1959年の誕生から長きにわたって、世界中で愛されている着せ替え人形『バービー』。肌の色やファッション、メイクなど、その時代を反映しながら、バービー人形は、常に成長してきました。そんなバービー人形が、2023年に実写映画化!2022年4月には、実写版『バービー』で主演を務めるマーゴット・ロビーが写った同作のビジュアルが、さらに6月には、バービーの恋人であるケンに扮した、ライアン・ゴズリングの新ビジュアルも解禁されました。 この投稿をInstagramで見る Warner Bros. Pictures(@wbpictures)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る Warner Bros. Pictures(@wbpictures)がシェアした投稿 1990年代~2000年頃に流行したファッションを意味する『Y2K』スタイルに身を包んだ、マーゴット扮するバービーと、きれいな腹筋がまぶしい、ライアン扮するケン。どこか懐かしさを感じるファッションと、バービーとケンを見事に再現した2人の姿に、ネット上では「完璧なキャスティング」と早くも反響を呼んでいます。・ケン役はライアンじゃないだろうと思ったけど、意外とあり。・2人のもともとのよさがいかされていて、最高。・一体どんな話になるのか、予測不可能。実写版『バービー』でメガホンをとるのは、映画『レディ・バード』や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などで知られるグレタ・ガーウィグ監督。脚本は、グレタのパートナーである、ノア・バームバックが務めることが発表されています。なお、実写版『バービー』のストーリーは現時点では明かされておらず、一体どんな話になるのかはまだ不明。ただ、グレタとノアという今人気の2人がタッグを組むため、ありがちなストーリーでは終わらないという期待も十分にあります!世界中で愛されているバービー人形の実写版なだけに、今後もさらに注目度が増していきそうです。[文・構成/grape編集部]
2022年06月16日皆様は【映画】ってご覧になったりされますか??とりわけ「めっちゃ映画好き!」ってわけではないのですが、独身時代はそれなりに話題作などを映画館やテレビで楽しんでいました。その後子どもができてからは、見る内容もガラッと変わりまして…子どもができてからは必然的に子どもと一緒に見ることになるので【子供向けアニメ映画】ばかりに。(実写なら戦隊もの系)これが結構泣けるものも多く、誰よりも真剣に見入ってひとりだけ号泣(笑)(子どもも慣れているので誰もツッコまない)そんな中…。最近は子ども達も一度寝てしまえば、そばにいなくても朝まで寝てくれるようになったので、先日久しぶりに夫と映画を観ることになったのですが…自分で言うなって感じですが、私、昔からどちらかと言うと感受性が豊かなタイプで。(マジで自分で言うな)見る内容によって、感情を引きずられることは今までもありましたが、ここまでガツンとやられるのはけっこう珍しく(笑)もう日常生活に支障が出かねないレベルでメンタルやられてしまいまして…「こりゃいかん!」と、子ども達と一緒にアニメ映画見て上書き(笑)昔の自分と子どもが出来てからの自分とでは【感情】もかなり大きく変わりました。(何を見ても母親目線になってしまったり等)そのことを改めて実感したと共に、子ども向けじゃないものを見るときは、しっかり内容確認してからにしようと強く思いました(笑)
2022年06月01日「かもめ食堂」や「深夜食堂」「きのう何食べた?」など、おいしそうな料理シーンが胃袋を刺激する飯テロと言われている映画やドラマはとても人気があります。そんな飯テロ映画の一つに、2014年公開の「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」があります。堅物オーナーとそりが合わず一流レストランを解雇された主人公カールが、フードトラックで料理を作りながら進むストーリーは見応え満点で、公開当時話題にもなりました。ストーリーに登場する、フードトラックの看板メニュー「キューバサンド」は、柑橘類に漬け込んだローストポークととろけるチーズ、そしてたっぷりのバターで作られていて、とっても美味しそう!観終わったあとに無性にキューバサンドを頬張りたくなる飯テロ映画です。※Amazonプライム会員なら0円で視聴できます!商品画像出典: Amazon シェフ 三ツ星フードトラック始めました (吹替版)一流レストランの料理人カール・キャスパーはオーナーと衝突。創造性に欠ける料理を作ることを拒み、店を辞めてしまう。マイアミに行ったカールは、とてもおいしいキューバサンドイッチと出会い、元妻や友人、息子らとフードトラックでサンドイッチの移動販売を始めることにする。 「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」をAmazonで視聴する そこで、今回は映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」のキューバサンドのように、ボリューミーなお肉を挟んで作る食べ応え満点のサンドイッチレシピをご紹介します!■「照り焼きチキンサンド」のレシピお肉サンドの中で定番になりつつあるのが甘辛いソースを絡めて焼き上げた照り焼きサンドです。照り焼きソースはハチミツを使ってコクウマ仕立てに。酸味が効いたマヨネーズの相性は抜群です。シャキシャキレタスと一緒に召し上がれ。■「アボカドパストラミサンド」のレシピ巨大スーパー「コストコ」はシャルキュトリ(加工肉)の種類が豊富です。その中で低カロリーで食べ応えのあるパストラミビーフを使えば簡単に作れます。マヨネーズにハーブソルトを加えたソースで味に奥行きを出しましょう。■「焼肉サンド」のレシピ大人も子どもも大好きな焼肉をパンで挟んだボリューミーなサンドは、冷蔵庫であまりがちな焼肉のタレを使うので味付けが一発で決まります。スプラウトを一緒に挟んで見た目を美しく栄養面もバッチリなサンドに仕上げましょう。副菜は食物繊維が豊富な根菜で作るピクルスがオススメです。■「チャーシューサンド」のレシピラーメンに欠かすことができない甘辛味のチャーシューもサンドイッチに。酸味を効かせた粒マスタード入りのマヨネーズ、苦味が美味しいクレソンを合わせて食べて楽しい味の三重奏を奏でましょう。■「春キャベツ入り豚のショウガ焼きサンド」のレシピ定食の王様、豚のショウガ焼きをパンに挟んだ一品は、新鮮な組み合わせですがどこか懐かしい味です。お肉だけでなくキャベツも一緒に豪快に食べましょう。お肉を挟むサンドイッチは食べ応えがあるので、ピクルスやコールスローを一緒に食べれば栄養バランスが取れてお腹も満腹になります。あらかじめ挟むお肉を下ごしらえしておけば、忙しいテレワークのランチに持ってこいの一品になりますよ。商品画像出典: Amazon シェフ 三ツ星フードトラック始めました [AmazonDVDコレクション]DVD「アイアンマン」シリーズ監督のジョン・ファブローが製作・監督・脚本・主演4役を務め、フードトラックの移動販売をはじめた一流レストランの元料理長のアメリカ横断の旅を描いたハートフルコメディ。 Amazonで詳細・購入 商品画像出典: Amazon シェフ 三ツ星フードトラック始めました [Blu-ray]Blu-ray「アイアンマン」シリーズ監督のジョン・ファブローが製作・監督・脚本・主演4役を務め、フードトラックの移動販売をはじめた一流レストランの元料理長のアメリカ横断の旅を描いたハートフルコメディ。 Amazonで詳細・購入 ※記事内のリンクから商品を購入すると、売上の一部がエキサイト株式会社に還元されることがあります。
2022年05月28日みなとみらいエリアに属し、カップルのデートスポットとして、家族連れの観光地として、絶大な人気を誇る横浜・桜木町。桜木町駅北改札出口から直結するコレットマーレの6階、7階のレストランフロアが2022年春リニューアルグランドオープンを迎えました。海側レストランからは、横浜ベイサイドの眺望と夜景が広がります。現在、「コレットマーレ」内にある17店舗のレストランをグルメサイト「ヒトサラ」経由で予約をすると、各店舗先着20名、計340名に映画『流浪の月』の全国共通鑑賞券をプレゼントするキャンペーンを開催中。さっそく対象となる店舗の中から6店舗をピックアップし、ご紹介します。※予約数に達し次第、終了となりますので、お早めにご予約ください。【GARDEN HOUSE】イタリアン【お料理 真】和食【CARVAAN BAY YOKOHAMA】アラビア・地中海料理【iliescape】フレンチ【焼肉 大徳壽】焼肉6階【GARDEN HOUSE】イタリアンガーデンハウス3店舗目はパスタとピザがメインの店季節からのインスピレーションを大切に、石窯で焼き上げた「クラフトピザ」や自家製の「生パスタ」、グリーンデリやパンケーキ、パフェ、クラフトビールを常時用意。ランチ、カフェ、ディナータイムと、あらゆるシーンで食を通した心地よさや楽しさを提供するレストランです。GARDEN HOUSE Minatomirai【エリア】桜木町【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】2000円【アクセス】桜木町駅 徒歩1分7階【お料理 真】和食本格和食を窓一面に広がるみなとみらいの絶景とともに2022年4月30日にオープンしたばかり。築地や北海道直送の天然鮮魚を使用し、四季折々の本格和食を提供する和食店。ライブ感あふれる10mのフルオープンカウンター席をはじめ、プライベートな空間を演出するボックスシートもあるので、日常のお食事から接待や顔合わせまで、シーンに合わせて利用できます。お料理真【エリア】桜木町【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-7階【CARVAAN BAY YOKOHAMA】アラビア・地中海料理非日常の空間でいただく、アラビア・地中海料理2022年4月15日にオープンした、異国情緒溢れる空間から港町ヨコハマの景色を一望できるレストラン。スパイス香るモロッコのタジン料理やトルコのケバブ料理とともに、カールヴァーン社醸造のクラフトビールや、レバノン、ギリシャから直輸入したワインが楽しめます。CARVAAN BAY YOKOHAMA【エリア】桜木町【ジャンル】アジア料理【ランチ平均予算】4000円【ディナー平均予算】6000円7階【iliescape】フレンチ奥田政行シェフが手がける【アル・ケッチァーノ】の直営店【アル・ケッチャーノ】奥田政行シェフが手掛けるフランス料理店【iliescape(イリエスケープ)】。山形庄内や静岡、神奈川県内の生産者から運ばれる新鮮な食材を使用し、現代風のフランス料理を奥田シェフの感性で革新的にアレンジした、オリジナリティあふれる料理を堪能できます。iliescape【エリア】桜木町【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】6000円【ディナー平均予算】8000円【アクセス】桜木町駅 徒歩1分7階【焼肉 大徳壽】焼肉1972年創業、横浜・関内にある焼肉の老舗【大徳壽】の2号店国産の黒毛和牛や各種ブランド牛を厳選し、みなとみらいの夜景が見渡せるラグジュアリーな空間で提供する老舗焼き肉店の2号店。横浜デート、記念日や接待、ご家族での食事会など、とっておきの時間を過ごせます。焼肉大徳壽【エリア】桜木町【ジャンル】焼肉【ランチ平均予算】2000円【ディナー平均予算】6000円【アクセス】桜木町駅 徒歩1分7階【サクラギ横丁】横浜の名店が終結したグルメスポット1969年創業の老舗【横浜中華街 保昌】をはじめ、炉端焼き店【海鮮肉炉端 大夢】、横浜・本牧に日本初のカフェ&バーとしてオープンしたアロハカフェの復活店【ALOHA cafe HONMOKU since1976】など、横浜・野毛の名店や横浜中華街の人気店などこだわりのお店が揃う横丁。ふらっと気軽に立ち寄れます。その他の参加店はこちら!1階【ALOHA TABLE】ダイニングバー6階【割烹そば 神田】そば6階【鉄板・お好み焼き 電光石火】お好み焼き6階【GARDEN HOUSE Minatomirai】イタリアン6階【蘭の拾璞】中華料理7階【海鮮肉炉端 大夢】海鮮料理7階【横浜中華街保昌】中華料理7階【寿司処かぐら】寿司7階【〆蕎麦千花庵】そば7階【ALOHAcafe HONMOKU since1976】カフェ7階【IL SALTIMBANCO produced by ANTHONY GENOVESE】イタリアン7階【BISTROT TORI-BORI】ビストロ7階【鍋専科 鍋屋】すき焼きさまざまなジャンルの飲食店が軒を連ねる「コレットマーレ」。館内には多数のシアターを誇る映画館「横浜ブルク13」も併設しているので、グルメ、シネマが一度に楽しめるのも魅力。ぜひ、「コレットマーレ」のおいしいお店をヒトサラで予約し、話題の映画【流浪の月】全国共通鑑賞チケットをお得にゲットしてください。「コレットマーレ」施設情報住所:神奈川県横浜市中区桜木町1-1-7電話:045-222-6500アクセス:①電車の場合:JR「桜木町駅」北改札直結、JR・横浜市営地下鉄 桜木町駅より徒歩1分、みなとみらい線みなとみらい駅より徒歩7分※横浜ランドマークプラザから動く歩道でコレットマーレ2Fに直結しています。②お車の場合:首都高速 横羽線「みなとみらい出入口」より約2分営業時間:ショッピング・サービス(B1~5F)11:00~20:00/レストラン(6F~7F)11:00~23:00定休日:無休【流浪の月】映画情報2022年5月13日全国ロードショー
2022年05月12日インターネットの発展によって、パソコンやスマホを使えば、いろいろな動画を見ることができる時代になった現代。配信サイトも多く存在しており、公開されている映画の中から作品を検索し、気軽に触れられるようになりました。そんな時代でも、映画館に足を運ぶ人は絶えません。大きなスクリーンと優れた音響が備わったシアターで、多くの人と作品を見る…それが、映画館の魅力なのです。映画館で『盗撮らしき人』を見かけ…?映画館での出来事を漫画に描き、Twitterに投稿したのは、漫画家の福井セイ(@fukuisei)さん。ある作品の公開初日に、胸を弾ませながら映画館に向かったところ、気が散ってしまうような出来事に遭遇したといいます。映画館いったら隣の人が盗撮してそうだった体験談(2/2) pic.twitter.com/mBf3VI8zKa — 福井セイ@かけあうつきひ (@fukuisei) May 5, 2022 一般的に、音や光が上映の妨げになるため、上映中は携帯の電源をオフにするよう推奨されています。にもかかわらず、隣の席の人はスマホを取り出すどころか、カメラをスクリーンに向けるような動きを取っていたのです。勇気を出して福井さんがスタッフに声をかけたことで、なんとか盗撮行為を防ぐことができました。彼らがなんの目的で盗撮をしていたのかは分かりません。ですが、もし福井さんがスタッフに報告をしなければ、ネット上に公開されるなど、動画が悪用されていた可能性があります。投稿は拡散され、盗撮行為に対する非難の声や、犯罪を防いだ福井さんの勇気ある行動に称賛の声が寄せられました。・素晴らしい対応!投稿者さんに、今後いいことがありますように。・こういうのって犯罪以前に、周囲の人が作品に集中できなくなるから本当に迷惑。・平然と盗撮するだなんて、怖すぎる…。「盗撮かも?」と思ったらスタッフに報告を!文化庁は映画の盗撮行為について、たとえ私的使用が目的であっても、著作権法に基づき10年以下の懲役、もしくは1千万円以下の罰金、またはその両方が科せられると警告。また、映画業界や多くの施設が、シアター内で不審な人物を見かけた場合は、スタッフに報告するよう声を上げています。福井さんのように、相手が盗撮行為をしているかの判断が難しいケースもあるでしょう。確証のない状態でスタッフに報告をするのは、気が引けるものです。ですが、勇気を出してスタッフに盗撮の可能性を告げることによって、犯罪を防ぐことができるかもしれません。