思っています。本作で彼女と出会えたことは、今後の映画作りにおける大切な財産になるでしょう」と打ち明けている。最後に、呉監督が日常的に感じるジェンダーギャップについて、「不思議なもので映画やドラマで、例えばお父さんが保育園に子どもを送るシーンを見ると、私自身も少し違和感を抱いてしまうんです。こういう違和感をみんながどんどん解放して、これまでの固定観念を捨てていかないと、前に進めないなとは思います。今ある現実として、料理をするのは女性、育児をするのは女性、保育園に送るのは女性みたいなことをあえて映像にして現実を見せることで、逆に違和感を持っていただきたい。いつかこの作品を見て『こんな時代もあったよね』と言われるようになるといいなと思っています」と想いを語っている。<作品情報>映画『私たちの声』9月1日(金) 公開公式サイト: ILBE SpA. All Rights Reserved.
2023年08月23日2023年5月18日、自宅で倒れていたところを発見された、歌舞伎俳優の四代目市川猿之助(本名:喜熨斗孝彦)氏が、救急搬送されました。マネージャーが発見した際、自宅では猿之助氏の両親もその場で倒れており、後に両親は死亡が確認されています。同年6月27日には、母親に対する自殺ほう助の容疑で、警視庁は猿之助氏を逮捕。今後、父親であり、歌舞伎俳優である市川段四郎さんへの自殺ほう助容疑でも捜査を進めていくとのことです。市川猿之助氏の逮捕を受け、所属事務所がコメント猿之助氏が逮捕された日、所属事務所である株式会社ケイファクトリーはウェブサイトにコメントを掲載。ファンや関係者に向けて「多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますこと改めて深くお詫び申し上げます」と謝罪の言葉を述べ、今後についてこのようにつづりました。現在、本人は警察の取調べを受けていると認識しております。このような事態に至りましたことを重く受け止め、今後も当局の捜査に協力して参ります。また、司法による最終的な判断がなされるまで、所属契約に関する見解について申し上げることは差し控えさせて頂きます。マスコミ各社様、SNSを含む個人の記者様への改めてのお願いでございます。市川猿之助の自宅及び、ご親族の方へのご取材はお控えいただきたく、皆様のご理解賜りますようお願い申し上げます。尚、この件に関する弊社所属俳優のコメントは差し控えさせていただきます。株式会社 ケイファクトリーーより引用また、松竹株式会社は「司法による最終的な判断がなされるまではコメントを差し控え、今後の捜査等を見守りたい」とコメント。今回の事件が家族内のものであるため、両社ともに、会社としての見解を述べるのは控える模様です。[文・構成/grape編集部]
2023年06月27日2023年6月26日、歌舞伎俳優の四代目市川猿之助氏(本名・喜熨斗(きのし)孝彦)について、警視庁が母親に対する自殺ほう助の容疑で逮捕状を取ったことが、捜査関係者への取材で明らかになりました。産経ニュースによると、市川猿之助氏は同年5月18日、東京都目黒区の自宅にて、父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さんと母親とともに倒れているのが見つかり、両親は死亡が確認されました。自殺ほう助罪とは、刑法202条にあたる規定で、すでに自殺を決意している者に対し、自殺行為の手助けをすることです。市川猿之助氏の今後の動向に、多くの人が注目しています。【2023年6月27日10時46分追記】母親の自殺を手助けした自殺ほう助の容疑で、市川猿之助氏が逮捕されたことが、2023年6月27日にメディアで報じられました。[文・構成/grape編集部]
2023年06月27日ジェニファー・ハドソンや、カーラ・デルヴィーニュ、エヴァ・ロンゴリアら、世界を代表する実力派女優と女性監督が集結し、日本からは杏と呉美保監督が参加した7つのショートストーリーからなる映画『私たちの声』の公開日が9月1日(金)に決定。杏さん自身がナレーションを務めた日本版予告と場面写真が解禁となった。世界の映画界で活躍する女性監督と女優が集結し、女性が主人公の7つの物語を紡ぎ出した本作は、「映画、芸術、メディアを通して女性を勇気づける」をスローガンとして掲げる非営利映画製作会社「We Do It Together」協力のもと、そのメンバーを中心に、企画意図に賛同した多くのキャスト、スタッフたちが世界中から集結。『ペプシとキム』実際の出来事から着想を得たエピソードから、フィクション、アニメーションまで、世界各地を舞台に女性たちの力強い物語が描かれる。各話の主人公たちは、強い決意と勇気をもって人生の難局に立ち向かい、より強く、より自己認識を高め、スクリーン越しに観る者へ称賛を贈るような7つの珠玉のヒューマンドラマに仕上がった。『無限の思いやり』出演者には、『ドリーム・ガールズ』『リスペクト』のジェニファー・ハドソン、『スーサイド・スクワッド』のカーラ・デルヴィーニュ、「デスパレートな妻たち」で知られるエヴァ・ロンゴリア、『ポロック 2人だけのアトリエ』『ミスト』のマーシャ・ゲイ・ハーデン、『3つの鍵』などで知られるイタリアのマルゲリータ・ブイ、ボリウッド映画で活躍するジャクリーン・フェルナンデスらが名を連ねる。監督には、『トワイライト~初恋~』『マイ・ベスト・フレンド』キャサリン・ハードウィック、『ドリーム』「Empire/エンパイア 成功の代償」で知られるタラジ・P・ヘンソンらが参加。そして日本からは、唯一無二の存在感が光る杏さんと、『そこのみにて光輝く』(14)が国内外で高い評価を受けた呉監督が前作『きみはいい子』以来8年ぶりにメガホンをとる。『私の一週間』さらに主題歌「Applause」は、本年度アカデミー賞歌曲賞にノミネート。アメリカ音楽界のヒットメーカーであり、セリーヌ・ディオンやシェール、レディー・ガガなどに多数の楽曲を提供し、2001年にソングライターの殿堂入りを果たしたダイアン・ウォーレンが作詞・作曲、歌手・女優としてマルチに活躍するソフィア・カーソンが歌唱。今日という1日を懸命に生きる人々に、曲名どおり「拍手」を贈る力強い楽曲となっている。この度完成した予告では、ナレーションは本作で世界デビューを果たした杏さん本人が務めており、困難に立ち向かう主人公たちを包み込むような仕上がり。7つのストーリーが垣間見え、主題歌「Applause」が7人の女性の人生に光を当てる。また、各話の場面写真も解禁。ジェニファー主演の『ペプシとキム』は過去の出来事が原因で自分の中に存在するもう1人の人格・ペプシと戦う女性キムの物語、マーシャとカーラ共演の『無限の思いやり』ではコロナ禍のロサンゼルスを舞台に、若いホームレスと彼女をケアする医師との交流が描かれる。『帰郷』エヴァ出演の『帰郷』は亡き妹が遺した姪と心を通わせていくヒューマンドラマ。杏さん主演の『私の一週間』は子育てと仕事に追われるシングルマザーの多忙な日々を映し出す。