秋田発、東京初出店の“文庫カフェ”コーヒーは朝昼晩で異なる味を提供秋田名物「こおり水」とは秋田から東京初出店。「本と珈琲とインクの匂い」を感じる“文庫カフェ”とは商業施設内の一角にありながら、懐かしさと異彩を放つ外観が目を引きます東京「日本橋髙島屋S.C.」の新館4Fに【黒澤文庫】がオープンしました。宮城県仙台市の【青山文庫】、秋田県秋田市の【赤居文庫】に続き、3店舗目となる今回は東京での初出店です。ここは、「本と珈琲とインクの匂い」を感じるカフェをコンセプトに、どこか懐かしさを感じさせる店構えと、一杯一杯丁寧に抽出したハントドリップ珈琲が楽しめます。本や雑貨、壁掛け時計に囲まれた郷愁漂う店内。座席は、カウンター席、中央の大きなテーブル席、2~4人掛けのテーブル席があります“文庫カフェ”とは、その名のとおり、たくさんの本に囲まれた図書館や古書店のようなカフェのこと。店内には至るところに書籍が書籍が飾られていて、すべての本を読むことができます。その並べ方には特徴があり、一般的なカテゴリー分けとは異なり、なんだか個性的。例えば、店内の中央テーブルには「ゴリラ」、「ノーベル賞」、「くじら」、「アインシュタイン」と、様々なカテゴリーの本がまとめて配置されていて、ゴリラに関する本を手に取ったことのない私は、その意外性に思わず興味をそそられてしまいました。そんなテーマの雑多さは、新しい本に出合えるワクワク感をも感じさせてくれます。中央テーブルにある「ゴリラ」のコーナー文庫の貸出コーナー(2週間/50円)もありますもちろん、こちらのウリは本だけではありません。一杯一杯丁寧に抽出したハントドリップ珈琲もお店のイチ推しのひとつ。中でも『黒澤文庫ブレンド』(660円)は、コーヒー豆の輸入や販売を行っている「ミカフェート」のJose(ホセ)・川島良彰氏とコラボレーションした、スペシャルブレンドです。『黒澤文庫ブレンド』。ライトボディの「グッドモーニングブレンド」、しっかりとしたボディがありながらもコーヒーの果実味も感じられる「アフタヌーンブレンド」、深煎りならではのコクが楽しめる「ナイトブレンド」、各660円『黒澤文庫ブレンド』は朝・昼・夜で使用を変えていて、オープンから12時までは「グッドモーニングブレンド」、12時~17時までは「アフタヌーンブレンド」、17時~閉店までは「ナイトブレンド」と、訪れる時間帯で味と香りの変化を楽しむことができます。『こおり水』や『モーニングセット』など、気になるメニューがたくさん!コーヒー以外にもさまざまなメニューが楽しめます。まず、夏の暑い日に食べてほしいのが、秋田の夏の風物詩「こおり水」。昭和初期の秋田にあった老舗店の夏の名物だったかき氷のことで、そのレシピを継承。少し溶け始めた貫目氷を薄く削ることでふんわりきめ細やかな氷の食感を表現し、優しい甘さの白滝シロップを混ぜるなどして、その味わいを忠実に再現しているそう。定番メニューの『あずき白玉こおり水』715円『抹茶こおり水』825円『レモンこおり水』825円。他にも『コーヒーこおり水』825円、『梅酒こおり水』660円、『カルピスこおり水』660円、『カルピスぶどうこおり水』660円、『いちごこおり水』715円、『グレープフルーツこおり水』825円この日は『レモンこおり水』を頂いたのですが、ふわふわとした氷の舌触りと、さっぱりとした爽やかな味わいが暑い夏にピッタリでした。他にも、『あずき白玉こおり水』などの定番メニューに加えて、『コーヒーこおり水』や『レモンこおり水』など自家製シロップを合わせた全9種をラインナップ。店内にあるガレットの焼き台で焼き上げる『ガレット/コンプレット』990円『苺とホワイトチョコのマウンテンケーキ』869円※1日5食限定また、朝限定の嬉しいサービスも。毎朝10時半~11時までの30分間、ドリンクを注文した人のみ、「グッドモーニングセット」が無料で食べられます。セットの食事は、トースト3種(ゆで卵がついた『グッドモーニングトースト』、チーズ×蜂蜜の『ハニートースト』、毎朝変わるトッピングを楽しめる『月替わりチーズトースト』)から1種と、『ひと口デザート』、『小倉あんバター』、それに『ストロベリーヨーグルト』or『フレンチドレッシングのサラダ』が選べます。これが無料なんてとてもお得ですよね。アイスコーヒーの氷が溶けても味が薄まらない客席の目の前で注がれる、喫茶店名物のレモン水ほかにも、焙煎にこだわったコーヒーメニュー、『焼きカレー』(935円)や『煮込みスパゲティ』(935円)、『コーヒー小豆醤油ロールケーキ』(440円)や『黒澤文庫のシベリア』など、ボリューム感と手作りにこだわったオリジナルのフードメニューも数多く揃います。ショッピングの合間に、昭和レトロな文庫カフェでほんの少しの間、時間を忘れて昭和へトリップしてみてはいかがでしょうか。黒澤文庫【エリア】銀座【ジャンル】カフェ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】1,001円~1,500円【アクセス】日本橋駅
2021年08月06日西麻布にオープン、自由で美しい中華料理を食べるための隠れ家六本木通りから一歩裏手に入れば、静穏な住宅地が続く西麻布界隈。その一角に、まるで隠れ家の如くひっそりと佇む一軒家のチャイニーズレストラン――、それが、ここ【Ji-cube(ジーキューブ)】。“食材に耳を傾ける”をコンセプトに、2021年6月、オープンした話題店だ。佐々友和シェフまるで友人宅を訪れたかのような気分に浸りながら、中に入れば、店内はシックな趣のオープンキッチン。カウンターのみの1階に対し、2階には意匠の異なる個室が大小合わせて3部屋用意されている。「この店では、お客様にリラックスして食事を楽しんでもらいたいと思っています。ですから、フレンドリーなサービスや店内の雰囲気はもちろん、価格も、コース一万円とやや抑え目にしています。」こう語るのは、佐々友和シェフ44歳だ。四川料理界の重鎮の一人、菰田欣也シェフの下でおよそ20年余りも研鑽を積んだ実力の持ち主と聞けば、食指が動くフーディーも多いことだろう。門扉から玄関へのアプローチの途中にある小庭がテラス席以前は、画家さんの持ち物だった日本家屋を改装したというだけに、うっかりしていると通りすぎてしまいそうなほど、門構えからして民家そのもの。玄関へと続くアプローチの途中には、小庭もあり、テラスとしても楽しむこともできるとか。ペットを連れての午餐には格好の場所といえそうだ。カウンターは10席。臨場感たっぷりのオープンキッチンながら、グッと落ち着いた大人の雰囲気「そろそろ独立を考えていた頃に、菰田シェフからここでやってみないか?と誘われたんです。菰田シェフが後ろ盾となって始めたお店ですが、ここでは、自分の色を出していこうと思っています。」とは佐々シェフ。その言葉通り、コースを彩る皿の数々は、いずれも佐々シェフならではの個性あふれるアレンジが楽しみ。伝統の四川料理をベースにしつつも、四川のみに固執せず、上海や広東などの要素も取りいれたモダンな味わいを目指しているそうだ。『黒トリュフのショウロンポウ0熱々をお楽しみください0』は通年メニュー。具は、粗挽きにした加藤ポークの腕肉と背脂。ジュワっと溢れ出るスープに妖艶なトリュフの風味が絡み、インパクトある味わい先付けからデザートまで全12品から成るコースを見れば、なるほどそれがよくわかる。例えば、四川料理ではおなじみの椒麻(山椒と青葱のソース)を用いたイカの塩味炒めがあるかと思えば、揚げた魚をタレに漬け込んだ上海の家庭的な魚料理の“燻魚”(シュンユイ)が登場するなどまさに変幻自在。伝統の味を打ち出しつつも、上海では川魚が定番のところを甘鯛のような日本的な食材を用いたり、イカの炒めものにはキャビアをあしらうなど、さりげなく今風にアレンジ。シャレた一皿に仕上げている。『イカの塩味炒め0葱山椒の香りで0』。ソースと共に炒め合わせず、翡翠色のソースと真っ白なイカを別々に盛り付けた彩りのバランスもオシャレな一皿。トッピングしたキャビアがアクセント一方、丸ごと一羽の鶏肉で仕上げる『豪快な香鶏のパリパリ焼き麻辣風味』も、広東料理の代表的な焼味である“脆皮鶏”を佐々流に一捻りしたスペシャリテ。鶏肉を捌いて一度湯に通した後、水飴と酢を塗って干し、皮を張らせる下拵えの手法は、広東料理のそれとそれほど大差ないが、下味に花山椒や四川唐辛子など四川特有の香辛料を加え、パンチのある個性的な味にしあげている。丸ごと一羽を客の前でデモンストレーションする豪快な『香鶏のパリパリ焼麻辣風味』。オーブンで焼いた後、仕上げに高温の油を回しかけながら、揚げた力作。料理は全て一万円のコースから(取材時6月のメニュー)食材に対するこだわりにも妥協はない。先の鶏肉にしても、数ある鶏を試した結果、中国伝来のバブコーチンと烏骨鶏の血統を引く香鶏を使用。筋繊維が細かくジューシーで焼くとパリパリになる香鶏は、脆皮鶏の料理にはぴったりだったとの由。その他、野菜は能登の高農園、豚肉はオレイン酸が豊富で脂にあまみある加藤ポークを用いるなど、限られた予算の中で最上の食材を選んでいる。コースの〆は、ご飯ものと麺を少しずつ提供するのが同店のスタイル。写真はその一つの『ハマグリそば』。上湯とはまぐりの旨味が一体化したスープは、あっさりしながらも滋味あふれる美味しさだまた、「一万円といえども、高級感のある料理を提供したい。」との思いから、イカ墨入りの皮でつくった小籠包には黒トリュフ、モクズ蟹入りのフカヒレスープにはフォアグラ入りの茶碗蒸しを合わせる等々、リュクスな皿もさりげなくお目見え。ハレの日に食べたいリッチな味を約束してくれる。ちなみに、旬の素材を取り入れたコースは月替わりとなっている。Ji-Cube【エリア】西麻布【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】5500円【ディナー平均予算】16000円【アクセス】六本木駅 徒歩8分
2021年08月04日澄んだだしをベースに、一品ずつ供される革新的なおでん【ラペ】譲りのドリンクペアリングが料理を引き立てます次の世代へ、次の時代へ、繋げたいという思いを込めて澄んだだしをベースに、一品ずつ供される革新的なおでんおでん屋さんというよりビストロのようなキッチンを囲むカウンターは全8席日本橋室町にあるフレンチ【ラペ】のほど近く、2021年6月にオープンした【平ちゃん】。と聞くと、ピンとくる人も少なくないかもしれません。毎年【ラペ】が年始に開催していた期間限定企画が「おでん屋 平ちゃん」。年一度、わずか1週間しか登場しないおでんコースが評判となり、予約が取れないほどの大人気に。そのおでんをもっと多くの人に楽しんでほしいと店舗開業を目指し、満を持して登場したのが【平ちゃん】なのです。コンクリートに塗り壁と格子戸をあしらい、和モダンに仕上げた個室。2室を繋げて最大8人で利用可能【ラペ】のオーナーシェフ、松本一平さんの原点となるのが、和歌山のご実家で営んでいた【おでん割烹 平ちゃん】。その味の根幹となる鰹節・昆布・白油のだしを使い、具材ごとに仕上げて一品ずつ提供するスタイルは継承しつつも、見て食べて驚かされる【平ちゃん】のおでんを紹介します。日本各地の農園から届く旬野菜をたっぷりと盛り込む『おでんサラダ』一見すると「どこにおでんの要素が?」と思わせるサラダ。存在感のある半熟卵とじゃがいものフリットはおでんだしで煮たものなのです。さいたま榎本農園の「ぜいたくトマト」はそのままでフレッシュに、みょうがは甘酢漬けにしてなど、7~8種類入った野菜はそれぞれの味わいが引き立つように工夫されています。からすみパウダーとパルミジャーノをふりかけてコクをプラス、添えた和からしで味の変化を楽しめます。おでんダネを包んだ春巻きという斬新なアイデア。『おでん春巻き』1,210円スペシャリテとなる一皿も実にユニーク。コースメニューにプラスしてオーダーできる『おでん春巻き』です。中には豚肉と大根がゴロリと交互に入っています。豚肉と大根は、食べ応えのあるサイズの角切りに豚は千葉県産「オリヴィアポーク」を塩でマリネに、大根はおでんだしが染み染みになったもの。かぶりつくと皮のパリパリ食感も楽しく、熱々のだしと肉汁がじゅわっと広がります。火傷に気を付けながら召し上がれ。松本さんのご実家「平ちゃん」での定番「治部煮」がジビエを使った新しい一品にこちらは【おでん割烹 平ちゃん】でも定番メニュー、松本さんのお母さんの得意料理だったという治部煮。鳥取県産の夏鹿のロースを使い、揚げ浸しにした丸ナスとともにいただきます。だしを纏った鹿肉と丸ナスがなんとも滋味深く、少々のわさびが味を引き締め、コース終盤でも優しくお腹に収まります。ご飯はおでんだしで炊き上げて。ほんのりと効かせたペルノ酒が隠し味に〆の段階で、もうひと盛り上がりする土鍋ご飯。具材には柔らかく煮たタコ、ししとうとパプリカを掛け合わせた「よさこいハニー」と赤パプリカの素揚げを。エディブルフラワーを散らして、華やかな赤い仕上がりはインパクト絶大!メニュー名の『タコライス』に【ラペ】譲りの遊び心が垣間見えます。雑味ないおでんだしをかければ、さらりといただけてしまうまず土鍋で登場した後は、お茶椀によそってサーブされます。一膳目はそのままで、二膳目はおでんだしをかけていただくお茶漬けだから、おかわりは必食です。デザートには、【ラペ】の名物である韃靼そば茶のブランマンジェやパフェでフレンチらしさを感じて。ディナーは全11品のおまかせコースが9,900円、ランチは鯛茶漬けが〆になった全8品のコースで4,950円(ともに別途サービス料10%)。【ラペ】では年始の1週間限りだったため、冬の食材でしか味わえなかったおでん。これからは、四季折々の素材を駆使したどんなおでんが登場するのか、季節ごとに訪れる楽しみが増えました。【ラペ】譲りのドリンクペアリングが料理を引き立てます左から「マム・グラン・コルドン」、「ドメーヌ・フィリップ・シャヴィ ピュリニー・モンラッシェ」、「ドメニコ・クレリコ ネッビオーロ カピズメ・エ」。アルコールペアリングセット7,865円、グラスワイン1,210円~ペアリングに定評のある【ラペ】同様、【平ちゃん】でもアルコールとノンアルコールでペアリングを提案していただけます。シャンパーニュをはじめ、ワインはフランスに限らずイタリア、アメリカ、ニュージーランドなどのものも取り揃えています。もちろん、おでんに合うこと間違いなしの日本酒もあり。料理に合わせて、支配人の平田路也さんがセレクトしてくれます。ワイングラスでいただくノンアルコールドリンクは、お酒のような高揚感が楽しめるノンアルコールドリンクは、創意工夫が楽しいものばかり。例えば、サラダには有機ミントをブレンドした緑茶を。瑞々しい野菜に清涼感あるドリンクがぴったりです。春巻きにはクランベリージュースにレモンとミントのフレーバーを効かせた一杯。豚肉とベリーの甘酸っぱさが好相性で、揚げ物には嬉しい爽やかな飲み口です。ノンアルコールペアリングセットは4,840円アルコールペアリングセット(全6種類)とノンアルコールペアリングセット(全5種類)の他、ビールやハイボールなども含めて単品でオーダーできるので、自分のペースの合わせて飲み進めることができます。次の世代へ、次の時代へ、繋げたいという思いを込めて様々な人が"平"を書き寄せて完成したアート作品がメインフロアを飾っているカウンター席を構えたメインフロアの壁面には、"平"の字で円を描いたアートが飾られています。一文字ずつ、生産者さんやお客さん、松本さんはじめスタッフの皆さんなどが書いたもの。食材を手掛けて、料理に仕立て、レストランで味わうまでの繋がりを通して、平和への願いを表した作品となっています。左から、【ラペ】オーナーシェフの松本一平さん、【平ちゃん】シェフの根内大和さん【平ちゃん】に込められているのは、松本さんが大切にしている"繋がり"への思い。1つは、次の世代へ活躍の場を繋げること。【平ちゃん】の厨房を取り仕切るのは、1990年生まれという若きシェフ、根内大和さん。【ラペ】で「おでん屋 平ちゃん」が実現したのも和食経験を有する根内さんの腕があってこそ。自身も30歳でシェフに就いたという松本さん、次世代が夢を持てるような環境をつくりたいと【平ちゃん】は根内シェフを中心とした若いスタッフに任せる体制にしたそうです。若手メインだからこそ【ラペ】にはないオープンキッチンにして、活気あふれる空間にしたのもこだわりでした。松本さん曰く「賄いで作ってくれた和食がおいしくて、彼ならば」と腕を見込まれた根内さんもう1つは、次の時代へ食資源を繋げること。【平ちゃん】はサスティナブルシーフードのトレーサビリティを確保するためのCoC認証を取得。適切に獲られた魚介、未利用魚などを活用して、限りある水産資源を守っていくよう取り組んでいます。またスタッフ一同で生産者さんのもとへ足を運ぶことも積極的に。生産者さんの思いを汲み、食材の大切さを実感するからこそ、ロスのない調理に努め、さらにそれを食べ手に伝えることができるはず、と松本さん。平ちゃん【エリア】三越前【ジャンル】おでん【ランチ平均予算】7000円【ディナー平均予算】14000円【アクセス】三越前駅 徒歩3分松本さんの原点【おでん割烹 平ちゃん】に【ラペ】のエッセンスを加え、さらに季節を感じるおでんへと魅力を広げた【平ちゃん】。ほっとするだしをベースに、選りすぐりの素材と楽しい発想で仕上げた、新しいおでんに出会えます。
2021年08月03日スパイシーな仕掛けたっぷり!多国籍な単品料理たち【SPICEHOLIC】が考える“広義のスパイス”もちろんお酒も料理の“スパイス”思わず鼻奥がツンと刺激される異国情緒溢れる店内中目黒の駅近く、ビルの5階。エレベーターを降りると、すぐに広がる【SPICEHOLIC】の店内。まるで東南アジアにワープしたかのような感覚に陥り、その異国情緒溢れる店内の雰囲気とツンと鼻をつくスパイシーな薫りに気持ちが高まります。この時点ですでに、同店がうたう“広義のスパイス”、そのマジックにかけられていることは後に分かることです。アジアの夜の屋台街を感じさせるエキゾチックな店内オレンジのネオンを基調とした落ち着きある店内。屋台チックな背の高いテーブルとスツール席を中心にボックスソファ席などが並ぶ。アジア特有の熱気と纏わりつくような湿気がいまにも伝わってきそう。巧みに陳列された香辛料はインテリアとしても存在感を放つ店内には所狭しと香辛料や漬け込まれたお酒の瓶が並びます。これらはもちろん料理の素材ですが、同時に【SPICEHOLIC】というお店を象徴するインテリアアイテムとしても機能。この辺りの作り込みがまた同店ならではのスタイルであり、唯一無二な雰囲気を生み出しています。スパイシーな仕掛けたっぷり!多国籍な単品料理たちさっぱり料理の代名詞、カルパッチョもスパイシーに料理メニューも店内さながら屋台チックな単品料理がラインナップ。いろんな料理を少しずつシェアして食べるもよし、お気に入りの一品料理を頼んで掻き込むもよし。どんなスタイルにも対応できる豊富な多国籍料理がメニューに揃っているのです。そしていずれの料理もピリッと痺れる“仕掛け”を持ち、その存在感がクセになること請け合いです。【SPICEHOLIC】の料理長を務める上口さん2021年4月から【SPICEHOLIC】の料理長を務める上口さんは、もともと和食畑を歩んできたシェフ。スパイス料理に関して「カルチャーや洋服同様に料理にも流行があり、今はスパイスが流行のど真ん中。だからスパイス料理を作りたかったのです。試作すればするほど深みにハマって困っていますが、その奥深さが魅力ですね。和食を得意とする自分だからこそ作れる一品もあるので、いろんな料理をワイワイと楽しんでもらいたいです」と言います。口の中にどう入れるかで味が変わる『鮮魚の旨味カルパッチョ』ということで一皿目から早速、和食を得意とする上口さんならではのスパイスが効いたカルパッチョを作っていただきました。和食を得意とする上口さんならではの発想でまとめられたスパイシーな一品『鮮魚の旨味カルパッチョ』900円愛媛県で獲れた天然の真鯛に、直七と呼ばれる鮮魚に抜群の相性を見せるスダチを絞り、トリュフオイルとトリュフ塩で味を調えたカルパッチョ。これだけでも間違いなくおいしいですが、その上には4種類のスパイスが流れています。左から「塩昆布」、「カツオパウダー」、「黒七味」そして「味噌パウダー」。日本由来の食材を味の決め手となる“スパイス”として使っているのです。一度口に入れるとそれぞれのスパイスが舌の上で抜群の存在感を見せるため、口への入れ方一つでいろんな味の変化が楽しめます。そして最終的には鯛ならではの甘さと直七の爽快さでさっぱりとした旨味が口の中に残るのです。優しい食感とは裏腹に刺激的たっぷりの『クレイジースペアリブ』3時間煮込み続けることで骨離れがよく、まるで角煮のようにお口の中でホロホロとほどけるスペアリブを2皿目に紹介。決め手はたっぷり乗った薬味とピリ辛スパイスです。たっぷりの薬味と見るからに辛そうスパイスがまぶされた『クレイジースペアリブ』1,600円スペアリブといったら甘辛いBBQソースにどっぷりと漬けられていて、手をベタベタにしながら齧りつく!そんな大胆な食べ方で食欲をそそるイメージですが、こちらのスペアリブは塩ダレベースでなんともさっぱり。しかも上にはクミン、唐辛子、ガーリックチップまぶし、さらに水菜、赤からし菜、黄ニラ、パクチー、三つ葉、みょうが、ムラ芽、フォアジャオスプラウト、赤カイワレスプラウト、赤キャベツスプラウトといった緑を使った薬味がたっぷり。噛むほどにさまざま味があらわれ、お肉料理とは思えない爽快さを残します。スパイス料理の代名詞!『土鍋麻婆豆腐』は痺れ重視お待たせいたしました!スパイス料理の大本命でもありファンも多い麻婆豆腐が3皿目に登場!【SPICE HOLIC】の麻婆豆腐は痺れ重視のレシピ。ですがやっぱり辛さを求める人も多く、別添えパウダーで辛さの調節も可能となります。フォアジャオを使った麻婆豆腐は辛さよりも痺れがポイント『土鍋麻婆豆腐』900円本格的な麻婆豆腐を追求した結果、辛さよりも痺れ重視の味わいとなった【SPICEHOLIC】の麻婆豆腐。本場でも使われる刺激的痺れが特徴のフォアジャオの実を使い、甜麺醤、豆I醤、豆板醤で味を整えます。下に心地いい痺れと絹豆腐の甘み、お肉の旨味がバランスよく合わさり気がつくとスプーン山盛りに掬って口の中に放り込んでいます。なんとも中毒性の高い一品です。オリジナルの辛味スパイス(300円)で料理の辛さを自分好みに調節痺れ重視といっても中華料理きってのメジャー料理である麻婆豆腐といえば、反射的に辛さを求めるファンが多いということはもちろんお店も承知。そこで【SPICEHOLIC】では別添えのオリジナル辛味パウダーを準備しています。キャロライナリーパー、韓国唐辛子、マジョラム、エルブドプロバンスをブレンドしたこちらのパウダーは、わずか小さじ一杯で火を噴く辛さ!体中の汗腺から汗が噴き出してきます。まずは痺れを楽しんで、その後は徐々に辛味をプラス。そんな刺激的な調整を楽しみながら食せるのもスパイス料理ならではですね。【SPICEHOLIC】が考える“広義のスパイス”スパイスといえば胡椒や唐辛子、山椒といった刺激的な食材をイメージします。しかし実際のところ香辛料には、具体的な定義付けがなくその基準も国や地域によってまちまちなのです。「【SPICEHOLIC】では広い意味でスパイスを考えています」と上口さんは言います。【SPICEHOLIC】が定義する“スパイス”はなんとも自由で個性的!「例えばぼくがずっと研鑽してきた和食では、すべての基礎となるだしを何よりも大事にします。そして【SPICEHOLIC】的に言えば、そのだしですらスパイスです。さらに言えば実際に口に入るものだけではないです。例えば夏限定で藁焼きのメニューを出しているのですが、その藁焼きによって食材に染み込む独特な風味、それもまたスパイスとして考えています。究極的に言ったら店内の内装や雰囲気など、間そのものも“スパイス”なのです。つまりメインの食材の味に関わるもの、そしてそれを食べる人の五感を刺激するもの、その全てがスパイスだと考えているのです」。一般的にスパイスとして捉えられている食材はもちろん、それ以外の薬味や調理方法、はたまたお店の雰囲気にいたるまであらゆるものが食材の味に影響します。【SPICEHOLIC】はそれらすべてをスパイスとして捉えることで、あらゆる料理をスパイス料理へとアジャストさせているということです。最初に店内に入って、花奥にスパイスの刺激を感じ、ネオンやインテリアといった空間デザインに胸をときめかせている時点で【SPICEHOLIC】によるスパイスのマジックにかかっていたというワケです。もちろんお酒も料理の“スパイス”中央カウンターの周囲には漬け込み酒が多く並んでいます。食材に影響を与えるものや食べる人の五感を刺激するものなどあらゆるものをスパイスとして捉える【SPICEHOLIC】にとって、お酒ももちろん重要な“スパイス”のひとつなのです。バーカウンターには漬け込み途中のお酒が数多並ぶ「高級料理店がペアリングを実施するように、うちでもスパイス料理にあった刺激的なお酒を多数準備しています。ビールなどの既製品もございますが、オススメはやはりオリジナルの漬け込み酒ですね。うちではソムリエ資格を持つ金子が料理にあったお酒を提案、提供しています」と上口さんは続けます。漬け込みを始めお酒のすべてを担当する店長の金子さんワインバーでソムリエとしての勤務歴を持つ金子さんは、プライベートでも趣味として漬け込み酒を作っていたという。その縁あって【SPICEHOLIC】の店長に。公私にわたってお酒への造詣の深さがうかがえます。そんな金子さんがオススメする3杯がこちら。選りすぐりのオリジナル漬け込み酒。中でも今時期オススメだという3杯左から『季節の果実酒のソニック』、『ベリーベリーブリーズ』、『リモンチェッロのレモンサワー』。それぞれのポイントについて金子さんに聞きました。「まず季節の果実酒はその季節一番オススメの果物をウォッカに漬け込んだお酒なのですが、いまはキンカン(取材時は6月初旬)です。これをソーダとトニックで割って飲みます。すっきりとした味わいの中に果実の甘みが感じられるので脂っこい食べ物と一緒に飲んでいただければと思います。漬け込む分、市場の旬のものとはちょっとタイムラグができますが次はどんなお酒が登場するのか聞いていただければアナウンスすることができますよ。ちなみにいまは最高の梅が手に入ったので漬け込む準備をしています」これからウォッカに付け込まれる梅の実。提供時期に関しては店舗にお問い合わせください「真ん中の『ベリーベリーブリーズ』はその名の通りベリーを使った果実酒です。ラズベリー、グズベリー、ストロベリー、クランベリーをウォッカに漬け込んだお酒を、グレープフルーツジュースで割って提供します。ウォッカの無垢なさにベリーの果汁がよく染み込んでくれるので、果実酒としての醍醐味を感じられる一杯です。割とどんな料理にもハマりますが、スイーツとの相性はことさらいいですね」漬け込み最中のオリジナル、リモンチェッロ「一番右がレモンの皮を一枚一枚剥いで、中の白い皮もすべて削って黄色い部分だけをスピリタスに一ヶ月以上漬け込み、最終的にシロップやレモン果汁などで味をととのえたオリジナルのリモンチェッロを使ったレモンサワーです。これは“とりあえずの一杯目”にオススメしたいです。どんなレモンサワーよりもフルーティでのど越し爽やかなので喉の渇きも潤してくれます」大甘裁定のスパイスがピリッと響き、中毒者増加中何がスパイスなのか?と問われた時、【SPICEHOLIC】の示すスパイスはかなりの大甘裁定です。他の料理屋では到底スパイスとして認められないでしょう。しかし先にも述べた通りスパイスには明確な定義がないのも事実。瓶詰めされた陳列される香辛料。【SPICEHOLIC】を象徴する眺め現に【SPICEHOLIC】はコロナ禍でのオープンにも関わらず順調に客足を伸ばしており、それは同店がうたう“広義のスパイス”に痺れた中毒者を増やし続けています。しっかりと料理に効き、来店した人の五感にもピリッと響くそんな“スパイス”、ぜひと味わってみたいなんて思いませんか?SPICEHOLIC【エリア】中目黒【ジャンル】ダイニングバー【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】4000円【アクセス】中目黒駅 徒歩2分
