仕事にプライベートを侵食されることほど嫌なことはありません。せっかくの休みの日なのにトラブルで呼び出されたり、平日にできなかった仕事を自宅に持ち帰って片付けたりしていると、どんな人でも気が滅入るものです。平日に気持ちよく仕事をするためにも、プライベートは死守したいと思っている人は少なくないことでしょう。「仕事とプライベートでしっかりとメリハリをつけたい」というのは、本来であれば当然の要求です。しかし、日本の会社の一部には、このような考え方を嫌う人たちがいます。彼らは若者がプライベートを要求するたびに眉をひそめます。彼らはしばしば、以下のような乱暴な物言いをします。「若いうちはプライベートを全部仕事に捧げてはじめて一人前になれる」「見習いのうちはワーク・ライフ・バランスなんて必要ない。必要なのはワーク・ワークだ」「仕事でまだ一人前になっていないのに、プライベートを要求するなんてありえない」はっきり言いますが、これらの言い分は完全に間違っています。プライベートは、仕事で一人前になることではじめて付与されるようなものではありません。人間は仕事のためだけに生きているわけではないのですから、仕事とは別にプライベートの時間があるのは当然です。一人前になってはじめてプライベートが確保できるといったような意見は、人生の最大の価値を仕事に置く考え方から発せられているものにすぎず、結局は社畜の理屈でしかありません。○メリハリのない働き方では仕事の質も低下するそもそも、プライベートを一切考えないような働き方は、仕事の質自体も低下させます。人間は時間が潤沢にあると思うと、ついついそれをギリギリまで使ってしまいます。「この仕事は土日を使って片付ければいい」といったようなプライベートを犠牲にする働き方が癖になってしまうと、結果的に効率の悪い働き方しかできない「仕事ができない人」になってしまうおそれすらあります。仕事の質を担保するためにも、「プライベートを死守する」気持ちはつねに持ち続けなければいけません。プライベートを死守するために、いくつか気をつけておきたいことがあります。今回はそれらを3つ紹介したいと思います。○会社の「外」の人間関係を大切にするまず1つ目は、会社の外の人間関係、つまりプライベートの人間関係を大切にすることです。たまにプライベートでも会社の同僚とばかり遊びに行っている人を見かけますが、これはあまり褒められたものではありません。会社の人とはどうせ仕事でたくさん会うのですから、プライベートでは会社の外とのつきあいを広げることを優先すべきです。特に意識をしていないと、人間関係は会社の内側に閉じこもりがちになります。大学時代の友人とも気づくと疎遠になり、同期や同僚とばかりつるんで休みの日まで仕事の話ばかりするようになってしまいます。そうならないためにも、会社の「外」への人間関係は意識して伸ばしていかなければなりません。○自宅では仕事のメールを見ない2つ目は、自宅では仕事のメールを見ないように気をつけることです。今は自宅でも仕事のメールを見られるような環境を整備している会社が多いので、ついつい帰宅後や休日もメールが気になって見てしまう人が少なくないようですが、これはおすすめできません。これをすると、メリハリがなくなってしまうからです。見るのもよくないのですが、それ以上によくないのがプライベートの時間を使って返信をしてしまうことです。このように休日にメールをやりとりしていると、周囲から「あの人は休日も関係なく働いているんだ」と思われてしまいます。いったん周囲からそう思われてしまうと、本当に休日に仕事を振られたりするおそれがあります。そうなったら悲惨です。むしろプライベートの時間は一切仕事のメールを返さずに、「あの人はプライベートを大事にしている」というキャラを確立したほうが、ヘンな仕事を振られずに好都合なのでそちらを目指すべきでしょう。○会社の近くに住みすぎない3つ目は、会社の近くに住みすぎないことです。会社の近くに住めば通勤時間が短縮されていいようにも思えますが、自宅があまりにも会社の近くにありすぎると「生活が仕事の延長」になりがちです。終電という概念がないので逆に働き過ぎてしまったり、何かあった時に真っ先に会社への呼び出し候補にされてしまいます。時間短縮のために会社の近くに住んだのに、逆に会社にかける時間が増えすぎてしまったという例を僕はいくつも知っています。わざわざ通勤が大変な遠方に住む必要はもちろんありませんが、仕事とプライベートの線引ができる程度には会社から離れた場所に住むことを僕はおすすめします。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。(タイトルイラスト:womi)※毎週金曜更新
2014年12月05日イオンは、11月20日にグランドオープンした東京都日野市「イオン多摩平の森」店内に、フランスでNo.1の人気を誇る冷凍食品スーパー「ピカール」のコーナーを日本で初めて導入した。同店への導入を皮切りに、2014年内に首都圏の総合スーパー「イオン」「ダイエー」9店舗に展開する。○フランス人の好きな食べ物ブランド4年連続第1位「ピカール」を販売「ピカール」は、フランスのほかイタリア、ベルギーなどに約1,000店舗展開し、野菜や肉料理・魚介類からパン・デザートまで、自宅で調理に手間のかかる料理を冷凍食品として提供。同国では、食事の準備の手軽さやおいしさなどから家庭での食事の他ホームパーティーなど、あらゆる"食"のシーンで利用されており、フランス人の好きな食べ物ブランドで4年連続第1位を獲得するなど、同国の生活にはなくてはならない存在になっているという。今回の商品は、前菜・メインディッシュ・デザートなど、フランスで人気の商品を中心に約50品目品をそろえている。ユーザーの意見をもとに品ぞろえなどを検証、2016年にはフランスと同様に路面店を展開し、日本における冷凍食品販売のビジネスモデル確立を目指す、としている。代表商品としては、前菜が、トマトとバジル、ヤギのチーズなど4種類のミニパイが40個入った「4種類のミニパイ」(799円・税込)。メインディッシュは、そのまま焼くだけでソテーができるフランス産のフォアグラのスライス「フォアグラのスライス」(2,160円・税込)。デザートには、トロけた柔らかいチョコレートがケーキの中から出てくる新感覚のチョコレート「モアローショコラ」(756円・税込)などとなる。
2014年11月28日上司・先輩のようないわゆる「上の立場」の人の意見に納得することができずに、モヤモヤした気持ちを抱えた経験はないでしょうか。こういう時に即座に反論できる人ならいいのですが、相手が上司や先輩だとどうしても気後れしてしまって、何も言い返せずに終わってしまうという人が少なくないと思います。一部では「上司の言うことは絶対服従」、「上司が『カラスは白い』と言ったら、『はい、まっ白です』と賛同しろ」なんていうひどいビジネス格言も出回っているようですが、これは間違った考え方です。上司や先輩は確かに「上の立場」であることには違いありませんが、別に全能というわけではありません。当然ながら間違ったことも言うはずです。些細な間違いであれば放っておけばいいのですが、間違いを指摘しなかったばっかりに、相手だけでなく自分や組織全体が不利な状況に陥ってしまうこともあります。「反論を一切しない」ことのリスクはバカにできません。相手がどんな立場であろうと、反論すべき時にはしっかり自分の意見を伝える必要があります。これができないと、最悪の場合上司や先輩の命令に唯々諾々と従うだけの「奴隷社員」になってしまうおそれさえあります。○会社で「言われっぱなし」の人は損をする基本的に、会社では「言われっぱなし」の人は損をします。その場その場の状況だけで考えると、反論をしなければ相手の機嫌を損なうことがないので安全なように思えますが、どんな時でもつねにそういう態度でいつづけると、いつしか「あいつは何を言っても反論しない」「どんな理不尽なことを押し付けても文句を言わない」という印象が形成されてしまいます。つまり、上司や先輩からナメられてしまうわけです。いったん会社でナメられてしまうと、相手の要求は際限なく加速し、内容もどんどん理不尽なものになっていきます。上司や先輩に対して攻撃的な態度をとる必要はまったくありませんが、受け身すぎてもいけません。上司や先輩とは「言いすぎ」でもなく「言われすぎ」でもないような、ニュートラルな人間関係を築くよう心がけるのがおすすめです。上司が「あいつにいい加減なことを言うと怖いんだよなぁ」と思うような部下になれると、一番気持ちよく働けます。○相手に敵意がない場合は、尊敬の気持ちを忘れずに反論する反論をする際には、2つのシチュエーションがありえます。