映画という1つの文化の未来を守るためにも、盗撮行為には「NO」といい続けていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年05月06日創作集団・CLAMPによる大人気同名コミックを初めて実写映画化した『ホリック xxxHOLiC』の世界観を体感できるイベント「映画ホリック xxxHOLiC表裏世界没入展Supported by WITH HARAJUKU」のオープニングセレモニーが4月28日、会場となる東京・原宿のWITH HARAJUKU HALLで行われ、同作のメガホンをとった蜷川実花監督が出席した。心の闇に寄り憑くアヤカシが視える孤独な高校生・四月一日(神木隆之介)が、対価と引き換えにどんな願いも叶えてくれる<ミセ>の女主人・侑子(柴咲コウ)と出会い、不思議な運命に足を踏み入れていく。本イベントでは、豪華キャスト陣の貴重なショット、実際に撮影で使用された衣装や小道具などの展示を通して、来場者が「願いをかなえてくれるミセ」を実際に訪れたような体験が味わえる他、完全オリジナルの新作謎解きゲーム「『xxxHOLiC』謎掛奇譚」も開催される。蜷川監督自ら展示イベントの監修も手掛けており「会場に入った瞬間、撮影現場を思い出しましたね。胸が熱いです」としみじみ。「自分で言うのも何ですけど、華やかで楽しく体感もできる、良くできた展示になったと思うので、多くの皆さんに足を運んでいただければ」とアピールした。展示には映画の美術スタッフが多く関わっているといい「こだわりの持ち方で、不思議とパワーが生まれるもの。それを展示にも持ち込みたかった。花の置き方ひとつにも“念”が入っているので、熱を感じてもらえるはず。セットの写真や小道具も見ていただき、映画の世界に思いを馳せてもらえれば」と話していた。映画の公開を翌29日に控える中、蜷川監督は「いつも映画の初日前はナーバスになるが、今もドキドキしている」と緊張した面持ちも。コロナ禍の影響で「クランクインできないかもと思うこともあった」と振り返り、「だからこそ、現場が一致団結して、楽しかったですね。全力を尽くし、なかなかすごい映画になっている」と強い手応えを示していた。取材・文・写真=内田涼「映画ホリック xxxHOLiC表裏世界没入展Supported by WITH HARAJUKU」2022年4月29日(金)~5月15日(日)10:00~16:30(最終入場16:00)※5月9日(月)~5月13日(金)のみ10:00~19:00(最終入場18:30)謎解きゲーム「『xxxHOLiC』謎掛奇譚」2022年4月29日(金)~5月15日(日)17:30~19:30(20:00閉館)※5月9日(月)~5月13日(金)のみ20:00~22:00(22:30閉館)会場WITH HARAJUKU HALL(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1丁目14−30)
2022年04月28日小説家の東野圭吾さん著作の『ガリレオ』シリーズ。物理学者の湯川学が、科学的な検証と推理で、数々の事件を解決していくミステリー小説です。作品は、テレビドラマ『ガリレオ』(フジテレビ系)や、映画『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』などで実写化。ドラマや映画で主演の湯川学を演じてきたのは、俳優の福山雅治さんです。柴咲コウが『ガリレオ』に帰ってくる!そんな『ガリレオ』シリーズの最新映画『沈黙のパレード』が、2022年9月16日から公開されることになりました!今回も、湯川学役には福山さんを抜てき。また、警視庁捜査一課の刑事である内海薫役を、俳優で歌手の柴咲コウさんが演じます。柴咲さんが『ガリレオ』シリーズに出演するのは、2007年10~12月に放送されていた第1シリーズのドラマ以来、実に14年ぶりです。さらに、湯川の大学時代の同期で、内海の先輩である刑事の草薙俊平役として、俳優の北村一輝さんが出演。豪華俳優陣たちの出演に、今から目が離せませんね!【あらすじ】行方不明になっていた女子高生が、数年後に遺体となって発見された。警視庁捜査一課の刑事・内海の説明によると容疑者は、湯川の親友でもある先輩刑事・草薙がかつて担当した少女殺害事件で、無罪となった男。その男は今回も完全黙秘をつらぬき証拠不十分で釈放され、女子高生の住んでいた町に戻って来た。町全体を覆う憎悪の空気…。そして、夏祭りのパレード当日、さらなる事件が起こる…。湯川、内海、草薙にまたもふりかかる、超難問…!この秋、新たなる「ガリレオ」ミステリーが幕を開ける!また、YouTubeでは、同作品の予告編が公開されています。予告編を見たファンからは「やっぱり、このコンビだよ!」「楽しみすぎる」などの声が上がりました。今から公開が楽しみですね![文・構成/grape編集部]
2022年04月27日2022年4月4日、映画監督である園子温(その・しおん)さんに性的関係を迫られたという、複数の女性の証言を、一部の週刊誌が報じました。また、同年3月には俳優や映画監督として活躍する榊英雄さんや、俳優の木下ほうかさんの性行為強要疑惑が報じられています。原作者「映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」同月12日、作家の山内マリコさんと、柚木麻子さんが、「映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」という声明を発表しました。過去には、山内さんの作品『ここは退屈迎えに来て』『あのこは貴族』や、柚木さんの作品『伊藤くん A to E』が映画化されています。山内さんたちは、「物語がスクリーンに映し出される感動は、作者として何物にも代えがたい幸せ」とつづりました。一方で、「その作品がいかなるものであっても、自分の生み出した物語である責務を負う」と訴えています。原作者の名前は、映画の冒頭にクレジットされ、その作品がいかなるものであっても、自分の生み出した物語である責務を負います。映画制作の現場での性暴力・性加害が明るみに出たことは、原作者という立場で映画に関わる私たちにとっても、無関係ではありません。不均等なパワーバランスによる常態的なハラスメント、身体的な暴力、恫喝などの心理的な暴力等が、業界の体質であるように言われるなかで、今回、女性たちが多大なリスクを背負って性被害を告白したことは、業界の内外を問わず、重く受け止めるべきと考えます。声をあげてくださった方々の勇気に応えたく、私たちは、連帯の意志を表明します。原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます。ーより引用また、「映画業界の内部にいる人たちは声を上げづらい状況にあることを目の当たりにした」という、山内さんたち。映画業界と特殊な関係性を持つ原作者だからこそ、連帯し声を上げられると考えたことが、今回の声明を発表したきっかけだそうです。今後は、契約の段階から適切な主張を行っていくとともに、万が一、被害があった場合は原作者としてしかるべき措置を求めていけるよう、行動するそうです。映画界が抱える問題は、出版会とも地続き声明では、「映画界が抱える問題は、出版界とも地続きです」ともつづっています。これからは、出版界のハラスメント根絶のためにも、声を上げていくという、力強い意志を表明しました。声明には、数々の作家が賛同しています。山内マリコ「さすがにここでアクションを起こさないのは」声明とは別に、山内さんは自身のTwitterで、このように想いをつづっています。ステートメント【原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます。】公開しました。小説家は自作が映画化される際、蚊帳の外というか、直接なにか意見を言える機会はとても少なく、言っても反映されることはまずない無力な存在(わたしだけか)ですが、 — 山内マリコ (@maricofff) April 12, 2022 一連の性加害報道を受けて、さすがにここでアクションを起こさないのはどうなんだと思い、映画化経験のある知人作家まで、という小さな括りで賛同者を集めました。— 山内マリコ (@maricofff) April 12, 2022 また、「ここから何かが変わることを心から望みます」ともつづりました。山内さんたちの力強いメッセージに、ネットからも賛同の声が上がっています。・映画ファンとして、賛同します。勇気ある行動に拍手を送りたい。・声を上げることは大切なことだよね。一時的なニュースとして話題になるだけじゃなく、いい方向に変わっていかないと。・「素行は悪いけど、あの人の作る作品は素晴らしいから」ということがなくなることを祈ります。・素晴らしい、大切な一歩だと思う。作品を楽しむ側も、ハラスメントに対しては厳しい声を上げたいね。まずは、原作者として声を上げた18名の作家たちの勇気ある行動に拍手を送りたいですね。そして、この声明が、映画業界や出版業界のみならず、さまざまな業界によい影響をもたらすことを願います。[文・構成/grape編集部]
2022年04月13日第94回アカデミー賞の授賞式で、司会のクリス・ロックに平手打ちをした、ウィル・スミス。同賞を主催する『映画芸術科学アカデミー』は、この件に対し、ウィル・スミスの資格停止や除名などを検討していました。アカデミー賞授賞式で、司会者を平手打ちしたウィル・スミス理由に「かっこいい」「正しいと思う」ウィル・スミスへの処分が決定FNNプライムオンラインによると、『映画芸術アカデミー』は2022年4月8日、ウィル・スミスへの処分を決定。今後10年間、授賞式への出席を禁止するとのことです。また、アカデミー賞だけでなく、授賞式を含む関連行事への出席を禁止。一方、ウィル・スミスが受賞した主演男優賞のはく奪は行われません。ウィル・スミスは同月2日、『映画芸術アカデミー』から退会する意向を表明していました。ウィル・スミス『平手打ち』でアカデミー退会を表明「それでいいのか」「考えさせられる」日本では、ウィル・スミスの行動に理解を示す人が多い一方、アメリカでは、彼を批判する声が多く上がっています。そのため日本では、ウィル・スミスの行動に対する賛否のほか、国や文化によって考え方が大きく異なることにも注目が集まっていました。今回の処分に関しても、ネットからはさまざまな声が上がっています。・ウィル・スミスへの処分は、「暴力はだめ」という意味で理解できる。でもやっぱり、「言葉の暴力は許容していいの?」って思うんだよな。・ウィル・スミスだけ、処分が下されるのか。アメリカでのクリス・ロックを擁護する声の多さに、結構驚いている。これが文化の違いか。・「暴力はだめ」という、ウィル・スミスへの圧力自体がいきすぎた暴力に感じる。こう感じているのは、私だけ?・暴力は絶対にだめという姿勢に、私は賛成。たくさんの人が注目する機会だからこそ、「暴力反対」という強いメッセージを示すべき。妻への許しがたい発言を受けたウィル・スミスが、どのように対応すべきだったのか…。人によって意見が分かれそうです。[文・構成/grape編集部]
2022年04月09日2022年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』で寡黙な専属ドライバーみさきを演じた三浦透子さん。作品の裏話を明かしてくれた、2021年夏の取材の模様をお届けします(2021年8月18日配信記事)。三浦透子さん【映画、ときどき私】 vol. 4042002年にサントリーのCMで“2代目なっちゃん”としてデビューしたのち、さまざまなドラマや映画に出演し、アニメーション映画『天気の子』ではボーカリストに抜擢されたことでも注目を集めている三浦さん。『ドライブ・マイ・カー』で三浦さんは、舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)が演劇祭で出会う、寡黙な専属ドライバーみさきを演じています。そこで、現場での様子や本作を手掛けた濱口竜介監督の演出、将来の自分について語っていただきました。―以前、濱口監督作『偶然と想像』のオーディションに行ったことがきっかけで、本作のオファーがあったそうですね。お話があったときはいかがでしたか?三浦さん最初に脚本を読ませていただいたとき、みさきがとても魅力的な女性だと思いました。特に、相手に対して的確な言葉選びができるところや仕事に対する哲学がかっこいいなと。なので、この役を私にと思っていただけてとにかくうれしかったです。ただ、運転がものすごく重要な役にもかかわらず、免許を持っていない私にオファーするなんて、濱口監督はすごいなとも思いました(笑)。―その後、この作品のためにすぐに免許を取られたそうですが、大変でしたか?三浦さん撮影前にたくさん乗っておきたかったので、朝から晩まで毎日教習所で練習して、17日間でマニュアルの免許を取りました。けっこうハードでしたけど、すごく楽しかったです。―それはすごいですね。劇中では、見事なドライバーぶりを見せていましたが、ご自身は運転に向いていると感じましたか?三浦さん実は、もともと車はすごく好きで、ガソリンスタンドでバイトしていたこともありました。車内や運転の仕方に乗っている人の人間性が出るところがおもしろい。車が好きなだけに、運転が苦手だったらどうしようかと心配しましたが、乗ってみてもやっぱり好きだったのはうれしかったです。―ただ、劇中の車は左ハンドルなので、初心者には難しかったのでは?三浦さんそうですね。免許を取ったあと、練習用に左ハンドルの車を用意していただいたんですが、左ハンドルなのでどれも高級車ばかり。練習のためとはいえ、初心者マークをつけた高級車が走っているのは、周りの方は嫌だったかもしれません(笑)。初めてが多い現場で、西島さんの存在は心強かった―慣れない運転をしながら演技もしなければいけないという状況で、どのようなことを意識されていましたか?三浦さんマルチタスクをこなさなければいけない難しさはありましたが、私にとっては「それができるみさきはどういう人なんだろう」と考える作業こそが役作りに直結すると思いました。みさきは、顔を見なくても空間から相手のことを感じ取れる繊細な人。それを表現するのは難しかったですが、かっこよく運転している姿を見せることが、いちばんみさきを表すことに繋がると思ったので、運転には一生懸命取り組みました。―車のなかでは、西島秀俊さんとほぼ2人きりでの撮影が続いたと思いますが、共演されてみていかがでしたか?三浦さん西島さんはとてもフランクな方で、いつも笑顔でお話をしてくださいました。かと言って、準備と本番とでオンオフがあるわけではなく、リラックスしているときと集中しているときが地続きにあるような感じ。すごく不思議な方だなという印象です。それはこれまでいろいろな経験をされてきた西島さんだからこそのたたずまいだと思いますが、おかげで私は安心していることができました。今回一緒にお芝居をさせていただいて、すごく勉強になりましたし、とても心強かったです。―そのなかでも、印象に残っているやりとりなどもあれば、教えてください。三浦さん今回の現場では、私にとって初めてのことがたくさんありましたが、西島さんは細かいところで本当にさりげなく声をかけてくださいました。車のなかで西島さんと2人でいる時間もけっこう長かったですが、沈黙があっても緊張することなく、落ち着いていられたのも、劇中の家福とみさきの関係性に通じていたように思います。―そういうお二人の雰囲気は、スクリーンにも表れていたように感じました。三浦さんあれだけの狭い空間に2人だけでいるというのは、会話をしていなくても相手の存在を気にせざるを得ない状況。そんななかでも、緊張感が解けていく瞬間を感じることができました。それは家福とみさきの間にもあった瞬間だと思うので、実際に現場で体験できたのは大きかったです。濱口監督の書く言葉には覚悟があると感じる―そして、この作品は何と言っても脚本の素晴らしさがあると思いますが、三浦さんはどういったところに惹かれましたか?三浦さんまずは、セリフのおもしろさですね。一度読み出すと、最後まで手放せなくなるような緊張感がありました。その空気感は、完成した映画からも伝わってくる部分だと思います。これは特にみさきに感じたことですが、しっかりと思考してからちゃんと言葉を選んでいるところも、すごく印象的でした。言葉というのは、人を救うこともあれば、殺してしまうこともある、そういう恐ろしさがあると思います。