2021年07月24日極上の食パンを鉄板で焼き上げたトーストメニューが自慢映えるヴィジュアルのスイーツ&ドリンクに心躍る!シーンを選ばない空間と厳選アイテムが居心地のよさを演出極上の食パンを鉄板で焼き上げたトーストメニューが自慢光が差し込む明るいメインフロアはカウンターとテーブル、スタンディング席を配し、奥には個室がある。代々木公園駅からわずか徒歩1分というビルの2階にある【プルミエメ】。駅近の好アクセスながらあえて看板を出さず、落ち着いた隠れ家として構えています。とはいえ〝ちょっとよそゆきの朝ごはん〟を目指す人足は絶えず、早くも人気カフェの仲間入り!訪れる人々を惹きつけるのは、SNSでも話題のフォトジェニックなメニューです。『ムイエットプレート』食パンは1枚200円で追加も可能。『ムイエットプレート』1,600円こちらの看板メニューは、フランスでは定番の朝食という『ムイエットプレート』。スティック状にカットされたトースト「ムイエット」に白と赤2色の超半熟卵、デュカスチーズ、ベーコン、彩りよい季節野菜のデリなどを盛り合わせたワンプレートです。白米で育てた鶏が生んだ北海道産の白い卵、千葉葉県産の赤い卵。食べ比べも楽しい2種類添えられた器具で卵の殻をこつんと割り、とろける黄身をトーストに絡めていただく一連の作業が何とも楽しい!『極厚鉄板チーズトースト』たっぷりチーズがお好みなら、プラス700円で倍量にできる。『極厚鉄板チーズトースト』1,500円スマホを構えて動画を撮りたくなってしまうのは『極厚鉄板チーズトースト』です。厚さ5㎝というトーストに、目の前で熱々のチーズをかけてくれます。そこにドライオレガノを潰しながら散らし、はちみつをたらすと堪りません!「トーストと同じく、鉄板上でとろりと溶けるまで熱したチーズは、食欲をくすぐる香りが立ち上る」スイス産ラクレットとオランダ産モッツアレラをブレンドしたチーズは、ミルキーさとコクのバランスがよく、オレガノの香りがいいアクセントに。食パンは2~4㎝まで厚さが調整できるので、デザートに別腹を空けておきたい人もご安心を。他にも、ノンシュガー卵液にくぐらせたフレンチトーストにデリなどを添えた『お食事フレンチトーストプレート』や、ふんわり焼き上げたオムレツをのせた『鉄板オムレツプレート』などがあります。目の前の鉄板で素材が焼き上がっていくカフェらしからぬ臨場感も楽しい朝食にトーストはごく一般的ですが、「ちょっとよそゆき」の理由は素材にも焼き方にもあります。使われているのは、高級食パン専門店【考えた人すごいわ】のプレーン食パン「魂仕込」。キッチンを囲むカウンターには鉄板が配されていて、食パンやベーコン、オムレツなどはここで焼かれているのです。鉄板で仕上げたトーストは、表面がこんがりサクッ、中はふっくら柔らかな口当たり。グラスワインの銘柄は常に入れ替わる。左から「ピンク2019」1,200円、「エミネンス ピノ・ノワール」1,400円。国産ビール「ガージェリー」はエックスエール、ウィートともに900円贅沢なワンプレートメニューは、アルコールと一緒にゆったり楽しんでもOK。ワインは自然派のものをグラスで用意されています。ビールは飲食店にしか卸していないプレミアムな「ガージェリー」を。ドリンクのセレクトにもこだわりが光ります。映えるヴィジュアルのスイーツ&ドリンクに心躍る!香り高いオリーブオイルはプラス150円で2倍増量が可能。『季節のロングミルフィーユプレート』1,800円こだわり尽くしたスイーツも必食です。お皿いっぱいのサイズに目を見張ってしまう『季節のロングミルフィーユプレート』。パイの長さはなんと22㎝!丁寧に手折りしたパイは、惜しまれつつ閉店した【9STORIES】の名物ミルフィーユを考案した石崎優磨さんが手掛けたもの。オーダーが入ってから、パイに自家製カスタード&クリーム、季節のフルーツ、ジュレをあしらって作り上げるから、パイのサクサク食感とフルーツの瑞々しさを存分に味わえます。いまの時期はシャインマスカットにジンのジュレを添えて。ソーダ割り、水割り、お湯割りから選んで楽しめる。「季節のヴィネガー」800円ノンアルコールドリンクはハンドドリップコーヒーや水出しのコールドブリューをはじめ、有機抹茶クリームソーダ、無添加の温州みかんジュースなどバラエティーに富んでいます。自家製のフルーツヴィネガーを提案している【Vinegar Bar Banksia】が漬けた『季節のヴィネガー』を使ったヘルシーなドリンクは、フルーツの彩りが映えます。この日はアールグレイオレンジヴィネガーをソーダ割りにして、すっきり爽やかなのど越しでクールダウン。シーンを選ばない空間と厳選アイテムが居心地のよさを演出2~4名利用で予約可能な個室。使用料は1時間2,000円〝ちょっとよそゆき〟を堪能できるのは、オリジナリティあふれるメニューはもちろんのこと、隅々まで気を配られた空間があってこそ。これまでのカフェにはない鉄板焼きのカウンターから、ナチュラルな木のテーブル、予約可能な個室、窓側のスタンディング席まで、シーンに応じて使い分けられる客席。Wi-Fiとコンセントが完備しているから気持ちにもゆとりができます。店内で扱う食材や食器、セレクトアイテムなどちょっとしたギフトにも適した品が購入できる「こんなカフェが欲しかった!」を叶えてくれたのは、オーナーのすず。さん。カフェ好きが高じて、東京都内のみならず日本各地のカフェを巡り、その情報を発信するInstagramはフォロワー1万5千人を超えるほど。ついに、自身の理想とするカフェをオープンするに至ったのです。ビル外にも階段を上がった入口にも看板はないが、ドアを開ければ柔らかなグリーンをあしらった明るい空間が広がるさらに、本業はPRとして活動されているゆえの審美眼と発信力が遺憾なく発揮されているのが、エントランス入ってすぐにあるコーナー。店内で使われているプレートやアンティークのカトラリー、オリジナルのマグカップ、メイン食材の食パン、【セドリック・カサノヴァ】のオレガノやオリーブオイル、【金市商店】のはちみつなどなど、すず。さんがいいなと思ったものがセレクトされ、購入できるようになっています。静岡の老舗茶園直営のティーサロン【カネ十農園 表参道】で店長を務めた後、【プルミエメ】のマネージャーに就いた加藤大地さん看板を掲げていない隠れ家だけど、ドアを開ければ、キッチンを取り仕切るマネージャーの加藤大地さんをはじめとするスタッフが迎えてくれるフレンドリーな空間。ちょっぴり特別な1日を過ごすために、スペシャルな朝食を求めて訪れたいもの。早起きしても、しなくてもOKなのがまた嬉しい!プルミエメ【エリア】新宿南口/代々木【ジャンル】カフェ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】2000円【アクセス】代々木公園駅 徒歩1分
2021年07月16日裏路地に佇む古民家で江戸前すしをカジュアルにいただく寿司の価値観を変える「くずし鮨」を『おまかせコース』で満喫コンクール優勝ワインソムリエによる、寿司とワインのペアリング裏路地に佇む古民家で江戸前すしをカジュアルにいただく八丁堀の裏路地にある、カラフルな色ガラスが目印の古民家3ヶ月先まで予約が埋まる寿司屋【鮨 おにかい】は、“知る人だけが知る、ひっそりと佇むお店”がコンセプト。3店舗目としてオープンした【鮨 うらおにかい】は八丁堀駅のすぐそばの裏路地に潜んでおり、まずはお店を見つけるまでのドキドキ感から始まります。古民家をリノベーションした店内は、一階、2階に8席、6席のカウンターがあります店内はカウンター席のみの計14席。二部制の完全予約となっています。所作を重視しながら食事をする従来のスタイルではなく、リラックスしながら本格的な味を楽しめる新しい仕立て方法の「くずし鮨」など、腕利きの若手職人が創意工夫を凝らしたモダンで柔軟な寿司がいただけます。寿司の価値観を変える「くずし鮨」を『おまかせコース』で満喫今ではもう手に入らない江戸前酢である「ヨコ井醸造の熟赤酢」で仕上げる本格江戸前すしを基本としながら、【鮨 おにかい】ならではの「くずし鮨」を加えた幅広い寿司が楽しめます。仕入れや季節によって変わる厳選されたネタを中心に構成された『おまかせコース』10,000円(税込)は、15貫の寿司に3品の小皿料理がついています。『海老天海苔巻き(車海老)』えび類の中でもトップクラスの旨味を誇る車海老の天ぷらを海苔巻きに。『海老天海苔巻き(車海老)』 ※コースの一品【鮨 おにかい】名物『海老天海苔巻き』は、系列店舗であるミシュラン一つ星を獲得した【天婦羅みやしろ】が監修する海老天と渾身のシャリの合わせ技が楽しめます。揚げたての天ぷらと赤酢の香りがたまらない一品です。『〆のマグロ巻き』赤身の醤油漬けと中トロ、炙り大トロ(醤油漬け)を細巻きにした一品。『〆のマグロ巻き』※コースの一品マグロに焦点を合わせたシャリの味わいと3種の部位のマグロが競演。江戸前の技法を用いて霜降り漬けにすることで柔らかな醤油の風味が楽しめます。大トロは炙ることでトロっとした食感と香ばしい香りが楽しめ、他の部位となじませる為にしばらく寝かせています。『裏メニュー(肉寿司)』サーフアンドターフが楽しめる欲張りな一皿。『裏メニュー(肉寿司)』 1,100円(税込)【鮨 うらおにかい】では、コースの最後の頃にあともう少し楽しみたいというゲストへの裏メニューとして、肉割烹出身の板前高橋さんによる肉を使った寿司を提供。時期により内容は変化しますが、第1弾は馬肉・雲丹・えび・蟹となんとも贅沢なラインナップ。肉と魚が寄り添い、其々の味わいが口内で優しく融合します。コンクール優勝ワインソムリエによる、寿司とワインのペアリングペアリングでは赤ワインを合わせています。ワインは、イタリアワイン・ベストソムリエコンクール(JETCUP)で優勝経験を持つ、ワインソムリエの永瀬喜洋さんが監修。また、ノンアルコールのペアリングも秀逸です。『ペアリングコース』『ペアリングコース(アルコール 5種)』 5,000円(税込)※写真は『プラネタ フラッパート』飛び魚昆布〆・小肌・鰆と相性抜群の『プラネタ フラッパート』は、シチリア島で海風と塩分やミネラルが豊富な土壌でできた果実味溢れるフラッパートで創られる赤ワイン。チェリーを思わせる果実味は今までにない新しい寿司の味わいを感じることができます。『ペアリングコース(ノンアルコール)』『ペアリングコース(ノンアルコール 5種)』 2,800円(税込) ※写真は『有機栽培焙じ茶』旬の小丼・マグロ巻き・穴子と相性の良い『有機栽培焙じ茶』は、香ばしさと程良いタンニンが寿司の味に寄り添います。カフェインが控えめなのも嬉しい。その前のジンジャーティと共にカクテルに仕立てた甘酒カクテルもコクを更に深め、これまで経験したことのない味わいへと誘います。伝統の味にモダンな仕立てを加えて新たな世界観を構築する【鮨 おにかい】。柔軟に変化をし、進化し続ける江戸前すしをぜひ味わってみてください。鮨 うらおにかい【エリア】八丁堀【ジャンル】鮨・寿司【ランチ平均予算】10000円 ~ 14999円【ディナー平均予算】10000円 ~ 14999円
2021年07月06日シンプル、一体感のあるダイニング&キッチン環境、人に寄り添う誠実な思いを体現シェフの幼少期の豊かな食体験を映す皿の数々人と環境に寄り添う食のあり方を追求するシェフの誠実さ、丁寧な仕事が心に響く頻繁に畑に足を運び、今の畑を実感。畑で摘んだフレッシュハーブほか、乾燥させた野菜などがキッチンの棚に美しく並ぶ時代を捉えた話題の店が増えつつある東京イーストエリア。2019年秋、日本橋馬喰町に37年続くビジネスホテルをフルリノベーションして生まれ変わったデザインホテル【DDD HOTEL】の1階に、今年の4月に新たしオープンしたのがここ【nôl】です。ホテルの1階ながら入口は意外に分かりづらく秘密めいた雰囲気。壁の店名が目印店内に足を踏み入れると、極めてシンプルな空間に少し驚かされます。見事にクリーンに整えられたキッチンでは濃紺のコックコートを纏った野田シェフはじめ、スタッフが真摯に料理に勤しみ、ダイニングからの眺めは、さながら小劇場。料理が完成すると、シェフやキッチンスタッフがゲストの元へ運び、食材の生産者や料理のストーリーを丁寧に説明してくれるのです。ブルーグレー、ダークグレーのグラデーションのシンプルなダイニングからシームレスにつながるクリーンなキッチン野田達也シェフは、パリで日本人初のミシュラン2つ星を獲得した佐藤伸一氏に指示し、旧【Passage53】(現在新店準備中)で経験を積んでいました。また『RED U35』で準グランプリも受賞。ケータリングに特化した技術も学び、イベントのオーガナイズをするなどしてきたマルチな才能を持つ実力派です。グレーを基調としたインテリアに調和する濃紺のコックコートにもモダンなセンスを感じるシェフの幼少期の豊かな食体験を皿に映し、思いや文化をつなぐ料理約12品ながら食後感の軽いコース 13,200円(税込)多彩でフレキシブルなペアリング食事のフィナーレを飾るのは『ゴミのスープ』?シグニチャーメニュー『畑を食べる』イチジクの葉で包みローストしたナスを、ぬか漬けにした野菜のサルサや畑で摘んだハーブの芽などと一緒にいただく。ナスの皮の細かい細工にも驚かされる冷前菜のひとつ、『畑を食べる』をテーマにしたというこの料理は「料理を考えていると、なぜか昔の記憶が蘇ってくる」と話す野田シェフのシグニチャー的な一皿になっています。「祖母の家に遊びに行くと朝畑に散歩に行くのが楽しみでした。収穫した野菜が料理として食卓に上る楽しさは忘れられない思い出です。また、ぬか漬けは今後も繋いでいきたい日本の誇るべき食文化。そんな思いも込めて考えました」と野田シェフ。ぬか漬けといっても、乳酸の綺麗な酸味の中に少しだけぬかの風味を感じる上品な漬け具合。故郷福岡県の老舗【千束(ちづか)】のぬか床をベースに、ハーブや柑橘の皮で香りをプラスしているそうです。和洋の文化や食材、調理法を自在に操り、見事に新しい一皿を生み出している、その手腕に驚かされます。『ブラン(白)』白ミル貝、カブ、お米を使ったピュレ。美しい白のグラデーションを楽しむ『ブラン』白をテーマにしたこの冷前菜も「幼少期の思い出から生まれました」と野田シェフ。「自然食を心がけていた母が作ってくれるおやつは、いりこや昆布、そして地元では“炒っ米”と呼ばれている炒ったお米などでした。素朴ですがお米の香ばしい香りは印象深く記憶に残っています」。そこで、白ミル貝のワタとアサリでとった出汁に、炒ったお米を加えてピュレに。ミル貝の甘さ、カブの甘みが香ばしさでまとめあげられているのです。冷たく冷やしたミル貝のプリッとした食感に添うように、カブはあえて生ではなく昆布で〆てくにゅっとした食感に仕立てているのもポイント。旨味のインパクトはあるものの、色から香り、食感、最後に抜ける香りまで、繊細さを重ね、ミネラルが体に染み入るような心地よい余韻が長く続きます。ワイン、日本酒、日本茶、ノンアルコールカクテルなど、少量多彩なペアリングに楽しみが膨らむ一つのお皿に対して、基本的にはワイン、日本酒、お茶の3タイプの提案をしてくれる【nôl】では、ドリンクペアリングも楽しみの一つです。たとえば前述の旨味が強い『白の皿』には、ソーヴィニヨン・ブランの微発泡ワイン、“ペティアン”や“新政亜麻猫”など低アルコールのお酒を。日本茶は旨味と清涼感のある鹿児島・霧島産の『ASANOKA』を勧めてくれます。【nôl】でヴィバレッジディレクターを務める大井充氏は、以前の職場で野田シェフとコンビを組んでいた時から信頼の絆を深めていた人物。今回、野田シェフからの誘いで再び一緒に仕事をすることに。ペアリングは2人で綿密に相談をしながら決めていくそうで「シェフも必ず料理とドリンクの味を見て、料理の味付けを再調整してくれたりもするので、ブレのないペアリングが実現しています」と大井氏。食事の楽しみを膨らませてくれるのはもちろん、少量生産で入手困難なワインや日本酒の品揃えにも目を見張ります。『北海道・白糠の名ハンター松野さんの蝦夷鹿ロースとシンタマのロースト』『北海道・白糠の名ハンター松野さんの蝦夷鹿ロースとシンタマのロースト』季節柄脂肪分が少ないので、飛騨牛の脂を炭火で炙ったものをトッピング。食後感が軽くなるよう、ソースは骨でとったコンソメに、バターは使わずお米のピュレで濃度をつけています。ペアリングは、ワインはスパイシーかつエレガントな要素も併せ持つシラー単一で作られた“サン・ジョセフ”、日本酒はしっかりとしたコク、長い余韻を持つ“悦凱陣 純米吟醸”、日本茶は燻香をつけた静岡・牧之原の“IBUSHI”。赤身のジューシーさを爽やかに流してくれるとのことです。蝦夷鹿に合わせてセレクトされたワイン、日本酒、日本茶。このほか、ぶどうジュースとコンブチャを割ったジュースも用意されていますフィナーレはコースで使った野菜の端材でとるコンソメサイフォンで304回煮出して端野菜のコンソメをとるコースの後半、厨房にサイフォンが用意されます。「食後のコーヒーの準備?」と思いきや、たっぷりの乾燥野菜やハーブを入れて煮出しています。「パリ時代から始めたことなのですが…」と語り始めた野田シェフ。「以前は余った野菜や端材は乾燥させてパウダーにして使っていましたが、なかなか使いきれないことから、端材をもっと大胆に使ってコンソメをとり、コースの締めに出すことにしました」。パリのお店で常連だった村上隆氏が『ゴミのスープ』と命名。コースの最後なので、スープにならないギリギリの塩加減で甘味だけを引き出している。料理人がすべきことを明確に、分かりやすく自然体で表現できる軽やかさも野田シェフの魅力。レストランにいながら森を歩いていたような清々しさで「ゴミのスープ」を飲み終えました。これからの時代の普通を追求する「ニューノーマル」を実感する食体験現在はカウンターとテーブル2つで1日3組のみ。コロナが収束すれば、コース料理の営業後はアラカルトもOKになる予定。「環境に配慮する“サスティナブルな食”という言葉が使われる以前から、料理人としてお客様、食材、生産者、スタッフ、社会に真摯に向き合ってきたことが、結果サスティナブルにつながっていました」と話す野田シェフ。料理を食べ終えた時、「この店のテーマは新しい普通、“ニューノーマル”です」と最初に説明された言葉がすーっと心に入り、腑に落ちるのを感じました。誠実で思慮深い才能で明るい未来を見せてくれる野田シェフ、大井氏の挑戦はまだ始まったばかり。ずっとずっと目が離せない1軒です。シェフプロフィール|野田 達也 氏1985年福岡県生まれ。都内フレンチレストランを経て2012年に渡仏し、【Passage 53】などのレストランで研鑽を積む。帰国後、ケータリング事業に携わり再渡仏。世界各国のシェフやアーティストとのコラボレーション、メニュー開発、若手育成など多彩な経験を重ねる。現在はフリーランスの料理人として各地で活動する傍ら【nôl 】のディレクターも務める。ソムリエプロフィール|大井 充 氏1980 年香川県生まれ。都内のレストランで研鑽を積み、ソシエテミクニ上海開業準備室、【ピルエット】、【ドミニク・ブシェ トーキョー】のマネージャーを経てフリーランスのF&Bコンサルタントとして活動。【nôl】のビバレッジディレクターも兼任。多様な食・人の好みに柔軟に対応できるようワインのみならず、日本酒、お茶などビバレッジ全般の知識を深め、ペアリングを探求。nol【エリア】人形町/小伝馬町【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】15000円【アクセス】馬喰町駅 徒歩1分