『声なきサイン』マルゲリータ主演の『声なきサイン』は病院にやってきた犬の飼い主の異変に気づいた獣医の奮闘を描くスリリングなドラマ、ジャクリーン主演の『シェアライド』はトランスジェンダーの女性と友情を築いていく裕福な女性が新しい世界を知っていく物語。『シェアライド』アニメーションの『アリア』は怖がらずに常識を破り、自我を見つけていく主人公の勇敢な姿が描かれている。『アリア』『私たちの声』は9月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年06月01日●女形に楽しさ「舞台中、普段の性格も柔らかく」俳優・香川照之(市川中車)の長男で歌舞伎俳優の市川團子が、明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』(東京・明治座、5月3日~28日)の夜の部「三代猿之助四十八撰の内『御贔屓繋馬』(ごひいきつなぎうま)」に百足のお百役で出演する。2012年に8歳で初舞台を踏んでから約11年。大学生活を送りながら歌舞伎俳優として着実に成長を遂げている團子に、同舞台への意気込みや歌舞伎への情熱、そして、目標とする祖父・市川猿翁と親戚でもある猿之助への思いを聞いた。『御贔屓繋馬』は、四世鶴屋南北の原作を三代目市川猿之助(現・市川猿翁)と奈河彰輔が筆を執り、1984年4月に明治座で初演し、大評判を呼んだ作品。今回は物語を洗い直し凝縮した形で届ける。大喜利所作事『蜘蛛の絲宿直噺』では猿之助が女童、小姓、番頭新造、太鼓持、傾城、土蜘蛛の精の6役を早替わりで踊り分け、“奮闘公演”に相応しい変化舞踊を披露する。――明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』への出演が決まったときの心境からお聞かせください。『新・三国志』や『弥次喜多』に出させていただく機会が多く、それも本当にありがたいのですが、古典を学びたいと思っていたので、古典の作品に出演させていただけるというのはうれしかったです。――古典で学びたいと思った理由は?新作やスーパー歌舞伎『新・三国志』はセリフが現代調だったりして、先輩方は古典が身についていらっしゃるので現代調で言っても歌舞伎になるのですが、自分はまだ全然できていないので基礎である古典をしっかり学びたいと思いました。――明治座に抱いているイメージを教えてください。小学5年生のときに『四天王楓江戸隈』という作品に鬼童丸という役で出演させていただき、そのときに立ち回りが本当に楽しかったというのを覚えています。今回が2回目となりますが、また明治座さんに出させていただくのは本当にうれしいです。――『御贔屓繋馬』の魅力をどのように感じていますか?明治座さんでおじいさま(猿翁)がされた初演の映像も見させていただいたのですが、とにかく面白いという印象です。(主人公の)良門が復活するときに衣装から火や煙が出たり、視覚的にも楽しいですし、セットもすごくきれいです。そして、僕が演じる百足のお百はスパイで、村娘に扮して敵方に潜入するという役なのですが、僕だけでなく物語のほぼすべての人が“実は”という役で、スパイ合戦が繰り広げられます。この人はこうだったのだとひも解かれていくのも面白いですし、立ち回りも面白くパワフルな舞台だと思います。――今回の公演で特に楽しみにしていることを教えてください。女形を務めさせていただきますが、去年初めて女形をさせていただいたので、とにかく頑張って食らいつきたいと思っています。そして、“実は”という役を演じるのは初めてなので、その“実は”という要素をしっかり演じられるように、頑張ります。――女形はいかがですか? やりがいなどお聞かせください。楽しいです! 初めて女性に扮し、不思議な感覚になりました。――女形を演じて新たな気づきや変化などありましたか?すごく不思議なのですが、舞台中、普段の性格も柔らかくなっていたようで、家族や周りの人に言われてびっくりしました。言葉は変わりませんが、ちょっとした仕草が女性らしく柔らかくなっていたみたいです。――もしかしたらまた今回も?なるかもしれません(笑)●大切にしている猿之助の言葉「高1のときに…」――これまでも何度も共演されていますが、猿之助さんは團子さんにとってどんな存在ですか?“憧れ”と“かっこいい”が大きいです。『三国志』ではお父様の役(関羽)を演じられていて、後ろをついて歩く場面があったのですが、背中がとにかくかっこよかったです。――自分もこうなりたい! というように憧れている部分を教えてください。すごすぎてまだ何もわかりません(笑)。じいじと猿之助さんの2人が僕の中で一番の憧れなので、そんな役者になれるように必死に食らいついていきたいと思っています。――猿之助さんに言われたことや教えてもらったことで大事にしていることはありますか?高校1年生のときに猿之助さんと出演させていただいた『連獅子』で、「1日2個のことを直せば、25回公演があるから50個のことを直せる」とおっしゃってくださって、それは大事にしています。また、この前出演した作品の立ち回りのときに、僕は立ち回りは型だと思っていたのですが、猿之助さんは「そうではなく感覚でやるものだ。型も大事だけど、戦っているんだからもっと切羽詰まっているわけだし、それに縛られすぎたらよくない」とおっしゃっていて、とても勉強になりました。――今回の共演でもまた学びがありそうですね。長い時間共演するシーンが多いので、同じ場面で猿之助さんを見られるということが一番の楽しみです。猿之助さんの座頭を見るのも初めてで、目が見えない方をどう演じるのか、いろんなことを学ばせていただきたいです。――2012年に初舞台を踏まれていてから11年。ここまで活動されてきて歌舞伎俳優という職業に対して今どのような思いかお聞かせください。ずっと“好き”“楽しい”という感情です。――一番楽しいと感じる瞬間は?全部です! お稽古も本番も楽しいです。もちろん大変だなとか難しいという感情もありますが、常に楽しいという感情があります。――その楽しさは、経験を重ねるごとに増しているのでしょうか?楽しさはずっと一緒ですね。ずっと変わらず歌舞伎が好きなのだと思います。――團子さんが感じている歌舞伎の魅力とは?魅力は無数にあって未熟者なので到底語れませんが、音楽が楽しい、踊りも楽しい、そしてパワフルなところが大好きです。――若い團子さんを見て歌舞伎に興味を持つ若い方もいると思いますが、ご自身の活動によって歌舞伎界がこうなっていったらいいなという思いはありますか?全世代の方に見てみようかなと思っていただける役者に、いつかなりたいです。●祖父・猿翁の映像が活力源待ち受けも「じいじ」――歌舞伎のことがずっと好きだということですが、この11年で特にご自身にとって大きな経験になった転機を教えてください。おじいさまが『三国志』をやられた20年前のビデオとの出会いは転機になりました。