美しい庭園に佇む茶室でひと味違う茶の湯を楽しむ界 出雲では、茶の湯を極めた松江藩主、松平不昧公からのお作法で一服のお茶をご亭主がたててくださいます。茶室の設えやお茶のお作法、松江の茶の湯文化などの話がとても新鮮。お茶の回し飲みは戦の前の契り、懐石は当時1日2食だった武士が石を懐に入れてしのいだのが始まりと興味深いお話も次々に出て、時間がたつのを忘れそう。茶の湯体験は無料で楽しめるおもてなしです。竹の揺れる中庭では竹あかりや野点も「星野リゾート界 出雲」には、茶室の佇む日本庭園と笹の葉が揺れる竹の中庭があります。天気のよい日には、この中庭で野点を楽しむことも。茶室とはまた違う、自然の中での一服がまた心地よい。日が落ちると、そんな竹の中にあかりが灯され、なんとも幻想的な竹あかりが登場。特別な催し「神楽」の始まるまでのひと時の時間を楽しめます。心ゆくまで非日常を味わって。取材・文/小野アムスデン道子スポット情報スポット名:星野リゾート界 出雲住所:島根県松江市玉湯町玉造1237電話番号:0570-073-011(9:00~20:00)
2017年08月29日歴史を感じられる「箱根旧街道」江戸時代から残る箱根の旧街道。箱根湯本の駅からバスに乗り「箱根支所前」で降りるとすぐ近くに旧街道があります。箱根に来たら、1度は来てみたいスポットです。小田原から続いている旧街道で、元箱根から恩師箱根公園の500mは杉並木通り。幻想的な雰囲気です。普段は味わえない、荘厳な自然のオーラが感じられました。歩いていると、途中に茶屋を発見。トロりとした食感でとてもおいしい甘酒をいただきました。旧街道を歩いたからこそ飲める一杯です。春頃はまだ肌寒く感じるので、防寒具などを用意して行くのがおすすめです。スポット情報スポット名:箱根旧街道芦ノ湖に浮かぶ「鳥居」箱根の有名なスポットの1つが鳥居。芦ノ湖に浮かんでいる鳥居は、「平和の鳥居」とも呼ばれています。運が良ければ、鳥居越しに船が見られます。この鳥居から石段を通って箱根神社の本宮まで行けますが、石段は滑りやすかったのでスニーカーが正解でした。浄化スポットとして有名な参道は、龍の道とも言われています。夏でも雨が降ると肌寒いので、パーカーなどを持って行くと安心です。関東屈指のパワースポット「箱根神社」そして、箱根の代表スポットであり、関東屈指のパワースポットと言われているのが「箱根神社」です。箱根に来たら、ぜひ訪れたい場所ですよね。境内にある本殿は、九頭竜大神のパワーがあると言われていますが、思っていたよりコンパクトで可愛らしい印象でした。本宮以外の人気スポット「龍神水」や「安産杉」本宮以外にも人気なスポットが境内にあり、安産のご利益がある杉「安産杉」や、けがれた心を洗い流してくれると言われている「龍神水」なども人気です。箱根神社に来たら、ぜひ立ち寄りたいですね。また、箱根神社には、箱根の伝統工芸品である寄木細工のお守りがあります。「和合御守(なかよしまもり)」とも言われており、縁結びにも効果があるとか。ひとつひとつが手作りのため、世界にひとつだけの自分のお守りです。「箱根神社」の御朱印をいただくおしゃれなデザインの御朱印帳などが増え、御朱印集めをする女性が増えましたね。この旅でも御朱印帳を持って箱根神社に行ってきました。参拝の思い出におすすめです。箱根神社の御朱印は全部で3種類。今回いただいた御朱印「箱根神社」の他に「九頭龍神社」や「恵比寿様」もあります。箱根の歴史をじっくり味わう旅箱根には人気の観光スポットがたくさんありますが、旧街道と箱根神社は特に歴史を感じられる趣深いスポットでした。ホテルからも近かったので、この2カ所は行くことが出来て良かったと感じました。「星野リゾート界 箱根」で伝統工芸品に触れ、観光では歴史あるスポットをいくつも訪ね、存分に歴史を感じられる旅となりました。スポット情報スポット名:箱根神社住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1電話番号:0460-83-7123スポット情報スポット名:星野リゾート界 箱根住所:神奈川県足柄下(あしがらしも)郡箱根町湯本茶屋(ゆもとちゃや)230電話番号:0570-073-011
2017年08月08日「二条城」は徳川家康が旅の疲れを癒した場所1603年に完成して以来、様々な人々を迎えいれてきた「二条城(にじょうじょう)」。徳川家康が京都を訪れる際の宿として利用する目的で築城の指示が出され、西日本にいる諸大名たちによって実行に移されます。京都の街中にある「二条城」は、皇室の離宮や京都府の府庁としても役割を果たしてきました。家康ゆかりの城は、長い年月をかけ人々の暮らしを支える存在となっています。「二の丸御殿」は国宝にも指定されている観光スポット東大手門から入って右斜め前方向にあるのが、国宝にも指定されている「二の丸御殿」です。唐門と呼ばれる入口から中へ入ると、豪華な装飾が施された車寄が目の前に広がります。欄間に見えるのが、裏と表で絵柄に変化の付けられた細かい彫刻です。昔の職人たちによって作られた「二の丸御殿」には、現代の技術をもってしても追いつかないような手の込んだ技術が詰め込まれています。三種類ある庭園世界各国からも注目を集める存在に敷地が広いお城としても知られる「二条城」には、計3つの庭園が存在しています。江戸時代に作られたとされる「二の丸庭園」、明治時代に作られた「本丸庭園」、昭和に入ってから作られた「清流園」は、二条城にとって欠かせない存在です。2005年にはアメリカの専門誌で「清流園」と「二の丸庭園」が取り上げられたことから、世界中の庭園ファンからも注目の的となっています。敷地面積の広いので、歩きごたえ満点の観光スポット。京都を訪れる際は必ず足を運びたい、歴史的観光名所です。京都市営地下鉄東西線の二条城前駅下車。自然の多さも、四季の変化を感じるのにもぴったりの場所。家康が生きた時代に触れ合うことのできるお城です。スポット情報スポット名:元離宮二条城住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541電話番号:TEL 075-841-0096FAX 075-802-6181
2017年08月05日平安時代を象徴する歴史的建築「平等院」山号を朝日山と称し、現在は特定の宗派に属さない仏教寺院、「平等院(びょうどういん」。1052年(永承7年)関白だった藤原頼通が、父である道長から譲られた別業(別荘)を仏寺に改め、平等院としました。翌年の1053年(天喜元年)には阿弥陀堂(鳳凰堂)が完成し、平安時代の最高の仏師とされる定朝が制作した、丈六の阿弥陀如来坐像が堂内に安置され、華やかさを極めたといわれています。庭園や多くの国宝文化物と相まって、約1000年のときを超えて伝わる文化を体感できる、歴史的な場所です。平等院のメイン! 国宝「鳳凰堂」で歴史を感じる時の関白であった藤原頼通により建立された阿弥陀堂が、「鳳凰堂」です。池の中島に建てられており、極楽の宝池の上に浮く宮殿のような美しい姿が特徴。水面に映る姿を写真におさめる観光客も多く見られます。金色の丈六阿弥陀如来坐像、九品来迎図、極楽浄土図、52躯の雲中供養菩薩像などが配置された、堂内の豪華なしつらえに圧倒されるでしょう。時間の経過とともに色あせてしまったものが、鮮やかに彩色されていた頃を想像しながら見物すると、より深く楽しむことができます。「平等院ミュージアム鳳翔館」でじっくり勉強を2001年に開館した「平等院ミュージアム鳳翔館」は、1965年に竣工した宝物館の役割を受け継いだ、宗教法人初の総合的登録博物館です。史蹟名勝に指定されている庭園と調和するように設計され、数多くの宝物を一堂に展示しています。最新デジタル技術を駆使した復元映像によって、建設当時の鳳凰堂を見ることも可能。国宝の鳳凰1対など、見逃せない文化物をじっくりと堪能できます。「平等院ミュージアム鳳翔館」にはミュージアムショップが併設されており、お土産にもなるオリジナルグッズが豊富。また、境内に日本茶専門店の茶房藤花があり、本格的な宇治茶を味わうことができます。歴史を感じながら、特別な一杯を楽しむのもいいでしょう。スポット情報スポット名:平等院住所:京都府宇治市宇治蓮華116電話番号:電話0774-21-2861 FAX0774-20-6607
2017年08月03日京都のメーカーが東京でふろしき文化を発信「ふろしき専門店 むす美」は、京都のふろしきメーカーが運営するふろしき専門店です。明治神宮前駅から多くの人で賑わう明治通りを新宿方面へ進んで、途中で一本路地を入ったところに店舗があります。一面がガラス張りになっているお店は、外からも色とりどりのふろしきが見えます。幅広い年齢層の女性に人気があり、ふろしきを使ったことがない外国人のお客様も多いそう。現代のライフスタイルにあった「ふろしき」の魅力をモノ+コトとして発信する拠点として注目を集めています。伝統柄やコラボ柄も!「むす美」の種類豊富なふろしき店内に足を踏み入れると、壁一面に色とりどりのふろしきがディスプレイされている様子が鮮やか。むす美で取り扱っているふろしきは、なんとその数約500種類!ふろしきと聞くと唐草模様などの伝統柄が思い浮かびますが、ここにあるふろしきの種類は伝統柄だけでなく、グッとくる可愛い柄がたくさん揃っています。また、デザイナーとコラボしたシリーズもあり、品揃えは個性豊か。型染アーティストkatakata(松永武・高井知絵のユニット)とのコラボによる、愛らしくも愉快な動物たちのふろしきは、お弁当を包むのにもぴったり。ユニークなデザインが国や世代を越えて人気です。ふろしきの使い方は多種多様、新たな発見が「ふろしき専門店 むす美」の店内には、様々な形に結んだふろしきが飾ってあります。ふろしきの使い方は多種多様であるということが分かります。サイズも色々あり、小さなものは子供のお弁当箱包み(約48㎝)に、大きなサイズ(約100㎝~)はそのままタペストリーにするなど、インテリアの一部としても楽しめます。ふろしきはシーンを選ばず、その日に着る洋服によって使い方をアレンジすることが可能。撥水加工のふろしき「aquadrop」は、アウトドア・雨の時にも使える撥水加工が施されています。濡れた傘を包んだり、急な雨除けにバッグを覆ったりするのにも便利です。13種類のデザインがあり、カラーやテイストも幅広く展開中の人気のシリーズです。毎月3回『ふろしき講習会』を開催しており、ふろしきの便利な使い方が学べます。結び方次第でバッグにもカンタンに変身するので、是非マスターしてみてください。「ふろしき専門店 むす美」を訪れれば、ふろしきは現代でも様々な用途に使えるアイテムだということが分かります。日本の美しい生活文化を表現するふろしき。お気に入りを見つけて、日常生活に活用してみてください。スポット情報スポット名:むす美住所:東京都渋谷区神宮前2丁目31-8電話番号:TEL:03-5414-5678 FAX:03-5414-6788