2021年07月02日“カッコいい”と“親しみやすい”が共存する雰囲気イタリア料理と日本料理のいいとこ取りで生まれる新たな美味シェフみずからがテーブルをまわり、料理やワインのストーリーを伝える料理も会話も中毒性のある楽しさを追求。ちょっと寄りたくなる店に外観内観ともにグレーをベースに、差し色として鮮やかなグリーンが使われ、シンプルモダンな印象一見「何のお店だろう?」と思わせる店名とインテリア。スタイリッシュな雰囲気にちょっと緊張してドアを押すと、オープンキッチン、カウンター席で冗談が飛び交い親しみやすい空気が流れています。「僕たち料理人が楽しく仕事をしていないとお客さまも楽しめないですよね」と溝尾シェフ。「あの店に行くとなんか面白いんだよね」という印象を残せる料理、お酒、会話で「ついつい足が向く」そんな中毒性のあるおもしろさを探求しているそうです。「お客さまと一緒におもしろがってもらえる空間をつくり、常連客を増やしていきたい」と溝尾シェフみずからがサービスも担当する【割烹TAJIMA】とイタリア料理人のコラボが生む新たな面白み【割烹TAJIMA】の田島和彦氏と溝尾シェフは、専門学校の同級生。田島氏は当時から人を驚かせるアイデアやセンスに長けていたそうです。「ゼロイチが得意な田島、1を10に100にと膨らませていくことが得意なぼく。いつか二人で一緒に仕事をしようと約束して、それぞれ経験を積んできました」と溝尾氏。15年が経ち、ついに夢を実現したのです。2つのお店を経営することで、食材をある程度まとめ買いできるため、仕入れのコストを下げることができます。こうして、食材はハイクオリティながらも値段はカジュアルな通いやすいお店を実現したのです。しかも田島氏はコロナ禍でも豊洲市場の業者の支援のために食材を買い続けてきました。そういった信頼関係もあり、いいものを安定した価格で仕入れることができるそうです。コロナ禍、市場の業者を助けるためにウニをはじめ、鮮魚、青果を買い続け、信頼の絆がますます強固に共同仕入れなので、和食材の割合は多くなりますが、日本料理の技法も交えながら創意工夫を重ねて生み出す新たなイタリア料理が【Leon akasaka】の個性でもあり、強みになっています。18時からはコース料理のみ6000円月ごとにワインの種類を変えて提案するペアリング6000円21時前後からはアラカルトでワインバー的な使い方もOK『鮮魚のコトレッタ』。魚の骨のだしで炊いた大根の煮物を付け合わせに『ミラノ風仔牛のコトレッタ』、つまりカツレツを旬の鮮魚でアレンジしたこの一皿。コトレッタの下には魚の骨のだしでやわらかく煮てみりんと醤油で味付けした大根が隠れています。そしてソースは魚の骨を濃くひいただしにクリームを加えたもの。今までにない組み合わせですが、違和感なくおいしく食べられるのは、素材のよさ、ていねいな仕事、計算された味付けのバランスの賜物なのでしょう。『国産和牛のイチボのロースト原木椎茸のグリルと共に』。プラス料金でウニのトッピングも可能『【割烹TAJIMA】のカラスミのパスタ』。田島氏が試行錯誤で生み出した特別なカラスミをふんだんに使用ワインはお客さまとの距離を縮めるツール。経験や好みに合わせて提案自身がワイン好きということで、リストを固定するのではなく、試飲会にも頻繁に通い新たな興味を刺激するワインも色々仕入れています。「ペアリングも、ソムリエではなく、料理人の立場から、“新しく出会ったワインに合わせてつくってみました”、あるいは“この料理に合わせてこのワインを仕入れました”など、なぜこのワインを選んだのか、なぜこの料理が生まれたのかなどストーリーを説明してお客さまにもおもしろがってもらいたい」と溝尾氏。実際のペアリングは……『白身魚のコトレッタ』にすすめてくれたワインは、シチリアの土着ブドウ品種でつくられたミネラル豊富なドンナ・フガータの『アンシリア』。味わいの説明だけでなく、ときにラベルに描かれた絵のモチーフなど印象に残る物語を教えてくれたりもしますイチボのしっとりとした口あたり、脂の旨みと肉厚の原木椎茸の香りと旨みが相乗。そこに合わせるワインは、ジューシーで奥ゆきのある果実味、ほどよく熟成感も味わえる南イタリア・カンパーニア州を代表する『タウラージ』カラスミのパスタに合わせるのは、「白で合わせるのが王道ですが、エレガントな香り、若飲みできるバ2016年のバローロで贅沢な雰囲気を盛り上げるのもいいのでは?」と溝尾氏。ゲストの好みに合わせてときに変化球の提案で楽しませてくれますこれからますますおいしい、楽しい、おもしろい店へと進化すること間違いなし「おいしいお店はたくさんあります。ほかでは体験できないこの店ならではのおいしさも追求しながら、それ以上に、雰囲気づくりにも力を入れていきたい」と熱弁する溝尾氏。若手料理人も育てていきたいと、料理をディレクションしながら、みずからフロアに立ち、ゲストもスタッフも楽しめる店づくりに邁進しています。その溝尾氏の働きぶりも心に響く赤坂の新店。ぜひ覗いてみてください。一度訪れれば、雰囲気、味、コストパフォーマンスのよさを実感でき、ファンになること間違いなしです。シェフプロフィール:溝尾 歩1986年、千葉県生まれ。専門学校卒業後、【カノビアーノTOKYO】に入社。3年勤務したのち、本場を肌で感じるべく短期イタリアに渡る。帰国後、【神楽坂ソプラアクア】などを経て料理学校の同期であり【割烹Tajima】の田島和彦氏が代表を務める株式会社BAMFに入社。イタリア料理との融合の可能性も探るべく日本料理の習得にも励む。2021年4月に【leon akasaka】のヘッドシェフに就任。Leonakasaka【エリア】赤坂【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】6000円【アクセス】赤坂駅 徒歩2分
2021年06月23日カウンターはレストラン、テーブル席はビストロ既視感のある料理ながら、想像を超える味わいシェフの世界観、「心地よいちぐはぐ」を楽しむレストランとビストロが両立?!常道を超えていく新世代シェフのお店へレストランであり、ビストロでもある画期的な新スタイル縦長なお店で、一番奥がキッチン。「臨場感のあるカウンターがいいな」と勝手に座ってはいけません。【ars】には2つの顔があり、カウンター4席は完全予約制で11,500円(税込)のコース料理を提供するシェフズテーブル。でも、テーブル席はアラカルトで楽しめるビストロなのです。カウンターはコース料理のみで要予約。テーブル席のアラカルト料理は500円0時にレストランとして利用することもできれば、普段の食事、あるいはちょっとつまみながらワインを飲みたいなとふらりと立ち寄ったり、気の置けない仲間とアラカルトで前菜やメイン数品を頼んでカジュアルに楽しんだり……。1つの空間の中に、レストランとビストロ、2つの顔を持つお店なのです。今回は、特別感のあるカウンターのお料理を中心に紹介します。丁寧な仕事と探究心で、クラシックとモダンが調和する個性的な皿へ昇華オープンキッチンを目の前に、クリテイティブな料理を楽しめる完全予約制のカウンター席カウンターは9品11,500円のコースのみ、要予約伝統と革新が共存するパイ包み焼き、フォアグラのお皿多彩なワインで楽しむペアリング厚みのある個性的な木のカウンターエリアは、紫とゴールドの菊花模様の壁紙も印象的。たった4席ということもあり、シェフズテーブルに招かれたような特別感があります。完全予約制のこの席では9品11,500円のコース料理のみを提供。オーナーシェフ・髙木和也さんの信念でもある、クラシックとモダンが調和するガストロノミーを、調理風景を見ながら臨場感たっぷりに堪能することができます。『パイ包み焼き』オマール海老のパイ包み焼き ビスクソースパイは芳ばしくサクサクの焼き上がり、フィリングはしっとり。絶妙な火加減で楽しませてくれます「僕の料理の特徴は、まず既視感のあること。でも、食べると“あれ?想像していたのとは違う”と感じてもらえるような食感や味わいにしています」と話す髙木シェフ。スペシャリテのパイ包み焼きは、パイはサクサク、中身はしっとりジューシーで食べた人を魅了します。「パイとフィリングの火入れ加減をジャストなタイミングで両立させるのが難しいんです」。確かに、パイが生焼けだったり、フィリングがパサついていたりするパイに遭遇したことが何度かある。「フレンチ料理人の腕を試される一品。これを極めたいと思いました」と髙木シェフ髙木シェフ自身も、レストランを食べ歩くなかで改めてパイ包み焼きの難しさを痛感。食べる人をがっかりさせないために修練を積まなければと、どんなに忙しいときでも火入れに失敗しない方法を編み出したそうです。そういった、探究心の強さもシェフの魅力であり、実力として確実に蓄積されているのです。『フォアグラのテリーヌ』フォアグラとパン・デピスのメレンゲ 菊芋のピュレとデコポン脂っこいというフォアグラのイメージからは程遠く、軽やかな食感フランスの出汁、フォンを引くのも決して手抜きをせず、一つ一つ丁寧に基礎を固めて、ブレない土台を作る髙木シェフ。その上で、教わってきたことを鵜呑みにするのではなく、なぜそうなのかを検証し、試行錯誤を重ねて新たな美味を再構築していくそうです。そんな中で生まれたもう一つのスペシャルテがフォアグラのテリーヌ。「【レフェルヴェソンス】や【ラ・フィネス】で働いていたとき、血抜きの仕方や火入れの温度、時間などシェフと一緒に実験的に色々試していました」と髙木シェフ。パン・デピスに入っているシナモン、ナツメグ、クローブなどのスパイスを使い、薄い板状にしたメレンゲでデコレーション修業時代の経験をもとに独自に編み出した「現段階ではこれがベスト」という火入れで、自信を持ってスペシャリテとして出しているフォアグラのテリーヌ。相性の良いパン・デピスは、「軽やかに味わっていただきたいから」とメレンゲに仕立てられています。濃厚な味わいながらも驚くほどライトな食後感。「脂を酸化させないこと、これも胃もたれしない重要なポイントなんです」。見えないところまで徹頭徹尾の配慮と手間暇で食材のよいところだけを引き出してくる髙木シェフ。美味しさへの飽くなき探究心に頭が下がります。『前菜3点盛』コースの2皿目、カニクリームコロッケ・竹炭のチュイル・馬肉のタルタル「既視感がありながら予想を裏切る味わいを目指している」というシェフの言葉がよくわかるのが前菜の3品。丸いコロッケは、「カニクリームです」と言われて口に入れると、クリームがとろーりではなく、ほぼカニ!新玉ねぎのムースを竹炭でコーティングした葉巻のような一品は見た目もユニークで既視感というより独創的な一品ですが、馬肉のタルタルは、昆布締めにしている意外性、旨みに、生ではなく固めた卵黄を散らしたり、山椒の葉で日本の季節感をプラスするなど遊び心にあふれています。髙木シェフが実際に飲んでおいしい、料理に合うと思ったワインたちフランスを中心にしながらも、イタリア、スロベキア、ポーランドなど価格も味わいも多様なラインナップワインは、カウンターのコース料理ならペアリング(基本は6種・6,600円、+1,900円でシャンパーニュ)がオススメです。既成概念にとらわれず、料理を作った髙木シェフ本人がセレクトするので、説明にも熱が入ります。フォアグラには日本酒、寺田本家の「醍醐のしずく」を合わせてくるあたり、お酒好きならきっと話が盛り上がるでしょう。いろいろな要素が混在しながらも不思議にまとまりを見せる飽きのこないインテリアインテリアも料理も、「心地よいちぐはぐ」をテーマにしているとのことで、確かにじっくり店内を見回してみると、椅子の色が違っていたり、洋と和が混在していたり、ビストロは大理石風のテーブル、カウンターは木などいろいろな要素がミックスしているけれど、一つの世界観ができあがっています。料理も、流行りだけを追いかけるのではなく、古典を踏まえた丁寧な仕事を重ね、なおかつ、そこに現代的な視点、科学的な理論、現代の調理器具などを総動員。「いいとこ取り」の工夫で美味しさを進化させています。既成概念にとらわれず、当たり前を超えて常にベストなものを追求、調和させて世界観を膨らませていく髙木シェフの今後の料理、活躍が楽しみでなりません。シェフプロフィール:髙木 和也1985年、千葉県生まれ。西麻布の【L’Effervescence】で部門シェフ、新橋の【Restaurant La FinS】でスーシェフなど、都内の星付きレストランで研鑽を積む。その後、渋谷の【Calie】と表参道の【L’Evol】で料理長を務めた。33歳からは独立のための店舗経営の勉強を兼ねて、レストランコンサルタントの会社で働き、30店舗以上の新店舗プロデュースに関わり、退社後も個人コンサルタントとして活躍。2021年4月、独立を果たす。ars【エリア】人形町/小伝馬町【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】2000円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】人形町駅 徒歩3分
2021年06月09日コンセプトは「ホルモン×ガストロノミー」シックでおしゃれな店内はデート向きホルモン料理の常識を覆す、おしゃれな料理の数々極上の国産黒毛和牛のホルモン創作ガストロノミーに昇華させた、「ホルモン×ガストロノミー」黒塗りの壁に、かわいいフォントで店名が記されたおしゃれな外観が目印京浜東北線「大井町」駅から商店街を抜けて徒歩5分に誕生したのが【ザ・ホルモンクラブ・トウキョウ】。ホルモンのお店にありがちな派手な看板もなく、目印になるものは外壁に小さく刻まれてる店名のロゴのみ。外観はオールブラックで、一見何の店か分からないようなシックなつくりになっています。デートにも最適なテーブル席は、まるで古民家カフェのようなくつろげる空間築85年の一軒家をリノベーションした店内は、木のぬくもりを感じられるよう落ち着いた空間になっています。1階にはキッチンの臨場感も楽しめるカウンター席、そして2階にはゆったりと食事が楽しめるテーブル席を用意。梁などはそのまま残し、アンティークのイスを配置した空間はまるでおしゃれなカフェのようです。「極上ハラミ」コンセプトは“ホルモン×ガストロノミー”。 ホルモンの中でも希少な国産黒毛和牛のハラミ 、ハツ、レバー、ホホ肉などを、多彩な調理法で味わえます。自慢の和牛ホルモンは芝浦市場から厳選して直接仕入れ。銀座や六本木の高級焼肉店で出されるものと同等の最高品質のホルモンを提供しています。前菜『冷製赤身ホルモン5点盛り』1,500円※内容は仕入れによって変わりますこの極上ハラミが真価を発揮するスペシャリテ『極上赤身ホルモンの冷製5点盛り』は、絶対に食べていただきたい一皿です!『ハツ』『ハラミ』『レバー』など、その日のオススメを最も新鮮な状態でいただけます。部位別に、ワサビ醤油やカラシなど、最適な調味料が添えられているのもうれしい限り。『極上ハラミの塊グリル』150g 4,000円極上ハラミは、シンプルなグリル焼きもオススメ。かたまりをあえてレア気味に焼くことで、口いっぱいに芳醇な脂が広がり、上質な和牛の香りに身も心も満たされます。食感も、しっかりとした歯ごたえがありながら、噛めば口の中ですっと溶けていきます。『ハツのロースト』150g 1,500円使用するホルモンは、内臓自体の質がきわめて高く、また鮮度の高さが段違いのため、臭みがほぼありません。この点に着目したシェフがつくったのが、ハツを香ばしく焼き上げたロースト。ほかにも牛ホホ肉で作ったコンビーフを挟んだハンバーガーなど、バリエーション豊かなメニューを展開しています。神谷桂吾シェフこれらのバラエティ豊かなメニューを生み出すのが神谷桂吾シェフ。フレンチとイタリアンを中心に10年以上のキャリアを積み、豪快な肉料理から、季節の旬を活かした繊細な一皿まで、あらゆる味覚を操るオールラウンダーです。おしゃれな店内で、ホルモンの旨さに惚れ込んだシェフがお届けする料理は絶品!ぜひ、ホルモン好きを誘ってお店に足を運んでみてください!ザ・ホルモンクラブ・トウキョウ【エリア】大井町【ジャンル】焼肉【ランチ平均予算】~【ディナー平均予算】6000円 ~ 7999円ディナーコースは、「ザ・ホルモンクラブ・東京スペシャルコース」5,500円(税込)※別途席料&お通し代として1名につき300円
2021年06月08日人気ベーカリー「シニフィアン シニフィエ」の新店「シニフィアン シニフィエ プラス(Signifiant Signifié + plus)」が、東京・ギンザシックスに2021年6月1日(火)オープン。人気ベーカリー「シニフィアン シニフィエ」セレクトショップ型の新店シニフィアン シニフィエは、東京・世田谷に本店を構える人気のパン屋。「ハレの日に食べるパン」「食べて健康になるパン」をテーマに、オーガニック小麦や国産小麦、低温殺菌牛乳など、こだわりの素材を使った焼き立てパンを展開している。新店「シニフィアン シニフィエ プラス」では、シニフィアン シニフィエ自慢のパンや焼き菓子を中心に、世界中からセレクトしたオーガニックワイン、チョコレートなども合わせて展開し、新しいパンの世界を表現する。ラベンダーとベリー入り「パネトーネ」目玉となるのは、新店をオープンを記念して数量限定で登場する「ラベンダーパネトーネ」。イタリアの伝統的な製法に、シェフ・志賀のアイデアを組み込み、種継ぎから仕込み、焼成まで5日もの時間をかけて一つひとつ丁寧に焼き上げた創作パンだ。生地の中には、ラベンダーとベリーを練り込むことで、香りと食感にアクセントを加えている。ワインの量り売りもパンと合わせて味わってほしいこだわりのワインは、オープン日から6月13日(日)までは量り売りで提供。シトラス系のテイストが楽しめるイタリア産の白ワイン「イナマヴィン・ソアヴェ」や、オーガニック農法で作られた赤ワイン「カイアッファプリミティーヴォ プーリア」などがラインナップする。【詳細】シニフィアン シニフィエ プラスオープン日:2021年6月1日(火)住所:東京都中央区銀座6丁目10-1 ギンザシックスB2FTEL:03-6264-5506営業時間:10:30〜20:30※ギンザシックスに準じる。<メニュー例>・限定パネトーネ【ラベンダーパネトーネ】L 12,960円、M 7,560円、S 4,860円、Mini 864円■ワイン量り売り※6月1日(火)~6月13日(日)・イナマヴィン・ソアヴェ 250ml 550円・カイアッファプリミティーヴォ プーリア 250ml 550円<購入者プレゼント>商品購入者、先着800名にタ ミラノのチョコレート「ジャンドゥーヤ」を一つプレゼント。フレーバー:クラシック・ダーク・ピスタチオ・シュガーフリー※フレーバーの選択は不可。
2021年06月04日店名に「鮨」と謳わない理由とは?極上の江戸前寿司を斬新なペアリングとともに自由にしなやかにおいしさを追求しようとするわけ店名に「鮨」と謳わない理由とは?渋谷駅を背にして道玄坂を登りきり、隠れた名店が立ち並ぶ奥渋谷のオーチャードロード沿いに【あじゅう田】はあった。雑居ビルの地下1階にエレベーターで下りると、そこは無機質で仄暗い空間。白い暖簾が掲げられている以外は今どきのフレンチレストランのような雰囲気で、好奇心があおられる。ミシュランガイドに掲載される某有名フレンチレストランを手がけたデザイナーによって設計された店内店内には黒を基調とした空間に目の覚めるような美しい檜のカウンターが配され、凛とした空気が流れていた。御影石を使った艶やかな付け台にも目を引かれる。「江戸前鮨の伝統を受け継ぎながらも、【あじゅう田】ならではのおもてなしを提案していきたい」店主・阿重田博紀さんは意欲的に語った。「僕らが目指す着地点は、お客様が笑顔でお帰りいただくこと。料理はもちろん、サービス、空間で快適な時間を演出することに尽きます。付け台に木ではなく御影石を採用したのは、そうした考えの表れなんです」銀座【鮨かねさか】や赤坂【すし匠 齋藤】、広尾【鮨 在】などの名店でも経験を積んできた店主・阿重田博紀さん言われてみると、なるほどなあと思うことがあった。【あじゅう田】のカウンターの中にはごみ箱らしきものが見当たらないのだ。どうやら、付け場のデザインの一部に取り込み、目立たないようにしているらしい。ゲストを想い、細部に配慮する。そんな阿重田さんは一体どんな鮨を握るのか。よりいっそう興味が湧いた。脂がのったふわふわののどぐろは、対馬で釣りあげられる最高級ブランド「赤瞳」。シャリに採用するのは、「幻の米」と称される岐阜県のブランド米「美濃ハツシモ」。大粒で噛み応えがあり、ネタの旨みを引き立てる料理のメニューは、握りとつまみを合わせて15~20品で構成されるおまかせコース(2万7500円~)のみ。この日、トップバッターとして登場したのはのどぐろの握りである。皮面だけを焼き、その後に酒蒸しされたという身はふっくらとしていて、見るからに脂がのっていた。「世界一の雲丹」と称される青森県産の雲丹は1貫1万5000円!「パンチのある味わいをダイレクトに味わってほしいから」と、海苔を巻かないスタイルで提供「旨いものから出す。それがうちの店の流儀です」。そして、阿重田さんはこうも言った。「裏を返せば、旨いネタがなければ、たとえ定番のネタであってもご提供しません」。実際、オープン当初は江戸前寿司の定番であるコハダやアナゴを出さなかったらしい。「もちろんお客様には驚かれました。鮨屋であればコハダやアナゴを用意しておくのは当然でしょ、と。でも、状態のいいものが一年中あるとは限りませんよね?それで、『いやいや、うちは店名に“鮨”を謳っていませんから』とお話しして。そしたら、『あっ、そうか』と妙に納得してくださいました(笑)」阿重田さんは茶化すように話すが、その裏には、素材に妥協しない真面目さが確かにある。毎朝5時半には豊洲に到着し、仲買さんと丁寧にコミュニケーションを取りながら、ネタの仕入れを行っているというのだから。この日のマグロは、今、最も勢いのあるマグロ専門の仲卸「やま幸」から仕入れた宮城県塩釜産のもの「特に思い入れが強いのはマグロです。どうしても『やま幸』さんから仕入れたくて、店先で頭を下げ続けました。すると、変わった奴が来たぞと面白がってくださったのか、幸運にも受け入れていただけて。やっぱり、自分が納得したものをお客様にお出ししたい。それだけは譲れません」そう話す阿重田さんの表情は実に生き生きとしていた。それは、確かにおいしいものを食べさせる人の顔だった。玉子はガラスの器とともに登場。かかっているのはマルドンの塩とアガベシロップ極上の江戸前寿司を斬新なペアリングとともに【あじゅう田】の鮨をインパクトのある味わいに引き立てるのが、ペアリングの妙。ワインセラーにはフランス産を中心に40~50種類の銘柄が並び、さらに全国各地の日本酒も取り揃えている。その中から、常駐する2名のソムリエがワインペアリング、日本酒とワインのミックスペアリング、さらにはノンアルコールペアリングを提案してくれるのだ。この日の中トロにペアリングされたのは新政酒造の「Lapis Lazuli ラピス -瑠璃- 2016」この日、マグロにペアリングされたのは秋田・新政酒造の通称「ラピス」。とある酒販店のために特別に誂えられた木桶仕込みだ。「ぬる燗より少し低いぐらいに温度を上げることで、中トロの脂が溶けて口の中に旨みが広がり、それを純米ならではの甘みが受け止めます」とソムリエの岡地伸幸さん。温度まで調整する細やかさが心憎い。最高級の穴子には、ファンキーシャトーの「ラ・プリミエール・フォア・カベルネフラン」また、穴子には、長野県小県郡青木村にある注目のワイナリー、ファンキーシャトーの「ラ・プリミエール・フォア・カベルネフラン」がチョイスされた。「土っぽいニュアンスが穴子の風味にやさしく寄り添い、ハーブっぽいニュアンスが甘みのあるツメの味わいをきゅっと引き締めてくれます」(岡地さん)。このほか、例えば前述の“世界一の雲丹”には仏・アルザスの「ゲヴュルツトラミネール」が。そして、のどぐろにはローズの香りを纏ったフレーバーティーが。ユニークなペアリングの連続に興奮が止まらない。世界一の雲丹×レオン・ベイエキュヴェ・デ・コント・デギスハイム ゲヴュルツトラミネール 2009のどぐろ×ティートラベラーズの「アンバー」。ソーダでアップすることで、アルコールが苦手な人でもスパークリングワインのように愉しめるノンアルコールペアリングは約5杯(5500円)、アルコールペアリングは約13~15杯(1万1000円~)。ゲストの要望があれば1品ずつペアリングを提案することも辞さないという。左からソムリエの岡地伸幸さん、店主の阿重田博紀さん、ソムリエの根岸洋介さん。とにかく明るく、サービス精神が旺盛だ最後に店主の阿重田さんに「どんな鮨屋を目指したいか」と訊ねてみた。すると、不意に近くにあったナプキンを摘まみ上げ、店名の刺~aを指しながらこんな話をしてくれた。「この文字は、渋谷の宮益坂にある鮨店【くろ﨑】の大将が書いてくれたものです。黒﨑さんはお客様が右利きであるか、左利きであるかまで記憶し、その方が食べやすいように鮨を出す人。かつて同じ店で働いていたとき、それを知って心を動かされました。こんなにもお客様に寄り添うのかと。そして自分もかくありたいと強く思い、今日に至ります」それを聞いて、合点がいった。阿重田さんが固定概念にとらわれず、自由にしなやかにおいしさを追求しようとするわけが。恐らく奇を衒っているのではない。すべては、やはりゲストが笑顔で店を後にするためなのだ。「あじゅう田」という店名が刺~aされたナプキン取材を終えて外に出た瞬間、「あれ、ここはどこだっけ」という感覚に襲われた。それだけ居心地の良いひとときに集中したということなのだと思った。また、ゆっくり食事しに来たい。素直にそう感じられた一軒である。あじゅう田【エリア】渋谷センター街/公園通り【ジャンル】鮨・寿司【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】35000円【アクセス】渋谷駅 徒歩7分