おじいさまも言われていますが、主人公の関羽とおじいさまの人生は共通する部分があり、関羽が未来を語る場面は、おじいさまの夢を語っている場面でもあって、キラキラした目で語る姿がすごく好きで感動しました。子供のときも「かっこいい」と思って見ていましたが、2年前に僕も『新・三国志』に出演させていただくことになってよりそのシーンを見て感動し、その語りのシーンが活力源になっています。――けっこうな頻度で映像を見ているのでしょうか。見ます。いつも見ると「頑張らなきゃ!」と。心を燃やしてくださる活力源です。――今、映像を見せていただいた際に、スマホの待ち受け画面が歌舞伎の写真になっているのがちらっと見えましたが、ご自身ですか?これはじいじです。この写真は今年になってからですが、待ち受けはいつも、かっこいいなと思ったじいじの写真にしていて、本当に憧れです。――おじいさまの言葉で大切にしているものはありますか?「勇なるかな勇なるかな、勇にあらずして何をもって行わんや」という言葉をおじいさまが好きで、その言葉を書いた色紙を3、4年前にくださったのですが、これは何を行うにしてもまず勇気が必要であるという意味で、「僕も勇気を持ってやろう」と力をもらっています。――たくさんのパワーの源がありますね。そうですね!――大学ではどのようなことを学んでいるのでしょうか。芸術を学ぶ学科で、東洋のことだけでなく西洋の音楽や美術、演劇なども学んでいて、どれも面白いのですが、いろんなことを学んでいる中で僕はやはり歌舞伎が一番好きだと再確認しました。――本当に歌舞伎を愛していらっしゃるのですね。11年続けてこられて、別の道を考えてことはないですか?ないです。――今後、歌舞伎俳優としてどのようになっていきたいと思い描いていますか?じいじと猿之助さんが僕の理想なので、その背中を見てなんとか追いかけて、頑張り抜きたいという気持ちです。――最後にファンの方にメッセージをお願いします。『御贔屓繋馬』は、お話の内容がわかりやすく、早替わり、宙乗り、立廻りもありパワフルで楽しいお舞台です! 初めて歌舞伎を見る方や若い世代の方にも楽しんでいただける作品になっています。是非ご覧ください!■市川團子(いちかわ・だんこ)2004年1月16日生まれ、東京都出身。香川照之(市川中車)の長男。屋号 澤瀉屋。2012年、6・7月新橋演舞場『ヤマトタケル』で五代目市川團子を名乗り初舞台。2013年、国立劇場10月歌舞伎公演『春興鏡獅子』胡蝶にて、国立劇場賞特別賞を受賞。学業と芸道を両立させながら、さまざまな舞台に挑戦している。
2023年05月03日国際女性デーに合わせ、イ・ジョンウン主演の韓国映画『オマージュ』に、映画監督の呉美保、安藤桃子や、角田光代、柚木麻子、山内マリコら人気作家たちからコメントが到着。モデルとなった実在の映画『女判事』についても明らかになった。ヒット作に恵まれず、新作を撮る目処が立たない映画監督のジワン(イ・ジョンウン)が引き受けたのは、60年代に活動した韓国の女性監督、ホン・ジェウォンが残した映画『女判事』の欠落した音声を吹き込むという仕事。作業を進めながらフィルムの一部が失われていることに気づいたジワンは、ホン監督の家族や関係者のもとを訪ねながら真相を探っていく。『女判事』(映画『オマージュ』より)ジワンが修復に携わる映画『女判事』は、1960年代に活躍した女性監督ホン・ジェウォン(演じているのは、『ほえる犬は噛まない』などで知られるキム・ホジョン)による作品という設定だが、彼女には実際に1960年代に活躍していた女性監督ホン・ウノン(1922-1999)というモデルがいた。2011年に韓国のテレビMBCで放映された「映画監督シン・スウォンの女子万歳」というドキュメンタリーを手がけるにあたって、ホン・ウノン監督の存在を知った『オマージュ』のシン・スウォン監督は、なんとかして『女判事』(62)を見たいと思ったものの、同作を含むホン・ウノン監督が残した3本の作品はいずれもフィルムが紛失していたという。その後、2015年に発見され、韓国映像資料院に寄贈されたフィルムのなかに『女判事』も含まれており、現在は同資料院の公式You Tubeにて本編を観ることができる。実在した韓国初の女性判事をモデルにしたこの映画の映像は、『オマージュ』にも使用されている。映画業界で女性が活躍することがいまよりずっと困難だった時代に活躍した女性監督の足跡をたどることで、主人公ジワンが映画への情熱を取り戻す姿に、人気作家である角田光代、柚木麻子、山内マリコらも共感のコメントを寄せ、『そこのみにて光輝く』(14)でキネマ旬報ベストテン監督賞を受賞した唯一の女性監督・呉美保監督や、安藤サクラの実姉で『0.5ミリ』(14)で報知映画賞作品賞に輝いた安藤桃子監督もコメントを寄せている。角田光代(作家)失われたフィルムをさがすというミステリー仕立てのストーリーは、かつて、しずかに闘った女性の姿を描き出す。彼女が切り開いた道に、ジウンも私も立っている。柚木麻子(作家)今私の抱えてる閉塞感も孤独も、過去の、そして未来の「彼女」とつながっている。イ・ジョンウンのやるせなくもあたたかな表情からかたときも目が離せない。山内マリコ(小説家)女性が映画を撮る。映画監督になる。それがこんなにも逆風だらけだってことに、昔のわたしはどうして気がつかなかったのかな。映画を作りたいと夢を抱いたことのある、すべての女性たちに届け!呉美保(映画監督)この7年、私は映画を作らず、家事育児をしている。女じゃなければ、もう少し先に進めていたかもしれない。何度も頭の中をよぎりながらも、我が人生を否定するまいと、作れないのではなく作らないだけなのだと言い聞かせ、でもやっぱり、腑に落ちないでいる。そんな私にとって、刺さるセリフだらけのこの映画。いつかまた思いっきり映画を作りたいなぁ。荒んだ心を温めてくれたシン・スウォン監督、ありがとう。安藤桃子(映画監督)私たちは、「好き!好き!好きだ!」と、素直に映画への愛を表せばいいのだ。生きた記録と記憶を、この世を満たす光でスクリーンに投影したシン・スウォン監督に、心からの感謝と敬意を表したい。宇垣美里(フリーアナウンサー)彼女が男だったらどうなっていただろうね60年代の女性監督にかけられたその言葉が、今も変わらず響いてやるせない。終盤の美しいシルエットの演出に惚れ惚れし、溢れる映画愛を噛み締めた。渡辺満里奈(タレント)仕事、夢、家庭に揺れ動く主人公は同世代である私の姿でもあり、ジワンがたどったあの後ろ姿はまさに私であり、あなたなのだろう。ゆっくり、じんわり勇気と温かさが心に染みこんでいくこの映画は前へ進み続ける私たちへのオマージュでもある。『オマージュ』は3月10日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:オマージュ 2023年3月10日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2021 JUNE FILM All Rights Reserved.