2017年07月16日2月14日・バレンタインデー。1932年に神戸の洋菓子店「モロゾフ」が日本に初めてバレンタインの文化を持ち込み、実は今年で85周年を迎えます。日本のバレンタインの元祖ともいえるモロゾフは、今年もバレンタインのために豊富なラインナップを用意しています。この節目の年に、あなたの大切な人にもモロゾフのチョコを贈りませんか?日本初の「バレンタイン」が、85年の年月を経て…。2月14日のバレンタインデー。この日を知らない人はほとんどいないのではないでしょうか?バレンタインデーは、女性が意中の男性にチョコレートを贈る日として知られていますね。最近では「義理チョコ」や「友チョコ」など、意中の男性に贈るいわゆる「本命チョコ」以外にもさまざまな贈り方が広まってきています。このバレンタインデーが日本に伝わってきたのは1932年のこと。実は、今年2017年で85周年を迎えます。第2次世界大戦よりも前、テレビもまだなかった頃に伝わってきたものが、長い年月を経てこのようなひとつの大きな文化になったんですね。戦争の足音が近づくなかで生まれた、日本のバレンタインデー。日本にバレンタインの文化を持ち込んだのは、神戸の洋菓子店「モロゾフ」。1932年に、日本で初めてバレンタインチョコレートを発売しました。モロゾフの創業者が、アメリカ人の友人を通じて2月14日に贈り物をする欧米の習慣を知ったことがきっかけでした。当時のカタログには、「ヴァレンタインの愛の贈物は『ブーケダムール』『スイートハート』」という言葉が。ハート型のチョコレート容器にファンシーチョコレートを入れた「スイートハート」や、バスケットに花束のようなチョコレートを詰めた「ブーケダムール」が紹介されています。そして、"バレンタインの広告"というものを日本で初めて打ったのもモロゾフでした。1936年に英字新聞「ジャパンアドバタイザー」に掲載したものが最初だと言われています。当時のモロゾフが、いかにバレンタインの文化を広めようとしていたかがうかがえますね。第2次世界大戦の足音が近づくなか、モロゾフは愛とロマンに満ちたメッセージをチョコレートに託し、発信し続けていたのです。「モロゾフ」公式HPはこちらさて、この節目の年に、あなたも大切な人にモロゾフのチョコレートを贈ってみてはいかがでしょうか?さすがは日本のバレンタインの元祖、モロゾフのバレンタインチョコはとても種類が豊富なんです。そのため、すべてのシリーズをご紹介…とは残念ながら言えないのですが、一部だけご紹介します。2017年登場の新シリーズ2種 「MON CCEUR」「TEA BAR」それではまず、今年初登場の新シリーズ2種から!◆「MONCCEUR(モンクール)」バラのブーケをパッケージにあしらった、上品でエレガントなギフトチョコレート。「モンクール」は、フランス語で「私の心」という意味。そして、ご存知の方も多いとは思いますが、バラの花言葉は「愛」です。バレンタインならではの、気持ちがいっぱいにつまった商品ですね。「MON CCEUR(モン クール)」商品ページはこちら◆「TEABAR(ティーバー)」紅茶の香りとショコラの味わいのマリアージュ(組み合わせ)を楽しめる、おしゃれで愛らしい詰め合わせ。甘いときめきと、優雅なやすらぎを運びます。「お気に入りの紅茶専門店で過ごすひとときのように、大切な人と幸せをわかち合う」ことをイメージした商品だそう。限定店舗のみでの発売になるので、購入する際はモロゾフの公式HPで発売店舗をチェックしてください。「TEA BAR(ティー バー)」商品ページはこちらコラボ商品や、子どもたちと楽しめるものも!◆「Beetle(ビートル)」車メーカー「Volkswagen(フォルクスワーゲン)」とモロゾフのコラボで生まれた商品。初代登場から約半世紀以上が経った今も男女問わず高い人気を集めている「ビートル」をそのままチョコレートに。愛らしさもそのままで、大人たちのハートを甘いドライブへと誘います。2017年は「クラシックビートル」モチーフに加え、「フォルクスワーゲンバス」シリーズを新たに導入。魅力に磨きをかけ、フォルクスワーゲンファンのさらなる期待に応えます。商品によってはミニカーも付属しており、ファンにはたまらないシリーズです。「Beetle(ビートル)」商品ページはこちら◆「Alex&Michael(アレックスアンドマイケル)」幼い兄弟・アレックスとマイケルのピュアな世界、そして彼らが暮らすアメリカ西海岸のセレブリティな世界観を表現した、マリンテイストで愛らしいシリーズ。テディベアモチーフやマリンテイストなど"子供たちの夢の世界"を愛らしくキュートに繰り広げつつも、高級感と上品な雰囲気も漂わせます。すべて洋酒不使用なので、子どもたちとも安心して楽しめます。「Alex&Michael(アレックス アンド マイケル)」商品ページはこちら大人な人に似合うチョコレートも。◆「LEON(レオン)」上質なクラシックホテルでくつろぐような、ラグジュアリーなひとときをイメージ。こだわりの美意識を持つお洒落な大人に贈りたい、スペシャルシリーズです。高級感あふれるシックなボックスにスタイリッシュなチョコレートが詰め合わせられています。洗練された風采の中にさらりと漂う遊び心、この大人さは他のシリーズとは一味違います。「LEON(レオン)」商品ページはこちら◆「gemRouge(ジェムルージュ)」大人の女性のクールで知的な美しさと、内に秘める華やかな愛らしさを表現したシリーズ。赤を基調としており、チョコレートのダークな色味の中に鮮やかなアクセントを添えています。華やかな輝きとともにある、洗練された静けさ。大人の女性が秘める「情熱と知性」を、赤と黒の世界で表現しています。「gem Rouge(ジェム ルージュ)」商品ページはこちら大切な人に、あなたはどんなチョコレートを渡しますか?モロゾフのバレンタインチョコレート、いかがでしたでしょうか?バレンタインへの思い入れが特に深いモロゾフからは、今年もこだわりの品々がずらり。ぜひモロゾフのお店やオンラインショップをチェックして、あなたの大切な人にぴったりのチョコレートを見つけてください!「モロゾフ」公式HPはこちら「モロゾフ」公式オンラインショップはこちら
2017年01月21日文化服装学院の文化祭「游於藝(げいにあそぶ)」が、2016年11月3日(木)から5日(土)まで開催される。文化祭中は、図書館の一般開放や特別展示、ワークショップなどを行っており、注目イベントが目白押し。ファッションプレスでは、いくつかのトピックをピックアップして紹介する。文化祭のメイン、毎年2万人の来場者を誇るファッションショー文化祭のメインとなるのは、毎年2万人の来場者を誇るファッションショーだ。2016年は「KIZASU きざす」をテーマに、9つのシーンを設けてショーを披露する。詳細記事はこちら>> 「文化服装学院の16年ファッションショー、文化祭「游於藝」で開催」約33万冊の本が揃う図書館が一般開放に!図書館には、貴重書籍を含めて約33万冊の本を用意。フロア内には11万冊の本がずらりと並んでいる。まず、入口右側にはファッション雑誌のコーナーがある。海外と日本のものをあわせて約1000タイトル近くが並び、過去に刊行されたものもアーカイブ資料として揃う。奥には、デザイナーの自伝やこれまでの作品写真を揃えるデザイナー書架、デザンインスピレーションとなる書籍をセレクトしたビジュアルブックスコーナーなども設置。ここだけでしか出会えない本も多い。また、文化祭期間中は「メンズ古今東西」と題した資料展示を実施。雑誌『ポパイ』が創刊40周年、『メンズノンノ』が創刊30周年など、多くの雑誌が節目を迎えるこの年にふさわしい題材だ。中世から近世にかけては、17~19世紀のヨーロッパ各国や日本で発行された貴重資料を紹介。西洋の軍服や武士和装についての書籍が揃っている。一方、近現代のものについては、海外や日本のメンズファッション誌が展示されており、こちらは実際に手に取って見ることができる。世界でも珍しい資料が揃う文化学園服飾博物館文化学園服飾博物館では、“「衣」を通して世界の文化を知る”をテーマに日本だけでなく、アジアやヨーロッパの様々な衣服や染織物を公開している。また、同館の展示に加えて所蔵品を国内外の美術館・博物館に貸し出すなど、「衣」を通した文化交流にも取り組んでいる。なお、1年を通して世界を網羅できるよう、年間で約4回の展示替えが行われる。現在は「日本人と洋服の150年」展を開催中。江戸時代、西洋文化の影響を受けだしたころの和服や、鹿鳴館時代に登場したバッスルスタイルの貴重なドレスなどが展示される。また、仕立ての教本などの歴史書籍も紹介され、その時代日本人が抱いていた洋服への向き合い方の変遷も追える。昭和後期になると、日本人デザイナー海外進出の先駆けとなったケンゾー(KENZO)はもちろん、イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)らが登場する。そのほか、本展ではパリコレクションデビュー前のコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)デザイナー川久保玲の作品も公開されている。文化学園ファッションリソースセンター文化学園ファッションリソースセンターは文化学園大学と文化服装学院の付属機関として1999年に開設。センター内は資料室と企画室の2部門で構成。資料室はテキスタイル・映像・コスチュームの3つに分かれている。文化祭期間中は、各資料室を公開すると同時に学生作品展示販売&ワークショップ「Studio Oeuf 2016」が開催される。テキスタイル資料室は“布地の図書館”。8,000点ほどの生地を取り揃えている。生地見本は、これまでコレクションに実際使用された履歴や産地で分別してデータ保管されいる。これら資料は、色柄のイメージからほしいものを検索して実際に手に取ることが可能だ。また、素材の特徴なども詳細に明記されているので、同時に各生地の特性なども把握することができる。70年余り服飾関連資料を蓄積したコスチューム資料室は、日本唯一のスペース。各時代のアイテムをジャケット、ワンピース、フォーマルといったカテゴリーに分け、時代の流れを追うような形で資料を保管している。また、歴代「装苑賞」受賞作品もここに存在する。そのほか1960年代のシャネル(CHANEL)スーツやバーバリー(BURBERRY)初期のトレンチコートなど貴重資料も揃うため、企業からの来訪者なども多くいるという。映像資料室では、パリコレクションなどファッションを中心とした映像資料を保有している。1946年以降の約15万枚の写真のほか、過去のコレクション映像も実際に見ることができる。F館の地下1階で行われている学生作品展示販売&ワークショップ「Studio Oeuf 2016」では色とりどりの雑貨が販売されている。自由な発想に満ちたデザインは、暮らしに彩りを添えてくれそうだ。Ⅱ部ファッションショー「△+□=○ みんなのさんすう」それぞれの個性が際立つⅡ部(夜間部)のファッションショー。テーマは「△+□=○ みんなのさんすう」。Ⅰ部のファッションショーより規模は小さいものの、音楽や照明などの演出を全て学生が手掛けるという点は同じ。合計100体を超えるルックが登場するランウェイはポップから、ストリート、クラシック、エレガントまで多様なムードに移り変わり、全員の個性をプラスしていくことで観客を楽しませる。学生たちのクリエーションを肌で感じられる展示それぞれの館内では、各科に分かれて学生たちが自分たちのクリエーションを発表している。例えば、D館地下1階にあるコンピューターニット実習室のニットデザイン科の生徒たちによる展示。ここでは実際に授業で用いている機械を使って製作したバッグやポケットティッシュケースなどを景品とした、くじ引きを行っている。なお、これら機械は実際に工場でも使われているもの。同校ではプロが用いている機械すべて揃え、より実践的な授業ができるように設備が整えられている。開催概要文化服装学院 文化祭「游於藝(げいにあそぶ)」開催日:2016年11月3日(木)~5日(土)場所:文化服装学院住所:東京都渋谷区代々木3-22-1
