世界中で愛されるフィンランドの森に住む『ムーミン』から伝わる、北欧の風土やライフスタイルを紹介する展示「フィンランドのくらしとデザイン」展への招待が、3月20日からBunkamura Galleryにてスタートする。デザイン:ユホ・ヴィータサロ 《Nuppu(ヌップ)》本展は、今年4月からスタートする全国巡回展「フィンランドのくらしとデザインームーミンが住む森の生活」の開催に先駆けた展示。『ムーミン』を生み出した画家で作家のトーヴェ・ヤンソンが生涯を過ごした20世紀に、国際的に高い評価を得て今もなお大きな影響を及ぼす、フィンランドの美術とデザイン。©Iittalaそれらをフィンランドの家具やガラス、陶器、テキスタイルなど、北欧を代表するデザイナーの現行品やヴィンテージの食器やファブリック、オリジナルグッズの展示販売を通して紹介する。販売商品一例(内容は変更になる可能性があります)アヌ・トゥオミネン 《レモン味のアイスクリーム》 ©Anu Tuominen & Art-U room, 2012また会期中は毎日イベントを開催。フィンランド人手芸ユニット「TAKKU(タック)」による、フィンランドの民族衣装の飾り紐やベルト、ヘッドバンドとして使われる伝統工芸「ピルタナウハ織」や、『ヒンメリ フィンランドの伝統装飾』の著者であるおおくぼともこさんによる麦わらで作るモビール「ヒンメリ」のワークショップも行う。ワークショップで作るピルタナウハ織の飾り紐。フィンランドの伝統装飾「ヒンメリ」。展示を通して、暮らしから見えてくるフィンランドのデザインを感じてみては?「フィンランドのくらしとデザイン」展への招待会期:3月20日(火・祝)~28日(水) 10:00~19:30会場:Bunkamura Gallery※入場無料お問い合わせ:ワークショップの予約:03-3477-9174ワークショップは定員になり次第、締め切らせていただきます。 【ワークショップ】(予約制)・フィンランドの伝統手工芸『ピルタナウハ』織体験日時:3月26日(月) 10:30~/14:00~/17:00~ 各回約2時間講師:手芸ユニットTAKKU(タック)定員:各回10名参加費:4,000円・フィンランドの伝統装飾『ヒンメリ』作り日時:3月27日(火) 10:30~/14:00~ 各回約2時間講師:おおくぼともこ定員:各回10名参加費:4,000円 取材/赤木真弓
2012年03月07日大阪・阿倍野区の昭和町といえば、戦災をくぐり抜けた長屋が点在し、昔ながらのたたずまいが今なお残るところ。毎年4月28日の「昭和の日」には、落語、紙芝居、あめ細工といった懐かしい昭和の文化が体感できるイベントが開催されるなど、注目を集めているエリアでもある。そんな、かっぽう着姿のお母さんやラッパを吹きながらやってくるお豆腐屋さんが似合いそうな路地裏に、「暮らし用品」という器と道具のお店が今年1月7日にオープンした。ウェブデザイナーでもあるオーナーの米田紀子さんは、もともと料理好き、器好きということもあって 3年前から、主に作家ものを扱う同名のネットショップを運営していた。そんなある日、自らの曾祖父が建てた長屋の一室が空いたことをきっかけに、実店舗の オープンを決意。建物の老朽化や住人の高齢化により取り壊してしまう長屋も多い中、商品となる器や道具だけでなく、長屋という空間の再生そ のものを見て欲しい、という想いもあったのだとか。小さな看板が控えめに出ている玄関から、「こんにちは」と靴を脱いで上がるスタイル。懐かしいたたずまいは生かしつつモダンさを感じる空間にリノベーションされており、畳の上でお茶をいただきながら、手にとってじっくり気に入った器を選ぶことができる。「もうすこしあたたかくなったら、縁側でお庭を眺めながらゆっくりくつろいでいただければ」と米田さん。床の間の真ん中にある小さな壺には、ドライ植物をさりげなく生けて。あえて作家ごとにスペースを分けず、ひとつの空間にいろいろな作家の作品が並ぶが、不思議と統一感がある。「シンプルだけどどこか有機的で、人の手のぬくもりが感じられるもの、を基準に選んでいます。ふだん使いの器として長く愛着を持って使っていただきたいので、重ねて仕舞えることや、お手入れがしやすいものを多く揃えています」玄関のすぐ横にある、板張りのスペース。壁にはあたたかみのある手漉きの和紙を貼り、窓枠や建具を専門の職人さんに依頼するなど、内装の隅々にまでこだわりが。 スープ皿、カフェオレボウル、ミルクピッチャー、お箸やカトラリー、カッティングボード、小皿などが、やわらかな光の中で美しく映える。取り扱い作家は、<陶器>浅井純介、石原稔久、岩田圭介、大前悟、小山乃文彦、寒川義雄、鶴見宗次、西川聡、広川絵麻、吉岡萬理<木工>柏木圭、鈴木努 <金属>小沢敦志 <ガラス>鳥山高史(敬称略)など、総勢14人。今後、各作家の個展などもこの場所で年末あたりから開催予定だそう。小沢敦志さんのステンレス製ケーキフォークは「こういうのをつくってほしい」という作家とのやりとりから定番になった商品だそう。持ち手が長めで細くて軽いので持ちやすく、菓子皿から転げ落ちにくい。器のみならず、こんなにファニーでキュートな陶製の動物も。石原稔久さんの作品で、さまざまな動物たちが登場する絵本なども手掛けていらっしゃるそう。最後に直球ストレートな店名に込めた想いをうかがってみたところ、「外国語の洒落た店名は、私には似合わないかな、と(笑)。でも、世代を問わずに覚えやすいと 言っていただくことも多いので、よかったかなと思っています。今後も新しいことをどんどんやっていくというよりは、かっこつけずに、地味だけど着実に、長く続けていくことを大切にしていきたいですね」春を待ちわびる季節、食卓に優しい風をはこんでくれる器を探しに出かけてみてはいかがだろう? 昭和町にはオーガニック弁当の「米day No.1」、天然酵母パンの「ふくらすずめ」、自家焙煎珈琲 の「うさぎとぼく」、カフェ「萌木星(ほうきぼし)」などなど、歩いてまわれる距離に注目のショップが点在しているので、昭和を偲びつつ、のんびりとお散歩するのにもぴったりだ。器と道具「暮らし用品」大阪市阿倍野区阪南町1-45-15電話:(06)6628ー2606営業日: 金・土・日の11:00~18:00ウェブショップ 取材/野崎 泉
2012年02月08日