2021年06月03日タルタルからメンチカツ、ステーキからユッケまで!黒毛和牛のめくるめく世界料理長を務めた前職の焼肉レストランで、カウンター越しにゲストの目の前で和牛を調理。次々に繰り出される多彩な料理とその臨場感溢れるパフォーマンスが評判を呼び、かぶりつきのカウンター席を希望する常連客が続出。いつしか“岡田前”と呼ばれるようになったこのプラチナシートの名を、そのまま店名に冠したのが、ここ。今年の2月、バレンタインデーにオープンした麻布十番の肉割烹【岡田前】だ。麻布十番商店街の新しいビルの地下。今年2月14日にオープンしたばかりながら、早くも連日満席の賑わいぶりだ。「和牛は日本が世界に誇る食文化。ここではその魅力を存分に味わってもらうと共に、和牛ならではの美味しさを広めたい。」こう熱く語るのは、その“岡田前”の当事者こと岡田賢一郎シェフ。知る人ぞ知る肉のスペシャリストだ。高校時代、アルバイトで入った焼肉店に心惹かれ、一旦は電気屋に就職するも焼肉店へとリターン。飲食の世界一筋30有余年。齢56にしての新境地は、ある意味、料理人生の集大成ともいえるのかもしれない。コースに登場する肉は、日によって変わるが、日本三大牛が中心。写真は、神戸牛のサーロイン(下)、松阪牛のイチボ(右上)、熊本産黒毛和牛のタンイクラがたっぷり載ったコンソメフランから始まるおまかせのコースでは、締めの手打ちそばやデザートに至るまで約13~14品が登場。その中には、ステーキはもちろんタルタルやユッケ、メンチカツにすきやきetc.。和牛料理が目白押し。それも「和牛料理の可能性を追求したい、和牛のいろいろな部位を様々な調理法で楽しんで貰えればー。」との岡田シェフの思いゆえ。オーナーシェフの岡田賢一郎さん、56歳。「鮨職人のようにお客様とコミニュケーションを大切にしながら、美味しい和牛料理を提供していきたい。」と意欲的に語る。例えば、名物のタルタルとユッケ。一見、似たり寄ったりの生肉料理のように思えるが、岡田シェフの手にかかれば、全くニュアンスの違った一品となる。カリッと焼いたバケットにのせられたタルタルは、とろける美味しさを味わって欲しいとの思いから霜降りのサーロイン(取材日は神戸牛)を使用。これを細かく刻み、ブルーチーズや食用花のペンタス等々を混ぜたそれは、ワインを呼ぶ大人の味わいだ。コースの前半に登場する『タルタル』は、ブルスケッタスタイルにバケットにのってお目見え。サーロインを細かく刻み、オリーブオイルやブルーチーズ、などを混ぜている。一方、ユッケはご飯の友。こちらは赤身系の肉を用い(取材日は松阪牛のイチボ)、しっかりとした食感を楽しめるようにと細切りにし、やや甘辛のタレとあえている。これを白飯に乗せ、これでもか!と言わんばかりにキャビアをトッピング。焼肉店定番のユッケも、ここでは、ラグジュアリー感を纏いスペシャリテにふさわしい一皿となっている。岡田シェフのスペシャリテ一つ『ユッケご飯』。こちらは赤身系の肉を細切りにし、甘辛のタレで和えている。土鍋で炊きたてのご飯は、新潟魚沼のコシヒカリ。ほんの少し加えた卵黄が隠れた味のまとめ役になっている。贅沢な味といえば、和牛の舌を丸ごと目の前で捌く牛タンも見逃せない。タン元の太い部分を、タン刺しと炭火焼の2つの調理法で表現。タン刺しは、心持ち薄めにスライスしてトリュフと共に仕立てる一方、炭火焼きの方は厚めにカット。焼きたてにかぶりつけば、牛タンならではのサクリとした歯応えも心地よく、香ばしさを伴った肉汁が舌を潤す。鼻に抜ける独特の風味がまた格別だ。『タン刺し』にはトリュフ。トリュフの産地は季節で変わり、取材日はブルガリアのトリュフを皮を剥いて使用。能登のお塩またはポン酢に山葵を添えて密やかなムードが漂う店内でひときわ目を引くのは店内中央に設えた大きなチャコールオーブンの「ジョスパー」。スペインのレストランでは、古くから愛用されているそうで、500℃にもなる高温で、肉を一気に焼きあげられる優れものだとか。このチャコールオーブンを中心に、左右にカウンター席が8席づつ用意されている。ここで、文字通り岡田シェフが、時間差で左右のカウンターに立ち、ゲストの目の前で肉を捌き、切り分け、盛り付けてサービス。臨場感溢れるその一連のパフォーマンスを見ているだけで、次第に気分が高揚してくる。スペイン直輸入のチャコールオーブン“ジョスパー”。炭は、火力の最も強いウバメカシの紀州備長炭を使用。日々、理想の焼きあがりを目指し、精進している。そして、ハイライトは、やはりステーキ。サーロインとヒレ、或いは腿肉やランプというように霜降り系と赤身系の異なる2種の部位を楽しめるのも、肉ラバーには嬉しい限りだ。肉は主に、松阪牛、近江牛、神戸ビーフの3種類を厳選。食後感が重くならぬよう、あえてサシが控えめなランクを選んでいるそうだ。とはいえ、否、だからだろうか、肉の味が強いのだ。5cmほどの厚さで焼く塊肉は、最初は炭が直接当たらない場所でゆっくりと火を入れ、遠赤外線効果で中に熱が通ってきたところで今度は炭火にかざし、3~4回出し入れしながら肉を休ませつつ焼きあげていく。サクッとした歯応えと溢れ出る肉汁に目を見張らされる牛タンステーキ肉の旨味が噛み締めるほどに広がる神戸牛のサーロインステーキ茶褐色の焼き色もシズル感たっぷりのサーロインは、周りの香ばしさに対し、中はしっとりと潤いを帯びた真紅色。和牛なればこその甘やかな芳香が胃袋を魅了する。口にすれば、口中にじんわり沁み通る肉汁の味の濃さに心奪われるはずだ。サーロインでありながら、いわゆる“とろけるように柔らかな美味しさ”ではなく、適度な歯応えを兼ね備え、噛み締めるほどに肉本来の力強い旨味が印象的だ。お土産の『ローストビーフサンド』。ローストビーフは、もも肉を使ったもちろん自家製。パンは、メゾンカイザー謹製とあればお味の方は保障付き。山葵マヨネーズが効いている。この他、揚げたてアツアツのメンチカツに生うにをたっぷりのせた通称『うにメンチ』も人気の一品。聞けば、コースを一通り食べたところで、1人あたりおよそ350g余りもの牛肉を胃袋に収めたことになるのだとか。しかし、お楽しみはまだ終わらない。岡田前謹製『ローストビーフサンド』と『タンシチュー』が、もれなくお土産に付いてくるのだ。最後のお楽しみは、自宅でご家族と一緒にどうぞという配慮も気が利いている。麻布十番肉割烹岡田前【エリア】麻布十番【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】30000円【アクセス】麻布十番駅 徒歩5分
2021年05月28日小池 克臣横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がず肉を焼く日々。焼肉やステーキを中心に、最高の牛肉を求めて年間200軒以上を焼き歩く。さらには食べるだけでは飽き足らず、生産牧場や食肉市場にも足を運ぶ肉の求道者。書籍『肉バカ。』やTV出演も多数。毎日のように焼肉を食べ続ける生活を20年以上続けている小池です。コロナ禍で焼肉を食べるペースも週5回からかなり減り、その代わりに自宅で和牛を焼く頻度が劇的に増えました。とは言え、人生の一部である焼肉を食べることは捨てられず、コロナ感染には細心の注意を払いながら焼肉店を回っています。コロナ禍で私のように焼肉を食べる頻度が減ったという方は多いと思います。だからこそ、せっかく食べる焼肉であれば今まで以上に美味しいものが食べたいはずです。今回はそんな欲求を満たしてくれるニューオープンの焼肉店を紹介したいと思います。それが2020年10月に三宿にオープンした【焼肉 六甲園】です。焼肉を追求すると行き着くのは「タレ焼肉」その日のオススメの部位の盛り合わせは、見た瞬間に美味しさが伝わる。部位に合わせた隠し包丁など、素材をより引き立てる仕事日本人はシンプルなものを尊く感じることがあります。「良いお肉ほどレアや生で食べるのが良い!」や「タレよりも塩で食べる方が美味しい!」とか言われることがあります。確かに場合によって、そう感じる時もあります。お肉の味を完全に消し去るタレもありますが、技術があってハイクオリティなお肉を仕入れる焼肉店のタレは、お肉の味を消し去るどころか、お肉の味を塩以上に引き立てる名脇役です。昔の職人さんは、従業員が誰もいない時に1人でタレを作り、誰にもそのレシピを教えなかったと言います。焼肉にとって、タレとはそれほど重要なのです。店内の席は、2名席~グループでも利用できる席まで幅広く用意【六甲園】は神戸に本店があり、タレが美味しい焼肉店として地元で50年近く愛されている名店。三宿の【焼肉 六甲園】では、コクがありながらさっぱりとした秘伝のタレを毎週本店から送ってもらっているのですが、女将さん以外は秘伝のレシピを知らないからなのです。仕入れるお肉への強烈なこだわり極上のミスジを網に乗せると食欲をかき立てる香りがのぼる。肉本来の甘みを引き立てるタレの美味しさにも感動仕入れているお肉からも、六甲園の妥協の無さが分かります。和牛の聖地である兵庫県の精肉店【太田家】から仕入れるのは、太田畜産の神戸ビーフや但馬太田牛。しっかりと肉本来の味わいが感じられるものだけを厳選して仕入れているのです。ホルモンに関しても、川岸牧場の但馬牛の内臓を筆頭に、鮮度と品質にこだわったものを揃えています。これだけの仕入れは、普通の焼肉店では難しいですが、神戸に本店を持つ六甲園だからこそ実現できたのでしょう。肉好きを唸らす前菜『炙りユッケ』1,650円。オプションで『韓国のり』200円も追加可能お肉を焼く前にまずは前菜を食べて胃をほぐしたいですが、絶対にオーダーして欲しいのが炙り『ユッケ』です。焼肉店の人気メニューといえばユッケですが、過去に発生した食中毒等の影響で、今では保健所の許可を得た店舗でしか提供できなくなっています。【焼肉 六甲園】は生肉提供の許可がないため、生肉を使う“オフィシャルユッケ”じゃないといってもガッカリする必要はありません。さっと炙ってから甘味の強いタレと絡ませた炙りユッケは、しっとりと滑らかな舌触りで、噛むごとにお肉の旨味が口に広がります。卵黄との相性も抜群で、まろやかでしっかりした味わいに昇華されます。これだけで1人1皿食べたくなりますね。圧巻のお肉の盛り合わせ『六甲園盛り』初めて【六甲園】を訪れるのであれば、絶対にオーダーすべきは『六甲園盛り』です。その日オススメのお肉の希少部位が5~6種類にホルモンMIXもセットになっています。私が訪れたこの日の希少部位はトウガラシ、クリミ、トモ三角、ミスジ、タテバラで、赤身と霜降りがバランスよく盛られています。『六甲園盛り』4,620円。但馬牛 本日希少部位5~6種類+名物ホルモンMIX+タレタン一人前トウガラシやクリミは肩の周りの筋肉で赤身がしっかりした部位。さっぱりとしたタレが赤身の深い味わいを引き立てることで、ハイクオリティなお肉の味がより際立ちます。トモ三角やミスジは中トロ的な位置付け。特に多くの焼肉店でかなり薄いカットで提供されるミスジもかなり厚みのあるカットで、噛み締めるとじんわりと肉汁が広がり、口の中全てが旨味に襲われる。最も驚かされたのがタテバラの美味しさ。数ある牛肉の部位の中でも霜降りが強い部位で、焼肉としては最近では嫌厭されがちなですが、【六甲園】が仕入れるタテバラは脂の甘味が上品で、嫌なしつこさが感じさせません。これは仕入れるお肉の品質とタレの美味しさの両方があって、初めて成立するものです。厳選されたホルモンの圧倒的な旨さ『六甲園盛り』の中に含まれる『名物ホルモンMIX』。単品でこの『名物ホルモンMIX』だけを注文する場合は1,650円『六甲園盛り』に含まれる「ホルモンMIX」の美味しさを一度知ってしまったら、すぐに【焼肉 六甲園】に通ってしまうことになります。日によって内容は少し違いますが、この日はミノサンド、ハツモト、ギアラ、センマイ、コプチャン、シマチョウ、そしてタン。新鮮なホルモンの数々はコクのある味噌ダレで味付けされていて、そのまま食べても最高に美味しいですが、脂の強いコプチャンなどは酢につけて食べると、あっさりと何切れでも食べれるほど旨さが増します。こういった食べ方のバリエーションも老舗の底力でしょう。『黄金レバ焼』1,078円また、『六甲園盛り』ではないですが、『黄金レバ焼』は角がピンピンに立ったレバを楽しめ、臭みなど一切なく、甘味の塊を味わうことができます。これらのホルモン類は東京食肉市場直送の黒毛和牛であったり、兵庫の川岸牧場の但馬牛であったり、その巡り合わせも運次第。結局は通い詰めるのが一番でしょう。神戸の六甲園の味を東京で伝えるために日々奮闘する店長の森本浩行さん。その笑顔が焼肉好きであることを物語っている老舗の味を守りながら、若い店主がより良いものを取り入れ進化をさせる。そんな理想的な流れの中で美味しい焼肉を楽しめるのは、これ以上ない幸福をもたらせてくれます。焼肉六甲園【エリア】池尻大橋/三宿【ジャンル】焼肉【ランチ平均予算】1500円【ディナー平均予算】7500円【アクセス】池尻大橋駅 徒歩8分
2021年05月25日食材や技法、演出まで、これまでにない中華に出会えるワインでも中国茶でも、味覚を盛り上げる楽しいペアリング大人だからこそ楽しめる、シックな空間とスペシャルな食体験食材や技法、演出まで、これまでにない中華に出会える乃木坂駅の2番出口からわずか徒歩1分、赤坂通りにオープンした【新華】。好アクセスながら、通りをはさんだ向かいには乃木神社が構えている落ち着いた一角です。乃木坂駅からすぐ。青竹の植え込みが趣あるエントランス料理はコースのみの完全予約制。【礼華】の人気を確かなものにした新山重治シェフが「集大成」と掲げ、自ら腕をふるう料理の数々は中国各地のみならず、和食やフレンチ、イタリアンなどの要素を大胆に取り入れています。華美な装飾を排し、シックな色調でまとめたインテリア。落ち着きとクラス感あるメインダイニングそんな独創性に満ちていながら、中華の一皿として昇華されているのは新山シェフの確かな技術と経験によるもの。季節素材を扱いつつ、月ごとに変わるディナーコースの一部を紹介します。『七宝海鮮盆』7種類の海鮮を彩りのよいサラダ仕立てで楽しむ一皿。コースはランチ11,000円・19,800円、ディナー19,800円(税込サ別)フレンチの前菜かと見紛うような、美しい前菜。くらげや車海老、蟹、帆立、鯛にアボカドとサワークリームを合わせ、イクラとキャビアをあしらって。マイクロハーブとエディブルフラワーで彩り、キウイのソースとともに添えたラー油と花椒の風味がアクセントになっています。『上湯p排翅』吉切鮫のふかひれと中国野菜を上湯スープで香り高い蒸し煮に【礼華】でもファンが多いふかひれ料理は、【新華】では創意工夫を凝らした一皿に。吉切鮫の尾びれは花にらや水蓮菜、広東白菜といった中国野菜と一緒に、耐熱フィルムに包まれて登場。熱いプレートにのせて煮立たせてから、フィルムを開いて供されます。湯気とともに上湯スープの香りが立ち昇る、楽しい演出!上湯スープのクリアな旨みが、ふかひれと野菜の味わいの輪郭を際立たせます。『檸檬煎白肉』煎り焼きにしたイベリコ豚のレモンソース添え。付け合わせはチコリとマッシュポテトスパイス類で一晩マリネしてから、低温でじっくり8時間ほど火を入れ、表面に醤油を塗って香ばしく焼き付けたイベリコ豚。日向夏のほろ苦さと腐乳のコクを加えたレモンのソースと黒酢を添えて。香り・酸味・甘みが、しっとり柔らかなイベリコ豚を引き立てます。新山シェフ自ら、目の前で塊肉を切り分けてくれるプレゼンテーションも、既存店では実現しなかったこと。〆の食事は、4種類から2品を選べるのも嬉しい。担々や麻婆飯といったラインナップの中でも、目を引くのは「シェフ故郷の味 いちご煮のスープ麺」です。ウニと鮑の汁物、いちご煮は青森の郷土料理。これを麺にしたら美味しいはず、という新山シェフのアイデアから生まれたメニュー。お腹が満たされた後も、美麗なデザートと小菓子まで高揚感は続く、何とも楽しいコースです。中華の枠を超えた素材や技法を駆使した料理の数々は、楽しい驚きと新しい美味しさを与えてくれるはず。ワインでも中国茶でも、味覚を盛り上げる楽しいペアリングイノベーティブな料理に合わせたドリンクも、ひと捻りしたセレクトが楽しいものばかり。【礼華】で定評のあるワインとのペアリングは、こちらでも健在です。料理にはもちろん、好みや飲むペースにも合わせてくれるので迷ったら相談を。ワインペアリング11,000円~支配人兼シェフソムリエの吉岡喜代志さんの提案はこの3本。『七宝海鮮盆』には、アルザスのピノグリを。ふくよかな旨みがあり、海鮮の味わいに厚みを持たせてくれます。『上湯p排翅』には意外にもブルゴーニュのピノノワール! こちらはピノノワール特有の酸味が控えめで、繊細な味わいの上湯スープに好相性。『檸檬煎白肉』には、紹興酒のようなニュアンスがあるジュラのサヴァニャン。複雑味あるソースを添えたイベリコ豚によく合います。ワインだけではなく、時には中国酒や日本酒なども織り交ぜておすすめしていただけます。お酒をいろいろ楽しみたい派は、吉岡さんにセレクトを委ねてグラスを傾けたいもの。ハイクオリティのお茶を駆使したペアリングは、ワインに負けず劣らずのマリアージュが楽しい。ティーペアリング5,500円~ノンアルコール派もご安心を。中国茶のペアリングにも、吉岡さんの工夫が凝らされています。例えば、ふかひれの一皿には、料理と同じ上湯をブレンドした阿里山茶という驚きの提案が。お茶を口にすると旨みと香りが広がり、料理の余韻をぐっとふくらませてくれます。これ以上はない組み合わせに納得。他にも、シェーカーで振って空気を含ませ、まろやかに香りを立たせた東方美人茶、菊花や金木犀を加えた凍頂烏龍茶など、革新的な一杯が繰り出されるティーペアリングも【新華】ならでは。大人だからこそ楽しめる、シックな空間とスペシャルな食体験テーブル4卓を設けたメインダイニングと、4名まで利用できる個室が2つ。清潔感と落ち着きがあるインテリアは大人のデートにもぴったり。空間を彩るメニューの数々は華やいだ雰囲気をもたらし、料理に寄り添うワインや中国茶が寛いだ心地にさせてくれます。漆を丹念に塗り重ねた飾り皿をはじめ、さり気なくも上質なテーブルウェアや調度品プライベート感ある完全個室は、家族の団欒や大切な会食にふさわしい新山シェフの挑戦が遺憾なく発揮された料理は、食欲はもちろん好奇心をくすぐることは間違いなし。気になる食材や調理法はすぐに試して新たなメニューのヒントに。創り上げたい一皿はまだまだあるそうです。これまでにストックしてきた乾物の数々。いずれコース仕立ての料理にしたいという新山シェフいま実現を目指しているのは乾物を使ったコース。ふかひれや鮑、ナマコ、鹿のアキレス腱、魚の浮袋…多彩な乾物は中華ならではの食材。手間と時間をじっくりかけて仕上げた、贅沢極まる料理の登場も待ち遠しい!いつもより少しドレスアップして、これまでにない中華のフルコースを味わう。大切な人を誘って、上質なひとときを過ごしたくなる最旬の1軒です。新華【エリア】六本木【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】乃木坂駅 徒歩2分
2021年05月19日コース仕立ての町中華中華ならではなワイン&紹興酒のペアリング【dots】のこれから派手な門構えとギャップのある落ち着いた店内金王八幡宮が鎮座する歴史ある場所柄か、渋谷駅の近くでありながら都会の喧騒から解放された地。大鳥居の近くのビルに目を向けると、一際異彩を放つインパクトたっぷりな黄色い壁の中国料理店があります。それこそ2021年4月にオープンしたばかりの【dots】です。壁面はもちろん、黄色く色づいたガラスをはめるなど一貫した世界観を見せる門構えその店先に立つと存在感に圧倒されます。黄一色の壁面に、お店のコンセプトであるドットを黒で落とし込んだ門構え。一体どんなお店なのだろう?中まで真っ黄色だったらどうしよう?などいろんな疑問が頭をよぎりました。外観からは一転、店内は落ち着いた雰囲気いざ扉を開け中に入るといろいろ身構えていたものが全て杞憂に終わります。壁や天井は無機質で落ち着きのあるインダストリアルな雰囲気。一方でテーブルやイスなどのファニチャーには伝統的な中華料理屋のアットホームな調度が揃えられ、スタイリッシュな空間に仕上がっています。さて、外観と内観で大きなギャップのあるdotsではどのような料理を食べられるのでしょうか?コース仕立ての町中華【dots】のメニューは単一のコース料理のみ。しかも要予約制となっています。日本の中国料理の権威である脇屋友詞氏がプロデュースするお店で、要予約のコース料理を提供する中国料理店。なんて聞くと肩肘張ってしまうところですが、【dots】の目指すところはコース料理のクオリティを持った「町中華」です。ちょっと気取ってるけど、どんな人でもお腹いっぱい美味しい中国料理を食べられる、そんな新しいカタチの町中華を目指しているのです。脇屋氏が全幅の信頼を置く【dots】の料理長の平賀氏【dots】の料理長を務めるのは平賀大輔さん。脇屋氏の下で料理人としてのキャリアをスタートさせ、22年の経歴を持つベテランです。そんな平賀さんが脇屋氏と共に考案したメニューやレシピから【dots】の味を創生。さらにその脇を同じくWakiyaグループの若き2人の料理人で固め、盤石の3人体制で【dots】のスタイルを創り出します。ドットに見立てた9枚の黒い小皿にのる『9皿の前菜』マットな質感の黒い小皿が料理の彩りを引き立て鮮やかにしてくれるコース料理の最初の一品となる9枚の小皿に盛られたアラカルト。その料理の詳細は、右上:蕗味噌のソースを載せた胡麻豆腐右中:山椒油と塩で味を整え、セリをのせた押し豆腐右下:山椒油で和えたセロリと黒酢にひたしたクラゲの頭中上:炊いた油揚げと筍と干し椎茸の湯葉巻き中中:生の紅芯大根と砂糖醤油に漬けた大根のスライスに、甘酢に漬けた刻み大根をのせたもの中下:粗くすり潰したそら豆を再び固め、塩漬け卵黄をまぶした豆板層左上:特製のラー油がかかったよだれ鶏左中:大豆の醤油煮の上にのった甘くジューシーなチャーシュー左下:絹どうふに刻んだザーサイと白醤油に漬けた生姜の刻みとピータンの卵白を混ぜ、ピータンの卵黄ソースをのせたもの以上の9品のラインナップとなっています。辛いものや甘いもの、定番ものや季節もの、箸休めなど。さまざまな味が集まっていて、口に入れる順番や組み合わせによっていろんな味わいを楽しむことができます。またドットに見立てた9枚の黒い小皿に盛り付けることで、彩りを引き立て目にも楽しい料理に仕上がっています。凍頂烏龍茶で蒸しあげる『特大蒸籠』続いて紹介したいのが、テーブルに載せるとスペースのほとんどを占めてしまうほど巨大な蒸籠を使った蒸し料理です。料理の仕上げは各テーブルの上で行われ演出の派手さもさることながら、蒸しあげる蒸気の薫りが食欲をそそります。鍋の上に置かれた蒸籠とガラスのティーポットに入った台湾烏龍茶蒸籠に入る食材は鹿児島産の白姫海老を筆頭にいすみの契約農家から直接購入しているという新鮮な11種の野菜(2色のからし菜、空豆の脇芽、カブの葉、水菜、ベビーニンジン、スナップエンドウの蕾、ほうれん草、筍、ルッコラ、新玉ねぎ、黄色ズッキーニ)。見た目も美しく、ボリュームミーながらヘルシーな食材がふんだんに使われています。中央に鎮座する小壺には特製のタレと合わせた食材が入っている中央の小壺には木綿豆腐、牡蠣、そしてそれぞれ丁寧に下処理が施されたハチノス、砂肝、大腸のホルモン串が特製の麻辣タレに漬けられています。海鮮をバランスよく取り入れた上海料理をベースとする【dots】らしい食材が使われています。凍頂烏龍茶を注いだ瞬間に蒸気があがる蒸籠の下には焼き石が置かれており、台湾烏龍茶を注ぐと瞬時に蒸気を発し始めます。このまま蓋をして2分ほど蒸しあげます。凍頂烏龍茶を注ぎ、蓋をしたら2分ほど蒸しあげる蓋を開けると同時に溢れ出す蒸気とともに、凍頂烏龍茶の気高くも甘い薫りが辺り一面に広がる蒸しあがり蒸籠の蓋を開けると中に残った凍頂烏龍茶の蒸気が溢れ出て、柔らかく香ばしい薫りが辺り一面に広がります。海老とズッキーニが鮮やかに色づき、葉物の緑も深みを増し目にも美しい料理に仕上がっています。多角的に食欲を刺激してくる蒸籠料理小壺の中身に目を移すと串のホルモンにはタレが染み渡り、牡蠣もまたぷっくり瑞々しく膨れるなど、蓋を上げたその瞬間から視覚も嗅覚も多角的に刺激され食欲が一気に高まります。脇に添えられた醤油漬したニンニクと赤唐辛子の黒酢ソースかネギとニラを山椒で風味付けした薬味と一緒にいただきます。タレや薬味も含めると20以上の食材が使われた蒸籠料理は、口の中でいろんな味がハジけます。先の前菜同様に食べ合わせやソースを変えるだけで、一口ごとに違う料理を食べているかのような錯覚も。しかし最終的に鼻を抜ける甘みのある凍頂烏龍茶の香りが、ひとつの料理としてのまとまりをしっかりと作ってくれるのです。平賀さんは店名である【dots】について「ドットの集合ということで“集まる”というのもひとつのキーワードです」と語ります。この蒸籠料理が見せる通り多種多様な食材の足し算こそ【dots】の大きな魅力のひとつなのです。コース料理の締めとなる腕白な『東坡肉』前菜と特大蒸籠ですでに満足感でいっぱいですが、この日のコースのメインがまだ控えています。それが『東坡肉(トンポーロー)』。平賀さん曰く「要は豚の角煮です(笑)」とのこと。肉厚な沖縄県産の皮付き豚バラ肉を使った『東坡肉』「沖縄県産の皮付き豚バラ肉を使っています。皮付きにすると照りが強くなるのと皮の部分にも味が染み渡るのでより美味しく仕上がります。さっぱりさせたりまろやかにさせたり味の変化を楽しんでもらいたく、あえてタレで煮込んでいない卵と大根を添えています。最終的にはご飯を入れて、タレもお肉も大根も卵も全部混ぜて豪快に食べてもらえたらと思っています」提供時はご飯と薬味が添えられる。紹興酒は別オーダー白米は一人前ずつ炊き上げられ、そのままの容器で提供される料理とともにこだわっているというのがこちらのご飯。北海道産の米を使用し、一人前ずつ少し硬めに炊き上げられています。ツヤツヤでもっちりとしたご飯が甘く柔らかい豚肉と好相性。タレともよく絡むので、気が付くとお椀を片手に口の中にご飯を掻き込んでいます。お腹が膨れていてもあっという間に平らげてしまいました。近年人気の中国料理+ワイン&紹興酒のペアリングもありdotsはシェフが自ら厳選したワインと紹興酒が揃っています。ペアリングをお願いするとその日の料理にあったワインを選び提供してくれます。シェフ厳選のワイン各種近年人気で徐々に実施店舗も増えている中国料理+ワインのペアリング。【dots】は中国料理ならではの紹興酒も交えてペアリングしてくれます。シェフ厳選のワイン&紹興酒はいずれも絶妙に中国料理の力強い味わいを引き立て、中国料理の新しい一面を知ることができます。またアルコールが飲めないって方にはなんと中国茶のペアリングもあり。こちらもプロの目と舌で選び抜かれた絶妙な味わい。【dots】ならではの運転の方やノンアル党の方にも嬉しいサービスです。dotsのこれからについて壁に飾られたドットを使った【dots】のロゴプレートまだまだ新型コロナウイルスの勢いが衰えない苦難な時期に開店を迎えたdotsですが、これからどのような動きを見せてくれるのでしょうか?平賀さんに伺いました。「スタートを切ったばかりのお店なのでいろんな方向性に可能性を感じています。とりあえず現在は予約のお客様が中心ですが、もっといろんなお客様に知っていただき食べていただけたらなとは思っています。具体的に考えているのはドットが点心の点も表現しているので、点心の提供とかを考えています」まだまだ始まったばかりのdots。これからたくさんのdotsならではの料理が生まれ、そこに人が集まり、点が線となりいろんな可能性に繋がっていくことでしょう。亜細亜家郷菜dots【エリア】渋谷南口【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】7000円【ディナー平均予算】9000円【アクセス】渋谷駅 徒歩7分