良くも悪くも強い力を持っている。そういったことを濱口監督は普段から意識されているんだと思います。実際、濱口監督とお話していると、ものすごく丁寧に言葉を選んで話されているかがわかるので。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、濱口監督の書くセリフには、これは発するべき言葉である、という覚悟を感じるというか。キャラクターたちに魂を感じます。だからこそ、声にしたときに言葉の持つパワーに背筋を正されるような感覚があるのかなと。それでいて、すごく繊細で丁寧に私たちに語りかけてくれているような印象も受けました。―そういったところも、世界で評価された理由かもしれませんね。ご自身が役作りで特にこだわったのはどのあたりでしょうか?三浦さんこれまでの役だと、わからないことをわかるようにする作業を通して役に近づこうとしていましたが、みさきには共感できる部分ばかりで、わからないことがないような状態でした。極端なことを言うと、することがないと思ったくらい。でも、撮影の前に濱口監督ともその話をしたら、それでいいですと。「特別なことはしなくていいので、ただ運転の練習だけしてください。それがみさきの役作りです」と言われました。なので、とにかく運転練習を一生懸命やりました。いま思えば、運転している最中に考えていたことがみさきへの理解にもつながっていたと思います。原作の魅力がきちんと残った作品に仕上がった―現場では、濱口監督ならでは演出などもありましたか?三浦さん映画のなかでも、感情を入れずに淡々と読んでいく“本読み”という作業をしていますが、実際の現場でも行なっています。こんなにも本読みに時間を使うことは、私にとっては初めての経験でした。濱口監督は、「その声で語られるだけで、心を動かされる。そんな声がある。役者からそういう声で台詞を聞きたい」とおっしゃっていました。本読みはその声を探す時間だったと思います。みんなでその“音”を探しているような感覚。とても不思議で素敵な体験でした。濱口監督の現場じゃないと味わえないものだと思います。―そんな時間を過ごすなかで、忘れられない監督の言葉もあれば、教えてください。三浦さん監督と話していて興味深かったのは、「歌はメロディも歌詞も決まっているけど、そのままを何度歌っても人の心を動かすことができる。セリフでもそれができると思う」と言われたことです。その言葉を聞いたとき、私のなかではすごくしっくりくるものがありました。濱口さんの演出には新鮮で驚く部分も多い反面、点と点が繋がるような瞬間もあってとても楽しかったです。―原作者である村上春樹さんの作品の魅力については、どうお考えですか?三浦さん私が村上春樹さんの作品と出会ったのは中学生くらいの頃で、短編集の『レキシントンの幽霊』が最初でした。そのあと長編もいくつか読ませていただきましたが、村上さんの作品は、自分に対する深い考察を感じるというか、キャラクターの心の中に沈んでいくような感覚になります。最初はそういった部分をどうやって映像化していくんだろうとか、ファンの方々に自分のみさきがどういうふうに受け取られるんだろうかと心配もありました。設定も原作とは変わっていますし、追加された部分も多いので。ただ、できあがったものを読むと、原作にある言葉の緊張感や匂いといった小説の魅力がちゃんと脚本にも残ってるどころか、むしろ増幅しているようにすら感じました。村上さんの文体と濱口監督の文体のマリアージュもとても魅力的でした。数字と触れ合うと気持ちがリセットできる―これから観客のみなさんの反応も楽しみですね。現在は、女優としても歌手としても活躍されていますが、今後チャレンジしてみたいことはありますか?三浦さん実は、私はこの歳でこういうことをしたいとか、こうなりたいみたいなビジョンがまったくないタイプなんです(笑)。だからこそ、思ってもいなかったことにも挑戦できるのかなと。私が歌を歌うことになるなんて、昔の私は想像すらしていなかったと思います。そういう意味では、これからもいまの自分が想像できない何かをやっていけたらいいですね。―では、プライベートでやってみたいことは?三浦さんこれはかなり先の話になりますが、おばあちゃんになったら近所の子どもたちに勉強を教えたりしたいなと、ぼんやり考えています。以前、家庭教師のバイトで小学生に算数を教えていて、それがすごく楽しかったので。―そのために準備していることもありますか?三浦さんセンター試験の問題を解いてみたりとか、勉強はするようにしています。―すごいですね。そんな多忙の日々で素に戻れる瞬間といえば?三浦さん素に戻れるというのとは違いますが、数字と触れ合っているときは頭の中をリセットできる時間だと思います。余計なことを考えずにいられるので。頭は使っているんだけれど無というか。考えているけど考えていないみたいな感じ。―意外な一面を教えていただき、ありがとうございました。それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。三浦さんこの作品を観ると、もしかしたらみさきは苦しく見えるかもしれません。でも、人との関わりのなかで傷ついた経験を持つ彼女が自分の人生をポジティブに捉え、仕事も含めて誇りを持って生きて行こうとする姿を見るだけで私には感じるものがありました。みなさんにも、ぜひみさきのかっこいい生き様を感じてもらえたらと思います。インタビューを終えてみて……。劇中のみさき同様に、ミステリアスな雰囲気をまとっている三浦さんですが、話し始めると明るい笑顔が印象的で、その魅力に心をわしづかみにされました。先のことは決めていないという三浦さんだけに、これからどんなふり幅で私たちを魅了してくれるのか、ますます楽しみです。唯一無二の物語が魂に訴えかける秀逸な脚本に、俳優陣の見事な演技が重なり、圧倒的な力で観る者を引き込む本作。孤独と秘密を抱えた男女が葛藤の先に見つけた再生の道は、誰にとっても希望を与えてくれるものとなるはずです。さまざまな感情が渦巻く忘れがたい経験は、ぜひ劇場で体感を。写真・北尾渉(三浦透子)取材、文・志村昌美ヘアメイク・秋鹿裕子(W)、スタイリスト・白山春久ベロア素材のシャツ¥36,300/ロク(エイチ ビューティ&ユース 03-6438-5230)、2タックパンツ/マメ クロゴウチ(www.mamekurogouchi.com)ショートブーツ¥85,800/アクネ ストゥディオズ(アクネ ストゥディオズ アオヤマ 03-6418-9923)、右耳につけたシルバーイヤーカフ¥22,000/ラッツェル アンド ウォルフ(ザ・ウォール ショールーム 03-5774-4001)、左耳につけたシルバーイヤーカフ¥93,500/ラッツェル アンド ウォルフ(アディッション アデライデ 03-5786-0158)、右耳につけたシルバーイヤーカフ¥16,500/フェノメナ コレクション(ザナドゥ 東京 03-6459-2826)、シルバーチェーンネックレス¥77,000/ララガン(ララガンデザイン/info@ralagan.com)、パールのついたチェーンネックレス¥107,800/ソフィーブハイ(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター 0120-137-007)、シルバースネークチェーンネックレス¥13,200/カルペディエム(カルペディエム/シルバーチェーンブレスレット¥52,800/ジジ(アパルトモン 青山店 03-5778-4919)、シルバーリング¥35,200/アン バイ トモヨ ヨシダ(アン・デザインズ/info@un-designs.com)ストーリー舞台俳優で演出家の家福悠介は、愛する妻・音と満ち足りた日々を送っていた。ところが、音は家福にある秘密を残したまま、突然この世からいなくなってしまう。それから2年が経ち、演劇祭で演出を任された家福は、愛車のサーブで広島へと向かうことに。そこで家福が出会ったのは、寡黙で優秀な専属ドライバーのみさき。喪失感を抱えたまま生きていた家福は、みさきと過ごすなかであることに気づかされていく……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『ドライブ・マイ・カー』8月20日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー配給:ビターズ・エンド©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会写真・北尾渉(三浦透子)
2022年03月28日2022年3月14日に急逝していたことが分かった、俳優の宝田明さん。同月17日の報道以降、多くの人から悲しみの声が広がっています。【訃報】宝田明、急逝87歳「さびしい」「大好きでした」『ゴジラ』Twitterアカウントが宝田明さんを追悼1954年に公開された特撮映画『ゴジラ』で初主演を務めたことで知られる、宝田さん。それを皮切りに、『モスラ対ゴジラ』や『ゴジラ FINAL WARS』など、数々の『ゴジラ』シリーズに出演していました。訃報から一夜が明けた同日18日、『ゴジラ』のTwitterアカウントは、宝田さんへの追悼メッセージを公開しています。宝田明さんの突然の訃報に接し、大変驚いております。1954年11月3日公開の「ゴジラ」を皮切りに、数多くのゴジラシリーズにご出演をいただきました。晩年までゴジラを愛し続けてくださったレジェンドを失ってしまった事は残念でなりません。心からの感謝とともにご冥福をお祈り申し上げます。— ゴジラ (@godzilla_jp) March 18, 2022 「ゴジラを愛し続けてくださったレジェンドを失ったことは残念でなりません」と、宝田さんの死を悔やむ、『ゴジラ』Twitterの運営者。その後、「心からの感謝とともに、ご冥福をお祈り申し上げます」とつづっています。宝田さんへの想いが詰まった追悼メッセージは、多くの人の心を打ちました。・同意見です。ありがとうございます…。・宝田さんのことは、決して忘れません。・物心がつく頃から、ゴジラシリーズ作品とともに生きてきた私にとって、宝田さんはなくてはならない存在でした。ご冥福をお祈りします。宝田さんは、今後も数々の作品の中で生き続けるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年03月18日色鮮やかなアゲハチョウがひらひらと優雅に飛んでいる姿は、見ていて楽しいですよね。そして、そう感じるのは犬も同じようです。ジェン・ベネットさんの愛犬であるマイロは、庭にやってくるチョウを眺めるのが大好きなのだそう。マイロは気付いたら、チョウたちと友達になりました。 View this post on Instagram A post shared by Milo Bennett (@milo_the_toller) ウェブメディア『The Dodo』によると、ジェンさんの家の庭にはたくさんの花が植えてあり、チョウが集まってくるのだとか。マイロは子犬の頃から、ジェンさんと一緒に庭で過ごすのが好きで、いつしかチョウに魅せられていたそう。すると、チョウがマイロに近付いて来て、顔に止まるようになったのです。 View this post on Instagram A post shared by Milo Bennett (@milo_the_toller) マイロは、自分の顔に止まったチョウを前脚で振り払ったり、食べようとしたりは決してしません。チョウが自然に飛んで行くまで、じっと動かずに待っているのです。 View this post on Instagram A post shared by Milo Bennett (@milo_the_toller) チョウが顔に止まっている時のマイロは迷惑どころか、とても幸せそうです。そんなマイロとアゲハチョウのほほ笑ましい交流は、多くの人を笑顔にしています。・見ているこっちが幸せな気持ちになるね。・この子は特別な犬だ。本当にかわいいよ。・マイロは天使のよう。『いいね』を千個あげたい! View this post on Instagram A post shared by Milo Bennett (@milo_the_toller) マイロとチョウは、言葉を交わさなくても、相思相愛に見えます。穏やかで優しい性格のマイロだからこそ、チョウも安心して顔に止まるのでしょう。色とりどりの花に囲まれて、チョウを鼻に乗せたマイロの姿は、まるでディズニー映画のワンシーンのように幻想的ですね![文・構成/grape編集部]
2022年03月18日5歳上の夫と、生後半年ほどの娘さんと暮らしている、ステラ(@392cookie)さん。夫は、ステラさんが驚くほど、行動力のある人なのだとか。ステラさんは、行動力ある夫の体験談で一番好きだというエピソードをTwitterに投稿しました。映画『スター・ウォーズ』が大好きな夫は、わざわざアメリカにまで足を運んだというのですが…。夫の行動力が強火過ぎてたまに引くんだけど、20代前半の頃日本より先にアメリカで公開されるスターウォーズの新作がどうしても見たくて公開日に合わせて1人でロサンゼルスに行って念願の映画を見たら勿論英語で字幕もないから内容わからなかったっていう話が今んとこ1番好き。— ステラ☺︎ 6m9/2 (@392cookie) March 14, 2022 当時、夫は同作品で流れてくる英語を聞き取れなかったといいます。そのため、物語の内容も理解することができなかったとか。映画を見るため、アメリカに行ったにもかかわらず、作品の内容が頭に入ってこなかった夫。なんともシュールですが、アメリカに行けたことはある意味思い出になったといえますね!「この行動力を見習いたい!」「フットワークの軽さに驚き。人生が楽しそうだな」といった声が寄せられた、夫の行動。行動力があることは、仕事やプライベートなど、どんな場面でも役に立つでしょう。ですが、熱意が空回りして、「何もできなかった」というのはなくしたいですね![文・構成/grape編集部]