2023年03月08日東京・新橋演舞場にて1月5日(木)、「新春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム『SANEMORI』」の公開舞台稽古が行われ、十三代目市川團十郎白猿と共演のSnow Man・宮舘涼太が参加した。『SANEMORI』は、古典歌舞伎の名作『源平布引滝』より『実盛物語』を主軸に創り上げられた歌舞伎作品。源平争乱の折、斎藤実盛が、平家に仕える身でありながら、恩義のある源氏に忠義を尽くそうとする生き様や、混乱の世を強く生きる人々の姿を現代の感覚を取り入れた演出で描く。2019年、“伝統の継承”と“新時代の歌舞伎の創造” を目標に開始した團十郎(当時海老蔵)の自主公演「ABKAI」で上演され大きな話題を呼んだ。当時ジャニーズJr.だった宮舘は、同グループの阿部亮平とともに出演した。約3年ぶりの上演にあたり、脚本や演出もブラッシュアップ。前回源義朝の霊、義朝の弟・義賢、そして実盛の3役を勤めた團十郎は今回主役の実盛に徹する。一方、宮舘は前回勤めた源義仲、そしてその父・義賢の父子2役を担い、「戸板倒し」や「仏倒れ」、梯子を用いた立ち廻りも披露。開幕に際し、團十郎は改めて「團十郎の名跡を継ぐことは同時に、古典を継承し発展させていく責務を背負うことでもあると感じております」と責任感を滲ませ、「歌舞伎を観るのが初めてのお客様にも存分に楽しんでいただける作品ができたと信じております。本作を通して『源平布引滝』の魅力を再発見していただけたら幸甚です」とコメント。宮舘は「お話をいただいてから初日を迎えるにあたり、沢山の方々から愛の溢れるご指導をいただきました」と真摯な言葉。「生き様、幸せ、歌舞伎の魅力、表現できる喜びを感じながら演じていきたいと思います」と意気込む。上演は1月6日(金)から1月27日(金)まで。<公演情報>初春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム『SANEMORI』2023年1月6日(金)~1月27日(金)昼の部:12時~夜の部:16時30分~【休演】13日(金)、20日(金)会場:東京・新橋演舞場
2023年01月06日12月26日(月) に歌舞伎座で行われる『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」』千穐楽より、十三代目市川團十郎が出演する『助六由縁江戸桜』の模様が生配信されることが決定した。2カ月続いた歌舞伎座での襲名披露公演のフィナーレを飾る『助六由縁江戸桜』は、成田屋の家の芸のひとつで、十一世、十二世團十郎の襲名興行の際にも上演された所縁のある演目。今回の公演では、粋でいなせな江戸の美男子・助六を新團十郎が演じる。視聴チケットは、本日12月16日(金) 10時より販売がスタートする。<配信情報>市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」夜の部『助六由縁江戸桜』千穐楽 生配信配信日時:12月26日(月) 17:40頃~(約120分)アーカイブ配信:12月27日(火) 17:00~2023年1月4日(水) 23:59まで※一度ご購入頂きますと、アーカイブ配信期間中は何度でも視聴可能です。【出演者】市川海老蔵改め市川團十郎中村七之助、市川猿之助、中村梅枝、坂東巳之助、市川猿弥、片岡市蔵、市川齊入、市村萬次郎、大谷友右衛門、中村勘九郎、坂東彌十郎、松本幸四郎、市川左團次、坂東玉三郎チケット料金:3,600円(税込)販売期間:12月16日(金) 10:00~2023年1月4日(水) 20:00※「イベント割」対象のため、通常の2割引の価格でお求めいただけます。(通常価格:4,500円(税込))【配信リンク】■歌舞伎オンデマンド※ご視聴には歌舞伎オンデマンド連携の配信プラットフォーム「MIRAIL(ミレール)」の会員登録(無料) / ログインが必要です。■Huluストア「十二月大歌舞伎」の詳細はこちら:
2022年12月16日『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」』が、12月5日(月) に東京・歌舞伎座で開幕。その初日レポートが到着した。歌舞伎座での2カ月にわたる『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台』公演。12月公演は、歌舞伎の様式美を堪能できる華やかな演目『鞘當(さやあて)』で幕を開けた。舞台は桜が満開の吉原仲之町。尾上松緑演じる不破伴左衛門と松本幸四郎演じる名古屋山三がやってくると、すれ違う際に刀の鞘が当たったことから斬り合いとなり……。争うふたりを止めに入るのは市川猿之助演じる留女(偶数日は市川中車演じる留男)。荒事味のある伴左衛門と和事味漂う山三の渡り台詞や、留女の貫禄ある啖呵が心地よく響く。伊達を尽くした豪華な衣裳も目に美しく、廓風情漂う舞台に会場は華やかな空気に包まれた。続いては、十三代目市川團十郎白猿襲名披露狂言『京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)』。今回は鐘供養から、市川團十郎家の家の芸「歌舞伎十八番」の一つで華やかかつ壮大な荒事の魅力を存分に堪能できる『押戻し』までを上演。春爛漫の道成寺に現れるふたりの白拍子花子を尾上菊之助と中村勘九郎、大館左馬五郎を市川團十郎白猿が演じる。ふたりの花子が、実は恋の恨みから蛇体となって道成寺の鐘を焼いた清姫の怨霊であったことが分かり、その本性を現すと、花道より勇猛な大館左馬五郎が登場し、怨霊の前に立ちはだかる。前半の華やかな踊りから一転、後半は新團十郎演じる左馬五郎が花道から本舞台へと怨霊を力強く押戻していく様子を観客も息を呑んで見守る。「竹馬の友の和康と兄貴と慕うた中村屋の面差し漂う雅行によく似た化物奴……」と清姫の怨霊を演じる菊之助と勘九郎に絡めた遊び心溢れる左馬五郎の台詞に観客は大盛り上がり。