2021年05月12日毎日でも通いたくなる、駒形にできたフレンチ・ビストロ数多の料理人から熱い視線が注がれる滋賀の精肉店「サカエヤ」。その肉に特化した肉ビストロとして肉ラバーのハートをガッチリ掴んでいた池尻大橋の【オーオン・ブーシュ】。ここで、腕を振るっていた肉焼きスト、河村神賜シェフが浅草で独立したらしい!そんな風の噂を耳にしたのは、3月始めのこと。聞けば、3月6日のランチから早くもスタートとのこと。早速、足を運んでみた。3月6日にオープン。白壁に【ETAPE】と印されたシルバー色(orステンレス)の看板がおしゃれ。店内はカウンター6席に4人がけのテーブルが一卓。場所は浅草。とは言っても、昨今のビストロスポット“観音裏界隈”ではなく、隅田川を渡った東駒形。エッフェル塔ならぬスカイツリーを見あげつつ吾妻橋を渡れば、飲食店もまばら。どこか下町的長閑さが漂う中、ポツンと佇むシンプルモダンな一軒。ここが、目指すビストロ【エタップ】だ。河村シェフのこだわりの一つが、この“オピネル”のナイフ。奥様の故郷サヴォア地方から取り寄せたものだ。こじんまりとした店内には、無駄な装飾がなく周囲の光景に溶け込むかのようにシンプル。だが、アンティークな趣の波打つガラスを配した扉に温もりのあるウッディなカウンター、座り心地の良い皮張りのカウンターチェアとさりげなく粋。そして、カウンターに置かれた小さな黒板に目をやれば、『エビとブッラータ』や『生姜のスープ』、『特製ブイヤベース』、『滋賀近江牛ランプ』等々手書きのメニューがずらり。コースも5,000円から用意されてはいるものの、ここではアラカルトで楽しむのが得策だ。その日の気分、お腹の調子に合わせて自分の好きなものを好きなようにオーダーする。それでこそ、食いしん坊の本懐と言うものだ。カウンター上に置かれた小さな手書きの黒板メニューが可愛い。ランチタイムには、3,000円のコースのほか手軽なワンプレートランチもある。品数こそそれほど多くはないものの、そこは少数精鋭。魅力的な皿が並ぶ中、今回は、のっけから気になっていた『ウニのパンペルデュ』、新作の『サラダコンポゼ』に河村シェフの自信作『特製ブイヤベース』。そして、やっぱり肉でしょ、ということで、「サカエヤ」の肉匠新保吉申さんが選んだ『滋賀近江牛ランプ』の4品を選んでみることにした。店主の河村神賜シェフは、大阪出身の35歳。父親がパティシェだったことから、自然と料理の世界に。大阪のリーガロイヤルで修業後、パリへ。まずは、グラスのスパークリングで乾杯。早速運ばれてしたのは『ウニのパンペルデュ』だ。本来、スイーツになるはずのパンは牛乳と卵を混ぜた中に、砂糖ならぬ塩とうにを溶かしこんだアパレイユを浸してある。それを、バターとオリーブオイルでこんがりと焼き上げ、ほうれん草やマスカルポーネをのせているのだが、更にウニもトッピング。かなり贅沢な大人のフレンチトーストに仕上がっている。アツアツを口に入れるや、もちっとしたパンの食感と共に口に広がる濃厚なウニの甘み。そして仄かに漂う磯の香りや僅かに感じるほうれん草のほろ苦さが全体の味を引き締めている。河村シェフによれば、「修業先のパリの一つ星レストラン【キ・プリュン.ラ・リュンヌ】で出していたウニのアイスクリームをアレンジしてみた。」のだとか。そう、河村シェフは、若干35歳ながらパリで8年間みっちりと研鑚を積んだ実績の持ち主。その時に知りあったのが、今、お店でサービスを担当するフランス・サボア生まれの奥様。だからなのだろうか、どことなく、パリのネオビストロのような趣も感じさせる。『サラダコンポゼ』1,800円、料理はいずれも一皿2人前で写真は半量の950円。「これからは野菜にも力を入れていきたい。」と語る河村シェフの思いを反映した一皿。兵庫のよつばfarmから取り寄せている野菜が満載。白ワインビネガーとオリーブオイルのシンプルなドレッシングで。お次の新作『サラダコンポゼ』は、平たく言えばミックスサラダ。しかし、ただの生野菜を混ぜただけでは決してない。焼いたりゆでたり、種類によって調理法を変えた野菜が皿にどっさり。野菜の種類は、その時々で変わるそうだが、常時10種類以上は入る華やかさ。訪れた日は、ロッサトレビス、のらぼう菜に紫ラディッシュetc.。人参だけでも、紫に黄色など3種類も入る、まさに野菜が主役の一皿だ。『特製ブイヤベース』2,000円。写真は半量の1人前で1,000円。撮影当日の魚は、真鯛。魚はヒラメなど白身魚をメインに日々変わる。ブイヤベースにも野菜がたっぷり。肉ビストロ出身のイメージが先行し、つい、ステーキに目が行きがちだが、実は、この『特製ブイヤベース』こそが河村シェフの隠れたスペシャリテ。海老や貝など複数の具材が入る通常のそれとは違い、具はその日に仕入れた単一の魚のみ。ベースとなるスープ・ド・ポワソンも然りで、この日は真鯛。それも、身の部分だけでなく、アラなども余すところなく使い切って作る贅沢さが味の秘訣だ。だからなのだろう。スープ・ド・ポワソンならではの海の芳香と深い旨味を感じさせつつも、後味のキレがいい。洗練させすぎず、ほどよく郷土的色合いを残したその程合いの良さはさすが。上に乗せたチョリソがアクセントとなっている。綺麗な焦げ目がつくように、フライパンの中で油をかけ回しながら、周りをカリッと焼き上げていく。これが、フレンチのアロゼの手法。さて、オーラスは、件の『滋賀近江牛のランプ』。飼育期間2年半の処女牛だ。もちろん「サカエヤ」の新保さんが手当した肉だ。河村シェフは、その200gの塊を、まずはフライパンでこんがりと綺麗な焦げ色が付くまでアロゼ。その後、200℃オープンで2分。次にオーブンから取り出し休ませるせことまた2分。これを3回繰り返し、見事なロゼ色に焼き上げたステーキは、霜降りのいわゆるとろけるような肉とは一味違う噛み締めるおいしさが、何と言っても持ち味。味わうほどに肉汁が舌に広がり、肉本来の濃い旨味が後を引く。ソースはフォン・ド・ボー、付け合わせはドフィノワ(じゃがいものグラタン)とクラシックな一皿にまとめている。ちなみにワインは、フランスを中心にグラスも赤白3種類ほどが用意されている。アロゼしたのち、オーブンで休ませながら焼き上げた『滋賀近江牛のランプ』4,000円。写真は半分の1人前で2,000円。付け合わせのドフィノワ(じゃがいものクリームグラタン)も優しい味で美味しい。「下町ののんびりした雰囲気が好きで、この街を選びました。地元人に愛される店にしたいですね。」との河村シェフの言葉を反映する様に、オープンして1ヶ月足らずのうちに3回も足を運んだゲストもいるとか。飲んで食べても、諭吉さん一枚でお釣りがくる値頃さを考えれば、それも納得。価格以上の満足度を与えてくれる、“カリテプリ”な一軒だ。兵庫県四葉ファームの元気な野菜たち。無農薬無化学肥料で育てた野菜は、みずみずしく味が濃い。小さなビーツや、ロッソトレビスなど珍しい野菜も。採れる野菜も豊富だ。エタップ(Etape)【エリア】押上/スカイツリー周辺【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】2300円【ディナー平均予算】7500円【アクセス】浅草駅 徒歩6分※緊急事態宣言中の場合、営業時間が変更されている可能性があります。最新の営業時間はお店に直接お問い合わせください
2021年05月06日フレンチの人気店がなぜ居酒屋を?馴染みのある味をブラッシュアップさせ“sio”を感じさせる料理の数々“感動のタッチポイントを増やす!”これこそsioイズムの最も大切なことフレンチの人気店がなぜ居酒屋を?2020年11月に大規模リニューアルオープンした心斎橋パルコですが、地下2階はずっと改装状態のまま。「何ができるんだろう?」と期待が高まる中1年以上が経過。そして、ついに2021年3月18日、その地下二階がオープンしました!その名も「心斎橋ネオン食堂街」!!エスカレーター降りるときらびやかなネオンが光り、ポップで異世界な雰囲気の空間が。マジックバーあり、韓国居酒屋ありの活気あふれる全25店舗が軒を連ね、飲み屋横丁のよう。その楽しそうな感じに否応なくテンションが上がってきます。まさしくここはエンターテインメントな食空間。そんな中にあるドドーンと迫力ある白い暖簾に“ニュ”の紋が目を引く一角こそ、話題の居酒屋【ザ・ニューワルド】です。ネオン光るポップな雰囲気の心斎橋ネオン街の中で、真っ白のシンプルな暖簾が逆に目を引く。店名のロゴは、「くまもん」をデザインした水野学氏によるもの暖簾をくぐるとご機嫌な音楽が響き、その雰囲気とはちょっと裏腹に板前着に身を包んだ料理人が立つ、まるでカウンター割烹のようなすっきりと落ち着いた席が。かと思いきや、奥に進むと、ネオン管アートやミラーボールが輝き、壁一面にサワー用に漬け込まれたレモンがおしゃれにディスプレイされた空間に。DJブースなんかもあり、まるでパーティルームのよう。人気シェフ、鳥羽周作さんが率いる【sio】グループの関西初進出店としても話題のこのお店が選んだ新業態は、“ポップカルチャー居酒屋”でした!“本気で遊ぶ”をテーマにしたポップな店内。ネオン管アートや店内のイラストは人気イラストレーターのunpis氏によるもの。ご機嫌な店内サウンドは、プレイリストを鳥羽シェフ自らが作成【ザ・ニューワールド】を任されたのは、27歳の若き料理人・白木 聡さん。「【sio】自体フレンチではあるけど、フレンチの枠には収まらないチャレンジをしています。このお店を通して間口をもっと広げ、そんな【sio】の魅力やカルチャー、そしてイズムをいろんな方に知ってもらえたらなと思っています」。「おいしいものって誰をも笑顔にする。そんな食の空間が大好きなんです」。一度挫折を経験するも鳥羽シェフに出会って再び料理人を志したという店長の白木聡さん居酒屋と言えば、ジャンルにとらわれることなく、いろいろな料理が味わえるのも魅力です。その中でもsioイズムを感じさせる料理を作りたいと白木さんは意気込みを語ります。「“食べ飽きないためにはどうする?”、“食べていて気持ちのいい要素って?”そんな思考を深め続けていくと、居酒屋でもsioイズムが伝わると思います。こってりとした味わいのものには、酸やハーブを利かせて五味のバランスをとったり、塩は素材の良さを引き出す程度にしか使わないなど、鳥羽シェフが大切にしてきたことを、この店でも忘れずにしていきたいです」。コの字型の割烹スタイルのカウンター席。料理人との距離も近く、そこから生まれる会話も魅力のひとつ居酒屋とは、レストランに比べて気軽に楽しんでもらえる場所であると共に、総合力が試される場であり、そこが難しくもあり楽しい。こと居酒屋に関しては料理人という職人はいらないと白木さんは言います。「料理ばかりでなく、サービスもし、ドリンクもつくり、お客さんと話したり、お店の活気を作り出すことも重要。だからこそ、次なる【sio】の第一歩として居酒屋にチャレンジしました」。馴染みのある味をブラッシュアップさせ“sio”を感じさせる料理の数々カウンター内にある蒸篭から取り出す、熱々の『お通し』のシュウマイ(300円・税込)。ツンと鼻に抜ける辛子マヨはハチミツでマイルドに。仕上げに季節のハーブを添えて席に着くと、まず運ばれてきたのがシュウマイ。なんとこのシュウマイがお通しだそう。上には辛子マヨとはちみつで和えたカニカマがどっさりと乗り、木の芽が添えてあります。一口でほおばるとムチムチと食感のいい豚肉の旨みと、ほんのり甘いカニカマの風味が絶妙に広がり、すごく食べ応えがあります。後口は、爽やかな木の芽の香りですっきりと。切れの良さが抜群で実においしい。お酒も進む味わいで、これから出てくる料理にも期待が高まります。「お通しは、言うなれば居酒屋の玄関口。この一品でsioの作った居酒屋の楽しさを体験してほしかったんです。普段よく食べているようなものも、ちょっと手を加えるとレストランの味になったりする。家でも簡単にマネすることもできますし、いろんな新しい発見がある。これこそ、大切にしていきたいsioイズムのひとつなんです」と白木さん。馴染みのあるツナマヨをアレンジした『サヴァ缶』490円(税込)。ケイパーやローストしたコリアンダーシード、セロリなどの香りとヴィネガーの酸味の取り入れ方が、インパクトを与えると共に後口もすっきり次に頼んだおつまみは、人気のサバのオリーブオイル漬けの缶詰を使った『サヴァ缶』。牡蠣醤油とマヨネーズで和えて、アクセントにケイパーを忍ばせてあります。上にはセロリや赤玉ねぎのさっぱりとしたサラダをどっさり。酸味とほんの少しコリアンダーシードを利かせてあり、インパクトと味のバランスが絶妙。これまた食べ応えがあり、お酒が進む一品です。『グランドキャニオン』1,590円(税込)。仕上げにかける、香り高いやまつ辻田の「極上七味」がギュッと味を引き締めています続いて出てきたのが、名前も見た目のインパクトも大な人気の一皿『グランドキャニオン』。肉豆腐から発想を得たというこちらは、豆腐ではなくはんぺんを使ってあるのが特徴的。それよりも何よりも“すき焼き⁉”と思うほどの極上肉が山盛りのせてあるのに驚きます。なんとこのお肉、熊本県・天草の黒毛和牛のA5ランクのお肉だそう。「居酒屋の肉豆腐の肉って、火が入りすぎて硬くなったものが多い。でも、柔らかい肉を堪能してもらいたく、霜降りの肉をさっと割下で火を入れるすき焼きスタイルで作りました。はんぺんにしたのは、鳥羽シェフの家庭のすき焼きに入っていてすごくおいしかったという思い出の味なんです」と白木さん。「甘じょっぱい味って、お母さんが作る家庭の料理にすごく多いんです。そんな馴染みのある味を、僕らなりにブラッシュアップさせていくことでレストランを感じさせる。そんなsioイズムにあふれた料理を楽しんでもらいたいです」。“感動のタッチポイントを増やす!”これこそsioイズムの最も大切なことオリジナルラベルで作ってもらったという芋焼酎の「大和桜」のほか、「仙禽 オーガニックナチュール」や「新政 ラピス」などの希少な日本酒や焼酎から作られるクラフトジンも料理はどれもお酒が進むばかりでなく、味も価格も大満足なものばかり。この食べる者を満足させるおいしさの源は、極上の牛肉や野菜、オリーブオイルや塩、香り高い七味などこだわり抜いた食材や調味料選びにあります。その多くが【sio】で使っているものと同じなのだそう。カジュアルな居酒屋であっても、レストランで使うような食材を使うのには、【sio】で培われてきた様々な生産者さんとの深いつながりがあると言います。「【sio】で使っている食材などは、その物だけでなく、生産者さんの生き様までも含めてリスペクトしているものが多いんです。このお店でも、それらの食材や調味料を使って、レストランのときと同じような気持ちで料理をしています。それをカジュアルでポップな居酒屋に落とし込むことで、より多くの人にsioイズムを感じてもらえたら嬉しいです」と白木さん。食材や調味料だけでなく、そのつながりから見つけた珍しい日本酒や焼酎、ジャパニーズクラフトジンなど、こだわり抜いたお酒も揃います。お酒も充実しているので、バーカウンターでゆっくりとデートを楽しむこともこだわりの料理やお酒だけでなく、【ザ・ニューワルド】の店内には様々な仕掛けがあるのがまた楽しい。きちんとしたカウンター割烹スタイルかと思えば、パーティルーム風の場所やバーカウンターも。気分に合わせて座る場所を選ぶなんてことも可能です。そして各テーブルにはポットが置いてあり、お茶やお冷ではなく、その中身はなんと飲み放題の出汁なんです。「お酒を飲んでいるときに、出汁を飲むとなんだかホッとしませんか?そんな気分の良さを感じてほしくて。お酒と出汁、結構ハマるんです。これをきっかけに、“出汁飲みに行こうよ”なんて誘い合って店にいらしてくれたらうれしいですね」と白木さん。鳥羽シェフが居酒屋をしたいと思ったきっかけは、実はこの出汁の飲み放題なんだそう。隣に座った人と、“出汁一杯いかがですか?”なんて会話が生まれるかも「おいしいという絶対的なベースを大切にしながら、遊び心をきっかけにそこからどんどん会話が膨らみ、笑顔になっていくお客さんの顔を見るのが何よりもうれしい。帰った後も、料理だけでなく、グラスとか食器、音楽、店員との会話、店の空間など、面白い店だったねと思い出せるような部分をいっぱい作りたい。そんな感動のタッチポイントがあふれる店にしたいです」。可愛く面白い豆皿が使われたり、クスッと笑ってしまう言葉が書かれたグラスがあったり、店内の至る所に“遊び心”が見え隠れしていますどれだけ矢印をお客さんに向けられるかを最大限考えていると白木さんが言うように、“食空間”を使って、より多くの人を幸せにしたいという【sio】の想いがどこまでも感じられる、おいしくそして楽しさにあふれたポップカルチャー居酒屋でした。ザ・ニューワールド【エリア】東心斎橋/心斎橋筋【ジャンル】居酒屋【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】4500円【アクセス】心斎橋駅 徒歩1分※緊急事態宣言により、営業時間が変更されている可能性があります。最新の営業時間はお店に直接お問い合わせください
2021年04月29日旬野菜から魚、肉まで! これまでにないぬか漬け料理を展開ぬか漬けがもっと身近になる「マイぬか床」サービスがスタートちょい飲みでもデートでも、気軽に美味しく、健康ごはんを旬野菜から魚、肉まで! これまでにないぬか漬け料理を展開店名にある「factory」のイメージそのまま、打ちっ放しのコンクリートとパイプ管を基調にインダストリアルなインテリア工場で醸造されたビールを運搬する馬車が往来したことから、「ビール坂」と名付けられた坂道の麓に、2020年12月にオープンしたのが【ebisu NUKA factory.】です。店名が表す通り、こちらがスポットを当てたのは、自然の力で素材の味わいをぐっと深めた「ぬか漬け」。ぬか漬けと言えばご飯のお供や箸休めとしてお馴染み……ですが、そのイメージを一新する料理が次々と繰り出されます。『お野菜のぬか漬け』野菜は7~8種類ほどがラインナップ。2~3人前できゅうり400円、アスパラ450円など。(写真は盛り合わせの一例)ぬか漬けといえば、やはり素材は野菜。きゅうりや大根といった定番から、季節野菜までをぬか漬けにしています。基本のぬか床には、質の良い米ぬかに羅臼昆布や干し椎茸、にんにく、鷹の爪を使用。さらにミネラル豊富な沖縄の海塩「ぬちまーす」を使うことにより、気になる塩分を控えめにして旨みはしっかり、赤山椒を加えて爽やかな風味をプラスしています。漬ける時間はすべて24時間。ぬか漬けならではの風味を引き出しつつ、素材本来の味わいを生かしているため、そのまま前菜として楽しめる一品に。すっきりとして食べ飽きることのないきゅうり、食感よい笹がきにした新ごぼうの香り、塩麹入りのぬか床に漬けて風味が増したアスパラガスなど、これまでにないぬか漬けに箸を持つ手が止まりません。お刺身盛り合わせ平岡料理長が独自にブレンドしたぬか床のおかげで、旨みを纏った刺身に仕上がる。1,500円~お刺身までもぬか漬けに!味噌を加えることで、魚介にも合うぬか床に仕立てています。この日は皮目を炙ったさわら、石鯛、帆立の盛り合わせ。だし醤油や赤ワインなどをブレンドした自家製ジュレと海苔の佃煮でいただきます。特上牛タンのぬか昆布〆焼き昆布締めとぬか漬け、2つの技法を駆使することにより旨みがぎゅっと凝縮した牛タン。2,420円牛タンの中でも柔らかい部位、タン元からタン中に包丁を入れて、シンプルに塩・こしょうで焼き上げて。噛み締めるたびにジューシーな旨みが広がるのは、片面に昆布を敷き、もう片面を塩麹入りのぬか床を塗った相乗効果のおかげ。タタキやローストといった牛肉料理には、グラスフェッドビーフを使用。素材にもこだわり、ヘルシーで上質なものを厳選しています。すべての料理を手掛ける料理長、平岡佑一さんは京都・祇園の料亭を実家として、懐石料理の名店や和牛料理専門店で腕を磨いた経歴の持ち主。多彩なぬか漬け料理を可能にしたのは、これまでに培った素材の扱い方や組み合わせについての知識ゆえなのです。ぬか漬けがもっと身近になる「マイぬか床」サービスがスタート野菜を漬けたオリジナルのぬか床。様々な食材が美味しいぬか漬けとして完成するのは、平岡料理長が試行錯誤を繰り返したからこそビタミン類や乳酸菌などが豊富なぬか床。食材にふくよかな旨みだけでなく、栄養素も与えてくれます。ぬか漬けは、日本人の知恵と自然の力が生んだ健康食品でもあるのです。おうち時間が増えて、自宅でぬか漬けに挑戦したいと思う人も少なくないはず。でも、ライフスタイルや住宅事情によっては、ぬか床を管理するのが難しい場合があるかもしれません。そんなときに頼れるのが【ebisu NUKA factory.】です。最適な温度をキープしたぬか庫では、ぬか床用に全35枠を設置。個人利用では1枠5名以上で月額16,500円(3カ月契約)【ebisu NUKA factory.】では、2021年4月から「マイぬか床管理サービス」をスタート。店内に設けたぬか庫で、自分のぬか床をキープできるのです。ぬか庫は一定の温度を保ち、ぬか床は平岡料理長がメンテナンスをしてくれるから安心。好きな野菜を漬けることができ、営業時間中はその出し入れが自由。訪問時に食べたいぬか漬けがあれば、事前に連絡しておくとベストな状態のぬか漬けを仕上げてくれます。「マイぬか床管理サービス」を利用すると、ぬか床の作成と管理を平岡料理長にお任せできる「マイぬか床管理サービス」は個人だけでなく、近隣の飲食店も利用可能。さらに、ぬか床を分配や、ぬか床作りのワークショップなどを実施する予定とのこと。聞けば、【ebisu NUKA factory.】が目指すのは「恵比寿ぬか漬け」というブランドの確立。恵比寿の新名物として「恵比寿ぬか漬け」を広めて、近隣の飲食店や地域の住民との新しい繋がりを生み出すべく、ぬか漬けカルチャーを発信しているのです。こちらのぬか床はビールを使い、その酵母の力で発酵を促進させているのだそう。ビール醸造の伝統ある恵比寿で、確かにぬか漬けはぴったりな名産品と納得!ちょい飲みでもデートでも、気軽に美味しく、健康ごはんをガラス戸はフルオープンになるので開放感がある。窓側のテーブルはテラス気分に乳酸菌たっぷりな発酵食品、ぬか漬けは腸活フードとしても再評価されています。日々ぬか漬けを食べている平岡料理長も、腸内環境の改善を実感しているのだとか。積極的に取り入れたい美容の味方なのです。だからこそ、「ヘルシーなものが食べたい!」と思ったら、ふらりと気軽に立ち寄れるのが嬉しいポイント。通りから店内が見通せるオープンな外観は、1人でも入りやすい雰囲気をもたらしています。立ち飲みスタンドがあるので、お酒とともに軽くつまみたいというシーンにもOK。オープンキッチンを目の当たりにするカウンター席は、カジュアルなデートにもおすすめです。客席は、オープンキッチンに対面するカウンター席と腰掛け用のパイプ管を配した立ち飲みスタンドがメインもちろん健康志向と構えずとも、革新的なメニューとの出会いは楽しいもの。【ebisu NUKA factory.】でぬか漬けの新たな魅力に開眼するはず!毎日のごはんを楽しくヘルシーにしてくれる、新しいぬか漬け。そんな「恵比寿ぬか漬け」を発信する新店で、食生活をアップデートしてみてはいかがですか?ebisuNUKAfactory【エリア】恵比寿【ジャンル】和食【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】5000円【アクセス】恵比寿駅 徒歩5分