1つ目は、まっとうに意見具申をする場合です。たとえば、上司があなたに「今やっている仕事は後回しにして、◯◯という仕事を至急やってほしい」と指示してきたとします。ところが、あなたは今やっている仕事のほうが優先度も緊急度も高いと考えており、上司の指示してきた仕事を至急やる必要がなぜあるのか理解できませんでした。これはつまり、仕事の優先度・緊急度の認識が上司とあなたで噛み合っていないわけです。このような時には、「わかりました」と何も考えずに引き受けるのではなく、なぜそのような優先度になったのか上司に一度聞いてみるべきです。上司の説明次第では納得することもあるでしょうし、逆にあなたが正しくて、上司が優先度を考えなおすこともあるでしょう。この場合、上司は別にあなたに敵意があるわけではありませんから、反論をする際には相手に対する尊敬の気持ちも忘れてはいけません。「なんで今それをやる必要があるんですか?」とキレ気味に反論するのではなく、「ちょっと背景が理解できていないので、優先度変更の理由を説明していただけますか?」といったようにあくまでニュートラルに意見を言うようにすべきです。敵意がない相手については、「言いすぎ」でもなく「言われすぎ」でもない言い方を考えましょう。○不遜な相手には、時にはキレることも必要一方で、明らかに不遜な態度で部下や後輩に接してくる上司・先輩もいます。2つ目のシチュエーションは、このような不遜な態度に対して反論をする場合です。このように相手が敵意を持って接してくる場合は、こちらもある程度強い態度で出るべきです。ポイントになるのは、「越えてはいけないライン」を絶対に越えさせないことです。たとえば、上司があなたに仕事上の指示や意見を超えて「お前は使えないやつだ」「お前のようなクズは今すぐ辞めろ」といったようなパワハラまがいのことを言うようであれば、それは明らかに「超えてはイケないライン」を超えています。相手がラインを越えてきた場合には、あえてキレることをおすすめします。相手が不適切な発言をした瞬間に「失礼ですが、クズとはなんですか? あなたにそこまで言う権利はないんじゃないですか?」とスイッチが入ったように態度を豹変させると、こちらのペースに巻き込むことができます。もちろん、継続的に相手からこのような不適切発言がなされるようであればそれは正真正銘のパワハラですので、証拠を集めて内外の相談機関などに相談する可能性も視野にいれるべきでしょう。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。(タイトルイラスト:womi)※毎週金曜更新
2014年11月28日世の中には、自慢話や自分の武勇伝を語るのが大好きな人たちがいます。極々たまに聞かされるというのであれば素直に関心することもあるかもしれませんが、いつもいつも自慢話ばかり聞かされているとさすがにうんざりしてきます。こういった「自慢話が大好き」な人たちとは極力関わらないようにしておくのが精神衛生上一番よいのですが、たとえば自分の上司や先輩がこのタイプだった場合には邪険に扱うわけにもいきません。「もうその話は何度も何度も聞きました! とりあえず黙ってください!」と心のなかでは叫んでいても、現実にはそんなこと言えるはずがありません。結局は、自慢話が終わるまでじっと耐え忍ぶことになります。こういった上司や先輩の自慢話から逃げられないことが、大きなストレスになっているという人も意外と多いのではないでしょうか。こういったストレスを軽減するためには、自慢話ばかりする人への対処法を学ぶのが近道です。○自慢話ばかりする人はかわいそうな人そもそも、なぜ彼らは機会さえあれば自慢話ばかりしようとするのでしょうか。ポイントになるのは自尊感情(自己肯定感)です。自尊感情は仕事や生活に前向きに取り組むためには欠かせないものです。自分のすることに自信が持てる人は、仕事でもプライベートでもよい結果を残しやすいですし、余裕が生まれ他人にも気を配ることができます。自分に自信がある人は、自分がどんなすごいことをしたとしてもそれを自慢話としてしつこく語るようなことはありません。わざわざ自慢話をして他人から褒めてもらわなくても、自分で自分を肯定できているからです。一方で、自尊感情が低い人の場合、「自分はすごい」「自分は他の人よりも優位である」ということを他者を通じて確認する行為が必要になります。そのため、何度も何度も自慢話をすることになります。自慢話ばかりする人は、結局は自分に自信がないのです。そういう意味では、自慢話ばかりしている人は「かわいそうな人」だと言うこともできるでしょう。○さっさと昇華させて次の話題に進めるのが正解このように、自慢話は結局は自信のなさの裏返しですので、相手が自慢話をしようとするのを露骨に嫌がって反発するのは相手の自尊感情をさらに傷つけることになり、逆効果です。「その話は前にも聞きましたよ」なんて正直に言おうものなら、相手の自尊感情はズタズタになります。ヘタすれば復讐として仕事上で不利益な扱いを受けることになるかもしれません。ここで必要なのはやはり大人の対応です。自慢話が始まってしまったら、自慢話を切り上げさせるのではなく一秒でも早く最後まで話してもらうことを目指すとよいでしょう。合いの手をいれる場合には「それでどうなったんですか?」「早く先を聞かせてください」といったように自分がその話に強い興味を抱き、早く続きを聞きたいと思っているように振る舞えれば相手は喜んで先を話してくれます。こうやって相手の自尊感情さえすばやく満たしてしまえば、話題は他のものへと進みます。このように、自慢話には「褒めておだててサッサとその話題を終わらせる」ように対処するのが王道です。○それでもイライラしてしまう人へそうは言っても、相手が自慢話をするのはイライラするしモヤモヤするという人もきっといることでしょう。そういう人は次のようなやり方で自慢話に接してみるといいかもしれません。1つ目のやり方は、「哀れみの気持ち」を持って自慢話を聞くことです。前述のように、自慢話をする人は基本的に自分に自信を持つことができない「かわいそうな人」です。会社で自慢話ばかりしているあの上司も、もしかしたら家庭では奥さんや子供からも疎まれ続けていて、会社で自慢話でもしないことには自分を維持できないのかもしれません。このように「ああ、かわいそうだなぁ」という哀れみの気持ちを持って自慢話を聞くようにすると、不思議とイライラやモヤモヤも湧いてこないものです。2つ目のやり方は、自慢話をする人を「観察」してみることです。自慢話のレパートリーにはどのようなものがあるのか、朝・昼・晩ではいつが一番自慢話がなされる頻度が高いのか、今月に入ってからこの話が出たのは何回目か、相手が男性か女性かで自慢話の内容に変化はあるかなど、科学者にでもなったつもりでアレコレと観察して傾向を研究してみるとイライラせずに自慢話を楽しむことができます。「そろそろあの自慢話が来そうな気がする……!」と予想できるようになれば、かなりのものです。いずれのやり方も、自慢話をする人よりも心理的に一段上がった状態で自慢話を聞くようにするという点が共通します。自慢話をする人と同じレベルに立ってまともに相手にしようとするから、イライラしたりモヤモヤしてしまうのです。自慢話をする人とは同じレベルに立たないことが、自慢話で心を乱されないためのコツです。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。(タイトルイラスト:womi)※毎週金曜更新