2022年03月16日「いくつになって生涯現役でいたい」と願う人は多いと思いますが、今回オススメする映画を制作したのは、そのロールモデルとなる一人。91歳で新作を完成させたジョージア映画界が誇る伝説的女性監督の注目作です。『金の糸』【映画、ときどき私】 vol. 461ジョージアの首都トビリシの旧市街にある古い家で、娘夫婦と暮らしている作家のエレネ。今日は彼女の79歳の誕生日だったが、家族の誰もが忘れていた。そんななか、娘はアルツハイマーの症状が出始めた姑のミランダをこの家に引っ越しさせるという。ソヴィエト時代に政府の高官だったミランダをエレネは快く思っていなかった。そこへかつての恋人アルチルから、数十年ぶりに電話がかかってくる。蘇るのは、甘い恋の思い出だけではなく、つらい記憶もあった。そして、やがて彼らの過去が明らかになり、ミランダは姿を消してしまうことに……。割れたり欠けたりした陶磁器を修復する「金継ぎ(きんつぎ)」と呼ばれる日本の技法から着想を得ているという本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。ラナ・ゴゴベリゼ監督ジョージア初の女性監督を母に持ち、自身は戦後のジョージア映画界を代表する女性監督とされているゴゴベリゼ監督。91歳で27年ぶりの新作を制作し、大きな注目を集めています。そこで、現在は93歳となった監督に、本作に込めた思いや日本文化との関わりについて語っていただきました。―まずは、これだけ長い間映画を撮らなかったのはなぜですか?監督この27年間はジョージアが激動の時代を経験していたので、映画よりも政治的な問題のほうが自分の人生のなかでより取り組むべき課題となっていたからです。実際、私は国会議員になり、与党のリーダーになり、ジョージアの欧州議会で大使になり、ユネスコでもジョージアの大使になるといった具合に政治的な活動に私のエネルギーを費やしてきました。映画を撮らなかったもうひとつの理由としては、国内が経済的に混乱していたので、映画を撮る資金も時間もなかったから。でも、だんだん社会が落ち着いてきて、その間に私の思考も蓄積されてきたので、今回はそれを久しぶりにどうしても映画として表現したかったんです。主人公たちの考えそのものが大きな役割を果たしている、そんな映画になりました。日本人はお互いを理解し、美しさを尊重する国民―本作にインスピレーションを与えたという日本の「金継ぎ」については、どういった経緯で知ったのでしょうか。監督具体的にどこの記事だったかは覚えていませんが、たまたま目にした記事に写真が載っていて、壊れた器の破片がまるで金の糸を使って繋ぎ合わせたかのように修復されていました。壊れていて存在していなかったものが、美しく元通りに復元されているのがとても印象深かったです。その記事を見たときに、人間の悲劇的な過去も同じように愛と理解と思いやりで修復して美しいものにできれば、新しくこれからを生きていく力を得ることができるんじゃないか、というふうに考えました。金継ぎのみならず、私は前々から日本人の美意識をとても素晴らしいと思っていましたし、日本文化を深く尊敬しています。―日本文化に対して、そういう印象を持たれるようになったきっかけはありますか?監督私はどこの国の文化にも興味を持っていますが、そのなかでも昔から映画や文学をはじめとする日本の文化には特別なものを感じていました。特に映画に関しては、私が黒澤明監督と個人的に知り合いで、実際に会ったこともあるというのは大きいのかなと。黒澤監督とは私の過去作である『インタビュアー』について、深く話し合ったこともあるほどです。そして、私が日本文化で素晴らしいと思うのは、日本人の美意識。この点において、日本人は特別な感覚を持っているのではないでしょうか。暴力が蔓延し、バラバラになっている世界を救う唯一の手段は“美”だと私は考えていますが、日本人のみなさんは昔からお互いに理解し合うことや美しさを尊重している国民だと感じています。過去を深く考えないと、現在も未来も築けない―劇中でエレネが発する人生や過去、死に対しての言葉は、非常にどれも印象的でしたが、さまざまな経験をしてきた監督が大事にしていることは?監督年を重ねるごとに、だんだんと人生を俯瞰して見ることができるようになってきました。そんななかで痛切に感じているのは、人生における人と人との関係性、お互いに対する思いやりや理解以上に大切なものはないということです。だからこそ、壊れた器を金継ぎで直すように人間の過去における不幸な出来事も元通りに美しく修復できたらいいなと。そういった考えをこの作品のメタファーとしてうまく表現できたと思っています。―「過去は重荷か、財産か」という言葉も、誰もが人生で抱く問いだと感じました。激動の時代を生きてきた監督が次の世代に向けて、過去との向き合い方について伝えておきたいことはありますか?監督私は過去について深く考え、きちんと理解しないことには現在も未来も築けないと思っています。ジョージアというのは大変な歴史をたどっているので、私も子どもの頃に父が処刑され、母が10年間も強制収容所に送られるというつらい経験をしました。非常に不幸な過去ではありましたが、それについてもよく考えたうえで理解しないことにはただ重荷になってしまうだけなんですよ。というのも、大きなトラウマになるような出来事ではあったものの、いろいろな人が救いの手を差し伸べ、助けてもらうことはたくさんありました。不幸な記憶ばかりでなく、人の優しさや思いやりを感じることもあったので、それらをひとつずつ思い出すことで“金の糸”が過去を美しくつなげて修復してくれるのではないかなと。そうすることで重荷が財産となり、より豊かな現在と未来を楽に生きることができるのです。大切なのは国や組織と言った大きな単位ではなく、人間ひとりひとりの関係。それを美しいものにしていく意識を持ってほしいとみなさんにも伝えたいです。内面的な老いは自分でコントロールすることができる―いつまでもやりたいことを追求している監督の姿に憧れる女性は多いと思うので、ぜひ生涯現役の秘訣を教えてください。監督年を取ることを止めることはできませんが、内面的な老いはある程度自分でコントロールすることはできると思っています。そのためには頭を働かせることが必要ですが、大事なのは私たちを取り巻く世界に対する関心と興味をつねに持ち続けること。そして、もし扉をひとつ閉めたら、別の扉を開けて新しい人々と出会ったり、新しい詩を見つけ出したりしています。それが私に大きな力を与えてくれているものです。そんなふうに、いろいろなことに興味を持っているうちは生きている実感があるので、老いのプロセスもゆっくりと進むのではないかなと。あともうひとつ付け加えるなら、誰かに必要とされている感覚を味わい、自分の存在意義を感じながら生きるというのも秘訣だと思います。―素晴らしいお言葉をありがとうございました。日本ではジョージアの文化に触れる機会は少ないので、ご自身の作品を通して日本人に知ってほしいジョージアの文化や歴史についてお聞かせください。監督ジョージアの歴史は3000年以上あるので、1本の映画だけで層の厚いジョージア文化を伝えるのは難しいかもしれません。例を挙げるなら、映画のなかにも出てくるショタ・ルスタヴェリというジョージアを代表する大詩人。14世紀頃に始まる西洋のルネサンスのアイディアも、その数百年前に先取りしていたと言われているほどなんですよ。いろいろな民族から侵略されるような大変な経験をしてきた私たちですが、そんななかでも少数派のジョージア人が生き残れたのは、生きる力や喜びを与えてくれた文化の力だったのではないかなと。建築や絵画をはじめとするジョージア文化はとても独特なので、ぜひ注目していただきたいです。過去をつなぐ“金の糸”は、よりよい未来を紡いでくれる激動の時代を生き抜いてきたからこそ、発せられる重みのある言葉の数々。さまざまな葛藤を抱えながら生きる女性たちの姿は、過去との向き合い方を学ぶことがよりよい未来へと繋がっているのだと身をもって教えてくれるはずです。取材、文・志村昌美心に響く予告編はこちら!作品情報『金の糸』2月26日(土)より岩波ホールほか全国順次公開配給:ムヴィオラ© 3003 film production, 2019
2022年02月25日誰もが孤独を感じることがありますが、そんな心に光を与えてくれるもののひとつといえば映画。そこで、今回ご紹介するオススメの話題作は、フランスを舞台に描かれる唯一無二の青春映画です。『GAGARINE/ガガーリン』【映画、ときどき私】 vol. 459パリ郊外にある赤レンガの大規模公営住宅“ガガーリン”で育ったのは、宇宙飛行士になることを夢見る16歳の青年ユーリ。ところが、老朽化と2024年のパリ五輪のために、団地の解体計画が持ち上がり、住民たちは次々と退去していった。そんななか、恋人のもとへと去った母との思い出が詰まった大切な場所を守るため、ユーリは親友のフサームと恋心を抱いていたディアナとともに、取り壊しを阻止しようと動き出す。団地の解体が迫るなか、立てこもったユーリは無人になった住宅を大好きな宇宙船に改造して守ろうとするのだが……。第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選出され、高い評価を得た本作。そこで、鮮烈な長編デビューを飾ったこちらの方々にお話をうかがってきました。ファニー・リアタール監督 & ジェレミー・トルイユ監督「カンヌに彗星のごとく現れた2つの若き才能」と注目を集めているのは、フランスを中心に活動をしているリアタール監督(写真・左)とトルイユ監督(右)のユニット。今後さらなる活躍が期待されるおふたりに、初長編作品へ込めた思いや撮影秘話などについて語っていただきました。―まずは、本作が誕生したいきさつから教えてください。トルイユ監督きっかけは2015年に建築士である友人からガガーリン団地のドキュメンタリーを撮ってほしいと頼まれたことですが、宇宙船のような建物を見たときにフィクションの物語が作れると感じました。そこで、5日後に締め切りが迫っていた短編のシナリオコンテストにガガーリン団地を舞台にした作品を書き上げて提出。そのコンペで勝った僕たちは15分の短編を完成させましたが、それを長編にするまでには6年もの時間がかかりました。―おふたりで創作活動をする際、それぞれに役割があるのでしょうか。リアタール監督すべてを一緒に行っているので、特に役割分担というのはありません。私たちは政治学の勉強をしていたときに出会い、共同で短編を作ることになったわけですが、2人が同じ意見を持って作品づくりに臨めるように、準備にたくさんの時間を割いています。準備を重ねたからこそ、2人の思いは完全に一緒―ということは、今回の制作過程でも、意見が分かれたりすることもなかったと。トルイユ監督そういうことはなかったですね。なぜなら、何年にもわたって準備を重ねてきたので、撮影に入ったときはすべてにおいて2人が完全に同じ思いでしたから。スタッフに正確なヴィジョンを効率的に伝えるためにも準備段階で意見の相違をなくすようにしています。―素晴らしい関係性ですね。そのうえで、この2人だからできたことをあげるとすれば?リアタール監督1人だと最後までやり遂げる力が出ないような気がするので、集団で作業をしているというのはモチベーションのひとつになっているのかなと。それは私たちだけでなく、以前から一緒に仕事をしているスタッフたちがいてくれることも含めて、非常に重要だと感じています。―今回苦労した点や特にこだわった部分などがあれば、教えてください。トルイユ監督映像的な見せ方についてはかなり考えましたが、各成長段階におけるユーリの視点を映像で表したいというのが僕たちの意図です。ユーリの夢や空想が随所に差し込まれているシーンではカメラを円のように回したり、動きを遅くしたりすることで、いままで見てきたSFのような映像を意識しています。そういったことすべてが、僕たちにとっては技術的な挑戦でした。団地で出会った人から多くのインスピレーションを受けた―また、移民や親子の問題など、ガガーリン団地での出来事はフランスや世界の縮図のようにも感じました。実際に取材されてみて、いかがでしたか?リアタール監督団地で出会った人たちの話や彼らの持っている美しさから、私たちは多くのインスピレーションを受けました。そのなかでも映画に取り入れたいと思ったのは、団地の近くにあるスラム街に暮らすロマたち。そこからディアナという登場人物を思いつきました。ユーリとディアナの母国語は違いますが、それでもコミュニケーションが取れる姿を描きたいなと。そして、共に生きることを“最後の希望”として出したいと思いました。―団地では何度も住民たちとワークショップをしたそうですが、ユーリのモデルになったような人もいたのでしょうか。トルイユ監督さすがに宇宙飛行士を夢見ているような若者には出会いませんでしたが、それと同じくらいクレイジーで独創的な夢を持っている住人はたくさんいましたよ。なので、そういう彼らから刺激をもらいながら、ユーリのイメージを作っていった部分はありました。すべての登場人物に自分たちが反映されている―ちなみに、監督たち自身を投影しているようなキャラクターもいますか?リアタール監督そうですね。いつも私たちの一部がすべての登場人物に反映されていると言ってもいいのではないでしょうか。今回でいうと、特にユーリとディアナがそれにあたりますが、特殊な世界観を持っている2人は私たちがなりたいと思う人物でもあります。ユーリのように子どもの時代からの夢を大人になっても持っているようなところは素晴らしいですし、本当に大好きなキャラクターです。―キャスティングが決まったあと、ユーリ役のアルセニさんのお父さんが実はガガーリン団地に住んでいたことが発覚するという不思議な偶然もあったようですね。ほかにも撮影中の印象的な出来事があれば教えてください。トルイユ監督アルセニの父親がセネガルからパリに出て、最初に住んでいたのがガガーリン団地であると気がついたときは感動しましたね。あと、団地にとっても僕たちの映画にとっても重要な人物として忘れたくないのは、イベット・テナールという女性との出会い。彼女は団地に暮らす人々の言葉を集め、それを演劇として表現するということを何十年にもわたって続けていた人でした。住民の女性たちのなかでも中心的な存在だったので、劇中でも団地の周りで走ったり、踊ったりしている女性たちのシーンに出演してもらっています。残念ながら完成した映画を観ることなく亡くなってしまいましたが、彼女の名前はみなさんにもぜひ伝えたいです。それくらい大切な人でした。映画を作る理由は、観客たちと対話をするため―そういった方々の思いも込められているのですね。それでは、まもなく公開を迎える日本に対してどのようなイメージをお持ちかを教えてください。リアタール監督日本には行ってみたいと思いつつまだ行ったことがないので、あまり詳しくはないのですが、私たちは是枝裕和監督の大ファン。『誰も知らない』や『万引き家族』といった是枝作品を通して日本社会について知っているように感じています。あと、興味があるのは日本の幽霊について。日本の幽霊にまつわる本を読んだことがあるのですが、日本の幽霊には美しさがあるように感じています。見えないものとの関係に興味があるので、もっと知りたいですね。―それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。トルイユ監督コロナ禍で難しいなか、50か国以上に配給され、多くの観客たちと作品をわかち合うことができたのはとても幸運だと思っています。ただ、日本のみなさんと直接お話ができないことはとても残念です。というのも、僕たちが映画を作っている理由のひとつは、観客の方々と対話をしたいからなので。日本の素晴らしさも自分の目で発見したかったですね。とはいえ、映画を通してでも交流できると思うので、ぜひ本作をよろしくお願いします。リアタール監督実は以前ペルーに住んでいたときに日本人とルームシェアしていた経験があるので、個人的にはこの映画を日本のみなさんが気に入ってくれたらとてもうれしいなと思っています。もし映画を観て気に入ったら、私たちに手紙を書いてくださいね(笑)。終わりは新たな人生の始まりでもある!若手キャストたちの瑞々しい演技と、独創的な美しい映像で観る者を引き込んでいく本作。きらめくような青春と切実な現実との狭間で葛藤しながら成長していく若者たちの姿に、心を奪われるエモーショナルな1本です。取材、文・志村昌美感情を揺さぶる予告編はこちら!作品情報『GAGARINE/ガガーリン』2月25日(金)新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国ロードショー!配給:ツイン©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA
2022年02月23日いつの時代も、大きな関心を集めるものといえば、グルメに関する話題。そこで、破格の値段で取引されることもある“世界最高級食材”として注目を集めている白トリュフの知られざる真実に迫ったドキュメンタリーをご紹介します。『白いトリュフの宿る森』【映画、ときどき私】 vol. 456北イタリアのピエモンテ州でささやかれていたのは、夜になると白トリュフを探しに出かける妖精のような老人がいるという“言い伝え”。人の手によって栽培が行われたことがないアルバ産の白トリュフは、なぜそこに育つのか解明されていなかった。危険が多い森の奥深くで、訓練された犬たちとともに伝統的な方法で白トリュフを探す老人たち。まるで宝探しをするように楽しんでいたが、近年は気候変動や森林伐採によって収穫量が減少していた。トリュフが実る場所を決して誰にも明かさない彼らの“秘密”とは……。サンダンス映画祭を皮切りに、世界有数の映画祭で“異彩を放つドキュメンタリー”として大きな話題となった本作。今回は、舞台裏を知り尽くすこちらの方々にお話をうかがってきました。マイケル・ドウェック監督 & グレゴリー・カーショウ監督2018年の『THE LAST RACE(原題)』以来、2度目の共同監督を務めたドウェック監督(写真手前・右)とカーショウ監督(同・左)。謎に包まれていたトリュフハンターたちの日常に迫るため、3年もの歳月をかけたおふたりに、撮影秘話や現在取り組んでいる新たなプロジェクトについて語っていただきました。―家族にさえトリュフの場所を教えないほどの秘密主義であるトリュフハンターたち。そのコミュニティに部外者が入り込むのはかなり大変だったと思いますが、どのようにして彼らの信頼を勝ち取ることに成功したのですか?ドウェック監督まず言えるのは、ワインとエスプレッソはかなり飲んだということですね(笑)。というのも、ここではすべてのことが秘密なので、街に2軒ほどしかないレストランに通うところから始めたからです。メニューに載っているトリュフをどのハンターから仕入れているのかを尋ねても、最初は「父親の代から40年以上の付き合いだが、トリュフハンターには会ったことがない」と言われてしまうほどでした。―なかなか厳しい対応ですね。実際、彼らはどうやって取引しているのでしょうか。ドウェック監督夜中にお金を入れた木箱を外に出しておくと、朝には魔法のようにトリュフが入っているそうです。その後、店主が司祭をしているいとこなら何か知っているかもしれないからと紹介してくれました。そこで、「カルロという人が教会に来るときはいつもトリュフの匂いがするから彼がハンターじゃないかな」という情報を得て、今度はカルロを紹介してもらったのですが、彼からは「僕は違うけど、あの人が怪しいかも」と言われてしまったんです。そんな状況が3~4か月ほど続きましたが、それでも諦めずにいろいろな方に話を聞き続けました。その間はカメラを出さずに、ただ彼らから家族にまつわる思い出話を聞いたり、農場を見せてもらったりするだけ。かなり時間はかかりましたが、そんなふうに接していくなかで家族のような関係性を築くことができました。減少する白トリュフを保護する一助になりたい―その結果、実はトリュフハンターだったカルロさんはじめ、みなさんが出演してくださったのですね。ドウェック監督あとは、僕たちが滞在していたアパートの近くにお肉屋さんとチーズ屋さんがあったので、朝イチで大量のお肉とチーズを仕入れることも大事な日課。それを持って、行く先々の人たちとおみやげ交換をしていましたから。そうやって心地よい関係になってからカメラを入れたので、撮影を始めたときには彼らもカメラを意識することなく自然と進めることができたのだと思います。―ただ、そのいっぽうでトリュフハンターたちの背後に渦巻く深刻な問題の数々が映し出されており、衝撃を受ける場面もありました。カーショウ監督毎年トリュフの獲れる数が減っているにもかかわらず、世界的な需要がどんどん上がっているので、いまや白トリュフは金塊と同じくらいの値段で取引されることもるほどですからね。そういったことが大きなプレッシャーとなり、それまで起きなかった争いやライバルの犬を毒殺してしまうといったダークな部分を生み出しているのだと感じました。―それらの現実を目の当たりにして、監督たちの考え方に影響を及ぼすこともあったのでは?カーショウ監督僕たちも、白トリュフがこれほど稀有な食材となっていることを今回の撮影を通して知ったので、それがきっかけとなって始めたのが保護プログラム。集めた資金をトリュフハンターたちに渡し、彼らがトリュフハンティングしている土地を買えるようなシステムを作りました。そうすることで、危険にさらされているこの場所を永久的に保護できると考えているので、それが減少しているトリュフの問題を解決する一助になることを願っています。トリュフハンターたちから大きな影響を受けている―この伝統を守るために、消費者である私たちでもできることがあれば教えてください。ドウェック監督先ほどお話した保護プログラムとともに行っていることのひとつが、この地域で作られたトリュフハンターワインを生産すること。そこで得たすべての収益が彼らに還元されるようなシステムになっており、それによって現在までに52エーカーもの森林を守ることができました。なかなか難しいところですが、まずは森を守ることが一番だと考えています。―支援の第一歩として、トリュフハンターワインを買うことから始めるというのであればできそうですね。ドウェック監督今後は、これをお手本にしてほかの街や国がそれぞれの文化を保護する動きが活発になることを願っているところです。というのも、これらのプログラムは森林だけでなく、コミュニティなどの“文化的生態”を守るためのものでもありますからね。あとは、この映画にインスピレーションを受けて、新しい世代のトリュフハンターが生まれてくれることも願っています。―いろいろな形で広がっていくといいですね。また、個性豊かなトリュフハンターたちの“名言”も見どころですが、彼らと接するなかで感銘を受けたことといえば?ドウェック監督彼らが自然や犬と密接な関係を保ちながら過ごしているのを見て、「自分はこれからどういうふうに生きていけばいいのか」と考えるきっかけになったので、僕たち自身も大きな影響を受けました。すでにこの映画を観た方々からも、「生き方を変えようと思った」とか「自給自足の生活をしてみたい」といった意見がたくさん届いたほどです。カーショウ監督トリュフハンターのなかには、すでに90歳を過ぎている人もいますが、みんなエネルギーや喜びを持って生活している人ばかり。一緒にいると、若者と接している感じがしてとても驚きました。なかでも、カルロの奥さんが「年も取ったんだし、仕事はもう終わりにしてほしい」と言ったときに、カルロが「もしこれが人生の始まりだったらどうする?」と返した場面はすごかったですね。いくつになっても、人生のどのタイミングでも、「ここが始まりかもしれない」というのはとても美しい考え方だと思います。この作品が生活を見直すきっかけになってほしい―確かに、非常にステキな言葉だと思いました。では、まもなく公開を迎える日本に対しては、どのような印象をお持ちかを教えてください。ドウェック監督僕が初めて東京で写真展を開催したのは20年前ですが、それからだいたい年に1回は日本を訪れているくらい本当に日本が大好きです。特に、ものづくりや伝統では高いレベルを極めようとする姿勢がすばらしいなと。それは食文化においても言えることですが、食材や生産地にこだわり、自然をリスペクトしているところには感銘を受けています。今回は、映画の写真も含めた写真展を2月16日~4月24日まで東京のブリッツ・ギャラリーで行うので、そちらにもぜひお越しいただけたらと。コロナ禍が終わったら、なるべく早く戻りたいと思っているほど、僕にとって日本は大切な場所です。実は、いま検討している企画のひとつに日本が候補地に挙がっているものがあるので、ぜひ日本で撮影できたらいいなと考えています。―楽しみにしております。それでは最後に、本作を通して伝えたい思いをお聞かせください。ドウェック監督2年以上コロナ禍でみなさんも感じているかもしれませんが、デジタルメディアよりも、もっと自然と触れ合う時間を取るべきだと考えています。この作品が、デジタルメディアに支配されている自分の生活を見直すきっかけとなり、自然との関係性についても改めて考えてもらえたらうれしいです。カーショウ監督確かに、彼らはデジタルが介入する前の世界にそのまま残っている生活を送っていたので、僕たちも1960年代にいるような感覚を味わうことができました。映画を観ていただく方々にも、僕たちと同じようなタイムトラベルのマジックを体感してほしいですし、いまの時代ではなかなか見つけることができないような幸せや喜び、そして美しさを彼らから感じてもらえたらと思っています。“白トリュフの秘密”がいま明かされる!美しい森が生み出す神秘と、その裏に渦巻く欲望の世界を垣間見ることができる本作。人々を虜にする芳醇でミステリアスな白トリュフの香りに包まれながら、無垢なトリュフハンターたちの生き様に心が刺激される1本です。取材、文・志村昌美美しさに魅了される予告編はこちら!作品情報『白いトリュフの宿る森』2月18日(金)より、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント©2020 GO GIGI GO PRODUCTIONS, LLC
2022年02月17日1897年の初演以降、日本をはじめ世界各地で幾度となく上演され、映画化・ミュージカル化されている稀代の名作を豪華スタッフ&キャストで再構築したロマンティック・ミュージカル映画『シラノ』。『プライドと偏見』や『つぐない』などで知られるジョー・ライト監督が、本作を手掛けた理由について明かした。各地で愛され続けるエドモン・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を、基本的なストーリーは同じながらも全く新しい設定に再構築し映画化したジョー・ライト監督。長編映画デビュー作となったジェーン・オースティン原作の「高慢と偏見」を再映画化した『プライドと偏見』(05)では、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどで知られるキーラ・ナイトレイを主演に迎え、世界的なヒットを記録。続いてイアン・マキューアンの「贖罪」を映画化した『つぐない』(07)では、キーラと再タッグを組み、当時13歳のシアーシャ・ローナンを迎え、英国アカデミー賞で作品賞を受賞、米アカデミー賞では作品賞、助演女優賞を始めとする7部門にノミネート、そのうち作曲賞を受賞。この2作での高い評価により、“文芸ドラマの名手”と呼ばれるようになった。近年では、第二次世界大戦初期を舞台に『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(17)で、チャーチル首相を演じた名優ゲイリー・オールドマンが米アカデミー賞主演男優賞を受賞したほか、過去作品で数多くの賞に輝いている。監督は、これまでの作品と本作『シラノ』との共通性について「すべての作品を振り返ってみると、どの作品にもアウトサイダー的な要素があるとは思います。世界の仕組みがよくわからず、それを理解しようとしている(ひとりの)人間として、僕はアウトサイダーに惹かれるんだと思います」と言及している。ジョー監督作品は映像美や音楽に関しても観客を魅了する手腕の持ち主で、本作でも全編ロケでの撮影を決行。音楽は身近に感じられるものにしたいと考え、息づかいやちょっとした不完全な部分も聞こえるように全て生歌にするなど、趣向をこらした。さらに撮影を決めた当時は、世界的パンデミックの脅威によって世界は閉ざされ、イギリスでも4か月近くのロックダウンが経とうとしていた頃で、「私のキャリアにおいて最もクレイジーな映画製作」とふり返る。しかし、「その経験があったからこそ、今、『シラノ』を作ろうという決意がより一層強くなりました。みな人との繋がりに飢えていたから、繋がりについての映画を作りたかったんです」と語る。そして、「この映画を通して私の愛を受け取ってくれることを願います。私は冷笑や皮肉を抜きにした映画を作ることを目指しました。この映画は愛へのラブレターなんです」とメッセージを送る。愛の親密さを描いた本作は、切なすぎる純愛三角関係、自己犠牲、そして真実の愛のかたちに乗り移り、観る者の心を熱くするミュージカル映画となりそうだ。『シラノ』は2月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:シラノ 2022年2月25日より全国にて公開© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
2022年02月14日おみかん(@omikan_ka_san)さんがTwitterに投稿した、1枚の写真が話題となっています。おみかんさんはこの日、昔使っていたバッグを処分するため、中身を確認していました。すると、映画のチケットが3枚出てきたといいます。その写真がコチラです。昔使ってたバッグを処分しようと中を探ったら、「千と千尋の神隠し」を映画館に観に行った時の入場券が出てきた・・・20年以上前、お母さんと妹と3人で行った時のやつだ。捨てられないや・・・ pic.twitter.com/iqdbKS5a9B — おみかん (@omikan_ka_san) February 13, 2022 出てきたチケットは、2001年7月に公開された、スタジオジブリ作品の『千と千尋の神隠し』。出典:スタジオジブリおみかんさんは当時、母親と妹の3人で観に行ったそうです。日付は、同年8月2日であることが読み取れ、2022年2月現在、20年以上も前のチケットであることが分かります。おみかんさんは、思い出の品として「捨てられないや」とコメント。投稿には、「確かに、このチケットは捨てられない!」という声が寄せられました。・神隠しではないけど、過去にタイムスリップできそう!思い出が一気によみがえりますね。・『千と千尋の神隠し』に出てくる、電車の片道切符みたい!これは、捨てられないわ。・え、待って…。『千と千尋の神隠し』を映画館で観たあの日から、もう20年も経過したのですか。名作は色あせないな。・2001年8月2日!まさに僕が生まれた日です!なんだか感動。ちなみに、おみかんさんによると、これまで3枚のチケットが入っていることに気が付かないまま、何度もカバンを洗濯していたそうです。それでも、印字が消えなかった『千と千尋の神隠し』のチケット。「何か不思議な力が宿っているのでは」と、想像がふくらみますね![文・構成/grape編集部]
2022年02月14日2020年、内博貴主演で小説家・太宰治の生きざまを描いた舞台が、装いも新たに 「浪漫舞台 新装『走れメロス』 ~小説 太宰 治~」として、3月5日(土)~6日(日)森ノ宮ピロティホール(大阪)、3月12日(土)~3月21日(月・祝)自由劇場(東京)で上演される。このたび、メインビジュアルとキャスト第2弾が発表された。小説家である太宰治が若き頃、多くの作家たちとの友情や、彼が愛する女性たちと の愛や苦悩に満ちた波乱の人生を題材として、太宰と共に当時を駆け抜けた親友で作家の檀一雄が書き上げた回想録『小説 太宰 治』をベースに、舞台作品として書き下ろされた本作。今回発表されたメインビジュアルは、登場人物たちが舞台衣装を身にまとい、文豪たちが生きた時代背景を意識し、それぞれの友情、愛情に想いを馳せ佇むイメージカットになっている。さらに、キャスト第2弾として、檀一雄役を舞台、テレビドラマ、映画など活躍の幅を広げる生島勇輝が務めることが決定したほか、石井智也、井上雄太、輝有子らが名を連ねた。なお、公式サイトにて、チケット先行予約が2月2日(水)まで実施されている。【公演概要】「浪漫舞台 新装『走れメロス』 ~小説 太宰 治~」原作:檀一雄『小説 太宰 治』より作・演出:モトイキ シゲキ演奏(ギター):タマ伸也音楽:鎌田雅人<配役>太宰治…内博貴小山初代 / 太田静子<二役>…佐藤江梨子山崎富栄…北原里英津島美知子…原史奈檀一雄…生島勇輝佐藤春夫…市川知宏柿野要一郎…小川史記高橋幸雄…石井智也山岸外史…井上雄太マダム雪子…輝有子山崎晴弘…下村青井伏鱒二…内海光司●公演日程・大阪公演=全3回公演日程:3月5日(土)13:00開演、3月5日(土)17:30開演、3月6日(日)13:00開演会場:森ノ宮ピロティホール(大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目17-5)チケット料金:9,500円(全席指定・税込み)チケット先行:公式サイト先行受付中=2月2日(水)23:59まで※チケット一般発売開始日は、2月20日(日)10:00よりお問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~16:00 ※日・祝休業)・東京公演=全12回公演日程:3月12日(土)~3月21日(月・祝)会場:自由劇場(東京都港区海岸1-10-53)チケット料金:9,500円(全席指定・税込み)チケット先行:公式サイト先行受付中=2月2日(水)23:59まで※チケット一般発売開始日は、2月20日(日)10:00よりお問い合わせ:キョードー東京 0570-550-799(オペレーター平日11:00~18:00 / 土日祝10:00~18:00)主催・制作:浪漫舞台「走れメロス」公演実行委員会(エイベックス・エンタテインメント / プロデュースNOTE)公式サイト: 公式Twitter: @roman_melos()