2016年11月06日文化服装学院の文化祭「游於藝(げいにあそぶ)」が、2016年11月3日(木)から5日(土)まで開催される。文化祭の中でも毎年2万人以上が訪れるファッションショーは、多くの人を魅了する注目コンテンツ。国内外の企業、繊維団体、産地、そして商社などから素材を提供してもらい、デザインから縫製までを学生と教員が一体となって行っている。今年は物ごとが始まる予感、心の動きを表現する「KIZASU きざす」をテーマに、9つのシーンを設けてショーを披露した。「VERSUS 本能的強さ」ショーの最初を飾ったのは「VERSUS」戦う男たちの強さをテーマに、ワイルドで迫力満点のメンズウェアを提案した。鹿革を使用したジャケットとコートがメインのミリタリールックからは、男性の本能的な強さが感じられる。ダメージ加工だけでなく、錆やメタルを表現した大胆なディテールが目を引いた。「LOOK ME! 編みこまれた誘目」「LOOK ME!」と銘打ったニットのシーン。まさにその名の通り“目立ちたい”と言わんばかりのカラーで、蛍光色や鮮やかなイエローを多用している。ニットの中に綿を詰め込んで立体的に表現したり、フリンジ上に糸を揺らしたり、ニットとは思えないほどの表情の豊かさが印象的であった。「OOPS」わたしの中にたくさんの遊び心が洋服となって動きだし、沢山の笑顔と驚きを作り出す。それがシーン6で登場した「OOPS」。幾枚ものシャツを段々に重ねて、デフォルメしたパンツに大量のシャツを詰め込んで……。オリジナルのテキスタイルとしてギンガムチェックと白を使い、面白さとかっこよさをマッチさせた。「Blue period 才能の意味を問い、私達は紡ぐ トリビュートとして」ピカソが青の絵の具のみを使用して、暗い雰囲気の絵を描いた時代がここに蘇った。「Blue period 」では、カイハラ提供のオンスも濃淡も異なるデニム使いと巧みなハンドワークでデザインを構成。洋服には絵画が立体的に描かれていて、人物像や神秘的な太陽がほほ笑んでいる。「flash trap 奴らの強烈的な自己主張」忌野清志郎からインスピレーションを得たという、ド派手なメンズスーツを提案した「flash trap」がランウェイの最後を飾った。ベルボトムやタイトなシャツ、ジャケットでスタイリング。強烈な光を放つカラーサテンやレースをオリジナルの奇抜なプリントで彩り、キラキラ輝く小物やディテールで、男性らしさと共に色気を出した。開催概要文化服装学院 文化祭「游於藝(げいにあそぶ)」開催日:2016年11月3日(木)~5日(土)場所:文化服装学院住所:東京都渋谷区代々木3-22-1■ファッションショー「KIZASU(きざす)」場所:遠藤記念館大ホール開催時刻:10:00、11:30、13:00、14:30、16:00、18:00※最終日は16:00で終了。※所要時間 約30分。
2016年11月06日ファッションで世界を平和にしたいと願う世界一おしゃれなジェントルマン集団サプール(SAPUER)がコンゴから来日した。FASHION HEADLINEでは、サプールメンバーに日本の文化や粋を体感してもらおうと「THE Sapuer FASHION Journey in JAPAN」と題して、京都・祗園白川でシューティングを決行した。カメラマンは、写真集『THE SAPUER ~コンゴで出会った 世界一おしゃれなジェントルマン』を撮影した茶野邦雄氏。初めて訪れるという京都。揺れる柳と石畳が美しい祗園白川を訪ねたサプールは4人。朝早く大阪から車で京都入りしたサプールたちは、時折疲れた表情を見せるものの、カメラの前では表情が一変。クールに取材に対応してくれる彼らは、平和を願い、人に優しくあることを誇りとするサプールのメッセージを自らのスタイルを通じて伝えてくれた。思い思いにスタイリングした艶やかな、そしてエレガントな装いに身を包んだ彼らと向かった先は…。京都・祗園白川PASS THE BATON KYOTO GION実は、今回来日したサプールメンバーには、スイーツ好きが多い。日本の夏の涼菓と言えば「かき氷」ということで、今回はPASS THE BATON KYOTO GION内にある「お茶と酒 たすき」でかき氷を堪能。オーダーしたのは「キャラメリゼした無花果とプリン」(1,100円)「グレープフルーツヨーグルト」(1,100円)「抹茶みつ練乳付」(1,100円)と3つの味覚のかき氷。和洋折衷なスタイルでかき氷を愉しめるようにと、かき氷を盛りつける器とお盆のセレクトも秀逸。1客ずつ異なる器とお盆でかき氷を振る舞うという。サプールたちは、プリン好きとヨーグルト好きが多かったとみえて、プリンがふわふわの氷の中にサンドイッチされたかき氷と甘みと酸味の広がるグレープフルーツとヨーグルト風味のかき氷に夢中。最年長のゼブランさんは、抹茶味のかき氷がお気に召した模様。その後、PASS THE BATON KYOTO GIONの中にある色とりどりの雑貨や細い回路に吊るされた提灯に興味を持つサプール。一歩店の外に繰り出せば、足元からは自然にステップが繰り出される。突然のサプールの出現に驚きながらも、街ゆく観光客たちに写真撮影を頼まれれば快くそれに応じるサプール。どこまでも絵になる彼らは、ファッションを心の底から愉しんでいるようだ。きっと今頃も、日本から遠く離れたアフリカ、コンゴ共和国ではサプールだちがクールな装いで街を闊歩しているに違いない。彼らは世界中、どこにいてもサプールなのだから。京都の石畳の上で、颯爽と歩くサプールを見て、そんなことを思った。【取材協力】PASS THE BATON KYOTO GION住所:〒605-0085 京都市東山区末吉町77-6営業時間:11:00~20:00(月~土曜)、11:00~19:00(日曜祝日)お茶と酒 たすき住所:〒605-0085 京都市東山区末吉町77-6営業時間:喫茶 11:00~19:00、Bar 21:00~翌2:00(Barタイムのみ水曜定休)【写真集】タイトル:THE SAPEUR~コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン著者:茶野邦雄出版社:オークラ出版価格:2,700円【写真展】タイトル:アフリカ大陸コンゴの世界一おしゃれな紳士“SAPUER(サプール)”写真展日時:開催中~8月31日場所:沖縄県沖縄市久保田3-1-12プラザハウスショッピングセンターフェアモール3F ライカムアンソロポロジー入場料:500円(中学生以下無料)
2016年09月06日街中にある屋外広告にドラえもん 著者撮影バンコクを歩いていると日本語を見かけたり、テレビやラジオで日本ネタを観たり聴いたりする機会が多い。タイ人が話してるのを聞いていると『ジープン(日本)』という単語をよく聞く。ショッピングモールに行けば必ず日本食レストランがある。車に至っては大衆車はほとんどが日本車。それほどまでに日本が好きな国民らしい。アニメも『一休さん』、『ドラえもん』『コナン』等はかなりの人々が知っている。ドラマにしても日本をテーマにしたものも多い。YouTubeには日本のアニメのタイ語吹き替えが非公式にアップされていたりする。テレビドラマにしても日本を舞台にしたものも多いが、なぜかヤクザが出てくるストーリーが多い。街で見かける広告やお店に並ぶ商品のパッケージにも日本語を入れるのが、『イケてる』的な風潮があるのか、日本人から見たらちょっと吹き出してしまうようなものもある。某日系企業の商品パッケージにも日本語が記載されている商品があった。しかし、ちょっと訂正が必要なのには笑ってしまった。日本語にしても『ありがとう』、『おいしい』、『かわいい』、『キレイ』などは多くのタイ人は知っている。日本語の『凄い』は既にタイ語化されタイ語でも発音は若干違えど『スゴイ』という。お刺身にしても昔は『プラー・ディップ(生の肴)』と言っていたが、今では『サシミ』と呼ぶようになってきた。タイ語の単語でも日本語をそのまま使うようになってきている。日本でナンバーワンの洗顔フォーム「専科」だそう 著者撮影ラベルに「まのぶ」とある。何かの間違いだろうか? 著者撮影イケてるつもりだろうけど意味不明 著者撮影長音の書き方が横書きのままになっている 著者撮影 (text & photo : 中島貴義) 熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」その他の記事を読む>
2016年07月30日ローカルフードに親しむ、食の革命で注目されるアメリカ・オレゴン州のポートランド。そこで活躍する日本人女性シェフ、田村なを子さんは、食通の間でも人気のカリスマ的存在。とくに日本の和食文化を伝える「Bento」は人気です。先日、横浜で開催されたポートランドフェスタに来日した田村さんに、ポートランドの食事情、子どもたちに伝えたい食について、伺いました。「未来の子どもたちに、安全な食べものを引き継ぎたいんです」ポートランドでレストラン「Chef Naoko」を経営する田村なを子さんが、レストランをオープンさせたのは2007年。以来、地産地消の素材を使った和食を中心にしたナチュラル・オーガニック・キュイジーヌを展開してきました。デルタ航空の機内食も手掛け米国でも人気のシェフです。そんな田村さんが食にこだわるようになったきっかけは、自身がアレルギー体質だったことでした。安心、安全なオーガニック素材を食べることで体質も改善。自分の身体を通して、食をきちんと選ぶことの大切さを知ったことから、食へのこだわりが育っていきました、「ポートランドに住もうと思ったのも、娘の言葉がきっかけでした。当時9歳だった娘が一緒にポートランドに行った時、ここに住みたい!と言ったんです。それくらい、とても気持ちのいい場所に感じられました」親子でスタートしたポートランド生活。そこでまず始めたのは、生産者とのコミュニケーションでした。食通の街、ポートランドでキーワードとなっているのは、“ローカルフード”。つまり地産地消です。先日開催された「ポートランドフェスタ」の仕掛け人でもある、商い創造研究所の松本大地氏は、この街の食の背景について教えてくださいました。「世界でもレストランの多い都市として知られるポートランド。米国には世界中から食材が集まるニューヨークやサンフランシスコのような美食の街がありますが、なかでもポートランドはローカルフードが人気です。地域みんなで地元農家を支える仕組み、CSA(Community Support Agriculture)が根付いているのです」そんな都市で、田村さんが生産者とともにレストランのあり方を考えるようになったのは自然の流れといえるでしょう。田村さんは、地元の生産者のところに通って「どうやって自分の野菜を作ってもらうか?」を考えるところから始めたそうです。「協力していただいている生産者の一人、Ayers Creekのアンソニー・キャロルは、おいしい野菜を作るだけでなく、この街をどんなふうに創っていこうか? というところまで考えています。ですから私も食を通して、どのように和食文化を伝えようか、そんなことを考えながら生産者と一緒に素材作りをしてきました」 生きた食べものをとろうそしてもうひとつ、田村さんがこだわったのは「生きた食べものを届けたい」ということでした。「いきいきと新鮮な食べものは、食べたときに身体にプラスになるエネルギーを持っていると思うんです。食べるということは、生きた植物や動物の命を頂くことですから、目の前の食材に感謝する気持ちも生まれてきます。地元のとれたての野菜や、自然な環境で育てられた鶏、牛、豚。それらは自然食がもつ、食べもの本来の美味しさを持っていますよね。そういう食べものを、できれば子どもたちにも届けたいと思うんです。とくに子どもたちにとってアレルギーの原因となりがちな卵は、自然なものを選ぶようにしています。鶏がどんな餌を食べているか? 餌や育つ環境によって身体への影響も違ってきます」子どもたちのココロを育む、Bento文化を見直そう田村なを子さんがレストラン「Chef Naoko」で提供しているのは、素材にこだわり、手間ひまかけた和食キュイジーヌ。Bentoと呼ばれるお弁当ランチには、色とりどりの野菜やおかずが詰められて、ポートランドっ子にも人気です。そこには子どもを持つママたちにもヒントとなる美味しさがあります。「調理でこだわっているのは、手間ひまかけることを惜しまないということ。だしをとる、というのは和食の基本ですが、例えば野菜の煮物、卵焼きにも、だしを使って作ることで作り手の気持ちが伝わります。日本のお母さんたちも、昔からそうやって子どものお弁当に手間をかけることで、気持ちを伝え、子どものココロを育んできたのではないでしょうか。とくに子どもたちは身体が繊細ですから、言葉にしなくても五感で感じるものがあるはずです」と田村さん。 もちろん忙しいママにとって、お弁当に手間ひまかけるのは大変! かもしれませんが、ちょっと工夫すれば、だし取りは簡単です。前日の夕飯時にちょっと多めにだしを取り冷蔵保存しておけば、翌朝のお弁当にも活用できて便利ですよね。そして何より、色とりどりのおかずをバランスよく詰め込んだお弁当は、日本ならではの食文化。ママたちも、シェフのようなこだわりをもって、お弁当アートを楽しんでみてはどうでしょう。懐石弁当にインスパイアされた、ポートランド発のBentoは目にもおいしい。「料理は作る人から食べる人へのメッセージ。子どもたちの口福と健康を願って、お弁当作りを楽しんでみては」