公演に向けたインタビューで「父(十二世團十郎)のようなおおらかな左馬五郎を目指します。」と語った團十郎は、典型的な荒事の扮装を身にまとい、存在感溢れる左馬五郎で観客を魅了した。新團十郎、菊之助、勘九郎と同世代の俳優が揃い、襲名を寿ぐ華やかな一幕となった。昼の部を締めくくるのは、八代目市川新之助初舞台狂言『毛抜(けぬき)』。11月公演で『外郎売』の外郎売実は曽我五郎を凛々しく勤めあげた八代目市川新之助が、今月は史上最年少となる9歳で『毛抜』の粂寺弾正を勤めるとあって、開幕前から注目が集まる演目の一つだ。舞台は中村梅玉演じる小野春道の屋敷。原因不明の病に伏せる姫君錦の前の様子をうかがいに、姫君の許婚である文屋豊秀の家臣粂寺弾正がやって来る。機智に富んだ弾正は姫君の奇病の仕掛けや悪人たちの策略を見事に解き明かしていき……。父・十三代目團十郎が演じた『毛抜』の舞台を観てから粂寺弾正が憧れの役だったと話す新之助は、持ち前の明るさとおおらかさを存分に活かし、愛嬌あふれる弾正を見事に演じ切った。本作の見せ場である様々な見得が決まるごとに、観客からは大きな拍手と劇場指定の関係者による小気味良い大向うの声が会場に響き渡った。歌舞伎十八番の中でも特におおらかな雰囲気が溢れ、古風な味わいたっぷりの一幕。新之助が今回使用している髷は曽祖父にあたる十一世團十郎が粂寺弾正を勤めた際に使用していたもの。「新之助としていろんな役をいっぱい演じていきたい」と熱く語り、歴代の想いを受け継ぐ八代目新之助が大きな一歩を踏み出した歴史的瞬間に立ち会った観客からは、あたたかな拍手が絶えることなく送られた。市川ぼたんが愛らしく繊細に心情を訴えかける『團十郎娘』夜の部は、襲名披露『口上(こうじょう)』から始まり、幕が開くと舞台上には十三代目市川團十郎白猿、八代目市川新之助はじめ、市川團十郎家の色である「柿色」の裃を揃って身にまとって俳優がずらりと並ぶ。初日は松本白鸚が体調不良で休演のため市川左團次による紹介で始まった。続けて、河原崎権十郎、市川右團次、市川高麗蔵、松本幸四郎、市川猿之助、市川門之助、市川男女蔵、市川齊入が次々と華やかにお祝いの挨拶を述べていく。團十郎は「市川宗家の覚悟」を感じさせる真摯な眼差しで、続く新之助は若々しいエネルギーに溢れ、溌溂と挨拶。最後は11月に引き続き、團十郎が無病息災を願い成田屋の家の芸である「にらみ」を力強く披露し、熱い拍手に包まれた。続いては、市川團十郎家所縁の舞踊『團十郎娘(だんじゅうろうむすめ)』。『團十郎娘』は文化10(1813)年に七世團十郎によって初演された所作事。美しく、力自慢で評判の娘・お兼を市川ぼたんが勤める。歌舞伎座において歌舞伎の本興行で女性が出し物をするのは実に60年ぶり。昭和37(1962)年5月に歌舞伎座で行われた十一代目市川團十郎襲名披露興行の際に三代目市川翠扇が同じく『團十郎娘』を勤めて以来となる。舞台は近江八景の一つの琵琶湖のほとり。花道より馬をひいてやってきたお兼は乙女の恋心を近江八景によせて見せていき、ぼたんは長唄に合わせて愛らしく繊細に心情を訴えかける。やがてお兼の大力の噂の真偽を確かめようと、隠れていた市川右團次、市川男女蔵ら演じる漁師たちが打ちかかるが、お兼は軽やかにそれをあしらう。大きな見せ場である白い晒を用いた“布晒し”では、白く長い晒を華麗に翻し、その軽快な様子に場内からは万雷の拍手が送られた。最後の演目は、11月に続けての上演となる歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』。裃姿の松本幸四郎の口上に始まり、聞こえてくるのはさっぱりと軽やかな河東節の粋な演奏。坂東玉三郎演じる三浦屋揚巻が花道より登場すると、場内は一気に華やぎ、一瞬にして吉原の街に。傾城たちの口から語られる江戸一の伊達男・花川戸助六とは一体どんなに良い男なのかと、客席の期待も最高潮に達したところで登場するのが、市川團十郎勤める花川戸助六。花道にあらわれた途端、無駄のない流麗な立ち振る舞いに多くの観客が視線を奪われた。高まった期待をさらに上回る新團十郎の洗練された美しさに圧倒されるうちに物語は進行。助六が探す重宝・友切丸の詮議のため、坂東彌十郎演じる髭の意休に悪態をついたかと思えば、印象的な登場人物たちが次々登場し華やかな舞台を背景に楽しい場面が続く。中村勘九郎演じる白酒売新兵衛がやってくるとその和事味ある佇まいと、弟の助六との対比が面白く、喧嘩を売った相手に自らの股の下をくぐらせる件は、思わずくすりと笑いがこぼれる。廓風情を漂わせる市川猿之助演じる通人里暁の存在も印象的で、新團十郎の若い頃のエピソードを繰り出し、笑いを誘う。師走の忙しなさを忘れる、襲名披露興行に相応しい華やかなひと時となった。「十二月大歌舞伎」は12月26日(月) まで歌舞伎座で上演される。「十二月大歌舞伎」の詳細はこちら:チケット購入リンク:写真提供:松竹(株)
2022年12月06日「まだまだ未熟者で先祖の足元にも及びませぬが、一生懸命努力をして、精進したいと思っております。市川宗家としての覚悟でございます」11月7日、市川海老蔵改め市川團十郎白猿(44)の十三代目襲名披露公演が、歌舞伎座にて華やかに開幕した。「口上」に続き、厄落としになるといわれる市川家伝来の「にらみ」も披露。さらに家の芸である『勧進帳』『助六』では、團十郎が見えを切るたびに、「成田屋!」「十三代目!」という「大向こう」(客席からの掛け声)が、満員御礼の劇場に響きわたった。この日、息子の勸玄君(9・かんげん)も、祖母の堀越希実子さんや姉の麗禾さん(11・れいか・市川ぼたんを19年に襲名)が見守るなか、八代目市川新之助を襲名した。これに先立ち、10月31日から2日間行われた襲名披露の特別公演を観た古典芸能解説者で、かつてNHKで多くの歌舞伎中継も担当した葛西聖司さん(71)は、「スペシャル感いっぱいの公演でした。共演の片岡仁左衛門さん、坂東玉三郎さんという大先輩の胸を借りて、立派に晴れの新團十郎を披露してくれました。また『勧進帳』では、團十郎さんの弁慶を、成田屋のお手本どおりにきちっとやってくれたのでうれしくてね。