2014年11月14日毎日毎日残業ばかりで、平日にはほとんど自分の時間を持つことができない、と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。夜にオフィス街を歩くと、22時、23時になっても煌々と明かりが灯っているビルを多く見つけることができます。終電で、仕事帰りらしきサラリーマンがぐったりしているのを見ることも少なくありません。これらのことからも、毎日遅くまで残業をしている人たちが数多くいるであろうことがわかります。統計によると、日本人の一般労働者は年間約2000時間ほど働いているようです(日本生産性本部『日本の生産性の動向 2013年版』より)。これは国際的にも高めの数字です。もっとも、この数字にはサービス残業は含まれていませんから実際にはもっと多いと考えたほうがよいでしょう。「残業なんてほとんどない」と言える日本人は、あくまで少数派です。○長時間働いているが生産性はものすごく低い問題なのは、こんなにも長時間働いている人が多いにも関わらず、必ずしもその残業が報われていないということです。前述の日本生産性本部の調査資料によると、日本人の1人あたり労働生産性はOECD加盟国34か国中21位と非常に低水準です。つまり、日本人はたくさん働いてはいるが生産性はものすごく低く、残業が仕事の成果に直結していないのです。これは実感としてもよくわかるのではないかと思います。毎日深夜まで残業している人の多くは、あまり効率のよい働き方をしていません。人間の集中力はそんなに長く続きませんから、朝からずっと働き続ければ当然夜にはフラフラになり作業効率は激減します。中には、朝出社した時点でもう定時に退社することはあきらめて、ダラダラと仕事をしながら深夜まで会社に残っているような人までいるようです。これでは生産性が上がらないのもあたりまえです。○人間は締め切りギリギリまで時間を使ってしまう基本的に、「今日は別に定時に帰れなくてもいいや」というあきらめの気持ちが生じた時点で、もうその人は定時に帰ることはできません。これはイギリスの政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した「パーキンソンの法則」(第1法則)を適用して考えてみるとよくわかります。パーキンソンの法則とは、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」(第1法則)というものです。たとえば、まったく同じ仕事でも「3日でやってください」とお願いすれば3日間かかり、「1週間でやってください」とお願いすれば1週間かかってしまうというわけです。どんな仕事であっても人間は締め切りギリギリまで時間を使ってしまう、と言い換えてもいいかもしれません。「今日は絶対に残業しないで定時に帰る」と決意している人にとって、締め切りは定時の夕方ということになります。一方で、「今日は別に定時に帰れなくてもいいや」と残業を受け入れている人にとって、締め切りは残業することを見込んだ深夜です。パーキンソンの法則によれば、仕事の量は締め切りまでの時間すべてを満たすまで膨張します。「今日は絶対に残業しないで定時に帰る」という覚悟で仕事をしている人は定時に帰れるかもしれませんが、「残業してもいい」と残業を受け入れている人は、自らの予想どおりしっかりと残業をしてから帰ることになります。このことから、残業をしないために大切なことは、定時という締め切りを自分でしっかりと設けそれを守ろうと努力することだということがわかります。「定時に帰る」意志がない人は、定時に帰ることはできません。「終電までに帰れれば別にいいや」というような気持ちでは、本当に終電でしか帰れなくなります。○残業の有無で人を評価するのは完全に誤り誰だって本当は残業をしたいなんて思ってはいないはずです。それでも残業をしてしまうのは、「遅くまで働いていると上司のウケがいい」「自分だけ残業をせずに帰るとサボっていると思われてしまう」といったように、残業と評価が結びついていると感じていることにあるのではないでしょうか。現実問題として、たしかにこのように残業の有無によってその人を単純に評価しようとしている職場は存在します。しかし、それは評価の方法としては間違っています。残業で人を評価するのは、仕事の「結果」ではなく「姿勢」を評価していまっている点で完全に誤りです。このような勘違いの結果、日本人は「たくさん働いているのに、生産性が低い」国民になってしまったのです。「たくさん働いているのに、生産性が低い」国民を脱するためにも、「残業しないで定時には帰る」という意志は忘れずに持ち続けたいものです。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。(タイトルイラスト:womi)※毎週金曜更新
2014年11月07日会社に就職すると、学生時代とは比べものにならないくらい「責任」という言葉に接する機会が多くなります。「学生と社会人の違いは、責任の違いだ」という持論を展開する人に以前遭遇したことがありますが、これはある側面においては事実だと言えるかもしれません。会社で働くということは、労務を提供してその見返りとして給料をもらうことなので、もらってる給料にふさわしいだけの労務をきちんと提供する責任が生じます。割り当てられた仕事を放り投げてサボってばかりいたとしたら、「無責任だ」と批難されるてもしかたがないでしょう。もっとも、この「責任」はどこまでも背負わなければならないものではありません。経営者ならともかく、一介の雇われ従業員の立場であれば、少なくとも給料にふさわしいだけの労務を提供すれば十分に責任は果たしていると言えます。巷では「社会人は自分の責任をしっかり果たさなければいけない。学生気分ではダメだ」ということを言う人が多いですが、僕の見た限りでは、ほとんどの人は給料にふさわしいだけの責任を十分に果たしています。むしろ、本来であれば背負わなくてもよいはずの責任を背負いすぎて、それでつぶれかけている人のほうがはるかに多いのではないでしょうか。○失敗した新規事業に関わっていた友人の話例えば、僕の大学時代の友人にこんな人がいます。彼はとあるインターネット系の会社に就職したのですが、入社時からずっと新規事業に関わりたいという思いを抱いていました。思いが通じたのか、入社して数年後についに新規事業の立ち上げを行う部署に異動になります。希望が叶った彼はそこで精いっぱい働きました。そしていよいよ新規サービスがリリースされる日が来たのですが、いざリリースしてみると初動の数字は計画を大きく下回り、半年ほどさまざまなテコ入れ策を試したものの効果がなく、結局そのプロジェクトは解散することになりました。ここまではまあよくある話だと思うのですが、問題はその彼が新規事業の失敗に大きな「責任」を感じていたことです。彼は何度も何度も「会社に申し訳ない」と言っていました。自分が関わったサービスが失敗したことを残念に思う気持ちはよくわかるのですが、「会社に申し訳ない」とまで思ってしまうのは、明らかに行き過ぎです。○新規事業に失敗しても従業員に責任はないそもそも、新規事業の成功・失敗は、現場の働き以上に経営者の意思決定によるところが大きいものです。そういう意味では、失敗の責任は従業員ではなく経営者にあると言えます。現場の従業員は、経営者が立てた方針に従って自分たちがなすべき仕事をしていた以上、責任は十分に果たしています。彼も仕事をサボっていたというならともかく、立ち上げのために精いっぱい働いていたわけですから、「会社に申し訳ない」などと責任を感じる必要性はまったくありません。経営者が背負うべき責任を従業員が背負ってしまうと、働き方は容易にブラック化します。彼の場合も、部署異動後はほとんど休みも取らずに、ひたすらその新規事業に尽くしていたそうです。このように過度に責任を背負い込む社員がいることは経営者から見れば都合がいいでしょうが、従業員の側から見れば得はほとんどありません。実際、彼の同僚でもリリース後の炎上に耐え切れずに、休職や退職を余儀なくされた人が何人かいたようです。別に新規事業の立ち上げに成功したところで儲かるのは自分ではなく会社なのですから、自分の責任の範囲を一歩引いて見極める姿勢は持っておきたいところです。○有休を取ることも「責任感がない」ことではない他の例だと、「責任」を感じすぎてしまって有給がまったく取得できないという人を見ることがあります。「自分が休んでしまったら、仕事がまわらなくなってしまう」と思ってしまうのです。これも、必要以上に責任を背負いすぎてしまっています。仮に、誰か1人が休んだぐらいで仕事がまわらなくなってしまうとしたら、それは休んだ人が悪いというよりも、そのような人員配置や組織づくりを行った経営者や上司の責任です。繁忙期があって一時的に休めない時期が出てくるというのであればともかく、仕事がまわらなくなることに責任を感じて一年中休むことができないというのであれば、それは責任の背負いすぎです。会社が果たすべき責任を果たしていないという問題を、個人の責任に還元してしまうと、状況は一向に改善しません。○背負い込む責任には必ず一線を設ける「社畜」のような働き方に陥ってしまっている人の中には、責任感が強すぎるという人が多くいます。責任感が強いことは普通は長所ですが、必要以上に責任を背負うことを強要される日本の会社では弱点にもなりえます。背負い込む責任には必ず一線を設け、会社が背負うべき責任まで個人で背負ってしまわないように気をつけましょう。それが結果的に、自分を守ることにつながります。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。(タイトルイラスト:womi)※毎週金曜更新