2016年06月20日ミロク情報サービス(MJS)は、文化活動や環境・社会活動の一環として東京藝術大学が創設した「ユーラシア文化交流センター」の活動に賛同し、活動への支援を4月より開始する。東京藝術大学が創設した「ユーラシア文化交流センター」は、ユーラシア全体の文化遺産の保護・修復、複製制作、遺産活用に関する情報を集め、文化的発展に深く貢献する国際ネットワークの構築を目的としている。同大学では、元東京藝術大学学長 故平山郁夫画伯が、国際社会に訴え内戦の混乱時にアフガニスタンから流出してしまった文化財を数多く保護するなど、古くからユーラシア文化の保護に深く携わっている。現在同センターでは、2001年に爆破されたバーミヤン東大仏の天井壁画「太陽神と飛天」を同大が特許を持つ特許技術を用いて、原寸大で復元する世界初の試みが行われており、4月12日から6月19日の間に東京藝術大学美術館陳館で開催されるアフガニスタン特別展「『素心 バーミヤン大仏天井壁画』~流出文化財とともに~」(入場無料)で展示される予定。ミロク情報サービスは、「豊かな生活の実現」、「文化活動への参加」、「社会的人格の錬成」という同社の企業理念に基づき、「東京国立博物館」や「文化財保護・芸術研究助成財団」の支援を継続的に行っている。同社は、「ユーラシア文化交流センター」への支援を通じて、今後も文化遺産の保護など、様々な社会貢献活動を行っていきたいとしている。
2016年03月14日●シンガポール・台湾で駅弁販売を行った担当者の感触前編では、日本独自の食文化「駅弁」がなぜ国内に普及したのか、その背景について追ってみた。後編では、駅弁が「EKIBEN」として外国人に受け容れられるかどうかについて考えてみたい。公益社団法人「米穀安定供給確保支援機構」が開催した「日本の食文化『EKIBEN』とごはんの魅力」という説明会において、NRE大増(エヌアールイーダイマス)で商品開発部長を務める白木克彦氏が、外国人への駅弁訴求について、その糸口を示してくれた。ちなみにNRE大増は、JR東日本の飲食事業に携わる日本レストランエンタプライズ(NRE)のグループ会社。東京駅で販売される駅弁の製造や主要百貨店での弁当販売、スーパー・コンビニ用弁当の製造を手がけている。○国ごとの課題克服が必要NRE大増は、駅弁が海外に受け容れられるかどうか、試験的にシンガポールと台湾で販売を行った。その際の調理責任者が白木氏だ。試験販売とはいえ、日本で製造した駅弁をそのまま海外に持ち込んだわけではない。「日本で製造した弁当を海外に輸出するのは、食品の保存期間を考えると衛生的に難しい。現地で調理できるパートナーが必要になる」と、海外で駅弁を販売することの難しさを強調した。加えて“伊達巻きを卵焼き”にするといった、外国人の嗜好に合うメニューづくりにも苦労したと語る。結果、シンガポールでの取り組みは、“多彩な食材を彩りよく詰める駅弁”が逆に仇をなし、“食べられない食材が入っている”ことに抵抗感を示す客がみられた。また、本当にサンプル写真のように食材が入っているのか、たずねてくる客もあったという。一方、台湾での取り組みは、現地ではすでに駅弁文化が根づいており、事前のPRも功を奏したこともあって大盛況で終わったと報告した。台湾現地では2種類の駅弁を販売したが、さらなるメニューの拡充を求められた反面、多彩な食材調達によるコスト増をいかに抑えるかが課題になったと付け加えた。衛生面・コスト面はさておき、「EKIBEN」が海外に受け容れられるために克服しなくてはならない“文化の違い”が2点、白木氏のレポートから浮き上がってきた。1点目は、米飯が冷たくなってもおいしく味わえるのを理解してもらうこと。台湾では駅弁が根づいていると前述したが、その場で調理した温かい弁当が主流で、冷えてしまった米飯には慣れていない。だが、台湾では味については好評だったというから、食べてさえもらえればこの点は克服できそうだ。もう1点が駅弁ならではのパッケージングだ。ご存じのとおり、大半の駅弁が中身のみえないパッケージを採用している。そのため、何が食材に使われているのか外国人に伝わりにくく、シンガポールの例にみられたように“食べられない食材が入っているかもしれない”という理由から敬遠される可能性がある。また、店頭のサンプル写真と本当に同じように食材が詰められているのか、疑ってかかる客が生じることも考えられる。海外では、食品のサンプル写真と実際の中身が乖離している例が少なくない。“中身がみえないから”という理由で、手に取ってさえもらえない可能性があることも否定できない。コンビニ弁当のような透明パッケージにすれば、この問題をある程度は回避できるだろう。だが、日本人であれば“駅弁のフタを開ける瞬間のワクワク感”すら、旅の楽しみのひとつであると捉えるため、透明パッケージではかえって味気なさすら感じるのではないだろうか。駅弁は、サンプル写真と同じように食材が詰まっていることを、長い時間をかけて外国人に理解してもらうしかないだろう。●駅弁普及のための企業の取り組みさて、駅弁を「EKIBEN」として海外に売り出そうとする施策が活発化してきている。米穀安定供給確保支援機構だけでなく、日本の名だたる企業がEKIBENの推進に乗り出してきているのだ。その筆頭がJR東日本だろう。JR東日本とNREは、2015年10月にパリ・リヨン駅に「EKIBEN」の専門売店を期間限定で出店すると発表した。フランスは、かねてより和食の人気が高かった国。2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されてからは、その傾向がより一層加速した。こうした流れをEKIBENで捉えようとしたのがこの施策で、日本ではお馴染みの「幕の内折詰弁当」や「おにぎり弁当」のほか、フランスのシャロレー牛を使用したオリジナル弁当「パリ・リヨン弁当」などの販売を予定する。ちなみに、これらのメニュー開発を担当した調理責任者が前出の白木氏だ。だが、11月に発生したパリ同時多発テロにより、フランスに非常事態宣言が出された。その影響により、残念ながらこの施策は延期されたが、JR東日本もNREも、事態の終息をみて再度出店を試みる考えだ。○名物駅弁を訴求することで地元にインバウンドを呼び込む一方、国内を訪れるインバウンド観光客へ「EKIBEN」の啓蒙を行っているのが、駅弁最大手ともいえる崎陽軒。同社は外国人観光客向けに、英語表記のパンフレットを作成し、神奈川・東京を中心に展開している約150店舗での無料配布を実施した。「駅弁という、日本ならではの独自文化を海外の方たちにも旅行のひとつの楽しみとして味わっていただきたいと考えてこの施策を始めました」(崎陽軒・広報担当者)という。また、横浜名物として昇華した「シウマイ」を外国人に知ってもらうことで、観光地としての横浜の価値を高めるねらいもある。「インバウンド観光客が増加しているなか、横浜は決して優先順位の高い観光地ではありません。シウマイというメニューで横浜を訪れるきっかけにしていただきたいです」(同担当者)。アレルギー表示やイスラム法に合するハラール表示など、国内向けとは異なる対応が必要になると前置きしながらも、「今回の施策の反応をみて、さらなる多言語対応を検討していきたいです」(同担当者)とした。こうした外国人の理解を得られる取り組みが進めば、“食べられないものが入っているかもしれない”という不安が取り除け、中身がみえないパッケージでも手に取ってもらえるようになるのではないだろうか。●老舗イベント出展で知名度が全国区にさて、崎陽軒の「シウマイ弁当」は、駅弁からスタートしたのは確かだが、今ではその枠を越え“横浜名物”とまでいえる存在となった。駅での販売はもちろん、デパートやスーパー、自前のレストラン、横浜スタジアムなど販売チャネルは多岐にわたり、今やその知名度は全国区だ。このように、各地の駅弁がその土地の名物となり、全国に名が知れわたるかどうかが生き残りのカギともいえる。群馬県の横川・高崎で根を張る「峠の釜めし」や、北海道・森駅を発祥とし函館名物にまでなった「いかめし」などは、シウマイ弁当と同じく全国区への歩みをゆるぎないものにしている。では、どのように全国区になっていくのか。「峠の釜めし」も「いかめし」も、都内で行われているあるイベントの常連メニューとなっており、それを足がかりにして首都圏にファンを増やした面がある。そのイベントが京王百貨店・新宿店で毎年1月に行われている「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」だ。同イベントは、期間中の売上が6億円を超える京王百貨店が手がける最大級の催しで、1966年から51回も続く歴史を誇る。イベント内で行われる「駅弁大会」で上位に選出された駅弁の人気に火が付き、全国区に躍り出たということも少なくない。事実、いかめしは第1回大会で1位を獲得。以降、ランキングの常連となり、全国に知れわたるようになった。取材した当日は、首都圏に今年初の大雪が降り、交通機関に大ダメージが生じた日だったが、会場内は多くの“駅弁ファン”でにぎわっていた。それでも担当者によると「例日よりも少ない客入り」だという。客層をチェックしてみると、筆者が注目している外国人客はほとんどみられなかった。むしろ、お目当ての駅弁ブースにサッと並び、弁当を手に入れると併設された休憩所で味わう手慣れた客が多いように感じられた。歴史が長いイベントだけにリピーターが多いのだろう。また、新宿ではなく、浅草から秋葉原、有楽町にかけての“インバウンドの通り道”ともいえる地域周辺の百貨店で、このような催しが行われれば、客層は違ってきたかもしれない。余談だが、この日は「のどぐろと香箱蟹弁当」ブースの行列が目立った。北陸新幹線開通でわく石川県の名産であること、テニスの錦織選手が「のどぐろが食べたい」と発言して話題になったことが影響しているのかもしれない。いずれにせよ、“駅弁は駅で買うもの”という至極まっとうな常識から離れなければ、窮地に追い込まれている駅弁の浮上は困難だろう。インバウンド観光客という新しい需要取り込みと、駅以外の販売チャネルの確保といったことが、駅弁復活の課題になるといえる。○過去最高のインバウンド来日数にわく日本文化●インバウンド観光客を「虜」にする日本の“文化財ランドマーク”【前編】●インバウンド観光客を「虜」にする日本の“文化財ランドマーク”【後編】●インバウンド観光客を魅了できるか!? 日本独自の食文化「駅弁」復活への課題【前編】●インバウンド観光客を魅了できるか!? 日本独自の食文化「駅弁」復活への課題【後編】