先代の十二代目團十郎のお父さんをほうふつとさせる場面もあり、ふと胸が熱くなりました」一連の襲名披露の催し自体、コロナ禍で2年半もの延期を余儀なくされていた。この興行が、葛西さんの言うとおり、「ずっと苦しんできた歌舞伎界全体のカンフル剤になる」との期待も大きい。なかでも「市川團十郎」は、歌舞伎界において絶大なる影響力を持つ大名跡。また市川宗家は、英雄的な主人公が悪を成敗する「荒事」を創始した初代から十三代目まで、実に約350年もの伝統を有する歌舞伎界随一の名門である。しかし長い歳月の間には、実子が途絶え他家から養子を迎えたり、また幾人もが早死にや謎の自殺を遂げるなど、「團十郎の業」ともいうべき苦難の出来事も多かった。その波乱の人生のエピソードにおいても、團十郎家は他家を圧倒するのだ。■初代は刺殺、八代目は自殺ーー。初代團十郎が生まれたのは、1660年(万治3年)で、江戸初期のこと。前出のとおり、荒事を生み出した、江戸歌舞伎の創始者だ。しかし、45歳で共演していた生島半六という役者に舞台上で刺し殺される。嫉妬や恨みともされるが、真相は定かでない。二代目は、初代の急死を受けて17歳であとを継ぎ、荒事を完成させるだけでなく、「和事」(やわらか味のある美男子)も見事にこなし、最初の「千両役者」となる。屋号の成田屋もこのころに始まる。十三代目の團十郎本人も、こう語っていた。〈市川團十郎家は二代続けて「初代運」を持った人間が生まれた。だからこそ、今の團十郎家がある〉(『文藝春秋』13年6月号)続く三代目は病いで22歳の若さで死去し、その後12年間、四代目が襲名するまで團十郎は空位となった。さらに五代目を経て、14歳で襲名した六代目だったが、風邪がもとで、くしくも三代目と同じく22歳の若さで亡くなる。そして、七代目の登場。新團十郎が、〈人間はかく生きたいという原形をお持ちの方です……なんだか自分が似てるような〉(前出『文藝春秋』)と話していた、敬愛するご先祖である。今も高い人気演目の『勧進帳』や『暫』『助六』など「歌舞伎十八番」を制定するだけでなく、市川家の伝統にとらわれずに『東海道四谷怪談』の悪役など新しい役柄にも果敢にチャレンジした。「しかし、才能も人気もあっただけに、その贅沢ぶりなどを徳川幕府に目をつけられて、天保の改革時に江戸を追放になりますね。その後、10歳の若さで團十郎を譲られたのが、八代目。絶世の美男子で、その吐いた痰をファンがすくい取ったという“お痰さま”の逸話で知られますが、この人も32歳という若さで自殺します」語るのは、エッセイストで『海老蔵そして團十郎』(文藝春秋)の著書もある関容子さん(87)。そして、明治天皇の前で天覧歌舞伎を演じた九代目となる。「『劇聖』といわれ、近代歌舞伎の文化度を向上させた九代目が亡くなったあとは、大正、昭和の戦前まで團十郎は50年以上にわたって不在となります」(葛西さん)十一代目團十郎が生まれたのが1909年。しかし、彼は團十郎家の生まれではなかった。九代目のあと、息子のいない市川家を支えたのが、銀行員だった娘婿(死後に十代目を追贈)。彼は役者に転身しながら後継者探しにも尽力し、松本幸四郎家から養子を迎え入れる。「これが、のちの十一代目團十郎となります。つまり初代や二代目、七代目と、十三代目團十郎さんは血はつながっていないんですね。十一代目は、やがて『花の海老さま』となり、そこから十二代目、十三代目とつながりますが、そうした数奇な市川團十郎家の歴史をふり返ると、あの時代に幸四郎家から才能ある養子を得た巡り合わせは、歌舞伎の神様のはからいとしか思えません」(関さん)■十二代目は66歳で逝去。十三代目は茨の道を突き進んだ「十一代目の舞台を初めて観たとき、私はまだ幼い少女でしたから、もう80年近くも團十郎さんのお芝居を観続けております。戦後、女性人気を一身に集め、『海老さま』と呼ばれた十一代目はとびきりの美男子で、女の人はみんなドキドキしたもの」そう語る関さんが『源氏物語』で思い出すのが、その孫にあたる、新團十郎のデビュー時のこと。「まだ本名の堀越孝俊で『源氏物語』で初お目見えしたとき、歌舞伎座の案内嬢たちが彼の出てくる場面になると仕事を忘れて(笑)、劇場のうしろから入ってきて『かわいい!』『きれい!』って、うっとりするという現象がありました。それくらいセンセーショナルなデビューだったんです。その姿が、十一代目にそっくりで、『隔世遺伝』なんて言われましたね」十一代目が、團十郎を襲名したのは53歳。かなりの高齢だが、養子であることに遠慮した結果であったとされる。葛西さんは、「その前が50年以上、團十郎が不在でしたから、この間のいつ復活するのかという重みが、十一代目にのしかかっていたんですね。これは相当な重圧で、だから十一代目は團十郎を継いで、わずか3年で亡くなってしまうんです」まだ19歳の長男(のちの十二代目團十郎)を残し、胃がんにより逝去したときは56歳だった。その十二代目の襲名が行われたのが85年。この名優と、関さんは取材だけでなく、プライベートでも会食などする間柄だった。「大らかな、太陽のような存在。あの方がいることで、楽屋の諍いなどもなんとなく収まるような、まさに穏やかな大統領でした。一方、その息子の十三代目團十郎さんは内省的といいますか、誰にでも心を開くというタイプではないようにお見受けします。ただ、あのカミソリのような鋭い感性は、『若き日の信長』などで完璧を目指す信長役を演じるにはぴったりで、そこも祖父の十一代目と似ているといわれるゆえん。十三代目さんは、おじいさんの得意だったシャープな演目と、お父さまの『毛抜』などの大らかなものとの両方ができる。お二人のよいところを受け継いでいるんですね」葛西さんもまた、十二代目團十郎とは襲名披露を含め幾度もその素顔に接してきた。さらに取材を重ねるなかで、宗家ならではのストレスや重圧について知らされる場面があったという。「十三代目が新之助時代に『勧進帳』を初めて演じたときのことです。当時、まだ21歳だった新之助さんにも初日を迎えた気持ちなどをインタビューして、取材は普通に終わっていました。