2022年02月01日寒さに体が震える日々が続いていますが、できれば心を震わせる体験を味わいたいもの。そこで今回ご紹介するオススメの1本は、感動の波が押し寄せると各国で絶賛されている注目作です。『クレッシェンド音楽の架け橋』【映画、ときどき私】 vol. 450紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、和平コンサートを開くという企画を引き受けた世界的指揮者のスポルク。オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越えて音楽家になるチャンスを掴んだのは、20余人の若者たちだった。しかし、憎み合う2つのグループは、激しくぶつかり合ってしまう。そこで、スポルクは彼らを南チロルでの21日間の合宿に連れ出す。寝食をともにし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合ううちに、少しずつ心の壁がなくなり始めていた。ところがコンサートの前日、ようやく心がひとつになった彼らに、想像もしなかった事件が起きることに……。「世界で最も解決が難しい」とも言われているほど、長年にわたって続いているパレスチナとイスラエルの紛争。本作では、両者の抱える問題を背景に、実在するユダヤ・アラブ混合の管弦楽団から着想を得て描かれています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。ドロール・ザハヴィ監督イスラエル・テルアビブの貧しい地域に生まれ育ち、現在はドイツを拠点にドラマから映画まで幅広い活動を行っているザハヴィ監督。今回は、現場で感じた苦労や相互理解に必要なことなどについて、語っていただきました。―本作では実在の管弦楽団に行った徹底的なリサーチがもとになっており、実話の要素も入れているということですが、具体的なエピソードを反映しているところはありますか?監督確かに、いくつかの管弦楽団をモデルにしているところはありますが、脚本を書き進めいくうちに、最終的には実際の彼らとは少し離れた物語になりました。ただ、そのなかでも取り込んだのは、2つのグループに分かれていた演奏者たちでも、ひとつになって音を奏でることができるという可能性。そのこと自体は、ストーリーの核となるほど大きなインスピレーションを与えてくれたものになっています。―完成までの過程で、苦労したことを挙げるとすればどんなことがありますか?監督今回、役者は3~4名ほどで、あとは実際の音楽家たちを集めましたが、キャスティングの段階で会った候補者の数は400人ほど。その際、映画と同じようにイスラエル側の数が多くてパレスチナ側の人数が足りないという事態に直面したこともありました。最終的には何とか集めることができましたが、そういう意味では劇中の指揮者と同じような苦労を味わったと言えますね。劇中のキャラクターと同じ道のりを経験した―現場では、最初は他人行儀だったキャストたちが映画同様に友情を育んでいったそうですが、そんな彼らをひとつにまとめるというのも大変だったのではないでしょうか。監督そうですね。撮影中に難しい瞬間は訪れるだろうと思ってはいましたし、人がどんなにすべてを予測したつもりでも必ず意外な展開が待っているものですから。ただ、そういったプロセスも演じたキャラクターたちが経験したのと同じような道のりだったのではないかなと思っています。今回私が意識したのは、グループ内における彼らの“力学”などを見ながら、ひとつにまとめること。私たちは3つの国をまたぎながら、同じホテルで一緒に過ごし、毎日食事をともにしながら話をする生活を7週間にわたって繰り返しました。そういった過程を経て、みんなが劇中のキャラクターと同じようにひとつのグループとして成長してくれたのです。撮影が終わったころには実際に友情を育んでいたキャストたちもいましたし、友人ができなかった人でも相手について学ぶことはできたのではないかと感じました。何よりも大事なのは、相手に敬意を持つこと―中東に限らず、さまざまな国でも対立は起きているので、劇中の彼らの姿は“世界の縮図”のようにも見えました。お互いに理解し合い、歩み寄るために必要なことは何だとお考えですか?監督映画のなかでしたのと同じように、対立しているグループの間にひもを置いて、相手に対する攻撃的な思いをお互いにすべて出し切るというエクササイズをするのがいいんじゃないかな(笑)。というのは冗談としても、僕自身がひとりの人間として経験してきたことを通して言うのであれば、何よりも大事なのは相手に対して敬意を持つこと。たとえお互いの意見が同じではなくても、敬意さえ持っていれば、問題は解決できるはずですし、相手への攻撃的な態度も消えるものと考えているからです。そういった部分は、この作品が世界のさまざまな国で公開された際にも多くの観客に強く響いていると感じました。これらの問題は中東特有のことではなく、あらゆる国でも起きていることですが、お互いの言葉に耳を傾け、リスペクトし合えれば、私たちの間にある対立や紛争といったものはなくなるのではないでしょうか。ぜひみなさんにも自分の文化や人生の視点から、自分ゴトとして観ていただけたらうれしいです。日本の料理や映画、文学がすごく好き―まもなく公開を迎える日本に対しては、どのような印象をお持ちですか?監督やっぱり、まずはお寿司ですよね(笑)。というのも、私はいまベルリンに住んでいるのですが、家の近くにたくさん日本料理屋さんがあって、よく通っているほど好きなので。あとは、日本映画の大ファンで黒澤明監督から最近の監督まで観ていますし、日本の文学もすごく好きです。この映画と一緒に来日できずに残念ですが、いつか訪れたい国のひとつなので、必ず実現したいと思っています。日本が好きな理由として挙げるとすれば、それはイスラエルと日本には奇妙なつながりがあると感じているからです。立場は違うものの、私たちは第二次世界大戦中に強い苦しみをそれぞれ経験してきました。そして、それが国民性に与えた影響に近いものがあると私は考えています。あとは、日本が軍事力を使わずに平和主義の道を歩んでいるところもすばらしい思っているところです。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督まずは、たくさんの方に観ていただき、この作品がみなさんの心のなかに届くことを願っています。中東の対立における基礎に関しては、本作を観ていただければわかっていただけると思いますが、この紛争というのは、世界に影響を与えるものでもあるので、ぜひ両者の立場というものを知っていただければと。どちらの立場もバランスよく、敬意を持って描いたつもりなので、それがみなさんにも伝わればうれしいです。琴線に触れる音楽が心に響く!音楽の力が生み出す“奇跡の瞬間”を目の当たりにする本作。憎しみを慈しみの気持ちへと変えてしまう美しいハーモニーを奏でる若者たちの姿は、言葉や文化を超えて観る者の心を大きく揺さぶるはず。いまの時代において、真の平和とは何かを改めて考えさせられる珠玉の1本です。取材、文・志村昌美美しい音楽を奏でる予告編はこちら!作品情報『クレッシェンド音楽の架け橋』1月28日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開配給:松竹© CCC Filmkunst GmbH
2022年01月27日『パラサイト半地下の家族』で知られるポン・ジュノ監督の『母なる証明』(’09年)や、『花より男子ファイナル』(’08年/石井康晴監督)、『味園ユニバース』(’15年/山下敦弘監督)等、様々な作品に助監督として参加し、自費製作による長編映画監督デビュー作『岬の兄妹』(’18年)が複数の映画賞を受賞した片山慎三監督による初の商業映画作品が『さがす』だ。主演は20年前に片山監督が制作スタッフとして参加したドラマ『アイノウタ』(’02年)に出演していた佐藤二朗。佐藤は撮影当時21歳だった片山監督に対し、「右も左もわからぬいわゆる“使い走り”だが、発想や発言がおもしろい」という印象を抱いていたという。片山監督は本作を製作するにあたり、佐藤に主演をオファーする手紙を送り、そこに添えられた脚本に惹かれた佐藤は出演を快諾したのだとか。その佐藤が演じるのは、大阪の下町で中学生の娘・楓とふたり平穏に暮らす原田智。ある日、彼は楓に「指名手配中の連続殺人犯を見た。捕まえたら懸賞金の300万円がもらえる」ということを伝える。楓は父のいつもの冗談だと思い相手にしないが、翌朝、智は姿を消す。そこから楓の父捜しが始まり、父の名前で日雇いの仕事をする指名手配中の連続殺人犯・山内照巳とおぼしき姿を見つける…。とにかく見どころの多い作品だ。『岬の兄妹』でも見せた、どこかユーモラスな人間味を漂わせながらも、現代社会の闇と人間の本質をえぐりとるようなドラマを描く片山監督の手腕。おかしみと親しみやすさを感じさせながらも何を考えているかわからない凄みを背負う智役の佐藤二朗。愛する父を捜すために、連続殺人犯かもしれない謎の男に物怖じせず向かっていく楓を演じるのは伊東蒼。『湯を沸かすほどの熱い愛』(’16年)で子役として鮮烈な印象を与え、多くのメディアで2021年の年間ベストに入った傑作映画『空白』やNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』といった作品でどんどん輝きを増している16歳だ。そして、静かな狂気を発する連続殺人犯・山内照巳を演じるのは『渇き。』(’14年)のいじめられっ子役で注目され、近年『東京リベンジャーズ』(’21年)や『おかえりモネ』といった作品で存在感を高めている清水尋也。巧みな脚本、演出、芝居…確固たる才能が集結し、死生観、親子関係、倫理観といった人が生きる上では避けて通れない問題を内包し、登場人物それぞれの正義が交錯しながら物語が進んでいく重層的な映画作品が生まれた。必死で父を捜す楓に警察官が「君はいったい誰を捜しているの?」と問いかけるシーンがあるが、視聴者自身の価値観をも問うような強烈な余韻が残る作品でもある。片山監督はポン・ジュノ監督作品等で韓国の撮影現場を経験したことで「日本の映画監督に足りないのは時間」という持論を抱くようになり、『さがす』はこの規模の作品では異例の約2か月という撮影期間が設けられた。それによりひとつひとつのシーンに多くの時間がかけられ、丁寧な作品作りができたという。そういった日本映画の現状に危機感を持ち、業界全体を底上げし未来に繋げようという気概も『さがす』には宿っている。『さがす』ある日、父は娘に「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と告げて姿を消す。監督・脚本/片山慎三出演/佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也ほか1月21日より全国順次公開。©2022『さがす』製作委員会※『anan』2022年1月26日号より。文・小松香里(by anan編集部)
2022年01月24日2022年1月14日(金)に劇場公開を控える映画『エル プラネタ』が、J-WAVE(81.3FM)のラジオ番組「JAM THE PLANET」がお届けする特別オンライン上映会JAM THE CINEMAで、先着200名限定の劇場公開直前特別オンラインプレミア上映されることが決定した。「Instagram最初の傑作!」と話題を呼んだパフォーマンス・アート<Excellences & Perfections>で時代を象徴し、その後Gucciのクリエイティヴデジタルプロジェクト#GucciGramに起用され、 Forbes 30 Under 30 「世界を変える30歳未満」30人に選出されるなど、その端正なルックスとファッションセンスを生かした作品を発表し脚光を浴びている現在注目度急上昇中のアーティスト、アマリア・ウルマン。そんな彼女が自ら主演、母親役には自身の母を起用、さらに自らの貧困体験を織り交ぜた崖っぷち母娘の現実逃避行ムービーが『エル プラネタ』だ。本作は映画界が熱視線を送るゴッサム・インディペンデント映画賞にて「ベストスクリーンプレイ」「ブレイクスルーパフォーマー」の2部門にノミネートし、その存在感に期待が寄せられている。そんな本作が今回、「JAM THE PLANET」がおすすめの映画を期間限定で特別オンライン上映するJAM THE CINEMAの第2弾として、劇場公開直前特別オンラインプレミアが決定。問題を抱えた“崖っぷち”真っ只中でも、なりふり構わず生き抜こうとする母娘の姿は、滑稽ながらもどこか身近に感じられ、最高に愛おしい。“リアル”と“虚構”の境界の狭間で生きるミレニアル世代の現代の閉塞感を見事な勇気とユーモアで描く“究極のセルフィ映画”をJAM THE CINEMAで体験しよう。【作品内容】ロンドンでの学生生活を終えた駆け出しスタイリストのレオ(アマリア・ウルマン)は、母親が暮らす故郷スペインの海辺の町・ヒホンに帰るが、母親(アレ・ウルマン)は家賃滞納でアパートも退去を迫られてるギリギリの状態だったー。母と娘はお金も仕事もない厳しい状況ながらも、身分不相応に“SNS映え”するスタイリッシュな暮らしを目指すー。視聴期間は2022年1月8日(土)から1月10日(月・祝)まで、PIA LIVE STREAMにて。チケット発売中。
2021年12月28日映画『マリー・ミー』が、2022年4月22日(金)より公開される。“世界的スター×平凡な数学教師”のラブ・コメディ映画『マリー・ミー』は、世界的ポップスターと平凡な数学教師の恋と結婚を、ミュージックとダンスで彩るロマンティック・ラブストーリー。女優、ファッションデザイナー、プロデューサーなどいくつもの顔を持つ世界的歌姫ジェニファー・ロペスが主演&プロデュースを務めた。ジェニファー・ロペスが“恋するスーパースター”を熱演主人公・カット...ジェニファー・ロペス恋に悩むキュートな世界的ポップスターの主人公。演じるのは、映画『ハスラーズ』での熱演も新しいジェニファー・ロペス。映画『マリー・ミー』では抜群の歌唱力を披露し、まるで“本人役”のようなヒロインの姿を魅力たっぷりに演じ切る。チャーリー...オーウェン・ウィルソンカットの恋のお相手となる平凡な数学教師。『ワンダー 君は太陽』『ミッドナイト・イン・パリ』などで知られるオーウェン・ウィルソンが務める。バスティアン...マルーマカットと婚約中のスター。デビューアルバム「マジア」が母国コロンビアでゴールドディスク大賞認定されるなど、ラテンミュージック界で飛ぶ鳥を落とす勢いのレゲトン歌手・マルーマが抜擢され、『マリー・ミー』で映画デビューを果たす。監督は『ウソはホントの恋のはじまり』のカット・コイロが務めた。オリジナル曲「Marry Me」にも注目解禁となった映像では、ジェニファー・ロペスとマルーマがフューチャーしたオリジナル曲「Marry Me」を本物のライブパフォーマンスのようなクオリティで披露。結婚を祝福するに相応しいアップテンポな楽曲で、物語のハッピーな世界観を表現した。【詳細】映画『マリー・ミー』公開日:2022年4月22日(金)出演:ジェニファー・ロペス、オーウェン・ウィルソン、マル―マ監督:カット・コイロ脚本:ジョン・ロジャース、タミ・セイガ―、ハーパー・ディル製作:エレウィン・ゴールドスミス=トーマス、ジェニファー・ロペス、ベニー・メディナ、ジョン・ロジャース製作総指揮:アレックス・ブラウン、ウィリー・マーサー、パメラ・サー、J.B.ロバーツ原題:Marry Me/アメリカ/2022年配給:東宝東和