2016年01月27日Googleは26日、文化や芸術をオンラインで保存する取り組み「Google Cultural Institute」にて、日本の工芸品を世界に向けて紹介するプロジェクト「Made In Japan:日本の匠」を開始した。「Made In Japan:日本の匠」では、西陣織や京薩摩、九谷焼、輪島塗など、さまざまな日本の工芸品を展示するプロジェクト。立命館大学アート・リサーチセンターや青森県庁など6施設の協力を仰ぎ、27都府県から工芸品82種をオンライン展示する。工芸品は高画質の写真や動画、テキストで閲覧できるほか、作品の歴史や制作過程といった、背後のストーリーの紹介にも重きをおいた。展示は工芸品個別のページから閲覧できるほか、日本地図上で表示された産地をクリックすることでも表示できる。○歴史や素材、制作工程も紹介Google Cultural Institute統括責任者のアミット・スード氏は、京都「西陣織」のファンだという。しかし、長い間、西陣織の素材や制作の様子など、西陣織にまつわる背景のストーリーについて、情報が少ないこともあり、英語での理解が難しかった。今回公開した「Made In Japan:日本の匠」は、写真や動画、テキストなどで、工芸品そのものだけでなく、その工芸品にまつわる歴史や素材、開発過程、現在の状況といった"ストーリー"を理解しやすいことが特徴という。これにより、海外向けに単に日本の工芸品を紹介するだけでなく、より多くの人が西陣織の着物がどういう意味を持つものなのか、理解できるようになる。アミット氏によると、一つの国にフォーカスして、有名・無名の工芸品と、そのストーリーを紹介するようなデジタルアーカイブは初だという。イタリアにフォーカスした「Made In Italy」というコンテンツもGoogle Cultural Instituteで展示しているが、こちらは農業にフォーカスしたもので歴史や制作過程といったストーリーの紹介もなく、「全く別のもの」とする。○「今、頑張っている工芸品を取り上げたい」文化財や工芸品のデジタル化を進める立命館大学アート・リサーチセンター客員協力研究員で、京都女子大学の前﨑信也氏は、今回のプロジェクトに関わった中心人物の一人。「Made In Japan:日本の匠」の内容について、工芸品を制作する過程の写真がほぼないことなどから、「とにかく綺麗な画像を見られる」ようにし、そして「どのようなプロセスで、どんな材料で作られているか、ぱっと見てわかるようなサイトを作る」ことを目指した。「Made In Japan:日本の匠」内の各展示は、高解像度写真とテキストで構成され、一部展示には動画も使われる。プロジェクトは2015年夏頃から開始し、博物館や美術館といった施設と協力し、展示品の写真や動画の提供を受けたり、工芸品を撮影したりした。展示品の選定はGoogle側でなく、協力パートナーが担当するが、明確な基準は設けない。今後、「Made In Japan:日本の匠」を見た、工芸品関係者からの展示希望も受け付ける。第1弾となる82種の工芸品は、海外向けを視野に、「日本文化を海外に発信するときに注目されるもの」を選んだ。展示のオファー自体は100程度行っているが、時間的な制約があり、(夏頃から始まったプロジェクトのため)提供開始に間に合うとして進められたものが展示されている。前﨑氏は「地域のおじいさん一人でやっているところも入れようと思った。今、頑張っている工芸品を取り上げたい。玉石混交でもいいと思っている。今後、何を発信していくかが大事だ」と、今後の展望を語った。公開は26日から。対応言語は日本語、英語。展示する工芸品は下記の通り。
2016年01月26日その地域の歴史や文化に深く関わっているのが「城」だろう。その造形の美しさは日本文化を象徴するひとつとして、海外の人からも高く評価されている。では実際、日本に住む外国人たちは日本の城に対してどのような印象をもっているのか、日本在住の外国人20人に聞いてみた。○一番人気は世界遺産「姫路城」・「好きです。姫路城が一番好きです」(インドネシア/37歳/男性)・「美しい。姫路城が好きです」(ドイツ/39歳/男性)・「きれい。姫路城が好きです」(タイ/30歳/女性)・「世界遺産の姫路城が好きです」(マレーシア/36歳/女性)・「大好きです。昔の姿をとどめているお城が一番いいです。例えば、姫路城」(オランダ/44歳/女性)・「日本の城はきれいで好きです。姫路城や熊本城が好きです」(イタリア/38歳/女性)○「大阪城」も人気・「日本の城はとても美しいと思います。大阪城は印象に残っています」(シリア/35歳/男性)・「大阪城が好きです」(トルコ/39歳/男性)・「日本のお城はとてもコンパクトに見える。好きなお城は大阪城」(ウクライナ/42歳/女性)・「好きですが、大阪城など中がリフォームされていることにがっかりしました。昔の内装を再現した方がいいと思います。姫路城が一番好きです」(フランス/30歳/男性)○全国の城をイチオシに・「とてもきれいです。名古屋城が好きです」(ベトナム/31歳/女性)・「きれいですが、城はほぼ同じように見えます。名古屋城が好きです」(フィンランド/27歳/男性)・「日本のお城は大好きです。特に松本城が好きです」(アメリカ/26歳/男性)・「歴史によるその空気の重さ、これはかなりインパクトがあります。好きな城は佐倉城の城跡」(韓国/48歳/男性)・「好きな城は首里城でとても美しい」(イギリス/30歳/男性)○そのほか・「とても素敵です。好きな城はひとつに選べません」(スペイン/32歳/女性)・「素敵だと思いますが、特に行きたいとは思いません。でも、観光客には絶対オススメします」(カナダ/31歳/男性)・「日本の城よく保存されています。特に好きな城はありませんが」(中国/28歳/女性)・「日本の城はほとんど一緒だと思います」(ミャンマー/32歳/女性)・「日本のお城はどこも似ていて、少し地味な印象です。好きなお城は特にありません」(ブラジル/30歳/女性)○総評今回、質問をした人たちの中では姫路城が一番人気となった。「白鷺城」の愛称で親しまれている姫路城は、日本で初登録された世界遺産のひとつというネームバリューに加え、2015年3月に「平成の大改修」を終えたばかりという話題性もあり、国内外の人たちの注目を集めているようだ。その次に多かった「大阪城」は城そのものの魅力とともに、外国人に人気の観光地・大阪ゆえに、海外にも広く知られている城のように思われる。世界最大級の口コミサイトであるトリップアドバイザーが実施した「行ってよかった! 日本の城ランキング2015」では、1位は3年連続で「熊本城」、2位は「松本城」、3位は「姫路城」となっている。コメントにあった「首里城」も17位にランクインしているが、「佐倉城」の城跡はどちらかというと通好みと言えるだろう。回答には「日本の城はほとんど一緒」という声も見られたが、日本人から見ても海外の城や教会は同じように見えるかもしれない。とは言え、「観光客には絶対オススメします」という声があるように、日本の伝統を感じるものとして観光客にすすめたいという気持ちは、日本に住む外国人も同じのようだ。
2015年12月03日東京都・昭島市の家具の博物館は、日本の椅子文化の変遷をたどる「近代日本の椅子[I]明治・大正編」を開催する。会期は10月18日~11月23日(水曜休館)。開館時間は10:00~16:30。入場無料。同展は、同博物館所蔵の近代日本の椅子をはじめ、近代日本の椅子にかかわる絵画、書籍、図面などを展示紹介するもの。欧米の椅子を模倣することで始まった日本の椅子作りは、今ではそのデザインにおいて世界的に高い評価を受ける椅子を数多く生み出すまでに至っており、それとともに、日本人の暮らしも床座から椅子座主体の暮らしへと大きく変化してきたという歴史がある。同展では、幕末から明治・大正期にかけてどのような椅子が日本で生み出され、また忘れ去られていったか、その変遷を辿るとともに、日本人の暮らしの中で育まれてきた様々な椅子など、30点が展示されるということだ。
2015年09月30日パルコが、渋谷パルコとその周辺エリアで10月2日から4日と9日から12日の計7日間に、新しい日本文化の楽しみ方を提案するポップアップイベント「旅するパルワゴン~Dig&Play Japanese Culture~」を開催する。同イベントのテーマは、「Dig&Play Japanese Culture」。移動式ワゴン“パルワゴン”で旅をしながら全国各地の日本文化を発掘(DIG)し、あらゆる場所で楽しむ(PLAY)ことをコンセプトとしている。イベント当日は、日本文化を新しい形で体験できる“秋祭”の場を提供。08年の農林水産大臣賞受賞の経歴をもつ・三嶋フーズの手鞠寿司と複数のクリエイターがコラボレートした、見た目にも可愛いオリジナル寿司を販売したり、パルコとクリエイターたちが全国の酒蔵からセレクトした日本酒のラインナップを展開。その他にも着物・浴衣ブランド「ふりふ」の浴衣が気軽に低価格でレンタル・試着できるワゴンも用意。また、人力車の老舗である浅草の「東京力車」もパルコに登場。パルコオリジナルにカスタマイズされたキュートな人力車で、渋谷中をかけめぐる。「旅するパルワゴン~Dig&Play Japanese Culture~」は、渋谷パルコ、公園通り広場、店頭イベントスペース、館内各所で行われる。
2015年08月05日日本には四季や旬があり、季節や人生の節目ごとに「行事」があります。食卓には、それらを通じて受け継がれてきた「文化」があります。多忙な日々の中で忘れてしまいがちな「ニッポンの食卓文化」を、食卓をつなぐ会の料理伝承家hanaが、シンプルなレシピにしてご紹介します。今回は七夕と素麺のおはなし。五色の短冊は、習い事の上達を願った「願掛け」幼い頃はワクワク楽しみだった七夕、いまはどうでしょう? また、そもそもどんな由来があるかご存知でしょうか。七夕は五節句のひとつで、平安時代に宮中行事として行われるようになりました。元々は日本の神事であった「棚機(たなばた)」という禊の行事と、織り姫と彦星の伝説、中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という風習があわさってできたもののようです。織り姫と彦星の伝説は、みなさんもご存じの通りですが、織り姫(琴座のベガ)は裁縫の仕事を、彦星(鷲座のアルタイル)は牽牛星という農業の仕事を司る星と考えられていました。この2つの星は、旧暦7月7日に最も光輝いているように見えることから、中国ではこの日を一年に一度の巡り会いの日と考え、この伝説が生まれました。(夏の大三角形)乞巧奠(きっこうでん)とは中国で行われた行事で、織り姫にあやかって機織りや裁縫が上達するようにと、お祈りをする風習が生まれました。針や裁縫道具を供えて上達を願うのですが、やがて芸事や書道などの上達を願うようになったといわれています。これらのはなしが日本に伝わって、七夕行事が行われるようになり、宮中ではこの時期の旬のもの、桃、梨、瓜、茄子、大豆、アワビなどを供えて星を眺めるようになりました。また里芋の葉にたまった夜露を天の川のしずくと考えて、その水で墨をとかし、神聖な梶の葉に歌を書いて願いごとをしました。