その事実を知ったのは、かなりあとになってからです。お父さまが、あの『勧進帳』のとき、『実は倅が家出した』と打ち明けたんです。つまり、市川家伝来の演目を演じるというのは、それほどのプレッシャーなのだと。『僕は、もう倅に継がせなくていいと思った』ということまでおっしゃいました。『息子はまじめで考えすぎるほどに考える』とも」当時の心境を、十三代目團十郎本人も、新之助時代に出版した写真集『新生CREATING NEW FORM』(スイッチ・パブリッシング)のインタビューでこう話していた。〈もう地獄。素っ裸で冷たい風に打たれて、右へ左へ、涙がこぼれてきた〉この「地獄」を乗り越え、新之助はやがて海老蔵となり、己れの道を突き進んでいく。〈坊ちゃんとかそういうものを捨てて、周りが何と言おうと俺は俺でもう生き始めた〉しかし、その眼前に待っていたのは、さらなる茨の道。父親の白血病が発覚したのが、04年の自身の海老蔵襲名披露公演中のこと。その後、10年秋には暴行事件に巻き込まれ、3年後には父が66歳で逝去する。そこから9年間、十三代目を襲名するまで、また團十郎不在の時間が過ぎていったーー。【後編】天国の小林麻央さんと子どもたちとの強い絆海老蔵が十三代目團十郎にへ続く
2022年11月27日11月28日(月) に歌舞伎座で行われる『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」』千穐楽より、八代目市川新之助が出演する『外郎売』の模様が生配信されることが決定した。『外郎売』とは、七世市川團十郎が制定した市川家の芸「歌舞伎十八番」の演目のひとつ。今回は、八代目市川新之助初舞台狂言として、新之助が外郎売実は曽我五郎を勤める。新之助は、初日より本作の眼目である外郎売が薬の効能を語るういろうの言い立てや立廻り、勇ましい荒事の芸を見事に披露し、その凛々しくたくましい姿で多くの観客を魅了している。なお11月29日(火) 13時から12月4日(日) 23時59分までアーカイブ配信も予定されている。<配信情報>市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台『十一月吉例顔見世大歌舞伎』昼の部『外郎売』千穐楽配信日時:11月28日(月) 12:10頃~(約35分)アーカイブ配信:11月29日(火) 13:00~12月4日(日) 23:59まで※一度ご購入頂きますと、アーカイブ配信期間中は何度でも視聴可能です。出演者:八代目市川新之助、中村魁春、中村雀右衛門、片岡孝太郎、中村児太郎、大谷廣松、中村鷹之資、片岡市蔵、市村家橘、市川左團次、尾上菊五郎チケット料金:2,800円(税込)販売期間:11月18日(金) 10:00~12月4日(日) 22:00※「イベント割」対象のため、通常の2割引の価格でお求めいただけます。(通常価格:3,500円(税込))【配信リンク】■歌舞伎オンデマンド※ご視聴には歌舞伎オンデマンド連携の配信プラットフォーム「MIRAIL(ミレール)」の会員登録(無料) / ログインが必要です。■Huluストア※こちらの視聴ページは本日11月18日(金) 10:00よりご覧いただけます。「十一月吉例顔見世大歌舞伎」の詳細はこちら:
2022年11月18日『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」』が、11月7日に東京・歌舞伎座で開幕。その初日レポートが到着した。歌舞伎座で2カ月にわたる襲名披露興行の幕開きを飾るのは、『祝成田櫓賑(いわうなりたこびきのにぎわい)』。襲名などの特別な公演では、多くの俳優たちが揃って祝祭気分に溢れる「芝居前」と呼ばれる演目を上演することがあり、本作もその趣向で、鳶頭に中村梅玉、中村鴈治郎、中村錦之助ら、芸者に中村時蔵、片岡孝太郎ら、芝居茶屋亭主に坂東楽善、芝居茶屋女房に中村福助と、豪華な顔合わせでこの度の成田屋の襲名披露を寿ぐ。梅玉勤める鳶頭の掛け声で出演者一同と観客が手締めをすると、これから始まる襲名披露興行への期待に満ちあふれ、おめでたい雰囲気に包まれた。続いては、八代目市川新之助の初舞台となる狂言『外郎売(ういろううり)』。令和元(2019)年7月、貴甘坊役で早口の言立てを披露した市川新之助(当時 堀越勸玄)が、この度は新之助初舞台として外郎売実は曽我五郎を勤める。幕が開くと、舞台は富士山を望む大磯の廓。小林朝比奈(市川左團次)や、大磯の虎(中村魁春)ら大勢の傾城が招かれた酒宴で、工藤祐経(尾上菊五郎)が盃を重ねており、菊五郎の祐経が放つ敵役の色気と大きさが客席を一気に作品の世界へと引き込む。そこへやって来たのは、外郎売に身をやつした曽我五郎(市川新之助)。花道からその姿を現すと、凛々しい佇まいに観客の視線は釘付けに。「劇中口上」では、尾上菊五郎が「『外郎売』は、十二代目團十郎さんが昭和55年5月歌舞伎座におきまして、古風に則り演じられた復活狂言にて、市川家の家の芸にございます。この度八代目新之助くんの初舞台を迎え、父十三代目の教えのもと、この大役を相勤めますれば、何卒鷹揚のご見物のほどをひとえにお願い申し上げ奉ります。」と紹介すると、市川新之助が「祖父十二代目市川團十郎が作り上げました『外郎売』を父十三代目が受け継ぎ、その思いを私が継承させていただきます」と挨拶を述べた。そして、新之助は外郎売として本作最大の聞きどころである早口の言立てを堂々と披露。八代目市川新之助としての第一歩となる大役をしっかりと勤め上げ、割れんばかりの拍手が送られた。昼の部は、十三代目市川團十郎白猿襲名披露狂言『勧進帳(かんじんちょう)』で打ち出しに。智勇を兼ね備えた武蔵坊弁慶を市川團十郎白猿、気品と憂いを漂わせる源義経を市川猿之助、颯爽とした風姿で弁慶と対峙する富樫左衛門を松本幸四郎と、同世代の俳優が揃い歌舞伎十八番屈指の人気作を勤める。幕が開くと、安宅の関所。厳重な警固をしている富樫(幸四郎)が名乗りを終え、花道からは都を落ち延びてきた義経(猿之助)と四天王の亀井六郎(坂東巳之助)、片岡八郎(市川染五郎)、駿河次郎(尾上左近)、常陸坊海尊(片岡市蔵)が登場。