2021年04月19日イタリアン出身のシェフと日本酒の伝道師がコラボ徳島と長野の逸品食材で織りなす皿が和酒と響き合う約80銘柄の日本酒を揃え、最上のペアリングを探求イタリアン出身のシェフと日本酒の伝道師がコラボ恵比寿駅から徒歩3分、渋谷川近くの細長いビルの7階にある【MAEN】に一歩入ると、優しい空気感とワクワク感に包まれます。徳島の伝統工芸・藍染めをキーカラーとし、薄灰色を合わせた設えは、どこか懐かしく落ち着いた趣。そこで待ち受ける洋の皿×日本酒のペアリングコースは、食材と料理、和酒の銘柄と提供法など、すべてが多種多様でハイクオリティ。自然体で過ごせる空間で、高揚感と幸福感にあふれる食体験が叶います。店名【MAEN(ミーン)】は、「作り手と食べ手との『間 MA』を、料理と酒で『縁 EN』へと紡ぐ」という意味をこめてシックな照明の店内には、料理とお酒を最上の状態とタイミングで共に饗せるよう、カウンター11席を設えています。このミニマルな舞台で腕をふるうのが、オーナーシェフの井戸雄太さんと日本酒の伝道師・御子柴悟さんの二人。2010年代、日本酒の新たなつくり手が綺羅星のごとく登場し、和酒の魅力を広める頃、井戸シェフはイタリアンやスペイン料理店で腕を磨きながら、御子柴さんは日本酒と和食の店で経験を積みながら、お酒・食材のつくり手と食べ手を結ぶ場を構想。そんな二人が出会い、タッグを組み、1品1杯ずつの渾身のペアリングワールドを披露しています。徳島と長野の逸品食材で織りなす皿が和酒と響き合うペアリングコースは、『6品6酒コース』『8品8酒コース』の2種を用意。加えて、お酒の苦手な人も楽しめるよう、『料理のみ6品』『料理のみ8品』のコースがあり、好みのドリンクをアラカルトで合わせることも可能です。食材は徳島と長野産が中心となり、無農薬栽培の野菜、鮮魚、銘柄肉やジビエ、山菜やきのこなど季節ごとの山里の幸が、産地直送で続々入荷します。多彩な食材を産地から直送。日本指折りの好漁港・鳴門を有する徳島、大地の恵みの宝庫・長野の2県が揃うことで、食材の個性が増すこれは、井戸シェフの両親が徳島出身で、幼い頃から慣れ親しんだ地であること、御子柴さんの故郷が長野であることにちなむ縁。二人が現地に足を運び、生産者との絆を紡いで仕入れるスタイルを貫き、鶏舎で鶏の羽にまみれたこともあったそう。食材の背景と力強さを体感してつくる料理は、皿の上に産地の風景や季節の詩情が舞うような奥行きの深さです。ある日のコースから、自慢の3品とペアリングの趣向を紹介しましょう。『鹿芯玉 クリームチーズ 苺』鹿肉は日本の原風景が残る秘境・徳島県祖谷(いや)のジビエ業者から直接仕入れコースの最初に登場する井戸シェフのスペシャリテ。徳島の「祖谷地美栄」の鹿肉に繊細な火入れを施し、希少な芯玉部位の持ち味を頂点へ。苺の酸味をきかせたクリームチーズを肉でくるみ、日本酒と自家製発酵ドリンクを煮詰めたソースをつけて食べると、複雑味のある構成要素の味わいが渾然一体となり、陶酔ものの美味しさです。御子柴さんがこの皿に合わせるのは熱燗。一皿目がジビエ料理×熱燗というインパクトに富むペアリングに心を奪われ、次の皿とお酒へのワクワク感が高まります。『小林ゴールドエッグ 阿波尾鶏 椎茸』コース中盤に饗されることが多い名物料理の一つ。卵型のキュートな器はオリジナル調理技はフレンチのフラン、味わうと洋風茶碗蒸しの超進化系。80種以上もの卵を扱う徳島の「たまごのソムリエ」小林さんセレクトの卵、徳島の地鶏・阿波尾鶏、徳島「サンマッシュ櫛渕」の椎茸を主軸に、生クリームを巧みにきかせてミルキー&ほのぼのとした美味しさに仕上げています。上部の低温ソテーしたカリッカリッの椎茸に加え、中の具にしっとり旨みの濃い椎茸と地鶏を仕込み、料理が和酒を呼ぶ趣向です。合わせるお酒は燗酒がメイン。口の中が椎茸スープを味わうような趣になり、深く長い余韻が続き、幸福感に包まれながら次の皿とお酒へ。『阿波牛 新玉葱 人参』肉の美味しさに加え、塩だけの調味で2時間焼いて自然な甘みを引き出した野菜の旨みも圧巻徳島と長野の食材を直送仕入れする【MAEN】には、東京では珍しい食材も多数。A5ランクの阿波牛もその一つで、さらに嬉しいのは、希少部位ハツがかなりの頻度で入荷すること。上質な赤身肉のような品のある旨みと、サクッと軽やかな食感を併せ持つ阿波牛ハツの美味しさは、この上なくドラマチックです。季節の滋味が肉のアクセントになり、この皿では蕗味噌を添えています。お酒の合わせ方は変幻自在。洋の皿のメインである肉料理×日本酒のペアリングは、御子柴さんが得意とするところ。何を合わせるかはその日のお楽しみに。約80銘柄の日本酒を揃え、最上のペアリングを探求無限の可能性から、料理と日本酒がお互いを高め合うペアリングを探り、実証する料理に合わせる日本酒は、全国の名蔵元が醸す地酒約80種を揃える豪快さとひたむきさ。その日の料理とゲストに応じた銘柄を提供温度帯・酒器とともに探り、井戸シェフと御子柴さんが実際に試し、「美味しい」と納得したペアリングのみを饗しています。扱う銘柄は季節や食材に応じて順次入れ替え。なかには定番的なお酒もあり、ボディの強い肉料理に合う奈良「花巴」、群馬「流輝」、京都「弥栄鶴」、デザートに合わせている滋賀「双子座のスピカ(萩乃露)」などが代表格。さらに、新酒・春酒・夏酒・ひやおろしなどの季節酒を取り入れながら、コース全体の緩急をつけています。新次元のペアリングを楽しいライブ感と共に届けつつ、程よい距離感のもてなしに徹するのも、この店の持ち味銘酒揃いのラインナップに加え、御子柴さん独自の神業的な提供法も、【MAEN】のペアリングワールドをパワーアップしています。冷酒・常温・燗などの温度帯や酒器を替えるのはもとより、長野のどぶろくをガス感が残る状態で熱燗にする「ピチ燗」、炭酸ガスを注入してサワー風にするなど、新しくて美味しい試みも多数。極めつきは、凍るギリギリまで冷やしたお酒と熱い料理を合わせる、温度差ペアリングです。料理の熱にひかれ、お酒の温度が口の中で上がり、通常は燗をつける際に変化する香りと味わいの状態を口内で体感できるという面白さ。【MAEN】で「口中燗」と呼んでいるスペシャルペアリングは、ぜひお店で体験を。東京にいながら、徳島や長野を旅しているような気分にも。デートや一人ディナーなどにおすすめさらに、長野産木曽檜に徳島の藍染めを施した手づくりのプレート、藍染めのエプロン、大谷焼の器など、徳島と長野の風土と文化が薫る小物も、MAENワールドの大切なアイテムです。料理とお酒、空間や小物のすべてに細やかな配慮が行き渡り、一つ一つに心がこもる……。メニュー表には、「Special Thanks」の言葉に続き、食材の生産者や小物のつくり手たちの名前がずらり。ペアリングの妙味にひたりながら、つくる人・饗する人・食べる人の輪を感じ、「縁 EN」を紡げるのも、この店の醍醐味になっています。MAEN Sake pairing restaurant【エリア】恵比寿【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】10000円【アクセス】恵比寿駅 徒歩3分
2021年04月15日生産者から届く旬素材に、フレンチのエッセンスを香らせて厳選した本格焼酎は、新しい飲み方でも楽しめます「居たくなる酒場」をテーマに、空間とサービスにもこだわりを生産者から届く旬素材に、フレンチのエッセンスを香らせて神泉駅を下車してから徒歩1分もかからない好立地。街に根付いたビストロやカフェのような趣がある。【居酒場 IGOR COSY SHINSEN】があるのは、神泉駅を降りたらすぐ目に入る、少し時を経たビルの1階。ガラス窓には、まるでパリの街角に佇むビストロやカフェを思わせるサインペインティングが施されています。ドアを開けると、湯気を上げる蒸籠と炭火の焼き台を設けたオープンキッチンが迎えてくれます。外観の印象から一転、小料理屋さんのような空間に。厨房の音や香りがダイレクトに伝わるカウンターの他、立ち飲み用スタンドとテーブル席がある。カウンターから目の当たりにできる厨房で、作り上げられる数々の料理は、季節野菜の小鉢に焼き物や煮物、〆まで揃っています。中でも「名物料理」と掲げる3品は必食です。『雲丹のせ笹豚焼売 ライムリーフの香り』オーダーごとに蒸し上げるから熱々ジューシー。これまでの焼売にない香り高さが印象的。990円(税込)フレンチの料理人でもある丸山智博さんが手掛けるなら、どんなメニューが生まれるのでしょうか?意外にも、焼売や〆鯖といったお馴染みのラインナップ。でも、そんな奇をてらわない一品に「香り」という要素を重ねることで、素材のレイヤーを楽しむフレンチのエッセンスを効かせています。まずは、オーダーごとに蒸し上げられる『雲丹のせ笹豚焼売 ライムリーフの香り』を。餡は、北海道旭川産の「笹豚」を手切りにして肉肉しさを残し、帆立の旨み、筍と玉ねぎの食感をプラスしたもの。蒸籠にライムリーフを入れて蒸し上げ、仕上げに雲丹をのせて。蓋を開ければ爽やかな芳香が立ち上り、焼売を口に入れると、ジューシーな肉汁と雲丹のコクが広がります。焼売に纏わせたライムリーフの香りにオリジナリティが光ります。『炙り〆鯖 春菊醤油仕立て』新鮮な鯖を浅めに締めて、仕上がりは柔らか。炙った香りと胡麻の風味に、春菊の瑞々しさが合う。968円(税込)居酒屋の定番、〆鯖にも香りのアクセントを。鯖をまろやかな酢と塩で締めて、皮目を炙り、香ばしい煎り胡麻をまぶしています。そこに添えたのは、春菊と醤油を合わせたピュレ。脂のりがいい鯖に春菊の鮮烈な香りがぴったりです。『宮崎直送 黒岩土鶏のたたき盛り合わせ』表面は香ばしく、中はしっとりした火入れ。始めはシンプルに塩で、それから甘油に薬味を入れて味わいたい。1,650円(税込)自慢の素材をストレートに味わえるのが『宮崎直送 黒岩土鶏のたたき盛り合わせ』。「黒岩土鶏」とは、宮崎県・尾鈴山で黒岩正志さんが放し飼いした鶏。手つかずの自然の中で育った鶏の味わいに丸山さんが惚れ込み、仕入れが叶ったものなのです。もも肉と胸肉に、その日の状況によって変わる砂肝やレバー、ハツなどを加えた3部位を盛り合わせに。炭火で炙った鶏肉は香ばしさが際立ち、雑味のない澄んだ味わいに驚きます。生姜やわさびを入れた醤油、フランス産の唐辛子・エスプレットやカマルグ海塩など、添えられた薬味をお好みで楽しんで。炭火で皮目からこんがりと焼いた、黒岩土鶏のたたき。この黒岩土鶏を余すことなく味わうため、鶏ガラでスープを取ってフォーとして提供。存分に食べて飲んでの後でも、つるりと収まる〆の麺はぜひともご賞味あれ。厳選した本格焼酎は、新しい飲み方でも楽しめますかつてブームとなった焼酎。プレミアムな銘柄だけでなく、素材や地域、ヴィンテージなどで多彩な味わいが生まれ、ワインや日本酒のように楽しめるお酒として改めて注目されています。【居酒場 IGOR COSY SHINSEN】では焼酎にスポットを当て、料理に合わせて味わえるように提案してくれます。宮崎県にある尾鈴山醸造所の芋焼酎「山ねこ」、米焼酎「山翡翠」、麦焼酎「山猿」。グラス各660円(税込)『宮崎直送 黒岩土鶏のたたき盛り合わせ』におすすめなのは、産地を同じくする宮崎・尾鈴山醸造所の焼酎。ワインで言うところの〝テロワール〟が同じ料理と焼酎で、マリアージュを楽しめるのも新しい体験です。焼酎の水割りはワイングラスで提供。香りが立ち、氷で薄まることなく楽しめる。本日の焼酎660円~(税込)焼酎水割りは、まず焼酎と氷をシェーカーに入れて振り、よく冷やしてからワイングラスへ。それからゆっくりと水を加えることで、グラスを傾けて口に含んでから飲み切るまで、本来の風味を損なうことなく堪能できます。香りがぐんと引き立つ、お湯割りもまた良し。料理や好みに合わせて、おすすめを相談してもOK。唐辛子の辛みと大葉の香りによって、飲みやすくなる『金魚割り』は660円(税込)。昆布や梅を入れたお湯割り、レモングラスほうじ茶割りなど、飲み方のバラエティも豊富。カジュアルに楽しめる一杯として、人気が高い『金魚割り』。芋焼酎の「大和桜 紅芋」に唐辛子と大葉を入れて、金魚と水草に見立てています。芋のほんのりとした甘さを唐辛子がピリッと引き締めます。焼酎は、その時期におすすめのものを常時入れ替えているので、訪れるたびに新しい出会いがあるかもしれません。「居たくなる酒場」をテーマに、空間とサービスにもこだわりを代々木上原の【MAISON CINQUANTECINQ】、【LANTERNE】、【AELU】などを手掛ける丸山智博さん。【居酒場 IGOR COSY SHINSEN】は「このままパリにあっても違和感がない酒場」を思い描いてディレクション。丸山さん曰く、第一に考えたのは「居心地のよい酒場ってどんなところだろう?」それには料理と内装とサービス、すべてのクオリティを欠くことができませんでした。ふらりと立ち寄って、美味しい肴とグラスを傾けるのにぴったりな立ち飲み用のスタンド。カウンターをメインに、立ち飲み席と6人掛けのテーブルを配した空間は、いつもの夕食処としても、ちょい飲みアペロや〆の一杯にも、気の置けない友人とのひとときにもぴったり。さり気なく配されたのは、バウハウスの「ウルムスツール」や、ベトナム製ソンベ焼きの花器など。選りすぐりの上質なアイテムが主張しすぎることなく、調和しつつ在るのも居心地のよさをもたらす一要素です。厨房から気さくに声をかけてくれる、店長の山本誠也さんと副店長の桜井茜さん。そして、店長・山本誠也さんと副店長・桜井茜さんの呼吸もぴったり、フレンドリーな接客にほっと肩の力が抜けるはず。隣席の楽しい雰囲気が伝播するのも、キッチンとダイニングが一体になったミニマルな酒場の醍醐味かもしれません。とは言え、丸山さんにとっては「あくまでもテーブルの上が主役」です。だからこそ、食材の生産者や焼酎の蔵元と真摯に向き合って、〝いいもの〟を伝える美味しい一皿に仕上げます。【居酒場 IGOR COSY SHINSEN】という店名に冠したのは「居酒屋」ではなく「居酒場」。耳馴染みはいいけれど、これまでに聞いたことがない新しい言葉。〝すっと馴染むけれど新しい〟は、このお店のスタンスを表しているようです。いつ訪れても飽きることがない、でも日常にちょっぴり彩りをプラスしてくれる。そんな酒場が誕生しました。居酒場 IGOR COSY SHINSEN【エリア】道玄坂/神泉【ジャンル】居酒屋【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】5000円【アクセス】神泉駅
2021年04月04日定番のバーにあるものが“ない”「ジントニック専門」のバージントニックで体験する世界一周の旅バーという冒険の、“一杯目のお店”でありたい定番のバーにあるものが“ない”「ジントニック専門」のバー気軽に入ってもらえるようにと、アパレルのような、カフェのようなイメージでまとめられた店内“ない”。とにかくないのだ。重厚なドア、薄暗い照明、高級なマホガニーのカウンター、ゆらめく紫煙といった、定番の「バーらしさ」がないのである。と語るのは、【Antonic】のディレクター、武田光太さんだ。とにかくジンを試してみてほしいと、気軽に入れるカジュアルな空間にした店内。「カフェのように、1杯のジントニックで歓談なんて使い方も歓迎です」武田さんが、奥さんでありオーナーの武田留以さんと、マネージャーの宮武祥平さんの3名で手がけた【Antonic】は、道路側は店内がしっかり見えるガラス張りにし開放感・安心感を演出。店内もおよそバーとは思えないポップでカジュアルな空間に仕上げ、価格も税込800円、1000円、1200円という明朗さ。そして何よりこだわったのがお酒で、こちらで提供するのは「ジントニック」のみなのだ。『ザ ボタニスト』800円。スコットランドの、ウイスキーの産地として有名なアイラ島。そこに自生している22種類の野生のボタニカルを人の手で採取し、BOTANIST=「植物学者」が手がけるジン。繊細なハーブのすっきりとした味わい『マルフィ コン リモーネ』1000円。イタリア北西部のトリノで造られたジン。イタリア産ジュニパーベリーやアマルフィ産レモン等5種のボタニカルと南西アルプス山脈のモンテ・ヴィーゾ山の湧き水を使用。レモンとジュニパーベリーの香りが心地よいと、定番のものが“ない”店だが、こだわりはかなり“ある”。もちろんジントニックにもこだわりが詰まっている。ジントニックで体験する世界一周の旅カウンターに並ぶジン。中には希少なものもあり、バー好きの人も唸らせるラインナップだ。“ジャケ飲み”するのも楽しいバックバーに並ぶのはもちろん、すべてジンだ。向かって左側の上から下にかけて北欧~スペイン、フランスなど欧州のものを。右側上にカナダやアメリカ、下にブラジルやペルーといった南米のもの。日本をはじめアジアのものは右側の中央にと、世界地図を意識して並べている。上から下まで飲めばジントニックで世界一周もできる仕掛けだ。『TENU(テヌ)』1200円。フィンランドの奥深く、北欧最後の原生森の貴重な恵みと清冽な湧水を使い、修道士たちの手により造られている。野薔薇、リンゴンベリーなどの芳醇な香りが時間を追って変化していく、複雑みのあるユニークな味わいまた、どのジンを使ってもレシピは一緒で、ジン20ml・トニックウォーター100mlにしている。洋酒販売の会社に勤めていただけあって、お酒の知識はかなり豊富で、近隣に限らず都内のバーにも詳しい武田さんちなみに店舗、味わいだけでなく、中目黒という場所にもこだわったそうだ。お店のInstagramのメニューアカウントでは、置いているジンの丁寧な説明も。それを読んで注文するのも面白いさて、僕はバー初心者というわけではないのだが、ジントニック専門のバーで飲んだこともなければ、ここまでこだわった1杯を飲んだこともない。【Antonic】では、好みを伝えたり、“ジャケ買い”でジンを選んだり、あとはお店のInstagramにジンの紹介がされているので、それを見ながら注文するシステムだ。でも、せっかくなのだから、おまかせで1杯を作ってもらうことに。そして待つこと数分。薄紫色した1杯が目の前に現れた。『エンプレス 1908』1000円。カナダの老舗ホテル「エンプレス・ホテル」のアフターヌーンティーがモチーフのジン。トニックウォーターを注ぐとバタフライピーの花から抽出された鮮やかなインディゴブルーが美しい紫色へと魔法のように変化するこんな色のジントニックがあるなんて! ちなみに僕が着ていたブルーの服からイメージしたものだそうだ。グラスを口元に運ぶと、柑橘の香りがふわりと漂う。口に含めば、ほのかな甘みと酸味。アルコール度数も穏やかで、これは飲みやすい。旨い!グラスには、多くの店のようにスライスレモン(あるいはライム)ではなく、ドライグレープフルーツが添えてある。味や名前を覚えるのは難しいが、青から紫、グレープフルーツ、というキーワードさえ覚えておけば、ジンの名前を忘れてしまっても、次回また注文できる気がする。バーという冒険の、“一杯目のお店”でありたい左から、オーナーの武田留以さん、ディレクターの武田光太さん、マネージャーの宮武祥平さん店には武田さんだけでなく、オーナーの武田留以さん、マネージャーの宮武祥平さんと3人が立つ。みんなジンの物語が語れるうえ、「失恋した時に飲むジントニックをください」「飲んでいるとカッコいいと思われるものを作って」なんて少々無茶なリクエストにも笑顔で対応してくれる(このリクエストに何が出されるかは、行ってからのお楽しみ)。そこから生まれる会話も楽しんでもらいたいという思いがあるからだ。『ネマ』1000円。カクテルバーNemanjaの北條氏による日本初のノンアルコールジン。長野県の無農薬栽培のバラ2種、ジュニパーベリー、ラベンダー、スパイス、八ヶ岳山麓の湧水を使用。ノンアルコールとは思えないほど重厚で華やか最終的には、美味しいお酒だけが増えるのではなく、バーに足を運び“お酒を楽しむ人々”が増えてほしい。その冒険の第1歩を踏み出すための店でありたいのだと武田さんは語る。従来のバーには“ない”ものが多いが、熱き想いはどこよりも“ある”。中目黒にできたばかりの新名所。早くも名店の予感がする。TheWorldGin&Tonic〔Antonic〕【エリア】中目黒【ジャンル】バー・カクテル【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】2500円【アクセス】中目黒駅 徒歩9分
2021年04月01日16室すべてが個室の日本料理レストラン地元の食材をリスペクトしつつ繊細な和食を提案県下13の酒蔵とコラボレートして造ったオリジナルの日本酒も!16室すべてが個室の日本料理レストラン近代的なビルが林立する横浜のみなとみらい地区に開業した「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」は、その大胆な曲線を用いた建物や、天井の高い空間で、ゲストを高揚させる。「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」の3階にある【日本料理 濱】のエントランス今回の目的地である【日本料理 濱】に足を踏み入れると、わあと歓声を上げそうになった。窓の外には水盤がぐるりと張り巡らされていて、あたかも水面に浮かんでいるかのような感じを覚えたのである。もともと「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」は、1964年にハワイ・オアフ島で開業して以来、現地の人々の生活や文化、習慣を尊重するスピリットを携え、各国の国賓や皇族をはじめとするセレブリティを魅了してきた。それゆえに、グローバル展開の第一弾となる「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」のレストラン【日本料理 濱】もそれをしっかりと継承。デザインにも横浜のウォーターフロント「みなとみらい」らしさが表現されている。個室の一例。和と洋がほどよくミックスした空間では窓の外で水がたゆたうのを感じながら食事できるまた、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」の魅力を語るうえで、卓越したホスピタリティーを欠かすことはできないが、【日本料理 濱】においてもそれは健在のようだ。全16室はなんと完全個室。10名定員の特別室のほかではルームチャージがかからない。ゲストに心置きなく寛いでほしいという想いの表れとも言えるだろう。地元の食材をリスペクトしつつ繊細な和食を提案【日本料理 濱】は「カハラ」ブランド初の日本料理店である。一応、誤解なきように申し上げておくと、ハワイアンテイストを盛り込んだ和食が供されるわけではない。空間デザインと同様にハワイから受け継いだ“スピリット・オブ・カハラ”、つまりローカルリスペクトの精神に則り、横浜の地だからこそ愉しめる料理にこだわっている。料理長の青木信啓さんは湯河原温泉の老舗旅館「ふきや」や料亭の味を楽しめるダイニング【金田中 草】で料理長を務めた人物。神奈川県出身でもあり、地元食材の発掘に気合いが入る。例えば、1万3500円(税サ別 ※以下同)のコース「柳花」(全8品)の名刺代わりの一皿である先付には、神奈川県・相模原市の「恵壽卵」を使ったムースが登場。濃厚な味わいが新鮮さを物語っている。まさに地の利が生きた料理だ。濃いオレンジ色が特徴の恵壽卵を使ったムースの上には、生の雲丹や海老の素揚げ、カダイフが乗り、さまざまな食感を楽しませてくれる。恵壽卵はあまり市場に出回らない、貴重な逸品だ。また、横浜発祥の牛鍋も【日本料理 濱】らしいアレンジを加えて仕上げられる。同じ神奈川県下にある味噌蔵から取り寄せた八丁味噌にカシューナッツ、クルミ、アーモンド、ねぎ、生姜、山椒などをブレンドしてオリジナルの“香り味噌”を作り、それを鍋に落として煮込むのだ。香ばしい味噌の香りが食欲を刺激し、味の染みた牛肉を温泉卵にくぐらせて味わえば、多幸感で満たされることだろう。1万円のコース「明月」に含まれる「濱牛鍋 黒毛和牛ロース」。ちなみに筆者が特に唸らされたのは、「好日」というコースの椀物「すっぽん変わり玉 ふかひれ」。すっぽんのスープを閉じ込めた白玉とフカヒレを入れたところにだしを張った一品だ。お椀の蓋を取るとだしの香りが広がる。まずはだしを味わおう。そして、白玉をつついてほしい。割れたところからすっぽんのスープが広がって、味変を楽しむことができる。だしを存分に味わう椀物は日本料理の要。【日本料理 濱】料理長の青木信啓さんによれば、同店では長期熟成によって旨みを凝縮させた本枯節と蔵囲昆布から一番だしを引き、追い鰹でさらに香りと旨みを高めているという。また、フカヒレにも鰹のだしで下味をつけ、鰹のだしの素晴らしさを伝えることにこだわったそうだ。だしにはほとんど味を付けていないそうだが、その味わいは実にふくよかで力強く、印象に残っている。県下13の酒蔵とコラボレートして造ったオリジナルの日本酒も!【日本料理 濱】では日本酒にも注目していただきたい。なぜならば、神奈川県内で日本酒を製造する酒蔵13軒とタッグを組んで、それぞれに「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」限定の日本酒を造ってもらうという活動を実施。リストにはここでしか飲めない非売品が揃っているのだ。月替わりの3種飲み比べセット(1杯903/4000円)も人気。神奈川県で日本酒?と意外に思う方もいらっしゃるかもしれないが、実はその製造の歴史は古く、鎌倉時代にまで遡ると言われている。現在は蔵元数がだいぶ減少し、13軒が残るのみとのことだが、例えば酒米づくりから精米・醸造まで一貫して行う泉橋酒造など、こだわりに溢れたところばかりだ。ぜひ、その美酒を味わいつつ、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」のローカルリスペクトを実感してほしい。日本料理濱【エリア】みなとみらい【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】17000円【アクセス】みなとみらい駅 徒歩8分