それが江戸時代に庶民の間に伝わり、人々は野菜や果物を供えて歌を詠み、習い事の上達を願って書いた短冊を笹竹につるして、手習い事の願掛けとして星に祈るようになったのです。五色の短冊は五行説にあてはめた五色で、青(緑)、紅、黄、白、黒(紫)をあらわし、この世のすべて、という意味になっています。七夕飾りは「吹き流し」「網」「折り鶴」「神衣」「巾着」「くずかご」などが主なもので、6日の夕方には飾り付け、翌日7日の夜にははずします。千年以上前から、七夕の行事食は「素麺」!この時期には素麺を食べるのが、千年以上前からの行事食となっています。もともとは中国の「索餅」という小麦料理だったようですが、日本ではいつの頃からか天の川に見立て、この時期に食べやすい素麺を食べるようになりました。色つき素麺もここからきています。七夕の当日でも手軽に作れる、簡単素麺レシピをご紹介しましょう。「七夕素麺」のつくり方素麺に好きな具材をのせて、いつもより少し豪華に、七夕をイメージして美しく盛りつけてみてください。いろいろな具材を一緒に食べても、素麺と絡めて一種類ずつ食べても美味しくいただけます。麺つゆを作っておくとなにかと便利ですので、冷蔵庫にストックしておきましょう。<材料 2人分>・素麺 2把分・出汁 2カップ程度・麺つゆ 約1/2カップ分【麺つゆ】※作りやすい量 ・みりん 大さじ2・酒 大さじ4・砂糖 大さじ2・醤油 180cc【具材】※お好みで・白葱 5cm分 小口切り・茗荷 2個 細切り・蟹 適宜・鶏ささみ 1本・胡瓜 1本 細切り・錦糸卵 1個分・蒸し茄子 1本<作り方>1. 麺つゆを作る鍋にみりん、酒を入れて沸かしアルコール分が飛ぶまで3分ほど加熱する。同じ鍋に砂糖と醤油を入れて、砂糖を溶かしながら沸かし、沸いたら火をとめてあら熱をとり、密閉瓶に入れて保存する。2. お好み具材を準備する・・・鶏ささみ、蒸し茄子鶏ささみは耐熱容器に入れ、少量の酒と塩(分量外)をふってラップをする。茄子はヘタを切り落として、水洗いし、そのままラップをする。ささみと茄子をレンジで800Wで2分加熱し、食べやすい大きさに割いておく。3. お好み具材を準備する・・・錦糸卵卵1個に対し、小さじ1の砂糖を入れてよく混ぜ、熱したフライパンに油少々をひき、卵液を流し入れて薄く広げる。菜箸を使ってひっくりかえし、裏面はさっと焼いて取り出す。冷めたら細切りにしておく。4. 素麺を茹でる大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、素麺をぱらぱらと入れて2分ほど茹で、ざるにあげて、しっかりともみ洗いする。5. 盛り付け具材を綺麗に飾り、素麺と麺つゆを盛る。★ポイント★具材は好みでよいですが、細切りや小さめに切る方が素麺とからみやすくなります。全部の具材がなくても大丈夫です。錦糸卵を作るときは、フライパンが熱くなっていないと失敗します。卵液を多く入れすぎた場合は戻してよいので、薄めに焼きましょう。家族に「食文化」の楽しさを伝えていくのは、アラフォー世代の役割です。日々の食事を大切に、暮らしを丁寧に、を意識するだけで心が豊かになるもの。麺つゆは、家にある調味料で気軽に手作りすることができるので、お好み具材をたくさんのせて、七夕の夜は素麺料理と星空を楽しんでみてはいかがでしょうか?
2015年07月06日東京都台東区の上野恩賜公園・噴水広場で、日本と台湾の食文化交流イベント「日台食文化交流2015」が行われる。20日は10時から19時、21日は10時から18時まで。○台湾の屋台料理を堪能同イベントは、日本と台湾の食文化交流を通して日台関係を深めることを目指して開催される。台湾各地の果物や特産品の紹介や、駅弁と台湾鉄道の旅をPRするコーナー、水を入れてもむとゼリーのように固まる台湾固有の植物「オーギョーチー」に触れる体験コーナーなどを展開する。また、台湾の代表的な料理を出品する屋台や、雑貨、手芸品など販売するブースも出店し、台湾人の二胡奏者、林悦子さんと日本人ギター奏者、一星有希さんが登場し、演奏を披露するなど、様々なイベントが用意されている。イベントとして、「台湾ライチ種飛ばし大会」も開催する。当日優勝者にはライチ6kg、2日間総合優勝者にはあわせて台湾往復航空券が贈られる。各日先着500人で、参加費は500円。ちなみに、昨年の記録は13m75cmだったという。
2015年06月16日世界でも大きな存在感を持つ、日本の「漫画」。数多くの漫画雑誌や単行本が刊行され、日本の漫画雑誌の翻訳版がすぐに海外でも販売されるなど、人気のある日本文化のひとつとなっています。また、日本の漫画はクリエイターの層も非常に厚く、幅広いジャンルの作品が次々と生まれ、新しいファン層を取り込み続けているのも特徴です。そこで、日本在住の外国人20名に「日本の漫画で絵が「かっこいい」と思うものは?」と質問してみました。■キャプテン翼(トルコ/30代前半/女性)■古いけど、キャプテン翼(アルゼンチン/30代前半/男性)■スラムダンク(イギリス/20代前半/女性)■ワンピース(タイ/30代後半/女性)■ONE PIECE(ベトナム/30代前半/女性)■BLEACH(ロシア/20代前半/女性)全体的にさまざまな作品名が挙げられましたが、傾向として多かったのが、週刊少年ジャンプで連載されていた、もしくは現在も連載されている作品でした。週刊少年ジャンプは、1968年に「少年ジャンプ」として月2回刊誌として創刊され、翌年の1969年より週刊誌となりました。1995年には653万部という漫画雑誌の最高発行部数を記録したこともある、「友情」、「努力」、「勝利」をキーワードとする漫画雑誌です。海外ではドイツ、アメリカ、中国、台湾などで翻訳され、書籍や電子書籍で出版されており、特に台湾では人気の高い雑誌となっているようです。■DRAGON QUEST(フィリピン/40代前半/女性)■ドラゴンクエスト(マレーシア/30代前半/男性)こちらは漫画ではありませんが、キャラクターデザインはご存知、同雑誌で連載をしていた鳥山明氏です。海外で販売されている最新タイトルのドラゴンクエストIXは、北米版・欧州版・豪州版が存在し6カ国語に対応。海外での出荷数は100万本を超えるそうです。■ガンダム(台湾/40代前半/男性)■ガンダム。(スペイン/30代後半/男性)ガンダムシリーズを挙げる回答もありましたが、調べてみたところ、日本での根強い人気に比べると、海外ではそこまで広がってはいない模様でした。この状況について、西洋圏では特に、操縦型の巨大な人型メカがヒーローという立場で出てくる作品が基本的には無く、どちらかというと「モンスター」や「恐ろしいもの」と捉える性格が強いため、ガンダムを「かっこいいもの」として捉えづらかったから、という分析もあるようです。■キャプテンハーロック(ドイツ/40代前半/女性)■北斗の拳(アメリカ/20代後半/男性)■進撃の巨人(ブラジル/20代後半/男性)■宮崎駿のハウルの動く城。(イスラエル/30代後半/女性)■百鬼夜行抄。(韓国/40代後半/男性)他にも、北斗の拳といった劇画調の作品からジブリ作品、2005年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門推薦作品に選ばれた妖怪奇譚「百鬼夜行抄」といった作品まで、さまざまな作品名が挙げられました。■かっこいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)■人の気持ち表わす絵。(オーストラリア/40代前半/男性)固有の作品名ではなく、日本の漫画に対する全体的な感想もありました。■あまり漫画を読まないので、わからないです。(中国/20代後半/女性)■漫画は一切読んだことがありませんし、絵も興味ありません。(チュニジア/40代後半/男性)■私は漫画が好きではないので、かっこいいと思っていません(スウェーデン/40代後半/女性)日本の漫画で絵がかわいいと思うものは?という質問のアンケートの際もありましたが、海外(特に欧米)では「漫画は子供が読むもの」という感覚が強いため、漫画に対して強い思い入れが無い人も多いのかもしれません。「絵がかわいい漫画」をたずねた際は、キャラクターとして独立して使用されることも多いためか、多くの人が挙げる作品というものがありましたが、今回の「絵がかっこいい漫画」に関しては特定の傾向があるというより、新旧含めさまざまな作品名が挙げられ幅広く受け入れられている様子が読み取れました。私たちが思っているより、多くの日本の作品が外国人の目に触れられているのかもしれませんね。
2015年04月20日昨今、ファッションの世界でも産地や素材など、川上に関心を寄せる人が増えている。食の世界でもその潮流は見受けられ、どこで生まれた食材をどう味わうのか“知を味わうこと”に注目が集まっている。先月、伊勢丹新宿店本館地下1階食品フロアで行われたイベント「『ニッポンの和牛』学んで味わうお肉屋さん体験」で、日本の和牛文化の啓蒙活動に取り組んでいるVIVA JAPANの浜田寿人さんに話を聞いた。この日和牛の魅力を伝えるために、浜田さんが選んだ部位は「トウガラシ」と呼ばれる牛前足の付け根部分。成体で600~700kgある牛から、わずか4kgしか取れない希少部位だ。このトウガラシをスライスした焼肉、挽肉にしたハンバーグ、牛脂を入れた味噌汁など、様々な形状で味わいながら、和牛の文化をレクチャーしていくイベントを通じて、浜田さん和牛の魅力について語っていく。日本では鮪と同じように、牛の部位にも細かく名前が付けられており、その数は50余り。トウガラシはウデ肉の一部分なので、歩行に必要な適度な筋肉があり、赤身と筋繊維のバランスが良い部位だ。「ウデ肉は筋肉が入り組んだ部位なので、ステーキ状には切りにくい部位です。日本にはすき焼きのように和牛をスライスする文化があり、ウデ肉もスライスに適しています。和牛の切り方からも、日本独特の無駄を作らない文化を知ることが出来ます」と浜田さん。スライスした肉の食感を焼肉で味わった後は、粗挽きミンチで作ったハンバーグを作っていく。このハンバーグにはつなぎを一切使わず、和牛100%。ミネラルを含んだ塩と粗挽き胡椒で味付けし、表面にこんがり焦げ目をつけ、中がレアな状態で頂く。赤身で歯ごたえのある部位の和牛なので、内側が適度にレアでも臭みはなく、もちっとした食感が楽しめる仕掛け。また「和牛は日本生まれの日本育ちなので、和食材の醤油、味噌、鰹節などの発酵食品との相性がいい」ということで、締めの逸品として焦げ目がつく位に焼きあげた牛脂を出汁にいれて加熱し、和牛の旨味と香りを取り入れた赤味噌のお味噌汁が登場。まろやかなでコクのある味噌汁で、新しい和牛の味わい方の一つになりそうだ。自宅で簡単にできるメニューなのも嬉しい限り。イベントの中で浜田さんは「日本の和牛はすべて個体識別番号が定められているので、どこで生まれ育ち、命をまっとうしたのかを知ることが出来る。時にはどこから、この和牛がやってきたのかを調べることで、命を味わうことを考えてみる機会を持ってみては。そして、和牛が育った場所に伝わる料理には、その土地の和牛の肉質がぴったりということが多いので、面白いものです」と浜田さん。日本の風土や文化が育んだ和牛の魅力や味わい方を知りながら、食卓に会話の花を咲かせてみるのも一興かもしれない。