2014年10月31日「努力」は重要なことだとよく言われます。成功している人が、大変な努力家であるということは少なくありません。マルコム・グラッドウェルによれば、「天才」と呼ばれる域に達するには、どんな分野でも1万時間ぐらいは練習の時間が必要なのだそうです(いわゆる「1万時間の法則」)。1万時間に達するためには、毎日3時間ずつ練習しても10年、毎日8時間を費やすことができても4年は必要ということになります。これは一朝一夕でどうにかなるようなものではありませんので、この法則が正しいとすれば、やはり継続的な「努力」は重要ということになりそうです。もっとも、会社で仕事をする場合には、安易に努力に走ってしまうのも問題です。僕がまだ会社員をしていた頃、安易に努力に走ってしまったために、連日の残業や休日出勤を繰り返していた同僚を何人か見たことがあります。実際、努力が苦にならない人は、「社畜」になりやすい人でもあるので注意が必要です。○会社での仕事に努力は向かない基本的に、会社での仕事に努力はあまり向きません。これが受験勉強のようなものであれば愚直な努力を続けることでそれに見合うだけの成果が上げられるかもしれませんが、仕事では必ずしも努力が成果に結びつくとは限りません。会社での仕事には多くの「ムダ」がつきまといます。本当はやらなくてもいいような仕事を振られることは少なくありませんし、どうでもいいことばかり何時間も話し合っている会議は山ほどあります。会社は人が何人も集まって仕事をする場所なので、どうしてもコミュニケーションの分だけ仕事は複雑性を増し、ムダが大量に生まれます。そういう場所で成果を上げていくためには、努力よりも「効率」を重視する必要があるのです。問題に直面した時に、安易に努力によって切り抜けようとしてしまうのは、仕事の進め方としては間違った姿勢だと言えます。○「頑張る」ことで「あいつならやってくれる」というイヤな期待が生じるもっとも、日本の会社では必ずしも努力よりも効率を重視した人が評価されているとは言えません。むしろ、多くの会社ではまだまだ「頑張っている」という姿勢だけで周囲からいい評価が受けられるという場合が少なくないでしょう。テキパキと仕事をすばやく片付けて定時退社をする人が「頑張っていない」と非難され、ダラダラと残業をしてからゆっくり退社した人が「いつも遅くまで残って頑張っている」と評価されてしまうような職場は、残念ながらまだまだたくさんあります。「頑張っている」という姿勢だけで周囲から評価を受けられるとすれば、努力が苦にならない人はすぐに「頑張る」ことによって問題を解決しようとしてしまいます。深夜残業や徹夜によって仕事を片付け、時には休日をつぶして働きます。こういう働き方を続けていると、「あいつなら多少は無理なお願いをしてもやってくれる」という周囲の期待のようなものも生まれてしまいます。夜の10時ぐらいに「まだ終電まで時間あるよね?」と言われて新しく仕事を頼まれたり、金曜日の夜に「これ、月曜日までにお願いできる?」とむちゃぶりをされたりするようになります。こういったイヤな期待に応えてしまうと、ますます仕事は集中し、悪循環に陥ります。いずれ完全な社畜に転落してしまいます。○脱社畜には意図的に「怠惰」になることも必要周囲から「あいつならやってくれる」という迷惑な期待をかけられないためにも、会社での仕事で安易に努力をしてしまうのは避けるべきです。そのためには、意図的に「怠惰」になることも必要です。誰でも多かれ少なかれ「めんどくさいなぁ」「やりたくないなぁ」という気持ちを持っていると思いますが、この気持ちを押し殺すのではなく最大限尊重するように心がけましょう。上司から仕事を振られて「やりたくないなぁ」と感じたら、それを我慢するのではなく、「どうすればやらないで済むだろうか」を真剣に検討するべきです。このような気持ちが逆に仕事の効率を高め、時には発明につながります。僕は元々はプログラマーをやっていたのですが、プログラミングの世界には「怠惰は美徳」という箴言のようなものがあります。プログラミングでは、本来ならばやらなくても済んだことにムダに労力をかけることはよくないこととされています。これは別に、プログラミングの世界だけに限ったことではありません。ムダな努力はいかなる場合も避けるべきです。基本的に、努力をするのは最後の手段だと考えなければいけません。安易に努力によって解決しようとせずに、なんとかラクして済ませることはできないか、常に考えることを忘れないようにしたいものです。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。(タイトルイラスト:womi)※毎週金曜更新
2014年10月24日三浦しをんの人気小説を、瑛太と松田龍平を迎えて映像化した、映画第2作目『まほろ駅前狂騒曲』の初日舞台あいさつが18日、都内で行われ、瑛太、松田龍平、高良健吾、真木よう子、永瀬正敏、大森立嗣監督が登壇した。架空の街・まほろ駅前で、便利屋を営む多田啓介(瑛太)と行天春彦(松田龍平)の奮闘を描く本シリーズ。2011年の映画『まほろ駅前多田便利軒』、2013年の連続ドラマ「まほろ駅前番外地」に続いて、2作目の映画となる『まほろ駅前狂騒曲』では、行天の実娘・はるの子守り代行や、謎の元新興宗教団体の隠密調査など、やっかいな依頼に2人が大苦戦を強いられる。大森監督から、瑛太と真木がやったキスシーンの失敗談の話題が振られると、瑛太が心配そうに「みなさん、爆笑できました?」と会場に尋ねる。観客の拍手のリアクションを聞いて安心した瑛太は「台本ではキスすると書いてあったんですが、シートベルトで引っかかってしまって」と説明。松田が「いや、キスした方が良かった」と突っ込むと、真木も「私もキスされるものだと思っていた。でも、爆笑してもらったのならいいんじゃないかと」と笑顔を見せた。真木は、瑛太と松田の印象について「怖い。凶器みたいな2人だから、懐に入っていったらボコボコにされそう」と脅威を口にすると、松田は「ボコボコにしないですよ」と苦笑い。真木は笑いながら、『さよなら渓谷』(2013年)でも組んだ大森監督の現場ということで「安心して入れました」とも語った。大森監督は、瑛太たち豪華キャストについて「良いものを作ろうとしている人たちなので、撮影は楽しかったです」と感想を述べた後「来週(台湾・高雄映画祭で)台湾にも行ってきますので、本作を日本から世界に広げていきましょう」と、力強く宣言した。
2014年10月19日映画『まほろ駅前狂騒曲』が10月18日に公開を迎え、主演の瑛太と松田龍平、高良健吾、真木よう子、永瀬正敏、大森立嗣監督が新宿ピカデリーで行われた舞台あいさつに登壇した。『まほろ駅前狂騒曲』舞台挨拶その他の写真本作は、元同級生の三十路の便利屋コンビを描く三浦しをんの小説を原作にした人気シリーズの第3弾。行天(松田)の遺伝子上の娘をしばらく預かるという無謀な(?)依頼に加え、まほろ市に進出してきた謎の団体との関係でふたりはまた事件に巻き込まれていくことに…。2011年の劇場版第1作、連続ドラマに続く劇場版の公開を祝し、観客が「おかえりなさい!」で出迎えるサプライズ演出があり、瑛太は「ただいま!」とニッコリ。松田も「ビックリしました(笑)。帰ってこられてうれしいです」と喜びを口にした。舞台あいさつでの瑛太と松田のやりとりは劇中の多田と行天の掛け合いそのもの。公開前のプロモーションで170もの媒体の取材をふたりが受けたことが明かされると瑛太は「今回は凄かったです。ここまでやったのは初めてです」と充実した表情で語るが、そんな瑛太をよそに松田は「“たくさんやりました”アピールって意味あるのかな…? すいません、水差して(笑)」とマイペースに思ったことを口にし会場は笑いに包まれた。足かけ3年にわたりシリーズを紡いできたことについても、瑛太が「龍平とはデビューでも一緒で、その後も共演してきたし、『まほろ』は人生においても大事な作品」としみじみと感慨深げに語るが、松田は対照的に「行天はどんな存在か?」という問いに「仕事ですね」とあっさりした答え。とはいえ、やはり特別な思いもあるようで「(行天という役に対して)客観的になれないところもあるけど、それだけ思い入れがある役ということ」と少し照れくさそうに明かした。さらなる続編を期待しているのはふたりに共通する思いのようで、瑛太が「今後、続けられるかはお客さんにかかっている」と言えば、松田は「(映画、連ドラ、ふたたび映画ときて)この流れだと次はまた連続ドラマかな?」と意欲を口にし、会場は期待を込めた拍手に包まれた。最後に改めてマイクを握った瑛太は『まほろ』シリーズが持つ独特の空気に触れ「こういう映画が日本でたくさん観られるようになってほしい。わかりやすくないものがなかなか受け入れられないところがあるけれど、『まほろ』のようなこういう世界観、人それぞれ捉え方が違う世界観を持つ映画を作れる日本になっていけたらと、俳優部として思っています」と語り、再び会場は拍手に包まれた。『まほろ駅前狂騒曲』公開中