2021年03月27日「Ode」が提案するサステナブルなカフェ【BGM coffee&vibes】コーヒーやカレーにも細かなこだわりが日々の生活に彩りを与える“BGM”のようなお店広尾の名フレンチ「Ode」が開いたカフェ【BGM coffee&vibes】広尾駅から徒歩5分ほどの【BGM coffee&vibes】。店内の柱などは古民家の廃材を再利用したもの【BGM coffee&vibes】ができたのは、「Ode」のすぐ隣の小さな一軒家。テラス席でゆっくりとコーヒーを楽しむ人や、店内でランチタイムを楽しむ人、焼き菓子とコーヒーをテイクアウトしていく人など、近所のお客さんがふらりと立ち寄る憩いの場のようなお店です。子連れのベビーカーで来てコーヒータイムを楽しむお客さんの姿もありました犬を連れてきてもOK。店内には犬のリードをかけるフックがありますただのカフェ料理ではない! それぞれがレストランクオリティ店内で販売されている焼き菓子にも、サステナブルなこだわりがさすがは【Ode】が手掛けるカフェで、焼き菓子ひとつにもこだわりがあります。例えばカヌレは、料理で出た野菜の端材をつかって焼き上げたサステナブルなフード。そのほか、しっとりを追求した結果“むせるほどおいしい”という洒落を効かせた名前のチョコクッキー『キラーマァム』、そのほかフィナンシェ、ブランデーケーキなどが並びます。『ロングブラック』HOT 550円/ICE 600円コーヒーのオススメは、オーストラリアやニュージーランドで親しまれているスタイルの『ロングブラック』。お湯を先に注いでからエスプレッソを入れるので、上の方にエスプレッソをより濃く感じられ、香り高さと飲み進めるごとに味の濃淡が楽しめます。豆はブレンドで、コーヒーのもつ香りや味をそのままに感じられる「ナチュラル」と、水洗いしてクリアな味わいの「ウォッシュド」を使ったオリジナルブレンドで提供しています。サクッと揚がっていながら、とろけるほどふんわりとやわらかい『最高フライドポテト』600円。身を崩すマッシュをせず、ぎりぎり形状を保つぐらいまでやわらかく茹で、水分を保った状態で揚げている。『キューバサンド』は、ローストポーク、チェダーチーズ、自家製のピクルスをフォッカチオではさんだもの。塩レモンが効いた『国産無農薬レモンサワー』との組み合わせがオススメ。『ヴィーガンカレー』1,500円こちらは、トマト、玉ねぎと発酵させた季節の野菜をベースに8種類のスパイスを効かせた『ヴィーガンカレー』。9種の付け合わせと、16種の雑穀ライスがついて、食べるだけで健康になれそう!お店の奥には何やら見慣れない機械がお店の奥にある大きな機械は、SINKPIAのコンポスト。お店で出た生ごみをこの機械に入れると、なんとバイオ処理でほとんどが水に分解されてしまうのだそう。環境にも配慮されているなんて、すばらしい!暖かくなったらテラス席も気持ちいい【BGM】という店名は、メインとしてではなく地域の暮らしに寄り添って、日々の生活に彩りを与えたい、という思いから名付けたのだそう。近所の人の憩いの場としてはもちろん、ふらりと立ち寄って、レストランクオリティのカフェランチを気軽に楽しめるお店でした。BGM coffee&vibes【エリア】広尾【ジャンル】カフェ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】広尾駅Ode【エリア】広尾【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】7000円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】広尾駅 徒歩5分
2021年03月22日SG Groupが手掛ける新業態「カクテル居酒屋」世界一手間がかかってるという『本気のレモンサワー』居酒屋の定番メニューに遊び心を加えた斬新な料理が揃うSG Groupがバーと居酒屋の垣根を超えた新スタイルを提案今年のThe World’s 50 Best Barsで世界第10位を獲得した【The SG Club】、6月にオープンした【The Bellwood】に続く、SG Groupの国内3店舗目となるのが【ゑすじ郎(SG LOW)】。バーの街、ニューヨークのイーストビレッジからインスパイアされたカクテル居酒屋で、新しいスタイルでお酒を楽しむ文化を広めていきます。ムーディーなバーカウンターはNYのイーストヴィレッジをイメージ内装デザインは国内外で受賞歴を持つThe Wholedesignの杉山敦彦氏が担当。ストリートカルチャーの発信地・NY イーストヴィレッジにインスパイアされた店内では、鯉が滝を昇って龍になるストーリーをもとに、鯉をかたどったオブジェライトや龍のペインティングを設置。日本のようで日本でない独特の世界観を表現しています。国内外で手掛けるバーがいずれも世界ランキングで上位にランクする後閑信吾氏店内の龍のペインティングは画家のジョージハヤシ氏によるもの世界トップレベルのカクテルをオリジナル居酒屋料理と共にマティーニのお通しで始まるドリンクは、14種ものレモンサワーを中心に、居酒屋的なドリンクをSG Groupらしくアレンジ。代表の後閑信吾氏が「おそらく世界で一番手間がかかっている」と言う『本気のレモンサワー』は、自家製オーガニックのレモンコーディアルを贅沢に使用したもの。世界で一番手間をかけているという、バーテンダー後閑信吾考案の『本気のレモンサワー』990円(税込)『SGマティーニ』1,320円(税込)『カルピスサワーカルピス抜き』880円(税込)レモンサワー以外にも、ひと工夫を凝らした米・芋・.焼酎のハイボールや茶割、シグネチャーカクテルをはじめに、ワインや日本酒もなど様々なカクテルが楽しめます。レモンブリュレを絞り、北アフリカ風ソースとともに味わう『鶏の唐揚げハリッサソース』990円(税込)豚骨で出汁をとったポテトサラダにラーメンのトッピングを施した『ラーメンポテトサラダ』880円(税込)熱々のボーンマロー(牛骨髄)とたっぷりの雲丹を混せて食べる『雲丹とボーンマローの混ぜ麺』2,420円(税込)料理は居酒屋の定番メニューに遊び心を加えたオリジナルメニューを提供。世界の食文化を知る後閑信吾氏とNYの名店【SakaMai】で腕を磨いた古河厚志シェフが考案した『イベリコ納豆餅』『アナゴのタコス』『フォアグラ麻婆豆腐』など、居酒屋料理と世界の食材を組み合わせたバラエティに富んだ美味しさを一皿ごとに味わえます。世界のベストバー50で日本最高位のSG Groupが手掛ける斬新なカクテル居酒屋。まるでニューヨークのイーストビレッジにいるかのような店内で、世界最高峰レベルのカクテルとオリジナリティ溢れる居酒屋メニューを味わってみてはいかがでしょうか。料理人プロフィール後閑信吾さんNYの名店でヘッドバーテンダーを務めた後、2014年SG Groupを創設。バー業界において今世界で最も注目されるバーテンダーの一人。古河厚志さんNYの名店【SakaMai】のオープニングスタッフとして参加し、2018年料理.に就任。2020年に帰国し、【ゑすじ郎】の料理.に就任。ゑすじ郎 / SG LOW【エリア】渋谷センター街/公園通り【ジャンル】居酒屋【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】渋谷駅【ゑすじ郎 / SG LOW】住所:東京都渋谷区神南1-9-4 NCビル 2階電話番号:03-6416-0608営業時間:当面の間 16:00~20:00(19:30ラストオーダー)定休日:火・水曜※3月9日(火)のみ臨時休業
2021年03月05日オープンカウンターで全皿を目の前で仕上げて提供クラシック×モダンの季節のフレンチを多皿コースで自然派をメインに、飲み頃ワインが500種以上ライブ感に富むカウンター席で新世代フレンチを大満喫六本木交差点からすぐの好立地にありながら、知らないと通り過ぎてしまう超隠れ家フレンチ【Rn】。扉を開けると、フレンチでは革新的なオールフラットのオープンカウンターが出迎えます。カウンター9席を中心とした、全皿を目の前でつくるスタイル木の優しい風合いの大きな造作カウンターを設えたのは、「すべての皿をゲストの目の前で仕上げる」というコンセプトゆえ。季節ごとの食材の香りや彩りから生産地の風景を垣間見つつ、目の前で料理ができあがるストーリーを楽しみ、最適な温度と状態の皿をすぐに味わえるのは、この上ない喜びと贅沢と言えます。料理人の華やかなステージというより、ゲストと共に楽しむ小劇場のような、和やかな空気感が満ちるのも【Rn】の魅力。誰もが自然体でくつろげ、リラックスして食事を楽しみ、リフレッシュして家路に着く…。そんな幸せな魔法がここで待っているのです。一皿ができあがるすべてを惜しげもなく目の前で披露オープンカウンターで腕をふるう大和田シェフの料理は、楽しい“二面性”が特徴。日本最高峰のグランメゾンで王道のフランス料理を学び、ミシュラン星付き店で才気みなぎるシェフから受けた刺激を糧とする料理は、クラシックとモダンが融合した自由闊達な新世代のフレンチです。食材に応じた調理のメリハリも、心をくすぐるもの。肉の濃厚な旨みを追求したシンプルな皿から、多数のパーツが口の中で一体化したときに奇跡のような味を生む独創的な皿まで、存在感のある多種多様な皿を楽しめます。滋味あふれる日本各地の旬野菜や魚介真摯に料理に取り組むシェフの姿を間近にしながら、できたての皿を味わえるのはまさに至福。ハイクラスな名店でのキャリアを持ちつつ、誠実で温かな人柄ゆえ、ほどよい距離感でのもてなしは穏やかで朗らか。皿が進むにつれて、大和田ワールドのとりこになっていくでしょう。圧倒的なおいしさとドラマチックな料理を多皿コースで大和田ワールドの真髄は、ディナータイムの8皿or10皿の季節のおまかせコースで堪能できます。小前菜・前菜・魚料理・肉料理・デザートで構成され、「少量多皿」というより、堂々とした「多皿コース」。おいしさを追求した一皿ごとの完成度がすこぶる高く、コースの流れもきれいな緩急とバランス感。日本各地の季節野菜や旬魚介、フランス産の濃厚な旨みの肉を中心とする食材にも、日本×フランスの“二面性”があり、楽しみが尽きません。或る日のコースのなかから、自慢の3品をご紹介します!『千葉県産白蛤とビーツのスープ仕立て』白蛤のおいしさと食感をひきたてる楽しいアイディアが輝くこちらは小前菜の一例。シェフの故郷・千葉県勝浦で漁師を営む従兄が獲った白蛤を使い、貝の旨みと出汁を味わい尽くせる皿に仕立てています。その名脇役となるのが色鮮やかなビーツと緑の野菜。彩りと旨み、大地の香りが加わり、ミルクのカプチーノと相まって、優しく清らかな味わいに。『仏ロゼール産仔羊のロース芯 トランペット茸』羊が苦手な人も、驚くほどきれいな香りと旨みにうなる一皿シェフの世界観が凝縮する温前菜の一例。フランス産仔羊の鞍下肉全体をローストし、外側を取って、中のロース芯のみを使うという究極の仕込みを徹底。噛むごとに旨みが増す肉の魅力をさらに高めるため、付け合わせも噛んで食べて楽しいものに。ワイルドライスとキュウリの温サラダ、トランペット茸(黒ラッパ茸)のソース、マコモダケのグリルなど、多彩なパーツが口の中でハーモニーを描くさまは、なんともドラマチック。『仏ランド産 仔鳩のロースト』一羽を丸ごと焼いてさばき、一皿に盛り付ける様子も目の前で見られる!肉料理はシェフが好きな鴨・仔鳩・プーラルドなどフランス産の家禽類が中心となり、濃厚な肉の旨みが魅力。繊細な肉質と旨みが抜群のランド産仔鳩は、部位に応じて火入れ法を変え、おいしさの頂点へ。しっとりと味わい深いムネ肉、香ばしく歯切れのよいモモ肉、ポルト酒のソース、肉の旨みを後押しするような旬野菜のグリルが、ひときわ深い幸福感に誘います。自然派メインの多彩なワインをグラスでいろいろ楽しめる驚きと幸福感に満ちる料理をいっそう輝かせるのが、矢島ソムリエによるワインのセレクト。料理と同じく、ワインにも楽しい“二面性”があり、ワインセラーにはクラシックからモダンまでの飲み頃ワイン500種以上がずらり。新世代シェフ×熟練ソムリエのコラボも【Rn】の大きな魅力矢島さんは、1990年代後半の早い段階から、自然に醸すワインの良さを追求してきており、とくにヨーロッパを中心とするナチュラル系が充実。しかも、“本物の味”を徹底的に選りすぐっているので、ネームバリューやトレンドに左右されない、滋味深く本当においしい自然派ワインに出会えます。ワインはシーンや飲む量に応じて選べるように、ペアリングコース、グラス、ボトルの3スタイルの楽しみを提供。グラスワインのメニューをあえてつくらず、ゲストの好みやリクエストに応えつつ、バイザグラス用にボトルを開けていくという太っ腹さも、この店の矜持。通常はボトル注文となるハイクラス銘柄をグラスで提供する柔軟さも魅力です。グランヴァンからモダンまで魅惑の味わいに出会える或る日のおすすめワイン3種をご紹介!写真左のキュートなラベルの赤ワインは、南イタリア・カラブリア州の土着品種ガリオッポで醸した少量生産のナチュラル系。最先端の自然派醸造家ならではのエレガントなおいしさです。真ん中は長期瓶内熟成を経たスイス産スパークリングで、泡の新たなおいしさに驚く一本。右はクラシックの代表格「ジュヴレ・シャンベルタン」クリスチャン・セラファン2013年。熟成したピノノワールが、家禽類メインの肉料理をいっそう輝かせます。ここでは、ワインの経験値が高い人も、飲むことだけを楽しんで、品種や銘柄のセレクトをお店にゆだねてみるのもすてき。思ってもみなかった新しい味と遭遇したり、ペアリングの未知の楽しさに感嘆したりと、豊かな食体験を広げるきっかけがいっぱいです。21時以降はアラカルトを気軽に楽しめるワインバーに料理とワインの“二面性”に加え、営業形態にも二つの顔が…。18時から21時までのディナータイムの後は、アラカルトとワインを気軽に楽しめるバーに変貌。二軒目や夜遅い食事にぴったりで、ゆったりと幸せな宵にひたれます。器やグラス、オリジナルシャンデリアなど、内装や小物もハイセンスひとりフレンチ、大人のデート、大切な友人との食事などに理想的な舞台。六本木のMy隠れ家として知っておくと、多彩なシーンで頼りになります。【Rn】という謎めいた店名の由来は、ぜひ、お店でお尋ねを! 矢島ソムリエとの話がいっそうはずみ、楽しさがパワーアップするでしょう。RnLaTableetLaCave【エリア】六本木【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】8000円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】六本木駅 徒歩1分※最新の営業時間に関しましては、直接お店にお問い合わせください。
2021年01月17日朝・昼・晩と、気軽に立ち寄れる「街の食堂」堤さんが新しいお店を立ち上げると聞き、どんなお店なのか尋ねてみると「朝昼夜とメニューを変えて出す飲食店にショップを併設。さらにオフィスやラボもあります」――、それってどんなお店なの?と、疑問は深まるばかり。学芸大学駅東口から徒歩8分。白くて大きな「Ri.caricaランド」の看板が目印それなら、「1日中、お店で過ごしてみよう」と、とある日曜日、店舗の休憩時間を除く朝から晩まで滞在してみたところ、堤さんがなぜこのお店を立ち上げたのか、その想いが見えてきました。【リ・カーリカ ランド】ってどんなところ?朝は「お粥」、昼は「カレー」夜は「バー」の3部構成料理に使われている食材が購入できる「ショップ」も併設お店のアイドルタイムは、ラボとして活用自然光がたくさん入り込むガラス張りの店内は、とても明るく開放的。外から様子が見えるので一人でも立ち寄りやすく、夜はオレンジの光に包まれてしっとりと落ち着いた雰囲気に。ワイン片手に語らうことができる、まるで“おうちのダイニング”のようなお店です。お店の中央には、大きなテーブルを配置店内の併設ショップには、イタリアのナチュラルワインをはじめ、日頃から付き合いのある国内の生産者がつくった食材が並びます。この食材、実はお店で出されるメニューに使われているものばかりで、「このしいたけ、おいしい!」と思ったら買って帰ることができるのです。なので、食事が終わるとショップで食材を購入するお客さんも多いのだとか。ワインやパスタ麺、海苔などが置かれたショップ(物販スペース)。お店の休憩時間も入店可能で、終日食材を購入できます「近所の方が、朝・昼・晩と気軽に立ち寄れる食堂がつくれたらな、と思ったんです」。オーナーの堤さんが話す通り、朝は「お粥屋」、昼は「カレー屋」、夜は「ワインバー」と3つの顔を持つ新店は、いままでのイタリアンのイメージにとどまらない、自由なメニュー構成が魅力的。朝粥、発酵カレー、ワインやお酒に合う一品料理を提供では、どんなお料理が食べられるのか、さっそくご紹介します!モーニング(9:00~11:30)『あなたの健康を守る朝粥』1,500円(税抜)※なくなり次第終了。玄米粥、生ハム、10種のお供にウーフのルイボスティつき。+500円でマッコリ『ホワイトマンデイ』も追加可能まず、「あのリ・カーリカがお粥?!」という意外性に驚きます。「このお店をつくる際、イタリアンという縛りは設けなかった」(堤さん)という通り、朝から重たいものを食べたくない、というスタッフの意見が合致し、「お粥」にしたそう。それでも、“らしさ”が垣間見えるのが、生ハムが添えられているところ。「お粥が熱々のうちに、生ハムに巻いて食べて下さい」と、言われるがまま巻いてみると――生ハムのクラッタは、お粥が熱々のうちに巻いて食べるのがオススメ。食べるとその意味が分かります生ハムの脂が溶けて広がり、シンプルで優しい味わいの玄米粥に、ほどよい塩味と旨味を加えてくれます。なんて新鮮な味わいなのだろう。これは、フレッシュで極薄な生ハムだからこそ成せる業。家でやろうと思っても、こんなに極薄にカットされた上質な生ハムは手に入らないため、お店でしか味わえません。これがお粥のお供。「日本の発酵文化を大事にしたくて、いろんな食材を集めてみたらお粥が一番合わせやすかった」と堤さんさらに、“お供”の数にも驚きます。全国から集めたという10種の副菜は、「鮎のナレズシ」や「鮎うるか」、「いぶりがっこ」に「発酵水キムチ」など、免疫力をあげてくれる発酵食品が並びます。どれも奥深い旨味を感じられ、お粥のお供が充実しすぎて玄米粥が足りるか不安になるほど(汗)。こんなにたくさんの発酵食品を食べる機会は滅多にないので、まるで“極上の精進料理”を食べているかのよう。身も心も洗われ、清らかな気持ちになりました。ランチ(12:00~14:30)『発酵スパイスカレー』1,500円(税抜)※なくなり次第終了。こちらもベースは「発酵」。どこまでも我々の体を労わってくれます12時からはガラッと変わり、カレー屋に変身!カレーのベースは、モッツァレラチーズのホエーで漬けた水キムチの“乳酸発酵汁”。それにネパール系のスパイスや豆鼓で辛味を加えます。さらに上からドライ納豆や海苔、辛子高菜、アラビアータソースをインド寄りにした「グンドゥチリトマトソース」、それにペコリーノチーズなどをのせていきます。最初はそれぞれの箇所の味を楽しみ、最後に全体を混ぜて食べると、スパイスの辛味の中にまろやかさが生まれます一言でどんなカレー?と問われても、なかなか言い表すことが難しい。ベースに酸があるので最初に酸味を感じるのですが、「食材に6つの国が混ざってます」(堤さん)という通り、食べる場所によって全く印象が異なります。さまざまな国が頭をよぎる、“多国籍カレー”といったところでしょうか。こちらも健康を考え抜かれたカレーなので、食べた後はなんだか体がすっきりと爽快でした。バータイム(18:00~23:00)「タベレルBAR」ブルスケッタ。上から『アモールポレンタとピーマンとサラミ』、『カカオトーストとイチジクバター』、『塩漬しらうおとバターのブルスケッタ』各500円(税抜)ディナータイムは、“タベレルBAR”に姿を変えます。その名の通り、食も楽しめるバーです。『お通しの茶わん蒸し』からはじまり、お酒に合う“小粋な小皿”料理が選べます。気軽に手でつまめるブルスケッタや、イタリア産のクラッタと、パンチェッタコットやプロシュートコットなどの「生ハムの盛り合わせ」が楽しめます。絶対に食べるべき1皿、『極薄クラッタとハムの盛り合わせ』1人前 1,200円(税抜)「タベレルBARを訪れたら、まずは『極薄クラッタとハムの盛り合わせ』からぜひ!ワインは、ドライでナチュラルなランブルスコを合わせてみてください」とのこと。ベルケル社のスライサーで生ハムを極薄にスライスワインだけでなく、多彩なお酒を提供していますもちろん、お酒も充実。イタリアのナチュラルワインをはじめ、グラッパやマッコリ、クラフトジンなどもあり、ジンは約20種の中から好みの味や香り、飲み方を選べます。ドリンクリストから選ぶのもいいですが、スタッフさんはお酒にとても詳しいので、好みを伝えておまかせするのもあり!ショップ9:00022:00生産者についてや味わい、調理方法などが描かれたポップ左の卵を使った『春夏秋冬のオムレツとバルサミコ』800円(税抜)お店の料理に使われている食材が購入できるのって、嬉しくないですか?「この美味しい料理を家族や大切な人にも食べさせたい」と思っても、子育てなどで外食が難しい場合もありますし、家で食べるにしてもその食材を手に入れることが難しい。それが帰りに購入出来て、家でも食べられる。おいしさや楽しさが家まで続くなんて素敵!女性が帰れる場所がほしかった――、堤さんの新たな挑戦に秘められた想いとはなぜ、飲食店とオフィスが一緒になったお店を出すことになったのか。また、今までとは異なるメニュー構成にしたのか。オーナーである堤さんに伺ってみました。タバッキ代表・堤 亮輔さん――【リ・カーリカ ランド】は、「飲食店」だけでなく、「ショップ」や「オフィス」、試作品をつくる「ラボ」も兼ね備えているんですよね。こちらはオフィス。スタッフはみな料理人として入社。調理もでき、運営もできるエキスパート――朝から営業する=お子さんがいらっしゃる方にとって朝から働けるのは嬉しいですよねランチ終わりの14時からディナー前の17時までの間、店内はラボに変わり、試作品の話し合いが行われます――オフィスやラボってだけでも珍しいのに、飲食店とショップもあって、さらに朝昼晩とメニューも変わる。一言で言い表せないお店ですね。――「土からつながる仲間」?物販スペースには、イタリアのナチュラルワインが並びます「佐賀のり香味干し」と福田農園の「干しの王様しいたけ」を個人的に購入――もう1つの「街に開けた食堂」とは、まさに自宅で食事をするようなメニュー構成ですもんねメニュ―表には、それぞれの料理の食材が事細かに記載されています。この多さとこだわりからも愛情が伝わりますスタッフにも、街の人にも、客にも、「みんなが幸せになってほしい」と願う堤さんの想いが、お店づくりや料理に表れている【リ・カーリカ ランド】。最初にお店を訪れたとき、朝粥の“お供”の多さに母親を思い出しました。「あれもこれも、体にいいから食べて!」ってたくさん盛られているような(笑)。でもそれって、食べる人の体を思ってのことだと思うから、なんだか嬉しくなってしまいました。そんな愛情あふれる食事をリラックスして食べられる、とても居心地の良い空間でした。きっと堤さんからたくさんの愛を受け取ったスタッフさんたちが、愛情のおすそ分けを料理と空間という形で我々に与えてくださるからだと思います。一人でも気軽に入れるので、近くに行く際はぜひ立ち寄ってみてください。お店を出るとき、ほっこりした気持ちになれますから。Ri.carica ランド【エリア】学芸大学【ジャンル】スパイスカレー【ランチ平均予算】1500円【ディナー平均予算】6000円【アクセス】学芸大学駅 徒歩10分