2015年04月14日銀座を中心にALL300円のスタンディングバーを展開するスリーハンドレッドバーは22日まで、「銀座300BAR」各店にて、第3回となる日本の文化を楽しむ「夜酔い」を開催している。○いつもと違った和の演出で、和カクテルや和フードを楽しめる通常はアメリカンスタイルのBARである同店だが、期間中は店内を桜が覆い、古き良き日本の音楽を聴きながら提灯の明かりで花見を楽しめる。いつもと違った和の演出を施し、厳選した日本酒を枡で用意するほか、こだわりの和カクテルや和フードをそろえる。スタッフも和装を取り入れ、来店者も和を意識した装いを楽しめる。同社では、カクテルや料理を通して、日本の文化を若い世代や外国人にも再認識してもらえるようなイベントにしていきたいとしている。開催店舗は、「300BAR NEXT」(東京都千代田区有楽町1-2-14 紫ビルB1)、「300BAR 銀座8丁目店」(東京都中央区銀座8-3-12 第二銀座コラムビルB1)、「300BAR 銀座5丁目店」(東京都中央区銀座5-9-11 ファゼンダビルB1)の各店。
2015年03月20日クリエイターアイテムショップ・PARKは、ファッションクリエイター・毒kinokopinkとの共催により、オタク文化と原宿ファッション文化をつなげるクリエイター見本市「公園会」を開催すると発表。同イベントにて自己PRや物販を行う参加クリエイターを募集している。会場は東京都・渋谷区の2.5D(渋谷PARCO part1 6F)。日時は3月1日 14:00~18:00。料金は前売1,500円、当日2,000円(ともに1ドリンク、入場特典ノベルティ付)。同イベントは、2014年5月のオープン以来、オタク文化と原宿ファッション文化の融合を目標に活動を続けているクリエイターアイテムショップPARKと、アーティストの衣装制作や「オスカル祭。」を主催した毒kinokopinkが、インターネット上で作品を公開し続けている若いクリエイターと、若い人材を発掘・起用したい業界との距離を縮め、仕事につながるチャンスの場を提供することを目的として開催するものだ。内容は、参加クリエイターによる自己PRやゲストコメンテーターによる講評、クリエイター物販、ライブステージという3つのプログラムで構成され、ゲストコメンテーターにはtomad(Maltine Records)、ミスミ(Zigg)、ヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店・増田日奈(ガールズポップカルチャー担当)が参加し、ライブステージにはtoriena、三代目パークマンサー (新生軟式globe)らの出演が予定されている。なお、主催者の毒kinokopink自身もクリエイターのひとりとして参加するということだ。また、現在募集しているのは、自己PRおよび物販に参加するクリエイター(若干名)。プレゼンテーションは最長10分間で、その様式や作品の既出/未発表は問わないという。なお、本人が顔出しNGの場合、プレゼンデータのみでの参加やショーケース形式等での参加も可能とのことだ。参加を希望するクリエイターは、こちらの応募フォームに名前やメールアドレス、自己PR、作品の概要がわかるPR素材URLを記入して応募する。締め切りは2月22日。
2015年02月12日東京・新宿の文化学園服飾博物館は、「時代と生きる ―日本伝統染織技術の継承と発展―」展を開催する。期間は12月17日から2月14日まで。会場には江戸時代後期の絞り染めや、昭和時代の小紋や友禅染めなど、資料的にも高い価値を持つ数々の着物や帯が展示される。江戸時代に確立され、明治の産業革命を経て、現代へと受け継がれてきた日本の染織技術。時代を追った展示と共に、画像や動画も用いられ、その歴史を紐解くような展示になりそうだ。【イベント情報】「時代と生きる ―日本伝統染織技術の継承と発展―」展会場:文化学園服飾博物館住所:東京都渋谷区代々木3-22-7新宿文化クイントビル会期:12月17日から2015年2月14日時間:10:00から16:30休館日:日曜日、祝日、12月27日から1月4日入場料:一般500円大高生300円小中生200円
2014年12月12日解散前の国会で「うちわ」が話題となった、直後に起こった「オタク論争」をご存知でしょうか。海外に日本文化を知らしめ、輸出と観光客の誘致を狙う「クールジャパン政策」の一環として「Tokyo OtakuMode(東京オタクモード)」へ官民共同ファンド「クールジャパン機構」が15億円へ出資したことが野党に追及されました。「東京オタクモード」が販売していた女性キャラクターの「フィギュア」が「半裸」だったからです。これに三谷英弘衆院議員が反論します。彼は政界屈指のフィギュア好きとして知られ、「オタクビジネスにはこういった可能性があることを理解してほしい」と訴えます(「東スポWEB」より)。確かにオタクとエロは隣接し境界は曖昧です。ちなみに選挙期間中、政治関連の記述は曖昧にするものですが「ネット選挙」も解禁になったことですので「実名」で記しております。実はこの論争、「コンテンツとは何か」を考える上で、とても重要な議論です。そして多くの会社のホームページがつまらない=0.2な理由もここにあります。○新線開発によるマイナス首都圏郊外の地元に根ざして40年の自動車修理工場K。自動車が移動手段の花形だったのは今は昔。少子化によるドライバー人口の減少に、マイカー離れときて、この夏のガソリン価格の高騰は、真綿で首を絞めるように経営を圧迫しています。その「地元」を南北に縦断する新線が開通したのは3年前。まだまだ不便な片田舎。地元の人間の主要な「足」はマイカーですが、新線に伴う地域開発で、昔なじみのお客が引っ越していきます。安い地代から物流業の拠点が多く、自動車修理工場にとっては好立地でしたが、新駅効果で住宅需要が高まり、地価が底上げしたことで移転していったのです。そしてWebサイトに活路を見いだす……と、追い込まれてからWebに取り組むこの発想が、そもそも0.2なのですが、今回ここは見逃します。○多くの企業が錯覚しているすでにWebサイトは開設していたので、正確にはリニューアル。内容を刷新して反転攻勢を目論みます。複数の業者から見積もりを取ったところ、最高値は300万円で、最安値は60万円でした。最高値の業者は、プロによる写真撮影が売りで、最安値はサイト全体の練り直しを提案します。5倍の価格差に頭を抱えながらも、出した結論は最高値でのリニューアルです。果たして新しく取り直された写真は美しく、まるでグラビア誌のような仕上がりとなりました。アイコンは刷新され、スマホやタブレット端末にも対応した「レスポンシブル(Web)デザイン」。それでもお客は増えません。なぜなら「コンテンツ」が同じだからです。写真はコンテンツを構成する要素のひとつですが、サイトを訪問するお客の求める「コンテンツ」とは「メリット」です。つまり、その自動車修理工場を利用する「メリット」が何かを伝えるのが「コンテンツ」であって、つなぎ姿の工員による作業風景など、刺身のつまより役立たずです。多くの企業が錯覚している「コンテンツ0.2」です。旧サイトは「会社案内」に過ぎず、これを見ての来店が「偶然」の範囲を超えることはないでしょう。練り直しを提案した「最安値」の業者のほうが「コンテンツ」を理解していたといえます。一方「最高値」の業者は「ビジネス」が上手かったと言えます。素人が評価できるのは「見た目」と「数字(価格)」だからです。○エロモード問題旧サイトを彩った素人写真と、最新のデジタル機材で撮影された画像の違いは、文字通り「一目瞭然」です。そして「価格」とは、それを受け入れた人にとっては「価値」そのもので、評価から価格に納得するのではなく、価格を社会的評価と錯覚するのです。高い、すなわち良いと。最高値の業者がもっとも得意としたのは「自社の売り込み」でした。冒頭の「オタク」を巡る議論も構造は同じです。「東京オタクモード」は、日本のオタクカルチャーを海外に紹介し「Facebook」で集めた多くの「いいね!」で注目されるようになりました。この「数字」を、霞ヶ関のお役人が評価したのでしょう。しかし「いいね!」は「いいね!」に過ぎません。ビジネスの指標でもなければ、コンテンツの秀逸さを示すものでもありません。ましてや、「日本代表」の証明になどなりません。「クールジャパン政策」とは日本の魅力を海外に発信することで、輸出を増やし、観光客を誘致することにあります。そもそも「オタク」がこれに値するかに疑問が残ります。オタクとは専門性を追究する人々で、それは「一般」からは遠く、「マス=大衆」を対象としなければ経済的メリットも期待できません。さらに語弊を怖れずにいえば、世界中の「変わり者」を集める政策は是か非か。そもそも「美少女」や「萌え」と冠が付いていても、半裸のデザインを「エロ」と見るのがグローバルスタンダード。「オタク」の拡散により「エロ大国日本」という世界的評価を得ることは「国益」に適うのか。国会で問うべきはそこにあり、「うちわ」や「フィギュア」ではありません。○エンタープライズ1.0への箴言評価に値しない「数値」がある宮脇 睦(みやわきあつし)プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。営業の現場を知る強みを生かし、Webとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供している。コラムニストとして精力的に活動し、「Web担当者Forum(インプレスビジネスメディア)」、「通販支援ブログ(スクロール360)」でも連載しているほか、漫画原作も手がける。著書に『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)がある。最新刊は7月10日に発行された電子書籍「食べログ化する政治~ネット世論と幼児化と山本太郎~」筆者ブログ「ITジャーナリスト宮脇睦の本当のことが言えない世界の片隅で」
2014年12月02日11月27日、「和紙(正しくは「和紙: 日本の手漉和紙技術」)が無形文化遺産に登録されたというニュースが飛び込んで来ました。すでに島根県の「石州半紙」は無形文化遺産に登録されていましたが、新たに岐阜県の「本美濃紙」、埼玉県の「細川紙」を加えてそれら3つを改めて「和紙」の技術として登録し直すことになりました。いずれもこうぞだけを原料に伝統的な手すきで作られています。その前には、日本の最先端技術として青色LEDの開発がノーベル物理学賞の対象となりましたが、一方でこうした伝統的技術も評価されるというのは大変喜ばしいことです。ところで、「世界遺産と無形文化遺産はどう違うのか」、この質問はときおり講義でも聞かれます。「知っている世界遺産は?」と尋ねると「和食」という答えが返ってくることもあります。いまさら恥ずかしくて聞けない! という人も、今回のコラムを読んでもらえればもう大丈夫です。○「無形文化」とは人間が伝える形のない文化これらはいずれもユネスコの事業です。まず、今回登録された「無形文化遺産」なのですが、伝統芸能のような人づてに伝えられる形のない文化を「無形文化」と呼んでいます。「無形文化遺産保護条約」に基づき、芸能、伝承、儀式、祭礼、文化空間などを一覧表に記載して保護・継承していくことを目的としています。対する世界遺産は、建造物や景観、自然の地形などを対象としています。「世界遺産条約」に基づき世界遺産リストに記載、登録し、それらの物件を人類全体のための遺産として損傷または破壊等の脅威から保護することが目的です。無形文化は人間が伝えるものですから、価値に大小はないと考え、他の遺産との優劣はつけません。例えば昨年登録された「和食」ですが、和食がほかの国の食文化と比べて優れているということではありませんし、比較のしようがありませんよね。ですから、審査も世界遺産ほど詳細なものではありません。ただ、各国からユネスコの事務局に推薦が殺到しており、事務局がさばききれずに審議が持ち越されてしまっています。