2021年12月25日ハリウッド映画への出演を通して、香港映画のスターが世界に“再発見”されている。今年、多くの映画ファンを虜にしたのが『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で魅力的なヴィランを演じたトニー・レオンだ。悪の組織を率いるカリスマ性と、亡き妻への愛に囚われた悲しみ、複雑な感情をたたえた憂いあるその表情に堕ちた人が世界中で続出。若い頃からその色気でファンを魅了してきたトニーなので、年季が入ったファンからは「30年遅いよ!」との声が聞こえてきそうだが、メイクの効果や役柄の魅力を抜きにしても、衰えないスターのオーラと、あふれる現役感に驚かされた。『シャン・チー/ テン・リングスの伝説』(C)2021 MARVELハリウッド映画で実績のある香港のスターといえば、同じく『シャン・チー』で主人公の伯母を演じたミシェル・ヨーがその筆頭だろう。ミス・マレーシアから女優の道に入り、香港に渡ってアクション女優として活躍。『ポリス・ストーリー3』(92)や『宋家の三姉妹』(97)など幅広い作品に出演。『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)ではボンド・ガールに抜擢された。アジア系のスタッフ・キャストがメインの作品として異例の大ヒットとなった『クレイジー・リッチ!』(18)ではヒロインの恋人の母親を好演。来年公開予定の主演作『Everything Everywhere All at Once(原題)』はA24の製作で、移民の女性が大暴れするSFコメディ。『アバター2』にも出演しており、快進撃が止まらない。ミシェル・ヨー Photo by Mike Coppola/Getty Images for Turnerブルース・リーやジャッキー・チェンのような世界的スターを生んだ香港のスターに求められるのは、やはりアクション。ミシェルは前述したようにアクション女優として頭角を現し、トニーもアクションの経験は豊富だ。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)で“宇宙最強”の称号を手に入れたのはドニー・イェンだ。計算され尽くされた華麗で力強いアクションに世界が瞠目。今年は人気シリーズ『ジョン・ウィック4』を撮影しており、公開が待たれる。香港アクション映画界を牽引してきたベニー・チャン監督の遺作『レイジング・ファイア』でもド派手な戦いを繰り広げるドニー。12月24日の日本公開に期待してほしい。香港映画全盛期のスターがいまでも第一線にそんなドニーを相手に、『レイジング・ファイア』で悪役を好演しているのがニコラス・ツェーだ。1980年生まれ。同作と同じベニー・チャン監督の『ジェネックス・コップ』(99)などで注目され、次世代のアクションスターとして期待されたが、近年は中国の料理バラエティ番組で料理の腕前を披露したり、スイーツ店をプロデュースしたりと、すっかり料理上手なタレントのイメージが定着していた。しかし、『レイジング・ファイア』では善から悪へと墜ちていく男を凄みのある演技で表現。アクションシーンもキレのある動きでこなした。香港や中国で大ヒットした理由の1つは、間違いなく、ニコラスが進化し、久しぶりにスクリーンで輝いていたからだと思う。ニコラスももう41歳。その下の世代のスターは?と聞かれると、正直なところ答えに困る。香港映画界で言われ続けている問題が、若手スターの不在だ。そもそも年間30本程度しか公開作がない香港映画。全盛期にスターだった世代がまだ第一線でギラギラしており、自ら映画製作会社を創立したルイス・クーのように製作から関わるケースも多いため、なかなか上が空かない。『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』(18)では還暦超えのチョウ・ユンファと、香港四天王の1人でいまではすっかり実力派俳優としての地位を確立したアーロン・クォックが組み、『男たちの挽歌』ばりのアクションをこなして健在ぶりを見せつけた。若手人気俳優が主役の映画が量産され、ベテランになると助演にまわるパターンが多い日本と比べると、凄いことではある。中国市場の影響もある。ユンファやアンディ・ラウなど、香港のスターは中国の老若男女にも愛されているため、中国・香港合作の大作ともなれば彼らが主役の企画となり、主人公の妻や恋人のポジションには大陸の女優がキャスティングされるパターンが多いのだ。スターは生まれなくても、いい俳優は育っているでは、香港に期待できる若手俳優はいないのかというと、そんなことは決してない。かつてのようなスターは生まれていなくても、しっかり演技で見せられる若手俳優は育っている。たとえば、『時代革命』のキウィ・チョウ監督による昨年のヒット作『夢の向こうに』(香港映画祭2021で上映)で注目され、現在、香港や中国で大ヒット中のアニタ・ムイの伝記映画『梅艷芳』でレスリー・チャンを演じているテレンス・ラウは、芸術大学で演技を学び、舞台で経験を積んだ実力派。『夢の向こうに』で相手役を演じたセシリア・チョイも演技力を高く評価されている注目の女優。台湾の大ヒットホラー映画『返校 言葉が消えた日』(19)の教師役で注目された“逆輸入”パターンで、今年の台湾金馬奨で最多ノミネートされた香港映画『濁水漂流』にも出演している。『夢の向こうに』のテレンス・ラウとセシリア・チョイ(提供=香港映画祭実行委員会)『梅艷芳』でアニタを演じて映画デビューしたルイーズ・ウォン、日本・香港合作映画『二人小町』にも出演しているハンナ・チャンのようにモデル出身で雰囲気のある新世代にも期待がかかる。香港映画のDNAは、確実に受け継がれている。(text:Rie Nitta)■関連作品:シャン・チー/テン・リングスの伝説 2021年9月3日より全国にて公開©Marvel Studios 2021レイジング・ファイア 2021年12月24日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©Emperor Film Production Company Limited Tencent Pictures Culture Media Company Limited Super Bullet Pictures Limited ALL RIGHTS RESERVED
2021年12月17日重厚な人間ドラマと歴史の悲劇を魂の演奏が彩る音楽ミステリー。映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』をご紹介します。1951年のロンドン。華々しいデビューコンサートの開演を控えた21歳の天才ヴァイオリニスト、ドヴィドルが忽然と姿を消す。それから35年。彼と兄弟同然に育ったマーティンは、あるコンクール会場でドヴィドルに繋がる糸口を見つけ、彼の消息を追い始める。あの日、リハーサルを終えてホールを後にしたドヴィドルに何が起きたのか。熟年にさしかかったマーティンをティム・ロスが演じるミステリーは、ヴァイオリンの調べに彩られた重厚な人間ドラマでもある。なにしろ、ドヴィドルはユダヤ人。ナチスが台頭するなか、才能を伸ばすべく、わずか9歳でワルシャワの家族と離れてロンドンのマーティンの家で暮らしていたのだ。第二次大戦後という時期の失踪に、彼のルーツが関わっていることは容易に察しがつく。やがてマーティンは、「歌を演奏しに行く」という彼の言葉を知るのだけれど、それにしてもなぜ、姿を消す必要が?深まる謎は、ユダヤの伝統のみならず、宗教の違いを超えて観る者の魂を震わせる深い思いへと繋がっていく。監督は、高名なヴァイオリン職人が妻子を悼んで作った名器の4世紀にわたる旅を描き、アカデミー賞音楽賞に輝いた『レッド・バイオリン』のフランソワ・ジラール。今作ではレイ・チェンが奏でる旋律が重厚なドラマを盛りあげる。後半ためにためて登場するドヴィドル役のクライヴ・オーウェンの演奏姿もいいけれど、少年時代を演じるルーク・ドイルがとにかくいい。自信溢れる天才少年ドヴィドルが、空襲警報下の防空壕で年上ヴァイオリニストを挑発するようにして始める競演のなんとワクワクすること!ルーク自身も8歳でヴァイオリンを始め、ウェールズ国立青年オーケストラに最年少メンバーとして所属しているのだとか。彼の今後にも期待せずにいられません。ドヴィドルの魂の演奏とともに、人間関係そのものもミステリーなのだということを浮かび上がらせるラストの大人な余韻もじっくり味わってね。『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』監督/フランソワ・ジラール出演/ティム・ロス、クライヴ・オーウェン、ジョナ・ハウアー=キング、ジェラン・ハウエル、ルーク・ドイル、ミシャ・ハンドリーほか12月3日より新宿ピカデリーほか全国公開。©2019 SPF(Songs) Productions Inc., LF(Songs) Productions Inc., and Proton Cinema Kft※『anan』2021年12月8日号より。文・杉谷伸子(by anan編集部)
2021年12月06日最高峰の音響体験で映画の世界を堪能できる「10万分の1秒の音響映画祭」がTOHOシネマズセブンパーク天美 プレミアムシアター(スクリーン10)で開催され、LOVE PSYCHEDELICO『LIVE THE GREATEST HITS 2020』が上映された11月23日、メンバーのKUMI、NAOKIが舞台挨拶に登壇した。2020年にデビュー20周年を迎えたLOVE PSYCHEDELICOが、同年10月8日にTOHOシネマズ立川立飛で開催した『LIVE THE GREATEST HITS 2020』の模様を収録。会場となったTOHOシネマズセブンパーク天美 プレミアムシアターは、メンバーのNAOKIがスピーカーのチューニングを監修。NAOKIはこれまでもTOHOシネマズ日比谷、池袋、立川立飛で音響監修に携わってきたが、専門家からの評価も高く、このプロジェクト全国展開の第1弾がここ天美の劇場となった。東京のTOHOシネマズ日比谷での開催に続き、10万分の1秒単位まで徹底的に音響調整したこのプレミアムシアターで厳選された作品を上映する同映画祭だが、NAOKIは「大阪に10日間ぐらい泊まり込んで準備しました。映画館ではスクリーンの裏にメインのスピーカーが3つあって、距離が近いことからその真ん中の台詞用スピーカーが客席にコンマ何秒か先に届いてしまう。それをズレないように再生速度を調整して、ピタッとひとつの音として届くようにするのが基本的なタイムアライメント(音声到達時間の補正)の考え方です。そのズレを徹底的に解消したのがこのプレミアムシアター / 轟音シアターですね。各スピーカーからの音の波がズレると、音の強弱が揃わず打ち消し合うように小さくなる。そうならないように、音の波形をぴったり合わせることによって壁から跳ね返る音も綺麗に整うようになり、結果、より多くの席でも監督が出したいと思った音をより忠実に感じられるようになっていきます」とアピール。東京のTOHOシネマズ日比谷に続いて、大阪で「10万分の1秒の音響映画祭」が開催され、KUMIは「東京で始まった新しい試みが、じわじわ広がって大阪で開催されるのはすごく素敵なことだし、体験してくれた人がいいなと思ってくれたんだと感じて嬉しい」と喜びを語った。また、映画祭のタイトルにもなった“10万分の1秒”という文言は、NAOKIのコメントから採用されたものだという。「先ほど話した音のズレを10万分の1秒以下に、というところからこのプロジェクトは始まったんですが、実は、このTOHOシネマズセブンパーク天美のプレミアムシアターの音響調整は、音の遅延補正に関して1000万分の1秒以下まで進化しています」とアピール。さらに「そこまで合わせる必要ないんじゃないかというぐらい合わせました(笑)。今のところタイムアライメントに関しては、これ以上合わせるサウンドシステムが地球上に存在しないところまできている。恐らく世界で一番遅延補正の整った映画館です」と自信をのぞかせた。コロナ禍の影響で20周年ツアーが実現できなかったために、開催した映画館でのライブ『LIVE THE GREATEST HITS 2020』。ただの配信ではなくメモリアルなライブにしたいとスペシャルな会場を探していたところ、NAOKIがTOHOシネマズ立川立飛の音響監修を手がけていたことから、「映画館っていいんじゃない?」というアイデアで実現した。KUMIはTOHOシネマズ立川立飛でのライブを振り返り、一般的な音楽ホールが「音が響くように設計されている」のに対し、TOHOシネマズ立川立飛は「音に集中でき、音が散らない設計なので、スタジオで演奏する感覚に近くて、自分の演奏やバンドの音が聞きやすくて、演奏しやすかった」と話し、続けて「20年前の作品をライブでやって皆が楽しんでくれて、こうやって今日も映画館で上映してもらえるなんてすごい光栄なこと。今回あらためてどの曲を演奏してもいい曲だと自分たちで思えたし、この先やっていける自信になった」と感慨深く語っていた。最後に、NAOKIが「今日観てもらう作品は僕たちがMIXしました。僕が調整した映画館は、僕の耳、いわば僕たちのレコーディングスタジオを基準にしています。僕たちがMIXした作品を、僕たちのスタジオに一番近いシアターで観てもらえるので、楽しんでください」と観客に熱く語りかけた。取材・文・撮影:華崎陽子
2021年11月27日山下智久主演、Netflix映画『恋に落ちた家』の制作と全世界配信が決定した。2012年に公開し、韓国国内での観客動員数が400万人を突破、韓国の恋愛映画として歴代1位の興行記録を塗り替えた映画『建築学概論』。この物語の舞台を日本に移し、山下智久を主演に迎え、日韓最高峰キャスト・スタッフでリメイクするのが『恋に落ちた家』となる。2002年、建築家を目指して都内の大学に通う18歳の伊吹は、美しくチャーミングな女性・李由梛と出会う。ふたりは日本の繊細な建築を辿りながら、忘れられないひとときを過ごす。「将来、私の家を建ててね」そんな他愛ない約束だけを残して砕け散ったふたりの恋。それから19年、長い空白の時間を経て、離婚・父の病気など人生の苦悩を背負った由梛は、突然伊吹の前に現れる。そして、夕陽の街とも言われ、南アルプスと富士山を眺める絶景の西伊豆町に家を建てて欲しいと依頼する。あの頃秘めていた想いを答え合わせするように、ふたりの距離は縮まっていく。山下が挑む、至極のラブロマンスに期待だ。<山下智久・コメント>韓国で大ヒットした恋愛映画のリメイクという事で大きなプレッシャーを感じているのと同時にこの作品に携われる大きな喜びを感じています。建築家が家を設計するのと同じように、敬意を込めて、丁寧にストーリーを理解し、そして気持ちを込めてこの作品を作り上げて行けたらと思います。オリジナルの作品をリスペクトしながら、新しくこのチームで作る愛の形を表現できるよう努めていきたい所存です。日韓のキャストスタッフと作り上げるプロジェクトという事で、今から新しい出会いに胸を膨らませています。若かりし頃の不器用さ、大人になると失われがちな柔軟さ、素直さ。19年という時をまたぐ、繊細でいて、大きな心の変化をゆっくりと描いていきます。あの頃、今、そして未来。見てくださる皆さんが僕達の役に、気持ちを投影できるような優しく温かい作品になるよう願いを込めて撮影をしていきます。是非楽しみにしていてください。<李鳳宇(プロデューサー)・コメント>私は韓国映画の配給や製作を通じて沢山の韓国映画人たちと仕事をしてきました。韓国映画の持つ独自の表現力や韓国人俳優たちの感受性の豊かさに触れ、いつか日本映画の中にそれを融合したいと夢見てきました。近年、日本ではテレビ、映画で韓国オリジナルの作品をリメイクする動きが活発ですが、オリジナルを超えるのは至難の業のようです。今回、我々が挑むのは韓国人なら誰もが知る名作『建築学概論』。大いなるチャレンジを前に怯むことなく素晴らしいコラボレーションが奏でれるよう、万全の準備で臨むつもりです。乞うご期待ください。<岡野真紀子(エクゼクティブ・プロデューサー / Netflix コンテンツ・アクイジション部門 マネージャー)・コメント>韓国で伝説的なヒットとなったラブロマンス映画をリメイクさせていただく、ということに、緊張と興奮が入り混じったような、そんな気持ちですが、主人公を山下智久さんが演じてくださることで、一気に興奮が増しております。本作は、甘酸っぱくて、でも眩しく輝いていた学生時代の恋、そして、たくさんのことを背負って人生の苦さを噛み締めた大人の恋、という2つの軸で描かれます。見ていただく方に、一緒に甘酸っぱさとほろ苦さを感じていただけるような、そんな至極のラブロマンスをお届けできたらと思っています。日韓の最高峰のスタッフ・キャストで制作に挑みますので、是非、ご期待ください!Netflix映画『恋に落ちた家』配信日未定