2021年01月12日厳選した大山鶏を特注焼き台で仕上げる、香ばしくてジューシーな“燻し焼鳥”鶏刺し盛や卵かけご飯など、目にも楽しい名物メニューに心躍る!1カ月で会員は400人超! 希望者が殺到する入会方法について紹介します大阪・天神橋筋六丁目に本店を構え、北新地、京都・祇園白川、名古屋と展開する、会員制焼鳥店【熊の焼鳥】。その会員数は8,000人を超え、インパクト絶大な料理写真はSNSを席巻しています。清潔感のある和風の設えがどんなシーンにも馴染む空間焼鳥通ならずとも一度は訪れたい超人気店が、2020年9月に【熊の焼鳥 中目黒】として東京へ初進出! 会員制と聞くと身構えてしまいますが、基本コースが4,800円、単品で串1本250円からというカジュアルな価格帯なのです。厳選した大山鶏を特注焼き台で仕上げる、香ばしくてジューシーな“燻し焼鳥”業界初の「会員制システム」に注目されがちですが、こちらが支持されるのはまず第一に、確かな素材と独自の技法による焼鳥の美味しさ。鮮度抜群の大山鶏を丁寧に捌いて串打ちし、紀州備長炭で焼き上げます。焼き台は特注品。通常のものより奥行きが狭くなっているため、煙が拡散しないようになっているのです。脂を炭に落とし、立ち上る煙を逃さずに焼鳥にまとわせる〝燻し焼鳥〟が【熊の焼鳥】の真骨頂。ふわりと広がる香ばしさは格別です。焼き始めると串を覆うほどの煙が上がり、炭火ならではの香ばしさをもたらす部位によって焼きを加減し、塩や醤油、たれを使い分けて仕上げた焼鳥は、旨みや食感の持ち味が引き出されています。その一部がこちら。『ももねぎ』(基本コースより)基本コースで始めに供される『ももねぎ』。シンプルに塩で仕上げ、ふっくらジューシーなもも肉と長ねぎという王道の組み合わせをストレートに味わえます『丸ハツ』(基本コースより)程よく塩を効かせた『丸ハツ』はクセが全くなく、プリッとした食感を堪能できます『つくね』(基本コースより)軟骨を入れて食感を出した『つくね』は、上から順に塩・たれ・たれと味を付けて。1本で塩とたれ、どちらも味わえるなんて今までになかったかも!?『皮の自家製醤油焼き』(基本コースより)表面はカリッと焼き上げた皮は、この一品のためにブレンドした自家製の醤油で香ばしさを際立たせてます『はらみ』(250円)Vみ締めるごとに旨みがじゅわっと広がる『はらみ』。脂はキレがよく、ぺろりといけてしまいます『きもとろ超レア』(350円)とろりと溶けるような口当たりのレバー、『きもとろ超レア』は雑味なく澄んだ味わいに鮮度の良さを実感!なお、基本コースの内容は、焼き物がももねぎ・丸ハツ・つくね・やげん・野菜串・皮の自家製醤油焼き・気まぐれ串・手羽先、それに前菜や箸休め、サラダ、〆もの、デザートの全13品で4,800円。これだけでも盛りだくさんですが、食べ足りない人はもちろん追加の串やお酒のアテになる一品料理が揃っています。鶏刺し盛や卵かけご飯など、目にも楽しい名物メニューに心躍る!【熊の焼鳥】といえば、「わぁ!」と歓声を上げてしまうこと必至の名物があります。その一つが木箱で供される『鶏刺し』です。さまざまな色や形の部位がずらりと並んだ様は圧巻!『鶏刺し25種盛』(7,000円)オーダーできるのは会員のみ、1日2組限定の要予約メニュー。とさかそのままの形をした「かんむり」、異なる食感と味わいが楽しめる砂肝周りの「ずり」「ずりとろ」「ずりのえんがわ」、素材の鮮度と質の高さが表れる「脂肝」「背肝」「白子」、「腰の脂」に「おしりのえんがわ」…見たことも食べたこともない希少部位を含めて、鶏をとことん味わい尽くせる逸品です。入会希望者が後を絶たないのも納得!部位の説明書があるので、一つ一つを食べ比べできるのが楽しい。もう一つの名物料理が『熊のたまごかけご飯』。一般的な卵かけご飯と違うのは、卵になる前の卵黄部分〝きんかん〟を使っていること。弾力のある膜をぷちんと割ると、トロリあふれ出る黄身がたまりません!『熊のたまごかけご飯』基本コースの〆として3種類のご飯ものから選べる。非会員はプラス300円でオーダー可両手に串ときんかんを持った、オリジナルキャラクター“くーま君”のぬいぐるみは、小さなボトルを背負っています。入っているのは自家製醤油。濃厚なきんかんの味わいに合うように数種類の醤油や出汁などを調合しています。弾力あるきんかんを割るには、焼鳥用フォークを使う味は濃く、しっかりとご飯に絡む濃厚なきんかん売り切れ次第終了だから予約必須の『熊のたまごかけご飯』の他、〆のご飯ものには『雲丹スープ茶漬け』と『まかない丼』もあります。えぇ梅酒(1,200円)オーダーしてのお楽しみ、盛り上がること間違いなしの演出がお酒は、ケンゾーエステートのワインや厳選した地酒から『完璧なハイボール』『みかんの缶詰』なんて好奇心をそそられるメニュー名のものまで、バラエティに富んでいます。『えぇ梅酒』は長期熟成梅酒をブランデーで仕上げた「百年梅酒プレミアム」。その味わいはもちろんのこと、ユーモアたっぷりのプレゼンテーションも期待以上なのです。めっちゃ高いジュース(1,800円)プレミアムみかんやはっさく、ピンクグレープフルーツなど季節のフルーツ果汁100%ソフトドリンクも楽しいラインナップ。『めっちゃ高いジュース』はラグジュアリーホテルでも採用されている、谷井農園のフルーツジュース。フルートグラスでいただけば、ノンアルコールにありがちな味気なさが払拭されます。1カ月で会員は400人超! 希望者が殺到する入会方法について紹介します業界初の会員制システムを導入した【熊の焼鳥】は、エントランスも一般的な焼鳥店とは違います。くーま君が描かれたドアは指紋認証錠でロックされています。それを開けて入店すると特別な時間がスタート。会員は指紋認証で入店。非会員は予約時に教えてもらう暗証番号で解錠する店内は焼き台をぐるりと囲むコの字カウンターと、仕切られたテーブル席2卓、8名用個室で構成されていて、さまざまなシチュエーションに対応してくれます。焼き師の手さばきを目の当たりにしたいならカウンターに陣取って。周囲に気兼ねなく食事を楽しみたいならテーブル席や個室を。落ち着いたインテリアにカウンターとテーブル席、個室を設けた空間11月1日から会員を募集して、わずか1カ月で400人を突破した【熊の焼鳥 中目黒】。現在は非会員の予約も受け付けていますが、会員優先のため予約困難になりつつあります。狙い目はオープン直後16:30からの時間帯だそう。「定期的に訪問したい」「限定メニューが食べたい」方は会員登録がおすすめです。入会金は、入会した店舗のみ利用できるビギナー会員が5,000円、展開する全店舗を利用できるブラック会員が15,000円。いまなら期間限定価格として、入店時に登録すればビギナー会員は2,000円、ブラック会員は7,000円に! 年会費は3,000円となっています。予約、入会ともに公式アプリ、公式LINE、電話で受け付けています。東京2号店、さらに海外進出も計画中の【熊の焼鳥】は、今後の展開も注目の的。来夏頃は完全会員制に移行する予定という中目黒、一度は足を運ぶ価値ありです。熊の焼鳥 中目黒【エリア】学芸大学【ジャンル】焼鳥・串焼き【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】8,001円~9,000円【アクセス】中目黒駅※料理はすべて税抜き価格です※最新の営業時間等は直接お店にお問い合わせください
2020年12月22日料理を手掛けるのは【ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション】出身のシェフトップシェフが監修した、オリジナリティあふれるメニューも楽しい!ちょい飲みにも、しっかりディナーにもぴったりな使い勝手抜群の空間料理を手掛けるのは【ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション】出身のシェフ新橋駅の烏森口からSL広場を抜け、烏森神社へ向かう脇道に入ると、提灯や暖簾をかけた店が軒を連ねる一角があります。T兵衛ならずとも引き寄せられる、その細い路地に登場したのが【STAND BY Mi】。オープン間もないにも関わらず、早くも連日大盛況です。人気の理由は料理にありました。名店仕込みのクオリティ、しかも驚くほどリーズナブル!昭和の趣が漂う路地裏に、違和感なく馴染む佇まい。エントランス入ってすぐには6人掛けのテーブル席があるはじめの1杯とともにいただきたいのは、『ひと口おつまみ』。シーズンメニューを含めて10種類ほどのラインナップはすべて250円! しかも『3種盛り』にすると、おまかせの3品が楽しめて700円と嬉しいプライスに。お値段以上に、サーブされた料理を目にして口にしたら驚くはず。『ひと口おつまみ 3種盛り』手前から時計回りに『サバタルト』、『レバームース』、『トマト トマト トマト』。1品各250円、3品を盛り合わせにすると700円に(すべて税抜)『サバタルト』はカリッと焼いた食パンにラタトゥイユ、炙りしめさばを重ねて、オリーブとエディブルフラワーを散らして。素材それぞれの相性のよさ、食感のコントラストがひと口で楽しめるフィンガーフードです。『レバームース』は鶏レバーを使い、コクはしっかりと生かしつつ、クセなく仕上げています。それを南部せんべいに塗って、いちごジャムをソースにして。遊び心が何とも楽しい。『トマト トマト トマト』は選りすぐりのさまざまなミニトマトに、オリーブオイルと塩、胡椒をプラスしただけ。素材の良さをストレートに味わえる一品です。テクニックと創意工夫が光るメニューは、料理長の北山海さん、副料理長の高橋良磨さんが手掛けたもの。お二人はともに、フレンチの名店【ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション】で修業した経歴の持ち主です。同じ厨房で肩を並べていただけあって、息もぴったり。『貝だし醤油ラーメン』〆に欲しくなる麺・ご飯ものは、飲み食いしたあとにも嬉しい少なめのポーション。『貝だし醤油ラーメン』430円(税抜)王道フレンチ出身のお二人から、意外性のあるメニューが繰り出されます。〆の一品として人気が高いのは、なんとラーメン! 貝の旨みがぎゅっと凝縮したスープには、熊本の製麺所から取り寄せた全粒粉麺を合わせています。具材は低温調理でしっとりと仕上げたチャーシューに、シャキシャキの生玉ねぎをアクセントに添えて。この時期に食べたくなるおでんも、季節限定メニューとして登場します。これまた、コンソメにポルチーニソースや柚子胡椒バターなどを駆使して、ひと味もふた味も違うものに作り上げているのがこちらならでは。新橋の立ち飲み×フレンチの融合に唸らされる料理ばかり。トップシェフが監修したオリジナリティあふれるメニューも楽しい!垂涎の逸品はまだまだあります。メニューリストには「トップシェフレシピ」というカテゴリが。【CRAFTALE】大土橋真也さん、【TREIS】河島英明さん、【The Burn】米澤文雄さんという錚々たるシェフ達が監修した品々がいただけるのです。『フレンチチキン南蛮』中目黒のモダンフレンチレストラン【CRAFTALE】の大土橋シェフが考案。480円(税抜)【CRAFTALE】大土橋シェフは、宮崎県のご当地料理「チキン南蛮」をアレンジ。フランスの揚げ物・ベニエのように衣はふわっさくっ、鶏肉はしっとりジューシー。白ワインを使ったタルタルにシェリビネガーと醤油を合わせたもの、2種類のソースをかけて奥行きある味わいに。『牛ほろほろ肉』【ボニュ】で腕をふるい、現在は完全会員制イノベーティブレストラン【TREIS】の河島英明シェフによる一品。780円(税抜)【TREIS】河島シェフが考案したのは、『牛ほろほろ肉』という名の通り、口の中でほろりとほどける牛ほほ肉の一皿。牛ほほ肉の塊をフォン・ド・ヴォーとブランデーでじっくりと煮て、とろけるような柔らかさに。煮汁は煮詰めてソースにして、そこに抹茶をかけて。濃厚な味わいに抹茶の香りとほろ苦さがふわりと広がります。さらに、【The Burn】米澤シェフは『BBQスペアリブ』(680円)という豚スペアリブにスパイスを効かせたパンチのあるメニューを手掛けています。カジュアルなのに本格派、しかも立ち飲み価格…! ここでしか出会えないメニューは必食です。ちょい飲みにも、しっかりディナーにもぴったりな使い勝手抜群の空間ドリンクも個性豊かなものばかり。名物ドリンクはこの3つです。左から『烏森ハイボール』580円、『SBMビール』580円、『大人のすっきりファンタぶどう』480円(税抜)シェリー樽で熟成させた香り高い『烏森ハイボール』、オレンジの自家製シロップをビールに加えた『SBMビール』、赤ワインを炭酸で割った『大人のすっきりファンタぶどう』。どんな料理にも合い、口当たりも抜群!『アラモスカテナ マルベック』、『マルケス・デ・リスカル テンプラニーリョ』、『グランポレール 余市ケルナー』など幅広い品揃えワインはフランス、イタリア、スペイン、アルゼンチン、ジョージア、日本…と産地はさまざま。グラスは430円~、ボトルは2,980円~から揃い、必ず好みの1本が見つかりそう。ノンアルコールワインや天然ハーブのソーダ割り、瀬戸内レモンスカッシュなど、ノンアルドリンクも充実しているので、お酒が飲めなくてもご安心を。メインのカウンタースペース。厨房を目の当たりにするライブ感も醍醐味の一つカウンター下には、荷物が掛けられるフックとコンセントを設置している入れ替わり立ち替わり人々が訪れるのは、料理とお酒以外にも魅力があるから。立ち飲みスペースとなる長いカウンターの下には、荷物が掛けられるS字フックといざという時に携帯電話を充電できるコンセントが設置してあります。0次会やアペロに、はしご酒の締めくくりに、軽ーく1杯のひとときにも落ち着ける居心地のよさなのです。カウンター奥には、ハイスツールのテーブル席が3卓1,2人でちょい飲みを楽しんでもいいし、エントランスを入ってすぐと店内の奥にはテーブル席もあるから、気の置けない友人としっかり食事を満喫することもできます。さらに、この烏森神社エリアに【烏森百薬】と【新橋二丁目九番地 らんたん】という系列店があります。徒歩数十秒という近距離にある2店舗の料理をオーダーしてもOK。こちらへ出前してくれるから、あれこれ食べたくなってしまう欲張りにはたまりません!左から、料理長の北山海さんと副料理長の高橋良磨さん【STAND BY Mi】がある路地裏。赤提灯がぽっと灯り始めると、行き交う人々も多くなる【ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション】から立ち飲み居酒屋の厨房へ。環境ががらりと変わったことについて「自分がやりたいと思ったことを形にできるようになった」「カウンター越しに、お客様の反応がダイレクトに伝わるのが嬉しい」と口々に語る北山さんと高橋さん。その熱量と自由闊達さ、さらに確かな技術から、生み出される料理を求めて、1人でも誘い合わせても訪れたい路地裏の最新店です。STANDBYMi【エリア】新橋/汐留【ジャンル】ビストロ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】3000円【アクセス】新橋駅 徒歩1分※最新の営業時間に関しましては、直接お店にお問い合わせください
2020年12月16日まずはクラシックとモダンが融合したフランス料理を気軽に楽しもう日本の新しい魅力を感じたいなら、イノベーティブなコースをティータイムだけのスイーツも見逃せないまずはクラシックとモダンが融合したフランス料理を気軽に楽しもう大手町駅から徒歩数分。2020年に開業した「丸の内テラス」に、注目のレストランがオープンした。10階に上がり、エントランスに向かう。目に飛び込むのは天井の高いガラス張りの開放的なレストランだ。オーストラリアの有名デザイナーが手がけたという内装は、ボーダレスなモダンさが混ざり合い、グローバルな美意識が満ちている。日本の大企業や外資系ホテルの高層ビルが立ち並ぶ東京のど真ん中のロケーションもあるのだろう。このご時世でありながら、外国人客を含むエグゼクティブたちが談笑し、ビルの窓が作り出す夜景に囲まれた店内は、ニューヨークのフィフスアベニュー、あるいは香港のセントラルあたりの、シックなレストランのようだ。10Fのダイニングフロアこちらのレストランは、【アポロ】【ロングレイン】などを手がける「トランジットジェネラルオフィス」のフラッグシップレストラン。シェフを務めるのは同会社のコーポレイトシェフだった徳山亨氏。そこに、パートナーシェフとして、大阪の人気フレンチ【ラ・シーム】の高田裕介シェフを迎え、今のTOKYOを表現する料理を提供している。料理のテーマは「旅」。日本経済の中心でもあり、さまざまなカルチャーが交錯する国際色豊かな東京の中心地というエリアで、世界を旅しているような気持ちになれたら、という思いが込められている。ランチもディナーもコースのみではなく、アラカルトや1品でも楽しめるという自由度の高さがいい。まずは気の合う仲間で訪れ、気になる料理をアラカルトでチョイスし、シェアしながら楽しむのがおすすめだ。ディナーアラカルトメニューから。『ティアン・ド・クルジェットーズッキーニの重ね焼きー』料理の骨格はフランス料理。高田シェフ自らが探してきた日本全国の確かな食材を生かした、クラシックな技法で丁寧に料理しながらモダンに仕立てたものがメニューに並ぶ。そして、それぞれの料理に、ゲストが思わず笑顔になってしまうような仕掛けや思いが随所に散りばめられている。ディナーアラカルトメニューから。炭焼きの『天草ホロホロ鳥』例えば、『ティアン・ド・クルジェットーズッキーニの重ね焼きー』という料理。ティアンとはプロバンス地方の、野菜を重ねてオーブン焼きにした素朴な郷土料理だ。それを数ミリ単位でスライスしたズッキーニを重ね、その間にタイムとにんにくの風味のオイルを挟み、周りに細かくしたパン粉をつけ焼き上げ、ミントとバジルのソースを添えた美しい料理に変身させている。店内のチャコールオーブンで、豪快に一羽丸ごと焼き上げるホロホロ鶏は、シンプルに塩だけで調理されテーブルに登場し、ほろほろ鶏のだしをベースにしたソースが添えられる。ここには、ちょっとした遊び心が。ゲストは香草を束ねたブーケをソースに浸し、自分で肉にソースをつけながら食べる仕掛けになっているのだ。このソースを塗る、という行為がなんだか工作をしているようで楽しい。日本の新しい魅力を感じたいなら、イノベーティブなコースをちょっとグルメな女性とご一緒する日などは、ぜひディナーコースを予約して。コース料理はアラカルトとはまったく違う表情で、今の日本の食を表現している。こちらは一皿ずつ1人のポーションで、日本の旬の食材や昔ながらの食材、食文化をイノベーティブな料理として表現している。ディナーのコースから『秋刀魚のスティック』(左)、『マッシュルームのタルト』(右)たとえば、最初に出てくるのは鯉のスープ。「僕が育った福島では、昔から馴染のある魚だけれど、どうしても”どろ臭い”などのネガティブな印象も拭えない食材。けれど、ちゃんとした鯉は、こんなにもクリアでおいしい食材だいうことを知って欲しくてコースの最初に出しています」と徳島シェフは思いを語る。そのほかにも、『なまずのリゾット』や『エゾジカのロースト』など、メジャーではないジビエや川魚を大胆に登場させている。「食べたことがない、もっといえば食わず嫌いの人もまずは食べて欲しい」と徳山シェフ。その新しいおいしさに、まだまだ知らない日本の食材をもっと知りたくなるに違いない。シェフの徳島亨さん。ホテル日航東京(現ヒルトン東京お台場)のモダンフレンチレストラン「テラス オン・ザ・ベイ」他を経てトランジットジェネラルオフィスコーポレートシェフに就任。2020年11月【THEUPPER】シェフに就任一方ランチもまた、ディナーとは全く違う様々な“旅”感を味わうことができる。しっかり食べたいときには、『黒毛和牛の赤ワイン煮込み』など、クラシックなフランス料理のランチセットを頼むのもよし。大阪【ラシーム】の味を大阪に行かず食べたい!という人は、同店とまったく同じカレーライスを注文するもよし。ちょっと軽くエスニックなものを、という人にはマレーシアの郷土料理ラクサをフレンチ風にアレンジした麺や、高田シェフ特製魯肉飯などがおすすめだ。ティータイムだけのスイーツも見逃せない!そしてこちら、“ちょっとお茶しに行く場所”としても覚えておきたいアドレス。ティータイムには、高田シェフ考案のパフェやモンブランなど、トップシェフが作り出すティータイムだけのスイーツが食べられるのだ。例えば、この日の『季節のパフェ』は、なんと、大阪の“飴ちゃん”を季節のフルーツを使いながら、パフェとして表現!ティータイムにオーダー可能な『季節のパフェ』。この日はカシスやりんごなどの6種類のムースに、キャラメルのアイス、アニスの香りのメレンゲなどを重ねて飴ちゃんに見立てたボンボンは、カシス、オレンジ、紅茶、りんご、レモン、柿などのムース。その下にはキャラメルアイス、生クリーム、クランブル、メレンゲが重なっている。見た目はボリュームあるけれど、ムースがそれぞれふわふわで軽やか、果物の香りと甘みを生かしたものだから、するっとお腹におさまっていく。長いスプーンを下まで入れて、すべてを一緒に食べてみれば、「サクッ、フワ、シャリ、トロ」食感のしあわせのハーモニーが口に広がりたまらない。10Fには広いテラス席も。冬はクローズしているが、春から秋にかけては、いつでも気持ち良く過ごせるオススメの場所そして最後に。旅気分を味わえるのは、料理だけではないこともお伝えしたい。こちらのバーテンダー谷田歩氏がつくるカクテルでも世界各国への旅気分が味わえる。昼下がりの午後、ノンアルコールのレモンバーベナのさわやかな香りがきいたピニャコラーダを片手にテラスに出ればマイアミあたりにいる気分だし、夜、どこかで食事をしたあとに一杯だけこちらのバーで「ロックホール・フレンチマティーニ」(なんと、ロックフォールチーズを漬け込んだウオッカをつかっている!)で〆ればニューヨークか上海のバーでくつろいでいる気分になる。はっとさせる、素材の組み合わせが楽しいカクテル。ノンアルコールからショートカクテルまで多種ラインナップここは、一歩足を踏み入れば旅へ連れて行ってくれるレストラン。1日のどんなシーンでも、思いついたらふらりと訪れて、つかの間の非日常を味わってみてはいかがだろうか。【THE UPPER】店舗詳細情報電話:03-5962-9909住所:東京都千代田区丸の内1-3丸の内テラス9F10F営業:11:30~14:00(ランチL.0.)、14:30~15:00(TEA&SWEETS)、18:00~22:00(ディナーL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)定休日:日曜・祝日(※但し日曜日が祝前日の場合は営業)※最新の営業時間に関しましては、直接お店にお問い合わせください
2020年12月11日