2014年10月18日三浦しをんの小説を基に、瑛太と松田龍平が便利屋コンビ、多田&行天のままならない日々を体現する“まほろ”シリーズ。映画『まほろ駅前多田便利軒』、連続ドラマ『まほろ駅前番外地』に続く第3作『まほろ駅前狂騒曲』について、ふたりが語った。その他の写真完成作を観て「この先も(シリーズが)続いていってもいいんじゃないのかな」と手ごたえを感じたという瑛太。原作にとらわれないオリジナルな内容のドラマ版を経ていたからこそ、「制約がなくなった感じがある」と話す。松田龍平も「自分でもびっくりするくらい、何も考えずに撮影現場にいて、あるときハッと正気に返った(笑)」と、この世界観がいかに自分たちに馴染んでいたかを振り返る。行天の複雑な過去を軸に物語は展開する。行天のナイーヴな部分を気遣いながら仕事を進める多田の姿が微笑ましく、そこからは微細な情緒がこぼれおちる。絶妙なやりとりは、このふたりならではだ。「バックボーンがこうだから、このくらいの距離感で、みたいな思考はもうなかった」と瑛太。本シリーズ以外でも共演作が多く、プライベートでも交流の深い彼らだが、お互いに対してぬるくないリスペクトがある。「むしろ、撮影のときのほうが、プライベートのときより(関係性は)濃いというか。ドラマのときは、多田なのか瑛太なのかわからない、みたいな感じもあった。ただ、友だちだからこそ(共演する上では)馴れ合いみいたいなものが極端に怖いなって。“友だちだから”というノリは嫌だなって。そうじゃないところでやりたいし、そうじゃないところでの瑛太が見たい。そういう欲にいく」(松田)「役や作品が違うと、違った龍平が見れる。感じるものが全然違ってくるんですよね。『ナイン・ソウルズ』のときは、龍平って怖いひとなのかな、俳優として恐ろしいなと感じたけど、行天と向き合うとキャラクターの幅を感じる。たくさんの要素を“入れてる”のか、“作ってる”のかわからないし、人間のいろんな“色”を見ちゃう。もちろん、そこに嘘はないし、龍平がやると芝居が芝居じゃないところまでいっちゃう――“そいつ”になっちゃってる」(瑛太)高め合うふたりの絆は、映画からもしっかり伝わってくる。取材・文:相田冬二撮影:中川有紀子『まほろ駅前狂騒曲』10月18日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2014年08月25日「ブラック企業」という言葉は、今や知らない人がほとんどいないぐらい有名な言葉になりました。就活生の多くも「ブラック企業に就職するのは嫌だ」という気持ちで就職活動をしていることと思います。もっとも、「ブラック企業にさえ就職しなければそれで安心」と単純化して考えてしまうのは間違いです。「ブラック企業」という捉え方をする場合、その対象となる最小単位は1つの会社です。しかし実際には、1つの会社の中にもさまざまな部署が存在し、部署によって働き方に大きな差が出ることは少なくありません。世間では優良企業だと言われている会社であっても、その中に「ブラック部署」が存在する可能性は十分にありうるのです。そういう意味で、入社後どの部署に配属されるかは、どの会社に入るのかと同じぐらい重要です。就職先の決定と違って、配属先の決定は会社側に絶対的な決定権があるので新入社員にできることは決して多くはないのですが、それでも可能な限りブラック部署に配属される確率は下げておきたいものです。○配属先決定のプロセス配属先の決まり方は会社によってまちまちですが、一般的には (1)部署側の都合、(2)本人の適性、(3)本人の希望、を勘案して決めるのが普通です。このうち、(1)については新入社員にできることは何もありません。しかし(2)と(3)については、ある程度の「努力」をすることは可能です。具体的には「新人研修」と「配属面談」をうまく活用することです。○まずは部署の情報を集めよう最初にやるべきは、部署について確かな情報を集めることです。入社すると、内定者時代には知り得なかったこともわかるようになります。「◯◯部はすごく雰囲気が悪いらしい」といったうわさも耳にするでしょうし、実際にその部署で働く人がどんな顔をして働いているかを見れば、なんとなくその部署がどんな雰囲気かの察しもつきます。内定者の時に「よさそうだな」と思っていた部署が、実際にはブラック部署だということもあるので、配属先の希望を既に決めているという人も、一度「社内から見て実際にどうか」は確認しておくべきです。実は僕も、入社後の「実態」を見て希望配属先を切り替えた経験があります。入社前、僕はある部署(仮に「A部」としておきます)に配属されることを希望していたのですが、実際に入社してからA部で働く社員がいつも疲れた顔をして働いているのを目撃し、さらには社内でA部は「不夜城」と称されていることを知って、慌てて希望配属先を切り替えました。あのまま突き進んでいたらと思うと、今でもゾッとします。○研修では頑張り過ぎない研修を通じて「ストレス耐性」や「精神力」が高いと人事から判断されてしまうと、それがそのままブラック部署への配属につながってしまう可能性があります。「あの部署は大変な部署だけど、あいつは根性があるからきっと大丈夫だ」と思われてしまうのです。そうならないためにも、新人研修は「ほどほどに」過ごすことをおすすめします。不真面目になりすぎて目をつけられるのは避けたいですが、一方でやる気を出しすぎて「あいつならどの部署に行っても耐えられる」と勘違いされては目も当てられません。例えば、研修の課題のために徹夜をして、会社に泊まりこむなど論外です。研修期間中は「努力・根性」は封印しましょう。むしろ「体力に自信がないからいつもみんなより一足先に帰る」ぐらいでちょうどいいのです。○配属面談では「現実的な希望」を出す配属面談では、必ず希望の部署を伝えましょう。その際には、「現実的な希望」を言うという観点が大事です。あまりにも自分の適性とかけ離れた部署を希望してしまうと、人事も受け入れることはできなくなります。仮に自分が人事でも、自分をそこに配属させることは合理的だと思うような、そんな現実的な希望を根拠と一緒に伝えられるとよいでしょう。希望は1つだけでなく、いくつか出せるとさらに安全度は高まります。1番ダメなのは、「どこでもいいです」と決定を完全に相手に委ねてしまうことです。希望は必ずしもかなうとは限りませんが、言っておけば考慮はされます。言わなければ、考慮のされようがありません。○それでもブラック部署に配属されてしまったら……ここまでやったとしても、やはり配属から「運」の要素を除去することはできません。運悪く自分の望まない部署に配属されてしまうことはありえます。その際にどうすればよいかはとても難しい問題です。解決策は状況に応じて個別具体的な検討が必要ですが、ひとつだけ言えることは「異動の時期までじっと耐えろ」が唯一の正解ではないということです。人生の時間は有限です。時間を無駄遣いしないために、耐えるのではなく自ら違う環境に移る選択をするのも、ひとつの考え方だと僕は思います。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。(写真は本文とは関係ありません)