保護について考えてみると、世界遺産は不動産ですから、原則的には「ありのままの」状態で保護されることが望まれます。文化財であれば創建当時のままに、自然であれば手つかずの自然のままに保っていくことが良しとされるのです。それに対し、無形文化遺産は文化の担い手や環境の変化の影響を大きく受けやすく、また、時代の流れのなかで文化そのものが変容していくこともあるでしょうから、どのように保護して継承していくのかということは、ケースバイケースだと思います。そうすると、無形文化遺産の定義はとてもあいまいなものに思えてきます。○世界遺産や無形文化遺産が身近なものにところで、日常的に和紙を使ってますか? 多くの人は使う機会はないかと思います。実家の和室に障子がはってあるなあ、とか、今度の年賀状は少し気合をいれて和紙をセレクトしてみるか、という感じではないでしょうか。そのように日常的ではない和紙がこれだけ話題になるのは、昨年6月の「富士山」の世界遺産登録と無関係ではないと思います。日本人の象徴ともいえる富士山は、直接的に遺産価値と関わりのない箱根など周辺の観光地もまきこんで、一大ブームとなりました。その波が収まらないうちに、今度は12月に「和食」が無形文化遺産に登録されたのです。「和食」という、国民一人ひとりにとってきってもきれない食文化が登録されたことで、文化事業に関する話題がぐっと身近に感じられるようになったのだと思います。ところで、いいのか悪いのか、「富岡製糸場」の登録は「富岡ショック」とでもいうものを多くの人にもたらしたのではないでしょうか。「あんなに地味なものが世界遺産になるなら、うちの施設の方がもっとスゴイ、だったらうちも手を挙げればいけるんじゃないか」という感覚です。そんな話を実際に古い工場を使っている方から聞いたことがあります。話がずれてしまいました。なんだか定義があいまいな無形文化遺産ですが、和紙を含めた伝統文化に光があたり、身近に感じる機会ができたのはいいことだと思います。この登録をきっかけに担い手の育成も進むかもしれませんし、利用者も増えるかもしれません。そうだなあ、筆者も来年のカレンダーは和テイストなものにしてみようかな。○筆者プロフィール : 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2014年12月01日辰馬本家酒造はこのほど、外国人観光客や日本酒にあまり触れる機会がなかった人を対象に、日本酒文化を発信するショップ&スクール「おづ Kyoto - maison du sake - 」を京都府京都市にオープンした。店舗デザインは、伝統の京町屋の風情を残しながらも、大谷石を使った壁面のカウンターなどで和と洋のモダンな要素を取り入れた空間になっている。1階の飲食スペースでは、「お粥膳(白粥・五穀米)」(税別1,200円)や「お茶とお酒」(税別1,000円)などを提供する。お粥膳は、米の旨みを堪能できる白粥と奈良漬に、京野菜を中心とした香のものを添え、日本酒「おづ」とのセットにした。シンプルな組み合わせが自然な旨みを引き立てるという。白粥は五穀米に変更可能。お茶とお酒は、フランス人の日本茶エキスパート・ステファン氏がブレンドした香り高い水だし茶と日本酒「黒松純米もち四段」のセット。京都銘菓「末富」の和菓子もつき、日本酒とのマリアージュが楽しめるとのこと。同じく1階の物販スペースでは、日本酒各種のほか、日本酒に関連する食品やアクセサリー、スキンケア商品などを販売する。2階のセミナースペースでは、11月中旬より「酒文化セミナー」を開始予定。"日本酒のあるシーン"をテーマに、各界の著名人を講師に迎えて展開していくとのこと。
2014年11月06日「2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の最終選考会・表彰式が13日、東京・日本科学未来館にて開催され、マツダ「デミオ」がイヤーカー(大賞)に決定した。今年の表彰式は当初、「東京モーターフェス2014」会場にて開催予定だったが、台風接近の影響で13日のイベント開催が中止に。最終選考会・表彰式ともに日本科学未来館にて開催されることとなった。今回はマツダ「デミオ」と、メルセデス・ベンツ「Cクラス セダン」による僅差の争いとなり、423点を獲得したマツダ「デミオ」が日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。404点を獲得したメルセデス・ベンツ「Cクラス セダン」は、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。表彰式に登壇したマツダ常務執行役員、藤原清志氏は、「名誉ある賞をいただき、感動しています。デミオは派手な兄貴分であるアテンザ、アクセラの陰に隠れた末っ子。個人的にもデミオ主査経験者で、12年前に賞をいただけなかったこともあり、ずっと取りたいと思っていた賞でした。当時からデミオに携っているメンバーとともに、受賞を祝いたいと思います」と述べた。マツダ「デミオ」に関しては、「国産コンパクトカーの常識を打ち破るデザインとクオリティ、テクノロジーをリーズナブルな価格で実現したこと。低燃費技術を追求する中で、新しい選択肢として小型クリーンディーゼルを採用する一方、MTモデルをリリースするなど多彩なニーズに配慮している点も好印象」と評価されている。「今回の受賞を励みに、ヨーロッパやアメリカのクルマと真っ向勝負で勝てるようなクルマを作っていきたい」と藤原氏。日本のクルマ文化に関して、「日本では、どちらかといえば若い人がクルマ文化を作ってきました。一方、ヨーロッパやアメリカを見ると、大人が楽しそうにクルマと遊んでいます。やはりクルマ文化を作るのは大人。デミオも大人が楽しめる、胸を張って乗れるクルマにしたいとの思いで作りました。マツダは必ず、大人のクルマ文化を作っていきます」と述べた。インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したメルセデス・ベンツ「Cクラス セダン」については、「現在持つ技術をあますことなく投入し、全力でユーザーにいいクルマを届けようとした力作。世界最高水準の衝突回避システムや運転支援機能、時代が求める環境性能を備えながら、走りの良さと快適性を高次元でバランスさせている」との評価が。その他、イノベーション部門賞はBMW「i3」、スモールモビリティ部門賞はホンダ「N-WGN / N-WGN カスタム」、特別賞は「トヨタの燃料電池車への取り組み」が受賞した。
2014年10月13日ローソンは「ナチュラルローソン」の店舗にて、「スペインフェア」を開催している。○スペインの食文化を弁当やサンドイッチに同フェアは、日本とスペインの交流400周年を記念し展開するもの。食文化の交流をテーマに、スペインでなじみの深いメニューをモチーフにした弁当やサンドイッチなど5商品を販売する。また、地ビールやワインなど日本ではなかなか手に入らない商品を取りそろえる。「鶏と野菜のチリンドロン煮」は、にんにくと唐辛子を炒めて香りをだし、鶏肉とパプリカ、ズッキーニ、マッシュルーム等をトマトと煮込み、七穀ごはんにのせ、オリーブをトッピングした。価格は330円(税込)。「スペイン風オムレツとチリンドロンチキン」は、野菜をたっぷり使ったスペイン風オムレツと、野菜のトマトソース煮(チリンドロン)と国産ローストチキンの、2種類のサンドイッチを組み合わせた。23日発売。価格は350円(税込)。「ツナのピカディーリョ」は、みじん切りにした玉ねぎ、きゅうり、赤・黄ピーマンなどを、オリーブオイルとワインビネガーで和え、ツナとオリーブを加えた。「ピカディーリョ」とは、きざんだ野菜をオイルとビネガーであえたシンプルなサラダのこと。価格は298円(税込)。「完熟トマトのピザまん」は、スペイン産ブラックオリーブを使用したピザまん。グリルした赤ピーマンをまぜ、うまみと甘味を出した。またチョリソーでコクを出し、隠し味にオレンジ果汁を加え、すっきりした後味に仕上げた。価格は164円(税込)。「いかのボカディージョ」は、スペインでおなじみのサンドイッチ。オーブンで焼いたパンで、キャベツといかリングをはさみ、タルタルソースととんかつソースのシンプルな味付けに、オリーブオイルとレモン果汁でさっぱりと仕上げた。まちかど厨房併設ナチュラルローソン店舗のみ販売。価格は240円(税込)。
2014年09月21日海外で日本文化やアニメが人気があるという話を聞いたことはありませんか?実は、同じように日本の女性も外国人に人気があると言われています。しかも、そのポイントは日本人女性ならほぼ全員が兼ね備えている、ある魅力なのだとか。そこで今回、外国人の方に「日本の女性が外国人からモテる理由」について伺って来ました。■1.黒髪、黒目が神秘的「日本人の生まれつきの黒い髪と神秘的な目が好きという男性は多いと思います。西洋人ではその黒を生まれつき持っている人が少ないので、エキゾチックに見えて魅力的です。」(27歳/アメリカ/コンサルタント)日本人の黒髪、黒い目は昔から人気がありますが、黒は神秘的な色と捉えられ、外国人から見ると、女子力が増してみえるそうです。外国人と接する機会が多い方、外国人と付き合いたい方は、髪を染めたりカラーコンタクトをしたりせず、ありのままの姿で勝負するのが良さそうです。■2.小さくて痩せているように見える子が多い「日本人の女の子は痩せている子が多い。それを女の子に言っても、『私太ってるよー!』と言うけれど、日本では太っているかもしれないけど世界基準で見たら痩せている方。背も他の国の女性に比べたら低いので、小さくて守ってあげたい感じがします。」(30歳/トルコ/IT)外国人から見ると、日本の女性はほとんどの女性が痩せている分類に入ります。むしろ、外国の方から見ると、痩せ過ぎに見える方も多く、「健康が心配」という声があるほどでです。少しぽっちゃりくらいの方が健康に見えて好まれるようです。加えて、背が低い方も多いので、海外の女性にはない可愛らしいさがあるようです。■3.オシャレな子が多いように見える「日本の女の子はみんなオシャレですよね。日本人は器用だから、メイクも上手。海外の女性と比べたら、そんなに細部までこだわるの?と思うようなところまで気を使っている。そういう子は、キレイでいることを大切にしていてイイなと思います。」(26歳/イタリア/デザイナー)「かわいい」という言葉が海外でも流行るほど、日本の女性はオシャレに気を使う女性が多いです。細部までこだわるのも日本人ならではの気質であり、メイクがうまく、ファッションにこだわりがある女性が多いので、日本人から見ると「普通」と思われる場合でも、外国人から見ると、「オシャレ」と見てもらえるそうです。■4.アニメを彷彿とさせる「日本のアニメや美術が好きなんですけど、そういう日本文化の多くは日本人女性がモデルになっていることが多いので、日本人の女の子を見ると、好きなアニメを思い出します。日本人の女の子は声も可愛い子が多いので、付き合いたいです。」(30歳/アメリカ/グラフィックデザイナー)マンガを始め、日本のアニメは海外でもとても人気があります。日本語は知らなくても日本の漫画は知っている方も多いほど。その日本のアニメの多くは日本の女性がモデルになっているため、日本のアニメが好きという外国人の方が日本の女性を見ると、アニメを彷彿させて仲良くなりたいと思うそうです。■おわりに今や日本にいても外国人の方に出会えるチャンスは多々あります。日本の男性からモテないからと言って諦めず、海外の男性にも目を向けてみてはいかがでしょう?(栢原陽子/ハウコレ)
2014年09月18日