2021年11月04日映画『世界で一番美しい少年』が、2021年12月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次公開される。『ベニスに死す』ビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー映画映画『世界で一番美しい少年』は、巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督作『ベニスに死す』で主人公を破滅に導く少年タジオを演じた俳優ビョルン・アンドレセンの衝撃の真実を描いたドキュメンタリー。巨匠に才能を見出された15歳のビョルン・アンドレセンは、“世界で一番美しい少年”として当時一大センセーションを巻き起こした。“世界で一番美しい少年”の天国と地獄『ベニスに死す』は、1971年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され<25周年記念賞>を受賞。日本でも、1972年の<キネマ旬報ベスト・テン第1位>になるなど高い評価を得た名作だ。観る者の目を釘付けにする圧倒的な存在感を放ったビョルン・アンドレセンは、『ベニスに死す』の日本公開年などに来日。CM出演などの芸能活動も行い、日本のカルチャーにも影響を及ぼした。『世界で一番美しい少年』の中で、マンガ『ベルサイユのばら』の作者・池田理代子が語るのは、彼が主人公“オスカル”のモデルであったという事実。そして50年後、かつて伝説のアイコンまでになった彼は、日本でもヒットを記録したアリ・アスター監督のスリラー映画『ミッドサマー』の老人ダン役を演じ、驚愕の変貌ぶりが話題になる。『世界で一番美しい少年』から50年の時を経て、ビョルン・アンドレセンが語るのは、巨匠ヴィスコンティとの出会い、“世界一の美少年、タジオ”を探すために壮大な規模で行われたオーディションや映画『ベニスに死す』撮影の裏側、カンヌの華やかな狂騒から来日時の熱狂など。“世界で一番美しい少年”と呼ばれその後の人生を運命づけられてしまったひとりの人間の栄光と破滅、心の再生とは?“世界で一番美しい少年”が見た、天国と地獄とは?豊富なアーカイブ映像豊富なアーカイブ映像と共に、傑作映画の裏側やビョルン・アンドレセンに向けられていたまなざしなどを浮き彫りにしているのも映画『世界で一番美しい少年』の特徴。日本版予告編は、『ベニスに死す』の“世界一の美少年、タジオ”を探すため、ヴィスコンティがおこなった大規模オーディションのひとコマからスタート。多くの少年の中からアンドレセンの姿を見つけたヴィスコンティは、彼に歩み寄り、「美しい」と言葉をかける。アンドレセンの運命を変えた瞬間をカメラは捉えていたのだ。アンドレセン家が残してきたホームビデオや音源なども多く使用。『ベニスに死す』出演前に記録した、行動的でありながら音楽好きといった彼のごく普通の少年としての一面も映し出す。また、『ミッドサマー』出演時のメイキング映像も収録。5年の月日をかけてビョルン・アンドレセンに密着映画『世界で一番美しい少年』の監督を務めたのはクリスティーナ・リンドストロムとクリスティアン・ペトリ。再び歩き出そうとするビョルン・アンドレセンに寄り添い、5年の月日をかけて映画を完成させた。監督は連名で、製作意図について「多くの層が重なった物語を伝えることで、ビョルン自身の複雑で深みのある人間性がさらに前に向かっていくことを信じているのです」とコメント。さらに「私たちは、この映画があの少年が他人によって作られたイメージ、アイコン、ファンタジニーとなり、青年期の人生を奪われた物語に耳を傾ける機会を観る者に伝えることが出来ればと願っています」とも語っている。サンダンス映画祭でプレミア上映され話題に映画『世界で一番美しい少年』は、2021年アメリカ・ユタ州で開催されたサンダンス映画祭でプレミア上映されると、評論家たちの間で話題に。オスロ・ピックス映画祭、クリーブランド国際映画祭、セドナ国際映画祭などでも上映された。【詳細】映画『世界で一番美しい少年』公開日:2021年12月17日(金)監督:クリスティーナ・リンドストロム、クリスティアン・ペトリ出演:ビョルン・アンドレセン、池田理代子、酒井政利製作国:スウェーデン/英語・スウェーデン語・仏語・日本語・伊後/2021/シネスコ/5.1chデジタル/98分/字幕翻訳:松浦美奈/映倫G<映画『世界で一番美しい少年』あらすじ>“世界で一番美しい少年”と称賛され、一大センセーションを巻き起こした少年がいた。巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出され、映画『ベニスに死す』(71)に出演したビョルン・アンドレセン。来日時には詰めかけたファン達の熱狂で迎えられ、日本のカルチャーに大きな影響を及ぼした。だが彼の瞳には、憂いと怖れ、生い立ちの秘密が隠されていた…。そして50年後。伝説のアイコンは、『ミッドサマー』(19)の老人ダン役となって私達の前に現れ、その驚愕の変貌ぶりは話題となる。彼の人生に何があったのか。今、ビョルンは、熱狂の“あの頃”に訪れた東京、パリ、ベニスへ向かう。それは、ノスタルジックにして残酷な、自らの栄光と破滅の軌跡をたどる旅――。
2021年10月25日芥川賞作家・津村記久子のデビュー作『君は永遠にそいつらより若い』を初の映画化。佐久間由衣、奈緒をはじめ気鋭の若手俳優たちのキャストで、今回が長編3作目となる吉野竜平が監督を手掛けた。大学卒業を間近に控え、就職も決まって手持ちぶさたな日常を送るホリガイ(佐久間)が主人公。こんな自分が社会の中でちゃんとやっていけるのか。イノギ(奈緒)ら、彼女を取り巻く人間模様を通して、欠落感を抱えたまま他者や社会と関わって生きる若者の姿を描く。日常に潜む暴力や哀しみに触れながら、悩み、焦り、もがくホリガイたちの感情の機微をすくい上げ、その揺れる思いの中から独特な優しさが染みて来る作品だ。今、ドラマや映画で注目の若手女優・佐久間が来阪、今作から伝えたい思いを語った。原作の舞台は関西だが、東京に置き換えて映画化された。ホリガイの役作りは撮影前、吉野監督と一緒に「ホリガイの履歴書みたいなものを作る」ところから始まった。「好きな漫画やテレビ番組、カバンの中身や雨の日は長靴を履くかとか、細かいことを。監督の希望は必ず水筒を持ち歩いている子で、中身は紅茶に決めました」。現場では“履歴書”に縛られず、逆に「その場に集中する時間が増え、自由でいることができて。ホリガイの、その場の空気を読みすぎて空回っているような感じを自分の中で意識しようと心掛けて演じました。客観的に彼女を見て『大丈夫だよ。できるできる』と思いましたが、本人にとってはそれがすごくシリアスな問題なんですよね」。ホリガイを演じながら、撮影は佐久間にとって「昔の自分を思い出すような時間」だったようだ。ホリガイとイノギの関係性も印象に残る。「友情とか恋愛を越えた関係性というか、ふたりはソウルメイトのような奇跡に近い出会いをしたんだろうと。一緒にいて安心する、落ち着く。言葉にできないふたりの信頼関係のようなものが、演じていてすごくうらやましかったです。悩みを持ちながら生きていても、誰かと関わる中で無意識のうちに支えたり支えられたりしているんだと、この映画から私自身が感じました」。佐久間からのメッセージを。「いろいろな捉え方をしていただける映画だと思います。この作品を見た方が、それぞれの思いを重ねて、自分を見つめ直す時間や誰かを想う時間が増えるきっかけになれば。否定でも肯定でもなく、ただ寄り添うような優しい映画として、若い世代からこんな気持ちを懐かしく思う大人の世代まで、幅広い人に届いたらいいなと思っています」。映画『君は永遠にそいつらより若い』は、9月17日(金)より全国公開。取材・文:高橋晴代
2021年09月14日作品数が膨大なサービスから、セレクト眼に定評のあるものまで、多様化が進む動画配信サブスクの最新事情を徹底レポートします!観切れない作品があるという環境を、思う存分楽しんで。作品数も内容も勢いが止まらない動画配信の世界。その現状を、映画ライターの村山章さんに教えてもらいました。「最近、配信と劇場公開の両立が議論されています。新型コロナの影響もあって映画館での公開延期が続出する中、元々劇場用に作られた作品は映画館での上映を重視するのか、配信でなるべく早く作品を届けることに重きを置くか、難しい問題。ただ、劇場に足を運ぶのが難しい人にとっては、話題作をいち早く配信で観られるのは嬉しいことでしょうし、日本の作品がスピーディに世界中に届けられるというメリットもあります」サービスの種類も多様化。「膨大な作品数を誇る会社がある一方、独自のセレクトを押し出したサービスも登場しています。最近では、映画館のル・シネマが、シネフィル好みのブランド力を活かした動画配信を始めたり、JAIHOなど常時30作品とあえて配信数を絞るところも。また、U‐NEXTは、メジャーからマイナーまでライブラリーを充実させようとする意欲が凄く、レンタルビデオ店が家にやってきたような感覚を味わえます。サブスクの選択肢が増え、選べず悩む人もいますが、一生かけても観切れないほど面白い作品がある状況を楽しめればいいのでは。ふとした瞬間に思わぬ名作に出合えます」自分に合ったサービスを見つけるには?「“数を絞って節約しなきゃ”“無料期間に観終わらないと!”と損得感情に囚われず、複数でも気になったものに加入してみて、自由なタイミングで出入りするのでいいと思うんです。一つの指針としては、Amazonで買い物することが多い人はAmazon Prime Videoなど、加入しているサービスと提携した割引があるものに入ってみるなど、自分の生活圏に近いものをまず選ぶといいかもしれません」作品が多すぎて何を観ればいいか迷った時は?「よく聞くのが、Fire TV Stickで、作品リストをあれこれ見ているだけで1時間が経ってしまった…という声。でも、その選んでいる時間もすでにエンタメだと僕は思っています。もし、それがジレンマになるのならば、配信期間終了が近いものから観てみるのはいかがでしょう?ちなみに、Amazon Prime Videoは、“見放題が終了間近の作品”が、トップ画面に表示されます」動画配信作品ならではの楽しみ方って?「計画を立てるのが好きな人は、“1か月の無料期間集中まとめ観計画”を立ててみるのも面白いかもしれません。また、“マイリスト”を溜めたままにしがちな人は、一覧を眺め、ダーツでも当てる気分で気軽にポチッとしてみて。そういう時に意外といい作品に出合えたりするんです。また、最初は避けがちな、見放題でない課金作品に良作が潜んでいることも多く、その発掘も楽しみ方の一つです」【Netflix】オリジナル作品の、圧倒的なクオリティと数が強み。配信作品が米アカデミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げ、オリジナル映画&ドラマ、ドキュメンタリー番組の質に定評のあるNetflix。その作品数も圧倒的だ。さらに、『愛の不時着』『ヴィンチェンツォ』をはじめ、独占配信&オリジナルの韓国ドラマもヒットを連発していて、話題に事欠かない。巨匠監督たちと手を組んだ作品づくり、日本のアニメスタジオを起用したプロジェクトなど、今後も目が離せないラインナップが揃う。『海街チャチャチャ』海辺の町で開業した歯科医の女性(シン・ミナ)と、“万能ニート”の異名を持つ便利屋の青年(キム・ソンホ)。正反対の二人が衝突しながらも恋愛模様を繰り広げる、韓国のラブコメディドラマ。『KonMari ~“もっと”人生がときめく片づけの魔法~』片付けコンサルタント・近藤麻理恵が、悩みを抱える海外の家庭を訪れ、暮らしを整えるメソッドを伝えるシリーズの第2弾。片付けを通して生き方も考えさせられる作品だ。Netflixシリーズ独占配信中【Amazon Prime Video】独自の映画や番組も続々登場!作品の幅広さに磨きがかかる。Amazonプライム会員ならば追加料金なしで利用可能な動画配信サービス。新作映画や日本制作のバラエティ番組配信のイメージが強かったが、未知のエイリアンとの戦争を描いたSF大作『トゥモロー・ウォー』など、オリジナル作品も充実。さらに、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の独占配信も大きな話題となり、新作の最速配信とオリジナル、そして音楽系バラエティと、ますます幅広い視聴者層の心を掴むラインナップに。『ザ・マスクド・シンガー』世界中を熱狂させてきた音楽ライブエンターテインメントの日本版がついに登場。ユニークなマスクで正体を隠した人物のパフォーマンスと歌声から、誰なのか推理する、全く新しい発想の番組。『シンデレラ』シンデレラの物語を現代のアーティストの大ヒットソングとともに綴る、ミュージカル映画。カミラ・カベロが主演を務め、美しい歌声を披露。彼女を助けるゴッドマザー役には、ビリー・ポーターをキャスティング!【WOWOWオンデマンド】社会派からユニークな作品まで幅広いオリジナルドラマが揃う。WOWOWで放送されるドラマやスポーツの大部分を観ることができる他、ライブ配信やアーカイブ配信もあるのが嬉しい。質の高さに定評のあるドラマを中心としたオリジナル番組も、近年さらにパワーアップ。王道のサスペンスドラマだけでなく、配信中の『グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ』などユニークな企画も。また『山河令(さんがれい)』など日本初上陸の中国ドラマが観られる貴重な場でもある。『WOWOWオリジナルドラマ演じ屋』客から依頼された役になりきる職業、演じ屋。演じることで人々の心を救っていく様と、それぞれの“復讐”の形を描く。奈緒・磯村勇斗のW主演で贈る、なりきりエンターテインメント。『WOWOWオリジナルドラマ男コピーライター、育休をとる。』同名の書籍を瀬戸康史主演で映像化したハートフルコメディ。男性コピーライターの育児休業体験を通して会社員が直面する社会問題を考えるきっかけにも。【ザ・シネマメンバーズ】家でミニシアター気分を味わえる、珠玉の名作を目利きがセレクト。国や年代を問わず、毎月2~4本の作品を丁寧に選んで届ける、いわば、ミニシアター系配信サービス。そのセレクトには、アート系の作品にも、できるだけハードルを下げて気軽に触れてほしい、という想いが込められている。作品数と配信期間に制限を設けることで、自分好みの作品がズラリと並んだ名画座のような存在に。名匠監督の特集のほか、「映画を撮ることについての映画」など、独自のテーマ立てをした特集も行っている。『コロンバス』“そしてまた歩き出す。”というテーマでセレクトされた一作。モダニズム建築の宝庫と呼ばれる街で出会った男女の物語。韓国系アメリカ人監督・コゴナダの初長編映画。小津安二郎の構図にも通じる映像美も必見。©2016 BY JIN AND CASEY LLC ALL RIGHTS RESERVED.『海辺のポーリーヌ』恋愛喜劇の巨匠、エリック・ロメール監督特集にて配信。海のある避暑地で繰り広げられる、少女のひと夏の体験を描く‘83年の作品。ロメール監督作品は、好評に応えて9月15日から再配信が決定。イチオシの新作はコレ!©1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.【U‐NEXT】巨大レンタルビデオ店の棚を眺めている時の楽しさを再現。『フレンズ:ザ・リユニオン』など、米の大手TVネットワークHBOとHBO Max作品の独占配信が話題となった。それだけでなく、見放題作品の数が最も多く、レンタルビデオ店のコーナーPOPを思わせるような楽しいテーマ切りの映画や、韓国ドラマ、タイドラマなど、ジャンルは幅広い。加入すると電子書籍の利用もできるため、原作と映像化作品を併せて観る、なんていうことも可能。新作映画の視聴などに使えるポイントが毎月1200ポイント貰えるのも嬉しい!『ゴシップガール』社会現象を巻き起こした同名ドラマの制作陣が再結集、キャストを刷新して、より過激になって帰ってきた!NYに住むリッチなZ世代たちのゴージャスな日常を彩る、最新ファッションも見逃せない。©2021 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reseved. HBO Max TM is used under license.『ホテルデルーナ』IU 演じる気難しいホテルオーナーと、ヨ・ジング演じるエリートホテリエが、幽霊だけが泊まれるホテルを舞台に繰り広げるファンタジーラブロマンスドラマ。韓国のtvNで‘19年最高視聴率を獲得した話題作。独占配信©STUDIO DRAGON CORPORATION村山 章さん映画ライター。配信系の映画作品を中心に取り上げるレビューサイト「ShortCuts」 代表も務める。最近は、ハル・ハートリー監督作品のBlu-rayの字幕監修も担当。※『anan』2021年9月15日号より。取材、文・浦本真梨子(by anan編集部)
2021年09月11日