2014年07月25日どんな人でも、「自分をよく見せたい」という気持ちは持っているものです。特に就活の面接では、面接官に自分のことを魅力的な人物だと思ってもらうために、多かれ少なかれ話を盛ったり脚色したりする人は多いと思われます。このような態度が一切ダメだ、というわけではありません。話の大筋が事実に基づいているのであれば、多少の脚色はテクニックの範囲内でしょう。もっとも、明らかにすべきではない脚色もあります。例えば、実際は人と話すのがあまり得意ではないのに「人と話すのが好きです」と言ってしまったり、本当はあまりガツガツした性格ではないのに「御社で成長していきたい」と熱く語ってしまったりするのはよくありません。このような無理な「背伸び」は、長期的に見れば自分の首をしめることにつながります。○「意識の高さ」を演じてしまった友人の話僕の学生時代の友人の中にも、内定欲しさについつい「背伸び」をしてしまった人がいます。彼はもともと、そんなにガツガツしたタイプではありませんでした。彼はよく「給料は別にそんなに高くなくてもいいから、ラクな仕事に就きたいなあ」という話をしていたのですが、なんとなくとある有名企業を受けてみたところ、順調に選考を進めていき、最終的には内定を獲得してしまいました。その企業は、給料も高いが激務であることで有名な会社でした。あまりにも彼とその会社のイメージにズレがあったので、僕は困惑しました。どんな態度で面接に臨んだのか聞いてみたところ、彼は周囲の空気に圧倒され、思わず「意識の高さ」を演じてしまったのだそうです。面接官は、最後までそれを「演技」と見抜くことができなかったわけです。迷いに迷った挙げ句、彼は結局その会社に入社しました。同期や先輩社員との「意識の高さ」の違いを埋めることができず、入社後はかなり苦労したそうです。最終的には、彼はその会社を辞めて転職しました。今は比較的、自分にあった働き方ができているようです。○内定はあくまで「はじまり」にすぎない企業側が「コミュニケーション力がある学生が欲しい」、「成長意欲の高い人に入社してもらいたい」などと言っているのを聞くと、ついつい自分の本心を曲げてこのような人物を演じてしまいたくなる気持ちもわからないではありません。もちろん面接官もプロなので、ウソのほとんどは見抜かれてしまうはずです。「英語が得意です」と自己アピールしたところ、「じゃあ、英語で自己紹介してみて」と言われてフリーズしてしまった学生がいた、という話を聞いたことがあります。いくら企業側のニーズに則して「背伸び」をしても、それが実を結ぶことはあまり多くはありません。しかしまれに面接官が「背伸び」に気づかずに内定が出てしまうことがあります。こうなったら地獄です。内定は、あくまで会社とのつきあいの「はじまり」にすぎません。入り口だけ偽ってなんとか社員になることができても、その先には日々の業務が待っています。就活の時に無理な「背伸び」をしてしまうと、入社後もずっと同じように「背伸び」をしつづけなければならなくなります。自分が苦手なこと、本当は好きではないことを業務としてこなしつづけなければならない日々を想像してみてください。きっと地獄のようにつらいはずです。○自然体で行って不採用ならしょうがない大事なことは、「内定のためだから」と言って自分を偽らないようにすることです。会社は「入ってしまえばこっちのもの」と言えるようなものではありません。むしろ、悩みのほとんどは「入った後」にあります。入った後の悩みを少なくするためにも、「苦手なことは苦手」と正直でいることをおすすめします。無理な「背伸び」をして自分に合わない会社から内定をもらうぐらいだったら、自然体でぶつかって不採用になったほうが長期的に見れば幸せです。世の中には、さまざまな会社があります。中にはきっと、自然体の自分を評価してくれる会社があるはずです。そういう会社をさがしましょう。入社後にずっと自分を偽り続けなくてもいいように、就職活動はできるだけ自分を偽らずに自然体で行うことをおすすめします。日野瑛太郎ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。タイトルイラスト:Womi(写真は本文とは関係ありません)
2014年07月11日コロワイド東日本は「手作り居酒屋甘太郎」の35周年を記念し、名前に太郎が付く人にお得なサービス「太郎割」を11月1日より開始する。同サービスは「甘太郎は、太郎に甘い。」がコンセプト。名前が「甘太郎」の人には、グループ全額無料(割引上限10万円)。名前に「太郎」が付く人、または含まれる人には、グループのドリンクまたは料理が半額(割引上限5,000円)、グループの宴会コース料金が10%OFF(割引上限2万円)等のサービスが受けられる。実施する店舗は、関東・関西・北海道の「手作り居酒屋 甘太郎」のほか、「遊食三昧 NIJYU-MARU」、「北の味紀行と地酒 北海道」、「うまいものいっぱい いろはにほへと」、「うまいもん酒場 えこひいき」、「贔屓屋」、「地酒とそば・京風おでん 三間堂」、「うまいもの市場 TAPA」、「Foodiun Bar 一瑳」、「魚活鮮とあぶり焼 海へ」全店舗。利用には、名前が確認できる免許証等の身分証明書が必要。団体名や社名、通称、あだ名などは不可となる。実施期間は11月1日~12月31日まで。店舗によっては利用できないサービスも一部ある。また、他券の併用や食べ放題・ランチ・タイムサービス宴会・12月の金、土曜日は利用不可。詳細は「太郎割」公式サイトで案内している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月30日JR東日本八王子支社は11月24日、東京都日野市の豊田車両センターを一般公開する「豊田車両センターまつり」を開催する。車両の展示やメンテナンス作業の実演、鉄道模型の展示・走行、鉄道グッズの販売などの催しが予定されている。車両展示には、115系(中央本線)、209系(武蔵野線)、E231系0番代(中央・総武線各駅停車)、E231系800番代(東京メトロ東西線直通用)、E233系(中央線快速電車)の各車両が登場する予定。一部時間帯のみだが、特急「あずさ」「かいじ」に使用されるE257系、特急「スーパーあずさ」に使用されるE351系も展示予定だ。検修庫内では115系とE233系を使用したメンテナンス作業の実演やジャッキアップ車両の展示を実施するという。その他、E5系ミニ新幹線の運転や子ども向けの写真撮影コーナーなどが企画されている。「豊田車両センターまつり」の開催日時は、11月24日10:00~15:00(入場は14:30まで)。雨天決行。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月21日豊田利晃監督の最新作『モンスターズクラブ』のプレミア試写会が23日に都内で行なわれ主演の瑛太、窪塚洋介、草刈麻有、KenKen、ピュ~ぴると豊田監督が舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は豊田監督が“ユナボマー事件”と呼ばれる爆破事件を起こした実在の人物にインスパイアされて制作した作品。瑛太は社会と断絶した環境に身を置き、企業に爆弾を送り続ける主人公を演じている。「運命みたいな必然性が目の前にやってきたのでそれにしっかり応えたいと思った」と瑛太。豊田監督は「瑛太の今まであまり出していなかったストイックな部分を引き出せるのではないかと思った。この映画は瑛太でよかった」とキャスティングの理由を明かし、「サバイバルをテーマにした映画なので過酷なところを選んだが、寒すぎた」と昨年2月に敢行した山形県最上町での撮影を振り返った。「豊田監督とずっと前から一緒に仕事をしたかった」という窪塚は「世の中に対する怒りや憤りだとか、役者をやっていてもこんな台詞を言えるチャンスは一生ないと思った。光栄です」と述べ、「今だからこその映画になったと自負しています。この作品が世界を変える爆弾になれば」と胸を張った。最後に瑛太は「撮影中は辛いこともあったけれど、窪塚さんがずっと一緒にいてくれたことで救われた。死生観ってなんだろうとかいろいろな話をした。僕の背中を押してくれたのは監督であって窪塚さんだった。僕は何かと決別できたんじゃないかと思う」と作品への並々ならぬ想いを語った。『モンスターズクラブ』4月21日(土)ユーロスペースほかにてロードショー
2012年02月24日凶悪犯殲滅のため、選び抜かれた≪元犯罪者≫悪(アク)を撃つのは7人の悪(ワル)!2011年冬、邦画史上最高のスーパーアクション・エンターテイメントが誕生。『ワイルド7』の公開を記念して、主演・瑛太のインタビューをご紹介。●オファーが来た時にどう思いましたか?羽住監督がアクションものを撮るということでお話をいただきました。原作もあると聞いたのですが、先入観を持って欲しくないとのことで読んで欲しくないと言われたんです。監督は「瑛太自身が自分で飛葉という役と向き合って、とにかく楽しんで」って言ってくれて。監督とは『銀色のシーズン』でご一緒したので、現場は絶対楽しいものになるという信頼もありましたし、『ワイルド7』もきっと楽しめるという期待値は高かったです。●飛葉という人物をどんな人物と捕らえて役作りをしていきましたか?まず台本を読んだときに、人物像というよりは7人の中でどの立位置にいるんだろうというのがすごく気になりました。飛葉は何か核心をついたことを言っているけれどどこか偏っていて、周りの人間とは違うと思っているし、自分の思想みたいなものをはっきり持っている人間じゃないかと。あと愛する人間を失ったことによる自責の念がすごく強いということは監督も話していて。僕が特にポイントにしたのは、7人全員犯罪者ではあるけれど、犯罪を犯してしまったことに対してや、実際ワイルド7という組織に入っていることですら、本当にこれでいいのかと感じていて、喪失感を一番大きく抱えている人間じゃないかと思います。