続いて、花道に弁慶(團十郎)が姿を現すと、満席となった場内はみなぎる熱気と心地よい緊張感に包まれる。ここから新團十郎の弁慶による白紙の勧進帳の読み上げ、富樫が弁慶を追求する「山伏問答」など息もつかせぬ展開が次々と繰り広げられ、観客を魅了。襲名前の会見で團十郎は、弁慶を父である十二世市川團十郎に教わったと話し、「弁慶を演じる上で一番大切なのは、義経を守る気持ち」と語っていた。その言葉通り、鋭い目力、全身から溢れ出る気迫、躍動感ある一挙手一投足で、義経を何としても守り抜く覚悟を表現。幕切れの花道の引っ込みでは盛り上がりも最高潮に達し、4階の大向うエリアから「成田屋!」「十三代目!」との声がかかる中、飛び六方で豪快に引っ込むと万雷の拍手が鳴り響いた。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような『助六由縁江戸桜』夜の部は、歌舞伎十八番の一つで、荒事の魅力溢れる『矢の根(やのね)』で華やかに幕を開けた。紅梅白梅が咲き誇る正月。勇ましい筋隈をとった典型的な荒事の扮装の曽我五郎(松本幸四郎)が、父の敵・工藤祐経を討つために大きな矢の根を研いでいる。そこへ、お年玉に宝船の絵を持参した大薩摩文太夫(大谷友右衛門)が挨拶に訪れ、その絵を枕の下に敷いて初夢に良い夢でもみようとうたた寝を始めた五郎だが……。五郎が「やっとことっちゃあ、うんとこな」と荒事特有の掛け声をかけたり、夢の中で兄の曽我十郎(坂東巳之助)の危難を告げられて勇みだったりと、全体を通して豪快さと明るさが漂い、祝祭気分に包まれる舞台となっている。続いては、襲名披露『口上(こうじょう)』。舞台上には、十三代目市川團十郎白猿、八代目市川新之助はじめ、尾上菊五郎、松本白鸚、片岡仁左衛門、中村梅玉、市川左團次と、襲名披露口上ならではの歌舞伎界を代表する豪華顔合わせが居並び挨拶を述べた。(22日以降は坂東玉三郎も出演)。團十郎は、先輩たちの挨拶に感謝を伝えながら「初代より十二代、團十郎を大切にしてきた先祖を思い、その先祖の足元にも及びませんが、一生懸命努力をし、精進したいという覚悟でございます」と述べ、新之助は「そののちはひとかどの歌舞伎役者となれるよう一生懸命相勤めますれば、どうぞよろしくお願い申し上げ奉ります」と凛々しく挨拶。最後は白鸚の紹介により、團十郎がご来場のお客様の無病息災を願って成田屋の家の芸である「にらみ」を披露し、熱い拍手に包まれた。夜の部の切は、歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』。まずは、裃姿の松本幸四郎の口上により襲名についての挨拶と作品の由来が紹介され、河東節の粋な演奏が始まると、心躍る賑やかな雰囲気に包まれる。三浦屋揚巻(尾上菊之助)の花道の出では、吉原の風情が場内いっぱいに広がり、市川團十郎勤める江戸一の伊達男・花川戸助六が花道に登場。この助六の花道の出は、「出端(では)」と呼ばれ、流麗な所作と形で魅せる本作の見どころだ。助六が探す重宝・友切丸の詮議のため、尾上松緑演じる髭の意休に悪態をつく様子や、廓の女性に相手にされずへそを曲げる片岡仁左衛門演じるくわんぺら門兵衛が、通りすがりの市川新之助演じる福山かつぎに言いがかりをつけるやり取りなど、華やかな舞台を背景に楽しい場面が続いていく。助六と白酒売新兵衛(中村梅玉)の兄弟二人が喧嘩を吹っかける場面も明るい雰囲気に包まれ、通人里暁(中村鴈治郎)が、「成田屋!」「十三代目!」と大向こうで盛り上げ、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような見どころ満載の120分となった。團十郎襲名披露狂言に相応しい助六の伊達男ぶり、多彩な登場人物の個性に自然と笑顔がこぼれる豪華な一幕で、大盛況のまま初日の幕を閉じた。「十一月吉例顔見世大歌舞伎」は11月28日まで歌舞伎座で上演される。「十一月吉例顔見世大歌舞伎」の詳細はこちら:
2022年11月08日11月7日(月) より歌舞伎座にて開幕する『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」』の初日夜の部『襲名披露 口上』が、松竹公式動画配信サービス「歌舞伎オンデマンド」で生配信されることが決定した。『口上』とは、観客へ向けて述べる挨拶のこと。歌舞伎では、古くから襲名や初舞台などの俳優の慶事に舞台上で裃姿の歌舞伎俳優が居並ぶ『口上』が行われてきた。今回が初の試みとなる生配信は、市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿、八代目市川新之助はもちろんのこと、襲名披露公演ならではの歌舞伎界を代表する豪華俳優陣が揃う、貴重な『襲名披露 口上』となる。襲名披露は、11月、12月の2カ月にわたる歌舞伎座での公演を皮切りに2024年10月まで南座や大阪松竹座ほか全国各地で行われ、市川團十郎家所縁の演目や新團十郎、初舞台を踏む新之助の誕生を祝う華やかな舞台の数々が披露される。<配信情報>『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」』夜の部 『襲名披露 口上』 生配信配信日時:2022年11月7日(月) 16:50~(約15分)※公演の状況によって開始時間が前後する場合がございます。配信場所:歌舞伎オンデマンド※ご視聴には歌舞伎オンデマンド連携の配信プラットフォーム「MIRAIL(ミレール)」の会員登録(無料)/ ログインが必要です。■チケット価格:500円(税込)10月30日(日)10:00より発売※有料配信チケットは11月13日(日) 22:00まで発売。※アーカイブ配信は11月7日(月) 21:00より発売。配信開始後、配信終了後に購入の方も11月13日(日) 23:59までご視聴できます。■出演者市川海老蔵改め十三代目市川團十郎 / 八代目市川新之助 / 松本白鸚尾上菊五郎 / 片岡仁左衛門 / 中村梅玉 / 市川左團次
2022年10月30日