自分ひとりで作っていくよりも7人の中での立ち位置でいかに一人一人のキャラクターの違いを出せるかを意識しました。●飛葉の悲しい過去についてどう思いますか?人生に後悔しない人なんていないと思うし、常に楽観的な人でも少なからず何か持っていると思うんです。飛葉は、そういう自分の闇の部分を人に言われてしまう状況下ではありますよね。そこに表現的にしがみついているようには見せないんだけど、飛葉自身もどこかで「ワイルド7」として生きていかなければいけないというか。だからこそ言えることや悟りみたいなものを感じているんじゃないかなと思っていて。自責の念を持っているというのは作品では描かれていますが、普段はそこまで強く意識していないんじゃないかなとも感じました。なので、飛葉自身、悲しい過去を背負っているという部分を強く意識することはなかったです。たまたま人との出会いによって表面に表れてしまったというか。●監督からのアドバイスは?特になかったんです。楽しんで、ということと、キャラクター設定くらいですね。最初の本読みの段階で、大体の飛葉としての幅は決まっていて、その幅を超えるかその中で納めていくのかという選択権はある程度現場に入る前に決まっていたという感じです。●アクションもすごくバイクシーンも多かったですが、特別な練習はしましかたか?しました。最初にアクションの先生に、自分の運転と大型バイクに乗って実際どれくらいタイヤを滑らせられるかなどを見極めるテストみたいなのをやって。実際に事故をおこしてしまったら撮影がとまってしまうので、監督にも見てもらって、ターンはこのくらいとか撮影的にカメラ位置を考えての見極めをしました。でもやっていくうちに、だんだんターンにしても練習していくから自分でも欲がでてくるし、ここはスタントの方じゃなくて自分でやってみたいとか思ったりしました(笑)。●演じてて怖かったなというシーンはありましたか?実際の弾着のシーンで、相手が撃ってくるときにどこに弾着のセットがされているかは現場にいたら分かるんですが、だんだん監督の演出で細かく言わなくなってきたんですね(笑)。そこはしょって行くしかないというか、時間も限られているし。その上で多分演出だと思うんですが、たまに想像以上に近かったり、大きかったり破片が飛んでくるというか。それがだんだん回数が多くなってきて、耳栓はもちろんしている時もあるんですけど、本当にかけらが飛んできたり、うるさすぎて耳がキーンってなったりとか、あれはリアルな反応を見るために監督がいたずらで仕掛けたんじゃないかなと思って、それがだんだん僕は怖くなっていきました(笑)。どこかで監督がある日、撮影も終盤近くなったころに別に瑛太が怪我したっていいからねって。そうだったんだ~と思いましたけど。撮影止まってもよかったならスタント使わなきゃいいのにって(笑)。●ダークヒーローを演じることや、アクションシーンなど新たなチャレンジが多かったと思い舞うが、特に印象的なことは?すごい凶悪犯罪者がいて、警察もどうすることもできなくて、じゃあヒーローに頼むしかないって言ったときに、僕が出てくるということはすごいチャレンジなんじゃないかなと思いますけど(笑)。やっぱり海老蔵さんみたいな人が出てきたらやっつけるんじゃないかって期待値は上がりますよね。そこで中心になっているのが僕で、本当に倒せるのかというかと客観的に思っている自分もいて。ものすごいバイクアクションができるのかといったらそうでもないですし、フィクションの中で、僕が本当の飛葉になれたらいいな、見えたらいいなっていうのはすごく思ったんですよね。僕自身も飛葉という人物を演じることがまずチャレンジではありましたし、やるんだったらちゃんと皆さんが期待するような、あいつならやっつけてくれるんじゃないかっていうキャラクターに見えていたらいいなというのはすごくありました。●深田恭子さんとの共演で新たな発見は?僕がヘルメットもつけずに深田さんを初めてバイクに乗せて車の間を走り抜けていくるシーンで、最初に感じをつかむために練習したんです。その時、「怖いーっ!こんなに飛ばすの?」て言っていたんですけど、僕も「でもこれぐらい飛ばさないとダメみたいだし、本番はもう少し速くなるかもしれないけど、掴まっていれば絶対大丈夫だから」って言っていて。それでいざ本番になったら、僕を掴んでいるテンションが全然違うんですよ。普通に柔らかくて。後で監督に聞いたら本番のときだけ一切顔が変わってなくて、怖さとかが表情に一切出てなかったって言っていて、すごいなと思いました。普段わりとおっとりしている方だから、本番になって目を合わせて芝居しているとこの人ユキなんだなという感じはすごく伝わってくるんですよね。敵対する意識と芯を持ってる感じとか。やっていて切り替えの早さと賢さをすごく感じました。●特に好きなシーンやセリフは?好きなシーンはラストシーンです。ラストシーンは撮影の終盤でみんなで集まるのも最後で、すごく景色もキレイで封鎖されていて、そこを何十往復もして何回も練習したり。往復で1キロくらいある。そこまで撮影で自由にバイク乗れることもないし、みんなでワイルド7でツーリングしてる気分になって楽しかったです。仕事を忘れてみんなで遊んでいる感じでしたね。●アクションも激しかったので日常的に気をつけていたことはありますか?ロケ地では控え室の近くにジムがあってみんなで筋トレしたりしました。あとケータリングで並んでいるご飯の量が普段より明らかに多くて、一杯食べていいんだなと思って。動くし飛葉という役は一杯食べるだろうなと決めていたので、普段の1.5倍以上は常に食べてました。お米も肉も野菜も。だから撮影を進めていくうちに革ジャンがきつくなっていった感じがありましたけど(笑)。●実際にアクションをやってみて拳銃一発撃つだけのことでも、スタッフみんなが良い意味での楽しい緊張感に包まれるんです。一発撃って芝居がダメだったとしても、もう一度やり直すためには時間と手間がかかるので、こちらとしてはすごくプレッシャーだったりするんですけど、でも心地よい緊張感がありました。アクションを魅せることを意識すると力が入りすぎたり、ぬるすぎると緊張感が失われたりするので、普段のお芝居にはない楽しい緊張感がありました。現場を進めていくうちにもっと出来たのにとか、こうしたいなとか、すごい悔しい気持ちが出てくるんですよね。うまくいかなかったなとか、飛葉だったらもっと冷静にいれたのにとか、普段のお芝居とは違う見せたいみたいな欲が出てくるから、反省点も多いというか。もっと素早く動きたいとかもっと柔軟に動きたいのに革ジャン硬いなとか、革ジャンに慣れていない自分がいたり。もっともっとやりたい気持ちが出てくるのは楽しいですね。●現場で影響を受けたこと7人が仲よしグループではないということが面白いと思いました。同じ空間で生活して、仕事をしてるんだけど、俳優としてもキャラクターとしても本当にバラバラで…。でもそこは監督とかプロデューサーの狙いでもありますし、例えば7人全員が20代だとまた違ったものになると思いますが、そこに椎名さんや宇梶さんがいることで、重みみたいなものもあったと思います。主演とかも意識してなかったです。●7人の絆を感じた瞬間は?各々が役に向き合うというか。コミュニケーションをとるシーンもそんなに多くなかったので、一人ひとりが流れを把握しながらも、どのシーンでそのキャラを見せていくかというのを皆が考えてるなというのをすごく感じていました。色濃くバラバラになっているというか。本当に、言葉でこうしよう、というはなかったです。それぞれ色々あったんだろうけど、今こうして一緒にいるという、仲よしグループではない良い距離間でできたんじゃないかな。それが絆なのか任務としてやっているだけなのか、というのは分かりませんが。●この作品の見所は?エンターテインメントとして、劇場に見に来て欲しいです。純粋に、ただバイクですごいな!とかワイルド7って強いなとか、本当にアクション映画として楽しんでもらえたら嬉しいです。作品情報『ワイルド7』監督:羽住英一郎出演:瑛太、椎名桔平、丸山隆平、阿部力、宇梶剛士、平山祐介、松本実、要潤、本仮屋ユイカ、吉田鋼太郎、深田恭子、中井貴一配給:ワーナー・ブラザース映画ワーナー・ブラザース映画(c)2011『ワイルド7』製作委員会
2011年12月12日伝説のコミックを実写映画化した『ワイルド7』のジャパンプレミアが28日に、東京ドームシティホールで開催され、主演の瑛太をはじめ、椎名桔平、丸山隆平、阿部力、宇梶剛士、平山祐介、松本実、深田恭子、羽住英一郎監督が出席した。本格的なアクションに初挑戦の瑛太は、バイクや銃器に囲まれた撮影を「男なので、鉄が好きなんで…」とポツリ。さらに「美女、美男に囲まれて楽しかったです」と“非ワイルド”な発言で会場を笑いに包んでいた。原作は1969年から10年間に渡って連載された望月三起也の同名コミック。選りすぐりの犯罪者7人によって構成された警察官“ワイルド7”が、超法規的な手段で巨悪に立ち向かう姿をし烈なアクションと最新VFX技術を駆使し、ダイナミックに描く。瑛太は「見終わった後は、テンションが上がり、爽快感が残る作品」と自信をのぞかせ、椎名も「純粋にお客さん目線で楽しめた。普段は反省点に目がいってしまうし、こんなことはまれ」と本作のエンターテインメント性に自ら太鼓判を押す。アイドルグループ「関ジャニ∞」の丸山は今回が映画初出演とあって「豪華な俳優のみなさんがそろう作品が、僕にとって初めての映画。こんな幸せなことはないと実感しています」と感慨深げに挨拶し、ファンも大歓声。「死なない程度に監督に追い込まれた」(宇梶)、「宇梶先輩がデカくて目障りだった」(平山)とワイルドな掛け合いを披露すれば、小柄な松本は「改造費に数百万かかったバイクを、スタンドをかけ忘れて倒してしまった。プロデューサーの眉間に血管が浮いていた」と自らの失態を告白。阿部は「完成したばかりの本編を見ながら、心拍数がグーッと上がるのを感じた」と興奮気味だった。そんなワイルドな面々が顔を揃える中、“紅一点”の深田は「女性もときめきながら、見られる作品。きっとワイルド7のファンになっちゃうと思います」と女性目線でアピール。「一番ワイルドだと思うのは?」の問いには、「どの方もワイルドだなと思います」と優等生な発言だった。『ワイルド7』12月21日(水・祝)全国ロードショー
2011年11月29日サンタクロースの秘密を描いた3Dアニメーション『アーサー・クリスマスの大冒険』の日本語吹替え版を演じるタレントのウエンツ瑛士が、27日に都内で公開アフレコを行なった。本作は、北極の氷の下で100万人の妖精たちを指揮し、超ハイテクグッズと超ハイテク“そり”を用いて、世界中の子供たちにプレゼントを届けるサンタクロース家業を営むクリスマス一家の物語。ハリウッド・アニメの声優は初挑戦となるウエンツは、字幕版ではジェームズ・マカヴォイが演じるサンタの息子アーサー役を担当。主題歌はジャスティン・ビーバーが歌うクリスマスソング『サンタが街にやってくる』に決定した。主人公のアーサーと顔が似ていて、同じ次男という共通点のある役についてウエンツは「アーサーも切り替えが早く、一度決めたことに頑固に突き進むところは似ている」と話し、ジャスティン・ビーバーについては「主題歌はマイケル・ジャクソンが歌っているような雰囲気があって作品にピッタリ」と絶賛。「もしジャスティンに会う機会があれば“芸能界は厳しい”と伝えたい。でも正直、僕が日本版の吹替えをすると知っていればですが…」と笑いを誘った。最後にウエンツは「クリスマスのイベントは中学、高校生になると恥ずかしくて、心から楽しめないけれど、そんなことを忘れさせてくれる映画です。思春期に入ったくらいの男の子、女の子に観てほしい」とPRした。『アーサー・クリスマスの大冒険』11月23日(水・祝)丸の内ルーブルほか全国ロードショー※3D・2D同時公開/吹替え版のみ上映
2011年10月27日瑛太主演で往年の人気漫画を映画化した『ワイルド7』。その激しいアクションシーンを含む撮影の様子を捉えた画像が解禁となるとともに、このほど撮影中の現場のセットが報道陣に公開された。男心をくすぐるワイルドなヤローどもの“アジト”とは――?法では裁けない凶悪犯を逮捕ならぬ“退治”するために、前科を抱えた7人の男たちで結成された警視庁内の超法規的機関“ワイルド7”。バイクを駆って命懸けで凶悪犯を追い詰めていく彼らの活躍を『海猿』シリーズの羽住英一郎が壮大なスケールで映画化する。撮影は3月中旬に九州でスタートしたが、その後、関東近郊へ。この日、報道陣に公開されたワイルド7のアジトのシーンの撮影が行われていたのは埼玉県の川口市。荒川沿いに建つ格納庫群の一角に、細部にわたってアイディアの凝らされたセットが組み立てられた。この日は、ワイルド7の立案者で司令塔的な存在である草波(中井貴一)が、新たな事件についてワイルド7の面々に説明する、というシーンが撮影されていた。倉庫の壁面をスクリーン代わりにデータが映し出され、草波が複数の事件の裏で暗躍する黒幕の存在を説明する…のだが、そこはワイルドな男たちのこと、ごく一般の企業やお役所の会議の雰囲気とは程遠い。机には酒のボトルが並び、話に耳を傾けつつもそれぞれ勝手気ままな様子。中井さんはその後の会見で「人が話しているときにピーナッツ食べたり、吐き出したり、人の気が散ることばっかりやりやがる」と苦笑交じりにボヤいていたが、この様子からワイルド7のキャラクターが一発で伝わってくる。スモークが焚かれ、ほこりっぽい雰囲気が演出されたこちらのアジト。各人が座り込んでいるのが、“共用スペース”とでもいうべき場所である。端では扇風機が生ぬるい空気をかき回し、イスやテーブルが乱雑に置かれ、その横には冷蔵庫が据え置かれている。整頓されているとはお世辞にも言えないが、彼らがリラックスしている様子がうかがえる。さらに、この共用スペースの脇には、それぞれに割り当てられた“個人スペース”と言えるバイク用のガレージがある。ここは、7人のキャラクターが色濃く反映されている。左端は丸山隆平(関ジャニ∞)演じるパイロウのブースで、火薬に強い彼らしく、そこには爆弾用の劇薬が置かれている。音楽好きのB・B・Q(バーベキュー/松本実)のガレージには、ステレオが置かれ、脇にはサンドバッグが吊るされている。洋モノのピンナップが散らばっているのは平山祐介扮するヘボピーのスペース。冷静沈着で頭脳派のセカイ(椎名桔平)のブースは、ほかのメンツと比べてどこか大人っぽさの漂う作りに。また、宇梶剛士演じるオヤブンは任侠の出身とあって、ブースの奥には代紋が置かれ、脇には日本刀がある。飛葉大陸(瑛太)とソックス(阿部力)はさすがメンバーの中でもトップクラスのテクニックを誇るライダーとあって整備されたバイクが並び、さらに飛葉ちゃん自慢のピストルも!期待を裏切らない男のアジトといった様相を呈していた。なお、新たに解禁となった画像では、激しいアクションの一端が明らかに!炎の中をくぐり抜けるセカイや銃を構える飛葉、車が横転し炎上する様子が写しだされている。さらに先日、出演が明らかになった深田恭子の姿も。劇中、瑛太さんが深田さんを乗せてバイクで疾走するという場面もあるそうだが、いったいどのようなシーンに仕上がっているのか?こうした激しいアクションに人間ドラマが魅力だが、同時に細部まで趣向の凝らされたセット、そしてそこでのワイルドな男たちの横顔も見逃すべからず!『ワイルド7』は2012年新春、公開。■関連作品:ワイルド7 2012年新春、公開■関連記事:瑛太、深キョンを乗せてバイク疾走も“ドS”監督から「もっと出せ」と非情命令瑛太が元犯罪者の警官役でバイクで大暴れ!伝説的漫画「ワイルド7」映画化決定
2011年05月06日加藤清史郎が主演を務める映画『忍たま乱太郎』の新キャストが発表され、中村獅童と檀れいが主人公・乱太郎の父と母を演じることが決定した。その他の写真『忍たま乱太郎』は、忍術学園に通う少年・乱太郎(加藤)が、教師・山田伝蔵(寺島進)らの指導を受けながら仲間たちと修行を積み、エリート忍者を目指す姿を描く。ヒラ忍者で“半農半忍”の生活をおくっている父を演じた中村と、息子を時に温かく、時に厳しく見守る母を演じた檀。中村は「スタッフには僕と清史郎くんが似ているとよく言われていましたが、清史郎くんは経験豊かな役者さんのようにしっかりしており、僕よりも大人の様なところもあり驚きました」とコメント。檀は「子供たちが喜んでくれるよう楽しい作品を作りたいと思いお受けしました。 昨年の夏の暑い撮影の中、元気一杯乱太郎を演じていた清史郎くんは、礼儀正しい“こども店長”でした(笑)」と述べ、「くの一らしい(刃物を扱う)シーンもあり、アクションを一発で決めるのは難しかったです」と撮影を振り返っている。すでに配布されている作品の資料には、「先祖代々、ヒラ忍者の家系に生まれたけれど、エリート忍者を目指して忍たまたちの学校<忍術学園>に入学したのです!すべては父上・母上を喜ばせるため」という乱太郎のセリフが記載されており、乱太郎の父母が物語上、重要なポジションをしめていることが伺える。実写映画『忍たま乱太郎』は7月23日(土)から全国公開され、3月12日(土)からはアニメ映画『忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』も公開される。『忍たま乱太郎』7月23日(土) 宿バルト9ほか全国ロードショー!
2011年02月17日